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JP2003264704A - 画像復号化装置、画像復号化プログラム、画像符号化装置、及び画像符号化プログラム - Google Patents

画像復号化装置、画像復号化プログラム、画像符号化装置、及び画像符号化プログラム

Info

Publication number
JP2003264704A
JP2003264704A JP2002065031A JP2002065031A JP2003264704A JP 2003264704 A JP2003264704 A JP 2003264704A JP 2002065031 A JP2002065031 A JP 2002065031A JP 2002065031 A JP2002065031 A JP 2002065031A JP 2003264704 A JP2003264704 A JP 2003264704A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bits
image
multiplicand
multiplier
wavelet transform
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002065031A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuji Wada
田 祐 司 和
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Victor Company of Japan Ltd filed Critical Victor Company of Japan Ltd
Priority to JP2002065031A priority Critical patent/JP2003264704A/ja
Publication of JP2003264704A publication Critical patent/JP2003264704A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)
  • Compression Of Band Width Or Redundancy In Fax (AREA)
  • Compression, Expansion, Code Conversion, And Decoders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 JPEG2000に基づく画像圧縮又は画像再生を行
う場合に、浮動小数点演算機能を持たない情報機器で
も、演算時間の増大をもたらすことなく高画質を維持で
きるようにすること。 【解決手段】 ステップ1〜6の演算式に含まれる乗算
a=b×cを行う場合、乗算結果aをビット数nで表す
ものとすれば、被乗数bのビット数mと乗数cのビット
数oとの合計ビット数m+oは設定ビット数nを超えな
いようにする必要がある。もし超えていればbを1ビッ
ト右シフトし、それでもまだ超えていればcを1ビット
右シフトする。このようなシフトを繰り返し、合計ビッ
ト数が設定ビット数以下になった時点で乗算を行い、そ
の後に、行ったシフト回数を考慮して小数点位置を元に
戻す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、符号化規格JPEG20
00を用いて画像データの復号化及び符号化を行う、画像
復号化装置、画像復号化プログラム、画像符号化装置、
及び画像符号化プログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】画像圧縮方式としては、最も一般的なJP
EGをはじめとして従来から種々の方式が用いられてきて
いるが、最近、国際標準化され注目されている画像圧縮
方式としてJPEG2000がある。このJPEG2000は、従来のJP
EGが離散コサイン変換(DCT)を用いた方式であるのに
対し、ウェーブレット変換(DWT)を用いた方式である
ため、より高画質及び高階調の画像が得られ、また、同
程度の画質に比べ圧縮率を高くすることができるなど多
くのメリットを有している。
【0003】図8は、JPEG2000を用いた画像復号化装置
の構成を示すブロック図である。この装置は、符号デー
タ入力手段801、メインヘッダ解析手段802、タイ
ル解析手段803、算術復号化手段804、係数ビット
モデリング手段805、スカラ逆量子化手段806、逆
ウェーブレット変換手段807、カラー変換手段80
8、DCレベルシフト手段809、及び画像出力手段8
10を備えている。なお、これらのうち、スカラ逆量子
化手段806、カラー変換手段808、DCレベルシフ
ト手段809はJPEG2000においてはオプションとして備
えられたものである。JPEG2000では、その他にもオプシ
ョンとして備えられたものがあるが、本発明の技術とは
直接的な関連性がないか、あっても重要度が低いため説
明を省略している。
【0004】次に、図8の動作につき説明する。まず、
JPEG2000の規格にしたがって符号化された符号データ
は、ファイルシステムやネットワーク手段を用いて符号
データ入力手段801によって入力される。符号データ
は所定の2バイトコードのマーカによって区切られ、符
号化データの構成を示す図9の説明図のように、メイン
ヘッダ901とタイル902とに大きく分けることがで
きる。
【0005】メインヘッダ901は、画像の大きさ、タ
イルの大きさ、画像位置のオフセット、タイル位置のオ
フセット、1画素あたりのサンプルビット数、RGBな
どのコンポーネント数が格納されているヘッダと、レイ
ヤー数、分解数、色変換、プログレッシブ順序などの量
子化スタイルとから構成されている。タイル902は、
画像を、メインヘッダで指定されたある一定の大きさを
有する複数のタイル903で構成されている。このタイ
ル903は、タイル902に係る画像を複数に分割する
ための単位であり、主にウェーブレット変換を行う単位
