[go: up one dir, main page]

JP2003252667A - 樹脂モルタル用ラテックス及び樹脂モルタル組成物 - Google Patents

樹脂モルタル用ラテックス及び樹脂モルタル組成物

Info

Publication number
JP2003252667A
JP2003252667A JP2002373011A JP2002373011A JP2003252667A JP 2003252667 A JP2003252667 A JP 2003252667A JP 2002373011 A JP2002373011 A JP 2002373011A JP 2002373011 A JP2002373011 A JP 2002373011A JP 2003252667 A JP2003252667 A JP 2003252667A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
latex
parts
mass
monomer
resin mortar
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002373011A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4282982B2 (ja
Inventor
Masahiko Otsuka
雅彦 大塚
Mitsuru Nishigori
満 錦織
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP2002373011A priority Critical patent/JP4282982B2/ja
Publication of JP2003252667A publication Critical patent/JP2003252667A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4282982B2 publication Critical patent/JP4282982B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sealing Material Composition (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、セメント、充填材を含有する樹脂
モルタル組成物において、配合安定性が良好であるため
作業性に問題がなく、かつその配合物の塗布直後の皮張
り性がないため、塗布直後からの作業が容易であるラテ
ックスを提供するものであり、さらには、セメント硬化
物の柔軟性が良好であるため、下地コンクリートへの追
随性が良好で、かつ密着性も良好であるラテックスを提
供することを目的とする。 【解決手段】 特定単量体組成を乳化重合し、特定構造
とすることによって得られるラテックスを、セメント、
充填材と組み合わせることが前記課題を解決するために
有効であることを見いだし、本発明をなすに至った。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は土木・建築分野にお
いて、建築物の防水材、補修材、養護材、仕上げ材等に
使用される樹脂モルタル用ラテックス、及びその組成物
に関するものである。詳細にはセメント、充填材を含有
する樹脂モルタル組成物において、配合安定性が良好で
あるため作業性に問題がなく、かつ塗布直後でのラテッ
クス成分による皮張りがないため、塗布直後からの作業
が容易であるラテックスを提供するものである。さらに
は、セメント硬化物の柔軟性が良好であるため、下地コ
ンクリートへの追随性が良好で、かつ密着性も良好であ
る。
【0002】
【従来の技術】土木・建築の分野において、セメント、
珪砂等の充填材を含有するモルタル組成物は、建築物の
防水処理、内壁や外壁等の表面の化粧、補修、仕上げ材
等に使用されている。この従来から知られているモルタ
ル組成物は、硬化後にクラックが入りやすい欠点を抱え
ていた。この原因は、例えばモルタル自身の収縮による
もの、温度変化・凍結融解等の外的変化によるもの、下
地コンクリートのクラック発生によるもの、等が挙げら
れている。生じたクラックから、水が入り漏水の原因と
なったり、またコンクリートの中性化を促進し鉄筋の発
錆が生じやすくなったり、さらにコンクリートのクラッ
ク発生を助長させるなど、クラック発生は多くの問題を
抱えていた。
【0003】これらの課題を解決するために、モルタル
組成物にポリマーを配合する樹脂モルタル組成物が知ら
れている。この樹脂モルタル組成物は、セメントと、骨
材を含む充填材との組み合わせに、各種のラテックス、
エマルジョン等のポリマーを添加したものである。この
ラテックスを添加する系は、下地躯体との接着強さ、防
水性能、ドライアウト防止、下地コンクリートの養護な
どの性能向上に効果的である。しかし、樹脂モルタル組
成物自身の収縮、または下地コンクリートのクラック発
生に対する追随性は充分ではないとともに、樹脂モルタ
ル組成物の厚みが増すと更にクラック発生が起こり易い
という問題があった。
【0004】これに対して、特開昭59−13686号
公報では、フィルム伸び率1500%以上でガラス転移
温度が−10℃以下のアクリル系重合体を含有するエマ
ルジョンをモルタル配合に添加し、そのセメント硬化物
をゴム状高弾性とする技術が開示されている。開示技術
により、モルタル自身のクラック発生を改良し、下地コ
ンクリートへの追随性も良好なものとしている。また、
特開昭63−55143号公報では特定の単量体組成を
非イオン性乳化剤を用いて得られるエマルジョンをモル
タル配合に添加する技術が開示されている。その開示技
術により、硬化後のモルタルに弾性を与え、クラックの
防止、かつ下地コンクリートへの追随性をも良好なもの
としている。
【0005】これらの開示技術により樹脂モルタル自身
のクラックの防止、および下地コンクリートへの追随性
は改良されたが、セメント配合中のラテックスの安定性
に問題があるため、コテ塗り、ローラー塗りなどの作業
性が不良であり、さらには塗布直後でのラテックス成分
に起因する皮張りが発生するため、塗布表面のベタツ
キ、ネバリなどが起こり、次への作業に支障がでるなど
実用上問題があった。
【0006】また、特開昭58−49653号公報、特
開平3−205333号公報、特開2000−1780
55号公報にはコアシェル構造を有するセメント混和用
ラテックスが開示されている。しかしながら、特開昭5
8−49653号公報、特開2000−178055号
公報はシェル側のガラス転移温度が高く、皮張り等を抑
えるためには有効であるが、樹脂モルタル硬化物の柔軟
性が失われ、本来目的とする性能が得られなくなる。特
開平3−20533号公報では特定の単量体組成を用い
たコアシェル化が図られている。しかし、そのシェル側
の組成においてメタクリル酸アルキルエステルの質量%
が高く、樹脂モルタル塗布表面のベタツキ、ネバリなど
の課題に対して充分ではない。したがって、そのバラン
スを早急に解決を図ることが望まれている。
【0007】
【特許文献1】特開昭59−13686号公報
【特許文献2】特開昭63−55143号公報
【特許文献3】特開昭58−49653号公報
【特許文献4】特開平3−205333号公報
【特許文献5】特開2000−178055号公報
【特許文献6】特開昭58−49653号公報
