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JP2003279717A - 高分子液晶を用いてなる回折素子 - Google Patents

高分子液晶を用いてなる回折素子

Info

Publication number
JP2003279717A
JP2003279717A JP2002083462A JP2002083462A JP2003279717A JP 2003279717 A JP2003279717 A JP 2003279717A JP 2002083462 A JP2002083462 A JP 2002083462A JP 2002083462 A JP2002083462 A JP 2002083462A JP 2003279717 A JP2003279717 A JP 2003279717A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
group
polymerizable liquid
saturated
ring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002083462A
Other languages
English (en)
Inventor
Reiko Nozawa
玲子 野澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP2002083462A priority Critical patent/JP2003279717A/ja
Publication of JP2003279717A publication Critical patent/JP2003279717A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】波長が450nmを超える光において屈折率異
方性が小さく、屈折率および屈折率異方性の波長分散が
小さい高分子液晶を用いた回折素子、およびこれを製造
するための重合性液晶組成物を提供することである。 【解決手段】飽和炭素環または飽和ヘテロ環を有する重
合性液晶化合物を少なくとも1種含む重合性液晶組成物
を、重合して得られる高分子液晶で形成された回折格子
を有する、波長が450nmを超える光用の回折素子を
提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波長が450nm
を超える光用の回折素子、およびこれを製造するための
重合性液晶組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶分子中に重合性官能基を付与した重
合性液晶化合物(以下、重合性液晶モノマともいう。)
は、重合性モノマとしての性質と液晶としての性質を併
有する。したがって、重合性液晶モノマを配向させた状
態で重合させると、配向が固定化された重合体、すなわ
ち高分子液晶が得られる。こうして得られる高分子液晶
は、液晶性骨格の屈折率異方性に基づく光学異方性を有
し、液晶配向状態の制御により特殊な特性も付与できる
ため、位相差フィルムや偏光ホログラム等の光学素子に
応用されている。
【0003】このような重合性液晶モノマのなかでも、
特に光重合性官能基を有する光重合性液晶モノマは、光
を照射して重合させることで、簡単に高分子液晶を作製
できる優れた化合物である。
【0004】この高分子液晶を用いた偏光ホログラム
は、特開平11−211905号公報に記載があるよう
に、その偏光依存性に優れることにより高い光利用効率
を発現する。このとき高分子液晶による格子間隙を充填
材で満たし、充填材の屈折率と高分子液晶の常光屈折率
を一致させると、0次の透過率が最大となる。更に、格
子高さd、高分子液晶の屈折率異方性Δn、波長λとす
ると、Δn・d=λ/2を満たすとき、±1次の回折効
率が最大となる。
【0005】したがって、ある波長の光における回折格
子の回折効率、すなわち0次の直線透過光と±1次の回
折光との光の強度比の設計は、Δn・dの調整によりな
される。すなわち、格子高さと用いる高分子液晶の種類
とを変えることにより、任意の回折効率を示す偏光回折
素子を作製することができる。
【0006】一般に回折効率の小さい回折素子を得るた
めには、Δn・dをλ/2より小さく設計すればよい。
