[go: up one dir, main page]

JP2003534773A - ヒトサイトカイン受容体 - Google Patents

ヒトサイトカイン受容体

Info

Publication number
JP2003534773A
JP2003534773A JP2001542532A JP2001542532A JP2003534773A JP 2003534773 A JP2003534773 A JP 2003534773A JP 2001542532 A JP2001542532 A JP 2001542532A JP 2001542532 A JP2001542532 A JP 2001542532A JP 2003534773 A JP2003534773 A JP 2003534773A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polypeptide
soluble
amino acid
seq
receptor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001542532A
Other languages
English (en)
Inventor
アール. プレズネル,スコット
シュー,ウェンフェン
カインズボーゲル,ウェイン
チェン,ジー
Original Assignee
ザイモジェネティクス,インコーポレイティド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ザイモジェネティクス,インコーポレイティド filed Critical ザイモジェネティクス,インコーポレイティド
Publication of JP2003534773A publication Critical patent/JP2003534773A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/705Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
    • C07K14/715Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants for cytokines; for lymphokines; for interferons
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P1/00Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system
    • A61P1/04Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system for ulcers, gastritis or reflux esophagitis, e.g. antacids, inhibitors of acid secretion, mucosal protectants
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P19/00Drugs for skeletal disorders
    • A61P19/02Drugs for skeletal disorders for joint disorders, e.g. arthritis, arthrosis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P29/00Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2319/00Fusion polypeptide

