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JP2003266549A - 発泡化粧シート用原反と発泡化粧シートの製造方法 - Google Patents

発泡化粧シート用原反と発泡化粧シートの製造方法

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Publication number
JP2003266549A
JP2003266549A JP2002078190A JP2002078190A JP2003266549A JP 2003266549 A JP2003266549 A JP 2003266549A JP 2002078190 A JP2002078190 A JP 2002078190A JP 2002078190 A JP2002078190 A JP 2002078190A JP 2003266549 A JP2003266549 A JP 2003266549A
Authority
JP
Japan
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decorative sheet
layer
foamed
resin layer
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002078190A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshikazu Nishio
俊和 西尾
Masaru Okamoto
優 岡本
Osayuki Ono
修之 小野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2002078190A priority Critical patent/JP2003266549A/ja
Publication of JP2003266549A publication Critical patent/JP2003266549A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐スクラッチ性を低コストで実現できる発泡
化粧シート用原反の製造方法と、それを用いた発泡化粧
シートの製造方法を提供する。 【解決手段】 未発泡樹脂層1A上に熱可塑性樹脂の表
面保護層2を有する発泡化粧シート用原反10として、
未発泡樹脂層をカレンダー成形法にてシート状に成形し
た後、連続して、表面保護層とする熱可塑性樹脂を未発
泡樹脂層上にTダイ押出法にて積層して製造した原反を
用いて、発泡化粧シートを製造する。カレンダー成形直
後に裏打シート3も積層するのが機械的強度の点等で好
ましい。また、発泡化粧シート製造時は、表面保護層上
に絵柄層を印刷し、その後、加熱発泡させて、表面保護
層側面へのエンボス加工で凹凸模様を賦形すると、高意
匠となり好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の壁紙や天
井材、その他各種化粧シートとして使用され得る発泡化
粧シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、壁紙に代表される発泡化粧シート
は、裏打紙等の上に発泡樹脂層として塩化ビニル樹脂を
用いたものが多用されてきたが、近年は環境への配慮か
ら、発泡樹脂層には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
アクリル樹脂、或いはオレフィン系樹脂等のハロゲンを
含まない樹脂を用いたものに代わりつつある(特開平6
−47875号公報、特開2000−255011号公
報、特開2001−347611号公報等参照)。例え
ば、アクリル樹脂とエチレン−酢酸ビニル共重合体を含
むエマルションにマイクロカプセル型発泡剤を添加した
塗料を、裏打紙に塗工し乾燥後、その表面に絵柄模様を
印刷し、次いで加熱発泡させ、エンボス版にてエンボス
して、発泡化粧シートとする。或いはまた、オレフィン
系樹脂としてエチレン−酢酸ビニル共重合体に熱分解型
発泡剤を添加した樹脂組成物を、裏打紙上にTダイ押出
機で発泡温度以下の温度で溶融押し出して塗工した後、
その表面に絵柄模様を印刷し、次いで加熱発泡させ、エ
ンボス版にてエンボスして、発泡化粧シートとする。
【0003】そして更に、耐スクラッチ性や耐汚染性等
の表面物性が要求される場合は、発泡樹脂層上には表面
保護層を設けている。例えば、発泡樹脂層をエマルショ
ン塗料で塗工形成する場合には、発泡剤を含有しないエ
マルション塗料を表面に塗工する(特開平11−198
266号公報等参照)。或いはまた、樹脂フィルムをラ
ミネートしたり、樹脂をTダイで溶融押出塗工したりす
る(特開2001−58376号公報等参照)等であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】更に最近の傾向とし
て、性能的に過剰性能になるのを抑えて必要十分な性能
(例えば耐スクラッチ性)に限定して、その分、低コス
ト化した製品に対する要求が増えている。これに対し
て、上記の如き従来の非塩化ビニル樹脂系の発泡化粧シ
