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JP2003267983A - オキサゾリジン化合物および硬化性樹脂組成物 - Google Patents

オキサゾリジン化合物および硬化性樹脂組成物

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JP2003267983A
JP2003267983A JP2002071835A JP2002071835A JP2003267983A JP 2003267983 A JP2003267983 A JP 2003267983A JP 2002071835 A JP2002071835 A JP 2002071835A JP 2002071835 A JP2002071835 A JP 2002071835A JP 2003267983 A JP2003267983 A JP 2003267983A
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JP
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group
compound
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oxazolidine
present
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Withdrawn
Application number
JP2002071835A
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English (en)
Inventor
Kazuo Suga
和生 菅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Yokohama Rubber Co Ltd filed Critical Yokohama Rubber Co Ltd
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Priority to US10/377,793 priority patent/US6812315B2/en
Priority to DE10311304A priority patent/DE10311304A1/de
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    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • C09D183/00Coating compositions based on macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing silicon, with or without sulfur, nitrogen, oxygen, or carbon only; Coating compositions based on derivatives of such polymers
    • C09D183/04Polysiloxanes
    • C09D183/08Polysiloxanes containing silicon bound to organic groups containing atoms other than carbon, hydrogen, and oxygen
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F7/00Compounds containing elements of Groups 4 or 14 of the Periodic Table
    • C07F7/02Silicon compounds
    • C07F7/08Compounds having one or more C—Si linkages
    • C07F7/18Compounds having one or more C—Si linkages as well as one or more C—O—Si linkages
    • C07F7/1804Compounds having Si-O-C linkages

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Abstract

(57)【要約】 【課題】硬化性に優れ、かつ、貯蔵安定性、特に、硬化
性成分および潜在性硬化剤のみが含有された状態におけ
る貯蔵安定性に優れる硬化性樹脂組成物に、潜在性硬化
剤として用いられる新規オキサゾリジン化合物の提供。 【解決手段】下記式(1)で表されるオキサゾリジン化
合物。 【化1】 1 :炭素数1〜6の炭化水素基を表す。 R2 およびR3 :それぞれ独立に水素原子もしくは炭素
数1〜15の1価の炭化水素基を表し、または、R2
3 とが結合して脂環もしくは芳香環を形成する。 R4 およびR5 :それぞれ独立にメチル基またはエチル
基を表す。 R6 :単結合または−(R7 −NHCOO−R8 −OC
ONH)p −を表す。 R7 およびR8 :それぞれ独立に2価の有機基を表す。 p:1〜15の整数を表す。 m:2または3を表す。 n:1〜3の整数を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エポキシ樹脂、ウ
レタン樹脂、変性シリコーン樹脂等の硬化性成分の潜在
性硬化剤として好適に用いられる新規オキサゾリジン化
合物、および該硬化性成分と該オキサゾリジン化合物と
を含有する硬化性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、変
性シリコーン樹脂等の硬化性成分を含有する一液硬化型
の硬化性樹脂組成物の潜在性硬化剤として、オキサゾリ
ジン化合物を用いることが知られている。これは、オキ
サゾリジン化合物が、湿気(水分)の存在下で容易に加
水分解して第二級アミンとなり、エポキシ樹脂のエポキ
シ基、ウレタンプレポリマーのイソシアネート基と反応
