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JP2003525258A - 一つの高分子電解質外被を持つナノカプセル - Google Patents

一つの高分子電解質外被を持つナノカプセル

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JP2003525258A
JP2003525258A JP2001563221A JP2001563221A JP2003525258A JP 2003525258 A JP2003525258 A JP 2003525258A JP 2001563221 A JP2001563221 A JP 2001563221A JP 2001563221 A JP2001563221 A JP 2001563221A JP 2003525258 A JP2003525258 A JP 2003525258A
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liposomes
polyelectrolyte
acid
nanocapsules
coating
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ステフェン・パンズナー
ゲロルド・エンデルト
フランク・エスラー
アンヤー・ベーレンス
シルケ・ルッツ
コーネリア・パンズナー
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ノボソム アーゲー
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Abstract

(57)【要約】 20nmから40?mの直径を持つナノ−またはマイクロカプセル製造法が提案され、その際鋳型粒子は水性媒体中におかれ、一つの高分子電解質により電気的に反転荷電され、分離−または洗浄段階無しで、第一の高分子電解質に相補的に荷電した第二の高分子電解質により再び反転荷電され、このプロセスは交互に荷電した高分子電解質により場合によってはさらに続行される。

Description

【発明の詳細な説明】
(技術分野) 本発明は、高分子電解質から成るそれ自身安定な一つの外被層により包まれて
いるナノカプセル、その様な構造物の製造法とその構造物の利用に関する。本発
明はまたナノカプセル製造のための一つの装置にも関わる。
【0001】 (背景技術) リポソームは、さまざまな作用物質の生物学的に非常に親和適合性のある一つ
のパック形態として公知である。リポソームの成分は高分量で親和適合的であり
免疫系の拒絶反応を全く示さないかまたは僅かに示すに過ぎない。しかしながら
機械的、熱的または生物学的作用に対するその感受性は、屡々リポソームの利用
の妨げになっている。
【0002】 リボソームの寿命の延長はリポソーム膜の組成によって達成することができる
、むろんその際また別の望ましい特性、例えば融合受容能、が失われてしまう。
従ってこれまで薬学および工学における利用のため安定化作用のある添加物の助
けを借りてリポソームによる注意深くまた生体に親和適合的なパック方法を実用
化する多様な努力が試みられた。リポソームの安定性を高めるための一つの公知
の方法は、さまざまなポリマーによる、とりわけポリエチレングリコール(PE
G)によるその表面のドーピングである。これらの成分はその表面の立体的な保
護作用を及ぼしこうして、例えば血液系からの、膜に対するリーシス性成分の直
接的攻撃を阻止する;例えばリポソーム製剤としての”ステルスリポソーム”、
この場合リポソームはPEGから成る一つの外被で包まれている(D.D.ラシ
ック、リポソーム−応用のための物理学から(D.D.Lasic,Lipos
omes−from physics to applications”)。
【0003】 また別の公知の方法は、膜層上への糖オリゴマーの堆積によるリポソーム膜の
ある種の保護を利用し、ここでも膜表面のある種の立体的な遮蔽が堆積した成分
により達成されている。得られた構造物は非修飾リポソームと対照的に凍結また
は凍結乾燥することができる。
【0004】 DE19852928.7およびWO00/28972では、リポソーム鋳型
上の幅広く修飾可能な、それ自体安定な外被構造物が開示され、これはポリマー
または生体分子の層状の化学吸着によって製造される。この方法は、外被層およ
びナノカプセルの製造と並んで、表面の生体親和適合的な修飾と機能化、をも許
容する。
【0005】 類似の構造を持つ構造物はその代わりにまたコロイド鋳型上での層状の高分子
電解質−自己集合化によっても作ることができる(カルソ、F.(1998)サ
イエンス282:1111−1113、DE19812083A1、EP097
2563A1またはWO99/47253(Caruso,F.(1998)S
cience282:1111−1113,DE19812083A1,EP0
972563A1bzw.WO99/47253)。
【0006】 WO00/03797ではリポソームおよびその他の生物学的な鋳型が、層状
の自己集合化によるナノカプセル製造用の担体として適している、ことが開示さ
れている。
【0007】 その様な構造物製造のための公知の方法は蛋白質の界面(US5498421
)またはリポソームの表面(クプク、S.、サラ、M.、とスレイトル、U.B
.、ビオケミカ ビオフィジカ アクタ 1235(2):263−269(1
995)(Kupcu,S.,Sara,M.,undSleytr,U.B.
,Biochem.Biophys.Acta.1235(2):263−26
9(1995))における蛋白質のネット化である。
【0008】 US5308701では高分子電解質層から成るマイクロカプセル中への、特
にリポソームの封入を述べた方法が開示されている。しかしながらそこに記述さ
れている溶液中では最初の高分子電解質の脂質層への結合は回避される。US5
308701中のリポソームはむしろ全ての他の被溶解物質と同じくそれを取り
巻く重合化物の小滴によりマイクロカプセル化される。リポソームはマイクロカ
プセルの鋳型として働くのではなく、結果として明らかにより大きなカプセル、
それは多数のリポソームをそのゲル様の内部に含む、が生じる。その様なマイク
ロカプセルはそのサイズのため血液循環中の利用には適しない。
【0009】 公知の基本構造物はさらに次の欠点を持つ: US5498421ではマトリックスとしての油相が用いられ、これは当然の
帰結として脂溶性物質の封入のみを許容する。これは大半の生体高分子に対する
系の利用を不可能にする。
【0010】 クプカらにより用いられたS−層−蛋白質は高免疫原性構造物として薬剤担体
での組込みには適していない。
【0011】 開示されたリポソーム構造物およびその製造法での欠点はさらに生体親和適合
性の不足並びにその分解が高温または非常に低いpH−値のような極端な条件に
結びついている点である。
【0012】 公知の方法はさらに、ナノカプセルまたはリポソームの表面の出来る限り密で
再現可能なコーティングを達成するためには、過剰の高分子電解質材料を用いる
、そのため過剰の高分子電解質材料を再び分離するために別の新たな操作段階が
必要不可欠である。さらに高分子電解質によるリポソームのコーティングについ
ては何らの具体的な方法が開示されていない。一般に提案された方法、従って例
えばWO00/03797、では操作の間に解消できない凝集体が形成されるの
で実施することができない。一つのまた別の欠点は、すべての操作が不連続的に
進行する結果、ナノカプセルまたはリポソームを一様にコーティングすることが
できない、点である。
【0013】 本発明の課題は従って、鋳型、とりわけ独自の外被層により包まれているリポ
ソームの簡単な生産を許容する、コストの安い一つの方法を用意することである
【0014】 (発明の開示) 本発明は20nmと40μmの間のある直径を有するナノ−またはマイクロカ
プセルを用意することによりこの技術的問題を解決する、その際鋳型粒子は水性
媒体中に置かれ、最初の一つの高分子電解質により電気的に反転荷電され、分離
−または洗浄段階無しで相補的に荷電した高分子電解質により再び反転荷電され
る、そしてこのプロセスは交互に荷電した高分子電解質によって場合によっては
さらに続行される。層の交互する荷電は、例えば第一の層がアニオン性または主
としてアニオン性の高分子電解質から、また第二の層がカチオン性または主とし
てカチオン性の高分子電解質から成る、ことによって発生させることができる。
【0015】 (発明を実施するための最良の形態) 本発明の意味での鋳型は、本発明に従う方法を用いてコーティングすることが
できるすべてのマトリックスである。マトリックスまたは鋳型を用意したのち粒
子は、例えば両親媒的にコーティングされ、また一つの新たな段階で一つの高分
子電解質によりコーティングされ、結果としてとりわけ、小粒子材料の表面に対
して正反対の一つの荷電を示す。多重層形成のため鋳型は引き続き反対に荷電し
た高分子電解質により、すなわち、カチオン性およびアニオン性高分子電解質に
より交互に、処理される。ポリマー層はそれ以前に積まれた堅いマトリックス上
に静電気的な層状の分離析出によりひとりでに組み立てられ、その様にして堅い
核の周りに一つの多層性ポリマー外被を形成する。
【0016】 本発明に従い交互に荷電された高分子電解質のその様な構造物は、例えば、と
りわけ静電気的な相互作用を作り上げる能力のあるリポソームの表面上に、二つ