例えば、波長650nmの光における0次透過光と1次
回折光の強度比が15対1である偏光グレーティングを
得るためには、回折格子のΔn・dを約90nmとする
この場合のΔn・dは、該回折素子の回折効率が最大と
なるための値であるλ/2すなわち325nmの1/3
以下である。
【0007】波長が450nmを超える光用の回折素子
に用いられてきた高分子液晶としては、素子の小型化高
効率化を達成するために、特開2001−220583
号公報に示されるように高い屈折率異方性を有するもの
が多く開発されてきた。しかしΔn・dが小さい設計の
回折素子では、従来の高Δnを有する高分子液晶を用い
ると格子高さdを小さくする必要があり、製造が困難に
なり生産歩留まりが悪くなる等の問題があった。
【0008】また一般にΔnが大きい高分子液晶は、該
高分子液晶を透過する光の波長が変動した場合に屈折率
およびΔnも大きく変動する、すなわち波長分散が大き
い。したがって、光源の劣化等による使用光の波長の変
動に伴い、高分子液晶の屈折率およびΔnが変化し、回
折効率がばらつく問題もある。
【0009】以上より、屈折率異方性Δnの小さい高分
子液晶の開発が強く求められていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、屈折
率異方性が小さく、屈折率および屈折率異方性の波長分
散が小さい高分子液晶を用いた波長が450nmを超え
る光用の回折素子、およびこれを製造するための重合性
液晶組成物を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、飽和炭素環ま
たは飽和ヘテロ環を有する重合性液晶化合物を少なくと
も1種含む重合性液晶組成物を重合して得られる高分子
液晶で形成された回折格子を有する、波長450nmを
超える光用の回折素子を提供する。
【0012】本発明は、式1で表される重合性液晶化合
物(以下化合物1ともいい、他の場合も同様である。)
を少なくとも1種含む重合性液晶組成物を重合して得ら
れる高分子液晶で形成された回折格子を有する、波長が
450nmを超える光用の回折素子を提供する。
【0013】 CH=CR−X−(Y−Z−(E−Z−E−Z− E−Z−(E−Z−R・・・式1 式中の記号は以下の意味を示す。 R:水素原子またはメチル基。 R:置換基を有していてもよいアルキル基、水素原
子、ハロゲン原子またはシアノ基。 X:単結合、−COO−、−OCO−または−O−。 Y:−CH−、−OCHCH−または−CH
CHO−。m:0〜10の整数。 Z、Z、Z、Z、Z:それぞれ独立して単結
合、−O−、−OCO−、−COO−、−CO−、−C
ONH−、−NHCO−、−NH−、−C≡C−、―C
H=CH−、−CHCH−、−N=CH−、−CH
=N−または−N=N−。 E、E、E、E4:それぞれ独立して2価の環基
であり、存在する環のうち少なくとも1つは飽和炭素環
または飽和ヘテロ環である。環の水素原子の1個以上が
フッ素原子、塩素原子またはメチル基に置換されていて
もよい。p、q:それぞれ独立して、0または1。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明における重合性液晶化合物
は、重合性官能基とメソゲン骨格とを有する重合性液晶
化合物であり、メソゲン骨格内に飽和炭素環または飽和
ヘテロ環(以下、総称して飽和環ともいう。)を少なく
とも1種含む。飽和環は、不飽和環より極性が小さいた
め、該重合性液晶化合物を含む重合性液晶組成物を重合
して得られる高分子液晶の屈折率異方性は、飽和環を有
さない高分子液晶と比較すると低い値となる。
【0015】飽和炭素環とは、炭素原子と水素原子とか
らなる飽和の環状化合物であり、環を構成する炭素原子
の数は、3〜10であるのが好ましい。飽和ヘテロ環と
は、炭素原子と水素原子とヘテロ原子とからなる飽和の
環状化合物であり、環を構成する原子の数は3〜10で
あるのが好ましい。また、ヘテロ原子としては、酸素原
子、硫黄原子、窒素原子などが挙げられる。飽和環とし
ては、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、ビシクロ
[2.2.2]オクタン環、ジオキサン環等が挙げら
れ、シクロヘキサン環が好ましい。これら環からなる2
価の環基としては、下記のようなトランス−1,3−シ
クロペンチレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレ
ン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、
トランス−1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基があ
る。
【0016】
【化1】
【0017】シクロヘキサン環を有する液晶化合物、お
よび該化合物を含む重合性液晶組成物は融点が低く、室
温で安定した液晶相が発現しやすいため好ましい。
【0018】本発明における飽和環を有する重合性液晶
化合物は、化合物1であるのが好ましい。
【0019】E、E、E、Eは、それぞれ独立
して2価の環基であり、存在する環のうち少なくとも1
つは飽和炭素環または飽和ヘテロ環である。存在する環
とはpが1の場合にEを含み、qが1の場合にE
含む、EおよびEをいう。環の水素原子の1個以上
がフッ素原子、塩素原子またはメチル基に置換されてい
てもよい。
【0020】具体的な2価の環基としては、トランス−
1,3−シクロペンチレン基、トランス−1,4−シク
ロヘキシレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オク
チレン基、トランス−1,3−ジオキサン−2,5−ジ
イル基、1,4−フェニレン基、2,6−ナフタレンジ
イル基、2,5−ピリジンジイル基、2,5−ピリミジ
ンジイル基、3,6−ピランジイル基などが挙げられ
る。好ましくは、トランス−1,4−シクロヘキシレン
基、1,4−フェニレン基である。
【0021】化合物1が、置換されていてもよい1,4
−フェニレン基を有する場合、該化合物は、広い温度範
囲で液晶性を示すので好ましい。また、化合物1の2価
の環基の水素原子が置換された場合、一般的に融点が低
下し、特にフッ素原子に置換された場合は粘度が低下す
る。目的に応じて置換基は選択することができる。
【0022】化合物1におけるスペーサ(Yは、
短い方が重合後の高分子液晶が硬くなり、屈折率異方性
の温度依存性が小さくなるので好ましい。m=0、Y
が−CH−かつm=1〜6、または、Yが−CH
CHO−かつm=1〜2、であることが好ましい。
【0023】Z、Z、Z、Z、Zは、それぞ
れ独立して単結合、−O−、−OCO−、−COO−、
−CO−、−CONH−、−NHCO−、−NH−、−
C≡C−、―CH=CH−、−CHCH−、−N=
CH−、−CH=N−または−N=N−であるが、なか
でも単結合、−O−、−OCO−、−COO−、−CO
−または−CHCH−であると、屈折率異方性が小
さくなるので好ましい。特に単結合、−O−、−OCO
−または−CHCH−であると、化合物1およびそ
れを含む組成物の融点が低くなるので好ましい。融点が
低いと、該組成物は広い温度範囲で液晶性を発現するの
で好ましい。
【0024】Xは、単結合、−COO−、−OCO−
または−O−であり、−COO−が好ましい。
【0025】Rは、水素原子またはメチル基であり、
水素原子が好ましい。Rは置換基を有していてもよい
アルキル基、水素原子、ハロゲン原子またはシアノ基で
あるが、なかでも水素原子がフッ素原子、塩素原子に置
換されていてもよいアルキル基であると、化合物1は、
融点が低くなり、かつ広い温度範囲で液晶性を発現する
ので好ましい。さらに、該化合物を含む組成物を重合さ
せた高分子液晶は、屈折率異方性が低くなる。該アルキ
ル基の中でも、炭素数が1〜10のものがより好まし
い。
【0026】化合物1としては、式2で表される化合物
が好ましい。 CH=CR−X−E−Z−E−R・・・式2 R、X、E、Z、E、Rは、それぞれ式1
の場合と同じである。
【0027】化合物1としては、例えば下記式3で表さ
れる化合物が好適である。 CH=CH−COO−Ph−OCO−Cy−R・・・式3 Phは基中の水素原子の1個以上が、フッ素原子、塩素
原子またはメチル基に置換されていてもよい1,4−フ
ェニレン基、Cyは基中の水素原子がフッ素原子、塩素
原子またはメチル基に置換されていてもよいトランス−
1,4−シクロヘキシレン基、Rは炭素数1〜8のア
ルキル基を示す。以下に記載のPh、Cyも上記と同じ
基を表す。
【0028】具体的には4−(トランス−4’−n−プ
ロピルシクロヘキシルカルボニルオキシ)フェニルアク
リレート、4−(トランス−4’−n−ブチルシクロヘ