し、また、加水分解性ケイ素含有基含有化合物の加水分
解性ケイ素含有基の縮合反応の触媒となり、硬化を引き
起こす性質を利用したものである。しかしながら、オキ
サゾリジン化合物は、一般に、潜在性硬化剤として用い
た場合に、得られる硬化性樹脂組成物の深部硬化性には
優れるものの、貯蔵安定性に劣るという問題を有してい
る。これに対し、特開2001−192374号公報に
おいては、オキサゾリジン環の窒素原子の近くに嵩高い
基を有するオキサゾリジン化合物が提案されており、該
公報には、このオキサゾリジン化合物が、潜在性硬化剤
として用いた場合に、得られる硬化性樹脂組成物に良好
な貯蔵安定性と深部硬化性をもたらすと記載されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記公
報に記載されているオキサゾリジン化合物を含む従来公
知のオキサゾリジン化合物は、潜在性硬化剤として用い
た場合に、得られる硬化性樹脂組成物の貯蔵安定性に劣
るという問題を有していた。特に、硬化性成分および潜
在性硬化剤のみが含有された状態、即ち、充填剤、可塑
剤、チクソトロピー付与剤等の他の配合剤が混合されて
いない状態における貯蔵安定性が悪化してしまうという
問題を有していた。硬化性成分および潜在性硬化剤のみ
が含有された状態における貯蔵安定性が低いと、その貯
蔵中に反応(高分子化)が進み、他の配合剤を混合して
製品とした時に、粘度が上昇して作業性が悪化したり、
被着体への密着性が劣り接着性等の性能が低下したりす
るという問題を生じる。
【0004】したがって、本発明は、硬化性に優れ、か
つ、貯蔵安定性、特に、硬化性成分および潜在性硬化剤
のみが含有された状態における貯蔵安定性に優れる硬化
性樹脂組成物、および該樹脂組成物に潜在性硬化剤とし
て用いられる新規オキサゾリジン化合物を提供すること
を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記式(1)
で表されるオキサゾリジン化合物(以下「本発明の化合
物」という。)を提供する。
【0006】
【化2】
【0007】R1 :炭素数1〜6の炭化水素基を表す。 R2 およびR3 :それぞれ独立に水素原子もしくは炭素
数1〜15の1価の炭化水素基を表し、または、R2
3 とが結合して脂環もしくは芳香環を形成する。 R4 およびR5 :それぞれ独立にメチル基またはエチル
基を表す。 R6 :単結合または−(R7 −NHCOO−R8 −OC
ONH)p −を表す。 R7 およびR8 :それぞれ独立に2価の有機基を表す。 p:1〜15の整数を表す。 m:2または3を表す。 n:1〜3の整数を表す。
【0008】また、本発明は、(a)エポキシ基含有化
合物、(b)イソシアネート基含有化合物、(c)加水
分解性ケイ素含有基含有化合物、前記(a)と前記
(b)との混合物、または、前記(a)と(c)との混
合物と、上記オキサゾリジン化合物とを含有する硬化性
樹脂組成物(以下「本発明の組成物」という。)を提供
する。
【0009】
【発明の実施の形態】初めに、本発明の化合物について
説明する。本発明の化合物は、下記式(1)で表される
化合物である。
【0010】
【化3】
【0011】ここで、R1 は、炭素数1〜6の炭化水素
基を表す。R1 としては、例えば、炭素数1〜6のアル
キル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル
基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオ
ペンチル基、t−ペンチル基、1−メチルブチル基、2
−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、ヘキ
シル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−
メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジ
メチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,2−
ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3
−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−
エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,1,2−ト
リメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル
基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1−エチル−
2−メチルプロピル基;これらのアルキル基のそれぞれ
に対応するアルケニル基およびアルキニル基が挙げられ
る。
【0012】中でも、R1 がメチル基またはエチル基で
あるのが、得られる本発明の組成物の表面硬化性が特に
優れるので好ましい。R1 がメチル基であるのが特に好
ましい。
【0013】R2 およびR3 は、それぞれ独立に水素原
子もしくは炭素数1〜15の1価の炭化水素基を表し、
または、R2 とR3 とが結合して脂環もしくは芳香環を
形成する。炭素数1〜15の1価の炭化水素基として
は、例えば、炭素数1〜15の直鎖状または分岐状のア
ルキル基(例えば、R1 で例示した炭素数1〜6のアル
キル基)、それに対応するアルケニル基およびアルキニ
ル基、1または2以上の置換基で置換されていてもよい
アリール基、アリールアルキル基、1または2以上の置
換基で置換されていてもよいシクロアルキル基が挙げら
れる。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基、ペンチル基、オクチル基、ドデシル基、ラウ
リル基等の直鎖状のアルキル基;イソプロピル基、イソ
ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル
基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、1−メチルブチ
ル基、1−メチルヘプチル基等の分岐状のアルキル基;
ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、2−メチルア
リル基等のアルケニル基;トリル基(o−、m−、p
−)、ジメチルフェニル基、メシチル基等のアリール
基;ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基
等のアリールアルキル基;シクロペンチル基、シクロへ
キシル基等のシクロアルキル基が挙げられる。
【0014】これらの官能基の中でも、R2 が、分岐状
炭化水素基または脂環もしくは芳香環を含む炭化水素
基、例えば、イソブチル基等の分岐状アルキル基、アリ
ール基、アリールアルキル基、シクロアルキル基等の嵩
高い基であると、オキサゾリジン環内の窒素原子が置換
基の立体障害により保護されており、窒素原子の塩基性
が大幅に弱まっているため、得られる本発明の組成物の
貯蔵安定性が優れたものとなるので好ましい。
【0015】特に、R2 が、上述の官能基の中でも、1
位の炭素が分岐炭素または環員炭素である炭化水素基で
あると、得られる本発明の組成物の貯蔵安定性が特に優
れたものとなるので好ましい。1位の炭素が分岐炭素で
ある炭化水素基であるR2 の具体例としては、イソプロ
ピル基、s−ブチル基、t−ブチル基、t−ペンチル
基、1−メチルブチル基、1−メチルヘプチル基、イソ
プロペニル基が挙げられる。1位の炭素が環員炭素であ
る炭化水素基であるR2 の具体例としては、フェニル
基、トリル基(o−、m−、p−)、ジメチルフェニル
基等のアリール基;α−メチルベンジル基等のアリール
アルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メ
チルシクロへキシル基等のシクロアルキル基が挙げられ
る。環員炭素は、芳香環を構成する炭素であっても、脂
環を構成する炭素であってもよい。中でも、R2 が、イ
ソプロピル基、t−ブチル基またはシクロヘキシル基で
あるのが、原料入手の容易さおよび合成の容易さの点で
好ましい。
【0016】また、R2 とR3 とが結合して形成される
脂環または芳香環としては、炭素数4〜10の脂環また
は芳香環が挙げられる。炭素数4〜10の脂環として
は、例えば、シクロブチル基、シクロペンチル基、シク
ロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基が
挙げられる。炭素数4〜10の芳香環としては、例え
ば、フェニル基、ベンジル基、トリル基(o−、m−、
p−)、キシリル基が挙げられる。
【0017】R4 およびR5 は、それぞれ独立にメチル
基またはエチル基を表す。R6 は、単結合または−(R
7 −NHCOO−R8 −OCONH)p −を表す。ここ
で、R7 およびR8 は、それぞれ独立に2価の有機基を
表し、pは1〜15の整数を表す。R7 は、特に限定さ
れないが、例えば、後述するポリイソシアネート化合物
からイソシアネート基を二つ除去して得られる残基が挙
げられる。R8 は、特に限定されないが、例えば、後述
するポリオール化合物からヒドロキシ基を二つ除去して
得られる残基が挙げられる。mは、2または3を表す。
nは、1〜3の整数を表す。nは、2または3であるの
が好ましい。
【0018】本発明の化合物の好適な具体例としては、
下記式(2)および(3)で表される各オキサゾリジン
化合物が挙げられる。
【0019】
【化4】
【0020】本発明の化合物の製造方法は、特に限定さ
れないが、例えば、下記式(4)で表されるオキサゾリ
ジン化合物と下記式(5)で表されるイソシアネートシ
ラン化合物とを混合し、必要に応じて、酢酸エチル、酢
酸ブチル等の反応溶媒を用いて、室温から80℃の間の
温度で、4〜24時間反応させることで得ることができ
る。下記式(4)および(5)中の記号は、上述したの
と同様の内容を意味する。
【0021】
【化5】
【0022】ここで、R6 が−(R7 −NHCOO−R
8 −OCONH)p −である上記式(5)で表されるイ
ソシアネートシラン化合物は、R6 が単結合である上記
式(5)で表されるイソシアネートシラン化合物と、ポ
リイソシアネート化合物と、ポリオール化合物とを反応
させて得ることができる。この場合、例えば、R6 が単
結合である上記式(5)で表されるイソシアネートシラ
ン化合物と、ポリイソシアネート化合物と、ポリオール
化合物とを同時に反応させる方法、R6 が単結合である
上記式(5)で表されるイソシアネートシラン化合物
と、ポリオール化合物とを反応させた後に、ポリイソシ
アネート化合物と反応させる方法を用いることができ
る。
【0023】R6 が−(R7 −NHCOO−R8 −OC
ONH)p −である上記式(5)で表されるイソシアネ
ートシラン化合物の製造に用いられるポリイソシアネー
ト化合物は、イソシアネート基を分子内に2個以上有す
るイソシアネート化合物であり、例えば、2,4−トリ
レンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネ
ート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、
2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フ
ェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレ
ンポリイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシア
ネート、トリジンジイソシアネート、トリフェニルメタ
ントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシア
ネート、トリス(イソシアネートフェニール)チオホス
フェート、下記式(6)で示される化合物等の芳香族ポ
リイソシアネートおよびこれらの水素添加化合物;
【0024】
【化6】
【0025】エチレンジイソシアネート、プロピレンジ
イソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート(HDI)、テトラメチ
ルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリメ
チルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6,11−
ウンデカントリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメ
チレントリイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネー
ト;イソホロンジイソシアネート(IPDI)等の脂環
式ポリイソシアネート;キシリレンジイソシアネート、
テトラメチルキシレンジイソシアネート等のアリール脂
肪族ポリイソシアネートおよびこれらの水素添加化合
物;これらの低分子量ポリイソシアネート化合物のイソ
シアヌレート体、ビューレット体、カルボジイミド変性
ポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物との付加
体が挙げられる。
【0026】低分子量ポリイソシアネート化合物のイソ
シアヌレート体としては、例えば、IPDI、TMXD
I等のイソシアヌレート体、TDIとHDIとのイソシ
アヌレート体が挙げられる。低分子量ポリイソシアネー
ト化合物とポリオール化合物の付加体としては、例え
ば、ポリオール化合物としてトリメチロールプロパン
(TMP)を用いた付加体が好適に挙げられる。具体的
には、例えば、1,1,1−トリメチロールプロパン
(TMP)とTMXDIとから導かれる、下記式(7)
で表されるTMXDI・TMP付加体が好適に挙げられ
る。
【0027】
【化7】
【0028】上記付加体は、サイセン3160(三井サ
イテック社)等の商品名で市販されているものを用いる
ことができる。上記付加体は、ヒドロキシ基とイソシア
ネート基のすべてが完全に反応した完全付加体であって
もよく、未反応原料を含んでいてもよい。
【0029】また、ポリイソシアネート化合物として
は、上記の各イソシアネート化合物とポリオール化合物
とを反応させて得られるウレタンプレポリマーを用いる
こともできる。ポリオール化合物としては、例えば、ポ
リエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、その
他のポリオール、およびこれらの混合ポリオールが挙げ
られる。
【0030】ポリエーテルポリオールとしては、例え
ば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、プチ
レンオキサイド、スチレンオキサイド、テトラヒドロフ
ラン等のアルキレンオキサイドの1種または2種以上
に、2個以上の活性水素を有する化合物の1種または2
種以上を付加重合させた生成物が挙げられる。
【0031】2個以上の活性水素を有する化合物として
は、例えば、多価アルコール、アミン類、アルカノール
アミン類が挙げられる。
【0032】多価アルコールとしては、例えば、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ジプロピレングリコール、グリセリン、1,
1,1−トリメチロールプロパン、1,2,5−へキサ
ントリオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、4,4′−ジヒドロキシフェニルプロパ
ン、4,4′−ジヒドロキシフェニルメタン、ペンタエ
リスリトールが挙げられる。アミン類としては、例え
ば、エチレンジアミン、プロパノールアミンが挙げられ
る。アルカノールアミン類としては、例えば、エタノー
ルアミン、プロパノールアミンが挙げられる。
【0033】ポリエーテルポリオールとしては、具体的
には、例えば、ポリプロピレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレントリオールが挙げられ
る。また、テトラヒドロフランの開環重合によって得ら
れるポリテトラメチレングリコールも挙げられる。
【0034】ポリエステルポリオールとしては、例え
ば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタ
ンジオールペンタンジオール、ヘキサンジオール、シク
ロへキサンジメタノール、グリセリン、1,1,1−ト
リメチロールプロパン等の低分子ポリオールの1種また
は2種以上と、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、
スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル
酸、ダイマー酸等の低分子カルポン酸またはオリゴマー
酸の1種または2種以上との縮合重合体;プロピオンラ
クトン、バレロラクトン等の開環重合体が挙げられる。
【0035】その他のポリオールとしては、例えば、ポ
リカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオー
ル、水素添加されたポリブタジエンポリオール、アクリ
ルポリオール;エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ブタンジオール、ペンタンジオール、へキサンジオ
ール等の低分子ポリオールが挙げられる。
【0036】上述したような、ウレタンプレポリマーを
得る際におけるポリオール化合物とポリイソシアネート
化合物との混合の割合は、ポリオール化合物のヒドロキ
シ基の数に対するポリイソシアネート化合物のイソシア
ネート基の数の比(NCO/OH)が、1.2〜5であ
るのが好ましく、1.5〜3であるのがより好ましい。
ウレタンプレポリマーの製造は、通常のウレタンプレポ
リマーと同様に、所定量比の両化合物を混合し、通常、
30〜120℃、好ましくは50〜100℃で加熱かく
はんすることによって行うことができる。
【0037】上述したポリイソシアネート化合物の中で
も、分子内にイソシアネート基を2個または3個有する
ジイソシアネート類またはトリイソシアネート類が好ま
しい。また、ポリイソシアネート化合物は、分子量が2
万以下であるのが好ましい。2万以下であると、粘度が
あまり高くならず、作業性が良好となる。これらのポリ
イソシアネート化合物は、単独でまたは2種以上を組み
合わせて用いられる。
【0038】R6 が−(R7 −NHCOO−R8 −OC