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Rheumatology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Pain & Pain Management (AREA)
  • Orthopedic Medicine & Surgery (AREA)
  • Physical Education & Sports Medicine (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 サイトカイン類及びそれらの受容体は、基本的研究において、及び治療剤として有用であることが証明されている。本発明は、“Zcytor16”として命名された新規ヒトサイトカイン受容体を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 技術分野: 本発明は一般的に、ヒト細胞により発現される新規タンパク質に関する。特に
、本発明は、“Zcytor 16”と称する受容体をコードする新規遺伝子、及びZcyto
r 16ポリペプチド、及び前記ポリペプチドに対する抗体をコードする核酸分子に
関する。
【0002】 発明の背景: サイトカインは、多くの細胞型の増殖及び分化の調節を包含する種々の生物学
的効果を仲介する可溶性の小さなタンパク質である(例えば、Araiなど., Annu.
Rev. Biochem. 56: 783 (1990); Mosmann, Curr. Opin. Immunol. 3:311 (1991
); Paul and Seder, Cell 76: 241 (1994) を参照のこと)。サイトカイングル
ープを構成するタンパク質は、インターロイキン、インターフェロン、コロニー
刺激因子、腫瘍壊死因子及び他の調節分子を包含する。例えば、ヒトインターロ
イキン−17は、インターロイキン−6、細胞内付着分子1、インターロイキン−
8、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子の発現、及びプロスタグランジンE2
発現を刺激し、そしてCD34+造血前駆体の好中球への選択的成熟において役割を
演じるサイトカインである。(Yaoなど., J. Immunol. 155: 5483 (1995); Foss
iez など., J. Exp. Med. 183: 2593 (1996))。
【0003】 サイトカインを結合する受容体は典型的には、高い親和性でサイトカインを結
合し、そしてこの結合現象を、一定の受容体サブユニットの細胞質部分を通して
細胞にトランスダクションする1又は複数の膜内在性タンパク質から構成される
。サイトカイン受容体は、それらの細胞外リガンド結合ドメインにおける類似性
に基づいて、いくつかのクラスに分類されている。例えば、インターフェロンの
結合及び/又はその効果のトランスダクションを担当する受容体鎖は、特徴的な2
00個の残基の細胞外ドメインに基づいて、タイプIIサイトカイン受容体ファミリ
ーのメンバーである。
【0004】 サイトカイン及びそれらの受容体の明らかにされたインビボ活性は、他のサイ
トカイン、サイトカイン受容体、サイトカインアゴニスト及びサイトカインアン
タゴニストの臨床学的可能性及びそれらについての必要性を示す。
【0005】 発明の簡単な要約: 本発明は、“Zcytor 16”と称する新規受容体を提供する。本発明はまた、Zcy
tor 16ポリペプチド及びZcytor 16融合タンパク質、並びにそのようなポリペプ
チド及びタンパク質をコードする核酸分子、及びそれらの核酸分子及びアミノ酸
配列の使用方法を提供する。
【0006】 発明の特定の記載: 1.概観: Zcytor 16をコードする実例のヌクレオチド配列は、配列番号1により提供さ
れる。コードされるポリペプチドは、次ぎのアミノ酸配列を有する:
【0007】
【化1】
【0008】 前記231個のアミノ酸ポリペプチドは、新規クラスIIサイトカイン受容体のサ
イトカイン−結合ドメインとしても呼ばれる細胞外ドメインを表す。Zcytor16ポ
リペプチドの特徴は、配列番号2のアミノ酸残基1〜21、又は1〜22での推定上
のシグナル配列、配列番号2のアミノ酸残基22〜108及び112〜210での免疫グロ
ブリンスーパーファミリー(Ig)ドメイン、及びIgドメイン間(すなわち、配列
番号2のアミノ酸残基109〜111での)に存在するIgドメインを包含する。Zcytor
16遺伝子は、リンパ球、胎盤、脾臓、扁桃及び他の組織において発現され、そし
てヒト染色体6q24.1-25.2に存在する。
【0009】 下記のように、本発明は、(a)アミノ酸残基21〜231、(b)アミノ酸残基2
1〜210、(c)アミノ酸残基22〜231、(d)アミノ酸残基22〜210、(e)アミ
ノ酸残基22〜108、(f)アミノ酸残基112〜210、及び(g)アミノ酸残基21〜1
10から成る群から選択された、配列番号2の対照アミノ酸配列に対して少なくと
も70%、少なくとも80%、又は少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含んで
成る単離されたポリペプチドを提供し、ここで前記単離されたポリペプチドは、
配列番号2のアミノ酸配列から成るポリペプチドと特異的に結合する抗体と特異
的に結合する。
【0010】 例示的ポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸残基22〜231又は配列番号2の
アミノ酸残基22〜210のいずれかを含んで成るポリペプチドを包含する。さらに
、本発明はまた、IL−TIF(例えば、配列番号15で示されるようなヒトIL−TIFポ
リペプチド配列)を結合する、上記に開示されるような単離されたポリペプチド
を提供する。ヒトIL−TIFポリヌクレオチド配列は、配列番号14で示される。
【0011】 本発明はまた、(a)アミノ酸残基21〜231、(b)アミノ酸残基21〜210、(
c)アミノ酸残基22〜231、(d)アミノ酸残基22〜210、(e)アミノ酸残基22
〜108、(f)アミノ酸残基112〜210、及び(g)アミノ酸残基21〜110から成る
群から選択された、配列番号2のアミノ酸配列の少なくとも15個の連続したアミ
ノ酸残基を含んで成る単離されたポリペプチドを提供する。例示的ポリペプチド
は、アミノ酸残基(a)〜(g)を含むか、又はそれらから成るポリペプチドを
包含する。さらに、本発明はまた、IL−TIFを結合する、上記に例示されるよう
な単離されたポリペプチドを提供する。
【0012】 本発明はまた、本発明はまた、変異体Zcytor 16ポリペプチドを包含し、ここ
で前記変異体ポリペプチドのアミノ酸配列は、少なくとも70%の同一性、少なく
とも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性又は95%
以上の同一性から成る群から選択された、配列番号2のアミノ酸残基22〜210と
の同一性を共有し、そして前記変異体ポリペプチドのアミノ酸配列と配列番号2
のその対応するアミノ酸配列との間のいずれかの差異は1又は複数の保存性アミ
ノ酸置換によるものである。さらに、本発明はまた、IL−TIFを結合する、上記
に開示されるような単離されたポリペプチドを提供する。
【0013】 本発明はさらに、そのようなポリペプチドと特異的に結合する抗体及び抗体フ
ラグメントを提供する。典型的な抗体は、ポリクローナル抗体、ネズミモノクロ
ーナル抗体、ネズミモノクローナル抗体に由来するヒト型化抗体及びヒトモノク
ローナル抗体を包含する。例示的な抗体フラグメントは、F(ab’)2, F(ab)2, Fa
b’, Fab ,Fv, scFv及び最少認識単位を包含する。本発明はさらに、キャリヤ
ー、及び本明細書に記載されるペプチド、ポリペプチド、又は抗体を含んで成る
組成物を提供する。
【0014】 本発明はまた、(a)配列番号3のヌクレオチド配列を含んで成る核酸分子、
(b)配列番号2のアミノ酸残基22−231又は配列番号2のアミノ酸残基22−210
のいずれかを含んで成るアミノ酸配列をコードする核酸分子、及び(c)配列番
号1のヌクレオチド64−630のヌクレオチド配列又は配列番号1のヌクレオチド6
4−630の補体を含んで成る核酸分子に対して、緊縮洗浄条件下でハイブリダイズ
されたまま存続する核酸分子から成る群から選択された、Zcytor16ポリペプチド
をコードする単離された核酸分子を提供する。
【0015】 例示的な核酸分子は、核酸分子(c)によりコードされるアミノ酸配列と配列
番号2のその対応するアミノ酸配列との間のいずれかの差異が保存性アミノ酸置
換のためであるそれらの核酸を包含する。本発明はさらに、配列番号1のヌクレ
オチド64−630を含んで成る単離された核酸分子にも関する。さらに、本発明は
また、IL−TIFを結合する、上記に開示されるような単離されたポリヌクレオチ
ドを提供する。
【0016】 本発明はまた、そのような核酸分子を含んで成るベクター及び発現ベクターを
包含する。そのような発現ベクターは、転写プロモーター及び転写ターミネータ
ーを含んで成り、ここで前記プロモーターが前記核酸分子に操作可能的に連結さ
れ、そして前記核酸分子が転写ターミネーターに操作可能的に連結される。本発
明はさらに、それらのベクター及び発現ベクターを含んで成る組換え宿主細胞及
び組換えウィルスを包含する。例示的な宿主細胞は、細菌、酵母、菌類、昆虫、
哺乳類、及び植物細胞を包含する。そのような発現ベクターを含んで成る組換え
宿主細胞は、発現ベクターを含んで成り、そしてZcytor 16タンパク質を生成す
るそのような組換え宿主を培養し、そして任意には、その培養された宿主細胞か
らZcytor 16タンパク質を単離することによって、Zcytor 16ポリペプチドを調製
するために使用され得る。
【0017】 さらに、本発明は、医薬的に許容できるキャリヤー、及び少なくとも1つのそ
のような発現ベクター、又はそのような発現ベクターを含んで成る組換えウィル
スを含んで成る医薬組成物を提供する。本発明はさらに、医薬的に許容できるキ
ャリヤー及び本明細書に記載されるポリペプチドを含んで成る医薬組成物を包含
する。
【0018】 本発明はまた、生物学的サンプルにおけるZcytor 16 RNAの存在を検出するた
めの方法を提供し、ここで前記方法は、(a)Zcytor 16核酸プローブと、(i)
前記生物学的サンプルから単離された試験RNA分子、又は(ii)前記単離されたR
NA分子から合成された核酸分子のいずれかとを、ハイブリダイゼーション条件下
で接触せしめ、ここで前記プローブが、配列番号1のヌクレオチド配列の一部、
又はその相補体から成るヌクレオチド配列を含んで成り;そして(b)前記核酸
プローブ、及び前記試験RNA分子又は合成された核酸分子のいずれかのハイブリ
ッドの形成を検出し、ここで前記ハイブリッドの存在が前記生物学的サンプルに
おけるZcytor 16 RNAの存在を示す。例えば、適切なプローブは、次の配列番号
1のヌクレオチド配列から成る:ヌクレオチド64−324、ヌクレオチド64−630、
ヌクレオチド334−630、及びヌクレオチド64−693。他の適切なプローブは、そ
れらのヌクレオチド配列の補体、又は前記ヌクレオチド配列又はそれらの補体の
一部から成る。
【0019】 本発明はさらに、生物学的サンプルにおけるZcytor 16の存在を検出するため
の方法を提供し、ここで前記方法は、(a)前記生物学的サンプルと、配列番号
2のアミノ酸配列から成るポリペプチドと特異的に結合する抗体、又は抗体フラ
グメントとを接触せしめ、ここで前記接触が、前記生物学的サンプルへの前記抗
体又は抗体フラグメントの結合を可能にする条件下で行われ、そして(b)前記
結合された抗体又は結合された抗体フラグメントのいずれかを検出する段階を含
んで成る。そのような抗体又は抗体フラグメントはさらに、放射体同位体、蛍光
ラベル、化学ルミネセントラベル、酵素ラベル、生物ルミネセントラベル及びコ
ロイド状金から成る群から選択された検出できるラベルを含んで成る。
【0020】 本発明はまた、それらの検出方法を行うためのキットを提供する。例えば、Zc
ytor 16遺伝子発現の検出のためのキットは、核酸分子を含んで成る容器を含ん
で成り、ここで前記核酸分子は、(a)配列番号1のヌクレオチド64−630のヌ
クレオチド配列を含んで成る核酸分子、(b)配列番号1のヌクレオチド配列の
ヌクレオチド64−630の補体を含んで成る核酸分子、(c)少なくとも8個のヌ
クレオチドから成る(a)のフラグメントである核酸分子、及び(d)少なくと
も8個のヌクレオチドから成る(b)のフラグメントである核酸分子から成る群
から選択される。そのようなキットはまた、核酸分子の存在を示すことができる
1又は複数の試薬を含んで成る第2容器を含んで成る。他方では、Zcytor 16タ
ンパク質の検出のためのキットは、配列番号2のアミノ酸配列から成るポリペプ
チドと特異的に結合する、抗体又は抗体フラグメントを含んで成る容器を含んで
成る。
【0021】 本発明はまた、配列番号2のアミノ酸配列から成るポリペプチドを特異的に結
合する抗体又は抗体フラグメントを特異的に結合する、抗−イディオタイプ抗体
又は抗−イディオタイプ抗体フラグメントも企画する。典型的な抗−イディオタ
イプ抗体は、配列番号2のアミノ酸残基22−210から成るポリペプチドを特異的
に結合する抗体と結合する。
【0022】 本発明はさらに、Zcytor 16分泌シグナル配列をコードするヌクレオチド配列
、及び生物学的活性のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んで成る
単離された核酸分子を包含し、ここで前記Zcytor 16分泌シグナル配列は、配列
番号2の残基1〜21のアミノ酸配列を含んで成る。生物学的活性のポリペプチド
は、第VIIa因子、プロインスリン、インスリン、卵胞刺激ホルモン、組織型プラ
スミノーゲン活性化因子、腫瘍壊死因子、インターロイキン、コロニー刺激因子
、インターフェロン、エリトロポエチン、及びトロンボポエチンを包含する。さ
らに、本発明は、Zcytor 16分泌シグナル配列及びポリペプチドを含んで成る融
合タンパク質を提供し、ここで前記Zcytor 16分泌シグナル配列は、配列番号2
の残基1〜21のアミノ酸配列を含んで成る。
【0023】 本発明はまた、Zcytor 16ポリペプチド及び免疫グロブリン成分を含んで成る
融合タンパク質を提供する。そのような融合タンパク質においては、免疫グロブ
リン成分は、免疫グロブリンH鎖不変領域、例えばヒトFcフラグメントであり得
る。本発明はさらに、そのような融合タンパク質をコードする単離された核酸分
子を包含する。
【0024】 本発明はまた、Zcytor16細胞外ドメインを含んで成る、モノマー、ホモダイマ
ー、ヘテロダイマー及びマルチマー受容体を提供する。そのような受容体は可溶
性であるか、又は膜結合され、そしてZcytor16 リガンド、IL−TIF(例えば、配
列番号15に示されるようなヒトIL−TIF)のアンタゴニストとして作用する。好
ましい態様においては、そのような受容体は、配列番号2のアミノ酸22−231、
又は22−210を含んで成る少なくとも1つのZcytor16細胞外ドメインポリペプチ
ドを含んで成る可溶性受容体である。本発明はさらに、そのような受容体ポリペ
プチドをコードする単離された核酸分子も包含する。
【0025】 本発明はまた、Zcytor16細胞ドメイン、例えば上記に記載されるそれらのドメ
インを含んで成る、モノマー、ホモダイマー、ヘテロダイマー及びマルチマー受
容体に対するポリクローナル及びモノクローナル抗体を提供する。さらに、Zcyt
or16リガンド、IL−TIF(配列番号15)、すなわちZcytor16受容体経の結合を拮
抗するそのような抗体が使用され得る。
【0026】 本発明はまた、患者における遺伝子異常性を決定するための方法を提供し、こ
こで患者から遺伝子サンプルを得;配列番号1の少なくとも14個の連続したヌク
レオチド又は配列番号1の補体を含んで成るポリヌクレオチドと共に、前記遺伝
子サンプルを、前記ポリヌクレオチドが相補的ポリヌクレオチド配列に対してハ
イブリダイズするであろう条件下でインキュベートすることによって、第1反応
生成物を生成し;前記第1反応生成物を可視化し;そして野生型患者からの対照
反応生成物に、前記第1反応生成物を比較し、前記第1反応生成物と前記対照反
応生成物との間の差異が患者における遺伝子異常性の表示である。
【0027】 本発明はまた、患者における癌を検出するための方法を提供し、ここで患者か
ら組織又は生物学的サンプルを得;前記組織又は生物学的サンプルを、請求項16
記載の抗体と共に、前記抗体が前記組織又は生物学的サンプルにおけるその相補
的ポリペプチドに結合する条件下でインキュベートし;前記組織又は生物学的サ
ンプルにおいて結合される抗体を可視化し;そして正常な対照組織又は生物学的
サンプルに、前記患者からの組織又は生物学的サンプルにおける結合される抗体
のレベルを比較し、ここで前記正常な対照組織又は生物学的サンプルに対する、
前記患者組織又は生物学的サンプルに結合される抗体のレベルの上昇が前記患者
における癌の表示である。
【0028】 本発明はまた、患者における癌を検出するための方法を提供そ、ここで患者か
ら組織又は生物学的サンプルを得;配列番号1の少なくとも14個の連続したヌク
レオチド又は配列番号1の補体を含んで成るポリヌクレオチドをラベリングし;
前記組織又は生物学的サンプルを、前記ポリヌクレオチドが相補的ポリヌクレオ
チド配列に対してハイブリダイズする条件下でインキュベートし;前記組織又は
生物学的サンプルにおける前記ラベルされたポリヌクレオチドを可視化し;そし
て正常な対照組織又は生物学的サンプルに対して、前記患者からの組織又は生物
学的サンプルにおけるラベルされたポリヌクレオチドハイブリダイゼーションの
レベルを比較し、ここで前記正常な対照組織又は生物学的サンプルに比較して、
前記患者組織又は生物学的サンプルに対するラベルにされたポリヌクレオチドの
ハイブリダイゼーションの上昇が前記患者における癌の表示である。
【0029】 本発明のそれらの及び他の観点が、次の特定の記載に基づいて明らかに成るで
あろう。さらに、種々の文献が下記に同定され、そして引用により組み込まれる
【0030】 2.定義: 次の記載においては、多くの用語が広範囲に使用される。次の定義は、本発明
の理解を促進するために提供される。 本明細書において使用される場合、“核酸”又は“核酸分子”とは、ポリヌク
レオチド、例えばデオキシリボ核酸(DNA)又はリボ核酸(RNA)、オリゴヌクレ
オチド、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)により生成されるフラグメント、及び連結
、切断、エンドヌクレアーゼ作用及びエキソヌクレアーゼ作用のいずれかにより
生成されるフラグメントを言及する。核酸分子は、天然に存在するヌクレオチド
(例えばDNA及びRNA)、又は天然に存在するヌクレオチドの類似体(例えば天然
に存在するヌクレオチドのα−鏡像異性体形)、又は両者の組み合わせであるモ
ノマーから構成され得る。
【0031】 修飾されたヌクレオチドは、糖成分において、及び/又はピリミジン又はプリ
ン塩基成分において変更を有することができる。糖修飾は、ハロゲン、アルキル
基、アミン及びアジド基による1又は複数のヒドロキシル基の置換を包含し、又
は糖はエーテル又はエステルとして機能され得る。さらに、全糖成分は、立体的
に及び電子的に類似する構造体、例えばアザ−糖及びカルボン酸糖類似体により
置換さえ得る。塩基成分における修飾の例は、アルキル化されたプリン及びピリ
ミジン、アシル化されたプリン又はピリミジン、又は他の良く知られている複素
環式置換基を包含する。
【0032】 核酸モノマーは、ホスホジエステル結合又はそのような結合の類似体により結
合さえ得る。ホスホジエステル結合の類似体は、ホスホロチオエート、ホスホロ
ジチオエート、ホスホロセレノエート、ホスホロジセレノエート、ホスホロアニ
ロチオエート、ホスホラニリデート、ホスホラミデート、及び同様のものを包含
する。用語“核酸分子”とはまた、いわゆる、ポリアミド主鎖に結合される天然
に存在するか又は修飾された核酸塩基を含んで成る“ペプチド核酸”も包含する
。核酸は一本鎖又は二本鎖のいずれかであり得る。
【0033】 用語“核酸分子の相補体”とは、相補的ヌクレオチド配列、及び対照ヌクレオ
チド配列に比較して逆の配向を有する核酸分子である。例えば、配列5’ ATGCAC
GGG 3’ は、5’ CCCGTGCAT 3’に対して相補的である。 用語“コンチグ(contig) ”とは、他の核酸分子に対する一連の連続した同
一の又は相補的な配列を有する核酸分子を示す。連続した配列とは、核酸分子の
全体において、又はその一部に沿って、一定の長さの核酸分子を“オーバーラッ
プ”すると言われる。
【0034】 用語“縮重ヌクレオチド配列”とは、1又は複数の縮重コドンを含むヌクレオ
チドの配列(ポリペプチドをコードする対照ポリヌクレオチドに比較して)を示
す。縮重コドンは、ヌクレオチドの異なったトリプレットを含むが、しかし同じ
アミノ酸残基をコードする(すなわち、GAU及びGACトリプレットはそれぞれAsp
をコードする)。 用語“構造遺伝子”とは、特定のポリペプチドの特徴のアミノ酸の配列に翻訳
されるメッセンジャーRNA(mRNC)に転写される核酸分子を言及する。
【0035】 “単離された核酸分子”とは、生物のゲノムDNAに組み込まれない核酸分子で
ある。例えば、細胞のゲノムDNAから分離された成長因子をコードするDNA分子が
、単離されたDNA分子である。単離された核酸分子のもう1つの例は、生物のゲ
ノムに組み込まれない、化学的に合成された核酸分子である。特定の種から単離
された核酸分子は、その種からの染色体の完全なDNA分子よりも小さい。 “核酸分子構造体”とは、天然においては存在しない配置で組み合わされ、そ
して並置された核酸のセグメントを含むようヒト介在を通して修飾された−本鎖
又は二本鎖の核酸分子である。
【0036】 “線状DNA”とは、遊離5’及び3’及び末端を有する非環状DNA分子を示す。線
状DNAは、閉環DNA分子、例えばプラスミドから、酵素消化又は物理的な破壊によ
り調製され得る。 “相補的DNA(cDNA)”とは、逆転写酵素によりmRNA鋳型から形成される一本
鎖DNA分子である。典型的には、mRNAの一部に対して相補的なプライマーは、逆
転写の開始のために使用される。当業者はまた、そのような一本鎖DNA分子及び
その相補的DNA鎖から成る二本鎖DNA分子を言及するために用語“cDNA”を用いる
。用語“cDNA”はまた、RNA鋳型から生成されたcDNA分子のクローンも言及する
【0037】 “プロモーター”とは、構造遺伝子の転写を方向づけるヌクレオチド配列であ
る。典型的には、プロモーターは、構造遺伝子の転写開始部位に最も近い、遺伝
子の5’非コードに領域位置する。転写の開始において機能するプロモーター内
の配列要素は、しばしば、コンセンサスヌクレオチド配列により特徴づけられる
。それらのプロモーター要素は、RNAポリメラーゼ結合部位、TATA配列、CAAT配
列、分化−特異的要素(DSE:McGeheeなど., Mol. Endocrinol. 7: 511 (1993)
)、サイクリックのAMP応答要素(CRE)、血清応答要素(SRE:Treisman, Semin
ars in Cancer Biol. 1: 47 (1990))、グルココルチコイド応答要素(GRE)及
び他の転写因子のための結合部位、例えばCRE/ATF(O’Reillyなど., J. Biol.
Chem. 267: 19938 (1992))、
【0038】 AP2 (Yeなど., J. Biol. Chem. 269: 25728 (1994)), SP1, cAMP応答要素結合
タンパク質(CREB;Loeken, Gene Expr. 3: 253 (1993))、及びオクタマー因子
(一般的には、Watsonなど., eds., Molecular Biology of the Gene, 4th ed.
(The Benjamin Kummings Publishing Company, Inc. 1987), and Lemaigre and
Rousseau, Biochem. J. 303: 1 (1994))を包含する。プロモーターが誘発プロ
モーターである場合、転写の速度は誘発剤に応答して上昇する。対照的に、転写
の速度は、プロモーターが構成プロモーターである場合、誘発剤により調節され
ない。抑制できるプロモーターはまた知られている。
【0039】 “コアプロモーター”は、TATAボックス及び転写の開始を包含するプロモータ
ー機能のための必須ヌクレオチド配列を含む。この定義によれば、コアプロモー
ターは、活性を増強し又は組織特異的活性を付与することができる特定の配列の
不在下で検出できる活性を有しても又は有さなくても良い。 “調節要素”は、コアプロモーターの活性を調節するヌクレオチド配列である
。例えば、調節要素は、特定の細胞、組織又はオルガネラにおいて独占的に又は
選択的に転写を可能にする細胞因子と結合するヌクレオチド配列を含むことがで
きる。それらのタイプの調節要素は通常、“細胞−特異的”、“組織−特異的”
、又は“オルガネラ−特異的”態様で発現される遺伝子に結合されている。 “エンハンサー”は、転写の開始部位に対してエンハンサーの距離又は配向に
関係なく、転写の効率を高めることができるタイプの調節要素である。
【0040】 “異種DNA”とは、所定の宿主細胞内に天然において存在しない、DNA分子又は
DNA分子の集団を言及する。特定宿主細胞に対して異種であるDNA分子は、宿主DN
Aが非宿主DNA(すなわち、外来性DNA)と組み合わされる限り、宿主細胞種(す
なわち、内因性DNA)に由来するDNAを含むことができる。例えば、転写プロモー
ターを含んで成る宿主DNAセグメントに操作可能的に連結されるポリペプチドを
コードする非宿主DNAセグメントを含むDNA分子は、異種DNA分子であると思われ
る。逆に言えば、異種DNA分子は、外来プロモーターと操作可能的に連結される
内因性遺伝子を含むことができる。もう1つの例として、野生型細胞に由来する
遺伝子を含んで成るDNA分子は、そのDNA分子が野生型遺伝子を欠いている突然変
異細胞中に導入される場合、異種DNAであると思われる。
【0041】 “ポリペプチド”とは、天然又は合成的に生成されても、ペプチド結合により
連結されるアミノ酸残基のポリマーである。約10個よりも少ないアミノ酸残基の
ポリペプチドは通常、“ペプチド”として言及される。 “タンパク質”は、1又は複数のポリペプチド鎖を含んで成る高分子である。
タンパク質はまた、非ペプチド成分、例えば炭水化物基を含むことができる。炭
水化物及び他の非ペプチド置換基は、タンパク質が生成される細胞により付加さ
れ、そして細胞型により変化するであろう。タンパク質は、それらのアミノ酸主
鎖により本明細書において定義され;置換基、例えば炭水化物基は一般的に、特
定されないが、しかしそれにもかかわらず、存在することができる。
【0042】 非宿主DNA分子によりコードされるペプチド又はポリペプチドは“異種”ペプ
チド又はポリペプチドである。 “組み込まれた遺伝子要素”とは、その要素がヒト操作を通して細胞中に導入
された後、宿主細胞の染色体中に組み込まれているDNAのセグメントである。本
発明においては、組み込まれた遺伝子要素は通常、エレクトロポレーション又は
他の技法により細胞中に導入される線状化されたプラスミドに由来する。組み込
まれた遺伝子要素は、元の宿主細胞からその子孫に通過される。
【0043】 “クローニングベクター”は、宿主細胞において自律的に複製する能力を有す
る、核酸分子、例えばプラスミド、コスミド、又はバクテリオファージである。
クローニングベクターは典型的には、ベクターの必須の生物学的機能を失わない
で、決定できる態様で核酸分子の挿入を可能にする1又は少数の制限エンドヌク
レアーゼ認識部位、及びクローニングベクターにより形質転換された細胞の同定
及び選択への使用のために適切であるマーカー遺伝子をコードするヌクレオチド
配列を含む。マーカー遺伝子は典型的には、テトラサイクリン耐性又はアンピシ
リン耐性を付与する遺伝子を含む。
【0044】 “発現ベクター”は、宿主細胞において発現される遺伝子をコードする核酸分
子である。典型的には、発現ベクターは、転写プロモーター、遺伝子及び転写タ
ーミネーターを含む。遺伝子発現は通常、プロモーターの制御下に配置され、そ
してそのような遺伝子はプロモーターに“操作可能的に結合される”と言われる
。同様に、調節要素及びコアプロモーターは、調節要素がコアプロモーターの活
性を調節する場合、操作可能的に連結される。 “組換え宿主”とは、異種核酸分子、例えばクローニングベクター又は発現ベ
クターを含む細胞である。本明細書においては、組換え宿主の例は、発現ベクタ
ーからZcytor 16を生成する細胞である。対照的に、Zcytor 16は、Zcytor 16の
“天然源”であり、そして発現ベクターを欠いている細胞により生成さえ得る。
【0045】 “インテグレイティブ組換え体”は、異種DNAが細胞ゲノムDNA中に組み込まれ
るようになる組換え宿主細胞である。 “融合タンパク質”は、少なくとも2つの遺伝子のヌクレオチド配列を含んで
成る核酸分子により発現されるハイブリッドタンパク質である。例えば、融合タ
ンパク質は、親和性マトリックスを結合するポリペプチドにより融合されるZcyt
or 16ポリペプチドの少なくとも一部を含むことができる。そのような融合タン
パク質は、親和性クロマトグラフィーを用いて、多量のZcytor 16を単離するた
めの手段を提供する。
【0046】 用語“受容体”とは、“リガンド”と称する生物活性分子に結合する、細胞結
合されたタンパク質を示す。この相互作用は、細胞に対するリガンドの効果を介
在する。受容体は、膜結合されたシトソール又は核;モノマー(例えば、胸腺刺
激性ホルモン受容体、β−アドレナリン作用受容体)又はマルチマー(例えば、
PDGF受容体、成長ホルモン受容体IL−3受容体、GM−CSF受容体、G−CSF受容体
、エリトロポエチン受容体及びIL−6受容体)であり得る。膜結合された受容体
は、細胞外リガンド−結合ドメイン、及び典型的には、シグナルトランスダクシ
ョンに関与する細胞内エフェクタードメインを含んで成る多−ドメイン構造によ
り特徴づけられる。一定の膜結合された受容体においては、細胞外リガンド−結
合ドメイン及び細胞内エフェクタードメインは、完全な機能的受容体を含んで成
る別々のポリペプチドに位置する。
【0047】 一般的に、受容体へのリガンドの結合は、細胞の代謝における変更を導く、細
胞におけるエフェクタードメインと他の分子との間の相互作用を引き起こす受容
体のコンホメーション変化をもたらす。受容体−リガンド相互作用にしばしば連
結される代謝現象は、遺伝子転写、リン酸化、脱リン酸化、サイクリックAMPを
生成の上昇、細胞カルシウムの代謝、膜脂質の代謝、細胞付着、イノシトール脂
質の加水分解及びリン脂質の加水分解を包含する。
【0048】 “可溶性受容体”とは、細胞膜に結合されない受容体ポリペプチドである。可
溶性受容体は、最も通常には、トランスメンブラン及び細胞質ドメイン、及び例
えば、糖ホスホイノシトール(gpi)を通しての細胞膜への他の連鎖を欠いてい
るリガンド−結合受容体ポリペプチドである。可溶性受容体は、追加のアミノ酸
残基、例えばポリペプチドの精製を提供するか、又は基質へのポリペプチドの結
合のための部位を提供する親和性標識、又は免疫グロブリン不変領域配列を含む
ことができる。多くの細胞−表面受容体は、タンパク質加水分解により生成され
るか又は他のスプライシングされたmRNAから翻訳される、天然に存在する可溶性
カウンターパートを有する。
【0049】 適切な受容体は、モノマー、ホモダイマー、ヘテロダイマー又はマルチマーで
あり得、そしてマルチマー受容体は一般的に、9個以上のサブユニットを含まず
、好ましくは6個以上のサブユニットを含まず、そして最も好ましくは、3個以
上のサブユニットを含まない。受容体ポリペプチドは、それらがそれぞれ、膜固
定化又はシグナルトランスダクションを提供するそれらのセグメントの十分な部
分を欠いている場合、トランスメンブラン及び細胞内ポリペプチドセグメントを
実質的に有さないと言われる。
【0050】 クラスI及びクラスIIサイトカイン受容体の可溶性受容体は一般的に、トラン
スメンブランドメイン及び細胞内ドメインを有さない細胞外サイトカイン結合ド
メインを含んで成る。例えば、代表的な可溶性受容体は、配列番号35で示される
ようなCRF2−4(Genbank受託番号第Z17227号)についての可溶性受容体;配列番
号36で示されるようなIL−10R(Genbank受託番号第U00672号及びNM001558号)に
ついての可溶性受容体;及び配列番号34で示されるようなzcytor11(アメリカ特
許第5,965,704号)についての可溶性受容体を包含する。
【0051】 既知のクラスI又はクラスIIサイトカイン配列がトランスメンブランドメイン
及び細胞内ドメインを有さない細胞外サイトカイン結合ドメインを含んで成るこ
とを明確に記載することは、当業者のレベルの範囲内である。さらに、当業者は
、遺伝子コードを用いて、そのような受容体ポリペプチドをコードするポリヌク
レオチドを容易に決定することができる。 用語“分泌シグナル配列”とは、それが合成される細胞の分泌路を通してより
大きなポリペプチドを、より大きなポリペプチドの成分として方向づけるペプチ
ド(“分泌ペプチド”)をコードするDNA配列を示す。前記のより大きなポリペ
プチドは、分泌路を通しての移動の間、分泌ペプチドを除去するために通常分解
される。
【0052】 “単離されたポリペプチド”は、汚染性細胞成分、例えば炭水化物、脂質又は
天然においてポリペプチドに関連している他のタンパク質性不純物を実質的に含
まないポリペプチドである。典型的には、単離されたポリペプチドの調製物は、
高く精製された形で、すなわち少なくとも約80%の純度、少なくとも約90%の純
度、少なくとも約95%の純度、95%以上の純度、又は99%以上の純度でポリペプ
チドを含む。特定のタンパク質調製物が単離されたポリペプチドを含むことを示
すための1つの手段は、タンパク質調製物のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)−ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動及びゲルのクーマシーブルー染色によるシングル
バンドの出現によるものである。しかしながら、用語“単離された”とは、他の
物理形、例えばダイマー又は他のグリコシル化された又は誘導体化された形での
同じポリペプチドの存在を排除しない。
【0053】 用語“アミノ−末端”及び“カルボキシル−末端”とは、ポリペプチド内の位
置を示すために本明細書において使用される。その情況が可能である場合、それ
らの用語は、接近性又は相対的位置を示すためにポリペプチドの特定の配列又は
一部に関して使用される。例えば、ポリペプチド内の対象配列のカルボキシル末
端側に位置する一定の配列は、その対照配列のカルボキシル末端に隣接して位置
するが、しかし完全なポリペプチドのカルボキシル末端では必ずしも必要ではな
い。 用語“発現”とは、遺伝子生成物の生合成を言及する。例えば、構造遺伝子に
おいては、発現はmRNAへの構造遺伝子の転写及び1又は複数のポリペプチドへの
mRNAの翻訳を包含する。
【0054】 用語“スプライス変異体”とは、遺伝子から転写されるRNAの二者択一の形を
示すために、本明細書において使用される。スプライス変異は、転写されたRNA
分子内の、又は通常低いが、別々に転写されたRNA分子間の二者択一のスプライ
シング部位の使用を通して天然において生じ、そして同じ遺伝子から転写される
いくつかのmRNAをもたらすことができる。スプライス変異体は、変更されたアミ
ノ酸配列を有するポリペプチドをコードすることができる。用語スプライス変異
体はまた、遺伝子から転写されるmRNAのスプライス変異体によりコードされるポ
リペプチドを示すために本明細書において使用される。
【0055】 本明細書において使用される場合、用語“イムノモジュレータ−”とは、サイ
トカイン、幹細胞成長因子、リンフォトキシン、同時−刺激分子、造血因子及び
それらの分子の合成類似体を包含する。 用語“相補体/抗−相補体対”とは、適切な条件下で、非共有的に会合される
安定した対を形成する非同一性成分を示す。例えば、ビオチン及びアビジン(又
はストレプタビジン)は、相補体/抗−相補体対の基本型メンバーである。他の
典型的な相補体/抗−相補体対は、受容体/リガンド対、抗体/抗原(又はハプ
テン又はエピトープ)対、センス/アンチセンス ポリヌクレオチド対、及び同
様のものを包含する。相補体/抗−相補体対の続く解離が所望される場合、その
相補体/抗−相補体対は好ましくは、<109-1の結合親和性を有する。
【0056】 “抗−イディオタイプ抗体”とは、免疫グロブリンの可変領域ドメインと結合
する抗体である。本明細書においては、抗−イディオタイプの抗体は、抗−Zcyt
or 16抗体の可変領域と結合し、そして従って、抗−イディオタイプ抗体はZcyto
r 16のエピトープを模倣する。 “抗体フラグメント”は、抗体の一部、例えばF(ab’)2, F(ab)2, Fab’, Aab
及び同様のものである。構造に関係なく、抗体フラグメントは、損なわれていな
い抗体により認識される同じ抗原と結合する。例えば、抗−Zcytor 16モノクロ
ーナル抗体フラグメントは、Zcytor 16のエピトープと結合する。
【0057】 用語“抗体フラグメント”はまた、特定の抗原に結合する、合成の又は遺伝的
に構築されたポリペプチド、例えばL鎖可変領域から成るポリペプチド、H及びL
鎖の可変領域から成る“Fv”フラグメント、L及びH鎖可変領域がペプチドリンガ
ーにより連結されている組換え一本鎖ポリペプチド分子(“svFvタンパク質”)
、及び超可変領域を模倣するアミノ酸残基から成る最少認識単位を包含する。 “キメラ抗体”は、囓歯動物抗体に由来する種々のドメイン及び相補的決定領
域を含む組換えタンパク質であるが、ところが抗体分子の残りはヒト抗体に由来
する。
【0058】 “ヒト型化抗体”は、モノクローナル抗体のネズミ相補的決定領域がネズミ免
疫グロブリンのH及びL可変鎖からヒト可変ドメインに移行されている組換えタン
パク質である。 本明細書において使用される場合、“治療剤”は、治療のために有用である接
合体を生成するために抗体成分に接合される分子又は原子である。治療剤の例は
、薬剤、毒素、イムノモジュレーター、キレート化剤、硼素化合物、光活性剤又
は染料、及び放射生同位体を包含する。 “検出できるラベル”は、診断のために有用な分子を生成するために抗体成分
に接合され得る分子又は原子である。検出できるラベルの例は、キレート化剤、
光活性剤、放射性同位体、蛍光剤、常磁性イオン又は他のマーカー成分を包含す
る。
【0059】 “親和性標識”とは、第2ポリペプチドの精製又は検出を提供し、又は基質へ
の第2ポリペプチドの結合のための部位を供給するために、第2ポリペプチドに
結合され得るポリペプチドセグメントを示すために本明細書において使用される
。主に、抗体又は、他の特異的結合剤が利用できるいずれかのペプチド又はタン
パク質が親和性標識として使用され得る。親和性標識は、ポリ−ヒスチジン系、
すなわちプロテインA (Nilsson など., EMBO J. 4: 1075, 1985; Nilsson など
., Methods Enzymol. 198: 3, 1991), グルタチオンS トランスフェラーゼ
(Smits and Johnson, Gene 67; 31, 1988), Glu-Glu親和性標識 (Grussenmey
erなど., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82: 7952-4, 1985), 物質P、すなわ
ちFlagTM ペプチド(Hoppなど., Biotechnology 6: 1204-1210, 1988)、スト
レプタビジン結合ペプチド、又は他の抗原性エピトープ又は結合ドメインを包含
する。
【0060】 一般的に、Ford など., Protein Expression and Purification 2:95-107,
1991を参照のこと。親和性標識をコードする核酸分子は、商品供給者(例えばP
harmacia Biotech, Piscataway, NJ; Eastman Kodak, New Heven, CT; New Engl
and Biolabs, Beverly, MA)から入手できる。 “裸の抗体”は、抗体フラグメントに対立するものとして、治療剤により接合
されない完全な抗体である。裸の抗体は、ポリクローナル及びモノクローナル抗
体、並びに一定の組換え抗体、例えばキメラ性及びヒト型化抗体を包含する。
【0061】 本明細書において使用される場合、用語“抗体成分”は、完全な抗体及び抗体
フラグメントの両者を包含する。 “免疫接合体”は、治療剤又は検出できるラベルと抗体成分との接合体である
。 本発明において使用される場合、用語“抗体融合タンパク質”とは、抗体成分
及びZcytor 16ポリペプチド成分を含んで成る組換え分子を言及する。抗体融合
タンパク質の例は、Zcytor 16細胞ドメイン、及びFcドメイン又は抗原−結合領
域のいずれかを含んで成るタンパク質を包含する。
【0062】 “標的ポリペプチド”又は“標的ペプチド”は、少なくとも1つのエピトープ
を含み、そして標的細胞、例えば腫瘍細胞、又は感染剤抗原を担持する細胞上で
発現されるアミノ酸配列である。T細胞は、標的ポリペプチド又は標的ペプチド
に、主要組織適合性複合体分子により提供されるペプチドエピトープを認識し、
そして典型的には、標的細胞を溶解し、又は標的細胞の例に他の免疫細胞を補充
し、それにより標的細胞を殺害する。
【0063】 “抗原性ペプチド”は、T細胞により認識されるMHC−ペプチド複合体を形成す
るために、主要組織適合複合体分子を結合し、それにより、T細胞への提供に基
づいて細胞毒性リンパ球応答を誘発するペプチドである。従って、抗原性ペプチ
ドは、適切な主要組織適合性複合体分子に結合し、そして細胞毒性T細胞応答、
例えば抗原を結合するか又は発現する標的細胞に対する細胞溶解又は特異的サイ
トカイン開放を誘発することができる。抗原性ペプチドは、抗原提供細胞又は標
的細胞上に、クラスI又はクラスII主要組織適合性複合体分子に関して結合され
得る。
【0064】 真核生物においては、RNAポリメラーゼIIは、mRNAを生成するために構造遺伝
子の転写を触媒する。核酸分子はRNAポリメラーゼII鋳型を含むより企画され、
ここでRNA転写体は特定のmRNAの配列に対して相補的である配列を有する。RNA転
写体は、“アンチセンスRNA”と呼ばれ、そしてアンチセンスRNAをコードする核
酸分子は“アンチセンス遺伝子”と呼ばれる。アンチセンスRNA分子は、mRNA分
子に結合することができ、mRNA翻訳の阻害をもたらす。
【0065】 “Zcytor 16に対して特異的なアンチセンスオリゴヌクレオチド”又は“Zcyto
r 16アンチセンスオリゴヌクレオチド”は、(a)Zcytor 16遺伝子の一部と共
に安定した三量体を形成できるか、又は(b)Zcytor 16遺伝子のmRNA転写体の
一部と共に安定した二量体を形成できる配列を有するオリゴヌクレオチドである
。 “リボザイム”は、触媒中心を含む核酸分子である。この用語は、RNA酵素、
自己スプライシングRNA、自己分解性RNA及びそれらの触媒機能を行う核酸分子を
包含する。
【0066】 “外部案内配列”は、細胞内mRNAの特定種に内因性リボザイム、すなわちRNア
ーゼPを方向づけ、RNアーゼPによるmRNAの分解をもたらす核酸分子である。外部
案内配列をコードする核酸分子は、“外部案内配列遺伝子”と呼ばれる。 用語“変異体Zcytor 16遺伝子”は、配列番号2の修飾であるアミノ酸配列を
有するポリペプチドをコードする核酸分子を言及する。そのような変異体は、天
然に存在する多型現象のZcytor 16遺伝子、及び配列番号2のアミノ酸配列の保
存性アミノ酸置換を含む合成遺伝子を包含する。Zcytor 16遺伝子の追加の変異
体形は、本明細書に記載されるヌクレオチド配列の挿入又は欠失を含む核酸分子
である。変異体Zcytor 16遺伝子は、その遺伝子が配列番号1のヌクレオチド配
列を有する核酸分子、又はその補体と、緊縮条件下でハイブリダイズするかどう
かを決定することによって同定され得る。
【0067】 他方では、変異体Zcytor 16遺伝子は、配列−比較により同定さえ得る。2つ
のアミノ酸配列は、その2つのアミノ酸配列のアミノ酸残基が、最大の応答によ
り整列される場合、同じである場合、“100%のアミノ酸配列同一性”を有する
。配列比較は、標準のソフトウェアプログラム、例えばDNASTAR(Madison, Wisc
onsin)により製造されるLASERGENE生物情報コンピューターサイトに包含される
それらのプログラムを用いて行われ得る。
【0068】 最適な整列を決定することによって、2つのヌクレオチド又はアミノ酸配列を
比較するための他の方法は、当業者に良く知られている(例えば、Peruski and
Peruski, The Internet and the New Biology: Tools for Genomic and Molecul
ar Research (ASM Press, Inc. 1997), Wu など. (eds.), “Information Super
highway and Computer Databases of Nucleic Acids and Proteins.” In Metho
ds in Gene Biotechnology, Pages 123-151 (CRC Press. Inc. 1997), 及びBish
op (ed.), Guide to Human Genome Computing, 2nd Edition (Academic Press,
Inc. 1998) を参照のこと)。配列同一性を決定するための特定の方法は下記に
記載される。
【0069】 変異体Zcytor 16遺伝子又は変異体Zcytor 16ポリペプチドを同定するために使
用される特定の方法にもかかわらず、変異体遺伝子又はそれによりコードされる
ポリペプチドは、その抗−ウィルス又は抗−増殖活性により、又は抗−Zcytor 1
6抗体に対して特異的に結合する能力により機能的に特徴づけられる。変異体Zcy
tor 16遺伝子又は変異体Zcytor 16ポリペプチドはまた、本明細書に記載される
生物学的又は生化学的アッセイを用いて、そのリガンド、IL−TIFに結合する能
力を機能的に特徴づけられ得る。
【0070】 用語“対立遺伝子変異体”とは、同じ染色体遺伝子座を占める遺伝子の複数の
遺伝子の二者択一形のいずれかを示すために、本明細書において使用される。対
立遺伝子変異は、突然変異を通して天然では生じ、そして集団内の表現型多型現
象をもたらすことができる。遺伝子突然変異は、サイレントであり(コードされ
たポリペプチドにおける変化がない)、又は変更されたアミノ酸配列を有するポ
リペプチドをコードすることができる。用語、対立遺伝子変異体はまた、遺伝子
の対立遺伝子変異体によりコードされるタンパク質を示すために本明細書におい
て使用される。
【0071】 用語“オルト体(orthology)”とは、異なった種からのポリペプチド又はタ
ンパク質の機能的相対物である、1つの種から得られるポリペプチド又はタンパ
ク質を示す。オルト体間の配列の差異は、特定化の結果である。 “パラ体(paralogs)”とは、生物によって製造される、異なっているが,し
かし構造的に関連するタンパク質である。パラ体は、遺伝子重複を通して生じる
と思われる。例えば、α−グロビン、β−グロビン及びミオグロビンは、お互い
パラ体である。
【0072】 本発明は、Zcytor 16遺伝子の機能的フラグメントを包含する。本発明におい
ては、Zcytor 16遺伝子の“機能的フラグメント”は、本明細書に記載されるド
メインであるか、又は抗−Zcytor 16抗体と少なくとも特異的に結合する、Zcyto
r 16ポリペプチドの一部をコードする核酸分子を言及する。 標準分析法の不正確さのために、ポリマーの分子量及び長さは、おおよその値
であることが理解される。そのような値が“約”X又は“およそ”Xとして表され
る場合、Xの言及された値は、±10%で正確であると理解されるであろう。
【0073】 3.Zcytor 16ポリヌクレオチド又は遺伝子の生成: ヒトZcytor 16遺伝子をコードする核酸分子は、配列番号1に基づいてのポリ
ヌクレオチドプローブを用いて、ヒトcDNA又はゲノムライブラリーをスクリーニ
ングすることによって得られる。それらの技法は、標準であり、そして十分に確
立されている。
【0074】 例示されるように、ヒトZcytor 16遺伝子をコードする核酸分子は、ヒトcDNA
ライブラリーから単離され得る。この場合、第1段階は、当業者に良く知られて
いる方法を用いて、組織、例えば扁桃組織からRNAを単離することによって、cDN
Aライブラリーを調製することである。一般的に、RNA単離技法は、細胞を分解す
るための方法、RNAのRNアーゼ指図された分解を阻害するための手段、及びDNA、
タンパク質及び多糖類汚染物からRNAを分離する方法を提供すべきである。
【0075】 例えば、全RNAは、液体窒素において組織を凍結し、その凍結された組織を乳
針及び乳棒により粉砕し、細胞を溶解し、フェノール/クロロホルムの溶液によ
り前記粉砕された組織を抽出し、タンパク質を除き、そして塩化リチウムによる
選択的沈殿によりRNAを残る不純物から分離することによって単離され得る(例
えば、Ausubel など., (eds.), Short Protocols in Molecular Biology, 3rd E
dition pages4-1〜4-6 (John Wiley& Sons 1995 )[“Ausubel (1995)”]; Wuな
ど., Methods in Gene Biotechnology, pages33-41 (CRC Press, Inc. 1997 ) [
“Wu(1997)”]を参照のこと)。
【0076】 他方では、全RNAは、粉砕された組織をグアニジニウムイソチオシアネートに
より抽出し、有機溶媒により抽出し、そしてRNAを汚染物から示差遠心分離によ
り分離することによって単離され得る(例えば、Chirgwinなど., Biochemistry
18: 52 (1979); Ausubel (1995) P.4-1〜4-6; Wu (1997) P.33-41 を参照のこと
)。 cDNAライブラリーを構成するために、ポリ(A)+RNAが全RNA調製物から単離され
るべきである。ポリ(A)+RNAは、オリゴ(dT)−セルロースクロマトグラフィー
の標準技法を用いて、全RNAから単離され得る(例えば、Aviv and Leder, Proc.
Natl. Acad.Sci. USA69: 1408 (1972); Ausubel (1995) P. 4-11〜4-12を参照
のこと)。
【0077】 二本鎖cDNA分子は、当業者に良く知られている技法を用いて、ポリ(A)+RNAか
ら合成される(例えば、Wu (1997) P.41-46を参照のこと)。さらに、市販のキ
ットが、二本鎖cDNA分子を合成するために使用され得る。例えば、そのようなキ
ットは、Life Technologies, Inc. (Gaithersburg, MD), CLONTECH Laboratorie
s, Inc. (Palo Alto, CA), Promega Corporation (Madison, WI) 及びSTRATAGEN
E (La Jolla, CA) から入手できる。
【0078】 種々のクローニングベクターが、cDNAライブラリーの構成のために適切である
。例えば、cDNAライブラリーは、バクテリオファージに由来するベクター、例え
ばλgt10バクターにおいて調製され得る。例えば、Huynhなど., “Construction
and Screening cDNA Libraries in λgt10 and λ11” in DNA Cloning: A Pra
ctica Approach Vol. I, Glovar (ed.), page 49 (IRL Press, 1985); Wu (1997
) at pages 47-52 を参照のこと。
【0079】 他方では、二本鎖cDNA分子は、プラスミドベクター、例えばPBLUESCRIPTベク
ター(STRATAGENE;La Jolla, CA), LAMDAGEM-4 (Promega Corp.) 又は他の市
販のベクター中に挿入され得る。適切なクローニングベクターはまた、American
Type Culture Collection (Manassas. VA) から入手できる。 クローン化されたcDNA分子を増幅するために、cDNAライブラリーが、標準技法
を用いて、原核宿主中に挿入される。例えば、cDNAライブラリーは、例えばLife
Technologies, Inc. (Gaithersburg, MD) から得られるコンピテントE.コリDH5
又はDH10B細胞中に導入され得る。
【0080】 ヒトゲノムライブラリーは、当業界において良く知られている手段により調製
され得る(例えばAusubel (1995) p. 5-1〜5-6; Wu (1997) p. 307-327を参照の
こと)。ゲノムDNAは、界面活性剤Sarkosylにより組織を溶解し、その溶解物を
プロテイナーゼKにより消化し、不溶性残骸を溶解物から遠心分離により清浄し
、イソプロパノールを用いて溶解物から核酸を沈殿し、そして塩化セシウム密度
グラジエント上で再懸濁されたDNAを精製することによって単離され得る。
【0081】 ゲノムライブラリーの生成のために適切であるDNAフラグメントは、ゲノムDNA
のランダム剪断により、又は制限エンドヌクレアーゼによるゲノムDNAの部分消
化により得られる。ゲノムDNAフラグメントは、従来の技法、例えば適切な末端
を供給するために制限酵素消化の使用、DNA分子の所望しない連結を回避するた
めにアルカリホスファターゼ処理の使用、及び適切がリガーゼによる連結に従っ
て、ベクター、例えばバクテリオファージ又はコスミドベクター中に挿入され得
る。そのような操作のための技法は当業界において良く知られている(例えば、
Ausubel (1995) p. 5-1〜5−6; Wu (1997) p. 307-327 を参照のこと)。
【0082】 他方では、ゲノムライブラリーは、市販源、例えばResearch Genetic (Huntsv
ille, AL) 及びATCC (Marassas, VA) から得られる。 cDNA又はゲノムクローンを含むライブラリーは、標準方法を用いて、配列番号
1に基づかれる1又は複数のポリヌクレオチドプローブによりスクリーンされ得
る(例えば、Ausubel (1995) p. 6-1〜6-11を参照のこと)。
【0083】 Zcytor 16遺伝子をコードする核酸分子はまた、本明細書に記載されるように
、Zcytor 16遺伝子のヌクレオチド配列に基づくヌクレオチド配列を有するオリ
ゴヌクレオチドプライマーによるポリメラーゼ鎖反応(PCR)を用いて得られる
。PCRによるライブラリーのスクリーニングの一般的方法は、例えば、Yuなど.,
“Use of The Polymerase Chain Reaction to Screen Phage Libraries”. In M
ethods in Molecular Biology, Vol. 15: PCR Protocols: Current Methods and
Application, White (ed.), p.211-215 (Humana Press, Inc. 1993)により提供
される。
【0084】 さらに、関連する遺伝子を単離するためへのPCRの使用の技法は、例えばPrest
on, “Use of Degenerate Oligonucleotide Primers and the Polymerase Chain
Reaction to Clone Gene Family Members,” in Methods in Molecular Biolog
y, Vol. 15: PCR Protocols; Current Metods and Applications. White (ed.),
pages 317-337 (Humana Press, Inc. 1993) により記載される。
【0085】 下記のようにして生成された抗−Zcytor 16抗体はまた、cDNAライブラリーか
らのZcytor 16遺伝子をコードするDNA配列を単離するためにも使用され得る。例
えば、抗体はλgt11発現ライブラリーをスクリーンするために使用され、又は抗
体はハイブリッド選択及び翻訳に続くイムノスクリーニングのために使用され得
る(例えば、Ausubel(1995)p.6-12〜6-16; Margolis など., “Screening λ
expression libraries with untibody and Protein Probes” in DNA Cloning 2
: Expression Systems, 2nd Edition, Glover など (eds.) p. 1-14 (Oxford Un
iversity Press 1995) を参照のこと)。
【0086】 他に、Zcytor 16遺伝子は、お互いプライムする長いオリゴヌクレオチド、及
び本明細書に記載されるヌクレオチド配列を用いて、核酸分子を合成することに
よって得られる(例えば、Ausubel (1995) p.8-8〜8-9を参照のこと)。ポリメ
ラーゼ鎖反応を用いての確立された技法は、少なくとも2kbの長さのDNA分子を
合成する能力を提供する(Adang など., Plant Molec. Biol. 21: 1131 (1993).
Bambot など., PCR Methods and Applications 2:266 (1993), Dilfon など.,
“Use of the Polymerase Chain Reaction for the Rapid Constrauction of Sy
nthetic Genes,” in Methods in Molecular Biology, Vol. 15: PCR Protocols
: Current Methods and Applications. White (ed.), Pages 263-268. (Humana
Press. Inc. 1993), 及びHolowachukなど., PCR Methods Appl. 4: 299 (1995)
【0087】 本発明の核酸分子はまた、ホスホラミジット方法のようなプロトコールを用い
て、“遺伝子機会”により合成され得る。化学的に合成される二本鎖DNAが遺伝
子又は遺伝子フラグメントの合成のような用途のために必要とされる場合、個々
の相補的鎖は別々に製造される。短い遺伝子(60〜80の塩基対)の生成は技術的
に簡単であり、そして相補的鎖を合成し、そして次にそれらをアニーリングする
ことによって達成され得る。しかしながら、長い遺伝子(300以上の塩基対)の
生成に関しては、化学的DNA合成の間、個々のサイクルのカップリング効率はめ
ったに100%ではないので、特殊な手段が必要とされる。
【0088】 この問題を克服するために、合成遺伝子(二本鎖)が、20〜100個の長さのヌ
クレオチドである一本鎖フラグメントからモジュラー形でアセンブルされる。ポ
リヌクレオチド合成の再考のためには、例えば、Glick and Pasternak, Molecul
ar Biotechnology, Principles and Applications of Recombinant DNA (ASM Pr
ess 1994), Itakura など., Annu. Rev. Biochem. 53: 323 (1984), などClimie
など., Proc. Nat’l Acad. Sci. USA 87: 633 (1990) を参照のこと。
【0089】 Zcytor 16cDNA又はZcytor 16ゲノムフラグメントの配列は、標準の方法を用い
て決定され得る。本明細書に開示されるZcytor 16ポリヌクレオチド配列はまた
、Zcytor 16遺伝子の5’側の非−コード領域をクローン化するためのプローブ又
はプライマーとして使用され得る。Zcytor 16遺伝からのプロモーター要素は、
例えばトランスジェニック動物の扁桃組織又は、又は遺伝子治療を受けている患
者において異種遺伝子の発現を方向づけるために使用され得る。Zcytor 16プロ
モーター又は調節要素を含むゲノムフラグメントの同定は、十分に確立された技
法、例えば欠失分析を用いて達成され得る(一般的には、Ausubel (1995) を参
照のこと)。
【0090】 5’側フランギング配列のクローニングはまた、アメリカ特許第5,641,670号に
開示される方法に従って、“遺伝子活性化”によるZcytor 16タンパク質の生成
を促進する。手短くに言及すれば、細胞における内因性Zcytor 16遺伝子の発現
は、少なくとも標的配列、調節配列、エキソン、及び対になっていないスプライ
スドナー部位を含んで成るDNA構造体を、Zcytor 16遺伝子座中に導入することに
よって変更される。
【0091】 標的配列は、内因性Zcytor 16遺伝子座を有する構造体の相同組換えを可能に
するZcytor 16 5’側非コード配列であり、それにより、前記構造体内の配列は
内因性Zcytor 16コード配列により操作可能的に連結されるようになる。この場
合、内因性Zcytor 16プロモーターが、他の調節は列により置換されるか又はそ
れにより補充され、増強された組織特異的、又は他方では、調節された発現が提
供される。
【0092】 4.Zcytor 16遺伝子変異体の生成: 本発明は、本明細書に開示されるZcytor 16ポリペプチドをコードする種々の
核酸分子、例えばDNA及びRNA分子を提供する。当業者は、遺伝子コードの縮重の
観点から、相当の配列変動がそれらのポリヌクレオチド分子間で可能であること
を容易に認識するであろう。配列番号3は、それぞれ配列番号2のZcytor 16ポ
リペプチドをコードするすべての核酸分子を包含する縮重ヌクレオチド配列であ
る。
【0093】 当業者は、配列番号3の縮重配列がまた、Tに代わってUを置換することによっ
て、それぞれ配列番号2をコードするすべてのRNA配列を提供することを認識す
るであろう。さらに、本発明はまた、配列番号3の受容体ポリペプチドに対して
実質的に相同である少なくとも1つのZcytor 16受容体サブユニット含んで成る
単離された可溶性モノマー、ホモダイマー、ヘテロダイマー及びマルチマー受容
体ポリペプチドを提供する。従って、本発明は、配列番号1のヌクレオチド1−
693、及びそれらのRNA同等物を含んで成るZcytor 16ポリペプチド−コード核酸
分子を企画する。
【0094】 第1表は、縮重ヌクレオチド位置を示すために、配列番号3内に使用される1
文字コードを示す。“解”は、コード文字により示されるヌクレオチドである。
“相補体”とは、相補的ヌクレオチドのためのコードを示す。例えば、コードY
はC又はTのいずれかを示し、そしてその相補体RはA又はGを示し、AはTに対して
相補的であり、そしてGはCに対して相補的である。
【表1】
【0095】 所定のアミノ酸についてのすべての可能なコドンを包含する、配列番号3に使
用される縮重コドンが第2表に示される。
【0096】
【表2】
【0097】 当業者は、いくらかのあいまいさが、個々のアミノ酸をコードするすべての可
能なコドンの代表である縮重コドンの決定において導入されることを理解するで
あろう。例えば、セリン(WSN)のための縮重コドンは、ある環境下で、アルギ
ニン(AGR)をコードすることができ、そしてアルギニン(MGN)のための縮重コ
ドンは、ある環境下で、セリン(AGY)をコードすることができる。類似する関
係が、フェニルアラニン及びロイシンをコードするコドン間に存在する。従って
、縮重配列により包含されるいくつかのポリヌクレオチドは、変異体アミノ酸配
列をコードすることができるが、しかし当業者は、配列番号2のアミノ酸配列へ
の参照によりそのような変異体配列を容易に同定することができる。変異体配列
は、本明細書に記載のようにして官能性について容易に試験され得る。
【0098】 異なった種は“選択的コドン使用法”を示すことができる。一般的には、Gran
tham,など., Nuc. Acids Res. 8: 1893−912, 1980; Haas, など., Curr. Biol.
6: 315−24, 1996; Wain−Hobson、など.,Gene 13:355−64,1981;Grosje
an and Fiera,Gene 18:199−209、1982;Holm,Nuc.Acids Res.14:3075
−87、1986;Ikemura,J.Mol.Biol.158:573−97,1982、Sharyp and Matas
si, Curr. Opin. Genet. Dev. 4: 851 (1994), Kane, Curr. Opin. Biotechnol.
6: 494(1995), 及びMakrides, Microbiol. Rev. 60: 512(1996) を参照のこと
【0099】 本明細書において使用される場合、用語、“選択的コドン使用法”又は“選択
的コドン”とは、一定の種の細胞に最も頻繁に使用され、従って個々のアミノ酸
をコードする可能なコドンの1又は少数の代表を好むタンパク質翻訳コドンを言
及する技術的用語である(表2を参照のこと)。例えば、アミノ酸トレオニン(Th
r)は、ACA、ACC、ACG、又はACTによりコードされるが、しかし哺乳類細胞にお
いては、ACCが最も通常に使用されるコドンであり;他の種においては、例えば
昆虫細胞、酵母、ウィルス又は細菌においては、異なったThrコドンが好ましい
。特定の種のための選択的コドンは、当業界において知られている種々の方法に
より、本発明のポリヌクレオチド中に導入され得る。
【0100】 例えば、組換えDNA中への選択的コドン配列の導入は、特定の細胞型又は種内
でタンパク質の翻訳により効果的にすることによって、そのタンパク質の生成を
増強する。従って、配列番号3に開示される縮重コドン配列は、当業界において
通常使用され、そして本明細書において開示される種々の細胞型及び種において
ポリペプチドの発現を最適化するための鋳型として作用する。選択コドンを含む
配列は、種々の種における発現について試験され、そして本明細書に開示される
官能性について試験され得る。
【0101】 本発明はさらに、他の種(オルト体)からの相対物を表すポリペプチド及び核
酸分子を供給する。それらの種は、哺乳類、鳥類、両性類、ハ虫類、魚類、昆虫
及び他の脊椎及び無脊椎動物種を包含するが、但しそれらだけには限定されない
。特に興味あるものは、他の哺乳類種、例えばネズミ、ブタ、羊、ウシ、犬、ネ
コ、馬及び他の霊長類リガンドからのZcytor 16ポリペプチドである。ヒトZcyto
r 16ポリペプチドのオルト体は、従来のクローニング技法と組合して、本発明に
より供給される情報及び組成物を用いてクローン化され得る。例えば、cDNAは
、Zcytor 16を発現する組織又は細胞型から得られるmRNAを用いてクローン化さ
れ得る。mRNAの適切な源は、本明細書に開示される配列から企画されたプローブ
によりノザンブロットをプローブすることによって同定され得る。次に、ライブ
ラリーが陽性の組織又は細胞系のmRNAから調製される。
【0102】 Zcytor 16コードのcDNAが種々の方法、例えば完全な又は部分的なZcytor16c
DNAにより、又は前記開示される配列に基づく1又は複数の変性プローブにより
、プローブすることによって単離され得る。cDNAはまた、本明細書に開示され
る代表的なZcytor 16配列から企画されたプライマーを用いて、ポリメラーゼ鎖
反応を用いてもクローン化され得る。さらに、cDNAライブラリーが、宿主細胞を
形質転換し、又はトランスフェクトするために使用され、そして興味あるcDNAの
発現がZcytor 16ポリペプチドに対する抗体により検出され得る。
【0103】 当業者は、配列番号1に開示される配列がヒトZcytor 16の単一の対立遺伝子
を表し、そして対立遺伝子変動及び交互のスプライシングが生じることが予測さ
れることを認識するであろう。本明細書に開示されるヌクレオチド配列の対立遺
伝子変異体は、標準の方法に従って、異なった個人からのcDNA又はゲノムライブ
ラリーをプローブすることによってクローン化され得る。本明細書に開示される
ヌクレオチド配列の対立遺伝子変異体、例えばサイレント突然変異を含むそれら
の変異体及び突然変異がアミノ酸配列変更をもたらすそれらの変異体は、本明細
書に開示されるアミノ酸配列の対立遺伝子変異体であるタンパク質のように、本
発明の範囲内である。
【0104】 Zcytor 16ポリペプチドの性質を保持する、もう1つのスプライスされたmRNA
から生成されるcDNAは、そのようなcDNA及びmRNAによりコードされるポリペプチ
ドと同じように、本発明の範囲内に包含される。それらの配列の対立遺伝子変異
体及びスプライス変異体は、当業界において知られている標準の方法に従って、
異なった個人又は組織からのcDNA又はゲノムライブラリーをプローブすることに
よってクローン化され得る。
【0105】 上記で論じられた方法を用いて、当業者は、配列番号1, 2又は13に対して実質
的に相同である可溶性受容体サブユニット、配列番号2のアミノ酸22−210、又
はそれらの対立遺伝子変異体を含んで成り、そして野生型zcytor16受容体のリガ
ンド−結合性質を保持する種々のポリペプチドを調製することができる。そのよ
うな性質はまた、一般的に本明細書に開示されるような追加のポリペプチドセグ
メントを包含することができる。
【0106】 本発明のある態様においては、単離された核酸分子は、本明細書に開示される
ヌクレオチド配列を含んで成る核酸分子に対して、緊縮条件下でハイブリダイズ
するであろう。例えば、そのような核酸分子は、緊縮条件下で、配列番号1のヌ
クレオチド配列を含んで成る核酸分子、配列番号1のヌクレオチド64−693のヌ
クレオチド配列から成る核酸分子、又は配列番号1に対して相補的なヌクレオチ
ド配列又は配列番号1のヌクレオチド64−693を含んで成る核酸分子にハイブリ
ダイズすることができる。一般的に、緊縮条件は、定義されたイオン強度及びpH
で、特定の配列のための熱溶融点(Tm)よりも約5℃低くあるよう選択される。
Tmは、標的配列の50%が好ましく適合されたプローブに対してハイブリダイズす
る温度(定義されたイオン強度及びpH下で)である。
【0107】 1対の核酸分子、例えばDNA-DNA, RNA-RNA及びDNA-RNAは、ヌクレオチド配列
がいくらかの程度の相補性を有する場合、ハイブリダイズすることができる。ハ
イブリッド二重ヘリックスにおけるミスマッチ塩基対を許容できるが、しかしハ
イブリッドの安定性はミスマッチの程度により影響される。ミスマッチハイブリ
ッドのTmは、1〜1.5%の塩基対ミスマッチごとに1℃低下する。ハイブリダイ
ゼーション条件の緊縮性の変更は、ハイブリッドに存在するであろうミスマッチ
の程度に対する制御を可能にする。緊縮性の程度は、ハイブリダイゼーション温
度が上昇し、そしてハイブリダイゼーション緩衝液のイオン強度が低下するにつ
れて、上昇する。
【0108】 緊縮ハイブリダイゼーション条件は、ハイブリッドの熱溶融点(Tm)よりも約
5〜25℃低い温度、及び1MまでのNa+を有するハイブリダイゼーション緩衝液を
包含する。より低い温度でのより高い温度の緊縮性は、緩衝溶液における個々の
1%ホルムアミドについて約1℃、ハイブリッドのTmを低めるホルムアミドの添
加により達成され得る。一般的に、そのような緊縮条件は、20〜70℃の温度、及
び6×SSC及び0〜50%のホルムアミドを含むハイブリッド緩衝液を包含する。
高い程度の緊縮性は、40〜70℃の温度で及び4×SSC及び0〜50%のホルムアミ
ドを有するハイブリダイゼーション緩衝液により達成され得る。
【0109】 高い緊縮条件は典型的には、42〜70℃の温度、及び1×SSC及び0〜50%のホ
ルムアミドを有するハイブリダイゼーション緩衝液を包含する。異なった程度の
緊縮液が、標的配列への最大の特異的結合を達成するために、ハイブリダイゼー
ション、及び洗浄の間、使用され得る。典型的には、ハイブリダイゼーションに
続く洗浄は、ハイブリダイズされた複合体からハイブリダイズされていないポリ
ヌクレオチドプローブを除去するために、上昇する程度の緊縮性で行われる。
【0110】 上記条件は、ガイドとして作用することを意味し、そしてそれは特定のポリペ
プチドハイブリッドとの使用のためのそれらの条件を適合するために、十分に当
業者の能力の範囲内である。特定の標的配列についてのTmは、標的配列の50%が
完全に適合されたプローブ配列にハイブリダイズするであろう温度(定義された
条件下での)である。Tmに影響を及ぼすそれらの条件は、ポリヌクレオチドプロ
ーブのサイズ及び塩基対含有率、ハイブリダイゼーション溶液のイオン温度、及
びハイブリダイゼーション溶液における不安定化剤の存在を包含する。
【0111】 Tmを計算するための多くの等式は当業界において知られており、そして種々の
長さのDNA、RNA及びDNA−RNAハイブリッド及びポリヌクレオチドプローブ配列に
対して特異的である(例えば、Sambrook など., Molecular Cloning: A Laborat
ory Manual, Second Edition (Cold Spring Harbor Press 1988); Ausubel な
ど., (eds.), Current Protocols in Molecular Biology (John Wiley and Sons
, Inc. 1987); Berger and Kimmel (eds.), Guide to Molecular Cloning Techn
iques, (Academic Press, Inc. 1987); 及びWetmur, Crit. Rev. Biochem. Mol.
Biol. 26:227 (1990)を参照のこと)。
【0112】 配列分析ソフトウェア、例えばOLIGO6.0(LSR; Long Lake, MN)及びPrimer P
remier 4.0 (Premier Biosoft International; Palo Alto, CA), 並びにインタ
ーネット上のサイトが所定の配列を分析し、そして使用者の定義された基準に基
づいてTmを計算するための手段を入手できる。そのようなプログラムはまた、定
義された条件下で所定の配置を分析し、そして適切なプローブ配列を同定するこ
とができる。典型的には、50以上の塩基対の長いポリヌクレオチド配列のハイブ
リダイゼーションは、計算されたTmよりも約20〜25℃低い温度で行われる。50以
下の塩基対の小さなプローブに関しては、ハイブリダイゼーションは典型的には
、Tm又はそれよりも5〜10℃以下で行われる。これは、DNA−DNA及びDNA−RNAハ
イブリッドに関して、最大速度のハイブリダイゼーションを可能にする。
【0113】 ヌクレオチド配列の長さは、ハイブリッド形成の速度及び安定性に影響を及ぼ
す。小さなプローブ配列、すなわち50個以下の塩基対は、相補的配列との平衡化
にすばやく達するが、しかし安定したハイブリッドは形成されない。インキュベ
ーション時間(およそ分〜時)が、ハイブリッド形成を達成するために使用され
得る。より長いプローブ配列はよりゆっくりと平衡化するが、しかし低い温度で
さえ、より安定した複合体を形成する。インキュベーションは、一晩又はそれ以
上の間、進行せしめられる。一般的に、インキュベーションは、計算されたコッ
ト時間の3倍に等しい期間、行われ得る。コット時間、すなわちポリヌクレオチ
ド配列が再会合するのにかかる時間は、当業界において知られている方法により
、特定の配列について計算され得る。
【0114】 ポリヌクレオチド配列の塩基対組成が、ハイブリッド複合体の熱安定性をもた
らし、それにより、ハイブリダイゼーション温度の選択及びハイブリダイゼーシ
ョン緩衝液のイオン強度に影響を及ぼす。A−T対は、塩化ナトリウムを含む水溶
液においてG−C対よりも低い安定性である。従って、G−C含有率が高いほど、ハ
イブリッドはより安定する。配列内のG及びC残基の平等な分布がまた、ハイブリ
ッド安定性に正に寄与する。さらに、塩基対組成は、所定の配列のTmを変えるた
めに操作され得る。例えば5−メチルデオキシシヂンは、デオキシシスチジンよ
り置換され得、そして5−ブロモデオキシウリジンは、デオキシシチジンにより
置換され得、そして5−ブロモデオキシウリジンはTmを高めるためにチミジンに
より置換され、そして7−デアズ−2’−デオキシグアノシンは、Tmに対する依
存性を低めるためにグアノシンにより置換され得る。
【0115】 ハイブリダイゼーション緩衝液のイオン濃度はまた、ハイブッリドの安定性に
影響お及ぼす。ハイブリダイゼーション緩衝液は一般的にブロッキング剤、例え
ばDenhardt溶液(Sigma Chemical Co., St. Louis, Mo.)、変性されたサケ精子
DNA、粉乳(BLOTTO)、ヘパリン又はSDS、及びNa+源、例えばSSC(1×SSC:0.1
5:NのNaCl、15mMのクエン酸ナトリウム)又はSSPE(1×SSPE:1.8MのNaCl、10
mMのNaH2PO4、1mMのEDTA、pH7.7)を含む。
【0116】 典型的には、ハイブリダイゼーション緩衝液は、10mM〜1MのNa+を含む。不安
定剤又は変性剤、例えば、ホルムアミド、テトラアルキルアンモニウム塩、グア
ニジウムカチオン又はチオシアネートカチオンのハイブリダイゼーション溶液へ
の添加が、ハイブリッドのTmを変更するであろう。典型的には、ホルムアミドが
、より便利で且つ低い温度でのインキュベーションの実施を可能にするために、
50%までの濃度で使用される。ホルムアミドはまた、RNAプローブを用いる場合
、非特異的バッググラウンドを低めるためにも作用する。
【0117】 例示のように、変異体Zcytor 16ポリペプチドをコードする核酸分子が、配列
番号1のヌクレオチド配列(又はその補体)を有する核酸分子により、50%ホ
ルムアミド、5×SSC、50mMのリン酸ナトリウム(pH7.6)、5×Denhardt’s 溶
液(100×Denhardt’s 溶液:2%(w/v)のFicoll 400, 2% (w/v)のポリビニル
ピロリドン及び2%(w/v)のウシ血清アルブミン)、10%の硫酸デキストラ
ン及び20μg/mlの変性され、剪断されたサケ精子DNAを含んで成る溶液におい
て、42℃で一晩ハイブリダイズされ得る。
【0118】 当業者は、それらのハイブリダイゼーション条件の変動性を考慮することがで
きる。例えば、ハイブリダイゼーション混合物は、ホルムアミドを含まない溶液
において、高度で、例えば約65℃でインキュベートされ得る。さらに、予備混
合されたハイブリダイゼーション溶液が入手でき(例えば、CLONTECH Laborator
ies, Inc. からのEXPRESSHYB Hybridization Solution),そしてハイブリダイ
ゼーションは製造業者の説明書に従って行われ得る。
【0119】 ハイブリダイゼーションに続いて、核酸分子は、緊縮条件下で、又は高い緊縮
条件下で、ハイブリダイズされなかった核酸分子を除去するために洗浄され得る
。典型的な緊縮洗浄条件は、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含む0.5×
〜2×SSC溶液による55〜65℃での洗浄を包含する。すなわち、変異体Zcyto
r 16ポリペプチドをコードする核酸分子は、緊縮洗浄条件下で、配列番号1のヌ
クレオチド配列(又はその補体)を有する核酸分子とハイブリダイズし、ここで
前記洗浄緊縮性は、55〜65℃での、0.1%SDSを含む0.5×〜2×SSC溶液、例えば
55℃での、0.1%SDSを含む0.5×SSC溶液、又は65℃での0.1%SDSを含む2×SS
C溶液に等しい。当業者は、例えば洗浄溶液におけるSSCをSSPEにより置換するこ
とによって同等の条件を容易に製造することができる。
【0120】 典型的な高い緊縮洗浄条件は、50〜65℃での0.1%ドデシル硫酸ナトリウム(S
DS)を含む0.1×〜0.2×SSCの溶液による洗浄を包含する。例えば、変異体Zcyto
r 16ポリペプチドをコードする核酸分子は、高い緊縮洗浄条件下で、配列番号1
のヌクレオチド配列(又はその補体)を有する核酸分子とハイブリダイズし、こ
こで前記洗浄緊縮性は、50〜65℃での、0.1%SDSを含む0.1×〜0.2×SSC
溶液、例えば50℃での、0.1%SDSを含む0.1×SSC溶液、又は65℃での0.1%SD
Sを含む0.2×SSC溶液に等しい。
【0121】 本発明はまた、配列番号2のポリペプチド又はそれらのオルト体に対して実質
的に類似する配列同一性を有する単離されたZcytor 16ポリペプチドも提供する
。用語“実質的に類似する配列同一性”とは、配列番号2で示される配列又はそ
れらのオルト体に対して少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも95%以上
の配列同一性を有するポリペプチドを示すために本明細書において使用される。
【0122】 本発明はまた、2種の次の基準を用いて同定され得るZcytor 16変異体核酸分
子を企画する:配列番号2のアミノ酸配列とコードされたポリペプチドとの間の
類似性の決定、及びハイブリダイゼーションアッセイ。そのようなZcytor 16変
異体は、(1)55〜65℃での0.1%SDSを含む0.5×〜2×SSC溶液に等しい緊縮洗
浄条件下で、配列番号1のヌクレオチド配列(又はその相補体)を有する核酸分
子とハイブリダイズし、そして(2)配列番号2のアミノ酸配列に対して少なく
とも70%,少なくとも80%,少なくとも90%,少なくとも95%又は95%以上の配列
同一性を有するポリペプチドをコードする核酸分子を包含する。他方では、Zcyt
or16変異体は、(1)50〜65℃での0.1%SDSを含む0.1×〜0.2×SSC溶液に等し
い、高い緊縮洗浄条件下で、配列番号1のヌクレオチド配列(又はその相補体)
を有する核酸分子とハイブリダイズし、そして(2)配列番号2のアミノ酸配列
に対して少なくとも70%,少なくとも80%,少なくとも90%,少なくとも95%又は9
5%以上の配列同一性を有するポリペプチドをコードする核酸分子として特徴づ
けられ得る。
【0123】 %配列同一性は、従来の方法により決定される。例えば、Altschulなど., Bul
l. Math. Bio. 48 : 603−616, 1986及びhenikoff and Henikoff, Pruc.Natl. A
cad. Sci. USA 89 :10915−10919, 1992を参照のこと。手短に言及するば、2種
のアミノ酸配列が、10のギャップ開始ペナルティー、1のギャップ拡張ペナルテ
ィー、及び第3表(アミノ酸は標準の1文字コードにより示される)に示される
ようなHenikoff and Henikoff (前記)の“BLOSUM62”評点マトリックスを用い
て、その整合評点を最適化するために整合される。次に、%同一性が次のように
して計算される:([同一の適合するものの合計数]/[より長い配列の長さ+
2種の配列を整合するためにそのより長い配列中に導入されるギャップの数]
)(100)。
【0124】
【表3】
【0125】 当業者は、2種のアミノ酸配列を整列するために多くの確立されたアルゴリズ
ムが存在することを理解している。Pearson and Lipmanの“FASTA”類似性調査
アルゴリズムは、1つのアミノ酸配列及び推定上の変異体のアミノ酸配列により
供給される同一性のレベルを試験するための適切なタンパク質整列方法である。
前記FASTAアルゴリズムは、Pearson and Lipman, Proc. Nat’l Acad. Sci. USA
85: 2444 (1988), 及びPearson, Meth. Enzymol. 183: 63 (1990) により記載
される。手短には、FASTAがまず、問題の配列(例えば、配列番号2)及び保存
性アミノ酸置換、挿入又は欠失を考慮しないで、最高密度の同一性(ktup変数が
1である場合)又は対の同一性(ktup=2である場合)のいずれかを有する試験
配列により共有される領域を同定することによって配列を特徴づける。
【0126】 次に、最高密度の同一性を有する10の領域が、アミノ酸置換マトリックスを用
いて、すべての対合されたアミノ酸の類似性を比較することによって再評価され
、そして前記領域の末端が、最高の評点に寄与するそれらの残基のみを含むよう
“整えられる”。“カットオフ”値(配列の長さ及びktup値に基づいて予定され
た式により計算される)よりも高い評点を有するいくつかの領域が存在する場合
、その整えられた初期領域が、その領域がギャップとのおおよその一列配列を形
成するために結合され得るかどうかを決定するために試験される。
【0127】 最終的に、2種のアミノ酸配列の最高評点領域が、アミノ酸挿入及び欠失を可
能にする、Needleman-Wunsch アルゴリズム(Needleman and winsch, J. Mol. B
iol. 48: 444, 1970; Sellers, SIAM J. Appl. Math. 26: 787, 1974)の変法を
用いて整列される。FASTA 分析のための好ましいパラメーターは次のものである
:ktup=1、ギャップ開始ペナルティー=10、ギャップ拡張ペナルティー=1及
び置換マトリックス=BLOSUM62。それらのパラメーターは、Appendix 2 of Pear
son, 1990 (前記)に説明されるように、評点マトリックスを調節することによっ
てFASTAプログラム中に導入され得る。
【0128】 FASTAはまた、上記に開示されるような割合を用いて、核酸分子の配列同一性
を決定するためにも使用され得る。ヌクレオチド配列比較のためには、ktup値は
、上記に設定される他のパラメーターを伴なって、1〜6、好ましくは3〜6、
最も好ましくは3であり得る。
【0129】 本発明は、本明細書に開示されるアミノ酸配列に比較して、1又は複数の保存
性アミノ酸変更を有するポリペプチドをコードする核酸分子を包含する。例えば
、配列番号2の1又は複数のアミノ酸置換を含む変異体が得られ、ここでアルキ
ルアミノ酸がZcytor 16アミノ酸配列におけるアルキルアミノ酸に代わって置換
され、芳香族アミノ酸がZcytor 16アミノ酸における芳香族アミノ酸に代わって
置換され、硫黄含有アミノ酸がZcytor 16アミノ酸配列における硫黄含有アミノ
酸に代わって置換され、ヒドロキシ含有アミノ酸Zcytor 16アミノ酸配列におけ
るヒドロキシ含有アミノ酸に代わって置換され、酸性アミノ酸がZcytor 16アミ
ノ酸配列における酸性アミノ酸に代わって置換され、塩基性アミノ酸がZcytor 1
6アミノ酸配列における塩基性アミノ酸に代わって置換され、又は二塩基性モノ
カルボン酸アミノ酸Zcytor 16アミノ酸配列における二塩基性モノカルボン酸ア
ミノ酸に代わって置換される。
【0130】 通常のアミノ酸の中で、“保存性アミノ酸置換”は、次のグループの個々内の
アミノ酸間の置換により示される:(1)グリシン、アラニン、バリン、ロイシ
ン及びイソロイシン、(2)フェニルアラニン、チロシン及びトリプトファン、
(3)セリン及びトレオニン、(4)アスパラギン酸及びグルタミン酸、(5)
グルタミン及びアスパラギン、及び(6)リシン、アルギニン及びヒスチジン。
BLOSUM62表は、関連するタンパク質の500以上のグループの高く保存された領域
を表す、タンパク質配列セグメントの約2,000の局部の複数整列に由来するアミ
ノ酸置換マトリックスである[Henikoff and Henikoff, Proc. Nat’l Acad. Sc
i. USA 89: 10915 (1992) ]。
【0131】 従って、BLOSUM62置換頻度は、本発明のアミノ酸配列中に導入され得る保存性
アミノ酸置換を定義するために使用され得る。単に化学的性質に基づいてのアミ
ノ酸置換を企画することが可能であるが(上記で論じられたように)、用語“保
存性アミノ酸置換”とは、−1よりも大きなBLOSUM62値により表される置換を言
及する。例えば、アミノ酸置換は、その置換が0,1,2又は3のBLOSUM62値に
より特徴づけられる場合、保存性である。このシステムによれば、好ましい保存
性アミノ酸置換は、少なくとも1(例えば、1,2又は3)のBLOSUM62値により
特徴づけられ、ところがより好ましくは保存性置換は、少なくとも2(例えば、
2又は3)のBLOSUM62値により特徴づけられる。
【0132】 Zcytor 16の特定の変異体が、その対応するアミノ酸配列(すなわち、配列番
号2)に対して、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくと
も95%又は95%以上の配列同一性を有することによって特徴づけられ、ここでア
ミノ酸配列の変動は、1又は複数のアミノ酸置換による。
【0133】 Zcytor 16遺伝子における保存性アミノ酸変化が、配列番号1のいずれか1つ
に列挙されるヌクレオチドに代わってヌクレオチドを置換することによって導入
され得る。そのような“保存性アミノ酸”変異体は、例えばオリゴヌクレオチド
指図された突然変異誘発、リンカー走査突然変異誘発、ポリメラーゼ鎖反応を用
いての突然変異誘発及び同様の方法により得られる(Ausubel(1995)pages8-10
〜8-22; 及びMcPhrson(ed.), Directed Mutagenesis: A Practical Approach
(IRL Press 1991) を参照のこと)。変異体Zcytor 16ポリペプチドが、抗−Zcyt
or 16抗体を特異的に結合する能力により同定され得る。
【0134】 本発明のタンパク質はまた、天然に存在しないアミノ酸残基を含んで成る。天
然に存在しないアミノ酸は、トランス−3−メチルプロリン、2,4−メタプロ
リン、シス−4−ヒドロキシプロリン、トランス−4−ヒドロキシプロリン、N
−メチルグリシン、アロ−トレオニン、メチルトレオニン、ヒドロキシエチルシ
