JP2004018313A - 圧力変動吸着型酸素濃縮装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】冬季等の低温環境下で所定の酸素濃度を簡易に確保することができる在宅医療用の酸素濃縮装置を提供する。
【解決手段】圧力変動吸着型酸素濃縮装置1は、窒素を選択的に吸着し得る吸着剤を充填した吸着床5と、この吸着床5に圧縮空気を送るための空気圧縮手段3と、この圧縮手段3を冷却するための送風手段20と、設置環境温度及び/または圧縮空気温度を検出する温度検出手段を備えて構成され、検出された該設置環境温度または圧縮空気温度のいずれかに基づいて圧縮空気が酸素濃度条件と対応する所定の目標温度となるように上記送風手段20の駆動を制御する駆動制御手段を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】圧力変動吸着型酸素濃縮装置1は、窒素を選択的に吸着し得る吸着剤を充填した吸着床5と、この吸着床5に圧縮空気を送るための空気圧縮手段3と、この圧縮手段3を冷却するための送風手段20と、設置環境温度及び/または圧縮空気温度を検出する温度検出手段を備えて構成され、検出された該設置環境温度または圧縮空気温度のいずれかに基づいて圧縮空気が酸素濃度条件と対応する所定の目標温度となるように上記送風手段20の駆動を制御する駆動制御手段を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大気中から酸素濃縮空気を分離して使用するための酸素濃縮装置に関する。更に詳細には、慢性呼吸器疾患の治療として有効な酸素吸入法に使用される圧力変動吸着型酸素濃縮装置に関し、低温時における吸着剤の窒素吸着量低下に伴う酸素回収率の低下、生成酸素濃縮気体の体積濃度の低下を防ぎ、環境温度に影響されること無く安定的に使用者に酸素濃縮気体を供給できるようにした、改善された圧力変動吸着型酸素濃縮装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、喘息、肺気腫症、慢性気管支炎などの呼吸器系疾患に苦しむ患者が増加する傾向があるが、その最も効果的な治療法の一つとして酸素吸入療法があり、空気中から酸素濃縮気体を直接分離する酸素濃縮装置が開発され、使用時の利便性、保守管理の容易さから酸素吸入療法用の治療装置として、次第に普及するようになってきている。
【0003】
かかる酸素濃縮装置として、窒素を選択的に吸着し得る吸着剤を1個或いは複数の吸着床に充填した吸着型酸素濃縮装置が知られ、中でも空気供給手段としてコンプレッサを用いた圧力変動吸着型酸素濃縮装置が多用されている。かかる装置は、通常、窒素を選択的に吸着し得る吸着剤を充填した1個或いは複数の吸着床にコンプレッサから圧縮空気を供給して加圧状態で窒素を吸着させることにより酸素濃縮気体を得る吸着工程と、吸着床の内圧を減少させて窒素を脱着させ吸着剤の再生を行う脱着工程を一定サイクルで繰り返し行い、更に必要に応じて、脱着工程終了直前に、既に生成した乾燥酸素濃縮気体を一部逆流させ再生効率の向上と昇圧を目的とする均圧工程を加えて、順次一定サイクルで行うことにより酸素濃縮気体を得る装置である。
【0004】
しかし、これらの装置の吸着床として使用されるゼオライト系吸着剤は、窒素よりも水の吸着力が強い傾向にあり、一定の使用条件下では吸着床に供給される圧縮空気の温度や含有水分量により窒素吸着量が変化し、酸素の回収率が大きく左右される。