【特許文献7】特開2000−178055号公報
【特許文献8】特開平3−20533号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、セメント、
充填材を含有する樹脂モルタル組成物において、配合安
定性が良好であるため作業性に問題がなく、かつ塗布直
後でのラテックス成分に起因する皮張りが発生ないた
め、塗布直後からの作業が容易である。さらには、セメ
ント硬化物の柔軟性が良好であるため、下地コンクリー
トへの追随性が良好で、かつ密着性も良好であるラテッ
クスを提供することを目的とする。
【0009】
【問題を解決するための手段】本発明者は、特定構造を
有するラテックス、また特定単量体組成であるラテック
スと、セメント、充填材との組み合わせが前記課題を解
決するために有効であることを見いだし、本発明をなす
に至った。すなわち、本発明は、 1.コア部とシェル部を有する多層構造ラテックス
(1)であって、コア部の共重合体のガラス転移温度が
−30℃以下であり、シェル部の共重合体のガラス転移
温度が−30℃〜20℃であることを特徴とする樹脂モ
ルタル用ラテックスであり、 2.ラテックス(1)が芳香族ビニル系単量体、メタク
リル酸アルキルエステル系単量体、アクリル酸アルキル
エステル系単量体から選ばれる1種以上の単量体、ヒド
ロキシル基含有ビニル系単量体、ニトリル基含有ビニル
系単量体、及びカルボキシル基含有ビニル系単量体とを
含む単量体組成物を、乳化重合して得られることを特徴
とするものであり、 3.セメント(2)100質量部に対して、充填材
(3)が5〜600質量部、及び請求項1のラテックス
(1)5〜150質量部(固形分)を含む樹脂モルタル
組成物ある。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明について、以下に具体的に
説明する。本発明で用いられるラテックス(1)は、コ
ア部とシェル部を有する多層構造ラテックス(1)であ
って、コア部の共重合体のガラス転移温度が−30℃以
下であり、シェル部の共重合体のガラス転移温度が−3
0℃〜20℃である。コア部の共重合体のガラス転移温
度が−30℃以下で樹脂モルタル組成物のひび割れが防
止され、かつ下地コンクリートとの追随性に問題ない。
シェル部の共重合体のガラス転移温度が−30〜20℃
で樹脂モルタル組成物の配合安定性が良好であり、かつ
下地コンクリートとの追随性も問題ない。好ましくは、
コア部の共重合体のガラス転移温度が−40℃以下であ
り、下限は、好ましくは、−70℃である。シェル部の
共重合体のガラス転移温度は、好ましくは、−30〜0
℃である。本発明で言うコア部とシェル部を有する多層
構造ラテックスとは、中心部の共重合体をコア部とし、
コア部の外側にある共重合体をシェル部とするものであ
り、そのシェル部の外側にさらにある共重合体をもシェ
ル部とする。
【0011】また、ここで言う共重合体のガラス転移温
度とは、単量体のホモ重合体のガラス転移温度と単量体
の共重合比率より次式によって推定することが可能であ
る。 1/Tg=W/Tg+W/Tg+・・・ Tg:単量体1、2・・・よりなる共重合体のガラス転
移温度(゜K) W、W・・:単量体1、単量体2、・・の質量分率 ここでW+W+・・=1 Tg、Tg・・:単量体1、単量体2、・・のホモ重合
体のガラス転移温度(゜K) 計算に使用する単量体のホモ重合体のTg(゜K)は、
例えばポリマーハンドブック(John Willey
& Sons)に記載されている。本願において用い
た数値を例示する。カッコ内の値がホモ重合体のTgを
示す。ポリスチレン(373゜K)、ポリメタクリル酸
メチル(378゜K)、ポリアクリル酸ブチル(219
゜K)、ポリアクリル酸2−エチルヘキシル(205゜
K)、ポリアクリル酸(379゜K)、ポリメタクリル
酸(403゜K)、ポリアクリロニトリル(373゜
K)、ポリアクリル酸2−ヒドロキシエチル(258゜
K)、ポリメタクリル酸2−ヒドロキシエチル(328
゜K)。
【0012】本発明のラテックス(1)のコア部とシェ
ル部の比率は、コア部5〜80質量%、シェル部20〜
95質量%が好ましい。コア部5〜80質量%で樹脂モ
ルタル組成物のひび割れが防止され、かつ下地コンクリ
ートとの追随性に問題ない。シェル部20〜95質量%
で樹脂モルタル組成物の配合安定性に問題がなく、かつ
下地コンクリートとの追随性も問題ない。さらに好まし
くはコア部10〜60質量%、シェル部40〜90質量
%である。
【0013】本発明のラテックス(1)は芳香族ビニル
系単量体、メタクリル酸アルキルエステル系、アクリル
酸アルキルエステル系単量体から選ばれる1種以上の単
量体、ヒドロキシル基含有ビニル系単量体、ニトリル基
含有ビニル系単量体、及びカルボキシル基含有ビニル系
単量体とを含む単量体組成物を、乳化重合して得ること
ができる。本発明のラテックス(1)に用いられる芳香
族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、ビニルト
ルエン等が挙げられる。好ましくはスチレンである。
【0014】また、メタクリル酸アルキルエステル単量
体としては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプ
ロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチ
ル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラ
ウリル等が挙げられる。さらに、アクリル酸アルキルエ
ステル単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソ
プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、
アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アク
リル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル等が挙
げられる。メタクリル酸アルキルエステル系単量体で好
ましいのはメタクリル酸メチルであり、アクリル酸アル
キルエステル系単量体で好ましいのはアクリル酸ブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシルである。
【0015】また、ヒドロキシル基含有ビニル系単量体
としては、例えばアクリル酸2−ヒドロキシエチル、メ
タクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒド
ロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピ
ル、アクリル酸ポリエチレングリコール、メタクリル酸
ポリエチレングリコール等が挙げられる。好ましくはア
クリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒド
ロキシエチルである。また、ニトリル基含有ビニル系単
量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリルなどが挙げられる。好ましくはアクリロニトリ
ルである。また、カルボキシル基含有ビニル系単量体と
