[go: up one dir, main page]

JP2003336253A - 鋼管杭基礎および鋼管杭基礎の構築工法 - Google Patents

鋼管杭基礎および鋼管杭基礎の構築工法

Info

Publication number
JP2003336253A
JP2003336253A JP2002142722A JP2002142722A JP2003336253A JP 2003336253 A JP2003336253 A JP 2003336253A JP 2002142722 A JP2002142722 A JP 2002142722A JP 2002142722 A JP2002142722 A JP 2002142722A JP 2003336253 A JP2003336253 A JP 2003336253A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel pipe
pipe pile
diameter
ground
pile
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002142722A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Amagai
隆 雨甲斐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
CHIYODA SOILTEC KK
Original Assignee
CHIYODA SOILTEC KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by CHIYODA SOILTEC KK filed Critical CHIYODA SOILTEC KK
Priority to JP2002142722A priority Critical patent/JP2003336253A/ja
Publication of JP2003336253A publication Critical patent/JP2003336253A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Placing Or Removing Of Piles Or Sheet Piles, Or Accessories Thereof (AREA)
  • Piles And Underground Anchors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼管杭による基礎構築工法において、鉄パイ
プをそのまま打設することにより打設作業を容易に行い
得るようにし、その下部に大径の大径部を構築して、鋼
管杭による支持強度を向上させ得るようにする。 【解決手段】 地盤中に所定の長さと径の鋼管杭10を
打設してから、前記鋼管杭10の中空孔を通して掘削部
材15を挿入し、ロッド部材16の下部に設ける掘削翼
20を拡開しながら、鋼管杭の下部に大径空間部を構築
し、掘削した土をロッド部材を通して供給される圧気と
ともに、スクリュー部材17を介して上部に排出する。
そして、前記掘削翼20を引上げてから、鋼管杭10の
孔からモルタル等の固化材を注入して、支持ブロックを
鋼管杭10の下部に一体化させて構築する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼管杭を用いた建
物等の基礎に関し、特に、鋼管杭の下部に大径の強固な
支持部を構築して、鋼管をそのまま用いた鋼管杭による
支持力を増大させる基礎とその構築工法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、住宅やその他の小規模の建物
等の構造物を構築するに際しては、その構築場所の地盤
の強度等の条件を調査し、その地盤が構造物を支持する
ことができないと判断された場合には、その支持力を増
大させる工事を行っている。前記地盤の支持力を増大さ
せるためには、杭等を打設することや柱状の地盤改良を
行うこと、または、地盤を圧密して支持強度を増大させ
る等の手段が一般に用いられている。前記地盤の支持力
を増大させる工法のうち、最も簡便なものは杭打ち方式
