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JP2003328126A - パターニング方法及び製膜装置 - Google Patents

パターニング方法及び製膜装置

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Publication number
JP2003328126A
JP2003328126A JP2002133964A JP2002133964A JP2003328126A JP 2003328126 A JP2003328126 A JP 2003328126A JP 2002133964 A JP2002133964 A JP 2002133964A JP 2002133964 A JP2002133964 A JP 2002133964A JP 2003328126 A JP2003328126 A JP 2003328126A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mask member
base material
patterning method
gas
forming apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002133964A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanobu Muramoto
雅信 村本
Katsura Hirai
桂 平井
Naoto Yamamoto
直人 山本
Ko Mizuno
航 水野
Kiyoshi Oishi
清 大石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2002133964A priority Critical patent/JP2003328126A/ja
Publication of JP2003328126A publication Critical patent/JP2003328126A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Electrodes Of Semiconductors (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
  • Internal Circuitry In Semiconductor Integrated Circuit Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材上へのパターンの形成の生産性を大幅に
高めるとともに、真空環境をつくる必要もなく、パター
ンを基材上に連続的に、安定して形成、処理することが
できるメンテナンス性の向上したパターニング方法及び
該パターニングを行う製膜装置を提供することを目的と
する。 【解決手段】 基材表面に所定のパターンの開口部が形
成されたマスク部材を配置する第1のステップ、前記基
材及び前記マスク部材を大気圧下でプラズマ化された金
属元素を含む反応ガスに曝す第2のステップ、基材表面
から前記マスク部材を剥離することにより、基材表面に
前記所定のパターンを残す第3のステップからなるパタ
ーニング方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種基板に回路を
実装するためのパターニング方法、或いは支持体上への
装飾等におけるパターニング方法及び該パターニングを
行う製膜装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来基板等に配線等のパターニングを行
うにはフォトリソグラフとエッチングを組み合わせたも
のが一般的であった。基板としては例えばガラス基板、
フレキシブル基板があり、フレキシブル基板は精密機器
における回路の実装、ガラス基板は例えばディスプレイ
パネル等における回路の実装等に煩雑に利用される。
【0003】こうした基板上へのパターニングとして
は、基板上に絶縁層或いは金属層を全面に形成し(こう
した層形成は真空環境下でプラズマCVD等の処理が行
われていた)、その後感光性の樹脂層等を形成の上、フ
ォトリソグラフによるパターン照射、又、更に現像液・
エッチングガス等によるエッチングなど各種の複雑な工
程を経ていた。
【0004】こうしたパターン形成工程では、以下のよ
うな問題があった。上述のように真空環境が必要になる
ことから、真空のチャンバーを別途用意する必要があ
る。真空状態をつくるのには空気を掃引する必要があ
り、その為に実際の処理までに多くの待ち時間が必要に
なる。真空チャンバーの大きさには限度があり、対応す
る基材が変更されると、新たに高価な真空チャンバーを
用意する必要があり、コストが膨大なものとなる。又、
真空チャンバーに基材を入れたり、取り出す作業が毎回
発生する為、連続処理が困難となる。特に長尺物(ウエ
ブ等)が基材となる場合は対応出来ない。更に、各種の
層を順次積層する際にも真空チャンバーの切り替えが発
生するため、その度に別途待ち時間を要する。
【0005】又、現像処理において現像液を用いる場合
においては、液の塗布、ディップ等のコーターの設備、
又、除去工程等の作業が必要となり、工程の一部にウエ
ット環境を組み込まざるを得ない。
【0006】一方、基材上に所定の膜をつける方法にお
いては、大気圧プラズマ法が知られている。しかしなが
らこの方法は通常、基材の全面に製膜することを前提と
しており、部分的に製膜する方法は確立されていない。
こうしたプラズマ処理装置としては例えば、平板電極間
に基材を配置し、そこに励起ガスと反応ガスを導入し、
反応ガスをプラズマ状態にして基材に付着させる方式が
ある。こうした装置では電極そのものは平板状の面で構
成せざるを得ないため、部分的なガスの導入は難しい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の問題を
解決するものであり、基材上へのパターンの形成を容易
にし、生産性を大幅に高めるとともに、真空環境をつく
る必要もなく、待ち時間を要さない処理が行え、パター
ンを基材上に連続的に形成、処理することができ、欠陥
(アーク放電)のない安定した処理が可能であり、現像
等のウエットの処理を実質的に必要としない、メンテナ
ンス性の向上したパターニング方法及び該パターニング
を行う製膜装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は以下