キシルカルボニルオキシ)フェニルアクリレート、4−
(トランス−4’−n−ペンチルシクロヘキシルカルボ
ニルオキシ)フェニルアクリレート、4−(トランス−
4’−n−ヘキシルシクロヘキシルカルボニルオキシ)
フェニルアクリレートが好ましく例示される。
【0029】本発明における重合性液晶組成物は、化合
物1を1種以上含むのが好ましい。また該重合性液晶組
成物は、化合物1のほかに、化合物1以外の重合性液晶
化合物、重合性非液晶化合物、非重合性液晶化合物、非
重合性非液晶化合物(以下総称して、他の化合物ともい
う。)を適宜加えて、所望の特性を有する組成物とする
ことが望ましい。飽和環を有する重合性液晶化合物の組
成物中での割合は、10%〜100%(質量基準であ
る。以下同じ。)が好ましく、さらに50〜100%が
好ましい。50%以上であると、組成物の屈折率異方性
が小さくなるので好ましい。
【0030】他の化合物は、組成物中に0〜50%含む
のが好ましく、1種または2種以上を組み合わせて用い
ることもできる。
【0031】重合性非液晶化合物および/または非重合
性非液晶化合物を含む場合、該化合物の組成物中での割
合は、該組成物が液晶性を有する範囲であればよく、特
に限定されない。また、非重合性液晶化合物および/ま
たは非重合性非液晶化合物を含む場合、該化合物の組成
物中での割合は、該組成物を重合させた高分子液晶が固
体になる範囲であればよく、特に限定されない。
【0032】他の化合物としては、例えば式4で表され
る重合性液晶化合物が融点が低く、屈折率異方性も低い
ことから好適である。 CH=CH−COO−Ph−OCO−Ph−R・・・式4 Rは炭素数1〜8のアルキル基を表す。
【0033】具体的には、4−(4’−n−プロピルフ
ェニルカルボニルオキシ)フェニルアクリレート、4−
(4’−n−ブチルフェニルカルボニルオキシ)フェニ
ルアクリレート、4−(4’−n−ペンチルフェニルカ
ルボニルオキシ)フェニルアクリレート、4−(4’−
n−ヘキシルフェニルカルボニルオキシ)フェニルアク
リレートが好ましく例示される。
【0034】また他の化合物としては、式5で表される
重合性液晶化合物も融点が低く、広い温度範囲で液晶性
を示すので好適である。 CH=CHCOO−Ph−OCO−Ph−OCOO−R・・・式5 Rは炭素数1〜8の直鎖状アルキル基を示す。
【0035】具体的には4−(4’−(n−プロポキシ
カルボニルオキシ)ベンゾイルオキシ)フェニルアクリ
レート、4−(4’−(n−ブトキシカルボニルオキ
シ)ベンゾイルオキシ)フェニルアクリレート、4−
(4’−(n−ペンチルオキシカルボニルオキシ)ベン
ゾイルオキシ)フェニルアクリレート、4−(4’−
(n−ヘキシルオキシカルボニルオキシ)ベンゾイルオ
キシ)フェニルアクリレートが好ましく例示される。
【0036】本発明における重合性液晶組成物は、より
広い範囲で液晶相を示すことが望ましく、−30〜15
0℃、さらには−10〜120℃の温度範囲で液晶相を
発現するよう調整されるのが好ましい。
【0037】また本発明における重合性液晶組成物は、
該組成物の屈折率異方性が波長633nmの光において
0.01以上0.15以下となるように、組成が調整さ
れるのが好ましい。0.15以下であると該重合性液晶
組成物を重合して得られた高分子液晶の屈折率異方性を
小さくできるので好ましい。また0.01以上である
と、該高分子液晶が液晶性を示すため好ましい。
【0038】本発明における高分子液晶は、該重合性液
晶組成物を重合させることにより得られる。重合方法と
しては、光重合方法、熱重合方法などが挙げられ、光重
合方法が好ましい。光重合法においては該重合性液晶組
成物を配向させた状態で重合させることが好ましい。ま
た、光重合する場合には、光重合開始剤を用いると効率
よく重合できる。光重合開始剤としては特に限定されな
いが、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ベンゾイ
ン類、ベンジル類、ミヒラーケトン類、ベンゾインアル
キルエーテル類、ベンジルジメチルケタール類、チオキ
サントン類などが好ましく使用できる。該光重合開始剤
は、1種類または2種類以上を使用できる。該光重合開
始剤の使用量は、組成物に対して0.1〜10%が好ま
しく、特に0.3〜2%が好ましい。
【0039】光重合に用いる光としては、紫外線または
