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JP2003277610A - 熱可塑性芳香族ポリスルホン樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性芳香族ポリスルホン樹脂組成物

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Publication number
JP2003277610A
JP2003277610A JP2002081340A JP2002081340A JP2003277610A JP 2003277610 A JP2003277610 A JP 2003277610A JP 2002081340 A JP2002081340 A JP 2002081340A JP 2002081340 A JP2002081340 A JP 2002081340A JP 2003277610 A JP2003277610 A JP 2003277610A
Authority
JP
Japan
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component
polysulfone resin
ion
aromatic polysulfone
resin composition
Prior art date
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Pending
Application number
JP2002081340A
Other languages
English (en)
Inventor
Takayasu Kido
敬恭 木戸
Masaji Yoshimura
正司 吉村
Masahiko Asano
正彦 浅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】水酸基含有芳香族ポリスルホン樹脂[成分
(A)]と層状珪酸塩複合体[成分(B)]からなる熱
可塑性樹脂組成物であり、成分(B)が膨潤性層状珪酸
塩[成分(B−2)]に含まれるアルカリ金属イオンを
有機ホスホニウムイオン[成分(B−1)]でイオン交
換して得られる層状珪酸塩複合体であって、成分(A)
100重量部に対する成分(B)の無機成分を0.1〜
10重量部となるように含有させることを特徴とする熱
可塑性芳香族ポリスルホン樹脂組成物。 【効果】 本熱可塑性芳香族ポリスルホン樹脂組成物
は、機械的物性に優れ、成形品の高温時の膨張を改良す
る事ができ、これまでの芳香族ポリスルホン樹脂のよう
に用途が制限されず電気・電子分野などへの幅広い応用
が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械的性質と寸法
安定性に優れる熱可塑性芳香族ポリスルホン樹脂組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリスルホン樹脂は耐熱性・難燃
性などの特徴に優れ、スーパーエンジニアリングプラス
チックとして金属代替分野に幅広く用いられている。
近年、該樹脂は電気・電子部品の分野、例えばバーンイ
ンソケットやPGAソケットなどIC用ソケットの材料
としての用途が多くなってきている。この種の用途では
使用環境の雰囲気温度がたとえば室温から150℃付近
といった広い領域にわたることがあり、成形品の寸法安
定性が特に重視される。しかし一般にプラスチックの線
膨張係数は金属やセラミックに対して大きく、上記のよ
うなIC製造治具用途では、ICを実際に成型品に填め
合わせるなどの状態で温度を上げると、ICと成型品と
の間で寸法の差を生じてしまい実用に適さない場合があ
った。
【0003】このような場合、例えば「フィラーハンド
ブック」(日本ゴム協会ゴム工業技術員会、1980、
大成社)などに開示されているように、ガラス繊維など
の繊維状無機フィラーを添加することで線膨張係数を低
減する技術がある。しかし成形品を得る際の組成物の流