ステイン、ヒドロキシエチルホモシステイン、ニトログルタミン、ホモグルタミ
ン、ピペコリン酸、チアゾリジンカルボン酸、デヒドロプロリン、3−及び4−
メチルプロリン、3,3−ジメチルプロリン、tert−ロイシン、ノルバリン、2
−アザフェニルアラニン、3−アザフェニルアラニン、4−アザフェニルアラニ
ン、及び4−フルオロフェニルアラニンを包含する。
【0135】 天然に存在しないアミノ酸残基をタンパク質中に導入するためのいくつかの方
法が当業界において知られている。例えばナンセンス突然変異が化学的にアミノ
アシル化されたサプレッサーtRNAを用いて抑制されるインビトロシステムが使用
され得る。アミノ酸を合成し、そしてtRNAをアミノアシル化するための方法は
、当業者において知られている。ナンセンス突然変異を含むプラスミドの転写及
び翻訳は、E.コリS30抽出物及び市販の酵素及び他の試薬の含んで成る細胞フリ
ーシステムにおいて実施される。タンパク質は、クロマトグラフィーにより精製
される。例えば、Rovertsonなど., J. Am. Chem. Soc. 113:2722, 1991; Ellman
など., Meth. Enzymol. 202: 301,1991; Chung など., Science 259: 806−09,
1993; 及びChungなど., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 10145−49, 1993を
参照のこと。
【0136】 第2の方法においては、翻訳は、突然変異誘発されたmRNA及び化学的にアミノ
アミル化されたサプレッサ−tRNAのマイクロインジェクションによりアフリカ
ツメガエル卵母細胞において行われる( Turcatti など., J. Biol. Chem. 271:
1991−98, 1996 )。 第3の方法においては、E.コリ細胞が、置換される予定で
ある天然のアミノ酸(例えば、フェニルアラニン)の不在下で及び所望する天然
に存在しないアミノ酸(例えば、2−アザフェニルアラニン、3−アザフェニル
アラニン、4−アザフェニルアラニン又は4−フルオロフェニルアラニン)の存
在下で培養される。
【0137】 天然に存在しないアミノ酸は、その天然の相対物の代わりにタンパク質中に導
入される。Koide など., Biochem. 33: 7470−46, 1994を参照のこと。天然に存
在するアミノ酸残基は、インビトロ化学的に修飾により天然に存在しない種に転
換され得る。化学的修飾は、置換の範囲をさらに拡張するために特定部位の突然
変異誘発と組み合わされ得る(Wynn and Richards,Protein Sci. 2: 395−403,
1993)。 限定された数の非保存性アミノ酸、遺伝子コードによりコードされないアミノ
酸、天然に存在しないアミノ酸、及び不自然なアミノ酸が、Zcytor 16アミノ酸
により置換され得る。
【0138】 本発明のポリペプチドにおける必須アミノ酸は、当業界において知られている
方法、例えば特定部位の突然変異誘発又はアラニン−走査突然変異誘発により同
定され得る(Cunningham and Wells, Science 244: 1081−1085, 1989; Bassな
ど., Proc. Natl. Scad. Sci. USA 88: 4498−502, 1991), Coombs and Corey,
“Site-Directed Mutagenesis and Protein Engineering” ,in Proteins: Ana
lysis and Design, Angeletti(ed.) Ppages 259-311(Academic Press, Inc. 199
8))。後者の技法においては、単一のアラニン突然変異が分子中のあらゆる残基
で導入され、そして得られる変異体分子が、前記分子の活性に対して決定的であ
るアミノ酸残基を同定するために、下記に開示されるようして、生物学的活性に
ついて試験される。また、Hiltonなど., J. Biol. Chem. 271: 4699−5708, 199
6を参照のこと。
【0139】 配列分析はZcytor 16リガンド結合領域を同定するために使用され得るが、Zcy
tor 16結合活性(例えば、リガンドIL−TIF又は抗−Zcytor 16抗体へのZcytor 1
6の結合)において役割を演ずるアミノ酸はまた、推定上の接触部位アミノ酸の
突然変異と共に、核磁気共鳴、結晶学、電子回折又は光親和性ラベリングのよう
な技法により決定されるように、構造体の物理的分析によっても決定され得る。
例えば、de Ves など., Science 255: 306 (1992), Smith など., J. Mol. Biol
. 224: 899 (1992), 及びWlodaver など., FEBS Lett. 309:59 (1992) を参照の
こと。
【0140】 複数アミノ酸置換は、突然変異誘発及びスクリーニングの既知方法、例えばRe
idhaar−Olson and Sauer (science 241: 53−57, 1988)又はBowie and Sauer
( Proc. Natl. Acad. Sci. USA86:2152−2156,1989 )により開示される方法を
用いて行われ、そして試験される。手短に言及すれば、それらの著者は、ポリペ
プチドにおける複数の位置を同時ランダム化し、機能的ポリペプチドをスクリー
ンし、そして次に個々の位置での可能な置換の範囲を決定するために、突然変異
誘発されたポリペプチドを配列決定するための方法を開示する。
【0141】 使用され得る他の方法は、ファージ表示(例えば、Lowman など., Biochem. 3
0 : 10832−10837,1991; Ladner など., アメリカ特許第5,223,409号; Huse, WI
PO公開WO 92/06204号)、及び領域−指図された突然変異誘発(Derbyshire な
ど., Gene 46 : 145, 1986; Ner など., DNA 7 : 127, 1988 )を包含する。さ
らに、ビオチン又はFITCによりラベルされたZcytor 16は、Zcytor 16リガンドの
発現クローニングのために使用され得る。
【0142】 開示されるZcytor 16ヌクレオチド及びポリペプチド配列の変異体は、Stemmer
, Nature 370 : 389−91, 1994, Stemmer, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91: 10
747−51, 1994及びWIPO公開WI97/20078により開示されるように、DNA シャフ
リングを通して生成され得る。手短に言及すれば、変異体DNA分子が、ランダム
に導入された点突然変異をもたらす、親DNAのランダム断片化、続く、PCRを用い
てのアセンブリーによるインビトロ相同組換えにより生成される。この技法は、
前記工程中に追加の変動性を導入するために、親DNAのファミリー、例えば異な
った種からの対立遺伝子変異体又はDNAを用いて改良され得る。所望する活性の
選択又はスクリーニング、突然変異誘発及びアッセイの続くさらなる相互作用が
、有害な変化に対して同時に選択しながら、所望する突然変異について選択する
ことによって、配列の急速な“進化”を提供する。
【0143】 本明細書に開示されるような突然変異誘発方法は、宿主細胞におけるクローン
化された突然変異誘発されたポリペプチドの活性を検出するために高処理量の自
動化されたスクリーニング方法と組み合わされ得る。生物学的に活性のポリペプ
チド又は抗−Zcytor 16抗体と結合するポリペプチドをコードする突然変異誘発
されたDNA分子が、宿主細胞から回収され、そしてすぐに、近代的装置を用いて
配列され得る。それらの方法は、興味あるポリペプチドにおける個々のアミノ酸
残基の重要性の急速な決定を可能にし、そして未知の構造のポリペプチドに適用
され得る。
【0144】 本発明はまた、Zcytor 16ポリペプチドの“機能的フラグメント”及びそのよ
うな機能的フラグメントをコードする分子を包含する。核酸分子の通常の欠失分
析は、Zcytor 16ポリペプチドをコードする核酸分子の機能的フラグメントを得
るために行われ得る。例示されるように、配列番号1のヌクレオチド配列を有す
るDNA分子は、一連の欠失を得るためにBal3 Tヌクレアーゼにより消化され得る
【0145】 次に、フラグメントが正しい読み取り枠を整合して発現ベクター中に挿入され
、そして発現されたポリペプチドが単離され、そして細胞−細胞相互作用につい
て、又はZcytor 16抗体を結合する能力について試験される。エキソヌクレアー
ゼ消化のための1つの方法は、欠失を導入するためにオリゴヌクレオチド−指図
された突然変異誘発を使用し、又は所望するフラグメントの生成を特定するため
に停止コドンを使用することである。他方では、Zcytor 16遺伝子の特定のフラ
グメントは、ポリメラーゼ鎖反応を用いて合成され得る。
【0146】 インターフェロンのいずれかの又は両末端での切断に対する研究により例示さ
れるこの一般的アプローチは、Horisberger and Di Marco, pharmac. Ther. 66:
507 (1995) により要約されている。さらに、タンパク質の機能的分析のための
標準技法は、例えばTreulterなど., Molec. Gen. Genet. 240: 113 (1993), Con
tent など., “Expression and preliminary deletion analysisi of the 42 kD
a 2-5A synthetase induced by human interferon”, in Biological Interfero
n Systems, Proceedings of ISIR-TNO Meeting on Interferon Systems, Cantel
l (ed.), Pages 65-72 (Nijhoff 1987), Herschman, “The EGF Enzyme”, in C
ortrol of Animal Cell Proliferation, Vol. 1, Boynton など., (eds.) pages
169-199 (Academic Press 1985), Counailleau など., J. Biol. Chem. 270: 2
9270 (1995); Fukunaga など., J. Biol. Chem. 270: 25291 (1995); Yamaguchi
など., Biochem. Pharmacol. 50: 1295 (1995); 及びMeiselなど., Plant Mole
c. Biol. 30: 1 (1996)により記載される。 本明細書に開示される特定の配列の分析は、第4表に示される1組の例示的機
能フラグメントを提供する。
【0147】
【表4】
【0148】 本発明はまた、本明細書に開示されるアミノ配列に比較して、アミノ配列変化
を有するZcytor 16遺伝子の機能的フラグメントも企画する。変異体Zcytor 16遺
伝子は、上記のように、開示されるヌクレオチド及びアミノ酸配列との同一性の
レベルを決定することにより、構造体に基づいて同定され得る。構造体に基づい
て変異体遺伝子を同定するもう1つのアプローチは、可能性ある変異体Zcytor 1
6遺伝子をコードする核酸分子が、上記のように、配列番号1のヌクレオチド配
列を有する核酸分子にハイブリダイズすることができるかどうかを決定すること
である。
【0149】 本発明はまた、本明細書に記載されるZcytor 16ポリペプチドのエピトープ−
担持の部分を含んで成るポリペプチドフラグメント又はペプチドも提供する。そ
のようなフラグメント又はペプチドは、完全なタンパク質が免疫原として使用さ
れる場合、抗体応答を誘発するタンパク質の一部である“免疫原性エピトープを
含んで成る。免疫原性エピトープ−担持のペプチドは、標準方法を用いて同定さ
れ得る。(例えば、Geysenなど., Proc. Natl. Acad Sci. USA81: 3988, 1983を
参照のこと)。
【0150】 対照的に、ポリペプチドフラグメント又はペプチドは、抗体が特異的に結合す
ることができるタンパク質分子の領域である“抗原性エピトープ”を含んで成る
。一定のエピトープは、線状又は連続した範囲のアミノ酸から成り、そしてその
ようなエピトープの抗原性は、変性剤により破壊されない。タンパク質のエピト
ープを模倣する比較的短い合成ペプチドがタンパク質に対する抗体の生成を刺激
するために使用され得ることは、当業界において知られている(例えば、Sutcli
ffeなど., Science 219: 660, 1983を参照のこと)。従って、本発明の抗原性エ
ピトープ−担持のペプチド及びポリペプチドは、本明細書に記載されるポリペプ
チドと結合する抗体を生ぜしめるために有用である。
【0151】 抗原性エピトープ−担持のペプチド及びポリペプチドは好ましくは本明細書に
開示されるアミノ酸配列の少なくとも4〜10個のアミノ酸、少なくとも10〜15個
のアミノ酸、又は約15〜約30個のアミノ酸を含む。そのようなエピトープ−担持
のペプチド及びポリペプチドは、本明細書に記載されるように、Zcytor 16ポリ
ペプチドのフラグメント化又は化学的ペプチド合成により生成され得る。さらに
、エピトープは、ランダムペプチドライブラリーのファージ表示により選択され
得る(例えば、Lane and Stephen, Curr. Opin. Immunol. 5: 268, 1993, 及びC
ortese など., Curr. Opin. Biotechnol. 7: 616, 1996を参照のこと)。
【0152】 エピトープを含んで成る小さなペプチドからエピトープを同定し、そして抗体
を生成するための標準の方法は、例えばMole, “Epitope Mapping,” in Method
s in Molecular Biology, Vol. 10, Manson (ed.), Pages 105-16 (The Humana
Press, Inc., 1992), Price, “Production and Characterization of Syntheti
c Peptide-Derived Antibodies,” in Monoclonal Antibodies: Production, En
gineering, and Clinical Application, Ritter and Ladyman (eds.), page 60-
84 (Cambridge University Press 1995), 及びColigan など. (eds.), Current
Protocols in Immunology, pages 9.3.1-9.3.5 and pages 9.4.1-9.4.11 (John
Wiley & Sons, 1997)により記載される。
【0153】 変異体及び融合タンパク質を包含するいずれかのZcytor 16ポリペプチドに関
しては、当業者は、上記表1及び2に示される情報を用いて、その変異体をコー
ドする十分な縮重ポリヌクレオチド配列を容易に生成することができる。さらに
、当業者は、本明細書に記載されるヌクレオチド及びアミノ酸配列に基づいて、
種々のZcytor 16変異体に標準のソフトウェアを使用することができる。従って
、本発明は、次の配列、すなわち配列番号1、2、及び3の少なくとも1つの配
列を提供するデータ構造によりコードされるコンピューターに読み取り可能媒体
を包含する。
【0154】 適切な形のコンピューター読み取り可能媒体は、磁気媒体及び光学的読み取り
可能な媒体包含する。磁気媒体の例は、ハード又は固定されたドライブ、ランダ
ムアクセス記憶(RAM)チップ、フロッピー(登録商標)ディスク、デジタルリ
ニアーテープ(DLT)、ディスクカーシ及びZIPディスクを包含する。光学的読み
取り可能な媒体は、コンパクトディスク(例えば、CD−読み取りのみ記憶(ROM
)、CD−再書き込みできる(RW)及びCD−再記録できる)、及びデジタル可転性
/ビデオディスク(DVD)(例えば、DVD−ROM, DVD−RAM及びDVD+RW)により例
示される。
【0155】 6.Zcytor 16ポリペプチドの生成: 十分な長さのポリペプチド;可溶性モノマー、ホモダイマー、ヘテロダイマー
及びマルチマー受容体;十分な長さの受容体;受容体フラグメント(例えば、リ
ガンド−結合フラグメント);機能的フラグメント;及び融合タンパク質を包含
する本発明のポリペプチドは、従来の技法に従って、組換え宿主細胞において生
成され得る。Zcytor 16遺伝子を発現するためには、ポリペプチドをコードする
核酸分子が、発現ペプチドにおいて転写発現を制御し、そして次に、宿主細胞中
に導入される調節配列に操作可能的に連結されるべきである。転写調節配列、例
えばプロモーター及びエンハンサーの他に、発現ベクターは、翻訳調節配列、及
び発現ベクターを担持する細胞の選択のために適切なマーカー遺伝子を包含する
ことができる。
【0156】 真核細胞において外来性タンパク質の生成のために適切である発現ベクターは
、典型的には、(1)細胞宿主における発現ベクターの増殖及び選択を提供する
ための細菌複製起点及び抗生物質耐性マーカーをコードする真核DNA要素;(2
)転写の開始を制御する真核DNA要素、例えばプロモーター;及び(3)転写体
のプロセッシングを制御するDNA要素、例えば転写終結/ポリアデニル化配列を含
む。上記で論じられたように、発現ベクターはまた、異種ポリペプチドを、宿主
細胞の分泌経路中に方向づける分泌配列コードするヌクレオチド配列を包含する
。例えば、Zcytor 16発現ベクターは、Zcytor 16遺伝子、及びいずれかの分泌さ
れた遺伝子に由来する分泌配列を含むことができる。
【0157】 本発明のZcytor 16タンパク質は、哺乳類細胞において発現され得る。適切な
哺乳類宿主細胞の例は、アフリカミドリザル腎細胞(Vero; ATCC CRL1587)、
ヒト胚腎細胞(293−HEK; ATCC CRL1573)、子供のハムスター腎細胞(BHK−21,
BHK−570;ATCC CRL8544, ATCC CRL10314)、イヌ腎細胞(MDCK;ATCC CCL34)
、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO−K1; ATCC CCL61; CHO DG44 [Chasin
など., Som. Cell. Molec. Genet. 12: 555 (1986)]、ラット下垂体細胞(CH1;
ATCC CCL82)、HeLa S3細胞(ATCC CCL2.2)、ラット肝癌細胞(H−4−II−E;
ATCC CRL1548)、SV40−形質転換されたモンキー腎細胞(COS−1;ATCC CRL165
0)及びネズミ胚細胞(NIH−3T3;ATCC CRL1658)を包含する。
【0158】 哺乳類宿主に関しては、転写及び翻訳シグナルは、ウィルス源、例えばアデノ
ウィルス、ウシ乳頭腫ウィルス、サルウィルス又は同様のものに由来することが
でき、ここで調節するシグナルは、高レベルの発現を有する特定の遺伝子に関連
している。適切な転写及び翻訳調節配列はまた、哺乳類遺伝子、例えばアクチン
、コラーゲン、ミコシン及びメタロチオネイン遺伝子から得られる。
【0159】 転写調節配列は、RNA合成の開始を方向づけるために十分なプロモーター領域
を含む。適切な真核プロモーターは、マウスメタロチオネインI遺伝子のプロモ
ーター(Hamerなど., J. Molec. Appl. Genet. 1: 273 (1982))、ヘルペスウィ
ルスのTKプロモーター(Mcknight, Cell 31 : 355 (1982))、SV40初期プロモー
ター(Benoistなど., Nature 290: 304 (1981))、Rous肉腫ウィルスプロモータ
ー(Gormanなど., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 79: 6777 (1982))、サイトメ
ガロウィルスプロモーター(Foeckingなど., Gene 45: 101 (1980))及びマウス
乳腫瘍ウィルスプロモーター(一般的には、Etcheverry, “Expression of Engi
neered Protein in Mammalian Cell Culture”, in Protein Engineering: Prin
ciples and Practice, Cleland など., (eds.), p. 163-181 (John Wiley & Son
s, Inc. 1996)を参照のこと)を包含する。
【0160】 他方では、原核プロモーター、例えばバクテリオファージT3 RNAポリメラーゼ
プロモーターは、その原核プロモーターが真核プロモーターにより調節される場
合、哺乳類細胞におけるZcytor 16遺伝子発現を制御するために使用され得る(Z
houなど., Mol. Cell. Biol. 10: 4529 (1990), 及びKaukamanなど., Nucl. Aci
ds Res. 19: 4485 (1991) を参照のこと)。
【0161】 一定の態様においては、Zcytor16モノマー又はホモダイマー可溶性受容体ポリ
ペプチドをコードするDNA配列、又はヘテロダイマー又はマルチマーZcytor16可
溶性受容体、例えばCRF2−4又はIL10Rポリペプチドの追加のサブユニットをコー
ドするDNA配列は、発現ベクター内のその発現のために必要とされる他の遺伝子
要素、例えば一般的に転写プロモーター及びターミネーターに操作可能的に連結
される。
【0162】 前記ベクターはまた、通常、1又は複数の選択マーカー及び1又は複数の複製
起点を含むが、但し、当業者は、一定のシステム内で、選択マーカーが、別のベ
クターに基づいて供給され得、そして外因性DNAの複製が宿主細胞ゲノム中への
組み込みにより供給され得ることを認識するであろう。プロモーター、ターミネ
ーター、選択マーカー、ベクター及び他の要素の選択は、当業者のレベル内であ
る。多くのそのような要素は、文献に記載されており、そして市販されている。
可溶性受容体複合体の複数の成分は、個々の発現ベクターに基づいて同時トラン
スフェクトされ得、又は単一の発現ベクターに含まれ得る。タンパク質複合体の
複数成分を発現するそのような技法は、当業界において良く知られている。
【0163】 発現ベクターは、種々の標準の技法、例えばリン酸カルシウムトランスフェク
ション、リポソーム−介在性トランスフェクション、マイクロプロジェクト−介
在性供給、エレクトロポレーション及び同様のものを用いて、宿主細胞中に導入
され得る。好ましくは、トランスフェクトされた細胞が選択され、そして増殖さ
れ、宿主細胞ゲノムに安定して組み込まれる発現ベクターを含んで成る組換え宿
主細胞が供給される。真核細胞中にベクターを導入するための技法、及び優性選
択マーカーを用いてのそのような安定した形質転換体を選択するための技法は、
例えばAusubel (1995) 及びMurray (ed.), Gene Transfer and Expression Prot
ocols (Humana Press 1991) により記載される。
【0164】 例えば、1つの適切な選択マーカーは、抗生物質ネオマイシンに対する耐性を
付与する遺伝子である。この場合、選択は、ネオマイシン型薬物、例えばG−418
又は同様のもの存在下で実施される。“増幅”として言及される方法である選択
システムは、興味ある遺伝子の発現レベルを高めるためにも使用される。増幅は
、低レベルの選択剤の存在下でトランスフェクタントを培養し、そして次に、導
入された遺伝子の生成物を高レベルで生成する細胞を選択するために選択剤の量
を高めることによって実施される。
【0165】 好ましい増幅可能選択マーカーは、メトトレキセートに対する耐性を付与する
ジヒドロ葉酸レダクターゼである。他の耐薬物性遺伝子(例えば、ヒグロマイシ
ン耐性、複数薬物耐性、ピューロマイシン アセチルトランスフェラーゼ)もま
た、使用され得る。変更された表現型を導入する他のマーカー、例えば緑色蛍光
タンパク質、又は細胞表面タンパク質、例えばCD4, CD8,クラスI MHC、胎盤ア
ルカリホスファターゼが、FACS分類又は磁気ビース分離技法のような手段により
、トランスフェクトされていない細胞とトランスフェクトされた細胞とを分類す
るために使用され得る。
【0166】 Zcytor 16ポリペプチドはまた、ウィルス供給システムを用いて、培養された
哺乳類細胞により生成され得る。この目的のための典型的なウィルスは、アデノ
ウィルス、ヘルペスウィルス、レトロウィルス、ワクシニアウィルス及びアデノ
関連ウィルス(AAV)を包含する。アデノウィルス、すなわち二本鎖DNAウィルス
は現在、異種核酸の供給のための最も研究されている遺伝子トランスファーベク
ターである(Becker など., Meth. Cell Bio. 43: 161−89, 1994; 及びJ. T. D
ouglas and D.T. Curiel, Science & Medicine 4: 44−53, 1997 を参照のこと
)。アデノウィルスシステムの利点は、比較的大きなDNA挿入体の収容、高い力
価に増殖する能力、広範囲の哺乳類細胞型を感染する能力、及び異なったプロモ
ーターを含む多数の入手できるベクターとの使用を可能にする柔軟性を包含する
【0167】 アデノウィルスゲノムの一部を欠失することによって、異種DNAの大きな挿入
体(7kbまでの)が収容され得る。それらの挿入体は、直接的な連結により、又
はトランスフェクトされたプラスミドによる相同組換えにより、ウィルスDNA中
に導入され得る。EI遺伝子が宿主細胞により供給されない場合、複製の無能性を
もたらす、ウィルスベクターからの必須EI遺伝子を欠失することは任意である。
例えば、アデノウィルスベクター−感染されたヒト293細胞(ATCC No. CRL−157
3, 45504, 45505)は、有意な量のタンパク質を生成するために比較的高い細胞
密度で、付着細胞として、又は懸濁培養物において増殖され得る(Garnierなど.
, Cytotechnol. 15: 145 (1994) を参照のこと)。
【0168】 Zcytor 16はまた、他の高等真核細胞、例えば鳥類、菌類、昆虫、酵母、又は
植物細胞においても発現され得る。バキュロウィルスシステムは、昆虫細胞中に
、クローン化されたZcytor 16遺伝子を導入するための効果的な手段を提供する
。適切な発現ベクターは、オートグラファ・カリホルニカ(Autographa califor
nica) 核多角体病ウィルス(AcMNPV)に基づかれており、そして良く知られて
いるプロモーター、例えばショウジョウバエ熱ショックタンパク質(hsp)70プ
ロモーター、オートグラファ・カルホルニカ核多角体病ウィルス即時−初期遺伝
子プロモーター(ie-I)及び遅延された初期39K プロモーター、バキュロウィル
スp10プロモーター及びジョウジョウバエメタロチオネインプロモーターを含む
【0169】 組換えバキュロウィルスを製造するための第2の方法は、Luckow ( Luckow, V
A, など., J. Virol 67: 4566−79, 1993 ) により記載されるトランスポゾンに
基づくシステムを利用する。トランスファーベクターを利用するこのシステムは
、Bac−to−BacTMキット(Life Technologies, Rockville, MD)として市販さ
れている。このシステムは、“bacmid” と呼ばれる大きなプラスミドとして、
E.コリに維持されるバキュロウィルスゲノム中に、Zcytor16リガンドポリペプチ
ドをコードするDNAを移動せしめるために、Tn7トランスポゾンを含むトランスフ
ァーベクター、pFastBacI TM (Life Technologies )を利用する。
【0170】 Hill−Perkins, M.S. and Possee, R.D., J. Gen. Virol. 71: 971−6, 1990;
Bonning, B.C. など., J. Gen. Virol. 75: 1551−6, 1994; 及びChazenbalk,
G. D., and Rapoport, B., J. Biol Chem. 270: 1543−9,1995 を参照のこと。
さらに、トランスファーベクターは発現されたZcytor 16リガンドポリペプチド
のC−又はN−末端でエピトープ標識、例えばGlu−Glu エピトープ標識をコード
するDNAとのイン−フレーム融合体を含むことができる(Grussenmeyer, T. など
., Peoc. Natl. Acad. Sci. 82: 7952−6, 1985)。
【0171】 当業界において知られている技法を用いて、Zcytor 16遺伝子を含むトランス
ファーベクターにより、E.コリが形質転換され、そして組換えバキュロウィルス
の表示である断続的lacZ遺伝子を含むbacmida についてスクリーンされる。組換
えバキュロウィルスゲノムを含むbacmid DNA が、通常の技法を用いて単離され
る。
【0172】 例示的なPFASTBACベクターは、相当の程度まで修飾され得る。例えば、前記ポ
リヒドリンプロモーターは、除去され、そしてバキュロウィルス感染において早
めに発現され、そして分泌されたタンパク質を発現するために好都合であること
が知られているバキュロウィルス塩基性タンパク質プロモーター(また、Pcor,
p6.9又はMPプロモーターとしても知られている)により置換され得る。Hill−Pe
rkins, M.S. and Possee, R.D., J. Gen. Virol. 71: 971−6, 1990; Bonning,
B.C. など., J. Gen. Virol. 75: 1551−6, 1994; 及びChazenbalk, G. D., and
Rapoport, B., J. Biol Chem. 270: 1543−9,1995 を参照のこと。
【0173】 そのようなトランスファーベクター構造体においては、塩基性タンパク質プロ
モーターの短いか又は長いバージョンが使用され得る。さらに、昆虫タンパク質
に由来する分泌シグナル配列により天然のZcytor 16リガンド分泌シグナル配列
を置換しているトランスファーベクターが構成さえ得る。例えば、エクジステロ
イド・グルコシルトランスフェラーゼ(EGT)、ミツバチMelittin (Invitrogen,
Carlsbad, CA) 又はバキュロウィルスgp67(PharMingem, San Diego, CA)から
のシグナル配列は、生来のZcytor 16分泌シグナル配列を置換するために、構造
体に使用され得る。
【0174】 組換えウィルス又はbacmidは、宿主細胞をトランスフェクトするために使用さ
れる。適切な昆虫宿主細胞は、IPLB−Sf−21に由来する細胞系、スポドプテラフ
ルギペルダ(Spodoptera frugiperda)さなぎ卵巣細胞系、例えばSf9 (ATCC CRL
1711)、Sf21AE及びSf21(Invitrogen Corporation; San Diego, CA)、及びシ
ョウジョウバエSchneider−2細胞、並びにトリコプルシア・ニ(Trichoplusia
ni)に由来するHIGH FIVEO 細胞系(Invitrogen)を包含する(アメリカ特許第5
,300,435号)。市販の血清フリー培地が、細胞の増殖及び維持のために使用され
得る。
【0175】 適切な培地は、Sf9細胞に関しては、Sf900IITM (Life Technologies) 又はESF
921TM (Expression Systems);及びトリコプルシア・ニ細胞に関しては、Ex−ce
llO405TM (JRH Biosiences, Lenexa, KS) 又はExpress FiveOTM (Life Technolo
gies)を包含する。組換えウィルスが使用される場合、細胞は典型的には、組換
えウィルスストックが0.1〜10、より典型的には、約3の感染の多重度(MOI)で
添加される地点で、約2〜5×105個の細胞1〜2×106個の細胞の接種密度で触
媒される。
【0176】 バキュロウィルスでの組換えタンパク質を生成するための確立された技法は、
Baileyなど., “Manipulation of Baculovirus Vectors”, in Methods in Mole
cular Biology, Volume 7: Gene Transfer and Expression Protocols, Murray
(ed.), P. 147-168 (The Humana Press, (nc. 1991) により、Patel など., “T
he buculovirus expression system”, in DNA Cloing2: Expression Systems,
2nd Edition, Glover など., (eds.) p.205-244 (Oxford University Press 199
5) により、Ausubel (1995) p.16-37〜16-57により、Richardson (ed.), Baculo
virus Expression Proteocols (The Humana Press, Inc. 1995) により、及びLu
cknow, “Insect Cell Expression Technology”, in Protein Engineering: Pr
inciples and Practice. Cleland など. (eds.), p.183-218 (John Wiley & Son
s, Inc. 1996) により提供される。
【0177】 菌類細胞、例えば酵母細胞はまた、本明細書に開示される遺伝子を発現するた
めにも使用され得る。これに関して、特に興味ある酵母種は、サッカロミセス・
セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae), ピチア・パストリス(Pichia pas
toris)及びピチア・メタノリカ(pichia methanolica) を包含する。酵母におけ
る発現のための適切なプロモーターは、GAL1(ガラクトース)、PGK(ホスホグ
リセリンキナーゼ)、ADH(アルコールデヒドロゲナーゼ)、AOX1(アルコール
オキシダーゼ)、HIS4(ヒスチジノールデヒドロゲナーゼ)及び同様のものから
のプロモーターを包含する。
【0178】 外因性DNAによりS. セレビシアエ細胞を形質転換し、そしてそれから組換え
ポリペプチドを生成するための方法は、例えばKawasaki, アメリカ特許第4,599,
311号;Kawasaki など., アメリカ特許第4,931,373号;Brake, アメリカ特許第4
,870,008号;Welchなど., アメリカ特許第5,037,743号;及びMurray など., ア
メリカ特許第4,845,075号により開示される。形質転換された細胞は、選択マー
カー、通常、耐薬物性、又は、特定の栄養物(例えばロイシン)の不在下で増殖
する能力により決定される表現型により選択される。
【0179】 サッカロミセス・セレビシアエへの使用のための好ましいベクターシステムは
、グルコース含有培地における増殖により形質転換された細胞の選択を可能にす
る、Kawasaki など. (アメリカ特許第4,931,373号)により開示されるPOT1ベク
ターシステムである。酵母への使用のための適切なプロモーター及びターミネー
ターは、解糖酵素遺伝子(例えば、Kawasaki, アメリカ特許第4,599,311号;Kin
gsmanなど., アメリカ特許第4,615,974号;及びBitter, アメリカ特許第4,977,0
92 号を参照のこと)及びアルコール デヒドロゲナーゼ遺伝子からのものを包
含する。また、アメリカ特許第4,990,446 号;第5,063,154号;第5,139,936 号
;及び第4,661,454号を参照のこと。
【0180】 他の酵素、例えばハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、シゾ
サッカロミセス・ポンベ( Schizosaccharomyces pombe )、クルイベリミセス
・ラクチス( Kluyveromyces lactis )、クルイベリミセス・フラギリス(Kluy
veromyces fragilis )、ウスチラゴ・マイジス(Ustilago maydis )、ピチア
・パストリス( Pichia pastoris )、ピチア・メタノリカ(Pichia methanolic
a)、ピチア・グイレルモンジ( Pichia guillermondii )、及びカンジタ・マ
ルトサ(Candida maltosa )のための形質転換システムは、当業界において知ら
れている。
【0181】 例えば、Gleeson など., J. Gen. Microbiol. 132: 3459−3465, 1986 及びCr
egg, アメリカ特許第4,882,279 号を参照のこと。アスペルギラス細胞は、Mckni
ght など.,アメリカ特許第4,935,349号の方法に従って使用され得る。アクレモ
ニウム・クリソゲナム(Acremonium chrysogenum)を形質転換するための方法は
、Sumino ., アメリカ特許第5,162,228号により開示される。ニューロスポラ(N
eurospora)を形質転換するための方法は、Lambowitz, アメリカ特許第4,486,53
3号により開示される。
【0182】 例えば、組換えタンパク質の生成のための宿主としてのピチア・メタノリカの
使用は、Raymond、アメリカ特許第5,716,808号、Raymond、アメリカ特許第5,736
,383号、Raymondなど.,Yeast 14: 11-23 (1998)、及びWIPO公開WO97/17450, WO
97/17451、WO98/02536及びWO98/02565に開示される。P.メタノリカの形質転
換に使用するためのDNA分子は通常、形質転換の前、好ましくは線状化される、
二本鎖の環状プラスミドとして調製されるであろう。P.メタノリカにおけるポリ
ペプチド生成のためには、プラスミドにおけるプロモーター及びターミネーター
は、P.メタノリカ遺伝子、例えばP.メタノリカ アルコール利用遺伝子(AUG1
又はAUG2)のものであることが好ましい。
【0183】 他の有用なプロモーターは、ジヒドロキシアセトンシンターゼ(DHAS)、ギ酸
デヒドロゲナーゼ(FMD)、及びカタラーゼ(CAT)遺伝子のものを包含する。宿
主染色体中へのDNAの組み込みを促進するためには、宿主DNA配列を両端に有する
プラスミドの完全な発現セグメントを有することが好ましい。ピチア メタノリ
カへの使用のための好ましい選択マーカーは、アデニンの不在下でade2宿主細胞
の増殖を可能にする、ホスホリボシル−5−アミノイミダゾールカルボキシラー
ゼ(AIRC; EC. 4.1.1.21)をコードするP.メタノリカADE2遺伝子である。
【0184】 メタノールの使用を最少にすることが所望される大規模産業方法のためには、
両メタノール利用遺伝子(AUG1及びAUG2)が欠失されている宿主細胞を使用す
ることが好ましい。分泌されたタンパク質の生成のためには、液胞プロテアーゼ
遺伝子(PEP4及びPRB1)を欠いている宿主細胞が好ましい。エレクトロポレー
ションが、P.メタノリカ細胞中への、興味あるポリペプチドをコードするDNAを
含むプラスミドの導入を促進するために使用される。2.5〜4.5kV/cm,好ましくは
約3.75kV/cmの電場の強さ、及び1〜40m秒、最も好ましくは約20m秒の時定数(t
)を有する、指数的に減衰する、パルスされた電場を用いて、エレクトロポレー
ションによりP.メタノリカ細胞を形質転換することが好ましい。
【0185】 発現ベクターはまた、植物プロトプラスト、損なわれていない植物組織又は単
離された植物細胞中にも導入され得る。植物組織中に発現ベクターを導入するた
めの方法は、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaci
ens)、マイクロプロジェクティル−介在性供給、DNA注射、エレクトロポレーシ
ョン及び同様のものによる植物組織の直接的な感染又はそれらと共にs植物細胞
の同時培養を包含する。例えば、Horschなど., Science 227:1229 (1995)、Kle
inなど., Biotechnology 10: 268 (1992) 及びMikiなど., “Procedures for In
toducing Foreign DNA into Plants”, in Methods in Plant Molecular Biolog
y and Biotechnology, Glick など. (eds.), P.67-88 (CRC Press, 1993) を参
照のこと。
【0186】 他方では、Zcytor 16遺伝子は、原核宿主細胞において発現され得る。原核細
胞においてZcytor 16ポリペプチドを発現するために使用され得る適切なプロモ
ーターは、当業者に良く知られており、そしてT4, T3, Sp6及びT7ポリメラーゼ
を認識できるプロモーター、バクテリオファージλのPR及びPLプロモーター、E.
コリのtrp, recA, 熱ショック、lacUV5, tac, lpp-lacSpr, phoA及びlacZプロモ
ーター、B.スブチリスのプロモーター、バチルスのバクテリオファージのプロモ
ーター、ストレプトミセスプロモーター、バクテリオファージλのintプロモー
ター、pBR322のblaプロモーター及びクロラムフェニコールアセチルトランスフ
ェラーゼ遺伝子のCATプロモーターを包含する。原核プロモーターは、Glick, J.
Ind. Microbiol. 1: 277 (1987), Watsonなど., molecular Biology of the Ge
ne, 4th Ed. (Benjamin Cummins 1987), 及びAusubelなど. (1995) により再考
されている。
【0187】 適切な原核宿主は、E.コリ及びバチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)
を包含する。E.コリの適切な株は、BL21 (DE3), BL21 (DE3) pLysS, BL21 (DE3)
pLysE, DH1, DH4, DH5, DH51, DH51F, DH51MCR, DH 10B, DH10B/p3, DH11S, C60
0, HB101, JM101, JM105, JM109, JM110, K38, RR1, Y1088, Y1089, CSH18, ER1
451及びER1647を包含する(例えば、Brown (ed.), Molecular Biology Labfax (
Academic Press 1991) を参照のこと)。バチルス・スブチリスの適切な株は、B
R151、YB886、MI119、MI120及びBI70を包含する(例えば、Hardy, “Bacillus C
loning Methods”, in DNA Cloning: A Practical Approach, Clover (ed.) (IR
L Press 1985) を参照のこと。
【0188】 細菌、例えばE.コリにおいてZcytor 16ポリペプチドを発現する場合、そのポ
リペプチドは、典型的には不溶性顆粒として細胞質に保持され得、又は細菌の分
泌配列により細胞周辺腔に向けられ得る。前者の場合、細胞は溶解され、そして
顆粒が回収され、そして例えばグアニジンイソチオシアネート又はウレアを用い
て変性される。次に、変性されたポリペプチドが再生され、そして例えばウレア
、及び還元された及び酸化されたグルタチオンの組み合わせの溶液に対する透析
、続く緩衝溶液に対する透析により、前記変成体を希釈することによってニ量体
化され得る。後者の場合、ポリペプチドは、細胞周辺腔の内容物を開放するため
に細胞を破壊し(例えば、音波処理又は浸透ショックにより)、そしてタンパク
質を回収することによって、細胞周辺腔から可溶性及び機能性形で回収され、そ
れにより、変性及び再生のための必要性を回避することができる。
【0189】 原核宿主においてタンパク質を発現するための方法は、当業者に良く知られて
いる(例えば、Williamsなど., “Expression of foreign protein in E.coli u
sing plasmid vectors and purification of specific polyclonal antibodies
” in DNA Cloning 2: Expression Systems, 2nd Edition, Glover など. (eds.
), P.15 (Oxford University Press 1995), Ward など., “Genetic Manipulati
on and Expression of Antibodies” in Monoclonal Antibodies: Principles a
nd Applications, p. 137 (Wiley-Liss, Inc. 1995), 及びGeorgiou, “Express
ion of Proteins in Bacteria”, in Protein Engineering: Principles and Pr
actice; Cleland など. (eds.), p101 (John Wiley & Sons, Inc. 1996) を参照
のこと)。 細菌、酵母、昆虫及び植物細胞中に発現ベクターを導入するための標準方法は
、Ausubel (1995) により提供される。
【0190】 哺乳類細胞系により生成される外来性タンパク質を発現し、そして回収するた
めの一般的方法は、例えばEtcheverry, “Expression of Engineered Proteins
in Mammalian Cell Culture “in Protein Englineering: Principles and Prac
tice, Cleland など. (eds.), p163 (Wiley-Liss, Inc. 1996) により提供され
る。細菌系により生成されるタンパク質を回収するための標準技法は、例えばGr
isshammer など., “Purification of Over-Produced proteins from E.coli ce
lls “in DNA Cloning 2: Expression Systems, 2nd Edition, Glover など. (e
ds.), p.59-92 (Oxford University Press 1995) により提供される。バキュロ
ウィルス系から組換えタンパク質を単離するための確立された方法は、Richards
on (ed.), Baculovirus Expression Protocols (The Humana Press, Inc. 1995)
により記載される。
【0191】 他方では、本発明のポリペプチドは、独占的固相合成、部分固相方法、フラグ
メント縮合又は従来の溶液合成により合成され得る。それらの合成方法は、当業
者に良く知られている(例えば、Merrifield, J. Am. Chem. Soc. 85: 2149 (19
63), Stewart et al., “Solid Phase Peptide Synthesis” (2nd Edition), (P
ierce Chemical Co. 1984), Bayer and Rapp, Chem. Pept. 3.3 (1986). Athert
on など., Solid Phase Peptide Synthesis: A Practical Approach (IRL Press
1989). Fields and Colowick, “Solid-Phase Peptide Synthesis.” Methods
in Enzymology Volume 289 (Academic Press 1997), 及び Lloyd-Williams な
ど., Chemical Approaches to the Synthesis of Peptides and Proteins (CRC
Press, Inc. 1997)を参照のこと)。
【0192】 全体的な化学合成方法、例えば“生来の化学的連結”及び“発現されたタンパ
ク質連結”における変動性もまた標準である(例えば、Dawsonなど., Science 2
66: 776 (1994), Hackengなど., Proc. Natl. Acad. Sci. USA94: 7845 (1997),
Dawson, Methods Enzymol. 287: 34 (1997), Muir など., proc. Natl. Acad.
Sci. USA95: 6705 (1998),及び Severinov and Muir, J. Biol. Chem. 273: 162
05 (1998)を参照のこと)。
【0193】 本発明のペプチド及びポリペプチドは、配列番号2の少なくとも6個、少なく
とも9個又は少なくとも15個の連続したアミノ酸残基を含んで成る。例示のよう
に、ポリペプチドは、次ぎの配列番号2のアミノ酸配列のいずれかの少なくとも
6個、少なくとも9個又は少なくとも15個の連続したアミノ酸残基を含んで成る
:アミノ酸残基21−231、アミノ酸残基21−210、アミノ酸残基22−231、アミノ
酸残基22−210、アミノ酸残基22−108、アミノ酸残基112−210、及びアミノ酸残
基21−110。本発明の1つの態様においては、ポリペプチドは、それらのアミノ
酸配列の20個,30個,40個,50個,100個又はそれ以上の連続した残基を含んで
成る。そのようなペプチド及びポリペプチドをコードする核酸分子は、ポリメラ
ーゼ鎖反応プライマー及びプローブとして有用である。
【0194】 さらに、Zcytor16ポリペプチドは、高等真核生物細胞内でモノマー、ホモダイ
マー、ヘテロダイマー又はマルチマーとして発現され得る。そのような細胞は、
少なくともZcytor16ポリペプチド(“Zcytor16−含有受容体”、又は“Zcytor16
−含有受容体ポリペプチド”)を含んで成る、Zcytor16モノマー、ホモダイマー
、ヘテロダイマー及びマルチマー受容体ポリペプチドを生成するために使用され
得るか、又はスクリーニングシステムにおいてアッセイ細胞として使用され得る
。本発明の1つの観点においては、Zcytor16細胞外ドメインを含んで成るホン発
明のポリペプチドは、培養された細胞により生成され、そして前記細胞は、天然
のリガンドを包含する、受容体のためのリガンド、及び天然のリガンドのアゴニ
スト及びアンタゴニストについてスクリーンするために使用される。
【0195】 このアプローチを要約するために、受容体をコードするcDNA又は遺伝子が、そ
の発現のために必要とされる他の遺伝子要素(例えば、転写プロモーター)と共
に組合され、そしてその得られる発現ベクターが宿主細胞中に挿入される。DNA
を発現し、そして機能的受容体を生成する細胞が選択され、そして種々のスクリ
ーニングシステム内に使用される。モノマー、ホモダイマー、ヘテロダイマー及
びマルチマー受容体複合体の個々の成分が、同じ細胞において発現され得る。さ
らに、前記モノマー、ホモダイマー、ヘテロダイマー及びマルチマー受容体複合
体の成分が、上記のように、トランスフェクトの複雑なアセンブリー及びスクリ
ーニングを可能にするために、トランスメンブランドメイン又は他の膜融合成分
に融合され得る。
【0196】 Zcytor16受容体の発現及び受容体−介在性シグナルのトランスダクションへの
使用のために適切な哺乳類細胞は、Zcytor16と共に機能的な複合体を形成できる
他の受容体サブユニットを発現する細胞を包含する。それらのサブユニットは、
インターフェロン受容体ファミリーの、又は他のクラスI又はクラスIIサイトカ
イン受容体、例えばCRF2−4(Genbank受託番号Z17227号)、IL−10R(Genbank受
託番号第U00672号及びNM001558号)、Zcytor11(アメリカ特許第5,965,704号)
、Zcytor7(アメリカ特許第5,945,511号)及びIL−9Rのそれらのサブユニットを
包含することができる。
【0197】 発現されるべき受容体と同じ種からの細胞を使用することがまた好ましい。好
ましい態様においては、細胞は、その増殖のための外来性供給造血成長因子に依
存する。このタイプの好ましい細胞系は、GM−CSF−依存性ヒト白血病細胞系で
ある、ヒトTF−1細胞系(ATCC番号CRL−2003)及びAML−193細胞系(ATCC番号C
RL−9589)、及びIL−3依存性ネズミプレ−B細胞系であるBaF3(Palacios and S
teinmetz, Cell41: 727-734 (1985))である。
【0198】 適切な宿主細胞が、必要な受容体サブユニット、又は所望する細胞応答のため
に必要とされる他の細胞成分を生成するために構築され得る。このアプローチは
、細胞系がいずれかの種からの受容体サブユニットを発現するために構築され得
、それにより、種特異性から生じる可能性ある限界を克服するので、好都合であ
る。ヒト受容体cDNAの種オルト体がクローン化され、そして同じ種からの細胞系
、例えばBaF3細胞系におけるマウスcDNA内に使用され得る。従って、1つの造血
成長因子、例えばGM−CSF又はIL−3に依存する細胞系が、Zcytor16受容体、例え
ばIL−TIFを通して作用するもう1つのサイトカインに依存するように成るよう
構築され得る。
【0199】 機能的受容体を発現する細胞が、スクリーニングアッセイ内に使用される。種
々の適切な通常のアッセイは、当業界において良く知られている。それらのアッ
セイは、標的細胞における生物学的反応の検出に依存する。1つのそのようなア
ッセイは、細胞増殖アッセイである。細胞は、試験化合物の存在又は不在下で培
養され、そして細胞増殖は、例えばトリチウム化されたチミジンの組み込みを測
定することにより、又は3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,
5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)(Mosman, J. Immunol. Meth. 6
5: 55-63, 1983)の代謝性分解に基づく比色分析により検出される。
【0200】 他のアッセイ型は、レポーター遺伝子を発現するよう、さらに構築される細胞
を用いる。レポーター遺伝子は、レポーター−連結経路に応答するプロモーター
要素に連結され、そしてアッセイは、レポーター遺伝子の転写の活性化を検出す
る。これに関しての好ましいプロモーター要素は、血清応答要素、又はSREであ
る(例えば、Shawなど., Cell 563-572, 1989を参照のこと)。好ましいそのよ
うなレポーター遺伝子は、ルシフェラーゼ遺伝子である(de Wetなど., Mol. Ce
ll. Biol. 7: 1987)。
【0201】 ルシフェラーゼ遺伝子の発現は、当業界において知られている方法を用いて発
光により検出される(Baumgartnerなど., J. Biol. Chem. 269: 19094-29101, 1
994; Schenborn and Goiffin, Promega Notes 41; 11, 1993)。ルシフェラーゼ
アッセイキットは、例えばPromega Corp., Madison, WIから市販されている。こ
の型の標的細胞系は、化学物質、細胞−ならし培養培地、菌類ブイヨン、土壌サ
ンプル、水サンプル及び同様のもののライブラリーをスクリーンするために使用
され得る。
【0202】 例えば、細胞−ならし培地サンプルのバンクが、リガンドを生成する細胞を同
定するために標的細胞に対してアッセイされ得る。次に、陽性細胞が、プールに
分けられ、宿主細胞中にトランスフェクトされ、そして発現される、哺乳類細胞
発現ベクターにおいてcDNAライブラリーを生成するために使用される。次にトラ
ンスフェクトされた細胞からの培地サンプルがアッセイされ、続くプールの分割
、トランスフェクション、継代培養、及び陽性細胞の再アッセイが伴ない、リガ
ンドを発現するクローン細胞系が単離され得る。
【0203】 Zcytor16受容体のための天然のリガンドはまた、十分な長さの受容体又は受容
体融合体(例えば、トランスメンブランに融合されるZcytor16細胞外ドメイン、
及びもう1つのサイトカイン受容体のシグナル化ドメインを含んで成る)を含ん
で成る細胞系を突然変異誘発し、そしてそれを、オートクライン増殖を選択する
条件下で培養することによって同定され得る。WIPO公開WO95/21930号を参照のこ
と。典型的な方法においては、Zcytor16及び必要な追加のサブユニットを発現す
るIL−3依存性BaF3細胞が、例えば2−メチルメタンスルホネート(EMS)により
突然変異誘発される。
【0204】 次に、細胞が、IL−3の存在下で回収され、そしてIL−3及びIL−4を欠いてい
る培養培地に移される。生存細胞が、可溶性受容体を培養培地に添加するか、又
は野生型BaF3細胞及び受容体を発現するBaF3細胞に基づいてならし培地をアッセ
イすることによって、Zcytor16リガンド(例えば、IL−TIF)の生成についてス
クリーンされる。この方法を用いて、IL−TIFを発現する細胞及び組織が同定さ
れ得る。
【0205】 さらに、いくつかのIL−TIF応答細胞系が知られており(Dumontierなど., J.
Immunol. 164: 1814-1819, 2000; Dumoutier, L. など., Proc. Nat’l. Acad.
Sci. 97: 10144-10149, 2000; Xie MHなど., J. Biol. Chem. 275: 31335-31339
, 2000; Kotenko SVなど., JBC in press), そしてIL−TIF受容体サブユニット
Zcytor11を発現するそれらの細胞も知られている。例えば、次の細胞が、IL−TI
Fに対して応答性である:TK−10(Xie MHなど., 前記)(ヒト腎癌);SW480(A
TCC No. CCL-228)(ヒト結腸腺癌);HepG2(ATCC No. HB-8065)(ヒト肝癌)
;PC12(ATCC No. CRL-1721)(ネズミニューロン細胞モデル;ラット褐色細胞
腫);及びMES13(ATCC No. CRL-1927)(ネズミ腎糸球体間質細胞系)。
【0206】 さらに、Zcytor11(IL−TIF受容体)を発現する次のいくつかの細胞系がまた
、IL−TIFに対する応答細胞のための候補体でもある:A549(ATCC No. CCL-185
)(ヒト肺癌);G−361(ATCC No. CRL-1424)(ヒト黒色腫);及びCaki−1(ATCC
No. HTB-46)(ヒト腎癌)。それらの細胞は、IL−TIFアンタゴニスト又は抗−炎
症因子としてZcytor16の官能性を評価するためにアッセイにおいて使用され得る
【0207】 本発明により提供される追加のスクリーニングアプローチは、ハイブリッド受
容体ポリペプチドの使用を包含する。それらのハイブリッドポリペプチドは、2
種の一般的な種類に分類される。第1の種類においては、Zcytor16の細胞内ドメ
インが、第2受容体のリガンド−結合ドメインに連結される。好ましくは、第2
受容体は、造血サイトカイン受容体、例えばmpl受容体である(Souyriなど., Ce
ll63: 1137-1147, (1990))。ハイブリッド受容体はさらに、いずれかの受容体
に由来するトランスメンブランドメインを含んで成る。
【0208】 次にハイブリッド受容体をコードするDNA構造体が宿主細胞中に挿入される。
ハイブリッド受容体を発現する細胞が、結合ドメインのためのリガンドの存在下
で培養され(例えば、mpl受容体細胞外ドメインが使用される場合、TPO)、そし
て応答についてアッセイされる。このシステムは、容易に入手できるリガンドを
用いて、Zcytor16により介在されるシグナルトランスダクションを分析するため
の手段を提供する。このシステムはまた、特定の細胞系が本発明のZcytor16モノ
マー、ホモダイマー、ヘテロダイマー及びマルチマー受容体によりトランスダク
トされるシグナルに対して応答できるかどうかを決定するためにも使用され得る
【0209】 第2種類のハイブリッド受容体ポリペプチドは、第2受容体、好ましくは造血
サイトカイン受容体の細胞内ドメイン及びトランスメンブランドメインと共に、
Zcytor16の細胞外(リガンド結合)ドメイン(配列番号2の残基22−231;配列
番号13)を含んで成る。この第2種類の本発明の受容体のハイブリッドZacytor1
1モノマー、ホモダイマー、ヘテロダイマー及びマルチマーが、前記第2受容体
によりトランスダクトされるシグナルに対して応答できることが知られている細
胞において発現される。
【0210】 さらに、それらの2種の種類のハイブリッド受容体は、IL−TIFを検出するた
めのアッセイの開発のための応答性細胞型の同定を可能にする。さらに、そのよ
うな細胞は、競争型アッセイにおいて本発明の可溶性受容体アンタゴニストをア
ッセイするためにIl−TIFの存在下で使用され得る。そのようなアッセイにおい
ては、本発明の可溶性受容体の存在下でIL−TIFの増殖又はシグナルトランスダ
クション活性の低下は、アンタゴニスト活性を示す。さらに、IL−TIF−可溶性
受容体結合アッセイはまた、可溶性受容体がIL−TIF活性を拮抗するかどうかを
評価するためにも使用され得る。
【0211】 7.Zcytor 16融合タンパク質及び接合体の生成: 1つの一般的な種類のZcytor 16類似体は、本明細書に開示されるアミノ酸配
列の突然変異であるアミノ酸配列を有する変異体である。もう1つの一般的種類
のZcytor 16類似体は、下記のように、抗−イディオタイプ抗体及びそのフラグ
メントにより供給される。さらに、抗−イディオタイプの可変ドメインを含んで
成る組換え抗体が、類似体として使用され得る(例えば、Monfardiniなど., pro
c. Assoc. Am. Physicians 108: 420 (1996) を参照のこと)。
【0212】 抗−イディオタイプZcytor 16抗体の可変ドメインはZcytor 16を模倣するので
、それらのドメインは、Zcytor 16結合活性を提供することができる。、抗−イ
ディオタイプ触媒性抗体を生成するための方法は、当業者に知られている(例え
ば、Joronなど., Ann. N. Y. Acad. Sci. 672:216(1992), Fribouletなど., App
l. Biochem. Biotechnol. 47:229(1994),及びAvalleなど., Ann. N. Y. Acad. S
ci.864:118(1998)を参照のこと)。
【0213】 Zcytor 16類似体を同定するもう1つのアプローチは、結合ライブラリーの使
用により提供される。ファージ表示及び他の結合ライブラリーを構成し、そして
スクリーニングする方法は、例えばKayなど., Phage Display of Peptide and P
roteins (Academic Press 1996), Verdine, アメリカ特許第5,783,384号、Kay,
など., アメリカ特許第5,747, 334号及びKauffmanなど., アメリカ特許第5,723,
323号号により提供される。 Zcytor 16ポリペプチドは、インビボ及びインビトロの両者において使用され
る。例示として、Zcytor 16の可溶形が、培養された細胞により生成されるZcyto
r 16リガンドの効果を阻害するために、細胞培養培地に添加され得る。
【0214】 Zcytor 16の融合タンパク質は、組換え宿主においてZcytor 16を発現するため
に、そして発現されたZcytor 16を単離するために使用され得る。下記に記載さ
れるように、特定のZcytor 16融合タンパク質はまた、診断及び治療にも使用さ
れる。1つのタイプの融合タンパク質は、組換え宿主細胞からのZcytor 16ポリ
ペプチドを案内するペプチドを含んで成る。Zcytor 16ポリペプチドを、真核細
胞の分泌経路中に方向づけるためには、分泌シグナル配列(また、シグナルペプ
チド、リーダー配列、プレプロ配列又はプレ配列としても知られている)が、Zc
ytor 16発現ベクターに供給される。
【0215】 分泌シグナル配列はZcytor 16に由来するが、適切なシグナル配列はまた、も
う1つの分泌されたタンパク質から誘導されるか、又は新たに合成され得る。分
泌シグナル配列は、Zcytor 16−コード配列に操作可能的に連結され、すなわち
2つの配列は正しく読み取り枠を整合して連結され、そして宿主細胞の分泌経路
中に新しく合成されたポリヌクレオチドを方向づけるように配置される。分泌シ
グナル配列は通常、興味あるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の5’
側に位置するが、但し一定の分泌シグナル配列は、興味あるヌクレオチド配列の
他の場所に位置することもできる(例えば、Welchなど.,アメリカ特許第5,037,7
43号;Hollandなど., アメリカ特許第5,143,830号を参照のこと)。
【0216】 Zcytor 16又は哺乳類細胞により生成されるもう1つのタンパク質(例えば、
アメリカ特許第5,641,655号に記載されるような組織タイプのプラスミノーゲン
活性化因子シグナル配列)は、組換え哺乳類宿主におけるZcytor 16の発現のた
めに有用であるが、酵母シグナル配列は、酵母細胞における発現のために有用で
ある。適切な酵母シグナル配列の例は、酵母対合現象α−因子(MFα1遺伝子に
よりコードされる)、インバーターゼ(SUC2遺伝子によりコードされる)又は酸
性ホスファターゼ(PHO遺伝子によりコードされる)に由来するそれらのもので
ある。例えば,Romanos など., “Expression of Cloned Genes in Yeast” in
DNA Cloning 2: A Practical Approach, 2nd Edition, Glover and Hames (eds.
), p.123-167 (Oxford University Press 1995) を参照のこと。
【0217】 Zcytor16モノマー、ホモダイマー、ヘテロダイマー及びマルチマー受容体ポリ
ペプチドは、細胞外ドメイン、例えば配列番号13、配列番号2のアミノ酸22−21
0又は非ヒト受容体のその対応する領域をコードする切断されたDNAを発現するこ
とによって調製され得る。好ましくは、細胞外ドメインポリペプチドは、トラン
スメンブラン及び細胞内ポリペプチドセグメントを実質的に有さない形で調製さ
れ得る。宿主細胞からの受容体ドメインの輸送を方向づけるために、受容体DNA
が、分泌ポリペプチド、例えばt-PA分泌ペプチドをコードする第2DNAセグメン
トに連結される。
【0218】 分泌された受容体ドメインの精製を促進するためには、C−末端拡張、例えば
ポリ−ヒスチジン標識、物質P, FlagTM ペプチド(Hoppなど., Biotechnology 6
: 1204-1210, (1988); Eastman Kodak Co., New Haven, CTから入手できる)、
又は抗体又は他の特異的結合剤が入手できるもう1つのポリペプチド又はタンパ
ク質が、受容体ポリペプチドに融合され得る。さらに、ヘテロダイマー及びマル
チマー非−Zcytor16サブユニット細胞外サイトカイン結合ドメインがまた、上記
のようにして調製される。
【0219】 他のアプローチにおいては、Zcytor16の受容体細胞外ドメイン又は他のクラス
I又はIIサイトカイン受容体成分が、免疫グロブリンH鎖不変領域、典型的には、
2種の不変領域ドメイン及びヒンジ領域を含むが、しかし可変領域を欠いている
Fcフラグメントとの融合体として発現され得る(Slodziewski, AZなど., アメリ
カ特許第6,018,026号及び第5,750,375号を参照のこと)。本発明の可溶性Zcytor
16、可溶性Zcytor16/CRF2-4ヘテロダイマー、及びモノマー、ホモダイマー、ヘ
テロダイマー及びマルチマーポリペプチドは、そのような融合体を包含する。そ
のような融合体は典型的には、マルチマー分子として分泌され、ここでFc部分は
お互いジスルフィド結合され、そして2種の受容体ポリペプチドがお互い密接し
て整列される。
【0220】 このタイプの融合は、リガンドを特異的に滴定することによってインビトロで
シグナルを阻止するために、インビトロアッセイ手段として、そして循環リガン
ドを結合し、そしてそれを循環からクリアランスするために、それらを非経口投
与することによって、インビボでのアンタゴニストとして、溶液から同起源のリ
ガンドを親和性精製するために使用され得る。リガンドを精製するために、Zcyt
or16−Igキメラが、リガンドを含むサンプル(例えば、細胞ならし培養培地又は
組織抽出物)に、受容体−リガンド結合を促進する条件(典型的には、ほぼ生理
学的温度、pH及びイオン強度)下で、添加される。次に、キメラ−リガンド複合
体が、固体支持体(例えば、不溶性樹脂ビーズ)上に固定されるタンパク質Aを
用いて、混合物により分離される。次に、リガンドが、従来の化学的技法を用い
て、例えば塩又はpHグラジエントにより溶離される。
【0221】 他の手段においては、キメラ自体が、上記のようにして行われる結合及び溶離
により、固体支持体に結合され得る。前記キメラ、急性期応答、例えば血清アミ
ロイドA(SAA)、C−反応性タンパク質(CRP)及び同様のものを包含する炎症性
応答を調節するためにインビボで使用され得る。高い結合親和性を有するキメラ
は、非経口(例えば、筋肉内、皮下又は静脈内注射による)投与される。循環分
子は、リガンドを結合し、そして通常の生理学的工程により循環からクリアラン
スされる。アッセイへの使用のために、キメラは、Fc領域を通して支持体に結合
され、そしてELISA型に使用される。
【0222】 本発明はさらに、1又は複数のポリペプチド融合体を含んで成る、種々の他の
ポリペプチド融合体及び関連するマルチマータンパク質を提供する。例えば、可
溶性Zcytor16受容体又は可溶性Zcytor16ヘテロダイマーポリペプチド、例えば可
溶性Zcytor16/CRF2-4は、アメリカ特許第5,155,027号及び第5,567,584号に開示
されるように、二量体化するタンパク質への融合体として調製され得る。これに
関しての好ましい二量体化するタンパク質は、免疫グロブリン不変領域ドメイン
、例えばIgGγ1及びヒトκL鎖を包含する。免疫グロブリン−可溶性Zcytor16受
容体又は免疫グロブリン−可溶性Zcytor16ヘテロダイマー又はマルチマーポリペ
プチド、例えば免疫グロブリン−可溶性Zcytor16/CRF2-4融合体は、種々のマル
チマーZcytor16受容体類似体を生成するために、遺伝子的に構築された細胞にお
いて発現され得る。
【0223】 補助ドメインは、可溶性Zcytor16受容体又は可溶性Zcytor16へテロダイマー又
はマルチマーポリペプチド、例えば可溶性Zcytor16/CRF2-4に、それらを特定の
細胞、組織又は高分子(例えば、コラーゲン、又はZcytor16リガンド、IL−TIF
を発現する細胞)に標的化するために融合さえ得る。Zcytor16ポリペプチドは、
複数の成分、例えば精製及び標的化ドメインのための親和性標識に融合され得る
。ポリペプチド融合体はまた、特にドメイン間に1又は複数の切断部位を含むこ
とができる。Tuanなど., Connective Tissue Research 34: 1-9, 1996 を参照の
こと。
【0224】 細菌細胞においては、毒性を低め、安定性を高め、そして発現されたタンパク
質の回収性を高めるために、異種タンパク質を融合タンパク質として発現するこ
とが、しばしば所望される。例えばZcytor16は、グルタチオンS−トランスフェ
ラーゼポリペプチドを含んで成る融合タンパク質として発現され得る。グルタチ
オンS−トランスフェラーゼ融合タンパク質は、典型的には、可溶性であり、そ
して固定されたグルタチオンカラム上でE. コリ融解物から容易に精製できる。
類似するアプローチにおいては、マルトース結合タンパク質ポリペプチドを含ん
で成るZcytor16融合タンパク質は、アミロース樹脂カラムにより単離され得、そ
して切断されたタンパク質A遺伝子のC−末端を含んで成る融合タンパク質は、Ig
G−セファロースを用いて精製され得る。
【0225】 細菌細胞において異種ポリペプチドを、融合タンパク質として発現するために
確立された技法は、Williamsなど., “Expression of Foreign Proteins in E.
coli Using Plasmid Vectors and Purification of Specific Polyclonal Antib
odies”, in DNA Cloning 2: A Practical Approach, 2nd Edition, Glover and
Hames (Eds.), p.15-58 (Oxford University Press 1995) により記載される。
さらに、市販の発現システムが利用できる。例えば、PINPOINT Xaタンパク質精
製システム(Promega Corporation, Madison, WI)は、アビジンを含んで成る樹
脂により、発現の間、ビオチニル化されるポリペプチドを含んで成る融合タンパ
ク質を単離するための方法を提供する。
【0226】 原核又は真核細胞により発現される異種ポリペプチドを単離するために有用で
あるペプチド標識は、ポリヒスチジン標識(ニッケル−キレート化樹脂に対する
親和性を有する)、c-myc標識、カルモジュリン結合タンパク質(カルモジュリ
ン親和性クロマトグラフィーにより単離される)、物質P, RYIRS 標識(抗−RYI
RS抗体と結合する)、Gln−Gln標識及びFLAG標識(抗−FLG抗体と結合する)を
包含する。例えば、Luoなど., Srch. Biochem. Biophys. 329: 215 (1996), Mor
ganti など., Biotechnol. Appl. Biochem. 23: 67 (1996), 及びZhengなど., G
ene 186: 55 (1997) を参照のこと。そのようなペプチド標識コードする核酸分
子は、例えばSigma−Aldrich Corporation (St. Louis, MO) から入手できる。
【0227】 本発明はまた、分泌経路中に他のポリペプチドを方向づけるために本発明のZc
ytor16ポリペプチドに含まれる分泌シグナル配列の使用を企画する。配列番号2
のアミノ酸残基1〜21又は1〜22に由来する分泌シグナル配列が当業界において
知られており、そして本明細書に開示される方法を用いてもう1つのポリペプチ
ドに操作可能的に連結されるシグナル融合ポリペプチドが製造され得る。本発明
の融合ポリペプチドに含まれる分泌シグナル配列は好ましくは、分泌路中に追加
のペプチドを方向づけるためにその追加のペプチドにアミノ末端的に融合される
。そのような構造体は、当業界において知られている多くの用途を有する。例え
ば、それらの新規の分泌シグナル配列融合構造体は通常分泌されないタンパク質
の活性成分、例えば受容体の分泌を方向づけることができる。
【0228】 そのような融合は、分泌路を通してペプチドを方向づけるためにインビボ又は
インビトロで使用され得る。後者に関して、典型的なポリペプチドは、医薬的活
性の分子、例えば第VIIa因子、プロインスリン、インスリン、卵胞刺激ホルモン
、組織タイプのプラスミノーゲン活性化因子、腫瘍壊死因子、インターロイキン
(例えば、インターロイキン−(IL−I)〜IL−15)、コロニー刺激因子(例え
ば、顆粒球−コロニー刺激因子(G−CSF)及び顆粒球マクロファージ−コロニー
刺激因子(GM−CSF))、インターフェロン(例えば、インターフェロン−α、
−β、−γ、−ω、−δ、−τ及び−ε)、幹細胞増殖因子、例えば“SI因子”
、エリトロポエチン及びトロンボポエチンを包含する。本発明の融合ポリペプチ
ドに含まれるZcytor16分泌シグナル配列は好ましくは、追加のペプチドを分泌経
路中に方向づけるために、その追加のペプチドにアミノ末端融合される。Zcytor
16分泌シグナル配列を含んで成る融合タンパク質は、標準の技法を用いて構成さ
れ得る。
【0229】 もう1つの形の融合タンパク質は、Zcytor16ポリペプチド、及び2又は3個の
複領域ドメイン及びヒンジ領域を含むが、しかし可変領域を欠いている免疫グロ
ブリンH鎖不変領域、典型的なFcフラグメントを含んで成る。例示のように、Cha
ng など., (アメリカ特許第5,723,125号) は、ヒトインターフェロン及びヒト免
疫グロブリンFcフラグメントを含んで成る融合タンパク質を記載する。インター
フェロンのC−末端は、ペプチドリンカー成分によりFcフラグメントのN−末端に
連結される。ペプチドリンカーの例は、免疫学的に不活性であるT細胞不活性配
列を主に含んで成るペプチドである。典型的なペプチドリンカーは、アミノ酸配
列:GGSGG SGGGG SGGGG S (配列番号4) を有する。
【0230】 融合タンパク質においては、好ましいFc成分は、溶液において安定性であり、
そして活性を活性化する補体をほとんど有さないか又は完全に有さないヒトγ鎖
である。従って、本発明はZcytor16成分及びヒトFcフラグメントを含んで成るZc
ytor16融合タンパク質を企画し、ここで前記Zcytor16成分のC−末端は、ペプチ
ドリンカー、例えば配列番号4のアミノ酸配列から成るペプチドを通してFcフラ
グメントのN−末端に結合される。Zcytor16成分は、Zcytor16分子又はそのフラ
グメントであり得る。例えば、融合タンパク質は、配列番号2のアミノ酸残基22
〜210及びFcフラグメント(例えば、ヒトFcフラグメント)を含んで成る。
【0231】 もう1つの態様においては、Zcytor16融合タンパク質は、IgG配列、IgG Zcyto
r16のアミノ酸末端に共有結合されるZcytor16成分、及びZcytor16のアミノ酸末
端に共有結合されるシグナルペプチドを含んで成り、ここで前記IgG配列は、次
の順序での次の要素から成る:CH2ドメイン及びCH3ドメイン。従って、IgG配列
はCH1ドメインを欠いている。Zcytor16成分は、本明細書に記載されるように、Z
cytor16活性、例えばZcytor16リガンドと結合する能力を示す。抗体及び非抗体
部分の両者を含んで成る融合タンパク質を生成するこの一般的なアプローチは、
LaRochelleなど., ヨーロッパ特許第742830号(WO95/21258号)により記載され
ている。
【0232】 Zcytor16成分及びFc成分を含んで成る融合タンパク質は、インビトロアッセイ
手段として使用され得る。例えば生物学的サンプルにおけるZcytor16リガンドの
存在は、Zcytor16−免疫グロブリン融合タンパク質を用いて検出され得、ここで
Zcytor16成分は、前記リガンド、及び高分子、例えばタンパク質A又は抗−Fc抗
体を結合するために使用され、すなわち固体支持体に融合タンパク質を結合する
ために使用される。さらに、そのようなシステムは、Zcytor16リガンドのその受
容体への結合を妨害するアゴニスト及びアンタゴニストを同定するために使用さ
れ得る。
【0233】 抗体融合タンパク質の他の例は、抗原−結合ドメイン、及びZcytor16細胞外ド
メインを含むZcytor16フラグメントを含んで成るポリペプチドを包含する。その
ような分子は、Zcytor16結合活性の有益性のための特定の組織を標的化するため
に使用され得る。
【0234】 本発明はさらに、種々の他のポリペプチド融合体を提供する。例えば、生物学
的機能を付与するドメインの一部又はすべては、サイトカイン受容体ファミリー
の他のメンバーからの機能的に同等のドメインにより本発明のZcytor16間で置換
され得る。ポリペプチド融合体は、Zcytor16融合類似体を生成するために、組換
え宿主細胞において発現され得る。Zcytor16ポリペプチドは、複数の成分又はド
メイン、例えば精製の親和性標識及び標的化ドメインに融合され得る。ポリペプ
チド融合体はまた、特にドメイン間での1又は複数の切断部位を含むことができ
る。例えば、Tuanなど., Connective Tissue Research 34; 1(1996) を参照のこ
と。
【0235】 融合タンパク質は、その融合タンパク質の個々の成分を調製し、そしてそれら
を化学的に接合することによって、当業者に知られている方法により調製され得
る。他方では、正しく読み取り枠を整合して融合タンパク質の両成分をコードす
るポリヌクレオチドは、既知の技法を用いて生成され、そして本明細書に記載さ
れる方法により発現され得る。融合タンパク質の酵素的及び化学分解のための一
般的な方法は、例えばAusubel(1995)、p. 16-19〜16−25により記載される。
【0236】 Zcytor16ポリペプチドは、Zcytor16リガンドを同定し、そして単離するために
使用される得る。例えば、本発明のタンパク質及びペプチドが、カラム上に固定
され、そしてカラム上で作動する生物学的サンプルからのリガンドを結合するた
めに使用され得る(Hermansonなど. (eds.), Immobilized Affinity Ligand Tec
hniques, P. 195-202 (Academic Press 1992))。それ自体、本発明のZcytor16
ポリペプチドは、診断又は生成のためにIL−TIFを同定し、そして単離するため
に使用され得る。
【0237】 受容体リガンドとして、Zcytor16ポリペプチドの活性が、受容体結合及び続く
生理学的細胞応答に関連する、細胞外酸性化速度又はプロトン排泄を測定する、
珪素に基づくバイオセンサーのマイクロフィジオメーターにより測定され得る。
典型的な装置は、Molecular Devices, Sunnyvale, CAにより製造されるCytosens
orTM マイクロフィジオメーターである。種々の細胞応答、例えば細胞増殖、イ
オン輸送、エネルギー生成、炎症応答、調節及び受容体活性化及び同様のものが
、この方法により測定され得る。
【0238】 例えば、McConnell, H.M.など., Science 257:1906-1912, 1992; Pitchford,
S. など., Meth. Enzymol. 228: 84-108, 1997: Arimilli, S. など., J. Immu
nol. Meth. 212: 49-59, 1998; Van Liefde, I. など., Eur. J. Pharmacol. 34
6: 87-95, 1998を参照のこと。さらに、マイクロフィジオメーターは、付着性又
は非付着性真核又は原核細胞をアッセイするために使用され得る。時間にわたっ
ての細胞培地における細胞外酸性化変化を測定することによって、マイクロフィ
ジオメーターは、種々の刺激に対する細胞応答、例えばZcytor16のアゴニスト、
リガンド又はアンタゴニストを直接的に測定する。
【0239】 例えば、マイクロフィジオメーターは、Zcytor16ポリペプチドを発現しない対
照の真核宿主に比較して、Zcytor16−発現真核細胞の応答を測定するために使用
され得る。Zcytor16−調節刺激に対して応答性の適切な細胞は、Zcytor16発現バ
クターを含んで成る組換え宿主細胞、及び天然においてZcytor16を発現する細胞
を包含する。細胞外酸性化は、Zcytor16−調節された細胞応答についての1つの
測定を提供する。さらに、このアプローチは、Zcytor16リガンド、そのアゴニス
ト及びアンタゴニストを同定するために使用され得る。例えば、分子は、Zcytor
16ポリペプチドを発現する細胞を供給し、前記細胞の第1部分を、試験化合物の
不在下で培養し、前記細胞の第2部分を、試験化合物の存在下で培養し、そして
前記第1部分と比較して、前記第2部分が細胞応答を示すかどうかを決定するこ
とによって、Zcytor16リガンドのアゴニストとして同定され得る。
【0240】 他方では、固相システムが、Zcytor16リガンド、Zcytor16リガンドのアゴニス
ト又はアンタゴニストを同定するために使用され得る。例えば、Zcytor16ポリペ
プチド又はZcytor16融合タンパク質、又はZcytor16モノマー、ホモダイマー、ヘ
テロダイマー又はマルチマー可溶性受容体が、市販のバイオセンサー装置の受容
体チップの表面上に固定され得る(BLACORE, Biacore AB; uppsala, Sweden)。
この装置の使用は、例えばkarlsson, Immunol. Methods 145:229 (1991)、及びC
unningham and Wells, J. Mol. Biol. 234:554 (1993) により開示される。
【0241】 手短には、Zcytor16ポリペプチド又は融合タンパク質は、流動細胞内の金フィ
ルムに結合されるデキストラン繊維に、アミン又はスルフヒドリル化学を用いて
、共有結合される。次ぎに、試験サンプルが、細胞を通して通される。リガンド
がサンプルに存在する場合、それは固定されたポリペプチド又は融合タンパク質
に結合し、培地の屈折率の変化を引き起こし、これが金フィルムの表面プラスモ
ン共鳴の変化として検出される。このシステムは、結合親和性が計算され得るオ
ン−及びオフ−速度の測定、及び結合の化学量論の評価を可能にする。このシス
テムはまた、抗体−抗原相互作用、及び他の補体/抗−補体対の相互作用を試験
するためにも使用され得る。
【0242】 Zcytor16結合ドメインはさらに、Zcytor16リガンドアゴニストの推定上の接触
部位アミノ酸の突然変異に関連して、核磁気共鳴、結晶学、電子回折又は光親和
性ラベリングのような技法により決定されるように、耕造体の物理的分析により
特徴づけられ得る。例えば、de Vosなど., Science 255:306 (1992), Smithなど
., J. Mol. Biol. 224:899 (1992), 及びWlodaverなど., FEBS Lett. 309: 59 (
1992) を参照のこと。
【0243】 本発明はまた、Zcytor16ポリペプチドがポリマーにより連結される、化学的に
修飾されたZcytor16組成物を企画する。例示的なZcytor16ポリペプチドは、機能
的なトランスメンブランドメインを欠いている可溶性ポリペプチド、例えば配列
番号2のアミノ酸残基22−210から成るポリペプチドである。典型的には、前記
ポリマーは、Zcytor16結合体が水性環境、例えば生理学的環境において沈殿しな
いよう水溶性である。適切なポリマーの例は、単一の反応基、例えばアシル化の
ための活性エステル、又はアルキル化のためのアルデヒドを有する修飾されてい
る1つのポリマーである。
【0244】 この場合、重合化の程度は調節され得る。反応性アルデヒドの例は、ポリエチ
レングリコールプロピオンアルデヒド、又はモノ−(C1−C10)アルコキシ、又
はそれらのアリールオキシ誘導体である(例えば、Harrisなど., アメリカ特許
第5,252,714号を参照のこと)。ポリマーは枝分かれ鎖であっても、又は枝分か
れ鎖でなくても良い。さらに、ポリマーの混合物がZcytor16接合体を生成するた
めに使用され得る。
【0245】 治療のために使用され得るZcytor16接合体は、医薬的に許容できる水溶性ポリ
マー成分を含むことができる。適切な水溶性ポリマーは、ポリエチレングリコー
ル(PEG)、モノメトキシ−PEG、モノ−(C1−C10)アルコキシ−PEG、アリール
オキシ−PEG、ポリ−(N−ビニルピロリドン)PEG、トレシルモノメトキシPEG、
PEGプロピオンアルデヒド、ビス−スクシンイミジルカーボネートPEG、プロピレ
ングリコールホモポリマー、酸化ポリプロピレン/酸化エチレンコポリマー、ポ
リオキシエチル化されたポリオール(例えば、グリセロール)、ポリビニルアル
コール、デキストラン、セルロース又は他の炭水化物基材のポリマーを包含する
。適切なPEGは、約600〜約60,000、例えば5,000、12,000及び25,000の分子量を
有することができる。Zcytor16接合体はまた、そのような水溶性ポリマーの混合
物も含むことができる。
【0246】 Zcytor16接合体の1つの例は、Zcytor16成分、及びZcytor16成分のN−末端に
結合される酸化ポリアルキル成分を含んで成る。PEGは、1つの適切な酸化ポリ
アルキルである。例示として、Zcytor16は、PEG、すなわち“PEG化”として知ら
れている方法により修飾され得る。Zcytor16のPEG化は、当業界において知られ
ているPEG化反応のいずれかにより行われ得る(例えば、ヨーロッパ特許第01543
16号、Delgadoなど., Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems
9: 249 (1992), Duncan and Spreafico, Clin. Pharmacokinet. 27: 290 (1994
) 及びFrancis など., Int, J. Hematol. 68: 1 (1998) を参照のこと)。例え
ば、PEG化は反応性ポリエチレングリコール分子によるアシル化反応又はアルキ
ル化反応により行われ得る。他のアプローチにおいては、Zcytor16接合体は、PE
Gの末端ヒドロキシ又はアミノ基が活性化されたリンカーにより置換されている
活性化されたPEGを縮合することによって形成される(例えば、Karasiewiczなど
., アメリカ特許第5,382,657号を参照のこと)。
【0247】 アシル化によるPEG化は典型的には、Zcytor16ポリペプチドとPEGの活性エステ
ル誘導体との反応を必要とする。活性化されたPEGエステルの例は、N−ヒドロキ
シスクシンイミドにエステル化されたPEGである。本明細書において使用される
場合、用語“アシル化”とは、Zcytor16と水溶性ポリマー間のタイプの結合を包
含する:アミド、カルバメート、ウレタン及び同様のもの。アシル化によるPEG
化されたZcytor16の調製方法は、典型的には、(a)Zcytor16ポリペプチドとPE
G(例えば、PEGのアルデヒド誘導体の反応性エステル)とを、1又は複数のPEG
基がZcytor16に結合する条件下で反応せしめ、そして(b)その反応生成物を得
る段階を含んで成る。