であるが、前記杭基礎を構築するに際しては、コンクリ
ート杭の他に、鋼管杭を打設する工法は近年多く用いら
れるようになっている。
【0003】前記鋼管杭を打設する工法においては、前
記鋼管杭はパイプ等の鋼管を所定の長さに切断したもの
を、そのまま使用するのであるから、鋼管の周囲面と地
盤との間での摩擦係数が小さいために、支持可能な荷重
が少ないという問題がある。そこで、前記鋼管杭の支持
強度を向上させるために、鋼管杭の下部や途中の部分
に、スパイラル状や円板状等の突起物を突出させて設
け、前記突起物により土との接触面積を増加させるよう
にしたものが使用される。そして、回転と押圧手段とを
装備した杭打ち機を用いて、前記鋼管杭を地中に押し込
むようにして打設することにより、基礎の支持力を増大
させることを可能にしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記支持力
を増大させる手段を付加して設けた鋼管杭を用いる場合
に、鋼管杭に突起部材を溶接等により取り付ける加工を
必要とするために、パイプをそのまま使用する場合に比
較して、鋼管の加工コストが増加するという問題があ
る。前記パイプの周囲や下面に突起部材を設けた鋼管杭
を打設するに際しては、杭打ち機にも回転機構と押圧機
構とを設けるので、杭打ち機の構造が複雑で、杭の打設
工事の手間と、打ち込みの作業に時間とを必要とすると
いう課題が残っている。そして、鋼管杭を回転手段によ
り打ち込む際には、その突起部材が杭の周囲の地盤を破
砕するので、杭の周囲面と土の間の摩擦係数が大幅に低
下する等の問題もある。さらに、前記鋼管杭に設ける突
起部材が螺旋状のものである場合には、その突起部材の
下面は平面でないために、掘削面との接地は面ではなく
線に近いものとなるために、荷重が付与されると初期沈
下が大きい。したがって、従来の鋼管杭基礎の設計に際
しては、突起部材を含めた面積の半分が有効に作用する
ものとして計算しているのが現状であり、鋼管杭の強度
を十分に利用出来ていないものである。
【0005】本発明は、前記鋼管杭を用いた地盤の支持
力を向上させる工事を簡単に行い得て、鋼管杭の支持強
度を向上させ得るような基礎とその構築工法を提供する
ことを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、所定の長さと
径の鋼管を用いた鋼管杭による杭基礎に関する。本発明
の請求項1の発明は、地中に打設した前記鋼管杭の下部
の地盤中に、前記鋼管杭の径よりも大径の固化層による
支持部を構築し、前記大径の支持部により前記鋼管杭を
支えることを特徴とする。
【0007】請求項2の発明は、前記鋼管杭の下部に構
築する支持部は、杭としての鋼管の孔を介して注入され
て、地中に構築する大径の固化層により構成されること
を特徴とする。
【0008】請求項3の発明は、所定の長さと径を有す
る鋼管を地中に打設して構築する杭基礎の構築工法に関
し、前記鋼管を打設装置により地中に打ち込む工程と、
前記地中に打ち込んだ鋼管の中空孔を介して掘削部材を
挿入し、前記鋼管の下部の土を掘削し、掘削した土を排
出して大径の空間を構築する工程と、前記掘削部材によ
り掘削された大径の空間部に固化材を圧入して固化さ
せ、鋼管の下部に大径の固化層による支持部を構築する
工程とを経て、鋼管杭の支持力を増大させる処理を行う
ことを特徴とする。
【0009】請求項4の発明は、前記鋼管杭による基礎
を構築するに際して、前記鋼管杭の中空孔から下部に押
し込んで大径部を構築する掘削部材は、中空で下部に圧
気噴出孔を設け、周囲にスクリュー部材を設けたロッド
部材の下端部に、拡開可能な掘削翼を設け、前記ロッド
部材を回転させて先端部に設けた掘削翼により土を掘削
し、前記ロッド部材の先端部から圧気を噴出させ、掘削
した土を圧気とともにスクリュー部材を介して地上に排
出させ、前記鋼管杭の下部では、前記掘削翼を次第に大
きな角度で広げながら鋼管杭の下部に大径部の空間部を
構築し、前記掘削部材を引上げてから、前記鋼管杭の中
空孔から大径部に向けて固化材を注入し、前記固化材に
より構築した固化層を用いて、鋼管杭の下部に大径の支
持部を構築することを特徴とする。
【0010】請求項5の発明は、前記ロッド部材の中空
部を通して、掘削部材に設ける掘削翼の揺動を行う手段
