JP2004016569A - 車両のシート構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両のシート構造において、シートの背もたれ部を構成するパッド部材の裏面に送風装置を備えた場合、送風装置の排気口からの排風が、後側のシートに着座する乗員に局所的に当たるような状態を避ける。
【解決手段】通気性を備えたカバー13によりパッド部材11の裏面を所定間隔を置いて覆い、パッド部材11の裏面とカバー13との間に送風装置14を備え、送風装置14の送風口15bからの送風をパッド部材11の表面に供給するように構成する。パッド部材11の裏面とカバー13とに亘る壁部材11bを備えて、パッド部材11の裏面及びカバー13、壁部材11bにより空間Aを形成し、送風装置14の排気口16bからの排風を空間Aに供給する。
【選択図】 図4
【解決手段】通気性を備えたカバー13によりパッド部材11の裏面を所定間隔を置いて覆い、パッド部材11の裏面とカバー13との間に送風装置14を備え、送風装置14の送風口15bからの送風をパッド部材11の表面に供給するように構成する。パッド部材11の裏面とカバー13とに亘る壁部材11bを備えて、パッド部材11の裏面及びカバー13、壁部材11bにより空間Aを形成し、送風装置14の排気口16bからの排風を空間Aに供給する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗用車や商用車、バス等の車両におけるシートの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
前述のような車両のシートでは、シートの背もたれ部を構成するパッド部材の裏面に送風装置を備え、送風装置の送風(温風や冷風、常温の風)をパッド部材の表面に供給するように構成したものがある。これにより、送風装置の送風がパッド部材の表面に供給されて、シートに着座する乗員にとって快適性の高いものとなる。
背もたれ部において、前述のような送風装置をパッド部材の裏面に備えた場合に、送風装置の排気口が背もたれ部から後向きに配置されることがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術に記載のように、送風装置の排気口が背もたれ部から後向きに配置された場合、送風装置の排気口からの排風が、後側のシートに着座する乗員の手の一部分や足の一部分等に局所的に当たることがあり、後側のシートに着座する乗員が不快に感じることがある。
【0004】
この場合、送風装置の排気口にダクトやチューブを接続し、ダクトやチューブを延出することにより、送風装置の排気口からの排風が後側のシートに着座する乗員に当たらないように構成することも考えられるが、ダクトやチューブを別に用意しなければならないので、生産コストが高いものになる。
本発明は車両のシート構造において、シートの背もたれ部を構成するパッド部材の裏面に送風装置を備えた場合、送風装置の排気口からの排風が、後側のシートに着座する乗員の手の一部分や足の一部分等に局所的に当たるような状態を、避けることができるように構成することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
[I]
請求項1の特徴によると、シートの背もたれ部を構成するパッド部材の裏面において、通気性を備えたカバーによりパッド部材の裏面から所定間隔を置いて覆うように構成し、パッド部材の裏面とカバーとの間に送風装置を備え、送風装置の送風口からの送風をパッド部材の表面に供給するように構成している。パッド部材の裏面とカバーとに亘る壁部材をパッド部材の裏面とカバーとの間に備え、パッド部材の裏面及びカバー、壁部材により空間を形成し、送風装置の排気口からの排風を空間に供給するように構成している。
【0006】
これにより、請求項1の特徴によると、送風装置の排気口からの排風がパッド部材の裏面の空間に供給されると、送風装置の排気口からの排風が主に空間のカバーの部分を通って後側に流れる状態となる。この場合に、請求項1の特徴のように、パッド部材の裏面及びカバー、壁部材により空間を形成すると、壁部材の幅が比較的狭いのに対して(パッド部材の裏面をカバーによって覆う場合、パッド部材の裏面とカバーとの間隔を不必要に大きく設定する必要がないことによる)、空間のカバーの部分の面積が比較的大きなものになる。
【0007】
従って、請求項1の特徴によると、送風装置の排気口からの排風が比較的面積の大きな空間のカバーの部分を通って後側に流れれば、送風装置の排気口からの排風が比較的大きな面積に分散された状態で後側に流れることになるので、送風装置の排気口からの排風が、後側のシートに着座する乗員の手の一部分や足の一部分等に局所的に当たるような状態は生じない。
【0008】
[II]
前項[I]に記載のように、パッド部材の裏面に空間を形成する場合、壁部材を使用せずにパッド部材の裏面の全てを空間として設定することが考えられる。しかしながら、このように構成すると、送風装置の排気口からの排風が温風や冷風である場合、送風装置の排気口からの排風の熱がパッド部材の表面の全体に伝わったり(送風装置の排気口からの排風が温風であると、送風装置の送風口からパッド部材の表面に供給される送風は冷風であることが多い)、パッド部材の表面の全体から熱が送風装置の排気口からの排風に奪われてしまうことが考えられる(送風装置の排気口からの排風が冷風であると、送風装置の送風口からパッド部材の表面に供給される送風は温風であることが多い)。
