JP2004006307A - プラズマディスプレイ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前面側の基板に表示ラインA毎に放電ギャップ24を介して対向するように配列して形成しかつ放電電極25aとこの放電電極25aに給電するためのバス電極25bとからなる複数の表示電極26と、この表示電極26を覆うように形成した誘電体層と、前記表示電極26間での放電により発光する蛍光体層とを有し、前記誘電体層の放電空間側の前記放電セル毎の表面に少なくとも1つの凹部27aを形成し、かつ前記表示電極26の放電電極25aを、前記凹部27aの底面において放電ギャップ24を介して対向するようにバス電極25bから垂直に放電ギャップ24に向けて突出させて形成した。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は表示デバイスとして知られているプラズマディスプレイ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、双方向情報端末として大画面、壁掛けテレビへの期待が高まっている。そのための表示デバイスとして、液晶表示パネル、フィールドエミッションディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ等の数多くのものがあり、そのうちの一部は市販され、一部は開発中である。これらの表示デバイスの中でもプラズマディスプレイパネル(以下、PDPという)は、自発光型で美しい画像表示ができ、大画面化が容易である等の理由から、PDPを用いたディスプレイは、視認性に優れた薄型表示デバイスとして注目されており、高精細化および大画面化が進められている。
【0003】
このPDPには、大別して、駆動的にはAC型とDC型があり、放電形式では面放電型と対向放電型の2種類があるが、高精細化、大画面化および製造の簡便性から、現状では、AC型で面放電型のPDPが主流を占めるようになってきている。
【0004】
図20はPDPのパネル構造の一例を示しており、この図20に示すようにPDPは、前面パネル1と背面パネル2とから構成されている。
【0005】
前面パネル1は、フロート法による硼珪素ナトリウム系ガラス等からなるガラス基板などの透明な前面側の基板3上に、走査電極4と維持電極5とで対をなすストライプ状の表示電極6を複数対配列して形成し、そしてその表示電極6群を覆うように誘電体層7を形成し、その誘電体層7上にMgOからなる保護膜8を形成することにより構成されている。なお、走査電極4および維持電極5は、それぞれ放電電極となる透明電極4a、5aおよびこの透明電極4a、5aに電気的に接続されたCr/Cu/CrまたはAg等からなるバス電極4b、5bとから構成されている。
【0006】
また、背面パネル2は、前記前面側の基板3に対向配置される背面側の基板9上に、表示電極6と直交する方向にアドレス電極10を形成するとともに、そのアドレス電極10を覆うように誘電体層11を形成し、そしてアドレス電極10間の誘電体層11上にアドレス電極10と平行にストライプ状の複数の隔壁12を形成するとともに、この隔壁12間の側面および誘電体層11の表面に蛍光体層13を形成することにより構成されている。なお、カラー表示のために前記蛍光体層13は、通常、赤、緑、青の3色が順に配置されている。
【0007】
そして、これらの前面パネル1と背面パネル2とは、表示電極6とアドレス電極10とが直交するように、微小な放電空間を挟んで基板3、9を対向配置するとともに、周囲を封着部材により封止し、そして前記放電空間にNe及びXeなどを混合してなる放電ガスを66500Pa(500Torr)程度の圧力で封入することによりパネルが構成されている。
【0008】
このパネルの放電空間は、隔壁12によって複数の区画に仕切られており、そしてこの隔壁12間に単位発光領域となる複数の放電セルが形成されるように表示電極6が設けられるとともに、表示電極6とアドレス電極10とが直交して配置されている。
【0009】
このPDPでは、アドレス電極10、表示電極6に印加される周期的な電圧によって放電を発生させ、この放電による紫外線を蛍光体層13に照射して可視光に変換させることにより、画像表示を行う。
【0010】
走査電極4と維持電極5は、図21に示すようにマトリクス表示の各ラインAにおいて放電ギャップ14を挟んで隣接するように列方向に交互に配列されている。ここで、隔壁12と一対の走査電極4と維持電極5で囲まれた領域が単位発光領域である放電セル15となる。また、非発光領域16には、コントラストを向上させる目的でブラックストライプを形成することもある。