を前記ロッド部材の上部に設け、前記掘削翼により鋼管
杭の下部に大径空間部を掘削する動作を制御可能に構成
したことを特徴とする。
【0011】前述したように、鋼管杭を用いて支持基礎
を構築するものであるから、鋼管杭の打設を容易に行う
ことが可能であり、前記鋼管杭の孔を利用して掘削部材
を挿入し、杭の下部に大径の空間部を容易に構築でき
る。そして、前記空間部に固化材を充填して固化層を構
築することにより、鋼管杭の支持を強固な固化層により
行い得るので、鋼管杭の強度の特性をそのまま利用でき
て、基礎の構築を容易に行うことが可能で、鋼管杭の強
度をそのまま有効に利用できる。したがって、前記鋼管
杭に対して地盤との接触面積を増加させるための突起部
材を加工する等の、余分な加工を施す必要がないため
に、杭部材の製造と杭基礎の施工コストを低減させるこ
とができ、任意の支持強度を有する地盤に対して容易に
適用が可能である。
【0012】
【発明の実施の形態】図示される例にしたがって、鋼管
杭を用いた基礎とその構築工法を説明する。図1に示す
例は、鋼管杭10を工事地盤に打設する例を示している
もので、鋼管杭10を打設する基礎杭構築装置1として
は、従来より一般に使用されているような作業車両2を
用いる。鋼管杭10の打設を行うために、ガイドポスト
5に沿わせて上下動させる駆動装置9を設け、前記ガイ
ドポスト5を作業車両2のブーム3と補助アーム3aに
より支持している。また、前記ガイドポスト5の頂部に
はヘッド部材6を配置し、車両2に設けているウインチ
4によりワイヤ4aを駆動して、駆動装置9を上下動さ
せながら、鋼管杭10の打設と、以下に説明する掘削部
材15による大径空間部の掘削作業を行う。なお、前記
駆動装置9に対して、作業車両2に設けた油圧ポンプか
らの油圧供給系8と、図示を省略する圧気供給系のパイ
プ7を接続しているが、前記駆動装置の駆動系と圧気供
給系とは、車両2に付属させない他の任意の装置で構成
することが可能である。
【0013】前記鋼管杭10としては、任意の内外径と
肉厚の鋼管(鉄パイプ)を使用することができるもの
で、前記鋼管杭10の長さも、鋼管杭が負担する建物等
の重量や、地盤環境に対応させて任意に設計される。前
記鋼管杭10を工事地盤中に打設するに際しては、駆動
装置9により鋼管杭を回転させながら、上から押圧する
力を付与して、打ち込み作業を行うことが可能である。
そして、前記鋼管杭10の下端部を支持地盤にまで貫入
させるまで打設するもので、前記鋼管杭10の打設作業
に際しては、鋼管杭の周囲の地盤を掻き乱すことがない
状態で作業を行い得るようにする。前述したようにし
て、鋼管杭10を地盤1に垂直に打設した後で、鋼管杭
10の内部の孔に掘削部材15を挿入して、鋼管杭10
の孔に詰まっている土を除去する作業を行う。
【0014】前記掘削部材15としては、中空で内部に
圧気を吹き込む手段を接続したロッド部材16の下端部
に、2つの掘削翼20を開閉可能に設け、ロッド部材1
6の周囲にはスクリュー部材17を設けたものを用い、
前記ロッド部材16の下端部から圧気を噴出させるよう
に構成している。前記スクリュー部材17の外径は、鋼
管杭10の内径に対して、若干の余裕を持たせて形成
し、鋼管杭10の孔の中で自由に回転させ得るように構
成することで、掘削した土を圧気により掻き乱してほぐ
し、前記スクリュー部材17を回転させる作用と、圧気
を排出させる作用とを組み合わせた動作により、前記ス
クリュー部材17に沿って土を排出させるようにする。
【0015】前記掘削部材15のロッド部材16の下端
部に設けている掘削翼20は、図2ないし図4に示して
いるように構成され、揺動可能に支持されているもの
で、図2に示す例では、ロッド部材16の下端部に支軸
21、21aを介して、2つの掘削翼20、20aをそ
れぞれ揺動可能に設けている。前記掘削翼20、20a
を揺動させるために、各掘削翼には接続手段22、22
aを介してワイヤ23、23aを接続し、ロッド部材1
6の上部に配置しているワイヤ巻取り装置25によりワ
イヤの繰出しと巻取りをする。前記ワイヤ巻取り装置2
5においては、ロッド部材16の上部に回転可能に支持
している巻取り部材26に、前記ワイヤ23、23aを
巻いておき、ハンドル28を用いて巻取り部材26を回
転させて、ワイヤの繰出し・巻取りを行い得るようにす