ートは、検討の余地を残すものであった。それは、エマ
ルション塗料により発泡樹脂層或いは更に表面保護層を
形成する発泡化粧シートでは、エマルション塗料が乾き
難い水性塗料である為に、生産性(生産速度)に難点が
あった。つまり、低コスト化に繋がる生産性向上に難点
があった。この点では、表面保護層や発泡樹脂層をTダ
イで押出成形する発泡化粧シートは、樹脂層の乾燥工程
が不要である点で有利である。しかしながら、表面保護
層は厚みが薄い為に表面保護層の形成の点に於いては生
産性は良いのだが、発泡樹脂層の方は或る程度の厚みが
必要であり、その為には樹脂の押出し量を増やす必要が
ある関係上、生産速度を上げられず、生産性の向上は望
めなかった。
【0005】すなわち、本発明の課題は、発泡化粧シー
トに於いて耐スクラッチ性を低コストで実現することで
あり、その為の、発泡化粧シート用原反の製造方法、並
びに、発泡化粧シートの製造方法を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
すべく、本発明の発泡化粧シート用原反の製造方法は、
発泡前の未発泡樹脂層上に熱可塑性樹脂からなる表面保
護層を有する発泡化粧シート用原反の製造方法におい
て、未発泡樹脂層をカレンダー成形法にてシート状に成
形した後、連続して、表面保護層として熱可塑性樹脂を
該未発泡樹脂層上にTダイ押出法にて積層することで発
泡化粧シート用原反とする製造方法とした。
【0007】この様な製造方法とすることで、未発泡樹
脂層はカレンダー成形法で形成される結果、Tダイ押出
法で形成する場合に比べて生産速度を速くできる。従っ
て、生産性向上による低コスト化が図れる。しかも、耐
スクラッチ性等の表面物性を向上させる為の表面保護層
は、予め成膜済みの樹脂シートとして積層するのでは無
く、未発泡樹脂層のカレンダー成形に続けて連続してT
ダイ押出法で未発泡樹脂層のシート成形と同時にインラ
インで積層するので、低コストで耐スクラッチ性を実現
できる発泡化粧シートの製造が可能となる原反が得ら
れ、また、未発泡樹脂層が成形時の余熱を有するうちに
表面保護層を形成することができるので、表面保護層を
未発泡樹脂層に密着性良く積層でき、これら層間にプラ
イマー層を設けるのを省略することもできる。従って、
プライマー層を設ける事によるコスト増も回避できる。
従って、この点からも、低コスト化が実現できる。
【0008】また、本発明の発泡化粧シートの製造方法
は、上記発泡化粧シート用原反を加熱し、その未発泡樹
脂層を発泡させて発泡樹脂層とすることで、発泡化粧シ
ートを得る製造方法とした。
【0009】この様な製造方法とすることで、上記した
発泡化粧シート用原反による効果が享受できる。従っ
て、低コストで耐スクラッチ性を実現できる。
【0010】また、本発明の発泡化粧シートの製造方法
は、上記発泡化粧シートの製造方法に於いて、発泡化粧
シート用原反を加熱する前に、その表面保護層上に絵柄
層を形成し、その後に加熱し未発泡樹脂層を発泡させて
発泡樹脂層とし、次いで、表面保護層側の面にエンボス
による凹凸模様を形成して発泡化粧シートを得る製造方
法とした。
【0011】この様な製造方法とすることで、絵柄層及
び凹凸模様によって高意匠化した発泡化粧シートであっ
ても、低コストで耐スクラッチ性を実現できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
について、実施の形態を詳述する。
【0013】〔概要〕先ず、本発明について、図1を参
照して概説する。同図は、発泡化粧シート用原反10の
製造方法について、その一形態を概念的に説明する概念
図である。
【0014】図1では、発泡前の未発泡状態の未発泡樹
脂層1Aは、カレンダーローラ31〜34を有するカレ
ンダー装置30によってシート状に成形される。すなわ
ち、発泡樹脂材料1Bをカレンダーローラ31及び32
間に供給し、該発泡樹脂材料1Bをカレンダーローラ3
1、32間から、カレンダーローラ32、33間、カレ
ンダーローラ33、34間と通しながら、混練・圧延し
てシート状に成形された未発泡樹脂層1Aとする。そし
て本発明では、カレンダー成形法によって、連続帯状の
シート状に成形された未発泡樹脂層1Aは、それを巻き
取る事無く、連続してインラインで、更に該未発泡樹脂
層1A上に表面保護層2をTダイ押出法にて同時に積層
してしまう。つまり、前記未発泡樹脂層1A上に、表面
保護層とする樹脂材料2Aを、Tダイ押出機30のTダ
イ31から溶融押出しして成膜と同時に積層する。その
結果、未発泡樹脂層1A上に表面保護層2が積層された
構成の発泡化粧シート用原反10が得られる。
【0015】なお、発泡化粧シートの代表的用途である
壁紙では、未発泡樹脂層1Aの下側(裏面側)に更に通
常は、裏打紙等の裏打シートを積層する。図1には、こ
の様な裏打シート3も積層する方法の一例を示し、カレ
ンダー成形された後の未発泡樹脂層1Aに対して、Tダ
イ押出法で表面樹脂層2を積層する前の段階で、裏打シ
ートを積層する例である。裏打シートも、同図の如くイ
ンラインで、表面樹脂層の積層と同時に積層できる。ま
た、裏打シートも同時にインラインで積層すれば効率的
でこの点でも低コスト化が図れる。