【0009】
請求項1の特徴によると、パッド部材の裏面とカバーとに亘る壁部材をパッド部材の裏面とカバーとの間に備えて、パッド部材の裏面及びカバー、壁部材により空間を形成しており、パッド部材の裏面の全てを空間として設定していない。請求項1の特徴のように、パッド部材の裏面の全てではなく、パッド部材の裏面の限られた部分に空間を形成することにより、前述のように送風装置の排気口からの排風の熱がパッド部材の表面の全体に伝わったり、パッド部材の表面の全体から熱が送風装置の排気口からの排風に奪われてしまうと言うような状態は生じ難い。
さらに請求項1の特徴によると、送風装置の排気口からの排風が空間のカバーの部分を通って後側に流れる場合、後側のシートに着座する乗員に送風装置の排気口からの排風が流れ難い位置に空間を設定することも比較的容易に行える。
【0010】
[III]
車両のシートの背もたれ部においては、通気性の無いパネルによりパッド部材の裏面を覆ったものが多いが、請求項1の特徴のように、通気性を備えたカバー(例えば布製)によりパッド部材の裏面を覆うことも同様に一般的である。
【0011】
これにより、請求項1の特徴によると、既存の部材であるパッド部材、及び既存の部材と言ってよい通気性を備えたカバーを利用しており、これらにパッド部材の裏面とカバーとに亘る壁部材を追加することにより、空間を形成している。従って、請求項1の特徴によると、「発明が解決しようとする課題」に記載のように、送風装置の排気口にダクトやチューブを接続して、ダクトやチューブを延出するような構成を備える必要がない。
【0012】
[IV]
請求項2の特徴によると、請求項1の場合と同様に、前項[I]〜[III]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
請求項2の特徴によると、パッド部材の裏面からカバーに向けて、パッド部材の一部を一体的に突出させることにより、壁部材を構成しているので、パッド部材及びカバーとは別体の壁部材を備える必要がない。
この場合、パッド部材は金型を使用し発泡ウレタン等により一体的に製造されることが多いので、請求項2の特徴にようにパッド部材の一部を一体的に突出させることは、比較的容易に行えるのであり、パッド部材の製造と同時に行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は乗用車のシート(運転席及び助手席)を示しており、シートは座部1、背もたれ部2及びヘッドレスト3を備えて構成されている。座部1は、発泡ウレタン等のパッド部材の表面に、通気性を備えた布製(又は小孔が多数備えられたビニールレザーや皮革製等)の表皮が被せられて構成されている。
【0014】
次に背もたれ部2について説明する。
図2及び図3に示すように、正面視で門形の上フレーム4、上フレームの4の右及び左に連結された縦フレーム5、右及び左の縦フレーム5に亘って連結された横フレーム6,7、上フレーム4に連結されたヘッドレスト3の取付用の筒状の支持部8、右及び左の縦フレーム5に亘って架設されてS字状に繰り返して曲げられたバネ9、下の横フレーム7に連結されて着座した乗員の腰部を受け止める受け部10等により、フレーム体が構成されている。
【0015】
図4に示すように、右及び左の縦フレーム5において部分的にスリットが入れられ、スリットが入れられた部分が内側に折り曲げられている。これにより、右及び左の縦フレーム5にフック状の取付部5aが形成され、右及び左の縦フレーム5における取付部5aの位置に開口5bが形成されており、取付部5aにバネ9が取り付けられている。
【0016】
図2,3,4に示すように、発泡ウレタン等のパッド部材11がフレーム体に取り付けられており、通気性を備えた布製(又は小孔が多数備えられたビニールレザーや皮革製等)の表皮12が、パッド部材11の表面に被せられている。通気性を備えた布製(又は小孔が多数備えられたビニールレザーや皮革製等)のカバー13が表皮12に接続されており、パッド部材11の裏面から所定間隔を置いてパッド部材11の裏面を覆うように、カバー13が配置されている。
【0017】
図2,3,4に示すように、パッド部材11の裏面からカバー13に向けてパッド部材11の一部が一体的に突出して、壁部材11a,11bがパッド部材11に一体的に形成されている。上の壁部材11aはパッド部材11の略全幅に亘っており、上のバネ9の上側に位置している。下の壁部材11bはパッド部材11の左右中央付近と右の縦フレーム5とに亘っており、上のバネ9の下側に位置している。この場合、壁部材11a,11bがカバー13に略接する状態となっている。
【0018】
図1,2,3,4に示すように、パッド部材11の表面にY字状で溝状の送風経路11cが備えられ、送風経路11cが表皮12に覆われており、送風経路11cの下部とパッド部材11の裏面とに亘る送風経路11dが備えられている。図2,3,4に示すようにユニット状の温調装置14が備えられ、温調装置14が上のバネ9に取り付けられて、温調装置14がパッド部材11の裏面とカバー13との間に配置されている。
【0019】