【0248】 一般的に、アシル化反応のための最適な反応条件は、既知のパラメーター及び
所望する結果に基づいて決定されるであろう。例えば、PEG:Zcytor16の比が高
いほど、ポリPEG化されたZcytor16生成物の%が高くなる。 アシル化によるPEG化の生成物は典型的には、リシンε−アミノ基がアシル結
合を通してPEG化されるポリPEG化されたZcytor16生成物である。典型的には、そ
の得られるZcytor16は、少なくとも95%、モノ−、ジ−又はトリ−ペルギレート
されるが、但し高い程度のPEG化を有するいくつかの種は、その反応条件に依存
して形成され得る。PEG化された種は、標準の精製方法、例えば透析、限外濾過
、イオン交換クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー及び同様のものを
用いて、接合されていないZcytor16ポリペプチドから分離され得る。
【0249】 アルキル化によるPEG化は一般的に、還元剤の存在下で、Zcytor16と、PEGの末
端アルデヒド誘導体との反応を包含する。PEG基は好ましくは、−CH2−NH基を通
してポリペプチドに結合される。 モノPEG化された生成物を生成するためへの還元性アルキル化を通しての誘導
体化は、誘導体化のために利用できる異なったタイプの第1アミノ基の示差反応
性を利用する。典型的には、前記反応は、リシン残基のε−アミノ基とタンパク
質のN−末端残基のα−アミノ基との間のpKa差異の利用を可能にするpHで行われ
る。そのような選択的誘導体化により、反応性基、例えばアルデヒドを含む水溶
性ポリマーのタンパク質への結合が調節される。ポリマーとの接合は、他の反応
性基、例えばリシン側鎖アミノ基の有意な修飾を伴なわないで、タンパク質のN
−末端で優先的に生じる。本発明は、Zcytor16モノポリマー接合体の実質的な調
製物を提供する。
【0250】 モノポリマーZcytor16接合体分子の実質的に均質な集団を生成するための還元
性アルキル化は、(a)Zcytor16のアミノ末端でのα−アミノ基選択的修飾を可
能にするために適切なpHでの還元性アルキル化条件下で反応性PEGとンZcytor16
ポリペプチドとを反応せしめ、そして(b)反応生成物を得る段階を含んで成る
。還元性アルキル化のために使用される還元剤は、水溶液において安定性であり
、そして好ましくは、還元性アルキル化の初期工程において形成されるSchiff塩
基のみを還元できるべきである。例示的な還元剤は、硼水素化ナトリウム、シア
ノ硼水素化ナトリウム、ジメチルアミンボラン、トリメチルアミンボラン及びビ
リジンボランを包含する。
【0251】 モノポリマーZcytor16接合体の実質的に均質な集団に関しては、還元性アルキ
ル化反応条件は、Zcytor16のN−末端への水溶性ポリマーの成分の結合を可能に
するそれらの条件である。そのような反応条件に、N−末端でのα−アミノ基と
リシンアミノ基との間のpKa差異を提供する。pHはまた、使用されるポリマー:
タンパク質の比にも影響を及ぼす。一般的に、pHが低い場合、タンパク質よりも
過剰量のポリマーが、N−末端α−基が反応性であるほど、より多くのポリマー
が最適な条件を達成するために、必要とされるので、所望される。pHが高い場合
、ポリマー:Zcytor16は、より多くの反応性基が利用できるので、高くある必要
はない。典型的には、pHは、3〜9又は3〜6の範囲内であろう。この方法は、
Zcytor16−含有ホモダイマー、ヘテロダイマー又はマルチマー可溶性受容体接合
体を製造するために使用され得る。
【0252】 考慮すべきもう1つの因子は、水溶性ポリマーの分子量である。一般的に、ポ
リマーの分子量が高いほど、より少数のポリマー分子がタンパク質に結合され得
る。PEG化反応に関しては、典型的な分量は、約2kDa〜約100kDa、約5kDa〜約50
kDa又は約12kDa〜約25kDaである。水溶性ポリマー:Zcytor16のモル比は、一般
的に、1:1〜100:1の範囲であろう。典型的には、水溶性ポリマー:Zcytor1
6のモル比は、ポリPEG化に関して、1:1〜20:1であり、そしてモノPEG化に
関しては、1:1〜5:1であろう。
【0253】 ポリペプチド及び水溶性ポリマー成分を含んで成る接合体を生成するための一
般的な方法は当業界において知られている。例えば、Karasiewiczなど., アメリ
カ特許第5,382,657号、Greewaldなど., アメリカ特許第5,738,846号、Nieforth
など., Clin. Pharmacol. Ther. 59: 636 (1996), Monkarsh など., Anal. Bioc
hem. 247: 434 (1997) を参照のこと。この方法は、Zcytor16−含有ホモダイマ
ー、ヘテロダイマー又はマルチマー可溶性受容体接合体を製造するために使用さ
れ得る。
【0254】 本発明は、本明細書に記載されるペプチド又はポリペプチドを含んで成る組成
物を企画する。そのような組成物はさらに、キャリヤーを含むことができる。前
記キャリヤーは、従来の有機又は無機キャリヤーであり得る。キャリヤーの例は
、水、緩衝液、アルコール、ポリエチレングリコール、マクロゲル、ゴマ油、ト
ウモロコシ油及び同様のものを包含する。
【0255】 8.Zcytor16ポリペプチドの単離: 本発明のポリペプチドは、汚染性高分子、特に他のタンパク質及び核酸に対し
て、少なくとも約80%の純度、少なくとも約90%の純度、少なくとも約95%の純
度、又は95%以上の純度に精製することが好ましく、そして感染性及び発熱性剤
を有さない。本発明のポリペプチドはまた、99.9%以上の純度である医薬的に純
粋な状態に精製され得る。特定の製剤においては、精製されたポリペプチドは、
他のポリペプチド、特に動物起源の他のポリペプチドを実質的に有さない。
【0256】 分別及び/又は従来の精製方法は、天然源(例えば、扁桃組織)から精製され
たZcytor16、合成Zcytor16ポリペプチド、及び組換え宿主細胞から精製された組
換えZcytor16ポリペプチド及び融合Zcytor16ポリペプチドの調製物を得るために
使用され得る。一般的に、硫酸アンモニウム沈殿及び酸又はカオトロピック剤抽
出は、サンプルの分別のために使用される。典型的な精製段階は、ヒドロキシア
パタイト、サイズ排除、FPLC及び逆相高性能液体クロマトグラフィーを包含する
。適切なクロマトグラフィー用媒体は、誘導体化されたデキストラン、アガロー
ス、セルロース、ポリアクリルアミド、特別なシリカ及び同様のものを包含する
【0257】 PEI、DEAE、QAE及びQ誘導体が好ましい。典型的なクロマトグラフィー用媒体
は、フェニル、ブチル又はオクチル基により誘導体化されたもの、例えばフェニ
ル−Sepharose FF(pharmacia),Toyopearl ブチル650(Toso Haas, Montgomeryvi
lle, PA)、オクチル−Sepharrose (Pharmacia)及び同様のもの;又はポリアク
リル樹脂、例えばAmberchrom CG71 (Toso Haas)及び同様のものを包含する。適
切な固体支持体は、ガラスビーズ、シリカ基材の樹脂、セルロース樹脂、アガロ
ースビーズ、架橋されたアガロースビーズ、ポリスチレンビーズ、架橋されたポ
リアクリルアミド樹脂及びそれらが使用される条件下で不溶性である同様のもの
を包含する。それらの支持体は、アミノ基、カルボキシル基、スルフヒドリル基
、ヒドロキシル基及び/又は炭水化物成分によるタンパク質の結合を可能にする
反応性基より変性され得る。
【0258】 カップリング化学物質の例は、臭化シアン活性化、N−ヒドロキシスクシンイ
ミド活性化、エポキシド活性化、スルフヒドリル活性化、ヒドラジド活性化及び
カルボジイミド カップリング化学物質のためのカルボキシル及びアミノ誘導体
を包含する。それらの及び他の固体媒体は当業界において良く知られており、そ
して広く使用されており、そして商業的供給者から入手できる。ポリペプチド単
離及び精製の特定方法の選択は、通常のことであり、そして選択された支持体の
性質により一部決定される。例えば、Affinity Chromatograpy: Principles & M
ethods, Pharmacia LKB Biotechnology, Uppsala, Sweden, 1988、及びDoonan,
Protein Purification Protocols (The Humana Press 1996)を参照のこと。
【0259】 Zcytor16単離及び精製における追加の変動は、当業者により調節され得る。例
えば、下記のようにして得られる抗−Zcytor16抗体は、免疫親和性精製により多
量のタンパク質を単離するために使用され得る。
【0260】 本発明のポリペプチドは、アニオン及びカチオン交換クロマトグラフィー、サ
イズ排除、及び親和性クロマトグラフィーを包含する方法の組み合わせより単離
され得る。例えば、固定された金属イオン吸着(IMAC)クロマトグラフィーが、
ヒスチジンに富んでいるタンパク質、及びポリヒスチジン標識を含んでなるそれ
らのタンパク質を精製するために使用され得る。手短に言及すれば、ゲルがまず
、二価金属イオンにより荷電され、キレートが形成される( Sulkowski, Trends
in Biochem. 3: 1−7, 1985)。ヒスチジンに富んでいるタンパク質が、使用され
る金属イオンに依存して、異なった親和性を有するこのマトリックスに吸着され
、そして競争溶出、pHの低下、又は強いキレート化剤の使用により溶出される
であろう。
【0261】 他の精製方法は、レクチン親和性クロマトグラフィー及びイオン交換クロマト
グラフィーによるグリコシル化されたタンパク質の精製を包含する(M. Deutsch
er, (ed.), Methods Enzymol. 182, 529(1990))。本発明のさらなる態様におい
ては、興味あるポリペプチド、及び親和性標識(例えばマルトース−結合タンパ
ク質、FLAG標識、Glu-Gku標識、免疫グロブリンドメイン)の融合体が、精製を
促進するために構成され得る。さらに、Zcytor16細胞外ドメインのリガンド−結
合性質が、例えばLI−TIFリガンドがカラムに結合され、そしてZcytor16−含有
受容体が結合され、そしてつづいて標準のクロマトグラフィー方法を用いて溶離
される親和性クロマトグラフィーを用いることによって開発され得る。
【0262】 Zcytor16ポリペプチド又はそのフラグメントはまた、下記のようにして、化学
合成を通して調製され得る。Zcytor16ポリペプチドは、モノマー又はマルチマー
であり得;グリコシル化されても、又はグリコシル化されなくても良く;PEG化
されても、又はPEG化されなくても良く;そして初期メチオニンアミノ酸残基を
含むことができるか、又は含まなくても良い。
【0263】 9.Zcytor16タンパク質に対する抗体の生成: Zcytor16に対する抗体は、例えば抗原として、Zcytor16発現ベクターの生成物
又は天然源から単離されたZcytor16を用いて得られる。特に有用な抗−Zcytor16
抗体は、Zcytor16を、“特異的に結合する”。抗体は、その抗体が次の2つの性
質の少なくとも1つを示す場合、特異的に結合すると思われる:(1)抗体が限
界レベルの結合活性を伴って、Zcytor16に結合し、そして(2)抗体がZcytor16
に関連するポリペプチドと有意に交差反応しない場合。
【0264】 第1の特徴に関しては、抗体は、それらが、106M-1又はそれ以上、好ましくは
107M-1又はそれ以上、より好ましくは108M-1又はそれ以上、及び最も好ましくは
109M-1又はそれ以上の結合親和性(Ka)を伴なって、Zcytor16ポリペプチド、ペ
プチド又はエピトープに結合する場合、特異的に結合する。抗体の結合親和性は
、Scatchard 分析(Scatchard, Ann. NY Acad. Sci. 51: 660 (1949))により、
当業者により容易に決定され得る。第2の特徴に関しては、抗体は、それらが、
標準のウェスターンブロット分析を用いて、Zcytor16を検出するが、しかし現在
知られているポリペプチドを検出しない場合、関連するポリペプチドと有意に交
差反応しない。既知の関連するポリペプチドの例は、既知のサイトカイン受容体
である。
【0265】 抗−Zcytor16抗体は、抗原性Zcytor16エピトープ−担持ペプチドを用いて生成
され得る。本発明の抗原性エピトープ−担持ペプチド及びポリペプチドは、配列
番号2内に含まれる、少なくとも9個、又は15〜約30個のアミノ酸の配列、又は
本明細書に開示されるもう1つのアミノ酸配列を含む。しかしながら、30〜50個
のアミノ酸、又は本発明のポリペプチドの全アミノ酸配列までのいずれかの長さ
のアミノ酸を含む、本発明のアミノ酸配列の大きな部分を含んで成るペプチド又
はポリペプチドはまた、Zcytor16と結合する抗体を誘発するためにも有用である
。所望には、エピトープ担持ペプチドのアミノ酸配列は、水性溶媒において実質
的な溶解性を提供するよう選択される(すなわち、前記配列は、比較的親水性の
残基を包含し、そして疎水性残基は好ましくは、回避される)。さらに、プロリ
ン残基を含むアミノ酸配列がまた、抗体生成のために所望される。
【0266】 例示のように、Zcytor16における可能性ある抗原性部位が、LASERGENE(DNAST
AR;Madison, WI)のPROTEANプログラム(バージョン3.14)により実効されるよ
うに、Jameson-Wolf method, Jameson and Wolf, CABIOS 4: 181, (1988) を用
いて、同定された。デフォールトパラメーター(default parameter)が、この
分析に使用された。
【0267】 Jameson−Wolf方法は、タンパク質構造予測のために6種の主要サブルーチン
を組合すことによって、可能性ある抗原決定基を予測する。手短には、Hopp−Wo
ods方法、Hoppなど., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78: 3924 (1981) が最初に
、最大の局部親水性の領域を表すアミノ酸配列を同定するために使用された(パ
ラメーター:平均7個の残基)。第2段階においては、Emini方法、Eminなど.,
J. Virolgy 55: 836 (1985) が、表面確立を計算するために使用された(パラメ
ーター:表面決定限界値(0.6)=1)。第3に、Karplus−Schultz方法、Karpl
us and Schultz, Naturwissenschaften 72: 212 (1985) が、主鎖柔軟性を予測
するために使用された(パラメーター:柔軟性限界値(0.2)=1)。
【0268】 分析の第4及び第5段階においては、二次構造の予測が、Chou-Fasmanの方法
、Chou, “Prediction of Protein Structural Classes from Amino Acid Compo
sition”, in Prediction of Protein Structure and the Principles of Prote
in Conformation, Fasman (ed.), p.549-586 (1978) を用いて、データに適用さ
れた(Chou-Fasman パラメーター:コンホメーション表=64タンパク質;β領域
限界値=105;Grrnier-Robsonパラメーター:α及びβ決定パラメーター=0)
【0269】 第6のサブルーチンにおいては、柔軟性パラメーター及び水治療/溶媒接近性
因子が、“抗原指数”として呼ばれる表面輪郭値を決定するために組合された。
最終的に、ピーク拡大機能が、抗原指数に適用され、内部領域に対する表面領域
の移動度に由来する追加の自由エネルギーを計算するために、それぞれのピーク
値の20, 40, 60又は80%を付加することによって主用表面ピークを拡大する。し
かしながら、この計算は、ヘリカル領域がほとんど柔軟性になる傾向がないので
、ヘリカル領域に存在するいずれかの主用ピークにも適用されなかった。
【0270】 この分析の結果は、配列番号2の次のアミノ酸配列が適切な抗原性ペプチドを
提供することを示した:アミノ酸24−42(“抗原性ペプチド1”)、アミノ酸24
-33 (“抗原ペプチド2”)、アミノ酸37−42(“抗原性ペプチド3”)、アミノ
酸48−55(“抗原性ペプチド4”)、アミノ酸68−81(“抗原ペプチド5”)、
アミノ酸88−97(“抗原性ペプチド6”)、アミノ酸126−132(“抗原ペプチド
7”)、アミノ酸156−165(“抗原ペプチド8”)アミノ酸178−185(“抗原性
ペプチド9”)、及びアミノ酸216−227(“抗原性ペプチド10”)。本発明は、
Zcytor16に対する抗体を生成するために抗原性ペプチド1−10のいずれか1つの
使用を企画する。
【0271】 本発明はまた、抗原性ペプチド1−10の少なくとも1つを含んで成るポリペプ
チドを企画する。 さらに、適切な抗原はまた、もう1つのクラスI又はIIサイトカイン細胞外ド
メイン、例えば可溶性Zcytor16ヘテロダイマー又はマルチマーポリペプチド、例
えば可溶性Zcytor16/CRF2−4、Zcytor16/ Zcytor11、Zcytor16/ Zcytor7、及び
同様のものを形成するそれらのドメインと組合して、Zcytor16サイトカイン結合
又は上記に開示される細胞外ドメインを含んで成るZcytor16ポリペプチドを包含
する。
【0272】 組換えZcytor16タンパク質、又は天然源から単離されたZcytor16に対するポリ
クローナル抗体は、当業者に良く知られている方法を用いて調製され得る。例え
ば、Green など., “Production of polyclonal Antisera,” in Immunochemica
l Protecols (Manson, ed.), pages 1-5 (Humana Press 1992), 及びWilliams
など., “Expression of foreign proteins in E. coli using plasmid vectors
and purification of specific polyclonal antibodies,” in DNA Cloning 2:
Expression Systems, 2nd Edition, Glover など., (eds.), page 15 (Oxford
University press 1995を参照のこと。
【0273】 Zcytor16ポリペプチドの免疫原性は、アジュバント、例えばみょうばん(水酸
化アルミニウム)又はフロイント完全又は不完全アジュバントの使用を通して高
められ得る。免疫化のために有用なポリペプチドはまた、融合ポリペプチド、例
えばZcytor16又はその一部と、免疫グロブリンポリペプチド又はマルトース結合
タンパク質との融合体を包含する。ポリペプチド免疫原は、十分な長さの分子又
はその一部であり得る。ポリペプチド部分が“ハプテン−様”である場合、その
ような部分は好都合には、免疫化のために高分子キャリヤー(例えば、カサガイ
ヘモシアニン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)又は破傷風トキソイド)に結
合されるか又は連結され得る。
【0274】 ポリクローナル抗体は典型的には、動物、例えば馬、牛、犬、鶏、ラット、マ
ウス、ウサギ、テンジュクネズミ、ヤギ又は羊において生ぜしめられるが、本発
明の抗−Zcytor16抗体はまた、ヒトに近い霊長類抗体から誘導され得る。ヒヒに
おいて診断的に及び治療的に有用な抗体を生ぜしめるための一般的な技法は、例
えばGoldenbergなど., 国際特許出願番号WO91/11465号及びLosmanなど., Int. J
. Cancer 46: 310, 1990に見出され得る。
【0275】 他方では、モノクローナル抗−Zcytor16抗体が生成され得る。特定抗原に対す
る囓歯動物モノクローナル抗体は、当業者に知られている方法により得られる(
例えば、Kohler など., Nature 256: 495 (1975), Coliga など., (eds.), Curr
ent Protocols in Immunology, Vol. 1, page 2.5.1-2.6.7 (John Wiley & Sons
1991), Picksley など., “Production of monoclonal antibodies against pr
oteins expressed in E. coli,” in DNA Cloning 2: Expression Systems, 2nd Edition, Glover など. (eds.), page 93 (Oxford University Press 1995を参
照のこと)。
【0276】 手短には、モノクローナル抗体は、Zcytor16遺伝子生成物を含んで成る組成物
をマウスに注射し、血清サンプルを除去することにより抗体生成の存在を確かめ
、B−リンパ球を得るために脾臓を除去し、ハイブリドーマを生成するために前
記リンパ球を骨髄腫細胞により融合し、ハイブリドーマをクローニングし、抗原
に対する抗体を生成する陽性クローンを選択し、抗原に対する抗体を生成するク
ローンを培養し、そしてハイブリドーマ培養物から抗体を単離することに得られ
る。
【0277】 さらに、本発明の抗−Zcytor16抗体は、ヒトモノクローナル抗体から誘導され
得る。ヒトモノクローナル抗体は、抗原攻撃に応答して特定のヒト抗体を生成す
るよう構築されたトランスジェニックマウスから得られる。この技法においては
、ヒトH鎖及びL鎖遺伝子座の要素が、内因性H鎖及びL鎖遺伝子座の標的化された
破壊を含む胚幹細胞系に由来するマウス株中に導入される。トランスジェニック
マウスは、ヒト抗原に対して特異的なヒト抗体を合成することができ、そして前
記マウスはヒト抗体−分泌性ハイブリドーマを生成するために使用され得る。ト
ランスジェニックマウスからヒト抗体を得るための方法は、Greenなど., Nat. G
enet. 7: 13, 1994, Lonberg など., Nature 368: 856, 1994, 及びTaylorなど.
, Inc. Immun. 6: 576, 1994により記載される。
【0278】 モノクローナル抗体は、種々の十分に確立された技法により、ハイブリドーマ
培養物から単離され、そして精製され得る。そのような単離技法は、プロテイン
−Aセファロースによる親和性クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフ
ィー及びイオン交換クロマトグラフィーを包含する(例えば、Coligan, page 2.
7.1-2.7.12及びpage 2.9.1^2.9.3; Bainesなど.,” Purification of Imunoglob
ulin G (IgG)”, Methods in Molecular Biology, vol, 10, p. 79-104 (The Hu
mana Press, Inc. 1992) を参照のこと)。
【0279】 特定の用途に関しては、抗−Zcytor16抗体のフラグメントを調製することが所
望される。そのような抗体フラグメントは、例えば抗体のタンパク質加水分解に
より得られる。抗体フラグメントは、従来の方法による完全な抗体のペプシン又
はパパイン消化により得られる。例示のように、抗体フラグメントは、F(ab’)2 として示される5Sフラグメントを供給するためにペプシンによる抗体の酵素分
解により生成され得る。このフラグメントはさらに、3.5S Fab’ 単価フラグメ
ントを生成するためにチオール還元剤を用いて分解され得る。任意には、その分
解反応は、ジスルフィド結合の分解に起因するスルフヒドリル基に関するブロッ
キング基を用いて行われ得る。
【0280】 他の手段としては、ペプシンを用いての酸素分解が2種の単位Fabフラグメン
ト及びFcフラグメントを直接的に生成する。それらの方法は、例えば、Goldenbe
rg, アメリカ特許第4,331,647号、Nisonoff など., Arcg Biochem. Biophys. 89
: 230, 1960, Porter, Biochem. J. 73: 119, 1959, Edelman など., in Method
s in Enzymology vol. 1, p. 422 (Academic Press 1967), 及びColigan, p. 2.
8.1-2.8.10及び2.10-2.10.4により記載される。 抗体を分解する他の方法、例えば単価L−H鎖フラグメントを形成するためへの
H鎖の分解、フラグメントの追加の分解、又は他の酵素的、化学的又は遺伝的技
法がまた、そのフラグメントが損なわれていない抗体により認識される抗原に結
合する限り、使用され得る。
【0281】 例えば、Fvフラグメントは、VH及びVL鎖の会合を含んで成る。この会合は、In
bar など., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 69: 2659, 1972により記載のように、
非共有的であり得る。他方では、可変鎖は、分子間ジスルフィド結合により連結
され、又は化学物質、例えばグルテルアルデヒドにより交差結合され得る(例え
ば、Sandhu, Crit. Rew. Biotech. 12: 437, 1992を参照のこと)。
【0282】 Fvフラグメントは、ペプチドリンカーにより連結されるVH及びVL鎖を含んで成
る。それらの一本鎖抗原結合タンパク質(scFv)は、オリゴヌクレオチドにより
連結されるVH及びVLドメインをコードするDNA配列を含んで成る構造遺伝子を構
成することによって調製される。構造遺伝子が、続いて、宿主細胞、例えばE.コ
リ中に導入される発現ベクター中に挿入される。組換え宿主細胞は、2種のVド
メインを架橋するリンカーペプチドを有する単鎖ポリペプチドを合成する。ScFv
を生成するための方法は、例えばWhitlow など., Methods: A Companion to Met
heds in Enzymology 2:97, 1991により記載される。Bird など., Science 242:4
23, 1988, Ladner など., アメリカ特許第4,946,778号、Packなど., Bio/Techno
logy 11: 1271, 1993及びSandhu, 前記も参照のこと。
【0283】 例示のように、scFvは、インビトロで、Zcytor16ポリペプチドにリンパ球を暴
露し、そしてファージ又は類似するベクターにおける抗体表示ライブラリーを選
択すること(例えば、固定された又はラベルされたZcytor16タンパク質又はペプ
チドの作用を通して)によって得られる。可能性あるZcytor16ポリペプチド結合
ドメインを有するポリペプチドをコードする遺伝子は、ファージ(ファージ表示
)又は細菌、例えばE.コリ上に表示されるランダムペプチドライブラリーをス
クリーニングすることによって得られる。前記ポリペプチドをコードするヌクレ
オチド配列は、多くの手段、例えばランダム突然変異誘発及びランダムポリヌク
レオチド合成を通して得られる。
【0284】 それらのランダムペプチド表示ライブラリーは、タンパク質又はポリペプチド
であり得る既知の標的物、例えばリガンド又は受容体、生物学的又は合成高分子
、又は有機又は無機物質と相互作用するペプチドについてスクリーンするために
使用され得る。そのようなランダム ペプチド表示ライブラリーを創造し、そし
てスクリーニングするための技法は、当業界において知られており(Ladner な
ど., アメリカ特許第5,223,409 号; Ladner など., アメリカ特許第4,946,778
号;Ladner など., アメリカ特許第5,403,484 号及びLadner など., アメリカ特
許第5,571,698 号、及びKayなど., Phage Display of Peputides and Proteins
(Academic Press, Inc. 1996))、そしてランダムペプチド表示ライブラリー及
びそのようなライブラリーをスクリーニングするためのキットは、例えばClonte
ch (Palo Alto, CA), Invitrogen Inc. (San Diego, CA), New England Biolabs
, Inc. (Beverly, MA) 及びPharmacia LKB Biotechnology Inc. (Piccataway, M
J) から市販されている。ランダムペプチド表示ライブラリーは、Zcytor16に結
合するタンパク質を同定するために、本明細書に開示されるZcytor16配列を用い
てスクリーンされ得る。
【0285】 抗体フラグメントのもう1つの形は、単一の相補性−決定領域(CDR)をコー
ドするペプチドである。CDRペプチド(“最小認識単位”)は、興味ある抗体のD
CRをコードする遺伝子を構成することによって得られる。そのような遺伝子は、
例えば抗体−生成細胞のRNAから可変領域を合成するためにポリメラーゼ鎖反応
を用いることによって調製される(例えば、Larrick など., Methods: A Compan
ion to Methods in Enzymology 2:106, (1991), Courtenay-Luck, “Genetic Ma
nipulation of Monoclonal Antibodies,” in Monoclonal Antibodies: Product
ion, Engineering and Clinical Application, Ritter など., (eds.), page 16
6 (Cambridge University Press 1995), 及びWard など., “Genetic Manipulat
ion and Expression of Antibodies,” in Monoclonal Antibodies: Principles
and Applications, Birch など., (eds.), page 137 (Wiley-Liss, Inc. 1995)
を参照のこと)。
【0286】 他方では、抗−Zcytor16抗体は、“ヒト型化”モノクローナル抗体から誘導さ
れ得る。ヒト型化モノクローナル抗体は、マウス免疫グロブリンH及びL可変鎖か
らのマウス相補的決定領域を、ヒト可変ドメイン中に移行することにより生成さ
れる。次に、ヒト抗体の典型的な残基がネズミ相対物の骨格領域において置換さ
れる。ヒト型化モノクローナル抗体に由来する抗体成分の使用は、ネズミ不変領
域の免疫原性に関連する可能性ある問題を回避する。ネズミ免疫グロブリン可変
ドメインをクローン化するための一般的な技法は、例えば、Orlandiなど., Proc
. Natl. Acad. Sci. USA 86: 3833, 1989により記載される。
【0287】 ヒト型化モノクローナル抗体を生成するための技法は、例えば、Jones など.,
Nature 321:522, 1986, Carter など., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89: 4285
, 1992, Sandhu, Crit. Rey. Biotech. 12: 437, 1992, Singer など., J. Tmmu
n. 150: 2844, 1993, Sudhir (ed.), Antibody Engineering Protocols (Humana
Press, Inc. 1995), Kelley, “Engineering Therapeutic Antibodies,” in P
rotein Engineering: Principles and Practice, Cleland など. (eds.), pages
399-434 (John Wiley & Sons, Inc. 1996), 及びQueen など., アメリカ特許第
5,693,762号(1997)により記載される。
【0288】 ポリクローナル抗−イディオタイプ抗体は、標準技法を用いて、抗−Zcytor16
抗体又は抗体フラグメントにより動物を免疫化することにより調製され得る。例
えば、Greenなど., “Production of Ployclonal Antisera” in Methods in Mo
lecular Biology: Immunochemical Protocols, Manson (ed.), P. 1-2 (Humana
Press 1992) を参照のこと。また、Coligan, 前記、p.2.4.1-2.4.7も参照のこと
。他方では、モノクローナル抗−イディオタイプ抗体は、上記の技法により、抗
−Zcytor16抗体又は抗体フラグメントを免疫原として用いて調製され得る。もう
1つの方法として、ヒト型化抗−イディオタイプ抗体又は人間に近い霊長類抗−
イディオタイプ抗体が、上記技法を用いて調製され得る。抗−イディオタイプ抗
体を調製するための方法は、例えばIrie, アメリカ特許第5,208,146号, Greene
など., アメリカ特許第5,637,677号、及びVarthakovi and Minocha, J. Gen. Vi
rol 77: 1875, 1996により記載される。
【0289】 10. 遺伝子発現および遺伝子構造を検出するためにZcytor16ポリヌクレオチド
配列の使用 生物学的試料中のZcytor16遺伝子の発現を検出するために、核酸分子を使用す
ることができる。適当なプローブ分子は、配列番号1のヌクレオチド配列または
その一部分を含んでなる二本鎖核酸分子、ならびに配列番号1のヌクレオチド配
列の補体またはその一部分を有する一本鎖核酸分子を包含する。プローブ分子は
DNA、RNA、オリゴヌクレオチド、およびその他であることができる。本明細書に
おいて使用するとき、用語「部分」は少なくとも8ヌクレオチド〜少なくとも20
またはそれより長いヌクレオチドを意味する。例示するプローブは、他のサイト
カインレセプター遺伝子中の匹敵する領域に対して低い類似性を有するZcytor16
遺伝子の領域に結合する。
【0290】 基本的アッセイにおいて、プローブとZcytor16 RNA種との間の塩基対合を促
進する温度およびイオン強度の条件下に、一本鎖核酸分子を生物学的試料から単
離されたRNAとインキュベートする。ハイブリダイゼーションした分子から非結
合プローブを分離した後、ハイブリッドの量を検出する。
【0291】 さらに、Zcytor16は脾臓特異的ポリヌクレオチドプローブ、抗Zcytor16抗体で
あり、組織中のZcytor16ポリペプチドの存在の検出を使用して、例えば、疾患性
または癌性脾臓の切除を含む手術後、脾臓組織が存在するかどうかを評価するこ
とができる。それ自体、本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、および抗体
は、手術後、例えば、脾臓癌の手術後、すべての脾臓が切除されたかを決定する
ために、補助的手段として使用することができる。このような場合において、す
べての潜在的疾患性組織を除去して、癌からの回復を最大とし、かつ再発を最小
とすることが特に重要である。好ましい態様は、in situで使用できる、 蛍光、放射能標識化、または比色的に標識化された抗体を包含する。
【0292】 その上、抗Zcytor16抗体および結合性フラグメントは、Zcytor16を特異的に発
現する細胞、例えば、単核細胞、リンパ系細胞、例えば、活性化CD4+T細胞およ
びCD19+B細胞、および本明細書に記載する他の細胞をタギングし、ソーティン
グするために使用することができる。このような細胞タギングおよびソーティン
グ法はこの分野においてよく知られている(例えば、下記の文献を参照のこと:
″Molecular Biology of the Cell″、第3版、編者、Albert、B.他(Garlan
d Publishing、London & New York、1994)。当業者は細胞を研究するため
に細胞組織型を分離する重要性、および特異的細胞組織型を分離するための抗体
の使用を認識する。
【0293】 基本的には、ある細胞型表面に結合する抗体を種々のマトリックス、例えば、
コラーゲン、多糖粒子、またはプラスチックにカップリングさせてアフィニティ
ー表面を形成し、この表面にその抗体により認識される細胞のみが接着する。次
いで、結合した細胞を慣用技術により回収する。他の方法は、蛍光活性化細胞ソ
ーター(FACS)により細胞を分離することを含む。この技術において、蛍光色素
にカップリングされた抗体で細胞を標識化する。次いで、標識化された細胞をFA
CS装置により非標識化細胞から分離する。
【0294】 FACSソーティングにおいて、単一ファイル中を移動する細胞はレーザービーム
を通過し、そして各細胞の蛍光を測定する。わずかにさらに下降した流れにおい
て、大部分が1つの細胞を含有するか、または含有しない、小さい液体粒子が振
動するノズルにより形成される。単一細胞を含有する液体粒子は、それらが含有
する細胞が蛍光であるかどうかに依存して、形成時に正または負電荷を自動的に
与えられ、次いで強い電界により偏向されて適当な容器の中に入る。このような
装置は毎秒1000個の細胞中から1個の細胞を選択し、約500個の細胞を選別する。
これは細胞培養のために均一な細胞集団を産生する。
【0295】 本発明のZcytor16ポリペプチドに対する抗体は有用であると、当業者は認識す
るであろう。なぜなら、すべての組織型がZcytor16レセプターを発現するわけで
なく、また生物学者はそれ以上の研究および/または体の中への療法的再移植の
ために特別の細胞を分離できることが重要であるからである。これはZcytor16が
発現される細胞、例えば、免疫細胞に特に関係する。
【0296】 その上、自然流産を診断および/または予防するか、あるいは胎盤の健康およ
び機能をモニターするために、Zcytor16ポリペプチド、ポリヌクレオチドプロー
ブ、抗Zcytor16抗体を使用し、そして組織中のZcytor16ポリペプチドの存在を使
用することができる。Zcytor16は胎盤において発現されるので、胎盤の重大な機
能、例えば、栄養芽細胞の増殖または生存、およびその他においてある役割を演
ずることができる。こうして、Zcytor16は胎盤の機能、および胚の成熟のために
必須である。したがって、Zcytor16ポリペプチドまたは抗Zcytor16抗体の補充は
、ある種の自然流産、または胎盤におけるZcytor16の異常な発現により引き起こ
される赤ん坊の早産の予防および治療において、または胎盤の機能を評価する診
断剤として有益であろう。例えば、Zcytor16は通常胎盤において発現されるので
、Zcytor16発現の非存在は異常な胎盤機能を示すであろう。
【0297】 RNA検出のよく確立されたハイブリダイゼーション法は、ノザン分析およびド
ット/スロットブロットハイブリダイゼーション(例えば、下記の文献を参照の
こと:Ausubel(1995)他、pp. 4−1または4−27、およびWu他(編者)、″Ana
lysis of Gene Expression at the RNA Level″、Methods in Gene B
iotechnology、pp. 225−239(CRC Press,Inc. 1997))を包含する。核酸
プローブを放射性同位体、例えば、32Pまたは35Sで検出可能に標識化することが
できる。選択的に、Zcytor16 RNAは非放射性ハイブリダイゼーション方法によ
り検出することができる(例えば、下記の文献を参照のこと:Isaac(編者)、P
rotocols for Nucleic Acid Analysis by Nonradioactive Probes(Huma
na Press,Inc. 1993))。典型的には、非放射性検出は色素形成または化学
発光基質の酵素的変換により達成される。非放射性部分の例示は、ビオチン、フ
ルオレセイン、およびジゴキシゲニンを包含する。
【0298】 また、Zcytor16オリゴヌクレオチドプローブはin vivo診断において有効であ
る。例示として、18F標識化オリゴヌクレオチドを被検体に投与し、陽電子放射
断層撮影法により可視化することができる(Tavitian他、Nature Medicine 4
:467(1998))。
【0299】 多数の診断手順は、検出法の感度を増加するためにポリメラーゼ連鎖反応(PC
R)を利用する。PCRを実行する標準的技術はよく知られている(一般に、下記の
文献を参照のこと:Mathew(編者)、Protocols in Human Molecular Genet
ics(Humana Press,Inc. 1991)、White(編者)、PCR Protocols:Current
Methods and Applications(Humana Press,Inc. 1993)、Cotter(編者
)、Molecular Diagnosis of Cancer(Humana Press,Inc. 1996)、Hanau
sekおよびWalazek(編者)、Tumor Marker Protocols(Humana Press,Inc.
1998)、Lo(編者)、Clinical Applications of PCR(Humana Press,In
c. 1998)、およびMeltzer(編者)、PCR in Bioanalysis(Humana Press,
Inc. 1998))。
【0300】 他のタンパク質、例えば、他のサイトカインリポータータンパク質における匹
敵する領域に対して低い類似性を有するZcytor16遺伝子の部分を増幅するように
、PCRプライマーを消化することができる。 診断アッセイのためのPCRの他の変法は逆転写−PCR(RT−PCR)である。RT−P
CR技術において、RNAを生物学的試料から単離し、cDNAに逆転写し、そしてcDNA
をZcytor16プライマーとインキュベートする(例えば、下記の文献を参照のこと
:Wu他(編者)、″Rapid Isolation of Specific cDNAs or Genes by
PCR″、Methods in Gene Biotechnology、pp. 15−28(CRC Press,Inc.
1997))。次いでPCRを実行し、生成物を標準的技術により分析する。
【0301】 例示として、例えば、前述のグアニジウム−チオシアネート細胞溶解手順を使
用して、RNAを生物学的試料から単離する。選択的に、固相技術を使用して細胞
ライゼイトからmRNAを単離する。ランダムオリゴヌクレオチド、dTの短いホモポ
リマー、またはZcytor16アンチセンスオリゴマーを使用して、逆転写反応を単離
されたRNAでプライムすることができる。オリゴ−dTプライマーは、対照ターゲ
ット配列を提供できる、種々のmRNAヌクレオチド配列が増幅されたという利点を
提供する。典型的には20塩基長さである、2つのフランキングオリゴヌクレオチ
ドプライマーを使用するポリメラーゼ連鎖反応により、Zcytor16配列を増幅する
【0302】 種々のアプローチを使用して、PCR増幅生成物を検出することができる。例え
ば、PCR生成物をゲル電気泳動により分画し、臭化エチジウム染色により可視化
することができる。選択的に、分画したPCR生成物を膜に移し、検出可能に標識
化したZcytor16プローブとハイブリダイゼーションさせ、オートラジオグラフィ
ーにより検査する。追加の別のアプローチは、ジゴキシゲニン標識化デオキシリ
ボ核酸トリホスフェートの使用して、化学発光検出、およびC−TRAK比色アッセ
イを提供することを包含する。
【0303】 Zcytor16発現を検出する他のアプローチはサイクリングプローブ技術(CPT)
であり、ここで一本鎖DNAターゲットは過剰のDNA−RNA−DNAキメラプローブと結
合して複合体を形成し、RNA部分をRNアーゼで切断し、そして切断されたキメラ
プローブの存在を検出する(例えば、下記の文献を参照のこと:Beggs他、J. C
lin. Microbiol. 34:2985(1996)、Bekkaoui他、Biotechniques 20:240(
1996))。Zcytor16配列を検出する別法は、アプローチ、例えば、核酸配列をベ
ースとする増幅(NASBA)、交差ハイブリダイゼーションによる鋳型の共同増幅
(CATCH)、およびリガーゼ連鎖反応(LCR)を利用することができる(例えば、
下記の文献を参照のこと:Mashall他、米国特許第5,686,272号(1997)、Dyer他
、J. Virol. Methods 60:161(1996)、Ehricht他、Eur. J. Biochem. 2
43:358(1997)、およびChadwick他、J. Virol. Methods 70:59(1998))
。他の標準的方法はこの分野において知られている。
【0304】 Zcytor16プローブおよびプライマーは、また、組織試料中のZcytor16遺伝子の
発現を検出しかつ位置決定するために使用することができる。このようなin si
tuハイブリダイゼーション法は当業者によく知られている(例えば、下記の文献
を参照のこと:Choo(編者)、In Situ Hybridization Protocols(Humana
Press,Inc. 1994)、Wu他(編者)、″Analysis of Cellular DNA or Ab
undance of mRNA by Radioactive In Situ Hybridization(RISHA)″、
Methods in Gene Biotechnology、pp. 259−278(CRC Press,Inc. 1997
)、およびWu他(編者)、″Localization of DNA or Abundance of mRNA
by Fluorescence In Situ Hybridization(RISHA)″、Methods in Gen
e Biotechnology、pp. 279−289(CRC Press,Inc. 1997))。
【0305】 種々の追加の診断アプローチはこの分野においてよく知られている(例えば、
下記の文献を参照のこと:Mathew(編者)、Protocols in Human Molecular
Genetics(Humana Press,Inc. 1991)、ColemanおよびTsongalis、Molecul
ar Diagnostics(Humana Press,Inc. 1996)、およびElles、Molecular Di
agnostics of Genetic Diseases(Humana Press,Inc. 1996))。適当な
試験試料は、血液、尿、唾液、組織バイオプシー、および剖検物質を包含する。
【0306】 Zcytor16遺伝子はヒト染色体6q24.1−25.2の中に存在する。この領域は種々の
疾患、例えば、インスリン依存性真性糖尿病、網膜錐体ジストロフィー、乳癌、
およびパーキンソン病に関連する。その上、Zcytor16遺伝子座それ自体の欠陥は
、本明細書に記載するような遺伝性ヒト疾患状態を生ずることがある。当業者は
理解するように、サイトカインレセプターの欠陥はヒトにおいて特定の疾患を引
き起こすことが知られている。例えば、サイトカインレセプターの多形性は、肺
胞タンパク症、家族周期性熱、および赤白血症に関連する。
【0307】 その上、なかでも、成長ホルモンレセプター突然変異は小人症を生じ(Amsele
m、S.他、N. Engl. J. Med. 321:989−995、1989)、IL−2レセプターガン
マ突然変異は重度の複合型免疫欠損症(SCID)を生じ(Noguchi、M他、Cell 73
:147−157、1993)、c−Mpl突然変異は血小板減少症を生じ(Ihara、K.他、Pro
c. Natl. Acad. Sci. 96:3132−3136、1999)、そして重度のミコバクテリ
アおよびサルモネラ(Salmonella)感染はインターロイキン−12レセプター欠乏
患者を生ずる(de Jong、R.他、Science 280:1435−1438、1998)。こうして
、同様に、Zcytor16の欠陥は疾患状態を引き起こすか、あるいは疾患または感染
に対する感受性を引き起こすことがある。
【0308】 Zcytor16遺伝子は6q24.1−25.2に位置するので、Zcytor16ポリヌクレオチドプ
ローブを使用して、ヒト疾患、例えば、慢性炎症、炎症反応の機能障害、免疫細
胞癌、骨髄癌、脾臓癌、前立腺癌、甲状腺、副甲状腺または他の癌、または免疫
病に関連する染色体6q24.1−25.2の喪失、トリソミー、重複またはトランスロケ
ーションを検出することができる。その上、本発明の分子、例えば、本発明のポ
リペプチド、アンタゴニスト、アゴニスト、ポリヌクレオチドおよび抗体は、Zc
ytor16遺伝子欠陥に関連する検出、診断、予防、および治療を促進する。
【0309】 こうして、Zcytor16ヌクレオチド配列は種々の疾患についての連鎖に基づく試
験において、そして被検体がZcytor16遺伝子の突然変異を含有するかどうかを決
定するために使用することができる。Zcytor16遺伝子座における検出可能な染色
体異常は下記のものを包含するが、これらに限定されない:異数性、遺伝子コピ
ー数の変化、6q24.1−25.2の不均質性の低下、6q24.1−25.2における転位、挿入
、欠失、制限部位の変化および再配列。Zcytor16遺伝子を不活性化する遺伝学的
変更、またはZcytor16遺伝子座の中または付近における全般的染色体変更は特に
重要である。
【0310】 同様に、Zcytor16遺伝子それ自体における欠陥は遺伝性ヒト疾患状態を生ずる
ことがある。その上、当業者は理解するように、サイトカインレセプターにおけ
る欠陥はヒトにおける疾患状態を引き起こすことが知られている。例えば、なか
でも、成長ホルモンレセプターの突然変異は小人症を生じ(Amselem、S.他、N.
Engl. J. Med. 321:989−995、1989)、IL−2レセプターガンマ突然変異
は重度の複合型免疫欠損症(SCID)を生じ(Noguchi、M他、Cell 73:147−157
、1993)、c−Mpl突然変異は血小板減少症を生じ(Ihara、K.他、Proc. Natl.
Acad. Sci. 96:3132−3136、1999)、そして重度のミコバクテリアおよび
サルモネラ(Salmonella)感染はインターロイキン−12レセプター欠乏患者を生
ずる(de Jong、R.他、Science 280:1435−1438、1998)。
【0311】 こうして、同様に、Zcytor16の欠陥は疾患状態を引き起こすか、あるいは疾患
または感染に対する感受性を引き起こすことがある。Zcytor16は異常が癌に関係
づけられる染色体領域内のサイトカインレセプターであり、そして卵巣癌中で発
現されることが示されたので、本発明の分子はまた癌の形成および転移に直接的
に関係する。Zcytor16遺伝子は6q24.1−25.2に位置するので、Zcytor16ポリヌク
レオチドプローブを使用して、ヒト疾患、例えば、免疫細胞癌、骨髄癌、甲状腺
、副甲状腺または他の癌、または免疫病に関連する染色体6q24.1−25.2の喪失、
不均質性の喪失(LOH)、トリソミー、重複またはトランスロケーションを検出
することができる。その上、本発明の分子、例えば、本発明のポリペプチド、ア
ンタゴニスト、アゴニスト、ポリヌクレオチドおよび抗体は、Zcytor16遺伝子欠
陥に関連する検出、診断、予防、および治療を促進する。
【0312】 診断剤は疾患の型の決定および適当な関連する療法、または遺伝学的カウンセ
リングの補助において医師を助けることができるであろう。それ自体、本発明の
Zcytor16の抗体、ポリヌクレオチド、およびポリペプチドはZcytor16のポリペプ
チド、mRNAまたは抗Zcytor16抗体の検出に使用することができ、こうしてマーカ
ーとして働くことができ、そして本明細書に記載するように、この分野において
知られておりかつ本明細書に記載する方法を使用して、検出または遺伝病または
癌に直接的に使用することができる。
【0313】 さらに、Zcytor16ポリヌクレオチドプローブを使用して、染色体6q24.1−25.2
欠失に関連する異常または遺伝子型、およびヒト疾患に関連する転位、腫瘍の悪
性進行、または悪性疾患、または他の癌、または自然流産における染色体再配列
に関係することが期待される、他の6q24.1−25.2突然変異に関連する他の転位を
検出することができる。同様に、Zcytor16ポリヌクレオチドプローブを使用して
、染色体6q24.1−25.2トリソミーに関連する異常または遺伝子型、およびヒト疾
患に関連する染色体喪失を検出することができる。こうして、Zcytor16ポリヌク
レオチドプローブを使用して、これらの欠陥に関連する異常または遺伝子型を検
出することができる。
【0314】 前述したように、Zcytor16遺伝子それ自体中の欠陥は遺伝性ヒト疾患状態を生
ずることがある。例えば、本明細書に記載するように、Zcytor16発現はいくつか
の組織特異的ヒト癌において増加する。本発明の分子、例えば、本発明のポリペ
プチド、アンタゴニスト、アゴニスト、ポリヌクレオチドおよび抗体は、Zcytor
16遺伝子欠陥に関連する検出、診断、予防、および治療を促進するであろう。さ
らに、Zcytor16ポリヌクレオチドプローブを使用して、Zcytor16染色体座におけ
る疾患性または非疾患性個体のアレレ差を検出することができる。それ自体、Zc
ytor16配列は法医学的DNAプロファイリングにおける診断剤として使用すること
ができる。
【0315】 一般に、遺伝学的連鎖分析において、患者における遺伝学的異常または染色体
異常を検出するために使用される診断法はこの分野において知られている。分析
用プローブは一般に少なくとも20ヌクレオチド長さであるが、多少短いプローブ
を使用することができる(例えば、14〜17ヌクレオチド)。PCRプライマーは少
なくとも5ヌクレオチド長さ、好ましい15またはそれより長く、より好ましくは2
0〜30ヌクレオチドである。遺伝子、または染色体DNAの全般的分析のために、Zc
ytor16ポリヌクレオチドプローブは全エクソンまたはそれ以上を含んでなること
ができる。エクソンは、zcytor16についてZcytor16配列(配列番号1)をヒトゲ
ノムDNAと比較することによって、容易に決定される。一般に、患者における遺
伝学的異常または染色体異常を検出するために、遺伝学的連鎖分析において使用
される診断法はこの分野において知られている。
【0316】 大部分の診断法は、工程 (a)潜在的に疾患性の患者、疾患性患者または劣性疾患アレレの潜在的に非
疾患性のキャリヤーを獲得し、 (b)遺伝学的試料をZcytor16ポリヌクレオチドプローブとインキュベートす
ることによって第1反応生成物を生成し、ここでポリヌクレオチドは、例えば、R
FLP分析において相補的ポリヌクレオチド配列に対してハイブリダイゼーション
し、あるいは適当なPCR反応条件下にPCR反応において遺伝学的試料をセンスおよ
びアンチセンスプライマーインキュベートすることによって第1反応生成物を生
成し、 (iii)ゲル電気泳動および/または他の既知の方法、例えば、第1反応生成物
をZcytor16ポリヌクレオチドプローブで可視化することによって第1反応生成物
を可視化し、ここでポリヌクレオチドは第1反応の相補的ポリヌクレオチド配列
に対してハイブリダイゼーションし、そして (iv)可視化された第1反応生成物を野生型患者からの遺伝学的試料の第2対照
反応生成物と比較する。
【0317】 第1反応生成物と対照反応生成物との間の差は、疾患性または潜在的に疾患性
の患者における遺伝学的異常を示すか、あるいは非疾患性患者についてのヘテロ
接合性劣性キャリヤー表現型の存在、または疾患性患者からの腫瘍における遺伝
学的欠陥の存在、または胎児または前炎症性胚における遺伝学的異常の存在を示
す。例えば、制限フラグメントのパターン、PCR生成物の長さ、Zcytor16遺伝子
座における反復配列の長さ、およびその他は、遺伝学的異常、遺伝学的染色体異
常、または通常野生型対照と比較したアレレ差を示す。対照は、試験および試料
の入手可能性に依存して、影響を受けないファミリーのメンバー、または無関係
の個体からのものであることができる。
【0318】 本発明において使用するための遺伝学的試料は、患者からの任意の組織または
他の生物学的試料から単離されたゲノムDNA、mRNA、およびcDNAを包含し、この
ような試料は血液、唾液、精液、胚細胞、羊水、およびその他を包含するが、こ
れらに限定されない。ポリヌクレオチドのプローブまたはプライマーはRNAまた
はDNAであることができ、そして配列番号1の一部分、配列番号1の補体、または
それらのRNA同等物を含んでなるであろう。ヒト疾患に対する遺伝学的連鎖分析
を示す、このような方法はこの分野においてよく知られている。
【0319】 診断におけるPCRをベースとする方法に対する言及については、一般に、下記
の文献を参照のこと:Mathew(編者)、Protocols in Human Molecular Gen
etics(Humana Press,Inc. 1991)、White(編者)、PCR Protocols:Curre
nt Methods and Applications(Humana Press,Inc. 1993)、Cotter(編
者)、Molecular Diagnosis of Cancer(Humana Press,Inc. 1996)、Han
ausekおよびWalazek(編者)、Tumor Marker Protocols(Humana Press,Inc
. 1998)、Lo(編者)、Clinical Applications of PCR(Humana Press,I
nc. 1998)、およびMeltzer(編者)、PCR in Bioanalysis(Humana Press
,Inc. 1998)。
【0320】 Zcytor16遺伝子座に関連する染色体異常は、本発明の核酸分子を使用して、下
記技術により検出することができる:分子遺伝学的技術、例えば、制限フラグメ
ント長さ多形性(RFLP)分析、PCR技術を使用する短い縦列反復(STR)分析、増
幅不応性突然変異系分析(ARMS)、一本鎖コンフォメーション多形性(SSCP)検
出、RNアーゼ切断法、変性勾配ゲル電気泳動、蛍光補助ミスマッチ分析(FAMA)
、およびこの分野において知られている他の遺伝学的分析技術(例えば、下記の
文献を参照のこと:
【0321】 Mathew(編者)、Protocols in Human Molecular Genetics(Humana Pre
ss,Inc. 1991)、Marian、Chest 108:255(1995)、ColemanおよびTsongali
s、Molecular Diagnostics(Humana Press,Inc. 1996)、Elles(編者)、M
olecular Diagnostics of Genetic Diseases(Humana Press,Inc. 1996
)、Landegren(編者)、Laboratory Protocols for Mutation Detection(
Oxford University Press 1996)、Birren(編者)、Genome Analysis、Vol
. 2:Detecting Gene(Cold Spring Harbor Laboratory Press 1998)、
Dracopoli他(編者)、Current Protocols in Human Genetics(John Wile
y & Sons 1998)、およびRichardsおよびWard、″Molecular Diagnostic T
esting″、Principles of Molecular Medicine、pp.83−88(Humana Press
,Inc. 1998))。
【0322】 また、タンパク質トランケーション試験は遺伝子不活性化の検出において有効
であり、ここで翻訳停止突然変異はコード化タンパク質の一部分のみを産生する
(例えば、下記の文献を参照のこと:Stoppa−Lyonnet他、Blood 91:3920(19
98))。このアプローチによれば、RNAを生物学的試料から単離し、cDNA合成に
使用する。次いでPCRを使用してZcytor16ターゲット配列を増幅し、RNAポリメラ
ーゼプロモーター、翻訳開始配列、およびインフレームATGトリプレットを導入
する。RNAポリメラーゼを使用してPCR生成物を転写し、転写物をin vitroでT7
カップルド網状赤血球ライゼイト系により翻訳する。次いで翻訳産物をSDS−PAG
Eにより分画して、翻訳産物の長さを測定する。タンパク質トランケーション試
験は、例えば、下記の文献に記載されている:Dracopoli他(編者)、Current
Protocols in Human Genetics、pp. 9.11.1−9.11.18(John Wiley & So
ns 1988)。
【0323】 本発明は、また、Zcytor16遺伝子の発現についての診断アッセイを実行するか
、あるいはZcytor16遺伝子における突然変異を検出するためのキットを包含する
。このようなキットは核酸プローブ、例えば、配列番号1のヌクレオチド配列、
またはその一部分を含んでなる二本鎖核酸分子、ならびに配列番号1のヌクレオ
チド配列の補体、またはその一部分を有する一本鎖核酸分子を含んでなる。プロ
ーブ分子は、DNA、RNA、オリゴヌクレオチド、およびその他であることができる
。キットはPCRを実行するための核酸プライマーを含んでなることができる。
【0324】 このようなキットは、前述の核酸診断アッセイを実行するためのすべての必要
な要素を含有することができる。キットは、Zcytor16のプローブまたはプライマ
ーを含んでなる、少なくとも1つの容器を含むであろう。また、キットは、Zcyto
r16配列の存在を示すことができる1またはそれ以上の試薬を含んでなる第2容器
を含むことができる。このようなインジケーター試薬の例は、検出可能な標識、
例えば、放射線標識、蛍光色素、化学発光剤、およびその他を包含する。
【0325】 また、キットは、Zcytor16のプローブおよびプライマーを使用してZcytor16遺
伝子の発現を検出するユーザーに対する運搬手段を含むことができる。例えば、
包装された核酸分子を使用して、Zcytor16をコードする核酸分子、またはZcytor
16コーディングヌクレオチド配列に対して相補的であるヌクレオチド配列を有す
る核酸分子を検出する方法を、使用説明書により説明することができる。このよ
うな使用説明書は、容器に直接的に適用するか、あるいは包装挿入物の形態で提
供することができる。
【0326】 11. Zcytor16を検出するか、あるいはIL−TIFに対するZcytor16と拮抗させるた
めの抗Zcytor16抗体の使用 本発明は、Zcytor16の存在について生物学的試料をin vitroスクリーニング
するために抗Zcytor16抗体を使用することを包含する。in vitroアッセイの1つ
の型において、例えば、生物学的試料中のZcytor16の存在は、Zcytor16とその抗
体との間の結合を促進する条件下に、微量の標識化Zcytor16を含む生物学的試料
を抗Zcytor16抗体と混合することによって、試験することができる。
【0327】 試料中のZcytor16と抗Zcytor16との複合体を、抗体と結合する固定化タンパク
質、例えば、Fc抗体またはスタヒロコッカス(Staphylococcus)プロテインAと
接触させることによって、複合体を反応混合物から分離することができる。生物
学的試料中のZcytor16濃度は抗体に結合した標識化Zcytor16の量に逆比例し、そ
して遊離標識化Zcytor16の量に直接的に関係する。例示的生物学的試料は、血液
、尿、唾液、組織バイオプシー、および剖検物質を包含する。
【0328】 選択的に、抗Zcytor16抗体を固相担体に結合させるin vitroアッセイを実行
することができる。例えば、抗体をポリマー、例えば、アミノデキストランに取
付けて、抗体を不溶性支持体、例えば、ポリマー被覆ビーズ、プレートまたは管
に結合させる。他の適当なin vitroアッセイは当業者にとって容易に明らかで
あろう。
【0329】 他のアプローチにおいて、抗Zcytor16抗体を使用して、バイオプシー検体から
調製された組織切片中のZcytor16を検出することができる。このような免疫化学
的検出を使用して、Zcytor16の相対的存在量を決定しかつ検査した組織中のZcyt
or16の分布を決定する。一般的免疫化学的技術はよく確立されている(例えば、
下記の文献を参照のこと:Ponder、″Cell Marking Techniques and Their
Application″、Mammalian Development:A Practical Approach、Monk(
編者)、pp. 115−38(IRL Press 1987)、Coligan、pp. 5.8.1−5.8.8、Au
subel(1995)、pp. 14.6.1−14.6.1(Wiley Interscience 1990)、およびM
anson(編者)、Methods in Molecular Biology、Vol. 10:Immunochemical
Protocols(The Humana Press,Inc. 1992))。
【0330】 免疫化学的検出は、生物学的試料を抗Zcytor16抗体と接触させ、次いで抗体に
結合する検出可能に標識化された分子と生物学的試料を接触させることによって
、実行することができる。例えば、検出可能に標識化された分子は、抗Zcytor16
抗体に結合する抗体部分を含んでなることができる。選択的に、抗Zcytor16抗体
をアビジン/ストレプトアビジン(またはビオチン)と複合化することができ、
そして検出可能に標識化された分子はビオチン(またはアビジン/ストレプトア
ビジン)を含んでなることができる。この基本的技術の多数のバージョンはこの
分野においてよく知られている。
【0331】 選択的に、抗Zcytor16抗体を検出可能な標識と複合化して、抗Zcytor16免疫複
合体を形成することができる。適当な検出可能な標識は、例えば、放射性同位体
、蛍光標識、化学発光標識、酵素標識、生物発光標識またはコロイド状金を包含
する。このような検出可能に標識化された免疫複合体をつくり、検出する方法は
この分野においてよく知られており、そして下記においていっそう詳しく説明す
る。検出可能な標識は、オートラジオグラフィーにより検出される放射性同位体
である。本発明の目的に対して特に有効なアイソトープは、3H、125I、131I、35 Sおよび14Cである。
【0332】 また、抗Zcytor16免疫複合体は蛍光化合物で標識化することができる。蛍光的
に標識化された抗体は、適切な波長の光に免疫複合体を暴露し、生ずる蛍光を検
出することによって決定される。蛍光的標識化化合物は、フルオレセインイソチ
オシアネート、ローダミン、フィコエリトリン、フィコシアニン、アロフィコシ
アニン、o−フタルアルデヒドおよびフルオレスカミンを包含する。
【0333】 選択的に、抗Zcytor16免疫複合体は、抗体成分を化学発光化合物にカップリン
グさせることによって検出可能に標識化することができる。化学発光タッグド免
疫複合体の存在は、化学反応の過程の間に発生するルミネセンスの存在を検出す
ることによって決定される。化学発光標識化化合物の例は、ルミノール、イソル
ミノール、芳香族アクリジニウムエステル、イミダゾール、アクリジニウム塩お
よびオキサレートエステルを包含する。
【0334】 同様に、生物発光化合物を使用して、本発明の抗Zcytor16免疫複合体を標識化
することができる。生物発光は、触媒タンパク質が化学発光反応の効率を増加さ
せる生物学的系の中に見出される化学発光の1つの型である。生物発光タンパク
質の存在は、ルミネセンスの存在を検出することによって決定される。標識化に
有効な生物発光化合物は、ルシフェリン、ルシフェラーゼおよびエクオリンを包
含する。
【0335】 選択的に、抗Zcytor16抗体成分を酵素に結合することによって、抗Zcytor16免
疫複合体を検出可能に標識化することができる。抗Zcytor16−酵素複合体を適当
な基質の存在下にインキュベートするとき、酵素部分は基質と反応して化学的部
分を生成し、化学的部分は、例えば、分光光度測定、フルオロメトリーまたは視
的手段により検出することができる。多特異的免疫複合体を検出可能に標識化す
るために使用できる酵素の例は、β−ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダー
ゼ、ペルオキシダーゼおよびアルカリ性ホスファターゼを包含する。
【0336】 本発明に従い使用できる他の適当な標識はこの分野において知られている。抗
Zcytor16抗体に対するマーカー部分の結合は、この分野において知られている標
準的技術により達成することができる。これに関して適当な方法は下記の文献に
記載されている:Kennedy他、Clin. Chem. Acta 70:1(1976)、Schures他
、Clin. Chem. Acta 81:1(1997)、Shih他、Int'l J. Cancer 46:1101
(1990)、Stein他、Cancer Res. 50:1330(1990)、およびColigan、前掲。
【0337】 その上、免疫化学的検出の便利さおよび融通性は、アビジン、ストレプトアビ
ジン、およびビオチンと複合化した抗Zcytor16抗体を使用することによって増強
することができる(例えば、下記の文献を参照のこと:Wilchek他(編者)、″A
vidin−Biotin Technology″、Methods in Enzymology、Vol. 184(Academi
c Press 1990)、およびBayer他、″Immunochemical Applications of Avi
din−Biotin Technology″、Methods in Molecular Biology、Vol. 10、Ma
nson(編者)、pp. 149−162(The Humana Press,Inc. 1992)。 イムノアッセイを実行する方法はよく確立されている。
【0338】 例えば、下記の文献を参照のこと:CookおよびSelf、″Monoclonal Antibodi
es in Diagnostics Immunoassay″、Monoclonal Antibodies:Production,
Engineering,and Clinical Application、RitterおよびLadyman(編者)、pp
. 180−208(Cambridge University Press、1995)、Perry、″The Role o
f Monoclonal Antibodies in the Advancement of Immunoassay Techno
logy″、Monoclonal Antibodies:Principles and Applications、Birchおよ
びLennox(編者)、pp. 107−120(Wiley−Liss,Inc. 1995)、およびDiaman
dis、Immunoassay(Academic Press 1996)。
【0339】 本発明は、また、Zcytor16遺伝子の発現についての診断アッセイを実行するキ
ットを包含する。このようなキットは、抗Zcytor16抗体または抗体フラグメント
を含んでなる少なくとも1つの容器を含んでなる。キットは、また、Zcytor16抗
体または抗体フラグメントの存在を示すことができる1またはそれ以上の試薬を
含んでなる第2容器を含んでなることができる。このようなインジケーター試薬
の例は、検出可能な標識、例えば、放射線標識、蛍光標識、化学発光標識、酵素
標識、生物発光標識、コロイド状金、およびその他を包含する。また、キットは
、Zcytor16抗体または抗体フラグメントを使用してZcytor16タンパク質を検出す
るユーザーに対する運搬手段を含むことができる。例えば、包装された抗体また
は抗体フラグメントを使用してZcytor16を検出する方法を、使用説明書により説
明することができる。このような使用説明書は、容器に直接的に適用するか、あ
るいは包装挿入物の形態で提供することができる。
【0340】 本発明において有効な抗体を発生させまたは選択する別の技術は、可溶性Zcyt
or16モノマーのレセプターまたは可溶性Zcytor16ホモダイマー、ヘテロダイマー
またはマルチマーのポリペプチドに対するリンパ球のin vitro暴露、およびフ
ァージまたは同様なベクター中の抗体展示ライブラリーの選択(例えば、固定化
または標識化された可溶性Zcytor16モノマーのレセプターまたは可溶性Zcytor16
ホモダイマー、ヘテロダイマーまたはマルチマーのポリペプチドを使用する)を
包含する。
【0341】 潜在的結合性ドメインを有するポリペプチド、例えば、可溶性Zcytor16モノマ
ーのレセプターまたは可溶性Zcytor16ホモダイマー、ヘテロダイマーまたはマル
チマーのポリペプチドをコードする遺伝子は、ファージ上に展示された(ファー
ジディスプレイ)または細菌、例えば、大腸菌(E. coli)上に展示されたラン
ダムペプチドライブラリーをスクリーニングすることによって得ることができる
。ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、多数の方法、例えば、ランダ
ム突然変異誘発およびランダムポリヌクレオチド合成により得ることができる。
これらのランダムペプチド展示ライブラリーを使用して、既知ターゲットと相互
作用するペプチドについてスクリーニングすることができる。
【0342】 このようなターゲットは、タンパク質またはポリペプチド、例えば、リガンド
またはレセプター、生物学的または合成高分子、または有機または無機の物質で
あることができる。このようなランダムペプチド展示ライブラリーをつくり、ス
クリーニングする技術はこの分野において知られており(Ladner他、米国特許第
5,223,409号;Ladner他、米国特許第4,946,778号;Ladner他、米国特許第5,403,
484号およびLadner他、米国特許第5,571,698号)そしてランダムペプチド展示ラ
イブラリーおよびこのようなライブラリーをスクリーニングするキットは、例え
ば、クロンテク(Clontech、カリフォルニア州パロアルト)、インビトロゲン・
インコーポレーテッド(Invitrogen Inc.、カリフォルニア州サンディエゴ)、
ニュー・イングランド・バイオラブス・インコーポレーテッド(New England
Biolabs,Inc.、マサチュセッツ州ベバーリイ)およびパーマシアLKBバイオテク
ノロジー・インコーポレーテッド(Pharmacia LKB Biotechnology,Inc.、ニ
ュージャージイ州ピスカタウェイ)から商業的に入手可能である。
【0343】 本明細書に開示する可溶性Zcytor16モノマーのレセプターまたは可溶性Zcytor
16ホモダイマー、ヘテロダイマーまたはマルチマーのポリペプチド配列を使用し
てランダムペプチド展示ライブラリーをスクリーニングして、Zcytor16を含んで
なるレセプターポリペプチドに結合するタンパク質を同定することができる。こ
れらの「結合性ポリペプチド」は、可溶性Zcytor16を含んでなるレセプターポリ
ペプチドと相互作用し、細胞のターゲッティングに、アフィニティー精製による
相同的ポリペプチドの単離に使用することができる;それらは薬剤、トキシン、
放射性核種およびその他に直接的または間接的に結合することができる。
【0344】 これらの結合性ポリペプチドは、また、分析法において、例えば、発現ライブ
ラリーおよび中性活性のスクリーニング、例えば、IL−TIFリガンドとレセプタ
ーとの間の相互作用、またはレセプターに対するウイルスの結合のブロッキング
に使用することができる。また、結合性ポリペプチドは、可溶性Zcytor16を含ん
でなるレセプターポリペプチドの循環レベルを測定する診断アッセイに;根元的
病理学または疾患のマーカーとして可溶性または不溶性Zcytor16を含んでなるレ
セプターポリペプチドを測定または定量するために使用することができる。
【0345】 また、これらの結合性ポリペプチドは、可溶性または膜結合Zcytor16モノマー
のレセプターまたは可溶性Zcytor16ホモダイマー、ヘテロダイマーまたはマルチ
マーのポリペプチドの結合(例えば、リガンドに対する)およびin vitroおよ
びin vivoシグナルトランスダクションをブロックする「アンタゴニスト」とし
て作用することができる。再び、これらの結合性ポリペプチドは抗Zcytor16モノ
マーのレセプターまたは抗Zcytor16ホモダイマー、ヘテロダイマーまたはマルチ
マーのポリペプチドとして働き、IL−TIF活性、ならびにレセプター活性または
タンパク質結合の阻害に有効である。
【0346】 本発明の天然レセプター複合体に対して発生した抗体は好ましい態様である。
なぜなら、それらはただ1つのサブユニットに対して発生させた抗体よりもいっ
そう特異的にIL−TIFに対して作用するか、あるいは効力的に作用することがで
きるからである。その上、本発明の拮抗および結合活性は、IL−TIFおよびZcyto
r16を含んでなる可溶性レセプターの存在下にIL−TIF増殖、シグナルトラップ、
ルシフェラーゼまたは結合アッセイ、および本明細書に記載する他の生物学的ま
たは生化学的アッセイにおいてアッセイすることができる。
【0347】 モノマーのZcytor16レセプターまたはZcytor16ホモダイマー、ヘテロダイマー
またはマルチマーのZcytor16含有ポリペプチドに対する抗体は、Zcytor16レセプ
ターを発現する細胞のタギングに;アフィニティー精製により可溶性Zcytor16を
含んでなるレセプターポリペプチドの単離に;可溶性Zcytor16を含んでなるレセ
プターポリペプチドの循環レベルを測定する診断アッセイに;根元的病理学また
は疾患のマーカーとして可溶性Zcytor16を含んでなるレセプターポリペプチドの
検出または定量に;発現ライブラリーのスクリーニングに;IL−TIFアゴニスト
として作用することができる抗イディオタイプ抗体の発生に;およびZcytor16レ
セプター機能をブロックするか、あるいはIL−TIF活性をin vitroおよびin vi
voをブロックする中和抗体またはアンタゴニストとして;使用することができる
【0348】 適当な直接的タグまたは標識は、放射性核種、酵素、基質、コファクター、ビ
オチン、インヒビター、蛍光マーカー、化学発光マーカー、磁気粒子およびその
他を包含する;間接的タグまたは標識はビオチン−アビジンまたは他の補体/抗
補体の対を中間体として使用することを特徴とする。また、本発明における抗体
を薬剤、トキシン、放射性核種およびその他に直接的または間接的に複合化し、
そしてこれらの複合体をin vivo診断または療法的適用に使用することができる
。可溶性Zcytor16を含んでなるレセプターポリペプチドに対する抗体、またはそ
れらのフラグメントをin vitroアッセイ、例えば、ウェスタンブロットまたは
この分野において知られている他のアッセイにおいて使用して、変性または非変
性Zcytor16を含んでなるレセプターポリペプチドまたはそれらのフラグメントを
検出することができる。
【0349】 可溶性Zcytor16モノマーのレセプターまたは可溶性Zcytor16ホモダイマー、ヘ
テロダイマーまたはマルチマーのポリペプチドに対する抗体は、対応するレセプ
ターを発現する細胞のタギングおよびそれらの発現レベルのアッセイに、アフィ
ニティー精製に、レセプターポリペプチドの循環レベルを測定する診断アッセイ
において、蛍光活性化細胞ソーティングを使用する分析法において有効である。
その上、2価抗体、および抗イディオタイプ抗体はZcytor16リガンド、IL−TIFの
作用を模擬するアゴニストとして使用することができる。
【0350】 また、本発明における抗体を薬剤、トキシン、放射性核種およびその他に直接
的または間接的に複合化し、そしてこれらの複合体をin vivo診断または療法的
適用に使用することができる。例えば、本発明の可溶性Zcytor16モノマーのレセ
プターまたは可溶性Zcytor16ホモダイマー、ヘテロダイマーまたはマルチマーの
ポリペプチドに対する抗体または結合性ポリペプチドを使用して、対応する抗相
補的分子(すなわち、Zcytor16を含んでなる可溶性または膜結合レセプター)を
発現する組織または器官を同定または処理することができる。さらに詳しくは、
可溶性Zcytor16を含んでなるレセプターポリペプチド、またはそれらの生物活性
フラグメントまたは部分に対する抗体を検出可能なまたは細胞障害性分子にカッ
プリングさせ、Zcytor16を含んでなるレセプターを発現する細胞、組織または器
官、例えば、Zcytor16を発現する癌、またはある種の疾患状態を有する哺乳動物
に送出すことができる。
【0351】 Zcytor16を含んでなるレセプターポリペプチドに結合するポリペプチド、例え
ば、「結合性ポリペプチド」(前述の結合性ペプチドを包含する)、抗体、また
はそれらの生物活性フラグメントまたは部分に、適当な検出可能な分子を直接的
または間接的に取付けることができる。適当な検出可能な分子は、放射性核種、
酵素、基質、コファクター、インヒビター、蛍光マーカー、化学発光マーカー、
磁気粒子およびその他を包含する。
【0352】 適当な細胞障害性分子はポリペプチドまたは抗体に直接的または間接的に取付
けることができ、そして細菌または植物のトキシン(例えば、ジフテリアトキシ
ン、シュードモナス(Pseudomonas)エキソトキシン、リシン、アブリンおよび
その他)、ならびに療法上の放射性核種、例えば、ヨウ素−131、レニウム−188
またはイットリウム−90に直接的または間接的に取付けることができる(例えば
、ポリペプチドまたは抗体に直接的に取付けるか、あるいはキレート化部分によ
り間接的に取付ける)。結合性ポリペプチドまたは抗体は、また、細胞障害性薬
剤、例えば、アドリアマイシンに結合することができる。
【0353】 検出可能なまたは細胞障害性分子の直接的取付けのために、検出可能なまたは
細胞障害性分子を相補的/抗相補的対のメンバーと複合化させ、ここで他のメン
バーを結合性ポリペプチドまたは抗体部分に結合させる。それらの目的のために
、ビオチン/ストレプトアビジンは典型的な相補的/抗相補的対である。 他の
態様において、結合性ポリペプチド−トキシン融合タンパク質または抗体−毒性
融合タンパク質をターゲッテッド細胞または組織の阻害または切除のために使用
することができる(例えば、癌細胞または組織を処理するために)。
【0354】 選択的に、結合性ポリペプチドが多重機能的ドメイン(すなわち、活性化ドメ
インまたはリガンド結合性ドメイン、+ターゲッティングドメイン)を有する場
合、ターゲッティングドメインのみを含む融合タンパク質は、検出可能な分子、
細胞障害性分子または相補的分子を問題の細胞または組織型に向けるために適当
であることがある。単一ドメインのみを含有する融合タンパク質が相補的分子を
含む場合、抗相補的分子を検出可能なまたは毒性分子に対して複合化することが
できる。こうして、このようなドメイン相補的分子の融合タンパク質は、遺伝学
的抗相補的検出可能な/細胞障害性分子複合体の細胞/組織特異的デリバリーの
ための遺伝学的ターゲッティングベヒクルを表す。
【0355】 他の態様において、結合性ポリペプチド−サイトカインまたは抗Zcytor16レセ
プター抗体が超増殖性細胞をターゲットする場合、Zcytor16結合性ポリペプチド
−サイトカインまたは抗体−サイトカイン融合タンパク質を使用して、ターゲッ
ト組織(例えば、脾臓、膵臓、血液、リンパ系、結腸、および骨髄の癌)のin
vivo死滅を増強することができる(一般に、下記の文献を参照のこと:Hornick
他、Blood 89:4437−47、1997)。
【0356】 記載する融合タンパク質は所望の作用部位へのサイトカインのターゲッティン
グを可能とし、これによりサイトカインの局所的濃度を高くすることができる。
適当な抗Zcytor16モノマー、ホモダイマー、ヘテロダイマーまたはマルチマーの
抗体は望ましくない細胞または組織(すなわち、腫瘍または白血病)をターゲッ
トし、そして融合したサイトカインはエフェクター細胞による改良されたターゲ
ット細胞溶解を仲介する。この目的に適当なサイトカインは、例えば、インター
ロイキン2および顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)を包含す
る。
【0357】 選択的に、本明細書に記載するZcytor16レセプター結合性ポリペプチドまたは
抗体融合タンパク質は、Zcytor16レセプターモジュレートアポトーシス経路を直
接的に刺激し、Zcytor16を含んでなるレセプターを発現する超増殖性細胞の細胞
死を生させることによって、ターゲット組織のin vivo死滅を増強させるために
使用することができる。
【0358】 12. Zcytor16活性を有するポリペプチドの療法上の使用 Zcytor16活性を有するアミノ酸配列を使用して、Zcytor16リガンドを結合し、
こうして、Zcytor16リガンドと内因的Zcytor16レセプターとの結合を妨害するこ
とによって、免疫系をモジュレートすることができる。また、Zcytor16アンタゴ
ニスト、例えば、抗Zcytor16抗体を使用して、Zcytor16リガンドと内因的Zcytor
16レセプターとの結合を阻害することによって、免疫系をモジュレートすること
ができる。
【0359】 したがって、本発明は、適切な量のZcytor16ポリペプチドを欠如するか、ある
いは過剰のZcytor16リガンドを産生する被検体に、Zcytor16活性を有するタンパ
ク質、ポリペプチド、およびペプチド(例えば、Zcytor16ポリペプチド、Zcytor
16アナローグ(例えば、抗Zcytor16抗イディオタイプ抗体)、およびZcytor16融
合タンパク質)を使用することを包含する。また、Zcytor16アンタゴニスト(例
えば、抗Zcytor16抗体)を使用して、過剰のZcytor16リガンドまたはZcytor16を
産生する被検体を治療することができる。適当な被検体は哺乳動物、例えば、ヒ
トを包含する。
【0360】 その上、Zcytor16レセプターはT細胞誘導可能因子(IL−TIF)と呼ぶリガンド
に結合することを我々は示した(配列番号15;Dumoutier、L.他、Proc. Natl.
Acad. Sci. 97:10144−10149、2000;マウスIL−TIF配列はDumoutier、L.
他、J. Immunol. 164:1814−1819、2000に示されている)。その上、普通に
所有されたzcytor11(米国特許第5,965,704号)およびCRF2−4レセプターもまた
IL−TIFに結合する(下記の文献を参照のこと:WIPO公開WO 00/24758;Dumout
ier、L.他、J. Immunol. 164:1814−1819、2000;Spencer、SD他、J. Exp.
Med. 187:571−578、1998;Gibbs、VC and Pennica Gene 186:97−101
、1997(CRF2−4 cDNA);Xie、MH他、J. Biol. Chem. 275:31335−31339
、2000;およびKotenko、SV他、J. Biol. Chem. 印刷中の原稿M007837200)
【0361】 その上、IL−10βレセプターをIL−TIFのためのレセプターとして添加するこ
とができ、そしてそれはCRF2−4と同義であると考えられる(Dumoutier、L.他、
Proc. Natl'l. Acad. Sci. 97:10144−10149、2000;Liu Y他、J. Immun
ol. 152:1821−1829、1994(IL−10R cDNA)。好ましい態様において、可溶
性レセプターの形態のZcytor16、配列番号2の残基22〜231(配列番号13)は、in
vivoにおいてIL−TIFの作用と拮抗するモノマー、ホモダイマー、ヘテロダイ
マー、またはマルチマーである。また、このようなZcytor16モノマー、ホモダイ
マー、ヘテロダイマー、またはマルチマーに対する抗体および結合性ポリペプチ
ドはZcytor16活性のアンタゴニストとして働く。
【0362】 IL−TIFはIL−9の存在下に誘導可能であることが示され、そしてTh1型免疫応
答、および炎症の促進に関係することが推測される。IL−9は増殖、活性化、分
化および/または免疫機能の誘導を種々の方法で刺激し、そしてぜん息、肺肥胖
細胞症、および他の疾患に関係づけられ、ならびにSTAT経路を活性化する。IL−
TIFまたはIL−9機能のアンタゴニストは、このようなヒト疾患に対して有益な使
用を有することができる。本発明は、IL−TIFのこのような新規なアンタゴニス
トを提供する。
【0363】 IL−TIFは急性期反応物質、例えば、血清アミロイドA(SAA)、α1−抗キモト
リプシン、およびハプトグロビンの産生のアップレギュレートに関係することが
示され、そしてリポ多糖(LPS)をin vivo注射すると、そのIL−TIF発現は増加
し、IL−TIFが炎症反応に関係することが示唆される(Dumoutier、L.他、Proc.
Natl'l. Acad. Sci. 97:10144−10149、2000)。急性期タンパク質、例え
ば、SAAの産生は、炎症が有益である短期生存メカニズムであると考えられる;
しかしながら、急性期タンパク質をより大きい期間維持することは慢性炎症に寄
与し、ヒトの健康に対して有害である。
【0364】 概観については、下記の文献を参照のこと:Uhlar、CMおよびWhitehead、AS、
Eur. J. Biochem. 265:501−523、1999、およびBaumann H.およびGauldie
、J. Immunol. Today 15:74−80、1994。その上、急性期タンパク質SAAは重
度の慢性炎症性疾患に関係づけられ、アテローム性動脈硬化症および慢性関節リ
ウマチに関係づけられ、そしてアミロイドーシスにおいて沈着するアミロイドA
タンパク質に対する前駆体である(Uhlar、CMおよびWhitehead、前掲)。こうし
て、IL−TIFは前炎症性分子として作用し、SAAの産生を誘導するので、アンタゴ
ニストは炎症性疾患およびIL−TIFにより誘導される急性期応答タンパク質に関
連する他の疾患の治療において有効であろう。
【0365】 このようなアンタゴニストは本発明により提供される。IL−TIF誘導またはIL