特に、冬季等の低温度環境下では、吸着能力が低下して所定の酸素濃度が得られないという事態を生じることがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、装置を設置した環境温度が約20℃に満たない場合、更には冬季等の環境下においても、所定の酸素濃度を簡易に確保することができる装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の酸素濃縮装置は、窒素を選択的に吸着し得る吸着剤を充填した吸着床、圧縮空気を吸着床に送るための空気圧縮手段、該圧縮手段を冷却するための送風手段、設置環境温度及び/または圧縮空気温度を検出する温度検出手段を備え、検出された該設置環境温度または圧縮空気温度のいずれかに基づいて圧縮空気が酸素濃度条件と対応する所定の目標温度となるように上記送風手段の駆動を制御する駆動制御手段を備えたことを特徴とする
【0007】
また、空気圧縮手段で作られる空気温度が28〜50℃に制御されることを特徴とする。
【0008】
上記構成の圧力変動吸着型酸素濃縮装置は、吸入空気を圧縮手段によって圧縮し、この圧縮空気を吸着床に送ることによって窒素を吸着し濃縮酸素が送出される。このとき、送風駆動制御手段は圧縮空気を酸素濃度条件と対応する所定の目標温度とするべく冷却手段を制御することから、要求される基準濃度を得るために必要な圧縮空気温度を別途測定等によって定め、この定められた目標温度になるよう制御するため、吸着床において吸着剤が所定の効率で機能し濃縮酸素が基準濃度に濃縮される。
【0009】
【発明の実施の形態】
上記技術思想に基づき具体的に構成された実施の形態について以下に図面を参照しつつ説明する。
【0010】
圧力変動吸着型酸素濃縮装置のシステム構成図を図1に、また、酸素濃縮装置の内部機器構成に係る左側面図(a)、正面図(b)、右側面図(c)を図2に、それぞれ示す。
図1および図2において、酸素濃縮装置1は、配置環境から空気を吸入して圧縮するコンプレッサ3による圧縮部、圧縮空気から窒素を吸着する吸着剤5,5による吸着部のほか、濃縮酸素を一時的に貯留するタンク7、供給圧力を調整するための圧力調整器9、濃縮酸素を加湿する加湿器11等を備えて構成され、延長チューブ13を介して利用者が装用するカニューラ15等に接続する。
【0011】
詳細には、コンプレッサ3は冷却用ファン20,20を備え、この冷却用ファン20,20には、その冷却送風量を制御する図示せぬ送風制御部を設ける。コンプレッサ3の吸気管21には、空気取入口側から順に、防護フィルタ22、吸気フィルタ23、消音器25等を備え。また、コンプレッサ3の送気側に熱交換器27aを介して送気管27を接続する。
【0012】
吸着剤5,5は2つの吸着塔として構成する。この2つの吸着塔は、それぞれ二方バルブマニホールド31によって送気管27から切替可能に圧縮空気を受け、かつ、切替可能に窒素を排出する排出管32と接続し、また、2つの吸着塔の送出側を送出管39と接続する。
【0013】
排出管32には、窒素の排出音を抑える消音器33を介設し、また、送気管27から受ける圧縮空気の温度を管理するべく、送気管27から2つの吸着剤5,5に至る範囲に図示せぬ温度センサを設け、その検出信号に基づき、圧縮空気が所定の目標温度となるように上記送風制御部を構成する。目標温度は、基準の酸素濃度の濃縮酸素が得られる圧縮空気の温度である。
【0014】
2つの吸着塔の送出側には、オリフィス付均圧弁35で両方を連結すると共に、それぞれチェックバルブ37,37を介して送出管39を接続する。この送出管39には、タンク7、圧力調整器9の他に、加湿器11までの間に、エアフィルタ41、酸素濃度センサ43、流量設定器45を介設する。
【0015】
上記構成の在宅医療用の酸素濃縮装置は、吸入空気を圧縮部によって圧縮し、この圧縮空気から吸着部が窒素を吸着して濃縮酸素が送出される。このとき、送風制御部は圧縮空気を所定の目標温度とするべく圧縮部の冷却ファンを制御することから、濃縮酸素が基準濃度となる圧縮空気温度を測定等によって別途定め、この定められた圧縮空気温度を送風制御部の目標温度(例えば、40℃)として設定することにより、吸着剤の吸着効率が確保されて吸着部において基準濃度に濃縮される。その結果は後述の測定のとおりである。