図2,3,4に示すように、温調装置14の第1排気口15bが送風経路11dに挿入されて、温調装置14(第1ケース15(図4参照))がパッド部材11の裏面及び上のバネ9に接しており、温調装置の14の第2排気口16bが上及び下の壁部材11a,11bの間に挿入されている。温調装置14(第2ケース16(図4参照))がカバー13に接しており、カバー13において温調装置14の吸気口16cに対向する部分に、カバー13よりも通気性の高いメッシュ部材13aが取り付けられている。これにより、パッド部材11の裏面、上及び下の壁部材11a,11b、カバー13、温調装置14、右の縦フレーム5によって、長方形状の空間Aが形成されている。
【0020】
以上の構造により、図3及び図4に示すように、空気がメッシュ部材13a及び吸気口16cを介して温調装置14に吸入され、温調装置14において熱交換された冷風(又は温風)が、第1排気口15bから排出され、送風経路11dから送風経路11cに供給されて、表皮12を通過してシートに着座する乗員に流れていく。温調装置14において熱交換された排風(温風又は冷風)が、第2排気口16bから排出され空間Aに供給されて、主に空間Aのカバー13の部分を通って後側に流れる。又、前述の排風(温風又は冷風)が、右の縦フレーム5の開口5b、パッド部材11に備えられた開口11e及び表皮12を通って右横側に流れる。
【0021】
次に温調装置14について説明する。
図5及び図6に示すように、温調装置14の全体が第1ケース15及び第2ケース16によって覆われている。第1ケース15の中央にモータ17が固定されて、モータ17の駆動軸に円盤部材18aが取り付けられ、円盤部材18aに多数のフィン18bが備えられて、ターボファン18が構成されており、モータ17により回転軸芯P1周りにターボファン18が回転駆動される。第2ケース16において、回転軸芯P1に対向する部分に吸気口16cが設けられている。
【0022】
図5及び図6に示すように、薄い平板状の断熱材19が第1及び第2ケース15,16の間に挟み込まれており、断熱材19においてターボファン18の部分が円状に開口されている。薄い平板状でリング状のペルチェ素子20が断熱材19の内側に取り付けられており、ペルチェ素子20の内側にも薄い平板状でリング状の断熱材19が取り付けられている。これにより、第1及び第2ケース15,16において、ターボファン18を除く部分が、断熱材19及びペルチェ素子20によって仕切られた状態となっている。
【0023】
図5及び図6に示すように、第1ケース15側において、断熱材19及びペルチェ素子20に接するように、薄い平板状のリング状で金属製(例えばアルミ合金等)のベース部材21aが固定され、ベース部材21aに金属製(例えばアルミ合金等)の多数のピン21bが備えられて、第1熱交換体21が構成されている。第2ケース16側において、断熱材19及びペルチェ素子20に接するように、薄い平板状のリング状で金属製(例えばアルミ合金等)のベース部材22aが固定され、ベース部材22aに金属製(例えばアルミ合金等)の多数のピン22bが備えられて、第2熱交換体22が構成されている。
【0024】
図5及び図6に示すように、第1及び第2熱交換体21,22において、ピン21b,22bが所定の間隔(回転軸芯P1の半径方向)を置いて一列状に並んでおり、ピン21b,22bの列が所定の間隔(回転軸芯P1の円周方向)を置いて、回転軸芯P1に対し放射状に配置されている。第2ケース16側に第2熱交換体22が配置されることにより、第2熱交換体22の位置が、第1熱交換体21の位置よりも吸気口16cに近い側になっている。
【0025】
図6に示すように、第1及び第2熱交換体21,22の内径及び外径、第1及び第2熱交換体21,22のピン21b,22bの数は、同じに設定されているが、第1熱交換体21の高さH1よりも、第2熱交換体22の高さH2が高いものに設定されている(第1熱交換体21の高さH1と第2熱交換体22の高さH2との比が、例えば1:3)。
【0026】
図5及び図6に示すように、第1及び第2ケース15,16の外周部の一部分から、ターボファン18の回転の接線方向に、第1及び第2排気経路15a,16aが延出されており、第1及び第2排気経路15a,16aも、第1及び第2ケース15,16と同様に断熱材19によって仕切られている。ターボファン18の回転の接線方向と直交する方向(回転軸芯P1と平行)の第1排気口15bが、第1排気経路15aに備えられており、ターボファン18の回転の接線方向(回転軸芯P1と直交する方向)の第2排気口16bが、第2排気経路16aに備えられている。
【0027】
図5の矢印X1に示すように、ターボファン18は図5の紙面時計方向に回転駆動されるのであり、第1及び第2ケース15,16と第1及び第2熱交換体21,22の外周部との間隔(回転軸芯P1の半径方向の間隔)が、矢印X1の方向に沿って次第に大きくなり第1及び第2排気経路15a,16aに達するように構成されている。
【0028】
前述のように、第1熱交換体21の高さH1よりも第2熱交換体22の高さH2が高いものに設定されている点により、第1ケース15と第1熱交換体21の外周部との間の空間の断面積(回転軸芯P1の半径方向の断面積)よりも、第2ケース16と第2熱交換体22の外周部との間の空間の断面積(回転軸芯P1の半径方向の断面積)が、大きなものなっている。これと同様に第1排気経路15aの断面積よりも、第2排気経路16aの断面積が大きなものになっている。
