JP2003253111A - 樹脂組成物、積層成形品、およびリサイクル方法 - Google Patents
樹脂組成物、積層成形品、およびリサイクル方法Info
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Abstract
な樹脂組成物を提供する。さらに表面の傷付き性、耐候
性、および光沢感に優れ、且つ低温での耐衝撃性および
リサイクル性に優れた積層成形品と、リサイクル方法を
提供する。 【解決手段】 (1)芳香族ポリカーボネート、ABS
重合体、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート
よりなる特定組成の条件を満足する樹脂組成物、(2)
透明層、基体層、並びに着色層からなり、該基体層を構
成する熱可塑性樹脂は特定組成の条件を満足し、かつ該
成形品の各層を分離することなく処理して製造された樹
脂材料は特定組成の条件を満足することを特徴とする積
層成形品、(4)上記積層成形品の破砕物とバージン原
料とを溶融混練して樹脂組成物を得るリサイクル方法、
および該樹脂組成物を積層成形品の基体層として用いる
リサイクル方法。
Description
良好な樹脂組成物に関する。更に詳しくは本発明は、耐
衝撃性の良好な積層成形品を得るのに好適な樹脂組成物
に関する。第2に、本発明は透明層、着色層、および基
体層からなる積層成形品に関する。更に詳しくは、本発
明は、該成形品の各層を分離することなく処理して製造
された樹脂材料が上記耐衝撃性の良好な樹脂組成物を形
成する積層成形品、並びに上記耐衝撃性の良好な樹脂組
成物を基体層として使用した積層成形品に関する。これ
らの積層成形品はその各層を分離することなく処理して
製造された樹脂材料が、再度同様の積層成形品の基体層
として使用可能であるため有効なマテリアルリサイクル
を提供する。第3に、したがって、本発明はかかる積層
成形品に関するリサイクル方法に関し、有効なマテリア
ルリサイクルを達成する。
樹脂材料を使用する場合、合成樹脂材料には軽量性およ
びデザインの自由度などの特性が期待される。近年はそ
れらの特性に加え、環境負荷の低減を目的として、リサ
イクル性に優れることも合成樹脂材料には求められてい
る。しかしながら、現在使用されている合成樹脂材料か
らなる車両用外装材は、通常塗装が施されているためリ
サイクルされた材料の特性低下が大きい。かかる特性の
中でも車両用外装材に強く求められる耐衝撃性の低下が
顕著である。これはリサイクルされた材料中に混入した
塗料片が異物として作用し、内部の欠陥として強度を低
下させるためだと考えられている。尚、塗装は、車両用
外装材の意匠性、表面硬度、表面鮮映性、および耐候性
などの要求特性を向上させるために行われる。
抑制するために、既に各種の方法が提案されている。そ
の1つにはリサイクルする前に予め塗装を除去する方法
があり、該方法に関して多数の技術が開示されている。
例えば、特開平7−165978号公報では、熱硬化ポ
リウレタン塗料付き芳香族ポリカーボネート配合物の基
材から塗料を化学的に除去して、芳香族ポリカーボネー
ト配合物の有用物を回収する技術が開示されている。し
かしながら、これらの技術は塗装の除去により材料の特
性低下における効果は認められるものの、工程の増加ま
たは複雑化がコストアップを招くため十分に有効な方法
とは言い難く、現時点ではほとんど普及していない。
スの(塗装をしていない)合成樹脂材料からなる車両用
外装材を使用することが考えられる。塗装レス材料は、
そのまま再生しても塗料による特性低下がなく、また塗
装を除去する工程を必要としない。更に有機溶剤を使用
する必要がないため、大気や水質の汚染なども低減で
き、環境負荷低減の効果は大きい。しかしながら、車両
用外装材として必要な表面特性(表面硬度、表面鮮映
性、耐侯性など)とリサイクル性の両方の要求特性を十
分に満足する合成樹脂材料またはその積層成形品は未だ
達成されておらず、依然としてその多くは塗装されてい
るのが現状である。例えば、特開平7−60786号公
報または特開平7−60787号公報には、ポリカーボ
ネートシートを所定形状に切断して、金型キャビティの
片面に装着後、複合強化スチレン系成形材料または複合
強化ポリカーボネート材料を該ポリカーボネートシート
上に射出注入し、積層してなる合成樹脂成形品が開示さ
れている。しかしながらこれらの合成樹脂成形品は、ポ
リカーボネートシートが表面の傷付き性や耐候性におい
て十分でないことから、車両用外装材として使用するに
はその表面に十分な塗装をする必要があり、実用的な塗
装レス材料を達成したといえるものではなかった。ま
た、特開昭61−248741号公報には、ポリアリレ
ートの耐光性が特に芳香族ポリカーボネートとの比較に
おいて詳細に記載され、該ポリアリレートを芳香族ポリ
カーボネート上に積層した積層体の概念が記載されてい
る。またかかる公報には、該積層体は両者の優れた密着
性が見られスクラップを積層製品の透明性に影響するこ
となしに再使用することが可能である旨も記載されてい
る。該公報に記載された発明は特開平7−81089号
公報においても記載されている。すなわち特開平7−8
1089号公報には、特定厚みのポリアリレートフィル
ムを積層してなるポリカーボネート積層体が記載され、
該積層体は積層体ごと破砕しシートを形成した場合にお
いても透明性が保たれるためリサイクル性にも優れる旨
が具体的に開示されている。しかしながらかかる公報に
記載された積層成形品は、車両用外装材として使用する
には低温での衝撃強度が低く十分ではなかった。また、
かかる積層体をリサイクルして使用しても、得られた樹
脂組成物は十分な耐衝撃性を有するとは言い難く、殊に
車両用外装材として再利用するのは困難であるとの問題
がある。
に重要な課題の1つであるリサイクル性に対して未だ十
分な合成樹脂材料は得られていないのが実情である。
に耐衝撃性の良好な樹脂組成物を提供することにあり、
殊に耐衝撃性の良好な積層成形品を得るのに好適な樹脂
組成物を提供することにある。本発明の目的は、第2に
表面の傷付き性、耐候性、および光沢感に優れ、且つ低
温での耐衝撃性およびリサイクル性に優れた合成樹脂成
形品、殊に積層成形品を提供することにある。リサイク
ル性について更に詳しくは、積層成形品を分離すること
なく処理して得られた樹脂材料を、同様の積層成形品の
基体層に使用可能な積層成形品を提供することにある。
通常、積層成形品においては、表面層を形成する樹脂は
基体となる樹脂とは異なる性質のものが利用されるた
め、積層成形品を一括で処理した樹脂材料を基体層に使
用すると、元の積層成形品に比較して特性が損なわれる
ことが多い。本発明の目的は、第3にかかる積層成形品
のリサイクル方法を提供することにある。
意検討した結果、特定の構成を有する積層成形品におい
て、該成形品はその各層を分離することなく処理して製
造された樹脂材料を積層成形品の基体層として使用した
場合にも良好な耐衝撃性を有することを見出し、本発明
を完成するに至った。
の条件を満足する樹脂組成物にかかるものである。 (組成−1):芳香族ポリカーボネート(a成分)40
〜99.8重量%、衝撃改質用重合体(b成分)0.1
〜30重量%、並びにポリアリレート(c成分)および
ポリエチレンテレフタレート(d成分)の合計0.1〜
30重量%からなり、かつa成分〜d成分の合計が10
0重量%であり、c成分とd成分の重量割合(c/d)
はc/d=1/9〜10/0である。
する上記樹脂組成物にかかるものである。 (組成−2):組成−1の条件を満足し、かつa成分〜
d成分の合計100重量部当たり無機充填材(e成分)
0.01〜40重量部を含む。
する上記樹脂組成物にかかるものである。 (組成−3):組成−1の条件を満足し、かつa成分〜
d成分の合計100重量部当たり芳香族ビニル系重合体
(f成分)0.5〜80重量部を含む。
する上記樹脂組成物にかかるものである。 (組成−4):組成−2の条件を満足し、かつa成分〜
d成分の合計100重量部当たり芳香族ビニル系重合体
(f成分)0.5〜80重量部を含む。
はアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体
(ABS重合体)である上記樹脂組成物である。
層、基体層、並びに該両層の間かつ透明層に隣接して配
された着色層からなり、各層は熱可塑性樹脂からなる積
層成形品であって、該基体層を構成する熱可塑性樹脂は
下記組成−Aの条件を満足し、かつ該成形品の各層を分
離することなく処理して製造された樹脂材料は上記組成
−1の条件を満足することを特徴とする積層成形品にか
かるものである。(組成−A):その100重量%中少
なくとも、芳香族ポリカーボネート(a成分)を40〜
99.9重量%の範囲で、および衝撃改質用重合体(b
成分)を0.1〜30重量%の範囲で含有する。
層、基体層、並びに該両層の間かつ透明層に隣接して配
された着色層からなり、各層は熱可塑性樹脂からなる積
層成形品であって、該基体層を構成する熱可塑性樹脂は
上記組成−1の条件を満足することを特徴とする積層成
形品にかかるものである。
は、ポリアリレート(c成分)およびポリエチレンテレ
フタレート(d成分)から選択される少なくとも1種の
樹脂からなる上記積層成形品である。
は、芳香族ポリカーボネート(a成分)、ポリアリレー
ト(c成分)、およびポリエチレンテレフタレート(d
成分)から選択される少なくとも1種の樹脂からなる上
記積層成形品である。
の厚みは20〜300μmであり、着色層の厚みは20
〜1500μmである上記積層成形品である。
の厚みは、透明層と着色層との厚みの合計に対して2倍
以上である上記積層成形品である。
1における衝撃改質用重合体(b成分)は、アクリロニ
トリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS共重合
体)である上記積層成形品である。
層、基体層、並びに該両層の間かつ透明層に隣接して配
された着色層からなり、各層は熱可塑性樹脂からなる積
層成形品であって、該基体層を構成する熱可塑性樹脂
は、その100重量%中、上記のその基体層が組成−A
の条件を満足する積層成形品であって使用済みの該成形
品の各層を分離することなく処理して製造された樹脂材
料を1〜60重量%含有し、かつ上記組成−1の条件を
満足することを特徴とする積層成形品にかかるものであ
る。
両用外装材にかかるものである。
使用済みの該成形品の各層を分離することなく処理して
製造された樹脂材料1〜60重量%とバージンの原材料
40〜99重量%とを溶融混練し、上記組成−1の条件
を満足する樹脂組成物を得る積層成形品のリサイクル方
法にかかるものである。
層、基体層、並びに該両層の間かつ透明層に隣接して配
された着色層からなり各層は熱可塑性樹脂からなる積層
成形品の基体層として、上記積層成形品であって使用済
みの該成形品の各層を分離することなく処理して製造さ
れた樹脂材料1〜60重量%とバージンの原材料40〜
99重量%とを溶融混練して製造された樹脂組成物を使
用する積層成形品のリサイクル方法にかかるものであ
る。
成する熱可塑性樹脂”は“基体層の樹脂”と、“積層成
形品の各層を分離することなく処理して製造された樹脂
材料”は“積層品を一括処理した樹脂”と称する場合が
ある。また本発明における“積層成形品の各層を分離す
ることなく処理して製造された樹脂材料”とは、該樹脂
材料がいずれの層も含んだ状態で製造されることを表
し、各層が密着した状態か離れた状態にあるかは問わな
い。したがって例えば樹脂材料の製造中において積層成
形品の各層間に剥離が生じる場合や、元々基体層の成形
品と、透明層と着色層との積層体が完全にまたは一部分
離した状態の積層成形品に対しても、透明層、着色層お
よび基体層のいずれも含んだ状態で処理して製造された
樹脂材料は、上記積層品を一括処理した樹脂である。
発明の樹脂組成物は以下の組成−1、組成−2、組成−
3、または組成−4の条件を満足するものである。 (組成−1):芳香族ポリカーボネート(a成分)40
〜99.8重量%、衝撃改質用重合体(b成分)0.1
〜30重量%、並びにポリアリレート(c成分)および
ポリエチレンテレフタレート(d成分)の合計0.1〜
30重量%からなり、かつa成分〜d成分の合計が10
0重量%であり、c成分とd成分の重量割合(c/d)
はc/d=1/9〜10/0である。 (組成−2):組成−1の条件を満足し、かつa成分〜
d成分の合計100重量部当たり無機充填材(e成分)
0.01〜40重量部を含む。 (組成−3):組成−1の条件を満足し、かつa成分〜
d成分の合計100重量部当たり芳香族ビニル系重合体
(f成分)0.5〜80重量部を含む。 (組成−4):組成−2の条件を満足し、かつa成分〜
d成分の合計100重量部当たり芳香族ビニル系重合体
(f成分)0.5〜80重量部を含む。
