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JP2004017668A - ランフラットタイヤ - Google Patents

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JP2004017668A JP2002171244A JP2002171244A JP2004017668A JP 2004017668 A JP2004017668 A JP 2004017668A JP 2002171244 A JP2002171244 A JP 2002171244A JP 2002171244 A JP2002171244 A JP 2002171244A JP 2004017668 A JP2004017668 A JP 2004017668A
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Abstract

【課題】耐久性に優れたランフラットタイヤを提供する。
【解決手段】ランフラットタイヤ1はカーカス5の内面側に断面三日月状の補強層10を具える。補強層10は、タイヤ幅方向断面で見て、厚さtが端縁11からの距離をxとして下記(1)式に従い漸増する一対の端部13a、13bと、端部13a、13bとの境界位置に変曲点を持ち、補強層の厚さが最大となる点に向かって厚さが漸増する一対の移行部16a、16bと、両移行部16a、16b間に位置する中央部17とからなる。
=ax     ・・・・・(1)
但し、a>0、n>1である。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、カーカスの内面側でかつ少なくともサイドウォール部に補強層を有するランフラットタイヤに関するものであり、特にかかるタイヤの耐久性の向上を図る。
【0002】
【従来の技術】
通常の空気入りラジアルタイヤでは、タイヤに必要とされる剛性を発現させるために、ビード部にビードコアやビードフィラーを埋設することでホイールのリムとの嵌合を強固にするとともに剛性を確保し、またカーカスのクラウン部外周にベルトを配置することでリング剛性を得ている。さらに、タイヤ内部に空気を充填することで、ベルトに張力が付与され、前述のリング剛性がより増大する。また、通常カーカスプライが主体となって構成されているサイドウォール部にも同様の張力が付与され、サイドウォール部は、かかる張力によって発現される剛性によってベルトとビード部との間をバネのように弾性的に結合する。このように通常の空気入りラジアルタイヤにおいては、サイドウォール部に付加的な部材をあえて配設しないことで、通常走行時の乗心地を確保している。
【0003】
しかし、車両の操縦安定性を向上させる等の理由から、空気入りラジアルタイヤのサイドウォール部の剛性を高める必要が生じることがある。
【0004】
特に、パンク時においてもある程度の距離の走行が可能な空気入りラジアルタイヤ、いわゆるランフラットタイヤでは、低内圧またはパンクした状態で荷重を負荷したときの撓み変形を抑制する必要があることから、空気圧に依存することなくタイヤ単体またはリムとの組み合わせ体で十分に剛性を発揮することが要求されている。
【0005】
タイヤの剛性を高めるための手段としては、例えば図5(a)に示すように、サイドウォール部101に断面が三日月状の補強層103をカーカス102の内面側に配置する。カーカス102が複数枚のプライで構成されているときには、図5(b)に示すように、プライの間にこの補強層103を挟み込んで配置するのが有用である。補強層103の材質としては硬質のゴム材料等が使用され、特に剛性を増大させる観点から引張りおよび圧縮剛性の高いものを用いるのが一般的である。また、補強層103はこれに隣接する部材との間に生じる剛性段差を小さくするため、補強層103の厚さが、図6に示すようにタイヤ径方向端縁104a、104bに向かって薄くなるように形成されてはいるものの、補強層103の端部105a、105b形状の適正化が図られていないため、剛性段差が依然として大きくなる傾向があり、補強層103の端部105a、105b近傍に応力が集中する結果、早期に故障が生じやすいという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、この発明の目的は、補強層、特のその端部および移行部の厚さ方向の断面形状の適正化を図ることにより、補強層とこれに接する部材との間で生じる剛性段差を