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JP2003522133A - 持続性導入遺伝子発現を実現する方法 - Google Patents

持続性導入遺伝子発現を実現する方法

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JP2003522133A
JP2003522133A JP2001548743A JP2001548743A JP2003522133A JP 2003522133 A JP2003522133 A JP 2003522133A JP 2001548743 A JP2001548743 A JP 2001548743A JP 2001548743 A JP2001548743 A JP 2001548743A JP 2003522133 A JP2003522133 A JP 2003522133A
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JP
Japan
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composition
inflammatory
administration
nucleic acid
disease
Prior art date
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Pending
Application number
JP2001548743A
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English (en)
Inventor
パトリック リュ
デービット・レオナルド エンニスト
メルバット ミーナ
Original Assignee
ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト filed Critical ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト
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Abstract

(57)【要約】 反復導入遺伝子デリバリーに適し、持続的導入遺伝子発現を起こす非炎症性ベクター組成物が提供される。前記組成物は非炎症性であり、本発明の組成物は再投与に適し、発現を制限する免疫または炎症反応を起こさない。このためこれらの組成物は持続的導入遺伝子発現のために反復投与する方法に有用であり、後天性炎症性疾患の遺伝子治療に特に適する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は非炎症性ベクター組成物、並びに炎症性成分を有する疾患にかかった
患者の治療法に関するものである。
【0002】 (発明の背景) 肺はアクセスしやすく、大きい表面積を有するため、遺伝子治療法の魅力的標
的となる。しかし現存の方法はいくつかの欠点を有する。例えば、気管上皮への
移植を含む、肺疾患の ex vivo 遺伝子治療が実験的に研究されているが、臨床
への移行においては種々の難題に直面している。完壁な効果を得るためには、こ
の種の治療には上記上皮の別の細胞型を生じ得る、安定、自己再生細胞集団の持
続的遺伝子変化が必要である。しかしこのような肺上皮のための幹細胞の存在に
ついては今日まで論争が続いている。
【0003】 もう一つの ex vivo アプローチは遺伝子改質細胞を肺の遠位部位に移植し、
肺疾患に治療的に有効なタンパク質を血清中に分泌させることを含む。数種の研
究が、肺または腹膜に移植されたαアンチトリプシン(これの欠乏は家族性気
腫をおこす)をコードする導入遺伝子を担った細胞の使用を報告した。カイ(Ka
y)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89巻、89−93ページ(1992);ガー
ヴァー(Garver)ら、Science 237巻、762−64ページ(1987)。低
水準の一過性発現が認められた。しかし、α−アンチトリプシンが肺に拡散し
て治療的効果を得るためには血清中の濃度が1mg/mlより高くなることが必
要である。この発現レベルは現在入手できる最良のベクターの能力を超えている
【0004】 それに加えて ex vivo アプローチでは、移植片の免疫学的拒絶を避けるため
に同系の細胞を使うことが必要である。よって、このような方法は高度に個別的
に行われ、患者一人につき多量の組織培養物が必要である。このため ex vivo
アプローチは大きな労力を必要とし、技術的要求が非常に厳しい。
【0005】 患者に直接投与できる肺用 in vivo 遺伝子治療産物は現在の医学的及び薬物
学的基礎構造に比較的容易に導入できる。例えば開発中の大部分の嚢胞性線維症
遺伝子治療産物は、多数の一般的肺薬剤の投与のために現在臨床的に用いられて
いるものと同様な、エアゾール基礎システムによって供給するように設計されて
いる。マーチン(Martin)ら、Hum.Gene Ther. 9巻、87−114ページ(1
998)。このように、ex vivo 遺伝子治療の導入を成功させるために開発しな
ければならない多くの技術的、医学的及び商業的基礎はすでに in vivo 遺伝子
治療のために存在する。歴史的に、in vivo システムはウィルス−デリバリーシ
ステムに基礎をおいているが、ウィルスベクターに関連する欠点があるために、
合成ベクター組成物を開発する方向にかなりの関心及び努力が向けられている。
【0006】 一見して、アデノウィルスは肺デリバリーシステムのために良い選択であるよ
うにみえる。それらは呼吸器上皮に指向性を有し、比較的大きいコーディング能
力を有する。1992年に、NIH組み換えDNA勧告委員会(RAC)が嚢胞
性線維症のための最初の3つの臨床的遺伝子治療プロトコルを承認した。これら
の全てはアデノウィルスをベースにするものであった。しかしアデノウィルスベ
クターに対する最初の意気込みは、ホストの反応がこのベクターシステムの利用
を著しく制限するという事実によってその後低下してきた。特に、即時的炎症性
反応が初期形質導入効率を制限し、肺胞マクロファージが速やかにアデノウィル
スベクターを排除し、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)反応が発現の持続性を制
限し、上記ベクターの再投与の可能性が抗体反応によって阻害される。
【0007】 もう一つの一般に使われる担体(vehicle)はアデノ随伴ウィルス(AAV)
、すなわち、増殖のためにアデノウィルスまたはヘルペスウィルスとの同時感染
を必要とする小さな単鎖DNAパルボウィルスである。ベルンズ(Berns)、“
ウィルス学(Virology)”(フィールド(Fields,B.N.)ら編集)1743−6
3ページ(1990)。上記ウィルスはヒト細胞のゲノムの染色体19上の特異
的部位に組み込まれることができるが、AAVから誘導されるベクターが組み込
まれる位置及び程度には疑問が残る。AAV仲介性遺伝子移入後6カ月のヒトC
FTRの発現がウサギで認められ(フロット(Flotte)ら、Proc.Natl.Acad.Sci
.USA 90巻、10613−17ページ(1993))、このベクターを使用す
るヒトの臨床試験が承認された。フロットら、Hum.Gene Ther. 7巻、1145
−1159ページ(1996)。軽度肺疾患のある成人CF患者におけるアデノ
随伴ウィルス−CFTR遺伝子ベクターのフェースI研究(ワグナー(Wagner)
ら、Hum.Gene Ther. 9巻、889−909ページ(1998))及び臨床試験
の最初の報告が発表された。それにもかかわらず、アデノウィルス ベクターの
場合と同様に、あらかじめ存在する抗体がこのベクターの有用性を制限する可能
性があり、抗体反応の誘発がAAVベクターの再投与を妨害する可能性がある。
ザイトリン(Zeitlin):肺疾患の遺伝子治療(ブリガム(Brigham)編集)、5
