[go: up one dir, main page]

JP2003336136A - ポリエステル混繊糸 - Google Patents

ポリエステル混繊糸

Info

Publication number
JP2003336136A
JP2003336136A JP2002144534A JP2002144534A JP2003336136A JP 2003336136 A JP2003336136 A JP 2003336136A JP 2002144534 A JP2002144534 A JP 2002144534A JP 2002144534 A JP2002144534 A JP 2002144534A JP 2003336136 A JP2003336136 A JP 2003336136A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester
fiber
yarn
mixed
woven
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002144534A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Yamashita
賢司 山下
Takao Okochi
隆雄 大河内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Ester Co Ltd
Original Assignee
Nippon Ester Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Ester Co Ltd filed Critical Nippon Ester Co Ltd
Priority to JP2002144534A priority Critical patent/JP2003336136A/ja
Publication of JP2003336136A publication Critical patent/JP2003336136A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 明瞭な杢調を有しながら、良好な伸縮性と優
れたふくらみ感及び張り・コシ感を有する織編物を得る
ことができるポリエステル混繊糸を提供する。 【解決手段】 カチオン染料難染性潜在捲縮性ポリエス
テル繊維Aと、カチオン染料易染性潜在捲縮性ポリエス
テル繊維Bとが質量比で30:70〜70:30の混率
で混繊されており、沸水処理後の捲縮率が50%以上、弾
性率が65%以上の捲縮性能を有することを特徴とするポ
リエステル混繊糸。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた伸縮性を有
すると共に、優れたふくらみ感及び張り・コシ感を有
し、染色した後に異色効果により鮮明な杢調が得られる
ポリエステル混繊糸に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、織物に優れた伸縮性を付与す
るためには、種々の方法が採用されている。例えば、織
物を構成する糸条として、伸縮性に優れたポリウレタン
系糸条を用いるという方法がある。しかし、このポリウ
レタン系糸条は、ポリウレタン固有の性質として風合い
が硬く、したがって、織物の風合が低下するという欠点
があった。この欠点を回避するために、ポリウレタン系
糸条とポリエステル系糸条とを併用して織物を製織する
ことも行なわれているが、織物を染色する際に染色加工
が複雑になったり、あるいは所望の色彩(多くの場合濃
色)に染色することが困難になるという欠点があった。
【0003】また、織物を構成する糸条として仮撚加工
糸条を用いて、織物に伸縮性を付与することも行なわれ
ている。仮撚加工糸条には、加撚及び解撚によるトルク
が内在しており、このトルクによって糸条に伸縮性が与
えられている。しかし、このトルクは、織物の伸縮性に
寄与するだけでなく、織物表面のシボに転移しやすいと
いう傾向があり、仮撚加工糸条で構成された織物は、伸
縮性が良好な反面、表面にシボが生じやすいという欠点
があった。この欠点を回避するために、織物に熱処理を
施し、仮撚加工糸条中のトルクを減少させることが行な
われているが、この場合には、シボの発生という欠点は