小さくして、優れた耐久性を有するランフラットタイヤを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明は、一対のビード部、ビード部からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール部および両サイドウォール部間にまたがって延びるトレッド部の各部にわたってトロイド状に延びる少なくとも1枚のプライからなるカーカスを配設し、カーカスのクラウン部とトレッド部との間に、タイヤ赤道面を挟んでコードが互いに交差するように積層した少なくとも2層のコード層からなるベルトを具え、カーカスの内面側および/またはプライ間でかつ少なくともサイドウォール部の範囲にわたって断面三日月状の補強層を具えるランフラットタイヤにおいて、補強層は、タイヤ幅方向断面で見て、補強層のタイヤ径方向端縁位置から補強層の外周面に沿って測定した距離を変数xとし、補強層の厚さをtとするとき、前記厚さ(t)が下記(1)式の関係式を満足するように漸増する一対の端部と、該端部との境界位置に変曲点を持ち、補強層の厚さが最大となる点に向かって厚さが漸増する一対の移行部と、両移行部間に位置する中央部とからなることを特徴とするランフラットタイヤである。

=ax     ・・・・・(1)
但し、a>0、n>1である。
【0008】
ここにいう「変曲点」には、曲線の凹凸の状態が変わる点に加えて、曲線と直線の交点を含むものとする。
【0009】
なお、この発明において、タイヤの各部の寸法は、JATMAに規定された標準リムに組み付け、適用サイズ・プライレーティングにおける最大負荷能力に対応する空気圧を充填してタイヤをリムに嵌合した後、タイヤ内圧をこの空気圧の10%に相当する空気圧まで減圧した状態で測定するものとする。
【0010】
移行部の厚さの変化率は、変曲点から補強層の厚さが最大となる点に向かって漸減することが好ましい。ここで「厚さの変化率」とは、タイヤ幅方向断面内での補強層に対する接線の傾きのことであり、具体的には、補強層のタイヤ幅方向断面を表す式の微分係数として求めることができる。
【0011】
また、累乗の指数nは4/3以上であることが好ましい。
【0012】
加えて、補強層の一方の端部とこれに隣接する移行部とを合わせた幅が前記補強層の幅の0.2倍以上であることが好ましい。
【0013】
さらにまた、補強層の厚さの最大値が補強層の幅の0.14倍以上であることが好ましい。
【0014】
ここで、「端部の幅」および「補強層の幅」とは、タイヤ幅方向断面で見て、補強層の外周面に沿ってそれぞれ測定したときの幅をいい、「補強層の厚さ」とは補強層の外周面に立てた法線上で測定した補強層の外周面と内周面との間の距離をいう。
【0015】
また、変曲点の位置は、補強層の厚さの最大値の70%以下の範囲にあることが好ましい。
【0016】
さらに、補強層の中央部の厚さはほぼ一定であることが好ましい。
【0017】
加えて、補強層の中央部を中央域と両端域に区分するとき、中央域の厚さが両端域のそれに比べて薄いことが好ましい。
【0018】
さらにまた、補強層は、そのタイヤ径方向外側に位置する端部をベルトの端部下方にオーバーラップさせて配設し、かかるオーバーラップ範囲をタイヤ幅方向に測定したときの幅が、カーカス高さの0.2倍以上であることが好ましい。
【0019】
また、タイヤを標準リムに装着した状態にて、補強層のタイヤ径方向縁とリム径ラインとの間のタイヤ径方向距離が、標準リムのフランジ高さの1.3倍以上であることが好ましい。ここで「リム径ライン」とは、リム径を測定する位置を意味する。
【0020】
さらに、補強層が硬質ゴムであることが好ましい。
【0021】
加えて、補強層の100%モジュラスが4MPa以上であることが好ましい。
【0022】
さらにまた、カーカスを構成する少なくとも1枚のプライが、ナイロン6、ナイロン66、ポリエチレンテレフタレート(PET)、レーヨン、ポリエチレンナフタレート(PEN)およびアラミドからなる群より選択されたコードを有することが好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態を説明する。図1は、この発明に従う代表的なランフラットタイヤ(以下、「タイヤ」という。)の幅方向半断面を示した図である。
【0024】
