JP2003315233A - 水晶振動子用測定セル - Google Patents
水晶振動子用測定セルInfo
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- JP2003315233A JP2003315233A JP2002125918A JP2002125918A JP2003315233A JP 2003315233 A JP2003315233 A JP 2003315233A JP 2002125918 A JP2002125918 A JP 2002125918A JP 2002125918 A JP2002125918 A JP 2002125918A JP 2003315233 A JP2003315233 A JP 2003315233A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 水晶振動子用測定セルを高温、高圧の被測定
物にも使用し得るようにする。 【解決手段】 密封空間23を有するケーシングの開口
23aに水晶振動子31を水密に取り付けて、水晶振動
子用測定セル20を構成する。この測定セル20に、複
動式シリンダーからなる圧力調整器40を付設し、密封
空間23の圧力と被測定物の圧力を平衡に調整する。こ
れにより、高圧の被測定物や圧力の変動する被測定物も
計測可能である。また、水晶振動子31の表裏面に圧力
差がないので、その水晶振動子31を薄くでき、計測精
度を向上できる。密封空間23内が一定圧力とされ、水
晶振動子31の表裏面に圧力差がある時は、その測定値
を圧力変化との相関関係に基づいて数値補正を行う。ま
た、水晶振動子31に接続される検出回路30をケーシ
ング外に設ければ、高温の被測定物が計測可能であり、
一方、ケーシング内に設けてより精度を高めることもで
きる。
物にも使用し得るようにする。 【解決手段】 密封空間23を有するケーシングの開口
23aに水晶振動子31を水密に取り付けて、水晶振動
子用測定セル20を構成する。この測定セル20に、複
動式シリンダーからなる圧力調整器40を付設し、密封
空間23の圧力と被測定物の圧力を平衡に調整する。こ
れにより、高圧の被測定物や圧力の変動する被測定物も
計測可能である。また、水晶振動子31の表裏面に圧力
差がないので、その水晶振動子31を薄くでき、計測精
度を向上できる。密封空間23内が一定圧力とされ、水
晶振動子31の表裏面に圧力差がある時は、その測定値
を圧力変化との相関関係に基づいて数値補正を行う。ま
た、水晶振動子31に接続される検出回路30をケーシ
ング外に設ければ、高温の被測定物が計測可能であり、
一方、ケーシング内に設けてより精度を高めることもで
きる。
Description
【0001】
【発明の属する技術的分野】この発明は、物理化学計測
分野における、物質の吸着量、密度、粘度あるいはそれ
らの変化の計測に用いられる水晶振動子用測定セル、そ
の測定セルを使用した測定装置及び測定方法に関するも
のである。
分野における、物質の吸着量、密度、粘度あるいはそれ
らの変化の計測に用いられる水晶振動子用測定セル、そ
の測定セルを使用した測定装置及び測定方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】今日、液体、気体などの物質の物理化学
的特性を検出する手法としては、水晶振動子の共振現象
をもとに、その共振周波数等の測定によって被測定物の
特性を検出する水晶振動子マイクロバランス法が一般的
である。この手法を利用した従来の水晶振動子用測定セ
ルとして、図2に示すようなものがある。
的特性を検出する手法としては、水晶振動子の共振現象
をもとに、その共振周波数等の測定によって被測定物の
特性を検出する水晶振動子マイクロバランス法が一般的
である。この手法を利用した従来の水晶振動子用測定セ
ルとして、図2に示すようなものがある。
【0003】この測定セル1は、同図に示すように、ケ
ーシング10の開口11に水晶振動子2を取り付けたも
のである。そのケーシング10は、下面が開口し上面が
閉塞した筒状本体12と、その本体12の下部にOリン
グ13を介してねじ込まれてその下面開口を閉じる底蓋