しては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸またはそのモノエステル、フマル酸またはそのモノエ
ステル、イタコン酸またはそのモノエステルなどが挙げ
られる。好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、イタコ
ン酸である。
【0016】本発明のラテックス(1)に用いられる芳
香族ビニル系単量体は全単量体中5〜50質量%であ
る。芳香族ビニル系単量体が5質量%以上で樹脂モルタ
ル硬化物のベタツキ性に問題がなく、50質量%以下で
樹脂モルタル硬化物のひび割れ性に問題がない。好まし
くは、10〜40質量%である。本発明のラテックス
(1)に用いられるメタクリル酸アルキルエステル単量
体及び/又はアクリル酸アルキルエステル単量体は全単
量体中20〜90質量%である。メタクリル酸アルキル
エステル単量体及び/又はアクリル酸アルキルエステル
単量体が20質量%以上で樹脂モルタル硬化物のベタツ
キ性に問題がなく、90質量%以下で樹脂モルタル硬化
物のひび割れ性に問題がない。好ましくは、30〜80
質量%である。
【0017】本発明のラテックス(1)に用いられるヒ
ドロキシル基含有ビニル系単量体は全単量体中0.5〜
5質量%である。0.5質量%以上でセメント配合安定
性に問題なく、5質量%以下で樹脂モルタル硬化物の耐
水性に問題ない。好ましくは1〜4質量%である。本発
明のラテックス(1)に用いられるニトリル基含有ビニ
ル系単量体は、全単量体中1〜10質量%である。1質
量%以上で樹脂モルタル硬化物のひび割れ性に問題な
く、10質量%以下で樹脂モルタル硬化物の耐水性に問
題ない。好ましくは2〜8質量%である。本発明のラテ
ックス(1)に用いられるカルボキシル基含有ビニル系
単量体は、全単量体中0.1〜4質量%である。0.1
質量%以上で乳化重合が問題なくでき、4質量%以下で
樹脂モルタル硬化物の耐水性に問題ない。好ましくは
0.5〜3質量%である。
【0018】上記の単量体に加えて、本発明のラテック
スに要求される様々な品質・物性を改良するために、上
記以外の単量体成分を使用することもできる。それらの
単量体としては、例えば、;アミド基含有単量体、例え
ば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−メチ
レンビスアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミ
ド、マレイン酸アミド、マレイミドなどが挙げられ;メ
チロール基含有単量体、例えば、N−メチロールアクリ
ルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、ジメチロ
ールアクリルアミド、ジメチロールメタクリルアミドな
どが挙げられ;アルコキシメチル基含有単量体、例え
ば、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシ
メチルメタクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリル
アミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミドなどが挙
げられ;エポキシ基含有単量体、例えば、グリシジルア
クリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシ
ジルエーテル、メチルグリシジルアクリレート、メチル
グリシジルメタクリレートなどが挙げられ;多官能性単
量体、例えば、ジビニルベンゼン、ポリオキシエチレン
ジアクリレート、ポリオキシエチレンジメタクリレー
ト、ポリオキシプロピレンジアクリレート、ポリオキシ
プロピレンジメタクリレート、ブタンジオールジアクリ
レート、ブタンジオールジメタクリレート、トリメチロ
ールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパ
ントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラア
クリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレー
トなどが挙げられ;シリル基含有単量体、例えば、ビニ
ルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリエトキシシラン、トリス−2−メトキシエトキシ
ビニルシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキ
シシランなどが挙げられ;α,β−エチレン性不飽和ジ
カルボン酸のジエステル、例えば、マレイン酸ジブチ
ル、フマル酸ジオクチルなどが挙げられ;ビニルエステ
ル、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどが挙
げられる。
【0019】本発明のラテックスにおいて、コア部、シ
ェル部の単量体組成は特に限定はない。好ましくはコア
部に用いられる単量体の組成において芳香族ビニル系単
量体が1〜20質量%であり、メタクリル酸アルキルエ
ステル系単量体が0〜45質量%であり、アクリル酸ア
ルキルエステル系単量体が50〜95質量%であり、ヒ
ドロキシル基含有ビニル系単量体が1〜10質量%であ
り、ニトリル基含有ビニル系単量体が1〜20質量%で
あり、カルボキシル基含有ビニル系単量体が0〜4質量
%である。シェル部に用いられる単量体の組成において
芳香族ビニル系単量体が5〜50質量%であり、メタク
リル酸アルキルエステル系単量体が5〜45質量%であ
り、アクリル酸アルキルエステル系単量体が30〜80
質量%であり、ヒドロキシル基含有ビニル系単量体が1
〜10質量%であり、ニトリル基含有ビニル系単量体が
1〜20質量%であり、カルボキシル基含有ビニル系単
量体が0.1〜4質量%である。特にシェル部において
芳香族ビニル系単量体とメタクリル酸アルキルエステル
系単量体とを併用することによって樹脂モルタル塗布表
面のベタツキ、ネバリ、皮張り性などに問題がない。
【0020】本発明のラテックス(1)は、乳化重合法
によって得られる。乳化重合の方法に関しては特に制限
はなく、従来公知の方法を用いることができる。例え
ば、水性媒体中で前記の単量体、連鎖移動剤、界面活性
剤、ラジカル重合開始剤および、必要に応じて用いられ
る他の添加剤成分を基本組成成分とする分散系で、単量
体を重合することにより得ることができる。重合に際し
ては、コア部及びシェル部を形成させるために供給する
単量体組成物の組成を重合過程で逐次変化させる方法が
利用できる。例えば、コア部を重合した後、コア部存在
下にシェル部を重合する方法、またシェル部を重合した
後、コア部を重合してもよい。本願の場合、シェル部の
単量体組成物中のカルボキシル基含有ビニル系単量体の
質量%(1−S)と、コア部の単量体組成物中のカルボ
キシル基含有ビニル系単量体の質量%(1−C)との関
係は、(1−S)>(1−C)が好ましい。
【0021】本発明で用いられる界面活性剤は、一分子
中に少なくとも一つ以上の親水基と一つ以上の親油基を
有する化合物を指す。界面活性剤としては、例えば脂肪
族セッケン、ロジン酸セッケン、アルキルスルホン酸
塩、ジアルキルアリールスルホン酸塩、アルキルスルホ
コハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリ
オキシエチレンアルキルアリール硫酸塩などのアニオン
性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオ
キシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマーなど
のノニオン性界面活性剤が挙げられる。これらのほかに
親水基と親油基を有する界面活性剤の化学構造式の中に
エチレン性2重結合を導入した、いわゆる反応性界面活
性剤を用いても良い。
【0022】界面活性剤の使用方法は特に限定されず、
例えば乳化重合時に全量使用しても、また乳化重合後に
さらに必要量を添加してもよい。界面活性剤で好ましい
使用として、単量体組成物100質量部に対してノニオ
ン性界面活性剤を1〜10質量部使用することが挙げら
れる。ノニオン性界面活性剤を1質量部以上でセメント
との配合安定性が問題がなく、10質量部以下で硬化樹
脂モルタルの耐水性に問題がない。
【0023】本発明で用いられる重合開始剤としては、
熱または還元性物質によりラジカル分解して単量体の付
加重合を開始させるものであり、無機系開始剤および有
機系開始剤のいずれも使用できる。このようなものとし
ては、水溶性、油溶性の重合開始剤が使用できる。水溶
性の重合開始剤としては例えばペルオキソ二硫酸塩、過
酸化物、水溶性のアゾビス化合物、過酸化物−還元剤の
レドックス系などが挙げられ、ペルオキソ二硫酸塩とし
ては例えばペルオキソ二硫酸カリウム(KPS)、ペル
オキソ二硫酸ナトリウム(NPS)、ペルオキソ二硫酸
アンモニウム(APS)などが挙げられ、過酸化物とし
ては例えば過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサ
イド、t―ブチルパーオキシマレイン酸、コハク酸パー
オキシド、過酸化ベンゾイルなどが挙げられ、水溶性ア
ゾビス化合物としては、例えば2,2−アゾビス(N−
ヒドロキシエチルイソブチルアミド)、2、2−アゾビ
ス(2−アミジノプロパン)2塩化水素、4,4−アゾ
ビス(4−シアノペンタン酸)などが挙げられ、過酸化
物−還元剤のレドックス系としては、例えば先の過酸化
物にナトリウムスルホオキシレートホルムアルデヒド、
亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ヒドロキ
シメタンスルフィン酸ナトリウム、L−アスコルビン
酸、およびその塩、第一銅塩、第一鉄塩などの還元剤を
重合開始剤に組み合わせて用いることもできる。
【0024】この乳化重合における重合温度は、通常6
0〜100℃の範囲で選ばれるが、前記レドックス重合
法等により、より低い温度例えば20〜40℃で重合を
行っても良い。また、例えば2段階重合においては、第
1段での重合温度と第2段での重合温度は同じでも異な
っていても良い。本発明のラテックス(1)の粒子径は
特に限定されない。粒子径コントロール方法は例えば、
シードラテックス、界面活性剤の使用割合などによって
調整することができ、一般にそれらの使用割合を高くす
るほど生成するラテックスの平均粒子径は小さくなり、
その逆は平均粒子径が大きくなる傾向がある。なお、シ
ードラテックスの重合は、本発明のラテックスの重合に
先だって同一反応容器で行っても、異なる反応容器で重
合したシードラテックスを用いても良い。好ましい粒子
径は50〜400nmである。
【0025】本発明のラテックス(1)には性能を向上
させるために、以下の材料を配合してもよい。例えば、
水溶性樹脂、溶剤、可塑剤、消泡剤、増粘剤、レベリン
グ剤、分散剤、カップリング剤、着色剤、耐水化剤、潤
滑剤、pH調整剤、防腐剤、無機顔料、有機顔料、界面
活性剤、架橋剤、例えばエポキシ系化合物、多価金属化
合物、イソシアネート系化合物などが挙げられる。
【0026】本発明に用いられるセメント(2)として
は、例えばJIS R5210(ポルトランドセメン
ト)、R5211(高炉セメント)、R5212(シリ
カセメント)、R5213(フライアッシュセメント)
に規程されている、普通ポルトランドセメント、早強ポ
ルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中
庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメ
ント、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュ
セメントが使用でき、また社団法人セメント協会が、セ
メントの常識(1994年3月発行)に記載している、
特殊セメント、白色ポルトランドセメント、セメント系
固化材、アルミナセメント、超速硬セメント、コロイド
セメント、湯井セメント、地熱井セメント、膨張セメン
ト、その他特殊セメント等種々のセメントを使用でき
る。
【0027】本発明に用いられる充填材(3)として
は、一般的にセメントモルタルに用いられる砂、珪砂、
寒水砂、天然及び人工軽量骨材等が使用でき、また無機
または有機の顔料等も用いることができ例えば、無機顔
料ではマグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、チ
タン、アルミニウム、アンチモン、鉛などの各種金属酸
化物、水酸化物、硫化物、炭酸塩、硫酸塩または珪酸化
合物などが挙げられる。具体的には例えば、炭酸カルシ
ウム、カオリン、タルク、二酸化チタン、水酸化アルミ
ニウム、シリカ、石膏、バライト粉、アルミナホワイ
ト、サチンホワイトなどである。有機顔料ではポリスチ
レン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどの固体高分子
微粉末などが挙げられる。
【0028】本発明におけるその使用量はセメント
(2)100質量部に対して充填材(3)5〜600質
量部、本発明のラテックス(1)5〜150質量部(固
形分)である。充填材5質量部以上で、強度の増加と、
乾燥に伴うひび割れに問題ない。一方、600質量部以
下で、強度に問題がない。好ましくは50〜500質量
部の範囲である。また、本発明のラテックス(1)5質
量部以上でひび割れ、下地コンクリートへの追随性に問
題がなく、150質量部以下で接着性、モルタル組成物
の配合安定性に問題ない。好ましくは10〜100質量
部の範囲である。さらに好ましくは20〜80質量部の
範囲である。
【0029】本発明の樹脂モルタル組成物の配合法は特
に限定されない。ラテックス、セメント、充填材を一緒
に混合しても良く、順次混合してもよい。本発明の樹脂
モルタル組成物の塗布方法は特に限定されない。コテ塗
り、ウールローラー塗り、マスチックローラー塗り、ス
プレー塗布、ロールコーター塗布等いずれでもよい。
【0030】本発明の樹脂モルタル組成物は、上記の成
分に限定されるものではなく、他のいかなる成分を添加
するようにしても良い。例えば、減水剤及び流動化剤
(ポリカルボン酸系、メラミンスルホン酸系、ナフタリ
ンスルホン酸系、リグニンスルホン酸系など)、収縮低
減剤(グリコールエーテル系、ポリエーテル系等)、耐
寒剤(塩化カルシウム、珪酸塩等)、防水剤(ステアリ
ン酸、シリコーン系等)、防錆剤(リン酸塩、亜硝酸塩
等)、粘度調整剤(メチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、ポリビニルアルコール等)、凝結調整剤
(リン酸塩等)、膨張剤(エトリンガイト系、石灰系