ONH)p −である上記式(5)で表されるイソシアネ
ートシラン化合物の製造に用いられるポリオール化合物
としては、上記ポリイソシアネート化合物の製造に用い
られるポリオール化合物を用いることができる。また、
ポリイソシアネート化合物と上記ポリオール化合物とを
NCO/OHが1未満となる混合比で反応させて得られ
る末端OH基のプレポリマーも用いることができる。
【0039】本発明の化合物は、多量の水分の存在下で
は、オキサゾリジン環が加水分解により開環して第二級
アミンとなり、エポキシ樹脂のエポキシ基、ウレタンプ
レポリマーのイソシアネート基と反応し、また、加水分
解性ケイ素含有基含有化合物の加水分解性ケイ素含有基
の縮合反応の触媒となり、硬化を引き起こす。また、同
時に、アルコキシシリル基が加水分解して、縮合反応を
起こす。したがって、本発明の化合物を潜在性硬化剤と
して用いた樹脂組成物は、硬化時の架橋密度が極めて高
くなるので、硬化性、特に、表面硬化性に極めて優れ
る。一方、本発明の化合物は、アルコキシシリル基の方
がオキサゾリジン環よりも水との反応性が高いため、わ
ずかな水分の存在下では、アルコキシシリル基の加水分
解が優先的に起こり、オキサゾリジン環の開環は抑制さ
れる。また、アルコキシシリル基が若干加水分解した程
度では、樹脂組成物の硬化に与える影響は小さい。した
がって、本発明の化合物を潜在性硬化剤として用いた樹
脂組成物は、貯蔵安定性に極めて優れる。
【0040】即ち、上述した特開2001−19237
4号公報に記載されているオキサゾリジン化合物は、硬
化機構がオキサゾリジン環の加水分解に基づくものだけ
であるのに対し、本発明の化合物は、更に、アルコキシ
シリル基の縮合反応による硬化も起こるので、硬化性に
優れるのである。また、上述した特開2001−192
374号公報に記載されているオキサゾリジン化合物
は、オキサゾリジン環の窒素原子の近くに嵩高い基を有
するため、湿気に対する反応性が抑えられているが、オ
キサゾリジン環の加水分解が起こる余地があり、貯蔵安
定性は十分ではないのに対し、本発明の化合物は、アル
コキシシリル基が水分を捕捉するため、オキサゾリジン
環の加水分解は実質的に起こらず、貯蔵安定性に優れる
のである。
【0041】また、本発明の化合物は、極性の大きいウ
レタン結合を含有し、かつ、硬化時にアミノ基とシラノ
ール基とを生成するので、接着剤用の組成物とした場合
に、各種金属、塗膜、樹脂、ガラス等に対するの接着性
が優れる。また、耐熱性にも優れる。
【0042】オキサゾリジン化合物をウレタン樹脂の潜
在性硬化剤として用いた場合、大気中の湿気により、オ
キサゾリジン環が開環して生じた第二級アミンがウレタ
ンプレポリマーのイソシアネート基へ付加する反応が起
こる一方で、ウレタンプレポリマーのイソシアネート基
同士の重合反応も起こり、炭酸ガスが放出される。この
炭酸ガスの放出により、硬化時に発泡が生じる場合があ
り、問題となる。特に、オキサゾリジン化合物が、硬化
性の官能基としてイソシアネート基を含有するときに
は、このオキサゾリジン化合物の有するイソシアネート
基とウレタンプレポリマーの有するイソシアネート基と
の反応も起こるので、硬化時の発泡が顕著である。これ
に対して、本発明の化合物を用いた場合、大気中の湿気
により、まず、アルコキシシリル基が加水分解して縮合
反応を起こし、架橋密度を高める。ついで、上述したオ
キサゾリジン環から生じる第二級アミンのウレタンプレ
ポリマーのイソシアネート基へ付加する反応が起こる。
これらの反応は、ウレタンプレポリマーのイソシアネー
ト基同士の重合反応よりも優先的に起こるので、イソシ
アネート基同士の重合反応はあまり起こらず、また、起
こった場合にも、既に架橋密度が高くなっているので、
炭酸ガスが集まって気泡となることは実質的にない。し
たがって、本発明の化合物をウレタン樹脂の潜在性硬化
剤として用いた場合には、発泡の問題がない。
【0043】つぎに、本発明の組成物について説明す
る。本発明の組成物は、(a)エポキシ基含有化合物、
(b)イソシアネート基含有化合物、(c)加水分解性
ケイ素含有基含有化合物、前記(a)と前記(b)との
混合物、または、前記(a)と(c)との混合物と、上
述した本発明の化合物とを含有する。以下、本発明の組
成物において、硬化性成分として用いられる、(a)エ
ポキシ基含有化合物、(b)イソシアネート基含有化合
物および(c)加水分解性ケイ素含有基含有化合物につ
いて説明する。
【0044】(a)エポキシ基含有化合物は、分子内に
平均1個以上のエポキシ基を有する未硬化のエポキシプ
レポリマーであり、従来公知のものを用いることができ
る。ここで分子内のエポキシ基の平均値は、エポキシ基
含有化合物の分子量の合計をエポキシ当量の合計で割っ
た値である。具体的には、アミン類を前駆体とするエポ
キシ基含有化合物として、例えば、テトラグリシジルジ
アミノジフェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノ
フェノール、トリグリシジル−m−アミノフェノール、
トリグリシジルアミノクレゾールの各種異性体が挙げら
れる。また、トリグリシジルイソシアヌレートも挙げら
れる。
【0045】更に、フェノール類を前駆体とするエポキ
シ基含有化合物として、例えば、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、水添型ビスフェノールA型エポキシ樹脂、
臭素化エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボ
ラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキ
シ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、脂環式エポキ
シ樹脂、変性エポキシ樹脂が挙げられる。更に、下記式
(8)で表されるポリサルファイド骨格を主鎖とするポ
リサルファイド変性エポキシ樹脂も好適に用いられる。
このポリサルファイド変性エポキシ樹脂の具体例は、東
レチオコール社製のフレップ50、フレップ60、フレ
ップ65等が挙げられる。
【0046】 −(C2 4 OCH2 OC2 4 n )− (8) 式中、nは1〜5の整数を表す。