の手段により達成される。
【0009】1.基材表面に所定のパターンの開口部が
形成されたマスク部材を配置する第1のステップ、前記
基材及び前記マスク部材を大気圧下でプラズマ化された
金属元素を含む反応ガスに曝す第2のステップ、基材表
面から前記マスク部材を剥離することにより、基材表面
に前記所定のパターンを残す第3のステップからなるこ
とを特徴とするパターニング方法。
【0010】2.前記第2のステップにおいて、更に還
元ガスを導入することを特徴とする前記1に記載のパタ
ーニング方法。
【0011】3.前記還元ガスは前記反応ガスと混合さ
れて導入されることを特徴とする前記2に記載のパター
ニング方法。
【0012】4.前記反応ガスが導入された後に、前記
還元ガスが導入されることを特徴とする前記2に記載の
パターニング方法。
【0013】5.前記第2のステップにおいて、前記反
応ガスは励起ガスと共に励起されることを特徴とする前
記1〜4のいずれか1項に記載のパターニング方法。
【0014】6.前記反応ガスは平板電極間に電界を印
加することでプラズマ化されることを特徴とする前記5
に記載のパターニング方法。
【0015】7.前記基材及び前記マスク部材は平板電
極間に導入されることを特徴とする前記6に記載のパタ
ーニング方法。
【0016】8.前記マスク部材は平板電極間に導入さ
れる前に基材表面上に密着するように配置されることを
特徴とする前記7に記載のパターニング方法。
【0017】9.平板電極の少なくとも一方の電極は誘
電体により被覆されることを特徴とする前記6又は7に
記載のパターニング方法。
【0018】10.反応ガスと励起ガスは予め励起さ
れ、前記基材表面に導入されることを特徴とする前記5
に記載のパターニング方法。
【0019】11.前記マスク部材は非金属材料からな
るシートであることを特徴とする前記1〜10のいずれ
か1項に記載のパターニング方法。
【0020】12.前記マスク部材は樹脂製のテープで
あることを特徴とする前記11に記載のパターニング方
法。
【0021】13.前記マスク部材は耐熱性の樹脂から
なることを特徴とする前記11に記載のパターニング方
法。
【0022】14.前記樹脂はポリイミド系の樹脂であ
ることを特徴とする前記12又は13に記載のパターニ
ング方法。
【0023】15.マスク部材の裏面に基材に対し剥離
可能な粘着層を有することを特徴とする前記1〜14の
いずれか1項に記載のパターニング方法。
【0024】16.マスク部材はエンドレスなシートで
あることを特徴とする前記1〜15のいずれか1項に記
載のパターニング方法。
【0025】17.前記のマスク部材は、電界を印加さ
れることでプラズマ化される前記反応ガスと励起ガスと
共に平板電極間に導入され、前記平板電極の一方の電極
を包含するように配置されることを特徴とする前記16
に記載のパターニング方法。
【0026】18.前記基材はシート状で且つフレキシ
ブルな素材で構成されることを特徴とする前記1〜17
のいずれか1項に記載のパターニング方法。
【0027】19.前記第2のステップ及び第3のステ
ップを複数有し、これらステップを繰り返し実行するこ
とにより、複数の層が前記基材上に形成されることを特
徴とする前記1〜18のいずれか1項に記載のパターニ
ング方法。
【0028】20.前記複数の第2、第3のステップに
対応して複数の第1のステップを有し、第1のステップ
の各々において独立したマスク部材を用いることを特徴
とする前記19に記載のパターニング方法。
【0029】21.前記複数の第1のステップの各々に
対応して、マスク部材へのパターン形成手段を複数有す
ることを特徴とする前記20に記載のパターニング方
法。
【0030】22.前記パターン形成手段はレーザー書
き込み手段であることを特徴とする前記21に記載のパ
ターニング方法。
【0031】23.対向する2つの電極間に、基材表面
に所定のパターンの開口部が形成されたマスク部材を配
置する第1のステップ、前記基材及び前記マスク部材
を、大気圧又は大気圧近傍の圧力下において前記電極間
に電圧を印加して放電させることによりプラズマ化され
た金属元素を含む反応ガスに曝す第2のステップ、基材
表面から前記マスク部材を剥離することにより、基材表
面に前記所定のパターンを残す第3のステップにより、
前記基材上に所定のパターンからなる膜を形成する製膜
装置において、マスク部材を基材上に密着配置し、又、
基材から剥離するためのマスク着脱手段を有することを
特徴とする製膜装置。
【0032】24.還元ガスを導入する手段を有するこ
とを特徴とする請求項23に記載の製膜装置。
【0033】25.励起ガスを導入する手段を有するこ
とを特徴とする請求項23又は24に記載の製膜装置。
【0034】26.対向する2つの電極の少なくとも一
方が誘電体により被覆されることを特徴とする請求項2
3〜25のいずれか1項に記載の製膜装置。
【0035】27.前記マスク部材は非金属材料からな
るシートであることを特徴とする請求項23〜26のい
ずれか1項に記載の製膜装置。
【0036】28.マスク部材はエンドレスなシートで
あることを特徴とする請求項23〜26のいずれか1項
に記載の製膜装置。
【0037】29.前記第2のステップ及び第3のステ
ップを複数有し、これらステップを繰り返し実行するこ
とにより、複数の層が前記基材上に形成されることを特
徴とする請求項23〜28のいずれか1項に記載の製膜
装置。
【0038】30.前記複数の第2、第3のステップに
対応して複数の第1のステップを有し、第1のステップ
の各々において独立したマスク部材を用いることを特徴
とする請求項29に記載の製膜装置。
【0039】31.前記複数の第1のステップの各々に
対応して、マスク部材へのパターン形成手段を複数有す
ることを特徴とする請求項30に記載の製膜装置。
【0040】以下、本発明の実施の形態について説明す
る。
【0041】
【発明の実施の形態】図1〜4により本発明の原理につ
いて説明する。
【0042】図1においては、基材1上に所定のパター
ンの孔が空けられたマスク部材Mを載せ、大気圧プラズ
マ処理を行う、対向して配置された平板電極(3,4)
間に配置したところを示している。このマスク部材とし
ては、樹脂製のテープ等が使用可能であり、図1はマス
ク部材Mとして樹脂製粘着テープを基材上に配置したも
のである。平板電極3,4はそれぞれ金属母材に誘電体
層が被覆された構成となっている。大気圧プラズマ処理
においては平板電極を対向して配置した場合、反応ガス
を安定してプラズマ状態とするため該平板電極間には高
電圧が印加される。このとき電極と基材間でアーク放電