等)、着色剤(酸化鉄、酸化クロム等)、消泡剤(シリ
コン系、鉱油系等)、補強材(鋼繊維、ガラス繊維、合
成繊維等)、界面活性剤(アニオン、ノニオン、カチオ
ン系等)、さらには増粘剤、レベリング剤、成膜助剤、
溶剤、可塑剤、分散剤、耐水化剤、潤滑剤等が挙げられ
る。
【0031】また、本発明の樹脂モルタル組成物に本発
明のラテックス以外のラテックス、エマルジョンを配合
してもよい。例えば、酢酸ビニルエマルジョン、エチレ
ン−酢酸ビニルエマルジョン、ウレタンエマルジョン、
スチレン−ブタジエンラテックス、アクリロニトリル−
ブタジエンラテックスなどが挙げられる。さらに、再乳
化型の粉末樹脂をも配合してもよい。本発明の樹脂モル
タル組成物の用途は特に限定されるものではない。例え
ば、建築物の防水材、補修材、養護材、仕上げ材、下地
調整材、タイル接着用、防錆、グラウト用、パテ用、セ
ルフレベリング床用、耐磨耗性床用、基礎コンクリート
部の被覆材、デッキカバリング用、弾性モルタル用、塗
料用、防食用、成型品用などが挙げられる。
【0032】
【実施例】本発明を実施例に基づいて説明する。本発明
の実施態様は、これらによって限定されるものではな
い。なお、例中の部数は、すべて有り姿での部数(即
ち、ラテックスは水を含有したそのものの部数である)
を示した。また、「部」は特に断らない限り「質量部」
を示すものである。
【0033】各特性は次ぎのようにして求めた。 a.配合品粘度変化 表2、表3に示す樹脂モルタル組成物を作製した後、2
0℃に4時間放置し、その粘度を測定した。樹脂モルタ
ル組成物の作製は、全ての配合品を計量したのち、5分
間攪拌を行い得た。配合直後と4時間後の粘度をB型粘
度計で測定を行い、直後と4時間後の比を計算し、その
値が2倍以内を合格とした。 b.フロー試験 表2、表3に示す樹脂モルタル組成物を作製した後、J
IS R5201(セメントの物理試験方法)、10.
7フロー値の測り方に準じ試験した。160mm以上を
合格とした。
【0034】c.割れ発生の状態 JIS A5304に規定するコンクリート平板に、2
mm厚で表2、表3の樹脂モルタル組成物を塗りつけ、
14日後(20℃/65%RH条件下)の割れ発生の状
態を観察した。さらに、その試験コンクリート板を用い
て、温冷繰返し試験を行った。温冷繰返し試験は、JI
S A6909(建築用仕上塗材)、7.11温冷繰返
し試験に準じ試験した。なお、温冷繰返し回数を本発明
では20回とした。評価は以下を基準に5段階で評価し
た。3以上を合格とした。 5:割れの発生なし 3:一部に割れが発生 1:全面に割れが発生
【0035】d.皮張り性 JIS A5304に規定するコンクリート平板に、2
mm厚で表2、表3の樹脂モルタル組成物を塗りつけた
後、10分間放置する。10分後、その表面に2mLス
ポイトで水滴を1滴垂らす。速やかに水滴を落とした箇
所を指で30秒間強くかき混ぜ、樹脂モルタル組成物の
水への再分散性を観察する。3以上を合格とした。 5:かき混ぜ後の指がべたつく感じがない 3:かき混ぜの力は軽いが、指に僅かにベタツキを感じ
る 1:かき混ぜに力を必要とし、指がべたつく [製造例1〜5、製造例8〜9]
【0036】表1に示す単量体組成物を用いラテックス
を得た。具体的方法は、以下の通りである。
【0037】表1に示すコア組成の全単量体200部
に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの20%水
溶液を5部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル(HLB=16.2)の20%水溶液を50部、ペル
オキソ二硫酸アンモニウムの10%水溶液を8部、水を
150部を混合し、ホモミキサーを用いてコア部プレ乳
化物を作製した。また、表1に示すシェル組成の全単量
体800部に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
の20%水溶液を20部、ポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル(HLB=16.2)の20%水溶液を
200部、ペルオキソ二硫酸アンモニウムの10%水溶
液を32部、水を600部を混合し、ホモミキサーを用
いてシェル部プレ乳化物をも作製した。
【0038】次いで、攪拌装置と温度調節用ジャケット
を取り付けた反応容器に、シード粒子の水性分散体(粒
子径45nm、スチレン/メチルメタクリレート系重合
体、固形分濃度34%)34部、水250部を仕込み、
内温80℃に昇温し、ペルオキソ二硫酸アンモニウムの
10%水溶液4部を添加した。これに、コア部プレ乳化
物を1時間かけて一定流速で添加した。その後、0.5
時間そのまま保ち、次にシェル部プレ乳化物を3時間か
けて一定流速で添加した。添加後1時間そのまま保ち、
その後冷却を行った。冷却後、10%苛性ソーダ水溶液
を用いてラテックスのpHを8に調整し、その後100
メッシュの金網を通した。次いでラテックスの固形分を
40%なるよう、水で調整した。粒子径は全て190〜
210nmに範囲あった。
【0039】[製造例6]表1に示すコア組成の全単量
体300部に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
の20%水溶液を7.5部、ポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテル(HLB=16.2)の20%水溶液
を75部、ペルオキソ二硫酸アンモニウムの10%水溶
液を12部、水を225部を混合し、ホモミキサーを用
いてコア部プレ乳化物を作製した。また、表1に示すシ
ェル組成の全単量体700部に、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウムの20%水溶液を17.5部、ポリオ
キシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB=16.
2)の20%水溶液を175部、ペルオキソ二硫酸アン
モニウムの10%水溶液を28部、水を525部を混合
し、ホモミキサーを用いてシェル部プレ乳化物をも作製
した。
【0040】次いで、攪拌装置と温度調節用ジャケット
を取り付けた反応容器に、シード粒子の水性分散体(粒
子径45nm、スチレン/メチルメタクリレート系重合
体、固形分濃度34%)34部、水250部を仕込み、
内温80℃に昇温し、ペルオキソ二硫酸アンモニウムの
10%水溶液4部を添加した。これに、コア部プレ乳化
物を1時間30分かけて一定流速で添加した。その後、
0.5時間そのまま保ち、次にシェル部プレ乳化物を2
時間30分かけて一定流速で添加した。添加後1時間そ
のまま保ち、その後冷却を行った。冷却後、10%苛性
ソーダ水溶液を用いてラテックスのpHを8に調整し、
その後100メッシュの金網を通した。次いでラテック
スの固形分を40%なるよう、水で調整した。粒子径は
203nmであった。
【0041】[製造例7]表1に示すコア組成の全単量
体500部に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
の20%水溶液を12.5部、ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル(HLB=16.2)の20%水溶
液を125部、ペルオキソ二硫酸アンモニウムの10%