撃性を向上させるための重合体であり、従来芳香族ポリ
カーボネート樹脂やその樹脂組成物の衝撃改質剤として
公知の各種重合体が使用可能である。かかる衝撃改質剤
には、芳香族ポリカーボネート樹脂の低温下での耐衝撃
性や耐衝撃性の厚み依存性を改良するための衝撃改質剤
を含む。好ましくはアクリロニトリル−ブタジエン−ス
チレン共重合体(ABS重合体)である。また無機充填
材(e成分)は、無機顔料やメタリック顔料などの顔料
成分を含むものである。f成分としては例えばアクリロ
ニトリル−スチレン共重合体(AS重合体)を好ましく
挙げることができる。上記a成分〜f成分の詳細につい
ては後述する。
ある。芳香族ポリカーボネート(a成分)の割合はa成
分〜d成分の合計100重量%中50重量%以上が好ま
しく、55重量%以上がより好ましい。またa成分の割
合はa成分〜d成分の合計100重量%中99重量%以
下が好ましく、98重量%以下がより好ましい。衝撃改
質用重合体(b成分)の割合はa成分〜d成分の合計1
00重量%中0.5重量%以上が好ましく、1重量%以
上がより好ましい。またb成分の割合はa成分〜d成分
の合計100重量%中20重量%以下が好ましく、15
重量%以下がより好ましく、10重量%以下が更に好ま
しい。更にポリアリレート(c成分)およびポリエチレ
ンテレフタレート(d成分)の合計の割合はa成分〜d
成分の合計100重量%中0.5重量%以上が好まし
く、0.7重量%以上がより好ましい。またc成分およ
びd成分の合計の割合はa成分〜d成分の合計100重
量%中10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより
好ましく、4重量%以下が更に好ましい。c成分および
d成分の合計の割合は少なすぎる場合には、後述するリ
サイクル性において有効でない場合がある。
d)は、c/d=2/8以上が好ましく、3/7以上が
より好ましく、5/5以上が更に好ましい。またc/d
は、c/d=9/1以下が好ましく、8/2以下が更に
好ましい。
ある。無機充填材(e成分)の割合はa成分〜d成分の
合計100重量部当たり0.1重量部以上が好ましく、
0.5重量部以上がより好ましい。またe成分の割合は
a成分〜d成分の合計100重量部当たり30重量部以
下が好ましく、25重量部以下がより好ましい。
しい態様は次の通りである。芳香族ビニル系重合体(f
成分)の割合はa成分〜d成分の合計100重量部当た
り60重量部以下が好ましく、40重量部以下がより好
ましく、30重量部以下が更に好ましい。
徴は、第1に組成−1の条件を満足する樹脂組成物と、
該組成物からc成分およびd成分を除いた樹脂組成物と
の特性差、殊に耐衝撃性の差が比較的少ない点にある。
従って組成−1の条件を満足する樹脂組成物にその条件
範囲内でc成分およびd成分を加えても良好な耐衝撃性
が維持される。そして第2にこれらc成分およびd成分
は表面特性(例えば、表面硬度、光沢、耐薬品性など)
が良好であって、積層成形品の成形品表面を構成するの
に適しており、また得られる積層成形品の耐衝撃性も良
好に維持される点にある。更にこのことから以下の点が
導かれる。
−1の条件を満足するような構成の積層成形品は、耐衝
撃性の良好な有用な樹脂材料を提供する。従って該積層
成形品は有効なマテリアルリサイクルを可能とする。
脂組成物は、耐衝撃性の要求される積層成形品の基体層
に使用でき有用である。殊にその積層品を一括処理した
樹脂が組成−1の条件を満足するように構成された場
合、使用済みの積層成形品は新規かつ同様な積層成形品
の基体層へ使用することができる。従って極めて有効な
マテリアルリサイクルを可能とする。
成する透明層、基体層、並びに該両層の間かつ透明層に
隣接して配された着色層からなり、各層は熱可塑性樹脂
からなる積層成形品であって、該基体層を構成する熱可
塑性樹脂は下記組成−Aの条件を満足し、かつ該成形品
の各層を分離することなく処理して製造された樹脂材料
は上記組成−1の条件を満足することを特徴とする積層
成形品(以後かかる積層成形品を“積層成形品−i”と
称する場合がある)が提供される。 (組成−A):その100重量%中少なくとも、芳香族
ポリカーボネート(a成分)を40〜99.9重量%の
範囲で、および衝撃改質用重合体(b成分)を0.1〜
30重量%の範囲で含有する。
以上が好ましく、50重量%以上がより好ましく、55
重量%以上が更に好ましい。上記組成−Aにおいて好ま
しくはa成分は99重量%以下が好ましく、98重量%
以下が好ましく、95重量%以下が更に好ましい。上記
組成−Aにおいてb成分は1重量%以上が好ましく、2
重量%以上が更に好ましく、3重量%以上が更に好まし
い。一方b成分は25重量%以下が好ましく、20重量
%以下がより好ましい。
る透明層、基体層、並びに該両層の間かつ透明層に隣接
して配された着色層からなり、各層は熱可塑性樹脂から
なる積層成形品であって、該基体層を構成する熱可塑性
樹脂は上記組成−1の条件を満足することを特徴とする
積層成形品(以後かかる積層成形品を“積層成形品−i
i”と称する場合がある)が提供される。
層を通して着色層を認識できるものであれば透明性の程
度は特に限定されないが、好ましくはJIS K710
5に準拠して測定された光線透過率が80%以上であ
り、また好ましくはそのヘーズが5%以下である。透明
層は有色および無色のいずれも選択できる。すなわち、
透明層には少量の着色剤を配合することができ、ブルー
イング剤(青色系染料)や蛍光増白剤などの配合は色相
の調整に対して有効であることが多い。
い。該下限は30μmが好ましく、40μmが更に好ま
しい。一方該上限は300μmが好ましく、150μm
がより好ましく、100μmが更に好ましく、80μm
が特に好ましい。かかる厚みの範囲では、積層成形品の
表面の傷付き性、耐候性、光沢感、および耐衝撃性がい
ずれも良好なだけでなく、シートの熱成形性においても
有利である。
滑面の他、エンボス加工などにより表面に凹凸を有する
ものも選択できる。光沢がより要求される場合には透明
層の表面側は平滑面が好ましい。
ことから、表面硬度や光沢に優れることが好ましい。よ
り好適には鉛筆硬度HB以上、表面光沢80%以上(G
s(60°))の表面特性を満足するものである。ここ
で鉛筆硬度はJIS K 5400の鉛筆引っかき試
験、光沢度はJIS K 7105に準拠した光沢度の
測定方法(標準ガラス板の光沢度を100%とする)に
従い、測定するものである。鉛筆硬度としてはF以上が
より好ましい。表面光沢としては90%以上がより好ま
しく、更に好ましくは92%以上であり、特に95%以
上が好ましい。
アリレート(c成分)およびポリエチレンテレフタレー
ト(d成分)から選択される少なくとも1種の樹脂が挙
げられる。すなわちポリアリレート、ポリエチレンテレ
フタレート、またポリアリレートとポリエチレンテレフ
タレートとのポリマーアロイが好適である。中でもポリ
アリレート、またはポリアリレートとポリエチレンテレ
フタレートとのポリマーアロイがより好ましく、ポリア
リレートとポリエチレンテレフタレートとのポリマーア
ロイが更に好ましい。透明層が該ポリマーアロイの場合
c成分とd成分の重量割合(c’/d’)はc’/d’
=5/5〜8/2の範囲が好ましく、c’/d’=5/
5〜7/3の範囲がより好ましい。
組成比および共重合成分を選択することができ、上記の
透明層の樹脂は着色層およぴ基体層に含まれるポリアリ
レートおよび/またはポリエチレンテレフタレートと同
一である必要はない。
である。着色層は積層成形品の色彩(透明層側から見
た)を決定づけるものであるが、着色層自体の色彩とか
かる積層成形品の色彩が一致している必要はない。着色
層の透明性が高く基体層の色彩が認識できる場合であっ
てもよい。特に干渉光を利用する着色剤においては着色
層自体では白色の透過光による観察においてほとんど色
彩を認識できないが、基体層の色彩と組み合わせられる
ことにより独特の色彩を発現する。また透明層の色彩と
組み合わせて全体の色彩が発現する場合もある。
く、2層以上が積層したものであってもよい。例えば透
明性が高い層と低い層との積層した構成などが挙げられ
る。同様に上記透明層も必ずしも1層である必要はな
い。上記の如く着色層の透明性は特に限定されるもので
はないが、基体層の色彩に影響を受けないことが好まし
い場合が多いため、着色層全体としてJIS K710
5に準拠して測定された光線透過率が50%以下である
ものが好ましい。
しい。該下限は50μmが好ましく、100μmがより
好ましく、150μmが更に好ましい。該上限は140
0μmが好ましく、1000μmがより好ましく、50
0μmが更に好ましい。厚みが20μmに満たない場合
には着色層の隠蔽力や着色剤の高濃度化が問題となる場
合がある。1500μmを超える場合には積層成形品の
衝撃強度が低下する場合がある。
としては、アンスラキノン系染料、ペリレン系染料、ペ
リノン系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、ニトロ
ソ系染料、アゾ系染料、トリフェニル系染料、チアゾー
ル系染料、メチン系染料、オキサジン系染料、インドフ
ェノール系染料、ケトン系染料、チアジン系染料、イン
ジゴ系染料、フタロシアニン系染料、縮合アゾ系染料、
アゾレーキ系染料、キナクリドン系染料、ジオキサジン
系染料、イソインドリノン系染料、および縮合多環系染
料などが挙げられる。無機顔料としては、亜鉛華、二酸
化チタン、酸化亜鉛、チタンブラック、べんがら、酸化
クロム、鉄黒等の単純酸化物、硫化亜鉛、カドミウムイ
エロー、カドミウムオレンジ、カドミウムレッド等の硫
化物、黄鉛、亜鉛黄、クロムバーミリオン等のクロム酸
塩、紺青等のフェロシアン化物、群青等の珪酸塩、カー
ボンブラック、および金属粉等の無機系色剤などが挙げ
られる。
用も可能である。メタリック顔料としては、例えばアル
ミニウムフレーク、ガラスフレークやマイカの表面に金
属や金属酸化物を被覆したフレーク、およびガラスフレ
ークやマイカの表面に金属酸化物を被覆して干渉光を発
するフレークなどを挙げることができる。
色層を構成する樹脂組成物100重量%中、0.01〜
15重量%が好ましく、0.05〜5重量%が好まし
く、更に0.05〜3重量%がより好ましい。
ボネート(a成分)、ポリアリレート(c成分)、およ
びポリエチレンテレフタレート(d成分)から選択され
る少なくとも1種の樹脂であることが好ましい。芳香族
ポリカーボネートは積層成形品の色彩および耐衝撃性、
並びに基体層を構成する樹脂組成物との密着性の点にお
いて良好である。ポリアリレートは積層成形品の表面硬
度および基体層を構成する樹脂組成物との密着性の点に
おいて良好である。ポリエチレンテレフタレートは積層
成形品の色彩および表面硬度(表面傷付き性)の点にお
いて良好である。これらの樹脂は適宜所定の割合で混合
して使用することができる。これらの中でも特に芳香族
ポリカーボネートが好ましい。これは着色層に芳香族ポ
リカーボネートを使用した積層品は、その一括処理した
樹脂が組成−1の条件を満足する適用範囲が広くなりリ
サイクル性に優れるためである。尚、各層の樹脂はそれ
ぞれ独立に分子量、組成比および共重合成分を選択する
ことができる。
着色層を形成する方法は特に限定されず従来公知の多層
成形品の製造方法が適用可能である。しかしながら上記
透明層および着色層の適正な厚みは比較的薄いことか
ら、透明層と着色層を隣接積層してなる積層体と、基体
を構成する成形体とを積層する方法が好ましい。かかる
方法には、1)予め製造された透明層と着色層を隣接積
層してなる積層成形品と予め製造された基体を構成する
成形体とを圧着する方法や、2)予め製造された透明層
と着色層を隣接積層してなる積層成形品を金型内にイン
サートし基体を構成する樹脂を溶融状態で充填して一体
化する方法などがある。特に2)の方法、いわゆるイン
サート成形法が好適である。
積層成形品はシート状成形体であることが好ましい。シ
ート状成形体とは、好ましくは厚みが1500μm以下
の実質的に肉厚が均一の成形体であり、具体的には例え
ば、シート、シートを加工して形状を付与したもの、お
よび各種成形方法(射出成形、押出成形、圧縮成形、回
転成形、ブロー成形など)により得られた好ましくは厚
みが1500μm以下の実質的に均一な肉厚を有する成
形体が挙げられる。好ましくはシート、およびシートを
加工して形状を付与したものである。これらは安定して
製造でき、また多層化することも比較的容易なためであ
る。
造可能である。シートの製造方法としては例えば、層を
構成する熱可塑性樹脂をTダイより溶融押出する方法、
カレンダー成形法、溶剤キャスティングする方法、およ
びインフレーション法などを挙げることができる。シー
トにおける多層化は、共押出に代表されるシート製造機
