JP2004000956A - 水栓内蔵型浄水カートリッジ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】中空糸膜部1と活性炭部13を直列配置して水栓に内蔵可能な筒形のカートリッジ本体20を構成し、少なくとも中空糸膜部1の外周囲を筒形ボデー4で包囲し、中空糸膜部1のろ過能力を前記活性炭部13のろ過能力と同等以上とした水栓内蔵型浄水カートリッジである。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水栓流路を切り換えることによって水道水(原水)、又は浄水を吐出するシャワーノズル等を水栓内に着脱可能に内蔵した水栓内蔵型浄水カートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、原水内に含有される残留塩素成分を除去あるいは塩素イオンに分解でき、原水と浄水とを切り換え可能に設けたシャワーヘッドは各種提供されているが、例えば、浄水機能付きシャワーヘッドに設けられた流路切換弁を切り換えて浄水又は原水を吐出させるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このシャワーヘッド内には、筒状の水質浄化用カートリッジが装着されており、通常はこのカートリッジの外周に原水を流し、一方、ろ過時にはカートリッジの外周からカートリッジ内部の中空部に浄水流路を構成してろ過を行っている。
【0003】
この水質浄化用カートリッジは、筒状に形成した活性炭を主成分とする水質浄化材の外周面に不織布、スポンジ又は網などからなるフィルタを周設し、このフィルタは通常時においても原水と接するような構造となっている。
【0004】
ろ過時においては、流路切換弁を切り換えて流路を浄水側にした場合、原水が水質浄化用カートリッジの外周側流路からフィルタ、水質浄化材を通過して水質浄化材の中央に形成した中央空間部に浄水が流出するようにしている。
【0005】
一方、筒状のろ材を内部に装着した浄水シャワーとして、通常は、筒状カートリッジの中空部に原水を流すようにしておき、浄水使用時には、筒状カートリッジの外周から前記中空部(中央部)に向けて浄水流路を構成するようにしたものも提案されている。
【0006】
この浄水シャワーを浄水側に切り換えると、筒状カートリッジの外周側から圧力が中央部に向けて加わるため、この耐圧手段として筒状カートリッジの中央部に多孔質プラスチックや、側面に多数の穴が設けられているプラスチックの円筒などからなる筒状の補強材を配置するのが一般的である。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−303635号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した水質浄化用カートリッジの水質浄化材としては、遊離残留塩素を除去するために繊維状活性炭が用いられているが、この活性炭によるとバクテリアや微粒子などを除去・分解することはできない。
【0009】
また、上記のカートリッジは、何れもシャワーヘッドに内蔵したときに、原水と浄水との切り換えに拘わらず常にフィルタやろ材である水質浄化材が原水に接している構造となるため、たとえシャワーを原水のみで使用した場合であっても浄水カートリッジのろ過性能が大きく落ちてしまい、浄水カートリッジの寿命を短くすることになるが、この構造は、水栓に内蔵するタイプの水栓内蔵用カートリッジの場合には何れも同様であり、構造上避けられないものとなっている。
【0010】
また、筒状カートリッジの中央部に多孔質プラスチックを補強材として設ける場合には、この補強材の目詰まり等によってろ過流量が低下するおそれがあり、単に穴を有するプラスチック製補強材を活性炭層の保護部材として用いた場合には、穴の近傍の繊維状活性炭層のみがろ過に寄与するだけで活性炭層全体を効率的に利用することが困難であった。
【0011】
また、水栓内蔵型の浄水カートリッジは、水栓に設けたシャワーヘッドの筒部に有する内蔵スペースに限界があるため、この内蔵スペースに収納するための浄水カートリッジの全長と容積にも自ずから限界があり、その上、中空糸膜部と活性炭部の長さや容積等にも制限がある。そのため、中空糸膜部と活性炭部の何れかが先行して目詰まりを起こすなど、浄水カートリッジ自体の寿命が不安定であり、その点における改良の必要性があった。
【0012】