でまとめられた画像単位である。これら各タイル903
間の相関をなくすことにより並列化や省メモリ化が可能
となる。
【0006】しかし、複数のタイル903に分割して圧
縮率を上げると、タイル境界部に不連続性が生じ、タイ
ルノイズを発生する虞がある。そのため、充分なメモリ
容量がある場合には、複数のタイルに分割せず、画像全
体を1つのタイルにした方がよいということがわかって
いる。
【0007】タイル903のデータは更にタイルヘッダ
904及びタイルデータ905に分けることができる。
タイルヘッダ904は、タイル番号、タイルの大きさ等
が格納され、符号スタイルや量子化スタイルなども指定
することができる。タイルデータ905は、各コンポー
ネント、各分解数、各レイヤー単位のパケット906に
分けることができる。パケット906は、各コンポーネ
ント、各分解数、各レイヤーの符号データであり、更
に、パケットヘッダ、パケットボディ(図示せず)に分
けられる。そして、パケットヘッダにはパケットボディ
の存在や大きさなどが格納され、パケットボディには算
術符号化されたバイトコードが格納されている。
【0008】メインヘッダ解析手段802は、符号デー
タ入力手段801で入力された符号データのメインヘッ
ダを解析し、画像のプロパティを決定する。タイル解析
手段803は、メインヘッダ解析手段802で得られた
画像のプロパティを基にタイルヘッダを解析して各タイ
ルのプロパティを決定し、更に各タイルのパケットを取
り出してパケットボディを得る。
【0009】算術復号化手段804は、タイル解析手段
803で得られたパケットボディから算術復号化を行
い、係数ビットモデリング手段805のためのビット列
を取り出す。算術復号化は、JPEG2000では適応的復号化
のMQCoderが採用されている。係数ビットモデリング手
段805は、算術復号化手段804から得られたビット
列を用いて、所定の手続きに基づきDWT係数からスカ
ラ量子化した係数列を作成する。
【0010】スカラ逆量子化手段806は、メインヘッ
ダ901又はタイルヘッダ904で指定された量子化ス
タイルに基づき、係数ビットモデリング手段905で作
成された係数列をJPEG2000の規格にある所定の計算式で
逆量子化し、DWT係数を生成する。逆ウェーブレット
変換手段807はスカラ逆量子化手段806で得られた
DWT係数をメインヘッダ901又はタイルヘッダ90
4で指定された符号化スタイルの分解数に基づき逆ウェ
ーブレット変換を行い、各コンポーネントの値を求め
る。
【0011】カラー変換手段808は、逆ウェーブレッ
ト変換手段807で得られた値をメインヘッダ901又
はタイルヘッダ904にしたがってYUV成分からRG
B成分へのカラー変換を行う。但し、モノクロ画像の符
号データや、符号化時にカラー変換を行わなかった場
合、カラー変換手段808は動作しない。
【0012】DCレベルシフト手段809は、カラー変
換手段808で得られたRGB又は各コンポーネントの
各値のDCレベルをシフトする。DCレベルシフトと
は、符号化時にダイナミックレンジが値0を中心とする
ようにシフトすることであり、復号化時にはそれを元に
戻すことである。例えば、或る入力画像データが8ビッ
トで表されているとすると、このデータは0〜255の
うちのいずれかの値となるが、DCレベルシフトするこ
とにより、このデータの値を0を中心として−128〜
127の値にすることができる。このように、DCレベ
ルシフトを行う理由は、周波数変換後の係数は正負の符
号と絶対値とに分けられて符号化されるため、ゼロ値を
基準としてデータ配置されている方が符号化効率が高く
なるからである。画像出力手段810は、DCレベルシ
フト手段809で得られた画像を出力する手段である。
【0013】ところで、逆ウェーブレット変換手段80
7は、ウェーブレット変換により符号化された画像デー
タに対して逆ウェーブレット変換を行うものである。こ
こで、ウェーブレット変換とは、複雑な振動波形の解析
等を行う場合に用いられる変換であり、フーリェ解析の
特徴を生かしつつ、時間的又は空間的な変動を同時にと
らえることができる波形データ解析手法である。そし
て、このウェーブレット変換は、画像を低域成分と高域
成分とに分けて変換を行うものであり、変換係数が整数
で構成されるものを「整数型」、実数で構成されるもの
を「実数型」と呼んでいる。前者は可逆変換が可能であ
り回路構成を小さくできるというメリットがあり、一
方、後者は可逆変換は不可であり、実数演算のため処理
に浮動小数点演算回路を必要としたりするが、圧縮率を
上げた場合にも良好な画質が得られるというメリットが
ある。画像処理一般におけるウェーブレット変換では、
変換係数や参照画素数などを種々の値に設定可能であ
り、従って種々の変換フィルタを用いることが可能であ
る。しかし、JPEG2000では画質や回路構成等を考慮の結
果、「整数型」では低域用参照画素数が5で高域用参照
画素数が3の5×3フィルタを採用し、「実数型」では
低域用参照画素数が9で高域用参照画素数が7の9×7
フィルタを採用している。
【0014】逆ウェーブレット変換手段807が行う実
数型逆ウェーブレット変換の演算は、以下のようなステ
ップ1〜6の各ステップ演算式で示される。 Step1 X(2n)=K・Yext(2n) Step2 X(2n+1)=(1/K)・Yext(2n+1) Step3 X(2n)=X(2n)−δ・{X(2n-1)+X(2n+1)} Step4 X(2n+1)=X(2n+1)−γ・{X(2n)+X(2n+
2)} Step5 X(2n)=X(2n)−β・{X(2n-1)+X(2n+1)} Step6 X(2n+1)=X(2n+1)−α・{X(2n)+X(2n+
2)}
【0015】ここで、Yext(n)は、入力のDWT係数
Y(n)を対称周期拡張して得られる係数であり、X
(n)は出力の画素値である(nはこれらの係数及び画
素の位置を示す数値である)。対称周期拡張とは、タイ
ル領域境界線付近でのウェーブレット演算を可能にする
ためタイル領域内の係数又は画素をタイル領域外に仮想
的に拡張することである。また、上記の各ステップ演算