3−81ページ(1997)。さらに、ウィルスコーディング配列はへルパープ
ラスミドから一般には trans 型に作られ、そのプラスミドはアデノウィルス感
染細胞に同時移入(cotransfection)され、多量のAAVベクターを生成する。
これらの方法は扱いにくく、アデノウィルスで汚染されることが判明した。
【0008】 レンチウィルスは、それらのゲノムを、感染細胞のゲノムに組み込まれる二本
鎖DNAプロウィルスに変換するために逆転写酵素を利用する、プラス鎖 RN
Aウィルスである。ナラヤン(Narayan)ら:ウィルス学(フィールドら編集)
、1679−1721ページ(1990)。伝統的レトロウィルスベクターとは
異なり(ミラー(Miller)ら、Mol.Cell.Biol.10巻、4239−42ページ(
1990))、レンチウィルス ベクターは分裂しない細胞に感染することがで
き(ナルジニ(Naldini)ら、Science 272巻、263−67ページ(199
6);ミヤケら、Hum.Gene Ther. 9巻、467−75ページ(1998))、
そのためこれらのベクターを in vivo 適用のために使用できる可能性が高まる
。CFTRを発現するHIVベース−ベクターを用いる最初の臨床前研究が報告
されている。ゴールドマン(Goldman)ら、Hum.Gene Ther. 8巻、2261−6
8ページ(1997)。一般的レトロウィルスのように、組み込まれたレンチウ
ィルスベクターの安全性の問題が実質的関心の的である。テミン(Temin)Hum.G
ene Ther. 1巻、111−23ページ(1990)。
【0009】 合成ベクターは通常はプラスミドの形の核酸と、その核酸を標的細胞に容易に
運搬するための分子との複合体を用いる。ウィルスベクターの代わりとしての合
成ベクターは、より低い毒性とより低い免疫原性をもつべきである。合成ベクタ
ーは幾つかの潜在的利点を有する:それらはパッケージングされるDNAにサイ
ズ的に上限をもたず、非感染性であり、製造及びQCが非常に容易で、よく解明
された成分から作られる。こうして、合成ベクター系を使用する第一の合理性は
、ウィルス系の公知の諸問題を回避することである。主要2クラスの合成ベクタ
ーは生体内で(そこではDNAはカチオン性脂質か、カチオン性ポリマーそれぞ
れと錯体を形成している)遺伝子を運搬するのに有用であることが証明された。
【0010】 カチオン性脂質と錯化したプラスミドDNAを用いて、静脈内及び気管内投与
によって肺細胞に in vivo トランスフェクトすることに成功した。カチオン性
ポリマーも静電的相互作用によって同様にDNAと相互作用する。ポリリジンは
、上記錯体を特異的標的細胞に受容体を介して運搬することができるリガンドに
共役結合する。ポリエチレンイミン(PEI)は、若干の将来性を有するカチオ
ン性ポリマーである。このカチオン性ポリマーは、経口−気管内または静脈内経
路どちらかによるマウス肺の in vivo 形質導入のために効率的なベクターであ
ることが見いだされた。フェラリ(Ferrari)ら、Gene Ther.4巻、1100−
1106ページ(1997);ゴーラ(Goula)ら、Gene Ther.5巻、1291
−1295(1998)。
【0011】 合成ベクターを用いる in vivo 動物研究の大部分は、カチオン性成分と錯化
したDNAプラスミドによって導入遺伝子を運搬している。例えばフェルグナー
(Felgner)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.84巻:7413−17ページ(1987
);ガオ(Gao)著、肺疾患の遺伝子治療(Brigham編集)、99−112ページ
(1997)を参照されたい。ウィルスベクターと比較して、プラスミド類を使
ったこれらの研究は実験動物における導入遺伝子発現が一様に低レベルであるこ
とが明らかにされた。他方、ウィルスベクターの使用はホスト反応によって制限
されるようにみえる(ホスト反応は合成ベクター組成物では非常に小さいと思わ
れる)。このようにどちらの系にも現在の概念上明らかな有利性は証明されてお
らず、どちらの系にも問題がある。よって、本発明の目的はこのような当業者の
困難を克服し、肺及び関節内導入遺伝子発現の持続的有効量を誘起する方法及び
組成物を提供することである。
【0012】 (発明の概要) したがって本発明の目的はこの分野における上記の及びその他の欠点を克服す
る肺導入遺伝子運搬法を提供することである。本発明のこの目的により、本発明
は導入遺伝子をコードする遊離DNAベクターを含む組成物、作用増強剤(界面
活性剤等)および/または抗炎症剤(ステロイド等)を提供する。この組成物は
、患者に投与すると、制限的免疫反応を起こさずに、炎症性疾患(異常)の治療
に特に適切な、高レベルの導入遺伝子発現を引き出すことができる。一実施態様
において、上記組成物は一般的には48時間以上の間隔で反復投与される。或る
実施態様では、上記導入遺伝子は、好中球エラスターゼ、カテプシンG、コラゲ
ナーゼ、プロテイナーゼ3、プラスミノーゲンアクチベータ等、種々のプロテア
ーゼに作用できるプロテアーゼインヒビターである。本発明は気腫、慢性閉塞性
肺疾患、嚢胞性線維症、成人呼吸困難症候群及び喘息等の肺疾患及び関節炎のよ
うな炎症性成分を有するその他の障害にかかった患者の治療に十分な治療的有効
レベルの導入遺伝子にコードされた産物を得るための適切な組成物及び方法を提
供する。
【0013】 (発明の詳細な説明) 本発明は治療的遺伝子産物の持続的発現を得るための方法及び組成物に関する
ものである。治療的遺伝子産物は一般的にはタンパク質であるが、アンチセンス
またはリボザイム作用物質等の核酸でもよい。驚くべきことに、発明者はここに
記載の組成物及び方法が制限的な炎症または免疫反応を誘起せず、この特性のお
かげで発現レベルを著しく減らすことなく核酸の反復投与が可能となることを見
いだした。より詳細に述べれば、本発明は核酸を動物の肺または関節に運搬する
新しい、改良された方法を提供する。一実施態様において、上記核酸は或る遺伝
子(すなわちこの遺伝子の発現は上記核酸を含む同じベクター内に含まれるその
他の因子によってコントロールされるという遺伝子)をコードする。これらの新
しい改良された方法及び組成物は治療的及び実験的両方の領域において有用であ
る。
【0014】 本発明の方法及び組成物は、持続的導入遺伝子発現が望まれる臨床的状況を含
むいかなる状況にも有用である。それらは肺または関節における持続的発現を必
要とする状況に特に適する。例えばそれらはヒト遺伝子治療に適切に使用される
。しかし、それらが獣医学的(ヒト以外の動物)、特に哺乳動物の治療にも応用
されるのは当然である。それらは導入遺伝子の実験的動物モデルの作成にも有用
である。
【0015】 1.本発明に有用な組成物 本発明は導入遺伝子の運搬に適した組成物を提供する。一般にこのような組成
物は関心とする少なくとも一つの遺伝子(“導入遺伝子”)をコードするDNA
等の核酸からなる。若干の好ましい組成物は界面活性剤等の作用増強剤および/
またはステロイドも含む。重要なのは、上記組成物のベクター部分が肺または関
節の炎症状態を著しく悪化させないことである。言い換えれば、上記ベクターは
炎症性疾患の治療に反する実質的炎症性反応を誘起しない。炎症性反応の特徴は
以下に示される。このような組成物の好ましい一つの型はリンパ球様細胞を活性
化する、またはリンパ球様細胞の活性化を促進するCpGアイランドが欠如して
いる核酸を含む。これらの組成物は例えば呼吸器疾患、特に喘息及び慢性閉塞性
肺疾患(COPD)の治療またはリウマチ性関節炎や骨関節炎等の関節疾患の治
療に使用することができる。
【0016】 本発明の組成物に使われるDNAはプラスミド−ベースのDNAでよい。この
ようなベクター類は好都合にも大腸菌(E.Coli)等の細菌内で増殖する。しかし
、細菌内増殖を利用する際には、エンドトキシンを効率的に除去する精製法を使
用するのが好ましい、なぜならばエンドトキシンは多分炎症性反応を促進するこ