図1に示すタイヤ1は、一対のビード部2、ビード部2からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール部3および両サイドウォール3部間にまたがって延びるトレッド部4の各部にわたってトロイド状に延びる少なくとも1枚のプライ、図1では2枚のプライからなるカーカス5を配設し、カーカス5のクラウン部6とトレッド部4との間に、タイヤ赤道面7を挟んでコードが互いに交差するように積層した少なくとも2層のコード層、図1では2層のコード層8a、8bからなるベルト9を具え、カーカス5の内面側でかつ少なくともサイドウォール部3の範囲にわたって断面三日月状の補強層10を具えており、いわゆるサイド補強タイプのランフラットタイヤの構造を有する。
【0025】
そして、この発明の構成上の主な特徴は、補強層10、特にその端部13a、13bおよび移行部16a、16bの厚さ方向の断面形状の適正化を図ることにあり、具体的には、補強層10が、タイヤ幅方向断面で見て、補強層10のタイヤ径方向端縁11a、11b位置から補強層10の外周面12に沿って測定した距離を変数xとし、補強層10の厚さをtとするとき、厚さtが下記(1)式の関係式を満足するように漸増する一対の端部13a、13bと、端部13a、13bとの境界位置14a、14bに変曲点を持ち、補強層10の厚さが最大となる点12に向かって厚さが漸増する一対の移行部16a、16bと、両移行部16a、16b間に位置する中央部17とを有することにある。

=ax     ・・・・・(1)
但し、a>0、n>1である。
【0026】
以下、この発明が上記構成を採用するに至った経緯を作用とともに説明する。発明者は、サイドウォール部3をタイヤ周方向に単位長さ切り出し、これを円弧状の梁とみなしてモデル化し、タイヤに負荷荷重Wが適用されたときに生じる曲げと軸力による最大圧縮応力σを解析した。すなわち、タイヤ幅方向断面内において、円弧の中心を通りタイヤ回転軸に平行な線Lから角度θの位置における最大圧縮応力σは、サイドウォール部3の、曲率半径、タイヤ周方向断面積および断面係数、ならびに開き角をそれぞれR、A、Zおよびφとすると、次式のように表される。
【0027】
【数1】
Figure 2004017668
但し、−φ/2≦θ≦φ/2である。
【0028】
上式より、最大圧縮応力σは、θ=−φ/2またはφ/2において最小となり、θ=0において最大となることが分かる。
【0029】
また、サイドウォール部3の剛性を高めるため、カーカス5内面側に補強層10を配設した場合の最大圧縮応力σ′は、補強層10のタイヤ周方向断面積をaとすると、次式のように表される。
【0030】
【数2】
Figure 2004017668
【0031】
したがって、任意の角度θにおける最大圧縮応力σ′を均一にするためには、上式の右辺第二項が右辺第一項に反比例して変化する必要がある。すなわち、cosθが最小のときにW/(A+a)が最大になる、すなわちaが最小となり、cosθが最大のときにW/(A+a)が最小になる、すなわちaが最大となる必要がある。このような断面積aの変化を有する補強層10のタイヤ幅方向断面形状は三日月状となる。
【0032】
しかしながら、このような断面形状の補強層10を用いたとしても、補強層10がサイドウォール部3と接合する両端縁11においては、補強層10とこれに隣接する部材との間に剛性段差を生じやすいため、補強層10の端縁11近傍に応力が集中し、早期に故障が生じやすいという問題があった。
【0033】
発明者は、この問題を解決するためには、補強層10とこれに隣接する部材との間で剛性が連続的に変化するように端部13a、13bの形状を加工すればよいことを見出した。そこで、材料力学の断面二次モーメントを用いて曲げ剛性を考慮し、補強層10とこれに隣接する部材との間で剛性が連続的に変化するには、両端部13a、13bにおいて断面二次モーメントの2階微分が連続であり、かつ両端縁11a、11bにおいて実質上零となればよいことを見出した。
【0034】
すなわち、補強層10の一方の端部13aまたは13bについて考察すると、補強層10のタイヤ径方向端縁11から補強層の外周面12に沿って測定した距離を変数xとし、補強層10の厚さをtとするとき、0≦x≦1/2の領域において、曲げ剛性として周方向単位幅あたりの断面二次モーメントIは次のように表される。
【0035】
【数3】
Figure 2004017668
【0036】