またはそれ以上の水溶性でその都度相補的に荷電した高分子電解質層を堆積させ
ることにより、製造される。じかに連続する高分子電解質層は互いに正反対に荷
電している。ある任意の数、しかし少なくとも二つ、のその様な高分子電解質層
はリポソームの表面上に析出分離することができる。本発明の意味での高分子電
解質はイオンに解離可能な基を持つポリマーであり、その基はポリマー鎖の成分
または置換基であることができ、その数は非常に多いのでそのポリマーは解離し
た形では水溶性である。水溶性のためのイオン性の基の濃度が十分でないときに
は、本発明に従いイオノマーを話題にすることになる。一つまたは少数のイオン
性基しか有しないポリマーはマクロイオン、例えばマクロアニオンまたはマクロ
カチオンである。解離可能な基の種類に応じ本発明の意味で高分子電解質をポリ
酸とポリ塩基に区分する。解離に際してポリ酸からはプロトンを分離しながらポ
リアニオンが生じ、これは無機でも有機でもポリマーであればよい。例えばその
塩がポリ塩と呼ばれるポリ酸としては以下のものがある:ポリリン酸、ポリビニ
ル硫酸、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルホスホン酸およびポリアクリル酸。
ポリ塩基は、親−イオン性基として、とりわけ、例えば酸との反応により塩を形
成しながらプロトンを受容することができる、そのような基を含む。連鎖−また
は側鎖に位置する解離可能な基を有する典型的なポリ塩基はポリエチレンイミン
、ポリビニルアミンおよびポリビニルピリジンである。
【0017】 アニオン性基もカチオン性基も共に置換基として一つのマクロ分子中に含む高
分子電解質は、本発明の意味で高分子両性電解質である。
【0018】 高分子電解質はポリイオンと対応する対イオンに解離する。それらはその対イ
オンの水溶液中では通例として溶解性がよい。そのマクロ分子は溶液中ではイオ
ン性基の静電気的反撥のため大抵はリニヤーに配列されている;非解離状態では
それに反して糸玉分子として存在する。多価の対イオンは高分子電解質のある種
のネット化を引き起こし、これはついにはその不溶性に導く可能性がある。 高分子電解質は本発明に従い生体高分子、例えばアルギン酸、アラビアゴム、核
酸、ペクチン、蛋白質等、でもよくまた化学的に修飾された生体高分子、例えば
カルボキシメチルセルロース、リグニンスルホン酸および合成ポリマー、例えば
ポリ(メタ)アクリル酸、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルホスホン酸、ポリ
エチレンイミンであってもよい。また別の高分子電解質は、当業者には例えばW
O00/28972またはWO00/03797から公知であり、これらは本発
明の開示内容に共に加えられている。
【0019】 例えば、構造を形作るばかりでなく活性をも持っているようなポリマーを高分
子電解質層の組み立てに用いることができる。その様な外被は例えば他の分子に
対する結合特性または触媒的特性を持つことができる。蛋白質の中には例えば構
造を形成しまた活性を担持している特性を備えたその様なポリマーが存在し、従
って例えばヘモグロビンは本発明に従い外被構造の組み立てに用いることができ
る。その場合本発明によるナノカプセルは血液代替物として用いることができる
。しかしまた、他の蛋白質出現の目印を認識し結合することができる蛋白質を高
分子電解質層に融合することも可能である。この目的に適した蛋白質はとりわけ
レクチン、ビオチン結合性または抗体結合性蛋白質である。この種のナノカプセ
ルは蛋白質またはその他のマクロ分子上のグリコシル化体、抗原エピトープまた
はビオチングループを認識しこれらの成分を高度に特異的に結合することができ
る。
【0020】 出発物質としてはリポソームまたは鋳型分子を用いることができ、そのサイズ
が生成するナノカプセルのそれを決定する。その様なリポソームを製造するため
の適切な方法は当業者に公知である。本発明に従い用いられるリポソームはとり
わけ水溶性ポリマーの結合を可能にしなければならない。水性媒体中における共
有結合のための方法は当業者に公知であり、とりわけアミノ−、チオル−、ヒド
ラキソ−、ヒドロキソ−、酸水素−、アルデヒド−、カルボキシル基または適切
に組み合わされたそれらの活性化エステルの、異官能基性および同官能基性結合
を包含する。
【0021】 リポソームと第一の高分子電解質の間の相互作用は、脂質層の性質の故にその
次の層間の有利な静電気的相互作用とは異なっている。従って本発明による体系
の一つの可能な態様はその様な両親媒性のポリマーまたは高分子電解質の利用を
包含し、これらは脂質層と結合して一つの荷電した粒子を生じる。その様な高分
子電解質の例は融合または膜と結合した蛋白質、両親媒性ポリマー、例えばアル
キルアクリレート、アルキル修飾糖ポリマーおよびその他のこれらの物質、であ
り、それらは天然または合成または半合成起源である。
【0022】 次の段階で第一のポリマーによりコーティングされた鋳型粒子上に第二層が一
つのまた別のポリマーにより堆積される。第一および第二のポリマーの荷電はそ
の場合互いに相補的である。第一と第二のポリマーはリポソームの表面に一つの
ネット組織を形成する。
【0023】 用いられたポリマーは一つのゼータ電位を持ち、これはこの反応の条件下では
ゼロとは異なっている。この電位の影響に関する重要な量は溶液のpH−値およ
びイオン強度である。適した化合物に数えられるのは多数の高分子電解質である
が、しかしまた十分に極性のある基を持つその他の水溶性ポリマーもそうである
。適した化合物に属するのは例えば:多糖類、例えばアルギン酸、キトサン、ペ
クチン、ヒアルロン酸、ポリマンヌロン酸、ポリガラクツロン酸、ヘパリン、ア
ラビアゴム、カラヤゴム、キサンタンゴム、カラギーナン、ローカスビーンゴム
およびこれらの化合物の塩並びにカルボキシル化、アミノ化、ヒドラジル化デキ
ストラン、殿粉、レバン、イヌリンまたはアガロースである。
【0024】 更なる化合物は、天然または合成の蛋白質またはペプチドまたはアミノ酸から
のその他のホモ−またはヘテロポリマー、オリゴヌクレオチド、一本鎖または二
本鎖型および線状または閉じた環状型のDNAまたはRNA、合成ポリマー、例
えばポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸エステルおよびアク
リル酸の誘導体からのその他のポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリエチレン
イミン、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルアミン、ポリホスファゼン等々で
ある。更なる化合物は上記した基礎となるモノマーから成るヘテロ−またはブロ
ックポリマーである。さらに上に挙げた化合物の混合型、例えばグリコシル化蛋
白質、翻訳後修飾された蛋白質、他の天然物との蛋白質錯体、蛋白質および核酸
から成る錯体、糖およびアクリレートおよび類縁の化合物から成るコポリマー、
は、すべてこれらの化合物がとりわけ水溶性である限りにおいて、それに属する
【0025】 二つまたはそれ以上のコーティング後、とりわけ、一つの脂質膜が一つの外側
の外被により包まれている高分子電解質−コーティングされたナノカプセルが得
られる。この外被は有利にはリポソームの表面特性を変化させその安定性を高め
る。それは化学的な筋交いネット化剤の作用によってさらに強化することができ
る。
【0026】 本発明に従う方法によるコーティング反応はとりわけ非常に速やかに行うこと
ができるので、化学的な筋交いネット化剤は有利には既に反応の開始時にサスペ
ンジョンに添加し、もし後の利用のためそれが是非必要であるならば有利にはコ
ーティング反応の終了後初めてサスペンジョンから分離する、ことができる。
【0027】 この方法は、コーティング反応がとりわけ数秒以内に完結することができる、
ことを可能にし、数分より長く続くことは稀である。
【0028】 適切なネット化剤は、例えばWO00/28972に申し立てられているすべ
ての化合物である。とりわけ、高分子電解質の正味の静電荷が全くまたは基本的
には影響しないネット化剤。
【0029】 用いられたリポソームはとりわけ第一の水溶性ポリマーの結合を可能にしなけ
ればならない。その様なリポソームを発生させるのに適した成分は荷電した両親
媒性化合物で、これはとりわけ脂質層を破壊することなくその中に沈積すること
ができる。適した化合物に属するのは、天然または合成のリン脂質とその誘導体
、とりわけホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジ
ルグリセロールまたはホスファチド酸、しかしまたスフィンゴリピド、セラミド
、テトラエーテルリピドまたはその他のエーテルリピド並びにコレステロールの
荷電誘導体、例えばコレステロールサルフェート、コレステロールヘミサクシネ
ート、ジメチルアミノエチルカルバモイル−コレステロールおよびその他のこれ
らの化合物、である。適した化合物に属するのはさらに、アルキルカルボン酸、
アルキルスルホン酸、アルキルアミン、アルキルアンモニウム塩、ジアルキルア
ミンまたは−アンモニウム化合物、例えばDOTAPまたはDOTIM、長鎖ア
ルコールを持つリン酸エステルおよびさらに膜を形成するかまたは膜と結合して
いる荷電した化合物である。非荷電の膜性分、例えばホスファチジルコリン、ホ
スファチジルエタノラミン、α−トコフェロール、コレステロール等々は付加的
に膜を形成する成分として用いることができる。