とによって、持続的導入遺伝子発現を妨害するからである。上記ベクターはスー
パーコイル化しているのが好ましいが、最大の導入遺伝子発現のためには、それ
はリラックスしていてもよく、線状であってもよい。当業者はこのようなベクタ
ーを作成及び増幅する方法をよく知っている。
【0017】 概して、本発明に使用するベクターはプラスミドベクターに特徴的な諸特徴を
含む。これらは例えばホスト内での増殖に適した複製開始点(ori領域)を含
む。標準的一例はColE1オリジンである。これはpBR322に存在する比
較的低コピー数のバージョン、またはpUCベクターシリーズ及びその他の一般
的ベクターに存在する比較的高コピー数のバージョンとして存在する。上記ベク
ターは一般的に形質転換宿主細胞が上記ベクターを含むことを確実にする選択マ
ーカーも含む。共通の例としてアンピシリン耐性、プロマイシン耐性、テトラサ
イクリン耐性、カナマイシン耐性、リファンピシン耐性またはスペクチノマイシ
ン耐性が挙げられる。当業者は、将来開発されるであろうマーカーを含めるその
他の選択マーカーも使用できることを知っている。都合の良いことに多数のクロ
ーニング部位も含まれる。
【0018】 上記ベクターはコードされた導入遺伝子の効果的な転写及び翻訳に必要なci
s因子を全て含む。これらの因子は上記導入遺伝子に操作可能(機能的)に結合
し、導入遺伝子発現を容易にする。このような、プロモーター等の因子類は、当
業者にはよく知られている。典型的プロモーターは強い構成的プロモーターでも
、組織特異的、誘導性プロモーターでもよく、その他のあらゆる公知の所望特性
を有することができる。
【0019】 ここに使われる用語“遊離核酸”は核酸、一般的にはDNA、RNA、または
合成類似体の水溶液と定義される。核酸は一般的にはプラスミドまたはウィルス
−ソースから分離、精製され、或る場合には合成的に改質された構成物の生物学
的増殖によって作られる。組み換えレトロウィルス、レンチウィルス、アデノウ
ィルス及びアデノ随伴ウィルス等の従来のウィルスベクターはこの定義には含ま
れない。重要なことは、遊離核酸は発現制限性免疫反応を誘起せず;そして例え
ば肺または関節内炎症性症状を悪化させないということである。遊離核酸はRN
Aでもよいが、DNA分子の方が、すぐれた安定性をもつため、より好ましい。
【0020】 本発明の特殊な実施態様は、アンチセンスまたはリボザイム構成物の発現によ
って治療効果をもたらすタイプの核酸を使用する方法を提供する。別の実施態様
では、肺または関節の細胞による発現を必要とせずに治療効果をもたらすタイプ
の核酸を使用する。例えば、核酸そのものが直接作用する;アンチセンスや触媒
的核酸分子の場合がそうである。
【0021】 本発明の組成物は肺または関節の組織内における核酸組成物の薬理作用(分布
及び持続性等)を改善する“作用増強剤”を含むことができ、それによって核酸
の治療効果を改善することができる。好ましい一エンハンサーは天然または生物
学的界面活性剤である。界面活性剤は表面張力低下特性を有する表面活性、両親
媒性組成物である。本発明に有用な界面活性剤は肺に安全に投与できる。このよ
うな界面活性剤は、合成および天然界面活性剤共に当業者には公知であり、数種
が商業的に入手できる。例としてはサーバンタ(Survanta)(ベラクタント;ロ
ス・ラボラトリーズから提供される)、エキソサーフ(Exosurf)(コルフォセ
リル パルミテート;グラクソ・ウェルカムから提供される)、インファサーフ
(Infasurf)(コルファクタント; フォレスト・ラボラトリーズから提供され
る)及び表面張力を下げ、それによって上記ベクターの分散を容易にするその他
の界面活性剤がある。天然に発生する界面活性剤は燐脂質、中性脂質、脂肪酸及
びタンパク質の複合混合物である。界面活性剤は両親媒性で、極性成分も無極性
成分も有し、したがって水溶性及び脂肪性液体間の相互作用を可能にする。
【0022】 好ましい界面活性剤の一つであるサーバンタはウシの肺から誘導される半合成
界面活性剤である。これは天然に発生する脂質、脂肪酸、及び界面活性剤関連タ
ンパク質SP−B及びSP−Cを含む。この混合物に追加的脂肪酸を補充すると
標準化された調製物が生成する。サーバンタは乳児呼吸困難症候群(RDS)の
治療における臨床的使用が承認されている。一般的投与法は、4cc/kgを気
管内に1日4回まで、6−12時間おきに投与する。同様な投与法が本発明にお
いても適切に使用できる;ただしこれに代わる投与法を決定する方法が当業者に
は公知である。
【0023】 幾つかの作用増強剤は合成または半合成界面活性剤である。このようなエンハ
ンサーは両親媒性合成または半合成ポリマー、脂質及びフルオロカーボンである
。合成ポリマー界面活性剤の適切な群はプルロニック(商標)界面活性剤類であ
る。一合成脂質界面活性剤はアニオン性リポソーム組成物である(バンガム(Ba
ngham)ら、Chem-Phys-Lipids、64巻、275−85ページ(1993))、
バンガムら、Lung.165巻、17−25ページ(1987))。その他の脂質
界面活性剤は界面活性剤ポリマー−脂質複合体である。適したこの種の複合体に
はテシット(Thesit)(商標)、ブリジ58(Brij 58)(商標)、ブリジ78
(商標)、トィーン80(Tween 80)(商標)、及びChol−PEG900が
ある。当業者はその他の合成及び半合成界面活性剤も本発明の精神から逸脱する
ことなく使用できることを認識している。
【0024】 その他の作用増強剤は核酸を関節に運搬する際に特に有用である。前述の界面
活性剤と同様な方法で、幾つかの化合物を用いて関節内における本発明のベクタ
ーの分布プロフィール及びその他の治療的に有用な特性を高めることができる。
これらの化合物は典型的には線状反復二糖単位からなる多糖類である。ヒアルロ
ン酸が典型例である;それは1,4結合β−D−グルクロン酸と1,3−結合2−
アセタミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノースとの二糖単位からなる。
【0025】 ヒアルロン酸の好ましい型であるヒアルガンは、精製天然ヒアルロン酸ナトリ
ウムの高分子フラクションを緩衝生理的食塩液に溶かした粘稠液である。これは
膝骨関節炎の痛みの治療における臨床使用が承認されている。常用量20mgが
関節内注射によって1週間1回、合計5回まで投与される。同様な投与法が本発
明に適切に使用できる、ただしこれに代わる投与法を決定する方法は当業者には
公知である。
【0026】 また別の作用増強剤は、ひとたび核酸が組織に到達した際に、深部気道及び構
造領域における標的細胞との接触または関節嚢全体の標的細胞との接触を改善す
ることができる。このようなエンハンサーは電気的中性の両親媒性ポリマーであ
る。適切な電気的中性の両親媒性ポリマーの一つはポリオキサゾリンである。
【0027】 また別の作用増強剤は、深部気道において及び関節嚢内及び構造領域において
細胞外で核酸を存続させ、それによって治療活性の持続性を増強することができ
る。このようなエンハンサーは核酸の代謝プロセス並びに肺または関節からの核
酸の消失を抑制する。
【0028】 その他の好ましい組成物は、単核細胞侵潤、浮腫、ケモカイン類及びその他の
前炎症性メディエーターの放出を含める炎症性反応の一つ以上の面を効果的に抑
制または緩和できる、ステロイド等の抗炎症性物質を含む。肺に吸入されるステ
ロイドまたは関節内ステロイド注射はこの観点から特に好ましい。例としてはベ
クロメタゾン(例えばバンセリル、ベクロベント―常用量は約42−84mcg
/吸入)、トリアムシノロン(例えばアズマコート―常用量は約100mcg/
吸入)、フルニゾリド(例えばアエロビド−M、ナサリド、ブロナリド、リナラ
ール―常用量は42−250mcg/吸入)、フルチカゾン(例えばフロベント
、常用量は50−250mcg/吸入)、ブデソニド(例えばリノコート―常用
量は100−200mcg/吸入)、デキサメサゾン及びヒドロコーチゾンがあ
る。本発明のその他の実施態様において抗炎症剤は例えば経口投与または静脈内
投与等によって全身投与できる。例としてはデキサメタゾンやヒドロコーチゾン