【0016】
一般的に在宅にて使用する酸素濃縮器には静音化が望まれる為に、音を発するもの(コンプレッサやブロアーファン)は鋼板や吸音材などを使用して遮音吸音している例が多い。その事はブロアーファン風量を増減することにより、コンプレッサの熱量が変化することを意味し、それに伴い圧縮空気温度も増減する事につながる。上記の様に、従来行われていたファン連続使用に比べ、ファン制御する事により低温時での酸素濃度は確実に増加する結果となった。
【0017】
また、この種の酸素濃縮装置は在宅で使用される事が多く、装置の低騒音化は重要なテーマでもある。特に患者が夜間睡眠時に使用する場合には睡眠の妨げともなる。本装置によれば、装置運転開始時は低回転でファンを駆動させる為、圧縮空気温度が適正温度に達するまでの間において低騒音化が実現できる。
【0018】
【実施例】
目標温度の決定については、各種の窒素吸着剤の測定によって得られた圧縮空気の温度と酸素濃度との関係から、吸着剤に送り込まれる圧縮空気温度が約28℃〜50℃付近で酸素濃度が顕著に改善する事が判明し、特に、濃縮酸素が基準の酸素濃度となる40℃を圧縮空気の目標温度とすればよいことが判明した。
【0019】
また、ブロアーファンの制御と圧縮空気温度および酸素濃度との関係を確認するべく、以下の条件により測定を実施した。この場合、運転方法は断続的にファン回すことも可能であるが、停止又は排出風量が少ない場合は、吸着塔より排出された窒素が装置外部に排出されず酸素濃度が低下することが判明した。
【0020】
具体的には、環境温度を0℃、5℃、10℃の条件下で時系列的に、運転直後からの圧縮空気温度と酸素濃度の関係をプロットした。ブロアーファンは高回転、低回転で行うことで圧縮空気温度をコントロールするようにした。非運転保管時間を約15時間として測定した結果、次のようなデータ(運転開始後約1時間経過時のデータ)が得られた。
【0021】
【表1】
【0022】
上記によれば、低温環境における風量ダウンは、風量アップと比較して圧縮空気温度、酸素濃度とも上昇し、特に、設置環境温度が低いほど、風量ダウンによる酸素濃度の改善効果が大きいという結果が得られた。
【0023】
表2は、従来行っていたファンの制御方法(一定風量で回す)であり、その時の圧縮空気温度と酸素濃度の測定データであるが、圧縮空気温度が20℃半ばあたりまで上昇すると酸素濃度が基準値とされる90±3%付近まで入り込んでいる。圧縮空気温度が50℃以上においても酸素濃度の低下は見られないが、50℃以上で使用した場合、他の使用部品への影響を考慮すると好ましいものではない。特に、安定供給を強いられる医療用ではなおさらである。
【0024】
【表2】
【0025】
したがって、基準の酸素濃度と対応する圧縮空気温度となるように、圧縮空気の温度を検出する温度センサの信号に基づいて、または、環境温度に合わせて冷却ファンを稼動制御することによって所期の目的を達成しうることが確認された。
【0026】
【発明の効果】
本願発明の酸素濃縮器を使用することにより、環境温度または圧縮空気温度のいずれか変化による生成された酸素濃縮気体の体積濃度の低下を防ぎ、安定的な濃度の酸素濃縮気体を使用者に供給できるようにした、改善された酸素濃縮装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明に係る酸素濃縮装置のシステム構成図
【図2】図1の酸素濃縮装置の内部機器構成に係る左側面図(a)、正面図(b)、右側面図(c)
【符号の説明】
1 酸素濃縮装置
3 コンプレッサ(空気圧縮手段)
5 吸着剤(吸着床)
20 冷却ファン(送風手段)
21 吸気管
27 送気管
31 二方バルブマニホールド
32 排出管
39 送出管
【発明の属する技術分野】