【0030】 リポソームも使用されたポリマーもとりわけ多数の電荷を持ち、これが最終的
には成分相互の結合にまた本発明に従うナノカプセルへと導くことができる。
【0031】 リポソームは単薄層または多薄層の膜構造を持つことができる。20と100
0nmの間、有利には50と500nmの間、とりわけ有利には70と300n
mの間のサイズを持つ単薄層またはオリゴ薄層のリポソームが有利である。
【0032】 有利には個々の混合プロセスの速やかな連続により混合物の凝集傾向が減少し
、その結果より高い脂質−およびポリマー濃度でのコーティングも可能であり、
その際とりわけリポソームの完全な状態は例えば非連続的な攪拌工程の場合より
もより良好に引き続き保たれている、ことも考えられる。
【0033】 一つの有利な実施形態において混合室は一つの静的なマイクロミキサーであり
、これは僅かな液体流でもとりわけ速やかで一様な一つの混合に導く。適切なミ
キサーはDE19925184A1に述べられている。
【0034】 方法のこの実施変形はコーティングに用いられるリポソームまたは鋳型の性質
によって左右されることなく十分に機能を果たす。速やかで量的に最適化され中
間段階の制約を受けないナノカプセルの製造の利点は、これまで述べられたコロ
イド性リポソームまたは鋳型によっても利用される。この方法は有利には不安定
な鋳型上での高分子電解質外被の製造の場合に利用することができる。従って例
えばこの方法により一つの油中水−エマルジョンの小滴も安定化される。
【0035】 本発明の一つのまた別の有利な実施変形においてリポソームは高分子電解質に
よるコーティング後、有利には洗剤を用いた洗浄により分解される。従って構造
物は中空球の形で生成することができ、ここでリポソームはネット化後に分解さ
れた。その場合例えば、唯単に脂質層にあるだけでしかし互いに結びついてはい
ないポリマーの遊離、並びに十分にネット化されていない構造物の分解、が始ま
るかも知れない。ナノカプセルは沈降、ゲルろ過または限外ろ過によりこれらの
分解産物から分離される。
【0036】 内部に存在するリポソームの分解に適した洗剤はアルキル化糖、例えばオクチ
ルグルコシド、コール酸およびその誘導体の塩、アルキルスルホン酸、ポリオキ
シエチレンソルビトールまたは類似の化合物である。本発明の意味でのナノメー
ター領域のナノカプセルはその場合一つのポリマー骨核のみから成り、一つの球
の表面を占める。形を与えるリポソームはとりわけ取り除くことができ、結果と
して生成した中空球のサイズは用いられたリポソームによって決定されている。
【0037】 ナノカプセルの外被層の透過性は、有利にはリポソームの洗い流しによって基
本的に高めることができる。このプロセスは、例えば外側の外被層を貫通する洗
剤分子と混合ミセルの通過を包含する。同様にして中空球の内部で起こる一つの
反応の基質と生成物が交換されることができる。その様な反応遂行のための一つ
の準備は、有利には内部に存在して酵素活性があり高い分子量を持つ物質を含む
中空球から成っており、そのリポソームは洗剤により洗い流された。その様なあ
る種の封入に適した物質はとりわけ酵素またはリボザイムである。しかしまた結
合していないポリマーだけを洗い流すことも可能であり、その結果脂質層は引き
続きその儘保たれている。その様にして脂質層を通って拡散する様な物質だけが
交換されることができる。それは両親媒性分子、例えばフェニルアラニンである
。フェニルアラニン−4−ヒドロキシラーゼまたはフェニルアラニン−アンモニ
ア−リアーゼを含むナノカプセルは、フェニルケトン尿症の場合に特定のアミノ
酸の分解のために使用することができる。
【0038】 本方法の一つのまた別の有利な実施変形において高分子電解質から成る外被層
は、その分離後二官能性試薬により共有結合でネット化される。
【0039】 本発明の一つのまた別の実施変形において、高分子電解質として天然または合
成のポリマーまたはこれら化合物の混合型、例えばポリ酸またはポリ塩基が用い
られる。ポリ酸は特にポリアニオンの解離の際に形成され、その際ポリアニオン
は無機ポリマーでも有機ポリマーであっても良い。ポリ塩基はとりわけプロトン
を受け容れることができる基を含む。
【0040】 本発明の一つのまた別の有利な実施変形において高分子電解質は、アルギン酸
、キトサン、核酸、ポリヌクレオチドおよび/または蛋白質、特にアルブミン、
ヘモグロビン、ミオグロビン、抗体、プロテアーゼ、α2−マクログロブリン、
フィブロネクチン、コラーゲン、ビトロネクチン、蛋白質A、蛋白質G、アビジ
ン、ストレプトアビジン、コンカナバリンAおよび/またはコムギ胚芽アグルチ
ニンを含む。
【0041】 本方法の一つのまた別の実施変形において、ナノカプセル中に作用物質を封じ
込めることが考えられている。作用物質は例えば生物学的または化学的に活性な
化合物であることができ、それは低い濃度で化学的、生化学的、生物物理学的お
よび生理学的なプロセス、例えば物質代謝プロセス、が生物の中で定性的または
定量的に影響を及ぼす結果として、特定のプロセスの活性化または阻害が生じる
。その場合例えば、当然ながら生体の内部に存在する作用物質、例えばビタミン
またはホルモン、を用いることができる;しかしながらまた身体になじみのない
作用物質、例えば殺生物剤、を用いることも可能である。
【0042】 本方法の一つのまた別の実施変形において、リポソームはホスファチジルセリ
ン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチド酸、スフィンゴリピド、セラミ
ド、テトラエーテルリピド、コレステロールサルフェート、コレステロールヘミ
サクシネート、ジメチルアミノエチルカルバモイルコレステロール、アルキルカ
ルボン酸、アルキルスルホン酸、アルキルアミン、アルキルアンモニウム塩、ジ
アルキルアミン、DOTAP、DOTIM、長鎖アルコールを含むリン酸エステ
ル、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノラミンおよび/またはα−ト
コフェロールを含む、ことが考えられる。
【0043】 本発明の一つのまた別の実施変形においてポリマーによるコーティングは2m
M以下の脂質濃度で行われる。有利には脂質濃度は1mM以下、とりわけ有利に
は0.5mM以下、特にとりわけ有利には0.2mM以下である。選ばれた希釈
度により有利には凝集形成を抑制することが可能である。
【0044】 一つのまた別の実施形態において、この方法で10から50モル%まで、有利
には30から50モル%までまたとりわけ35から45モル%までの荷電したス
テロール類を含むリポソームが用いられる、ことが考えられている。
【0045】 リン脂質使用の場合10モル%以上、有利には40モル%以上またとりわけ有
利には60モル%以上を用いるのが好都合である。
【0046】 有利には分離されたポリマーの量また従って生成した層の密度は、リポソーム
上の荷電担体の密度によって制御される。この発見は、荷電担体がリポソーム膜
中で可動であることができまた比較的僅かな持ち分がポリマーの化学量論的な飽
和に既に十分である限りでは驚くべきことである。荷電担体自身が膜を形成する
物質である場合、例えば荷電したリン脂質またはその誘導体または荷電ジアルキ
ル、例えばDOTAPまたはDOTIM、では有利にはなお一層多い量の荷電担
体を用いることができる。この場合、有利には全脂質の10と100%の間の持
ち分、さらに有利には40と100%の間の持ち分、特にとりわけ有利には名指
しされた物質の40と80%の間の持ち分が用いられる。表面の荷電担体密度の
更なる上昇は、有利には多重荷電基の使用により可能である、例えば二重に負に
荷電したホスファチド酸の高い持ち分によりまたは多重に荷電して置換された膜
結合の化合物、例えばスペルミンとステロールから成る抱合体またはオリゴペプ
チジンとリン脂質から成るそれまたはヘパリンと脂質からなるそれまたはその他
の多官能基化合物からなるそれ、例えばオリゴ−およびポリカルボン酸またはオ
リゴ−ないしポリアミンと脂質から成るそれ、により可能である。脂質−ポリマ
ー抱合体への移行は流れるようになだらかで上記の実例は当業者により容易に更
に補足されることができる。
【0047】 本発明の一つのまた別の実施変形においてポリマーによるコーティングは50
mMより大きい塩濃度で行われる。
【0048】 有利にはリポソームの荷電担体の密度は溶液の最高の塩濃度により決定するこ
とができ、そこではポリマーの鋳型への一つの完璧な結合が行われる。できるだ
け高い塩濃度でのコーティングの実施は二つの理由から有利である: (i)50mM以上の塩濃度は、分子間衝突が減らされるので高荷電ポリマーの
明らかなコンパクト化に導く。それにより高分子電解質の表面へのより密なパッ
キングが可能である。 (ii)媒体の塩濃度の後から追加した上昇は、必ずというわけではないが多く
の場合粒子のある種の凝集に導く、恐らくは外側の高分子電解質層の部分的不安
定化によるものであろう。塩濃度の低下はしかしながら無害である。
【0049】 とりわけコーティング反応は希釈の場合でも公知技術によったならば期待され
たであろうよりかなり少ない時間で済む。この速やかな反応進行は一つの連続的
方法の有効な組み立てを可能にする。
【0050】 これに関連してさらに驚くべきことに、リポソーム膜の相転移温度が反応速度
に影響を及ぼす、ことが確認された。従って脂質膜が相転移温度より上でコーテ
ィングされる場合コーティング反応はより速やかに進行する。
【0051】 本発明の一つの有利な実施変形において、一つの反応サイクルを20分以下で