14と、本体上部にねじ込まれる上蓋15からなる。本
体12の上面には、Oリング13を介して前記水晶振動
子2が取り付けられ、その上にさらにOリング13を介
して押え板16をねじ止めすることにより、水晶振動子
2が本体12に固定される。前記上蓋15には、水晶振
動子2を開放するように前記開口11が形成されてい
る。ケーシング10内には、検出回路(基板)3が固定
され、この検出回路3には、外部に導かれたケーブル4
が接続されているとともに、ケーシング10内の電極5
が接続され、この電極5がスプリング状端子6により水
晶振動子2に接続されている。
ーシング10の開口11に水晶振動子2を取り付けたも
のである。そのケーシング10は、下面が開口し上面が
閉塞した筒状本体12と、その本体12の下部にOリン
グ13を介してねじ込まれてその下面開口を閉じる底蓋
14と、本体上部にねじ込まれる上蓋15からなる。本
体12の上面には、Oリング13を介して前記水晶振動
子2が取り付けられ、その上にさらにOリング13を介
して押え板16をねじ止めすることにより、水晶振動子
2が本体12に固定される。前記上蓋15には、水晶振
動子2を開放するように前記開口11が形成されてい
る。ケーシング10内には、検出回路(基板)3が固定
され、この検出回路3には、外部に導かれたケーブル4
が接続されているとともに、ケーシング10内の電極5
が接続され、この電極5がスプリング状端子6により水
晶振動子2に接続されている。
【0004】この測定セル1による測定は、例えば、被
測定物が液体である場合、その液中に測定セル1を浸す
と、開口11から被測定物が侵入し、水晶振動子2の外
面(表面)に接触する。このため、被測定物の特性に応
じて水晶振動子12を含む検出回路の共振周波数等が変
化し、その特性を検出回路3により信号として検出す
る。得られた検出信号は増幅されて、ケーブル4を通じ
て外部インピーダンス計測装置で収集され、被測定物の
密度や粘度のほか汚れなどといった物理化学的特性が解
析される。
測定物が液体である場合、その液中に測定セル1を浸す
と、開口11から被測定物が侵入し、水晶振動子2の外
面(表面)に接触する。このため、被測定物の特性に応
じて水晶振動子12を含む検出回路の共振周波数等が変
化し、その特性を検出回路3により信号として検出す
る。得られた検出信号は増幅されて、ケーブル4を通じ
て外部インピーダンス計測装置で収集され、被測定物の
密度や粘度のほか汚れなどといった物理化学的特性が解
析される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この測定セル1におい
て、例えば、化学プラントでの精製物の特性を測定する
際等、被測定物が導電性の場合、ケーシング10内にそ
の被測定物が侵入すると、検出回路3における短絡や防
爆の危険があるため、上記の測定セル1のように、ケー
シング10内に被測定物が入り込まない水密構造として
いる。このため、水晶振動子2の開口11側にのみ被測
定物の圧力が加わり、その圧力が高いと水晶振動子2が
破損する恐れがある。化学プラントのように、高圧の被
測定物の測定では、その恐れは非常に高くなる。
て、例えば、化学プラントでの精製物の特性を測定する
際等、被測定物が導電性の場合、ケーシング10内にそ
の被測定物が侵入すると、検出回路3における短絡や防
爆の危険があるため、上記の測定セル1のように、ケー
シング10内に被測定物が入り込まない水密構造として
いる。このため、水晶振動子2の開口11側にのみ被測
定物の圧力が加わり、その圧力が高いと水晶振動子2が
破損する恐れがある。化学プラントのように、高圧の被
測定物の測定では、その恐れは非常に高くなる。
【0006】また、ケーシング10内の検出回路3は熱
に弱く、おおむね40℃以上の高温で動作が不安定にな
り使用出来なくなる問題もある。
に弱く、おおむね40℃以上の高温で動作が不安定にな
り使用出来なくなる問題もある。
【0007】この発明は、高圧、高温下の被測定物にも
使用し得るようにすることを課題とする。
使用し得るようにすることを課題とする。
【0008】
【課題を解決しようとする手段】上記の課題を解決する
ために、この発明は、水晶振動子の表裏面(外内面)の
圧力差を、水晶振動子が破損しないように維持すること
としたものである。
ために、この発明は、水晶振動子の表裏面(外内面)の
圧力差を、水晶振動子が破損しないように維持すること
としたものである。
【0009】具体的な一手段としては、ケーシングに開
口を形成し、その開口に水晶振動子を水密に取り付け、
そのケーシング内に前記水晶振動子内面を含む密封空間
を形成し、その密封空間に前記水晶振動子が耐え得る圧
力を予め印加することとしたものである。このようにす
れば、測定セルが被測定物に浸されて水晶振動子の外面
に被測定物の圧力を受けても、その内面には予め圧力が
印加されており、水晶振動子の表裏の圧力差が小さくな
るだけであるので、被測定物の圧力が幾分高くなって
も、水晶振動子は破損しない。
口を形成し、その開口に水晶振動子を水密に取り付け、
そのケーシング内に前記水晶振動子内面を含む密封空間
を形成し、その密封空間に前記水晶振動子が耐え得る圧
力を予め印加することとしたものである。このようにす
れば、測定セルが被測定物に浸されて水晶振動子の外面
に被測定物の圧力を受けても、その内面には予め圧力が
印加されており、水晶振動子の表裏の圧力差が小さくな
るだけであるので、被測定物の圧力が幾分高くなって
も、水晶振動子は破損しない。
【0010】このように、水晶振動子の表裏面に圧力差
があると、水晶振動子の共振周波数等の測定値に変化が
生じ、そのままでは被測定物の正確な特性の解析ができ
ない場合がある。この場合には、圧力変化と測定値の変
化には相関関係があるため、その相関関係に基づき測定
値を数値補正するとよい。この数値補正により、水晶振
動子の表裏面の圧力差がその水晶振動子の強度の範囲内
にある限り、密封空間の圧力調整を行わなくとも被測定
物の解析が可能であり、装置を簡略化でき測定が容易に
なる。
があると、水晶振動子の共振周波数等の測定値に変化が
生じ、そのままでは被測定物の正確な特性の解析ができ
ない場合がある。この場合には、圧力変化と測定値の変
化には相関関係があるため、その相関関係に基づき測定
値を数値補正するとよい。この数値補正により、水晶振
動子の表裏面の圧力差がその水晶振動子の強度の範囲内
にある限り、密封空間の圧力調整を行わなくとも被測定
物の解析が可能であり、装置を簡略化でき測定が容易に
なる。
【0011】他の手段としては、前記密封空間の圧力を
調整可能とすることができる。このようにすれば、前記
水晶振動子の表裏面の圧力差を自在に緩和できるので、
さらに高圧の被測定物にも使用することができる。この
とき、表裏面の圧力を常に平衡に維持することとしても
よい。
調整可能とすることができる。このようにすれば、前記
水晶振動子の表裏面の圧力差を自在に緩和できるので、
さらに高圧の被測定物にも使用することができる。この
とき、表裏面の圧力を常に平衡に維持することとしても
よい。
【0012】また、これらの構成において、水晶振動子
の共振周波数の検出回路をケーシング外に設けて被測定
物から離れるようにすれば、被測定物からの熱などの影
響を受けない利点がある。
の共振周波数の検出回路をケーシング外に設けて被測定
物から離れるようにすれば、被測定物からの熱などの影
響を受けない利点がある。
【0013】しかし、検出回路は、微弱な信号を検出す
るため、水晶振動子に近い場所に設ける方が信号へのノ
イズの流入が少なく測定の精度上好ましい。このため、
高温の被測定物を扱わない場合などには、ケーシング内
に検出回路を配置することにより、さらに計測の精度を
向上することができる。
るため、水晶振動子に近い場所に設ける方が信号へのノ
イズの流入が少なく測定の精度上好ましい。このため、
高温の被測定物を扱わない場合などには、ケーシング内
に検出回路を配置することにより、さらに計測の精度を
向上することができる。
【0014】一方、密封空間の圧力を調整可能にする手
段としては、圧力調整器を付設すればよい。その圧力調
整器は、例えば、複動式シリンダーからなり、そのシリ
ンダーの一方の液室に上記密封空間を接続してその圧力
を印加し、他方の液室には被測定物の圧力を印加し、か
つ、前記一方の液室に任意の圧力を印加可能とした構成
を採用し得る。このようにすれば、密封空間の圧力と被
測定物の圧力を常に平衡に調整できるので、高圧の被測
定物だけでなく、その圧力が変動する被測定物であって
も、水晶振動子を破損せずに正確に計測することができ
る。
段としては、圧力調整器を付設すればよい。その圧力調
整器は、例えば、複動式シリンダーからなり、そのシリ
ンダーの一方の液室に上記密封空間を接続してその圧力
を印加し、他方の液室には被測定物の圧力を印加し、か
つ、前記一方の液室に任意の圧力を印加可能とした構成
を採用し得る。このようにすれば、密封空間の圧力と被
測定物の圧力を常に平衡に調整できるので、高圧の被測
定物だけでなく、その圧力が変動する被測定物であって
も、水晶振動子を破損せずに正確に計測することができ
る。
【0015】このとき、水晶振動子は薄いほど周波数が
高くなり測定精度が高くなるため、密封空間の圧力と被
測定物の圧力を常に平衡となるようにすれば、前記水晶
振動子にはそれほど強度が求められなくなり、水晶振動
子をさらに薄くでき、計測の精度を向上することができ
る。
高くなり測定精度が高くなるため、密封空間の圧力と被
測定物の圧力を常に平衡となるようにすれば、前記水晶
振動子にはそれほど強度が求められなくなり、水晶振動
子をさらに薄くでき、計測の精度を向上することができ
る。
【0016】上記密封空間へ圧力印加を行うために、通
常、この密封空間に気体が封入されるが、気体に代えて
絶縁液体を封入してもよい。この絶縁液体の使用は安全
上も好ましい。また、気体を使用する際には、空気の
他、窒素等の不活性ガスを使用してもよい。
常、この密封空間に気体が封入されるが、気体に代えて
絶縁液体を封入してもよい。この絶縁液体の使用は安全
上も好ましい。また、気体を使用する際には、空気の
他、窒素等の不活性ガスを使用してもよい。
【0017】また、水晶振動子の内面に被測定物が触れ
ても支障なければ、その内面にも被測定物の圧力を印加
すれば、常に水晶振動子の表裏面の圧力が同一に維持さ
れるため、さらに水晶振動子を薄くすることができる。
ても支障なければ、その内面にも被測定物の圧力を印加
すれば、常に水晶振動子の表裏面の圧力が同一に維持さ
れるため、さらに水晶振動子を薄くすることができる。
【0018】なお、この発明は、被測定物として液体、
気体を問わず使用されるので、水密とは気密も含む。
気体を問わず使用されるので、水密とは気密も含む。
【0019】
【発明の実施の形態】一実施例を図1に示し、この実施
例の水晶振動子用測定装置は、被測定物に浸たされる水
晶振動子用測定セル20と圧力調整器40及び検出回路
30とからなる。
例の水晶振動子用測定装置は、被測定物に浸たされる水
晶振動子用測定セル20と圧力調整器40及び検出回路
30とからなる。
【0020】水晶振動子用測定セル20は、ケ−シング
21とケーシング取付フランジ22で構成され、そのケ
ーシング21内には密封空間23と回路用空間24及び
被測定物空間25の3つの空間を有し、それぞれ一端に
開口23a,24a,25aを、他端にはケーシング取
付フランジ22を貫通する水密な孔23b,24b,2
5bを有している。
21とケーシング取付フランジ22で構成され、そのケ
ーシング21内には密封空間23と回路用空間24及び
被測定物空間25の3つの空間を有し、それぞれ一端に
開口23a,24a,25aを、他端にはケーシング取
付フランジ22を貫通する水密な孔23b,24b,2
5bを有している。
【0021】前記密封空間23の開口23aには、水晶
振動子31が耐水密性、耐薬品性のあるOリング26を
表裏面に介して押え板27で固定され、この固定によ
り、水晶振動子31は開口23aに水密に取り付けられ
て、その内側に水密な空間が形成される。また、前記回
路用空間24は、前記密封空間23に併設され、その開
口24aはOリング26を介して前記押え板27で塞が
れ固定されている。一方、前記被測定物空間25は、そ
の開口25aが圧力取入用に開放されており、この測定
セルを被測定物に浸すと、その開口25aから被測定物
空間25に被測定物が入り込む。
振動子31が耐水密性、耐薬品性のあるOリング26を
表裏面に介して押え板27で固定され、この固定によ
り、水晶振動子31は開口23aに水密に取り付けられ
て、その内側に水密な空間が形成される。また、前記回
路用空間24は、前記密封空間23に併設され、その開
口24aはOリング26を介して前記押え板27で塞が
れ固定されている。一方、前記被測定物空間25は、そ
の開口25aが圧力取入用に開放されており、この測定
セルを被測定物に浸すと、その開口25aから被測定物
空間25に被測定物が入り込む。
【0022】前記水晶振動子31には電極が蒸着され、
その電極には信号ケーブル32が接続されている。その
信号ケーブル32は、回路用空間24を通って前記孔2
4bからケーシング21外に引き出され、検出回路30
へ接続されている。その検出回路30はさらに、外部イ
ンピーダンス計測装置に接続される。
その電極には信号ケーブル32が接続されている。その
信号ケーブル32は、回路用空間24を通って前記孔2
4bからケーシング21外に引き出され、検出回路30
へ接続されている。その検出回路30はさらに、外部イ
ンピーダンス計測装置に接続される。
【0023】圧力調整器40は、その内部に3つの空間
41,42,43を有し、その中程の空間42にピスト
ン44が嵌入され、その両側が液室42aと液室42b
となって複動式シリンダーを構成している。その一方の
液室42aは、前記密封空間23の孔23bから引き出
されたチューブからなる密封空間加圧ライン28が接続
されて、このライン28により密封空間23の圧力P
(この圧力Pは、圧力計52で見ることができる。)が
液室42aに印加する。他方の液室42bには、前記被
測定物空間25の孔25bから引き出されたチューブか
らなる被測定物加圧ライン29が接続されて、このライ
ン29により被測定物の圧力Q(この圧力Qは、圧力計
51で見ることができる。)が液室42bに印加する。
41,42,43を有し、その中程の空間42にピスト
ン44が嵌入され、その両側が液室42aと液室42b
となって複動式シリンダーを構成している。その一方の
液室42aは、前記密封空間23の孔23bから引き出
されたチューブからなる密封空間加圧ライン28が接続
されて、このライン28により密封空間23の圧力P
(この圧力Pは、圧力計52で見ることができる。)が
液室42aに印加する。他方の液室42bには、前記被
測定物空間25の孔25bから引き出されたチューブか
らなる被測定物加圧ライン29が接続されて、このライ
ン29により被測定物の圧力Q(この圧力Qは、圧力計
51で見ることができる。)が液室42bに印加する。
【0024】このため、前記被測定物の圧力が上昇し、
その被測定物空間25の圧力が増大すると、液室42b
にその被測定物の圧力Qが加わり(Q>P)、ピストン
44が上に押されるので、スプリング46の弾性力に抗
して弁45a,45bが図1の破線のごとく押し上げら
れる。この押し上げにより、弁45aが開放され、圧縮
空気ボンベ47から供給された空間41内の圧縮空気が
液室42aに流入する。液室42aは、密封空間加圧ラ
イン28を介して前記密封空間23に連通しているた
め、この流入した圧縮空気により密封空間23が加圧さ
れ、密封空間圧力Pが被測定物圧力Qと平衡する。
その被測定物空間25の圧力が増大すると、液室42b
にその被測定物の圧力Qが加わり(Q>P)、ピストン
44が上に押されるので、スプリング46の弾性力に抗
して弁45a,45bが図1の破線のごとく押し上げら
れる。この押し上げにより、弁45aが開放され、圧縮
空気ボンベ47から供給された空間41内の圧縮空気が
液室42aに流入する。液室42aは、密封空間加圧ラ
イン28を介して前記密封空間23に連通しているた
め、この流入した圧縮空気により密封空間23が加圧さ
れ、密封空間圧力Pが被測定物圧力Qと平衡する。
【0025】逆に、前記被測定物の圧力が減少し、その
被測定物空間25の圧力が減少すると、液室42bの被
測定物圧力Qが下がり(Q<P)、ピストン44が下に
押されるので、弁45bが開放され、液室42a内の空
気が導管42cを通って空間43に流れて外部に排出さ
れる。この空気の排出により、液室42aと密封空間加
圧ライン28を介して連通している密封空間23が減圧
され、被測定物圧力Pが密封空間圧力Qと平衡する。こ