【0016】次に、図2の断面図で、上記の如くして得
られる発泡化粧シート用原反10を例示する。図2
(A)で示す発泡化粧シート用原反10は、裏打シート
が無い場合の構成例であり、発泡前の未発泡樹脂層1A
上に熱可塑性樹脂からなる表面保護層2が積層され、こ
れら2層からなる構成のものである。また、図2(B)
で示す発泡化粧シート用原反10は、裏打シート3も有
する場合の構成例であり、未発泡樹脂層1Aの上側には
熱可塑性樹脂からなる表面保護層2が積層され、該未発
泡樹脂層1Aの下側(裏面側)には裏打シート3が積層
さ、これら3層からなる構成のものである。
【0017】そして、この様な発泡化粧シート用原反1
0を、加熱し未発泡樹脂層1Aを発泡させて発泡樹脂層
とすれば、発泡化粧シートが得られる。但し、発泡化粧
シートには通常、凹凸模様や絵柄等も更に設けるが、そ
の場合は、発泡化粧シート用原反10の表面保護層2上
に適宜絵柄層4を印刷形成した後に、加熱して未発泡樹
脂層を発泡させて発泡樹脂層とする。凹凸模様は、通常
は発泡時の余熱を利用して、発泡後にエンボス版で表面
樹脂層側の面から凹凸模様を賦形する。
【0018】図3の断面図で、上記の如くして得られる
発泡化粧シートを例示する。図3(A)で示す発泡化粧
シート20は、裏面側から順に、裏打シート3/発泡樹
脂層1/表面保護層2が積層され、表面保護層2側の面
に凹凸模様5が形成された構成である。また、図3
(B)の断面図で例示した発泡化粧シート20は、裏面
側から順に、裏打シート3/発泡樹脂層1/表面保護層
2/絵柄層4が積層され、表面保護層及び絵柄層側の面
に凹凸模様5が形成された構成である。
【0019】以下、更に各層毎に順を追って詳述する。
【0020】〔未発泡樹脂層と発泡樹脂層〕未発泡樹脂
層1Aは、少なくとも発泡剤が添加された樹脂からなる
層である。未発泡樹脂層が含有する発泡剤の発泡温度以
上の温度に加熱して、未発泡樹脂層を発泡させること
で、未発泡樹脂層1Aは発泡樹脂層1となる。
【0021】未発泡樹脂層乃至は発泡樹脂層の樹脂とし
ては、塩化ビニル樹脂等の様にハロゲンを含むものは環
境への配慮の点で避けて、ハロゲン非含有の樹脂を用い
るのが好ましい。ハロゲン非含有樹脂としては、従来公
知の樹脂を適宜選択使用すれば良い。例えば、該樹脂と
しては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン
系モノマーの単独重合体或いは共重合体からなるポリオ
レフィン系樹脂、或いは、エチレン−酢酸ビニル共重合
体(EVA)、エチレン−メチルメタクリレート共重合
体(EMMA)、エチレン−エチルメタクリレート共重
合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体等の、
エチレンやプロピレン等のα−オレフィンと酢酸ビニル
やアクリル酸系モノマー等のその他のビニルモノマーと
の共重合体からなるポリオレフィン系樹脂、或いは、ポ
リスチレン、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等の、熱
可塑性樹脂等が挙げられる。
【0022】これらのなかでも、エチレン−酢酸ビニル
共重合体(EVA)、エチレン−メチルメタクリレート
共重合体(EMMA)等のエチレンを共重合体モノマー
として含むエチレン系樹脂は、燃焼カロリーが比較的小
さく(難燃性、準不燃性に関係)、また安価である点で
好ましい樹脂である。なお、エチレン−酢酸ビニル共重
合体に於ける酢酸ビニルの共重合比率は通常20〜30
質量%程度の範囲が好ましい。それは、酢酸ビニルの共
重合比率が20質量%未満であると、特に裏打シートを
積層する場合において、発泡化粧シート用原反のカール
が起き易くなり、該原反への印刷適性等が低下するから
である。一方、該共重合比率が30質量%を超えるとカ
レンダー成形適性(ロール離れ)が低下する傾向があ
る。また、エチレン−メチルメタクリレート共重合体に
於けるメチルメタクリレートの共重合比率も通常20〜
30質量%程度の範囲が好ましい。理由は、上記酢酸ビ
ニルの場合と同様である。
【0023】また、未発泡樹脂層に用いる樹脂は、発泡
適性(発泡倍率、セル緻密性等)、耐スクラッチ性等の
強度に加えカレンダー成形適性の点で、そのメルトフロ
ーレート(MFR)は1〜10(g/10min)程
度、より好ましくは1〜5程度が好ましい。メルトフロ
ーレートが30未満であるとカレンダー成形性が低下
し、発泡倍率も低下し、逆に、メルトフローレートが8
0を超過すると発泡樹脂層の機械的強度が低下する傾向
がある。なお、メルトフローレートの測定は、JIS
K 7210(熱可塑性プラスチックの流れ試験方法)
によって行う。その場合、試験条件は、JIS K67
60でポリエチレンに対する試験条件として指定してい
る前記JISの表1記載の条件4〔190℃、21.1
8N(2.16kgf)〕で行う。
【0024】また、発泡剤としては、従来公知の発泡剤
を適宜選択使用すれば良い。但し、低コストを実現する
為には、マイクロカプセル型発泡剤よりは、熱分解型発
泡剤の方が好ましい。なお、マイクロカプセル型発泡剤
としては、アクリロニトリル等の樹脂球殻中にヘキサ