【0029】
以上の構造により、ペルチェ素子20において第1熱交換体21の部分が吸熱側となり、第2熱交換体22の部分が放熱側となるように、ペルチェ素子20に所定の電圧を掛けたとする。この状態でターボファン18が回転駆動されると、図5及び図6に示すように、空気が吸気口16cから吸入され、分岐して第1及び熱交換体21,22に放射状に流れる。第1熱交換体21に流れた空気が、第1熱交換体21との熱交換によって冷風となり、第1排気経路15aを通って第1排気口15bから排出される。第2熱交換体22に流れた空気が、第2熱交換体22との熱交換によって排風(温風)となり、第2排気経路16aを通って第2排気口16bから排出される。
【0030】
前述とは逆にペルチェ素子20において第1熱交換体21の部分が放熱側となり、第2熱交換体22の部分が吸熱側となるように、ペルチェ素子20に所定の電圧を掛けると、温風が第1排気口15bから排出され、排風(冷風)が第2排気口16bから排出される。ペルチェ素子20に電圧を掛けなければ、温調装置14の熱交換機能が停止して、常温の風が第1排気口15bから排出される。
【0031】
[発明の実施の別形態]
前述の[発明の実施の形態]に代えて、空間Aを図7に示すようにして形成してもよい。
図7に示すように、パッド部材11の裏面の壁部材11a,11bを廃止し、温調装置14を下のバネ9に取り付けている。パッド部材11の裏面とカバー13との間において、スラブウレタン等のブロック状の壁部材23を、温調装置14と横フレーム7との間、並びに、温調装置14と右の縦フレーム5との間に取り付けている。これにより、パッド部材11の裏面、壁部材23、カバー13、温調装置14、右の縦フレーム5、横フレーム7及び横フレーム7に取り付けられるパッド部材11の部分によって、正方形状の空間Aが形成されている。
【0032】
以上の構造により、温調装置14において熱交換された排風(温風又は冷風)が、第2排気口16bから排出され空間Aに供給されて、主に空間Aのカバー13の部分を通って後側に流れる。シートのリクライナ部等を配置する必要から、パッド部材11の右及び左の下部分11fが開放されており(シートのリクライナ部や右及び左の縦フレーム5、横フレーム7は存在する)、前述の排風(温風又は冷風)が、パッド部材11の右の下部分11fを通って右下側に流れる。
【0033】
【発明の効果】
請求項1の特徴によると、車両のシート構造において、シートの背もたれ部を構成するパッド部材の裏面に送風装置を備えた場合、送風装置の排気口からの排風が比較的面積の大きな空間のカバーの部分を通って後側に流れるように構成することにより、送風装置の排気口からの排風が、後側のシートに着座する乗員の手の一部分や足の一部分等に局所的に当たるような状態を避けることができて、後側のシートに着座する乗員の快適性を高めることができた。
【0034】
請求項1の特徴によると、パッド部材の裏面の全てではなく、パッド部材の裏面の限られた部分に空間を形成することにより、送風装置の排気口からの排風の熱がパッド部材の表面の全体に伝わったり、パッド部材の表面の全体から熱が送風装置の排気口からの排風に奪われてしまうと言うような状態を避けることができて、シートに着座する乗員の快適性を高めることができた。
【0035】
請求項1の特徴によると、既存の部材であるパッド部材、及び既存の部材と言ってよい通気性を備えたカバーを利用して空間を形成しており、送風装置の排気口にダクトやチューブを接続して、ダクトやチューブを延出するような構成を備える必要がないので、構造の簡素化及び生産コストの低減の面で有利なものとなった。
【0036】
請求項2の特徴によると、請求項1の場合と同様に前述の請求項1の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
請求項2の特徴によると、パッド部材の裏面からカバーに向けてパッド部材の一部を一体的に突出させることにより壁部材を構成しており、パッド部材及びカバーとは別体の壁部材を備える必要がない点、及びパッド部材の一部を一体的に突出させることは比較的容易に行えるのであり、パッド部材の製造と同時に行うことができる点により、構造の簡素化及び生産コストの低減の面で有利なものとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】シートの全体斜視図
【図2】シートの背もたれ部の背面図
【図3】シートの背もたれ部の縦断側面図
【図4】シートの背もたれ部の横断平面図
【図5】温調装置の縦断背面図
【図6】温調装置の横断平面図
【図7】発明の実施の別形態におけるシートの背もたれ部の背面図
【符号の説明】
2 背もたれ部
11 パッド部材
11a,11b,23 壁部材
13 カバー
14 送風装置
15b 送風装置の送風口
16b 送風装置の排気口
A 空間
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗用車や商用車、バス等の車両におけるシートの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