【0011】
このPDPの発展のためには、更なる高輝度化、高効率化、低消費電力化、低コスト化が不可欠となっている。PDPの高効率化を達成するためには、各発光画素領域において放電を制御することが不可欠である。特に、表示電極6に垂直な放電の広がりにおいては、バス電極4b、5bが蛍光体からの発光光を遮るため、遮蔽される部分まで放電が広がることを抑制することが有効である。
【0012】
この効率向上の手法の一つとして、例えば特許文献1に記載されているように、バス電極4b、5b上の誘電体層7の膜厚を厚くしてバス電極4b、5bで遮蔽される部分の放電を抑制する方法が知られている。
【0013】
【特許文献1】
特開平8−250029号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の従来の構造では、表示電極に対して垂直な方向の放電は抑制されるが、表示電極と平行方向の放電は抑制されず、隔壁近傍まで放電が広がる。この場合は、隔壁により電子温度の低下や、電子とイオンの再結合が発生するため効率が低下する恐れがある。
【0015】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、発光効率の向上とパネル駆動の安定化を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明のプラズマディスプレイ装置は、基板間に隔壁により仕切られた放電空間が形成されるように対向配置した一対の前面側および背面側の基板と、前記隔壁間に放電セルが形成されるように前記前面側の基板に表示ライン毎に放電ギャップを介して対向するように配列して形成しかつ放電電極とこの放電電極に給電するためのバス電極とからなる複数の表示電極と、この表示電極を覆うように前面側の基板に形成した誘電体層と、前記表示電極間での放電により発光する蛍光体層とを有し、前記誘電体層の放電空間側の前記放電セル毎の表面に少なくとも1つの凹部を形成し、かつ前記表示電極の放電電極を、前記凹部の底面において放電ギャップを介して対向するようにバス電極から垂直に放電ギャップに向けて突出させて形成したことを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
すなわち、本発明の請求項1に記載の発明は、基板間に隔壁により仕切られた放電空間が形成されるように対向配置した一対の前面側および背面側の基板と、前記隔壁間に放電セルが形成されるように前記前面側の基板に表示ライン毎に放電ギャップを介して対向するように配列して形成しかつ放電電極とこの放電電極に給電するためのバス電極とからなる複数の表示電極と、この表示電極を覆うように前面側の基板に形成した誘電体層と、前記表示電極間での放電により発光する蛍光体層とを有し、前記誘電体層の放電空間側の前記放電セル毎の表面に少なくとも1つの凹部を形成し、かつ前記表示電極の放電電極を、前記凹部の底面において放電ギャップを介して対向するようにバス電極から垂直に放電ギャップに向けて突出させて形成したことを特徴とするプラズマディスプレイ装置である。
【0018】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、放電電極は、凹部の底面において放電ギャップを介して対向する部分の幅が、凹部の幅と同等、または凹部の幅よりも狭く構成したことを特徴とするものである。
【0019】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、放電電極は、凹部の底面において放電ギャップを介して対向する部分が、複数に分割された形状であることを特徴とするものである。
【0020】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、放電電極は、凹部の底面において放電ギャップを介して対向する部分が、中空形状であることを特徴とするものである。
【0021】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の発明において、放電電極は、透明電極であることを特徴とするものである。
【0022】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、放電空間に封入する放電ガスは、Xeと、Neおよび/またはHeとを含む混合ガスで、Xe分圧が5〜30%であることを特徴とするものである。