、有利には5分以下で、とりわけ有利には1分以下で通り抜ける、ことが考えら
れている。
【0052】 本発明の一つのまた別の有利な実施変形において、コーティング反応に際しま
たはその終了後一つの化学的ネット化剤が添加される。
【0053】 本発明の一つのまた別の有利な実施変形において、鋳型粒子が20nmと10
00nmの間、有利には50nmと500nmの間またとりわけ有利には70n
mと30nmの間の一つのサイズを有する、ことが考えられている。
【0054】 本発明の一つのまた別の有利な実施変形において、一つの層に二つまたはそれ
以上の互いに異なる高分子電解質が同時にまたは次々に堆積される。
【0055】 一つの有利な実施変形において鋳型粒子はリポソームである。
【0056】 鋳型粒子が油中水−エマルジョン中に存在する、ことは得策であるかもしれな
い。エマルジョンがその油相中に作用物質を含む、ことはとりわけ、得策である
かもしれない。
【0057】 本発明の一つの有利な実施変形において、ナノカプセルがさらに加えて、その
上に高分子電解質層が存在する一つの脂質層を提示する。脂質層は例えばナノカ
プセル中に存在するリポソームの外側の油層であってもよい。
【0058】 本発明はまた、内部に脂質層を含む構造物にも関わり、その際構造物の内部に
一つの液相が存在することができる。ナノカプセルがあらゆる液体、本発明の意
味ではサスペンジョンもそれに属するが、をその内部に含み得る、ことは原理的
には可能である。液体の例は、例えば水、バッファー、液状−エーロゾル等々で
ある。
【0059】 もし構造物がその内部に水と混合できない一つの油相を含むならば、それは目
的に適っているかも知れない。
【0060】 本発明の一つのまた別の実施変形において構造物中に作用物質が存在する。本
発明の意味での作用物質は、−比較的小さい量で存在するかまたは供給され−一
つの生理学的作用を発揮することができる物質である。この種の作用物質の例は
ホルモン、ビタミン、酵素、微量元素、薬剤、飼料添加物、肥料、害虫駆除剤等
々である。
【0061】 本発明の意味での作用物質は、とりわけ生体中の生化学的および生理学的なプ
ロセスを定性的にまたは定量的に、ある種の活性化または阻害の意味で影響を及
ぼすことができる。
【0062】 本発明の一つのまた別の有利な実施形態において、作用物質は構造物の高分子
電解質層または脂質層の成分である。有利には従って例えば脂質溶性成分、例え
ば脂溶性ビタミン、は高濃度でナノカプセル中へ持ち込むことができる。
【0063】 本発明の一つのまた別の有利な実施形態において作用物質は、一つの触媒、一
つの生体触媒、一つの薬剤、一つの酵素、一つの薬剤物質、一つの蛋白質、一つ
のペプチド、一つのオリゴヌクレオチド、一つのセンサー、核酸および/または
一つの結晶である。作用物質は例えばナノカプセル中に封じ込めることができる
か、またはナノカプセルの内部にリポソームが存在する場合には名指しされた作
用物質はまたリポソーム中へ閉じ込めることもできる。この場合、封入される物
質を既に含むリポソームを用いることができる。そのようなリポソームの製造法
は当業者には公知である。使用可能な物質はそれがリポソームの完全な状態に不
利な影響を及ぼす、例えば洗剤、ことがない限りにおいて具体的に記されている
。適した物質は、例えば蛋白質、ペプチド、ビタミン、ホルモン、炭水化物また
は核酸並びにこれらの混合物である。適した化合物に属するのはさらに抗生物質
、殺黴剤および抗ウイルス剤、抗体、細胞増殖抑制剤および免疫抑制剤、消炎鎮
痛剤、麻酔薬、抗うつ薬、抗糖尿病薬、抗高血圧剤、抗血液凝固剤、抗炎症性、
不安解消性、鎮静性、抗不整脈性、抗関節炎性作用物質、気管支拡張薬、低血糖
性および低脂肪血症性作用物質、並びに赤血球生成刺激のための作用物質および
アポートシスを解放する物質である。積み荷分子の封入のためには同様にリポソ
ームから出発することができ、リポソームは既にこれらの物質を含むかまたはそ
れらの物質に結合されている。封入または結合された物質はすべての反応段階で
その内部に存在するリポソーム中または脂質層中に留まっている。
【0064】 本発明はまた薬剤調合の際のコンテナーまたは運送車としての本発明に従うナ
ノカプセルの利用にも関わる。
【0065】 コーティングされたリポソームの利用は、とりわけ生物学的に有効な物質に対
するコンテナーおよび運送車として行われる。
【0066】 利用できる成分の数が多いため、コーティングされたリポソームおよび脂質を
含まないナノカプセルは非常に多くの用途に対して使用される。ナノカプセルの
利用は一つの薬物ターゲティング、一つの移動ベクター、一つの貯蔵形態の意味
で、または一つの酵素代替療法に対して、担体材料の範囲を拡大する。その場合
用いられた成分は、有利には構造形成的でもありまた活性を担うものでもあるこ
とができる。コーティングされたリポソームと脂質を含まないナノカプセルは、
とりわけ抗原作用を持つ物質からまたは何らの免疫応答を呼び起こさない物質か
ら製造される。
【0067】 ナノカプセルの利用は本発明に従う方法の長所により可能となり、この方法は
初めてリポソーム中への作用物質の注意深い封入の利点を、コロイド粒子のコー
ティングのための一つの効率的な技術と組み合わせたもので、このコーティング
は新たな助剤を使用することなく実施することができ従って薬剤学的な利用に際
して特別な長所の利用を可能にする。
【0068】 検出システムの利用のためには、ナノカプセルの酵素的なまたは螢光を発する
特性が有利である。その様な特性を有する適した物質は緑色螢光蛋白質またはフ
ィコビリ蛋白質である。その他の適したポリマーは螢光を発する物質により修飾
される。それに適した方法は当業者自身に公知であり、活性化された螢光原子団
のポリマーの対応する基への共有結合またはポリマーのキレート化する基と螢光
を発する金属イオンの錯形成、である。
【0069】 蛋白質の中には酵素的活性を持つポリマーが、例えばペルオキシダーゼ、ホス
ファターゼ、プロテアーゼ、デヒドロゲナーゼ、グルコシダーゼ等々、として存
在する。
【0070】 しかしまたその様な構造を持つナノカプセルは、薬剤物質の一つの目標に導か
れた応用に対しても使用することができる。従って高度に特異的な分子に属する
のは、とりわけ、細胞の表面と相互作用することができるような分子である。こ
の意味で相補的な対は、抗体と膜固定の抗原、レクチンまたはセレクチンと膜固
定の抗原、レクチンまたはセレクチンと膜固定のグリコシル化体、ホルモンとそ
のレセプター等々である。構造物のモジュール式の構造は有利であり、これは一
方では一体化された少数の外被層上に一つの開かれた数の特異性の発生を、また
他方では最終的に特異性を決定する成分の非常に経済的な一つの組込みを、許容
する。得られた構造物の力価、すなわち表面に結合した特異性を決定する成分の
数は滴定により容易に変更することができる。これらの成分のある高い密度はあ
る高い親和性と同義であり、個々の相互作用の結合常数が不利な場合、例えばM
HC−複合体とT−細胞受容体の間で生じたような、でも安定な相互作用を可能
にする。
【0071】 本発明の一つのまた別の有利な実施態様において、ナノカプセルはその発生後
他の物質により修飾される。この実施態様の一つの重要な変形は、ポリエチレン
グリコールによるまたは糖または他のポリアルコールによるナノカプセル表面の
修飾である。そのような一つのコーティングは、薬剤的応用において改善された
一つの親和適合性を持つ粒子に導く。ここに述べられた構造物を酵素または他の
触媒の封入に用いれば、その拡散に開かれた組織構造により、封入された活性の
ある高い有用性が保証される。マイクロメーター−およびマイクロメーター未満
−領域の選ばれたサイズでは拡散の道のりはおまけに極めて短い。特定サイズの
微結晶の製造に際してそれとはまた別の他の応用が化学的または生化学的な方法
によって示されている。
【0072】 一つのまた別の利用では酵素活性を持つその様な物質を投入し、その基質と生
成物とを外被層を通して交換することができる。
【0073】 本発明の意味でのナノカプセルはある種の拡散に開かれた構造を有し、これが
、例えば脂質層の遊離の際に、重要な意味のあるサイズを持つ分子の交換を許容
する。しかしながら例えば酵素のような大きな分子は外被層によって引き留めら
れる。さらにナノカプセルのまた別の本発明に従う応用においては、ナノカプセ
ルは反応を触媒するような酵素で満たされており、それらの基質と生成物は外被
層を通過することができる。一つの生物学的巨大分子のナノカプセル中へのこの
種のパックは、公知技術に比べて極めて少ない拡散の道のりおよびそれと結びつ
いた封入酵素の特異的活性のある種の上昇、の利点を有する。さらに化学的な固
定の場合に発生するような、ネット化する試薬の影響を避けることができる。
【0074】 しかしながらまたシグナル発信系、例えばホースラディッシュ−ぺルオキシダ
ーゼまたはアルカリホスファターゼまたは螢光標識された、他の物質に対する特
異的な結合特性を示す巨大分子、をそのようなナノカプセル中に閉じ込めること
も可能である。その様な系は、とりわけ医学または生化学的な診断においてこれ
らのもう一方の物質の検出に適している。ナノカプセルが洗剤に対して、とりわ
けその様な方法において非特異的な結合の抑制のために使用されるような洗剤、
例えばTween20またはTriton X−100、に対しても安定である
、という事実はリポソームに比べて有利である。
【0075】 本発明に従うこの利用の一つの変形において、ナノカプセル自身がシグナル発