ン、イソブタン等の熱膨張性気体を封入したもの等があ
る。また、熱分解型発泡剤は、アゾジカルボンアミド
(ADCA)、アゾビスホルムアミド等のアゾ系、オキ
シベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、パラト
ルエンスルホニルヒドラジド等のビドラジド系等があ
る。熱分解型発泡剤としては、これらのなかでも、樹脂
にポリオレフィン系樹脂を用い場合には、アゾ系発泡
剤、とりわけアゾジカルボンアミド(ADCA)は、コ
スト、発泡性能(発泡温度、安定性、発泡倍率)等の点
で好ましい。なお、発泡剤の添加量は、樹脂、発泡倍率
等によって適宜調整するが、樹脂分に対して通常1〜2
0質量%程度である。
【0025】また、未発泡樹脂層1A中には、通常、更
に必要に応じ適宜、無機充填剤、難燃剤、着色剤、熱安
定剤、光安定剤等の公知の各種添加剤を添加する。例え
ば、無機充填剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化
マグネシウム、ホウ酸亜鉛、等の難燃剤や、炭酸カルシ
ウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、クレー、タルク等
の粉末が用いられる。また、着色剤としては、チタン白
等の後述絵柄層で列記する如きものが用いられる。ま
た、発泡安定剤としては、亜鉛系、鉛系、鈴系等が用い
られ、光安定剤としては紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤
等が用いられる。なお、添加量は添加剤によって異なる
が、無機充填剤の場合は、樹脂分100質量部に対し
て、通常30〜200質量部程度である。
【0026】なお、未発泡樹脂層1Aの厚さは、用途、
発泡倍率、裏打シート有無、コスト等を考慮して適宜な
厚さとすれば良く、例えば壁紙用途では通常80〜30
0μm程度、好ましくは100〜150μm程度であ
る。また、発泡倍率は用途によるが、1.5倍以上、通
常3〜7倍程度である。発泡倍率が低すぎると、発泡自
体の効果が十分に得られず、また発泡倍率が高すぎると
発泡樹脂層が機械的に弱くなり、耐スクラッチ性が低下
する。
【0027】なお、未発泡樹脂層1Aの形成は、Tダイ
押出法でも不可能では無いが、Tダイ押出法では原料樹
脂の供給能力がカレンダー成形法に比べて劣る為に、特
に層厚みが厚い場合にはシート成形速度が低下してしま
う。また、原料樹脂変更時の樹脂ロスも大きい。これに
対して、本発明の如くカレンダー成形法を採用すれば、
層厚みが厚い場合でもシート成形速度を上げられ、樹脂
ロスも少ない。従って、カレンダー成形法の採用によ
り、生産コストをより安価にできる。
【0028】また、発泡化粧シートの用途が壁紙等の場
合には、通常、化粧シートの機械的強度及び所望の発泡
に必要分のみの層厚みに抑えて低コストとする等の為
に、未発泡樹脂層1Aの裏面側には、裏打ち紙等の裏打
シート3を積層する〔図1参照〕。しかし、カレンダー
成形法では生産性を確保したままで未発泡樹脂層1Aを
厚く形成できる為に、該層によって機械的強度を出すこ
とも可能であり、用途次第では裏打シート無しの構成も
可能となる利点もある。
【0029】〔裏打シート〕裏打シート3としては、機
械的強度、加熱発泡時の耐熱性等を有するものであれ
ば、特に限定は無い。これら性能を満足する点で、通常
は繊維質シートが使用される。裏打シートの積層は、裏
打シートにより機械的強度が向上し、未発泡樹脂層の厚
みを発泡に必要分のみに抑えて低コスト化が図れる点で
好ましい。なお、裏打シートとして用いる繊維質シート
としては、紙、不織布、織布等が挙げられる。なかでも
難燃紙、無機質紙は代表的である。なお、裏打シートの
厚みは用途によるが、壁紙用途では、通常、坪量で50
〜300g/m2程度、好ましくは50〜80g/m2
度である。
【0030】裏打シートを未発泡状態の未発泡樹脂層1
Aの裏側面に積層する方法は、特に限定は無く、例え
ば、図1の概念図で例示した如く、未発泡樹脂層1Aが
カレンダー成形された直後で、表面保護層のTダイ押出
法による積層前に、インラインで一対のラミネートロー
ラ50を用いて積層する。裏打シートの積層は、表面保
護層積層後でも良いが、カレンダー成形直後とすればカ
レンダー成形時の余熱を有し、密着も容易である。
【0031】裏打シート3の積層タイミングは、接着剤
無しの熱融着による接着も容易である点で、カレンダー
成形時を含めてカレンダー成形からTダイ押出までに至
る間が好ましく、より好ましくは、カレンダー成形時よ
り後で且つTダイ押出より前であり、更に好ましくはカ
レンダー成形直後である(図1、図5参照)。最上流側
の積層タイミングは、例えばカレンダーボトムローラ3
5に於いての積層である〔図4(A)参照〕。但し、そ
の場合、裏打シート積層後は樹脂延伸による薄膜化が出
来なくなるので、その分、ラインスピードは出し難くな
る。ところが、積層タイミングが、カレンダー成形した
直後であれば〔図1参照〕、その余熱で未発泡樹脂層を
薄膜化の為に延伸しつつ、裏打シートを接着剤無しの熱
融着で積層する事で直ちに延伸を止めて膜厚及びシート
巾を固定させる事も可能となる利点がある。更に、シー