ここで、x<0でt=0、I=0の領域を含めてx=0でIおよび1階微分、2階微分が常に実質上連続となる、すなわちI(0)=I(1)(0)=I(2)(0)=0となる取扱いの簡便な一般関数形としては、定数項を含まない工事関数形が考えられる。さらに、ここでは端部領域についてのみ議論しているので、この領域では変曲点を含まない漸増状態を常に満足することが好ましい。ここで高次多項式について考えると、最高次数項についてのみ取り上げると前述の条件が満足されるので、tはxの累乗、すなわちt=axと表すことができる。これを上式に代入し、1階微分および2階微分を求めると次のようになる。
【0037】
【数4】
Figure 2004017668
【0038】
補強層10とこれに隣接する部材との間で剛性が連続的に変化するためには、0≦x≦1/2の領域において、少なくとも上記3つの式が連続であることが必要である。さらに、端縁11において剛性段差を生じないためには、xの減少に伴ってIも漸減して零に収束すること、すなわち2階微分が1次関数系よりも大きいこと、望ましくは2次関数以上であることが必要である。
【0039】
したがって、I(2)の累乗の指数部について、
3n−2>1、 ∴n>1
望ましくは、
3n−2≧2、 ∴n≧4/3
であることが必要である。
【0040】
移行部16a、16bの形状は、特に限定されず、曲線状、直線状等とすることができるが、移行部16a、16bの厚さの変化率が、変曲点から補強層10の厚さが最大となる点に向かって漸減する、例えば上に凸形状の曲線であると、剛性段差をより一層回避できることから、好ましい。
【0041】
よってこの発明では、端部13a、13bの形状の適正化を図ることにより、補強層10とこれに接する部材との間で生じる剛性段差を小さくすることができる。
【0042】
また、一方の端部13a、13bとこれに隣接する移行部16a、16bとを合わせた幅が補強層10の幅Wの0.2倍以上であることが好ましい。剛性段差に起因する応力の集中現象を回避するには、剛性が漸増する断面形状を有することが重要であるが、一方の端部13a、13bとこれに隣接する移行部16a、16bとを合わせた幅が補強層10の幅の0.2倍未満では、その効果は不十分であり、補強層10全体として十分に応力の集中を抑制することができなくなるおそれがあるからである。
【0043】
さらに、補強層10の厚さの最大値tmaxが補強層10の幅Wの0.14倍以上であることが好ましい。厚さの最大値tmaxが幅Wの0.14倍より小さいと、ランフラットタイヤに必要とされるタイヤの剛性が不足する傾向があるからである。なお、補強層10の厚さの最大値tmaxとは、図2に示すように、タイヤ貼り付け前の補強層10の形状で測定したときの厚さの最大値tmaxを意味する。
【0044】
さらにまた、変曲点の位置は、補強層10の厚さの最大値の70%以下の範囲にあることが好ましい。変曲点の位置を補強層10の厚さの最大値の70%以下の範囲とすることで、移行部分16a、16bにおける補強層10の厚さをなだらかに漸増させることが可能となり、補強層10の厚さの変化が急激となる部分が無くなり、タイヤのランフラット性能を向上させることができるからである。
【0045】
さらにまた、補強層10の中央部17においては、端部13a、13bに比べると曲げ剛性が十分に大きくなっており、実質上応力の集中は発生しないため、端部13a、13bや移行部16a、16bのように必ずしも曲げ剛性が上述した3つの式で連続である必要はなく、少なくとも曲げ剛性、すなわち厚さの分布が連続していればよい。したがって、中央部17は平坦であってもよく、または角部や凹部を有していてもよいが、加工適正の観点からは図2に示すように中央部17の厚さはほぼ一定であることが好ましく、タイヤの軽量化の観点からは図3に示すように中央部17の中央域19の厚さが両端域18のそれに比べて薄いことが好ましい。
【0046】
加えて、補強層10は、そのタイヤ径方向外側に位置する端部13bをベルト9の端部下方にオーバーラップさせて配設し、かかるオーバーラップ範囲をタイヤ幅方向に測定したときの幅Wが、カーカス高さHの0.2倍以上であることが好ましい。補強層10とベルト9とがオーバーラップしていないと、ベルト9の端部直下での剛性が相対的に低くなる結果、この領域に応力が集中して早期に故障することがあるからである。
【0047】
また、補強層10のタイヤ径方向内端縁11aとリム径ライン20との間のタイヤ径方向距離dが、標準リムのフランジ高さの1.3倍以上であることが好ましい。ビード部2には、ビードワイヤ、ビードフィラー等の補強部材が埋設されている上、リムと嵌合することでビード部はリムフランジからも支持されるので、標準リムのフランジ高さの1.3倍未満の領域にまで補強層10を配設してもタイヤ重量を増加させるばかりで、十分な剛性増大効果は得られない傾向があるからである。