がある。
【0029】 抗炎症性化合物は非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)でもよい。適切なN
SAIDの例としてはCOX2インヒビター(例えばセレブレックス、常用量は
200mg/日)及びチラド(Tilade)がある。有効量は、当業者が一般的に使
用している量に基づく。投与回数も当業者から報告されるが、核酸ベクターを投
与する頻度を指針とするのが普通である。
【0030】 この明細書に記載のあらゆる化合物として、使用できればあらゆる遊離核酸、
遊離塩基、エステル類、並びに薬物学的に容認されるそれらの塩類も考慮される
のは当然である。一つの型に関する言及は、特に指示されない限り、全ての型を
考慮して読むべきである。
【0031】 2.発明の方法 典型的方法は、DNAプラスミドのような核酸ベクターをエンハンサー(作用
増強剤)および/または抗炎症性化合物とともに含む組成物の有効量を患者に投
与することを含む。上記ベクターは関心とする導入遺伝子をコードし、上記方法
は効果的に導入遺伝子発現をもたらす。治療的方法の範囲では、発現の効果的量
とは、治療的に意味のある量、すなわち疾患そのもの、症状および/または若干
の基礎的病的マーカーに或る明らかな効果を与える量である。そのような効果は
定性的または定量的いずれでもよく、臨床医は治療すべき種々の状態に関連した
各マーカーを熟知している。例えば、COPD患者の気管支肺胞液中のIL8ま
たは好中球の低下は治療効果を示唆するものである。
【0032】 本発明の方法に有用な界面活性剤及びその他の作用増強剤は商業的に入手でき
る。適切な界面活性剤の例には、非制限的に、サーバンタ(ベラクタント、ロス
・ラボラトリーズから提供される)、プルロニク(商標)、トゥイーン(商標)
、及びブリジ(商標)がある。記載されるように、本発明の方法の重要な特徴は
、発現を制限する炎症反応が誘起されないことである。このため核酸の活性また
は導入遺伝子の持続性が可能となる。サーバンタはマイトジェン(分裂促進剤)
誘起性リンパ球増殖を抑制し(クレムレフ(Kremlev)ら、Am.J.Physiol.267
巻、L357−64ページ(1994))、これによってこのプロセスに役立つ
ことが知られている。その他の界面活性剤も同様の有益な特性を有するらしい。
【0033】 核酸含有組成物は例えば乾燥粉末または懸濁液として、肺投与に至る何らかの
適切な手段によって運搬される。例えば、上記組成物は肺に吸入(エアロゾルと
して)または点滴注入され、および/または気管内に投与される。当業者は、こ
れらの投与法が個々の情況に応じて、独立的にまたは組み合わせて使用できるこ
とを理解する。加えて、その他の、将来開発される方法を含む肺投与法を使用す
ることができる。
【0034】 同様に、導入遺伝子含有組成物は懸濁液、またはその他の生理学的に適合する
形として、関節内投与に至るいかなる適切な手段によっても運搬することができ
る。例えば上記組成物を関節に直接注射してもよいし、または炎症関節を標的と
して静脈注射してもよい。当業者はこれらの投与法が個々の情況に応じて、独立
的にまたは組み合わせて使用できることを理解する。それに加えて、将来開発さ
れる方法を含むその他の関節内投与法を使用できる。
【0035】 本発明の方法の重要な特徴は、例えば導入遺伝子発現のような核酸活性の持続
的発現である。これまでは、遺伝子治療法は免疫及び炎症反応によって制限され
ていた。これらの反応は(1)全体的核酸活性(ここでは導入遺伝子発現)を減
退させ、(2)追加的発現の一方法としての再投与を阻止した。このため、最初
は導入遺伝子発現の合理的レベルが得られても、その発現は長続きしなかった。
発現が、単回投与または多数回投与の結果、長期間にわたって減少しない場合、
発現は“持続的”となり、したがって発現の有効レベルが維持されるのが普通で
ある。発現レベルは投与間の最大レベルの25%未満にまで低下しないのが好ま
しく、約50%未満に低下しないのがより好ましいが、これらの閾値より下がっ
た場合、“多量投与(pulsing)”を反復投与するのが有益である場合もある。
【0036】 好ましい方法は、遊離核酸ベクター組成物を2回以上投与することを含む。こ
のやり方で核酸活性は高まり、最初の投与後に得られるレベルに匹敵するレベル
に戻り、核酸活性の有効レベルは維持される。この方法は制限的免疫または炎症
反応の引き金を引かないから、本発明の組成物は必要なだけ何回も投与して活性
の有効レベルを維持することができる。若干の方法では、投与は2、3日おきに
行われるが、より一般的には隔週に行われ、2週間に1回、または月に1回行わ
れる場合もある。このような方法を用いると、治療すべき状態に応じて、投与間
の活性減少が認められる。それでもこれらの方法は“持続的”活性を誘起すると
考えられる、なぜならば、先行技術の方法とは異なり、本発明の組成物は反復し
て再投与することができ、これまでの投与に比べて導入遺伝子の実質的減少がな
いからである。典型的方法は、少なくとも約1カ月間の反復投与を含むが、より
長い治療期間を含むこともできる。
【0037】 また別の実施態様では、本発明の方法はさらに、患者の炎症反応を緩和するこ
とができる抗炎症性化合物、例えばステロイドまたはNSAID等の投与を含む
。概して、ベクター/エンハンサー組成物の投与前に抗炎症性化合物を投与する
ことが有用であるが、一緒に投与してもよい。適切な抗炎症性化合物は上に記載
した。抗炎症剤は一般的には静脈内または経口経路で投与され、核酸組成物に含
まれても、または別々の薬として使用してもよい。
【0038】 3.治療の適応症 本発明の方法の治療的応用は肺疾患、並びにリウマチ性関節炎及び骨関節炎等
の肺以外の疾患にまで広がる。上記のように、肺は、大きい表面積とアクセスし
易さのために、核酸デリバリーの魅力的標的である。こうして本発明の方法は、
治療的レベルの導入遺伝子が得られるあらゆる(肺または肺以外の)疾患の遺伝
子治療を基礎とする治療に応用できる。当業者はこのような応用に精通している
。例えばブリガムら(Nature、362巻、250−55ページ(1993))は
cDNAをコードするプラスミドの投与後、ヒト成長ホルモン(hGH)を発現
させ、カニッツォ(Cannizzo)ら(Nature Biotec、15巻、570−73ペー
ジ(1997))は実験動物の肺にトロンボポイエチンを発現するアデノウィル
スベクターを点滴注入後、血小板数の増加を認めた。
【0039】 本発明の方法は、遺伝子治療に適用できるため、肺疾患及び、肺に病的徴候を
有する症状の治療に特に適する。特にこの方法は、炎症性病変及び病因を有する
疾患の治療に適する。以下に詳細に述べるように、典型的疾患には、非制限的に
気腫、COPD、嚢胞性線維症(CF)、成人呼吸困難症候群(ARDS)、肺
線維症性症候群及び喘息がある。
【0040】 本発明の治療法に適する肺徴候をもった遺伝子疾患の例にはCF及び家族性気
腫がある。CFは嚢胞性線維症膜間レギュレーター(CFTR)、cAMP活性
化塩化物チャンネル、の欠乏に起因する。この疾患は粘稠な気道分泌物、慢性呼
吸感染症、気管支拡張症、膵線維症、及び腸の異常によって特徴づけられる。呼
吸徴候が主であり、95%より多くの症例で進行性呼吸不全のため死に至る。
【0041】 アデノウィルス及び合成ベクターを使ってCFの遺伝子治療の多数の臨床試験
が開始され、報告が発表された。例えばクリスタル(Crystal)ら、Nature Gene
t.8巻、42−51ページ(1994)及びカプレン(Caplen)ら、Nature Med
.1巻、39−46ページ(1995)を参照されたい。これらの試験のどれも
患者の利益を証明しなかったとはいえ、それらは気道上皮へ遺伝子が運搬される
証拠を提供した。ミドルトン(Middleton)ら、Thorax 53巻、197−199
ページ(1998);アルトン(Alton)ら、Gene Ther.5巻:291−92ペ
ージ(1998)。遺伝子の移動及び発現レベル、及び電気生理学的補正程度(
測定できる場合)は一様に低かったが、導入遺伝子、そのmRNA及びタンパク