ることができる。また、前記巻取り部材26を回転させ
るために、巻取り部材26の端部にプーリ27を設け
て、前記プーリに巻き付けたワイヤにウエイト部材29
を取り付けて、前記ウエイト部材29の重量により掘削
翼20、20aを常時開く方向に付勢する手段を用いる
ことも可能である。
【0016】前述したように構成した装置において、建
物の基礎に対して杭を打設する場所に、前記図1に示す
ようにして、駆動装置9により鋼管杭10の頭部を保持
して回転と押圧作用とを付与しながら、所定の深さの位
置まで鋼管杭10を打設する。次いで、前記駆動装置9
に掘削部材15を保持させ、ロッド部材16の上端部に
圧気供給手段(図示を省略)のホース端部を接続して、
掘削翼20を打設した鋼管杭10の孔に挿入し、鋼管杭
10に詰っている土を排出させる作業を行う。前記掘削
部材により鋼管杭10に詰っている土を排出するに際し
ては、駆動装置9によりロッド部材16を回転させなが
ら、ロッド部材16の下端部から圧気を噴出させ、掘削
翼20により削られた土を圧気によりほぐしながら、ス
クリュー部材17の回転と排出される圧気により鋼管杭
10の上まで搬送する。
【0017】前述したようにして、鋼管杭10の中に詰
っている土を除去しながら掘削翼20を降下させると、
鋼管杭10の下端部から掘削翼20の端部が突出され、
図2に示すように、鋼管杭10の下部の土を掘削する状
態となる。前記鋼管杭10の孔に詰っている土を除去す
る工程では、ロッド部材16の上部に設けているワイヤ
巻取り装置25では、プーリ27に対して回転力を付与
するウエイト部材29により、ワイヤ23、23aに対
して所定の値の張力を付与した状態で、鋼管杭の内壁面
に掘削翼の先端部を摺動させながら、パイプ内部の清掃
を行うようにする。
【0018】前記掘削翼20が鋼管杭10の下部から突
出された後では、前記ワイヤ巻取り装置25によりワイ
ヤ23、23aを上に引上げるようにして、掘削翼2
0、20aに対して支軸を中心にして拡開する方向の力
を加えながらロッド部材16を回転させ、図3に示すよ
うに、鋼管杭10の下部に大径の大径空間部を形成する
工程の作業を継続して行う。前記鋼管杭10の下部に大
径空間部を構築するに際しては、前記2つの掘削翼2
0、20aには、それぞれ外側に向けて拡開する方向の
力が付与された状態で、ロッド部材16とともに回転さ
れるので、掘削翼が鋼管杭の下部に突出するにしたがっ
て次第に拡開されながら、下部の土を掘削して圧気によ
りほぐし、スクリュー部材17の回転作用により上部に
排出する動作が継続される。
【0019】そして、前記掘削翼20が鋼管杭10の下
部から全体が突出された状態では、図4に示すように、
掘削翼20、20aの長さに対応する径の大径空間部1
1が形成される状態となる。前記大径空間部11を所定
の深さ(高さ)に構築するためには、前記ロッド部材1
6を上下動させながら、圧気の噴出と掘削翼による掘削
を継続して行い、圧気の供給とスクリュー部材の回転に
より、鋼管杭10の孔を通して土を排出させる。前記大
径空間部11の掘削に際して、掘削した土は圧気により
スクリュー部材を介して排出できるが、礫や石等の掘削
翼により破砕されないものは、そのまま大径空間部11
の中に残留する。しかし、前記大径空間部11内に残っ
た石等は、その後に大径空間部11にモルタル等を注入
することにより、モルタルに石等が混入された支持ブロ
ックを構築するので、無理に排除する必要はない。
【0020】前記図4に示すようにして、鋼管杭10の
下部に所定の大きさの大径空間部11を構築した後で、
掘削翼20を引き上げて大径空間部11にモルタル等の
固化材を注入する工程の作業を行う。前記掘削部材を引
上げる際には、ロッド部材16の下部に設けている掘削
翼20、20aは、その翼の上面が鋼管杭10の下端部
に摺動しながらロッド部材16とともに引上げられるの
で、前記掘削翼は支軸21、21aを介して閉じる方向
に自動的に揺動されて、図2の状態に戻されながら鋼管
杭10の中を上昇される。また、前記掘削翼を引き上げ
るに際しては、ワイヤ23、23aの上部を巻き付けて
いる巻取り部材26に対して、ワイヤを巻き取る方向の
力を付与しながら行うと、掘削翼を閉じる作用をより容
易に行わせることが可能である。