可視光線などが挙げられる。この際、重合性液晶組成物
の支持体としては、ガラス、プラスチック等を使用でき
る。支持体表面には配向処理を施す。配向処理は、支持
体表面を、綿、羊毛等の天然繊維、ナイロン、ポリエス
テル等の合成繊維などで直接ラビングしてもよく、ポリ
イミド、ポリアミド等を塗布した後該塗布面を上記繊維
等でラビングしてもよい。次にガラスビーズなどのスペ
ーサを支持体表面に配置し、複数枚の支持体を、所望の
間隔に制御して対向させ、支持体間に本発明における重
合性液晶組成物を注入し、充填する。
【0040】該重合性液晶組成物を配向させた状態で重
合させるためには、重合時、該組成物を液晶状態に保つ
のが好ましい。液晶状態に保つためには、雰囲気温度を
融点Tからネマチック相−等方相相転移点Tの範囲
にすればよい。しかしTに近い温度では、屈折率異方
性が極めて小さいので、雰囲気温度の上限は(T−1
0)℃以下とするのがより好ましい。
【0041】本発明の高分子液晶は、波長633nmの
光における屈折率異方性が0.01以上0.06以下で
あることが好ましく、0.02以上0.05以下である
ことがより好ましい。また本発明の高分子液晶は支持体
に挟んだまま用いてもよく、支持体から剥離して用いて
もよい。
【0042】該重合性液晶組成物を配向させない状態で
重合した場合には、得られた高分子液晶を配向させ、配
向した高分子液晶で回折素子を作製する。たとえば、高
分子液晶の溶液を配向処理された支持体表面に塗布して
乾燥し、配向した高分子液晶からなるコーティング膜を
形成することができる。こうして作製された高分子液晶
は、本発明の回折素子に好適であり、該回折素子を用い
て、光ヘッドを作製できる。
【0043】本発明の回折素子における回折格子の格子
高さは、1〜100μmであることが好ましく、2〜2
0μmがより好ましい。2μm以上であると、回折素子
を容易に製造できるため好ましい。また、本発明の回折
素子は、格子高さを任意に変えることにより、任意の回
折効率を有する回折素子を容易に作成できる。本発明の
回折素子として、偏光グレーティング素子が好ましく挙
げられる。
【0044】本発明の回折素子は、波長が450nmを
超える光用の回折素子である。光の波長は、500〜1
800nmであることが好ましく、特にCD、DVD用
の光の波長であることが好ましい。
【0045】
【実施例】[例1:化合物1を含む液晶組成物の調整]
4−(トランス−4’−n−プロピルシクロヘキシルカ
ルボニルオキシ)フェニルアクリレート(下記化合物
6、以下A1ともいう。)、4−(トランス−4’−n
−ペンチルシクロヘキシルカルボニルオキシ)フェニル
アクリレート(下記化合物7、以下A2ともいう。)を
用いて組成物B1を作製した。組成物B1の組成比は質
量比で、A1:A2=0.5:0.5とした。CH
CHCOOPh−OCO−Cy−C・・・・式6 CH=CHCOOPh−OCO−Cy−C11
・・式7 この組成物B1は室温でネマチック液晶であり、Tcは
95℃を示した。またこの組成物の30℃、589nm
における屈折率異方性Δnは0.101であった。
【0046】[例2:高分子液晶の調整]5cm×5c
m×0.5mmのガラス板に配向剤であるポリイミド溶
液をスピンコータで塗布して乾燥した後、ナイロンクロ
スで一定方向にラビング処理して、支持体を作製した。
該配向処理した面が向かい合うように2枚の支持体を接
着剤を用いて貼り合わせてセル1を作製した。その際、
接着剤にガラスビーズを混入させ、支持体の間隔が3μ
mになるように調整した。
【0047】例1の組成物B1に光重合開始剤「イルガ
キュアー907(チバガイギー社製)」を組成物に対し
て0.2%添加したものを、セル1に70℃で注入し
た。次に30℃で80mW/cmの強度の紫外線を積
算光量が5300mJ/cmとなるよう照射し、光重
合を行い、高分子液晶D1を作製した。高分子液晶D1
の各波長における屈折率を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】高分子液晶D1は、波長633nmの光と
波長1300nmの光での屈折率異方性はともに0.0
5以下であり、かつ屈折率の波長分散も小さかった。
【0050】[例3(比較例):化合物1を含まない高
分子液晶の調整]4−アクリロイルオキシ−4’−シア
ノビフェニル(下記化合物8、以下A3ともいう。)、