【0048】
さらに、補強層10の材質は、ゴム、樹脂またはこれらの材料中に大量の空隙部を有するもの、例えば発泡ゴム、発泡ウレタン等を用いることが可能であるが、操縦安定性と乗心地性の双方をバランスよく確保する観点からは硬質ゴムであることが好ましい。
【0049】
さらにまた、補強層10の100%モジュラスが4MPa以上であることが好ましい。100%モジュラスが4MPa未満の場合には、ランフラット走行に必要な剛性を確保できないからである。
【0050】
加えて、カーカスを構成する少なくとも1枚のプライが、ナイロン6、ナイロン66、ポリエチレンテレフタレート(PET)、レーヨン、ポリエチレンナフタレート(PEN)およびアラミドからなる群より選択されたコードを有することが好ましい。ランフラット走行時にはタイヤ内圧がほぼ零となり、カーカスに張力が付与されない状態で走行するため、柔軟性および耐摩耗性を具えたカーカスコードが必要となるからである。
【0051】
なお、上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
【0052】
補強層は、図1ではカーカス5の内面側に配設した例を示したが、例えば図4に示すようにカーカス5が2枚以上のプライから構成される場合には、補強層10aをカーカスプライの間に挟んで配設してもよく、また、双方に配設してもよい。双方に配設する場合には、2つの補強層10a、10bを合わせて寸法を測定する。
【0053】
【実施例】
次に、この発明に従うランフラットタイヤを試作し、性能評価を行ったので、以下に説明する。
【0054】
(試験例1)
実施例1〜4のタイヤは、図1に示す幅方向断面を有し、タイヤサイズが245/45R18であるランフラットタイヤであって、補強層は、100%モジュラスが10.5MPaである硬質ゴムで構成され、補強層の幅が80mmであり、補強層の端部と移行部とを合わせた幅は補強層の幅の0.22倍であり、補強層の端部における厚さtは、
=ax
で表され、nが表1に示す値をとり、x=0で実質t=0、x=0.2でt=6.0mmであり、補強層は、中央部の厚さが一定であって、厚さの最大値が8mmであり、カーカスはレーヨンコードからなる2枚のプライで構成され、補強層とベルトとのオーバーラップ範囲をタイヤ幅方向に測定したときの幅がカーカス高さの0.25倍であるランフラットタイヤである。
【0055】
比較のため、図6に示す補強層を用いた従来タイヤ(従来例)と、累乗の指数nがこの発明の適正範囲外であるタイヤ(比較例1および2)についても併せて試作した。
【0056】
(試験方法)
前記各供試タイヤを標準リム(8JJ)に組み付けてタイヤ車輪とし、空気圧0kPa(相対圧)、試験負荷荷重5290N、走行速度90km/hの条件下でドラム試験機上を走行させ、タイヤが故障するまでの走行距離を測定し、この測定値によって耐久性を評価した。その評価結果を表1に示す。なお、表1中の耐久性は従来例の耐久性を100としたときの指数比で示してあり、数値の大きいほど耐久性が優れている。
【0057】
【表1】
Figure 2004017668
【0058】
表1に示す結果から、補強層の端部の形状がこの発明の累乗の指数nの適正範囲を満足する場合に耐久性が優れている。
【0059】
(試験例2)
次に、実施例5〜9のタイヤは、タイヤサイズが225/50R16であり、補強層の幅が75mmであり、補強層の厚さの最大値が9mmであり、端部および移行部の補強層幅に対する比が表2に示す値であること以外は実施例3のタイヤと同様の構造を有するランフラットタイヤである。
【0060】
(試験方法)
前記各供試タイヤを標準リム(7JJ)に組み付けてタイヤ車輪とし、空気圧0kPa(相対圧)、試験負荷荷重5290N、走行速度80km/hの条件下でドラム試験機上を走行させ、タイヤが故障するまでの走行距離を測定し、この測定値によって耐久性を評価した。その評価結果を表2に示す。なお、表2中の耐久性は実施例5の耐久性を100としたときの指数比で示してあり、数値の大きいほど耐久性が優れている。
【0061】
【表2】
Figure 2004017668
【0062】
表2に示す結果から、実施例5〜9のタイヤのうち、特に補強層の端部の幅が補強層の幅の0.2倍以上である実施例7〜9は耐久性が格段に向上している。
【0063】
【発明の効果】