ト幅方向の余剰分の両耳カットを、ラミネートローラ5
0部分で行えば、両耳は未発泡樹脂層のみで混入物が無
いので、樹脂リターンによる再利用が可能にもなる。こ
の樹脂リターンの実現は、廃棄物を出さないという環境
への配慮以外に、低コスト化にも重要な要素となる。
【0032】次に、Tダイ押出し直下の3層同時積層の
場合〔図4(B)〕は、再利用可能な樹脂リターンとす
る為の両耳カット位置が取れない。ローラ42a上では
既に裏打シートが積層されており、ローラ42b以降で
は表面保護層も積層されており、カットされた両耳は混
合物となってしまう。また、Tダイ押出し直後の2層同
時積層の場合〔図4(C)〕は、ローラ42aでの両耳
カットCTが出来ても、その後で裏打シートを熱融着で
積層させる為にローラ42aを高温にすると、ローラ4
2a、42b間からのシートの剥離が安定しない問題が
生じる。
【0033】次に、最下流側の積層タイミングとして、
Tダイ押出成形の後でも可能で、この場合、両耳カット
CTはローラ42aで可能であるが、肝心の裏打シート
の熱融着の為にヒータ43を下流側に設けて再加熱が必
要で、そうでなければ、別途接着剤使用の手間及びその
費用が必要となる〔図1(D)参照〕。
【0034】以上の様に、裏打シートの積層タイミング
は、好ましくは、カレンダー成形時より後で且つTダイ
押出より前という事になる。
【0035】なお、裏打シートの積層に接着剤を使用す
るのは、最良ではないが、もしも、要求性能等の点から
接着剤使用が許される場合には、もちろん、接着剤を使
用しても構わない。接着剤には、公知の接着剤、例え
ば、ウレタン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂
等の樹脂系接着剤を、裏打シートに塗工した後、裏打シ
ートと未発泡樹脂層とを積層すれば良い。なお、接着剤
塗工面は、裏打シートの他、未発泡樹脂層、或いはこれ
ら両者でも良い。
【0036】ここで、図4の概念的説明図で、本発明に
よる発泡化粧シート用原反の製造方法を、その或る一形
態を示す。同図の場合では、カレンダー装置30として
は、複合型6本カレンダーが使用される。未発泡樹脂層
1Aの元となる発泡樹脂材料1Bは、原料自動供給装置
から自動的に供給されてプラネタリー押出し機、ミキシ
ングミルを順次経て練り込まれた後、カレンダー装置3
0に供給される。そして、カレンダー装置30によっ
て、未発泡樹脂層1Aは連続帯状のシート状として成形
される。なお、同図に例示する形態の場合は、このカレ
ンダー成形後の未発泡樹脂層1Aには表面保護層2を積
層する前に、インラインで連続して、その裏側とする面
に裏打シート3を一対のラミネートローラ50を使用し
てラミネートする。また、ラミネート前に、幅方向両端
の余剰の両耳をカットして所望の幅にする。なお、カッ
トされた両耳は混入物の無い未発泡樹脂層の成分そのも
のであり、樹脂リターンとしてミキシングミルに戻して
再利用する。
【0037】〔表面保護層〕表面保護層2は、本発明で
は熱可塑性樹脂を用いてTダイ押出法によって、未発泡
樹脂層1Aのカレンダー成形に連続してインラインで形
成する。表面保護層は通常は非発泡の層とする。それ
は、表面保護層も発泡層とすると、表面保護層本来の目
的である表面強度が低下し、本発明が目的とする耐スク
ラッチ性が低下するからである。しかし、要求される耐
スクラッチ性能の範囲内で、発泡樹脂層よりも発泡剤添
加量は少くする等して発泡倍率を低く抑えた低発泡の表
面保護層としても良い。なお、表面保護層の厚みは、用
途、要求物性に応じて適宜厚さとすれば良いが、例え
ば、壁紙用途等では、5〜20μm、より好ましくは1
0〜15μm程度である。厚みが薄いと、耐スクラッチ
性が十分に得られず、逆に厚みが厚すぎると、シートの
幅方向で表面保護層側へのカール(表面保護層側が凹)
が増加し、発泡化粧シートの施行時に支障を来す。
【0038】表面保護層2の厚さは上記の如く、未発泡
樹脂層程は必要なく、Tダイ押出法でも原料樹脂材料の
供給は円滑に行え、生産速度を低下させることは無い。
また、薄い樹脂層からなる表面保護層に対しては、カレ
ンダー成形法よりもTダイ押出法の方が、均一な厚みで
表面性が良く出来る点で好適である。従って、本発明で
は、表面保護層の形成の方には、Tダイ押出法を採用す
る。
【0039】また、表面保護層は、異種又は同種樹脂に
よる2層等の多層構成としても良い。その場合、Tダイ
押出法であれば、2層共押出し等の多層共押出し法で形
成も容易である。表面保護層を多層構成とする例として
は、例えば、未発泡樹脂層側は該未発泡樹脂層との密着
性をより考慮した層として、表面側は表面強度、印刷適
性、耐汚染性等をより考慮した層とした構成等である。
また、表面保護層を設けることで、壁紙等として発泡化
粧シートのカールが問題になる場合の対応として、表面
保護層に加工温度から常温に戻った時の収縮率が異なる
材料を用いて表面保護層を2層等の多層構成とすること
で、裏打シート側等の裏側に若干反る(表面保護層側は
凸)ような設計も有効である。
【0040】表面保護層に用いる熱可塑性樹脂として
は、必要な耐スクラッチ性が得られるものであれば特に
制限は無い。但し、本発明の基本的趣旨からして、塩素