−9誘導炎症を減少する方法は、炎症を有する哺乳動物に炎症を減少するために
十分な量の可溶性Zcytor16を含んでなるレセプター組成物を投与することを含ん
でなる。その上、炎症を有する哺乳動物において炎症反応を抑制する方法は下記
工程を含んでなる:(1)血清アミロイドAタンパク質レベルを測定する;(2)
本明細書に記載する可溶性Zcytor16を含んでなるレセプターポリペプチドを含ん
でなる組成物を許容される薬学上のベヒクルを投与する;(3)血清アミロイドA
タンパク質の投与後レベルを測定する;(4)工程(1)における血清アミロイド
Aタンパク質レベルを工程(3)における血清アミロイドAタンパク質レベルと比
較する、ここで血清アミロイドAタンパク質レベルの増加または減少の欠如は炎
症反応の抑制を示す。
【0366】 本発明のレセプターは、少なくとも1つのZcytor16レセプターサブユニットを
含む。ヘテロダイマー可溶性レセプターに添加された第2レセプターポリペプチ
ドは、インターロイキン−10レセプター、インターフェロン(例えば、インター
フェロン−ガンマ、アルファおよびベータ鎖およびインターフェロン−アルファ
/ベータレセプターアルファおよびベータ鎖)、zcytor7、zcytor11、およびCRF
2−4を包含する、レセプターサブファミリーに属する。
【0367】 ヘテロダイマー可溶性レセプターに添加された第2可溶性レセプターポリペプ
チドは、また、普通に所有された米国特許第5,965,704号に開示されている、zcy
tor11可溶性レセプターサブユニット;IL−10Rサブユニット、例えば、IL−10R
α;または普通に所有された米国特許第5,945,511号に開示されている、zcytor7
可溶性レセプターサブユニットを包含することができる。zcytor11はCRF2−4お
よびIL−10Rと組み合わせて、IL−TIFに応答するシグナルJAK−STAT経路に対し
て示された(Xie他、前掲;Kotenko他、前掲)。
【0368】 本発明によれば、モノマーまたはヘテロダイマーzcytor16レセプターポリペプ
チドに加えて、ヘテロダイマー可溶性zcytor16レセプターは、可溶性zcytor16レ
セプター+可溶性CRF2−4反応ヘテロダイマー(zcytor16/CRF2−4)を含んでな
る態様により例示され、IL−TIFのアンタゴニストとして作用することができる
。他の態様は、zcytor16/IL−10R、zcytor16/IL−9R、zcytor16/zcytor11、z
cytor16/zcytor7、および他のクラスIIレセプターサブユニットを含んでなるヘ
テロダイマー、ならびにzcytor16/CRF2−4/zcytor11またはzcytor16/CRF2−4
/IL−10Rを包含するが、これらに限定されないマルチマーレセプターを包含す
る。
【0369】 zcytor16 cDNAに対応するmRNAの組織分布の分析は、mRNAレベルが胎盤および
脾臓において最高であり、zcytor16が結合するリガンド(IL−TIF)が急性期応
答の誘導を含む炎症反応の誘導に関係することを示した(Dumoutier、L.他、Pro
c. Natl'l. Acad. Sci. 97:10144−10149、2000)。こうして、本発明の特
定の態様は、可溶性zcytor16ヘテロダイマーを下記におけるアンタゴニストとし
て使用することに関する:炎症性および免疫疾患または症状、例えば、膵臓炎、
I型糖尿病(IDDM)、膵臓癌、膵臓炎、グレーブス病、炎症性腸疾患(IBD)、ク
ローン病、結腸および腸の癌、憩室症、自己免疫疾患、敗血症、器官または骨髄
の移植片;外傷、外科手術または感染のための炎症;アミロイド症;巨脾腫;移
植対宿主疾患;および炎症の抑制、免疫抑制、造血、免疫、炎症またはリンパ系
細胞、マクロファージ、T細胞(Th1およびTh2細胞を包含する)の増殖の減少、
病原体または抗原に対する免疫応答の抑制、またはIL−TIFまたはIL−9サイトカ
イン産生の阻害を望む場合。
【0370】 その上、本明細書に記載するzcytor16ポリペプチド、モノマー、ホモダイマー
、ヘテロダイマーおよびマルチマーに結合する抗体または結合性ポリペプチドお
よび/またはzcytor16ポリペプチド、モノマー、ホモダイマー、ヘテロダイマー
およびマルチマーそれら自体は下記において有効である: 1)急性炎症、外傷、組織損傷、外科手術、敗血症または感染の結果としての
炎症、および慢性炎症性疾患、例えば、ぜん息、炎症性腸疾患(IBD)、慢性大
腸炎、巨脾腫、慢性関節リウマチ、再発性急性炎症性エピソード(例えば、結核
)の治療、およびアミロイド症、およびアテローム性動脈硬化症、キャスルマン
病、ぜん息、および急性期応答に関連する他の疾患の治療におけるIL−TIFレセ
プターを介するシグナリングの拮抗およびブロッキング。
【0371】 2)zcytor16を介して免疫細胞(例えば、リンパ球、単球、白血球)における
シグナリングを防止または阻害するために、自己免疫疾患、例えば、IDDM、多発
性硬化症(MS)、全身性エリテマトーデス(SLE)、重症筋無力症、慢性関節リ
ウマチ、およびIBDを治療するときにおけるIL−TIFレセプターを介するシグナリ
ングの拮抗およびブロッキング(Hughes C他、J. Immunol. 153:3319−3325
、1994)。選択的に、また、自己免疫疾患を治療するために望ましくない免疫細
胞を消耗するために、zcytor16を含んでなるレセプターに対する抗体、例えば、
モノクローナル抗体(MAb)を使用することができる。
【0372】 免疫応答を阻害するか、あるいは攻撃性細胞を消耗させるために、例えば、可
溶性zcytor16可溶性レセプターまたはzcytor16/CRF2−4ヘテロダイマーに対す
るMAbで、ぜん息、アレルギーおよび他のアトピー性疾患を治療することができ
る。本発明のポリペプチドおよび抗体を使用する、zcytor16を介するシグナリン
グのブロッキングまたは阻害は、また、膵臓、腎臓、脳下垂体および神経細胞の
疾患に有益であろう。IDDM、NIDDM、膵臓炎、および膵臓癌腫に対する有益であ
ろう。拮抗性MAbが癌増殖を阻害しかつ免疫仲介死滅をターゲットする、癌のMAb
治療のためのターゲットとしてzcytor16は働くことができる(Holliger P.およ
びHoogenboom H.、Nature Biotech. 16:1015−1016、1998)。
【0373】 また、可溶性zcytor16ポリペプチド、モノマー、ホモダイマー、ヘテロダイマ
ーおよびマルチマーに対してMAbは、腎症、例えば、糸球体硬化症、膜性腎症、
アミロイド症(また、これはなかでも腎臓に影響を与える)、腎臓アテローム性
動脈硬化症、種々の器官の糸球体腎炎、腎臓の繊維増殖性疾患、ならびにSLE、I
DDM、II型糖尿病(NIDDM)、腎腫瘍、および他の疾患に関連する腎臓機能障害を
治療するために有効であろう。
【0374】 3)自己免疫疾患,例えば、IDDM、MS、SLE、重症筋無力症、慢性関節リウマチ
、およびIBDの治療においてIL−TIFを介するシグナリングを作動または開始する
。抗可溶性zcytor16、抗可溶性zcytor16/CRF2−4ヘテロダイマーおよびマルチ
マー抗体は、リンパ球または他の免疫細胞にシグナルを与えて分化させ、増殖を
変更し、または自己免疫を改善するサイトカインまたは細胞表面タンパク質の産
生を変化させる。詳しくは、サイトカイン分泌の交互パターンに対するTヘルパ
ー細胞の応答のモジュレーションは、自己免疫応答の偏らせて疾患を改善する(
Smith JA他、J. Immunol. 160:4841−4849、1998)。
【0375】 同様に、作動性抗可溶性zcytor16、抗可溶性zcytor16/CRF2−4ヘテロダイマ
ーおよびマルチマーモノクローナル抗体を使用して、ぜん息、アレルギーおよび
アトピー性疾患に関係する免疫細胞をシグナリングし、消耗し、そして偏向させ
る。また、zcytor16を介するシグナリングは、膵臓、腎臓、脳下垂体および神経
細胞の疾患に有益である。IDDM、NIDDM、膵臓炎、および膵臓癌腫に対する有益
であろう。zcytor16は、シグナリングMAbが癌増殖を阻害しかつ免疫仲介死滅を
ターゲットする、膵臓癌のMAb治療のためのターゲットとして働く(Tutt AL他
、J. Immunol. 161:3175−3185、1998)。同様に、本発明のzcytor16を含ん
でなる可溶性レセプターに対するモノクローナル抗体で腎臓細胞癌腫を治療する
ことができる。
【0376】 前述したように、本明細書に記載する可溶性zcytor16ポリペプチド、モノマー
、ホモダイマー、ヘテロダイマーおよびマルチマーのポリペプチドを使用して、
自己免疫疾患、アトピー性疾患、非インスリン依存性、膵臓炎および腎臓機能障
害の治療においてIL−TIF活性を中和/ブロックすることができる。zcytor16の
可溶性形態を使用して、Th細胞により仲介される抗体応答を促進しおよび/また
はリンパ球または他の免疫細胞によるIL−4または他のサイトカインの産生を促
進することができる。
【0377】 本発明の可溶性zcytor16を含んでなるレセプターは、IL−TIFサイトカインの
アンタゴニストとして有効である。このようなアンタゴニストの作用は、IL−TI
Fの直接的中和または結合により達成することができる。拮抗的使用に加えて、
本発明の可溶性レセプターはIL−TIFに結合し、IL−TIFサイトカインのキャリヤ
ータンパク質として作用し、リガンドを異なる組織、器官、および体内の細胞に
輸送することができる。
【0378】 それ自体、本発明の可溶性レセプターは、可溶性レセプター−リガンド複合体
を特定の部位、例えば、組織、特定の免疫細胞、または腫瘍に向ける分子、ポリ
ペプチドまたは化学的部分に対して融合またはカップリングすることができる。
例えば、急性感染またはいくつかの癌において、IL−TIFの作用による炎症およ
び局所的急性期反応の誘導から利益を得ることができる。こうして、本発明の可
溶性レセプターを使用して、IL−TIFの作用を特異的に向けることができる。下
記の文献を参照のこと:Cosman D.、Cytokine 5:95−106、1993;およびFern
andez−Botran、R.、Exp. Opin. Invest. Drugs 9:497−513、2000。
【0379】 その上、本発明の可溶性レセプターを使用して、リガンドを分解またはクリア
ランスから安定化するか、あるいはリガンドを体内の作用部位にターゲッティン
グすることによって、IL−TIFを安定化し、バイオアベイラビリティ、治療寿命
、および/またはリガンドの効能を増加することができる。例えば、天然に存在
するIL−6/可溶性IL−6R複合体はIL−6を安定化し、gp130レセプターを通して
シグナルすることができる。Csoman、D.前掲、およびFernadez−Botran、R.前掲
参照。
【0380】 その上、zcytor16を同種リガンド、例えば、IL−TIFと組合わせて、リガンド
/可溶性レセプター複合体を構成することができる。このような複合体を使用し
て、コンパニオンレセプターサブユニット、例えば、zcytor11またはCRF2−4を
提示する細胞からの応答を刺激することができる。zcytor16/リガンド複合体の
細胞特異性は、リガンド単独を投与して見られるものと異なることがある。さら
に、複合体は明確な薬物速度論的性質、例えば、半減期、投与量/応答および器
官または組織の特異性に影響を与えるという性質を有することができる。
【0381】 こうして、zcytor16/IL−TIF複合体は、免疫応答を増強し、または糸球体間
質細胞を刺激し、または肝細胞を刺激するアゴニスト活性を有することができる
。選択的に、複合体とヘテロダイマー化するシグナリングサブユニットを発現す
る組織のみが、IL6/IL6R複合体に対する応答に類似して影響を受けることがあ
る(Hirota H.他、Proc. Natl'l. Acad. Sci. 92:4862−4866、1995;Hir
ano、T.in Thomason、A.(編者)、″The Cytokine Handbook″、第3版、pp.
208−209)。IL12およびCNTFに対する可溶性レセプター/サイトカイン複合体
は同様な活性を表示する。
【0382】 また、Zcytor16ホモダイマー、ヘテロダイマーおよびマルチマーのレセプター
ポリペプチドは、IL−TIFリガンドの循環レベルを検出する診断系、および急性
期炎症反応に関連するIL−TIFの検出において使用することができる。関係する
態様において、本発明のZcytor16可溶性レセプターに特異的に結合する抗体また
は他の因子を使用して、循環するレセプターペプチドを検出することができる;
逆に、Zcytor16可溶性レセプターそれら自体を使用して、循環するまたは局所的
に作用するIL−TIFポリペプチドを検出することができる。
【0383】 リガンドまたはレセプターポリペプチドのレベルの増加または減少は、炎症ま
たは癌を包含する、病理学的状態を示すことができる。IL−TIFは関連する急性
期炎症反応を誘導することが知られている。その上、急性期タンパク質または分
子、例えば、IL−TIFの検出は、ある種の疾患状態(例えば、慢性関節リウマチ
)における慢性炎症状態を示すことができる。このような状態の検出は、疾患の
診断を促進し、ならびに適切な療法の選択において医師を助ける働きをする。
【0384】 その上、本発明のzcytor16可溶性レセプターは「リガンドシンク」、すなわち
、アンタゴニストとして使用して、リガンドの存在が望ましくないin vivoまた
はin vitro療法または他の用途においてリガンドを結合することができる。例
えば、大量の生物活性IL−TIFを発現している慢性炎症状態または癌において、
可溶性zcytor16レセプターまたは可溶性zcytor16ヘテロダイマーおよびマルチマ
ーのレセプターポリペプチド、例えば、可溶性zcytor16/CRF2−4をin vivoリ
ガンドの直接的アンタゴニストとして使用し、疾患に関連する進行および病徴を
減少し、そして他の療法(例えば、ステロイドまたは化学療法)と組み合わせて
使用して、進行および病徴を減少し、かつ再発を防止する療法の効果を増強する
ことができる。その上、可溶性zcytor16レセプターポリペプチドを使用して、そ
うでなければ癌の増殖を増強することがあるリガンドをin vivo結合することに
よって、zcytor16レセプターを過剰発現する癌の進行を遅延することができる。
【0385】 その上、本発明の可溶性zcytor16レセプターポリペプチドをin vivoまたは診
断用途において使用して、in vivoまたは組織試料においてIL−TIFを発現する
炎症または癌を検出することができる。例えば、本発明の可溶性zcytor16レセプ
ターを本明細書に記載するように放射能標識または蛍光標識に結合し、in vitr
oリガンド−レセプター型結合アッセイ、または蛍光映像アッセイを使用して、
組織試料中のIL−TIFの存在を検出するために使用することができる。その上、
本発明の放射能標識化可溶性zcytor16レセプターをin vivo投与して、この分野
において知られている放射能映像法により、リガンドを発現する充実腫瘍を検出
することができる。
【0386】 一般に、Zcytor16(またはZcytor16アナローグまたは融合タンパク質)の投与
量は、患者の年齢、体重、身長、性別、一般的医学的状態および以前の医学的病
歴に依存して変化するであろう。典型的には、約1pg/kg〜10mg/kg(薬剤の量
/患者の体重)の範囲であるZcytor16ポリペプチドの投与量をレシピエントに提
供することが望ましいが、より低いまたはより高い投与量もまた状況に応じて投
与することができる。
【0387】 被検体に対するZcytor16の投与は、静脈内、動脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、
胸膜内、胞膜内に、局所カテーテルを通す灌流により、または直接的病巣内注射
により実施することができる。注射により治療患者に投与するとき、投与は連続
的注入または1回または多数回のボーラスによることができる。
【0388】 追加の投与経路は、経口、粘膜、胸、および経皮を包含する。経口的デリバリ
ーはポリエステル微小球、ゼイン微小球、プロテイノイド微小球、ポリシアノア
クリレート微小球、および脂肪をベースとする系に適する(例えば、下記の文献
を参照のこと:DiBaseおよびMorrel、″Oral Delivery of Microencapsulate
d Proteins″、Protein Delivery:Physical Systems、SandersおよびHenden
(編者)、pp. 255−288(Plenum Press 1997))。鼻内デリバリーの可能性
はインスリン投与モードにより例示される(例えば、下記の文献を参照のこと:
HinchcliffeおよびIllum、Adv. Drug Deliv. Rev. 35:199(1999))。
【0389】 Zcytor16を含んでなる乾燥または液体粒子を調製し、乾燥粉末ディスペンサー
、液体エーロゾル発生器、またはネブライザーの助けにより吸入することができ
る(例えば、PettitおよびGombotz、TIBTECH 16:343(1998);Patton他、Adv
. Drug Deliv. Rev. 35:235(1999))。このアプローチはAERX糖尿病管理
システムにより例示され、これは肺の中にエーロゾル化インスリンを送出す、手
で保持する電子吸入器である。研究において、48,000kDa程度に大きいタンパク
質が皮膚を横切って低周波数の超音波の助けにより送出されることが示され、こ
れは経皮的投与の可能性を例示する(Mitragotri他、Science 269:850(1995
))。エレクトロポレーションを使用する経皮的デリバリーは、Zcytor16結合活
性を有する分子を投与する他の手段を提供する(Potts他、Pharm. Biotechnol.
10:213(1997))。
【0390】 Zcytor16結合活性を有するタンパク質、ポリペプチド、またはペプチドを含ん
でなる医薬組成物は、薬学的に有効な組成物を調製する既知の方法に従い処方す
ることができ、これにより療法用タンパク質を薬学上許容される担体と組合わせ
て組合わせる。組成物の投与をレシピエント患者が許容できる場合、その組成物
は「薬学上許容される担体」であると言われる。無菌のリン酸塩緩衝液は薬学上
許容される担体の1例である。他の適当な担体は当業者によく知られている。例
えば、下記の文献を参照のこと:Gennaro(編者)、Remington's Pharmaceutic
al Sciences 第19版(Mack Publishing Company 1995)。
【0391】 治療の目的で、Zcytor16結合活性を有する分子および薬学上許容される担体を
治療的有効量で患者に投与する。Zcytor16結合活性を有するタンパク質、ポリペ
プチド、またはペプチドと薬学上許容される担体との組合わせは、投与量が生理
学的に有意である場合、「治療的有効量」で投与されると言われる。薬剤の存在
がレシピエント患者の生理学に検出可能な変化を生ずる場合、その薬剤は生理学
的に有意である。例えば、炎症の治療に使用される薬剤の存在が炎症反応を軽減
する場合、その薬剤は生理学的に有意である。
【0392】 Zcytor16(またはZcytor16アナローグまたは融合タンパク質)を含んでなる医
薬組成物は、液体、エーロゾル、または固体の形態で投与することができる。液
体の形態は注射可能な溶液および経口的懸濁液により例示される。典型的な固体
の形態は、カプセル剤、錠剤、および調節放出性形態を包含する。後者の形態は
ミニ浸透圧ポンプおよび移植片により例示される(Bremer他、Pharm. Biotechn
ol. 10:239(1997);Ranade、″Implants in Drug Delivery″、Drug De
livery Systems、RanadeおよびHollinger(編者)、pp. 95−123(CRC Press
,Inc. 1995);Bremer他、″Protein Delivery:Physical Systems、Sander
sおよびHendren(編者)、pp. 239−254(Plenum Press 1997);Yewey他、
″Delivery of Proteins from a Controlled Release Injectable Impl
ant″、Protein Delivery:Physical Systems、SandersおよびHendren(編者
)、pp. 93−117(Plenum Press 1997))。
【0393】 リポソームは療法用ポリペプチドを被検体に静脈内、腹腔内、胞膜内、筋肉内
、皮下に、または経口投与、吸入、または鼻内投与を介して送出す1つの手段を
提供する。リポソームは水性隔室を取り囲む1またはそれ以上の脂肪二層から成
る、微視的小胞である(一般的に、下記の文献を参照のこと:Bakker−Woudenbe
rg他、Eur. J. Clin. Microbiol. Infect. Dis. 12(Suppl. 1):S61(
1993)、Kim、Drugs 46:618(1993)、およびRanade、″Site−Specific Dru
g Delivery Using Liposomes as Carriers″、Drug Delivery Systems、
RanadeおよびHollinger(編者)、pp. 3−24(CRC Press,Inc. 1995))。
リポソームは細胞膜に組成が類似し、その結果、安全に投与することができ、そ
して生物分解性である。
【0394】 製造法に依存して、リポソームは1層または多層であることができ、そして直
径が0.02μm〜10μmより大の範囲で変化することができる。種々の薬剤を二層中
のリポソーム:疎水性因子の区画および内側の1またはそれ以上の水性空間内の
親水性因子の区画内にカプセル化することができる(例えば、下記の文献を参照
のこと:Machy他、Liposomes In Cell Biology And Pharmacology(John
Libbey 1987)、およびOstro他、American J. Hosp. Pharm. 46:1576(19
89))。その上、リポソームのサイズ、二層の数、脂肪組成、ならびにリポソー
ムの変化および表面特性を変化させることによって、カプセル化薬剤の治療的有
効性をコントロールすることができる。
【0395】 リポソームは事実上任意の型の細胞に吸着し、次いでカプセル化薬剤をゆっく
り放出することができる。選択的に、吸収されたリポソームは食細胞である細胞
により食作用を受けることができる。食作用に引き続いて、リポソームの脂肪は
リソソーム内で分解され、カプセル化薬剤は放出される(Scherphof他、Ann. N
. Y. Acad. Sci. 446:368(1985))。静脈内投与後、小さいリポソーム(
0.1〜1.0μm)は典型的には肝臓および脾臓の中に主として位置する、細網内皮
系の細胞により取り上げられるが、3.0μmより大きいリポソームは肺の中に沈着
する。細網内皮系の細胞による、より小さいリポソームのこの優先的吸収は、化
学療法剤をマクロファージに、そして肝臓の腫瘍に送達させるために使用されて
きている。
【0396】 細網内皮系は、大きい投与量のリポソーム粒子を使用する飽和、または薬理学
的手段による選択的マクロファージ不活性化を包含する、いくつかの方法により
回避することができる(Claassen他、Biochim. Biophys. Acta 802:428(19
84))。さらに、リポソーム膜の中へのグリコリピド−またはポリエチレングリ
コール誘導化リン脂質の組込みは、細網内皮系による吸収を有意に減少させるこ
とが示された(Allen他、Biochim. Biophys. Acta 1068:133(1991);Alle
n他、Biochim. Biophys. Acta 1050:9(1993))。
【0397】 また、リン脂質組成を変化させるか、あるいはリポソームの中にレセプターま
たは脂肪を挿入することによって、特定の細胞または器官をターゲットするよう
に、リポソームを調製することができる。例えば、高い含量の非イオン性界面活
性剤を使用して調製されたリポソームを使用して、肝臓をターゲットすることが
できる(Hayakawa他、日本国特許04−244,018;Kato他、Biol. Pharm. Bull.
16:960(1993))。
【0398】 大豆ホスファチジルコリン、α−トコフェロール、およびエトキシル化水素化
ヒマシ油(HCO−60)をメタノール中で混合し、この混合物を真空下に濃縮し、
次いで混合物を水で再構成することによって、これらの処方物を調製した。また
、大豆由来ステリルグリコシド混合物(SG)およびコレステロール(Ch)を有す
るジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)のリポソーム処方物は、肝臓を
ターゲットすることが示された(Shimizu他、Biol. Pharm. Bull. 20:881(
1997))。
【0399】 選択的に、種々のターゲッティングリガンド、例えば、抗体、抗体フラグメン
ト、炭水化物、ビタミン、および輸送タンパク質をリポソームの表面に結合させ
ることができる。例えば、リポソームを分枝鎖状型ガラクトシル脂肪で変性して
アシアログリコプロテイン(ガラクトース)レセプターをターゲットすることが
でき、ここでこれらのレセプターはもっぱら肝細胞表面上で発現される(Katoお
よびSugiyama、Crit. Rev. Ther. Drug Carrier Syst. 14:287(1997)
;Murahasi他、Biol. Pharm. Bull. 20:259(1997))。同様に、Wu他、Hep
atology 27:772(1998)は、アシアロフェツインを使用するリポソームの標識
化がリポソーム血漿半減期を短縮し、肝細胞によるアシアロフェツイン標識化リ
ポソームの吸収を増強することを示した。
【0400】 他方において、分枝鎖状型ガラクトシル脂肪を含んでなるリポソームの肝臓蓄
積は、アシアロフェツインの前注射により阻害することができる(Murahasi他、
Biol. Pharm. Bull. 20:259(1997))。ポリアコニチル化ヒト血清アルブ
ミンリポソームは、肝細胞に対してリポソームをターゲッティングする他のアプ
ローチを提供する(Kamps他、Proc. Natl'l. Acad. Sci. USA 94:11681(
1997))。その上、Geho他、米国特許第4,603,044号は、肝臓の特殊化代謝細胞
に関連する肝胆管レセプターに対する特異性を有する、肝細胞特異的リポソーム
小胞デリバリー系を記載している。
【0401】 組織ターゲッティングに対するいっそう一般的なアプローチにおいて、ターゲ
ット細胞により発現されるリガンドに対して特異的なビオチニル化抗体でターゲ
ット細胞を前標識化する(Harasym他、Adv. Drug Deliv. Rev. 32:99(199
8))。遊離抗体を血漿排除した後、ストレプトアビジン結合リポソームを投与
する。他のアプローチにおいて、ターゲッティング抗体をリポソームに直接的に
取付ける(Harasym他、Adv. Drug Deliv. Rev. 32:99(1998))。
【0402】 タンパク質マイクロカプセル化の標準的技術を使用して、Zcytor16結合活性を
有するポリペプチドをリポソーム内にカプセル化することができる(例えば、下
記の文献を参照のこと:Anderson他、Infect. Immunol. 31:1099(1981)、A
nderson他、Cancer Res. 50:1853(1990)、およびCohen他、Biochim. Biop
hys. Acta 1063:95(1991)、Alving他、″Preparation and Use of Lip
osomes in Immunological Studies″、Liposome Technology、第2版、Vol.
III、Gregoriadis(編者)、p. 317(CRC Press 1993)、Wassef他、Meth.
Enzymol. 149:124(1987))。前述したように、療法的に有効なリポソーム
は種々の成分を含有することができる。例えば、リポソームはポリ(エチレング
リコール)の脂質誘導体を含むことができる(Allen他、Biochim. Biophys. A
cta 1150:9(1993))。
【0403】 治療用タンパク質の高い全身的レベルを維持するように、分解性ポリマーの微
小球を設計されてきている。分解性ポリマー、例えば、ポリ(ラクチド−コ−グ
リコリド)(PLG)、ポリ無水物、ポリ(オルトエステル)、非生物分解性エチ
ルビニルアセテートポリマーから微小球を調製し、ここでタンパク質はポリマー
の中に捕捉される(GombotzおよびPettit、Bioconjugate Chem. 6:332(1995
);Ranade、″Role of Polymers in Drug Delivery″、Drug Delivery
Systems、RanadeおよびHollinger(編者)、pp. 51−93(CRC Press 1995)
;RoskosおよびMaskiewicz、″Degradable Controlled Release Systems Us
eful for Protein Delivery″、Protein Delivery:Physical Systems、Sa
ndersおよびHendren(編者)、pp. 45−92(Plenum Press 1997);Bartus他
、Science 281:1161(1998);PutneyおよびBurke、Nature Biotechnology
16:153(1998);Putney、Curr. Opin. Chem. Biol. 2:548(1998))。
また、ポリエチレングリコール(PEG)被覆ナノ球は、治療用タンパク質の静脈
内投与のための担体を提供することができる(例えば、下記の文献を参照のこと
:Gref他、Pharm. Biotechnol. 10:167(1997))。
【0404】 本発明は、また、結合性Zcytor16活性を有する化学的に変性されたポリペプチ
ド、例えば、zcytor16モノマー、ホモダイマー、ヘテロダイマーおよびマルチマ
ーの可溶性レセプター、およびZcytor16アンタゴニスト、例えば、抗zcytor16抗
体または結合性ポリペプチドを包含し、前述したように、ポリペプチドはポリマ
ーと結合されている。
【0405】 他の投与形態は、当業者により、例えば、AnselおよびPopovich、Pharmaceuti
cal Dosage Forms and Drug Delivery Systems、第5版(Lea & Febiger
1990)、Gennaro(編者)、Remington's Pharmaceutical Sciences、第19版
(Mack Publishing Company 1995)、およびRanadeおよびHollinger、Drug
Delivery Systems(CRC Press 1996)により案出された。
【0406】 例示として、医薬組成物をキットとして供給することができる。キットはZcyt
or16細胞外真性糖尿病,例えば、zcytor16モノマー、ホモダイマー、ヘテロダイ
マーおよびマルチマーの可溶性レセプター、またはZcytor16アンタゴニスト(例
えば、Zcytor16ポリペプチドに結合する抗体または抗体フラグメント)を含む容
器を含んでなる。治療用ポリペプチドは、1回または多数回投与のために注射可
能な溶液の形態で、または注射前に再構成される無菌の粉末として提供すること
ができる。選択的に、このようなキットは治療用ポリペプチドを投与のための乾
燥粉末ディスペンサー、液体エーロゾル発生器、またはネブライザーを含むこと
ができる。さらに、このようなキットは医薬組成物の適用および使用に関する記
載された情報を含むことができる。その上、このような情報はZcytor16組成物を
Zcytor16に対する既知の過敏症を有する患者において禁忌されるという陳述を含
むことができる。
【0407】 13. Zcytor16ヌクレオチド配列の療法的使用 本発明は、治療を必要とする被検体にZcytor16を提供するためにZcytor16ヌク
レオチド配列を使用することを包含する。さらに、Zcytor16遺伝子の発現を阻害
する治療用発現ベクター、例えば、アンチセンス分子、リボザイム、または外部
のガイド配列分子を提供することができる。
【0408】 被検体にZcytor16遺伝子を導入する多数のアプローチ、例えば、Zcytor16を発
現する組換え宿主細胞の使用、Zcytor16をコードする裸核酸のデリバリー、Zcyt
or16をコードする核酸分子を有するカチオン性脂質担体の使用、およびZcytor16
を発現するウイルス、例えば、組換えレトロウイルス、組換えアデノ関連ウイル
ス、組換えアデノウイルス、および組換え単純ヘルペスウイルスの使用が存在す
る(例えば、下記の文献を参照のこと:Mulligan、Science 260:926(1993)
、Rosenberg他、Science 242:1575(1988)、LaSalle他、Science 259:988
(1993)、Wolff他、Science 247:1465(1990)、BreakfieldおよびDeluca、T
he New Biologist 3:203(1991))。ex vivoアプローチにおいて、例えば
、細胞を被検体から単離し、Zcytor16遺伝子を発現するベクターでトランスフェ
クトし、次いで被検体の中に移植する。
【0409】 Zcytor16遺伝子を発現させるために、Zcytor16遺伝子をコードするヌクレオチ
ド配列がコアプロモーター、および必要に応じて調節因子に作用可能に連鎖され
て、遺伝子転写コントロールする、発現ベクターを構築する。発現ベクターの一
般的要件は前述した通りである。
【0410】 選択的に、例えば、下記のベクターを包含する、組換えウイルスベクターを使
用して、Zcytor16遺伝子を送出すすることができる:アデノウイルスベクター(
例えば、Kass−Eisler他、Proc. Natl'l. Acad. Sci. USA 90:11498(199
3)、Kolls他、Proc. Natl'l. Acad. Sci. USA 91:215(1994)、Li他、H
um. Gene Ther. 4:403(1993)、Vincent他、Nat. Genet. 5:130(1993
)、およびZabner他、Cell 75:207(1993))、アデノ関連ウイルスベクター
(Flotte他、Proc. Natl'l. Acad. Sci. USA 90:10613(1993))、
【0411】 アルファウイルス、例えば、セムリキ森林ウイルスおよびシンドビスウイルス
(HertzおよびHuang、J. Virol. 66:857(1992)、RajuおよびHuang、J. Vi
rol. 65:2501(1991)、およびXiong他、Science 243:1188(1989))、ヘ
ルペスウイルスベクター(例えば、米国特許第4,769,331号、米国特許第4,859,5
87号、米国特許第5,288,641号および米国特許第5,328,688号)、パルボウイルス
ベクター(Koering他、Hum. Gene Therap. 5:457(1994))、ポックスウイ
ルスベクター(Ozaki他、Biochem. Biophys. Res. Commun. 193:653(1993
)、PanicaliおよびPaoletti、Proc. Natl'l. Acad. Sci. USA 79:4927(
1982))、
【0412】 ポックスウイルス、例えば、カナリア痘ウイルスまたはワクシニアウイルス(
Fisher−Hoch他、Proc. Natl'l. Acad. Sci. USA 86:317(1989)、およ
びFlexner他、Ann. N. Y. Acad. Sci. 569:86(1989))、およびレトロ
ウイルス(例えば、Baba他、J. Neurosurg 79:729(1993)、Ram他、Cancer
Res. 53:83(1993)、Takamiya他、J. Neurosci. Res. 33:493(1992)
、VileおよびHart、Cancer Res. 53:962(1993)、VileおよびHart、Cancer
Res. 53:3860(1993)、およびAnderson他、米国特許第5,399,346号)。種
々の態様において、ウイルスベクターそれ自体、またはウイルスベクターを含有
するウイルス粒子を、後述する方法および組成物において使用することができる
【0413】 1つの系の例示として、アデノウイルス、二本鎖DNAウイルスは、異種核酸分子
のデリバリーのための十分に特性決定された遺伝子転移ベクターである(外観に
ついては下記の文献を参照のこと:Becker他、Meth. Cell. Biol. 43:161(
1994);DouglasおよびCuriel、Science & Medicine 4:44(1997))。アデ
ノウイルス系は、下記のものを包含する、いくつかの利点を提供する:(i)比
較的大きいDNAインサートを収容する能力、(ii)高い力価に増殖する能力、(i
ii)広い範囲の哺乳動物細胞型を感染する能力、および(iv)偏在的、組織特異
的、および調節可能なプロモーターを包含する、多数の異なるプロモーターとと
もに使用できる能力。さらに、ウイルスは血流中で安定であるので、アデノウイ
ルスを静脈内注射により投与することができる。
【0414】 アデノウイルスゲノムの一部分が欠失されているアデノウイルスベクターを使
用して、インサートを直接的結合または共トランスフェクトされたプラスミドを
使用する相同的組換えによりウイルスDNAの中に組込む。典型的な系において、
必須E1遺伝子をウイルスベクターから欠失させ、E1遺伝子が宿主細胞により提供
されないかぎり、ウイルスは複製しないであろう。完全な動物に静脈内投与する
とき、アデノウイルスは主として肝臓をターゲットする。E1遺伝子が欠失された
アデノウイルス送出系は宿主細胞中の複製することができないが、宿主組織はコ
ード化された異種タンパク質を発現し、プロセスするであろう。対応する遺伝子
が分泌シグナル配列を含む場合、宿主細胞はまた異種タンパク質を分泌するであ
ろう。分泌されたタンパク質は、異種遺伝子を発現する組織(例えば、高度に血
管化された肝臓)から、循環の中に入る。
【0415】 その上、ウイルス遺伝子の種々の欠失を含有するアデノウイルスベクターを使
用して、ベクターに対する免疫応答の減少または排除することができる。このよ
うなアデノウイルスはE1欠失されており、そしてさらに、E2AまたはE4の欠失を
含有する(Lusky他、J. Virol. 72:2022(1998);Raper他、Human Gene T
herapy 9:671(1998))。E2bの欠失は、また、免疫応答を減少することが報
告された(Amalfitanno他、J. Virol. 72:956(1998))。アデノウイルスゲ
ノム全体を欠失させることによって、異種DNAの非常に大きいインサートを収容
することができる。ウイルス遺伝子のすべてが欠失されている、いわゆる「グー
トレス(gutless)」アデノウイルスの発生は、異種DNAの大きいインサートの挿
入に特に好都合である(外観については下記の文献を参照のこと:Yeh.およびPe
rricaudet、FASEB J. 11:615(1997))。
【0416】 治療遺伝子を発現することができる組換えウイルスの高い力価の系統は、標準
的方法を使用して感染した哺乳動物細胞から得ることができる。例えば、組換え
HSVは、下記の文献に開示されているようにして、Vero細胞中の調製することが
できる:Brandt他、J. Gen. Virol. 72:2043(1991)、Herold他、J. Gen.
Virol. 75:1211(1994)、VisalliおよびBrandt、Virology 185:419(199
1)、Grau他、Invest. Ophthalmol. Vis. Sci. 30:2474(1989)、Brandt
他、J. Virol. Meth. 36:209(1992)、およびBrownおよびMacLean(編)、
HSV Virus Protocols(Humana Press、1997)。
【0417】 選択的に、リポソームを使用するin vivoリポフェクションにより、Zcytor16
遺伝子を含んでなる発現ベクターを被検体細胞の中に導入することができる。合
成カチオン性脂質を使用して、マーカーをコードする遺伝子のin vivoトランス
フェクションのためのリポソームを製造することができる(Felgner他、Proc.
Nat'l Acad. Sci. USA 84:7413(1987);Mackey他、Proc. Nat'l Acad.
Sci. USA 85:8027(1988))。in vivoにおいて特定の器官の中に外因的
遺伝子を導入するためにリポフェクションを使用すると、ある種の実際的利点が
得られる。特定の細胞型にトランスフェクションを向けるためにリポソームを使
用することができる。
【0418】 これは細胞の不均質性を有する組織、例えば、膵臓、肝臓、腎臓、および脳に
おいて特に好都合である。脂質をターゲッティングの目的で他の分子に化学的に
カップリングさせることができる。ターゲッテッドペプチド(例えば、ホルモン
または神経伝達物質)、タンパク質、例えば、抗体、または非ペプチド分子をリ
ポソームに化学的にカップリングさせることができる。 エレクトロポレーションは投与の他の別のモードである。例えば、Aiharaおよ
びMiyazaki、Nature Biotechnology 16:867(1998)は、筋肉の中への遺伝子
転移のためのin vivoエレクトロポレーションの使用を証明した。
【0419】 遺伝子療法に対する別のアプローチにおいて、治療遺伝子はZcytor16の発現を
阻害するZcytor16アンチセンスRNAをコードすることができる。アンチセンス分
子に適当な配列は、本明細書に開示するZcytor16のヌクレオチド配列から誘導す
ることができる。
【0420】 選択的に、リボザイムをコードするヌクレオチド配列に調節因子が作用可能に
連鎖されている、発現ベクターを構築することができる。mRNA分子中のある種の
ターゲット配列に向けられたエンドヌクレアーゼ活性を発現するように、リボザ
イムを設計することができる(例えば、下記の文献を参照のこと:Draperおよび
Macejak、米国特許第5,496,698号、McSwiggen、米国特許第5,525,468号、Chowri
raおよびMcSwiggen、米国特許第5,631,359号、およびRobertsonおよびGoldberg
、米国特許第5,225,337号)。本発明の関係において、リボザイムはZcytor16 m
RNAと結合するヌクレオチド配列を含む。
【0421】 他のアプローチにおいて、Zcytor16遺伝子をコードするmRNA分子のRNアーゼP
仲介切断を促進することができる、RNA転写物の産生を調節因子が指令する、発
現ベクターを構築することができる。このアプローチによれば、内因的リボザイ
ム、RNアーゼPを細胞内mRNAの特定の空間に向ける外部のガイド配列を構築する
ことができ、引き続いてこれを細胞リボザイムにより切断する(例えば、下記の
文献を参照のこと:Altman他、米国特許第5,168,053号、Yuan他、Science 263
:1269(1994)、Pace他、国際公開No.WO 96/18733、George他、国際公開No.W
O 96/21731、およびWerner他、国際公開No.WO 97/33991)。
【0422】 例えば、外部ガイド配列は、Zcytor16 mRNAに対して相補的な10〜15ヌクレオ
チド配列、および3'−NCCAヌクレオチド配列(ここでNは好ましくはプリンであ
る)とを含んでなる。外部ガイド配列転写物はmRNAと相補的外部ガイド配列との
間で塩基対を形成することによってターゲッテッドmRNA種に結合し、こうして塩
基対領域の5'側に位置するヌクレオチドにおけるRNアーゼPによりmRNAの切断を
促進する。
【0423】 一般に、Zcytor16ヌクレオチド酸配列を有する治療ベクター、例えば、組換え
ウイルスを含んでなる組成物は、因子、例えば、被検体の年齢、体重、性別、一
般的医学的症状および前の病歴に依存して変化するであろう。治療ベクターの適
当な投与経路は、静脈内注射、動脈内注射、腹腔内注射、筋肉内注射、腫瘍内注
射、および腫瘍を含有する腔の中への注射を包含する。例示として、Horton他、
Proc. Nat'l Acad. Sci. USA 96:1553(1999)は、インターフェロン−α
をコードするプラスミドDNAの筋肉内注射がネズミモデルにおいて一次および転
移性腫瘍に対して効力のある抗腫瘍作用を生成することを証明した。
【0424】 本発明のウイルスベクター、非ウイルスベクター、またはウイルスベクターと
非ウイルスベクターとの組合わせを含んでなる組成物を既知の方法に従い処方し
て薬学上有用な組成物を製造することができ、ここでベクターおよびウイルスを
薬学上許容される担体と混合物中で組合わせる。前述したように、組成物、例え
ば、リン酸塩緩衝液は、その投与がレシピエント患者により許容されうる場合、
「薬学上許容される担体」であると言われる。他の適当な担体は当業者によく知
られている(例えば、下記の文献を参照のこと:Remington's Pharmaceutical
Sciences、第19版(Mack Publishing Company、1995)、およびGilman's t
he Pharmacological Basis of Therapeutics、第7版(MacMillan Publishi
ng Co.、1985))。
【0425】 療法の目的で、治療用遺伝子発現ベクター、またはこのようなベクターを含ん
でなる組換えベクター、および薬学上許容される担体を治療的に有効量で患者に
投与される。発現ベクター(またはウイルス)および薬学上許容される担体は、
投与される量が生理学的に有意である場合、「治療的に有効量」で投与されたと
言われる。薬剤の存在がレシピエント患者において検出可能な生理学的変化を生
ずる場合、薬剤は生理学的に有意である。例えば、炎症の治療に使用する薬剤の
存在が炎症反応を軽減する場合、薬剤は生理学的に有意である。
【0426】 療法用遺伝子発現ベクターまたは組換えウイルスで治療された被検体がヒトで
あるとき、治療は好ましくは幹細胞の遺伝子治療である。すなわち、治療用遺伝
子発現ベクターまたは組換えウイルスによるヒトの好ましい治療は、ヒト生殖系
列の一部分を形成し、連続的世代(すなわち、ヒト生殖系列遺伝子治療)に伝達
される核酸分子を、細胞の中に導入しない。
【0427】 14. トランスジェニックマウスの産生 すべての組織においてまたは組織特異的または組織採択調節因子の制御下にZc
ytor16遺伝子を過剰に発現するように、トランスジェニックマウスを操作するこ
とができる。これらのZcytor16過剰産生体を使用して、過剰発現から生ずる表現
型を特性決定することができ、そしてトランスジェニックマウスは過剰のZcytor
16により引き起こされるヒト疾患のモデルとして働くことができる。また、Zcyt
or16を過剰に発現するトランスジェニックマウスは、より大きい動物の乳または
血液中でZcytor16を産生する、モデルのバイオリアクターを提供する。
【0428】 トランスジェニックマウスを産生する方法は当業者によく知られている(例え
ば、下記の文献を参照のこと:Jacob、″Expression and Knockout of Inte
rferons in Transgenic Mice″、Overexpression and Knockout of Cyto
kines in Transgenic Mice、Jacob(編者)、pp. 111−124(Academic Pre
ss,Ltd. 1994)、MonasterskyおよびRobl(編者)、Strategies in Transge
nic Animal Science(ASM Press 1995)、およびAbbudおよびNilson、″Rec
ombinant Protein Expression in Transgenic Mice″、Gene Expression
Systems:Using Nature for the Art of Expression、FernadezおよびH
oeffler(編者)、pp. 367−397(Academic Press,Inc. 1999)]。
【0429】 例えば、Zcytor16遺伝子を発現するトランスジェニックマウスを産生する方法
は、成体の繁殖可能な雄(種マウス(studs))(B6C3f1、2〜8月齢(Taconic
Farms、ニューヨーク州ジャーマンタウン))、精管切除雄(ダッド(duds))
(B6D2f1、2〜8月齢(Taconic Farms))、青春前期の妊娠・出産可能な雌(ド
ナー)(B6C3f1、4〜5月齢(Taconic Farms))および成体の妊娠・出産可能な
雌(レシピエント)(B6C3f1、2〜4月齢(Taconic Farms))を使用して開始す
ることができる。ドナーを1週間順化させ、次いでほぼ8IU/マウスの妊馬血清ゴ
ナドトロピン(Sigma Chemical Co.、ミゾリー州セントルイス)を腹腔内注射
し、46〜47時間後、8IU/マウスのヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG(Sigma))
を腹腔内注射して過剰排卵を誘発する。ドナーをホルモン注射後に種マウスと交
尾させる。排卵は一般にhCG後13時間以内に起こる。交尾後の次の朝に膣栓の存
在により、交接が確証される。
【0430】 外科用スコープ下に受精卵を収集する。輸卵管を収集し、ヒアルロニダーゼ(
Sigma)を含有する尿分析用スライドの中に卵を解放させる。卵をヒアルロニダ
ーゼ中で1回洗浄し、5%CO2、5%O2および90%N2と37℃においてインキュベート
したウィッテン(Whitten's)W640培地(例えば、下記の文献に開示されている
:MeninoおよびO'Claray、Biol. Reprod. 77:159(1986)、およびDienhart
およびDowns、Zygote 4:129(1996)中で2回洗浄する。次いで、卵を37℃/5
%CO2のインキュベーター中でマイクロインジェクションまで貯蔵する。
【0431】 Zcytor16をコードする配列を含有するプラスミドDNAの10〜20μgを線状化し、
ゲル精製し、10mMのTris−HCl(pH7.4)、0.25mMのEDTA(pH8.0)の中に5〜10ng
/μlの最終濃度でマイクロインジェクションのために再懸濁させる。例えば、Z
cytor16をコードする配列は、配列番号2のアミノ酸配列をコードすることができ
る。 温かいCO2平衡化鉱油でオーバーレイされた1滴のW640培地中の収集された卵の
中に、プラスミドDNAをマイクロインジェクトする。DNAを注射針の中に吸込み(
内径0.75mm、外径1mmのホウケイ酸塩ガラスの毛管から引く)、個々の卵の中に
注射する。各卵を通して注射針を一倍体前核の一方または両方の中に入れる。
【0432】 数ピコリットルのDNAを前核の中に注射し、仁と接触しないように注射針を抜
く。すべての卵が注射されるまで、この手順を反復する。首尾よくマイクロイン
ジェクトされた卵を前もって通気したW640培地を含む器官組織培養皿の中に移し
、37℃/5%CO2インキュベーター中で一夜貯蔵する。
【0433】 次の日に、2細胞胚を擬妊娠レシピエントの中に移す。精管切除ダッドと交尾
後、交尾栓の存在によりレシピエントを同定する。レシピエントを麻酔し、背中
の左側の毛を剃り、外科用顕微鏡に移す。皮膚の中に、かつ胸郭、鞍状部、およ
び後脚により描かれる腹領域の中央部の、膝と脾臓との間の中間において、筋肉
壁を通して小さい切開を形成する。生殖器官を体外から出して小さい外科用掛け
布上に置く。脂肪パッドを外科用掛け布上で延伸し、子供用止血小鉗子(Roboz
、マリイランド州ロックビレ)を脂肪パッドに取付け、左をマウスの背面の上に
掛けて、器官が滑って中に入って戻ることを防止する。
【0434】 鉱油を含有する細い転移ピペット、および引き続いて交互にW640および気泡を
使用して、前日の注射からの12〜17の健康な2細胞の胚をレシピエントの中に移
す。膨潤した輸精管膨大部を捜し出し、輸精管膨大部と嚢との間に輸卵管を保持
し、輸卵管の中に切れ目を28gの針で嚢に密接させて作り、輸精管膨大部または
嚢が裂けないように注意する。
【0435】 ピペットを輸卵管中の切れ目の中に移し、胚を吹き込み、最初の気泡をピペッ
トから追い出す。脂肪パッドを腹腔の中におだやかに押し込み、生殖器官を滑り
込ませる。腹腔壁を1本の縫合糸で閉じ、皮膚を創傷クリップで閉じる。マウス
を37℃のスライド加温器上で最短4時間の間回復させる。 レシピエントをケージの中に戻し、19〜21日間の妊娠を可能とする。出生後、
分娩後19〜21日経過させた後、離乳させる。離乳子畜を雌雄鑑別し、別々の性別
のケージの中に入れ、0.5cmのバイオプシー(遺伝子型別のために使用する)を
きれいな鋏で尾から切り取る。
【0436】 例えば、製造業者の取扱説明書に従いQIAGEN DNEASYキットを使用して、尾の
小片からゲノムDNAを調製する。同一プラスミドの中に導入されたZcytor16遺伝
子または選択可能なマーカー遺伝子を増幅するように設計されたプライマーを使
用するPCRにより、ゲノムDNAを分析する。動物がトランスジェニックであること
が確証された後、トランスジェニック雌を野生型雄と一緒に配置するか、あるい
はトランスジェニック雄を1匹または2匹の野生型雌と一緒に配置することによっ
て、動物を同系交配系統に戻し交雑させる。子供が生まれ、離乳するとき、性別
で分離し、遺伝子型別のためにそれらの尾を切る。
【0437】 生きている動物におけるトランスジーンの発現を検査するために、部分的肝切
除を実行する。剣状突起のすぐ下の上部腹に外科的準備を行う。無菌技術を使用
して、小さい1.5〜2cmの切開を胸骨の下に形成し、肝臓の左横小葉を体外に取出
す。4−0の絹糸を使用して、下小葉の回りを結んで、それを体腔の外側で固定す
る。無外傷性クランプを使用して結束を保持すると同時に吸収性デクソン(Dexo
n)(Amersham Cyanamid、ニュージャージイ州ワイン)の第2ループを最初の結
束に近接させて配置する。
【0438】 デクソン結束から遠位切断を形成し、ほぼ100mgの切除した肝臓組織を無菌の
ペトリ皿の中に入れる。切除した肝臓切片を14mlのポリプロピレンの丸底管に移
し、液体窒素中で短時間凍結させ、次いでドライアイス上で貯蔵する。外科部位
を縫合糸および創傷クリップで閉じ、術後動物のケージを37℃の加熱パッド上に
24時間配置する。動物を術後毎日検査し、術後7〜10日に創傷クリップを除去す
る。RNA溶液ハイブリダイゼーションアッセイまたはポリメラーゼ連鎖反応を使
用して、各トランスジェニックマウスについてZcytor16 mRNAの発現レベルを検
査する。
【0439】 Zcytor16を過剰に発現するトランスジェニックマウスを産生することに加えて
、異常に遺伝子の発現が低いか、あるいは遺伝子を発現しないトランスジェニッ
クマウスを操作することが有用である。このようなトランスジェニックマウスは
、Zcytor16の欠如に関連する疾患の有用なモデルを提供する。前述したように、
アンチセンス遺伝子、リボザイム遺伝子、または外部のガイド配列遺伝子を使用
して、Zcytor16遺伝子の発現を阻害することができる。Zcytor16遺伝子を過小発
現するトランスジェニックマウスを産生するために、このような阻害配列をネズ
ミZcytor16 mRNAにターゲットさせる。
【0440】 特定の遺伝子の発現が異常に低いトランスジェニックマウスを産生する方法は
、この分野において知られている(例えば、下記の文献を参照のこと:Wu他、″
Gene Underexpression in Cultured Cells and Animals by Antisense
DNA and RNA Strategies″、Methods in Gene Biotechnology、pp. 20
5−224(CRC Press 1997))。
【0441】 Zcytor16遺伝子をわずかに発現するか、あるいはまったく発現しないトランス
ジェニックマウスを産生する別のアプローチは、非機能的Zcytor16遺伝子で置換
された少なくとも1つの正常Zcytor16アレレを有するネズミを発生させることで
ある。非機能的Zcytor16遺伝子を設計する1つの方法は、ネズミZcytor16をコー
ドする核酸分子内に、他の遺伝子、例えば、選択可能なマーカー遺伝子を挿入す
ることである。
【0442】 これらのいわゆる「ノックアウトマウス」を産生する標準的方法はこの分野に
おいて知られている(例えば、下記の文献を参照のこと:Jacob、″Expression
and Knockout of Interferons in Transgenic Mice″、Overexpression
and Knockout of Cytokines in Transgenic Mice″、Jacob(編者)、p
p. 111−124(Academic Press,Ltd. 1994)、およびWu他、″New Strategi
es for Gene Knockout″、Methods in Gene Biotechnology、pp. 339−3
65(CRC Press 1997))。
【0443】 本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、遺伝学および微生物学、タ
ンパク質化学、および抗体の産生および分析に関係する課程のための実験室実用
講座の教育ツールとして使用されるであろう。zcytor16の分子は、ユニークなポ
リヌクレオチドおよびポリペプチド配列を有するために、試験する目的で標準ま
たは「未知のもの」として使用することができる。例えば、zcytor16ポリヌクレ
オチドは、例えば、下記の目的のための補助教材として使用することができる:
zcytor16が発現すべき遺伝子である、細菌、ウイルス、および/または哺乳動物
の発現のための発現構築物、例えば、融合構築物を調製する方法を学生に教育す
るために;例えば、ポリヌクレオチドの制限エンドヌクレアーゼ切断部位を決定
するために;組織中のzcytor16ポリヌクレオチドのmRNAおよびDNA局在化を決定
するために(すなわち、ノザンおよびサザンブロッティングならびにポリメラー
ゼ連鎖反応により);および核酸ハイブリダイゼーションにより関係するポリヌ
クレオチドおよびポリペプチドを同定するために。
【0444】 zcytor16ポリペプチドは下記を教育する補助教材として使用することができる
:抗体の調製;ウェスタンブロッティングによるタンパク質の同定;タンパク質
の精製;発現された全タンパク質に対する比として発現されたzcytor16ポリペプ
チドの重量の測定;ペプチド切断部位の同定;アミノおよびカルボキシル末端の
タグのカップリング;アミノ酸配列分析、ならびにin vitroおよびin vivoに
おける天然およびタッグドタンパク質の両方の生物学的活性(すなわち、レセプ
ターの結合、シグナルトランスダクション、増殖、および分化))のモニター、
これらに限定されない。
【0445】 また、zcytor16ポリペプチドは下記を教育するために使用することができる:
分析技術、例えば、質量分析、特に4つのアルファヘリックスの、コンフォメー
ションを決定する円偏光二色性、原子的詳細の三次元構造を決定するX線結晶学
、溶液中のタンパク質構造を明らかにするための核磁気共鳴分光学。例えば、zc
ytor16を含有するキットを分析のために学生に与えることができる。教師はアミ
ノ酸配列を知っているので、学生の技量を決定または進展させるための試験とし
てタンパク質を学生に与えることができ、次いで教師は学生がポリペプチドを正
しく分析したかどうかを知るであろう。すべてのポリペプチドはユニークである
ので、zcytor16の教育上の利用はそれら自体ユニークである。
【0446】 その上、zcytor16は組織特異的発現を有し、かつクラスIIレセプター構造およ
び明確な染色体局在化を有するポリペプチドであるので、本明細書に記載する増
殖アッセイ;ルシフェラーゼおよび結合アッセイを使用して、活性を測定するこ
とができる。その上、リンパ系および他の組織におけるzcytor16ポリヌクレオチ
ドおよびポリペプチドの発現を分析して、診断および組織特異的同定および方法
の使用において学生を訓練することができる。その上、zcytor16ポリヌクレオチ
ドの遺伝子座は知られているので、そのポリヌクレオチドを使用して染色体検出
および診断法の使用について学生を訓練することができる。
【0447】 その上、ヒト染色体1、さらに詳しくはzcytor16遺伝子が位置決定される遺伝
子座6q24.1−25.2について、学生を特別に訓練しかつ教育することができる。こ
のようなアッセイはこの分野において知られており、そしてサイトカインレセプ
タータンパク質について学生を教育しかつzcytor16とこの分野における他のサイ
トカインレセプターポリペプチドとの間の異なる性質、例えば、細胞に対する細
胞の作用、酵素の反応速度論、変化する抗体の結合アフィニティー、組織特異性
、およびその他を検査するために使用することができる。
【0448】 zcytor16に特異的に結合する抗体はzcytor16を精製するアフィニティークロマ
トグラフィーカラムを調製する方法を教授すること、抗体をコードするポリヌク
レオチドをクローニングし配列決定する補助教具として、従ってヒト化抗体をデ
ザインする方法を学生に教授するための実習教材として使用できる。さらにzcyt
or16に特異的に結合する抗体は、例えば活性化CD91+細胞の検出、細胞ソーティ
ング、または当分野既知の方法に於いて特に組織学的およびインサイチュー法を
用いた卵巣癌組織の検出への利用に関する補助教材として使用することができる
【0449】 つぎに、zcytor16遺伝子、ポリペプチドまたは抗体は、学生が分子生物学の当
分野機能を獲得することを目的として試薬会社により包装され、大学およびその
他教育施設に販売される。それぞれの遺伝子および蛋白質は特有であることから
、各遺伝子および蛋白質は、研究実習に於いて学生に対し特有のチャレンジと学
習経験を作り出す。この様なzcytor16遺伝子、ポリペプチドまたは抗体を含む教
育キットは本発明の範囲内と考えられる。
【0450】 局面の一つでは、本発明は(a)アミノ酸残基21ないし231、(b)アミノ酸残基21
ないし210、(c)アミノ酸残基22ないし231、(d)アミノ酸残基22ないし210、(e)ア
ミノ酸残基22ないし108、(f)アミノ酸残基112ないし210、および(g)アミノ酸残
基21ないし110よりなるグループから選択される配列番号2の少なくとも15連続
アミノ酸残基またはアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドを提供する。
【0451】 実施態様の一つでは、上記開示の単離ポリペプチドは(a)アミノ酸残基21ない
し231、(b)アミノ酸残基21ないし210、(c)アミノ酸残基22ないし231、(d)アミノ
酸残基22ないし210、(e)アミノ酸残基22ないし108、(f)アミノ酸残基112ないし2
10、および(g)アミノ酸残基21ないし110よりなるグループから選択されるアミノ
酸配列を含む。
【0452】 別の実施態様では、上記開示の単離ポリペプチドは(a)アミノ酸残基21ないし2
31、(b)アミノ酸残基21ないし210、(c)アミノ酸残基22ないし231、(d)アミノ酸
残基22ないし210、(e)アミノ酸残基22ないし108、(f)アミノ酸残基112ないし210
、および(g)アミノ酸残基21ないし110よりなるグループから選択されるアミノ酸
配列より成る。
【0453】 第2の局面では、本発明は(a)アミノ酸残基21ないし231、(b)アミノ酸残基21
ないし210、(c)アミノ酸残基22ないし231、(d)アミノ酸残基22ないし210、(e)ア
ミノ酸残基22ないし108、(f)アミノ酸残基112ないし210、および(g)アミノ酸残
基21ないし110よりなるグループから選択される配列番号2の参照アミノ酸配列
に少なくとも70%同一であるアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドを提供する。
【0454】 実施態様の一つでは、上記開示の単離ポリペプチドは参照アミノ酸配列に少な
くとも80%同一であるアミノ酸配列を有する。別の実施態様では、上記開示の単
離ポリペプチドは参照アミノ酸配列に少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を
有する。別の実施態様では、上記開示の単離ポリペプチドは、配列番号2のアミ
ノ酸残基22ないし231、または配列番号2のアミノ酸残基22ないし210のいずれか
を含む。
【0455】 第3の局面では、本発明は(a)配列番号3のヌクレオチド配列を含む核酸分子、
または(b)厳密洗浄条件後も配列番号1のヌクレオチド64ないし630のヌクレオチ
ド配列より成る核酸分子または配列番号1のヌクレオチド64ないし630のヌクレ
オチド配列の相補体にハイブリダイズし続ける核酸分子。実施態様の一つでは単
離された核酸分子は、核酸分子によりコードされているアミノ酸配列と対応する
配列番号2のアミノ酸配列との違いが保存的アミノ酸置換によるものである上記
開示の分子である。別の実施態様では、上記開示の単離核酸分子は配列番号1の
ヌクレオチド64ないし630のヌクレオチド配列を含む。
【0456】 別局面では、本発明は上記開示の単離核酸分子を含むベクターを提供する。 別局面では、本発明は上記開示の単離核酸分子、転写プロモーターおよび転写
ターミネーターを含む発現ベクターにあって、前記プロモーターが核酸分子に作
動性に結合し、そして前記核酸分子が転写ターミネーターと作動性に結合してい
る発現ベクターを提供する。 別局面では、本発明は上記開示の発現ベクターを含む組換え体宿主細胞にあっ
て、前記宿主細胞が細菌、酵母細胞、真菌細胞、昆虫細胞、哺乳動物細胞および
植物細胞より成るグループから選択される組換え体宿主細胞を提供する。
【0457】 別局面では、本発明はZcytor16蛋白質を産生する方法にあって、前記方法が上
記開示の発現ベクターを含み、Zcytor16蛋白質を産生する組換え体宿主細胞を培
養することを含む方法を提供する。実施態様の一つでは、上記開示の方法はさら
に培養された組換え体宿主細胞よりZcytor16蛋白質を単離することを含む。 別局面では、本発明は上記開示のポリペプチドと特異的に結合する抗体または
抗体断片を提供する。実施態様の一つでは、上記開示の抗体は(a)ポリクローナ
ル抗体、(b)マウスモノクローナル抗体、(c)(b)由来のヒト化抗体および(d)ヒト
モノクローナル抗体より成るグループから選択される。
【0458】 別局面では、本発明は上記開示の抗体に特異的に結合する抗イディオタイプ抗
体を提供する。 別局面では、本発明は上記開示のポリペプチドを含む融合蛋白質を提供する。
実施態様の一つでは、上記開示の融合蛋白質はさらに免疫グロブリン成分を含む
。 別局面では、本発明は配列番号2のアミノ酸22-231または22-210の配列と少な
くとも90%同一であるアミノ酸残基の配列を含む可溶性サイトカイン受容体ポリ
ペプチドをコードする単離ポリヌクレオチドを提供し、そして前記ポリヌクレト
チド配列によりコードされる可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドはIL-TIFに
結合するか、IL-TIF活性を拮抗する。
【0459】 別局面では、本発明は上記開示の単離ポリヌクレオチドを提供するが、前記ポ
リヌクレオチドによりコードされる可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドはホ
モ2量体、ヘテロ2量体または多量体型受容体を形成する。実施態様の一つでは
、単離ポリヌクレオチドは上記開示の通りであり、前記ポリヌクレオチドにより
コードされる可溶性サイト起案受容体ポリペプチドはさらに可溶性クラスIまた
はクラスIIサイトカイン受容体を含むヘテロ2量体または多量体型受容体複合体
を形成する。別実施態様では、単離ポリヌクレオチドは上記開示の通りであり、
前記ポリヌクレオチドによりコードされた可溶性サイトカイン受容体ポリペプチ
ドは可溶性CRF2-4受容体ポリペプチド(配列番号35)、可溶性IL-10受容体ポリ
ペプチド(配列番号36)または可溶性zcytor11受容体ポリペプチド(配列番号34
)をさらに含むヘテロ2量体または多量体型受容体複合体を形成する。
【0460】 別局面では、本発明は配列番号2のアミノ酸22-231または22-210に示すアミノ
酸残基の配列を含む可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドをコードする単離ポ
リヌクレオチドを提供し、前記ポリヌクレオチドにコードされる可溶性サイトカ
イン受容体ポリペプチドはホモ2量体、ヘテロ2量体または多量体型受容体複合
体を形成する。実施態様の一つでは、単離ポリヌクレオチドは上記開示の通りで
あり、前記ポリヌクレオチドによりコードされる可溶性サイトカイン受容体ポリ
ペプチドはさらに可溶性クラスIまたはクラスIiサイトカイン受容体をコードし
ている。
【0461】 別実施態様では、単離ポリヌクレオチドは上記開示の通りであり、前記ポリヌ
クレオチドによりコードされた可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドは可溶性
CRF2-4受容体ポリペプチド(配列番号35)、可溶性IL-10受容体ポリペプチド(
配列番号36)または可溶性zcytor11受容体ポリペプチド(配列番号34)をさらに
含むヘテロ2量体または多量体型受容体複合体を形成する。別実施態様では、単
離ポリヌクレオチドは上記開示に同じであり、そして前記可溶性サイトカイン受
容体ポリペプチドは細胞内ドメインをコードしている。別実施態様では、単離ポ
リペプチドは上記開示におなじであり、そして可溶性サイトカイン受容体ポリペ
プチドはさらにアフィニティータグを含んでいる。
【0462】 別局面では、本発明は作動性に結合した次の要素:(a)転写プロモーター、ア
ミノ酸22-231または22-210の配列番号2に示すアミノ酸配列を有する可溶性サイ
トカイン受容体ポリペプチドをコードしている第1DNA断片、および(b)第2転写
プロモーター、可溶性クラスIまたはクラスIIサイトカイン受容体ポリペプチド
をコードする第2DNA断片および転写ターミネーターを含み発現ベクターにあっ
て、前記第1および第2DNA断片が単一の発現ベクター内に含まれるか、または
複数の独立した発現ベクター内に含まれる発現ベクターを提供する。実施態様の
一つでは、上記開示の発現ベクターは第1および第2DNA断片に作動性に結合し
た分泌シグナル配列を含む。別実施態様では、発現ベクターは上記に同じであり
、そして第2DNA断片は可溶性CRF2-4受容体ポリペプチド(配列番号35)、可溶
性IL-10受容体ポリペプチド(配列番号36)または可溶性zcytor11受容体ポリペ
プチド(配列番号34)を含む。
【0463】 別局面では、本発明は上記発現ベクターを含む培養細胞にあって、前記細胞が
DNA断片によりコードされたポリペプチドを発現する培養細胞を提供する。 別局面では、本発明は上記の発現ベクターを含む培養細胞にあって、前記第1
および第2DNA断片が独立した発現ベクター上に位置し、細胞内に同時形質移入
され、細胞がDNA断片にコードされたポリペプチドを発現する培養細胞を提供す
る。
【0464】 別局面では、本発明は上記開示の発現ベクターが導入された培養細胞にあって
、前記細胞がDNA断片にコードされたヘテロ2量体または多量体型可溶性受容体
ポリペプチドを発現する培養細胞を提供する。実施態様の一つでは、上記同様の
細胞にあって、該細胞が可溶性受容体ポリペプチドヘテロ2量体または多量体型
複合体を分泌する細胞が提供される。別実施態様では、上記開示の細胞にあって
、細胞がUL-TIFと結合するか、またはIL-TIF活性を拮抗する可溶性サイトカイン
受容体ポリペプチドヘテロ2量体または多量体型複合体を分泌する。
【0465】 別局面では、本発明は配列番号2に示すアミノ酸22-231または22-210のアミノ
酸残基の配列を有するポリペプチドをコードすう第1DNA断片;及び可溶性クラ
スIまたはクラスIIサイトカイン受容体ポリペプチドをコードする少なくとも1
つの他DNA断片を含む融合蛋白質をコードするDNAにあって、前記第1よび他DNA
断片がフレーム内で連結しており、そして前記第1および他DNA断片が融合蛋白
質をコードしているDNAを提供する。実施態様の一つでは、融合蛋白質をコード
するDNA構築体は上記開示に同じであり、そして少なくとも1つの他DNA断片は可
溶性CRF2-4受容体ポリペプチド(配列番号35)、可溶性IL-10受容体ポリペプチ
ド(配列番号36)または可溶性zcytor11受容体ポリペプチド(配列番号34)を含
むポリペプチドをコードしている。
【0466】 別局面では、本発明は転写プラモーター、上記開示の融合蛋白質をコードする
DNA構築体および転写ターミネーターである作動性に連結された要素を含む発現
ベクターにあって、前記プロモーターはDNA構築体に作動性に連結されており、
そしてDNA構築体には転写ターミネーターが作動性に連結されている発現ベクタ
ーを提供する。 別局面では、本発明は上記開示の発現ベクターを含む培養細胞にあって、該細
胞がDNA構築体によりコードされるポリペプチドを発現する。
【0467】 別局面では、本発明は上記開示の細胞を培養すること、そして細胞が産生した
ポリペプチドを単離することを含む融合蛋白質を産生する方法を提供する。 別局面では、本発明は配列番号2にし示すアミノ酸22-231または22-210のアミ
ノ酸配列に少なくとも90%同一であるアミン酸残基の配列を含む単離された可溶
性サイトカイン受容体ポリペプチドにあって、そこでの前記可溶性サイトカイン
受容体ポリペプチドがIL-TIFに結合するか又はIL-TIF活性に拮抗する可溶性サイ
トカイン受容体ポリペプチドを提供する。
【0468】 別局面では、本発明は上記開示の単離ポリペプチドにあって、そこでの前記可
溶性サイトカイン受容体ポリペプチドがホモ2量体、ヘテロ2量体または多量体
型受容体複合体である単離ポリペプチドを提供する。実施態様の一つでは、単離
ポリペプチドは上記開示に同じであり、そして前記可溶性サイトカイン受容体ポ
リペプチドは可溶性クラスIまたはクラスIIサイトカイン受容体を更に含むヘテ
ロ2量体または多量体型受容体複合体を形成する単離ポリペプチドである。別実
施態様では、単離ポリペプチドは上記開示に同じであり、そこでの前記サイトカ
イン受容体ポリペプチドが可溶性CRF2-4受容体ポリペプチド(配列番号35)、可
溶性IL-10受容体ポリペプチド(配列番号36)または可溶性zcytor11受容体ポリ
ペプチド(配列番号34)をさらに含むヘテロ2量体または多量体型受容体複合体
を形成する単離ポリペプチドである。
【0469】 別局面では、本発明は配列番号2のアミノ酸22-231または22-210のアミノ酸残
基配列を含む単離された可用性サイトカイン受容体ポリペプチドにあって、そこ
での可用性サイトカイン受容体ポリペプチドがホモ2量体、ヘテロ2量体または
多量体型受容体複合体を形成する、可用性サイトカイン受容体ポリペプチドを提
供する。実施態様の一つでは、単離された可用性サイトカイン受容体ポリペプチ
ドは上記開示に同じであり、そこでの可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドは
可溶性クラスIまたはクラスIIサイトカイン受容体を更に含むヘテロ2量体また
は多量体型受容体複合体を形成する。
【0470】 別実施態様では、単離ポリペプチドは上記開示に同じであって、前記サイトカ
イン受容体ポリペプチドが可溶性CRF2-4受容体ポリペプチド(配列番号35)、可
溶性IL-10受容体ポリペプチド(配列番号36)または可溶性zcytor11受容体ポリ
ペプチド(配列番号34)をさらに含むヘテロ2量体または多量体型受容体複合体
を形成するものである。別実施態様では、単離された可用性サイトカイン受容体
ポリペプチドは上記開示に同じであって、その可溶性サイトカイン受容体ポリペ
プチドは更にアフィニティータグ、化学成分、毒素または標識体を含むものであ
る。
【0471】 別局面では、本発明は可溶性受容体サブユニットを含む単離されたヘテロ2量
体または多量体型受容体複合体にあって、前記可溶性受容体の少なくとも1つが
配列番号2のアミノ酸22-231または22-210に示されるアミノ酸残基の配列を含む
可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドを含んでいる単離されたヘテロ2量体ま
たは多量体型受容体複合体を提供する。実施態様の一つでは、上記開示の単離さ
れたヘテロ2量体または多量体型受容体複合体はさらに可溶性クラスIまたはク
ラスIIサイトカイン受容体ポリペプチドを含む。別実施態様では、上記開示の単
離されたヘテロ2量体または多量体型受容体複合体は更に可溶性CRF2-4受容体ポ
リペプチド(配列番号35)、可溶性IL-10受容体ポリペプチド(配列番号36)ま
たは可溶性zcytor11受容体ポリペプチド(配列番号34)を含む。
【0472】 別局面では、本発明は上記開示の細胞を培養すること、および細胞により産生
された可溶性受容体ポリペプチドを単離することを含む、ヘテロ2量体または多
量体型受容体複合体を形成する可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドを産生す
る方法を提供する。
【0473】 別局面では、本発明は(a)配列番号2のアミノ酸22-231または22-210に示すポ
リペプチドを含む単量体又はヘテロ2量体型可溶性サイトカイン受容体を含むポ
リペプチド、(b)可溶性クラスIまたはクラスIIサイトカイン受容体ポリペプチド
を含む可溶性サイトカイン受容体ヘテロ2量体または多量体型受容体複合体を更
に含む(a)のポリペプチド、(c)可溶性CRF2-4受容体ポリペプチド(配列番号35)
を含む可溶性サイトカイン受容体ヘテロ2量体または多量体型受容体複合体を更
に含む(a)のポリペプチド、(d)可溶性IL-10受容体ポリペプチド(配列番号36)
を含む可溶性サイトカイン受容体ヘテロ2量体または多量体型受容体複合体を更
に含む(a)のポリペプチドより成るグループから選択された可溶性サイトカイン
受容体ポリペプチドにあって、前記ポリペプチドが動物内に免疫反応を惹起し抗
体を産生させるものである可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドを用い動物を
インキュベーションすること、および動物由来の抗体を単離することを含む、可
溶性サイトカイン受容体ポリペプチドに対する抗体を産生する方法を提供する。
【0474】 別局面では、本発明は上記開示の方法により産生され、配列番号2のアミノ酸
22-231または22-210に示されるポリペプチドを含むホモ2量体、ヘテロ2量体ま
たは多量体型受容体複合体に特異的に結合する抗体を提供する。実施態様の一つ
では、上記開示の抗体はモノクローナル抗体である。 別局面では、本発明は上記開示のホモ2量体、ヘテロ2量体または多量体型受
容体複合体に特異的に結合する抗体を提供する。実施態様の一つでは、上記開示
の抗体はモノクローナル抗体である。 別局面では、本発明は上記開示のホモ2量、ヘテロ2量体または多量体型受容
体複合体に特異的に結合する抗体を提供する。
【0475】 別局面では、本発明は可溶性サイトカイン受容体非存在下に培養された骨髄ま
たは末梢血液細胞に比べ、骨髄または末梢血細胞中の造血細胞に増殖または分化
を誘導するのに十分な量の配列番号2に示されるアミノ酸22-231または22-210の
可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドを含む組成体と共に骨髄または末梢血液
細胞を培養すること含む、IL-TIF-誘導される造血細胞および造血前駆細胞の増
殖または分化を阻害する方法を提供する。実施態様の一つでは、方法は上記開示
に同じであり、その場合の造血細胞および造血前駆細胞はリンパ系細胞である。
別実施態様では、方法は上記開示の通りであり、そしてリンパ系細胞はマクロフ
ァージまたはT細胞である。
【0476】 別局面では、本発明は炎症を軽減するのに十分な量の配列番号2に示すアミノ
酸22-231または22-210のポリペプチド組成体を、炎症を起こした哺乳動物に投与
することを含む、IL-TIFまたはIL-9により誘導された炎症を軽減する方法を提供
する。
【0477】 別局面では、本発明は(1)血清アミロイド蛋白質のレベルを決定すること、(2)
薬学的に許容される賦形剤中に上記開示の可溶性zcytor16サイトカイン受容体ポ
リペプチドを含んだ組成体を投与すること、(3)投与後の血清アミロイドA蛋白質
のレベルを決定すること、(4)段階(1)の血清アミロイドA蛋白質のレベルを段階(
3)の血清アミロイドA蛋白質のレベルと比較することを含み、血清アミロイドA蛋
白質レベルの上昇の欠如または現象が炎症反応を抑制することを表す、炎症を起
こした哺乳動物に於ける炎症反応を抑制する方法を提供する。
【0478】 別局面では、本発明は患者より遺伝的サンプルを得ること、この遺伝的サンプ
ルと配列番号1または配列番号1の相補体の少なくとも14連続ヌクレオチドを含
むポリヌクレオチドとを、該ポリヌクレオチドが相補的ポリヌクレオチド配列と
ハイブリダイゼーションする条件下にインキュベーションすることで第1反応産
物を産生すること、第1反応産物を視覚化すること、および前記第1反応産物と
野生型患者からのコントロール反応とを比較すること含み、その場合に前記第1
反応産物と前記コントロール産物との差が患者の遺伝的以上を表す患者内の遺伝
的異常を検知する方法を提供する。
【0479】 別局面では、本発明は患者より組織または生物サンプルを得ること、その組織
または生物サンプルと上記開示の抗体とを、抗体が組織または生物サンプル中の
それに相補的ポリペプチドと結合する条件の下にインキュベーションすること、
組織または生物サンプル中に結合した抗体を視覚化すること、および患者由来の
組織または生物サンプル中に結合した抗体のレベルを正常コントロール組織また
は生物サンプルと比較することを含み、その場合に患者組織または生物サンプル
に結合した抗体のレベルが正常コントロール組織または生物サンプルに比べ増加
することが患者の癌を表すものである、患者の癌を検知する方法を提供する。
【0480】 別局面では、患者より組織または生物サンプルを得ること、配列番号1または
配列番号1の相補体の少なくとも14連続ヌクレオチドを含むポリヌクレオチドを
標識すること、ポリヌクレオチドが相補的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイ
ズする条件下に組織または生物サンプルをインキュベーションすること、組織ま
たは生物サンプル中の標識化されたポリヌクレオチドを視覚化すること、および
患者由来の組織または生物サンプル中の標識化ポリヌクレオチドのハイブリダイ
ゼーションレベルを正常コントロール組織または生物サンプルと比較することを
含み、その場合に正常コントロール組織または生物サンプルに比し患者組織また
は生物サンプルへの標識ポリヌクレオチドのハイブリダイゼーションが増加する
ことが患者の癌を表すものである、患者の癌を検知する方法を提供する。 以下非限定的実施例により発明を更に例示する。 実施例実施例1zcytor16のクローニング及び可溶性zcytor16可溶性受容体、zytor16C EE、zcytor16CFLG、zcytor16CHISおよびzcytor16-Fc4を発現する哺乳動物発現ベ クターの構築 A.Zcytor16細胞外ドメインのクローニング 翻訳ヒトゲノムデータベースを詳細に調べ、zcytor16と命名されたクラスIIサ
イトカイン受容体を特定した。続いてzcytor16配列を、自家製浅部扁桃腺ライブ
ラリーの1クローンについて同定した。この扁桃腺ライブラリークローンのイン
サートの配列を分析し、zcytor16細胞外ドメインをコードすることを示した。zc
ytor16クローンのポリヌクレオチド配列は配列番号1に示されており、ポリペプ
チドは配列は配列番号2に示されている。
【0481】B.可溶性zcytor16受容体zcytor16-Fc4の哺乳動物発現構築 zcytor16可溶性受容体zcytor16を発現する哺乳動物発現ベクター、sR/Fc4の構築 C-末端Fc4タグ(配列番号5)に融合した可溶性zcytor16ポリペプチドを発現す
るための発現ベクターを調整した(zcytor16sR、即ち配列番号2の残基22(Thr)な
いし残基231(Pro);配列番号13)。
【0482】 PCRで作製した約630bpのzcytor16DNA断片をオリゴZC29,181(配列番号6)およ
びオリゴZC29,182(配列番号7)をPCRプライマーとして使用し作製し、それぞれ
可溶性受容体をコードするzcytor16DNAの5’および3’末端にBamH1およびBg12制
限部位を加えた。zcytor16のcDNA(配列番号1A)(実施例1A)を含むプラスミド
を鋳型として用いた。zytor16断片のPCR増幅は、94℃1分間を1サイクル、94℃
30秒、68℃90秒を25サイクル、続いてさらに68℃インキュベーションを4分間実
施した後10℃に保ち、実施した。
【0483】 反応物はクロロフォルム/フェノール抽出とイソプロパノール沈殿にて精製し
、BamHIおよびBg12(ベーリンガーマンハイム(Boehringer Mannheim)、インデ
ィアナポリス(Indianapolis)、インディアナ州(IN))で消化した。1%アガロ
ースゲル電気泳動により視覚化して約630bpのバンドを切り出し、DNAをQiaexIIT M 精製キット(キアゲン(Qiagen)、ヴァレンシア(Valencia)、カリフォルニア
州(CA))を製造会社指示書に従い使い精製した。
【0484】 Fc4/pzmp20プラスミドはCMVプロモーター、ヒトtPAリーダーペプチド、コーデ
ィング配列挿入のための複数の制限部位、Fc4tagおよびヒト成長ホルモンターミ
ネーターを有する発現カセットを含む哺乳動物発現ベクターである。このプラス
ミドは大腸菌の複製起点、SV40プロモーター、エンハンサーおよび複製起点なら
びにDHFR遺伝子を有する哺乳動物の選択マーカー発現ユニット、およびSV40ター
ミネーターを有する。zcytor16sR/Fc4/pzmp20発現ベクターは、ヒトtPAリーダー
ペプチド(配列番号8および配列番号9)を使用し、Fc4タグ(配列番号5)とzcyt
or16ポリペプチド配列の細胞外部分のC末端に結び付ける。Fc4は、突然変異を含
むためにもはやFc受容体と結合しないヒトIgG由来Fc領域である。
【0485】 約30ngの制限消化済みzytor16sRインサートおよび約10ngの消化済みベクター
(Bg12で切断された)を11℃にて一晩連結させた。連結反応物1マイクロリット
ルを製造会社指示通りにDH10Bコンペテント細胞(ギブコ(Gibco)BRL、ロックヴ
ィル、メリーランド州(MD))内にエレクトロポレーションし、50mg/mlのアン
ピシリンを含むLBプレート上に接種し、一晩インキュベーションした。クローン
は、個々のコロニーの液体培養体2mlより調整したDNAを制限酵素分析してスクリ
ーニングした。陽性クローンのインサート配列は、配列分析して検証した。大規
模なプラスミド調整はQiagen(商標)Mega prepキット(キアゲン)を使い、製
造会社指示書に従い実施した。 同様の方法を用いて、Fc4の付いたCRF2-4およびIL-10R等のヘテロ2量体およ
び多量体型受容体の非zcytor16サブユニットを調整した。
【0486】C.zcytor16CEEを含むzcytor16哺乳動物発現ベクター、zcytor16CFLGおよびzcyto r16CHISの構築 zcytor16ポリペプチドの可溶性細胞外ドメイン(例えば、配列番号2のアミノ
酸22-231;配列番号13)を発現させるための発現ベクターであり、推定開始メチ
オニンを含み、推定膜貫通ドメイン付近で切断されたzcytor16ポリペプチドを発
現するようデザインされ、C-末端にGlu-Gluタグ(配列番号10)を持つpC4Zcytor
16CEEを調整した。zcytor16細胞外サイトカイン結合ドメイン(例えば配列番号1
3)を含むzcytor16DNA断片は、PCRを用い作製された後精製される。
【0487】 切り出されたDNAは例えば未変性zcytor16シグナルペプチドのようなシグナル
ペプチド、tPAリーダーを有し、zcytor16ポリペプチドをコードするポリヌクレ
オチド配列のC-末端にGlu-Gluタグ(配列番号)を結合させたプラスミド発現ベ
クター内にサブクローニングされる。この様な発現ベクター哺乳動物発現ベクタ
ーは、哺乳動物プロモーター、コーディング配列挿入のための複数の制限部位、
停止コドンおよび哺乳動物ターミネーターを有する発現カセットを含む。プラス
ミドはまた大腸菌複製起点、SV40プロモーターと複製起点を有する哺乳動物選択
性マーカー発現ユニット、DHFR遺伝子およびSV40ターミネーターを有することも
できる。
【0488】 制限酵素処理されたzcytor16インサートと前もって消化されていたベクターを
、標準的分子生物学技術を使い連結し、DH10Bコンペテント細胞(GIBCO BRL、ガ
イザースブルグ(Gaithersburg)、メリーランド(MD))の様なコンペテント細
胞内に製造会社指示通りにエレクトロポレーションし、50mg/mlアンピシリンを
含むLBプレートに接種してから一晩インキュベーションした。個々のコロニーよ
り調整したDNAを制限酵素分析してコロニーをスクリーニングされる。陽性クロ
ーンのインサート配列は、配列分析にかけ検証される。プラスミドの大規模調整
は、Qiagen(商標)Maxi prepキット(キアゲン)を使い、製造会社指示書に従