式で用いられる係数α,β,γ,δ,KはJPEG2000にお
いては以下のように規定されている。 α=-1.586134342059924 β=-0.052980118572961 γ=0.882911075530934 δ=0.443506852043971 K=1.230174104914001
【0016】また、JPEG2000において、実数型ウェーブ
レット変換の演算は、以下のようなステップ1′〜6′
の各ステップ演算式で示される。なお、Xext(n)は、
入力の画素値を対称周期拡張して得られる係数である。 Step1′ Y(2n+1)=Xext(2n+1)+α・{Xext(2n)+Xex
t(2n+2)} Step2′ Y(2n)=Xext(2n)+β・{Y(2n-1)+Y(2n+
1)} Step3′ Y(2n+1)=Y(2n+1)+γ・{Y(2n)+Y(2n+
2)} Step4′ Y(2n)=Y(2n)+δ・{X(2n-1)+X(2n+1)} Step5′ Y(2n+1)=K・Y(2n+1) Step6′ Y(2n)=(1/K)・Y(2n)
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、JPEG
2000ではウェーブレット変換を用いた符号化を行ってい
るため、DCT変換を用いた従来のJPEGに比べて高品質
の画像を得ることができる。ところが、JPEG2000ではウ
ェーブレット変換の変換方法は、既述したように「整数
型」と「実数型」の2種類があるため次のような課題が
生じている。
【0018】すなわち、整数型ウェーブレット変換によ
る画像処理は整数演算のみでよいため処理が速くロスレ
ス変換であるという長所を有しているが、圧縮率を大き
くすると実数型ウェーブレット変換よりも画像が劣化し
てしまうという短所を有している。一方、実数型ウェー
ブレット変換による画像処理は小数点演算を行うため圧
縮率を大きくしても高画質を維持することが可能である
が、小数点演算を行っても一定以上の処理速度を確保す
ることができるCPUを用いなければならないという制
約がある。画像圧縮において最も重要なことは、高画質
を維持したままで画像データのデータサイズを小さくす
ることであるから、今後の動向としては実数型ウェーブ
レット変換の方が整数型ウェーブレット変換よりも多く
利用されていくことになると考えられる。
【0019】ここで、小数点演算には浮動小数点演算方
式と固定小数点演算方式の2つの方式があるが、演算精
度については両者の間にかなりの差が存在している(後
者が前者に比べてかなり低い)。例えば、演算結果を3
2ビットで表現するCPUの場合、浮動小数点演算で
は、−1.175494351×1038(10の38
乗)〜1.175494351×1038(10の38
乗)の数値を表現できる。これに対し、固定小数点演算
では、小数点をどの位置に置くかにもよるが、上記のよ
うに演算結果を32ビットで表現しようとすると等間隔
の4294967296ステップの数値しか扱うことが
できない。更に、乗算を行う場合は、〔被乗数〕×〔乗
数〕の各ビット数を、例えば、〔16ビット〕×〔16
ビット〕あるいは〔14ビット〕×〔18ビット〕のよ
うに合計ビット数が32ビットになるようにしてオーバ
ーフローが生じるのを防ぐ必要があり、〔16ビット〕
×〔16ビット〕の場合ではそれぞれ65536ステッ
プの数値しか扱えないことになる。
【0020】ところで、近年のコンピュータ技術の急速
な発達により、最近のPC(パーソナル・コンピュー
タ)の殆どは浮動小数点演算機能を持ったCPUを搭載
しているが、PDA(Personal Digital Assistant)、
DVC(ディジタル・ビデオ・カメラ)、ディジタル・
カメラ、携帯電話機等の情報機器はある程度の価格的制
約があるため通常は浮動小数点演算機を持っていない。
したがって、浮動小数点演算が可能なPCでは高画質を
維持した画像圧縮が高速に行えるが、浮動小数点演算機
を持たないPDA等においてJPEG2000に基づく画像圧
縮、復号を行う場合には処理速度が極端に遅くなってし
まい、実用的でなくなることになる。
【0021】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、浮動小数点演算機能を持たないPDA等の情報機
器でJPEG2000に基づく画像圧縮又は画像再生を行う場合
に、演算時間の増大をもたらすことなく高画質を維持す
ることを可能にする、画像復号化装置、画像復号化プロ
グラム、画像符号化装置、及び画像符号化プログラムを
提供することを目的としている。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、請求項1記載の発明は、符号化規格JPEG
2000に基づく実数型ウェーブレット変換により符号化さ
れた画像データに対し、実数型逆ウェーブレット変換の
演算を行う逆ウェーブレット変換手段を備えて前記画像
データの複合を行う画像復号化装置において、前記逆ウ
ェーブレット変換手段は、前記実数型逆ウェーブレット
変換の演算における所定のステップ演算式中の小数点を
含む乗算について固定小数点演算を行う場合に、被乗数
及び乗数の合計ビット数が所定の設定ビット数を超えて
いるか否かを判別し、合計ビット数が設定ビット数を超
えている場合には、被乗数及び乗数のいずれか一方又は
双方に対して右ビットシフトを行うことにより合計ビッ
ト数を前記所定の設定ビット数以内に低減させるもので
ある、ことを特徴とする。
【0023】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記被乗数又は乗数のいずれか一方は、前
記ステップ演算式中で用いられJPEG2000で規定された第
1の値をビットシフトして得られる第2の値を有するス
テップ演算係数である、ことを特徴とする。
【0024】請求項3記載の発明は、符号化規格JPEG20
00に基づく実数型ウェーブレット変換により符号化され
た画像データに対し、実数型逆ウェーブレット変換の演
算を行って、前記画像データの復号化を行う画像復号化