内で複数の層を積層化する方法が好ましい。その他予め
製造されたシートの表面に溶融状態または溶解状態の他
の層を被覆して積層化していく方法や、独立に得られた
シートをプレスラミネートする方法などが挙げられる。
上記の中でも溶融共押出による方法が好ましい。またシ
ートはそのシートの製造時またはシートの製造後延伸加
工したものであってもよい。延伸加工は特に結晶性を有
する熱可塑性樹脂を使用する場合に、耐薬品性や強度の
向上などが図られる。シートを加工して形状を付与する
方法としては、熱プレス成形や真空成形などを挙げるこ
とができる。更にシートには必要に応じて、印刷層や金
属薄膜層(意匠性、熱線反射性、電磁波遮蔽性などを目
的とする)などを設けたものも使用できる。
層と着色層との厚みの合計に対して2倍以上であること
が好ましく、3倍以上がより好ましく、3.5倍以上が
更に好ましい。これら好適な範囲では基体層の有する良
好な耐衝撃性を生かすことができる。一方基体層の厚み
の割合が極めて高くなっても本発明の有効性を損なうこ
とはない。しかしながら一般的には積層成形品の厚みは
数cm程度までである。これに従って基体層の厚みの割
合における実用上の上限が定まる。
成形品−iiが提供されるが、これらの積層成形品はい
ずれの場合もその組成−1は、より好ましい態様として
組成−2、組成−3、または組成−4であり得る。特に
実用上組成−4が好適であるすなわち該組成は良好な耐
衝撃性を満足し、更に多くの場合大型成形品に必要とさ
れる低い線膨張係数や剛性の向上に基づく薄肉化によっ
て軽量性をも満足する。これら組成−1〜組成−4にお
ける好ましい態様は、樹脂組成物において上述した場合
と同様である。また上記の積層成形品におけるb成分と
してはABS重合体が好適である点も同様である。
を一括処理した樹脂は、組成−1の条件を満足すること
から良好な耐衝撃性を有する。かかる樹脂を積層成形品
の基体層とすれば良好な耐衝撃性を有する積層成形品−
iiが得られる。従って使用済みの積層成形品−iを原
料として新規の積層成形品−iiが製造される。この場
合、使用済みの積層成形品−iからその積層品を一括処
理した樹脂を積層成形品−iiの基体層にどの程度混入
するかは特に制限されるものではない。しかしながら積
層成形品−iiの性能およびリサイクル効率を考慮する
と、使用済み積層成形品−iからの積層品を一括処理し
た樹脂1〜60重量%、およびバージンの原材料40〜
99重量%の範囲とすることが好ましい。更に積層品を
一括処理した樹脂は10〜55重量%がより好ましく、
20〜50重量%が更に好ましく、25〜50重量%が
特に好ましい。一方バージンの原材料は45〜90重量
%がより好ましく、50〜80重量%が更に好ましく、
50〜75重量%が特に好ましい。
よび(II)の条件を満足する積層成形品−iを達成す
るものである。 (K)≧50 (I) (L)/(K)≧0.6 (II)
にある板状の積層成形品−iにおける高速面衝撃試験で
の破断エネルギー(J)を表わし、(L)は該積層成形
品からその積層品を一括処理した樹脂100重量%から
なる樹脂組成物を基体層とし、該積層成形品と同一の構
成を有する積層成形品における高速面衝撃試験での破断
エネルギー(J)を表わす。更に高速面衝撃試験の条件
は、試験温度:−30℃、撃芯の衝突速度:7m/
sec、撃芯:半径6.35mmの半球状、受台穴
径:25.4mmである。
成する透明層、基体層、並びに該両層の間かつ透明層に
隣接して配された着色層からなり、各層は熱可塑性樹脂
からなる積層成形品であって、該基体層を構成する熱可
塑性樹脂は、その100重量%中、積層成形品−iであ
って使用済みの該成形品の各層を分離することなく処理
して製造された樹脂材料を1〜60重量%含有し、かつ
上記組成−1の条件を満足することを特徴とする積層成
形品が提供される。
は積層成形品−iiであって、使用済みの該成形品の各
層を分離することなく処理して製造された樹脂材料1〜
60重量%とバージンの原材料40〜99重量%とを溶
融混練し、上記組成−1の条件を満足する樹脂組成物を
得る積層成形品のリサイクル方法が提供される。
る透明層、基体層、並びに該両層の間かつ透明層に隣接
して配された着色層からなり各層は熱可塑性樹脂からな
る積層成形品の基体層として、積層成形品−iまたは積
層成形品−iiであって、使用済みの該成形品の各層を
分離することなく処理して製造された樹脂材料1〜60
重量%とバージンの原材料40〜99重量%とを溶融混
練して製造された樹脂組成物を使用する積層成形品のリ
サイクル方法が提供される。
方法において、使用済みの積層品を一括処理した樹脂と
バージンの原材料との好ましい割合は上述の通りであ
る。またここで“使用済み”とは、成形品が製品の一
部として市場で使用され、消費者等においてその製品の
使用期間が終了し、回収された積層成形品、および市
場に出る前の成形の過程で発生する不良品、および製品
化工程での不良品、在庫として不用になった製品などか
ら回収された積層成形品のいずれも指す。
の実施においては、使用済みの積層成形品を破砕して利
用することが好ましい。かかる破砕物は単独でもしくは
バージンの樹脂材料として混合して使用することができ
る。破砕物とバージンの樹脂材料とから所定の樹脂組成
物を得る方法としては、例えば次の方法が例示される。
(i)破砕物およびバージンの原材料を1つの押出機等
溶融混練機内で混合し1種のペレットを製造する方法、
(ii)破砕物を単独で押出機等によりペレット化した
ペレットとバージンの原材料からなるペレットとを1つ
の成形機に供給し該成形機内で溶融混練する方法、(i
ii)破砕物の形状のままの破砕物とバージンの原材料
からなるペレットとを1つの成形機に供給し該成形機内
で溶融混練する方法、(iv)破砕物とバージンの原材
料自体を直接1つの成形機に供給し該成形機内で溶融混
練する方法、並びに(v)破砕物とバージンの原材料か
らなるペレットとをそれぞれ独立にまたは同時に再破砕
して特定の粒径に調整したのち、回転成形法などにより
樹脂組成物とする方法などである。これらの中でも
(i)の方法がより均一性の高い樹脂組成物が得られる
ため好ましい。またバージンの原材料とは、初期の基体
層を構成する樹脂組成物であることが好ましい。
法としては、該成形品を直接溶融し、かかる樹脂とバー
ジンの原材料とを溶融混練する方法が挙げられる。
る。例えば圧縮式破砕機(ロールクラッシャーなど)、
衝撃式破砕機(インパクトクラッシャー、ハンマーミル
など)、切断式またはせん断式破砕機(カッターミル、
往復動式破砕機、低速回転式破砕機(二軸せん断破砕機
など)など)、衝撃せん断式破砕機(シュレッダーな
ど)、および各種微破砕機(ボールミル、ディスクミ
ル、ピンミル、ハンマーミル、ターボミル、ジェットミ
ルなど)などを挙げることができる。上記の中でも成形
品を直接供給可能で、破砕効率に優れ、かつ必要とされ
る粒径に対応するなどの点から切断式またはせん断式破
砕機が好ましい。
面の傷付き性、耐候性、および光沢感に優れ、且つ低温
での耐衝撃性およびリサイクル性に優れたものである。
すなわち、車両用外装材として好適な特性を有するもの
である。したがって本発明によれば本発明の積層成形品
(積層成形品−iまたは積層成形品−ii)からなる車
両用外装材が提供される。車両用外装材としては、例え
ば、自動車用のバックパネル、フェンダー、バンパー、
ドアパネル、ピラー、サイドプロテクター、サイドモー
ル、各種スポイラー、ボンネット、ルーフパネル、トラ
ンクリッド、およびフロントグリルなどが挙げられる。
その他モーターバイク用のカウル、フェンダー、タンク
カバー、およびキャリヤボックスカバーなどが挙げられ
る。更にはトラックの荷台カバーなどが挙げられる。そ
の他にも、本発明の樹脂組成物、殊に積層成形品は、電
気・電子機器や精密機器などの筐体や、ドアなどの建築
物のパネル、容器・かばんなどの雑貨類など、建築資
材、農業資材、海洋資材、車両、電気・電子機器、機
械、および雑貨といった幅広い分野において有用であ
る。
採用することができる。例えばa成分〜c成分および任
意にd成分〜f成分、並びに他の成分をそれぞれV型ブ
レンダー、ヘンシェルミキサー、メカノケミカル装置、
押出混合機などの予備混合手段を用いて充分に混合した
後、場合により押出造粒器やブリケッティングマシーン
などにより造粒を行い、その後ベント式二軸押出機に代
表される溶融混練機で溶融混練し、およびペレタイザー
などの機器によりペレット化する方法が挙げられる。こ
の場合各成分の溶融混練機への供給は、それぞれ独立に
供給することも、一部の成分を予備混合することもでき
る。一部の成分が予め溶融混練された原材料を使用する
ことも可能である。無機充填材はその繊維や板の破損を
抑制するため、押出機途中から溶融状態の樹脂中に供給
されることが好ましい。尚、配合する成分に液状のもの
がある場合には、溶融混練機への供給にいわゆる液注装
置、または液添装置を使用することができる。
は、例えば、多層押出、インサート射出成形、インサー
ト圧縮成形、多色成形、同時複合成形(2箇所以上の点
から金型キャビティ内に充填される方法)、およびサン
ドイッチ成形(1箇所の点から金型キャビティ内に充填
される方法)などの各種の複合成形法を挙げることがで
きる。またそれぞれ積層成形品を全てまたは一部独立に
製造したのち、それらを熱プレスなどの圧着方法により
積層する方法も可能である。上記の中でも成形品の形状
の自由度が高い点でインサート射出成形法が好適であ
る。インサート射出成形法においては、透明層および透
明層に隣接して配された着色層からなるシート状成形体
を金型キャビティ内にインサートし、基体層を構成する
樹脂を該金型キャビティ内に充填する方法が好適であ
る。
作用を付加した種々の成形方法も使用できる。かかる成
形方法としては、射出圧縮成形、射出プレス成形、超高
速射出成形、ガスアシスト成形、局所高温金型成形(断
熱金型成形を含む)および発泡成形(超臨界流体の注入
によるものを含む)などが挙げられる。本発明の合成樹
脂成形品は比較的大型の成形品となる場合が多いため、
比較的低い充填圧力で成形が可能となる射出プレス成形
や、ガスアシスト成形、および発泡成形などを組合わせ
ることが望ましい場合が多い。また樹脂の無駄を省くた
めホットランナー成形が好適である。
明層に隣接して配された着色層からなるシート状成形体
を金型キャビティ内にインサートし、基体層を構成する
樹脂を該金型キャビティ内に射出成形により充填するこ
とにより製造された積層成形品が提供される。ここで基
体層を構成する樹脂は、(i)積層成形品−iの場合は
組成−Aの条件を満足するものであり、(ii)積層成
形品−iiの場合は組成−1の条件を満足するものであ
る。
び着色層は基体層の片面および両面のいずれにも積層す
ることができる。更に透明層および着色層が形成されて
いない基体層の表面に別の層を積層した構成を有する成
形品であってもよい。例えば該基体層の表面に弾性層を
設けて遮音性を挙げるなどの構成が可能である。
発明のa成分である芳香族ポリカーボネートは、二価フ
ェノールとカーボネート前駆体とを反応させて得られる
ものである。反応の方法としては界面重縮合法、溶融エ
ステル交換法、カーボネートプレポリマーの固相エステ
ル交換法、および環状カーボネート化合物の開環重合法
などを挙げることができる。
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通
称ビスフェノールA)、2,2−ビス{(4−ヒドロキ
シ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、9,9−
ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フル
オレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
3,3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサンおよびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−m−ジイソプロピルベンゼンなどを挙げること
ができる。特に、ビスフェノールAの単独重合体が好ま
しい。
ライド、カーボネートエステルまたはハロホルメートな
どが使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボ
ネートまたは二価フェノールのジハロホルメートなどが
挙げられる。
を界面重縮合法または溶融エステル交換法によって反応
させて芳香族ポリカーボネートを製造するに当っては、
必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化
を防止するための酸化防止剤などを使用してもよい。ま