が発生すると、基材上の製膜に重大な支障を来すが、こ
のようにマスクとして非金属材料を用いることにより、
不要な放電を防止して、安定したプラズマ状態を維持す
ることができる。
【0043】又、マスク部材Mと基材1間には剥離可能
な粘着剤が付与され、それによりマスク部材はもって基
材に密着する様に構成されることが好ましい。又、この
マスク部材には耐熱性樹脂が使用され、プラズマ形成中
の高温に耐えられる素材が用いられる。大気圧下でのプ
ラズマ処理中には少なくとも100℃以上の高温が発生
する。
【0044】例えばこのような粘着性及び耐熱性を有す
る素材として、ポリイミド製の粘着テープを選択出来
る。その他PTFE(Poly(tetrafluor
oethylene))製の粘着テープも選択可能であ
る。こうしたテープは200℃或いは300℃以上の高
温に耐えることができ、プラズマガス中でマスクとして
機能させることができる。
【0045】基材についてはガラス基板、その他プラス
チック基板等を用いることが可能である。基材はシート
状で且つフレキシブルな素材で構成されることが好まし
く、特に樹脂製のフィルム、シートを挙げることができ
る。
【0046】上記の基材として好ましい材料の具体例と
しては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナ
フタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフ
ィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロ
ースジアセテートフィルム、セルロースアセテートブチ
レートフィルム、セルロースアセテートプロピオネー
ト、セルロースアセテートフタレートフィルム、セルロ
ーストリアセテート、セルロースナイトレート等のセル
ロースエステル類又はそれらの誘導体からなるフィル
ム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコー
ルフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シン
ジオタクティックポリスチレン系フィルム、ポリカーボ
ネートフィルム、ノルボルネン樹脂系フィルム、ポリメ
チルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、
ポリイミドフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、
ポリスルホン系フィルム、ポリエーテルケトンイミドフ
ィルム、ポリアミドフィルム、フッ素系フィルム、ナイ
ロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、ア
クリルフィルム或いはポリアリレート系フィルム等があ
げられる。
【0047】これらの素材は単独で或いは適宜混合され
て使用することもできる。中でもゼオネックス(日本ゼ
オン(株)製)、ARTON(日本合成ゴム(株)製)
などの市販品を好ましく使用することができる。更に、
ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン及び
ポリエーテルスルホンなどの固有屈折率の大きい素材で
あっても、溶液流延、溶融押し出し等の条件、更には
縦、横方向に延伸条件等を適宜設定することにより得る
ことができる。又、本発明に係わる支持体は、上記の記
載に限定されない、膜厚としては10μm〜1000μ
mのフィルムが好ましく用いられる。
【0048】大気圧プラズマ法においては、大気圧また
は大気圧近傍の圧力の下、製膜を行おうとする基材を2
枚の平板電極間に配置して、励起ガス、反応ガスを導入
し、且つ電界を形成することにより、反応ガスをプラズ
マ化する。前記反応ガスを金属原子を含む化合物から選
ばれると共に、プラズマ雰囲気中に還元性を有する還元
ガスを供給することにより、前記基材の表面に金属膜を
形成するものである。ここで、大気圧または大気圧近傍
の圧力とは、20kPa〜110kPaの圧力であり、
さらに好ましくは93kPa〜104kPaである。
【0049】具体的には、本発明の製膜方法において
は、前記金属膜の材料となる反応ガスとプラズマ源とな
る励起ガス(不活性ガス)を含有する反応性混合ガスを
導入し、かつ、還元性を有する還元ガスと励起ガス(不
活性ガス)とを含有する還元性混合ガスを導入すること
で、最終的に金属膜を形成する。
【0050】工程としては、反応性混合ガスと還元性混
合ガスをほぼ同時に供給してもよい。この場合には、基
材上に直接金属膜が形成されると思われる。微視的に
は、一時的に金属酸化膜が形成され、その後還元される
工程も含まれると考えられる。
【0051】ところで、大気圧プラズマ法では、アルゴ
ン等の不活性ガスを導入することでプラズマを生じさせ
るが、還元性のガスを導入するとその分不活性ガス成分
の割合が減少し、プラズマが発生しにくくなり膜の形成
が少し遅くなる。そこで、なるべく製膜速度を上げたい
場合には、上記のような反応性混合ガスと還元性混合ガ
スをほぼ同時に供給する方法ではなく、前記基材の表面
に、反応ガス由来の金属酸化膜を形成した後に、還元性
混合ガスを供給することで、金属酸化膜を還元して金属
膜を形成する。
【0052】さらに、金属酸化膜の形成(堆積)→還元
処理(金属膜の形成)→金属酸化膜の堆積→還元処理・
・・というように金属酸化膜の堆積と還元処理を複数回
繰り返してもよい。金属酸化膜を一回の工程で厚く堆積
してしまった後、還元処理をしても、表面だけしか還元
されない可能性がある。しかし、複数回工程を繰り返す
ことで、膜全体を十分に還元処理し金属膜を得ることが
できる上に、繰り返し膜を堆積することで緻密な膜を得
ることができる。具体的には、0.1nm〜500nm
堆積後、還元処理することが好ましい。更に言えば、
0.1nm〜50nm堆積後、還元処理することが好ま
しい。
【0053】本発明で用いられる還元ガスとしては、還
元剤であってガス状あるいはミスト状でプラズマ装置内
に供給できるものであればよいが、例えば水素
(H2)、アンモニア(NH3)、メタン(CH4)、エ
タン(C26)、ヨウ化水素(HI)、硫化水素(H2
S)、一酸化炭素(CO)、二酸化硫黄(SO2)、過
酸化水素(H22)、水(H2O)が挙げられ、これら
の中から1つ又は複数を用いることができる。特に、H
2、NH3、CH4が好ましい。
【0054】上記の還元ガスは、不活性ガスとともに還
元性混合ガスとして装置内に供給され、還元性混合ガス
のうち、1〜10体積%含有させることが好ましい。