等のハロゲンを非含有の熱可塑性樹脂が好ましい。ハロ
ゲン非含有の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロ
ピレン(PP)、高密度ポリエチレン(HDPE)等の
ポリオレフィン系樹脂、ポリブチレンテレフタレート
(PBT)等のポリエステル樹脂、エチレンビニルアル
コール(EVOH)、アクリル樹脂等のビニル系樹脂、
ポリアミド樹脂(ナイロン)等である。
【0041】なお、表面保護層中には、各種物性調整の
為に必要に応じ適宜、例えば未発泡樹脂層で述べた如き
の、充填剤、着色剤、光安定剤(紫外線吸収剤、ラジカ
ル補足剤等)、発泡剤、その他、滑剤、抗菌剤等の公知
の添加剤を添加する。また、表面保護層は透明でも不透
明でも良い。また、無着色でも良いし、例えばチタン白
等の着色剤添加で着色しても良い。
【0042】なお、本発明では、未発泡樹脂層1Aとこ
れに続く表面保護層2の形成をインラインで連続して行
うので、表面保護層2は間に印刷等による絵柄層は介さ
ずに未発泡樹脂層1A上に直接形成するのが、製造装置
的に好ましい。絵柄層が必要な場合には、後で、発泡化
粧シート用原反の表面保護層上に形成すれば良い。
【0043】ここで、先に参照した図4の概念的説明図
により、表面保護層の形成の一形態を説明する。同図の
場合では、Tダイ押出装置40としては、単軸押出し機
が使用される。表面保護層の元となる樹脂材料2Aは、
原料自動供給装置から自動的にTダイ押出装置40に供
給されて、そのTダイ41から加熱溶融状態で押出され
る。そして、上流側から流れてくる、裏打シート3積層
済みの未発泡樹脂層1Aの表側面に溶融塗工されて表面
保護層が形成され発泡化粧シート用原反10となる。こ
の後、発泡化粧シート用原反10はアキュームレータを
経て、巻き取りに巻き取る。
【0044】ところで、表面保護層2が未発泡樹脂層1
Aに接して積層される点では、未発泡樹脂層1Aをシー
ト成形後に、該シートを一旦巻き取った後、オフライン
で巻き出したシートに対して、表面保護層をTダイ押出
法で積層する事も可能である。しかし、本発明では、表
面保護層の形成もインラインで、つまり連続して行って
しまうので、表面保護層を未発泡樹脂層に密着性良く積
層することができる。しかも、未発泡樹脂層がカレンダ
ー成形時の余熱を有するうちに表面保護層を形成するこ
とができ、この点でも表面保護層を未発泡樹脂層に密着
性良く積層することができる。従って、これら層間にプ
ライマー層を設けるのを省略することもできる。従っ
て、プライマー層を設ける事によるコスト増も回避でき
る。従って、この点からも、低コスト化が実現できるこ
とになる。
【0045】〔その他の層〕なお、本発明では特にプラ
イマー層は必要ないが、コスト面等でプライマー層の使
用が許されるならば、使用しても良いことはもちろんで
ある。プライマー層とては、2液硬化型ウレタン樹脂、
シランカップリング剤等の公知のプライマー剤を適宜使
用する。プライマー層は、例えば、未発泡樹脂層、裏打
シートに対して行う。なお、プライマー層はグラビアコ
ート、ロールコート等の公知の塗工法で形成することが
できる。
【0046】また、プライマー層を使用する場合、或い
は使用しない場合も含めて、密着力強化が必要な場合に
は、公知の表面処理を施しても良い。例えば、コロナ放
電処理、プラズマ処理等である。この様な表面処理は、
未発泡樹脂層、或いはTダイ直下の溶融樹脂(表面保護
層)等に対して行う。
【0047】〔発泡化粧シート用原反の使用〕上述した
如き製造方法で得られる発泡化粧シート用原反は、発泡
化粧シートを製造する為の原反として使用される。発泡
化粧シートとしては、代表的には壁紙が挙げられる。壁
紙等の場合では、発泡化粧シート用原反の表面保護層面
に通常は絵柄層を印刷した後で、加熱し発泡させて、更
に表面にエンボス加工で凹凸模様を賦形して所望の発泡
化粧シートとする。
【0048】本発明による発泡化粧シートの製造方法
は、上述した発泡化粧シート用原反を使用する点に特徴
を有し、この原反を発泡させただけでも良いが、通常は
この原反に対して更に装飾処理を施して、発泡化粧シー
トとする。装飾処理としては、例えば、絵柄層の形成、
凹凸模様の賦形等があるが、従来公知の装飾処理を用
途、要求物性等に応じて適宜採用すれば良い。以下、装
飾処理としての絵柄層と凹凸模様と、発泡について、更
に説明する。
【0049】〔絵柄層〕絵柄層4は、絵柄による意匠表
現の為の層であり、高意匠化が必要な場合に、印刷法等
の公知の形成法及び材料で、上述した発泡化粧シート用
原反に対して、その表面保護層面に設ければ良い。印刷
法は、例えば、グラビア印刷、シルクスクリーン印刷、
オフセット印刷、活版印刷、フレキソ印刷、静電印刷、
インクジェット印刷、転写印刷等の公知の印刷法で良
い。なお、全面ベタの場合は、公知の塗工法で形成して
も良い。絵柄層の絵柄模様は、例えば、砂目模様、石目
模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、木目模
様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、各種抽象模