4−(3−アクリロイルオキシプロピル)オキシ−4’
−シアノビフェニル(下記化合物9、以下A4ともい
う。)、4−(4’−n−ブチルフェニルカルボニルオ
キシ)フェニルアクリレート(下記化合物10、以下A
5ともいう。)、4−(4’−n−ペンチルフェニルカ
ルボニルオキシ)フェニルアクリレート(下記化合物1
1、以下A6ともいう。)を用いて組成物B2を作製し
た。組成物B2の組成比は質量比で、A3:A4:A
5:A6=0.25:0.25:0.25:0.25と
した。 CH=CHCOOPhPhCN・・・・・・・・・・・・式8、 CH=CHCOO(CHOPhPhCN・・・・・式9、 CH=CHCOOPh−OCO−Ph−C・・・・式10、 CH=CHCOOPh−OCO−Ph−C11・・・式11。
【0051】この組成物B2は室温でネマチック液晶で
あり、Tは71℃を示した。またこの組成物の25
℃、589nmにおける屈折率異方性Δnは0.20で
あった。また組成物B2を用いること以外は例2と同様
にして、高分子液晶D2を作製した。高分子液晶D2の
各波長における屈折率を表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】[例4:光学素子、光ヘッドへの応用]5
cm×5cm×0.5mmのガラス板に配向剤としてポ
リイミドをスピンコータで塗布して乾燥した後、ナイロ
ンクロスで一定方向にラビング処理して、支持体を作製
した。配向処理した面が向かい合うように2枚の支持体
を接着剤を用いて貼り合わせてセル2を作製した。その
際、接着剤にガラスビーズを混入させ、支持体の間隔が
2.3μmになるように調整した。
【0054】例1の組成物B1に光重合開始剤「イルガ
キュアー907(チバガイギー社製)」を組成物に対し
て0.2%添加したものを、セル2に70℃で注入し
た。次に25℃で紫外線を照射し光重合を行って高分子
液晶D1を作製した。そして、一方の支持体を高分子液
晶D1からはがした後、エッチングにより高分子液晶D
1の格子を形成した。続いて格子の凹部を透明充填材
(エンチオール系化合物)で満たし、偏光回折素子すな
わち偏光グレーティングを作製した。この回折素子の波
長650nmの光に対する往路0次の透過率は86%、
±1次の回折効率は11%であった。
【0055】[例5(比較例)]組成物B1のかわりに
組成物B2を用いて、支持体の間隔以外は例4と同様に
して、回折効率が11%の偏光グレーティングの作製を
試みたが、支持体の間隔を0.7μmとする必要があ
り、作製は不可能であった。
【0056】
【発明の効果】本発明の回折素子に用いられる高分子液
晶は、屈折率異方性が小さい。したがって、該高分子液
晶で形成された回折格子の格子高さdを大きくしても、
Δn・dの値を小さくでき、回折効率を小さくすること
ができる。これらのことより、本発明の回折素子は、容
易に製造することができ、生産性に優れた回折素子であ
る。
【0057】また、該高分子液晶は、屈折率および屈折
率異方性の波長分散が小さい。したがって、本発明の回
折素子は、光の波長の変動等による回折効率の変動を小
さくできる。本発明の回折素子は、上記の利点を有する
ため、光ヘッド等の部品として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 5/30 G02B 5/30 G02F 1/13 505 G02F 1/13 505 Fターム(参考) 2H049 AA02 AA12 AA43 AA57 BA06 BA45 2H088 EA48 GA06 4J011 QA03 QA06 QA07 QA08 QA33 QA37 QA38 QA39 QA40 QA45 UA01 UA06 VA01 VA05 WA10 4J100 AE09P AE26P AG08P AG24P AL08P AL08Q AT08P BA02P BA12P BA15P BA15Q BA22Q BA28P BA34P BA45P BA46P BC03P BC04P BC07P BC43P BC43Q BC49P BC52P BC58P BC64P BC69P BC73P BC83P CA01 CA04 JA32

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】飽和炭素環または飽和ヘテロ環を有する重
    合性液晶化合物を少なくとも1種含む重合性液晶組成物