この発明によれば、耐久性に優れたランフラットタイヤを提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に従う代表的なランフラットタイヤの幅方向半断面図である。
【図2】この発明に従う補強層10のタイヤ貼付け前の幅方向断面図である。
【図3】この発明に従う他の補強層10のタイヤ貼付け前の幅方向断面図である。
【図4】この発明に従う他のランフラットタイヤの幅方向半断面図である。
【図5】(a)および(b)はいずれも従来のランフラットタイヤの幅方向半断面図である。
【図6】図5(a)に示す従来タイヤの補強層103のみを抜き出して示した拡大図である。
【符号の説明】
1  タイヤ
2  ビード部
3  サイドウォール部
4  トレッド部
5  カーカス
6  クラウン部
7  タイヤ赤道面
8a、8b  コード層
9  ベルト
10  補強層
11a、11b  タイヤ径方向端縁
12  外周面
13a、13b  端部
14a、14b  境界位置
15  タイヤ径方向中心位置
16a、16b  移行部
17  中央部
18  中央部両端域
19  中央部中央域
20  リム径ライン

Claims (13)

  1. 一対のビード部、ビード部からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール部および両サイドウォール部間にまたがって延びるトレッド部の各部にわたってトロイド状に延びる少なくとも1枚のプライからなるカーカスを配設し、カーカスのクラウン部とトレッド部との間に、タイヤ赤道面を挟んでコードが互いに交差するように積層した少なくとも2層のコード層からなるベルトを具え、カーカスの内面側および/またはプライ間でかつ少なくともサイドウォール部の範囲にわたって断面三日月状の補強層を具えるランフラットタイヤにおいて、
    補強層は、タイヤ幅方向断面で見て、
    補強層のタイヤ径方向端縁位置から補強層の外周面に沿って測定した距離を変数xとし、補強層の厚さをtとするとき、前記厚さ(t)が下記(1)式の関係式を満足するように漸増する一対の端部と、
    該端部との境界位置に変曲点を持ち、補強層の厚さが最大となる点に向かって厚さが漸増する一対の移行部と、
    両移行部間に位置する中央部とを有することを特徴とするランフラットタイヤ。

    =ax     ・・・・・(1)
    但し、a>0、n>1である。
  2. 前記移行部の厚さの変化率は、変曲点から補強層の厚さが最大となる点に向かって漸減する請求項1記載のランフラットタイヤ。
  3. 累乗の指数nは4/3以上である請求項1または2記載のランフラットタイヤ。
  4. 前記補強層の一方の端部とこれに隣接する移行部とを合わせた幅が前記補強層の幅の0.2倍以上である請求項1〜3のいずれか1項記載のランフラットタイヤ。
  5. 前記補強層の厚さの最大値が補強層の幅の0.14倍以上である請求項1〜4のいずれか1項記載のランフラットタイヤ。
  6. 前記変曲点の位置は、補強層の厚さの最大値の70%以下の範囲にある請求項1〜5のいずれか1項記載のランフラットタイヤ。
  7. 前記補強層の中央部の厚さがほぼ一定である請求項1〜6のいずれか1項記載のランフラットタイヤ。
  8. 前記補強層の中央部を中央域と両端域に区分するとき、中央域の厚さが両端域のそれに比べて薄い請求項1〜6のいずれか1項記載のランフラットタイヤ。
  9. 前記補強層は、そのタイヤ径方向外端縁を含む端部をベルトの端部下方にオーバーラップさせて配設し、かかるオーバーラップ範囲をタイヤ幅方向に測定したときの幅が、カーカス高さの0.2倍以上である請求項1〜8のいずれか1項記載のランフラットタイヤ。
  10. タイヤを標準リムに装着した状態にて、前記補強層のタイヤ径方向内端縁とリム径ラインとの間のタイヤ径方向距離が、標準リムのフランジ高さの1.3倍以上である請求項1〜9のいずれか1項記載のランフラットタイヤ。
  11. 前記補強層が硬質ゴムである請求項1〜10のいずれか1項記載のランフラットタイヤ。
  12. 前記補強層の100%モジュラスが4MPa以上である請求項1〜11のいずれか1項記載のランフラットタイヤ。
  13. 前記カーカスを構成する少なくとも1枚のプライが、ナイロン6、ナイロン66、ポリエチレンテレフタレート、レーヨン、ポリエチレンナフタレートおよびアラミドからなる群より選択されたコードを有する請求項1〜12のいずれか1項記載のランフラットタイヤ。
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