動方向とその直角方向で大きな異方性が生じ、直角方向
ではあまり改善されないと云う問題がある。また、ガラ
スフレーク、、雲母、タルク、セリサイト、カオリナイ
ト、窒化ほう素、黒鉛、金属フレークなどの板状の無機
フィラーを添加することで異方性を大きくせず線膨張係
数を下げる技術があるが、この場合は板状無機フィラー
を30〜50重量部も添加する必要があり、組成物の機
械的物性を大きく害する問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
対し、機械的物性と成形品の寸法安定性に優れる熱可塑
性芳香族ポリスルホン樹脂組成物を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意研究を行った結果、水酸基含有芳香族ポ
リスルホン樹脂に有機ホスホニウム塩でイオン交換した
膨潤性層状珪酸塩を添加し、混練機中で溶融混練するこ
とで上記目的を達成することを見いだし、本発明を完成
するに至った。本発明は以下の[1]〜[5]に記載の
事項により特定される。
【0006】[1] 水酸基含有熱可塑性芳香族ポリス
ルホン樹脂[成分(A)]と、層状珪酸塩複合体[成分
(B)]を含んでなる熱可塑性芳香族ポリスルホン樹脂
組成物であって、成分(B)が有機ホスホニウムイオン
[成分(B−1)]を含有する膨潤性珪酸塩[成分(B
−2)]である、熱可塑性芳香族ポリスルホン樹脂組成
物。
【0007】[2] 成分(B−1)の有機ホスホニウ
ムイオンが化学式(1)で表わされるものである、
[1]記載の熱可塑性芳香族ポリスルホン樹脂組成物
(m=0〜3、n=1〜4の整数を表し、m+n=4で
ある。Rは炭素数1〜25のアルキルを示す。芳香環の
水素はアルキル、アリール、ハロゲンその他の基で置換
されてよく、Rおよび芳香環は同一または異なってもよ
い。)。
【0008】
【化2】
【0009】[3] 成分(A)の水酸基含量が、成分
(A)の繰り返し単位100個あたり0.3〜3個の範
囲である、[1]または[2]記載の熱可塑性芳香族ポ
リスルホン樹脂組成物。
【0010】[4] 成分(B)が、膨潤性層状珪酸塩
[成分(B−2)]のアルカリ金属イオンを化学式
(1)の有機ホスホニウムイオン[成分(B−1)]で
イオン交換して得られるものであり、成分(B)におけ
る有機ホスホニウムイオンのイオン含有比が、使用した
膨潤性層状珪酸塩のイオン交換容量を基準として、0.
3〜1.5の範囲であることを特徴とする、[1]乃至
[3]の何れかに記載の熱可塑性芳香族ポリスルホン樹
脂組成物。
【0011】[5] 成分(A)と成分(B)の重量組
成比が、成分(A)100重量部に対して成分(B)の
無機質成分が0.1〜10重量部である、[1]乃至
[4]の何れかに記載の熱可塑性芳香族ポリスルホン樹
脂組成物。
【0012】[6] [1]乃至[5]の何れかに記載
した熱可塑性芳香族ポリスルホン樹脂組成物を成形して
得られる電気または電子部品。
【0013】
【発明の実施形態】本発明に使用する水酸基含有芳香族
ポリスルホン樹脂[成分(A)]は、アルカリフェノレ
ート基と電子吸引性スルホンで活性化された芳香族ハロ
ゲン基とを非プロトン性極性溶媒中で縮合反応させ、得
られた重合体を酸性雰囲気に曝すことでその末端基を水
酸基としたものであり、骨格中にエーテル結合およびス
ルホン結合を必須の結合単位として含むものである。極
めて代表的な例として例えば化学式(2)〜化学式
(5)の様な繰り返し構造単位を有するポリマーが挙げ
られ、単独あるいは二種以上を混合して用いられる。
【0014】
【化3】
【0015】これらの繰り返し単位を有する樹脂は、例
えば特公昭40−10067号公報、特公昭42−77
99号公報、特公昭47−617号公報および特公昭5
5−8351号公報などに記載の方法で容易に製造でき
る。本発明では、成分(A)の水酸基含量が上記の繰り
返し単位100個あたりに0.3〜3個の範囲にあるの
ものが好ましく用いられる。水酸基含量が上記の繰り返
し単位あたり0.3個未満では目的とする効果が得られ
にくい場合があり、3個を超えると熱安定性を欠いて成