水溶液を20部、水を375部を混合し、ホモミキサー
を用いてコア部プレ乳化物を作製した。また、表1に示
すシェル組成の全単量体500部に、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウムの20%水溶液を12.5部、ポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB=1
6.2)の20%水溶液を125部、ペルオキソ二硫酸
アンモニウムの10%水溶液を20部、水を350部を
混合し、ホモミキサーを用いてシェル部プレ乳化物をも
作製した。
【0042】次いで、攪拌装置と温度調節用ジャケット
を取り付けた反応容器に、シード粒子の水性分散体(粒
子径45nm、スチレン/メチルメタクリレート系重合
体、固形分濃度34%)34部、水250部を仕込み、
内温80℃に昇温し、ペルオキソ二硫酸アンモニウムの
10%水溶液4部を添加した。これに、コア部プレ乳化
物を2時間かけて一定流速で添加した。その後、0.5
時間そのまま保ち、次にシェル部プレ乳化物を2時間か
けて一定流速で添加した。添加後1時間そのまま保ち、
その後冷却を行った。冷却後、10%苛性ソーダ水溶液
を用いてラテックスのpHを8に調整し、その後100
メッシュの金網を通した。次いでラテックスの固形分を
40%なるよう、水で調整した。粒子径は205nm範
囲であった。
【0043】[製造例10]スチレン160部、メチル
メタクリレート160部、2-エチルヘキシルアクリレー
ト600部、アクリロニトリル50部、2-ヒドロキシエ
チルメタクリレート20部、メタクリル酸10部からな
る全単量体1000部に、ドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウムの20%水溶液を25部、ポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテル(HLB=16.2)の20
%水溶液を250部、ペルオキソ二硫酸アンモニウムの
10%水溶液を40部、水を750部を混合し、ホモミ
キサーを用いてプレ乳化物を作製した。
【0044】次いで、攪拌装置と温度調節用ジャケット
を取り付けた反応容器に、シード粒子の水性分散体(粒
子径45nm、スチレン/メチルメタクリレート系重合
体、固形分濃度34%)34部、水250部を仕込み、
内温80℃に昇温し、ペルオキソ二硫酸アンモニウムの
10%水溶液4部を添加した。これに、上記プレ乳化物
を4時間かけて一定流速で添加した。その後、1時間そ
のまま保ち、次いで冷却を行った。冷却後、10%苛性
ソーダ水溶液を用いてラテックスのpHを8に調整し、
その後100メッシュの金網を通した。次いでラテック
スの固形分を40%なるよう、水で調整した。粒子径は
201nmであった。本製造例9で製造したラテックス
をLTX10と呼ぶ。
【0045】[実施例1〜11]表2に記載の樹脂モル
タル組成物を調整し、a.経時的な粘度変化、b.フロ
ー試験、c.割れ発生の状態(常態及び温冷繰返し条
件)、d.皮張り性の評価を行った。評価結果を表2に
示す。使用した原材料は、以下の通りである。 セメント:普通ポルトランドセメント(太平洋セメント
株式会社製) 充填材 :珪砂6号(一般市販品) メチルセルロース:hiメトローズ90SH4000
(信越化学工業株式会製)
【0046】[比較例1〜4]表3に記載の樹脂モルタ
ル組成物を調整し、a.経時的な粘度変化、b.フロー
試験、c.割れ発生の状態(常態及び温冷繰返し条
件)、d.皮張り性、の評価を実施例と同様に行った。
評価結果を表3に示す。なお、比較例4においては水を
50部さらに追加した。表3から分かる様に、比較例
1、4では温冷繰返しが不良であり、比較例2、3では
皮張り性が不良であった。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【発明の効果】本発明のラテックス、及びセメントと充
填材を含む組成物を用いることにより、配合品の粘度が
経時で安定であり、硬化後の割れの発生、及び温冷繰返
し後も割れの発生もなく、下地コンクリートへの付着性
も良好で、かつ皮張り性が良好である組成物を提供する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/00 C08K 3/00 C08L 51/00 C08L 51/00 C09K 3/10 C09K 3/10 Q Z Fターム(参考) 4G012 PA04 PB26 PC08 4H017 AA04 AA27 AA28 AA36 AB17 AC04 AD06 AE03 4J002 BN031 DE137 DE147 DE267 DG057 DJ017 DJ037 DJ047 DM006 DM007 FD017 GL00 4J011 KB13 KB19 KB29 4J026 AA44 AA45 BA04 BA18 BA26 BA31 BB02 BB04 BB07 DA04 DA07 DA12 DA13 DA16 DB04 DB12 DB13 DB16 FA04 FA07 GA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コア部とシェル部を有する多層構造ラテッ
    クス(1)であって、コア部の共重合体のガラス転移温
    度が−30℃以下であり、シェル部の共重合体のガラス
    転移温度が−30℃〜20℃であることを特徴とする樹
    脂モルタル用ラテックス。
  2. 【請求項2】ラテックス(1)が芳香族ビニル系単量
    体、メタクリル酸アルキルエステル系単量体、アクリル
    酸アルキルエステル系単量体から選ばれる1種以上の単
    量体、ヒドロキシル基含有ビニル系単量体、ニトリル基
    含有ビニル系単量体、及びカルボキシル基含有ビニル系
    単量体とを含む単量体組成物を、乳化重合して得られる
    ことを特徴とする請求項第1項記載の樹脂モルタル用ラ
    テックス。
  3. 【請求項3】 セメント(2)100質量部に対して、
    充填材(3)が5〜600質量部、及び請求項1のラテ
    ックス(1)5〜150質量部(固形分)を含む樹脂モ
    ルタル組成物。
JP2002373011A 2001-12-26 2002-12-24 樹脂モルタル用ラテックス及び樹脂モルタル組成物 Expired - Fee Related JP4282982B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002373011A JP4282982B2 (ja) 2001-12-26 2002-12-24 樹脂モルタル用ラテックス及び樹脂モルタル組成物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001-395107 2001-12-26
JP2001395107 2001-12-26
JP2002373011A JP4282982B2 (ja) 2001-12-26 2002-12-24 樹脂モルタル用ラテックス及び樹脂モルタル組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003252667A true JP2003252667A (ja) 2003-09-10
JP4282982B2 JP4282982B2 (ja) 2009-06-24

