JP2003250950A

JP2003250950A - 配布用トランプ収容箱

Info

Publication number: JP2003250950A
Application number: JP2002054047A
Authority: JP
Inventors: Kenichi Ozaki; 憲一尾崎
Original assignee: DANBONETTO SYSTEMS KK
Current assignee: DANBONETTO SYSTEMS KK
Priority date: 2002-02-28
Filing date: 2002-02-28
Publication date: 2003-09-09

Abstract

(57)【要約】【課題】トランプ繰り出しの都度、そのトランプの表
示情報をただちに電子情報化できるようにすること。【解決手段】複数枚の配布用トランプが積層状態で収
容される箱体と、前記箱体内のトランプをその表面が伏
せられた状態のままで一枚ずつ箱体外へと繰り出すため
の繰り出し口とを有し、かつ１枚のトランプが繰り出さ
れる毎に、そのトランプの表面図柄の少なくとも一部を
トランプ表面が伏せられた状態のままで工学的に読み取
って対応する電気信号に変換する光学読取器が組み込ま
れている、ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、カジノ等にて行
われるトランプを使用するゲームにて使用される配布用
トランプ収容箱に係り、特に、トランプ繰り出しの毎
に、そのトランプの表示情報をただちに電子情報化でき
るようにした配布用トランプ収容箱に関する。

【０００２】

【従来の技術】カジノ等にてトランプを使用するゲーム
はバカラ、ポーカ、ブラックジャック等、実に様々なル
ール及び独特の勝敗判定方式を有するゲームが存在し、
参加客たちを魅了している。これらは全く異なるゲーム
ではあるが、共通しているのは、ゲームの勝敗結果の決
定方法にある。勝敗結果の決定は、それぞれのゲームを
リードするディーラが各ゲームにて定められたルールに
則り決めるという人的判断に頼るものである。もちろ
ん、その判断を参加客たちが承認するという形が取られ
ている。これは勝敗の決定のみではなく、勝敗に伴う配
当金（チップ）の配布も同様にディーラの人的判断、す
なわち暗算にて計算される。このように、これらのカー
ドゲームにおいては、機械化やオートメ化が全くなされ
ていないのが現状である。

【０００３】当然、カジノのハイテク化と共に、これら
のカードゲームの勝負データや結果を電子データ化する
ことにより、カードゲームの運営のシステム化や効率化
を計ることが切望されているが、カジノにおけるカード
ゲーム自体の独特な世界観が単純に機械化されハイテク
なものよりも、人的駆け引きや顧客プライバシー等を重
要視するため、単純なハイテク化はこれまで避けられる
傾向があった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このため、ゲーム結果
や集計を電子化し、表示又は管理システムに組み込む等
のハイテク化を行えず、また、このようなハイテクイメ
ージを表に出すことなく、従来のカジノ特有の洗練され
た人的判断、及び感性を重視する雰囲気を保つ良いシス
テムがないと言うことも大きな課題であった。

【０００５】また、ハイテクを導入しても、装置の信頼
性によって電子的に計算されたゲーム結果が間違うこと
もあるという点から、このような不安を取り除けるよう
なシステムが作られなかったということも一因であっ
た。

【０００６】特に、ゲームで使用されるトランプそのも
のの種別や表示番号を自動的に読みとれる装置がなく、
ましてカードゲームにて一般的に使用される汎用的な配
布用トランプ収容箱（一般にはシューやシューター等と
称される）そのものでこれらのトランプの表示情報を識
別するものがなかったため、勝負の判断や勝負結果の表
示等（大型ディスプレイ等にて）を行えず、ハイテク化
の障害となっていた。

【０００７】また、完全なハイテク化や機械化は人間同
士の勝負を楽しみにする参加客たちに敬遠されがちであ
るが、本質的なゲームの進行や形式をハイテク化するの
ではなく、ゲームの進行状況及びゲーム毎の勝敗結果等
のゲームを進める上にて有効な情報を電子化し、参加客
のみならずそれを取り巻く観客の誰もが容易に視認でき
るように表示可能となれば、より多くの人の参加を促
し、ゲームがより一層の盛り上がりを見せることは間違
いないであろう。