形加工中に粘度が著しく上昇してしまう場合がある。
本発明の成分(A)は、重量平均分子量が2万〜5万の
範囲のもの(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
による測定。ポリエチレンオキシド換算の値)が好適で
ある。重量平均分子量が2万未満のものでは耐衝撃性な
どに劣る場合があり、また5万を超えると成形性に劣る
場合がある。
【0016】本発明に使用する層状珪酸塩複合体[成分
(B)]とは、膨潤性層状珪酸塩[成分(B−2)]に
含まれるアルカリ金属イオンを例えば化学式(1)で示
されるような有機ホスホニウムイオン[成分(B−
1)]でイオン交換して得られるものである。
【0017】膨潤性層状珪酸塩[成分(B−2)]と
は、アルミニウムやマグネシウムなどの元素を含む8面
体シートの上下に珪酸4面体シートが重なって出来る板
状結晶層が積層したものであって、層間にナトリウムや
リチウムなどの交換性の陽イオンを有するものである。
具体的には、スメクタイト族と呼ばれるモンモリロナイ
ト、バラデナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコ
ナイトなどの粘土鉱物を天然産出品として用いることが
出来るが、化学式(6)の一般式で表わされる人工合成
によるフッ素雲母化合物が特に好適である。
【0018】 [化学式] α(MF)・β(aMgF2・bMgO)・γSiO2 (6) (Mはアルカリ金属、α、β、γ、a、bはそれぞれ係
数を表わす。0.1≦α≦2、2≦β≦3.5、3≦γ
≦4、0≦a≦1、0≦b≦1、a+b=1である) このような合成フッ素雲母化合物は「粘土とともに」
(古賀慎、1997、三共出版)に記載されているよう
に、酸化物、フッ化物、炭酸塩などを1400℃以上に
加熱して、溶融することで合成可能である。また、タル
クを出発原料とし、ケイフッ化アルカリと混合して70
0〜900℃の温度範囲で加熱処理することでも合成可
能である。こうした合成フッ素雲母は、例えば「ソマシ
フ」(コープケミカル社製)などの商標のものが市場か
ら容易に入手可能である。天然粘土鉱物および合成フッ
素雲母は、単独あるいは2種以上混合して用いられる。
【0019】本発明に使用する成分(B−1)の有機ホ
スホニウムイオンは、有機ホスフィンのリンの孤立電子
対に他の化学種が配位結合して生じる陽イオンであり、
なかでも化学式(1)で示される構造のものが特に好適
に用いられる。
【0020】
【化4】
【0021】(m=0〜3、n=1〜4の整数を表し、
m+n=4である。Rは炭素数1〜25のアルキルを示
す。芳香環の水素はアルキル、アリール、ハロゲンその
他の基で置換されてよく、Rおよび芳香環は同一または
異なっても良い) たとえば、テトラフェニルホスホニウムイオン、ベンジ
ルトリフェニルホスホニウムイオン、ヘキシルトリフェ
ニルホスホニウムイオン、テトラデシルトリフェニルホ
スホニウムイオン、エチルトリフェニルホスホニウムイ
オン、メトキシメチルトリフェニルイオン、アセトニル
トリフェニルホスホニウムイオンなどが挙げられる。該
イオンは塩素イオン・臭素イオン・ヨウ素イオンなどの
ハロゲン陰イオンを対イオンとした塩を形成し、通常は
塩として入手可能であるが、これらは単独あるいは2種
以上混合して用いられる。
【0022】膨潤性層状珪酸塩に有機ホスホニウム塩を
接触させてイオン交換反応を行う場合、膨潤性層状珪酸
塩を水で充分に膨潤させたあと有機ホスホニウム塩の水
溶液を加えて攪拌する。膨潤性層状珪酸塩の交換性アル
カリ金属イオンが有機ホスホニウムイオンで置換されて
疎水化(すなわち親油化)したものを回収・リンス・乾
燥することで、成分(B)の層状珪酸塩複合体が得られ
る。「複合体」という言葉は、この成分(B)が、珪酸
塩の板状結晶層の間に有機ホスホニウムイオンが挿入さ
れた、サンドイッチ型の構造を主として採っていること
を指す。このとき、有機ホスホニウムイオンのイオン含
有比が、使用した膨潤性層状珪酸塩のイオン交換容量を
基準として0.3〜1.5の範囲であることが好まし