い実施される。 同一工程を用い、6個のHis残基が連続したC-末端HISタグ(配列番号12)、お
よびC-末端FLAG(配列番号11)タグ、zcytor16CFLAGの付いたzcytor16可溶性ホ
モ2量体、ヘテロ2量体または多量体型受容体(可溶性CRF2-4またはIL-10Rの様
な非zcytor16可溶性受容体サブユニットも含む)を調整する。これら構築体を作
るために、上記ベクターはglu-gluタグに代わってHISまたはFLAG(商標)タグの
いずれかを有する。
【0489】実施例2可溶性受容体ポリペプチドのトランスフェクションおよび発現 トランスフェクション前日にBHK570細胞(ATCC番号CRL-10314;ATCC,マナサス
(Manasas)、バージニア州(VA))を正常BHK DMEM(ギブコ/BRL、高グルコース
型)培地中、集密度50%で10cmのプレートにて平板培養した。トランスフェクシ
ョン当日、細胞を1回無血清(SF)DMEMで洗浄してからzcytor16sR/Fc4/pzmp20発
現プラスミドでトランフェクションした。16マイクログラムのzcytor16sR-Fc4DN
A構築体(実施例1b)を最終総容積640μlのSF DMEMに希釈した。
【0490】 希釈されたLipofectAMINETM(ギブコBRL、ガイザースブルグ、メリーランド)
混合液(605μlのSF培地中に35μlのLipofectAMINETM)をDNA混合液に加え、室
温にて30分間インキュベーションした。DNA/LipofectAMINETM混合液にSF培地5
ミリリットルを加え、さらにそれをBHK細胞に加えた。細胞を37℃/5%CO2にて5
時間インキュベーションした後10%FBSを含むBHK培地6.4mlを加えた。細胞は37℃
/5%CO2にて一晩インキュベーションされた。
【0491】 トランスフェクション後約24時間目に細胞を1μMメトトレキセート(MTX)を含
む選択培地に分配した。zcytor16sR-Fc4/BHK細胞株が特定されるまで繰り返し同
様に細胞を分配した。zcytor16可溶性受容体融合蛋白質の発現レベルを検出する
ために、トランスフェトしたBHK細胞をPBSで洗浄した後72時間SF培地中にインキ
ュベーションした。SFコンディション培地を集め、20μlのサンプルを還元条件
下に10%SDS-PAGEゲルにかけた。
【0492】 蛋白質のバンドをウエスタンブロットによりニトロセルロースフィルターに移
し、ヤギ抗ヒトIgG/HRP標識(ジャクソンイムノリサーチラボラトリーズ(Jacks
on ImmunoReseach Laboratories, Inc)、ウエストグローブ(West Grove)、ペ
ンシルバニア州)を使って融合蛋白質を検出した。Fc4に融合した各種可溶性受
容体を含む発現ベクターがコントロールとして用いられた。安定型zcytor16sR-F
c4/BHK細胞の発現レベルは約2mg/Lであった。 蛋白質精製するためにトランスフェクションしたBHK細胞をT-162フラスコに移し
た。一度細胞の集密度を80%にし、細胞をPBSで洗浄した後100mlのSF培地内にて7
2時間インキュベーションし、蛋白質精製を目的としてコンディション培地を集
めた(実施例11)。
【0493】実施例3大腸菌でのzcytor16可溶性受容体の発現 A.huzcytor16/MBP-6H融合ポリペプチドを発現する発現ベクターpCAR225の構築 C-末端でマルトース結合蛋白質(MBP)に融合しているzcytor16可溶性受容体を
コードするポリヌクレオチドを含む発現プラスミドは、相同的組み換えにより構
築される。融合ポリペプチドはzcytor16可溶性受容体(例えば配列番号13)に融
合したN-末端側約388アミノ酸のBMP部分を含む。zcytor16cDNA(配列番号1)は
ここに記載のPCRを用い単離される。
【0494】 通常のPCR反応でのzcytor16断片産生には2種類のプライマー、(1)ベクターフ
ランキング配列約40bpおよびzcytor16のアミノ末端に対応する約25bpを含むプラ
イマーと(2)フランキングベクター配列に対応する3’末端約40bpとzcytor16のカ
ルボキシル末端に対応する約25bpを含むプライマーを用いる。100μlのPCR反応
体2μlを1×TBEバッファーを含む1.0%アガロースゲルにかけ分析したところ、ほ
ぼ予想通りの断片が観察された。残りのPCR反応体は第2PCR反応体のチューブと
一つに合わせて、400μlの無水エタノールで沈殿させる。沈殿したDNAを用い、
適当に制限酵素消化したレシピエントベクターpTAP98内に組み換え、以下記す様
なMBP-zcytor16融合体をコードする構築体を作った。
【0495】 プラスミドpTAP98はプラスミドpRS316およびpMAL-c2から誘導される。プラス
ミドpRS316はSaccharomyces cerevisiaeシャトルベクターである(Hieter P.とS
ikorski, R., Genetics 122:19-27, 1989)。pMAL-C2(NEB)は大腸菌発現プラ
スミドである。それはHisタグの付いたtacプロモーターで作動するMalE(MBPを
コードする遺伝子)、トロンビン切断部位、クローニング部位、およびrrnBター
ミネーターを有している。ベクターpTAP98は酵母による相同的組み換えを利用し
構築される。EcoRIで切断した100ngのpMAL-c2をPvu1で切断した1μgのpRS316と
再結合し、1μgのリンカーおよび1μgのSca1/EcoR1で切断したpRS316とPCR反
応で結合させた。PCR産物は100%エタノール沈殿を利用して濃縮する。
【0496】 コンペテント酵母細胞(S.cerevisiae)を約1μgの上記zcytor16受容体PCR産
物および100ngの消化済みpTA98ベクターを含む混合液約10μlと組み合わせ、標
準的方法を用いエレクトロポレーションしてから、URA-Dプレート上にて平板培
養し、30℃でインキュベーションした。
【0497】 約48時間後、一枚のプレートよりUra+酵母形質転換体を取り上げ、標準的方法
を用いてDNAを単離し、エレクトロコンペテント大腸菌細胞(例えばMC1061、Cas
adabanら、J.Mol.Biol.138、179-207)内に形質導入し、MM/CA+AMP100mg/Lプレ
ート上に接種した(PryorとLeiting、Protein Expression and Purification 10 :309-319, 1997)。細胞は100μg/mlのアンピシリンを含むMM/CAにて2時間、37
℃、振とうしながら増殖させた。培養液1mlを1mMのIPTGを用いて誘導した。2-4
時間後、各培養液250μlを250μlの酸で洗浄したガラスビーズおよび5%のβMEお
よび色素を含む250μlのThornerバッファー(8M尿素、100mMTris pH7.0, 10%グ
リセロール、2mM EDTA, 5%SDS)と混合する。サンプルを1分間攪拌した後65℃
で10分間加熱する。4-12%PAGEゲル(NOVEX)1レーン当たり20μlを加えた。ゲ
ルは1XMESバッファーを用い泳動する。陽性クローンはpCZR225で消化され、配列
分析にかけた。
【0498】 配列分析したDNA1マイクロリットルを用い、BL21株を形質転換する。細胞は2
.0kV、25μF、400オームでエレクトロパルスにかけた。エレクトロポレーション
後、100mg/Lのアンピシリンを0.6mlのMM/CAに加える。細胞をMM/CAで増殖させ、
上記同様にITPGを用い誘導する。標準的技術を用いhuzcytor16/MBP-6H融合蛋白
質を蛋白質精製するために、陽性クローンを用い増殖する。
【0499】実施例4Zcytor16可溶性受容体ポリクローナル抗体 ポリクローナル抗体はニュー次ランド白色ウサギを精製huzcytor16/MBP-6Hポ
リペプチド(実施例3)または精製組換え体zcytor16CEE可溶性受容体(実施例1
;実施例11)で免疫して調整される。各ウサギには最初約200mgの精製蛋白質を
含む完全フレンドアジュバント(ピース(Pierce)、ロックフォード(Rockford
)、イリノイ州(IL))を腹腔内(IP)注射し、続いて100mgの精製蛋白質を含
む不完全フレンドアジュバントのブースターを3週毎にIP注射する。3回目のブ
ースター注射後7ないし10日目に、動物より採血し血清を集める。その後もウサ
ギをブーストし、3週毎に採血する。
【0500】 Zcytor16-特異的ポリクローナル抗体は、CNBr-SEPHAROSE1グラム当たり約10m
gの適当に精製されたzcytor16ポリペプチドを用い、続いて一晩PBS中に20X透析
して調整されたCNBr−SEPHAROSE 4B蛋白質カラム(ファルマシアLKB(Pharmaci
a LKB))を用いウサギ血清より精製される。Zcytor16-特異的抗体は抗体標的と
して適当な蛋白質抗原1mg/mlを用いたELISA力価チェックを利用し特性分析する
。ウサギ抗zcytor16アフィニティー精製抗体の検出下限値(LLD)は標準的方法
を用い決定される。
【0501】実施例5Zcytor16受容体モノクローナル抗体 Zcytor16受容体モノクローナル抗体は、雄のBalbCマウス(ハルランスプラー
グドーリー(Harlan Sprague Dawley)、インディアナポリス(Indianapolis)
、インディアナ州(IN))をここに記した精製組換え体zcytor16蛋白質で免疫し
、調整される。各マウスは最初約20mgの精製蛋白質を含む完全フレンドアジュバ
ント(ピース、ロックフォード、イリノイ州)を腹腔内(IP)注射し、続いて10
mgの精製蛋白質を含む不完全フレンドアジュバントのブースターを2週毎にIP注
射する。3回目のブースター注射後7ないし10日目に、動物より採血し血清を集
め、そして抗体力価を検定する。
【0502】 高力価マウスより脾臓細胞を集め、PEG1500(ベーリンガーマンハイム、英国
)を用い、ミエローマー細胞に対する脾臓細胞の割合を4:1として、2種類の融
合方法を用いマウスSP2/0ミエローマ細胞に融合させる(Antibodies: A Laborat ory Manual , E. Harlow and D. Lane, Cold Spring Harbor Press)。融合後10
日間増殖させた後、精製組換え体zcytor16可溶性受容体蛋白質(実施例6C)を抗
体標的として利用するELISAおよびzcytor16配列(実施例8)を発現しているBaf3
細胞を抗体標的として用いるFACSを利用し、特異抗体産生ハイブリドーマを同定
する。得られた両法陽性であるハイブリドーマは、限界希釈を3回行いクローン
化する。
【0503】実施例6ORIGENアッセイを利用したZcytor16受容体ヘテロ2量体化形成の評価 可溶性zcytor16受容体(実施例11)またはgp130(Hibi, Mら、Cell 63:1149-1
157,1990)を、製造元のプロトコールに従い5倍モル過剰のNHS-LC-ビオチン(ピ
ース、ロックフォード、イリノイ州)と反応させることでビオチン化する。可溶
性zcytor16受容体および、例えば可溶性IL-10R(sIL-10R)またはCRF2-4受容体
(CRF2-4)、可溶性zcytor11受容体(米国特許番号第5,965,704号)または可溶
性zcytor7受容体(米国特許第5,945,511号)の様なその他可溶性受容体サブユニ
ットを、製造元のプロトコールに従い5倍モル過剰のRu-BPY-NHS(イゲン(Igen,
Inc)、ガイザースブルグ、メリーランド)で標識する。
【0504】 可溶化zcytor16受容体のビオチン化、およびRu-BPY-NHS標識形はそれぞれBio-
zcytor16受容体およびRu-zcytor16と命名できる:その他受容体のビオチン化、
およびRu-BPY-NHS標識形も同様に命名することができる。アッセイはIL-TIFの様
な、zcytor16ヘテロ2量体型受容体を結合するリガンドを発現している細胞に由
来するコンディショニング培地、または精製IL-TIFを用い実行できる。
【0505】 最初の受容体結合特性分析では、サイトカインまたはコンディショニング培地
のパネルを用い試験し、それらがzcytor16受容体のホモ2量体形成を仲介できか
、そしてそれらが上記可溶性受容体サブユニットとzcytor16受容体のヘテロ2両
体形成を仲介できるかを決定する。そのために、コンディショニング培地または
精製サイトカインを含むTBS-B50μlを、400ng/mlのRu-zcytor16受容体およびBio
-zcytor16受容体または400ng/mlのRu-zcytor16と例えばBio-gp130、または400ng
.mlの例えばRu-CRF2-4およびBio-zcytor16を含むTBS-B(20mM Tris, 150mM NaCl
, 1mg/ml BSA, pH7.2)50μlと混合する。
【0506】 室温にて1時間インキュベーションした後、30μgのストレプトアビジンをコ
ートした磁性ビーズ(ダイナル(Dynal)、オスロ(Oslo)、ノルウェイ(Norwa
y))を加え、さらに室温で1時間インキュベーションする。次に200μlのRIGEN
アッセイバッファー(イゲン、ガイサーズブルグ、メリーランド)を加え、M8 O
RIGEN分析装置(イゲン)を用い受容体結合の強さを測定する。
【0507】実施例7zcytor16受容体ヘテロ2量体生成用構築体 分泌型ヒトzcytor16ヘテロ2量体を発現するベクターを構築する。この構築体
では、zcytor16の細胞外サイトカイン結合ドメイン(例えば配列番号13)がIgG
ガンマ1(IgGγ1)の重鎖に融合されるが、ヘテロメリックサイトカイン受容体
サブユニット(例えばCRF2-4、IL-9、IL-10、zyctor7、zcytor11、Il-4受容体構
成要素)の細胞外部分はヒトカッパ軽鎖(ヒトκ軽鎖)に融合される。
【0508】A. IgGガンマ1およびヒトκ軽鎖融合ベクターの構築 IgGγ1重鎖は、N-末端細胞外ドメイン-C末端IgGγ1融合体を得られる様にZem2
29R哺乳動物発現ベクター(ATCC寄託番号69447)内に5’EcoRIおよび3’NheI部
位を持つ所望するサイトカイン受容体細胞外度面がクローン化することができる
。本構築体で使用されるIgGγ1断片は、PCRを利用し鋳型としてクローンテック
hFetal Liver cDNAライブラリーよりIgGγ1配列を単離し作られる。PCR産物は
ここに記した方法を用い精製され、MluIおよびEcoRI(ベーリンガーマンハイム
)で消化された後エタノール沈殿され、次に所望する制限部位リンカーを含むオ
リゴを利用して、ここに開示されている標準的分子生物学的技術を用いて事前に
EcoRI消化されたZem229R内に連結される。
【0509】 ヒトκ軽鎖は、N-末端サイトカイン細胞外ドメイン-C-末端ヒトκ軽鎖融合体
を生じる様に5’EcoRI部位および3’KpnI部位を有する所望サイトカイン受容体
細胞外ドメインをZem228R哺乳動物発現ベクター(ATCC寄託番号69446)内にクロ
ーン化することができる。KpnI部位はヒトκ軽鎖配列内に存在するため、サイト
カイン受容体の所望細胞外ドメインの3’末端をこのKpnI部位内にクローン化す
るために特別なプライマーがデザインされる。このプライマーは、得られたPCR
産物がヒトκ軽鎖からKpnI部位までの断片を持つ所望サイトカイン受容体細胞外
ドメインを含む様にデザインされる。
【0510】 このプライマーは好ましくは、KpnI部位で切断された断片と5’側でフレーム
内に融合している所望サイトカイン受容体細胞外ドメインの3’末端の少なくと
も10ヌクレオチド部分を含む。この構築体内に使用されるヒトκ軽鎖断片はPCR
を用い、上記使用したクローンテック社製ヒトFetal Liver cDNAライブラリーよ
りヒトκ軽鎖配列を単離することで作られる。PCR産物はここに記載の方法を用
い精製され、MluIおよびEcoRI(ベーリンガーマンハイム)で消化され、エタノ
ール沈殿後上記MluI/EcoRIリンカーを使い、ここに開示の標準的分子生物学的技
術を用いて、事前にEcoRI消化されたZem228R内に結合される。
【0511】B,融合ベクター構築体内へのzcytor16受容体またはヘテロ2量体サブユニット細 胞外ドメインの挿入 上記構築ベクターを用い、IgGγ1に融合したzcytor16を有する構築体が作られ
る。この構築体は、標準的方法およびEcoRIとNheI制限部位を与えるオリゴを用
い、扁桃腺cDNAライブラリー(クローンテック)またはプラスミド(実施例1A
)よりzcytor16受容体の細胞外サイトカイン結合ドメイン(配列番号13)をPCR
することで作られる。得られたPCR産物はここに記した様にEcoRIとNheIで消化、
ゲル精製され、事前にEcoRIとNheIで消化され、バンド精製された上記Zem229R/I
gGγ1内に連結される。
【0512】 κ鎖に融合したヘテロ2量体型サイトカイン受容体サブユニット細胞外ドメイ
ンを有する別の構築体は、例えばリンパ細胞cDNAライブラリー(クローンテック
)より通常の方法とEcoRIおよびKpnI制限部位を与えるオリゴを用いたPCRにより
上記同様にして構築される。得られたPCR産物はここに記した様にEcoRIとKpnIで
消化され、次に事前にEcoRIとKpnINheIで消化され、バンド精製された上記Zem22
9R/ヒトκ軽鎖ベクター内に連結される。得られたベクターは配列解析され、サ
イトカイン受容体サブユニット/ヒトκ軽鎖融合が正確であることが確認される
【0513】D. zcytor16およびヘテロ2量体サイトカイン受容体サブユニット細胞外ドメイ ンの同時発現 上記各ベクターを約15μg哺乳動物細胞、例えばBHK-570細胞(ATCC番号CRL-10
314)内に、LipofectaminePlusTM(ギブコ/BRL)を製造元指示書に従い用いコトラ
ンスフェクションした。トランスフェクションされた細胞を10日間1μMのメトト
レキセート(MTX)(シグマ(Sigma)、セントルイス(St.Louis)、ミズリー州
(MO))および0.5mg/mlのG418(ギブコ/BRL)を含むDMEM+5%FBS(ギブコ/BRL)
内で選別される。得られたトランスフェクタントのプールは、10μmのMTXと0.5m
g/mlのG418により再度約10日間選別される。
【0514】 得られた二重選別された細胞のプールを用いて蛋白質を生成する。このプール
のスリーファクトリーズ(Three Factories)(ヌンク(Nunc)、デンマーク(De
nmark))を用い、10Lの無血清コンディショニング培地を作成した。このコンデ
ィショニング培地を1mlのプロテインA-カラムにかけ、約10.750マイクロリット
ルの分画に溶出した。最高の蛋白質濃度を持つ分画をプールし、PBSに対し透析
した(MWカットオフ、10kD)。最後に透析した物質を通常の方法を用いアミノ酸
分析(AAA)にかけた。
【0515】実施例8増殖アッセイを利用した、zcytor16受容体とヘテロ2量体形成または 多量体形成する受容体サブユニットの決定 ここに記載の通常の方法を用いて、BaF3/zcytor16-MPLキメラを発現している
細胞(この場合zcytor16の細胞外ドメイン(例えば配列番号13)はmpl受容体の
細胞内シグナル伝達ドメインにフレーム内融合される)を、IL-TIF存在下での増
殖反応について試験する。この様な細胞は、単量体またはヘテロ2量体型zcytor
16受容体のリガンド結合を測定するバイオアッセイの細胞株として利用される。
さらに追加のヘテロ2量体型サイトカイン受容体サブユニットをトランスフェク
ションされたBaF3/zcytor16-MPLキメラ細胞は、IL-TIF存在時の増殖反応につい
て評価できる。
【0516】 IL-TIF存在時、BaF3/zcytor16-MPL細胞シグナルをだせば、zcytor16受容体は
ホモ2量体化してシグナルを発することができると言われている。BaF3/zcytor1
6-MPL-zcytor16細胞株に、CRF2-4の様なIL-TMFリガンド存在時にシグナルを出す
追加のMPL-クラスIIサイトカイン受容体融合体キメラでトランスフェクションす
ることで、zcytor16受容体のシグナル発信に必要なヘテロ2量体型サイトカイン
受容体サブユニットを決定される。この目的に適したMPL-受容体融合体を利用は
、zcytor16受容体に関する細胞内シグナル伝達ドメインの存在条件が軽減する。
【0517】 各独立した受容体複合体細胞株は次にIL-TIF存在下にアッセイされ、通常の方
法(例えばアラマーブルー(Alamar Blue)アッセイを用い増殖が測定される。B
aF3/MPL-zcytor16バイオアッセイ細胞株は単量体またはホモ2量体型受容体活性
のコントロールとなり、従って各種受容体複合体の組合せによるシグナル発生を
比較するベースラインとして使用される。トランスフェクションしていないバイ
オアッセイ細胞株はバックグランド活性のコントロールとして機能するため、各
種受容体複合体の組合せによるシグナル発生を比較するベースラインとして使用
される。リガンド(IL-TIF)を持たないBaF3/MPL-zcytor16もコントロールとし
て利用される。正しい受容体複合体が存在する場合、IL-TIFはBaF3/MPL-zcytor1
6細胞株の増殖をIL-TIF存在時のバックグランドに対し約5倍以上増加すると予想
される。zcytor16ヘテロ2量体および多量体型受容体の構成要素を発現している
細胞はIL-TIF存在下に増殖するはずである。
【0518】実施例9インビトロでのzcytor16受容体の再構成 zcytor16シグナル伝達複合体に含まれる構成要素を同定するために、受容体再
構成試験を以下の如く実施した。BHK570細胞(ATCC番号CRL-10314)をここに記
載の通常の方法を用い、IL-TIF存在下に於いてトランスフェクトしたzcytor16受
容体複合体からルシフェラーゼレポーターへのシグナル伝達反応を測定するバイ
オアッセイ細胞株として機能するルシフェラーゼ受容体哺乳動物発現ベクタープ
ラスミドでトランスフェクションした。BHK細胞は内因性にzcytor16受容体を発
現しない。
【0519】 例示のルシフェラーゼレポーター哺乳動物発現ベクターは、4つの遺伝子に由
来するSTAT転写因子結合要素を含む相補的オリゴヌクレオチドより構築されたKZ
134プラスミドである。変更型c-fos Sis誘導要素(m67IEまたはhSIE)(Sadowsk
i、Hら、Science 261:1739-1744, 1993)、p21 WAF1遺伝子由来のp21 SIE1(Chi
n, Yら、Science 272:719-722, 1996)、ベータカゼイン遺伝子の乳腺反応要素
(Schmitt-Ney, Mら、 Mol. Cell. Biol. 11:3745-3755, 1991)およびFcgRI遺
伝子のSTAT誘導因子(Seidel、Hら、Proc. Natl. Acad. Sci. 92:3041-3045, 19
95)である。
【0520】 これらオリゴヌクレオチドはAsp718-XhoI適合末端を含み、同一酵素で切断さ
れ、そしてネオマイシン選択マーカーを含んでいるc-fosプロモーターを持つレ
シピエントのホタルルシフェラーゼレポーターベクター内(Poulsen、L.Kら、J.
Biol. Chem. 273:6229-6232, 1998)に通常の方法を用い連結される。KZ134プラ
スミドは、通常のトランスフェクションおよび選択法を用い、安定してBHKまた
はBaF3細胞をトンランスフェクションしBHK/KZ134またはBaF3/KZ134細胞株をそ
れぞれ作成するのに用いられる。
【0521】 バイオアッセイ細胞株はzcytor16-mpl融合受容体単独でトランスフェクション
されるか、または各種既知の他受容体サブユニットの一つと同時トランスフェク
ションされる。受容体複合体はzcytor16-mpl受容体のみに限定して含むわけでは
なく、CRF2-4、IL-9、IL-10、zcytor11、zcytor7クラスIIサイトカイン受容体サ
ブユニット、またはIL-4受容体構成要素の1以上、あるいはIL-2受容体構成要素
(IL-2Rα、IL-2Rβ、IL-2Rガンマ)とzcytor16お組合せ;1以上のIL-4/IL13受
容体ファミリー受容体構成要素(IL-4Rα、IL-13Rα、IL-13Rα’)ならびにそ
の他インターロイキン授与様態(例えばIL-15Rα、IL-7Rα、IL-9Rα、IL-21R(
zalpha11;WIPO公開WO OO/17235;Parrish-Novak, Jら、Nature 408;57-63, 2000
)とzcytor16-mpl受容体の各種組合せも含む。
【0522】 次に各独立受容体複合体細胞株はサイトカインコンディショニング培地または
精製サイトカイン存在下にアッセイされ、通常の方法を用いルシフェラーゼ活性
が測定される。非トランスフェクションバイオアッセイ細胞株はバックグランド
のルシフェラーゼ活性に関するコントロールとして機能し、従って各種受容体複
合体の組合せによるシグナル発生を比較するためのベースラインに使用される。
正しい受容体複合体が存在時にzcytor16受容体に結合するコンディショニング培
地またはサイトカインは、バックグランドに対し約5倍以上のルシフェラーゼ測
定値を示すと予想される。 別にBaF3/zcytor16-mpl細胞株を上記同様に同時トランスフェクションし、増
殖を測定する同様のアッセイを実施することができる(実施例8)。
【0523】実施例10COS細胞トランスフェクションおよび分泌トラップ COS細胞のトランスフェクションは以下の様に行った:0.5μgのDNAと5μlのリ
ポフェクタミン(ギブコBRL)を含む92ulの無血清EMEM培地(500mlのDMEM中に55m
gピルビン酸ナトリウム、146mgのL-グルタミン、5mgのトランスフェリン、2.5mg
のインシュリン、1μgのセレニウムおよび5mgのフェツインを含む)混合液を室
温にて30分間インキュベーションし、次に400μlの無血清DMEM培地を加えた。CO
S細胞を1.5×105COS細胞/ウエルで接種し、前もって5時間37℃でインキュベー
ションしておいた12ウエル型培養プレートに500μlの混合液を加えた。
【0524】 さらに500μlの20%FBS DMEM培地(FBS100ml、ピルビン酸ナトリム55mgおよびL
-グルタミン146mgを含む500mlのDMEM)を加え、プレートを一晩インキュベーシ
ョンした。分泌トラップは次の様に行った:細胞をPBSで濯ぎ培地を落とし、15
分間1.8%フォルムアルデヒドPBS液で固定した。次に細胞をTNT(0.1M Tris-Hcl,
0,15M NaClおよび0.05% Tween-20の水溶液)で洗浄した。細胞を0.1%Triton-X P
BS液で15分間透過処理し、再度TNTで洗浄した。細胞を1時間TNB(0.1M Tris-HCl
, 0.15M NaClおよび0.5%ブロッキング試薬(NEN Renasissance TSA-Directキッ
ト、NEN)水溶液でブロッキングした。再度細胞をTNTで洗浄した。
【0525】 次に細胞を1-3μg/mlのzcytor16可溶性受容体Fc4融合蛋白質(zcytor16sR-Fc4
)(実施例11)のTNB溶液と共に1時間インキュベーションした。細胞をTNTで洗
浄してから、さらに1時間1:200希釈されたヤギ抗ヒトIg-HRP(Fc特異的:ジャ
クソンイムノリサーチラボラトリーズ社)TNB溶液と共にインキュベーションし
た。再度細胞をTNTで洗浄した。zcytor16sR-Fc4に陽性に結合した抗体は、希釈
バッファー(NENキット)で1:50に希釈されたフルオロセインチラミド試薬を用
い検出され、4-6時間インキュベーションされた。再度TNTで細胞は洗浄された。
細胞はTNTで1:5に希釈されたベクタシールドマウンティングメディア(Vectashi
eld Mounting Media)(ベクターラブス(Vector Labs)を用い保存された。細
胞はFITCフィルターを用いた蛍光顕微鏡で視覚化された。
【0526】 zcytor16はクラスIIサイトカイン受容体であることから、zcytor16sR/Fc4融合
蛋白質と既知または希少クラスIIサイトカインとの結合が試験された。サイトカ
イン(特にヒトIL-TIF、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、
インターフェロンガンマ、IL-10を含む)のcDNAを含むpZP7発現ベクターがCOS細
胞にトランスフェクションされ、トランスフェクションされたCOS細胞に対するz
cytor16sR/Fc4の結合は上記分泌トラップアッセイを用い実施された。ヒトIL-TI
Fは正の結合を示した。これらのデータより、ヒトIL-TIFおよびzcytor16はリガ
ンド-受容体ペアである可能性がある。
【0527】実施例11トランスフェクションされたBHK570細胞からのzcytor16-Fc4ポリペプ チドの精製 特記ない限り、全ての操作は4℃で行われた。以下の作業よりヒトFc4のC-末端
融合を含むzcytor16ポリペプチドが精製された(zcytor16-Fc4;実施例1)。0.2
umの滅菌フィルターを使ってzcytor16-Fc4(実施例2)がトランスフェクション
されたBHK570細胞より得た約16,500mlのコンディショニング培地を濾過し、次に
プロテアーゼ阻害剤液を最終濃度0.001mMロイペプチン(ベーリンガーマンハイ
ム、インディアナポリス、インディアナ州)、0.001mMペプスタチン(ベーリン
ガーマンハイム)および0.4mMペファブロック(Pefabloc)(ベーリンガーマン
ハイム)まで加えた。
【0528】 多孔性蛋白質A50カラム(ベッド容積20ml、アプライドバイオシステムズ(App
lied Biosystems)を充填し、400mlのPBS(ギブコ/BRL)で洗浄した。流速15ml/
分で追加のコンディショニング培地をカラム内を通過させ、続いて800mlのPBS(B
RL/ギブコ)で洗浄した。Zcytor16-Fc4はカラムから0.1MグリシンpH3.0を用い溶
出され、5mlの分画は0.5mlの2mM Tris pH7.8に直接集められ、最終pHを分画中7.
4に調整された。
【0529】 カラム性能は、出発培地およびカラム通過させたものの還元型SDS-PAGEゲルを
ウエスタンブロッティングすることで、特性分析した。抗ヒトIgG HRP(アマシャ
ム(Amersham))抗体を使用したウエスタンブロットは、出発培地中には60,000D
aの位置に免疫反応性蛋白質があるが、通過したものには反応性蛋白質がないこ
とを示し、完全に捕捉されたことを示唆していた。蛋白質A50溶出分画は還元型S
DS PAGEゲルを用い特性分析された。このゲルは、分画3ないし11に於いて、60,0
00Daの位置にクマシーで強染色されるバンドを示した。分画3ないし11はプール
された。
【0530】 蛋白質A50溶出プールは、30,000Daウルトラフリーバイオマックス(Ultrafree
Biomax)遠心式濃縮装置(15ml容量、ミリポア(Millipore))を用いて44mlから
4mlに濃縮された。セファクリル(Sephacryl)S-300ゲル濾過カラム(ベッド容積
175ml;ファルマシア)は350mlのPBS(BRL/ギブコ)で洗浄された。濃縮されたプ
ールをカラムに流速1.5ml/分で注入された後225mlのPBS(BRL/ギブコ)で洗浄さ
れた。溶出ピークは2mlの分画で採取された。
【0531】 溶出分画は、還元型および非還元型銀染色SDS PAGEゲル(ゲノゲクノロジー(
Geno Technology)により特性分析した。還元銀染色されたSDS PAGEゲルは分画14
-31に於いて60,000Daの位置に強く染色されるバンドを示したが、非還元型銀染
色SDS PAGEゲルは、分画14-31に於いて160,000Daの位置に強く染色されるバンド
を示した。分画1-13には様々な大きさの多くのバンドがあった。分画14-31をプ
ールし、30,000Daウルトラバイオマックス遠心式濃縮装置(15ml容量、ミリポア
)を用い22mlに濃縮した。この濃縮液を0.2μmのアクロディスク(Acrodisc)無
菌フィルター(ポール(Pall Corporation))で濾過した。 濃縮プール分画蛋白質濃度はBCA分析(ピース、ロックフォード、イリノイ州
)を用い決定され、物質は小分けされ、我々の標準的手順に従って-80℃に保存
された。プール分画の濃度は1.50mg/mlであった。
【0532】実施例12ノーザンブロットとPCRを用いた組織パネル内に於けるヒトzcytor16
組織分布 A.ノーザンブロットおよびドットブロットを用いたヒトzcytor16組織分布 ノーザンブロット分析はヒトマルチプル組織ノーザンブロットI、II、III(ク
ローンテック)と自家製U-937ノーザンブロットを用いて行った。U-937はヒト単
芽球性前単核細胞株である。cDNAプローブはオリゴZC25,963(配列番号16)お
よびZC28,354(配列番号17)を用い作られた。PCR条件は以下の通りである。94
°1分間;94°15秒間、60°30秒間、72°30秒間を30サイクル、最後に5分間、7
2°の伸長反応。364bpの産物は、1%TBEゲルを使ったゲル電気泳動によりゲル精
製され、バンドはカミソリを使って切り出された。cDNA QIAquick Gel Extracti
onキット(キアゲン)を用いてアガロースから抽出された。この断片94ngはラン
ダムプライミングシステムであるRediprimeII(アマシャム)を使い、製造会社
指示書に従い32P-dCTPで放射線標識された。
【0533】 取り込まれなかった放射活性はNuc-Trapカラム(ストラタジーン(Stratagene
)を使い、製造元指示書に従い除去された。ブロットはExpressHyb(クローンテッ
ク(Clontech))液内にて3時間、65°で前ハイブリダイゼーションされた。ブ
ロットは1.0×106cpm/mlの標識プローブ、0.1mg/mlのサケ精子DNAおよび0.5μg/
mlのヒトkot-1 DNAを含むExpresshyb液中にて、65°で一晩ハイブリダイゼーシ
ョンされた。ブロットは2×SSC、0.1%SDSにて、室温で数回液を交換しながら洗
浄された後、0.1×SSC、0,1%SDS、55°で30分間2回洗浄された。約1.6kbおよび3
.0kbの大きさの転写体が脾臓および胎盤に検出されたが、試験したその他の組織
では検出されなかった。U-937細胞株では、同一サイズの転写体に加えて約1.2kb
の大きさの転写体が検出された。
【0534】B. PCRを用いた組織cDNAパネル内の組織分布 ヒト組織由来のcDNAのパネルを、PCRを用いてzcytor16発現についてスクリー
ニングした。パネルは自家調製されたものであり、下表5に示されている94種類
のマラソンcDNAと各種正常および癌ヒト組織や細胞株に由来するcDNAサンプルを
含む。cDNAは自家製ライブラリー、または自家製RNA標本、クローンテックRNAま
たはインビトロゲンRNA由来のマラソンcDNAである。マラソンcDNAはmarathon-R
eadyTMキット(クローンテック、パルアルト、カリフォルニア)を用い作られ、
クラスリンプライマーZC21195(配列番号18)およびZC21196(配列番号19)を用
いQC試験され、続いてカルセリンバンドの強度に基づき希釈された。
【0535】 パネルサンプルの品質を確かめるために、3種類の品質管理(QC)試験を行っ
た;即ち(1)ライブラリーに使用されたRNAの品質を確認するために、個々のcDN
Aライブラリーに関するベクター配列に特異的であるベクターオリゴを使ったPCR
により、平均挿入体サイズについて自家製cDNAを試験し;(2)パネルサンプル中
のcDNA濃度を、5’ベクターオリゴZC14,063(配列番号20)と3’アルファチュー
ブリン特異的オリゴプライマーZC17.574(配列番号21)または3’G3PDG特異的オ
リゴプライマーZC17,600(配列番号22)を使った標準的PCR法を用いて、完全長
のアルファチューブリンまたはG3PDHcDNAを増幅さし標準化し;そして(3)サン
プルを配列決定し、可能性のあるリボソームまたはミトコンドリアDNAの混入に
ついてチェックした。
【0536】 パネルは96ウエル型に準備され、ヒトゲノムDNA(クローンテック、パロアル
ト、カリフォルニア)陽性コントロールサンプルを含んだ。各ウエルは約0.2-10
0pg/μlのcDNAを含んだ。PCR反応は、オリゴZC25,963(配列番号16)とZC27,659
(配列番号23)、Advantage 2 DNAポリメラーゼミックス(クローンテック)お
よびRediload色素(リサーチジェネティクス(Research Genetics, Inc)、ハン
ツビル(Huntsville)、アラバマ州(AL))を用い準備された。増幅は次の様にし
て行われた:94℃1分間;94℃20秒間、58℃30秒間、72°1分間を30サイクル、
続いて5分間、72°を1サイクル。約10μlのPCR反応産物を2%アガロースゲルを
用いた標準的アガロースゲル電気泳動にかけた。いずれの組織または細胞株でも
、正確な推定DNA断片サイズのものは観察されなかった。その後行ったzcytor16
発現を示す実験からは、このパネルが陰性結果を示したことは用いたプライマー
が原因であることが示唆された。
【0537】
【表5】
【0538】
【表6】
【0539】 ヒト組織由来の別のcDNAパネルを、PCRを用いzcytor16発現についてスクリー
ニングした。このパネルは自家製であり、下表6に示す77種類のマラソンcDNAお
よび各種正常および癌性ヒト組織および細胞株由来のcDNAサンプルを含んだ。PC
R反応以外アッセイは上記と同じに実施された。PCR反応はオリゴZC25,963(配列
番号30)およびZC25,964(配列番号31)、Advantage 2 DNAポリメラーゼミック
ス(クローンテック)およびRediload色素(リサーチジェネティクス社、ハンツ
ビル、アラバマ州)を用い準備された。増幅は以下の様に実施された:94℃1分
間を1サイクル、94℃10秒、60℃30秒および72℃30秒を38サイクル、続いて72℃5
分間1を1サイクル。
【0540】 正確な予想DNA断片サイズは骨髄、胎児心臓、胎児腎臓、胎児筋肉、胎児皮膚
、心臓、乳腺、胎盤、唾液腺、平滑筋、小腸、脊髄、脾臓、腎臓、胎児脳、食道
腫瘍、子宮腫瘍、胃腫瘍、卵巣腫瘍、直腸腫瘍、肺腫瘍およびRPMI-1788(B-リ
ンパ細胞株)に観察された。このパネルの中の試験したその他組織および細胞株
ではzcytor16の発現は観察されなかった。zcytor16の発現パターンは、特定の組
織特異的腫瘍、例えば卵巣癌、胃癌、子宮癌、直腸癌、肺癌および食道癌での発
現は、正常組織では発現していないが腫瘍組織では発現していることを示してい
る。
【0541】 当業者は本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体および結合パートナ
ーが癌、または生検、組織、または組織サンプル中の癌組織、例えば卵巣癌、胃
癌、子宮癌、直腸癌、肺癌および食道癌組織の検出用診断薬として利用できると
認識するだろう。この様な本発明の分子に関する診断への利用は当分野既知であ
り、ここに記載されている。
【0542】 さらに、IL-TIFの受容体の一つであるzcytor16の発現パターンが特定組織だけ
でなく組織特異的腫瘍でも発現を示すことから、天然リガンドであるIL-TIFを含
む結合パートナーもまた、IL-TIF受容体が発現している特異的組織(正常または
異常)、癌または生検、組織あるいは組織サンプル中の癌組織、具体的には卵巣
癌、胃癌、子宮癌、直腸癌、肺癌および食道癌組織を検出するための診断薬とし
て利用できる。IL-TIFはまたその受容体、例えばzcytor16およびzcytor11が発現
しているその他組織を標的化するのにも使用できる。さらにこの様な結合パート
ナーには化学療法剤、毒性成分等を結合させ、腫瘍部位または疾患組織を狙った
治療を行うことができる。この様な診断薬および標的治療への利用は当分野既知
であり、ここに記載されている。
【0543】 市販の1本鎖cDNAパネル(ヒト血液分画MTCパネル、クローンテック、パロア
ルト、カリフォルニア州)についても上記同様にアッセイした。パネルには次の
サンプルが含まれていた:単球、活性化単球、休止CD4+細胞、活性化CD4+細胞、
休止CD8+細胞、休止CD14+細胞、休止CD19+細胞および活性化CD19+細胞。活性化C
D4+細胞および活性化CD19+細胞はzcytor16の発現を示したが、試験したその他の
細胞は休止CD4+細胞および休止CD19+細胞を含め上記抗原の発現を示さなかった
【0544】
【表7】
【0545】
【表8】
【0546】C. RT-PCRを用いたヒト組織および細胞株RNAパネルに於ける組織分布 ヒト細胞株由来のRNAのパネルを、RT-PCRを利用しzcytor16発現についてスク
リーニングした。パネルは自家製であり、下表7-10に示す各種正常および癌性ヒ
ト組織および細胞株に由来する84種類のRNAを含んだ。自家製または購入した組
織および細胞株より、RNAeasyMidiまたはMiniキット(キアゲン、バレンシア、
カリフォルニア)を使いRNAを得た。パネルはサンプル当たり100ngのRNAを使い
、96ウエル型に準備された。RT-PCR反応は、オリゴZC25,963(配列番号30)およ
びZC25,964(配列番号31)、Rediload色素およびSUPERSCRIPTワンステップRT-PC
Rシステム(ライフテクノロジーズ(Life Technologies), ガイザースブルグ(
Gaithersburg)、メリーランド州(MD))を用い準備した。
【0547】 増幅は以下の如く実施された:55℃30分間1サイクル後に、94°15秒間、59°
30秒間、72°30秒間を40サイクル、続いて72°5分間の最終伸長を行い終了。PCR
反応産物8ないし10μlを4%アガロースゲルを利用した標準的なアガロースゲル電
気泳動にかけた。184bpの予想通りのcDNA断片サイズが、細胞株であるU-937、HL
-60、ARPE-19、HaCat#1、HaCat#2、HaCat#3およびHaCat#4と膀胱、乳ガン、癌近
傍の正常乳房、気管、結腸、潰瘍性大腸炎を起こした結腸、十二指腸、子宮内膜
、食道、胃-食道、心臓左心室、心室、回腸、腎臓、肺、リンパ節、リンパ腫、
乳腺腫、乳腺、卵巣癌、膵臓、耳下腺および皮膚、膵臓リンパ腫および小腸に観
察された。このパネルで試験されたその他の組織および細胞株ではzcytor16の発
現は観察されなかった。
【0548】 Zcytor16は例えば食道、胃-食道、膵臓、十二指腸、回腸、結腸、小腸の様な
消化系、例えば乳腺、子宮内膜、乳房(癌組織近傍の)といった女性生殖器、お
よびリンパ節、皮膚、耳下腺、膀胱、気管、心室や腎臓といった正常組織中に、
PCRにより検出できる程度に発現されている。さらにzcytor16は、例えば乳腺腫
、卵巣癌、子宮癌、その他乳ガンの様な女性生殖器に関係した腫瘍やリンパ腫、
胃腫瘍および肺腫瘍の様なその他組織に関係する腫瘍の様に、複数のヒトの腫瘍
に於いてPCRにより検知できる程度発現されている。Zcytor16の発現は女性生殖
臓器の正常組織、およびこれら臓器に関係した幾つかの腫瘍に見いだされる。
【0549】 この様にzcytor16は、zcytor16が過剰発現していると思われるこれら腫瘍に関
するマーカーとして利用できる。Zcytor16陽性の複数の癌は、内皮/上皮起源(
乳腺およびその他乳ガン)であると思われる。従ってzcytor16は消化系や女性生
殖臓器の上皮組織(例えば内膜組織、円柱上皮)ならびに上皮組織を含む癌の様
な、上皮組織のマーカーとして利用できる。さらに好適実施態様では、zcytor16
は特定の組織特異的腫瘍、特に正常組織ではzcytor16が発現されていないが腫瘍
組織では発現されている、例えば卵巣癌、胃癌、子宮癌、直腸癌、肺癌および食
道癌の様な腫瘍のマーカーとして利用できる。診断目的での本発明のポリヌクレ
オチド、ポリペプチドおよび抗体の使用は当分野既知であり、ここに記載されて
いる。
【0550】
【表9】
【0551】
【表10】
【0552】
【表11】
【0553】
【表12】
【0554】
【表13】
【0555】実施例13完全長zcytor16を発現する発現ベクターの構築 全zcytor11受容体(一般に米国特許第5,965,704号に属する)は、完全長zcyto
r11受容体cDNA(配列番号24)とピューロマイシン耐性遺伝子を含むプラスミドp
ZP7Pより、EcoRIおよびXhoI消化により単離された。消化物を1%低融点アガロー
ス(ベーリンガーマンハイム)ゲル上に泳動し、QiaquickTMゲル抽出キット(キ
アゲン)を製造元指示書に従い用い約1.5kbのzcytor11cDNAを単離した。精製さ
れたzcytor11cDNAを下記の様にして発現ベクターに挿入した。
【0556】 レシピエント発現ベクターpZP7Zを製造元指示書に従いEcoRI(BRL)とXhoI(ベ
ーリンガーマンハイム)で消化し、上記同様にしてゲルを精製した。連結反応を
用いてこのベクター断片に、EcoRIおよびXhoIで切断した上記単離されたzcytor1
1断片を連結した。連結はT4リガーゼ(Ligase)(BRL)を用い,12℃で一晩行った
。連結サンプルをBH10B electroMAXTMエレクトロコンペテント大腸菌細胞(25μ
F、200Ω、1.8V)内にエレクトロポレーションした。形質転換体をLB+アンピシ
リンプレートに接種し、単一コロニーを2mlのLB+アンピシリン内に取り上げ、一
晩増殖させた。プラスミドDNAはWizard Minipreps(プロメガ)を用い単離し、
それぞれをEcoRIとXhoIdeで消化し、挿入体の存在を確認した。挿入体は約1.5kb
であり、完全長であった。SpeIとPstIによる消化を行い、ベクターが同一である
ことを確認した。
【0557】実施例14CRF2-4受容体を発現するBaF3細胞(BaF3/CRF2-4細胞)およびzcytor1 1受容体とCRF2-4受容体を同時発現するBaF3細胞(BaF3/CRF2-4/zcytor11細胞)
の構築 完全長のCFR2-4受容体を発現するBaF3細胞を、30μgの下記CFR2-4発現ベクタ
ーを用い構築した。CFR2-4受容体を発現するBaF3細胞はBaF3/CRF2-4細胞と命名
された。これら細胞をコントロールに用い、さらに完全長zcytor11受容体(米国
特許第5,965,704号)をトランスフェクションし、これを用い以下記す様にしてI
L-TIF活性に関するスクリーニング法を構築した。
【0558】 A. CRF2-4受容体を発現するBaF3細胞の構築 完全長のCRF2-4のcDNA配列(ジーンバンク登録番号Z17227)をDaudi細胞株cD
NAライブラリーより単離し、続いて実施例6記載の様にして発現ベクターpZP7P
内にクローン化した。
【0559】 マウス骨髄由来のインターロイキン3(IL-3)依存性前リンパ細胞株であるBaF
3(PalaciosとSteinmetz、Cell 41:727-734, 1985; Mathey-Prevotら、Mol. Cel
l. Biol. 6: 4133-4135, 1986)を、10%の熱不活性化ウシ胎児血清、2ng/mlのマ
ウスIL-3(mIL-3)(R&D、ミネアポリス(Minneaplois)、ミネソタ州(MN))、2
mMのL-glutaMax-1TM(ギブコ/BRL)、1mMのピルビン酸ナトリウム(ギブコ/BRL)
およびPSN抗生物質(ギブコ/BRL)を補充した完全培地(RPMI培地(JRHバイオサ
イエンス社(Bioscience Inc.)、レネクサ(Lenexa)、カンサス州(KS)中に
維持された。エレクトロポレーションにかける前に、CRF2-4/pZP7Pを調整し、Qi
agen Maxi Prepキット(キアゲン)を製造元指示書に従い用いて精製した。
【0560】 エレクトロポレーションのために、BaF3細胞は一度無血清RPMI培地で洗浄され
てから無血清RPMI培地に107細胞/mlの細胞密度に懸濁された。BaF3細胞懸濁液に
30μgのCRF2-4/pZP7PプラスミドDNAを混合し、独立した使い捨て式エレクトロポ
レーションチャンバー(ギブコBRL)に移された。15分間室温でインキュベーショ
ンした後、エレクトロポレーション装置(CELL-PORATORTM;ギブコBRL)を使って
細胞に2回連続ショック(800lFad/300V.;1180 lFad/300V.)を加えた。
【0561】 5分間の回復期間後、エレクトロポレーションされた細胞を50mlの完全培地に
移し、15-24時間(37℃、5%CO2)インキュベーションした。次に細胞えお遠心し
て落とし、2μg/mlのピューロマイシンを含む50mlの完全培地入ったT-162フラス
コ中に懸濁し、ピューロマイシン耐性プールを分離した。トランスフェクション
されたBaF3細胞細胞のプールを以後BaF3/CFR2-4細胞を呼ぶが、これらを下記方
法によりシグナル発信能についてアッセイした。さらにこれら細胞を、以下記載
の様にしてzcytor11受容体でトランスフェクションした。
【0562】 B. CRF2-4およびzcytor11受容体を発現するBaF3細胞の構築 完全長zcytor11受容体を発現するBaF3/CRF2-4細胞は、上記実施例6記載の30
μgのzcytor11発現ベクターを用い、上記実施例5Aに従い構築された。回収後、
トランスフェクタントを200μg/mlのゼオシン(zeocin)と2μg/mlのピューロマイ
シンを使い選別した。zcytor11受容体を発現するBaF3/CRF2-4細胞をBaF3/CRD2-4
/zcytor11細胞と命名した。これら細胞を用い、実施例15記載の如くにIL-TIF活
性およびzcytor16拮抗剤活性についてスクリーニングした。
【0563】実施例15アラマーブルー(Alamar Blue)増幅アッセイを利用した、Gaf#/CRF2 -4/zcytor11細胞によるIL-TIF拮抗剤活性のスクリーニング A. アラマーブルー増殖アッセイを利用した、BaF3/CRD2-4/zcytor11細胞による IL-TIF活性のスクリーニング 精製IL-TIF-CEE(実施例19)を用い、以下の如く増殖活性の存在を試験した。
本アッセイでは、精製zcytor16-Fc4(実施例11)は以下記載の如く、IL-TIFの増
殖反応を拮抗するのに用いられた。
【0564】 BaF3/CRD2-4/zcytor11細胞は遠心して落とされ、mIL-3を含まない実施例7記載
の完全培地で洗浄された(以後“無mIL-3培地”と呼ぶ)。細胞を3回遠心洗浄
し、mIL-3を確実に除いた。つぎに細胞数を、血球計算器を用いて測定した。細
胞は96ウエル形式にて、ウエル当たり100μlの無mIL-3培地が加えられたウエル
に5000細胞の割合で接種された。
【0565】 BaF3/CRD2-4/zcytor11細胞の増殖は、無mIL-3培地を使い50、10、2、1、0.5、
0.25、0.13、0.06ng/ml濃度に希釈されたIL-TIF-CEE蛋白質を使ってアッセイさ
れた。希釈蛋白質100μlがBaF3/CRD2-4/zcytor11細胞に加えられた。合計のアッ
セイ容積は200μLである。アッセイプレートは37℃、5%CO2にて3日間インキュ
ベーションされ、その時点でアラマーブルー(アキュメッド(Accumed)、シカゴ
(Chicago)、イリノイ州(IL)が20μl/ウエル加えられた。プレートは再度37℃
、5%CO2で24時間インキュベーションされた。アラマーブルーは生細胞の数に基
づき蛍光測定値を与え、従って陰性コントロールと比較した細胞増殖の直接測定
法である。プレートは再度37℃、5%CO2で24時間インキュベーションされた。
【0566】 プレートはSoftMaxTMProプログラムを使ったFmaxTMプレートリーダー(モレキ
ュラーデバイス(Molecular Devices)、サニーベール(Sunnyvale)、カリフォル
ニア州(CA))を用い、波長544(励起)と590(発光)で読み取られた。結果よ
り、BaF3/CRD2-4/zcytor11細胞のIL-TIF-CEEに反応した増殖が用量依存的である
ことが確認された。測定された反応は、50ng/mlで最高のバックグランドの約15
倍、そして0.06ng/mlで最低の2倍の増殖が誘導された。野生型BaF3およびBaF3/
CRD2-4細胞はIL-TIF-CEEに反応し増殖することはなく、IL-TIFがCRF2-4/zcytor1
1ヘテロ2量型受容体に特異的であることが示された。
【0567】 zcytor16がIL-TIF活性を拮抗できるか知るために、上記アッセイを精製した可
溶性zcytor16/Fc4を用い繰り返した。IL-TIFを10ng/mlのzcytor16と組み合わせ
ると、全ての濃度に於いてIL-TIFに対する反応がバックグランド値まで低下した
。可溶性zcytor16の存在がIL-TIFの増殖効果を無効にしたいことは、それがIL-T
IFリガンドの強力な拮抗物質であることを示している。
【0568】実施例16MES13細胞中のレポーターミニ遺伝子のIL-TIF活性化とzcytor16-Fc4
による活性阻害 MES 13細胞(ATCC番号、CRL-1927)を、ピルビン酸と10%血清(ハイクローン
(HyClone))が加えられたDMEM増殖培地(ライフテクノロジーズ)の入った96ウ
エル型組織培養クラスター(コースター(Costar))に10,000細胞/ウエルの割
合で接種した。翌日培地を血清の代わりに0.1%BSA(フラクションV;シグマ)が
加えられた無血清DMEM培地に交換した。この培地はSREおよびSTATエレメントで
作動するルシフェラーゼレポーターミニ遺伝子をコードしているアデノウイルス
構築体KZ136(以下参照)も感染多重度(m.o.i)1000:1、即ち細胞1個当たり10
00個のアデノウイルス粒子の比率で含んいでる。
【0569】 細胞内にアデノウイルス構築体を24時間取り込ませた後、培地を交換し、無血
清培地にした。ヒト組換え体IL-TIFを、組換え体zcytor16-Fc4融合体有り無しの
条件で、所定濃度でウエルに加えた(下表11に記載)。IL-TIFおよびzcytor16-F
c4の希釈は共に無血清培地で行った。基本アッセイコントロールとして0.1%BSA
が加えられた。4時間後細胞を溶解し、溶解体中のレポーター遺伝子の活性を表
すルシフェラーゼ活性を、ルシフェラーゼシステムアッセイキット(プロメガ)
とLabsystems Luminoskanルミノメーター(ラブシステムズ(Labsystems)、ヘル
シンキ(Helsinki)、フィンランド(Finland))を用い測定した。活性は溶解体中
のルシフェラーゼ単位(LU)で表された。結果を下第11表に示す。
【0570】
【表14】
【0571】 これらの結果は2つのことを示している:第1は、MES13細胞がヒト組換え体I
L-TIFに反応すること、即ちサイトカインに対す内因性の機能的受容体を持って
いること。第2はzcytoR16-Fc4受容体融合体が拮抗物質として機能し、IL-TIFに
対する反応を、このサイトカインが使用された最高濃度に於いても効果的に遮断
することである。従ってzcytor16は内因性にIL-TIFに反応することができる細胞
(MES 13)、即ちサイトカインに対する反応に追加の受容体構成成分の外来性発
現を必要としない細胞上のIL-TIFの効果的な拮抗物質である。
【0572】 アデノウイルスKZ136ベクターは次の様にして構築された。元のKZ136ベクター
はPoulsen,LKら、J.Biol.Chem.273:6228-6232, 1998に開示されている。CMVプロ
モーター/エンハンサーおよびSV40pA配列はpACCMV.pLpA(T.C.Beckerら、Meth.
Immunology 43:161-189, 1994)から取り出され、Asp718/KpnIおよびHindIII部
位(オリゴZC13253(配列番号26)およびZC13453(配列番号27)を含むリンカー
で交換されている)。
【0573】 STAT/SRE作動型ルシフェラーゼレポーターカセットは、ベクターKZ136(Pouls
en, LKら、上記)よりAsp718.KpnI-HindIII断片として切り出され、アダプ
トしたpACベクター内に挿入された。組換え体KZ136アデノウイルスは、T.C.Beck
erら上記の様にしてJM17アデノウイルスを293細胞内にトランスフェクションし
て作られた。プラーク精製されたウイルスを増殖させ、これをアッセイ12-48時
間前に培養細胞に5-50pfu/細胞の割合で感染させた。ルシフェラーゼレポーター
アッセイは、上記のPoulsen、LKらによる96ウエルマイクロプレートについて記
載されている方法に従い行われた。
【0574】実施例17CEE-タグ付きIL-TIF作製用構築体 コザック配列および停止コドンを含まないIL-TIFのコーディング域を含むPCR
断片を作製するためのオリゴヌクレオチドをデザインした。これらオリゴヌクレ
オチドは、C-末端にGlu-Gluタグ(配列番号10)の付いた蛋白質を哺乳動物発現
させる場合の我々の標準ベクターであるpHZ200-CEEへ容易にクローニングできる
よう、5’端にKpnI部位を、そして3’端にBamHI部位を持つ様デザインされた。p
HZ200ベクターはMT-1プロモーターを含む。
【0575】 PCR反応はTurbo Pfuポリメラーゼ(ストラタジーン)を使って行われ、IL-TIF
cDNA断片が増幅された。PCR反応では約20ngのヒトIL-TIFポリヌクレオチドテン
プレート(配列番号14)と、オリゴヌクレオチドZC28590(配列番号28)およびZ
C28580(配列番号29)が用いられた。PCR条件は次の通りである。95℃5分間の後
、95℃60秒、55℃60秒、72℃60秒を30サイクル、そして72℃10分の後4℃に維持
した。PCR産物はアガロースゲル電気泳動で分離され、QiaQuikTM(キアゲン)ゲ
ル抽出キットを用い精製された。単離された約600bpのDNA断片はKpaIとBamHI(
ベーリンガーマンハイム)で消化され、上記同様にゲル精製されてから前もって
KpnIおよびBamHIで消化しておいたpHZ200-CEE内に連結された。
【0576】 約1マイクロリッターの連結反応液を製造元の指示に従いDH10BElectroMaxTM
コンペテント細胞(ギブコBRL、ガイザースブルグ、メリーランド)内にエレク
トロポレーションし、100ng/mlのアンピシリンを含むLBプレート上に接種された
後、一晩インキュベーションされた。コロニーを拾い上げ、PCR条件が上記に同
じであるオリゴヌクレオチドZC28,590(配列番号28)およびZC28580(配列番号2
9)を用いたPCRを利用しスクリーニングを行った。次にインサートを含むクロー
ンを配列分析し、IL-TIF挿入体に誤りがないことを確認した。配列分析により正
しいことが確認されたpHZ200-IL-TIF-CEE構築体について、Maxiprepを用いた精
製を行った。
【0577】実施例18IL-TIF可溶性受容体ポリペプチドのトランスフェクションと発現 BHK570細胞(ATCC番号CRL-10314)を約1.2×106細胞/ウエル(6-ウエルプレー
ト)の割合で、800μlの無血清(SF)DMEM培地(DMEM、ギブコ/BRLハイグルコー
ス)(ギブコBRL、ガイザースブルグ、メリーランド)に加えた。細胞を、製造
元指示書に従い、無血清(SF)DMEM中にて、LipofectinTM(ギブコBRL)を用い、上
記(実施例17)のIL-TIF-CEEを含む発現プラスミドでトランスフェクションした
。細胞は37℃で約5時間インキュベーションされ、次に最終容積30mlのDMEM/5%
ウシ胎児血清(FBS)(ハイクローン(Hyclone)、ローガン(Logan)、ユタ州(UT
))を含む別の150mmMAXIプレートに移された。プレートは37℃、5%CO2にて一晩
インキュベーションされ、翌日DNA:LipofectinTM混合液を選択培地(5%FBS/1μM
メトトレキセート(MTX)入りDMEM)に交換した。
【0578】 トランスフェクション後約10-12日目に、クローンは5μMのMTXを含む1mlの5%
FCS/DMEMを含む12ウエル型プレートに機械を使って拾い上げられた。次に陽性発
現した、クローン化されたコロニーのコンディショニング培地について、SDS=PA
GEとウエスタンブロット分析を用いその発現レベルを調べた。細胞により発現さ
れたIL-TIF-CEEを精製するために、高発現クローンを拾い上げ、コンディショニ
ング培地の大規模製造(実施例19)を目的として拡大した。
【0579】実施例19BHK570細胞からのIL-TIF可溶性受容体精製 特記ない限り、作業は全て4℃にて実施された。以下の手順によりC-末端にGlu
Glu(EE)タグ(配列番号10)を含むIL-TIFポリペプチドを精製した。IL-TIF-CEE
を発現するBHK細胞(実施例18)のコンディショニング培地を、ProFlux30に装備
したアミコンS10YSスパイラルカートリッジを使って濃縮した。最終濃度2.5mMエ
チレンジアミン4酢酸(EDTA、シグマケミカル社、セントルイス、ミズリー州)
、0.003mMロイペプチン(ベーリンガーマンハイム、インディアナポリス、イン
ディアナ州)、0.01mMペプスタチン(ベーリンガーマンハイム)および0.4mMペ
ファブロック(ベーリンガーマンハイム)になるようプロテアーゼ阻害剤溶液を
、濃縮コンディショニング培地に加えた。分析を目的としてサンプルを取り出し
、残りのを精製するまで-80℃に凍結した。濃縮コンディショニング培地の合計
標的蛋白質濃度は、SDS-PAGEと抗EE HRP標識抗体を用いたウエスタンブロット分
析により決定された。
【0580】 約100mlの抗EE G-セファロースカラム(下記の様に調整)をウォーターズ(Wa
ters)AP-5、5cm×10cmガラスカラムに注ぎ込んだ。このカラムを流しながらパッ
クし、BioCard Sprit(パーセプティブバイオシステムズ(PerSeptive BioSyste
ms)、フラミンガム(Framingham)、マサチューセッツ州(MA))上でリン酸バッ
ファー塩溶液(PBS)pH7.4で平衡化した。濃縮コンディショニング培地を溶解後0
.2ミクロン無菌濾過し、pHを7.4に調整してから流速約1ml/分で、一晩かけカラ
ムに充填した。カラムをカラム容積(CV)の10倍量のリン酸バッファー塩溶液(P
BS、pH7.4)で洗浄し、続いて0.5mg/mlのEEペプチド(アナスペック(Anaspec)
、サンジョーズ(San Jose)、カリフォルニア州(CA))を含む200mlのPBS(pH6.0
)を5ml/分で流しプラグ溶出した。
【0581】 用いたEEペプチドはEYMPME(配列番号10)の配列を有している。カラムを10CV
のPBSで洗浄し、次に5CVの0.2Mグリシン、pH3.0で溶出した。グリシン溶出カラ
ムのpHを2CVの5×PBSを用い7.0に調整してから、PBS(pH7.4)で平衡化した。溶
出クロマトグラフィー全体にわたり5ml分画づつ採取し、280および215nMの吸光
度をモニターした。通過および洗浄プールについても採取、分析した。EE-ポリ
ペプチドの溶出ピーク分画は、SDS-PAGE銀染色と抗EE HRP標識抗体を用いたウエ
スタンブロット分析を利用し、標的蛋白質について分析された。関心のポリペプ
チド溶出分画はプールされ、10,000ダルトン分子量カットオフメンブレンを用い
た遠心式濃縮器(ミリポア、ベドフォード、マサチューセッツ州)を製造元指示
書通りに使用し、60mlから5.0mlに濃縮された。
【0582】 同時精製される他の蛋白質からIL-TIF-CEEを分離するために、濃縮ポリペプチ
ド溶出プール分画を、pH8.0でPOROS HQ-50(パーセプティブバイオシステムズ、
フラミンガム、マサチューセッツ州製強アニオン交換樹脂)にかけた。1.0×6.0
cmのカラムを注ぎ込み、BioCard Sprintで流しながらパックした。カラムに対イ
オンをチャージしてから20mM TRIS(Tris(ヒドロキシメチルアミノメタン)),p
H8.0に平衡化した。サンプルを1:13に希釈し(PBSのイオン強度を下げるため)
てからPorosHQカラムに5ml/分の流速で充填した。
【0583】 カラムを10CVの20mM Tris pH8.0で洗浄し、続いて20mM Tris/1M 塩化ナトリウ
ム(NaCl)の40CV勾配で、10ml/分の速度で溶出した。全クロマトグラフィーに
わたり1.5mlの分画を採取し、280および215nMの吸光をモニターした。溶出ピー
ク分画はSDS-PAGE銀染色を使って分析された。関心の分画はプールされ、10,000
ダルトン分子量カットオフメンブレンを用いた遠心式濃縮器(ミリポア、ベドフ
ォード、マサチューセッツ州)を製造元指示書通りに使用し1.5-2mlに濃縮され
た。
【0584】 遊離型EEペプチドと混入した同時精製された蛋白質からIL-TIF-CEEを分離する
ために、プールした濃縮分画を、PBSで平衡化された1.5×90cmのSephadex S200
(ファルマシア(Pharmacia)、ピスキャタウェイ(Piscataway)、ニュージャー
ジー州(NJ))カラムを用いたサイズ排除クロマトグラフィーにかけ、BioCade S
printを使って1.0ml/分の流速で充填した。全クロマトグラフィーにわたり1.5ml
の分画を採取し、280および215nMの吸光をモニターした。ピーク分画はSDS-PAGE
銀染色を使って分析され、最も純度の高い分画のみをプールした。この物質を精
製IL-TIF-CEEポリペプチドとした。
【0585】 この精製物質を最後に4mlのActiClean Etox(ストラタジーン)カラムにかけ
、残存する内毒素を除いた。このサンプルをPBSで平衡化した重力カラムに4回
通してから、カラムを3mlのPBSで1回洗浄し、これをプールとして“洗浄済み”
サンプルとした。この物質を次に0.2ミクロン滅菌濾過し、小分けするまで-80℃
に保存した。 ウエスタンブロット、クマシーブルーおよび銀染色したSDS-PAGEゲルでは、IL
-TIF-CEEポリペプチドは1本の主要バンドであった。精製物質の蛋白質濃度をBC
A分析(ピース、ロックフォード、イリノイ州)により調べらた後、蛋白質を小
分けし通常の手順で-80℃に保存された。 抗EEセファロースを調整するには、ベッド容積100mlのプロテインG-セファロ
ース(ファルマシア、ピスキャタウェイ、ニュージャージー州)をナルゲン(Na
lgen)社製の500ml、0.45ミクロンフィルターユニットを用い、0.02%のアジ化ナ
トリウムを含む100mlのPBSで3回洗浄した。ゲルは6倍量の200mMトリエタノー
ルアミン、pH8.2(TEA、シグマ、セントルイス、ミズリー州)で洗浄され、900m
gの抗体を含む等量のEE抗体液が加えられた。4℃にて一晩インキュベーションし
た後、未結合の抗体は樹脂を5倍量の上記200mM TEAで洗浄して取り除かれた。
【0586】 樹脂を2倍量のTEAに懸濁してから適当な容器に移し、そして最終濃度36mg/ml
のプロテインG-セファロースゲルにTEAに溶解されたジメチルピリミデート-2HCl
(ピース、ロックフォード、イリノイ州)を加えた。ゲルを室温にて45分間揺ら
してから上記フィルターユニットを使い液体を除いた。次に10分間、室温にて5
倍量の20mMエタノールアミンの200mM TEA液とインキュベーションすることで、
ゲルの非特異部位をブロックした。次にゲルを0.02%アジ化ナトリウムを含む5
倍量のPBSで洗浄し、この液体中、4℃に保存された。
【0587】実施例20ノーザンブロットとPCRを用いた組織パネルに於けるヒトzcytor11の
組織分布 A. PCRを用いた組織パネルに於けるヒトzcytor11の組織分布 ヒト組織由来のcDNAのパネルを、PCRを用いてzcytor11発現についてスクリー
ニングした。パネルは自家調製されたものであり、下表6に示す94種類のマラソ
ンcDNAと各種正常および癌ヒト組織や細胞株に由来するcDNAサンプルを含む。PC
R反応を除き、使用した方法は実施例12に示したものである。PCR反応はオリゴZC
14,666(配列番号32)、Advantage 2 DNAポリメラーゼミックス(クローンテッ
ク、パロアルト、カリフォルニア州)およびRediload色素(リサーチジェネティ
クス(Research Genetics, Inc)、ハンツビル(Huntsville)、アラバマ州(AL))
を用い準備された。
【0588】 増幅は次の様にして行われた:94℃2分間1サイクル、94℃15秒間、51℃30秒
間、72°30秒間を40サイクル、続いて5分間、72°を1サイクル。正確な、予想
通りの大きさのDNA断片は膀胱、脳、子宮頸部、結腸、胎児脳、胎児心臓、胎児
腎臓、胎児肝臓、胎児肺、胎児皮膚、心臓、腎臓、肝臓、肺、メラノーマ、卵巣
、膵臓、胎盤、前立腺、直腸、唾液腺、小腸、精巣、胸腺、気管、脊髄、甲状腺
、肺腫瘍、卵巣腫瘍、直腸腫瘍および胃腫瘍に観察された。zcytor11の発現は、
このパネルで試験されたその他の組織および細胞には観察されなかった。
【0589】 市販の1本鎖cDNAパネル(ヒト血液分画MTCパネル、クローンテック、パロア
ルト、カリフォルニア州)についても上記同様にアッセイした。パネルには次の
サンプルが含まれていた:単球、活性化単球、休止CD4+細胞、活性化CD4+細胞、
休止CD8+細胞、休止CD14+細胞、休止CD19+細胞および活性化CD19+細胞。活性化C
D8+細胞および活性化CD19+細胞を除き、全てのサンプルがzcytor11の発現を示し
た。
【0590】B. RT-PCRを用いたヒト組織および細胞株RNAパネルに於ける組織分布 ヒト細胞株由来のRNAのパネルを、RT-PCRを利用しzcytor11発現についてスク
リーニングした。パネルは自家製であり、下表7-10に示す各種正常および癌性ヒ
ト組織および細胞株に由来する84種類のRNAを含んだ。自家製または購入した組
織および細胞株より、RNAeasyMidiまたはMiniキット(キアゲン、バレンシア、
カリフォルニア)を使いRNAを得た。パネルはサンプル当たり100ngのRNAを使い
、96ウエル型に準備された。RT-PCR反応は、オリゴZC14,666(配列番号32)およ
びZC14,742(配列番号33)、Rediload色素およびSUPERSCRIPTワンステップRT-PC
Rシステム(ライフテクノロジーズ(Life Technologies), ガイザースブルグ(
Gaithersburg)、メリーランド州(MD))を用い準備した。
【0591】 増幅は以下の如く実施された:50℃30分間1サイクル後に、94°15秒間、52°
30秒間、72°30秒間を45サイクル、続いて72°7分間の最終伸長を行い終了した
。PCR反応産物8ないし10ulを4%アガロースゲルを利用した標準的なアガロースゲ
ル電気泳動にかけた。正しい予想通りのcDNA断片サイズは、副腎、膀胱、乳房、
気管、正常結腸、結腸癌、十二指腸、子宮内膜、食道、胃-食道癌、心室、回腸
、正常腎臓、腎臓癌、肝臓、肺、リンパ節、膵臓、耳下腺、皮膚、小腸、胃、甲
状腺および子宮で観察された、zcytor11の発現を示した細胞株は、A-431、分化
型CaCO2、DLD-1、HBL-100、HCT-15、HepG2、HepG2+IL6、HuH7およびNHEK#1-4で
あった。zcytor11の発現は、このパネルで試験されたその他の組織および細胞株
では観察されなかった。
【0592】 さらにIL-TIFの受容体の一つであるzcytor11発現パターンは特定の特異組織で
の発現を示すことから、天然リガンドであるIL-TIFを含む結合パートナーもまた
、特異組織(正常または異常)、癌、生検中の癌組織、組織または組織サンプル
、特にIL-TIF受容体が発現している組織を検出する診断薬として利用できる。IL
-TIFはまたその受容体、例えばzcytor16およびzcytor11が発現されているその他
組織を標的にするにも利用できる。さらにこの様な結合パートナーには化学療法
剤、毒性分等を結合し、腫瘍または病気組織部位を狙って治療することができる
。この様な診断および標的治療への利用は当分野既知であり、ここに記載されて
いる。
【0593】 zcytor11(上記)およびzcytor16(実施例12および実施例21)の発現パターン
は、IL-TIFの作用、従ってzcytor16の様なIL-TIF拮抗物質の標的となる組織およ
び細胞が示す。zvytor11は一般に次の3生理学的系に於いてzcytor16と重複し発
現している:消化器系、女性生殖系、および免疫系。さらに、受容体(zcytor11
)の発現パターンは、zcytor16の様なIL-TIF拮抗物質がヒトに於ける2領域の病
気、即ち炎症(例えばIBD、クローン病、膵炎)および癌(例えば卵巣、結腸)
の治療に応用できることを示している。即ち、本発明のポリヌクレオチド、ポリ
ペプチドおよび抗体は、炎症そして他サイトカインにより誘導されたIL-TIFとzc
ytor11受容体発現細胞との相互作用の影響を拮抗するのに使用できる。
【0594】 さらにzcytor11の発現は潰瘍性大腸炎組織、IL-6誘導されたHepG2肝臓細胞株
、活性化CD8+T細胞およびCD19+B細胞ではダウンレギュレーションされているか
、または無いと考えられている。しかしzcytor16は活性化CD19+B細胞(実施例12
)ではアップレギュレーションされているのに対し、zcytor19+細胞では休止CD1
9+細胞(上記)に比べダウンレギュレーションされていると思われる。この例で
はzcytor11およびzcyotr16の発現は逆関係にある。これらRT-PCR実験は、CD19+
末梢血細胞、Bリンパ細胞がIL-TIFに対する受容体、即ちzcytor11およびzcytor1
6を発現することを示している。さらにB細胞はzcytoR11およびzcytoR16の制御さ
れた発現を示す。
【0595】 有糸分裂促進剤で活性化されたBリンパ細胞ではzcytoR11の発現は低下し、zcy
toR16の発現は増加する。このことは典型的なフィードバック阻害を示しており
、これがB細胞だけでなく他細胞でも同様にIL-TIFの活性を低下させるのだろう
。可溶性zcytoR16はB細胞へのIL-TIFの効果を中和する拮抗物質として作用する
だろう。これはB細胞が重要な役割を果たしている病気、全身性エリテマトーデ
ス(SLE)、重症筋無力症、免疫複合疾患を含む自己免疫疾患およびIL-TIFにより
悪化するB細胞癌の治療に有益であろう。同様にB細胞が病因に関係している事故
免疫疾患、例えば多発性硬化症、炎症性腸疾患(IBD)およびリューマチ関節炎も
またzcytoR16治療の対象となるだろう。
【0596】 zcytoR16治療はIgE産生が病因に関係する喘息、アレルギーおよびアトピー性
皮膚炎を含むアトピー性疾患に於けるB細胞のIgE産生を低下させるか、または阻
害する上で有益であろう。B細胞悪性腫瘍は上記“フィードバック阻害”を消失
しているだろう。zcytoR16投与はIL-TIFシグナル発生の制御を回復し、B細胞腫
瘍の増殖を阻害するだろう。外科切除または化学療法後のzcytoR16投与は、B細
胞悪性腫瘍患者に於ける微細な残存病の治療に有益であろう。制御の消失はzcyt
oR11の発現の維持または増加をもたらすだろう。その結果zcytoR11を標的とする
治療的モノクローナル抗体の標的が生まれる。
【0597】実施例21インサイチューハイブリダイゼーションを利用したzcytor16発現細胞 の同定 特定ヒト組織を単離し、インサイチューハイブリダイゼーションを利用し、zc
ytor16発現についてスクリーニングした。調整、切片作製およびインサイチュー
ハイブリダイゼーションにかけた各種ヒト組織には、軟骨、結腸、虫垂、小腸、
胎児肝臓、肺、リンパ節、リンパ腫、卵巣、膵臓、胎盤、前立腺、皮膚、脾臓お
よび胸腺が含まれる。これら組織は標準的技法により10%の緩衝化フォルマリン
で固定され、そしてパラフィン包埋された。組織は4ないし8ミクロンで切片にさ
れた。
【0598】 組織は標準的方法(“Development of non-isotopic in situ hybridization
”, The Laboratory of Experimental Pathology(LEP)内, NIEHS, Research Tri
angle Park, NC;ウエッブアドレス http://dir.niehs.nih.gov/dirlep/ish.html
を用い準備された。簡単に述べると、組織切片はHistoClear(ナショナルダイア
グノスティクス(National Diagnostics)、アトランタ(Atlanta)、ジョージア
州)で脱パラフィン処理され、続いてエタノールで脱水された。つぎにそれらは
ProteinaseK(50μg/ml)(ベーリンガーマンハイム、インディアナポリス、イン
ディアナ州)により、37℃、2ないし7分間消化された。この段階に続いて組織を
アセチル化し、そして再水和処理された。
【0599】 インサイチュープローブはヒトzcytor16配列(配列番号1のヌクレオチド1-69
3)を対象にデザインされ、配列番号1を含むプラスミドより標準的方法を用い
単離された。T3RNAポリメラーゼを用い、アンチセンスプローブが作られた。プ
ローブはインビトロ転写システム(In Vitro transcription System)(プロメ
ガ、マジソン、ウイスコンシン州)を製造元指示書通りに使用し、ジゴキシゲニ
ン(ベーリンガー)で標識された。
【0600】 インサイチューハイブリダイゼーションはジゴキシゲニン標識zcytor16プロー
ブ(上記)を用い実施された。プローブはスライドに1ないし5pmol/mlの濃度で
、12ないし16時間、62.5℃で加えられた。続いてスライドは55℃で2×SSCと0.1
×SSCで洗浄された。シグナルはチラミドシグナル増幅(TSA)(TSA、インサイチ
ューインダイレクトキット;NEN)を使い増幅され、ベクターレッドサブストレ
ートキット(Vector Red substrate kit)(ベクターラブ)を製造元指示書通り
に使い視覚化された。次にスライドはヘマトキシリン(ベクターラボラトリーズ
(Vector Laboratories)、バーリンガム(Burlingame)、カリフォルニア州(CA))
で二重染色された。
【0601】 試験した幾つかの組織でシグナルが観察された。リンパ節、プラズ細胞および
末梢組織中のその他単核細胞が強陽性であった。リンパ結節中の大部分の細胞は
陰性であった。脾臓では陽性シグナルは濾胞周辺部に散在する単核細胞に認めら
れた。胎児細胞では、強いシグナルが類洞空間中にある単核細胞の混合集団に観
察された。肝細胞の一部のセットも陽性と思われた。炎症を起こした虫垂では、
バイエル板および浸潤部位にある単核細胞が陽性であった。小腸では幾つかのプ
ラズマ細胞と神経節神経細胞が陽性であった。
【0602】 正常肺では、zcytor16は小葉上皮および間質組織と血液中の単核細胞に発現し
ていた。肺癌組織の場合は、大部分のプラズマ細胞およびリンパ系集合体周辺部
にある幾つかのその他単核細胞で強いシグナルが観察された。卵巣癌では、上皮
細胞が強陽性であった。正常な卵巣にはシグナルは観察されなかった。正常膵臓
および膵炎を起こした膵臓のサンプルでは、いずれも隔膜内の腺房細胞と幾つか
の単核細胞が陽性であった。初期(8週)胎盤では、栄養芽細胞にシグナルが観
察された。皮膚では、浅部真皮内の炎症浸潤部にある幾つかの単核細胞が陽性で
あった。ケラチノ細胞も弱陽性であった。前立腺癌では、間質組織内に散在する
単核細胞が陽性であった。関節軟骨では、軟骨細胞が陽性であった。試験したそ
の他組織は正常卵巣および結腸腺癌を含め陰性であった。
【0603】 まとめると、インサイチューのデータはzcytor16に関する上記発現データに一
致した。zcytor16の発現は主に単核細胞に観察され、上皮の一部のセットもまた
陽性であった。これらの結果は免疫細胞中でのzcytor16の発現を確認し、炎症、
自己免疫疾患または、例えば、これに限定されるものではないが、IL-TIFを含む
前炎症性サイトカインに関係したその他免疫機能での役割を指摘する。さらにzc
ytor16の発現検出は、例えば組織サンプル中の単核細胞のマーカーとして用いる
ことができる。
【0604】 zcytor16は正常組織(リンパ節、脾臓、胸腺、膵臓および胎児肝臓、肺)およ
び異常組織(炎症を起こした虫垂、肺癌、卵巣癌、膵炎、炎症を起こした皮膚お
よび前立腺癌)を含む単核細胞に発現されている。リンパ節、小腸および肺癌中
のプラズマ細胞がzcytor16陽性であることは注目に値する。プラズマ細胞は抗体
合成を司る免疫的に活性なリンパ細胞である。さらにIL-TIFは活性化T細胞に発
現されている。またzcytor16の発現は活性化された(休止状態ではない)CD4+お
よびCD19細胞にのみ検出される(実施例12)。従ってzcytor16は、単核白血球の
様な特定リンパ細胞、および活性化CD4+やCD19+の様な特定の活性化白血球を単
離する際のマーカーまたは標的として利用できる。
【0605】 さらに、活性化CD4+およびCD19+細胞の様な活性化免疫細胞でzcytor16が発現
することは、zcytor16が微生物や細胞破壊物の様な異物に対する体の防御免疫反
応に関係している可能性、および炎症および癌形成時の免疫反応に役割を果たし
ている可能性を示している。
【0606】 またここに論ずる様に、肝細胞(内胚葉由来細胞)、肺小葉上皮(内胚葉由来
上皮)および卵巣癌上皮(中胚葉由来上皮)といった幾つかの上皮型組織は、zc
ytor16発現について陽性である。zcytor16の上皮での発現は、肝臓および肺では
炎症反応および/または癌状態により変化する。zcytor16はこれら組織に於ける
炎症または癌の結果としての変化をモニターするマーカーとして利用できる。さ
らにzcytor16のインサイチュー発現の分析は、正常卵巣上皮がzcytor16発現につ
いて陰性であるのに対し卵巣癌上皮では強陽性であることを示しており、zcytor
16のポリヌクレオチド、ポリペプチドおよび抗体がここに記した様に、卵巣癌お
よび卵巣カルチノーマの診断および治療の診断マーカーおよび/または治療標的
として利用できることの更なる証拠を提供している。
【0607】 zcytor16はまた膵臓(正常および膵炎組織)の腺房細胞、胎盤の栄養芽細胞(
外胚葉由来)、軟骨の軟骨細胞(中胚葉由来)および腸の神経節細胞(外胚葉由
来)の様なその他組織にも検出された。この様なことから、zcytor16はこれら臓
器の各細胞に於ける分化および/または正常機能に関係しているだろう。従って
、zcytor16の潜在的利用として、正常な代謝および妊娠の維持、骨形成/恒常性
そして小腸の生理学的機能等が挙げられる。
【0608】実施例22IL-TIFポリペプチドのインビボ作用 マウス(メス、C57B1、8週齢;チャールズリバーラブス(Charles River Labs
)、キングストン(kingston)、ニューヨーク州(NY))を3群に分けた。IL-TIF
ポリペプチド(配列番号15)発現アデノウイルスは標準的方法を用い前もって作
製した。0日目に親アデノウイルスまたはIL-TIFアデノウイルスをそれぞれ第1(
n=8)および第2(n=8)群に尾静脈投与し、各マウスには〜1×1011粒子を含む〜0
.1mlが与えられた。第3群には未処置とした(n=8)。
【0609】 12日目にマウスの体重を測り、血液採取した。サンプルについて全血球数(CB
C)および血清化学を調べた。IL-TIFアデノウイルスを投与した群より得た血液で
は、親アデノウイルス処理群に比べ統計有意な好中球および血小板数の増加が観
察された。同様にIL-TIFアデノウイルス投与群では、親アデノウイルス処置群に
比べリンパ細胞および赤血球数が有意に低下した。さらにIL-TIFアデノウイルス
処置マウスでは体重が減少したが、親アデノウイルス処置マウスでは体重は増加
した。
【0610】 これら結果は、IL-TIFが造血作用、即ちインビボでの血液細胞形成作用を持つ
ことを示唆している。この様にIL-TIFは各種血液幹細胞に影響を及ぼし、特定の
系列にある特定の分化血液細胞を増加または減少させる生物活性を有している。
例えば、IL-TIFはリンパ細胞を減少すると思われるが、これはリンパ系細胞にな
ることが約束された前駆細胞を阻害することによると思われる。IL-TIFはまた赤
血球数も減少させる。この所見はIL-TIFが骨髄性幹細胞の増殖および/または成
長に及ぼす阻害作用(実施例23)に一致するものであり、IL-TIFが貧血、感染症
、炎症および/または免疫疾患に於いて、これらプロセスに関係する血液細胞に
影響を及ぼすことで役割を果たしているという見解を支持している。抗体または
その可溶性受容体zytor16の様なIL-TIFに対する拮抗物質は、これら疾患の治療
薬として利用できるだろう。
【0611】 さらにこれらIL-TIFアデノウイルスをマウスに用いた実験は、IL-TIFの過剰発
現がインビボでの好中球と血小板数を増加することを示唆している。これはK562
細胞に見られた見解(実施例23)と矛盾する様に思われるが、特定の蛋白質につ
いてインビトロとインビボで逆の活性が観察されることは稀ではない。全動物系
に於けるIL-TIFへの反応には別の因子(サイトカインおよび変更遺伝子の様な)
が関係していることが考えられる。いずれにしてもこれらデータは造血にIL-TIF
が関係していることを強く支持している。従ってIL-TIFおよびその受容体は、炎
症、免疫疾患、感染症、貧血、造血性およびその他の癌等といった様々な病気の
診断および治療の好適な試薬/標的である。
【0612】実施例23IL-TIFポリペプチドは細胞傷害性アッセイにおいてK-562を溶解する K562細胞株(CRL-243、ATCC)は細胞傷害性アッセイの高感度のインビトロ標的
として広く利用されている。K-562芽細胞は、偶発的に認識可能な赤血球、顆粒
球および単球系前駆細胞に分化する、多能性の造血性悪性細胞である(Lozzio,
BBら、Proc. Soc. Exp. Biol. Med. 166:546-550, 1981)。
【0613】 K562細胞をピルビン酸および10%血清(ハイクローン)が添加されたDMEM無フ
ェノール増殖培地(ライフテクノロジーズ)の入った96ウエル型組織培養クラス
ター(コースター)に、5,000細胞/ウエルの割合で平板培養された。翌日、ヒト
組換え体IL-TIF(実施例19)、BSAコントロールまたはレチノイン酸(K562細胞に
対し細胞障害性であることが知られている)を加えた。
【0614】 72時間後、ミトコンドリア活性および細胞増殖の指示体として広く用いられて
いる生体染色液MTT(シグマ、セントルイス、ミズリー州)を最終濃度0.5ng/ml
で細胞に加えた。MMPはミトコンドリア脱水底嘘の作用により紫色のホルマザン
誘導体に変換される。4時間後、等量の酸性イソプロパノール(0.04N HClの無水
イソプロパノール液)をウエルに加え、変換されたMMPを可溶化した。570nmの吸
光を測定し、650nmのバックグランドを差し引いた。この実験条件では、吸光度
が細胞生存率を反映する。第12表に示した結果は%細胞傷害性で表されている。
【0615】
【表15】
【0616】 結果はIL-TIFが骨髄性幹細胞に影響することを示している。骨髄性幹細胞は万
能血液幹細胞の嬢細胞である。それらは赤血球、血小板巨核細胞、単球(または
移動性マクロファージ)、好中球および好塩基球等の前駆細胞である。K-562芽
細胞は偶発的に赤血球、顆粒球および単球系の前駆細胞に分化することから、骨
髄性幹細胞と考えることができる。従ってこの結果は、IL-TIFが骨髄性幹細胞の
増殖および/または成長に対し阻害活性を有することを示している。従ってIL-T
IFは貧血、感染症、炎症および/または免疫疾患において役割を果たしているだ
ろう。さらに抗体または可溶性受容体zcytor16の様なIL-TIFに対する拮抗物質は
、骨髄性幹細胞に対するIL-TIF活性を遮断するのに、あるいは貧血、感染症、炎
症および/または免疫疾患の様な病気の治療薬として使用することができるだろ
う。
【0617】 ここでは例示を目的として発明の特定の実施態様を記載しているが、上記より
本発明の精神および範囲を逸脱することなく各種変更が可能であることが理解さ
れるだろう。従って発明は添付の請求の範囲による以外、限定されない。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 16/46 C12N 1/15 4H045 19/00 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 C12Q 1/02 5/10 1/68 A C12P 21/02 C12P 21/08 C12Q 1/02 C12N 15/00 ZNAA 1/68 5/00 B // C12P 21/08 C A61K 37/02 (31)優先権主張番号 60/244,610 (32)優先日 平成12年10月31日(2000.10.31) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR ,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA, ZW (72)発明者 シュー,ウェンフェン アメリカ合衆国,ワシントン 98275,マ キルティオ,フィフティーフォース アベ ニュ ウエスト 12432 (72)発明者 カインズボーゲル,ウェイン アメリカ合衆国,ワシントン 98115,シ アトル,トゥエンティーフォース アベニ ュ ノースイースト 6014 (72)発明者 チェン,ジー アメリカ合衆国,ワシントン 98101,シ アトル,マイナー アベニュ 1321,アパ ートメント ビー504 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA12 BA63 CA04 CA09 FA02 HA01 HA12 HA14 HA15 4B063 QA08 QA19 QQ02 QQ43 QR55 QS33 QS34 4B064 AG20 AG27 CA19 CC24 DA01 DA05 DA06 DA07 DA08 DA14 4B065 AB01 BA02 CA24 CA44 CA46 4C084 AA02 AA07 BA01 BA22 CA18 NA14 ZB11 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA41 CA40 DA51 DA76 EA22 EA27 EA28 EA51 FA74

Claims (66)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)アミノ酸残基21〜231、(b)アミノ酸残基21〜210、
    (c)アミノ酸残基22〜231、(d)アミノ酸残基22〜210、(e)アミノ酸残基
    22〜108、(f)アミノ酸残基112〜210、及び(g)アミノ酸残基21〜110から成
    る群から選択された、配列番号2のアミノ酸配列の少なくとも15個の連続したア
    ミノ酸残基を含んで成る単離されたポリペプチド。
  2. 【請求項2】 前記ポリペプチドが、(a)アミノ酸残基21〜231、(b)
    アミノ酸残基21〜210、(c)アミノ酸残基22〜231、(d)アミノ酸残基22〜21
    0、(e)アミノ酸残基22〜108、(f)アミノ酸残基112〜210、及び(g)アミ
    ノ酸残基21〜110から成る群から選択されたアミノ酸配列を含んで成る請求項1
    記載の単離されたポリペプチド。
  3. 【請求項3】 前記ポリペプチドが、(a)アミノ酸残基21〜231、(b)
    アミノ酸残基21〜210、(c)アミノ酸残基22〜231、(d)アミノ酸残基22〜21
    0、(e)アミノ酸残基22〜108、(f)アミノ酸残基112〜210、及び(g)アミ
    ノ酸残基21〜110から成る群から選択されたアミノ酸配列から成る請求項1記載
    の単離されたポリペプチド。
  4. 【請求項4】 (a)アミノ酸残基21〜231、(b)アミノ酸残基21〜210、
    (c)アミノ酸残基22〜231、(d)アミノ酸残基22〜210、(e)アミノ酸残基
    22〜108、(f)アミノ酸残基112〜210、及び(g)アミノ酸残基21〜110から成
    る群から選択された、配列番号2の対照アミノ酸配列に対して少なくとも70%同
    一であるアミノ酸配列を含んで成る単離されたポリペプチド。
  5. 【請求項5】 前記単離されたポリペプチドが、前記対照アミノ酸配列に対
    して少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を有する請求項4記載の単離された
    ポリペプチド。
  6. 【請求項6】 前記単離されたポリペプチドが、前記対照アミノ酸配列に対
    して少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を有する請求項4記載の単離された
    ポリペプチド。
  7. 【請求項7】 前記単離されたポリペプチドが、配列番号2のアミノ酸残基
    22〜231、又は配列番号2のアミノ酸残基22〜210のいずれかを含んで成る請求項
    4記載の単離されたポリペプチド。
  8. 【請求項8】 (a)配列番号3のヌクレオチド配列を含んで成る核酸分子
    、又は(b)配列番号1のヌクレオチド64〜630のヌクレオチド配列、又は配列
    番号1のヌクレオチド64〜630のヌクレオチド配列の補体から成る核酸分子に対
    して、緊縮洗浄条件下でハイブリダイズされたまま存続する核酸分子のいずれか
    である単離された核酸分子。
  9. 【請求項9】 前記核酸分子によりコードされるアミノ酸配列と、配列番号
    2のその対応するアミノ酸配列との間のいずれかの差異が、保存性アミノ酸置換
    による請求項8記載の単離された核酸分子。
  10. 【請求項10】 配列番号1のヌクレオチド64〜630のヌクレオチド配列を
    含んで成る請求項8記載の単離された核酸分子。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の単離された核酸分子を含んで成るベクター
  12. 【請求項12】 請求項10記載の単離された核酸分子、転写プロモーター及
    び転写ターミネーターを含んで成る発現ベクターであって、前記プロモーターが
    前記核酸分子により操作可能に連結され、そして前記核酸分子が前記転写ターミ
    ネーターにより操作可能的に連結される発現ベクター。
  13. 【請求項13】 細菌、酵母細胞、菌類細胞、昆虫細胞、哺乳類細胞及び植
    物細胞の群から選択された、請求項12記載の発現ベクターを含んで成る組換え宿
    主細胞。
  14. 【請求項14】 タンパク質の生成方法であって、請求項12記載の発現ベク
    ターを含んで成り、そして前記タンパク質を生成する組換え宿主細胞を培養する
    ことを含んで成る方法。
  15. 【請求項15】 培養された組換え宿主細胞からタンパク質を単離すること
    をさらに含んで成る請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 請求項3記載のポリペプチドと特異的に結合する抗体又は
    抗体フラグメント。
  17. 【請求項17】 前記抗体が、(a)ポリクローナル抗体、(b)ネズミモ
    ノクローナル抗体、(c)(b)に由来するヒト型化抗体、及び(d)ヒトモノ
    クローナル抗体から成る群から選択される請求項16記載の抗体。
  18. 【請求項18】 請求項16記載の抗体と特異的に結合する抗−イディオタイ
    プ抗体。
  19. 【請求項19】 請求項3記載のポリペプチドを含んで成る融合タンパク質
  20. 【請求項20】 前記融合タンパク質が、免疫グロブリン成分をさらに含ん
    で成る請求項19記載の融合タンパク質。
  21. 【請求項21】 アミノ酸22〜231又は22〜210からの配列番号2に示される
    ようなアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸残基の配列を含
    んで成る可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドをコードする単離されたポリヌ
    クレオチドであって、 前記ポリヌクレオチド配列によりコードされる可溶性サイトカイン受容体ポリ
    ペプチドがIL−TIFを結合するか、又はIL−TIF活性を拮抗することを特徴とする
    単離されたポリヌクレオチド。
  22. 【請求項22】 前記ポリヌクレオチドによりコードされる可溶性サイトカ
    イン受容体ポリペプチドが、ホモダイマー、ヘテロダイマー、又はマルチマー受
    容体複合体を形成する請求項21記載の単離されたポリヌクレオチド。
  23. 【請求項23】 前記ポリヌクレオチドによりコードされる可溶性サイトカ
    イン受容体ポリペプチドが、可溶性クラスI又はクラスIIサイトカイン受容体を
    さらに含んで成るヘテロダイマー又はマルチマー受容体複合体を形成する請求項
    22記載の単離されたポリヌクレオチド。
  24. 【請求項24】 前記ポリヌクレオチドによりコードされる可溶性サイトカ
    イン受容体ポリペプチドが、可溶性CRF2−4受容体ポリペプチド(配列番号35)
    、可溶性IL−10受容体ポリペプチド(配列番号36)、又は可溶性zcytor 11受容
    体ポリペプチド(配列番号34)をさらに含んで成るヘテロダイマー又はマルチマ
    ー受容体複合体を形成する請求項22記載の単離されたポリヌクレオチド。
  25. 【請求項25】 アミノ酸22〜231又は22〜210からの配列番号2に示される
    ようなアミノ酸残基の配列を含んで成る可溶性サイトカイン受容体ポリペプチド
    をコードする単離されたポリヌクレオチドであって、前記ポリヌクレオチド配列
    によりコードされる可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドがホモダイマー、ヘ
    テロダイマー、又はマルチマー受容体複合体を形成することを特徴とする単離さ
    れたポリヌクレオチド。
  26. 【請求項26】 前記ポリヌクレオチドによりコードされる可溶性サイトカ
    イン受容体ポリペプチドが、可溶性クラスI又はクラスIIサイトカイン受容体を
    さらに含んで成る請求項25記載の単離されたポリヌクレオチド。
  27. 【請求項27】 前記ポリヌクレオチドによりコードされる可溶性サイトカ
    イン受容体ポリペプチドが、可溶性CRF2−4受容体ポリペプチド(配列番号35)
    、可溶性IL−10受容体ポリペプチド(配列番号36)、又は可溶性zcytor 11受容
    体ポリペプチド(配列番号34)をさらに含んで成るヘテロダイマー又はマルチマ
    ー受容体複合体を形成する請求項25記載の単離されたポリヌクレオチド。
  28. 【請求項28】 前記可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドがさらに、細
    胞内ドメインをコードする請求項25記載の単離されたポリヌクレオチド。
  29. 【請求項29】 前記可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドがさらに、親
    和性標識を含んで成る請求項25記載の単離されたポリヌクレオチド。
  30. 【請求項30】 次の操作可能的に連続された要素: (a)転写プロモーター;配列番号2に示されるようなアミノ酸配列を有する
    可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドをコードする第1DNAセグメント;及び
    転写ターミネーター;及び (b)第2転写プロモーター;可溶性クラスI又はクラスIIサイトカイン受容
    体ポリペプチドをコードする第2DNAセグメント;及び転写ターミネーターを含
    んで成り、ここで前記第1及び第2DNAセグメントが単一の発現のベクター内に
    含まれるか、又は独立した発現ベクター内に含まれることを特徴とする発現ベク
    ター。
  31. 【請求項31】 前記第1及び第2DNAセグメントに操作可能的に連結され
    る分泌シグナル配列をさらに含んで成る請求項30記載の発現ベクター。
  32. 【請求項32】 前記第2DNAセグメントが、可溶性CRF2−4受容体ポリペプ
    チド(配列番号35)、可溶性IL−10受容体ポリペプチド(配列番号36)、又は可
    溶性zcytor 11受容体ポリペプチド(配列番号34)を含んで成るポリペプチドを
    コードする請求項30記載の発現ベクター。
  33. 【請求項33】 請求項30記載の発現ベクターを含んで成る培養された細胞
    であって、前期DNAセグメントによりコードされるポリペプチドを発現する培養
    された細胞。
  34. 【請求項34】 請求項30記載の発現ベクターを含んで成る培養された細胞
    であって、前期第1及び第2DNAセグメントが独立した発現ベクター上に位置し
    、そして細胞中に同時トランスフェクトされ、そして細胞が前記DNAセグメント
    によりコードされるポリペプチドを発現する培養された細胞。
  35. 【請求項35】 請求項30記載の発現ベクターを導入されている培養された
    細胞であって、前記DNAセグメントによりコードされるヘテロダイマー又はマル
    チマー可溶性受容体ポリペプチドを発現する培養された細胞。
  36. 【請求項36】 前記細胞が、可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドヘテ
    ロダイマー又はマルチマー複合体を分泌する請求項33記載の細胞。
  37. 【請求項37】 前記細胞が、IL−TIFを結合し、又はIL−TIF活性を拮抗す
    る可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドヘテロダイマー又はマルチマー複合体
    を分泌する請求項33記載の細胞。
  38. 【請求項38】 下記成分: アミノ酸22〜231又は22〜210からの配列番号2に示されるようなアミノ酸残基
    の配列を有するポリペプチドをコードする第1DNAセグメント;及び 可溶性クラスI又はクラスIIサイトカイン受容体ポリペプチドをコードする少
    なくとも1つの他のDNAセグメントを含んで成る融合タンパク質をコードするDNA
    構造体であって、 前記第1及び他のDNAセグメントが読み取り枠の整合して連結され;そして 前記第1及び他のDNAセグメントが前記融合タンパク質をコードすることを特
    徴とするDNA構造体。
  39. 【請求項39】 少なくとも1つの他のDNAセグメントが、可溶性CRF2−4受
    容体ポリペプチド(配列番号35)、可溶性IL−10受容体ポリペプチド(配列番号
    36)又は可溶性zcytor 11受容体ポリペプチド(配列番号34)を含んで成るポリ
    ペプチドをコードする請求項38記載のDNA構造体。
  40. 【請求項40】 次の操作可能的に連結された要素: 転写プロモーター: 請求項38記載の融合タンパク質をコードするDNA構造体:及び 転写ターミネーターを含んで成る発現ベクターであって、 前記プロモーターが前記DNA構造体に操作可能的に連結され、そして前記DNA構
    造体が前記転写ターミネーターに操作可能的に連結されることを特徴とする発現
    ベクター。
  41. 【請求項41】 請求項40記載の発現ベクターを含んで成る培養された細胞
    であって、前記DNA構造体によりコードされるポリペプチドを発現する細胞。
  42. 【請求項42】 融合タンパク質の生成方法であって、 請求項23記載の細胞を培養し;そして 前記細胞により生成されるポリペプチドを単離することを含んで成る方法。
  43. 【請求項43】 アミノ酸22〜231又は22〜210からの配列番号2に示される
    ようなアミノ酸配列に対して少なくとも90%同一であるアミノ酸残基の配列を含
    んで成る、IL−TIFを結合するか又はIL−TIF活性を拮抗する単離された可溶性サ
    イトカイン受容体ポリペプチド。
  44. 【請求項44】 前記可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドが、ホモダイ
    マー、ヘテロダイマー、又はマルチマー受容体複合体を形成する請求項43記載の
    単離されたポリペプチド。
  45. 【請求項45】 前記可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドが、可溶性ク
    ラスI又はクラスIIサイトカイン受容体をさらに含んで成るヘテロダイマー又は
    マルチマー受容体複合体を形成する請求項44記載の単離されたポリペプチド。
  46. 【請求項46】 前記可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドが、可溶性CR
    F2−4受容体ポリペプチド(配列番号35)、可溶性IL−10受容体ポリペプチド(
    配列番号36)、又は可溶性zcytor 11受容体ポリペプチド(配列番号34)をさら
    に含んで成るヘテロダイマー又はマルチマー受容体複合体を形成する請求項44記
    載の単離されたポリペプチド。
  47. 【請求項47】 アミノ酸22〜231又は22〜210からの配列番号2に示される
    ようなアミノ酸残基の配列を含んで成る単離された可溶性サイトカイン受容体ポ
    リペプチドであって、前記可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドがホモダイマ
    ー、ヘテロダイマー、又はマルチマー受容体複合体を形成することを特徴とする
    単離されたポリヌクレオチド。
  48. 【請求項48】 前記可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドが、可溶性ク
    ラスI又はクラスIIサイトカイン受容体をさらに含んで成るヘテロダイマー又は
    マルチマー受容体複合体を形成する請求項47記載の単離されたポリペプチド。
  49. 【請求項49】 前記可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドが、可溶性CR
    F2−4受容体ポリペプチド(配列番号35)、可溶性IL−10受容体ポリペプチド(
    配列番号36)、又は可溶性zcytor 11受容体ポリペプチド(配列番号34)をさら
    に含んで成るヘテロダイマー又はマルチマー受容体複合体を形成する請求項47記
    載の単離されたポリペプチド。
  50. 【請求項50】 前記可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドが、親和性標
    識、化学的成分、毒素又はラベルをさらに含んで成る請求項47記載の単離された
    ポリペプチド。
  51. 【請求項51】 可溶性受容体サブユニットを含んで成り、ここで前記可溶
    性受容体サブユニットの少なくとも1つが、アミノ酸22〜231又は22〜210からの
    配列番号2に示されるようなアミノ酸残基の配列を含んで成る可溶性サイトカイ
    ン受容体ポリペプチドを含んで成る単離されたヘテロダイマー又はマルチマー可
    溶性受容体複合体。
  52. 【請求項52】 可溶性クラスI又はクラスIIサイトカイン受容体ポリペプ
    チドをさらに含んで成る請求項51記載の単離されたヘテロダイマー又はマルチマ
    ー可溶性受容体複合体。
  53. 【請求項53】 可溶性CRF2−4受容体ポリペプチド(配列番号35)、可溶
    性IL−10受容体ポリペプチド(配列番号36)、又は可溶性zcytor II受容体ポリ
    ペプチド(配列番号34)をさらに含んで成る請求項51記載の単離されたヘテロダ
    イマー又はマルチマー可溶性受容体複合体。
  54. 【請求項54】 ヘテロダイマー又はマルチマー複合体を形成する可溶性サ
    イトカイン受容体ポリペプチドの生成方法であって、 請求項33記載の細胞を培養し;そして 前記細胞により生成される可溶性受容体ポリペプチドを単離することを含んで
    成る方法。
  55. 【請求項55】 可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドに対する抗体を生
    成するための方法であって、 下記群: (a)アミノ酸22〜231又は22〜210からの配列番号2に示されるようなポリペ
    プチドを含んで成るモノマー又はホモダイマー可溶性サイトカイン受容体を含ん
    で成るポリペプチド; (b)可溶性クラスI又はクラスIIサイトカイン受容体ポリペプチドを含んで
    成る可溶性サイトカイン受容体へテロダイマー又はマルチマー受容体複合体をさ
    らに含んで成る(a)のポリペプチド; (c)可溶性CRF2−4受容体ポリペプチド(配列番号35)を含んで成る可溶性
    サイトカイン受容体ヘテロダイマー又はマルチマー受容体複合体をさらに含んで
    成る(a)のポリペプチド;及び (d)可溶性IL−10受容体ポリペプチド(配列番号36)を含んで成る可溶性サ
    イトカイン受容体へテロダイマー又はマルチマー受容体複合体をさらに含んで成
    る(a)のポリペプチドから選択された可溶性サイトカイン受容体ポリペプチド
    により動物を接種し;ここで前記ポリペプチドが、抗体を生成するために前記動
    物において免疫応答を誘発し;そして 前記動物から抗体を単離することを含んで成る方法。
  56. 【請求項56】 アミノ酸22〜231又は22〜210からの配列番号2に示される
    ようなポリペプチドを含んで成るホモダイマー、ヘテロダイマー又はマルチマー
    受容体複合体に対して特異的に結合する、請求項55記載の方法により生成される
    抗体。
  57. 【請求項57】 前記抗体がモノクローナル抗体である請求項56記載の抗体
  58. 【請求項58】 請求項51記載のホモダイマー、ヘテロダイマー又はマルチ
    マー受容体複合体に対して特異的に結合する抗体。
  59. 【請求項59】 造血細胞及び造血細胞前駆体のIL−TIF−誘発された増殖
    又は分化を阻害するための方法であって、可溶性サイトカイン受容体の不在下で
    培養される骨髄又は末梢血液細胞に比較して、骨髄又は末梢血液細胞における造
    血細胞の増殖又は分化を低めるのに十分な量の、アミノ酸22〜231又は22〜210か
    らの配列番号2に示されるような可溶性サイトカイン受容体ポリペプチドを含ん
    で成る組成物と共に骨髄又は末梢血液細胞を培養することを含んで成る方法。
  60. 【請求項60】 前記造血細胞及び造血前駆体細胞が、リンパ球である請求
    項59記載の方法。
  61. 【請求項61】 前記リンパ球が、マクロファージ又はT細胞である請求項6
    0記載の方法。
  62. 【請求項62】 IL−TIF−誘発された又はIL−9誘発された炎症を低めるた
    めの方法であって、炎症を低めるために十分な量の、アミノ酸22〜231又は22〜2
    10からの配列番号2に示されるようなポリペプチドの組成物を、炎症を有する哺
    乳類に投与することを含んで成る方法。
  63. 【請求項63】 炎症を有する哺乳類において炎症応答を抑制するための方
    法であって、 (1)血清アミロイドAタンパク質のレベルを決定し; (2)医薬的に許容できるビークル中、請求項43記載の可溶性サイトカイン受
    容体ポリペプチドを含んで成る組成物を投与し; (3)血清アミロイドAタンパク質の後−投与レベルを決定し; (4)段階(3)における血清アミロイドAタンパク質のレベルに、段階(1
    )における血清アミロイドAタンパク質のレベルを比較し、ここで血清アミロイ
    ドAタンパク質レベルの上昇又は低下の欠失が炎症応答の抑制の表示である方法
  64. 【請求項64】 患者における遺伝子異常性を決定するための方法であって
    、 患者から遺伝子サンプルを得; 配列番号1の少なくとも14個の連続したヌクレオチド又は配列番号1の補体を
    含んで成るポリヌクレオチドと共に、前記遺伝子サンプルを、前記ポリヌクレオ
    チドが相補的ポリヌクレオチド配列に対してハイブリダイズするであろう条件下
    でインキュベートすることによって、第1反応生成物を生成し; 前記第1反応生成物を可視化し;そして 野生型患者からの対照反応生成物に、前記第1反応生成物を比較し、前記第1
    反応生成物と前記対照反応生成物との間の差異が患者における遺伝子異常性の表
    示である方法。
  65. 【請求項65】 患者における癌を検出するための方法であって、 患者から組織又は生物学的サンプルを得; 前記組織又は生物学的サンプルを、請求項16記載の抗体と共に、前記抗体が前
    記組織又は生物学的サンプルにおけるその相補的ポリペプチドに結合する条件下
    でインキュベートし; 前記組織又は生物学的サンプルにおいて結合される抗体を可視化し;そして 正常な対照組織又は生物学的サンプルに、前記患者からの組織又は生物学的サ
    ンプルにおける結合される抗体のレベルを比較し、ここで前記正常な対照組織又
    は生物学的サンプルに対する、前記患者組織又は生物学的サンプルに結合される
    抗体のレベルの上昇が前記患者における癌の表示である方法。
  66. 【請求項66】 患者における癌を検出するための方法であって、 患者から組織又は生物学的サンプルを得; 配列番号1の少なくとも14個の連続したヌクレオチド又は配列番号1の補体を
    含んで成るポリヌクレオチドをラベリングし; 前記組織又は生物学的サンプルを、前記ポリヌクレオチドが相補的ポリヌクレ
    オチド配列に対してハイブリダイズする条件下でインキュベートし; 前記組織又は生物学的サンプルにおける前記ラベルされたポリヌクレオチドを
    可視化し;そして 正常な対照組織又は生物学的サンプルに対して、前記患者からの組織又は生物
    学的サンプルにおけるラベルされたポリヌクレオチドハイブリダイゼーションの
    レベルを比較し、ここで前記正常な対照組織又は生物学的サンプルに比較して、
    前記患者組織又は生物学的サンプルに対するラベルにされたポリヌクレオチドの
    ハイブリダイゼーションの上昇が前記患者における癌の表示である方法。
JP2001542532A 1999-12-03 2000-12-01 ヒトサイトカイン受容体 Pending JP2003534773A (ja)

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US16904999P 1999-12-03 1999-12-03
US60/169,049 1999-12-03
US23221900P 2000-09-13 2000-09-13
US60/232,219 2000-09-13
US24461000P 2000-10-31 2000-10-31
US60/244,610 2000-10-31
PCT/US2000/032703 WO2001040467A1 (en) 1999-12-03 2000-12-01 Human cytokine receptor

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003534773A true JP2003534773A (ja) 2003-11-25

Family

ID=27389597

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001542532A Pending JP2003534773A (ja) 1999-12-03 2000-12-01 ヒトサイトカイン受容体

Country Status (8)

Country Link
US (12) US6897292B2 (ja)
EP (1) EP1234035B1 (ja)
JP (1) JP2003534773A (ja)
AT (1) ATE458814T1 (ja)
AU (1) AU2253301A (ja)
CA (1) CA2393369A1 (ja)
DE (1) DE60043895D1 (ja)
WO (1) WO2001040467A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003524415A (ja) * 1999-12-23 2003-08-19 ザイモジェネティクス,インコーポレイティド サイトカインzcyto18

Families Citing this family (44)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5965704A (en) * 1997-08-05 1999-10-12 Zymogenetics, Inc. Class two cytokine receptor-11
US6551799B2 (en) 1999-12-07 2003-04-22 Genentech, Inc. Interleukin-22 polypeptides, nucleic acids encoding the same and methods for the treatment of pancreatic disorders
WO2002016611A2 (en) * 2000-08-24 2002-02-28 Genentech, Inc. Interleukin-22 polypeptides, nucleic acids encoding the same and methods for the treatment of pancreatic disorders
US6939545B2 (en) * 1999-04-28 2005-09-06 Genetics Institute, Llc Composition and method for treating inflammatory disorders
US7307161B1 (en) * 1999-04-28 2007-12-11 Genetics Institute, Llc Human Gil-19/AE289 polynucleotides
CA2392109A1 (en) * 1999-11-18 2001-05-25 Schering Corporation Mammalian receptor proteins; related reagents and methods
US6897292B2 (en) * 1999-12-03 2005-05-24 Zymogenetics, Inc. Human cytokine receptor
US7226591B2 (en) 2000-05-22 2007-06-05 Genentech, Inc. Interleukin-22 polypeptides, nucleic acids encoding the same and methods for the treatment of pancreatic disorders
US20030170823A1 (en) 1999-12-23 2003-09-11 Presnell Scott R. Novel cytokine ZCYTO18
US6740520B2 (en) * 2000-03-21 2004-05-25 Genentech, Inc. Cytokine receptor and nucleic acids encoding the same
US20040086970A1 (en) * 2000-03-22 2004-05-06 Genentech, Inc. Novel cytokine receptors and nucleic acids encoding the same
DE60142861D1 (de) * 2000-07-27 2010-09-30 Wyeth Llc Verwendung von IL-10 Rezeptor beta antagonistische Antikörper zur Hemmung einer IL-TIF/IL-21 Induktion von Akutphasen-Proteine
US7045498B2 (en) 2000-08-08 2006-05-16 Zymogenetics, Inc. Soluble Zcytor11 cytokine receptors
US7268223B2 (en) * 2000-09-22 2007-09-11 Wyeth Isolated nucleic acid molecules which encode a soluble IL-TIF receptor or binding protein which binds to IL-TIF/IL-22, and uses thereof
US7094570B2 (en) 2003-03-11 2006-08-22 Ludwig Institute For Cancer Research Isolated nucleic acid molecules which encode a soluble IL-TIF/IL-22 receptor or binding protein which binds to IL-TIF/IL-22, and uses thereof
EP1191035A3 (de) * 2000-09-25 2002-04-17 Schering Aktiengesellschaft Drei Mitglieder der Zytokinrezeptorfamilie Klasse II
MXPA03006218A (es) * 2001-01-12 2004-09-13 Inst Genetics Llc Receptor de citosina tipo 2 y acidos nucleicos que codifican para lo mismo.
US7638604B2 (en) * 2001-02-23 2009-12-29 Genetics Institute, Llc Monoclonal antibodies against interleukin-22
CA2439636A1 (en) 2001-03-02 2002-09-12 Zymogenetics, Inc. Mouse cytokine receptor
WO2002077174A2 (en) * 2001-03-27 2002-10-03 Zymogenetics, Inc. Human cytokine receptor
AUPR502301A0 (en) * 2001-05-15 2001-06-07 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Phosphotriesterase from Agrobacterium radiobacter P230
WO2003083062A2 (en) 2002-03-22 2003-10-09 Zymogenetics, Inc. Anti-il-tif antibodies and methods of using in inflammation
WO2004085475A2 (en) * 2003-03-24 2004-10-07 Zymogenetics, Inc. Anti-il-20 antibodies and binding partners and methods of using in inflammation
EP1697418A2 (en) * 2003-11-21 2006-09-06 ZymoGenetics, Inc. Anti-il-20 receptor antibodies and binding partners and methods of using in inflammation
US7537761B2 (en) 2004-10-22 2009-05-26 Zymogenetics, Inc. Anti-IL-22RA antibodies and binding partners and methods of using in inflammation
WO2006086396A2 (en) 2005-02-08 2006-08-17 Zymogenetics, Inc. Anti-il-20, anti-il-22 and anti-il-22ra antibodies and binding partners and methods of using in inflammation
KR101453570B1 (ko) * 2005-12-02 2014-10-22 제넨테크, 인크. Il-22 및 il-22r에 결합하는 항체를 포함하는,사이토카인 신호 전달과 관련된 질환 및 장애 치료용조성물 및 치료 방법
TW200744634A (en) * 2006-02-21 2007-12-16 Wyeth Corp Methods of using antibodies against human IL-22
TWI417301B (zh) * 2006-02-21 2013-12-01 Wyeth Corp 對抗人類介白素-22(il-22)之抗體及其用途
WO2010068812A1 (en) 2008-12-10 2010-06-17 Abqmr, Inc. Nuclear magnetic resonance apparatus, methods and associated technology
WO2010096394A2 (en) 2009-02-17 2010-08-26 Redwood Biosciences, Inc. Aldehyde-tagged protein-based drug carriers and methods of use
US9476812B2 (en) 2010-04-21 2016-10-25 Dna Electronics, Inc. Methods for isolating a target analyte from a heterogeneous sample
US20110262989A1 (en) 2010-04-21 2011-10-27 Nanomr, Inc. Isolating a target analyte from a body fluid
US9428547B2 (en) 2010-04-21 2016-08-30 Dna Electronics, Inc. Compositions for isolating a target analyte from a heterogeneous sample
US8841104B2 (en) 2010-04-21 2014-09-23 Nanomr, Inc. Methods for isolating a target analyte from a heterogeneous sample
KR20140016262A (ko) 2011-01-14 2014-02-07 레드우드 바이오사이언스 인코포레이티드 알데하이드-태깅된 면역글로불린 폴리펩타이드 및 이의 사용 방법
US9796990B2 (en) 2011-07-20 2017-10-24 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organization Enzymes for degrading organophosphates
US9599610B2 (en) 2012-12-19 2017-03-21 Dnae Group Holdings Limited Target capture system
US9551704B2 (en) 2012-12-19 2017-01-24 Dna Electronics, Inc. Target detection
US9804069B2 (en) 2012-12-19 2017-10-31 Dnae Group Holdings Limited Methods for degrading nucleic acid
US10000557B2 (en) 2012-12-19 2018-06-19 Dnae Group Holdings Limited Methods for raising antibodies
US9434940B2 (en) 2012-12-19 2016-09-06 Dna Electronics, Inc. Methods for universal target capture
US9995742B2 (en) 2012-12-19 2018-06-12 Dnae Group Holdings Limited Sample entry
CN109071634A (zh) 2016-04-26 2018-12-21 R.P.谢勒技术有限责任公司 抗体偶联物及其制备和使用方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002024912A2 (en) * 2000-09-22 2002-03-28 Ludwig Institute For Cancer Research Isolated nucleic acid molecules which encode a soluble il-tif/il-22 receptor or binding protein which binds to il-tif/il-22, and uses thereof

Family Cites Families (66)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1989004838A1 (en) 1987-11-25 1989-06-01 Immunex Corporation Interleukin-1 receptors
US6018026A (en) 1988-01-22 2000-01-25 Zymogenetics, Inc. Biologically active dimerized and multimerized polypeptide fusions
US5750375A (en) 1988-01-22 1998-05-12 Zymogenetics, Inc. Methods of producing secreted receptor analogs and biologically active dimerized polypeptide fusions
US5252714A (en) 1990-11-28 1993-10-12 The University Of Alabama In Huntsville Preparation and use of polyethylene glycol propionaldehyde
US5382657A (en) 1992-08-26 1995-01-17 Hoffmann-La Roche Inc. Peg-interferon conjugates
US5738846A (en) 1994-11-10 1998-04-14 Enzon, Inc. Interferon polymer conjugates and process for preparing the same
US5843697A (en) 1996-07-17 1998-12-01 University Of Medicine And Dentistry Of New Jersey Cells expressing IL-10 receptor and the CRFB4 gene product, an IL-10 receptor accessory protein
US5945511A (en) 1997-02-20 1999-08-31 Zymogenetics, Inc. Class II cytokine receptor
US5965704A (en) 1997-08-05 1999-10-12 Zymogenetics, Inc. Class two cytokine receptor-11
US20030104559A1 (en) 1998-03-27 2003-06-05 Genentech, Inc. Secreted and transmembrane polypeptides and nucleic acids encoding the same
US20030073189A1 (en) 1998-06-02 2003-04-17 Genentech, Inc. Secreted and transmembrane polypeptides and nucleic acids encoding the same
US7297769B2 (en) 1998-06-02 2007-11-20 Genentech, Inc. PRO698 polypeptides
US20030104560A1 (en) 1998-07-01 2003-06-05 Genentech, Inc. Secreted and transmembrane polypeptides and nucleic acids encoding the same
US20030073188A1 (en) 1998-07-07 2003-04-17 Genentech, Inc. Secreted and transmembrane polypeptides and nucleic acids encoding the same
US6274710B1 (en) * 1998-10-26 2001-08-14 Ludwig Institute For Cancer Research Antibodies which specifically bind T Cell inducible factors (TIFs)
AU760224B2 (en) 1998-10-26 2003-05-08 Wyeth Isolated nucleic acid molecules which encode T cell inducible factors (TIFs), the proteins encoded, and uses thereof
US20030138898A1 (en) 1998-12-01 2003-07-24 Genentech, Inc. Secreted and transmembrane polypeptides and nucleic acids encoding the same
EP1141008A1 (en) 1998-12-31 2001-10-10 Millennium Pharmaceuticals, Inc. Class ii cytokine receptor-like proteins and nucleic acids encoding them
US7235642B1 (en) 1999-01-12 2007-06-26 Genentech, Inc. Anti-PRO 1313 antibodies
US20030104561A1 (en) 1999-02-09 2003-06-05 Genentech, Inc. Secreted and transmembrane polypeptides and nucleic acids encoding the same
US20030119116A1 (en) 1999-04-01 2003-06-26 Genentech, Inc. Secreted and transmembrane polypeptides and nucleic acids encoding the same
US7304136B2 (en) 1999-04-27 2007-12-04 Genentech, Inc. PRO4407 polypeptides
JP4828703B2 (ja) 1999-04-28 2011-11-30 ジェネティックス インスティテュート エルエルシー ヒトgil−19/ae289タンパク質、及び、同タンパク質をコードするポリヌクレオチド
US7304126B2 (en) 1999-05-11 2007-12-04 Genentech, Inc. Secreted and transmembrane polypeptides and nucleic acids encoding the same
AU5151100A (en) 1999-05-19 2000-12-05 Incyte Genomics, Inc. Extracellular signaling molecules
US20030138899A1 (en) 1999-05-25 2003-07-24 Genentech, Inc. Secreted and transmembrane polypeptides and nucleic acids encoding the same
WO2000073457A1 (en) 1999-05-27 2000-12-07 Schering-Corporation Mammalian interleukin-10 homologs: il-d110 and il-d210
CA2372511C (en) 1999-06-15 2011-11-22 Genentech, Inc. Secreted and transmembrane polypeptides and nucleic acids encoding the same
US20030119113A1 (en) 1999-07-20 2003-06-26 Genentech, Inc. Secreted and transmembrane polypeptides and nucleic acids encoding the same
US20060074228A1 (en) * 1999-08-03 2006-04-06 Genentech, Inc. Secreted and transmembrane polypeptides and nucleic acids encoding the same
US7297770B2 (en) 1999-08-10 2007-11-20 Genentech, Inc. PRO6496 polypeptides
US7294696B2 (en) 1999-08-17 2007-11-13 Genentech Inc. PRO7168 polypeptides
US20030119123A1 (en) 1999-08-17 2003-06-26 Genentech, Inc. Secreted and transmembrane polypeptides and nucleic acids encoding the same
US20030077742A1 (en) 1999-08-20 2003-04-24 Genentech, Inc. Secreted and transmembrane polypeptides and nucleic acids encoding the same
US20030138902A1 (en) 1999-08-31 2003-07-24 Genentech, Inc. Secreted and transmembrane polypeptides and nucleic acids encoding the same
EP1208202A2 (en) 1999-09-01 2002-05-29 Genentech, Inc. Secreted and transmembrane polypeptides and nucleic acids encoding the same
CA2392109A1 (en) 1999-11-18 2001-05-25 Schering Corporation Mammalian receptor proteins; related reagents and methods
US6897292B2 (en) 1999-12-03 2005-05-24 Zymogenetics, Inc. Human cytokine receptor
EP1242600B1 (en) 1999-12-23 2010-03-03 ZymoGenetics, Inc. Cytokine zcyto18
US7297333B2 (en) 2000-01-20 2007-11-20 Genentech, Inc. Anti-PRO10268 antibodies
US20030104562A1 (en) 2000-02-11 2003-06-05 Genentech, Inc. Secreted and transmembrane polypeptides and nucleic acids encoding the same
US6740520B2 (en) 2000-03-21 2004-05-25 Genentech, Inc. Cytokine receptor and nucleic acids encoding the same
NZ523122A (en) * 2000-06-22 2004-06-25 Smithkline Beecham Corp Polypeptides and polynucleotides and methods of identifying agonists and antagonists in relation to treatment of diseases
US20030138897A1 (en) 2000-08-02 2003-07-24 Genentech, Inc. Secreted and transmembrane polypeptides and nucleic acids encoding the same
US20030138904A1 (en) 2000-09-01 2003-07-24 Genentech, Inc. Secreted and transmembrane polypeptides and nucleic acids encoding the same
US20060073549A1 (en) 2000-09-05 2006-04-06 Genentech, Inc. Secreted and transmembrane polypeptides and nucleic acids encoding the same
AU2001294541A1 (en) 2000-09-08 2002-03-22 Schering Corporation Mammalian genes; related reagents and methods
US20030119121A1 (en) 2000-09-15 2003-06-26 Genentech, Inc. Secreted and transmembrane polypeptides and nucleic acids encoding the same
US20030138900A1 (en) 2000-09-22 2003-07-24 Genentech, Inc. Secreted and transmembrane polypeptides and nucleic acids encoding the same
EP1191035A3 (de) 2000-09-25 2002-04-17 Schering Aktiengesellschaft Drei Mitglieder der Zytokinrezeptorfamilie Klasse II
MXPA03006218A (es) 2001-01-12 2004-09-13 Inst Genetics Llc Receptor de citosina tipo 2 y acidos nucleicos que codifican para lo mismo.
US20030113862A1 (en) 2001-01-12 2003-06-19 Genentech, Inc. Secreted and transmembrane polypeptides and nucleic acids encoding the same
US20030119120A1 (en) 2001-01-16 2003-06-26 Genentech, Inc. Secreted and transmembrane polypeptides and nucleic acids encoding the same
US20030119119A1 (en) 2001-01-16 2003-06-26 Genentech, Inc. Secreted and transmembrane polypeptides and nucleic acids encoding the same
US20030119126A1 (en) 2001-01-16 2003-06-26 Genentech, Inc. Secreted and transmembrane polypeptides and nucleic acids encoding the same
US20030138901A1 (en) 2001-01-25 2003-07-24 Genentech, Inc. Secreted and transmembrane polypeptides and nucleic acids encoding the same
US20030082729A1 (en) 2001-02-02 2003-05-01 Genentech, Inc. Secreted and transmembrane polypeptides and nucleic acids encoding the same
CA2439636A1 (en) * 2001-03-02 2002-09-12 Zymogenetics, Inc. Mouse cytokine receptor
US20030113863A1 (en) 2001-03-09 2003-06-19 Genentech, Inc. Secreted and transmembrane polypeptides and nucleic acids encoding the same
JP4009535B2 (ja) 2001-03-09 2007-11-14 ザイモジェネティクス,インコーポレイティド 可溶性ヘテロダイマーサイトカイン受容体
WO2002077174A2 (en) * 2001-03-27 2002-10-03 Zymogenetics, Inc. Human cytokine receptor
US7192587B2 (en) 2001-04-03 2007-03-20 Genentech, Inc. Secreted and transmembrane polypeptides and nucleic acids encoding the same
US20030068783A1 (en) 2001-05-09 2003-04-10 Genentech, Inc. Secreted and transmembrane polypeptides and nucleic acids encoding the same
US7585964B2 (en) 2001-05-14 2009-09-08 Cancer Genetics, Inc. Methods of analyzing chromosomal translocations using fluorescence in situ hybridization (FISH)
WO2003035096A1 (en) 2001-10-22 2003-05-01 Eli Lilly And Company Soluble proteins that inhibit cytokine signal transduction pathways
WO2003083062A2 (en) 2002-03-22 2003-10-09 Zymogenetics, Inc. Anti-il-tif antibodies and methods of using in inflammation

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002024912A2 (en) * 2000-09-22 2002-03-28 Ludwig Institute For Cancer Research Isolated nucleic acid molecules which encode a soluble il-tif/il-22 receptor or binding protein which binds to il-tif/il-22, and uses thereof

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003524415A (ja) * 1999-12-23 2003-08-19 ザイモジェネティクス,インコーポレイティド サイトカインzcyto18

Also Published As

Publication number Publication date
CA2393369A1 (en) 2001-06-07
AU2253301A (en) 2001-06-12
US7641899B2 (en) 2010-01-05
US20070166746A1 (en) 2007-07-19
US20100099850A1 (en) 2010-04-22
EP1234035A1 (en) 2002-08-28
US7189839B2 (en) 2007-03-13
US7615611B2 (en) 2009-11-10
US7491809B2 (en) 2009-02-17
US8034784B2 (en) 2011-10-11
US7534575B2 (en) 2009-05-19
US20070148143A1 (en) 2007-06-28
US20070134745A1 (en) 2007-06-14
US6897292B2 (en) 2005-05-24
US7812130B2 (en) 2010-10-12
US20070122883A1 (en) 2007-05-31
DE60043895D1 (de) 2010-04-08
US20050214314A1 (en) 2005-09-29
US7667000B2 (en) 2010-02-23
US20070106068A1 (en) 2007-05-10
US20020012669A1 (en) 2002-01-31
EP1234035B1 (en) 2010-02-24
US20080242839A1 (en) 2008-10-02
ATE458814T1 (de) 2010-03-15
US7642345B2 (en) 2010-01-05
US20100292151A1 (en) 2010-11-18
US7638602B2 (en) 2009-12-29
US20070135347A1 (en) 2007-06-14
WO2001040467A1 (en) 2001-06-07
US7923208B2 (en) 2011-04-12
US20070134237A1 (en) 2007-06-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003534773A (ja) ヒトサイトカイン受容体
US7851594B2 (en) Human cytokine receptor
US20080131931A1 (en) Mouse cytokine receptor zcytor16

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071016

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100720

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20101019

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20101026

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111101

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120327