前述のような車両のシートでは、シートの背もたれ部を構成するパッド部材の裏面に送風装置を備え、送風装置の送風(温風や冷風、常温の風)をパッド部材の表面に供給するように構成したものがある。これにより、送風装置の送風がパッド部材の表面に供給されて、シートに着座する乗員にとって快適性の高いものとなる。
背もたれ部において、前述のような送風装置をパッド部材の裏面に備えた場合に、送風装置の排気口が背もたれ部から後向きに配置されることがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術に記載のように、送風装置の排気口が背もたれ部から後向きに配置された場合、送風装置の排気口からの排風が、後側のシートに着座する乗員の手の一部分や足の一部分等に局所的に当たることがあり、後側のシートに着座する乗員が不快に感じることがある。
【0004】
この場合、送風装置の排気口にダクトやチューブを接続し、ダクトやチューブを延出することにより、送風装置の排気口からの排風が後側のシートに着座する乗員に当たらないように構成することも考えられるが、ダクトやチューブを別に用意しなければならないので、生産コストが高いものになる。
本発明は車両のシート構造において、シートの背もたれ部を構成するパッド部材の裏面に送風装置を備えた場合、送風装置の排気口からの排風が、後側のシートに着座する乗員の手の一部分や足の一部分等に局所的に当たるような状態を、避けることができるように構成することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
[I]
請求項1の特徴によると、シートの背もたれ部を構成するパッド部材の裏面において、通気性を備えたカバーによりパッド部材の裏面から所定間隔を置いて覆うように構成し、パッド部材の裏面とカバーとの間に送風装置を備え、送風装置の送風口からの送風をパッド部材の表面に供給するように構成している。パッド部材の裏面とカバーとに亘る壁部材をパッド部材の裏面とカバーとの間に備え、パッド部材の裏面及びカバー、壁部材により空間を形成し、送風装置の排気口からの排風を空間に供給するように構成している。
【0006】
これにより、請求項1の特徴によると、送風装置の排気口からの排風がパッド部材の裏面の空間に供給されると、送風装置の排気口からの排風が主に空間のカバーの部分を通って後側に流れる状態となる。この場合に、請求項1の特徴のように、パッド部材の裏面及びカバー、壁部材により空間を形成すると、壁部材の幅が比較的狭いのに対して(パッド部材の裏面をカバーによって覆う場合、パッド部材の裏面とカバーとの間隔を不必要に大きく設定する必要がないことによる)、空間のカバーの部分の面積が比較的大きなものになる。
【0007】
従って、請求項1の特徴によると、送風装置の排気口からの排風が比較的面積の大きな空間のカバーの部分を通って後側に流れれば、送風装置の排気口からの排風が比較的大きな面積に分散された状態で後側に流れることになるので、送風装置の排気口からの排風が、後側のシートに着座する乗員の手の一部分や足の一部分等に局所的に当たるような状態は生じない。
【0008】
[II]
前項[I]に記載のように、パッド部材の裏面に空間を形成する場合、壁部材を使用せずにパッド部材の裏面の全てを空間として設定することが考えられる。しかしながら、このように構成すると、送風装置の排気口からの排風が温風や冷風である場合、送風装置の排気口からの排風の熱がパッド部材の表面の全体に伝わったり(送風装置の排気口からの排風が温風であると、送風装置の送風口からパッド部材の表面に供給される送風は冷風であることが多い)、パッド部材の表面の全体から熱が送風装置の排気口からの排風に奪われてしまうことが考えられる(送風装置の排気口からの排風が冷風であると、送風装置の送風口からパッド部材の表面に供給される送風は温風であることが多い)。
【0009】
請求項1の特徴によると、パッド部材の裏面とカバーとに亘る壁部材をパッド部材の裏面とカバーとの間に備えて、パッド部材の裏面及びカバー、壁部材により空間を形成しており、パッド部材の裏面の全てを空間として設定していない。請求項1の特徴のように、パッド部材の裏面の全てではなく、パッド部材の裏面の限られた部分に空間を形成することにより、前述のように送風装置の排気口からの排風の熱がパッド部材の表面の全体に伝わったり、パッド部材の表面の全体から熱が送風装置の排気口からの排風に奪われてしまうと言うような状態は生じ難い。
さらに請求項1の特徴によると、送風装置の排気口からの排風が空間のカバーの部分を通って後側に流れる場合、後側のシートに着座する乗員に送風装置の排気口からの排風が流れ難い位置に空間を設定することも比較的容易に行える。
【0010】
[III]
車両のシートの背もたれ部においては、通気性の無いパネルによりパッド部材の裏面を覆ったものが多いが、請求項1の特徴のように、通気性を備えたカバー(例えば布製)によりパッド部材の裏面を覆うことも同様に一般的である。
【0011】
これにより、請求項1の特徴によると、既存の部材であるパッド部材、及び既存の部材と言ってよい通気性を備えたカバーを利用しており、これらにパッド部材の裏面とカバーとに亘る壁部材を追加することにより、空間を形成している。従って、請求項1の特徴によると、「発明が解決しようとする課題」に記載のように、送風装置の排気口にダクトやチューブを接続して、ダクトやチューブを延出するような構成を備える必要がない。