い。 「イオン含有比」とは以下のことを意味する語
である。
【0023】膨潤性層状珪酸塩のイオン交換容量はメチ
レンブルー吸着法(日本ベントナイト工業会標準試験
法、JBAS−107−91)で測定される値で、膨潤
性層状珪酸塩100gあたりの交換容量(当量)で表わ
される。一方、層状珪酸塩複合体に含まれる有機ホスホ
ニウムイオンの量は示差熱/熱天秤測定(DTA−T
G)から有機成分の重量減少として求められ、これをイ
オンの式量と荷数で除して得られる商が当量となる。こ
のときのイオン交換比は数式(1)で表わされる。
【0024】[数式] イオン含有比=(膨潤性層状珪酸塩100gあたりの吸
着有機ホスホニウムイオン当量)÷(膨潤性層状珪酸塩
のイオン交換容量)
【0025】イオン交換比が0.3未満では疎水化が不
十分であり、効果が低い場合があって好ましくない。ま
た1を超えるということはイオン交換に与からない有機
ホスホニウムイオンが付着していることを指している
が、1.5を超えると過剰な有機ホスホニウム成分が組
成物中で可塑剤的な作用を起こし物性を害する場合があ
り好ましくない。イオン交換比のより好ましい範囲は
0.5〜1.2であり、更に好ましくは0.7〜1.0
の範囲である。本発明における層状珪酸塩複合体の添加
量は、その無機成分、すなわち珪酸塩の最終濃度として
0.1〜10重量部の範囲である。例えば層状珪酸塩複
合体に含まれる有機ホスホニウム成分が20重量パーセ
ントであれば、層状珪酸塩複合体の添加量の0.8倍の
値が上記の範囲に入る必要がある。0.1重量部未満で
は目的とする効果が得られない場合があり、10重量部
を超える場合は樹脂の流動性などを害する場合がある。
本発明では、目的に応じて任意に無機繊維や、針状・板
状・粒状・その他の形態の無機フィラーを適当量併用す
ることも可能である。無機繊維としては、ガラス繊維、
炭素繊維、金属繊維、セラミック繊維、アルミナ繊維、
ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、などが挙げられる。これ
らは一種または複数のものを選択し用いることが出来
る。針状のものとしては、チタン酸カリウムウィスカ
ー、ほう酸アルミニウムウィスカー、カーボンウィスカ
ー、炭酸カルシウムウィスカー、ワラストナイト、酸化
亜鉛ウィスカー、酸化チタンウィスカー、などが挙げら
れる。これらは一種または複数のものを選択し用いるこ
とが出来る。
【0026】また板状のものとしては、天然/合成雲母
類、ガラスフレーク、タルク、セリサイト、カオリナイ
ト、窒化ほう素、黒鉛、金属フレーク、などが挙げられ
る。
【0027】また粒状のものとしてはカーボンブラッ
ク、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ガラスビー
ズ、シリカ、硫酸バリウム、金属粉、などが挙げられ
る。これらは一種または複数のものを選択し用いること
が出来る。 その他のものとしては種々の性質改良に鑑
み、ケイ石粉、二硫化モリブデンなどの耐摩耗性向上
材、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウムなどの難燃性向上材、アスベストなどの耐ト
ラッキング向上材、メタケイ酸カルシウム等の耐酸性向
上材、あるいはケイ藻土、アルミナ、シラスバルン、水
和アルミナ、ハイドロタルサイト、ゼオライト、各種の
金属酸化物等が挙げられる。これらは一種または複数の
ものを選択し用いることが出来る。
【0028】本発明の目的を損なわない範囲で、他の熱
可塑性樹脂を目的に応じて適当量配合することも可能で
ある。配合することのできる熱可塑性樹脂としては、ポ
リオレフィン類、ポリスチレン類、ポリカーボネート、
ポリエステル類、ポリアミド類、ポリアミドイミド、ポ
リフェニレンエーテル、ポリアセタール、ポリアリレー
ト、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルニトリ
ル、液晶ポリマー、ポリエーテルケトン類、熱可塑性ポ
リイミドなどが挙げられる。ポリテトラフルオロエチレ