様、或いは全面ベタ等、或いはこれらの組合わせ等と、
用途に応じた模様とすれば良い。
【0050】絵柄層の形成に用いるインキ(或いは塗
液)は、バインダーの樹脂として、例えば、アクリル樹
脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、セルロース系樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリエステル樹脂、或いは、塩素化ポリエチレン、
塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン樹脂等
を、単独又は混合物として用いる。また、インキ(或い
は塗液)の着色剤としては、チタン白、カーボンブラッ
ク、弁柄、黄鉛、群青等の無機顔料、アニリンブラッ
ク、キナクリドン、イソインドリノン、フタロシアニン
ブルー等の有機顔料、アルミニウム箔粉、二酸化チタン
被覆雲母の箔粉等の光輝性顔料、或いはその他染料等を
用いる。
【0051】〔凹凸模様〕凹凸模様5は、表面凹凸によ
る意匠感を表現の為のものであり、高意匠化が必要な場
合に、公知のエンボス加工法等で設ければ良い。凹凸模
様の賦形は、発泡後に、発泡時の熱が残っているうちに
その熱を利用して、エンボス版で賦形すれば効率的で良
い。エンボス加工は、公知の熱プレス方式の枚葉又は輪
転式エンボス機を用いることができる。凹凸模様の模様
としては、例えば、布表面テクスチュア、梨地、砂目、
石板表面凹凸(花崗岩劈開面等)、タイル貼り乃至は煉
瓦積みの目地溝、木目板導管溝等である。また、凹凸模
様はこれらの組み合わせでも良い。
【0052】〔発泡〕未発泡樹脂層の発泡は、絵柄層を
設ける場合は通常、絵柄層を設けた後に行う。を発泡温
度は、樹脂、発泡剤の種類等によるが、150〜250
℃程度である。また、発泡時間は0.5〜2分程度であ
る。
【0053】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に詳述する。
【0054】〔実施例1〕図2(B)の断面図の様な発
泡化粧シート用原反10を、図5の様な製造ラインで次
の如く製造した。下記配合の発泡樹脂を、カレンダー成
形機にてカレンダー成形(樹脂温度100℃)して、連
続帯状のシートとして厚さ110μmの未発泡樹脂層1
Aを成形して、その直後の成形時の余熱を有するうちに
連続して、坪量60g/m2の壁紙用難燃性裏打紙から
なる裏打シート3を、ラミネートローラで未発泡樹脂層
の樹脂の熱融着によって接着し積層した。なお、その
際、裏打シート積層直前に、未発泡樹脂層の両耳はカッ
トして、その樹脂は、樹脂リターンとして未発泡樹脂層
の成形材料として再利用した。
【0055】発泡樹脂配合 : エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA) 100質量部 (酢酸ビニル含量23質量%、MFR3) 充填剤(炭酸カルシウム) 50質量部 着色剤(チタン白) 15質量部 発泡剤(ADCA) 5質量部 安定剤(亜鉛系) 5質量部
【0056】次に、引き続き連続して、裏打シート3/
未発泡樹脂層1Aの積層シートとなったものを、カレン
ダー装置下流側に設置されているTダイ押出装置に導
き、無着色の高密度ポリエチレン(HDPE)を加熱溶
融(樹脂温度280℃)させてTダイから押出して、未
発泡樹脂層1A上に厚さ10μmの表面保護層2を成膜
と同時に積層して、図2(B)の如き所望の発泡化粧シ
ート用原反10を得た。
【0057】そして、上記発泡化粧シート用原反10を
用いて、図3(B)の断面図の様な、発泡化粧シート2
0を製造した。具体的には、発泡化粧シート用原反10
のま表面保護層2上に、、グラビア印刷にて抽象柄の絵
柄層4を形成した後、220℃で40秒加熱して、未発
泡樹脂層1Aを発泡させて発泡樹脂層1とし、引き続
き、表面保護層側の面からエンボス版でエンボス加工を
施して、抽象柄模様の凹凸模様5を賦形して、図2
(B)の如き所望の発泡化粧シート20を作製した。
【0058】〔実施例2〕実施例1において、表面保護
層とする樹脂を、高密度ポリエチレンからエチレンビニ
ルアルコール(EVOH)に代えてTダイ押出法(樹脂
温度210℃)で積層した他は、実施例1と同様にして
発泡化粧シート用原反を作製した。そして、実施例1同
様に発泡化粧シートを作製した。
【0059】〔実施例3〕実施例1において、表面保護
層とする樹脂を、高密度ポリエチレンからポリアミド樹
脂(ナイロン)に代えてTダイ押出法(樹脂温度240
℃)で積層した他は、実施例1と同様にして発泡化粧シ
ート用原反を作製した。そして、実施例1同様に発泡化
粧シートを作製した。
【0060】〔実施例4〕実施例1において、表面保護
層とする樹脂を、高密度ポリエチレンからポリブチレン
テレフタレート(PBT)に代えてTダイ押出法(樹脂
温度250℃)で積層した他は、実施例1と同様にして
発泡化粧シート用原反を作製した。そして、実施例1同
様に発泡化粧シートを作製した。
【0061】〔性能評価結果〕得られた発泡化粧シート
について、発泡状態、耐スクラッチ性について、性能評
価した。発泡状態は、発泡後の発泡樹脂層の厚みが壁紙
として十分な厚み(500μm以上)が得られているか