【0023】
以下、本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイ装置について、図面を用いて説明する。
【0024】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1によるプラズマディスプレイ装置に用いるPDPのパネル構造の一例を示す断面斜視図である。図1に示すようにPDPは、前面パネル21と背面パネル22とから構成されている。
【0025】
前面パネル21は、例えばフロート法による硼珪素ナトリウム系ガラス等からなるガラス基板などの透明な前面側の基板23上に、放電ギャップ24を介して対向するように配列して形成した放電電極25aとこの放電電極25aに給電するために電気的に接続されたバス電極25bとからなる複数の表示電極26と、この表示電極26を覆うように形成した誘電体層27と、その誘電体層27上に形成したMgOからなる保護層28とにより構成されている。
【0026】
また、背面パネル22は、前記前面側の基板23に対向配置される背面側の基板29上に、表示電極26と直交する方向にアドレス電極30を形成するとともに、そのアドレス電極30を覆うように誘電体層31を形成し、そしてアドレス電極30間の誘電体層31上にアドレス電極30と平行にストライプ状の複数の隔壁32を形成するとともに、この隔壁32間の側面および誘電体層31の表面に蛍光体層33を形成することにより構成されている。なお、カラー表示のために前記蛍光体層33は、通常、赤、緑、青の3色が順に配置されている。
【0027】
そして、これらの前面パネル21と背面パネル22とは、表示電極26とアドレス電極30とが直交するように、微小な放電空間を挟んで基板23、29を対向配置するとともに、周囲を封着部材により封止し、そして前記放電空間にXeとNeおよび/またはHeなどとを混合してなる放電ガスを66500Pa(500Torr)程度の圧力で封入することによりパネルを構成している。
【0028】
このパネルの放電空間は、隔壁32によって複数の区画に仕切られており、そしてこの隔壁32間によって仕切られ、表示電極26とアドレス電極30とが直交する部分に、単位発光領域となる放電セルが形成される。
【0029】
また、放電セル間には、コントラストを向上させる目的でブラックストライプを形成することもある。
【0030】
そしてPDPでは、アドレス電極30、表示電極26に印加する周期的な電圧によって放電を発生させ、この放電による紫外線を蛍光体層33に照射して可視光に変換させることにより、画像表示を行う。
【0031】
図2は、本発明の実施の形態1によるプラズマディスプレイ装置の前面パネルの一部の斜視図を示しており、図において、表示電極26を覆うように前面側の基板23上に形成した誘電体層27の放電空間側の表面には、放電セル毎に凹部27aが形成されている。また、図3には、その凹部27aと表示電極26および隔壁32との位置関係を示しており、この図3に示すように、凹部27aは隔壁32よりも内側に形成されている。
【0032】
そして、表示電極26は、表示ラインA毎に放電ギャップ24を介して対向するように配列して形成した透明電極からなる放電電極25aと、この放電電極25aに給電するためのバス電極25bとから構成され、表示電極26の放電電極25aは、前記凹部27aの底面において放電ギャップ24を介して対向するようにバス電極25bから垂直に放電ギャップ24に向けて突出させて形成している。この放電電極25aは、凹部27aの底面において放電ギャップ24を介して対向する部分の幅が凹部27aの幅と同等、または凹部27aの幅よりも狭くなるように構成している。図3に示す例は、放電電極25aの放電ギャップ24を介して対向する部分の幅を、凹部27aの幅よりも狭く構成した例を示したものである。
【0033】
ここで、PDPの高効率化を達成するためには、各発光画素領域において放電を制御することが不可欠である。特に、表示電極26に垂直な方向の放電の広がりにおいては、バス電極25bが蛍光体33からの発光光を遮ってしまい無駄となるため、遮蔽される部分にまで放電が広がらないように抑制することが有効である。
【0034】
また、表示電極26に対して垂直な方向の放電だけではなく、平行な方向の放電を抑制することも、効率向上には有効となる。なぜならば、放電が表示電極26と平行な方向に広がり、隔壁32近傍まで放電が広がってしまうと、隔壁32付近で電子温度が低下してしまい、効率の低下を招く恐れがあるためである。