【0012】
[IV]
請求項2の特徴によると、請求項1の場合と同様に、前項[I]〜[III]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
請求項2の特徴によると、パッド部材の裏面からカバーに向けて、パッド部材の一部を一体的に突出させることにより、壁部材を構成しているので、パッド部材及びカバーとは別体の壁部材を備える必要がない。
この場合、パッド部材は金型を使用し発泡ウレタン等により一体的に製造されることが多いので、請求項2の特徴にようにパッド部材の一部を一体的に突出させることは、比較的容易に行えるのであり、パッド部材の製造と同時に行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は乗用車のシート(運転席及び助手席)を示しており、シートは座部1、背もたれ部2及びヘッドレスト3を備えて構成されている。座部1は、発泡ウレタン等のパッド部材の表面に、通気性を備えた布製(又は小孔が多数備えられたビニールレザーや皮革製等)の表皮が被せられて構成されている。
【0014】
次に背もたれ部2について説明する。
図2及び図3に示すように、正面視で門形の上フレーム4、上フレームの4の右及び左に連結された縦フレーム5、右及び左の縦フレーム5に亘って連結された横フレーム6,7、上フレーム4に連結されたヘッドレスト3の取付用の筒状の支持部8、右及び左の縦フレーム5に亘って架設されてS字状に繰り返して曲げられたバネ9、下の横フレーム7に連結されて着座した乗員の腰部を受け止める受け部10等により、フレーム体が構成されている。
【0015】
図4に示すように、右及び左の縦フレーム5において部分的にスリットが入れられ、スリットが入れられた部分が内側に折り曲げられている。これにより、右及び左の縦フレーム5にフック状の取付部5aが形成され、右及び左の縦フレーム5における取付部5aの位置に開口5bが形成されており、取付部5aにバネ9が取り付けられている。
【0016】
図2,3,4に示すように、発泡ウレタン等のパッド部材11がフレーム体に取り付けられており、通気性を備えた布製(又は小孔が多数備えられたビニールレザーや皮革製等)の表皮12が、パッド部材11の表面に被せられている。通気性を備えた布製(又は小孔が多数備えられたビニールレザーや皮革製等)のカバー13が表皮12に接続されており、パッド部材11の裏面から所定間隔を置いてパッド部材11の裏面を覆うように、カバー13が配置されている。
【0017】
図2,3,4に示すように、パッド部材11の裏面からカバー13に向けてパッド部材11の一部が一体的に突出して、壁部材11a,11bがパッド部材11に一体的に形成されている。上の壁部材11aはパッド部材11の略全幅に亘っており、上のバネ9の上側に位置している。下の壁部材11bはパッド部材11の左右中央付近と右の縦フレーム5とに亘っており、上のバネ9の下側に位置している。この場合、壁部材11a,11bがカバー13に略接する状態となっている。
【0018】
図1,2,3,4に示すように、パッド部材11の表面にY字状で溝状の送風経路11cが備えられ、送風経路11cが表皮12に覆われており、送風経路11cの下部とパッド部材11の裏面とに亘る送風経路11dが備えられている。図2,3,4に示すようにユニット状の温調装置14が備えられ、温調装置14が上のバネ9に取り付けられて、温調装置14がパッド部材11の裏面とカバー13との間に配置されている。
【0019】
図2,3,4に示すように、温調装置14の第1排気口15bが送風経路11dに挿入されて、温調装置14(第1ケース15(図4参照))がパッド部材11の裏面及び上のバネ9に接しており、温調装置の14の第2排気口16bが上及び下の壁部材11a,11bの間に挿入されている。温調装置14(第2ケース16(図4参照))がカバー13に接しており、カバー13において温調装置14の吸気口16cに対向する部分に、カバー13よりも通気性の高いメッシュ部材13aが取り付けられている。これにより、パッド部材11の裏面、上及び下の壁部材11a,11b、カバー13、温調装置14、右の縦フレーム5によって、長方形状の空間Aが形成されている。
【0020】
以上の構造により、図3及び図4に示すように、空気がメッシュ部材13a及び吸気口16cを介して温調装置14に吸入され、温調装置14において熱交換された冷風(又は温風)が、第1排気口15bから排出され、送風経路11dから送風経路11cに供給されて、表皮12を通過してシートに着座する乗員に流れていく。温調装置14において熱交換された排風(温風又は冷風)が、第2排気口16bから排出され空間Aに供給されて、主に空間Aのカバー13の部分を通って後側に流れる。又、前述の排風(温風又は冷風)が、右の縦フレーム5の開口5b、パッド部材11に備えられた開口11e及び表皮12を通って右横側に流れる。
【0021】
次に温調装置14について説明する。
図5及び図6に示すように、温調装置14の全体が第1ケース15及び第2ケース16によって覆われている。第1ケース15の中央にモータ17が固定されて、モータ17の駆動軸に円盤部材18aが取り付けられ、円盤部材18aに多数のフィン18bが備えられて、ターボファン18が構成されており、モータ17により回転軸芯P1周りにターボファン18が回転駆動される。第2ケース16において、回転軸芯P1に対向する部分に吸気口16cが設けられている。