のようにして、被測定物圧力Pと密封空間圧力Qが平衡
するので、前記水晶振動子31の表裏面には常に同じ圧
力が加わる。この密封空間23や液室42aに封入する
気体は、空気に代えて、窒素等の不活性ガスを用いても
よい。
被測定物空間25の圧力が減少すると、液室42bの被
測定物圧力Qが下がり(Q<P)、ピストン44が下に
押されるので、弁45bが開放され、液室42a内の空
気が導管42cを通って空間43に流れて外部に排出さ
れる。この空気の排出により、液室42aと密封空間加
圧ライン28を介して連通している密封空間23が減圧
され、被測定物圧力Pが密封空間圧力Qと平衡する。こ
のようにして、被測定物圧力Pと密封空間圧力Qが平衡
するので、前記水晶振動子31の表裏面には常に同じ圧
力が加わる。この密封空間23や液室42aに封入する
気体は、空気に代えて、窒素等の不活性ガスを用いても
よい。
【0026】この実施形態は、上記のように構成されて
おり、水晶振動子用測定セル20を被測定物に浸すと、
水晶振動子31の外面が被測定物に触れるとともに、前
記被測定物空間25には被測定物が流入する。
おり、水晶振動子用測定セル20を被測定物に浸すと、
水晶振動子31の外面が被測定物に触れるとともに、前
記被測定物空間25には被測定物が流入する。
【0027】この状態で水晶振動子を振動させて測定す
る際、この圧力調整器40により被測定物の圧力に応じ
て、前記密封空間23側の圧力が調整され、水晶振動子
31の表裏面の圧力の平衡が保たれる。これにより、ど
のような圧力下の被測定物であっても、前記圧力調整器
40の機能の範囲内であれば正確に計測することができ
る。例えば、特に、化学プラントにおける反応缶での使
用の場合には、おおむね10kgf/cm2 (9800
hPa)以上の圧力下での使用が必要となるが、この水
晶振動子用測定装置は、水晶振動子31の表裏面の圧力
調整により、この反応缶の圧力下においても使用可能で
ある。もちろん、圧力調整機能を有しているので、高圧
の被測定物のみならず、低圧の被測定物でも計測可能で
あり、圧力が変動する被測定物も計測可能である。
る際、この圧力調整器40により被測定物の圧力に応じ
て、前記密封空間23側の圧力が調整され、水晶振動子
31の表裏面の圧力の平衡が保たれる。これにより、ど
のような圧力下の被測定物であっても、前記圧力調整器
40の機能の範囲内であれば正確に計測することができ
る。例えば、特に、化学プラントにおける反応缶での使
用の場合には、おおむね10kgf/cm2 (9800
hPa)以上の圧力下での使用が必要となるが、この水
晶振動子用測定装置は、水晶振動子31の表裏面の圧力
調整により、この反応缶の圧力下においても使用可能で
ある。もちろん、圧力調整機能を有しているので、高圧
の被測定物のみならず、低圧の被測定物でも計測可能で
あり、圧力が変動する被測定物も計測可能である。
【0028】ところで、前記密封空間23と被測定物の
圧力差がそれほど大きくない場合には、上記の圧力調整
器40を用いずに、前記密封空間23に予め前記水晶振
動子31が耐え得る圧力を印加しておく構成も採用し得
る。例えば、この水晶振動子用測定セル20において、
予め密封空間23に圧力Bを印加すれば、この水晶振動
子31の強度が耐え得る表裏面の圧力差がAであると
き、この水晶振動子用測定セル20は、被測定物の圧力
がB−AからB+Aの範囲にある場合に計測できる。こ
の範囲内であれば、外面に接する被測定物の圧力が増大
した場合でもそのまま圧力調整をせずに計測が可能であ
り、水晶振動子用測定セル20の構造を簡略化できる。
圧力差がそれほど大きくない場合には、上記の圧力調整
器40を用いずに、前記密封空間23に予め前記水晶振
動子31が耐え得る圧力を印加しておく構成も採用し得
る。例えば、この水晶振動子用測定セル20において、
予め密封空間23に圧力Bを印加すれば、この水晶振動
子31の強度が耐え得る表裏面の圧力差がAであると
き、この水晶振動子用測定セル20は、被測定物の圧力
がB−AからB+Aの範囲にある場合に計測できる。こ
の範囲内であれば、外面に接する被測定物の圧力が増大
した場合でもそのまま圧力調整をせずに計測が可能であ
り、水晶振動子用測定セル20の構造を簡略化できる。
【0029】このように圧力調整器40の機能を用いな
い場合、水晶振動子31の表裏面に圧力差が生じると、
共振周波数等の測定値に変化が生じるため、そのままで
は被測定物の特性の解析が不正確となる場合がある。こ
のため、前記圧力差と測定値の変化には相関関係がある
ため、前記両圧力の差に基づき、検出回路30の測定値
を補正して、被測定物の特性を解析する。この手法によ
り、前記圧力差が水晶振動子31の強度の範囲内にある
場合は、敢えて密封空間23の圧力調整を行わなくとも
被測定物の計測によって被測定物の特性の解析が可能で
あり、測定が容易になる。
い場合、水晶振動子31の表裏面に圧力差が生じると、
共振周波数等の測定値に変化が生じるため、そのままで
は被測定物の特性の解析が不正確となる場合がある。こ
のため、前記圧力差と測定値の変化には相関関係がある
ため、前記両圧力の差に基づき、検出回路30の測定値
を補正して、被測定物の特性を解析する。この手法によ
り、前記圧力差が水晶振動子31の強度の範囲内にある
場合は、敢えて密封空間23の圧力調整を行わなくとも
被測定物の計測によって被測定物の特性の解析が可能で
あり、測定が容易になる。
【0030】また、検出回路30はケーシング21外に
設けたが、ケーシング21内の前記回路用空間24内に
設けることもできる。この検出回路30は微弱な信号を
検出するため、前記水晶振動子21に近い場所に設けら
れる方がノイズの流入が少なく、測定の精度上好まし
い。このため、高温の被測定物を扱わない場合には、検
出回路30をケーシング21内に設けることにより、さ
らに計測の精度を向上することができる。
設けたが、ケーシング21内の前記回路用空間24内に
設けることもできる。この検出回路30は微弱な信号を
検出するため、前記水晶振動子21に近い場所に設けら
れる方がノイズの流入が少なく、測定の精度上好まし
い。このため、高温の被測定物を扱わない場合には、検
出回路30をケーシング21内に設けることにより、さ
らに計測の精度を向上することができる。
【0031】
【発明の効果】この発明は、以上のようにしたので、高
温、高圧の被測定物にも使用でき、より高精度の測定を
し得る。
温、高圧の被測定物にも使用でき、より高精度の測定を
し得る。
【図1】一実施例の水晶振動子用測定セルを用いた測定
装置を表す概略図
装置を表す概略図
【図2】従来例の断面図
20 測定用セル
21 ケーシング
23 密封空間
24 回路用空間
25 被測定物空間
26 Oリング
28 密封空間加圧ライン
29 被測定物加圧ライン
30 検出回路(基板)
31 水晶振動子
32 信号ケーブル
40 圧力調節器
42a 一方の液室
42b 他方の液室
42c 導管
44 ピストン
47 圧縮空気ボンベ
51 被測定物圧力計
52 密封空間圧力計
53 ボンベ圧力計
Claims (11)
- 【請求項1】 ケーシングに開口を形成し、その開口に
水晶振動子を水密に取り付け、前記ケーシングに、前記
水晶振動子のケーシング内側の面を含む密封空間を形成
し、その密封空間に予め前記水晶振動子が耐え得る圧力
を印加した水晶振動子用測定セル。 - 【請求項2】 ケーシングに開口を形成し、その開口に
水晶振動子を水密に取り付け、前記ケーシングに、前記
水晶振動子のケーシング内側の面を含む密封空間を形成
し、その密封空間の圧力を調整可能とした水晶振動子用
測定セル。 - 【請求項3】 上記密封空間内の圧力印加を絶縁液体の
封入によって行うようにしたことを特徴とする請求項1
又は2に記載の水晶振動子測定セル。 - 【請求項4】 上記ケーシング内に水晶振動子に接続さ
れた検出回路を設けたことを特徴とする請求項2又は3
に記載の水晶振動子用測定セル。 - 【請求項5】 請求項2乃至4のいずれかに記載の水晶
振動子用測定セルを使用した測定装置であって、 前記水晶振動子用測定セルに圧力調整器を付設し、その
圧力調整器は、被測定物の圧力を検出するとともに、水
晶振動子用測定セルの上記密封空間に圧力を印加可能な
ものであり、被測定物の圧力に基づき、前記密封空間に
圧力を調整するようにしたことを特徴とする測定装置。 - 【請求項6】 上記圧力調整器は、複動式シリンダーか
らなり、そのシリンダーの一方の液室に上記密封空間を
接続してその圧力を印加し、他方の液室には被測定物の
圧力を印加し、かつ前記一方の液室に任意の圧力を印加
可能としたことを特徴とする請求項5に記載の測定装
置。 - 【請求項7】 請求項2乃至4のいずれかに記載の水晶
振動子用測定セルを使用した測定方法であって、 前記水晶振動子用測定セルに圧力調整器を付設し、その
圧力調整器により、被測定物の圧力を検出し、その検出
値に基づき、水晶振動子用測定セルの上記密封空間の圧
力を調整するようにしたことを特徴とする測定方法。 - 【請求項8】 上記検出回路を被測定物外に位置させた
ことを特徴とする請求項7に記載の測定方法。 - 【請求項9】 被測定物の圧力と密封空間の圧力の差が
一定の範囲の場合、前記密封空間の圧力調整を行わず、
前記両圧力の値に基づき、測定値を補正することを特徴
とする請求項7又は8に記載の測定方法。 - 【請求項10】 被測定物の圧力と密封空間の圧力をほ
ぼ均等となるようにしたことを特徴とする請求項7又は
8に記載の測定方法。 - 【請求項11】 ケーシングに開口を形成し、その開口
に水晶振動子を取り付け、その水晶振動子の表裏面に被
測定物の圧力を印加するようにした測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002125918A JP2003315233A (ja) | 2002-04-26 | 2002-04-26 | 水晶振動子用測定セル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002125918A JP2003315233A (ja) | 2002-04-26 | 2002-04-26 | 水晶振動子用測定セル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003315233A true JP2003315233A (ja) | 2003-11-06 |
Family
ID=29540494
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002125918A Pending JP2003315233A (ja) | 2002-04-26 | 2002-04-26 | 水晶振動子用測定セル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003315233A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006522969A (ja) * | 2003-04-04 | 2006-10-05 | アーベーベー・パテント・ゲーエムベーハー | 低電圧モジュ−ル |
JP2007078623A (ja) * | 2005-09-16 | 2007-03-29 | Meidensha Corp | フローセル型qcmセンサ |
JP2014139566A (ja) * | 2012-12-17 | 2014-07-31 | Seiko Instruments Inc | Qcmセンサ |
CN104020098A (zh) * | 2014-06-25 | 2014-09-03 | 西南石油大学 | 一种高温高压条件下渗吸动态测定装置 |
WO2016110462A1 (en) * | 2015-01-06 | 2016-07-14 | Biolin Scientific Ab | An apparatus for measuring surface interaction with a sample under pressure |
JP2016161527A (ja) * | 2015-03-05 | 2016-09-05 | 埼玉県 | 試料の水蒸気透過度測定装置及び水蒸気透過度測定方法 |
-
2002
- 2002-04-26 JP JP2002125918A patent/JP2003315233A/ja active Pending
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