【0035】
さらにまた、隔壁32付近で放電を行うと隔壁32が負に帯電することが知られており、これにより正イオンが隔壁32にひきつけられるため、電子−イオン間の再結合の発生や、隔壁32へのイオン爆撃により隔壁32がエッチングされてしまい、このエッチングされた隔壁32が蛍光体33に降り積もる等して、特性を劣化させる恐れがある。
【0036】
しかしながら本実施の形態においては、各放電セル毎に凹部27aを形成し、かつ隔壁32よりも内側に凹部27aを形成しているので、放電を凹部27aの底面のみに制御することができ、放電が、表示電極26に対して垂直方向に、蛍光体33からの発光光を遮るバス電極25bにまで広がることや、表示電極26に対して平行方向に、隔壁32近傍にまで広がることを抑制することができる。さらに、凹部27aの側面にもMgOは形成されているため、凹部27a側面でのエッチングの恐れは少ない。さらに、表示電極26の放電電極25aは、前記凹部27aの底面において放電ギャップ24を介して対向するようにバス電極25bから垂直に放電ギャップ24に向けて突出して形成した構成であることから、隔壁32から放電電極25aは離れた構成となっており、隔壁32近傍に電荷が蓄積されることが抑制され、隔壁32近傍での放電を抑制する効果がさらに増すこととなる。
【0037】
ここで、この放電電極25aを透明電極により作成した場合には、蛍光体33での発光を効率よく取り出すことができる。
【0038】
これに対して、放電電極25aをバス電極25bと同じく不透明な金属電極で構成した場合は、低コスト化を達成することができる。但しこの場合、放電電極25aで蛍光体33からの発光光が遮蔽されることとなるため、放電電極25aは、放電ギャップ24は変えずにその面積を小さくすることにより、発光を取り出す効率を改善することが好ましい。そのような構成の一例として、例えば図4には、放電電極25aの、凹部27aの底面において放電ギャップ24を介して対向する部分が複数に分割された形状を、また、図5には、放電電極25aの、凹部27aの底面において放電ギャップ24を介して対向する部分が中空形状とした形状を示す。これらの形状は、同時に、放電電極25aの面積の縮小による消費電流の低減の効果が得られることができ、これは放電電極25aとして透明電極を用いた場合にも同様である。
【0039】
次に、放電領域の制御に関して図6、図7を用いて説明する。図6は、実施の形態1によるプラズマディスプレイ装置において、誘電体層27に凹部27aを形成した場合の効果を説明するための図を示しており、図7には従来の構造のプラズマディスプレイ装置の図を示している。図7に示す、凹部がない従来の構造では、誘電体層7の膜厚が一定であるため、容量Cが誘電体層7の面上で一定であり、放電Bは図7に示すように広がってしまい、先述したような理由により効率が低下してしまう。これに対し、図6では、凹部27aの底面の誘電体層27の膜厚が低下するため、その部分の容量Cが大きくなる。そのため、放電のための電荷は凹部27aの底面に集中的に形成されることとなる。また、底面ではそれ以外の部分に比べて誘電体層27の膜厚が薄いため、放電の開始はこの底面から発生することになる。逆にいえば、凹部27aの底面以外は誘電体層27の膜厚が厚くなるため、その部分の容量が低下するため、その部分に存在する電荷は少なくなる。さらに、誘電体層27の膜厚が厚いため放電電圧も上昇する。さらに、凹部27aの形状に合わせて放電電極25aを突出させ、隔壁32(図3)から離すことで、隔壁32付近に蓄積される電荷も抑制される。これらの効果により、放電Aは、凹部27aの底面に制限され、効率の向上を図ることができる。また、この原理を応用することで、凹部27aのサイズを変更すればその部分に形成される電荷の量を任意に制御することができる。
【0040】
また、PDPの高効率化を達成するために、放電ガスのXe分圧を上昇させる方法が一般的に知られている。しかし、Xe分圧を上昇させると、放電電圧が上昇する問題が生じると共に、紫外線の発生量が多くなり、容易に輝度飽和を起こす問題が生じる。そのために、誘電体層の膜厚を厚くし誘電体層の容量を小さくし、一回のパルスで形成される電荷を低下させる方法が知られているが、この場合は誘電体層の膜厚の増加に伴い誘電体層自体の透過率が低下するため、効率が低下するという問題が生じる。また、単に膜厚を増加させると放電電圧がさらに増加する問題が生じる。
【0041】