機能をコンピュータに実現させるための画像復号化プロ
グラムにおいて、前記実数型逆ウェーブレット変換の演
算として、前記実数型逆ウェーブレット変換の演算にお
ける所定のステップ演算式中の小数点を含む乗算につい
て固定小数点演算を行う場合に、被乗数及び乗数の合計
ビット数が所定の設定ビット数を超えているか否かを判
別し、合計ビット数が設定ビット数を超えている場合に
は、被乗数及び乗数のいずれか一方又は双方に対して右
ビットシフトを行うことにより合計ビット数を前記所定
の設定ビット数以内に低減させる演算処理をコンピュー
タに実行させる、ことを特徴とする。
【0025】請求項4記載の発明は、入力画像データに
対し符号化規格JPEG2000に基づく実数型ウェーブレット
変換の演算を行うウェーブレット変換手段を備えて前記
入力画像データを符号化する画像符号化装置において、
前記ウェーブレット変換手段は、前記実数型ウェーブレ
ット変換の演算における所定のステップ演算式中の小数
点を含む乗算について固定小数点演算を行う場合に、被
乗数及び乗数の合計ビット数が所定の設定ビット数を超
えているか否かを判別し、合計ビット数が設定ビット数
を超えている場合には、被乗数及び乗数のいずれか一方
又は双方に対して右ビットシフトを行うことにより合計
ビット数を前記所定の設定ビット数以内に低減させるも
のである、ことを特徴とする。
【0026】請求項5記載の発明は、請求項4記載の発
明において、前記被乗数又は乗数のいずれか一方は、前
記ステップ演算式中で用いられJPEG2000で規定された第
1の値をビットシフトして得られる第2の値を有するス
テップ演算係数である、ことを特徴とする。
【0027】請求項6記載の発明は、入力画像データに
対し符号化規格JPEG2000に基づく実数型ウェーブレット
変換の演算を行って、前記画像データの符号化を行う画
像符号化機能をコンピュータに実現させるための画像符
号化プログラムにおいて、前記実数型ウェーブレット変
換の演算として、前記実数型ウェーブレット変換の演算
における所定のステップ演算式中の小数点を含む乗算に
ついて固定小数点演算を行う場合に、被乗数及び乗数の
合計ビット数が所定の設定ビット数を超えているか否か
を判別し、合計ビット数が設定ビット数を超えている場
合には、被乗数及び乗数のいずれか一方又は双方に対し
て右ビットシフトを行うことにより合計ビット数を前記
所定の設定ビット数以内に低減させる演算処理をコンピ
ュータに実行させる、ことを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施形態に係る
画像復号化装置の構成を示すブロック図であり、図2は
その動作を説明するためのフローチャートである。この
実施形態に係る装置は、符号データ入力手段101、メ
インヘッダ解析手段102、タイル解析手段103、算
術復号化手段104、係数ビットモデリング手段10
5、スカラ逆量子化手段106、適応型逆ウェーブレッ
ト変換手段107、カラー変換手段108、DCレベル
シフト手段109、及び画像出力手段110を備えてい
る。なお、これらのうち、スカラ逆量子化手段106、
カラー変換手段108、DCレベルシフト手段109は
JPEG2000においてはオプションとして備えられたもので
ある。JPEG2000では、その他にもオプションとして備え
られたものがあるが、本発明の技術とは直接的な関連性
がないか、あっても重要度が低いため説明を省略してい
る。
【0029】次に、図1の動作につき説明する。まず、
JPEG2000の規格にしたがって符号化された符号データ
は、ファイルシステムやネットワーク手段を用いて符号
データ入力手段101によって入力される(ステップ2
01)。この符号データは図9と同様の構成を有するも
のである。
【0030】メインヘッダ解析手段102は、符号デー
タ入力手段101で入力された符号データのメインヘッ
ダを解析し、画像のプロパティを決定する(ステップ2
02)。タイル解析手段103は、メインヘッダ解析手
段102で得られた画像のプロパティを基にタイルヘッ
ダを解析して各タイルのプロパティを決定し、更に各タ
イルのパケットを取り出してパケットボディを得る(ス
テップ203)。
【0031】算術復号化手段104は、タイル解析手段
103で得られたパケットボディから算術復号化を行
い、係数ビットモデリング手段105のためのビット列
を取り出す(ステップ204)。算術復号化は、JPEG20
00では適応的復号化のMQCoderが採用されている。係数
ビットモデリング手段105は、算術復号化手段104
から得られたビット列を用いて、所定の手続きに基づき
DWT係数からスカラ量子化した係数列を作成する(ス
テップ205)。
【0032】スカラ逆量子化手段106は、メインヘッ
ダ901又はタイルヘッダ904で指定された量子化ス
タイルに基づき、係数ビットモデリング手段105で作
成された係数列をJPEG2000の規格にある所定の計算式で
逆量子化し、DWT係数を生成する(ステップ20
6)。適応型逆ウェーブレット変換手段107はスカラ
逆量子化手段106で得られたDWT係数をメインヘッ
ダ901又はタイルヘッダ904で指定された符号化ス
タイルの分解数に基づき固定小数点演算方式による逆ウ
ェーブレット変換を行い、各コンポーネントの値を求め
る(ステップ207)。本実施形態は、この適応型逆ウ
ェーブレット変換手段107が固定小数点演算を行う際
の演算手法に特徴を有するものであるが、その詳細につ
いては後述する。
【0033】カラー変換手段108は、逆ウェーブレッ
ト変換手段107で得られた値をメインヘッダ901又
はタイルヘッダ904にしたがってYUV成分からRG
B成分へのカラー変換を行う。但し、モノクロ画像の符
号データや、符号化時にカラー変換を行わなかった場
合、カラー変換手段108は動作しない(ステップ20
8,209)。
【0034】DCレベルシフト手段109は、カラー変
換手段108で得られたRGB又は各コンポーネントの
各値のDCレベルをシフトする(ステップ210,21
1)。DCレベルシフトとは、符号化時にダイナミック
