[go: up one dir, main page]

JP2004024248A - 本醸造淡色醤油及びその製法 - Google Patents

本醸造淡色醤油及びその製法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004024248A
JP2004024248A JP2003126252A JP2003126252A JP2004024248A JP 2004024248 A JP2004024248 A JP 2004024248A JP 2003126252 A JP2003126252 A JP 2003126252A JP 2003126252 A JP2003126252 A JP 2003126252A JP 2004024248 A JP2004024248 A JP 2004024248A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
soy sauce
light
lactic acid
total nitrogen
brewed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003126252A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshinobu Mogi
茂木 喜信
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamasa Shoyu KK
Original Assignee
Yamasa Shoyu KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamasa Shoyu KK filed Critical Yamasa Shoyu KK
Priority to JP2003126252A priority Critical patent/JP2004024248A/ja
Publication of JP2004024248A publication Critical patent/JP2004024248A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Soy Sauces And Products Related Thereto (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

【課題】色が淡くてもコクのあるうま味を有する本醸造淡色醤油、その製法及びその製造に使用可能な耐塩性乳酸菌を提供する。
【解決手段】JAS分析法による色度が40番以上で、全窒素分が1.2%(w/v)以上で、かつ全窒素1.0%(w/v)あたりの直接還元糖分の割合が4.5%(w/v)以上である本醸造淡色醤油、仕込後の温度を10〜20℃の範囲内で維持管理することを特徴とする、上記本醸造淡色醤油の製造法、およびテトラジェノコッカス・ハロフィラス属に属し、全窒素分1.0%(w/v)以上、食塩分15%(w/v)以上、及びpH5.5〜7.0に調整した培地を用い、10〜15℃で培養した時に2週間以内で生育が定常期に達する耐塩性乳酸菌に関する。

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、色が淡くてもコクのあるうま味を有する本醸造淡色醤油、その製法及びその製造に使用可能な耐塩性乳酸菌に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
日本農林規格(JAS)には、醤油の製造法として本醸造方式、新式醸造方式、アミノ酸混合方式などがあり、そのなかでも本醸造方式で製造された醤油が品質的に最良なものとされている。
本醸造方式で製造された醤油には、原料や醸造方法の違いにより、濃口(こいくち)醤油、淡口(うすくち)醤油、溜(たまり)醤油、白(しろ)醤油、再仕込(さいしこみ)醤油などがあり、それぞれの特長に応じた使い分がなされている。たとえば、淡口醤油や白醤油は、色彩が淡く着色を好まない加工品の調味用として広く使用されている。
【0003】
しかしながら、市販されている淡口醤油は、淡いものでも醤油の色度が30番程度であり(JASの規格における淡口醤油・特級は22番以上と規定されている。なお、色度の番号は色の濃淡を示し、番号が大きいほど色が淡くなる。)、着色を抑え、素材の色合いを損ねたくない加工品の調味には必ずしも適さない場合があった。また、白醤油は、淡口醤油よりも色は淡いものの、大豆原料を極く少量しか使用していないため、大豆原料に由来するコクのあるうま味がなく、調味の点で満足できない場合があった。
【0004】
従来、上記のような欠点を克服するため、コクのあるうま味を有する淡色醤油の製造が2つの方向から検討されてきた。1つは、通常の方法で得られた濃口醤油や淡口醤油を樹脂や膜を用いて脱色する方法であり、もう1つは、特開平7−31410号公報記載の方法に代表されるように、原料処理や発酵管理を変更することでコクのあるうま味を有する淡色醤油を製造しようとする方法である。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−31410号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、樹脂や膜を用いて醤油を脱色する方法は、それらの処理が色以外の味覚成分や香気成分のバランスにも影響を及ぼし、脱色できたとしても官能的な評価の点で未処理の本醸造醤油よりも劣ったものになってしまうという欠点があった。また、もう1つの原料処理や発酵管理を変更する方法は、変更された原料処理方法や発酵管理方法が煩雑であり、結果として製品単価の上昇を招き、安価な醤油の製造法としては必ずしも満足できるものではなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる実状に鑑み、本発明者は、官能的な評価が本醸造の濃口醤油にも劣らず、コクのあるうま味を有する淡色醤油の簡便かつ安価な製造法を見いだすべく鋭意検討を重ねた結果、仕込み後の温度を10〜20℃の範囲内に一定に維持するという極めて簡便な方法でコクのあるうま味を有する淡色醤油を製造可能であることを見い出した。
【0008】
この知見を更に検討した結果、低温での生育能に優れた耐塩性乳酸菌を添加することで、JAS分析法による色度が40番以上で、全窒素分が1.2%(w/v)以上で、かつ全窒素1.0%(w/v)あたりの直接還元糖分の割合が4.5%(w/v)以上であり、コクのあるうま味を有する本醸造淡色醤油が安定した品質で製造できることを見いだし、本発明を完成させた。
【0009】
したがって、本発明は、JAS分析法による色度が40番以上で、全窒素分が1.2%(w/v)以上で、かつ全窒素1.0%(w/v)あたりの直接還元糖分の割合が4.5%(w/v)以上である本醸造淡色醤油に関するものである。この醤油は、大豆由来のコクのあるうま味を有し、食材に、着色させることなく醤油本来の味覚と風味を付与できる今までにない醤油である。
【0010】
また、本発明は、仕込後の温度を10〜20℃の範囲内で維持管理することを特徴とする、上記の本醸造淡色醤油の製造法、好ましくはこの方法に低温での生育能に優れた耐塩性乳酸菌を添加する方法に関するものである。これらの製法は、上記のコクのあるうま味を有する本醸造淡色醤油を安定した品質で製造することができる。
【0011】
さらに、本発明は、上記方法で使用可能な、テトラジェノコッカス・ハロフィラス属に属し、全窒素分1.0%(w/v)以上、食塩分15%(w/v)以上、及びpH5.5〜7.0に調整した培地を用い、10〜15℃で培養した時に2週間以内で生育が定常期に達することを特徴とする耐塩性乳酸菌に関するものである。このような乳酸菌の代表例としてはテトラジェノコッカス・ハロフィラス YSTLG−2(生命工学工業技術研究所受託番号 FERM BP−7513)を例示することができ、低温でも安定した乳酸発酵を行うことができるので、上記のコクのあるうま味を有する本醸造淡色醤油を製造するのに有用である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の本醸造淡色醤油の製造に使用するタンパク質原料としては、丸大豆または脱脂加工大豆が例示される。より淡色を求める場合には丸大豆を使用するのが好ましく、その処理方法や条件は、通常の醤油の製造時に行われる方法・条件と同じである。
また、炭水化物原料としては、通常の醤油と同様に加熱変性後、割砕した小麦または市販の加工小麦(「こうじむぎ」(日清製粉)など)を使用することができ、特に淡色用に調製された加工小麦が好ましい。
タンパク質原料と炭水化物原料の配合比は、重量比で20:80〜80:20、特に40:60〜60:40が好ましい。
【0013】
処理して得られた上記原料を混合後、麹菌を接種して製麹し、発酵タンクに仕込み、温度を制御しながら発酵を行わせることで、色彩が淡く、かつコクのあるうま味を有する本発明の本醸造淡色醤油を得ることができる。
発酵管理において最も重要な点は、仕込後の温度を10〜20℃の範囲内で、できるだけ一定に維持管理することである。
従来の淡口醤油の製造は、仕込後1ヶ月間位は10〜20℃に維持し、その後25〜30℃に維持し、トータル3ヶ月間程度発酵させる方法が一般的である(特開平7−31410号公報参照)。しかしながら、このような従来の温度管理では色度が40番以上で、全窒素分が1.2%(w/v)以上の本発明の本醸造淡色醤油を得ることはできず、上記したように仕込後の温度を10〜20℃の範囲内でできるだけ一定に維持管理し、3〜4ヶ月程度醸造することにより初めて製造することができる。
【0014】
さらに、醤油の場合にはいわゆる開放系で発酵が行われるため、仕込む直後の乳酸発酵がスムーズに進行しない場合もある。このような時には、乳酸菌、特に低温での生育能に優れた耐塩性乳酸菌を添加することにより本発明の本醸造淡色醤油を安定した品質で製造することができる。
使用する乳酸菌としては、醤油醸造に使用されている耐塩性乳酸菌であればよく、より好ましくはテトラジェノコッカス・ハロフィラス属に属し、全窒素分1.0%(w/v)以上、食塩分15%(w/v)以上、及びpH5.5〜7.0に調整した培地を用い、10〜15℃で培養した時に2週間以内で生育が定常期に達するような低温での生育能の優れた耐塩性乳酸菌である。
【0015】
このような乳酸菌は通常の醤油諸味から分離可能で、その代表例としては、テトラジェノコッカス・ハロフィラス YSTLG−2(生命工学工業技術研究所受託番号 FERM BP−7513)を例示することができる。
この乳酸菌(本菌株)は本発明者によって醤油諸味より分離されたもので、菌学的には以下の性質を有する。
1)形態的性質
本菌株の栄養細胞は0.6〜0.8ミクロンの球菌であり、テトラッドを作り、二連状のものもある。また、運動性はなく、胞子は形成せず、グラム染色の結果は陽性である。
【0016】
2)生理的性質
(1)カタラーゼ;陰性、
(2)硝酸塩の還元;陰性、
(3)グルコースからの酸の生成;陽性、
(4)グルコースからのガスの生成;陰性、
(5)発酵形式;ホモ型、
(6)生育の範囲;pH5.5〜9.0で生育し、最適なpHは7.0、温度は15〜30℃で良く生育し、45℃以上では生育しない。
(7)塩化ナトリウムの耐性;塩化ナトリウム3〜6%(w/v)で最もよく生育し、塩化ナトリウム20%(w/v)の濃度でも生育し、強い耐塩性を有する。
【0017】
3)DNAの相同性
理化学研究所微生物系統保存施設の保存菌株であるテトラジェノコッカス・ハロフィラスJCM5888に対するDNAの相同性は104%である。
4)菌株の低温発酵性
本菌株とテトラジェノコッカス・ハロフィラスJCM5888との低温下での生育と乳酸発酵について試験した結果、テトラジェノコッカス・ハロフィラスJCM 5888株と比較し、本菌株は低温での生育が旺盛であり、乳酸発酵も行われていることが判明した。
【0018】
このような形態的、生理学的な性質およびDNAの相同性の試験結果から、本菌株はテトラジェノコッカス・ハロフィラスに属すると考えられるが、テトラジェノコッカス・ハロフィラスJCM5888とは低温での生育が異なることから、本菌株を新菌株であると同定した。
【0019】
乳酸菌の添加時期は、例えば麹に添加する場合には製麹が殆ど完了した時期がよく、諸味に添加する場合には仕込み時から酵母によりアルコールが生成されるまでの間が好ましい。また、添加量は、諸味1g当たり10〜10個程度が好ましい。
前記の温度管理以外は通常の醤油の醸造管理と同様に管理し、熟成諸味を得、常法により圧搾、製成、必要により火入を行い、製品醤油(生醤油あるいは火入醤油)とする。
【0020】
このような方法で得られた本発明の本醸造淡色醤油は、JAS分析法による色度が40番以上で、全窒素分が1.2%(w/v)以上で、かつ全窒素1.0%(w/v)あたりの直接還元糖分の割合が4.5%(w/v)以上である。このような本醸造淡色醤油の中でも、色度が46番以上で、全窒素分が1.5%(w/v)以上で、かつ全窒素1.0%(w/v)あたりの直接還元糖分の割合が5.0%(w/v)以上である淡色醤油は、白醤油なみの色度を有し、かつ濃口醤油なみの窒素濃度と直接還元糖分量を有することから、色彩が淡く、かつコクのあるうま味を有する本醸造醤油である。
【0021】
【発明の効果】
本発明の本醸造淡色醤油は、色彩が極めて淡く、コクのあるうま味を有し、官能的にも本醸造と同等の醤油であり、着色を好まない加工品の調味料として極めて優れたものである。また、本発明の本醸造淡色醤油は、果実様のエステル臭も有し、香気的にも好ましいものであった。
また、本発明の製造法は、上記のコクのあるうま味を有する本醸造淡色醤油を安定した品質で製造することができる。
さらに、本発明の乳酸菌は、低温でも安定した乳酸発酵を行うことができるので、上記のコクのあるうま味を有する本醸造淡色醤油を製造するのに有用である。
【0022】
【実施例】
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明がこれに限定されないことは明らかである。
【0023】
実施例1
(1)乳酸菌の分離
醤油諸味を適当に希釈し、生揚げ醤油20%(w/v)、酵母エキス0.5%(w/v)、ペプトン0.5%(w/v)、グルコース0.5%(w/v)、リン酸二水素カリウム0.5%(w/v)、食塩12%(w/v)、pH6.0の培地にて10〜15℃で1週間静置培養を行った。1週間経過後、培養液を新たな同組成の培地に接種し、これを4回繰り返し培養した。4回目の培養終了後、同組成の培地に寒天を1.5%(w/v)加えた平板培地にて嫌気培養を15℃で10日間行った。該平板上のコロニーを無作為に、仕込み初期の諸味液汁に接種し、15℃で10日間培養して生育度を測定し、特に生育の早い順から分離株4株を得、最も生育の早い菌株をテトラジェノコッカス・ハロフィラス YSTLG−2株とした。
【0024】
(2)生育能試験
分離株の醤油諸味における生育能をより厳密に試験するため、仕込み後2週間経過した諸味液汁を食塩15%(w/v)、pH6.0に調整後、無菌濾過して培地とし、テトラジェノコッカス・ハロフィラスJCM 5888株とテトラジェノコッカス・ハロフィラス YSTLG−2株の両菌株を15℃で2週間静置培養し、その生育能を比較した。
その結果、テトラジェノコッカス・ハロフィラス YSTLG−2株の15℃での生育能は、テトラジェノコッカス・ハロフィラス JCM5888の15℃での生育能の約6.7倍の生育能を有していた。
【0025】
(3)乳酸発酵能試験
テトラジェノコッカス・ハロフィラス YSTLG−2株を生揚げ醤油20%(w/v)、酵母エキス0.5%(w/v)、ペプトン0.5%(w/v)、グルコース0.5%(w/v)、リン酸二水素カリウム0.5%(w/v)、食塩12%(w/v)、pH6.0の培地で培養して培養液を得た。
常法により調製した醤油麹3.5kgを塩水5.4リットル(L)と混合し、発酵タンクに仕込んだ後、テトラジェノコッカス・ハロフィラス YSTLG−2株の該液体培養液10ml(諸味1g当たり10個以上の菌体量)を添加した。その後、15℃で諸味管理し、乳酸発酵を試験した。
【0026】
また、対照としてテトラジェノコッカス・ハロフィラスJCM 5888株を添加した諸味についても同様に試験した。なお、諸味の乳酸量は諸味を東洋濾紙株式会社製の定性濾紙No2で自然濾過し、その濾過液を昭和電工株式会社製有機酸分析セットShodex OAにより分析した。また、耐塩性乳酸菌数は、諸味を適当に希釈し、生揚げ醤油20%(w/v)、酵母エキス0.5%(w/v)、ペプトン0.5%(w/v)、グルコース0.5%(w/v)、リン酸二水素カリウム0.5%(w/v)、食塩12%(w/v)、寒天1.5%(w/v)の寒天平板培地(pH6.0)で嫌気的に30℃で5日間行い、該平板上に出現したコロニー数を計測して算出した。
【0027】
乳酸発酵期の乳酸量及び耐塩性乳酸菌数を図1と図2に示した。図に示したように、テトラジェノコッカス・ハロフィラス YSTLG−2株を添加した諸味でのみ乳酸発酵が行われ、テトラジェノコッカス・ハロフィラスJCM 5888株を添加した諸味では乳酸発酵はほとんど行われなかった。また、テトラジェノコッカス・ハロフィラス YSTLG−2株添加では生菌数は諸味1gあたり最大で10個の生菌数に達しており、淡口醤油の通常の温度経過で認められる乳酸発酵と同程度の乳酸生成量を示すことも明らかとなった。
【0028】
実施例2
丸大豆6kgに25Lの水を加え1晩浸漬後、高圧蒸煮缶にて蒸煮圧力4kg/cmで10分蒸煮を行った。この蒸煮大豆に加熱変性後、割砕した小麦を5.2kgを加え、種麹と共に混合し、製麹を行った。得られた麹を冷塩水と共に仕込み、テトラジェノコッカス・ハロフィラス YSTLG−2株の該液体培養液を諸味1g当たり10個程度の菌体量になるように添加し、仕込み直後10℃、2週間後に15℃〜18℃とし、3ヶ月間醸造し、色の淡い本醸造醤油を得た。
【0029】
実施例3
割砕小麦に代え、加工小麦〔日清製粉(株)製;こうじ麦E〕を使用する以外は、実施例2と同様に処理、管理し、色の淡い本醸造醤油を得た。
実施例4
丸大豆に代え、脱脂大豆5kgに7Lの水を加え1時間混合後、高圧蒸煮缶にて蒸煮圧力4kg/cmで10分蒸煮したものを使用し、割砕小麦に代え、加工小麦〔日清製粉(株)製;こうじ麦E〕を使用する以外は、実施例2と同様に処理、管理し、色の淡い本醸造醤油を得た。
【0030】
比較例
脱脂大豆5kgに7Lの水を加え1時間混合後、高圧蒸煮缶にて蒸煮圧力4kg/cmで10分蒸煮を行った。この蒸煮脱脂大豆に加熱変性後、割砕した小麦を5.2kgを加え、種麹と共に混合し、製麹を行った。得られた麹を冷塩水と共に仕込み、仕込み直後10〜15℃、1ヶ月後に25℃〜30℃まで温度を上げ、トータル3ヶ月間醸造し、標準的な淡口醤油を得た。
【0031】
実施例2〜4および比較例の方法において得られる醤油の全窒素分(TN)、pH、色度及び還元糖量(%)を測定した結果を表1に示す。また、比較例の方法において得られた淡口醤油を活性炭樹脂により脱色し実施例2の醤油の色度に合わせたものと、実施例2の本発明の淡色醤油とを熟練のパネラーにより香味を評価した。その官能評価の結果を表2に示す。
これらの結果から明らかなように、本発明の醤油は、白醤油なみの色度と濃口醤油なみの窒素濃度と直接還元糖分量を有し、官能的にもコクのあるうま味を有する本醸造醤油である。
【0032】
【表1】
Figure 2004024248
【0033】
【表2】
Figure 2004024248
【0034】
【受託証】
Figure 2004024248
【0035】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、テトラジェノコッカス・ハロフィラス YSTLG−2株を添加した諸味での乳酸発酵時の乳酸量及び耐塩性乳酸菌数を示したものである。
【図2】図2は、テトラジェノコッカス・ハロフィラスJCM 5888株を添加した諸味での乳酸発酵時の乳酸量及び耐塩性乳酸菌数を示したものである。

Claims (5)

  1. JAS分析法による色度が40番以上で、全窒素分が1.2%(w/v)以上で、かつ全窒素1.0%(w/v)あたりの直接還元糖分の割合が4.5%(w/v)以上である、本醸造淡色醤油。
  2. 仕込後の温度を10〜20℃の範囲内で維持管理することを特徴とする、請求項1記載の本醸造淡色醤油の製造法。
  3. テトラジェノコッカス・ハロフィラス属に属し、全窒素分1.0%(w/v)以上、食塩分15%(w/v)以上、及びpH5.5〜7.0に調整した培地を用い、10〜15℃で培養した時に2週間以内で生育が定常期に達する耐塩性乳酸菌を添加する、請求項2記載の製造法。
  4. テトラジェノコッカス・ハロフィラス属に属し、全窒素分1.0%(w/v)以上、食塩分15%(w/v)以上、及びpH5.5〜7.0に調整した培地を用い、10〜15℃で培養した時に2週間以内で生育が定常期に達することを特徴とする耐塩性乳酸菌。
  5. テトラジェノコッカス・ハロフィラス YSTLG−2(生命工学工業技術研究所受託番号 FERM BP−7513)である、請求項4記載の耐塩性乳酸菌。
JP2003126252A 2002-05-02 2003-05-01 本醸造淡色醤油及びその製法 Pending JP2004024248A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003126252A JP2004024248A (ja) 2002-05-02 2003-05-01 本醸造淡色醤油及びその製法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002130266 2002-05-02
JP2003126252A JP2004024248A (ja) 2002-05-02 2003-05-01 本醸造淡色醤油及びその製法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004024248A true JP2004024248A (ja) 2004-01-29

Family

ID=31190047

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003126252A Pending JP2004024248A (ja) 2002-05-02 2003-05-01 本醸造淡色醤油及びその製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004024248A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20080138889A1 (en) * 2005-02-10 2008-06-12 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Semiconductor Device
JP5312322B2 (ja) * 2007-07-03 2013-10-09 キッコーマン株式会社 インターフェロンβ産生促進剤及びその製造法
JP2014030385A (ja) * 2012-08-03 2014-02-20 Ueda Oils & Fats Mfg Co Ltd 摂餌促進組成物およびそれを含有する飼料
WO2014192315A1 (en) * 2013-05-31 2014-12-04 Yamasa Corporation Brewed soy sauce and method of producing the brewed soy sauce
JPWO2014088002A1 (ja) * 2012-12-03 2017-01-05 キッコーマン株式会社 ケトオクタデカジエン酸の製造方法
KR20180085739A (ko) 2015-11-06 2018-07-27 기꼬만 가부시키가이샤 간장풍 조미료
CN109938243A (zh) * 2019-03-27 2019-06-28 江南大学 一种复合菌种降低酱油中氮代谢危害物含量的方法
JP2022129806A (ja) * 2021-02-25 2022-09-06 株式会社Mizkan Holdings 植物性タンパク質の分解物を含有する組成物及びその製造方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20080138889A1 (en) * 2005-02-10 2008-06-12 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Semiconductor Device
JP5312322B2 (ja) * 2007-07-03 2013-10-09 キッコーマン株式会社 インターフェロンβ産生促進剤及びその製造法
JP2014030385A (ja) * 2012-08-03 2014-02-20 Ueda Oils & Fats Mfg Co Ltd 摂餌促進組成物およびそれを含有する飼料
JPWO2014088002A1 (ja) * 2012-12-03 2017-01-05 キッコーマン株式会社 ケトオクタデカジエン酸の製造方法
WO2014192315A1 (en) * 2013-05-31 2014-12-04 Yamasa Corporation Brewed soy sauce and method of producing the brewed soy sauce
US9386789B2 (en) 2013-05-31 2016-07-12 Yamasa Corporation Brewed soy sauce and method of producing the brewed soy sauce
KR20180085739A (ko) 2015-11-06 2018-07-27 기꼬만 가부시키가이샤 간장풍 조미료
KR20200044146A (ko) 2015-11-06 2020-04-28 기꼬만 가부시키가이샤 간장풍 조미료
CN109938243A (zh) * 2019-03-27 2019-06-28 江南大学 一种复合菌种降低酱油中氮代谢危害物含量的方法
JP2022129806A (ja) * 2021-02-25 2022-09-06 株式会社Mizkan Holdings 植物性タンパク質の分解物を含有する組成物及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4577706B2 (ja) 液体麹の製造方法及びその利用
CN111248409B (zh) 一种低盐豆瓣酱发酵方法
JP4128892B2 (ja) 飲食品の塩味増強方法及びそれに用いられる調味料
CN117645964B (zh) 一株琥珀葡萄球菌及其应用
JPH07227245A (ja) 発酵食品の製造方法
KR101041538B1 (ko) 양조 간장의 제조 방법
CN104543940A (zh) 一种淡色酱油的酿造方法
CN114703112B (zh) 嗜盐四联球菌嗜盐亚种及其应用
CN116602391A (zh) 一种低盐豆酱调味料的制备方法
JP2004024248A (ja) 本醸造淡色醤油及びその製法
KR101645177B1 (ko) L-글루탐산 생산성이 향상된 고품질 간장의 제조방법
CN117187109B (zh) 一种尼泊尔葡萄球菌及其应用
JP2020025506A (ja) 新規乳酸菌、及びそれを用いた醤油の製造方法
JPH05219915A (ja) 低塩醤油の製造法
JP3718681B1 (ja) 雑穀類を用いる液体麹の製造法
JP3718678B1 (ja) 玄米を用いる液体麹の製造方法
Uchida Trends in preparation and uses of fermented and acid—hydrolyzed soy
KR101041019B1 (ko) 된장 발효물의 제조 방법
JPH0559699B2 (ja)
JP3266366B2 (ja) 味噌風調味料
JPH0746966A (ja) 無臭ニンニクエキスの製造方法
KR100607159B1 (ko) 고추장 제조에 사용되는 미생물
JP2002281934A (ja) 本醸造淡色醤油及びその製法
CN112961801B (zh) 一种贝莱斯芽胞杆菌及强化零添加酱油鲜味氨基酸的应用
JP7705132B2 (ja) 新規な好塩性乳酸菌ならびにこれを用いる回復系アミノ酸および食品組成物の製造方法