質産物は全て、治療患者の生検で検出可能のレベルであった。CFを治療するた
めには非常に低レベルのCFTRを発現することのみが必要であり、治療的利益
を得るのに十分なレベルを発現するためには低レベルの構成的プロモーターで十
分である。CFを治療する上で重要なのは、肺上皮全体の細胞のかなり一様な形
質導入を実現しなければならないことである。本発明の方法は一般化された肺デ
リバリーに適応するから、上記方法はこの観点で特に適切である。
【0042】 α−アンチトリプシンの遺伝的欠乏は家族性気腫を発生させる素因である。
通常肺の抗プロテアーゼ保護を行うこのタンパク質は、肝臓で生成され、血清か
ら拡散して肺に達する。そのため本発明の方法においてこの遺伝子を使用すれば
家族性気腫及び肺のその他の炎症性状態(この際抗プロテアーゼ防御は存在しな
いかまたは破壊されている)を効果的に治療することができる。
【0043】 肺気腫患者では肺の炎症性プロセスが進行しているらしい。よって、肺上皮に
直接形質導入するベクターはこの状態の悪化を避けなければならない。その上、
適切なベクターは注射可能であるよりもむしろエアロゾル化可能であり、プロモ
ーターは内因性天然肝プロモーターと同様に強力である必要はなく、組織特異的
で、構成的に発現するのが好ましい。
【0044】 これまで、大部分の遺伝子治療は明らかな遺伝子的基礎を有する疾患に集中し
ていたが、後天性肺疾患、及び喘息のような複雑な病因を有する疾患が本発明の
方法によって治療できる。例えば、喫煙者の肺の抗−プロテアーゼの選択的酸化
はCOPDの発生に貢献し、それによって肺のプロテアーゼ−抗−プロテアーゼ
平衡が変化する。ラウレル(Laurell)ら、Sc.J.Clin.Lab.Invest.15巻、13
2−140ページ(1963)。この平衡は本発明の方法によって抗プロテアー
ゼを投与することによって元に戻される。その上、肺に存在する主要抗プロテア
ーゼである分泌性白血球プロテアーゼ不活性化物質(SLPI)の場合、成熟タ
ンパク質の73位のメチオニンをロイシンで置換する突然変異がタンパク質酸化
耐性を与えることが知られている。ストーク(Stolk)ら、Pulm. Pharm.6巻、
33−39ページ(1993)。そこでCOPD患者をSLPIのような抗プロ
テアーゼ、特に酸化耐性抗プロテアーゼで治療することが考えられる。
【0045】 適切なSLPIタンパク質には下記のものがある: 配列番号No.1(天然成熟型):SGKSFKAGVC PPKKSAQC
LR YKKPECQSDW QCPGKKRCCP DTCGIKCLDP VD
TPNPTRRK PGKCPVTYGQ CLMLNPPNFC EMDGQC
KRDL KCCMGMCGKS CVSPVKA 配列番号No.2:(天然未熟型):MKSSGLFPFL VLLALGT
LAP WAVEGSGKSF KAGVCPPKKS AQCLRYKKPE C
QSDWQCPGK KRCCPDTCGI KCLDPVDTPN PTRRK
PGKCP VTYGQCLMLN PPNFCEMDGQ CKRDLKCCM
G MCGKSCVSPV KA 配列番号No.3:(酸化耐性成熟型):SGKSFKAGVC PPKKS
AQCLR YKKPECQSDW QCPGKKRCCP DTCGIKCLD
P VDTPNPTRRK PGKCPVTYGQ CLLLNPPNFC EMD
GQCKRDL KCCMGMCGKS CVSPVKA 配列番号No.4:(酸化耐性未熟型):MKSSGLFPFL VLLAL
GTLAP WAVEGSGKSF KAGVCPPKKS AQCLRYKKP
E CQSDWQCPGK KRCCPDTCGI KCLDPVDTPN PTR
RKPGKCP VTYGQCLLLN PPNFCEMDGQ CKRDLKC
CMG MCGKSCVSPV KA
【0046】 こうして核酸の特に有用なクラスは、プロテアーゼインヒビターをコードする
導入遺伝子を含むものである。典型的プロテアーゼインヒビターは好中球エラス
ターゼ、カテプシンG、コラゲナーゼ、プロテイナーゼ3及びプラスミノーゲン
アクチベータ等のプロテアーゼ類の活性を阻止することができる。当業者は、ま
だ同定されていないプロテアーゼも含むその他のプロテアーゼ類がこの観点で有
益であり得ることを認識している。プロテアーゼインヒビターの特殊の群は例え
ばセリンプロテアーゼまたは金属プロテアーゼを阻害する。本発明の方法及び組
成物に有用なプロテアーゼインヒビターにはαアンチトリプシン、分泌性白血
球プロテアーゼインヒビター(SLPI)、α1−アンチキモトリプシン、金属
プロテアーゼの組織インヒビター類(“TIMPs”、例えばTIMP−1、−
2及び−3)、エラフィン及びβ2−マクログロブリンがある。
【0047】 前記のプロテアーゼインヒビターの幾つか(例えばαアンチトリプシンやS
LPI等)は酸化メカニズムによって不活性化される。特に、それらはスルフヒ
ドリル含有アミノ酸(例えばシステイン)を有し、それは最大活性をあらわすた
めには還元型でなければならない。SLPIについて上で詳述したように、その
ような残基の欠如している酸化耐性類似体を作ることができる。そのような酸化
耐性(したがって不活性化耐性)プロテアーゼインヒビターは改良薬力学的特性
、例えば長くなった半減期等、を有する。
【0048】 また別の実施態様では、発現のための導入遺伝子配列を変化させて、プロテア
ーゼインヒビターの薬理学に有益な効果を有する、変化した、または新しいペプ
チド配列を有するタンパク質を生成することができる。この実施態様の一面にお
いて、プロテアーゼインヒビターのための導入遺伝子を変化させて天然または工
学的免疫グロブリン配列の全部または一部を有するキメラタンパク質を生成する
。免疫グロブリン部分の結合活性が関心とする組織領域への高い結合を可能にし
、それらの組織領域における高められた持続性を可能にする。上記組織における
保持、及び上記組織における代謝プロセスからの保護を可能にする免疫グロブリ
ン配列の代わりにその他のペプチド配列を使用できる。
【0049】 抗プロテアーゼ酸化等の肺に対する酸化的損傷を治療するもう一つのより一般
的なアプローチは、本発明の方法を用いて酸化防止剤を運搬することである。肺
疾患のための酸化防止治療は例えばスーパーオキシドジスムターゼ(活性化酸素
阻害剤)またはカタラーゼを使用する。これらの酸化防止治療も炎症性状態の治
療には概して有効である。なぜならば炎症は酸化プロセスの活性化に導き(例え
ばミエロペルオキシダーゼ)、これらの酸化防止剤は生成する反応性酸素種を中
和するからである。
【0050】 肺の損傷は、疾患プロセスを阻止する核酸を使用することによって治療できる
。一実施態様において、核酸は天然プロテアーゼの産生を阻害する。これはアン
チセンスまたはリボザイム構成物の発現によって、または上記プロテアーゼを産
生する細胞の直接阻害によって行われる。
【0051】 本明細書で考慮される各治療的遺伝子に関して、当業者は、主要アミノ酸及び
タンパク質配列における或る程度の変化は基礎的タンパク質の機能を実質的に障
害することなく耐えられることを認めている。これは最も重要な特徴である。こ
うして、本発明は誘導体または変種(これらの用語は交換可能に用いられる)の
形のこのような変動を包含し、特に、プロテアーゼインヒビターの耐酸化型を含
む。概して本発明に含まれるDNA及びタンパク質分子両方の誘導体は“配列の
同一性”に関して定義することができる。“配列の同一性”は例えば当業者には
公知の標準スミス−ワッターマン(Smith-Watterman)アルゴリズムを使って2
分子間で行う比較に関して言う言葉である。
【0052】 若干の誘導体は最低約50%、55%、または60%の同一性を有する。好ま
しい分子は最低約65%の配列同一性を有するものであり、より好ましくは最低
65%または70%の配列同一性を有するものである。その他の好ましい分子は
最低約80%、より好ましくは最低80%または85%の配列同一性を有する。
特に好ましい分子は最低約90%の配列同一性を、より好ましくは最低約95%
の配列同一性を有する。ここで使用する2つの核酸分子またはタンパク質は、も