【0022】
図5及び図6に示すように、薄い平板状の断熱材19が第1及び第2ケース15,16の間に挟み込まれており、断熱材19においてターボファン18の部分が円状に開口されている。薄い平板状でリング状のペルチェ素子20が断熱材19の内側に取り付けられており、ペルチェ素子20の内側にも薄い平板状でリング状の断熱材19が取り付けられている。これにより、第1及び第2ケース15,16において、ターボファン18を除く部分が、断熱材19及びペルチェ素子20によって仕切られた状態となっている。
【0023】
図5及び図6に示すように、第1ケース15側において、断熱材19及びペルチェ素子20に接するように、薄い平板状のリング状で金属製(例えばアルミ合金等)のベース部材21aが固定され、ベース部材21aに金属製(例えばアルミ合金等)の多数のピン21bが備えられて、第1熱交換体21が構成されている。第2ケース16側において、断熱材19及びペルチェ素子20に接するように、薄い平板状のリング状で金属製(例えばアルミ合金等)のベース部材22aが固定され、ベース部材22aに金属製(例えばアルミ合金等)の多数のピン22bが備えられて、第2熱交換体22が構成されている。
【0024】
図5及び図6に示すように、第1及び第2熱交換体21,22において、ピン21b,22bが所定の間隔(回転軸芯P1の半径方向)を置いて一列状に並んでおり、ピン21b,22bの列が所定の間隔(回転軸芯P1の円周方向)を置いて、回転軸芯P1に対し放射状に配置されている。第2ケース16側に第2熱交換体22が配置されることにより、第2熱交換体22の位置が、第1熱交換体21の位置よりも吸気口16cに近い側になっている。
【0025】
図6に示すように、第1及び第2熱交換体21,22の内径及び外径、第1及び第2熱交換体21,22のピン21b,22bの数は、同じに設定されているが、第1熱交換体21の高さH1よりも、第2熱交換体22の高さH2が高いものに設定されている(第1熱交換体21の高さH1と第2熱交換体22の高さH2との比が、例えば1:3)。
【0026】
図5及び図6に示すように、第1及び第2ケース15,16の外周部の一部分から、ターボファン18の回転の接線方向に、第1及び第2排気経路15a,16aが延出されており、第1及び第2排気経路15a,16aも、第1及び第2ケース15,16と同様に断熱材19によって仕切られている。ターボファン18の回転の接線方向と直交する方向(回転軸芯P1と平行)の第1排気口15bが、第1排気経路15aに備えられており、ターボファン18の回転の接線方向(回転軸芯P1と直交する方向)の第2排気口16bが、第2排気経路16aに備えられている。
【0027】
図5の矢印X1に示すように、ターボファン18は図5の紙面時計方向に回転駆動されるのであり、第1及び第2ケース15,16と第1及び第2熱交換体21,22の外周部との間隔(回転軸芯P1の半径方向の間隔)が、矢印X1の方向に沿って次第に大きくなり第1及び第2排気経路15a,16aに達するように構成されている。
【0028】
前述のように、第1熱交換体21の高さH1よりも第2熱交換体22の高さH2が高いものに設定されている点により、第1ケース15と第1熱交換体21の外周部との間の空間の断面積(回転軸芯P1の半径方向の断面積)よりも、第2ケース16と第2熱交換体22の外周部との間の空間の断面積(回転軸芯P1の半径方向の断面積)が、大きなものなっている。これと同様に第1排気経路15aの断面積よりも、第2排気経路16aの断面積が大きなものになっている。
【0029】
以上の構造により、ペルチェ素子20において第1熱交換体21の部分が吸熱側となり、第2熱交換体22の部分が放熱側となるように、ペルチェ素子20に所定の電圧を掛けたとする。この状態でターボファン18が回転駆動されると、図5及び図6に示すように、空気が吸気口16cから吸入され、分岐して第1及び熱交換体21,22に放射状に流れる。第1熱交換体21に流れた空気が、第1熱交換体21との熱交換によって冷風となり、第1排気経路15aを通って第1排気口15bから排出される。第2熱交換体22に流れた空気が、第2熱交換体22との熱交換によって排風(温風)となり、第2排気経路16aを通って第2排気口16bから排出される。
【0030】
前述とは逆にペルチェ素子20において第1熱交換体21の部分が放熱側となり、第2熱交換体22の部分が吸熱側となるように、ペルチェ素子20に所定の電圧を掛けると、温風が第1排気口15bから排出され、排風(冷風)が第2排気口16bから排出される。ペルチェ素子20に電圧を掛けなければ、温調装置14の熱交換機能が停止して、常温の風が第1排気口15bから排出される。
【0031】
[発明の実施の別形態]
前述の[発明の実施の形態]に代えて、空間Aを図7に示すようにして形成してもよい。
図7に示すように、パッド部材11の裏面の壁部材11a,11bを廃止し、温調装置14を下のバネ9に取り付けている。パッド部材11の裏面とカバー13との間において、スラブウレタン等のブロック状の壁部材23を、温調装置14と横フレーム7との間、並びに、温調装置14と右の縦フレーム5との間に取り付けている。これにより、パッド部材11の裏面、壁部材23、カバー13、温調装置14、右の縦フレーム5、横フレーム7及び横フレーム7に取り付けられるパッド部材11の部分によって、正方形状の空間Aが形成されている。