少なくなるものの、本来目的とした伸縮性が低下すると
いう欠点があった。
【0004】このため、ポリウレタン系糸条や仮撚加工
糸条を使用せずに、捲縮性ポリエステル繊維で構成され
た糸条を使用して、伸縮性織物を得る方法が試みられて
いる。例えば、特開平4−308271号公報には、あ
る特定の捲縮性能を持つ潜在捲縮性複合繊維を使用し、
かつ織物中に存在する潜在捲縮性複合繊維が十分に捲縮
性能を発揮するようにして、伸縮性に優れた織物を得る
方法が記載されている。
【0005】また、この改良として、特開平6−108
357号公報、特開平6−108358号公報には収縮
率の異なる二種の潜在捲縮性ポリエステル系繊維を混繊
させた混繊糸条を使用することで、良好な伸縮性を維持
したまま、優れたふくらみ感及び張り・コシ感を有する
織物を得る方法が記載されている。
【0006】さらに最近では、多種多様なニーズがあ
り、特開平9−241938号公報には、染色性の異な
る2種類のポリマーを使用して混繊糸を得ることによ
り、織編した後に染色部分が不均一に現れる杢調織編物
用ポリエステル混繊糸が開示されている。このようなポ
リエステル混繊糸を用いると、霜降り調、杢調を有する
織編物となり、視覚的に印象が強く、特化した差別化素
材を得ることができる。しかしながら、このポリエステ
ル混繊糸は伸縮性能には劣るものであった。
【0007】このように、これまでに視覚的に印象が強
い明瞭な杢調を有しながら、しかも良好な伸縮性を有す
る織編物を得ることができる、ポリエステル繊維は提案
されていなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、明瞭な杢調
を有しながら、良好な伸縮性と優れたふくらみ感及び張
り・コシ感を有する織編物を得ることができるポリエス
テル混繊糸を提供することを技術的な課題とするもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために検討した結果、本発明に到達したもの
である。すなわち、本発明は、カチオン染料難染性潜在
捲縮性ポリエステル繊維Aと、カチオン染料易染性潜在
捲縮性ポリエステル繊維Bとが30質量%:70質量%
〜70質量%:30質量%の混率で混繊されており、沸
水処理後の捲縮率が50%以上、弾性率が65%以上の捲縮
性能を有することを特徴とするポリエステル混繊糸を要
旨とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明のポリエステル混繊糸を構成するカチオン
染料難染性潜在捲縮性ポリエステル繊維A(以下、難染
繊維Aという)及びカチオン染料易染性潜在捲縮性ポリ
エステル繊維B(以下、易染繊維Bという)は、熱収縮
性能の異なる2種類のポリエステルから構成されること
によって潜在捲縮性を有するものである。熱収縮性能の
異なるポリエステルとするには、溶融ポリマー段階で粘
度差を有するポリエステルとすることが好ましい。特
に、高収縮側ポリエステルには、第3成分としてイソフ
タル酸、アジピン酸、ビスフェノールAのエチレンオキ
シド付加物等を共重合することが好ましく、これにより
収縮差が大きくなり、複合繊維の捲縮発現性を高めるこ
とができる。
【0011】そして、2種類のポリエステルは、繊維の
横断面に対し、偏芯芯鞘型またはサイドバイサイド型に
配したものが好ましいが、捲縮性能の面からサイドバイ
サイド型に貼り合わせたものとするのが特に好ましい。
【0012】本発明における難染繊維Aと易染繊維Bを
構成するポリエステルは、ポリアルキレンテレフタレー
ト、ポリアルキレンナフタレート等があるが、具体的に
はポリエチレンテレフタレート(PET)やポリトリメ
チレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフ
タレート(PBT)が好ましく用いられる。
【0013】そして、上記したように、ポリアルキレン
テレフタレートおよびポリアルキレンナフタレートは、
ポリエステル特有の性能を損なわない範囲であれば、共
重合成分を含有していてもよく、共重合成分としては、
5−ナトリウムスルホイソフタル酸、イソフタル酸、無
水フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカル
ボン酸成分、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカル
ボン酸成分、ジエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、1,4−シクロヘキシルジメタノール、ビスフェ
ノールAのアルキレンオキシド付加物等のグリコール成
分、4−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラクトン等の
ヒドロキシカルボン酸成分等が挙げられる。また、必要
に応じて艶消し剤、難燃剤、抗酸化剤等として無機微粒
子や有機化合物を添加することができる。
【0014】易染繊維Bを形成するポリエステルは、カ
チオン染料に対して易染性とするために、5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸(以下SIPとする。)を0.5
〜3mol%共重合していることが好ましい。易染繊維B
中に共重合するSIP量が0.5mol%未満では、カチ
オン染料での染色時の染色性が不十分となりやすく、混
繊糸及び布帛状態で明瞭な杢調とすることが困難となり
やすい。一方、3mol%を超えると、染色発現性が良好
で杢調が明瞭となるものの、共重合成分を多量に含む影
響により、得られた布帛の風合いが固くなりやすい。ま
た、SIPは、易染繊維Bを構成する2種類のポリエス
テルの一方のみ、または両方共に共重合してもよいが、
染色性を鮮明化するためには2種類のポリエステル両方
に共重合することが好ましい。
【0015】一方、難染繊維Aは、SIPを共重合して
いないことが好ましいが、繊維の捲縮性を高めるため
に、繊維中の全酸成分に対してカチオン染料での染色に
影響がでない程度共重合されていても何ら影響ないもの
である。
【0016】そして、本発明の混繊糸は、難染繊維Aと
易染繊維Bが質量比で30:70〜70:30の混率で
混繊されている必要がある。この範囲から外れると、染
色を施した後の杢感が強調されなくなる。
【0017】さらに、本発明の難染繊維Aと易染繊維B
からなる混繊糸は、沸水処理後の捲縮率が50%以上で
かつ弾性率が65%以上の捲縮性能を有している必要が
あるここで、沸水処理後の捲縮率及び弾性率とは、以下
に示す方法で測定されるものである。検尺機にて5回か
せ取りした混繊糸を、1/6800(cN/dtex)の荷重をかけた
まま30分間放置し、次いでこの状態を維持したまま沸水
中に入れ30分間処理する。その後、30分間風乾し、1/57
0(cN/dtex)の荷重を掛け、長さ(b)を測定する。次
に、1/570(cN/dtex)の荷重をはずした後、1/22.5(cN/dt
ex)の荷重を掛けて、その長さ(c)を測定する。再び1
/570(cN/dtex)の荷重を掛け、その長さ(d)を測定す
る。そして、次の式によって捲縮率及び弾性率を求め
る。 捲縮率(%)=[(c−b)/c]×100、 弾性率(%)=[(c−d)/(c−b)]×100であ
る。
【0018】本発明において、混繊糸の沸水処理後の捲
縮率が50%未満の場合には、捲縮発現後の糸条の伸長
性が乏しくなり、得られる織編物の伸長性も乏しくな
り、織編物に良好な伸縮性を付与できなくなる。また混
繊糸の沸水処理後の弾性率が65%未満の場合には、混
繊糸の伸長回復性が低くなり、得られる織編物の伸長回
復性も低くなり、織編物に良好な伸縮性を付与できなく
なる。
【0019】本発明の混繊糸は、上記の捲縮率と弾性率
を満足することによって、得られる布帛は伸長性と伸長
回復性を満足するものとなり、風合いとして、ふくらみ
感及び張り・コシ感を有する布帛とすることができる。
なお、混繊糸の熱処理後の捲縮率、弾性率が上記値を満
足するためには、各々の繊維を構成するポリエステル中
の共重合成分、共重合量、固有粘度、紡糸条件、延伸条
件を適宜選定すればよい。
【0020】また、本発明の混繊糸は、カチオン染色性
が異なる2種類のポリエステル繊維A、Bが混繊された
ものであるが、織編物とした際の染色後に良好な杢調を
発現するためには、中でも、2種類の繊維の単糸が混ざ
り合って混繊しているのではなく、繊維毎の単糸がまと
まった状態で2種類の繊維が混繊していることが好まし
い。このような混繊状態とするには、紡糸工程において
2種類のポリエステル繊維を別々に紡糸油剤等を付与し
て集束させ、延伸工程で引き揃え混繊することで得られ