レンジが値0を中心とするようにシフトすることであ
り、復号化時にはそれを元に戻すことである。例えば、
或る入力画像データが8ビットで表されているとする
と、このデータは0〜255のうちのいずれかの値とな
るが、DCレベルシフトすることにより、このデータの
値を0を中心として−128〜127の値にすることが
できる。このように、DCレベルシフトを行う理由は、
周波数変換後の係数は正負の符号と絶対値とに分けられ
て符号化されるため、ゼロ値を基準としてデータ配置さ
れている方が符号化効率が高くなるからである。(した
がって、既にデータの値が0を中心として配置されてい
る場合はDCレベルシフトを行う必要はない)。画像出
力手段10は、DCレベルシフト手段9で得られた画像
を出力する(ステップ212)。
【0035】次に、本実施形態に係る適応型逆ウェーブ
レット変換手段107の演算(特に、乗算)手法につき
説明する。一般に、乗算結果は被乗数と乗数との積とし
て表されるが、この乗算結果を表現するために用いるこ
とができるビット数には制限が設けられている。例え
ば、乗算結果を表現するために用いることができるビッ
ト数の最大値が32ビットであるとすると、〔被乗数〕
×〔乗数〕を〔16ビット〕×〔16ビット〕あるいは
〔14ビット〕×〔18ビット〕のようにして、合計ビ
ット数が32ビット以下になるようにビット数を配分し
なければならない。そして、被乗数と乗数との積として
表される乗算結果の値が32ビットを超える場合、つま
りオーバーフローを生じる場合は下位側ビットから順に
必要数だけ切り捨てることになる。但し、小数点演算の
場合、最上位桁(MSB)側から最下位桁(LSB)側
に向かって所定ビット数だけ移動した位置を小数点位置
とする、というように小数点位置が定められているの
で、MSBと小数点位置との間のビット数は変えること
ができない。
【0036】ここで、従来の演算手法では、上記の〔1
6ビット〕×〔16ビット〕(あるいは〔14ビット〕
×〔18ビット〕)というビット数配分の割合は固定さ
れたものとなっている。したがって、例えば、被乗数側
については小数点以下の有意数を全て表すために16ビ
ットも必要ではなく、一方、乗数側については小数点以
下の有意数を全て表すために16ビット以上必要である
ような場合であっても、この固定されたビット数配分の
割合で乗算が行われてしまうため、無用なオーバーフロ
ーが生じてしまい、結果として演算精度の向上を阻害す
る要因となっていた。
【0037】そこで、本発明では、被乗数と乗数との間
のビット数配分の割合を可変にすることにより、オーバ
ーフローの発生をできるだけ回避し、また、オーバーフ
ローが生じる場合であっても演算精度の低下を極力抑制
することができるようにしている。この本発明の演算手
法と、従来技術との対比をわかりやすくするために、乗
算結果を4ビットで表す場合を例に取り説明する。
【0038】いま、2進数で表された00.01×1
0.10という演算を考えてみる。この場合、被乗数は
00.01(10進数では0.25)であり、乗数は1
0.10(10進数では2.5)である。また、小数点
位置は最上位桁から2ビット目と3ビット目との間であ
るものとする。
【0039】まず、従来の演算手法では乗算結果を4ビ
ット以内で表すために被乗数と乗数とのビット配分の割
合を〔2ビット〕×〔2ビット〕の固定としている。そ
して、実際の演算においては小数点のない数値しか扱わ
ないため、これら被乗数及び乗数の各小数点位置をそれ
ぞれ2ビットだけ右シフトして小数点をなくすようにす
る。すると、被乗数は0001、乗数は1010となる
が、これらを表すために用いることができるのは各2ビ
ットであるため、それぞれの下位側2桁を切り捨てるよ
うにする。この結果、被乗数は00で、乗数は10とな
り、これらの乗算結果は0000となるが、小数点位置
を元に戻しても00.00となるだけである。この結果
は、もちろん10進数でも0であり、10進数の実際の
演算結果0.625(=0.25×2.5)と全く異な
ることは明らかである。
【0040】これに対し、本発明の演算手法によれば、
被乗数と乗数とのビット配分の割合を〔2ビット〕×
〔2ビット〕の固定と考える必要はなく、〔1ビット〕
×〔3ビット〕あるいは〔3ビット〕×〔1ビット〕に
することができる。したがって、被乗数00.01につ
いては有意の数値を残した状態で小数点をなくすために
小数点位置を2ビットだけ右シフトし、その後に有意の
数である1だけを取り上げ、この1を被乗数とすること
ができる。また、乗数10.10については有意の数値
を残した状態で小数点をなくすために小数点位置を1ビ
ットだけ右シフトし、その後に有意の数である101を
取り上げ、この101を被乗数とすることができる。結
局、1×101の乗算を行えばよく、その乗算結果は0
101となる。そして、被乗数については2ビット、乗
数については1ビット右シフトしているので、この乗算
結果を3ビットだけ左シフトして小数点位置を表した値
0.101が乗算結果となるが、既述したように、最上
位桁から2ビット目と3ビット目との間を小数点位置に
するという制約があるため、最下位桁の1を切り捨てて
4ビットで表した00.10が最終的な乗算結果とな
る。この00.10は10進数では0.5であり、10
進数の実際の演算結果0.625とは0.125の誤差
を生じた結果となっている。しかし、0.625を4ビ
ットでは表すことができず、また、乗算結果がゼロとな
ってしまった従来の演算手法に比べればはるかに演算精
度が向上したものになっているのは明らかである。
【0041】本実施形態の適応型逆ウェーブレット変換
手段107は、このような固定小数点演算の手法を用い
て前述したステップ1〜6の実数型ウェーブレット変換
の演算を行うものであり、この演算処理の内容を図3の
フローチャートに基づき説明する。図3は、1次元ウェ
ーブレット変換の1ラインに対しての処理フローである
が、JPEG2000では分離型のウェーブレット変換を採用し
ているため、画像の水平方向及び垂直方向にそれぞれ1
次元ウェーブレット変換を行うことにより2次元ウェー
ブレット変換の結果を得ることができる。
【0042】この実施形態では、演算結果は32ビット
で表すようになっており、したがって、乗算を行う場
合、被乗数のビット数と乗数のビット数との和である合
計ビット数が32ビットを超えないようにしなければな
らないものとする。また、小数点位置は、図4に示すよ
うに、MSB側から数えて6ビット目と7ビット目との
間に設定するものとする。図4に図示した例は、被乗数
又は乗数が16ビットで表された状態を示すものである
が、このような16ビットの2値データで表現できる値
域は、正負符号なしの場合は0〜26(2の6乗)−2-
10(2のマイナス10乗)であり、正負符号付きの場合
は、−25(マイナス2の5乗)〜25(2の5乗)−2
-10(マイナス2のマイナス10乗)である。
【0043】また、前述したように、ステップ1〜6の
各演算式において用いられる係数α,β,γ,δ,Kは
下記の「第1の値」であったが、本実施形態では演算を
容易にするためこれを「第2の値」に設定し直して用い
ることにする。この第2の値は、第1の値を18ビット
だけ左シフトしたものを丸め誤差を考慮して修正したも
のであり、演算時にはこのシフト状態を元に戻す処理を
行うものとする。また、第2の値には第1の値にはなか
った1/Kが含まれているが、このように予め1/Kを
係数化しておくことにより、その都度除算を行わなくて
済むので、丸め誤差を小さくすることができる。
【0044】<第1の値> α=-1.586134342059924 β=-0.052980118572961 γ=0.882911075530934 δ=0.443506852043971 K=1.230174104914001 <第2の値> α=-415776 β=-13875 γ=231456 δ=116272 K=322544 1/K=213120 適応型逆ウェーブレット変換手段107は、ステップ1
から順に各演算式の演算を行っていくが(ステップ30
1)、その際、各演算式に含まれる乗算の乗算結果a、
被乗数b、乗数cの各ビット数n,m,oを設定する
(ステップ302)。但し、本実施形態ではnについて
はn=32の固定値となる。また、ステップ1〜6の各
演算式中には乗算の他に加算も含まれているが、加算結
果の精度が問題となるのは繰り上げが生じる場合のみで
あるため、ここでは乗算のみを問題としている。
【0045】適応型逆ウェーブレット変換手段107
は、まず、乗算結果のビット数nが被乗数及び乗数の合
計ビット数m+oより小さくなっているか否かを判別し
(ステップ303)、小さくなっているのであれば被乗
数を1ビットだけ右シフトすることにより、その最下位
桁の数値を切り捨ててビット数mを1だけ小さくする
(ステップ304)。そして、再度ビット数nが合計ビ
ット数m+oより小さくなっているか否かを判別し(ス
テップ305)、まだ小さいのであれば今度は乗数を1
ビットだけ右シフトすることにより、その最下位桁の数
値を切り捨ててビット数oを1だけ小さくする(ステッ
プ306)。
【0046】この後、更にステップ303の判別を行
い、ビット数nが被乗数及び乗数の合計ビット数m+o
以上になっていれば、a=b×cの演算を行う(ステッ
プ307)。そして演算後に、ステップ304,306
で行った右シフトの回数分を考慮し、更に最上位桁から
6ビット目と7ビット目との間に小数点位置がくるとい
う条件を満足するように小数点位置を決定する。
【0047】次いで、適応型逆ウェーブレット変換手段
107は、最後のステップ6の演算式が終了したか否か
を判別し(ステップ308)、終了していなければ次の
演算式に対する処理を行う(ステップ309,30
1)。また、ステップ6の演算式が終了したのであれ
ば、そのまま全ての処理を終了する。
【0048】このように、本実施形態では、適応型逆ウ
ェーブレット変換手段107が乗算を行う場合に、被乗
数と乗数との間のビット数配分の割合を可変するように
しているので、オーバーフローの発生をできるだけ回避
できるようになっており、オーバーフローが生じる場合
であっても極力演算精度の低下を抑制することができる
ようなっている。なお、図3のフローチャートにおいて
は、図示を省略しているが、被乗数又は乗数の当初の数
値データにおいて、最上位桁が0である場合、あるいは
最上位桁から0がいくつか連続している場合、適応型逆
ウェーブレット変換手段107はステップ303,30
5の判別を最初に行う前に、予めこの0の回数分の右シ
フトを完了させておくようになっている。
【0049】なお、本発明は、コンピュータを上述の画
像復号化装置として機能させる画像復号化プログラムも
含むものである。この画像復号化プログラムは、コンピ
ュータに挿入される記録媒体から取り込まれて実行され
てもよいし、通信ネットワークを介して配信され、これ
がコンピュータに取り込まれて実行されてもよい。
【0050】図5は、本発明の実施形態に係る画像符号
化装置の構成を示すブロック図であり、図6はその動作
を説明するためのフローチャートである。この実施形態
に係る装置は、画像入力手段501、DCレベルシフト
手段502、カラー変換手段503、適応型ウェーブレ
ット変換手段504、スカラ量子化手段505、係数ビ
ットモデリング手段506、算術符号化手段507、タ
イル生成手段508、メインヘッダ生成手段509、及
び符号データ生成手段510を備えている。なお、これ
らのうち、DCレベルシフト手段502、カラー変換手
段503、スカラ量子化手段505はJPEG2000において
はオプションとして備えられたものである。画像復号化
装置の場合と同様に、JPEG2000では、その他にもオプシ
ョンとして備えられたものがあるが、本発明の技術とは
直接的な関連性がないか、あっても重要度が低いため説
明を省略している。
【0051】次に、図5の動作につき説明する。まず、
画像データが画像入力手段501により入力され(ステ
ップ601)、この入力された画像データがDCレベル
シフト手段502によりDCレベルシフトされる(ステ
ップ602,603)。DCレベルシフトされた画像デ
ータは、カラー変換手段503によりRGB成分からY