【0047】中でも、汎用エポキシ樹脂として用いられ
ている点で、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が好まし
い。
【0048】また、エポキシ基含有化合物は、25℃に
おける粘度が100000mPa・s以下の液状物であ
るのが好ましい。このようなエポキシ基含有化合物を含
有する本発明の組成物は、室温においても速硬化性に優
れる。また、25℃における粘度が100000mPa
・s以下のエポキシ基含有化合物は、当量450g/e
q以下のもの、または、平均当量が450g/eq以下
となるような組み合わせの混合物が好ましい。中でも、
エポキシ当量150〜300のビスフェノールA型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等が好まし
い。また、貯蔵安定性の観点からは、水添型ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂等の脂肪族エポキシ基含有化合物
が好ましい。
【0049】これらのエポキシ基含有化合物は、単独で
または2種以上を混合して用いられる。
【0050】(b)イソシアネート基含有化合物は、分
子内に平均1個以上のイソシアネート基を有する未硬化
のウレタンプレポリマーであり、従来公知のものを用い
ることができる。ここで分子内のイソシアネート基の平
均値は、イソシアネート基含有化合物の分子量の合計を
イソシアネート当量の合計で割った値である。具体的に
は、上述したイソシアネート基を分子内に2個以上有す
るイソシアネート化合物が挙げられる。イソシアネート
基含有化合物は、単独でまたは2種以上を混合して用い
られる。
【0051】(c)加水分解性ケイ素含有基含有化合物
は、分子内に平均1個以上の加水分解性ケイ素含有基を
有する未硬化のプレポリマーであり、従来公知のいわゆ
る変性シリコーン樹脂を用いることができる。ここで分
子内の加水分解性ケイ素含有基の平均値は、加水分解性
ケイ素含有基含有化合物の分子量の合計を加水分解性ケ
イ素含有基の当量の合計で割った値である。
【0052】加水分解性ケイ素含有基は、湿気や架橋剤
の存在下、必要に応じて触媒等を使用することにより縮
合反応を起こすケイ素含有基のことであり、例えば、ハ
ロゲン化シリル基、アルコキシシリル基、アルケニルオ
キシシリル基、アシロキシシリル基、アミノシリル基、
アミノオキシシリル基、オキシムシリル基、アミドシリ
ル基が挙げられる。具体的には、下記式で例示される、
ハロゲン化シリル基、アルコキシシリル基、アルケニル
オキシシリル基、アシロキシシリル基、アミノシリル
基、アミノオキシシリル基、オキシムシリル基、アミド
シリル基等が好適に用いられる。
【0053】
【化8】
【0054】中でも、取扱いが容易である点で、アルコ
キシシリル基が好ましい。アルコキシシリル基のケイ素
原子に結合するアルコキシ基は、特に限定されないが、
原料の入手が容易なことからメトキシ基、エトキシ基ま
たはプロポキシ基が好適に挙げられる。アルコキシシリ
ル基のケイ素原子に結合するアルコキシ基以外の基は、
特に限定されず、例えば、水素原子またはメチル基、エ
チル基、プロピル基、イソプロピル基等の炭素数が20
以下である、アルキル基、アルケニル基もしくはアリー
ルアルキル基が好適に挙げられる。
【0055】本発明においては、加水分解性ケイ素含有
基は、分子内の末端に存在していても、側鎖に存在して
いてもよく、また、両方に存在していてもよい。
【0056】加水分解性ケイ素含有基含有化合物の主鎖
としては、例えば、アルキレンオキシド重合体等のポリ
エーテル、ポリエステル、エーテル・エステルブロック
共重合体、ビニル系重合体、ビニル共重合体、ジエン系
重合体、飽和炭化水素が挙げられる。ポリエーテルは、
例えば、下記式で表される繰り返し単位を有するものが
挙げられる。
【0057】
【化9】
【0058】ポリエーテルは、これらの繰り返し単位の
1種のみからなっていてもよく、2種以上からなってい
てもよい。
【0059】ビニル系重合体、ビニル系共重合体、ジエ
ン系重合体および飽和炭化水素としては、例えば、ポリ
ブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロ
ニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン−ブタジエン
共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共
重合体、ポリイソプレン、スチレン−イソプレン共重合
体、イソブチレン−イソプレン共重合体、ポリクロロプ
レン、スチレン−クロロプレン共重合体、アクリロニト
リル−クロロプレン共重合体、ポリイソブチレン、ポリ
アクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステルが挙げ
られる。
【0060】加水分解性ケイ素含有基含有化合物の主鎖
は、単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
【0061】加水分解性ケイ素含有基含有化合物として
は、2官能以上、即ち、分子内にアルコキシシリル基を
2個以上有するアルコキシシラン類が好ましく、3〜2
0官能のアルコキシシラン類が原料の入手が容易なこと
からより好ましい。
【0062】加水分解性ケイ素含有基含有化合物は、単
独でまたは2種以上を混合して用いられる。2種以上を
混合して用いる場合、主鎖がポリエーテルである化合物
および/または主鎖が飽和炭化水素である化合物を10
質量%以上含有するのが好ましい。
【0063】加水分解性ケイ素含有基含有化合物の分子
量は特に限定されないが、高分子のものは高粘度であ
り、ハンドリングしにくい場合があるため、数平均分子
量50000以下であるのが好ましい。このような加水
分解性ケイ素含有基含有化合物は、公知の方法によって
製造することができる。市販品としては、例えば、鐘淵
化学工業社製のMSポリマー、EPION;旭硝子社製
のエクセスターが挙げられる。
【0064】本発明の組成物は、硬化性成分として、上
記(a)と上記(b)とを混合して用いること、およ
び、上記(a)と上記(c)とを混合して用いることも