た芳香族ポリカーボネートは三官能以上の多官能性芳香
族化合物を共重合した分岐ポリカーボネートであって
も、芳香族または脂肪族の二官能性カルボン酸を共重合
したポリエステルカーボネート、ポリオルガノシロキサ
ンを共重合したポリカーボネート−オルガノシロキサン
共重合体であってもよい。また、得られた芳香族ポリカ
ーボネートの2種以上を混合した混合物であってもよ
い。三官能以上の多官能性芳香族化合物としては、1,
1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキ
シフェニル)エタンなどが使用できる。
能性芳香族化合物の割合は、好ましくは0.005〜
0.5モル%、特に好ましくは0.01〜0.3モル%
である。また特に溶融エステル交換法の場合、副反応と
して分岐構造が生ずる場合があるが、かかる分岐構造量
についても同様である。尚、かかる割合については1H
−NMR測定により算出することが可能である。
剤が使用される。かかる末端停止剤として単官能フェノ
ール類を使用することができる。単官能フェノール類の
具体例としては、例えばフェノール、p−tert−ブ
チルフェノール、p−クミルフェノールおよびイソオク
チルフェノールが挙げられる。また、末端停止剤は単独
でまたは2種以上混合して使用してもよい。
ール性の末端基を減少するために、重縮反応の後期ある
いは終了後に、例えば2−クロロフェニルフェニルカー
ボネート、2−メトキシカルボニルフェニルフェニルカ
ーボネートおよび2−エトキシカルボニルフェニルフェ
ニルカーボネートなどの化合物を加えることができる。
を中和する失活剤を用いることが好ましい。かかる失活
剤の量としては、残存する触媒1モルに対して0.5〜
50モルの割合で用いるのが好ましい。
トの粘度平均分子量は、10,000〜50,000が
好ましく、15,000〜35,000がより好まし
く、20,000〜30,000が更に好ましい。一方
基体層において使用される芳香族ポリカーボネートの粘
度平均分子量は、10,000〜30,000が好まし
く、17,000〜27,000がより好ましく、2
0,000〜26,000が更に好ましい。
を混合しても差し支えない。この場合粘度平均分子量が
上記範囲外であるポリカーボネート樹脂とを混合するこ
とも当然に可能である。
香族ポリカーボネートとの混合物はエントロピー弾性が
高く十分な溶融張力を有する。したがって着色層を形成
する場合好ましい特性を有する。また基体層の成分とし
て使用する場合にもジェッティングの防止、ガスアシス
ト安定性、および発泡の安定性などに代表されるレオロ
ジー挙動に基づく成形不良を生じにくい特徴がある。
00以上のポリカーボネート樹脂との混合物であり、更
に好ましくは100,000以上の粘度平均分子量を有
するポリカーボネート樹脂との混合物である。すなわち
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)な
どの測定法において2ピーク以上の分子量分布を観察で
きるものが好ましく使用できる。
て算出される比粘度を塩化メチレン100mlにポリカ
ーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液からオ
ストワルド粘度計を用いて求め、 比粘度(ηSP)=(t−t0)/t0 [t0は塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下
秒数]求められた比粘度を次式にて挿入して粘度平均分
子量Mを求める。 ηSP/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]
は極限粘度) [η]=1.23×10-4M0.83 c=0.7
しては、各種弾性重合体が代表的に挙げられる。ここで
弾性重合体とは、ガラス転移温度が10℃以下、好まし
くは−10℃以下、より好ましくは−30℃以下である
ゴム成分と、該ゴム成分と共重合可能な単量体成分とを
共重合した重合体をいう。ゴム成分としては、ポリブタ
ジエン、ポリイソプレン、ジエン系共重合体(例えば、
スチレン・ブタジエンのランダム共重合体およびブロッ
ク共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、
並びにアクリル・ブタジエンゴム(アクリル酸アルキル
エステルまたはメタクリル酸アルキルエステルおよびブ
タジエンの共重合体)など)、エチレンとα−オレフィ
ンとの共重合体(例えば、エチレン・プロピレンランダ
ム共重合体およびブロック共重合体、エチレン・ブテン
のランダム共重合体およびブロック共重合体など)、エ
チレンと不飽和カルボン酸エステルとの共重合体(例え
ばエチレン・メタクリレート共重合体、およびエチレン
・ブチルアクリレート共重合体など)、エチレンと脂肪
族ビニルとの共重合体(例えば、エチレン・酢酸ビニル
共重合体など)、エチレンとプロピレンと非共役ジエン
ターポリマー(例えば、エチレン・プロピレン・ヘキサ
ジエン共重合体など)、アクリルゴム(例えば、ポリブ
チルアクリレート、ポリ(2−エチルヘキシルアクリレ
ート)、およびブチルアクリレートと2−エチルヘキシ
ルアクリレートとの共重合体など)、並びにシリコーン
系ゴム(例えば、ポリオルガノシロキサンゴム、ポリオ
ルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アク
リレートゴム成分とからなるIPN型ゴム;すなわち2
つのゴム成分が分離できないように相互に絡み合った構
造を有しているゴム、およびポリオルガノシロキサンゴ
ム成分とポリイソブチレンゴム成分からなるIPN型ゴ
ムなど)が挙げられる。更に他のゴム成分としては、ウ
レタンゴム、アミドゴム、ホスファゼンゴムおよびフッ
素ゴムなどを挙げることができる。
としては、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合
物、(メタ)アクリル酸エステル化合物、(メタ)アク
リル酸化合物などが好適に挙げられる。その他の単量体
成分としては、グリシジルメタクリレートなどのエポキ
シ基含有メタクリル酸エステル、マレイミド、N−メチ
ルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどのマレイミ
ド系単量体、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、
無水マレイン酸、フタル酸、イタコン酸などのα,β−
不飽和カルボン酸およびその無水物等を挙げることがで
きる。
エン)重合体、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン
−スチレン)重合体、MBS(メチルメタクリレート−
ブタジエン−スチレン)重合体、MABS(メチルメタ
クリレート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン)重合体、MB(メチルメタクリレート−ブタジエ
ン)重合体、ASA(アクリロニトリル−スチレン−ア
クリルゴム)重合体、AES(アクリロニトリル−エチ
レンプロピレンゴム−スチレン)重合体、MA(メチル
メタクリレート−アクリルゴム)重合体、MAS(メチ
ルメタクリレート−アクリルゴム−スチレン)重合体、
メチルメタクリレート−アクリル・ブタジエンゴム共重
合体、メチルメタクリレート−アクリル・ブタジエンゴ
ム−スチレン共重合体、メチルメタクリレート−(アク
リル・シリコーンIPNゴム)重合体などを挙げること
ができる。上記の弾性重合体は、その構造を特に限定す
るものではないが、グラフトポリマーおよびブロックポ
リマーが一般的であり、グラフトポリマーがより好まし
い。
ラストマー、ポリウレタンエラストマー、およびポリア
ミドエラストマーなどに代表される熱可塑性エラストマ
ーを挙げることができる。更に他の衝撃改質用重合体と
しては、ポリエチレン、ポリオルガノシロキサン、およ
びオレフィン類と不飽和カルボン酸エステルとの共重合
体などを挙げることができ、これらは芳香族ポリカーボ
ネート樹脂の耐衝撃性における厚み依存性の改良や、芳
香族ポリカーボネート系ポリマーアロイにおける衝撃改
質材として広く知られるものである。
ン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、ビニルキシレン、エチルスチレン、ジメ
チルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、ビニル
ナフタレン、メトキシスチレン、モノブロムスチレン、
ジブロムスチレン、フルオロスチレン、トリブロムスチ
レンなどが挙げられ、特にスチレンが好ましい。これら
は単独または2種以上用いることができる。
リロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられ、特
にアクリロニトリルが好ましい。これらは単独または2
種以上用いることができる。
しては、具体的にはメチル(メタ)アクリレート、エチ
ル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、ヘキ
シル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレ
ート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シク
ロヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)ア
クリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、フェ
ニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレ
ートなどを挙げることができる。尚(メタ)アクリレー
トの表記はメタクリレートおよびアクリレートのいずれ
をも含むことを示し、(メタ)アクリル酸エステルの表
記はメタクリル酸エステルおよびアクリル酸エステルの
いずれをも含むことを示す。
は、ポリブタジエンゴムが好ましい。更にb成分中のブ
タジエン成分の含有量は、30〜90重量%が好まし
く、50〜90重量%がより好ましく、55〜85重量
%の共重合体樹脂が挙げられる。またブタジエン成分は
基体層を構成する樹脂組成物100重量%中0.1〜3
0重量%含まれることが好ましい。更にブタジエン成分
は該樹脂組成物100重量%中より好ましくは1〜25
重量%、更に好ましくは3〜20重量%、特に好ましく
は4〜15重量%含まれる。
する成分としてより好ましいのはアクリロニトリルとス
チレンから実質的になる共重合体(以下AS成分と称す
る場合がある)、およびメチルメタクリレートから実質
的になる重合体(以下PMMA成分と称する場合があ
る)である。これらはa成分との親和性に優れ、界面強
度が良好であるため、衝撃強度(特に低温での面衝撃強
度)において有利なためである。より好ましいのはAS
成分である。AS成分の場合、アクリロニトリル成分と
スチレン成分の比率(アクリロニトリル成分/スチレン
成分(重量比))は、15/85〜35/75の範囲が
好ましく、20/80〜30/70の範囲が更に好まし
い。尚、実質的になるとは、少量の共重合成分を含んで
よいことを意味する。特にPMMA成分の場合には、そ
の成形加工性を改良するため、メチルアクリレートやエ
チルアクリレートなどのアクリル酸エステル成分を共重
合したものが好ましい。かかるアクリル酸エステル成分
の共重合の比率としてはPMMA成分100重量%中、
5〜30重量%が好ましい。
として、ポリブタジエンからなるゴム成分30〜90重
量%、好ましくは50〜90重量%、更に好ましくは5
5〜85重量%、並びに該ゴム成分に共重合したAS成
分からなるアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共
重合体(ABS重合体)を挙げることができる。更にそ
のAS成分中のアクリロニトリル成分/スチレン成分
(重量比)の比率は15/85〜35/75の範囲が好
ましく、20/80〜30/70の範囲が更に好まし
い。
平均粒子径(重量平均粒子径)は0.1〜5.0μmが
好ましく、より好ましくは0.15〜3.0μm、更に
好ましくは0.2〜0.9μmである。かかるゴム粒子
径の分布は単一の分布であるものおよび2山以上の複数
の山を有するもののいずれもが使用可能であり、更にそ
のモルフォロジーにおいてもゴム粒子が単一の相をなす
ものであっても、ゴム粒子の周りにオクルード相を含有
することによりサラミ構造を有するものであってもよ
い。より好ましいのは、ゴム粒子径の分布が狭く、単一
相をなすゴム粒子の割合が多いものである。
フト共重合体を製造した場合、該グラフト共重合体と、