【0055】また、還元性混合ガスに含まれる不活性ガ
スとしては、具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴ
ン、クリプトン、キセノン、ラドン等が挙げられるが、
プラズマの発生しやすさから、ヘリウム、アルゴン、中
でもアルゴンが好ましく用いられる。
【0056】これら還元ガスを供給することで、雰囲気
中の酸素が除去されたり、あるいは金属酸化膜が還元さ
れることで、純粋な金属膜を形成することができる。さ
らに、還元ガスによって酸素だけでなく、フッ素、塩素
などのハロゲン系の元素や硫黄、炭素や窒素等の不純物
も除去できる。例えば、還元ガスとして水素を用いれ
ば、酸素はH2Oとして、炭素は主にメタンとして、窒
素であればアンモニアとして除去することができる。こ
の点でも、不純物の少ない金属膜を形成することができ
る。
【0057】本発明で用いられる反応ガスとしては、金
属を含むことが必須であり、有機金属化合物が好適に用
いられ、特にプラズマ空間内にガス状またはミスト状で
供給可能な化合物が好ましい。「ガス状またはミスト状
で供給可能」とは、常温・常圧でそのまま供給可能でも
よいし、常温・常圧で液体又は固定である場合には、加
熱、減圧、超音波照射等の方法で気化したり、適切な溶
剤に溶解してもよい。
【0058】希釈時の溶剤はプラズマ中で分子レベル、
原子レベルで分解されるため、金属膜の形成への影響は
ほとんど無視できる。
【0059】有機金属化合物の一例としては、有機珪素
化合物、有機チタン化合物、有機スズ化合物、有機亜鉛
化合物、有機インジウム化合物、有機アルミニウム化合
物、有機銅化合物及び有機銀化合物などが挙げられる。
【0060】また、有機金属化合物としては、金属の種
類に関わらず金属アルコキシドや有機金属錯体が好まし
く、例えば一般式(1)で表せる化合物が好ましい。こ
こで、Mは金属原子、X1、X2は炭素を含む官能基、n
は金属に対する結合数を示すもので1以上の整数を示
す。
【0061】
【化1】
【0062】上記金属アルコキシドや有機金属錯体の例
としては、チタン化合物としてはチタニウムエトキシド
(TEOT)、チタニウムイソプロポキシド(TTI
P)、銅化合物としてはhfa・Cu・tmvs(下記
式(2))、インジウム化合物としてはトリス(2,
2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネー
ト)インジウムIII(下記式(3))、亜鉛化合物とし
てはDPM2Zn(Bisdipivaloylmet
hanatozinc)、すず化合物としてはジブチル
スズジアセトナト(n−C492Sn(OCOCH3
2が挙げられる。
【0063】
【化2】
【0064】上記の反応ガスは、反応性混合ガスのう
ち、0.01〜10体積%含有させることが好ましい。
【0065】また、反応性混合ガスに含まれる不活性ガ
ス(励起ガス)としては、周期表の第18属元素、具体
的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キ
セノン、ラドン等が挙げられるが、本発明に記載の効果
を得るためには、ヘリウム、アルゴンが好ましく用いら
れる。緻密で、高精度の薄膜を形成するためには、不活
性ガスとしてアルゴンを用いることが最も好ましい。ア
ルゴンを用いると、高密度プラズマが発生しやすいと推
定している。不活性ガスの割合は、反応性混合ガス中、
90体積%、好ましくは95体積%以上である。
【0066】また、前述の金属酸化膜の堆積後、還元処
理する場合(繰り返し処理も含む)には、反応性混合ガ
ス中に水素(H2)、酸素(O2)、オゾン(O3)、C
x 4-x(0≦x≦4)、CHxCl4-x(0≦x≦
4)、アンモニア(NH3)、ヨウ化水素(HI)、硫
化水素(H2S)、一酸化炭素(CO)、二酸化硫黄
(SO2)、過酸化水素(H22)、水(H2O)等から
選択される添加成分を0.01〜1体積%含有させるこ
とにより、反応が促進され、且つ、緻密で良質な薄膜を
形成することができる。
【0067】なお、これら添加成分は、前記還元ガスと
共通の成分も含まれるが、ここでは反応ガスとともに供
給されるもので、金属酸化膜を堆積する場合に添加する
ものである。これらガスを添加することで緻密で純粋な
より良質の金属酸化膜を形成することができる。これに
より、この後の還元処理後に得られる金属膜も良質なも
のとなる。
【0068】また、本発明の方法は純粋な金属膜を確実
に得ることができるものであるが、所望する物性によっ
ては意識的に所定濃度の不純物を含有する膜を形成する
こともできる。例えば、金属膜に、H、C、N、O、
F、S、Cl、Br、Iのうち、一種類又は複数種類の
元素を所定割合含有させることで、膜の導電率を純粋な
金属膜よりも下げることができる。これらの元素は、上
述の全てのガス成分を由来とするもので、すなわち、反
応性ガスや還元性ガス、これらとともに供給される不活
性ガス内の微量成分、さらには反応性ガスとともに添加
される添加成分を由来とする。
【0069】不純物の含有量は、プラズマ状態をコント
ロールすることで制御することができる。具体的には、
プラズマ還元処理時の印加する電圧のパワーや、還元ガ
ス濃度で調節することができる。さらには、後述するよ
うに高周波電源にパルス電圧を印加する場合、パルスの
デューティ比を変えることで制御することができる。不
純物量は、膜形成後に、例えばESCA(Electr
on Spectroscopy for Chemi
cal Analysis)で調べることができ、C元
素やO元素であれば0〜10%の範囲で含有するよう調
節する。
【0070】本発明において、基材上に金属膜を形成す
る際に用いる、プラズマ処理装置の構成の一例を図2に
示す。図2において、符号Fはプラズマ処理を行おうと
する基材を示す。基材Fは、プラズマ処理を受ける前
に、帯電防止のための除電処理や、ゴミ除去処理される
ことが好ましい。
【0071】図2に示すプラズマ処理装置には、所定間
隔をあけて対向する平板な電極3、4が設けられてい
る。電極3には、高周波電源5が接続され、一方、電極
4はグランド電位に接続されている。
【0072】前記電極間には、高いプラズマ密度を得て
製膜速度を大きくするため、高周波電圧で、ある程度大
きな電力を供給することが好ましい。具体的には、電極
3に対して、100kHz以上800MHz以下の高周
波数の電圧を印加することが好ましく、200kHz以
上であればより一層好ましい。また、電極間に供給する
電力の下限値は、1W/cm2以上50W/cm2以下で