UV成分へカラー変換が行われる(ステップ604,6
05)。
【0052】適応型ウェーブレット変換手段504は、
カラー変換されたデータにウェーブレット変換の演算を
行うが(ステップ606)、この演算を行う場合は画像
復号化装置において既述したように、被乗数及び乗数の
合計ビット数が設定ビット数を超えないようにビットシ
フトを行うようにする。
【0053】適応型ウェーブレット変換手段504によ
りウェーブレット変換されたウェーブレット係数はスカ
ラ量子化手段505によりスカラ量子化され(ステップ
607)、更に、このスカラ量子化された係数は係数ビ
ットモデリング手段506により所定の方法に従ってビ
ットモデリングされビット列へと並べ換えられる(ステ
ップ608)。そして、並べ換えられたビット列は算術
符号化手段507により算術符号化される(ステップ6
09)。
【0054】この算術符号化されたデータに対しタイル
生成手段508によりタイルの生成が行われ(ステップ
610)、更に、入力された画像の情報と、タイルの情
報とからメインヘッダ生成手段509によりメインヘッ
ダが生成される(ステップ611)。そして、この生成
されたメインヘッダとタイルとから構成される符号デー
タが符号データ生成手段510により出力される(ステ
ップ612)。
【0055】適応型ウェーブレット変換手段504は、
前述したステップ1′〜6′の演算を行うものであり、
本実施形態においても、この適応型ウェーブレット変換
手段504の演算手法が特徴を有する点である。しか
し、その演算手法の内容自体については、上述した適応
型逆ウェーブレット変換手段107の演算手法と全く同
様であるため、重複した説明を省略する。
【0056】なお、本発明は、コンピュータを上述の画
像符号化装置として機能させる画像符号化プログラムも
含むものである。この画像符号化プログラムは、コンピ
ュータに挿入される記録媒体から取り込まれて実行され
てもよいし、通信ネットワークを介して配信され、これ
がコンピュータに取り込まれて実行されてもよい。
【0057】図7は、上記実施形態に係る画像復号化装
置及び画像符号化装置を用いて構成される画像処理装置
の構成を示すブロック図であり、この装置は、画像符号
化装置701、画像データ入力装置702、符号データ
記録媒体703、画像復号化装置704、及び画像デー
タ出力装置705を含んで構成されている。
【0058】画像符号化装置701は図5に示した構成
を有するものであり、適応型ウェーブレット変換手段5
04が既述した手法により固定小数点演算を行うもので
ある。画像データ入力装置702としては、ディジタル
・ビデオ・カメラ、ディジタルカメラなど画像データを
生成できるものであったり、あるいは記録媒体に記録さ
れた画像データやネットワークからの画像データを読み
込むことができるものであったりする。画像符号化装置
701は、画像データ入力装置702からこのような画
像データを入力し、入力した画像データに対して符号化
を行い、これを符号データ記録媒体703に記録する。
この符号データ記録媒体703は、メモリカードやフロ
ッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、テープ
などの磁気記録媒体であったり、ネットワーク上に設け
られた記録媒体であったりする。
【0059】画像復号化装置704は図1に示した構成
を有するものであり、適応型逆ウェーブレット変換手段
107が既述した手法により固定小数点演算を行うもの
である。画像復号化装置704により復号化された画像
データは、画像データ出力装置705に送られ、ディス
プレイに表示されたり、あるいはネットワークや記録媒
体に対して出力されたりする。
【0060】なお、本発明は、コンピュータを上述の画
像処理装置として機能させる画像処理プログラムも含む
ものである。この画像符号化プログラムは、コンピュー
タに挿入される記録媒体から取り込まれて実行されても
よいし、通信ネットワークを介して配信され、これがコ
ンピュータに取り込まれて実行されてもよい。
【0061】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、実数型
の逆ウェーブレット変換及びウェーブレット変換の演算
を固定小数点演算方式により処理することが可能になる
ので、浮動小数点演算機能を持たないプロセッサでの高
速処理が可能となる。そして、逆ウェーブレット変換及
びウェーブレット変換の各ステップにおいて、ビット数
を考慮しながら小数点位置を移動して乗算を行っている
ので、高い演算精度を維持することができ、良好な画質
を得ることができる。また、ステップ演算式中のステッ
プ演算係数について、JPEG2000で規定されている第1の
値をビットシフトし丸め誤差を考慮した修正を行った第
2の値を用いることとすれば、固定小数点演算を行う際
の丸め誤差を小さくすることができ、更に良好な画質を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る画像復号化装置の構成
を示すブロック図。
【図2】図1の動作を説明するためのフローチャート。
【図3】図1における適応型逆ウェーブレット変換手段
107の演算処理の内容を説明するためのフローチャー
ト。
【図4】上記実施形態における小数点位置を示す説明
図。
【図5】本発明の実施形態に係る画像符号化装置の構成
を示すブロック図。
【図6】図5の動作を説明するためのフローチャート。
【図7】本発明の実施形態に係る画像処理装置の構成を
示すブロック図。
【図8】従来の画像復号化装置の構成を示すブロック
図。
【図9】図8の画像復号化装置が入力する符号データの
構成を示す説明図。
【符号の説明】