本発明は、大気中から酸素濃縮空気を分離して使用するための酸素濃縮装置に関する。更に詳細には、慢性呼吸器疾患の治療として有効な酸素吸入法に使用される圧力変動吸着型酸素濃縮装置に関し、低温時における吸着剤の窒素吸着量低下に伴う酸素回収率の低下、生成酸素濃縮気体の体積濃度の低下を防ぎ、環境温度に影響されること無く安定的に使用者に酸素濃縮気体を供給できるようにした、改善された圧力変動吸着型酸素濃縮装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、喘息、肺気腫症、慢性気管支炎などの呼吸器系疾患に苦しむ患者が増加する傾向があるが、その最も効果的な治療法の一つとして酸素吸入療法があり、空気中から酸素濃縮気体を直接分離する酸素濃縮装置が開発され、使用時の利便性、保守管理の容易さから酸素吸入療法用の治療装置として、次第に普及するようになってきている。
【0003】
かかる酸素濃縮装置として、窒素を選択的に吸着し得る吸着剤を1個或いは複数の吸着床に充填した吸着型酸素濃縮装置が知られ、中でも空気供給手段としてコンプレッサを用いた圧力変動吸着型酸素濃縮装置が多用されている。かかる装置は、通常、窒素を選択的に吸着し得る吸着剤を充填した1個或いは複数の吸着床にコンプレッサから圧縮空気を供給して加圧状態で窒素を吸着させることにより酸素濃縮気体を得る吸着工程と、吸着床の内圧を減少させて窒素を脱着させ吸着剤の再生を行う脱着工程を一定サイクルで繰り返し行い、更に必要に応じて、脱着工程終了直前に、既に生成した乾燥酸素濃縮気体を一部逆流させ再生効率の向上と昇圧を目的とする均圧工程を加えて、順次一定サイクルで行うことにより酸素濃縮気体を得る装置である。
【0004】
しかし、これらの装置の吸着床として使用されるゼオライト系吸着剤は、窒素よりも水の吸着力が強い傾向にあり、一定の使用条件下では吸着床に供給される圧縮空気の温度や含有水分量により窒素吸着量が変化し、酸素の回収率が大きく左右される。
特に、冬季等の低温度環境下では、吸着能力が低下して所定の酸素濃度が得られないという事態を生じることがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、装置を設置した環境温度が約20℃に満たない場合、更には冬季等の環境下においても、所定の酸素濃度を簡易に確保することができる装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の酸素濃縮装置は、窒素を選択的に吸着し得る吸着剤を充填した吸着床、圧縮空気を吸着床に送るための空気圧縮手段、該圧縮手段を冷却するための送風手段、設置環境温度及び/または圧縮空気温度を検出する温度検出手段を備え、検出された該設置環境温度または圧縮空気温度のいずれかに基づいて圧縮空気が酸素濃度条件と対応する所定の目標温度となるように上記送風手段の駆動を制御する駆動制御手段を備えたことを特徴とする
【0007】
また、空気圧縮手段で作られる空気温度が28〜50℃に制御されることを特徴とする。
【0008】
上記構成の圧力変動吸着型酸素濃縮装置は、吸入空気を圧縮手段によって圧縮し、この圧縮空気を吸着床に送ることによって窒素を吸着し濃縮酸素が送出される。このとき、送風駆動制御手段は圧縮空気を酸素濃度条件と対応する所定の目標温度とするべく冷却手段を制御することから、要求される基準濃度を得るために必要な圧縮空気温度を別途測定等によって定め、この定められた目標温度になるよう制御するため、吸着床において吸着剤が所定の効率で機能し濃縮酸素が基準濃度に濃縮される。
【0009】
【発明の実施の形態】
上記技術思想に基づき具体的に構成された実施の形態について以下に図面を参照しつつ説明する。
【0010】
圧力変動吸着型酸素濃縮装置のシステム構成図を図1に、また、酸素濃縮装置の内部機器構成に係る左側面図(a)、正面図(b)、右側面図(c)を図2に、それぞれ示す。