一方、粒径が約1.0μm以下の微粒子を多く含む水質の水道水をろ過する場合、表1に記載のA市水道水の例に示すように、粒径が0.5〜0.7μmの微粒子を多く含む場合は、微粒子が活性炭層を通過して中空糸膜部により捕捉される割合が多くなるため、中空糸膜部の早期の目詰まりを生じ易くなり、浄水カートリッジ自体の寿命が短くなり、この点のおける改善も要求されている。
【0013】
【表1】
【0014】
本発明は、上述の実情に鑑みて開発したものであり、その目的とするところは、中空糸膜部における所定の濁度ろ過能力を確保し、従来に比して、そのろ過性能を向上させることが可能な水栓内蔵型浄水カートリッジであり、高いろ過性能を長期間に亘って維持できるようにした長寿命の水栓内蔵型浄水カートリッジを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に係る発明は、中空糸膜部と活性炭部を直列配置して水栓に内蔵可能な筒形のカートリッジ本体を構成し、少なくとも中空糸膜部の外周囲を筒形ボデーで包囲した水栓内蔵型浄水カートリッジである。
【0016】
請求項2に係る発明は、前記中空糸膜部のろ過能力を前記活性炭部のろ過能力と同等以上とした水栓内蔵型浄水カートリッジである。
【0017】
請求項3に係る発明は、活性炭部の容積を規定の残留塩素ろ過能力を10%以上、上回る容量とし、残りの容量を中空糸膜部とした水栓内蔵型浄水カートリッジである。
【0018】
請求項4に係る発明は、前記活性炭部は、繊維状活性炭と粒状活性炭より成り、繊維状活性炭を粒状活性炭より多く含有させた水栓内蔵型浄水カートリッジである。
【0019】
請求項5に係る発明は、前記活性炭部に鉛吸着剤を含有させた水栓内蔵型浄水カートリッジである。
【0020】
請求項6に係る発明は、水栓本体に設けたシャワーヘッドの筒部内に、前記カートリッジ本体を着脱可能に内蔵させ、水栓本体の基部より前記シャワーヘッドをホースを介して引出し自在に設けた水栓内蔵型浄水カートリッジである。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明における水栓内蔵型浄水カートリッジの実施形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明における浄水カートリッジでの一例を示した縦断面図であり、図2は、図1のカートリッジを分離して示した半截断面図である。図1及び図2において、1は、水道水中のバクテリアや微粒子等の濁り成分を除去することが可能な中空糸膜部であり、本例の中空糸膜部1は、PES(ポリエーテルサルフォン)、PP(ポリプロピレン)、PS(ポリサルフォン)製等の中空糸膜2を用い、これを略U字形状に折返して結束し、端部をポリウレタンやエポキシ樹脂等のポッティング部3で中空糸膜2とABS樹脂等の筒形ボデー4を密封固着し、ポッティング部3の中空糸膜の端部を開口させている。微粒子の粒径が0.5〜0.7μmのものを多く含む水道水をろ過する場合において、中空糸膜2の早期の目詰まりを防止するためには、PPより、透過流量の多い中空糸膜、例えばPES製中空糸膜が好ましい。
【0022】
また、筒形ボデー4のポッティング部3が位置している一側の外周囲の外周溝5にOリング6を装着し、筒形ボデー4の他側を開口7させている。次いで、この開口7にキャップ8を超音波溶着により連結しており、このキャップ8は、一方側の中央に連通筒9を有する蓋部10と外周囲に複数の開口窓11を有し、他方側を開口にさせている。なお、上記超音波溶着により、中空糸膜2が膜切れを生じないよう、図1に示すように、中空糸膜2とキャップ8の蓋部10との間に隙間を設けている。
【0023】
図1及び図2において、13は活性炭部であり、この活性炭部13は、繊維状活性炭と粒状活性炭より成り、繊維状活性炭を粒状活性炭より多く含有させて活性炭部13の目詰まりを防いでいる。本例では、繊維状活性炭:粒状活性炭=40〜60:20〜40とし、更に、これに鉛吸着剤を含有させている。
【0024】
この鉛吸着剤は、ケイ酸チタニウム塩(ゼオライト構造物質)(例えば20%)、アパタイト(例えば25%)等のセラミック系或は、イオン交換繊維(例えば15%)を実施に応じて適宜量含有させている。この活性炭部13により、遊離残留塩素、溶解性鉛及びがび臭の元となる2−MIB(メチルイソボルネオール)を分離・吸着することが可能となる。
【0025】
図2において、活性炭部13の一例を示すと、円柱状の活性炭部13の中空部に、網状、多孔状の連通筒14(本例ではアクリル繊維製)を挿入し、外周囲にプレフィルター機能を有する不織布15(本例ではポリエステル製)を被覆し、この不織布15は、活性炭部13の両側面まで折返して被覆している。そして、この活性炭部13の一側を、キャップ8の内側面に形成した溝8aに溶融樹脂を充填して液密に連結すると共に、連通筒9に活性炭部13の連通筒14を嵌合して取付けている。なお、活性炭部13の両側面を不織布で被覆し、溶融樹脂が活性炭部に滲み込まないようにし、溶融樹脂が活性炭部13内の通水を妨げないようにしている。活性炭部13の他側には、樹脂製の筒部16aを有するエンドキャップ16を上記と同じ溶融樹脂により液密に連結させて、図1に示すカートリッジ本体20を構成している。このエンドキャップ16は、活性炭部13の端部側からの原水の侵入を防ぎ、かつ原水が放射状にシャワーヘッド内に流入するようにしている。なお、連通筒9や筒部16aは、その長さを連通筒14の内径寸法の約2倍として、連通筒14を支持可能な必要最小限の長さとすると共に略U字形の切欠部を複数設けることにより、連通筒9や筒部16aが活性炭部13内の通水を妨げないようにしている。
【0026】
また、中空糸膜部1のろ過能力を活性炭部13のろ過能力と同等以上とし、活性炭部13の容積を、規定の残留塩素ろ過能力を10%以上、上回るろ過能力を確保できる容量とし、残りの容量を中空糸膜部1としている。中空糸膜部1のろ過寿命が短いと、活性炭部13のろ過能力が残っているにも拘わらず、中空糸膜部1の目詰まりによりろ過流量が低下してカートリッジの寿命が短くなってしまう。また、活性炭部13のろ過寿命が短いと、中空糸膜部1のろ過能力が残っているにも拘わらず、活性炭部13のろ過性能が低下してカートリッジの寿命が短くなってしまう。本例によると、中空糸膜部1のろ過性能を最大限に生かした浄水カートリッジを得ることができる。ここで規定の残留塩素ろ過能力とは、遊離残留塩素の除去率が100%から80%に滞るまでの総ろ過水量をいい、本例においては1200L(10L/日×30日×4ヶ月)としている。
【0027】
図4及び図5において、17は、キッチンに設置されたキャビネットのシンク、18はカウンターで、このカウンター18上にレバー式の水栓本体19が設置されている。この水栓本体19に設けたシャワーヘッド21の筒部22内に、カートリッジ本体20を着脱可能に内蔵させ、水栓本体19の基部23よりシャワーヘッド21をホース24を介して引き出し自在に設け、浄水の使用可能なハンドシャワーとして、離れた場所に注水することができる。このシャワーヘッド21には、原水、シャワー、浄水に切換可能な切換え操作部25を設けている。
【0028】
一方、カートリッジ本体20の交換時には、シャワーヘッド21から筒部22を取り外すことで、カートリッジ本体20が着脱可能となり、新しいカートリッジ本体20をノズルヘッド21に挿入するように取付けると、Oリング6を介して密封状態に取付けられ、簡単にカートリッジ本体20を交換することができる。
【0029】
次に上記実施形態の作用を説明する。
本発明の水栓内蔵型浄水カートリッジは、中空糸膜部1と活性炭層13を直列配置してカートリッジ本体20を構成しているので、水栓9内の狭いスペース内に中空糸膜部1とその前段階のろ過部材である活性炭部13を所定のろ過機能を発揮するように機能的に配置できると共に、この活性炭部13が中空糸膜部1と組み合わせることによってバクテリアや微粒子などを除去・分解することができ、高いろ過性能を長期的に発揮することができる。
【0030】
図3は、本発明における水栓内蔵型浄水カートリッジの他例を示した一部切欠き側面図である。図3におけるカートリッジ本体26は、中空糸膜27aで形成された中空糸膜部27と活性炭部28を配置し、筒形ボデー29で中空糸膜部27の外周囲を包囲し、また、エンドキャップ34でカバーした活性炭部28は露出させるようにしている。活性炭部28には、先の例のように、網状・多孔状の連通筒14を用いてもよい。この筒形ボデー29には、Oリング30を装着した縮径した装着部31を有するキャップ32を固着しているので、ポッティング部33の開口面を常に清浄にしておく利点がある。
【0031】
【実施例】
ここで、カートリッジ本体20、26に対してそれぞれJIS S3201 家庭用浄水器試験方法に基づいて試験を行なった。その結果及び評価結果を示す。
本例は、前述の表1に示すように、粒径が0.5〜0.7μmの微粒子を多く含む水道水に、浄水カートリッジを用いた場合に、微粒子が容易に活性炭部を通過して中空糸膜部により捕捉される割合が多くなり、目詰まりを生じ易くなるという課題を解決した浄水カートリッジである。
以下に示す表中の値は、総ろ過流量(L)を示しており、遊離残留塩素、溶解性鉛、及び2−MIBの項目は、これらの除去率がそれぞれ100%から80%に落ちるまでの総ろ過水量、濁度(濁り)の項目は総ろ過量が100%から50%に落ちるまでの総ろ過水量を表している。
【0032】
図6は、活性炭部13の長さによるろ過能力の評価を示したグラフであり、同グラフは、A,Bのろ過能力の判定基準を1200Lとし、Cのろ過能力の判定基準をBの3倍の3600Lとしている。A,B,Cの全て合格基準とするのは、A,Bの合否判定基準である1200L及びB,Cの直線で囲まれる同グラフの斜線領域であり、このグラフから明らかなように、活性炭部13の長さは46〜54mmが最適となることが確認された。なお、活性炭部の仕様や鉛吸着剤等を調整することにより、溶解性鉛ろ過能力や、2−MIBろ過能力も所定の基準1200Lを満たすものとしている。
すなわち、活性炭と中空糸膜モジュールからなる浄水カートリッジの濁度ろ過能力をカートリッジ全体にて評価すると、活性炭の透水性の影響を受けた状態で中空糸膜の濁度ろ過能力を評価することとなる。図6において、活性炭部の長さが長くなるにつれて、Aの残留塩素ろ過能力値の変化に沿うようにBの濁度ろ過能力値が高くなるのはこのためである。
しかし、小さい微粒子を多く含む水道水をろ過する場合は、微粒子が活性炭層を通過して中空糸膜に捕捉される割合が多くなることから、浄水カートリッジ全体として濁度ろ過能力を満たしているにも拘わらず、早期流量低下を生ずる恐れがある。
従って、中空糸膜部のみでの濁度ろ過能力の評価も行い、図6に示すように、浄水カートリッジ全体の濁度ろ過能力(B)が規定値(ここでは1200L)を満足することに加えて、中空糸膜部のみの濁度ろ過能力(C)規定値(ここでは1200L×3=3600L)を満足することにより、小さい微粒子を多く含む水道水をろ過する場合であっても、早期の流量下を生ずることなく、規定の濁度ろ過能力を満たすことのできる浄水カートリッジを得ることができる。
【0033】
図7及び図8は、中空糸膜での目詰まりを防止する手段としてPES膜を用いる例を、「濁度(濁り)ろ過能力評価試験結果JIS及び水道水」に基づいて示す。
図7において、活性炭部の形状や容積は同じであり、PPとPESの膜材質の違いによるが、濁度ろ過能力の差はわずかである。
図8における水道水は、粒径0.5〜0.7μmの微粒子を多く含んでいる例であり、PP膜より外径の大きいPES膜を用いることにより、濁度ろ過能力は、基準の1200Lを満たしていることが確認された。
本例におけるPP膜は、公称孔径0.1μm、外径φ360μmであり、PES膜は、公称孔径0.1μm、外径φ460μmである。
PES膜は、膜構造の違いや糸径による違いにより、単位面積あたりの透過水量がPP膜より多いことが確認された。
【0034】
また、活性炭部13の容積を、1200L通水後の残留塩素ろ過能力を10%以上残す容量とし、残りの容積を中空糸膜部1とした水栓内蔵型浄水カートリッジを得た。これは、表2(浄水カートリッジの寸法)と表3に示すろ過能力を本例の供試品(No.1,No.2)と比較例(No.3,No.4)に従って評価できる。
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
表2及び表3によると、供試品No.1とNo.2において、規定の残留塩素ろ過能力1200Lに対し、10〜63%の残留塩素ろ過能力を残していることが理解できる。また、供試品No.3は、残留塩素ろ過能力は規定の1200Lを満たしているが、濁度(濁り)ろ過能力が規定の1200Lを下回っており、更に、供試品No.4は、残留塩素ろ過能力、濁度(濁り)ろ過能力共に規定の1200Lを下回っているため、比較例としている。なお、活性炭部と中空糸膜部との容積比は、1:1〜1:4が好適であることも確認された。
【0038】
図9及び図10は他例を示したものであり、同図は、筒形ボデー35に連設して筒形ボデー35と略同径の保護筒36で活性炭部37を被覆することにより、外部通水を可能とし、保護筒36にサイドフロー用の流入孔38を設けた例である。なお、図中39は中空糸膜部、40は隙間である。
同図において、保護筒36の内周と活性炭部37の外周との間には流路確保用の隙間40を設けている。この隙間40は、仮に0.5mmを下回る場合には原水は隙間40を流れることなく流入孔38の周辺の活性炭部しかろ過に寄与できず、一方、隙間が2.0mmを上回ると活性炭部の容積が10〜15%程度低下することになってしまい、所定のろ過能力を発揮できない。
従って、この空隙40は、0.5〜2.0mm程度にするのがよい。
また、流入孔38は、円筒状である保護筒36の弦方向に断面円形の図示しない穿孔治具により穿孔することにより、一回の穿孔工程で保護筒36の円周方向に長い液滴状の流入孔38を一度に2ケ所形成することができる。この場合、単に丸孔を保護筒36の中心線方向に向けて開けた場合に比べて、円周方向に長くしかも開口面積の大きい流入孔を設けることができるので活性炭部37の円周方向に沿った方向に原水が流れやすくなり、空隙40とも相俟って、活性炭部37の側面全周に渡って原水を行き渡らせ、活性炭部の側面から半径方向へのろ過、すなわちサイドフローによるろ過を効果的に行うことができる。
【0039】
【発明の効果】
以上のことから明らかなように、本発明によると、水栓の内部に着脱自在に装着でき、しかも水栓内のように狭く、限られた空間であっても、ろ過性能を著しく向上させることができる。
【0040】
請求項2及び請求項3に係る発明によると、活性炭部を通過し、中空糸膜部により捕捉される大きさの微粒子を多く含む水質の水道水でろ過する場合であっても、中空糸膜部での早期の目詰まり現象を防ぐことができる。
【0041】
請求項4に係る発明によると、活性炭部の早期の目詰まりを防ぐことができ、長期の使用を可能とし、長寿命の製品を提供できる。
【0042】
請求項5に係る発明によると、水道水に含まれている溶解性鉛を吸着でき、浄水を可能とし、長寿命のカートリッジを提供できる。
【0043】
請求項6に係る発明によると、活性炭部を通過し、中空糸膜により捕捉される大きさの微粒子を多く含む水質の水道水でろ過する場合であっても、中空糸膜での目詰まり現象を低減することができ、即ち、微粒子径が小さく、中空糸膜での早期の目詰まりのおそれがある水道水のろ過に適しており、長期間の使用に耐え得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における水栓内蔵型浄水カートリッジの一例を示す縦断面図である。
【図2】図1のカートリッジを分離して示した半截断面図である。
【図3】本発明における水栓内蔵型浄水カートリッジの他例を示す半截断面図である。
【図4】図1の水栓内蔵型浄水カートリッジを水栓に内蔵した状態を示す一部切欠き側面図である。
【図5】図4の水栓からシャワーヘッドを引き出した状態を示す斜視図である。
【図6】活性炭部長さによる、ろ過能力評価を示したグラフである。
【図7】濁度(濁り)ろ過能力評価試験(JIS S3201:原水濁り カオリン2度)を示すグラフである。
【図8】濁度(濁り)ろ過能力評価試験(水道水)を示すグラフである。
【図9】本発明における浄水カートリッジでの他例を示す正面図である。
【図10】図9の縦断面図である。
【符号の説明】
1 中空糸膜部
4 筒形ボデー
13 活性炭部
19 水栓本体
20 カートリッジ本体
21 シャワーヘッド
22 筒部
23 基部
24 ホース
26 カートリッジ本体
27 中空糸膜部
28 活性炭部
29 筒形ボデー
Claims (6)
- 中空糸膜部と活性炭部を直列配置して水栓に内蔵可能な筒形のカートリッジ本体を構成し、少なくとも中空糸膜部の外周囲を筒形ボデーで包囲したことを特徴とする水栓内蔵型浄水カートリッジ。
- 前記中空糸膜部のろ過能力を前記活性炭部のろ過能力と同等以上とした請求項1に記載の水栓内蔵型浄水カートリッジ。
- 請求項2における活性炭部の容積を規定の残留塩素ろ過能力を10%以上、上回る容量とし、残りの容量を中空糸膜部とした水栓内蔵型浄水カートリッジ。
- 前記活性炭部は、繊維状活性炭と粒状活性炭より成り、繊維状活性炭を粒状活性炭より多く含有させた請求項1乃至3の何れか1項に記載の水栓内蔵型浄水カートリッジ。
- 前記活性炭部に鉛吸着剤を含有させた請求項4に記載の水栓内蔵型浄水カートリッジ。
- 水栓本体に設けたシャワーヘッドの筒部内に、前記カートリッジ本体を着脱可能に内蔵させ、水栓本体の基部より前記シャワーヘッドをホースを介して引出し自在に設けた請求項1に記載の水栓内蔵型浄水カートリッジ。
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