しかしながら本発明によれば、放電空間にXeと、Neおよび/またはHeとの混合ガスである放電ガスを封入するとともに、Xe分圧を5〜30%としたPDPにおいて、凹部27aの形状により電流を制御することで、高Xe分圧で発生する輝度飽和を防止することが可能となる。すなわち、各発光画素領域において最適なサイズの凹部27aを形成することで、放電領域を制限することにより、放電電流を制御することができる。また、凹部27aの形状またはサイズを変えることにより任意に流れる電流量を制限することができる。さらに、本実施の形態によれば、上記電流制御を誘電体層27のみで行うため、回路や、駆動方法を変えることなく高Xe分圧を用いることが可能となる。
【0042】
ここで、凹部27aの形状としては図3に示すような長方形に限るものではなく、その幅が、放電電極25aが放電ギャップ24を介して対向する部分の幅よりも広いものであれば、その形状は問わない。
【0043】
図8に、凹部27aの他の形状の一例を示す。図8(a)には、凹部27aの角部が丸みを持ったものを示している。また図8(b)には、凹部27aの形状として台形形状であるものを示している。また図8(c)には、台形形状で角部が丸みを持った、卵型や樽型の形状を含む形状を示している。
【0044】
また、凹部27aは、一方の表示電極26である走査電極上に位置する部分、すなわち重なる部分の面積を大きくすることで、アドレス操作時において前面パネル21の表示電極26の一方である走査電極とアドレス電極30との間で放電が発生しやすくなり、パネルの駆動マージンを広く取ることが可能となる。
【0045】
このような電極構成の一例を、図9に示す。図9(a)は凹部27aと表示電極26の一方である走査電極とが重なる面積を大きくするために、放電ギャップ24に対して、表示電極26の一方である走査電極側に片寄らせて凹部27aを形成した例を示し、図9(b)は、上述した効果を増すために、凹部27aは、その一部が走査電極のバス電極25b上に位置するように形成した構成を示している。なお、これらの構成においても、凹部27aの形状は図8に示すような形状とすることができる。
【0046】
ここで、図9(b)に示す構成の場合、凹部27aでの誘電体層27の厚みがバス電極25bの部分で薄くなるため、この部分での誘電体層27の絶縁耐圧の信頼性が低下する恐れがある。そこで、凹部27aの、バス電極25b上に位置する部分は、できる限り小さく形成することが好ましい。このような形状の凹部27aとして、凹部27aが、その一部が突出する突出部27bを有することで、バス電極25b上に位置するようにした形状を挙げることができる。具体的には、例えば図10(a)には、曲面形状の突出部27bを持つ例を示し、また図10(b)には、尖った形状の突出部27bを持つ例を示す。
【0047】
なお以上の説明では、凹部27aの形状は多角形でも、円、楕円でも良く、上記目的を達成すれば、上記説明に限るものではない。
【0048】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2によるプラズマディスプレイ装置について、図面を用いて説明する。本発明の実施の形態1の構造とは、凹部の構成が異なるものであり、以下では、その異なる部分を中心に詳細に述べる。なお、実施の形態1に示す部分と同一部分については同一番号を付して説明する。
【0049】
図11は本発明の実施の形態2によるプラズマディスプレイ装置の前面パネルの一部の斜視図を示しており、図において、表示電極26を覆うように、誘電体層27の放電空間側の表面には、放電セル毎に2つの凹部27c、27dが形成されている。また、図12には、その凹部27c、27dと表示電極26および隔壁32との位置関係を示しており、この図12に示すように、凹部27c、27dは隔壁32よりも内側に形成されている。
【0050】
そして、表示電極26は、表示ラインA毎に放電ギャップ24を介して対向するように配列して形成した透明電極からなる放電電極25aと、この放電電極25aに給電するためのバス電極25bとから構成され、表示電極26の放電電極25aは、前記凹部27c、27dの底面において放電ギャップ24を介して対向するようにバス電極25bから垂直に放電ギャップ24に向けて突出させて形成している。この放電電極25aは、凹部27c、27dの底面において放電ギャップ24を介して対向する部分の幅が凹部27c、27dの幅と同等、または凹部27c、27dの幅よりも狭くなるように構成されている。なお、図12に示す例は、放電電極25aの放電ギャップ24を介して対向する部分の幅を、凹部27c、27dの幅よりも狭く構成したものである。
【0051】