Family

ID=28677192

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002373011A Expired - Fee Related JP4282982B2 (ja) 2001-12-26 2002-12-24 樹脂モルタル用ラテックス及び樹脂モルタル組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4282982B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005281036A (ja) * 2004-03-29 2005-10-13 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd ポリマーセメント系タイル目地用モルタル及びその製造方法
JP2005314220A (ja) * 2004-03-29 2005-11-10 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd タイル接着用張りポリマーセメントモルタル
JP2005344433A (ja) * 2004-06-04 2005-12-15 Ube Ind Ltd コンクリート構造体
JP2006273597A (ja) * 2005-03-28 2006-10-12 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd タイル接着用張りポリマーセメントモルタル
JP2009528242A (ja) * 2006-03-01 2009-08-06 エボニック レーム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 建材混合物中で膨潤するマイクロ粒子を有する建材用添加剤混合物
JP2015036365A (ja) * 2013-08-16 2015-02-23 旭化成ケミカルズ株式会社 モルタル用ラテックス、モルタル組成物、及びモルタル硬化物
KR101547895B1 (ko) 2014-11-18 2015-08-31 매일종합건설(주) 콘크리트 구조물 보수용 수용성 라텍스 모르타르 및 이의 제조 및 시공방법
JP2016088823A (ja) * 2014-11-10 2016-05-23 旭化成ケミカルズ株式会社 モルタル用水性樹脂分散体、モルタル組成物、及びモルタル硬化物
JP2018131356A (ja) * 2017-02-15 2018-08-23 旭化成株式会社 モルタル用水性樹脂分散体、モルタル組成物、及びモルタル硬化物
JP2021505730A (ja) * 2018-03-08 2021-02-18 エルジー・ケム・リミテッド カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス組成物、その製造方法、これを含むディップ成形用のラテックス組成物およびこれから成形された成形品