あることであることが好ましく、2W/cm2以上であ
ればより一層好ましい。なお、電極における電圧の印加
面積(/cm2)は放電が起こる範囲の面積のことであ
る。
【0073】電極間に印加する高周波電圧は、断続的な
パルス波であっても、連続したサイン波であってもよ
い。製膜速度を大きくしたい場合にはサイン波が好まし
い。
【0074】また、前述のように金属膜に不純物を含有
したい場合には、パルス波でもよい。断続的なパルス波
は、連続的なサイン波よりも、オフタイムにおいてプラ
ズマ密度が下がり系内の反応性が弱まり、還元ガスによ
る不純物濃度を除去する反応が抑制されるからである。
よって、パルス波のデューティ比を制御することで、膜
中の不純物濃度を制御できるようになる。不純物濃度の
制御のための場合、デューティ比は0.1〜10の範囲
内で制御する。パルス波の生成方法としては、例えば、
電極3に100kHz〜800MHzの高周波電圧を印
加する場合、10〜100kHzのパルス電圧を重畳す
ることで生成する。
【0075】電極3、4としては、金属母材上に誘電体
を被覆したものであることが好ましい。ここで母材とし
て使用される金属としては、銀、白金、ステンレス、ア
ルミニウム、鉄等の金属が使えるが、ステンレスが加工
の容易さの点で好ましい。
【0076】少なくとも電極3,4のいずれか一方に誘
電体を被覆すること、好ましくは、両方に誘電体を被覆
することである。誘電体としては、比誘電率が6〜45
の無機物であることが好ましい。
【0077】誘電体としては、ケイ酸塩系ガラス、ホウ
酸塩系ガラス、リン酸塩系ガラス、ゲルマン酸塩系ガラ
ス、亜テルル酸塩ガラス、アルミン酸塩ガラス、バナジ
ン酸塩ガラス等をライニング処理して設けることが出来
る。この中でもホウ酸塩系ガラスが加工し易い。また、
気密性の高い高耐熱性のセラミックを焼結した焼結性セ
ラミックスを用いることも好ましい。焼結性セラミック
スの材質としては例えばアルミナ系、ジルコニア系、窒
化珪素系、炭化珪素系のセラミックスである。
【0078】電極3、4の一方に誘電体を設置した場合
の誘電体と対向する電極の最短距離、上記電極の双方に
誘電体を設置した場合の両誘電体同士の距離としては、
いずれの場合も均一な放電を行う観点から0.5mm〜
20mmが好ましく、特に好ましくは1mm±0.5m
mである。この電極間の距離は、電極周囲の誘電体の厚
さ、印加電圧の大きさ等を考慮して決定される。
【0079】また、図2のようにプラズマ処理を行おう
とする基材F(本発明の場合、マスク部材を密着させた
フィルム基材)を電極間に載置あるいは電極間を搬送し
てプラズマに晒す場合には、更に誘電体表面を研磨仕上
げし、電極の表面粗さRmax(JIS B 060
1)を10μm以下にすることで、誘電体の厚み及び電
極間のギャップを一定に保つことができ、放電状態を安
定化できる。
【0080】また、金属母材に対する誘電体被覆による
電極製作において、前記のように、誘電体を研磨仕上げ
することや、電極の金属母材と誘電体間の熱膨張の差を
なるべく小さくすることが必要であるので、母材表面
に、応力を吸収出来る層として泡混入量をコントロール
して無機質の材料をライニングすることが好ましい。特
に材質としては琺瑯等で知られる溶融法により得られる
ガラスであることが良く、更に導電性金属母材に接する
最下層の泡混入量を20〜30vol%とし、次層以降
を5vol%以下とすることで、緻密でかつひび割れ等
が発生しない良好な電極が出来る。
【0081】また、電極の母材に誘電体を被覆する別の
方法として、セラミックスの溶射を空隙率10vol%
以下まで緻密に行い、更にゾルゲル反応により硬化する
無機質の材料にて封孔処理を行うことが挙げられる。こ
こでゾルゲル反応の促進には、熱硬化やUV硬化が良
く、更に封孔液を希釈し、コーティングと硬化を逐次数
回繰り返すと、よりいっそう無機質化が向上し、劣化の
無い緻密な電極が出来る。
【0082】プラズマ処理装置の処理室2内の圧力は特
に調節せず、ガス導入後も含めて大気圧又は大気圧近傍
の圧力に保たれる。
【0083】図2に示すように、プラズマ処理装置内の
入り口1a側には、処理室2に連続する予備室10、1
1が設けられ、出口1b側には処理室2に連続する予備
室12が設けられている。金属膜形成時に予備室10、
11、12の内圧よりも処理室2内の方が高くなるよう
に調節する。このように圧力差が生じることにより、外
部空気の混入を防止し、気体中の反応ガスのプラズマ化
が促進される。調節方法としては、例えば吸引ファンや
真空ポンプなどを用いればよい。なお、予備室はなくて
もよく、またその個数や大きさについては適宜変更可能
である。
【0084】上記のように圧力制御や空気の混入防止の
ための間仕切りとフィルムFの搬送を兼ねて、入り口1
a、予備室10と予備室11との間、予備室11と処理
室2との間にニップロール7をそれぞれ設け、処理室2
と予備室12との間、出口1bにはニップロール8が設
けられている。
【0085】プラズマ処理装置の入り口1aから搬入さ
れた基材Fは、電極4に接触した状態でプラズマ処理さ
れ、出口1bから搬出されるようになっている。
【0086】処理室2は、混合ガスを処理室2内に導入
するための給気口9と、ガスを排出するための排気口1
3を有する。
【0087】図2で示すプラズマ処理装置を用いて基材
Fの表面に金属薄膜を形成する際には、前記基材Fをニ
ップロール7を介して、電極4に接触した状態で処理室
2内に搬入する。処理室2には給気口9より導入された
反応性混合ガス・還元性混合ガスが存在しており、電極
3に高周波電源5より所定の周波数の電圧を印加し、放
電プラズマを発生させることで、基材Fの表面に反応性
ガス由来の金属膜を形成させる。金属膜を表面に形成し
た基材Fは出口1bから搬出する。
【0088】本発明においては、上記プラズマ処理装置
に、基材Fとして、マスク部材が密着、重ねられたフィ
ルムを用いることで、マスク部材側のフィルム表面に金
属膜を形成することができ、出口1bからこれを搬出し
た後、更に、基材フィルムからマスク部材を剥離するこ
とで、基材フィルム上に金属膜パターンを形成すること
ができる。
【0089】金属膜パターンが形成されたフィルム(ウ
エブ)は、その後、打ち抜き加工され、それにより金属
膜パターンが形成されたシート状基板が打ち抜かれる。
【0090】なお、図2に示したプラズマ処理装置は、
一例にすぎず、本発明で用いるプラズマ処理装置として
は他の構成であってもよい。例えばロール状に形成され
た電極とその周りに配置した電極との間に基材を通し、
プラズマ発生するように構成された装置であってもよ