しも上記2つが85%より大きい配列(アミノ酸または核酸)同一性を有する領
域を含む場合、“顕著な配列同一性を共有する”と言う。
【0053】 “配列の同一性”はここではBLAST2アルゴリズムを参照し、既定値パラ
メーターを使用して定義される。アルトシュル(Altschul)ら、J.Mol.Biol.2
15巻:403−410ページ(1990);ギッシュ(Gish)、Nature Genet
.3巻:266−272ページ(1993);マデン(Madden)、Meth.Enzymol
.266巻、131−141ページ(1996);アルトシュルら、Nucleic Ac
ids Res.25巻、3389−3402ページ(1997);ツァング(Zhang)
ら、Genome Res.7巻、649−656ページ(1997)。BLAST2アル
ゴリズムはNCBIで提供される(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST)。
【0054】 本発明の方法は炎症状態を悪化させないから、これらの方法は肺のこの種の症
状を含む、一般的炎症状態の治療に用いられる。公知の方法と異なり、ここに記
載の方法は、治療すべき症状にほとんどリスクを与えない。本発明の方法におい
て、導入遺伝子発現または核酸活性の治療的有効量は、不都合な炎症反応を実質
的に阻止する量である。
【0055】 炎症性状態を治療するための本発明のその他の実施態様は関節炎の治療を含む
。この実施態様における一方法は、関節内の好ましくない炎症から生ずるプロテ
アーゼから軟骨を守る導入遺伝子を発現させることである。同様に、関節内の好
ましくない炎症段階を一段階以上を減らす活性をあらわす核酸構成物を運搬する
ために、この方法を利用することができる。この方法のその他の実施態様はその
他の組織及び病変における好ましくないまたは過度の炎症を治療するためのもの
である。
【0056】 本発明の方法により治療できる肺の炎症性疾患の一例は喘息である。喘息は炎
症性メディエーターの複雑なカスケードを含み、そのいずれもが治療措置の標的
である。喘息は主として、IL−4及びIL−5を産生するがIL−2またはI
FN−γは産生しない、TH2様T−細胞の存在によって特徴づけられる。RA
NTES、MCP−3、MCP−4、エオタキシン及びエオタキシン−2を含む
C−C−ケモカイン類。それに加えて幾つかのサイトカイン類、例えばIL−2
、IFN−α、IFN−γ、IL−10、及びTGF−β等がTH2誘導性炎症
性反応を打ち消すことが知られている。こうして炎症性肺疾患の治療のための標
的の範囲は、非制限的にIL−4、IL−5、RANTES、MCP−3、MC
P−4、エオタキシン、エオタキシン−2、IL−12、IFN−α、IFN−
γ、IL−10及びTGF−βを含む。
【0057】 IL−10は、TH2細胞によるIFN−γ及びIL−2産生を阻止し、並び
にその他の種々の免疫反応を阻止する全身性免疫抑制物質と考えられる。IL−
10は幾らか全般的な免疫メディエーターであるが、IL−5はより特異的であ
る。特にIL−5は好酸球に含まれる主要な、そして多分唯一のサイトカインで
あり、そのことがIL−5をアレルギーや喘息等の好酸球性疾患の治療措置にお
いて特に魅力的なものにしている。このようにして好ましい治療的標的としてI
L−10(例えば、IL−10に関してはジーンバンク Acc.No.U91
749、U16720及びX78437を、IL−10受容体に関しては450
4632及びU00672を参照されたい)及びIL−5(IL−5に関しては
ジーンバンク Acc.No.J03478及びM33949を、IL−5受容
体に関してはA26251及びA26249を参照されたい)が含まれる。
【0058】 上記の炎症性メディエーターは、遺伝子治療ベクターにおいてコードされ得る
種々の作用物質によって阻害される。例えば、特異抗体、特に抗体断片をコード
する遺伝子はこのようなベクターにクローン化される。これらのメディエーター
のための特異的受容体が関係し、知られている場合は、上記受容体の溶解型が上
記ベクターにおいてコードされる。例として、IL−5受容体(“IL−5R”
)には2つの天然発生型が存在する:一つは膜に結合し、他の一つは溶解性であ
る。溶解型はIL−5と膜型との結合を阻止し、それによってIL−5の生物学
的活性を打ち消す。このため溶解性IL−5Rは好ましい抗炎症剤である。その
他のインヒビター、例えばアンチセンス核酸類及びリボザイム類等も使用される
。本発明を述べる際に使われる種々の文法的形の用語“治療する(treating)”
は、疾病状態の悪影響、疾患の進行、疾患の原因物質またはその他の異常な状態
を防止、治癒、回復、減退、緩和、最小化、抑制、または停止することを意味す
る。
【0059】 上記の議論及び次に記載する実施例は本発明を制限するものではない。特に、
当業者は詳細には例示されていないが本発明の範囲内であるその他の実施態様を
容易に理解する。
【実施例】
【0060】 (実施例1) 遊離核酸の最適投与量 この実施例は遊離核酸を使用する遺伝子発現の最適化を示す。以下に記載する
結果は、全投与量で遺伝子発現が認められたことを示す。この実験における遺伝
子発現の最適レベルは、投与量が80μgのときに認められた。 実験は燐酸緩衝食塩液(PBS)100μlに希釈した種々の量の裸のDNA
を使用して行われた。表1に示すように、投与量はDNA25、50、80及び
120μgを使用した。STDは標準偏差である。
【0061】
【表1】
【0062】 実験:使用したプラスミドはpCIlucであった。これはサイトメガロウィル
ス プロモーターのコントロール下にあるホタル ルシフェラーゼ遺伝子を含む。
雌BALB/cマウス(齢6−8週)を Harlan Sprague Dawley(インディアナ
ポリス、IN)から入手した。マウスを5%イソフルランを含むベル型ジャーに
入れて麻酔した。角度のある供給針を使い、経口気管内点滴注入によってDNA
を肺に入れた。投与の24時間後、これらの動物を殺し、肺を摘出し、ドライア
イス上に置いた。
【0063】 プロメガ社(マジソン、WI)のキットとベルトルド・システム社(ピッツバ
ーグ、PA)のルミノメータを使ってルシフェラーゼ活性を測定した。簡単に述
べると、肺を溶解緩衝液(プロメガ社キット)500μl中に置き、組織ホモジ
ナイザー(ブリンクマン ポリトロン(Brinkman Polytron))で20秒間ホモジ
ナイズする。サンプルを微量遠心分離器に入れて14000g、4℃で30分間
遠心分離した。タンパク質濃度をブラドフォード試薬(ビオラド、NY)を使っ
て測定した。タンパク質100μgを含む、上澄液から得たサンプルをルシフェ
ラーゼアッセイに用いた。各サンプルのルシフェラーゼ活性を、抽出されたタン
パク質の1ミリグラムあたりの相対的光単位に標準化した。
【0064】 (実施例2) この実施例は、最適遺伝子発現が上記遊離核酸を希釈する溶液によって影響を
受けることを証明する。下に示す結果は、5%グルコース溶液中の遊離核酸が最
高遺伝子発現を与えたことを示す。さらに、100μl容量に比較して、175
μl容量で運搬された遊離核酸はより高レベルの遺伝子発現を示した。同量の核
酸を使い、より多量の希釈剤の使用がより高レベルの導入遺伝子発現を起こした
という驚くべき研究結果は、実施例3ないし実施例10の発見を容易にした。
【0065】 実験はBALB/cマウスにつき裸のDNA50μgを使って行われた。プラ
スミドDNAを2種類の容量(100及び175μl)のHOか、PBSか、
5%グルコースのいずれかと混合した。この混合物を経口気管内点滴注入によっ
てマウスに投与した。タンパク質濃度とルシフェラーゼの分析試験を行った。結
果を表2に示す。
【0066】
【表2】
【0067】 実験:サンプルは実質的に実施例1に記載のように処理した。
【0068】 (実施例3) 界面活性剤は遊離核酸の運搬を改善する この実施例は界面活性剤媒介ベクターデリバリーが、遊離核酸に比較して高レ
ベルの遺伝子発現をもたらすことを示す。 プラスミドDNA50μgと種々の量の界面活性剤とを含む組成物を経口気管
内投与によって供給した。代表的界面活性剤、サーバンタ、の10、12、14
及び16mg/ml量がBALB/cマウスに投与された。24時間後に肺を集
め、タンパク質濃度とルシフェラーゼ活性を確認した。表3に見られるように、
サーバンタ存在のもとでは対照に対してより高レベルの発現が得られた。
【0069】
【表3】
【0070】 実験:サンプルを実質的に実施例1に記載したように処理した。DNAサンプル
は最終容量150μl(実験1)または175μl(実験2)になるように5%
グルコースで希釈し、各マウスに投与した。
【0071】 (実施例4) 異なる時点における遺伝子発現の比較。 この実施例は遊離核酸と界面活性剤、サーバンタ、とを含む組成物で、時間の
経過につれて遺伝子発現レベルが異なることを証明する。表4に示す結果は、遺
伝子発現レベルが界面活性剤の添加によって、24、48及び72時間後には界
面活性剤なしで投与した場合より増加したことを示す。
【0072】 上記実験はプラスミドDNA50μgと14mg/mlの界面活性剤とを混合
し、最終容量100μlにして行われた。この混合物を経口気管内点滴注入によ
ってBALB/cに投与した。タンパク質濃度及びルシフェラーゼアッセイを行
った。N DNAはDNAのみ、DNA/SuはDNAと界面活性剤である。
【0073】
【表4】
【0074】 実験:サンプルを実質的に実施例1に記載したように処理した。
【0075】 (実施例5) 投与容量の最適化 この実施例は投与容量の最適化法を示す。つまり、ベクターと界面活性剤の量
を一定に保ち、組成物量を変えた。
【0076】 実験1はプラスミドDNA50μg、界面活性剤14mg/mlを含み、残る
容量が5%グルコースである組成物を使用して行った。混合物の最終容量は75
、100、120、150、及び175μlであった。実験2は界面活性剤を含
まないPBSの100、125、150、175及び200μl容量中、50μ
gDNAを用いた。タンパク質及びルシフェラーゼアッセイを行った。結果を表
5に示す。
【0077】
【表5】
【0078】 実験:サンプルは実質的に実施例1に記載したように処理した。
【0079】 (実施例6) 遊離核酸の単回経口気管内投与の際の遺伝子発現の持続時間 この実施例は、或る時間経過後、遺伝子発現はピークに達し、その後徐々に低
下し、最後にはベースライン−レベルに達することを示す。以下に示す結果は、
遺伝子発現が6時間後に始まることを示す。遺伝子発現は24時間後には明らか
に減少し始め、6日目までにそのベースラインに達した。
【0080】 実験はPBS100μl容量中の裸のDNA80μgを使用して行われた。表
7に見られるように、BALB/cマウスを6、12、24、48及び72時間
、そして6、10、14、21及び28日の時点に採取した。
【0081】
【表6】
【0082】 実験:サンプルは実質的に実施例1に記載したように処理した。
【0083】 (実施例7) 驚くべきことに、遊離核酸の反復デリバリーにより、制限す
る炎症性または免疫反応を起こさずに繰り返し発現レベルに到達することができ
る この実施例は、本発明の方法は繰り返し行うことができ、運搬された導入遺伝
子の発現に繰り返し到達できることを示す。以下に示す結果はプラスミドDNA
50μgを7日ごとに28日間投与した場合、遺伝子発現が最初のプラスミドD
NA投与後に見られるレベルに維持されたことを示す。
【0084】 この実験は、5%グルコース150μl中の裸のDNA50μgを0、7、1
4、21及び28日目に反復投与するという方法で実施された。DNA投与の2
4時間後に採取した肺ホモジネートでタンパク質濃度及びルシフェラーゼアッセ
イが行われた。全ての先行投与後(post)の指定時間、または“24時間後の投
与”を除く全てで前以て(pre)測定が行われた。こうしてこの実施例では、実
施例6に見られる単回DNA投与で見られるものと同様の動力学に従って、発現
は各DNA投与後間もなくピークに達し、それから徐々に低下した。
【0085】
【表7】
【0086】 実験:サンプルは実質的に実施例1に記載されたように処理された。
【0087】 (実施例8) 核酸の反復デリバリーは、48時間ごとの投与の際にはマウ
スに持続的発現を起こさない 1週間以内の遊離核酸の反復デリバリーは反復遺伝子発現に導くが、この実験
は、48時間ごとに少なくとも約1週間再投与した場合は持続的発現がマウスに
は得られないことを示す。最初の48時間後の再投与は遺伝子発現の評価し得る
増加を起こしたが、その後の投与はさらなる遺伝子発現を誘起できなかった。
【0088】 実験は、最終容量175μlになるように5%グルコース溶液に加えたプラス
ミドDNA80μgを用いて行われた。混合物を3、5、7、9、11、13、
及び15日目に投与した。タンパク質濃度及びルシフェラーゼアッセイを行った
。結果は表8に示す。
【0089】
【表8】
【0090】 実験:5匹のマウスを48時間ごとに処理したことを除き、サンプルは実質的に
実施例1に記載のように処理された。
【0091】 (実施例9) 補充的抗炎症治療の使用。 この実施例は、抗炎症性化合物と上記のプロトコルとの組み合わせがより高頻
度のベクター投与を可能にし、その結果、導入遺伝子発現の持続的及び永続的レ
ベルを全体的により高め得ることを示す。
【0092】 実験:この実験は、最終容量160μlになるように5%グルコース溶液にpC
Ilucプラスミドを加えたものを使用して実施された。上記混合物を0、4、
8、12、16、20及び24日目に経口気管内デリバリーによって投与した。
−1、0及び1日目に、マウスに10mg/kgデキサメタゾンを腹腔内に投与
した。その他にマウスは4、8、12、16、20及び24日目のプラスミドデ
リバリーの30分前に10mg/kgデキサメタゾン投与を受けた。動物をプラ
スミド投与後4日目に殺し、タンパク質濃度及びルシフェラーゼアッセイを実施
した。結果は図1に示し、平均値±標準偏差として報告される。データの点は2
4日目以外は各5匹の動物を示す。24日目は4匹の動物を使用した。
【0093】 (実施例10) 分泌導入遺伝子産物の組織分布 この実施例は、プラスミドの経口−気管内点滴注入後のプロテアーゼインヒビ
ターの分布対静脈内投与後及び精製タンパク質投与後のプロテアーゼインヒビタ
ー導入遺伝子産物の分布を示す。これらのデータは導入遺伝子が、そのタンパク
質の直接デリバリーと同じ量の産物をデリバリーすることを示す。上記タンパク
質は常に導入遺伝子によって作られるから、全体的レベルは上記タンパク質の場
合のように時間が経っても低下せず、本発明の明らかな利点となる。データは経
口−気管内または静脈内投与の24時間後に集めた。
【0094】 実験:これらの実験はベクターpCIhSPLIを使用した;これはCMVプロ
モーターによって誘起される分泌性白血球プロテアーゼ インヒビター(SLP
I)のヒトcDNA配列を含む。ステットラー(Stetler)ら、Nucleic Acids R
es.14巻、7883−7896ページ(1986)。最終容量150μlにな
るように5%グルコースで希釈したpCIhSPLI 80μgで経口−気管内
点滴注入(OT)が行われた。その他に、BALB/cマウス群にはOT経路か
ら、150μl5%グルコース中1μg組み換えhSLPIタンパク質(hSL
PI−タンパク質)を点滴注入した。
【0095】 DOTAP (1,2−ジオレオイオキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プ
ロパン)−コレステロールとpCIhSPLIとの錯体を作り、静脈(IV)注
射した。45mgDOTAPと25mgコレステロールとをシクロヘキサン中で
混合し、凍結乾燥した。2回蒸留した水を脂質ケーキに加え、カチオン性脂質の
最終濃度を10mg/kgとし(すなわちコレステロール成分を含まない)、7
0℃で1時間水和させる。DOTAP−コレステロール分散体を孔サイズ100
nmのカルボネート膜(アバンチ・ポーラー・リピド社)を通して押出した。D