信系の担体である。有利にはそのポリマーが螢光を発する特性を持つナノカプセ
ルが調製される。その場合P1および/またはP2の螢光を発する誘導体がナノ
カプセルの組み立てに用いられるか、またはその製造後螢光を発する物質と共有
結合で結合される。
【0076】 本発明に従うナノカプセルの一つの利用において、ナノカプセルは哺乳類の標
的細胞に特異的に結合するような性質を持っている。本発明の意味でのナノカプ
セルはその表面に一つまたは複数のクラスのリガンドを有しておりその相補的な
結合相手は標的細胞の表面に存在する。その様な特性を持つナノカプセルは、あ
る限定された作用箇所に治療薬を導く、治療薬用の担体である。中空球内部の脂
質層はこの利用に当たってはそれが輸送される物質の封じ込めに役立っているな
らば引き続き保たれる。
【0077】 本発明に従うこの利用の一つの変形において、ナノカプセルはそれに対してあ
る免疫応答が呼び起こされることになる物質を含む。
【0078】 本発明のこの実施態様の一つの有利な変形において、ナノカプセルは哺乳動物
細胞のサイトゾル中への作用物質の移動のために用いられる。このナノカプセル
は、それが哺乳動物細胞により飲食作用を受ける様な性質を持っている。本発明
のこの実施態様のためのナノカプセルは一つの外被層から成り、これは飲食小胞
のヒドロラーゼにより分解されることができる。ナノカプセルはさらに、リポソ
ームの膜が飲食小胞のそれと融合することができるようなリポソームから製造さ
れる。その様な融合がリーシス性の飲食細胞活性の、細胞内部への開放に導くこ
とはできないという事実は、本発明に従う体系のこの実施態様の場合有利である
。ナノカプセルはこの利用目的のため種々の作用物質を積み込むことができる。
しかしながら記述された輸送方策は、膜を通らない生物学的な巨大分子、例えば
蛋白質、ペプチド、抗体、酵素、オリゴヌクレオチド、DNA、RNA、ホルモ
ンの、しかしまた抗生物質、殺黴剤および抗ウイルス剤並びに細胞分裂抑制剤の
、輸送の際特に有利である。
【0079】 本発明の一つのまた別の有利な実施変形において、生化学的診断にナノカプセ
ルを使用する、ことが考えられている。
【0080】 本発明の一つのまた別の有利な実施変形において、ナノカプセルを微結晶、除
草剤、殺虫剤および/または顔料の製造に利用する、ことがさらに考えられてい
る。本発明の意味での微結晶とは例えば、一つまたは複数の材料から成り一つの
顕微鏡的な組織構造を示す作用物質、である。例えばペプチド分子が問題となり
得る。本発明の意味での除草剤とは、そのそれぞれの生息場所で望ましくないす
べての野生-および栽培植物に、その発育において不利な制限を加えることがで
きる物質、である。例えば落葉剤、殺茎葉剤またはそのほかのエーロゾル、液体
または固体として存在する物質、が問題となり得る。本発明に従うナノカプセル
中の除草剤は、栽培植物の播種前でも生育前でも生育後でも使用することができ
る。個々の作用物質はその場合、出願に従うナノカプセルが土壤中にないしは植
物の葉の領域に持ち込まれるように選ぶことができる。除草剤が直接湿潤箇所で
その作用を発揮する場合はとりわけ接触除草剤が問題となる。個々別々に使用す
ることができる:光合成阻害剤、呼吸阻害剤、ブックシュトッフ阻害剤、発芽阻
害剤、カロチン合成阻害剤等々。本発明の意味での殺虫剤とは、有害生物または
不快な生物を無害にし、根絶するかまたはその影響を予防することができる、す
べての調合剤である。これに属することができるのは、例えばハエ、アブ、カ、
ゴキブリ、南京虫またはノミ等に対抗する薬剤であり、ラット、マウス、カブト
ムシまたはガに対抗する製品も同様に使用することができる。本発明の意味での
顔料とは実質的に不溶性の、無機または有機の、色付きまたは無着色の、一つの
着色剤である。
【0081】 本発明はまた、複数の高分子電解質層の形でリポソームの連続的コーティング
をするための一つの設備、にも関わり、その際一つのポンプにより引き起こされ
るリポソームの主流中に、一つの気化区域の後にそれぞれ別々に分かれて供給さ
れる、一つのポンプにより引き起こされる被導入高分子電解質の流入供給、一つ
のミキサーが予め組み入れられており、その際ミキサーの間にそれぞれ一つの時
間区域が配置されており高分子電解質の持ち込み用ポンプとミキサーの間にその
都度一つの気化区域が配置されている。
【0082】 本発明に従う体系の構成要素は、従って複数の高分子電解質外被を持つリポソ
ームの連続的なコーティングのための機械装置一式である。その際一つのポンプ
により管系中のリポソーム溶液のある一定した流れが可能となる。コーティング
に用いられる高分子電解質は、図1に示されるように次々に管系中に導入される
。反応物の混合は、高速の流れによりまたは動的または静的ミキサーにより供給
点で行われる。管断面の容積は個々の混合点の間でその際に測定される結果、所
与の流速で次の混合点の到達時までに、ある十分に長い反応時間、が意の儘にな
る。
【0083】 装置は一つの個別的な実施形態において、管回路が時間区域を形成するように
形作ることができる。
【0084】 本発明に従うナノカプセルは多くの長所を示し、親水性、透過性で洗剤に安定
なネット化されたポリマー、から成る構造物であり、これは使用可能な成分の数
が多いため多数の用途に対して特徴を持たせることができる。本発明は、一つの
薬物ターゲティング、一つの移動ベクター、一つの貯蔵形態の意味における担体
材料として、または酵素代替療法のために、利用できる様な物質、の範囲を拡大
する。その場合用いられた成分は構造形成的でもあり担体担持的でもあることが
できる。述べられた中空球は、抗原作用を持つ物質から、または免疫応答を全く
呼び起こさない様な物質から製造することができる。
【0085】 公知技術に比べて数多くの長所を示す本出願方法により、驚くべきことには、
適切な質量比を用いれば使用されたポリマーのリポソームへの実質上完全な一つ
の結合が可能であり、結果として個々のコーティング間の分離段階がなくなるこ
とができる、ことが見出された。この状況は本方法のプロセス経済に対し決定的
に寄与する。その都度必要とされる層材料の適量は、所与の反応条件下で最高に
結合した量にほぼ合致しそれから導き出すことができる。
【0086】 その都度の粒子に適した高分子電解質の量を確定するために、若干の小規模調
製で、増大する量のポリマーを前に置かれた粒子サスペンジョンに対して滴定し
、引き続き粒子のサイズを測定する。リポソームのサイズは、ポリマーとの凝集
体形成により速やかに増大し次いである最高を越える。サイズは増大するポリマ
ー量と共に再び元の値に達し、それからコーティングに最も適した量が用いられ
る。
【0087】 驚くべきことには、ある一連のポリマーでは、とりわけ蛋白質では、凝集体形
成へのある低い傾向が確かめられた。この物質を用い任意のコーティング段階の
粒子が、従って鋳型粒子または既にコーティングされた種は直ぐ次にコーティン
グすることができその結果、なお反転荷電の状態には至らない。これは次いで同
じまたは同荷電の、しかし物質的には異なる高分子電解質の新たな添加により達
成される。この方法で個々の層は多少は活性担持分子を用いてドーピングするこ
とができる。特異的に結合する成分の配量利用は、粒子の結合強度のある種の変
化を可能にする。
【0088】 本発明体系の一つの重要な変形は、リポソームがその生成のプロセス中で既に
相補的に荷電した高分子電解質と接触させられる、点にある。その様なリポソー
ムは、閉じ込められた高分子電解質も外側にくっついたものも共に含んでいる。
凝集傾向は高分子電解質の濃度と共に減少し、有利には脂質mg当たり蛋白質5
00μg以下、とりわけ有利には蛋白質150μg以下が用いられる。
【0089】 上記の有利な濃度による希釈サスペンジョン中では、その様な粒子は数分間か
ら数時間まで安定であり、本発明に従う方法によりさらにコーティングすること
ができる。有利にはここで、作用物質の封じ込めの場合も分離−または洗浄段階
は全く必要ではない、という結果を生んでいる。
【0090】 さらに驚くべきことには、分離されたポリマーの量は、従って生成した層の密
度はリポソーム上の荷電担体の密度により制御される、ことが確かめられた。
【0091】 公知技術に比べて一つの更なる利点は、凝集体形成の望ましくないプロセスが
反応相手の速やかな混合と適切な希釈により抑制される、ことである。一つのま
た別の利点は、リポソームの荷電担体の密度が溶液の最高の塩濃度により決定す
ることができること、である。
【0092】 公知の方法ではその様な混合物の製造に際して強い凝集体形成が出現し、これ
が反応相手のフロック凝集に導く。より有利にはこの望ましくないプロセスは、
反応相手の非常に速やかな混合と適切な希釈および直ぐに連続する個々の段階、
により抑制することができる。
【0093】
【実施例】
以下に本発明を、実施例を手掛かりにより詳しく説明することとしたい、但し
本発明はこの実施例に制約されるものではない。
【0094】 実施例で用いられた略語 CTAB:臭化セチルトリメチルアンモニウム FITC:フルオレッセインイソチオシアネート PC :ホスファチジルコリン MES :2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸 PSS :ポリスチレンスルホン酸 PEI :ポリエチレンイミン DPPC:ジパルミトイルホスファチジルコリン DPPG:ジパルミトイルホスファチジルグリセロール DOPE:ジオレオイルホスファチジルエタノラミン CHEMS:コレステリンヘミサクシネート Hepes:N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’−(2−エタンス
ルホン酸) PLL :ポリ−L−リジン PAS :ポリアクリル酸 BSA :ウシ血清アルブミン [実施例1] ポリスチレンスルホン酸とポリエチレンイミンからのナノカプセル リポソームの製造 大豆からのPC 400mgとCTAB 9.7mgをエタノールに溶解し真
空下に蒸発乾固する。脂質フィルムは引き続きバッファー(MES 10mM、
NaCl 150 mM pH 6.5)を用い再水和する。このサスペンジョ
ンを次いで数回孔サイズ 0.2μmを持つ等孔ポリカーボネート膜を通してプ
レスする。
【0095】 PSSによるコーティング PSS(分子量70000)をMES−バッファー(10mM pH6.5)
中に10μg/mlの濃度で溶解する。リポソームを同じバッファーで希釈し、
200μg/mlの脂質濃度に達するようにする。両溶液の同容量を攪拌下に一
緒にする。引き続いてそのサスペンジョンを接線透析により濃縮する。
【0096】 PEIによるコーティング PEI(分子量60000)をMES−バッファー(10mM pH6.5)
中に5μg/mlの濃度で溶解する。PSSでコーティングされたリポソームを
同じバッファー中で希釈し、200μg/mlの脂質濃度に達するようにする。
両溶液の同容量を攪拌下に一緒にする。引き続いてそのサスペンジョンを接線透
析により濃縮する。
【0097】 なおこれ以上のコーティングは上記の両段階におけると同様に堆積することが
できる。使用されたポリマーの量は粒子表面に十分完璧に結合し、その結果精製
段階を間に接続する必要は全くない。
【0098】 [実施例2] 生成する構造物の分析 一つの粒子サスペンジョンから発生した散乱光の強度を動的光散乱用の装置で
測定する。洗剤の添加後測定された強度はリポソームの場合出発値の5%以下に
低下する。三またはそれ以上のポリマー層によるコーティング後は強度の40%
以上が引き続き保たれる。
【0099】 そうして得られたリポソームを含まない中空球の安定性をNaClの添加によ
り試験する。粒子は少なくとも1M NaClに対して安定である。
【0100】 [実施例3] 血清中における構造物の安定性 実施例1からのコーティングされたリポソームを限外濾過により濃縮して脂質
濃度が1mg/mlであるようにし、ついで同量のヒト血清と混合する。粒子サ
スペンジョンにより散乱された光の強度を動的光散乱用の装置中で測定する。同
時に粒子のサイズを測定する。血清添加24時間後粒子の90%以上がその元の
サイズ中で検出可能である。
【0101】 [実施例4] 螢光を発するナノカプセルの製造 PEIによる修飾 PEI 100mgをホウ酸塩バッファー(0.1M pH9.0)10ml
に溶解しフルオレッセイン−イソチオシアネート(DMF中10mg/ml)1
mlを加える。混合物を一夜室温でインキュベートする。螢光を発するPEIは
セファデックスG−25(登録商標)上ゲルろ過により精製される。カラム溶出
にはMES 10mMおよびMaCl 150mM、pH 6.5から成るバッ
ファーを用いる。溶出されたPEIは動的光散乱用の装置中でその散乱光を介し
て検出することができ、フルオレッセイン標識はその吸収を手掛かりにして検出
される。PEIに対するフルオレッセインの比が一定である留分は合一し後に続
くコーティング用に利用する。
【0102】 リポソームの製造は実施例1におけると同様に行われる。
【0103】 PSSによるコーティングは実施例1におけると同様に行われる。
【0104】 修飾されたPEIによるコーティング フルオレッセイン−標識されたPEIは、MES−バッファー(10mM p
H6.5)中に10μg/mlの濃度で溶解する。PSSでコーティングされた
リポソームを同じバッファー中で希釈して200μg/mlの脂質濃度に達する
ようにする。両溶液の同容量を攪拌下に一緒にする。引き続いてそのサスペンジ
ョンを接線透析により濃縮する。
【0105】 引き続いてのコーティングは上の両段階におけると同様に堆積することができ
る。用いられたポリマーの量は十分完璧に粒子表面に結合し、結果として何ら精
製段階を間に接続する必要はない。
【0106】 [実施例5] 螢光を発する積み荷の封入 リポソームの製造 大豆からのPC 400mgとCTAB 9.7mgをエタノールに溶解して
真空下に蒸発乾固する。脂質フィルムは引き続きカルボキシフルオレッセイン溶
液(カルボキシフルオレッセイン100mM、MES 10mM、NaCl 1
50mM pH6.5)を用い再水和する。サスペンジョンは次いで数回孔サイ
ズ0.2μmを持つ等孔のポリカーボネート膜を通してプレスする。 封入されないカルボキシフルオレッセインはセファデックスG25(登録商標)上
ゲルろ過により除去される。
【0107】 コーティング リポソームは実施例1におけると同様にPSSとPEIを用いてコーティング
される。全部で五層が堆積され、その際外側層と内側層はPSSから成っている
【0108】 [実施例6] リポソームの荷電密度に依存する、PLLによるコーティング リポソームの製造 DPPG10−100モル−%と補足する量のDPPCをイソプロパノールに
溶解し真空下に蒸発乾固する。脂質フィルムは引き続きバッファー(Hepes
10mM、NaCl 150mM pH7.5)中で再水和し、脂質濃度25
mMに達するようにする。このサスペンジョンを少なくとも一回凍結し、50℃
で再び解凍し、次いで数回穴サイズ200nmを持つ等孔ポリカーボネート膜を
通してプレスする。
【0109】 PLLによるコーティングと構造物の分析 PLL(70−150kDa)をバッファー(Hepes 10mM pH7
.5)中に1mg/mlの濃度に溶解する。
【0110】 異なったリポソームの処方をバッファー(Hepes 10mM pH7.5
)中で脂質濃度0.2mMまで希釈する。脂質mg当たりPLL 0から250
μgまでを高々0.2mlの容積中におき攪拌下にリポソーム処方1mlを加え
る。引き続いて生じた構造物を動的光散乱により測定する(図2を見よ)。 リポソームのサイズはポリマーとの凝集体形成により速やかに増大しそれから最
高を越える。このサイズがポリマー量上昇に伴い再び元の値に達すれば、そのと
きコーティングに最適な量が用いられる。
【0111】 [実施例7] 塩濃度に依存する、PLLによるコーティング リポソームの製造 実施例6におけると同様、リポソームはまたCHEMS 0・・・40%と補
足量のDPPCにより補足して製造される。
【0112】 PLLによるコーティングと生成する構造物の分析 PLLを適当な濃度(0−230μg/ml)でバッファー(Hepes 1
0mM pH7.5)に溶解する。リポソーム処方をバッファー(Hepes
10mM pH7.5)中で脂質濃度0.2mMまで希釈する。0から5Mまで
の塩化ナトリウム−溶液をバッファー(Hepes 10mM pH7.5)中
で製造する。96−ウエル−マイクロタイタープレート中で異なるPLL−また
はNaCl−溶液各30μlを用いて一つのポリマー−塩−マトリックスを配列
する。一つのプレートのキャビテーションに一つのリポソーム処方各240μl
を加え、10分後405nmでその濁りを測定する。
【0113】 次の表は、安定で、凝集しない構造体を発生するために必要とされる、適切な
ポリマー量(μgPLL/mg脂質)を示す。
【0114】
【表1】
【0115】 PLL−コーティングされたリポソームの塩安定性 リポソームは、ある一定の塩濃度では適切なPLL−量によりコーティングさ
れると、安定な構造物が保たれるが、塩濃度の上昇に際しては不安定で凝集体を
形成する。
【0116】 [実施例8] アルブミンとヘパリンからのナノカプセル リポソームの製造 DPPG 20モル−%とDPPG80モル−%をイソプロパノールに溶解し
て真空下に蒸発乾固する。脂質フィルムを引き続いてバッファー(Hepes
10mM 、NaCl 150Mm pH7.5)中で再水和し、脂質濃度25
mMに達するようにする。このサスペンジョンを少なくとも一回凍結し、50℃
で再び解凍し次いで数回孔サイズ200nmを持つ等孔ポリカーボネート膜を通
してプレスする。
【0117】 アルブミンとヘパリンによるコーティングと構造物の分析 このポリマーはバッファー(酢酸ナトリウム10mM、pH4)中に濃度1m
g/mlと5mg/mlの濃度で溶解する。リポソームはバッファー(酢酸ナト
リウム10mM、pH4)中で脂質濃度0.2mMまで希釈する。この希釈され
たリポソーム50mlに次々に適量の両ポリマー(表を見よ)を混合する。その
都度使用された量のポリマーは十分完璧に粒子表面に結合するので、精製段階を
間に接続する必要はない。
【0118】
【表2】
【0119】 グルタルアルデヒドおよび濃縮による生成構造物のネット化 得られた構造物はネット化のためグルタルアルデヒドを混合する。反応は2時
間37℃でグルタルアルデヒドの最終濃度0.15%で行われる。次いで1MN
aOHにより溶液をpH7.5に調整する。引き続いてそのサスペンジョンを接
線透析で100mMNaClに対して透析し次いで濃縮する。
【0120】 ネット化された構造物の安定性 得られた構造物の安定性はNaClの添加により試験する。この粒子は少なく
とも150mMNaClに対して安定である。
【0121】 [実施例9] PLLとPASからのナノカプセル リポソームの製造 DOPE 60モル−%とCHEMS 40モル−%をイソプロパノール/ク