い。あるいは、電極間には基材を設置せず、電極間でプ
ラズマ化したイオンなどを、電極近傍に設置した基材に
対して吹きつけるように構成された装置であってもよ
い。
【0091】本発明の製膜方法では、純粋な金属膜を得
るために、あるいは所望の不純物濃度を得るために、プ
ラズマ処理中、プラズマ発光スペクトルを発光分光装置
でリアルタイムでモニタリングし、プラズマ雰囲気中の
各成分を検出することが好ましい。
【0092】すなわち、プラズマ種により発光スペクト
ルの波長が異なることから、各波長の発光スペクトルの
強度を検出することでプラズマ雰囲気中に存在する粒子
種を知ることができる。例えば、金属酸化膜を還元処理
して純粋な金属膜を得ようとする場合、発光スペクトル
で酸素(代表的な波長777nm)を起因とするピーク
がなくなれば、還元処理が終了して純粋な金属膜になっ
たことが分かる。このようにモニターすることで、反応
の終了時を検出できる。また、ある種の不純物につい
て、プラズマ雰囲気中の発光強度と、得られた金属膜に
残る不純物の濃度との関係について予め検量線などを作
成しておけば、モニターしながらその不純物について所
定の発光強度となったところでプラズマ処理を止めれ
ば、得られた金属膜中に所望濃度で不純物を含有させる
ことができる。
【0093】モニターする波長としては、例えば各元素
の発光スペクトルを十分に含む200〜1000nmの
範囲である。
【0094】本発明の製膜方法で形成される金属膜とし
ては、導電性の金属膜であれば、問題ないが、特に、A
l、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Z
n、Pd、Ag、In、Sn、Ta、W、Pt、Auか
ら選択される一つ又は複数から形成することが好まし
い。
【0095】形成される金属膜の膜厚としては、0.1
nm〜10μmの範囲である。本発明によれば、上記の
ように、大気圧プラズマ処理を用い、対向して配置した
平板電極間に樹脂製のマスク部材を重ねた基材を搬送
し、反応ガスを導入して、高電圧を印加し、電極と基材
間でアーク放電を発生させ、反応ガスをプラズマ状態と
して前記樹脂製のマスク部材を重ねた基材上に金属成分
を積層させ、導電性の高い金属膜を形成し、その後、樹
脂製のマスクを基材から剥離することで、マスク部材の
孔のあいた部分に、直接基材上に形成された金属膜のみ
が残り、その結果、基材上に所定の金属膜のパターン、
即ち配線ラインが形成される。
【0096】図3は、対向する平板電極(3,4)間に
おいてマスク部材Mを重ねた基材1上の全面に金属膜
M′が形成されたところを模式的に示しており、図4
は、マスク部材Mを基材から剥離して、マスク部材上に
形成された金属膜M′をマスク部材と共に除き、基材1
上に、マスク部材の孔の部分にあたる金属膜M′のみを
残すことで、金属膜パターンを形成した様子をやはり模
式的に示している。
【0097】以下に本発明の好ましいパターニング方法
について説明する。図5は、前記のマスク部材を、プラ
ズマ処理装置に導入する前に、基材例えばウエブ状のフ
ィルムと重ね合わせることなく、マスク部材を、前記平
板電極の一方の電極を包含するように配置し、エンドレ
スで回転しながら、連続的にウエブ状の基材(フィル
ム)に密着し、基材上に同じパターンを形成し続けられ
る様に構成した大気圧プラズマ処理装置の一例である。
回転するマスク部材と基材を密着するロール群、及び、
該一方の平板電極とマスク部材の間に反応ガス、励起ガ
ス、還元ガス等を導入する導入口を備えている。ここに
おいては前記プラズマ処理装置の前室等については省略
し、反応ガス、励起ガス及び還元ガス等の導入口及び対
向する平板電極、及び、基材(フィルム)及びマスク部
材に押圧をかけ密着させるためのロール群のみを示し
た。
【0098】先ず、基材1としてはウエブ状の基材であ
る、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フ
ィルムが用いられ、基材ロール20から、平板電極
(3,4)間に連続的に搬送される。
【0099】一方、一方の電極を内包する形でエンドレ
スのマスク部材M(ポリイミドテープ)が配置されてい
る。このマスク部材は外側に粘着性を有する樹脂テープ
であり、内側に設けられた、ロールR1,R3,R5及
びR6等の複数のロールより、外側に所定のテンション
がかけられ支持される。
【0100】該マスク部材Mの表面には予め所定のパタ
ーンの孔が形成されている。この状態でマスク部材Mは
矢印方向に回転し、その搬送速度は、基材1と同じ線速
度に設定される。
【0101】該マスク部材Mは平板電極(3,4)間に
基材1が進入する手前(A点)においてウエブ状の基材
1に接触し、ロールR1、R2の押圧、及び該マスク部
材Mの粘着力により、両者は密着した状態で搬送され
る。
【0102】基材1はマスク部材が密着された状態で平
板電極(3,4)間でプラズマ処理を受け、同時に還元
ガス(水素ガス)により、還元処理を行うことで、ウエ
ブ状の基材1上に金属膜が所定のパターンとして形成さ
れる。図5において、50,51及び52はそれぞれ反
応ガス、励起ガス、還元ガスの供給手段を、又、53,
54,55はそれぞれのガスを平板電極間に導くガス導
入路を示している。
【0103】その後、マスク部材Mと基材1との密着が
保持されたまま搬送され、ロールR3及びR4を通過し
た後、B点において、ウエブ状の基材1とマスク部材M
は剥離される。マスク部材は再度、回転し同じパターン
をウエブ状の基材1上に形成し続ける。
【0104】この様に、B点においてマスク部材Mが剥
離されることで基材上には残った金属膜によるパターン
が形成される。
【0105】その後、更に基材1は搬送され、複数のパ
ターンがウエブ状の基材1上に連続して形成される。
【0106】基材1上に形成された各パターンは基材が
所定の位置に搬送されたところで打ち抜き加工され、ト
レイ等にスタックされる。図において、Cがカット部を
表し、それにより複数の金属膜パターンが形成されたシ
ート状基板が打ち抜かれる。又、Dが打ち抜かれたシー
トをスタックするトレイを示している。尚、図では省略
されているが、打ち抜き加工時は一定時間搬送をストッ
プする必要があるため、打ち抜き加工の手前に前記一定
時間に応じたループを形成し、吸収することが好まし
い。打ち抜き加工後のウエブは他方に配置された巻き取
りロール21に順次巻き取られる。
【0107】このように構成されることにより、複数の
パターンを基材上に連続的に形成、処理することが可能
となる。即ち真空環境をつくる必要もなく、待ち時間を