    を重合して得られる高分子液晶で形成された回折格子を
    有する、波長が450nmを超える光用の回折素子。
  2. 【請求項2】飽和炭素環または飽和ヘテロ環を有する重
    合性液晶化合物が、式1で表される重合性液晶化合物で
    ある、請求項1に記載の回折素子。 CH=CR−X−(Y−Z−(E−Z−E−Z− E−Z−(E−Z−R・・・式1 式中の記号は以下の意味を示す。 R:水素原子またはメチル基。 R:置換基を有していてもよいアルキル基、水素原
    子、ハロゲン原子またはシアノ基。 X:単結合、−COO−、−OCO−または−O−。 Y:−CH−、−OCHCH−または−CH
    CHO−。m:0〜10の整数。 Z、Z、Z、Z、Z:それぞれ独立して、単
    結合、−O−、−OCO−、−COO−、−CO−、−
    CONH−、−NHCO−、−NH−、−C≡C−、―
    CH=CH−、−CHCH−、−N=CH−、−C
    H=N−または−N=N−。 E、E、E、E4:それぞれ独立して2価の環基
    であり、存在する環のうち少なくとも1つは飽和炭素環
    または飽和ヘテロ環である。環の水素原子の1個以上は
    フッ素原子、塩素原子またはメチル基に置換されていて
    もよい。p、q:それぞれ独立して、0または1。
  3. 【請求項3】E、E、E、E4の存在する環のう
    ち1つ以上が、水素原子の1個以上がフッ素原子、塩素
    原子またはメチル基に置換されていてもよいトランス−
    1,4−シクロヘキシレン基である、請求項2に記載の
    回折素子。
  4. 【請求項4】飽和炭素環または飽和ヘテロ環を有する重
    合性液晶化合物が、式2で表される化合物である、請求
    項1、2または3に記載の回折素子。 CH=CR−X−(Y−Z−E−Z−E−R・・・式 2 R、X、Y、Z、Z、Rは、それぞれ式1
    の場合と同じである。E、Eは、それぞれ独立して
    2価の環基であり、該環のうち少なくとも1つは飽和炭
    素環または飽和ヘテロ環である。環の水素原子の1個以
    上がフッ素原子、塩素原子またはメチル基に置換されて
    いてもよい。mは0〜10の整数である。
  5. 【請求項5】飽和炭素環または飽和ヘテロ環を有する重
    合性液晶化合物が、式3で表される化合物である、請求
    項1〜4のいずれかに記載の回折素子。 CH=CH−COO−Ph−OCO−Cy−R・・・式3 Rは、炭素数1〜8のアルキル基である。Phは基中
    の水素原子の1個以上が、フッ素原子、塩素原子または
    メチル基に置換されていてもよい1,4−フェニレン
    基、Cyは基中の水素原子がフッ素原子、塩素原子また
    はメチル基に置換されていてもよいトランス−1,4−
    シクロヘキシレン基を表す。
  6. 【請求項6】飽和炭素環または飽和ヘテロ環を有する重
    合性液晶化合物を、組成物中に10〜100%(質量基
    準である。)含む請求項1〜5のいずれかに記載の回折
    素子。
  7. 【請求項7】高分子液晶が、重合性液晶組成物を配向さ
    せた状態で紫外光または可視光を照射することにより重
    合させて得られるものである、請求項1〜6のいずれか
    に記載の回折素子。
  8. 【請求項8】高分子液晶の波長633nmの光における
    屈折率異方性が、0.01以上0.06以下の高分子液
    晶である請求項1〜7のいずれかに記載の回折素子。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれかに記載の回折素子
    を製造するための当該請求項記載の重合性液晶組成物。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の重合性液晶組成物を重
    合して得られる高分子液晶。
  11. 【請求項11】請求項1〜8のいずれかに記載の回折素
    子を用いてなる光ヘッド。
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WO2024176863A1 (ja) * 2023-02-24 2024-08-29 Agc株式会社 偏光素子

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