【0021】前述したようにして、図4に示すように、
鋼管杭10の下部に大径空間部11を掘削した後で、鋼
管杭10の孔を通して大径空間部11にモルタル等の固
化材を注入する。前記モルタルとしては、鋼管杭が支持
する建物の重量と、下部の地盤の強度等に対応させた強
度を有するように、セメントと砂等を配合したものを用
いることが可能である。そして、前記鋼管杭10の孔を
通してモルタルを注入し、モルタルを固化させることに
より、図5に示すような支持ブロック12を鋼管杭10
の下部に一体に構築することができる。前記固化材とし
ては、モルタルの他に、従来のソイルセメントコラムを
構築する場合と同様に、増強材成分や任意の混合材成分
を混入したものを用いることができ、固化材を注入する
に際しては、鋼管の孔を通して落下させる手段を用いる
他に、前記鋼管杭の径が大径のものである場合には、注
入ホースを掘削した大径空間部にまで挿入して、モルタ
ル等の固化材を空間部内部に充満させることができる。
【0022】したがって、前述したようにして構築した
基礎においては、鋼管杭10の周囲の地盤が乱された状
態とはならないので、鋼管杭を打設した地盤とパイプの
摩擦係数を大きく設定できる。また、前記鋼管杭10の
下部に強度の大きな支持ブロックを構築していることか
ら、前記鋼管杭の下部の支持ブロックの面積の全体が、
掘削面に密着されていることになり、従来の突起部材付
きの鋼管杭の場合のように、杭本体と土との摩擦係数等
を総合した強度の計算上、安全係数等を考慮する必要は
ない。すなわち、前記鋼管杭10としては、計算上の強
度を有するように、適当な肉厚の鋼管を用いることがで
き、そのパイプ材の強度を有効に利用することができる
ものとされる。
【0023】本実施例の鋼管杭基礎の構築工法を用いる
場合には、鋼管杭を打設する作業は容易に行い得るもの
であり、その鋼管杭の下部に大径部の支持ブロックを一
体に構築するのみで、基礎の強度を任意の強さのものと
して構築することができる。また、鋼管杭を打設する際
に、鋼管杭の周囲の地盤を突起物により攪拌して、支持
強度を低下させる等の不都合が生じないという特徴を発
揮できる。そして、前記鋼管杭10の下部に支持ブロッ
クとしての固化層7を構築するための工事も、比較的簡
単な工法を用いて行い得るので、全体として地盤の支持
強度を強化する工事のコストを低下させることが可能で
あり、その鋼管杭の打設を含めた基礎の工事期間を短縮
することが可能である。
【0024】なお、前記鋼管杭の構築工法において、駆
動装置を支持するための装置は、前記実施例に示したよ
うなガイドポストを用いることに限定されるものではな
く、任意の支持手段を用いて駆動装置を支持し、駆動装
置の重量に加えて、任意の押圧手段を用いて押圧しなが
ら回転付与機構を用いて打ち込み作業を行うことが可能
である。また、前記掘削部材のロッド部材に設けるスク
リュー部材の形状等も、土を有効に排出できれば、従来
公知のスクリュー部材を用いることが可能である。さら
に、ロッド部材の下端部に配置する掘削翼の形状と、そ
の開閉機構等も、特にその構造を限定するものではな
く、掘削翼に対する開閉と、大径空間部の掘削に際して
の掘削性能を良好に発揮できれば、その形状と開閉機構
の構成も限定されるものではない。
【0025】
【発明の効果】本発明は、前述したような鋼管杭を用い
て支持基礎を構築するものであるから、鋼管杭の打設を
容易に行うことが可能であり、前記鋼管杭の孔を利用し
て掘削部材を挿入し、杭の下部に大径の空間部を容易に
構築できる。そして、前記空間部に固化材を充填して固
化層を構築することにより、鋼管杭の支持を強固な固化
層により行い得るので、鋼管杭の強度の特性をそのまま
利用できて、基礎の構築を容易に行うことが可能で、鋼
管杭の強度をそのまま有効に利用できる。したがって、
前記鋼管杭に対して地盤との接触面積を増加させるため
の突起部材を加工する等の、余分な加工を施す必要がな
いために、杭部材の製造と杭基礎の施工コストを低減さ
せることができ、任意の支持強度を有する地盤に対して
容易に適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 鋼管杭を打設する装置の構成を示す説明図で
ある。
【図2】 鋼管杭の孔を通して部に掘削翼を設けた掘削