OTAP−コレステロールの生成サイズは150−200nmであった。4対1
(陽イオン 対 陰イオン)の電荷比でDOTAP−コレステロールと錯化させ
たpCIhSPLI60μg用いて静脈内(IV)注射(200μl)を行った
。上記リポプレックス(脂質錯体)は、IV注射直前に、10%グルコース10
0μlに溶解したプラスミド60μgを、ddHO中5.1mg/mlのDO
TAP−コレステロール分散系100μlに加えることによって調製した。
【0096】 投与の24時間後に動物を殺し、気管をシラスチックカテーテルで環状にして
PBS700μlをゆっくりと注入するという方法で気管支肺胞洗浄(BAL)
を行った。肺を集め、500μl溶解緩衝液と共に溶解基質チューブ(lysing m
atrix tubes)(BIO 101、ビスタ、CA)に入れた。上記の肺を Fast Pr
ep FP120(BIO 101)中で6.0の速度で20秒間ホモジナイズした
。このホモジネートを14000g、4℃で30分間微量遠心分離した。その他
に血液を集め、凝固させ、血清を分離した。回収した液を1500rpmで10
分間遠心分離した。上澄液フラクションを取り、酵素免疫抗体法(ELISA)
キット(R&Dシステムズ、ミネアポリス、MN)を使用し、推薦されるプロト
コルにしたがってヒトSLPIの存在を分析した。データは平均値±標準偏差と
して報告した(図2)。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の組成物及び方法を使用する持続的高レベルの導入遺伝子発
現を示す図である。
【図2】 分泌タンパク質のcDNAを担うプラスミドの経口気管内点滴注入
後の、上記分泌タンパク質の in vivo 分布を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 45/00 A61K 47/24 47/12 47/34 47/24 47/36 47/34 47/42 47/36 A61P 9/00 47/42 11/06 A61P 9/00 19/02 11/06 29/00 19/02 101 29/00 43/00 111 101 121 43/00 111 C12N 9/99 121 15/00 ZNAA C12N 9/99 A61K 37/02 15/09 ZNA 37/64 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ミーナ メルバット アメリカ合衆国 メリーランド州 20874 ジャーマンタウン #3 スイス・サー クル 18229 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA19 CA04 DA03 GA11 HA17 4C076 AA24 BB01 BB11 BB13 BB27 CC04 CC09 CC15 DD01 DD03 DD08 DD09 DD15 DD41 DD63 EE23 EE30 EE41 FF11 FF34 FF43 4C084 AA02 AA03 AA13 AA19 BA44 DA39 DC02 DC03 DC09 DC21 DC32 DC34 MA13 MA52 MA55 MA66 NA14 ZA59 ZA96 ZB11 ZB15 ZC20 ZC75 4C086 AA01 AA02 DA10 MA02 MA03 MA04 MA05 MA13 MA52 MA56 MA66 NA14 ZA59 ZA96 ZB11 ZB15 ZC20 ZC75

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)遺伝子産物をコードする水溶性遊離核酸と(ii)抗炎
    症性化合物とを含む非炎症性ベクター組成物。
  2. 【請求項2】 (iii)作用増強剤をさらに含む請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 前記作用増強剤が界面活性剤である請求項2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 前記界面活性剤がサーバンタ(Survanta)、エキソサーフ(
    Exosurf)、インファサーフ(Infasurf)、プルロニク(Pluronic)、アニオン
    性リポソーム組成物、テシト(Thesit)、ブリジ58(Brij 58)、ブリジ78
    、トゥイーン80(Tween 80)、及び Chol-PEG900からなる群から選択さ
    れる請求項3記載の組成物。
  5. 【請求項5】 前記作用増強剤が多糖である請求項2記載の組成物。
  6. 【請求項6】 前記多糖が1,4−結合β−D−グルクロン酸と1,3−結合
    2−アセタミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノースとの線状反復二糖単
    位である請求項5記載の組成物。
  7. 【請求項7】 前記抗炎症剤がステロイドである請求項1記載の組成物。
  8. 【請求項8】 前記ステロイドがベクロメタゾン、トリアムシノロン、フル
    ニソリド、フルチカゾン、ブデソニド、デキサメタゾン及びヒドロコーチゾンか
    らなる群から選択される請求項7記載の組成物。
  9. 【請求項9】 前記遺伝子産物がプロテアーゼインヒビターである請求項1
    記載の組成物。
  10. 【請求項10】 前記プロテアーゼインヒビターが好中球エラスターゼ、カ
    テプシンG、コラゲナーゼ、ゲラチナーゼ、プロテイナーゼ3、及びプラスミノ
    ーゲンアクチベータからなる群から選択されるプロテアーゼの活性を阻害する請
    求項9記載の組成物。
  11. 【請求項11】 前記プロテアーゼインヒビターがα1−アンチトリプシン
    、分泌性白血球プロテアーゼインヒビター、α1−アンチキモトリプシン、TI
    MP−1、エラフィン、β2−マクログロブリン及びこれらの誘導体からなる群
    から選択される請求項10記載の組成物。
  12. 【請求項12】 前記プロテアーゼインヒビターが分泌性白血球プロテアー
    ゼインヒビターまたはその耐酸化型である請求項11記載の組成物。
  13. 【請求項13】 炎症性成分を有する疾患にかかった患者を治療する方法で
    あって、(i)遺伝子産物をコードする水溶性遊離核酸と(ii)作用増強剤とを
    含む非炎症性ベクター組成物の有効量を前記患者に最低2回投与することを含ん
    でなる方法。
  14. 【請求項14】 前記投与が気管内または関節内に行われる請求項13記載
    の方法。
  15. 【請求項15】 前記投与がエアロゾル化または関節内注射によって行われ
    る請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 投与が気管内に行われ、更に前記組成物投与前に抗炎症剤
    が静脈内または経口経路によって投与される請求項13記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記疾患が肺または気管内炎症に関連する請求項13記載
    の方法。
  18. 【請求項18】 前記疾患が気腫、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性
    線維症(CF)、成人呼吸困難症候群(ARDS)及び喘息からなる群から選択
    される請求項17記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記疾患がリウマチ性関節炎及び骨関節炎からなる群から
    選択される請求項17記載の方法。
  20. 【請求項20】 炎症性成分を有する疾患にかかった患者を治療する方法で
    あって、前記患者に(i)遺伝子産物をコードする水溶性遊離核酸及び(ii)免
    疫抑制剤を含む非炎症性ベクター組成物の有効量を最低2回投与することを含ん
    でなる方法。
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