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101308094B1 (ko) * 2011-04-18 2013-09-12 계명대학교 산학협력단 코어-쉘 구조를 갖는 시멘트 페이스트의 마이크로캡슐 흡수제 및 그 제조방법

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005281036A (ja) * 2004-03-29 2005-10-13 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd ポリマーセメント系タイル目地用モルタル及びその製造方法
JP2005314220A (ja) * 2004-03-29 2005-11-10 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd タイル接着用張りポリマーセメントモルタル
JP2005344433A (ja) * 2004-06-04 2005-12-15 Ube Ind Ltd コンクリート構造体
JP2006273597A (ja) * 2005-03-28 2006-10-12 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd タイル接着用張りポリマーセメントモルタル
JP2009528242A (ja) * 2006-03-01 2009-08-06 エボニック レーム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 建材混合物中で膨潤するマイクロ粒子を有する建材用添加剤混合物
JP2015036365A (ja) * 2013-08-16 2015-02-23 旭化成ケミカルズ株式会社 モルタル用ラテックス、モルタル組成物、及びモルタル硬化物
JP2016088823A (ja) * 2014-11-10 2016-05-23 旭化成ケミカルズ株式会社 モルタル用水性樹脂分散体、モルタル組成物、及びモルタル硬化物
KR101547895B1 (ko) 2014-11-18 2015-08-31 매일종합건설(주) 콘크리트 구조물 보수용 수용성 라텍스 모르타르 및 이의 제조 및 시공방법
JP2018131356A (ja) * 2017-02-15 2018-08-23 旭化成株式会社 モルタル用水性樹脂分散体、モルタル組成物、及びモルタル硬化物
JP2021505730A (ja) * 2018-03-08 2021-02-18 エルジー・ケム・リミテッド カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス組成物、その製造方法、これを含むディップ成形用のラテックス組成物およびこれから成形された成形品
JP7025548B2 (ja) 2018-03-08 2022-02-24 エルジー・ケム・リミテッド カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス組成物、その製造方法、これを含むディップ成形用のラテックス組成物およびこれから成形された成形品
US11739199B2 (en) 2018-03-08 2023-08-29 Lg Chem, Ltd. Carboxylic acid-modified nitrile-based copolymer latex composition, production method therefor, latex composition containing same for dip molding, and molded product molded therefrom

Also Published As

Publication number Publication date
JP4282982B2 (ja) 2009-06-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003252667A (ja) 樹脂モルタル用ラテックス及び樹脂モルタル組成物
JP4595507B2 (ja) 防水用のポリマーセメント組成物及びその硬化物、並びにその製造方法
JP4930966B2 (ja) ポリマーセメント用アクリル樹脂エマルジョン、ポリマーセメント用アクリル樹脂エマルジョン組成物、ポリマーセメント組成物、および防水層の形成方法
JP2008081368A (ja) セメントモルタル用水性樹脂分散体及びその組成物
JP4599895B2 (ja) ポリマーセメント組成物
JP4248949B2 (ja) セメント用水性樹脂分散体及びその組成物
JP2004262748A (ja) 防水用ポリマーセメント組成物
JP6163382B2 (ja) モルタル用ラテックス、モルタル組成物、及びモルタル硬化物
JP6433251B2 (ja) モルタル用水性樹脂分散体、モルタル組成物、及びモルタル硬化物
JP4509587B2 (ja) セメントモルタル用水性樹脂分散体及びその組成物
JPH08217513A (ja) ポリマーセメント組成物
JP4357929B2 (ja) コンクリート床構造体、およびその施工方法
JP2886662B2 (ja) ポリマーセメントモルタル組成物
JP4462535B2 (ja) セメントモルタル用樹脂水分散体及びその組成物
JP3568349B2 (ja) 水硬性無機材料用混和剤及び水硬性無機材料用プライマー
JP5047637B2 (ja) 水性樹脂分散体、セメントモルタル用配合剤、セメントモルタル組成物、及びセメントモルタル硬化物
JP4595392B2 (ja) ポリマーセメント組成物
JPH05254906A (ja) 人工石材組成物
JP5031222B2 (ja) ポリマーセメント組成物、これらのモルタル、モルタルを被覆した構造体
JP4108165B2 (ja) 樹脂モルタル組成物
JPH08217808A (ja) 多段階樹脂水性エマルジョン及びそれからなるポリマーセ メント組成物
JP2005220009A (ja) ポリマーセメント組成物及びそのコンクリート構造体
JP2005350289A (ja) ポリマーセメント組成物
JPH0748161A (ja) 建設用プレキャストセメント製品組成物
JP4101441B2 (ja) 石灰系プラスター改質剤及び組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081022

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081028

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081219

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20081219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090317

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090318

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4282982

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120327

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120327

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130327

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140327

Year of fee payment: 5

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees