JP2004022640A - 水上設置用太陽電池発電装置の電気的接続構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】水面上に敷設して太陽光発電を行い電力を発生させる水上設置型太陽光発電装置において、必ずしも高気密性コネクタを使用しなくても、電気的に安全で安価な電気的接続構造を提供する。
【解決手段】太陽電池モジュール2に接続する電気ケーブル11のうち、水に接触する部分及び水に接触するおそれのある部分の少なくとも一部の外周を、導電性材料からなる通路体で被覆する。
【選択図】 図3
【解決手段】太陽電池モジュール2に接続する電気ケーブル11のうち、水に接触する部分及び水に接触するおそれのある部分の少なくとも一部の外周を、導電性材料からなる通路体で被覆する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、湖やダム湖、河川、海洋などの水面上に敷設されて、太陽光発電によって電力を発生させる水上設置型太陽光発電装置における、太陽電池モジュール間を電気的に接続する際の電気ケーブルの敷設構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、エネルギー問題の解決のために推進されてきた原子力発電政策も、原子力関連設備の事故などもあり停滞している。さらに、環境問題も社会問題化しており、環境に優しいエネルギーが求められている。この環境に優しいエネルギー技術の一つとして太陽電池が挙げられる。
【0003】
本発明の出願人は、太陽電池の大規構な設置場所として水上に注目して、水面直上に厚みの薄い箱体状のフロート(浮体)に太陽電池モジュールを積載してなる太陽電池ユニットを、多数個、簡便に敷設可能な水上設置型太陽光発電装置について、先に特許出願(特願2000−305938)を行っている。
ここに、大規模な太陽光発電を行うには、多数の太陽電池ユニットを敷設する必要があり、また、各太陽電池モジュールで発電した電力を陸上に送電するためには、水上に敷設された各太陽電池ユニットの太陽電池モジュール同士を、電気ケーブルで電気的に接続する必要がある。
【0004】
なお、多数の太陽電池ユニット間を電気的に直列若しくは並列に接続することなく、各太陽電池モジュールで発電した電力を個々に陸上まで送電することは非現実的であり、太陽電池モジュール間を電気的に接続し、まとめて陸地まで送電する必要がある。ただし、太陽電池モジュール間の電気的接続は、必ずしも隣り合う太陽電池モジュール間で行われるとは限らない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
通常、水上あるいは水中での電気的接続は、電気ケーブル同士を高価な高気密性のコネクタを使用する必要があるが、大規模な発電を考えた場合、高気密性コネクタが多数必要となり、高コストになる。
また、水中にある電気ケーブルの被覆部に亀裂あるいはピンホール等の損傷が生じると、漏電により周囲の生物が感電する懸念がある。
【0006】
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、湖やダム湖、河川、海洋などの水面上に敷設して太陽光発電を行い電力を発生させる水上設置型太陽光発電装置において、必ずしも高気密性コネクタを使用しなくても、電気的に安全で安価な電気的接続構造を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のうち請求項1に記載した発明は、太陽電池モジュールと該太陽電池モジュールを浮上支持する浮体とからなる太陽電池ユニットを、水面に沿って複数個配置してなる水上設置用太陽電池発電装置における、上記太陽電池モジュール間を電気ケーブルで電気的に接続するにあたり、
上記電気ケーブルのうち、水に接触する部分及び水に接触するおそれのある部分の、少なくとも一部の外周を、導電性材料で被覆することを特徴とする水上設置用太陽電池発電装置の電気的接続構造を提供するものである。
【0008】
次に、請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した構成に対し、上記浮体に、導電性材料からなる通路を設け、その通路内を通るように上記電気ケーブルを配線することで上記被覆を行うことを特徴とするものである。
次に、請求項3に記載した発明は、請求項1又は請求項2に記載した構成に対し、導電性材料からなるメッシュ状部材で上記電気ケーブルの外周を覆うことで上記被覆を行うことを特徴とするものである。
【0009】
次に、請求項4に記載した発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載した構成に対し、上記導電性材料で被覆する位置は、少なくとも電気ケーブル同士の接続部を含む位置であることを特徴とするものである。
次に、請求項5に記載した発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載した構成に対し、電気的に接続される太陽電池ユニットにそれぞれ、水面よりも上方位置で電気ケーブルを支持可能なケーブル支持部を備え、そのケーブル支持部間に架け渡されている電気ケーブルのうち、ケーブル同士の接続部が水面よりも上方の位置となるように、上記ケーブル支持部によるケーブル支持の高さが設定されていることを特徴とするものである。
【0010】
本発明によれば、各々の太陽電池モジュール間を電気ケーブルを通じて電気的に接続するにあたり、コネクタ部を含む接続配線が水面上および/または水中となる部分を、導電性材料で被覆することで、簡単な手段で電気的シールド性が高まり、電気接続構造の安全性が向上する。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
本実施形態の水上設置用太陽電池発電装置(以下、単に発電装置と呼ぶ場合もある。)は、図1に示すように、水面に沿って配置される複数の太陽電池ユニット1と、その太陽電池ユニット1間を相互に揺動自在に連結する連結手段6とを備える。
【0012】
そして、例えば図2に示すような配置パターンで、多数の太陽電池ユニット1が水上に配置されると共に、各太陽電池ユニット1の太陽電池モジュール2の端子ボックス間が、電気ケーブルによって直列若しくは並列に電気的に接続されている。図2中、符号7は、太陽電池ユニット1間で露出している水面を示している。
【0013】
なお、図1においては、ケーブル用開口10が分かるように、後述するシールド筺体14を省略して図示している。また、電気ケーブルも省略している。
上記各太陽電池ユニット1は、上記図1に示すように、外形が平面視矩形で内部に中空部を有する額縁状の枠を主要部としたフロート3の上面中央部に太陽電池モジュール2が取り付けられて構成される。上記フロート3は浮体を構成する。各太陽電池モジュール2の裏面(下面)には、図3に示すように、電気ケーブル11aの一端が接続した端子ボックス12が設けられている。
【0014】
上記フロート3は、内部に発泡樹脂を内包する、あるいは中空部とする空間によって所要の浮力が確保され、当該フロート3によって支持される太陽電池モジュール2が水面下に没しないように保持する。なお、各フロート3に取り付けられる太陽電池モジュール2は、1枚でも良いし複数枚であっても良い。発電装置を設定する水面において想定される波の高さや流れ等に応じて決定すればよい。
【0015】
また、上記フロート3の外周縁における各角部には、それぞれ連結手段を構成する連結金具4が設けられている。この連結金具4は、上記フロート3の角部から外方に張り出した板材からなり、その板材に、連結手段を構成する連結具を取り付けるための穴4aが設けられている。
図1では、各太陽電池ユニット1をユニットの長辺方向及び短辺方向に沿って格子状に配置した場合のパターン例であり、隣り合う太陽電池ユニット1における対向する連結金具4間をそれぞれ連結具を構成する2つの連結リング5によって揺動自在に連結している。
【0016】
なお、上記連結リング5は、線材を、平面視円形環状のコイル状に且つ線間が密となるように3回巻束ねた形状からなり、線材の端面5aが、巻束ね方向から見た場合、つまり線材端部を側方から見た場合、内側よりも外側が短くなるよう斜め(角度は線材の軸に対し約45°)に切断されたものである。
なお、フロート3、連結金具4及び連結リング5の材質は、鉄やステンレス、アルミ等の金属製が好適であるが、強度・耐摩耗性・耐候性、及び導電性が満足できるものであれば、導電性樹脂等の非金属製であっても良い。
【0017】
上記構成の発電装置にあっては、隣り合う太陽電池ユニット1間を所定間隔開けて揺動自在に連結できる結果、強度に優れた発電装置を形成することができる。すなわち、連結具を連結リング5とすることで、隣り合う太陽電池ユニット1間が所定以上離れたり、所定以上接近したりすることが防止されると共に、各太陽電池ユニット1間を互いに揺動自在に連結する結果、波や風による太陽電池ユニット1への影響が小さくなる。このため、多数の太陽電池ユニット1を水上に敷設した発電装置とすることができる。なお、太陽電池ユニット1間を揺動可能に接続する連結具は、上記連結リングに限定されず、ワイヤなど導電性であり、且つ揺動可能に接続可能であれば、他の連結具を使用しても良い。
【0018】
このように、波などによる外力軽減などの目的で、各太陽電池ユニット1を物理的に独立させると共に互いに連結リング5を介して揺動可能に連結することから、太陽電池ユニット1の太陽電池モジュール2間を電気的に接続する電気ケーブル11のうち、少なくとも太陽電池ユニット1から外方に延びたケーブル部分では、水中に位置したり、水と接触しやすい位置に配置されやすくなる。また、その太陽電池ユニット1から外方に延びた電気ケーブル11部分の端部はコネクタによって相互に接続されている。
【0019】
そこで、本実施形態では、上記太陽電池ユニット1外に位置する電気ケーブル11部分の一部の外周を、後述のシールド筺体14で被覆している。以下にその構造について説明する。
上記フロート3の4つの側壁のうち少なくとも一つの側壁3aには、左右両側位置に、電気ケーブル11を外に引き出すためのケーブル用開口10がそれぞれ開口している(図1参照)。もっとも、ケーブル用開口10の形状や開口位置は、これに限定されない。
【0020】
なお、本実施形態では、図3に示すように、上記ケーブル用開口10の位置が喫水線よりも下側に位置する、つまり、側壁3aのやや下側位置に開口している場合を例に説明する。
上記ケーブル用開口10を有する側壁3aに沿って延びるように、シールド筺体14が設けられている。
【0021】
このシールド筺体14は、導電性材料から作成されて、図3〜図5に示すように、上方に開口した断面略U字形状の筺体本体部15と、該筺体本体部15に差し込まれる下方に開口した断面略倒立U字形状の筺体上部材16とを備える。
上記筺体本体部15の本体は、喫水線よりも高い位置、つまりケーブル用開口10よりも高い位置で、かつ上記左右のケーブル用開口10位置の間において、上記側壁3aに沿って延在した状態で当該側壁3aに取り付けられている。ただし、筺体本体部15のうち外側の縦板は、左右両側に上記ケーブル用開口10の位置まで側壁3aに沿って延びると共に下方にも延びることで、当該ケーブル用開口10と対向する張出部15aを有する。該張出部15aは、下辺をフロート3の下板に固定されていると共に、内側の辺と側壁3aとの間を閉塞する第2縦板部17を有する。
【0022】
また、上記筺体上部材16は、側壁3aに沿って延びると共に、上記筺体本体部15内に上側から嵌合可能な形状となっている。そして、上記筺体本体部15に上側から嵌合することで、導電材料からなる中空の通路が上記側壁3aに沿って形成される。
また、上記導電性の通路となるシールド筺体14の左右の開口が、ケーブル取出口18となる。
【0023】
そして、左右のケーブル用開口10から引き出された各電気ケーブル11aは、上記ケーブル取出口18から左右に延び、他の太陽電池ユニット1から引き延ばされる電気ケーブル11とコネクタを介して接続される。また、他の太陽電池ユニット1間を電気的に接続された電気ケーブル11bについては、上記シールド筺体14による導電性通路内に配置し、当該導電性の通路内で当該電気ケーブル11間をコネクタ19によって接続する。
【0024】
なお、シールド筺体14の材質としては、鉄板、ステンレス鋼板、アルミ合金等の金属材料が、導電性に富むので好適であるが、導電性に富む材料であれば、これに限定するものではなく、導電有機材料等も適用できる。
上記構成のシールド筺体14を設けた発電装置の作用・効果などについて説明する。
【0025】
シールド筺体14で形成される導電性の通路の下面は、ほぼ喫水線レベルより上であるので、コネクタ19は喫水線レベルより上に保持され、常時水没しない構造としている。
また、筺体上部材16は嵌合によって筺体本体部15に上側から取り付けられるので、着脱が簡単であり、当該シールド筺体14内への電気ケーブル11bの配置及び、当該該シールド筺体14内でのコネクタ19によるケーブル11b同士の接続が容易となっている。
【0026】
また、シールド筺体14は、ケーブル取出口18があるため、設置後シールド筺体14内への水の侵入が考えられるが、コネクタ19部での漏電に対しては、シールド筺体14あるいはフロート3をアースする事により電気的シールドが確保可能である。また、ケーブル取出口18にゴムブッシュ等で蓋を施してやることで、上記導電性の通路を水密とする事も可能である。
【0027】
なお、アースについては、各フロート3の少なくとも外側を導電性部材で構成し、連結具であるリングを導電性部材で構成すれば、シールド筺体14は、連結具である連結リング5を介して電気的に接続されるので、1基若しくは数基の太陽電池ユニット1にだけアース線を設定すればよい。
上記のように、電気ケーブル11b同士の接続をそれぞれシールド筺体14内で行うことで、少なくとも電気ケーブル11同士を接続するコネクタ19及びその近傍が、簡易に且つ安価に電気的にシールドされる。この結果、コネクタ19として高価な高気密性のコネクタを採用しなくても良い。
【0028】
次に、第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施形態と同一の部品などについては同一の符号を付して説明する。
本実施形態の基本構成は、図6に示すように、上記第1実施形態と同様であり、各太陽電池ユニット1のケーブル用開口10が設けられた側壁3aに対し上記シールド筺体14が設けられている。
【0029】
本実施形態は、上記構成に加え、シールド筺体14のケーブル取出口から別の太陽電池ユニット1に向けて延びる電気ケーブル11部分の外周も、導電性部材で被覆したものである。すなわち、導電性部材製の筒体であるシールド管20で上記電気ケーブル11の外周を覆うことで、上記電気ケーブル11部分も導電性の通路内に配置したものである。
【0030】
本実施形態のシールド管20は、金属線を編んでなるメッシュ状部材をチューブ状にしたもので、当該シールド管20をシールド筺体14あるいはフロート3に電気的に接続しアースしたものである。
ここで、メッシュ状部材は、メッシュ目の形状として矩形や円形等が挙げられ、メッシュ目の大きさは、1×1mm程度から10×10mm程度までが実用上好適である。メッシュ状部材を構成する材料としては、前述した鉄、ステンレス、アルミ合金等の金属材料が、導電性に富むので好適であるが、導電性に富む材料であれば特に限定されるものではなく、導電有機材料等も連用できる。また、導電性材料を、ラスやエキスパンド形状に加工したもの、あるいはハンチング加工したものも好適に使用できる。
【0031】
上記構造とすることで、本実施形態では、太陽電池ユニット1間、つまり、上記シールド筺体14のケーブル取出口18から外方に延びる電気ケーブル11部分の外周も導電性部材で被覆された状態となり、当該電気ケーブル11位置の被覆部に亀裂あるいはピンホールなどの損傷が発生し、導電しても周囲の生物が感電する懸念が無くなる。
【0032】
なお、シールド管20は、上記シールド筺体14のケーブル取出口18から外方に延びる電気ケーブル11部分の全部に必ずしも取り付ける必要はないが、少なくともコネクタ及びその近傍に取り付けることが好ましい。
また、上記シールド管20をメッシュ部材から構成すると、電気ケーブル11に巻き付けるように施工することで容易に取り付けることができると共に、可撓性があるので、任意の配線状態のまま当該電気ケーブル11の外周を導線性部材で簡単に被覆することができる。
【0033】
ここで、本実施形態は、第1実施形態で説明したシールド筺体14を前提として記載したが、上記シールド筺体14を設けなくても良い。
次に、第3実施形態について図面7を参照しつつ説明する。なお、上記実施形態と同様な部品などについては同一の符号を付して説明する。
太陽電池ユニット1の基本構成は、第1実施形態と同様である。
【0034】
本実施形態では、ケーブル用開口10の近傍に位置する連結金具4に対し、上方に延びる支持棒21を設け、ケーブル用開口10から引き出された電気ケーブル11を当該支持棒21で上方に案内してから、別の太陽電池ユニット1に向けて延ばしている。その別の太陽電池ユニット1でも、上記支持棒21が設けられている。この支持棒21は、ケーブル支持部を構成する。
【0035】
上記支持棒21の高さ、つまり当該支持棒21で支持する電気ケーブル11の高さは、2つの支持棒21間に架け渡されたケーブルの最下端部位置、若しくはコネクタ部位置が水面よりも上方に位置するだけの高さとする。
本実施形態によれば、電気ケーブル11で電気的に接続される太陽電池ユニット1間に位置する電気ケーブル11、特にコネクタ部が水上に配置される結果、当該支持棒21間に位置する電気ケーブル11部分、特にコネクタ部から漏電しても、水中に電気が漏れることが防止される。なお、上記支持棒21間の電気ケーブル11の外周を、上記メッシュ部材からなるシールド管20で被覆しても良い。
【0036】
ここで、ケーブル用穴から支持棒21の上部までに位置する電気ケーブル11部分、特に喫水線以下に配置される電気ケーブル11部分で、ケーブル被覆部に亀裂あるいはピンホール等の損傷が発生して漏電する可能性がある。
これを防止するため、図8に示すように、上記第2実施形態と同様な金属製メッシュ部材などからなるシールド管20で、上記ケーブル用開口10から支持棒21の上部までに位置する電気ケーブル11部分、特に喫水線以下に配置される電気ケーブル11部分を被覆するようにしても良い。
【0037】
また、図7に示すように、支持棒21に直接、電気ケーブル11を取り付ける代わりに、図9に示すように、上方に延びるシールド管23を上記支持棒21に支持させることで、ケーブル用開口10から引き出された電気ケーブル11を上方に案内させても良い。ここで、シールド管23は、電気ケーブル11を一旦上方に案内することで、電気ケーブル11間のコネクタ19を水上に保持できるものであれば特に限定するものではなく、前述したメッシュ部材の他、パイプ材、フレキシブル管等が好適に使用できる。要は、導電性の通路が形成し、電気ケーブルを上方に案内できればよい。
【0038】
また、上記支持棒21を連結金具4位置に設けているが、フロート3に設けても良く、フロート3に設ける場合に、下板部分に限定されず、フロート3上面に設けて良い。また、支持棒21として棒状の場合を例示しているが、棒状である必要はない。電気的に接続する太陽電池ユニット1間に位置する電気ケーブル11部分が水上に配置するだけの高さまで、電気ケーブル11を上方で支持できれば、他の形状であっても良い。
【0039】
次に、第4実施形態について図面10を参照しつつ説明する。なお、上記実施形態と同様な部品には同一の符号を付して説明する。
本実施形態は、ケーブル用開口10が、フロート3の側壁3aではなく、底面に設けた場合の例である。太陽電池ユニット1の基本構成は、上記実施形態と同様である。
【0040】
図10に示すように、フロート3の底板に開口したケーブル用開口10に、パイプ材を曲げて構成される導電性のエルボー管24の一端を連結することで、ケーブル用開口10から引き出された電気ケーブル11の延在方向を横方向に案内する。さらに、当該エルボー24の他端から引き出された電気ケーブル11のうち、少なくともフロート3の下方に位置する電気ケーブル11部分の外周に、メッシュ部材をチューブ状にしてなるシールド管20を取り付けたものである。
【0041】
フロート3の下方に位置する電気ケーブル11部分は、水中に配置されると共にフロート3と擦れやすいが、本実施形態によれば、その部分をシールド管20で被覆することによって、摩耗等によりケーブル被覆部に亀裂あるいはピンホール等の損傷が発生して漏電が発生しても、水中に電流が流れることを防ぐことができる。
【0042】
なお、フロート3の下方に位置する部分以外の電気ケーブル11については、適宜、上記各実施形態で示したような構造で、ケーブル外周を導電性部材で被覆すればよい。
また、上記第1実施形態から第3実施形態で説明したシールド筺体14、シールド管20などの導電性の通路で電気ケーブル11を被覆したり、支持棒21などからなるケーブル支持部を、適宜、併用しても良い。
【0043】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、従来、水に接触する、若しくは水に接触するおそれのある電気ケーブルの少なくと一部が導電性部材で被覆されることで、当該電気ケーブル部分で漏電があっても、電気的シールドが安価に実施されて、安全性が向上するという効果がある。
【0044】
特に、コネクタ部に施すことが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく実施形態に係る水上設置用太陽電池発電装置を説明する斜視図である。
【図2】本発明に基づく実施形態に係る太陽電池ユニットの配置パターンの例を示す図である。
【図3】本発明に基づく第1実施形態に係るシールド筺体を説明する図である。
【図4】本発明に基づく第1実施形態に係るシールド筺体を説明する斜視図である。
【図5】本発明に基づく第1実施形態に係る筺体上部材を外した状態のシールド筺体を示す図である。
【図6】本発明に基づく第2実施形態に係る電気的接続構造を説明するための図である。
【図7】本発明に基づく第3実施形態に係る電気的接続構造を説明するための図である。
【図8】本発明に基づく第3実施形態に係る電気的接続構造の別例を説明するための図である。
【図9】本発明に基づく第3実施形態に係る電気的接続構造の別例を説明するための図である。
【図10】本発明に基づく第4実施形態に係る電気的接続構造を説明するための図である。
【符号の説明】
1 太陽電池ユニット
2 太陽電池モジュール
3 フロート(浮体)
4 連結金具
5 連結リング(連結具)
6 連結手段
7 水面
10 ケーブル用開口
11,11a、11b 電気ケーブル
12 端子ボックス
14 シールド筺体
15 筺体本体部
16 筺体上部材
18 ケーブル取出口
19 コネクタ
20 シールド管
21 支持棒
23 シールド管
【発明の属する技術分野】
本発明は、湖やダム湖、河川、海洋などの水面上に敷設されて、太陽光発電によって電力を発生させる水上設置型太陽光発電装置における、太陽電池モジュール間を電気的に接続する際の電気ケーブルの敷設構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、エネルギー問題の解決のために推進されてきた原子力発電政策も、原子力関連設備の事故などもあり停滞している。さらに、環境問題も社会問題化しており、環境に優しいエネルギーが求められている。この環境に優しいエネルギー技術の一つとして太陽電池が挙げられる。
【0003】
本発明の出願人は、太陽電池の大規構な設置場所として水上に注目して、水面直上に厚みの薄い箱体状のフロート(浮体)に太陽電池モジュールを積載してなる太陽電池ユニットを、多数個、簡便に敷設可能な水上設置型太陽光発電装置について、先に特許出願(特願2000−305938)を行っている。
ここに、大規模な太陽光発電を行うには、多数の太陽電池ユニットを敷設する必要があり、また、各太陽電池モジュールで発電した電力を陸上に送電するためには、水上に敷設された各太陽電池ユニットの太陽電池モジュール同士を、電気ケーブルで電気的に接続する必要がある。
【0004】
なお、多数の太陽電池ユニット間を電気的に直列若しくは並列に接続することなく、各太陽電池モジュールで発電した電力を個々に陸上まで送電することは非現実的であり、太陽電池モジュール間を電気的に接続し、まとめて陸地まで送電する必要がある。ただし、太陽電池モジュール間の電気的接続は、必ずしも隣り合う太陽電池モジュール間で行われるとは限らない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
通常、水上あるいは水中での電気的接続は、電気ケーブル同士を高価な高気密性のコネクタを使用する必要があるが、大規模な発電を考えた場合、高気密性コネクタが多数必要となり、高コストになる。
また、水中にある電気ケーブルの被覆部に亀裂あるいはピンホール等の損傷が生じると、漏電により周囲の生物が感電する懸念がある。
【0006】
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、湖やダム湖、河川、海洋などの水面上に敷設して太陽光発電を行い電力を発生させる水上設置型太陽光発電装置において、必ずしも高気密性コネクタを使用しなくても、電気的に安全で安価な電気的接続構造を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のうち請求項1に記載した発明は、太陽電池モジュールと該太陽電池モジュールを浮上支持する浮体とからなる太陽電池ユニットを、水面に沿って複数個配置してなる水上設置用太陽電池発電装置における、上記太陽電池モジュール間を電気ケーブルで電気的に接続するにあたり、
上記電気ケーブルのうち、水に接触する部分及び水に接触するおそれのある部分の、少なくとも一部の外周を、導電性材料で被覆することを特徴とする水上設置用太陽電池発電装置の電気的接続構造を提供するものである。
【0008】
次に、請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した構成に対し、上記浮体に、導電性材料からなる通路を設け、その通路内を通るように上記電気ケーブルを配線することで上記被覆を行うことを特徴とするものである。
次に、請求項3に記載した発明は、請求項1又は請求項2に記載した構成に対し、導電性材料からなるメッシュ状部材で上記電気ケーブルの外周を覆うことで上記被覆を行うことを特徴とするものである。
【0009】
次に、請求項4に記載した発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載した構成に対し、上記導電性材料で被覆する位置は、少なくとも電気ケーブル同士の接続部を含む位置であることを特徴とするものである。
次に、請求項5に記載した発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載した構成に対し、電気的に接続される太陽電池ユニットにそれぞれ、水面よりも上方位置で電気ケーブルを支持可能なケーブル支持部を備え、そのケーブル支持部間に架け渡されている電気ケーブルのうち、ケーブル同士の接続部が水面よりも上方の位置となるように、上記ケーブル支持部によるケーブル支持の高さが設定されていることを特徴とするものである。
【0010】
本発明によれば、各々の太陽電池モジュール間を電気ケーブルを通じて電気的に接続するにあたり、コネクタ部を含む接続配線が水面上および/または水中となる部分を、導電性材料で被覆することで、簡単な手段で電気的シールド性が高まり、電気接続構造の安全性が向上する。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
本実施形態の水上設置用太陽電池発電装置(以下、単に発電装置と呼ぶ場合もある。)は、図1に示すように、水面に沿って配置される複数の太陽電池ユニット1と、その太陽電池ユニット1間を相互に揺動自在に連結する連結手段6とを備える。
【0012】
そして、例えば図2に示すような配置パターンで、多数の太陽電池ユニット1が水上に配置されると共に、各太陽電池ユニット1の太陽電池モジュール2の端子ボックス間が、電気ケーブルによって直列若しくは並列に電気的に接続されている。図2中、符号7は、太陽電池ユニット1間で露出している水面を示している。
【0013】
なお、図1においては、ケーブル用開口10が分かるように、後述するシールド筺体14を省略して図示している。また、電気ケーブルも省略している。
上記各太陽電池ユニット1は、上記図1に示すように、外形が平面視矩形で内部に中空部を有する額縁状の枠を主要部としたフロート3の上面中央部に太陽電池モジュール2が取り付けられて構成される。上記フロート3は浮体を構成する。各太陽電池モジュール2の裏面(下面)には、図3に示すように、電気ケーブル11aの一端が接続した端子ボックス12が設けられている。
【0014】
上記フロート3は、内部に発泡樹脂を内包する、あるいは中空部とする空間によって所要の浮力が確保され、当該フロート3によって支持される太陽電池モジュール2が水面下に没しないように保持する。なお、各フロート3に取り付けられる太陽電池モジュール2は、1枚でも良いし複数枚であっても良い。発電装置を設定する水面において想定される波の高さや流れ等に応じて決定すればよい。
【0015】
また、上記フロート3の外周縁における各角部には、それぞれ連結手段を構成する連結金具4が設けられている。この連結金具4は、上記フロート3の角部から外方に張り出した板材からなり、その板材に、連結手段を構成する連結具を取り付けるための穴4aが設けられている。
図1では、各太陽電池ユニット1をユニットの長辺方向及び短辺方向に沿って格子状に配置した場合のパターン例であり、隣り合う太陽電池ユニット1における対向する連結金具4間をそれぞれ連結具を構成する2つの連結リング5によって揺動自在に連結している。
【0016】
なお、上記連結リング5は、線材を、平面視円形環状のコイル状に且つ線間が密となるように3回巻束ねた形状からなり、線材の端面5aが、巻束ね方向から見た場合、つまり線材端部を側方から見た場合、内側よりも外側が短くなるよう斜め(角度は線材の軸に対し約45°)に切断されたものである。
なお、フロート3、連結金具4及び連結リング5の材質は、鉄やステンレス、アルミ等の金属製が好適であるが、強度・耐摩耗性・耐候性、及び導電性が満足できるものであれば、導電性樹脂等の非金属製であっても良い。
【0017】
上記構成の発電装置にあっては、隣り合う太陽電池ユニット1間を所定間隔開けて揺動自在に連結できる結果、強度に優れた発電装置を形成することができる。すなわち、連結具を連結リング5とすることで、隣り合う太陽電池ユニット1間が所定以上離れたり、所定以上接近したりすることが防止されると共に、各太陽電池ユニット1間を互いに揺動自在に連結する結果、波や風による太陽電池ユニット1への影響が小さくなる。このため、多数の太陽電池ユニット1を水上に敷設した発電装置とすることができる。なお、太陽電池ユニット1間を揺動可能に接続する連結具は、上記連結リングに限定されず、ワイヤなど導電性であり、且つ揺動可能に接続可能であれば、他の連結具を使用しても良い。
【0018】
このように、波などによる外力軽減などの目的で、各太陽電池ユニット1を物理的に独立させると共に互いに連結リング5を介して揺動可能に連結することから、太陽電池ユニット1の太陽電池モジュール2間を電気的に接続する電気ケーブル11のうち、少なくとも太陽電池ユニット1から外方に延びたケーブル部分では、水中に位置したり、水と接触しやすい位置に配置されやすくなる。また、その太陽電池ユニット1から外方に延びた電気ケーブル11部分の端部はコネクタによって相互に接続されている。
【0019】
そこで、本実施形態では、上記太陽電池ユニット1外に位置する電気ケーブル11部分の一部の外周を、後述のシールド筺体14で被覆している。以下にその構造について説明する。
上記フロート3の4つの側壁のうち少なくとも一つの側壁3aには、左右両側位置に、電気ケーブル11を外に引き出すためのケーブル用開口10がそれぞれ開口している(図1参照)。もっとも、ケーブル用開口10の形状や開口位置は、これに限定されない。
【0020】
なお、本実施形態では、図3に示すように、上記ケーブル用開口10の位置が喫水線よりも下側に位置する、つまり、側壁3aのやや下側位置に開口している場合を例に説明する。
上記ケーブル用開口10を有する側壁3aに沿って延びるように、シールド筺体14が設けられている。
【0021】
このシールド筺体14は、導電性材料から作成されて、図3〜図5に示すように、上方に開口した断面略U字形状の筺体本体部15と、該筺体本体部15に差し込まれる下方に開口した断面略倒立U字形状の筺体上部材16とを備える。
上記筺体本体部15の本体は、喫水線よりも高い位置、つまりケーブル用開口10よりも高い位置で、かつ上記左右のケーブル用開口10位置の間において、上記側壁3aに沿って延在した状態で当該側壁3aに取り付けられている。ただし、筺体本体部15のうち外側の縦板は、左右両側に上記ケーブル用開口10の位置まで側壁3aに沿って延びると共に下方にも延びることで、当該ケーブル用開口10と対向する張出部15aを有する。該張出部15aは、下辺をフロート3の下板に固定されていると共に、内側の辺と側壁3aとの間を閉塞する第2縦板部17を有する。
【0022】
また、上記筺体上部材16は、側壁3aに沿って延びると共に、上記筺体本体部15内に上側から嵌合可能な形状となっている。そして、上記筺体本体部15に上側から嵌合することで、導電材料からなる中空の通路が上記側壁3aに沿って形成される。
また、上記導電性の通路となるシールド筺体14の左右の開口が、ケーブル取出口18となる。
【0023】
そして、左右のケーブル用開口10から引き出された各電気ケーブル11aは、上記ケーブル取出口18から左右に延び、他の太陽電池ユニット1から引き延ばされる電気ケーブル11とコネクタを介して接続される。また、他の太陽電池ユニット1間を電気的に接続された電気ケーブル11bについては、上記シールド筺体14による導電性通路内に配置し、当該導電性の通路内で当該電気ケーブル11間をコネクタ19によって接続する。
【0024】
なお、シールド筺体14の材質としては、鉄板、ステンレス鋼板、アルミ合金等の金属材料が、導電性に富むので好適であるが、導電性に富む材料であれば、これに限定するものではなく、導電有機材料等も適用できる。
上記構成のシールド筺体14を設けた発電装置の作用・効果などについて説明する。
【0025】
シールド筺体14で形成される導電性の通路の下面は、ほぼ喫水線レベルより上であるので、コネクタ19は喫水線レベルより上に保持され、常時水没しない構造としている。
また、筺体上部材16は嵌合によって筺体本体部15に上側から取り付けられるので、着脱が簡単であり、当該シールド筺体14内への電気ケーブル11bの配置及び、当該該シールド筺体14内でのコネクタ19によるケーブル11b同士の接続が容易となっている。
【0026】
また、シールド筺体14は、ケーブル取出口18があるため、設置後シールド筺体14内への水の侵入が考えられるが、コネクタ19部での漏電に対しては、シールド筺体14あるいはフロート3をアースする事により電気的シールドが確保可能である。また、ケーブル取出口18にゴムブッシュ等で蓋を施してやることで、上記導電性の通路を水密とする事も可能である。
【0027】
なお、アースについては、各フロート3の少なくとも外側を導電性部材で構成し、連結具であるリングを導電性部材で構成すれば、シールド筺体14は、連結具である連結リング5を介して電気的に接続されるので、1基若しくは数基の太陽電池ユニット1にだけアース線を設定すればよい。
上記のように、電気ケーブル11b同士の接続をそれぞれシールド筺体14内で行うことで、少なくとも電気ケーブル11同士を接続するコネクタ19及びその近傍が、簡易に且つ安価に電気的にシールドされる。この結果、コネクタ19として高価な高気密性のコネクタを採用しなくても良い。
【0028】
次に、第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施形態と同一の部品などについては同一の符号を付して説明する。
本実施形態の基本構成は、図6に示すように、上記第1実施形態と同様であり、各太陽電池ユニット1のケーブル用開口10が設けられた側壁3aに対し上記シールド筺体14が設けられている。
【0029】
本実施形態は、上記構成に加え、シールド筺体14のケーブル取出口から別の太陽電池ユニット1に向けて延びる電気ケーブル11部分の外周も、導電性部材で被覆したものである。すなわち、導電性部材製の筒体であるシールド管20で上記電気ケーブル11の外周を覆うことで、上記電気ケーブル11部分も導電性の通路内に配置したものである。
【0030】
本実施形態のシールド管20は、金属線を編んでなるメッシュ状部材をチューブ状にしたもので、当該シールド管20をシールド筺体14あるいはフロート3に電気的に接続しアースしたものである。
ここで、メッシュ状部材は、メッシュ目の形状として矩形や円形等が挙げられ、メッシュ目の大きさは、1×1mm程度から10×10mm程度までが実用上好適である。メッシュ状部材を構成する材料としては、前述した鉄、ステンレス、アルミ合金等の金属材料が、導電性に富むので好適であるが、導電性に富む材料であれば特に限定されるものではなく、導電有機材料等も連用できる。また、導電性材料を、ラスやエキスパンド形状に加工したもの、あるいはハンチング加工したものも好適に使用できる。
【0031】
上記構造とすることで、本実施形態では、太陽電池ユニット1間、つまり、上記シールド筺体14のケーブル取出口18から外方に延びる電気ケーブル11部分の外周も導電性部材で被覆された状態となり、当該電気ケーブル11位置の被覆部に亀裂あるいはピンホールなどの損傷が発生し、導電しても周囲の生物が感電する懸念が無くなる。
【0032】
なお、シールド管20は、上記シールド筺体14のケーブル取出口18から外方に延びる電気ケーブル11部分の全部に必ずしも取り付ける必要はないが、少なくともコネクタ及びその近傍に取り付けることが好ましい。
また、上記シールド管20をメッシュ部材から構成すると、電気ケーブル11に巻き付けるように施工することで容易に取り付けることができると共に、可撓性があるので、任意の配線状態のまま当該電気ケーブル11の外周を導線性部材で簡単に被覆することができる。
【0033】
ここで、本実施形態は、第1実施形態で説明したシールド筺体14を前提として記載したが、上記シールド筺体14を設けなくても良い。
次に、第3実施形態について図面7を参照しつつ説明する。なお、上記実施形態と同様な部品などについては同一の符号を付して説明する。
太陽電池ユニット1の基本構成は、第1実施形態と同様である。
【0034】
本実施形態では、ケーブル用開口10の近傍に位置する連結金具4に対し、上方に延びる支持棒21を設け、ケーブル用開口10から引き出された電気ケーブル11を当該支持棒21で上方に案内してから、別の太陽電池ユニット1に向けて延ばしている。その別の太陽電池ユニット1でも、上記支持棒21が設けられている。この支持棒21は、ケーブル支持部を構成する。
【0035】
上記支持棒21の高さ、つまり当該支持棒21で支持する電気ケーブル11の高さは、2つの支持棒21間に架け渡されたケーブルの最下端部位置、若しくはコネクタ部位置が水面よりも上方に位置するだけの高さとする。
本実施形態によれば、電気ケーブル11で電気的に接続される太陽電池ユニット1間に位置する電気ケーブル11、特にコネクタ部が水上に配置される結果、当該支持棒21間に位置する電気ケーブル11部分、特にコネクタ部から漏電しても、水中に電気が漏れることが防止される。なお、上記支持棒21間の電気ケーブル11の外周を、上記メッシュ部材からなるシールド管20で被覆しても良い。
【0036】
ここで、ケーブル用穴から支持棒21の上部までに位置する電気ケーブル11部分、特に喫水線以下に配置される電気ケーブル11部分で、ケーブル被覆部に亀裂あるいはピンホール等の損傷が発生して漏電する可能性がある。
これを防止するため、図8に示すように、上記第2実施形態と同様な金属製メッシュ部材などからなるシールド管20で、上記ケーブル用開口10から支持棒21の上部までに位置する電気ケーブル11部分、特に喫水線以下に配置される電気ケーブル11部分を被覆するようにしても良い。
【0037】
また、図7に示すように、支持棒21に直接、電気ケーブル11を取り付ける代わりに、図9に示すように、上方に延びるシールド管23を上記支持棒21に支持させることで、ケーブル用開口10から引き出された電気ケーブル11を上方に案内させても良い。ここで、シールド管23は、電気ケーブル11を一旦上方に案内することで、電気ケーブル11間のコネクタ19を水上に保持できるものであれば特に限定するものではなく、前述したメッシュ部材の他、パイプ材、フレキシブル管等が好適に使用できる。要は、導電性の通路が形成し、電気ケーブルを上方に案内できればよい。
【0038】
また、上記支持棒21を連結金具4位置に設けているが、フロート3に設けても良く、フロート3に設ける場合に、下板部分に限定されず、フロート3上面に設けて良い。また、支持棒21として棒状の場合を例示しているが、棒状である必要はない。電気的に接続する太陽電池ユニット1間に位置する電気ケーブル11部分が水上に配置するだけの高さまで、電気ケーブル11を上方で支持できれば、他の形状であっても良い。
【0039】
次に、第4実施形態について図面10を参照しつつ説明する。なお、上記実施形態と同様な部品には同一の符号を付して説明する。
本実施形態は、ケーブル用開口10が、フロート3の側壁3aではなく、底面に設けた場合の例である。太陽電池ユニット1の基本構成は、上記実施形態と同様である。
【0040】
図10に示すように、フロート3の底板に開口したケーブル用開口10に、パイプ材を曲げて構成される導電性のエルボー管24の一端を連結することで、ケーブル用開口10から引き出された電気ケーブル11の延在方向を横方向に案内する。さらに、当該エルボー24の他端から引き出された電気ケーブル11のうち、少なくともフロート3の下方に位置する電気ケーブル11部分の外周に、メッシュ部材をチューブ状にしてなるシールド管20を取り付けたものである。
【0041】
フロート3の下方に位置する電気ケーブル11部分は、水中に配置されると共にフロート3と擦れやすいが、本実施形態によれば、その部分をシールド管20で被覆することによって、摩耗等によりケーブル被覆部に亀裂あるいはピンホール等の損傷が発生して漏電が発生しても、水中に電流が流れることを防ぐことができる。
【0042】
なお、フロート3の下方に位置する部分以外の電気ケーブル11については、適宜、上記各実施形態で示したような構造で、ケーブル外周を導電性部材で被覆すればよい。
また、上記第1実施形態から第3実施形態で説明したシールド筺体14、シールド管20などの導電性の通路で電気ケーブル11を被覆したり、支持棒21などからなるケーブル支持部を、適宜、併用しても良い。
【0043】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、従来、水に接触する、若しくは水に接触するおそれのある電気ケーブルの少なくと一部が導電性部材で被覆されることで、当該電気ケーブル部分で漏電があっても、電気的シールドが安価に実施されて、安全性が向上するという効果がある。
【0044】
特に、コネクタ部に施すことが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく実施形態に係る水上設置用太陽電池発電装置を説明する斜視図である。
【図2】本発明に基づく実施形態に係る太陽電池ユニットの配置パターンの例を示す図である。
【図3】本発明に基づく第1実施形態に係るシールド筺体を説明する図である。
【図4】本発明に基づく第1実施形態に係るシールド筺体を説明する斜視図である。
【図5】本発明に基づく第1実施形態に係る筺体上部材を外した状態のシールド筺体を示す図である。
【図6】本発明に基づく第2実施形態に係る電気的接続構造を説明するための図である。
【図7】本発明に基づく第3実施形態に係る電気的接続構造を説明するための図である。
【図8】本発明に基づく第3実施形態に係る電気的接続構造の別例を説明するための図である。
【図9】本発明に基づく第3実施形態に係る電気的接続構造の別例を説明するための図である。
【図10】本発明に基づく第4実施形態に係る電気的接続構造を説明するための図である。
【符号の説明】
1 太陽電池ユニット
2 太陽電池モジュール
3 フロート(浮体)
4 連結金具
5 連結リング(連結具)
6 連結手段
7 水面
10 ケーブル用開口
11,11a、11b 電気ケーブル
12 端子ボックス
14 シールド筺体
15 筺体本体部
16 筺体上部材
18 ケーブル取出口
19 コネクタ
20 シールド管
21 支持棒
23 シールド管
Claims (5)
- 太陽電池モジュールと該太陽電池モジュールを浮上支持する浮体とからなる太陽電池ユニットを、水面に沿って複数個配置してなる水上設置用太陽電池発電装置における、上記太陽電池モジュール間を電気ケーブルで電気的に接続するにあたり、
上記電気ケーブルのうち、水に接触する部分及び水に接触するおそれのある部分の、少なくとも一部の外周を、導電性材料で被覆することを特徴とする水上設置用太陽電池発電装置の電気的接続構造。 - 上記浮体に、導電性材料からなる通路を設け、その通路内を通るように上記電気ケーブルを配線することで上記被覆を行うことを特徴とする請求項1に記載した水上設置用太陽電池発電装置の電気的接続構造。
- 導電性材料からなるメッシュ状部材で上記電気ケーブルの外周を覆うことで上記被覆を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した水上設置用太陽電池発電装置の電気的接続構造。
- 上記導電性材料で被覆する位置は、少なくとも電気ケーブル同士の接続部を含む位置であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載した水上設置用太陽電池発電装置の電気的接続構造。
- 電気的に接続される太陽電池ユニットにそれぞれ、水面よりも上方位置で電気ケーブルを支持可能なケーブル支持部を備え、そのケーブル支持部間に架け渡されている電気ケーブルのうち、ケーブル同士の接続部が水面よりも上方の位置となるように、上記ケーブル支持部によるケーブル支持の高さが設定されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載した水上設置用太陽電池発電装置の電気的接続構造。
Priority Applications (1)
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JP2002172608A JP2004022640A (ja) | 2002-06-13 | 2002-06-13 | 水上設置用太陽電池発電装置の電気的接続構造 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012028427A (ja) * | 2010-07-21 | 2012-02-09 | Sekisui House Ltd | 太陽電池モジュールの敷設構造 |
JP2016067170A (ja) * | 2014-09-25 | 2016-04-28 | 株式会社カネカ | 太陽電池モジュール及び太陽電池モジュールの設置方法 |
WO2016157796A1 (ja) * | 2015-03-31 | 2016-10-06 | 日本ゼオン株式会社 | 光電変換モジュール群 |
JP2020001525A (ja) * | 2018-06-27 | 2020-01-09 | シャープ株式会社 | 浮体装置及び前記浮体装置を用いた太陽光発電システム |
-
2002
- 2002-06-13 JP JP2002172608A patent/JP2004022640A/ja active Pending
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