要さない処理が可能となるため、生産性が飛躍的に高ま
る。又、現像等のウエットの処理系を配置する必要がな
い。又、ウエブ状の基材を搬送し、両端で基材が支持さ
れている状態となるため、マスク部材の剥離も極めて容
易に実行出来る。
【0108】又、基材自体がPETフィルム等の薄いフ
ィルムであるため、こうした処理による方がマスク部材
の密着を安定にバラツキなく充分に行うことができる。
【0109】尚、マスク部材は、必要なパターン数を形
成後は、支持ロールR5のテンションを解除し交換する
だけで新たなパターンを形成することが可能となる。
尚、エンドレスとなっているマスク部材の内側には次第
に金属膜が堆積するため、定期的に交換することが好ま
しい。これによってメンテナンス自体も非常に容易であ
り、不要なアーク放電も防止することが可能となる。
【0110】又、図6に本発明のパターニング方法に係
わる別の大気圧プラズマ処理装置の一例を示した。
【0111】図4と異なる点はマスク部材がエンドレス
でなく、ウエブ状の基材と同じく一方のロール22から
他方のロール23に巻き取られる方式であることであ
る。
【0112】ここにおいては、パターンは順次マスク部
材M上にレーザ書き込み手段Lにより書き込まれる。即
ち、レーザのパワー及び焦点をコントロールし、マスク
部材を部分的に高温とし、蒸発させ、孔を形成する。レ
ーザの焦点温度は数百〜数千度に制御可能であり、マス
ク部材の軟化点(ポリイミド系テープで200〜400
℃)に対し十分な加工を施すことができる。このように
して所定のスポットにビーム走査を行うことで所望のパ
ターンの孔をマスク部材に形成可能となる。
【0113】この方式では、マスク部材をパターンの種
類に応じて交換する必要がない。又、ウエブの搬送とリ
アルタイムに同期してマスク部材にパターンを形成する
ことが可能であり、複数の種類のパターンを連続的に形
成することができる。
【0114】複数の種類のパターンは図示しないレーザ
書き込み手段のための制御手段により、必要なパターン
に対応するデータを呼び出すだけでよい。従って1つの
ラインで複数の組み合わせのパターンを形成したり、組
み合わせることが非常に容易となる。
【0115】図7は、1つの基材に対し、図6に示した
大気圧プラズマ処理装置を複数並べた、本発明のパター
ニング方法に係わる別のプラズマ処理装置の一例を示す
ものである。これによって、基材となるウエブ上に複数
の層を形成することができ、且つ、連続処理を行うこと
も可能となる。
【0116】具体的には複数の大気圧プラズマ処理装置
それぞれに対応して、マスク部材の供給手段が用意され
ている。マスク部材の供給手段と共にマスク形成のため
のレーザ書き込み手段(LA,LB)がそれぞれ備えら
れている。又、反応ガスの供給手段も各大気圧プラズマ
処理装置毎に設けられている。例えば、最初のプラズマ
処理装置には金属元素含有ガスと還元ガスを導入し、次
の処理装置でシランガス等のガスを導入し、次の処理装
置では再度金属元素含有ガスと還元ガスを導入する等、
複数の大気圧プラズマ処理装置をライン上に配置し、順
次処理を繰り返すことで機能の異なる複数の層に亘るパ
ターニングが可能となる。
【0117】又、パターンを書き込む、レーザ書き込み
手段を複数独立して設けていることにより、各層毎に独
立したパターンを形成することが可能となる。
【0118】
【発明の効果】真空環境の必要や現像等のウエット処理
の必要がなく、基材上へのパターン形成を連続的に、容
易且つ安定に行うことができる、生産性の高い、メンテ
ナンス性に優れたパターニング方法を提供することがで
きた。
【図面の簡単な説明】
【図1】基材及びマスク部材を平板電極間に配置したと
ころを示す図である。
【図2】プラズマ処理装置の構成の一例を示す図であ
る。
【図3】マスク部材を重ねた基材上の全面に金属膜が形
成されたところを模式的に示す図である。
【図4】基材上に金属膜パターンを形成した様子を模式
的に示す図である。
【図5】マスク部材をエンドレスで回転しながら大気圧
プラズマ処理装置の一例を示す図である。
【図6】本発明に係わる別の大気圧プラズマ処理装置の
一例を示す図である。
【図7】大気圧プラズマ処理装置を複数並べた別のプラ
ズマ処理装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
1,F 基材 2 処理室 3,4 平板電極 5 高周波電源 7,8 ニップロール 20 基材ロール 21 巻き取りロール 22,23 ロール R1,R3 加圧ロール R2,R4 対向ロール R5 支持ロール 50 反応ガス供給手段 51 励起ガス供給手段 52 還元ガス供給手段 53,54,55 ガス導入路 C カット部 D トレイ L,LA,LB レーザ書き込み手段 M マスク部材 M′金属膜
フロントページの続き (72)発明者 水野 航 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 (72)発明者 大石 清 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 Fターム(参考) 4K030 BB14 CA07 CA17 DA05 FA03 JA09 KA46 4M104 BB02 BB04 BB05 BB06 BB07 BB08 BB09 BB13 BB14 BB17 BB18 DD43 DD44 DD68 5E343 AA12 AA26 AA33 BB23 BB24 BB25 BB28 BB34 BB35 BB38 BB40 BB44 BB45 BB48 BB49 DD26 DD68 ER32 ER38 FF12 FF18 FF30 GG11 5F033 HH07 HH08 HH11 HH13 HH14 HH15 HH16 HH17 HH18 HH19 HH21 PP12 QQ43

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面に所定のパターンの開口部が形
    成されたマスク部材を配置する第1のステップ、前記基
    材及び前記マスク部材を大気圧下でプラズマ化された金
    属元素を含む反応ガスに曝す第2のステップ、基材表面
    から前記マスク部材を剥離することにより、基材表面に
    前記所定のパターンを残す第3のステップからなること
    を特徴とするパターニング方法。
  2. 【請求項2】 前記第2のステップにおいて、更に還元
    ガスを導入することを特徴とする請求項1に記載のパタ
    ーニング方法。
  3. 【請求項3】 前記還元ガスは前記反応ガスと混合され