たものとすることが好ましい。これにより、より視覚的
に印象の強い明瞭な杢調のものとすることができる。
【0021】また、本発明の混繊糸は、製編織における
工程通過性を向上させるために、延伸工程で流体交絡付
与を行ったものであることが好ましいが、杢調を損なわ
ないために、混繊糸の交絡数は5〜20個/mとするこ
とが好ましい。混繊糸に5個/m以上の交絡を施すこと
で、糸条の集束性が増し、工程通過性が良好となるが、
交絡数が20個/mを超えると、工程通過性は良好であ
るが、混繊糸の杢調が損なわれるため好ましくない。
【0022】さらに、本発明の混繊糸には、高い伸長回
復性を得るために、撚り数500〜1500T/mの範
囲内で撚りを施すことが好ましい。混繊糸に付与する撚
り数が500T/m未満であると、伸長回復性を高める
効果が弱くなるうえ、上記のように混繊糸が2種類のポ
リエステル繊維毎に単糸がまとまった状態で混繊してい
る場合、織編物にループ等の欠点が発生しやすくなる。
一方、撚り数が1500T/mを超えると、混繊糸を織
編物とした後に杢調が強調されにくくなるため好ましく
ない。
【0023】本発明の混繊糸を用いた織編物において
は、織編物を構成する全ての繊維に本発明の混繊糸を用
いることが好ましく、これにより、杢調が明瞭となり、
伸縮性、ふくらみ感及び張り・コシ感が特に優れたもの
となるが、織編物の一部に他の繊維を含む場合であって
もこれらの効果を奏することができる。
【0024】次に、本発明のポリエステル混繊糸の製造
方法について一例を用いて説明する。まず、難染繊維A
は、高粘度ポリエステルと低粘度ポリエステルを通常の
複合紡糸装置に供給して、両成分をサイドバイサイド型
に合流し、紡糸口金から吐出後、冷却、給油した後、未
延伸糸の状態で巻き取る。易染繊維Bも同様にして複合
繊維を紡糸し、未延伸糸の状態で巻き取る。次に、両繊
維A、Bを引き揃え延伸(必要に応じて延伸時又は延伸
後に熱処理)した後、交絡処理を行い、混繊糸を得る。
この後、必要に応じて、混繊糸に撚りを施せばよい。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明をより詳細に説明
する。なお、実施例中の各特性値は次の方法で測定し
た。 a.固有粘度〔η〕 試料をフェノール/エトラクロロエタン(重量比50/
50)の混合溶媒に溶解し、ウベローデ粘度計を使用し
て25℃で測定した。 b.杢調評価 サンプル織物を官能試験により下記10段階評価で実施
した。 1点(杢感が劣っている) 〜 10点(杢感が非常に明
瞭である) 評価点が6点以上を合格とした。 C.風合い評価 サンプル織物を10人のパネラーによる触感による官能
検査を実施した。各サンプルの風合い(伸長性、反発弾
性、ふくらみ、ソフト感の総合評価)を下記5段階評価
により採点してもらい、10人のパネラーの合計点によ
り評価し、35点以上を合格とした。 1点:不良、 2点:やや不良、 3点:普通、 4点:良好、 5点:非常に良好
【0026】実施例1 イソフタル酸(以下、IPAと記載する。)を4mol
%、2,2−ビス〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フ
ェニル〕プロパン(以下、BPEと記載する。)を4m
ol%共重合した極限粘度〔η〕0.70のPETを高
粘度ポリエステル、低粘度ポリエステルとして極限粘度
〔η〕0.48の第3成分を共重合していないPETを
用い、紡糸温度285℃で紡糸孔上流側で両成分をサイ
ドバイサイド型に合流し、吐出孔24孔の紡糸口金から
吐出後、冷却、給油した後、紡糸速度3000m/分の
引き取り速度で巻き取り、80dtex12フィラメン
ト(延伸後50dtex)の難染繊維Aを得た。また、SIP
を2mol%、イソフタル酸を10mol%共重合した
極限粘度〔η〕0.72のPETを高粘度ポリエステ
ル、SIPを1.0mol%共重合した極限粘度〔η〕
0.55のPETを低粘度ポリエステルとして、ポリエ
ステル繊維Aと同様の方法(紡糸温度290℃、紡糸速
度3200m/分)で80dtex12フィラメント
(延伸後50dtex)の易染繊維B(繊維中のSIP
共重合量1.5mol%)を得た。繊維A、Bを引き揃
え、延伸速度500m/分、延伸倍率1.60倍、延伸
熱処理温度160℃にて延伸した後、交絡数5.2個/