ンなどのフッ素系樹脂やシリコーン樹脂類は組成物の離
型性を改善する上で効果が大きい。また芳香族ポリアミ
ド繊維なども機械的特性を向上する上で好ましい。これ
らは一種または複数のものを選択し用いることができ
る。 さらに着色料、離型剤、各種安定剤、可塑剤、オ
イル類なども本発明の効果を害さない範囲で添加可能で
ある。
【0029】本発明の芳香族ポリスルホン樹脂組成物は
水酸基含有芳香族ポリスルホン樹脂[成分(A)]と層
状珪酸塩複合体[成分(B)]および必要に応じてその
他の成分を均一混合した後、通常の押出機を用いて連続
な生産が可能である。この場合一軸よりも多軸の押出機
が好ましく、スクリュー径に対するスクリュー長さの比
(L/D)が25〜50の範囲が好ましい。L/Dが2
5未満では混錬が不十分になる場合があり、50を超え
ると樹脂の劣化が起こる場合がある。成分(A)と成分
(B)の組成物をマスターバッチとして用いることも可
能であり、無機繊維強化した芳香族ポリスルホン樹脂組
成物などにドライブレンドして成形に供することができ
る。この場合はドライブレンド後の膨潤性層状珪酸塩の
最終濃度が、請求項5に記載の0.1〜10重量部の範
囲にあることが必要である。本発明の樹脂組成物は主に
射出成形により実用に供されるが、押出成形、圧縮成
形、トランスファー成形などの公知の成形法によること
も可能である。
【0030】
【実施例】以下実施例によって本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例によって限定されるもの
ではない。なお、物性等の評価は以下のようにして行っ
た。 イオン含有比 イオン含有比は、数式(1)に従っ
て求めた。層状珪酸塩複合体中の有機成分分率(%)は
DTA−TGにより測定した。 線膨張係数 ASTM D−696に準じて測定し
た。測定温度は23℃から150℃の範囲とした。 アイゾット衝撃強度 ASTM D−256に準じ
た。
【0031】製造例1 膨潤性層状珪酸塩(合成フッ素雲母、コープケミカル
(株)社製、商品名「ソマシフME−100」、陽イオ
ン交換容量=80meq/100g)を蒸留水に5重量
パーセントとなるよう加えて60℃に加温し、ゾルを得
た。ここに有機ホスホニウム塩(テトラフェニルホスホ
ニウムブロマイド、東京化成(株)製)の水溶液を加え
て攪拌し、そのまま60℃で6時間イオン交換反応を行
った。加える有機ホスホニウム塩は、膨潤性層状珪酸塩
のイオン交換容量に対して1.2倍当量となるようにし
た。反応液を遠心分離にかけて内容物の回収、次いで洗
浄・乾燥し、層状珪酸塩複合体(以下「複合体1」)を
得た。イオン含有比は0.92であった。
【0032】製造例2 有機ホスホニウム塩をエチルトリフェニルホスホニウム
ブロマイド(東京化成(株)製)とした以外は、製造例
1と同様にして層状珪酸塩複合体(以下「複合体2」)
を得た。イオン含有比は0.92であった。
【0033】製造例3 有機ホスホニウム塩をベンジルトリフェニルホスホニウ
ムクロライド(東京化成(株)製)とした以外は、製造
例1と同様にして層状珪酸塩複合体(以下「複合体
3」)を得た。イオン含有比は0.93であった。
各製造例で得られた層状珪酸塩複合体について、特徴を
表1にまとめた。
【0034】実施例1〜5 前記式(2)の繰り返し構造単位を有し、末端水酸基含
量が繰り返し単位100個に対して1個の芳香族ポリス
ルホン樹脂(住友化学社製、商品名5003P、重量平
均分子量35000)と製造例1〜3で得られた層状珪
酸塩複合体を表2に示す割合で配合したのちタンブラー
ミキサーで十分に混合して、スクリュー径37mm、L
/D=32の二軸押出機にて320℃、スクリュー回転
数100rpmで溶融混合し、押出してペレット状の成
型材料組成物を得た。このペレットを用いて350〜3
20℃に設定した射出成型機で試験片に成型し、それぞ
れの物性を測定した。結果を表2に示す。
【0035】比較例1〜2 層状珪酸塩の最終濃度が好適な範囲外とし、実施例1と
同様に評価した。結果を表3に示す。