できる。これらの場合、混合比は特に限定されず、目的
に応じて適宜選択することができるが、通常、質量比
で、(a)/(b)=1/99〜50/50であるのが
好ましく、また、(a)/(c)=1/99〜50/5
0であるのが好ましい。なお、上記(b)と上記(c)
とを混合すると、湿気硬化時にイソシアネート基と、加
水分解性ケイ素含有基から生成するアルコール等とが反
応して硬化を阻害してしまうため、通常、これらは併用
することができないが、いずれかの含有量が本発明の目
的を損なわない程度の微量であれば、両者を併用した
り、更に、上記(a)を併用したりすることができる。
【0065】本発明の組成物において、本発明の化合物
は、1種単独で、または、2種以上を混合して用いるこ
とができる。
【0066】本発明の組成物における本発明の化合物の
含有量は、硬化性成分の有するエポキシ基、イソシアネ
ート基および加水分解性ケイ素含有基(以下「主官能
基」という。)の数の合計と、本発明の化合物の有する
オキサゾリジン環の窒素原子の数とのモル比が0.1〜
50となる量であるのが好ましく、0.5〜20となる
量であるのがより好ましい。上記範囲であると、得られ
る本発明の組成物の硬化性および貯蔵安定性が極めて優
れたものになる。
【0067】本発明の組成物は、本発明の化合物を含有
するため、表面硬化性および貯蔵安定性、特に、硬化性
成分および潜在性硬化剤である本発明の化合物のみが含
有された状態での貯蔵安定性に優れるので、有用であ
る。
【0068】本発明の組成物は、本発明の目的を損なわ
ない範囲で、本発明の化合物以外にエポキシ樹脂組成
物、ウレタン樹脂組成物、変性シリコーン樹脂組成物等
に通常用いられる他の硬化剤および/または潜在性硬化
剤を含有することができる。例えば、アミン系硬化剤、
酸または酸無水物系硬化剤、塩基性活性水素化合物、イ
ミダゾール類、ポリメルカプタン系硬化剤、フェノール
樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート系硬
化剤、潜在性硬化剤、紫外線硬化剤が挙げられる。これ
らの硬化剤および/または潜在性硬化剤を含む場合、本
発明の化合物を含む硬化剤成分の合計の配合比率が、硬
化性成分の主官能基の合計に対して、合計活性水素量が
当量比で0.1〜5.0であるのが好ましく、0.2〜
2.0であるのがより好ましい。
【0069】本発明の組成物は、本発明の目的を損なわ
ない範囲で、上記各種成分以外に、必要に応じて、各種
の添加剤を含有することができる。添加剤としては、例
えば、充填剤、可塑剤、シランカップリング剤、チクソ
トロビー性付与剤、顔料、染料、老化防止剤、酸化防止
剤、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、分散剤、溶剤
が挙げられる。
【0070】充填剤としては、各種形状のものを使用す
ることができる。例えば、ヒュームドシリカ、焼成シリ
カ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ;けいそう
土;酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸
化マグネシウム;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、
炭酸亜鉛;ろう石クレー、カオリンクレー、焼成クレ
ー;カーボンブラック等の有機または無機充填剤;これ
らの脂肪酸、樹脂酸、脂肪酸エステル処理物、脂肪酸エ
ステルウレタン化合物処理物が挙げられる。
【0071】可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタ
レート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP);ア
ジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル;ジエチレン
グリコールジペンゾエート、ペンタエリスリトールエス
テル;オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチ
ル;リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル;アジピ
ン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸プ
チレングリコールポリエステルが挙げられる。
【0072】シランカップリング剤としては、例えば、
トリメトキシビニルシラン、γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、イソシアネートプロピルトリメト
キシシラン、ケチミン化プロピルトリメトキシシラン等
が、汎用化合物であることから好適に挙げられる。チク
ソトロビー性付与剤としては、例えば、エアロジル(日
本エアロジル社製)、ディスパロン(楠本化成社製)、
炭酸カルシウム、テフロン(登録商標)が挙げられる。
顔料としては、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、群
青、ベンガラ、リトポン、鉛、カドミウム、鉄、コバル
ト、アルミニウム、塩酸塩、硫酸塩等の無機顔料;アゾ
顔料、銅フタロシアニン顔料等の有機顔料が挙げられ
る。
【0073】老化防止剤としては、例えば、ヒンダード
フェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物が挙げ
られる。酸化防止剤としては、例えば、ブチルヒドロキ
シトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール
(BHA)が挙げられる。帯電防止剤としては、例え
ば、第四級アンモニウム塩;ポリグリコール、エチレン
オキサイド誘導体等の親水性化合物が挙げられる。
【0074】難燃剤としては、例えば、クロロアルキル
ホスフェート、ジメチル・メチルホスホネート、臭素・
リン化合物、アンモニウムポリホスフェート、ネオペン
チルブロマイド−ポリエーテル、臭素化ポリエーテルが
挙げられる。接着性付与剤としては、例えば、テルペン
樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロ
ジン樹脂、キシレン樹脂が挙げられる。上記の各添加剤
は適宜、組み合わせて用いることができる。
【0075】上記のような各成分から本発明の組成物を
製造する方法は、特に限定されないが、好ましくは上記
各成分を、減圧下または窒素等の不活性ガス雰囲気下
で、混合ミキサー等のかくはん装置を用いて十分に混練
し、均一に分散させる方法が好ましい。
【0076】本発明の組成物は、土木建築用、コンクリ
ート用、木材用、金属用等の接着剤、シーリング剤、塗
料、防錆塗料、プライマー、コーティング材、発泡材等
として好適に用いることができる。
【0077】
【実施例】以下に、実施例を示して本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらに限られるものではない。 (実施例1〜4ならびに比較例1および2)下記第1表
に示す各成分を、第1表に示す組成(質量部)で配合
し、各樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物につい
て、以下のようにして表面硬化時間(表面硬化性)およ
び粘度変化(貯蔵安定性)を評価した。
【0078】<表面硬化時間(表面硬化性)>樹脂組成
物を高さ1cmのポリプロピレン製のカップ型容器に上
限すれすれまで入れ、温度20℃、相対湿度60%の環
境下で放置した。放置している間に樹脂組成物の表面に
ポリエチレンシートで触れ、シートに樹脂組成物が付着
しなくなるまでの時間を測定した。結果を第1表に示
す。
【0079】<粘度変化(貯蔵安定性)>樹脂組成物の
調製直後の粘度を測定し、ついで樹脂組成物を密閉容器
に封入し、70℃で1日(24時間)貯蔵した後、粘度
を測定し、貯蔵後の粘度を調製直後の粘度で除して、粘
度変化を算出した。粘度の測定は、E型粘度計3度コー
ンを使用して、20℃にて測定した。結果を第1表に示
す。
【0080】
【表1】
【0081】上記第1表に示される各成分は、以下のと
おりである。 エポキシ基含有化合物:ビスフェノールA型エポキシ
樹脂、EP4100E、旭電化工業社製 イソシアネート基含有化合物:数平均分子量5000
の3官能PPG(ポリプロピレングリコール)とTMX
DIとをNCO/OH=2となるように混合して合成し
たウレタンプレポリマー 加水分解性ケイ素含有基含有化合物:変性シリコーン
樹脂、MSポリマー、鐘淵化学工業社製 オキサゾリジン化合物1:上記式(2)で表されるオ
キサゾリジン化合物 オキサゾリジン化合物2:上記式(3)で表されるオ
キサゾリジン化合物 オキサゾリジン化合物3:下記式(9)で表されるオ
キサゾリジン化合物 オキサゾリジン化合物4:下記式(10)で表される
オキサゾリジン化合物 オキサゾリジン化合物5:下記式(11)で表される
オキサゾリジン化合物 (分子量1400)
【0082】
【化10】
【0083】第1表から明らかなように、本発明の化合
物を含有する本発明の硬化性樹脂組成物(実施例1〜
5)は、表面硬化性に優れ、硬化時に発泡も生じない。
また、硬化性成分および潜在性硬化剤のみが含有された
状態での粘度変化が小さい。即ち、貯蔵安定性に優れ
る。これに対して、潜在性硬化剤として、アルコキシシ
リル基を有しない従来のオキサゾリジン化合物を用いた
場合(比較例1)は、表面硬化性に劣るとともに、貯蔵
安定性に劣る。また、イソシアネート基を有するオキサ
ゾリジン化合物を用いた場合(比較例2)は、比較例1
よりも表面硬化性は改善されるが実施例よりも劣ってお
り、また、硬化時に発泡を生じ、更に、貯蔵安定性は比
較例1よりも劣る。
【0084】
【発明の効果】本発明の化合物は、エポキシ樹脂、ウレ
タン樹脂、変性シリコーン樹脂等の硬化性成分の潜在性
硬化剤として用いると、硬化性、特に、表面硬化性に優
れ、かつ、貯蔵安定性、特に、硬化性成分および潜在性
硬化剤のみが含有された状態での貯蔵安定性に優れるの
で、極めて有効に用いられる。また、本発明の硬化性樹
脂組成物は、本発明の化合物を含有するので、硬化性、
特に、表面硬化性に優れ、かつ、貯蔵安定性、特に、硬
化性成分および潜在性硬化剤のみが含有された状態での
貯蔵安定性に優れるので、極めて有効に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H049 VN01 VP01 VQ64 VR21 VR22 VR23 VR41 VR42 VR43 VU17 VW02 4J034 BA08 CA36 CC12 CC33 CC37 CC44 CC62 CC65 CC67 CD01 CD05 CD16 CE01 CE04 DA08 DA10 DF01 DG02 DG03 DG04 DG06 DH02 DK05 DK06 DK08 DK09 DP03 DP12 DP13 DP17 DP18 DP19 GA02 GA05 GA06 HA02 LA08 LA33 QC01 RA07 RA08 4J036 AA01 DA05 DA10 DD08 JA01 JA06 JA07

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(1)で表されるオキサゾリジン化
    合物。 【化1】 1 :炭素数1〜6の炭化水素基を表す。 R2 およびR3 :それぞれ独立に水素原子もしくは炭素
    数1〜15の1価の炭化水素基を表し、または、R2
    3 とが結合して脂環もしくは芳香環を形成する。 R4 およびR5 :それぞれ独立にメチル基またはエチル
    基を表す。 R6 :単結合または−(R7 −NHCOO−R8 −OC
    ONH)p −を表す。 R7 およびR8 :それぞれ独立に2価の有機基を表す。 p:1〜15の整数を表す。 m:2または3を表す。 n:1〜3の整数を表す。
  2. 【請求項2】(a)エポキシ基含有化合物、(b)イソ
    シアネート基含有化合物、(c)加水分解性ケイ素含有
    基含有化合物、前記(a)と前記(b)との混合物、ま
    たは、前記(a)と(c)との混合物と、請求項1に記
    載のオキサゾリジン化合物とを含有する硬化性樹脂組成
    物。
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