ロロホルム(3/1)に溶解して真空下に蒸発乾固する。脂質フィルムを引き続
いてバッファー(Hepes 10mM、NaCl 150mM pH7.5)
中で再水和し、脂質濃度25mMに達するようにする。このサスペンジョンを少
なくとも一回凍結し、室温で再び解凍し次いで数回孔サイズ200nmを持つ等
孔ポリカーボネート膜を通してプレスする。
【0122】 PLLとPASによるコーティングと構造物の分析 PLL(分子量70・・・150kDa)およびPAS(分子量30kDa)
をバッファー(Hepes 10mM、NaCl 100mM、pH7.5)中
濃度1mg/mlと5mg/mlに溶解する。リポソームはバッファー(Hep
es 10mM、NaCl 100mM、pH7.5)中で脂質濃度0.2mM
まで希釈する。第一層製造のため130μgPLL/mg脂質を高々1ml容量
としておきリポソーム50mlを注入する。第二層製造のために55μgPAS
/mg脂質を前に置きPLLでコーティングしたリポソームを注入する。次の層
については類似の方法が行われる(表を見よ)。その都度使用されたポリマー量
は十分完璧に粒子表面に結合するので、精製段階を間に接続する必要はない。
【0123】
【表3】
【0124】 EDCおよび濃縮による生成した構造物のネット化 得られた構造物はネット化のためEDCを混合する。反応は12時間室温でE
DCの最終濃度50mM で行われる。次いでネット化反応は酢酸カリウム(最
終濃度100mM)により停止する。引き続いてそのサスペンジョンを接線透析
で透析し次いで濃縮する。
【0125】 生成する構造物の塩安定性 得られた構造物の安定性はNaClの添加により試験する。この粒子は少なく
とも150mM NaClに対して安定である。
【0126】 [実施例10] 薬学的な利用の際の構造物の親和適合性 化学的にネット化した高分子電解質外被を持つリポソームを実施例8または9
と同様にして製造する。
【0127】 ウイスターラット(雄、250・・・300g)を規則的な昼夜−リズムと随
意な飼料で飼育する。各2動物に麻酔を掛け尾静脈を介して粒子サスペンジョン
500μlを投与する。動物をさまざまな長さの時間中観察し引き続いて断頭し
解剖する。
【0128】 注射のためには個々別々に用いた:実施例8、S4とS5並びに実施例9、S
6。
【0129】 すべての被処理動物は少なくとも24時間注射に耐えて生き延びた。如何なる
動物の場合も正常の場合からの逸脱する挙動は確認されなかった。同様に器官の
如何なる病変も認められなかった。
【0130】 [実施例11] 一つのエマルジョンのコーティング オリーブオイル2g、水8.5g、ホスファチジルコリン120mgとグリセ
リン250mgを混合し2時間攪拌する。引き続いてそのエマルジョンを超音波
浴中でホモジナイズし、一度孔サイズ200nmを持つポリカーボネートフィル
ターを通して押し出す。平均粒子サイズ315nmを持つ一つのエマルジョンが
生じる。
【0131】 PLL(70−150kDa)を1mg/mlの濃度でバッファー(Hepe
s 10mM pH7.5)中に溶解する。
【0132】 エマルジョン40μlをバッファー(Hepes 10mM pH7.5)1
0ml中に希釈する。PLL 0から50μgを前に置き攪拌下にエマルジョン
1mlを混合する。引き続き生成した構造物を動的光散乱により測定する。粒子
サイズはポリマーによる凝集体形成により速やかに増大し次いである最高を越え
る。増大するポリマー量に伴ってサイズは再び元の値に達し、ついでコーティン
グに最高に適する量が用いられる。次の層構築のため新たな高分子電解質の適量
が同様にこの方法により決定される。
【0133】 以下に本発明に従う装置をある実施例の図面を手掛かりにより詳しく説明する
こととしたい。図面中には装置の原理的な組み立てが一つのモジュール式模擬展
示の形で示されている。
【0134】 コーティングされるナノ−または鋳型粒子の主流動線は、主流を動かす一つの
ポンプ10、このポンプの後に接続された一つの気化区域20およびミキサー3
0、31、32、33、34、3Xにより形成され、その際これらのミキサーの
間にはその都度一つの時間区域41、42、43、44、45、4Xが配置され
ている。
【0135】 個々の高分子電解質A、B、C、D、E、Xの供給のための流入供給動線は、
その都度一つのポンプ11、12、13、14、15、1X並びにポンプとミキ
サー30または31または32または33または34または3Xの間に配置され
たその都度一つの気化区域21または22または23または24または25また
は2Xによって形成される。
【0136】 個々の構成グループ(ポンプ、気化区域、ミキサーおよび時間区域)はその配
置の中で配管回路によって結ばれている。ミキサー30と31または31と32
または32と33または33と34または34と3Xの間のその都度の配管回路
の容量は、時間区域41または42または43または44または45または4X
を形成する。この装置は新たな流入供給動線(図中では破線で示されている)の
並列により任意に拡大可能である。
【0137】 複数の高分子電解質外被を持つリポソームのコーティングのために、リポソー
ム溶液は一つのポンプにより一つのコンスタントな流れとなり装置を通って導か
れる。コーティングに必要とされる高分子電解質は順々に主流動線の系中に導入
される。反応物の混合はミキサー30、31、32、33、34、3Xにより流
入供給点で行われる。30から3Xまでの個々のミキサーの間の配管回路の容量
はその場合、所与の流速では次のミキサー到達までに十分に長い時間区域が意の
ままになる、ように量定されている。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成14年5月29日(2002.5.29)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項17】 特許請求項1から16までの一つまたは複数に従って製造
された、ナノカプセルの形態の構造物。
【請求項18】 その構造の内部に一つまたは複数の脂質層があることを特
徴とする、請求項17記載の構造物。
【請求項19】 構造の内部に一つの水と混合し得ない油相があることを特
徴とする、請求項18記載の構造物。
【請求項20】 構造の内部に作用物質があることを特徴とする、先行特許
請求項の一つに記載の構造物。
【請求項21】 作用物質が一つの外被層の成分であることを特徴とする、
先行特許請求項の一つに記載の構造物。
【請求項22】 作用物質が触媒、生体触媒、薬剤、蛋白質、オリゴヌクレ
オチド、核酸、結晶および/またはセンサー分子であることを特徴とする、先行
特許請求項の一つに記載の構造物。
【請求項23】 薬剤調合の際のコンテナーまたは運送車として請求項17 から22までの一つに記載の構造物の利用。
【請求項24】 生化学的診断のため請求項17から22までの一つに記載
の構造物の利用。
【請求項25】 微結晶、除草剤、殺虫剤および/または顔料の製造のため
請求項17から22までの一つに記載の構造物の利用。
【請求項26】 その中に一つのポンプ(10)により引き起こされるリポ
ソームの主流中に、一つの気化区域(20)の後にそれぞれ別々に分かれて供給
される、一つのポンプ(11から1Xまで)により引き起こされる被導入高分子
電解質(A−X)の流入供給、一つのミキサー(30−3X)が予め組み入れら
れており、その際ミキサー(30−3X)の間にその都度一つの時間区域(41
−4X)が配置されており、高分子電解質(A−X)の持ち込み用ポンプ(11
−1X)とミキサー(30−3X)の間にその都度一つの気化区域(21−2X
)が配置されていることを特徴とする、複数の高分子電解質層によるリポソーム
の連続的コーティングのための設備。
【請求項27】 主流動線中に配置されたミキサー(3−3X)が一つの配
管回路によって結ばれており、ミキサー間(30と31;または31と32;ま
たは32と33;または33と34;または34と3X)の各配管回路の容量は
、時間区域(41または42または43または44または45または4X)を形
成することを特徴とする、請求項26記載の設備。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/36 A61K 47/36 47/42 47/42 B01J 13/20 C12Q 1/00 B C12Q 1/00 B01J 13/02 K (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 アンヤー・ベーレンス ドイツ 04155 ライプツィッヒ, シュ カウディツァー ストラッセ 37 (72)発明者 シルケ・ルッツ ドイツ 06144 ハーレ, シュライエル マッハ ストラッセ 34 (72)発明者 コーネリア・パンズナー ドイツ 06108 ハーレ, ブルメン ス トラッセ 9 Fターム(参考) 4B063 QA01 QA18 QA19 QA20 QQ02 QQ21 QS02 4C076 AA19 AA61 AA65 AA95 BB11 DD19H DD63H EE09H EE14H EE20H EE30H EE41H FF63 FF68 GG16 GG21 4G005 AA07 AB14 BB04 BB24 DB05X DB11W DB16W DB17W DB21X DB22X DB27X DC26Z DC42Z DC55Z DC56Z DD05W DD08W DD12W DD58W DD59W DD63W DD70W EA02 EA06