部材の挿入する工程の説明図である。
【図3】 掘削翼を拡開しながら掘削開始する工程の説
明図である。
【図4】 大径部を構築する工程の説明図である。
【図5】 鋼管杭の下部に支持ブロックを構築した状態
の説明図である。
【符号の説明】
1 基礎杭構築装置、 2 作業車両、 3 ア
ーム、4 ウインチ、5 ガイドポスト、 6
頂部装置、7 圧気ホース、 8 油圧系、 9
駆動装置、 10 鋼管杭、11 大径空間部、
12 支持ブロック、 15 掘削部材、16
ロッド部材、 17 スクリュー部材、 20
掘削翼、21 支軸、 22 ワイヤ接続手段、
23 ワイヤ、25 ワイヤ巻取り装置、 26
巻取り部材、27 プーリ、 28 ハンドル、
29 ウエイト部材。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の長さと径の鋼管を用いた鋼管杭に
    よる杭基礎であって、 地中に打設した前記鋼管杭の下部の地盤中に、前記鋼管
    杭の径よりも大径の固化層による支持部を構築し、 前記大径の支持部により前記鋼管杭を支えることを特徴
    とする鋼管杭基礎。
  2. 【請求項2】 前記鋼管杭の下部に構築する支持部は、
    杭としての鋼管の孔を介して注入されて、地中に構築す
    る大径の固化層により構成されることを特徴とする請求
    項1に記載の鋼管杭基礎。
  3. 【請求項3】 所定の長さと径を有する鋼管を地中に打
    設して構築する杭基礎であって、 前記鋼管を打設装置により地中に打ち込む工程と、 前記地中に打ち込んだ鋼管の中空孔を介して掘削部材を
    挿入し、前記鋼管の下部の土を掘削し、掘削した土を排
    出して大径の空間を構築する工程と、 前記掘削部材により掘削された大径の空間部に固化材を
    圧入して固化させ、鋼管の下部に大径の固化層による支
    持部を構築する工程とを経て、鋼管杭の支持力を増大さ
    せる処理を行うことを特徴とする鋼管杭基礎の構築工
    法。
  4. 【請求項4】 前記鋼管杭による基礎を構築するに際し
    て、前記鋼管杭の中空孔から下部に押し込んで大径部を
    構築する掘削部材は、 中空で下部に圧気噴出孔を設け、周囲にスクリュー部材
    を設けたロッド部材の下端部に、拡開可能な掘削翼を設
    け、 前記ロッド部材を回転させて先端部に設けた掘削翼によ
    り土を掘削し、 前記ロッド部材の先端部から圧気を噴出させ、掘削した
    土を圧気とともにスクリュー部材を介して地上に排出さ
    せ、 前記鋼管杭の下部では、前記掘削翼を次第に大きな角度
    で広げながら鋼管杭の下部に大径部の空間部を構築し、 前記掘削部材を引上げてから、前記鋼管杭の中空孔から
    大径部に向けて固化材を注入し、 前記固化材により構築した固化層を用いて、鋼管杭の下
    部に大径の支持部を構築することを特徴とする請求項3
    に記載の鋼管杭基礎の構築工法。
  5. 【請求項5】 前記ロッド部材の中空部を通して、掘削
    部材に設ける掘削翼の揺動を行う手段を前記ロッド部材
    の上部に設け、 前記掘削翼により鋼管杭の下部に大径空間部を掘削する
    動作を制御可能に構成したことを特徴とする請求項3ま
    たは4に記載の鋼管杭基礎の構築工法。
JP2002142722A 2002-05-17 2002-05-17 鋼管杭基礎および鋼管杭基礎の構築工法 Pending JP2003336253A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002142722A JP2003336253A (ja) 2002-05-17 2002-05-17 鋼管杭基礎および鋼管杭基礎の構築工法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002142722A JP2003336253A (ja) 2002-05-17 2002-05-17 鋼管杭基礎および鋼管杭基礎の構築工法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003336253A true JP2003336253A (ja) 2003-11-28

Family

ID=29702927