mとなるように交絡処理を行い、100dtex24フ
ィラメントの混繊糸(混繊質量比率 繊維A:B=5
0:50)を得た。この混繊糸の熱処理後の捲縮率は6
5.0%、弾性率は82.5%であった。また、この混
繊糸に撚り数800T/mを施した撚糸糸条を経・緯糸
条とし、経糸・緯糸密度を80本/インチとなるように
製織して織物を得、染色を施し、サンプル織物を得た。
なお、染色は、染料としてASTRAZON BLUE FRR (バイエ
ル社製原糸用染料)の0.5%owf、均染剤として酢酸0.2
ml/l、酢酸ナトリウム0.2g/lを使用し、温度100℃及
び130℃で30分間、常法により行った。
【0027】実施例2〜4、比較例1〜5 難染繊維A及び易染繊維Bを構成する各ポリエステルの
共重合成分及び共重合量、固有粘度、繊維の構成(繊度
・フィラメント数)、ポリエステル繊維中のSIP共重
合量を表1に示すように種々変更し、さらに、混繊糸の
混繊比率、交絡数、撚り数を表2に示すように種々変更
した以外は、実施例1と同様に行って、混繊糸を得、さ
らに織物(サンプル織物)を得た。
【0028】実施例1〜4、比較例1〜5で得られた混
繊糸の熱水処理後の捲縮率、弾性率及びサンプル織物の
風合い評価の結果を表2に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】表1、2から明らかなように、実施例1〜
4で得られた混繊糸は、沸水処理後の捲縮率と弾性率を
満足し、捲縮性能に優れたものであり、これらの混繊糸
から得られた織物は、杢調及び風合いの評価が良好であ
った。一方、比較例1の混繊糸は、難染繊維Aを構成す
る2種類のポリエステル成分の粘度差が小さく、沸水処
理後の捲縮率が低かったため、得られた織物は、伸長性
に乏しく、風合い評価が低いものとなった。また、易染
繊維B中のSIP共重合量も少なかったため、得られた
織物は杢調評価が低かった。比較例2の混繊糸は、難染
繊維Aを構成する2種類のポリエステル成分の粘度差が
小さく、沸水処理後の捲縮率と弾性率が低かったため、
得られた織物は、伸長性、反発弾性、ふくらみ感、ソフ
ト感に劣るものであった。また、撚り数が高いため、得
られた織物の杢調評価も低下した。比較例3の混繊糸
は、沸水処理後の捲縮率、弾性率が低く、また、易染繊
維B中のSIP共重合量が多かったため、得られた織物
は、伸長性、反発弾性、ふくらみ感、ソフト感に劣るも
のであった。比較例4の混繊糸は、難染繊維Aの混繊比
率が低かったため、得られた織物の杢調の発現性が低下
した。比較例5の混繊糸は易染繊維Bの混繊比率が低か
ったため、得られた織物の杢調の発現性が低下した。ま
た、撚り数が少なかったため、織物の伸長性、ふくらみ
感、ソフト感が低下した。
【0032】
【発明の効果】本発明のポリエステル混繊糸によれば、
明瞭な杢調を有し、かつ良好な伸縮性と優れたふくらみ
感及び張り・コシ感を有する織編物を得ることが可能と
なる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カチオン染料難染性潜在捲縮性ポリエス
    テル繊維Aと、カチオン染料易染性潜在捲縮性ポリエス
    テル繊維Bとが質量比で30:70〜70:30の混率
    で混繊されており、沸水処理後の捲縮率が50%以上、弾
    性率が65%以上の捲縮性能を有することを特徴とするポ
    リエステル混繊糸。
  2. 【請求項2】 カチオン染色性が異なる2種類の潜在捲
    縮性ポリエステル繊維A、Bは、粘度差を有する2種類
    のポリマーをサイドバイサイド型に貼り合わせた複合繊
    維である、請求項1記載のポリエステル混繊糸。
  3. 【請求項3】 カチオン染料易染性潜在捲縮性ポリエス
    テル繊維Bを形成するポリエステルは、5−ナトリウム
    スルホイソフタル酸を0.5〜3mol%共重合したも
    のである請求項1又は2記載のポリエステル混繊糸。
JP2002144534A 2002-05-20 2002-05-20 ポリエステル混繊糸 Pending JP2003336136A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002144534A JP2003336136A (ja) 2002-05-20 2002-05-20 ポリエステル混繊糸