ゴム成分にグラフトされなかったグラフト成分の重合体
または共重合体(例えば、ABS重合体ではf成分に相
当するAS重合体)との混合物が得られる場合が多い。
かかる混合物がグラフト共重合体として市販されること
が多く、また入手も容易である。したがって、本発明で
はb成分を熱可塑性樹脂組成物中に配合するための原料
として、b成分とゴム成分不含の重合体または共重合体
とを含んだ混合物を使用することができる。本発明の好
適なb成分であるABS重合体においては、b成分とf
成分(AS重合体)とを含んだ混合物を使用することが
できる。またそれぞれ独立に製造されたb成分とf成分
との混合物を使用することも可能である。
S重合体(フリーのAS重合体)の分子量は、ABS重
合体においてポリブタジエンにグラフトしたAS重合体
と同等の分子量となることが知られている。かかるフリ
ーのAS重合体の分子量は、GPC測定(ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィー測定)により算出された重
量平均分子量(Mw)で表わして40,000〜50
0,000が好ましく、70,000〜200,000
がより好ましく、80,000〜160,000が更に
好ましい。なお、ここで示す重量平均分子量は、標準ポ
リスチレン樹脂による較正直線を使用したGPC測定に
よりポリスチレン換算の値として算出されたものであ
る。
懸濁重合、懸濁重合、乳化重合のいずれの方法で製造さ
れたものでもよいが、より好ましくは乳化重合により製
造されたものである。ゴム成分の割合や粒径の制御が比
較的容易なためである。一方ABS重合体をはじめとす
るポリブタジエンの製造は、乳化重合および溶液重合の
いずれの方法で製造されたものでもよいが、より好まし
くは乳化重合により製造されたものである。尚、上記の
乳化重合として、ソープフリー重合、(多段)シード重
合、二段階膨潤法などにより製造されたものでもよい。
ビニル系重合体とは、芳香族ビニル化合物の重合体およ
び共重合体、並びに芳香族ビニル化合物および該化合物
と共重合可能な単量体化合物からなる共重合体である。
但し該単量体化合物にはゴム成分は含まれず、b成分と
は区別される。芳香族ビニル化合物としては上記のもの
が挙げられ、好ましくはスチレンおよびα−メチルスチ
レンであり、より好ましくはスチレンである。芳香族ビ
ニル化合物と共重合可能な他の単量体化合物としては、
上記のシアン化ビニル化合物および(メタ)アクリル酸
エステル化合物、および他の例示されたビニル単量体な
どを挙げることができ、好ましくはシアン化ビニル化合
物および(メタ)アクリル酸エステル化合物、特に好ま
しくはシアン化ビニル化合物である。
チレン、MS重合体、AS重合体、およびSMA重合体
などを挙げることができる。尚、ここでMS重合体はメ
チルメタクリートとスチレンから主としてなる共重合
体、AS重合体はアクリロニトリルとスチレンから主と
してなる共重合体、SMA重合体はスチレンと無水マレ
イン酸(MA)から主としてなる共重合体を示す。更に
本発明のC成分はその製造時にメタロセン触媒等の触媒
使用により、シンジオタクチックポリスチレン等の高い
立体規則性を有するものであってもよい。更に場合によ
っては、アニオンリビング重合、ラジカルリビング重合
等の方法により得られる、分子量分布の狭い重合体や共
重合体、ブロック共重合体、並びに立体規則性の高い重
合体や共重合体であってもよい。更にはf成分の共重合
体はマクロモノマーを使用した制御された櫛型構造の重
合体など、分子レベルで精密に制御された各種の共重合
体が広く知られている。f成分としてはこれら公知の精
密制御された共重合体の使用が可能である。
よびMS重合体が好適であり、AS重合体が特に好適で
ある。AS重合体中における各成分の割合としては、全
体を100重量%とした場合、シアン化ビニル化合物が
5〜50重量%、好ましくは15〜35重量%、より好
ましくは20〜30重量%、芳香族ビニル化合物が95
〜50重量%、好ましくは85〜65重量%、より好ま
しくは80〜70重量%である。更にこれらのビニル化
合物に、前記の共重合可能な他のビニル系化合物が共重
合されたものでもよい。これらの含有割合は、AS樹脂
成分中15重量%以下であるものが好ましい。また反応
で使用する開始剤、連鎖移動剤等は必要に応じて、従来
公知の各種のものが使用可能である。
懸濁重合、および乳化重合のいずれの方法で製造された
ものでもよいが、好ましくは塊状重合または懸濁重合に
よるものである。また共重合の方法も一段での共重合、
または多段での共重合のいずれであってもよい。またA
S重合体の重量平均分子量の好ましい範囲は、上述のフ
リーのAS重合体の場合と同様である。
いて説明する。ポリアリレートは、芳香族ジカルボン酸
またはその誘導体と二価フェノールまたはその誘導体と
から得られるものである。ポリアリレートの調製に用い
られる芳香族ジカルボン酸としては、二価フェノールと
反応し満足な重合体を与えるものであればいかなるもの
でもよく、1種または2種以上を混合して用いられる。
テレフタル酸、イソフタル酸が挙げられる。またこれら
の混合物であってもよい。
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジクロロフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロ
キシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフ
ェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルス
ルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、2,2’−
ビス(4ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロ
パン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ハイドロ
キノンなどが挙げられる。これら二価フェノール成分は
パラ置換体であるが、他の異性体を使用してもよく、さ
らに二価フェノール成分にエチレングリコール、プロピ
レングリコール、ネオペンチルグリコールなどを併用し
てもよい。
としては、芳香族ジカルボン酸成分がテレフタル酸およ
びイソフタル酸からなり、二価フェノール成分として
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビ
スフェノールA)からなるものが挙げられる。テレフタ
ル酸とイソフタル酸との割合は、テレフタル酸/イソフ
タル酸=9/1〜9/1(モル比)が好ましく、特に溶
融加工性、性能バランスの点で7/3〜3/7が望まし
い。
は、芳香族ジカルボン酸成分がテレフタル酸からなり、
二価フェノール成分がビスフェノールAおよびハイドロ
キノンからなるものが挙げられる。かかるビスフェノー
ルAとハイドロキノンとの割合は、ビスフェノールA/
ハイドロキノン=50/50〜70/30(モル比)が
好ましく、55/45〜70/30がより好ましく、6
0/40〜70/30が更に好ましい。
分子量は約7,000〜100,000の範囲が物性お
よび押出加工性から好ましい。またポリアリレートは界
面重縮合法およびエステル交換反応法のいずれの重合方
法も選択できる。
タレートについて説明する。ポリエチレンテレフタレー
ト(以下PETと略称する場合がある)とは、主たる繰
り返し単位がエチレンテレフタレートであって、そのジ
カルボン酸成分としてテレフタル酸成分を85モル%以
上、およびジオール成分としてエチレングリコールを8
5モル%以上含有してなるポリエステルである。PET
は、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸成分を90モ
ル%以上含むことが好ましく、95モル%以上含むこと
がより好ましい。PETは、ジオール成分としてエチレ
ングリコールを90モル%以上含むことが好ましく、9
5モル%以上含むことがより好ましい。
の例としては、例えばイソフタル酸、2−クロロテレフ
タル酸、2,5−ジクロロテレフタル酸、2−メチルテ
レフタル酸、4,4−スチルベンジカルボン酸、4,4
−ビフェニルジカルボン酸、オルトフタル酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボ
ン酸、ビス安息香酸、ビス(p−カルボキシフェニル)
メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4−ジフェニ
ルエーテルジカルボン酸、4,4−ジフェノキシエタン
ジカルボン酸、5−Naスルホイソフタル酸、およびエ
チレン−ビス−p−安息香酸などが挙げられる。これら
のジカルボン酸は単独でまたは2種以上混合して使用す
ることができる。
ボン酸以外に、脂肪族ジカルボン酸成分を共重合するこ
とができる。脂肪族ジカルボン酸成分としては例えば、
アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二
酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、および1,
4−シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。
ては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパン
ジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオー
ル、トランス−または−2,2,4,4−テトラメチル
−1,3−シクロブタンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキ
サンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノー
ル、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジオー
ル、p−キシレンジオール、ビスフェノールA、テトラ
ブロモビスフェノールA、およびテトラブロモビスフェ
ノールA−ビス(2−ヒドロキシエチルエーテル)など
を挙げることができる。これらは単独でも、2種以上を
混合して使用することができる。更にジオール成分とし
てわずかにポリエチレングリコールを共重合したPET
も使用できる。ポリエチレングリコールの分子量として
は150〜6,000の範囲が好ましい。PETは1種
で、または2種以上を組み合わせて使用することができ
る。
分を含まず実質的にテレフタル酸成分とエチレングリコ
ール成分のみから製造されたポリエステルが好ましい。
しかしながら、かかるポリエステルにおいても、通常重
合時の副反応生成物としてジオール成分100モル%
中、約0.5モル%以上のジエチレングリコール成分が
含まれている。したがってPETはジエチレングリコー
ル成分を少量含むものであってよい。ジエチレングリコ
ール成分は、ジオール成分100モル%中6モル%以下
が好ましく、5モル%以下がより好ましく、4モル%以
下が更に好ましい。
ノールを溶媒として35℃で測定された極限粘度数が
0.4〜1.3dl/gの範囲であることが好ましく、
0.45〜1.2dl/gの範囲がより好ましい。また
その末端カルボキシル基量は特に制限されないものの、
30eq/ton以下が好ましく、25eq/ton以
下が更に好ましい。下限としては1eq/ton以上が
実用上適切である。
することができる。すなわちジカルボン酸とジオールを
直接反応させて水を留去しエステル化した後、減圧下に
重縮合を行う直接エステル化法、またはジカルボン酸ジ
メチルエステルとジオールを反応させてメチルアルコー
ルを留去しエステル交換させた後、減圧下に重縮合を行
うエステル交換法により製造される。更に極限粘度数を
増大させるために固相重合を行うことができる。
反応および重縮合反応時には、触媒および安定剤を使用
することが好ましい。エステル交換触媒としてはMg化
合物、Mn化合物、Ca化合物、Zn化合物などが使用
され、例えばこれらの酢酸塩、モノカルボン酸塩、アル
コラート、および酸化物などが挙げられる。またエステ
ル化反応は触媒を添加せずに、ジカルボン酸およびジオ
ールのみで実施することが可能であるが、後述の重縮合
触媒の存在下に実施することもできる。
合物、Sb化合物などが使用可能であり、例えば二酸化
ゲルマニウム、水酸化ゲルマニウム、ゲルマニウムアル
コラート、チタンテトラブトキサイド、チタンテトライ
ソプロポキサイド、および蓚酸チタンなどが挙げられ
る。安定剤としてリン化合物を用いることが好ましい。
好ましいリン化合物としては、リン酸およびそのエステ
ル、亜リン酸およびそのエステル、次亜リン酸およびそ
のエステル、並びに次亜リン酸およびそのエステルなど
が挙げられる。またエステル化反応時には、ジエチレン
グリコール副生を抑制するためにトリエチルアミンなど
の第3アミン、水酸化テトラエチルアンモニウムなどの
第3級アミン、水酸化テトラエチルアンモニウムなどの
水酸化第4級アンモニウム、および炭酸ナトリウムなど
の塩基性化合物を添加することもできる。また得られた
ポリエステル樹脂には、各種の安定剤および改質剤を配
合することができる。
レンテレフタレートとのポリマーアロイは、上記のポリ
アリレートおよびポリエチレンテレフタレートのブレン
ド物およびそれらの共重合体を含むものである。両者の
組成割合は目的によって任意に決められるが、ポリアリ
レート/ポリエチレンテレフタレート=95/5〜40
/60(重量%)が好ましく、80/20〜50/50
がより好ましい。上記組成範囲を有する該ポリマーアロ
イはポリアリレート樹脂単独時と同等の光沢や表面硬度
を有し、かつ成形加工温度を低くできるため好適な態様
としてあげることができる。
いて説明する。無機充填材は主として積層成形品の強
化、薄肉化、および低線膨張性の改良を目的として配合
される。無機充填材としては例えば、タルク、マイカ、
ワラストナイト、クレー、チタン酸カリウムウイスカ
ー、ホウ酸アルミニウムウイスカー、ガラス繊維(チョ
ップドストランド)、ガラス短繊維(ミルドファイバ
ー)、ガラスビーズ、ガラスバルーン、炭素繊維、金属
被覆炭素繊維、炭素短繊維、耐熱有機繊維、金属繊維、
炭酸カルシウムなどの強化充填材が挙げられる。これら
強化充填材の中でも好ましくはワラストナイトおよびタ
ルクである。更に無機充填材としては先に述べた各種の
無機顔料やメタリック顔料が含まれる。
以下のものを挙げることができる。更に好ましくは平均
粒径が3μm以下であり、特に好ましくは2μm以下の
ものを挙げることができる。下限としては0.05μm
を挙げることができる。したがって本発明のD成分とし
ては特に好ましい結晶核剤として平均粒径が0.05〜
2μmのタルクを挙げることができる。
1つであるX線透過法で測定されたD50(粒子径分布
のメジアン径)をいう。かかる測定を行う装置の具体例
としてはマイクロメリティックス社製Sedigrap
h5100などを挙げることができる。
が好ましい。造粒方法としては、バインダーを使用する
場合と、実質的に使用しない場合がある。バインダーを
使用しないものがより好適である。バインダーを使用し
ない場合の造粒方法としては、脱気圧縮の方法(例えば
真空状態で脱気しながらブリケッティングマシーンなど
でローラー圧縮する方法など)、および転動造粒や凝集
造粒の方法などが挙げられる。
維径が0.5〜5μmのものが好ましい。かかる数平均
繊維径は、電子顕微鏡写真などにて観察した画像から、
無作為に抽出した合計1000個分の繊維径を測定して
その数平均値を算出して求められるものである。またア
スペクト比L/D(L:数平均繊維長、D:数平均繊維
径)が3〜5の範囲が好ましく、3.5〜4.5の範囲
がより好ましい。尚、数平均繊維長は光学顕微鏡を用い
て1μm以上の大きさを計測して求めた値である。得ら
れた像を画像解析装置に入力し、算出することができ
る。画像解析装置としては例えばピアス製 PIAS−
IIIシステムなどを挙げることができる。より好適な
ワラストナイトとしては、1000℃における強熱減量
が2重量%以下が好ましく、1.5重量%以下がより好
ましく、1重量%以下が更に好ましい。
る場合には、強化充填材の溶融混練中の折れを抑制し、
より高い剛性や低線膨張率を達成するため折れ抑制剤を
含むことが好ましい。またかかる折れ抑制剤はマトリッ
クス樹脂との密着性を低下させることで成形品の衝撃強
度を向上させる。また強化充填材の周囲にかかる折れ抑
制剤が被覆されることで、強化充填材がマトリックス樹
脂を熱分解させることを防止できる。繊維状強化充填材
を使用する場合には折れ抑制剤を使用することが好まし
い。
の間に反応性を有する官能基を含む滑剤、および(i
i)強化充填剤に予め表面被覆された滑剤から選択され
る成分が使用できる。中でも好適な折れ抑制剤として
は、カルボキシル基および/またはカルボン酸無水物基
を含有するオレフィンワックスが好ましく、α−オレフ
ィンと無水マレイン酸との共重合体が更に好ましい。
層の樹脂は、上記成分以外に従来より知られた各種の添
加剤を含むことができる。かかる添加剤としては例え
ば、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤
などが挙げられる。特に透明層は屋外使用による紫外線
や熱などの影響をうけやすい。したがって熱安定剤、酸
化防止剤、および紫外線吸収剤などを添加することが好
ましい。
化合物、ホスホナイト化合物、およびホスフェート化合
物などを好ましく挙げることができる。
エチルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−iso−
プロピルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−n−ブ
チルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t
ert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,
6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ト
リス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフ
ァイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファ
イト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)
ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−
ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエ
リスリトールジホスファイト、フェニルビスフェノール
Aペンタエリスリトールジホスファイト、ジシクロヘキ
シルペンタエリスリトールジホスファイトなどが挙げら
れる。
フェノール類と反応し環状構造を有するものも使用でき
る。例えば、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t
ert−ブチルフェニル)(2,4−ジ−tert−ブ
チルフェニル)ホスファイト、2,2’−メチレンビス
(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2−te
rt−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、
2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−
ブチルフェニル)(2−tert−ブチル−4−メチル
フェニル)ホスファイト、2,2’−エチリデンビス
(4−メチル−6−tert−ブチルフェニル)(2−
tert−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト
などを挙げることができる。
ホスフェート、トリメチルホスフェート、トリクレジル
ホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクロル
フェニルホスフェート、トリエチルホスフェート、ジフ
ェニルクレジルホスフェート、ジフェニルモノオルソキ
セニルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェー
ト、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、
ジイソプロピルホスフェートなどを挙げることができ、
好ましくはトリフェニルホスフェート、トリメチルホス
フェートである。
(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’
−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−
ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニ
レンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−ter
t−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホス
ホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチル
フェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、
テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)
−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス
(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’
−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−t
ert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホ
スホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェ
ニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス
(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−3−フェニル−
フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−
ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイ
ト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−
3−フェニル−フェニルホスホナイト等があげられ、テ
トラキス(ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニ
レンジホスホナイト、ビス(ジ−tert−ブチルフェ
ニル)−フェニル−フェニルホスホナイトが好ましく、
テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)
−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−t
ert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホ
ナイトがより好ましい。かかるホスホナイト化合物は上
記アルキル基が2以上置換したアリール基を有するホス
ファイト化合物との併用可能であり好ましい。
ファイト化合物またはホスホナイト化合物が好ましい。
またこれらとホスフェート化合物との併用も好ましい。
またリン化合物からなる安定剤の組成割合としては、本
発明の熱可塑性樹脂組成物100重量%中、0.001
〜2重量%が好ましく、より好ましくは0.005〜1
重量%、更に好ましくは0.01〜1重量%、特に好ま
しくは0.01〜0.5重量%である。
止剤、イオウ系酸化防止剤などを挙げることができる。
フェノール系酸化防止剤としては種々のものを使用する
ことができる。
は、例えばn−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ
−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェル)プロピオ
ネート、2−tert−ブチル−6−(3’−tert
−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)
−4−メチルフェニルアクリレート、3,9−ビス{2
−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5
−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1,−
ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサス
ピロ[5,5]ウンデカン、およびテトラキス[メチレ
ン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどを好ま
しく挙げることができ、n−オクタデシル−β−(4’
−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェ
ル)プロピオネートをより好ましく挙げることができ
る。
ては、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオン酸エス
テル、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオン酸エ
ステル、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオン酸
エステル、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオン
酸エステル、ラウリルステアリル−3,3’−チオジプ
ロピオン酸エステル、ペンタエリスリトールテトラ(β
−ラウリルチオプロピオネート)エステル、ビス[2−
メチル−4−(3−ラウリルチオプロピオニルオキシ)
−5−tert−ブチルフェニル]スルフィド、オクタ
デシルジスルフィド、メルカプトベンズイミダゾール、
2−メルカプト−6−メチルベンズイミダゾール、1,
1’−チオビス(2−ナフトール)などを挙げることが
できる。より好ましくは、ペンタエリスリトールテトラ
(β−ラウリルチオプロピオネート)エステルを挙げる
ことができる。
る。紫外線吸収剤は特に透明層に含まれることが望まし
い。
キシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,
2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェ
ノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メ
トキシフェニル)メタンなどに代表されるベンゾフェノ
ン系紫外線吸収剤を挙げることができる。
(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert
−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’
−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ドデシル
−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α’−ジ
メチルベンジル)フェニルベンゾトリアゾール、2−
[2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”
−テトラフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニ
ル]ベンゾトリアゾール、2,2’メチレンビス[4−
(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H
−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、ヘキ
サン−1,6−ジイルビス[3−(3−ベンゾトリアゾ
ール−2−イル−5−tert−ブチル−4−ビトロキ
シフェニル)プロピオネート]、メチル−3−[3−t
ert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2
−イル)−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート−ポ
リエチレングリコールとの縮合物に代表されるベンゾト
リアゾール系紫外線吸収剤を挙げることができる。
(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−
イル)−5−ヘキシルオキシフェノール、2−(4,6
−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−ト
リアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノール
などのヒドロキシフェニルトリアジン系化合物を挙げる
ことができる。
レンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチ
ル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フ
ェノール]、およびヘキサン−1,6−ジイルビス[3
−(3−ベンゾトリアゾール−2−イル−5−tert
−ブチル−4−ビトロキシフェニル)プロピオネート]
が好ましく、2,2’メチレンビス[4−(1,1,
3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾト
リアゾール−2−イル)フェノール]が更に好ましい。
−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、
テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレ
ート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル
−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカ
ルボキシレート、ポリ{[6−(1,1,3,3−テト
ラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−
2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチルピ
ペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6
−テトラメチルピペリジル)イミノ]}、ポリメチルプ
ロピル3−オキシ−[4−(2,2,6,6−テトラメ
チル)ピペリジニル]シロキサンなどに代表されるヒン
ダードアミン系の光安定剤も含むことができる。
酸化防止剤の組成割合はそれぞれ樹脂組成物100重量
%中、0.001〜2重量%が好ましく、より好ましく
は0.005〜1重量%、更に好ましくは0.01〜1
重量%、特に好ましくは0.01〜0.5重量%であ
る。
合は、それぞれ樹脂組成物100重量%中、0.001
〜10重量%が好ましい。特に透明層における紫外線吸
収剤および光安定剤の組成割合は0.3重量%以上が好
ましく、1重量%以上がより好ましく、1.5重量%以
上が更に好ましく、2重量%以上が特に好ましい。一方
で紫外線吸収剤および光安定剤は7重量%以下であるこ
とがより好ましい。
層の樹脂は、更に、その効果を損なわない範囲におい
て、各種添加剤などを適宜配合することができる。かか
る添加剤としては例えば、他の熱可塑性樹脂組成物、難
燃剤、難燃助剤、チャー形成化合物、核剤、離型剤、帯
電防止剤、発泡剤、流動改質剤、抗菌剤、光触媒系防汚
剤、滑剤、着色剤、蛍光増白剤、蓄光顔料、蛍光染料、
赤外線吸収剤、およびフォトクロミック剤などが挙げら
れる。
テル、不飽和脂肪酸エステル、ポリオレフィン系ワック
ス(ポリエチレンワックス、1−アルケン重合体など。
酸変性などの官能基含有化合物で変性されているものも
使用できる)、フッ素化合物(ポリフルオロアルキルエ
ーテルに代表されるフッ素オイルなど)、パラフィンワ
ックス、蜜蝋などを挙げることができる。
ルが挙げられ、例えばグリセリンモノステアレート、グ
リセリンジステアレート、グリセリントリステアレート
などグリセリン脂肪酸エステル類、デカグリセリンデカ
ステアレートおよびデカグリセリンテトラステアレート
等のポリグリセリン脂肪酸エステル類、ステアリルステ
アレートなどの低級脂肪酸エステル類、セバシン酸ベヘ
ネートなどの高級脂肪酸エステル類、ペンタエリスリト
ールテトラステアレートなどのエリスリトールエステル
類が使用される。
001〜2重量%が好ましく、より好ましくは0.00
5〜1重量%、更に好ましくは0.01〜1重量%、特
に好ましくは0.01〜0.5重量%である。
が必要とされる場合がある。その理由の1つはほこりの
付着防止にある。その他の理由には親水性を向上して水
滴の形成を防止することにある。水滴のレンズ効果は樹
脂の光劣化を促進するためである。
エステルアミド、グリセリンモノステアレート、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸アンモニウム塩、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ホスホニウム塩、アルキルスルホン酸ナト
リウム塩、無水マレイン酸モノグリセライド、無水マレ
イン酸ジグリセライドなどが挙げられる。
組成物は、カーボンブラックなどを含むことが好まし
い。これは積層成形品をリサイクル処理した場合に、そ
の積層品を一括処理した樹脂が着色層の影響を受けにく
いためである。すなわち色の異なる製品を混合してリサ
イクル処理した場合であってもリサイクルされた製品の
色相が安定する利点がある。またカーボンブラックとし
て導電性カーボンブラックを使用してもよい。かかる導
電性カーボンブラックを含む場合には樹脂組成物が加熱
されやすいためリサイクル処理が容易になる場合があ
る。
ことができ、ブルーイング剤(青色系染料)や蛍光増白
剤などの配合は色相の調整に対して有効であることが多
い。更に帯電防止剤、抗菌剤、光触媒系防汚剤などは、
表面の性能向上に利用される添加剤であるため、これら
の機能が要求される場合には透明層に含有されることが
好ましい。また着色層には、無機充填材や衝撃改質剤を
含むことができる。
発明はこれら具体例に限定されるものではない。 (i)透明層と着色層からなる積層シートの作製 表1に示す成分を表記載の配合割合にて透明層の各種原
料および着色層の各種原料を別々にV型ブレンダーで混
合した後、スクリュー径30mmの押出機を2台用い
て、250mm幅のTダイから共押出し、透明層と着色
層からなる2層のシート(S−1〜S−3)を作製し
た。なお、シート作製時のシリンダーおよびダイ温度に
ついては表1に記載の条件にて実施した。また、樹脂は
全て熱風乾燥機により120℃で6時間の予備乾燥がを
実施した。尚、表1記載のS−3のシートのみ2層シー
トを押出し後、縦方向に3.6倍、ついで横方向に3.
7倍の延伸を105℃で行い、235℃で熱固定して得
た。
ットの作製 表2に示す記載成分のうち、強化充填材(タルクおよび
ワラストナイト)以外の成分をV型ブレンダ−にて均一
混合後、計量器[(株)クボタ製CWF]を用いてスク
リュー径30mmのベント式二軸押出機[(株)日本製
鋼所製TEX−30XSST]の根元の第1投入口より
供給し、真空ポンプを使用し3kPaの真空下におい
て、シリンダー温度270℃で溶融押出してペレット化
した。強化充填材を配合するサンプルについては、かか
る充填材を第2投入口より、第1投入口からの混合物と
第2投入口の充填材とが所定の割合となるように計量器
[(株)クボタ製CWF]を用いて、シリンダー途中の
第2供給口よりサイドフィーダーを使用して供給し、溶
融押出してペレットを得た。
を、長さ150mm×幅150mmの大きさに切断し、
射出成形機[住友重機械工業(株)製SG−150U]
に取り付け、80℃に温調された角板金型の可動側に透
明層が成形品外側となるように装着し、型締めを行っ
た。その後、110℃で6時間、熱風循環式乾燥機にて
乾燥した前記の基体層のペレットまたはペレットと成形
品破砕物の混合物をシリンダー温度270℃で金型内に
射出し、長さ150mm×幅150mm×厚み3.5m
mの積層角板を得た。
積層成形品のシート側表面の鉛筆硬度を測定した。な
お、鉛筆硬度の判定は、表面に明確な引っ掻き傷が残ら
ない鉛筆の硬さを鉛筆硬度とし、測定には表面性測定機
HEIDON−14型(新東化学(株)製)を使用し
た。
側表面の光沢度の測定を実施した。なお、測定はGLO
SS METER GS−3D(MURAKAMI C
OLOR LAB.製)を使用した。
に要するエネルギー(破壊エネルギー)と破壊の状態に
ついての測定を実施した。なお、破壊の状態について
は、 ○:延性的な破壊 ×:脆性的な破壊 とした。延性的な破壊が好ましい結果である。試験機は
高速面衝撃試験機 ハイドロショットHTM−1(島津
製作所(株)製)を使用し、試験条件は撃芯の衝突速度
7m/秒、先端が半円状で半径6.35mmの撃芯およ
び受台穴径25.4mmとした。尚、試験温度は−30
℃とし、測定は次のように行った。ステンレス容器を準
備し、そこにポリエチレンビーズを充填した。更に試験