【0036】比較例3〜4 未処理の層状珪酸塩を用い、実施例1と同様に評価し
た。結果を表3に示す。
【0037】比較例5 層状珪酸塩複合体を使用せず、実施例1と同様に評価し
た。結果を表3に示す。
【0038】比較例6 層状珪酸塩複合体の代わりにガラス繊維チョップドスト
ランド(日本板硝子(株)社製、RES03−TP7
8)を用いて、実施例1と同様に評価した。結果を表3
に示す。
【0039】比較例7 層状珪酸塩複合体の代わりにガラスフレーク(日本板硝
子(株)社製、REF−600A)を用いて、実施例1
と同様に評価した。結果を表3に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明の熱可塑性芳香族ポリスルホン樹
脂組成物は、機械的物性に優れ、成形品の高温時の膨張
を改良する事ができ、これまでの芳香族ポリスルホン樹
脂のように用途が制限されず電気・電子分野などへの幅
広い応用が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA64 AB26 AE17 AF23 AF54 AH12 BA01 BB05 BC07 4J002 CN031 DJ006 FB086 FD010 FD016 GQ00 5E087 RR07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸基含有熱可塑性芳香族ポリスルホン
    樹脂[成分(A)]と、層状珪酸塩複合体[成分
    (B)]を含んでなる熱可塑性芳香族ポリスルホン樹脂
    組成物であって、成分(B)が有機ホスホニウムイオン
    [成分(B−1)]を含有する膨潤性層状珪酸塩[成分
    (B−2)]である、熱可塑性芳香族ポリスルホン樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】 成分(B−1)の有機ホスホニウムイオ
    ンが化学式(1)で表わされるものである、請求項1記
    載の熱可塑性芳香族ポリスルホン樹脂組成物(m=0〜
    3、n=1〜4の整数を表し、m+n=4である。Rは
    炭素数1〜25のアルキルを示す。芳香環の水素はアル
    キル、アリール、ハロゲンその他の基で置換されてよ
    く、Rおよび芳香環は同一または異なってもよい。)。 【化1】
  3. 【請求項3】 成分(A)の水酸基含量が、成分(A)
    の繰り返し単位100個あたり0.2〜3個の範囲であ
    る、請求項1または2記載の熱可塑性芳香族ポリスルホ
    ン樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 成分(B)が、膨潤性層状珪酸塩[成分
    (B−2)]のアルカリ金属イオンを有機ホスホニウム
    イオン[成分(B−1)]でイオン交換して得られるも
    のであり、成分(B)における成分(B−1)のイオン
    含有比が、使用した膨潤性層状珪酸塩のイオン交換容量
    を基準として、0.3〜1.5の範囲であることを特徴
    とする、請求項1乃至3の何れかに記載の熱可塑性芳香
    族ポリスルホン樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 成分(A)と成分(B)の重量組成比
    が、成分(A)100重量部に対して成分(B)の無機
    質成分が0.1〜10重量部である、請求項1乃至4の
    何れかに記載の熱可塑性芳香族ポリスルホン樹脂組成
    物。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5の何れかに記載した熱可
    塑性芳香族ポリスルホン樹脂組成物を成形して得られる
    電気または電子部品。
JP2002081340A 2002-03-22 2002-03-22 熱可塑性芳香族ポリスルホン樹脂組成物 Pending JP2003277610A (ja)

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