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002144534A JP2003336136A (ja) 2002-05-20 2002-05-20 ポリエステル混繊糸

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003336136A true JP2003336136A (ja) 2003-11-28

Family

ID=29704180

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002144534A Pending JP2003336136A (ja) 2002-05-20 2002-05-20 ポリエステル混繊糸

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003336136A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010156070A (ja) * 2008-12-26 2010-07-15 Toyobo Specialties Trading Co Ltd 杢調ポリエステル織編物
JP2017172080A (ja) * 2016-03-25 2017-09-28 東レ株式会社 複合捲縮糸

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010156070A (ja) * 2008-12-26 2010-07-15 Toyobo Specialties Trading Co Ltd 杢調ポリエステル織編物
JP4669546B2 (ja) * 2008-12-26 2011-04-13 東洋紡スペシャルティズトレーディング株式会社 杢調ポリエステル織編物
JP2017172080A (ja) * 2016-03-25 2017-09-28 東レ株式会社 複合捲縮糸

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3473890B2 (ja) ポリエステル系複合繊維
JP3545749B2 (ja) 梳毛調布帛及びその製造方法
JPH04308271A (ja) 伸縮性織物の製造方法
JP2001288621A (ja) ポリエステル系複合繊維
JP2002180333A (ja) 潜在捲縮発現性を有するポリエステル系短繊維およびその製造方法
KR20030083577A (ko) 멜란지 효과가 우수한 이수축 혼섬사 및 그의 제조방법
JP2003336136A (ja) ポリエステル混繊糸
JP4923173B2 (ja) ポリエステル織編物
JP4562907B2 (ja) ストレッチ性織編物用ポリエステル複合繊維及びその製造方法
JP6948048B2 (ja) 潜在捲縮性複合繊維
JP2003239151A (ja) 複合糸およびその糸を用いた布帛
JP6591765B2 (ja) 潜在捲縮性複合繊維
JP2002129433A (ja) 高伸縮性ポリエステル系複合繊維
JP2003096642A (ja) 複合布帛とその製造方法
JP2000248430A (ja) 潜在捲縮発現性ポリエステル繊維および製造方法
JP4699072B2 (ja) ストレッチ性ポリエステル複合繊維
JP2001003239A (ja) 高伸縮性織物およびその製造方法
JP2000256924A (ja) 仮撚複合糸
JP2008115497A (ja) ポリエステル接合型複合フィラメント及びそれを用いた混繊糸
JP2007046212A (ja) 複合糸、およびこれを含む布帛製品
JPH0759770B2 (ja) ポリエステル収縮差混繊糸
JPH07305243A (ja) バインダー繊維含有紡績糸
JP2002302836A (ja) 潜在捲縮性繊維を含有する紡績糸
JP2003278039A (ja) ポリエステル複合仮撚糸
JP2530721B2 (ja) 混繊交絡糸

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20050517

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070607

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070626

A02 Decision of refusal

Effective date: 20071113

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02