片をかかるビーズ中に埋めた。これは熱伝導の偏りによ
る影響を低減するためである。このステンレス容器を−
30℃の冷凍庫に保管し、試験片を−30℃とした。試
験時には冷凍庫から試験片をすばやく取出し、衝撃試験
機に装着し、試験を実施した。試験片の温度がほぼ−3
0℃の状態で試験されていることはサーモグラフィーに
より確認した。
ゲンから常法によって作られた粘度平均分子量22,5
00のポリカーボネート樹脂ペレット、帝人化成(株)
製 パンライトL−1225) PAR:ポリアリレート樹脂(ユニチカ(株)製 Uポ
リマーU−100) PAR/PET:ポリアリレート/ポリエチレンテレフ
タレート樹脂(ユニチカ(株)製 UポリマーU−80
00、PAR/PET=60/40(重量%)) PET:ポリエチレンテレフタレート樹脂(帝人(株)
製 TR−8580、固有粘度=0.8) UVA:2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,
3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリア
ゾール−2−イル)フェノール](旭電化工業(株)
製:アデカスタブLA−31) TiO2:酸化チタン(石原産業(株)製:タイペーク
PC−3) B600N:アクリロニトリル−ブタジエンゴム−スチ
レン(ABS)重合体樹脂(宇部サイコン(株)製 U
CLモディファイヤーレジンB600N、ブタジエン成
分60重量%、ABS重合体含有率(ゲル含有率):9
3重量%) UT61:アクリロニトリル−ブタジエンゴム−スチレ
ン(ABS)重合体樹脂(日本A&L(株)製 サンタ
ックUT−61、ブタジエン成分14重量%、ABS重
合体含有率(ゲル含有率):20.5重量%) TALC:平均粒径0.5μmであり、造粒形態のタル
ク(IMI FABI社製HiTalc HTP ul
tra 5C) WSN:平均繊維径約1.7μmの針状ワラストナイト
(ナイコミネラルズ社製「ナイグロス4」) DC30M:α−オレフィンと無水マレイン酸との共重
合によるオレフィン系ワックス(三菱化学(株)製 ダ
イヤカルナPA30M) CB:カーボンブラック(三菱化学(株)製;ファーネ
スブラック #970、pH=3.5)
た積層成形品(これを“R−0”と称する)を、そのま
まの状態で直径5mmの小孔からなるスクリーンを有す
る破砕機((株)朋来鉄工所製SB−210)を用いて
破砕した。かかるR−0の破砕物をスクリュー径40m
mの単軸押出機に供給し、真空ポンプを使用し3kPa
の真空下において、シリンダー温度270℃で溶融押出
してペレット化した。かかるペレット(RP−1〜RP
−7とする)から上記作製方法と同様に積層成形品(こ
れを“R−100−1”と称する)を作製した。積層成
形品はそれぞれのペレットにおいて元の積層成形品と同
一の構成とした(構成を表3に示す)。R−0およびR
−100−1はそれぞれ上記面衝撃試験方法によってそ
の特性の比較評価を行った。尚、表中に記載されたR−
100−1の基体層の組成(R−0の破砕物の組成)お
よびR−100−1の破砕物の組成は、各層において求
められた比重と樹脂の仕込み組成から算出されたもので
ある。また表3においてb成分は、それぞれABS樹脂
中のABS重合体であり、e成分はタルク、ワラストナ
イト、および酸化チタンを含むものであり、またf成分
はABS樹脂中のAS重合体である。その他の成分は折
れ抑制剤、カーボンブラック、および紫外線吸収剤であ
る。実施例1〜6におけるこれらの組成はいずれも組成
−1の条件を満足する。
なるスクリーンを有する破砕機((株)朋来鉄工所製S
B−210)を用いて破砕した。かかるR−0の破砕物
50重量部と、元の積層成形品の基体層に使用されたバ
ージンのペレット50重量部とを均一に混合した。かか
るペレットと破砕物との混合物を上記作製方法と同様に
乾燥および射出成形し、積層成形品(これを“R−50
−1”と称する)を作製した。積層成形品はそれぞれの
ペレットにおいて元の積層成形品と同一の構成とした
(構成を表4に示す)。上記R−0をR−50−1に置
き換えた操作を再度行い、R−50−1の破砕物50重
量部と元の積層成形品の基体層に使用されたバージンの
ペレット50重量部とからなる基体層を有する積層成形
品(これを“R−50−2”と称する)を作製した。更
にR−50−1をR−50−2を置き換えた操作を再度
行って、R−50−3を作製した。かかるR−50−3
における面衝撃強度の測定を実施した。尚、表中に記載
された組成の算出法および各成分の内容については、上
記と同様である。実施例7〜12における各積層成形品
の破砕物の組成および積層成形品の基体層の組成は、い
ずれも組成−1の条件を満足する。
バージンのペレットP−1を基体層に、透明層および着
色層のシートにS−2を用い、射出圧縮成形により積層
成形品を作製した。射出圧縮成形機は、型締め力127
00kNの射出成形機((株)日本製鋼所製J1300
E−C5)を型圧縮タイプの射出圧縮が可能となるよう
油圧回路および制御システムを変更した仕様を用いた。
射出圧縮成形品は、自動車のリアドアを約1/2スケー
ルとした投影面積約2100cm2であり、厚みが3.
5mmとなるよう調整した成形品であった。該成形品は
成形品側面部分にゲートを有するものであった。シート
は図1に示すように中心部分のみに被覆するものであっ
た。シートは予めゲートから成形品に至る部分の角度、
並びに成形品中の稜線部分(符号5)の角度に合わせて
熱曲げ成形を行った。ゲート部分におけるシート端部に
一様に両面テープを貼って、金型固定側に透明層が成形
品表面側となるよう固定して成形を行った。
2mmとし、予め最終型締め位置から2mm後退させた
キャビティ内に溶融樹脂を充填した。射出速度は20m
m/secの単一速度で充填を行った。また圧縮工程は
充填終了の0.5秒前から開始し(すなわちオーバーラ
ップ時間0.5秒)、約2mm/secの速度で行っ
た。また圧縮の圧力は最大で30MPaとした。成形は
バルブゲート型の直径3mmφのホットランナーで行
い、充填終了直後にバルブを閉め保圧を掛けない条件と
した。冷却時間は60秒とした。金型の温度制御は水循
環型の金型温調機を使用し直列回路として行った。該成
形品の中央部から切り出した試験片における上記条件の
面衝撃強度は64Jであり破壊状態は延性であった。
で切断した後、上記と同様の破砕機にかけて破砕物を得
た。かかる破砕物50重量部とP−1の原材料50重量
部とを、P−1と同様に押出を行いペレットを得た。但
し破砕物の1/2および原材料中のPCの1/2は第2
供給口から供給した。得られたペレットは上記と同様の
構成および方法で射出圧縮成形を行い、積層成形品を得
た。該成形品の中央部から切り出した試験片における上
記条件の面衝撃強度は60Jであり破壊状態は延性であ
った。
発明の組成−1の条件を満足する構成を有する場合に
は、該積層品を一括処理した樹脂を同一の構成を有する
積層成形品の基体層に使用しても良好な耐衝撃性を有す
ることが分かる。更にバージンとの樹脂材料と混合した
場合には、それを繰り返すことによる特性の低下はほと
んど認められないことが分かる。したがって本発明は有
効なマテリアルリサイクルを達成するものである。
のみならず、有効なマテリアルリサイクルを達成する成
形品を提供できる。したがって、本発明は特に大型で大
量に消費される樹脂部材に対し最適なものであり、例え
ば車両用外装材に好適なものである。したがって、その
奏する産業上の効果は絶大である。
の1/2スケールの成形品を示す。[1−A]は正面図
(成形時のプラテン面に投影した図。したがってかかる
面積が最大投影面積となる。尚、ゲートは成形品の下側
に位置する)を示し、[1−B]は底面図、[1−C]
は側面図である。
Claims (16)
- 【請求項1】 下記組成−1の条件を満足する樹脂組成
物。 (組成−1):芳香族ポリカーボネート(a成分)40
〜99.8重量%、衝撃改質用重合体(b成分)0.1
〜30重量%、並びにポリアリレート(c成分)および
ポリエチレンテレフタレート(d成分)の合計0.1〜
30重量%からなり、かつa成分〜d成分の合計が10
0重量%であり、c成分とd成分の重量割合(c/d)
はc/d=1/9〜10/0である。 - 【請求項2】 下記組成−2の条件を満足する請求項1
記載の樹脂組成物。 (組成−2):組成−1の条件を満足し、かつa成分〜
d成分の合計100重量部当たり無機充填材(e成分)
0.01〜40重量部を含む。 - 【請求項3】 下記組成−3の条件を満足する請求項1
に記載の樹脂組成物。 (組成−3):組成−1の条件を満足し、かつa成分〜
d成分の合計100重量部当たり芳香族ビニル系重合体
(f成分)0.5〜80重量部を含む。 - 【請求項4】 下記組成−4の条件を満足する請求項2
に記載の樹脂組成物。 (組成−4):組成−2の条件を満足し、かつa成分〜
d成分の合計100重量部当たり芳香族ビニル系重合体
(f成分)0.5〜80重量部を含む。 - 【請求項5】 上記b成分はアクリロニトリル−ブタジ
エン−スチレン共重合体(ABS重合体)である請求項
1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。 - 【請求項6】 成形品表面を構成する透明層、基体層、
並びに該両層の間かつ透明層に隣接して配された着色層
からなり、各層は熱可塑性樹脂からなる積層成形品であ
って、該基体層を構成する熱可塑性樹脂は下記組成−A
の条件を満足し、かつ該成形品の各層を分離することな
く処理して製造された樹脂材料は上記組成−1の条件を
満足することを特徴とする積層成形品。 (組成−A):その100重量%中少なくとも、芳香族
ポリカーボネート(a成分)を40〜99.9重量%の
範囲で、および衝撃改質用重合体(b成分)を0.1〜
30重量%の範囲で含有する。 - 【請求項7】 成形品表面を構成する透明層、基体層、
並びに該両層の間かつ透明層に隣接して配された着色層
からなり、各層は熱可塑性樹脂からなる積層成形品であ
って、該基体層を構成する熱可塑性樹脂は上記組成−1
の条件を満足することを特徴とする積層成形品。 - 【請求項8】 上記透明層は、ポリアリレート(c成
分)およびポリエチレンテレフタレート(d成分)から
選択される少なくとも1種の樹脂からなる請求項6また
は7のいずれかに記載の積層成形品。 - 【請求項9】 上記着色層は、芳香族ポリカーボネート
(a成分)、ポリアリレート(c成分)、およびポリエ
チレンテレフタレート(d成分)から選択される少なく
とも1種の樹脂からなる請求項6〜8のいずれか1項に
記載の積層成形品。 - 【請求項10】 上記透明層の厚みは20〜300μm
であり、着色層の厚みは20〜1500μmである請求
項6〜9のいずれか1項に記載の積層成形品。 - 【請求項11】 上記基体層の厚みは、透明層と着色層
との厚みの合計に対して2倍以上である請求項6〜10
のいずれか1項に記載の積層成形品。 - 【請求項12】 上記組成−1における衝撃改質用重合
体(b成分)は、アクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン共重合体(ABS共重合体)である請求項6〜11
のいずれか1項に記載の積層成形品。 - 【請求項13】 成形品表面を構成する透明層、基体
層、並びに該両層の間かつ透明層に隣接して配された着
色層からなり、各層は熱可塑性樹脂からなる積層成形品
であって、該基体層を構成する熱可塑性樹脂は、その1
00重量%中、請求項6記載の積層成形品であって使用
済みの該成形品の各層を分離することなく処理して製造
された樹脂材料を1〜60重量%含有し、かつ上記組成
−1の条件を満足することを特徴とする積層成形品。 - 【請求項14】 上記請求項6〜13のいずれか1項に
記載の積層成形品からなる車両用外装材。 - 【請求項15】 上記請求項6〜14のいずれか1項に
記載の積層成形品であって、使用済みの該成形品の各層
を分離することなく処理して製造された樹脂材料1〜6
0重量%とバージンの原材料40〜99重量%とを溶融
混練し、上記組成−1の条件を満足する樹脂組成物を得
る積層成形品のリサイクル方法。 - 【請求項16】 成形品表面を構成する透明層、基体
層、並びに該両層の間かつ透明層に隣接して配された着
色層からなり各層は熱可塑性樹脂からなる積層成形品の
基体層として、上記請求項6〜14のいずれか1項に記
載の積層成形品であって使用済みの該成形品の各層を分
離することなく処理して製造された樹脂材料1〜60重
量%とバージンの原材料40〜99重量%とを溶融混練
して製造された樹脂組成物を使用する積層成形品のリサ
イクル方法。
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