否かで判断したところ、各実施例とも全て良好であっ
た。また、耐スクラッチ性は、未発泡樹脂層が5倍発泡
した状態とした上で、表面強化壁紙試験(日本ビニル工
業会)を実施して評価した。その結果、各実施例とも、
全て評価ランクは4級で、多少表面キズが見られるが比
較的大きな表面層の剥がれ等が見られず、耐スクラッチ
性は良好でった。
【0062】また、各実施例の発泡化粧シート用原反、
及びそれで得られた発泡化粧シートには、カールが起き
ず耐カール性は良好で、絵柄層の印刷、或いは、化粧シ
ートの施工に於いて、支障になる様なことは無かった。
また、各層独立性について、発泡後の断面を顕微鏡観察
したところ、発泡樹脂層と表面保護層との識別が可能で
あり、発泡樹脂層中の添加した発泡剤によって表面保護
層まで発泡してしまう事が無かった。従って、表面保護
層は耐スクラッチ性向上の為に有効に機能していること
が確認された。また、各実施例の発泡化粧シートは、発
熱性試験の結果、全て準不燃に該当するものとなった。
【0063】
【発明の効果】(1)本発明の発泡化粧シート用原反の
製造方法によれば、生産速度を速くでき、生産性向上に
よる低コスト化が図れる。そして、低コストで耐スクラ
ッチ性を実現できる発泡化粧シートの製造が可能となる
原反が得られる。 (2)本発明の発泡化粧シートの製造方法によれば、低
コストで耐スクラッチ性を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による発泡化粧シート用原反の製造方法
を概念的に示す説明図。
【図2】本発明による発泡化粧シート用原反の構成例を
示す断面図。
【図3】本発明による発泡化粧シートの構成例を示す断
面図。
【図4】裏打シートの各種積層タイミングを概念的に示
す説明図。
【図5】本発明による発泡化粧シート用原反の製造方法
の或る一形態を概念的に示す説明図。
【符号の説明】
1 発泡樹脂層 1A 未発泡樹脂層 1B 発泡樹脂材料 2 表面保護層 2A 樹脂材料 3 裏打シート 4 絵柄層 5 凹凸模様 10 発泡化粧シート用原反 20 発泡化粧シート 30 カレンダー装置 31〜34 カレンダーローラ 35 カレンダーボトムローラ 40 Tダイ押出装置 41 Tダイ 42a〜42c ローラ 43 ヒータ 50 ラミネートローラ 61、62、63 ローラ CT 両耳カット(位置)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04F 13/00 B29K 101:12 // B29K 101:12 105:04 105:04 B29L 9:00 B29L 9:00 31:58 31:58 B29C 67/22 (72)発明者 小野 修之 埼玉県入間郡三芳町竹間沢311番地 大日 本印刷建材株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AK01A AK011 AK05 AK68 AR00A BA02 CA01 CA05 CA13 CA23 DJ01B DJ04B DJ042 EA021 EH17A EH172 EJ17B EJ393 EJ42B EJ423 GB08 HB00A HB21A HB31 JB16A JB161 4F207 AA10 AG01 AG03 AG20 AH48 KA01 KA11 KB22 KW42 4F212 AA10 AB02 AF01 AG01 AG03 AG20 AH48 UA09 UB22 UP05 4F213 AA05 AA19 AB02 AB06 AB11 AB12 AG03 AH48 WA04 WA06 WA15 WA33 WA38 WA43 WA53 WA97 WB02 WB11 WB22 WE06 WE07 WE16 WF01 WF05 WF06 WK01 WK03 WW06 WW15 WW21

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡前の未発泡樹脂層上に熱可塑性樹脂
    からなる表面保護層を有する発泡化粧シート用原反の製
    造方法において、 未発泡樹脂層をカレンダー成形法にてシート状に成形し
    た後、連続して、表面保護層として熱可塑性樹脂を該未
    発泡樹脂層上にTダイ押出法にて積層することで発泡化
    粧シート用原反とする、発泡化粧シート用原反の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発泡化粧シート用原反を
    加熱し、未発泡樹脂層を発泡させて発泡樹脂層とするこ
    とで発泡化粧シートを得る、発泡化粧シートの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の発泡化粧シート用原反を
    加熱する前に、その表面保護層上に絵柄層を形成し、そ
    の後に加熱し未発泡樹脂層を発泡させて発泡樹脂層と
    し、次いで、表面保護層側の面にエンボスによる凹凸模
    様を形成して発泡化粧シートを得る、請求項2記載の発
    泡化粧シートの製造方法。
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