図13に、実施の形態2によるプラズマディスプレイ装置において、誘電体層27に2つの凹部27c、27dを形成した場合の効果を説明するための図を示す。図13中、実線Aは放電を示している。
【0052】
図13において、2つの凹部27c、27dの底面の誘電体層27の膜厚が低下するため、その部分の容量Cが大きくなる。そのため、放電のための電荷は凹部27c、27dの底面に集中的に形成されることとなり、放電領域を制限することができる。
【0053】
さらに、図13のように放電ギャップ24を挟んで凹部27c、27dを2個形成した構成であり、放電Aは、放電ギャップ24を挟んで凹部27cの底面と27dの底面との間で発生することとなり、このことにより放電距離が伸び、これにより、放電ガスが励起される確率が増加し、放電の制御と高効率を両立することができる。これは、放電ガス中のXeの分圧を高めとした場合に、より効果的となる。
【0054】
ここで、放電電極25aの形状は、図14に示すような、放電電極25aが、凹部27c、27dの底面において放電ギャップ24を介して対向する部分が複数に分割された形状とすることや、図15に示すように、放電電極25aを中空形状とすると、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0055】
また、凹部27c、27dの形状は、図12に示す長方形に限るものではなく、放電電極25aが放電ギャップ24を介して対向する部分の幅よりも広いものであればその形状は問わない。図16に、凹部27c、27dの他の形状の一例を示す。図16(a)には、凹部27c、27dのそれぞれの角部が丸みを持ったものを示している。また図16(b)には、凹部27c、27dの大きさが異なるものを示している。
【0056】
また、凹部27c、27dのいずれか一方は、一方の表示電極26である走査電極上に位置する部分、すなわち重なる部分の面積を大きくすることで、アドレス操作時において前面パネル21の表示電極26の一方である走査電極とアドレス電極30との間で放電が発生しやすくなり、パネルの駆動マージンを広く取ることが可能となる。
【0057】
このような電極構成の一例を図17に示す。図17(a)には、凹部27cを凹部27dより大きく形成することで、重なる面積を大きくした構成を示す。また、図17(b)には、凹部27c、27dの大きさは同じであるが、放電ギャップ24に対して走査電極側に片寄らせて形成することで、凹部27cが放電電極25aと重なる面積を、凹部27dが放電電極25aと重なる面積より大きくした構成を示す。また、図17(c)には、上述した効果を増すために、凹部27cは、その一部が走査電極のバス電極25b上に位置するように形成した構成を示している。なお、これらの構成においても、凹部27c、27dの形状は図16に示すような形状とすることができる。
【0058】
ここで、図17(c)に示すような構成の場合、凹部27cでの誘電体層27の厚みがバス電極25bの部分で薄くなるため、この部分での誘電体層27の絶縁耐圧の信頼性が低下する恐れがある。そこで、凹部27cの、バス電極25b上に位置する部分は、できる限り小さく形成することが好ましい。このような形状の凹部27cとして、凹部27cが、その一部が突出する突出部27bを有することで、バス電極25b上に位置するようにしたものを挙げることができる。具体的には、例えば図18(a)には、曲面形状の突出部27bを持つ例を示し、また図18(b)には、尖った形状の突出部27bを持つ例を示す。
【0059】
また、図19に、凹部27c、27dの他の形態を示す。図19(a)に示す例では、前記放電セル毎の凹部27c、27dを結ぶように少なくとも一つの溝27eを形成したもので、この場合は、放電開始電圧の低下と放電距離の増加の両立が可能となる。図19(b)に示す例では、2つの凹部27c、27dをバス電極25bに垂直となるように並べて形成したもので、この場合は、放電開始電圧を低下させることができる。さらに、図19(c)に示す例では、図19(b)に示すようにバス電極25bに垂直となるように並べて形成した2つの凹部27c、27dを結ぶように少なくとも一つの溝27eを形成したものである。
【0060】
なお、以上の説明では、2つの凹部27c、27dを形成した例を説明したが、2つ以上形成してもよく、また凹部の形状は多角形でも、円、楕円でも良く、上記目的を達成すれば、上記説明に限るものではない。
【0061】
【発明の効果】