101,801 符号データ入力手段 102,802 メインヘッダ解析手段 103,803 タイル解析手段 104,804 算術復号化手段 105,805 係数ビットモデリング手段 106,806 スカラ逆量子化手段 107 適応型逆ウェーブレット変換手段 807 逆ウェーブレット変換手段 108,808 カラー変換手段 109,809 DCレベルシフト手段 110,810 画像出力手段 501 画像入力手段 502 DCレベルシフト手段 503 カラー変換手段 504 適応型ウェーブレット変換手段 505 スカラ量子化手段 506 係数ビットモデリング手段 507 算術符号化手段 508 タイル生成手段 509 メインヘッダ生成手段 510 符号データ生成手段 701 画像符号化装置 702 画像データ入力装置 703 符号データ記録媒体 704 画像復号化装置 705 画像データ出力装置 901 メインヘッダ 902 タイル 903 タイル 904 タイルヘッダ 905 タイルデータ 906 パケット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5C059 KK15 MA00 MA24 ME11 PP14 SS20 SS26 UA02 UA05 UA15 5C078 BA53 CA22 CA31 DA02 5J064 AA01 AA02 BA10 BA16 BC26 BD01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】符号化規格JPEG2000に基づく実数型ウェー
    ブレット変換により符号化された画像データに対し、実
    数型逆ウェーブレット変換の演算を行う逆ウェーブレッ
    ト変換手段を備えて前記画像データの複合を行う画像復
    号化装置において、 前記逆ウェーブレット変換手段は、 前記実数型逆ウェーブレット変換の演算における所定の
    ステップ演算式中の小数点を含む乗算について固定小数
    点演算を行う場合に、被乗数及び乗数の合計ビット数が
    所定の設定ビット数を超えているか否かを判別し、合計
    ビット数が設定ビット数を超えている場合には、被乗数
    及び乗数のいずれか一方又は双方に対して右ビットシフ
    トを行うことにより合計ビット数を前記所定の設定ビッ
    ト数以内に低減させるものである、 ことを特徴とする画像復号化装置。
  2. 【請求項2】前記被乗数又は乗数のいずれか一方は、前
    記ステップ演算式中で用いられJPEG2000で規定された第
    1の値をビットシフトして得られる第2の値を有するス
    テップ演算係数である、 ことを特徴とする請求項1記載の画像復号化装置。
  3. 【請求項3】符号化規格JPEG2000に基づく実数型ウェー
    ブレット変換により符号化された画像データに対し、実
    数型逆ウェーブレット変換の演算を行って、前記画像デ
    ータの復号化を行う画像復号化機能をコンピュータに実
    現させるための画像復号化プログラムにおいて、 前記実数型逆ウェーブレット変換の演算として、 前記実数型逆ウェーブレット変換の演算における所定の
    ステップ演算式中の小数点を含む乗算について固定小数
    点演算を行う場合に、被乗数及び乗数の合計ビット数が
    所定の設定ビット数を超えているか否かを判別し、合計
    ビット数が設定ビット数を超えている場合には、被乗数
    及び乗数のいずれか一方又は双方に対して右ビットシフ
    トを行うことにより合計ビット数を前記所定の設定ビッ
    ト数以内に低減させる演算処理をコンピュータに実行さ
    せる、 ことを特徴とする画像復号化プログラム。
  4. 【請求項4】入力画像データに対し符号化規格JPEG2000
    に基づく実数型ウェーブレット変換の演算を行うウェー
    ブレット変換手段を備えて前記入力画像データを符号化
    する画像符号化装置において、 前記ウェーブレット変換手段は、 前記実数型ウェーブレット変換の演算における所定のス
    テップ演算式中の小数点を含む乗算について固定小数点
    演算を行う場合に、被乗数及び乗数の合計ビット数が所
    定の設定ビット数を超えているか否かを判別し、合計ビ
    ット数が設定ビット数を超えている場合には、被乗数及
    び乗数のいずれか一方又は双方に対して右ビットシフト
    を行うことにより合計ビット数を前記所定の設定ビット
    数以内に低減させるものである、 ことを特徴とする画像符号化装置。
  5. 【請求項5】前記被乗数又は乗数のいずれか一方は、前
    記ステップ演算式中で用いられJPEG2000で規定された第
    1の値をビットシフトして得られる第2の値を有するス
    テップ演算係数である、 ことを特徴とする請求項4記載の画像符号化装置。
  6. 【請求項6】入力画像データに対し符号化規格JPEG2000
    に基づく実数型ウェーブレット変換の演算を行って、前
    記画像データの符号化を行う画像符号化機能をコンピュ
    ータに実現させるための画像符号化プログラムにおい
    て、 前記実数型ウェーブレット変換の演算として、 前記実数型ウェーブレット変換の演算における所定のス
    テップ演算式中の小数点を含む乗算について固定小数点
    演算を行う場合に、被乗数及び乗数の合計ビット数が所
    定の設定ビット数を超えているか否かを判別し、合計ビ
    ット数が設定ビット数を超えている場合には、被乗数及
    び乗数のいずれか一方又は双方に対して右ビットシフト
    を行うことにより合計ビット数を前記所定の設定ビット
    数以内に低減させる演算処理をコンピュータに実行させ
    る、 ことを特徴とする画像符号化プログラム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007145245A1 (ja) * 2006-06-14 2007-12-21 Bridgestone Corporation タイヤ検査装置
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JP2013529809A (ja) * 2010-06-25 2013-07-22 カーベーアー−ノタシ ソシエテ アノニム 積み重なった被印刷物、特に札束を非接触式に集計する方法およびシステム

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