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 −鋳型粒子が水性媒体中に存在し、−高分子電解質により電
    気的に反転荷電され、−分離または洗浄段階無しに第一の電解質に相補的に荷電
    した第二の高分子電解質により再び反転荷電され、−そしてこのプロセスが交互
    に荷電した高分子電解質により場合によってはさらに続行されることを特徴とす
    る、20nmから40μmまでのある直径を持つナノ−またはマイクロカプセル
    の製造法。
  2. 【請求項2】 一つの反応サイクルを20分以下で、有利には5分以下で、
    とりわけ有利には1分以下で通過することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 一つのコーティング反応に際してまたはその完結後に一つの
    化学的ネット化剤が添加されることを特徴とする、請求項1または2記載の方法
  4. 【請求項4】 鋳型粒子が20nmと1000nmの間、有利には50nm
    と500nmの間またとりわけ有利には70nmと300nmの間の一つのサイ
    ズを有することを特徴とする、先行請求項の一つに記載の方法。
  5. 【請求項5】 一つの層で二つまたはそれ以上の互いに異なる高分子電解質
    が同時にまたは次々に堆積されることを特徴とする、先行請求項の一つに記載の
    方法。
  6. 【請求項6】 50mM以上の一つの塩濃度が一つの水性溶液中で用いられ
    ることを特徴とする、先行請求項の一つに記載の方法。
  7. 【請求項7】 鋳型粒子がリポソームであることを特徴とする、先行請求項
    の一つに記載の方法。
  8. 【請求項8】 リポソームがコーティング後、有利には一つの洗剤で分解さ
    れることを特徴とする、先行請求項の一つに記載の方法。
  9. 【請求項9】 リポソーム中に作用物質が封入されていることを特徴とする
    、先行請求項の一つに記載の方法。
  10. 【請求項10】 リポソームの製造に ホスファチジルセリン、ホスファチ
    ジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、ホスファチド酸、スフィンゴ
    リピド、セラミド、テトラエーテルリピド、コレステロールサルフェート、コレ
    ステロールヘミサクシネート、ジメチルアミノエチルカルバモイル−コレステロ
    ール、アルキルカルボン酸、アルキルスルホン酸、アルキルアミン、アルキルア
    ンモニウム塩、ジアルキルアミン、塩化N−[1−(2,3ジオレイル(オキシ
    )プロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウム、塩化N−[1−(2,3
    ジオレイル(オキシ)プロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウム、長鎖
    アルコールを含むリン酸エステル、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタ
    ノラミンおよび/またはα-トコフェロールが使用されることを特徴とする、先
    行請求項の一つに記載の方法。
  11. 【請求項11】 2mM以下、有利には1μM以下、とりわけ有利には0.
    5mM以下特にとりわけ有利には0.2mM以下の脂質濃度でポリマーのコーテ
    ィングが行われることを特徴とする、先行請求項の一つに記載の方法。
  12. 【請求項12】 10から50モル%まで、有利には30から50モル%ま
    でまたとりわけ35から45モル%までの荷電したステロール類を含むリポソー
    ムが用いられることを特徴とする、先行請求項の一つに記載の方法。
  13. 【請求項13】 10モル%以上、有利には40モル%以上またとりわけ有
    利には60モル%以上のリン脂質が用いられることを特徴とする、先行請求項の
    一つに記載の方法。
  14. 【請求項14】 脂質膜がその都度の相転移温度以上で存在することを特徴
    とする、先行請求項の一つに記載の方法。
  15. 【請求項15】 鋳型粒子が一つの水中油-エマルジョンとして存在するこ
    とを特徴とする、先行請求項の一つに記載の方法。
  16. 【請求項16】 エマルジョンがその油相中に作用物質を含むことを特徴と
    する、先行請求項の一つに記載の方法。
  17. 【請求項17】 高分子電解質として天然の、合成のポリマー、少なくとも
    二つの異なるモノマーから成るコ−またはブロックポリマー、および/またはこ
    れらの化合物の混合型が用いられることを特徴とする、先行請求項の一つに記載
    の方法。
  18. 【請求項18】 高分子電解質として多糖類、天然または合成蛋白質、ペプ
    チド、アミノ酸から成るホモ−またはヘテロポリマー、コポリマー、ブロックポ
    リマーおよび/またはその基礎にあるモノマーが用いられることを特徴とする、
    先行請求項の一つに記載の方法。
  19. 【請求項19】 高分子電解質としてアルギン酸、キトサン、ペクチン、ヒ
    アルロン酸、ポリマンヌロン酸、ポリガラクツロン酸、ヘパリン、アラビアゴム
    、カラヤゴム、キサンタンゴム、カラギーナン、ローカスビーンゴムおよびこれ
    らの化合物の塩並びにカルボキシル化、アミノ化、ヒドラジル化デキストラン、
    殿粉、レバン、イヌリンまたはアガロース、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミ
    ド、ポリアクリル酸エステルおよびアクリル酸の誘導体からのその他のポリマー
    、ポリビニルピロリドン、ポリエチレナミン、ポリスチレンスルホン酸、ポリア
    リルアミンおよび/またはポリホスファゼンが用いられることを特徴とする、先
    行請求項の一つに記載の方法。
  20. 【請求項20】 高分子電解質としてアルブミン、ヘモグロビン、ミオグロ
    ビン、抗体、酵素、プロテアーゼ、オキドレダクターゼ、リパーゼ、エステラー
    ゼ、ムターゼ、イソメラーゼ、ホスホリパーゼ、アミノトランスフェラーゼ、ア
    シラーゼ、リアーゼ、ヒドロラーゼ、a2−マクログロブリン、フィブリノーゲ
    ン、フィブロネクチン、コラーゲン、ビトロネクチン、蛋白質A、蛋白質G、ア
    ビジン、ストレプトアビジン、コンカナバリンAおよび/またはコムギ胚芽アグ
    ルチニンが用いられることを特徴とする、先行請求項の一つに記載の方法。
  21. 【請求項21】 特許請求項1から20までの一つまたは複数に従って製造
    された、ナノカプセルの形態の構造物。
  22. 【請求項22】 その構造の内部に一つまたは複数の脂質層があることを特
    徴とする、請求項21記載の構造物。
  23. 【請求項23】 構造の内部に一つの水と混合し得ない油相があることを特
    徴とする、請求項22記載の構造物。
  24. 【請求項24】 構造の内部に作用物質があることを特徴とする、先行特許
    請求項の一つに記載の構造物。
  25. 【請求項25】 作用物質が一つの外被層の成分であることを特徴とする、
    先行特許請求項の一つに記載の構造物。
  26. 【請求項26】 作用物質が触媒、生体触媒、薬剤、蛋白質、オリゴヌクレ
    オチド、核酸、結晶および/またはセンサー分子であることを特徴とする、先行
    特許請求項の一つに記載の構造物。
  27. 【請求項27】 薬剤調合の際のコンテナーまたは運送車として請求項21
    から26までの一つに記載の構造物の利用。
  28. 【請求項28】 生化学的診断のため請求項21から26までの一つに記載
    の構造物の利用。
  29. 【請求項29】 微結晶、除草剤、殺虫剤および/または顔料の製造のため
    請求項21から26までの一つに記載の構造物の利用。
  30. 【請求項30】 その中に一つのポンプ(10)により引き起こされるリポ
    ソームの主流中に、一つの気化区域(20)の後にそれぞれ別々に分かれて供給
    される、一つのポンプ(11から1Xまで)により引き起こされる被導入高分子
    電解質(A−X)の流入供給、一つのミキサー(30−3X)が予め組み入れら
    れており、その際ミキサー(30−3X)の間にその都度一つの時間区域(41
    −4X)が配置されており、高分子電解質(A−X)の持ち込み用ポンプ(11
    −1X)とミキサー(30−3X)の間にその都度一つの気化区域(21−2X
    )が配置されていることを特徴とする、複数の高分子電解質層によるリポソーム
    の連続的コーティングのための設備。
  31. 【請求項31】 主流動線中に配置されたミキサー(3−3X)が一つの配
    管回路によって結ばれており、ミキサー間(30と31;または31と32;ま
    たは32と33;または33と34;または34と3X)の各配管回路の容量は
    、時間区域(41または42または43または44または45または4X)を形
    成することを特徴とする、請求項30記載の設備。
JP2001563221A 2000-03-02 2001-03-02 一つの高分子電解質外被を持つナノカプセル Pending JP2003525258A (ja)

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