以上述べてきた様に本発明のプラズマディスプレイ装置によれば、放電を制御することができると共に、アドレス期間の駆動を安定させることができ、また、高Xe分圧による効率の向上を有効に活用することができ、パネルの効率の向上と画質の向上を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1によるプラズマディスプレイ装置の概略構成を示す断面斜視図
【図2】本発明の実施の形態1によるプラズマディスプレイ装置の前面パネルの一部を示す斜視図
【図3】同装置の要部の配置関係を示す平面図
【図4】同じく、同装置の要部の配置関係を示す平面図
【図5】同じく、同装置の要部の配置関係を示す平面図
【図6】本発明の実施の形態1によるプラズマディスプレイ装置の放電状態を説明するための前面パネルの概略構成の断面図
【図7】従来のプラズマディスプレイ装置の放電状態を説明するための前面パネルの概略構成の断面図
【図8】本発明によるプラズマディスプレイ装置の要部の配置関係を示す平面図
【図9】同じく、同装置の要部の配置関係を示す平面図
【図10】同じく、同装置の要部の配置関係を示す平面図
【図11】本発明の実施の形態2によるプラズマディスプレイ装置の前面パネルの一部を示す斜視図
【図12】同装置の要部の配置関係を示す平面図
【図13】本発明の実施の形態2によるプラズマディスプレイ装置の放電状態を説明するための前面パネルの概略構成の断面図
【図14】同装置の要部の配置関係を示す平面図
【図15】同じく、同装置の要部の配置関係を示す平面図
【図16】同じく、同装置の要部の配置関係を示す平面図
【図17】同じく、同装置の要部の配置関係を示す平面図
【図18】同じく、同装置の要部の配置関係を示す平面図
【図19】本発明の実施の形態2によるプラズマディスプレイ装置の、凹部の形状を示すための前面パネルの一部斜視図
【図20】従来のプラズマディスプレイ装置の概略構成を示す断面斜視図
【図21】同装置の要部の配置関係を示す平面図
【符号の説明】
21 前面パネル
22 背面パネル
23、29 基板
24 放電ギャップ
25a 放電電極
25b バス電極
26 表示電極
27 誘電体層
27a、27c、27d 凹部
27b 突出部
27e 溝
32 隔壁
Claims (6)
- 基板間に隔壁により仕切られた放電空間が形成されるように対向配置した一対の前面側および背面側の基板と、前記隔壁間に放電セルが形成されるように前記前面側の基板に表示ライン毎に放電ギャップを介して対向するように配列して形成しかつ放電電極とこの放電電極に給電するためのバス電極とからなる複数の表示電極と、この表示電極を覆うように前面側の基板に形成した誘電体層と、前記表示電極間での放電により発光する蛍光体層とを有し、前記誘電体層の放電空間側の前記放電セル毎の表面に少なくとも1つの凹部を形成し、かつ前記表示電極の放電電極を、前記凹部の底面において放電ギャップを介して対向するようにバス電極から垂直に放電ギャップに向けて突出させて形成したことを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
- 放電電極は、凹部の底面において放電ギャップを介して対向する部分の幅が、凹部の幅と同等、または凹部の幅よりも狭く構成したことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
- 放電電極は、凹部の底面において放電ギャップを介して対向する部分が、複数に分割された形状であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
- 放電電極は、凹部の底面において放電ギャップを介して対向する部分が、中空形状であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
- 放電電極は、透明電極であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のプラズマディスプレイ装置。
- 放電空間に封入する放電ガスは、Xeと、Neおよび/またはHeとを含む混合ガスで、Xe分圧が5〜30%であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
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- 2003-04-11 JP JP2003107628A patent/JP2004006307A/ja active Pending
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