    て導入されることを特徴とする請求項2に記載のパター
    ニング方法。
  4. 【請求項4】 前記反応ガスが導入された後に、前記還
    元ガスが導入されることを特徴とする請求項2に記載の
    パターニング方法。
  5. 【請求項5】 前記第2のステップにおいて、前記反応
    ガスは励起ガスと共に励起されることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれか1項に記載のパターニング方法。
  6. 【請求項6】 前記反応ガスは平板電極間に電界を印加
    することでプラズマ化されることを特徴とする請求項5
    に記載のパターニング方法。
  7. 【請求項7】 前記基材及び前記マスク部材は平板電極
    間に導入されることを特徴とする請求項6に記載のパタ
    ーニング方法。
  8. 【請求項8】 前記マスク部材は平板電極間に導入され
    る前に基材表面上に密着するように配置されることを特
    徴とする請求項7に記載のパターニング方法。
  9. 【請求項9】 平板電極の少なくとも一方の電極は誘電
    体により被覆されることを特徴とする請求項6又は7に
    記載のパターニング方法。
  10. 【請求項10】 反応ガスと励起ガスは予め励起され、
    前記基材表面に導入されることを特徴とする請求項5に
    記載のパターニング方法。
  11. 【請求項11】 前記マスク部材は非金属材料からなる
    シートであることを特徴とする請求項1〜10のいずれ
    か1項に記載のパターニング方法。
  12. 【請求項12】 前記マスク部材は樹脂製のテープであ
    ることを特徴とする請求項11に記載のパターニング方
    法。
  13. 【請求項13】 前記マスク部材は耐熱性の樹脂からな
    ることを特徴とする請求項11に記載のパターニング方
    法。
  14. 【請求項14】 前記樹脂はポリイミド系の樹脂である
    ことを特徴とする請求項12又は13に記載のパターニ
    ング方法。
  15. 【請求項15】 マスク部材の裏面に基材に対し剥離可
    能な粘着層を有することを特徴とする請求項1〜14の
    いずれか1項に記載のパターニング方法。
  16. 【請求項16】 マスク部材はエンドレスなシートであ
    ることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記
    載のパターニング方法。
  17. 【請求項17】 前記のマスク部材は、電界を印加され
    ることでプラズマ化される前記反応ガスと励起ガスと共
    に平板電極間に導入され、前記平板電極の一方の電極を
    包含するように配置されることを特徴とする請求項16
    に記載のパターニング方法。
  18. 【請求項18】 前記基材はシート状で且つフレキシブ
    ルな素材で構成されることを特徴とする請求項1〜17
    のいずれか1項に記載のパターニング方法。
  19. 【請求項19】 前記第2のステップ及び第3のステッ
    プを複数有し、これらステップを繰り返し実行すること
    により、複数の層が前記基材上に形成されることを特徴
    とする請求項1〜18のいずれか1項に記載のパターニ
    ング方法。
  20. 【請求項20】 前記複数の第2、第3のステップに対
    応して複数の第1のステップを有し、第1のステップの
    各々において独立したマスク部材を用いることを特徴と
    する請求項19に記載のパターニング方法。
  21. 【請求項21】 前記複数の第1のステップの各々に対
    応して、マスク部材へのパターン形成手段を複数有する
    ことを特徴とする請求項20に記載のパターニング方
    法。
  22. 【請求項22】 前記パターン形成手段はレーザー書き
    込み手段であることを特徴とする請求項21に記載のパ
    ターニング方法。
  23. 【請求項23】 対向する2つの電極間に、基材表面に
    所定のパターンの開口部が形成されたマスク部材を配置
    する第1のステップ、前記基材及び前記マスク部材を、
    大気圧又は大気圧近傍の圧力下において前記電極間に電
    圧を印加して放電させることによりプラズマ化された金
    属元素を含む反応ガスに曝す第2のステップ、基材表面
    から前記マスク部材を剥離することにより、基材表面に
    前記所定のパターンを残す第3のステップにより、前記
    基材上に所定のパターンからなる膜を形成する製膜装置
    において、マスク部材を基材上に密着配置し、又、基材
    から剥離するためのマスク着脱手段を有することを特徴
    とする製膜装置。
  24. 【請求項24】 還元ガスを導入する手段を有すること
    を特徴とする請求項23に記載の製膜装置。
  25. 【請求項25】 励起ガスを導入する手段を有すること
    を特徴とする請求項23又は24に記載の製膜装置。
  26. 【請求項26】 対向する2つの電極の少なくとも一方
    が誘電体により被覆されることを特徴とする請求項23
    〜25のいずれか1項に記載の製膜装置。
  27. 【請求項27】 前記マスク部材は非金属材料からなる
    シートであることを特徴とする請求項23〜26のいず
    れか1項に記載の製膜装置。
  28. 【請求項28】 マスク部材はエンドレスなシートであ
    ることを特徴とする請求項23〜26のいずれか1項に
    記載の製膜装置。
  29. 【請求項29】 前記第2のステップ及び第3のステッ
    プを複数有し、これらステップを繰り返し実行すること
    により、複数の層が前記基材上に形成されることを特徴
    とする請求項23〜28のいずれか1項に記載の製膜装
    置。
  30. 【請求項30】 前記複数の第2、第3のステップに対
    応して複数の第1のステップを有し、第1のステップの
    各々において独立したマスク部材を用いることを特徴と
    する請求項29に記載の製膜装置。
  31. 【請求項31】 前記複数の第1のステップの各々に対
    応して、マスク部材へのパターン形成手段を複数有する
    ことを特徴とする請求項30に記載の製膜装置。
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Cited By (5)

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