【0032】
以上の構造により、温調装置14において熱交換された排風(温風又は冷風)が、第2排気口16bから排出され空間Aに供給されて、主に空間Aのカバー13の部分を通って後側に流れる。シートのリクライナ部等を配置する必要から、パッド部材11の右及び左の下部分11fが開放されており(シートのリクライナ部や右及び左の縦フレーム5、横フレーム7は存在する)、前述の排風(温風又は冷風)が、パッド部材11の右の下部分11fを通って右下側に流れる。
【0033】
【発明の効果】
請求項1の特徴によると、車両のシート構造において、シートの背もたれ部を構成するパッド部材の裏面に送風装置を備えた場合、送風装置の排気口からの排風が比較的面積の大きな空間のカバーの部分を通って後側に流れるように構成することにより、送風装置の排気口からの排風が、後側のシートに着座する乗員の手の一部分や足の一部分等に局所的に当たるような状態を避けることができて、後側のシートに着座する乗員の快適性を高めることができた。
【0034】
請求項1の特徴によると、パッド部材の裏面の全てではなく、パッド部材の裏面の限られた部分に空間を形成することにより、送風装置の排気口からの排風の熱がパッド部材の表面の全体に伝わったり、パッド部材の表面の全体から熱が送風装置の排気口からの排風に奪われてしまうと言うような状態を避けることができて、シートに着座する乗員の快適性を高めることができた。
【0035】
請求項1の特徴によると、既存の部材であるパッド部材、及び既存の部材と言ってよい通気性を備えたカバーを利用して空間を形成しており、送風装置の排気口にダクトやチューブを接続して、ダクトやチューブを延出するような構成を備える必要がないので、構造の簡素化及び生産コストの低減の面で有利なものとなった。
【0036】
請求項2の特徴によると、請求項1の場合と同様に前述の請求項1の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
請求項2の特徴によると、パッド部材の裏面からカバーに向けてパッド部材の一部を一体的に突出させることにより壁部材を構成しており、パッド部材及びカバーとは別体の壁部材を備える必要がない点、及びパッド部材の一部を一体的に突出させることは比較的容易に行えるのであり、パッド部材の製造と同時に行うことができる点により、構造の簡素化及び生産コストの低減の面で有利なものとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】シートの全体斜視図
【図2】シートの背もたれ部の背面図
【図3】シートの背もたれ部の縦断側面図
【図4】シートの背もたれ部の横断平面図
【図5】温調装置の縦断背面図
【図6】温調装置の横断平面図
【図7】発明の実施の別形態におけるシートの背もたれ部の背面図
【符号の説明】
2 背もたれ部
11 パッド部材
11a,11b,23 壁部材
13 カバー
14 送風装置
15b 送風装置の送風口
16b 送風装置の排気口
A 空間
Claims (2)
- シートの背もたれ部を構成するパッド部材の裏面を、通気性を備えたカバーにより前記パッド部材の裏面から所定間隔を置いて覆うように構成し、
前記パッド部材の裏面とカバーとの間に送風装置を備え、前記送風装置の送風口からの送風を前記パッド部材の表面に供給するように構成すると共に、
前記パッド部材の裏面とカバーとに亘る壁部材を前記パッド部材の裏面とカバーとの間に備えて、前記パッド部材の裏面及びカバー、壁部材により空間を形成し、前記送風装置の排気口からの排風を前記空間に供給するように構成してある車両のシート構造。 - 前記パッド部材の裏面から前記カバーに向けて、前記パッド部材の一部を一体的に突出させることにより、前記壁部材を構成してある請求項1に記載の車両のシート構造。
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JP2012206649A (ja) * | 2011-03-30 | 2012-10-25 | Daihatsu Motor Co Ltd | 車両用シート |
JP2013013584A (ja) * | 2011-07-05 | 2013-01-24 | Yotsumoto Kobi:Kk | 清涼ソファー |
JP2013023140A (ja) * | 2011-07-25 | 2013-02-04 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | 車両用シート |
JP2013255829A (ja) * | 2013-08-21 | 2013-12-26 | Ts Tech Co Ltd | シート |
JP2017093740A (ja) * | 2015-11-20 | 2017-06-01 | 株式会社デンソー | シート用送風機、シート空調装置 |
-
2002
- 2002-06-18 JP JP2002177321A patent/JP2004016569A/ja not_active Withdrawn
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