図1および図2において、酸素濃縮装置1は、配置環境から空気を吸入して圧縮するコンプレッサ3による圧縮部、圧縮空気から窒素を吸着する吸着剤5,5による吸着部のほか、濃縮酸素を一時的に貯留するタンク7、供給圧力を調整するための圧力調整器9、濃縮酸素を加湿する加湿器11等を備えて構成され、延長チューブ13を介して利用者が装用するカニューラ15等に接続する。
【0011】
詳細には、コンプレッサ3は冷却用ファン20,20を備え、この冷却用ファン20,20には、その冷却送風量を制御する図示せぬ送風制御部を設ける。コンプレッサ3の吸気管21には、空気取入口側から順に、防護フィルタ22、吸気フィルタ23、消音器25等を備え。また、コンプレッサ3の送気側に熱交換器27aを介して送気管27を接続する。
【0012】
吸着剤5,5は2つの吸着塔として構成する。この2つの吸着塔は、それぞれ二方バルブマニホールド31によって送気管27から切替可能に圧縮空気を受け、かつ、切替可能に窒素を排出する排出管32と接続し、また、2つの吸着塔の送出側を送出管39と接続する。
【0013】
排出管32には、窒素の排出音を抑える消音器33を介設し、また、送気管27から受ける圧縮空気の温度を管理するべく、送気管27から2つの吸着剤5,5に至る範囲に図示せぬ温度センサを設け、その検出信号に基づき、圧縮空気が所定の目標温度となるように上記送風制御部を構成する。目標温度は、基準の酸素濃度の濃縮酸素が得られる圧縮空気の温度である。
【0014】
2つの吸着塔の送出側には、オリフィス付均圧弁35で両方を連結すると共に、それぞれチェックバルブ37,37を介して送出管39を接続する。この送出管39には、タンク7、圧力調整器9の他に、加湿器11までの間に、エアフィルタ41、酸素濃度センサ43、流量設定器45を介設する。
【0015】
上記構成の在宅医療用の酸素濃縮装置は、吸入空気を圧縮部によって圧縮し、この圧縮空気から吸着部が窒素を吸着して濃縮酸素が送出される。このとき、送風制御部は圧縮空気を所定の目標温度とするべく圧縮部の冷却ファンを制御することから、濃縮酸素が基準濃度となる圧縮空気温度を測定等によって別途定め、この定められた圧縮空気温度を送風制御部の目標温度(例えば、40℃)として設定することにより、吸着剤の吸着効率が確保されて吸着部において基準濃度に濃縮される。その結果は後述の測定のとおりである。
【0016】
一般的に在宅にて使用する酸素濃縮器には静音化が望まれる為に、音を発するもの(コンプレッサやブロアーファン)は鋼板や吸音材などを使用して遮音吸音している例が多い。その事はブロアーファン風量を増減することにより、コンプレッサの熱量が変化することを意味し、それに伴い圧縮空気温度も増減する事につながる。上記の様に、従来行われていたファン連続使用に比べ、ファン制御する事により低温時での酸素濃度は確実に増加する結果となった。
【0017】
また、この種の酸素濃縮装置は在宅で使用される事が多く、装置の低騒音化は重要なテーマでもある。特に患者が夜間睡眠時に使用する場合には睡眠の妨げともなる。本装置によれば、装置運転開始時は低回転でファンを駆動させる為、圧縮空気温度が適正温度に達するまでの間において低騒音化が実現できる。
【0018】
【実施例】
目標温度の決定については、各種の窒素吸着剤の測定によって得られた圧縮空気の温度と酸素濃度との関係から、吸着剤に送り込まれる圧縮空気温度が約28℃〜50℃付近で酸素濃度が顕著に改善する事が判明し、特に、濃縮酸素が基準の酸素濃度となる40℃を圧縮空気の目標温度とすればよいことが判明した。
【0019】
また、ブロアーファンの制御と圧縮空気温度および酸素濃度との関係を確認するべく、以下の条件により測定を実施した。この場合、運転方法は断続的にファン回すことも可能であるが、停止又は排出風量が少ない場合は、吸着塔より排出された窒素が装置外部に排出されず酸素濃度が低下することが判明した。
【0020】
具体的には、環境温度を0℃、5℃、10℃の条件下で時系列的に、運転直後からの圧縮空気温度と酸素濃度の関係をプロットした。ブロアーファンは高回転、低回転で行うことで圧縮空気温度をコントロールするようにした。非運転保管時間を約15時間として測定した結果、次のようなデータ(運転開始後約1時間経過時のデータ)が得られた。
【0021】
【表1】
【0022】
上記によれば、低温環境における風量ダウンは、風量アップと比較して圧縮空気温度、酸素濃度とも上昇し、特に、設置環境温度が低いほど、風量ダウンによる酸素濃度の改善効果が大きいという結果が得られた。
【0023】
表2は、従来行っていたファンの制御方法(一定風量で回す)であり、その時の圧縮空気温度と酸素濃度の測定データであるが、圧縮空気温度が20℃半ばあたりまで上昇すると酸素濃度が基準値とされる90±3%付近まで入り込んでいる。圧縮空気温度が50℃以上においても酸素濃度の低下は見られないが、50℃以上で使用した場合、他の使用部品への影響を考慮すると好ましいものではない。特に、安定供給を強いられる医療用ではなおさらである。
【0024】
【表2】
【0025】
したがって、基準の酸素濃度と対応する圧縮空気温度となるように、圧縮空気の温度を検出する温度センサの信号に基づいて、または、環境温度に合わせて冷却ファンを稼動制御することによって所期の目的を達成しうることが確認された。
【0026】
【発明の効果】
本願発明の酸素濃縮器を使用することにより、環境温度または圧縮空気温度のいずれか変化による生成された酸素濃縮気体の体積濃度の低下を防ぎ、安定的な濃度の酸素濃縮気体を使用者に供給できるようにした、改善された酸素濃縮装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明に係る酸素濃縮装置のシステム構成図
【図2】図1の酸素濃縮装置の内部機器構成に係る左側面図(a)、正面図(b)、右側面図(c)
【符号の説明】
1 酸素濃縮装置
3 コンプレッサ(空気圧縮手段)
5 吸着剤(吸着床)
20 冷却ファン(送風手段)
21 吸気管
27 送気管
31 二方バルブマニホールド
32 排出管
39 送出管
Claims (2)
- 窒素を選択的に吸着し得る吸着剤を充填した吸着床、圧縮空気を吸着床に送るための空気圧縮手段、該圧縮手段を冷却するための送風手段、設置環境温度及び/または圧縮空気温度を検出する温度検出手段を備えてなる圧力変動吸着型酸素濃縮装置において、
検出された該設置環境温度または圧縮空気温度のいずれかに基づいて圧縮空気が酸素濃度条件と対応する所定の目標温度となるように上記送風手段の駆動を制御する駆動制御手段を備えたことを特徴とする圧力変動吸着型酸素濃縮装置。 - 空気圧縮手段で作られる圧縮空気温度が28〜50℃に制御されることを特徴とする請求項1に記載の圧力変動吸着型酸素濃縮装置。
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JP2002175458A JP2004018313A (ja) | 2002-06-17 | 2002-06-17 | 圧力変動吸着型酸素濃縮装置 |
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JP2002175458A JP2004018313A (ja) | 2002-06-17 | 2002-06-17 | 圧力変動吸着型酸素濃縮装置 |
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ID=31174097
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2002
- 2002-06-17 JP JP2002175458A patent/JP2004018313A/ja active Pending
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