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002142722A Pending JP2003336253A (ja) 2002-05-17 2002-05-17 鋼管杭基礎および鋼管杭基礎の構築工法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003336253A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014134009A (ja) * 2013-01-09 2014-07-24 Ohbayashi Corp 固化体の造成方法及びそれを用いた鋼管杭の埋込み方法並びに鋼管杭の埋込み構造
CN106759597A (zh) * 2017-01-18 2017-05-31 王燏斌 一种转动挖掘灌注装置及其施工法
CN106759287A (zh) * 2017-01-18 2017-05-31 王燏斌 一种基础挖掘灌注装置及其逆作施工法
CN112482360A (zh) * 2020-11-03 2021-03-12 广州市设计院 用于预制管桩的密封结构及软土地基处理装置
CN114164929A (zh) * 2021-10-21 2022-03-11 王树生 一种沉墙基础及其施工装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014134009A (ja) * 2013-01-09 2014-07-24 Ohbayashi Corp 固化体の造成方法及びそれを用いた鋼管杭の埋込み方法並びに鋼管杭の埋込み構造
CN106759597A (zh) * 2017-01-18 2017-05-31 王燏斌 一种转动挖掘灌注装置及其施工法
CN106759287A (zh) * 2017-01-18 2017-05-31 王燏斌 一种基础挖掘灌注装置及其逆作施工法
CN112482360A (zh) * 2020-11-03 2021-03-12 广州市设计院 用于预制管桩的密封结构及软土地基处理装置
CN114164929A (zh) * 2021-10-21 2022-03-11 王树生 一种沉墙基础及其施工装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008106426A (ja) プレボーリング式プレキャストコンクリート杭埋設方法
WO2004035942A1 (ja) 杭の中掘工法、基礎杭構造
JP2003336253A (ja) 鋼管杭基礎および鋼管杭基礎の構築工法
JP2009263966A (ja) 既設杭の撤去方法
JP5827528B2 (ja) 地中杭の引き抜き工法とその装置
JP4566634B2 (ja) 地盤の改良方法
KR20080092010A (ko) 토목공사용 파일
JP4493185B2 (ja) 砂杭造成装置
JPS60164510A (ja) 削孔工法
JP2004270260A (ja) 無排土による基礎柱体施工装置及び無排土による基礎柱体施工方法
JPS5845529B2 (ja) 鋼管建込み装置
JPH01247611A (ja) 撹拌翼と高圧噴射併用地盤改良工法
JP3443590B2 (ja) ソイル柱施工装置およびソイル柱を施工するための方法
JP3712883B2 (ja) 地盤改良杭造成装置
KR101299643B1 (ko) 기초공사용 파일공 천공장치
JP2006063526A (ja) 摩擦杭を用いた拡大根固め方法
JP2000248867A (ja) 基礎地盤の乾式柱状体製造方法及び製造装置
JP2005240395A (ja) 杭の回転埋設工法
JP2004245024A (ja) 杭基礎の構築装置および杭基礎構築工法
JP3515991B2 (ja) ソイル柱施工装置
JPH0782740A (ja) 鋼管杭用内面切削機、鋼管杭用掘削兼内面切削機およびそれらを用いた中掘り根固め工法
JP2005264452A (ja) 杭基礎の構築工法および杭基礎の構築装置
JP3081799U (ja) ソイル柱施工装置
JP3197874B2 (ja) Pcパイルの建込施工方法
JP2010112028A (ja) 地耐力増強工法および該工法に使用する装置