【０００８】更に、配布されるトランプの表示情報を電
子化することによって配布されたトランプを他のカード
とすり替えるなどの『いかさま』行為を防止することも
可能となり、参加客が安心してゲームに参加できるよう
になる。

【０００９】この発明はトランプを使用するゲームにお
ける上述の背景に鑑みてなされたものであり、その目的
とするところは、トランプ繰り出しの都度、そのトラン
プの表示情報をただちに電子情報化できるようにした配
布用トランプ収容箱を提供することにある。

【００１０】この発明の他の目的並びに作用効果につい
ては、明細書中の以下の記述を参照されることにより、
当業者であれば容易に理解されるであろう。

【００１１】

【課題を解決するための手段】この発明の配布用トラン
プ収容箱は、複数枚の配布用トランプが積層状態で収容
される箱体と、前記箱体内のトランプをその表面が伏せ
られた状態のままで一枚ずつ箱体外へと繰り出すための
繰り出し口とを有し、かつ１枚のトランプが繰り出され
る毎に、そのトランプの表面図柄の少なくとも一部をト
ランプ表面が伏せられた状態のままで光学的に読み取っ
て対応する電気信号に変換する光学読取器が組み込まれ
ている。

【００１２】収容箱の具体的な様式については、要する
に、ディーラや参加客達には中のトランプの表示情報が
分からないように収容され、一端収容されればその配布
順等に一切関与できなくなるような様式であればよいの
であるが、カードゲームの愛好家にとっての受け入れ易
さを考慮すれば、好ましくは、カードゲームの慣行乃至
伝統的様式を踏襲すべきである。繰り出し口において
は、収容されているトランプを伏せた状態のままで１枚
ずつ収容箱の外へと繰り出せるような様式であればよ
い。尚、光学読取器によって読み取られる、『トランプ
の表面図柄の少なくとも一部』とは、必ずしも通過する
トランプの全面を読み取る必要はないということであ
る。通常、トランプにはそのトランプの表示情報がトラ
ンプ中央に大きく表示されると共に、トランプの対角線
上にある２つの隅にもそのトランプを識別する情報が表
示されている。従って、対象となるトランプの２つの隅
に表示される情報を読み取るための局部的な光学読取
器、または、トランプ全面を読み取るような光学読取器
でも、トランプを識別するために必要な表示情報を電子
情報化することができる。

【００１３】好ましい実施の形態においては、箱体内の
トランプをその表面が伏せられた状態のままで一枚ずつ
箱体外へと繰り出すための自動繰り出し機構を有するよ
うにしても良い。

【００１４】好ましい実施の形態においては、従来の配
布用トランプ収容装置は、繰り出し口に設けられた開口
部よりディーラが直接指にてトランプを伏せられた状態
のまま１枚ずつ押し出すものであるが、例えば、モータ
等にて１枚ずつ自動的に繰り出せるようにしても良い。

【００１５】好ましい実施の形態においては、前記箱体
の繰り出し口には、繰り出されたトランプをその上に載
せてスライドさせるためのスライドステージが設けら
れ、前記光学読取器は前記スライドステージに埋め込ま
れている。

【００１６】繰り出し口の前部に、繰り出されたトラン
プをそのままスライドさせるためのステージを設置し、
そのスライドステージに通過するトランプの表示情報を
読み取るための光学読取器を設ける。これによって、繰
り出されたトランプは伏せた状態のまま光学読取器の上
を通過するので、参加客やディーラからトランプの表示
情報を見られることなく読み取り、電子化することがで
きる。

【００１７】好ましい実施の形態においては、前記スラ
イドステージのスライド面は、その先端へ行くにつれて
低下する傾斜面を有する。

【００１８】配布用トランプ収容箱自体はカジノなどに
てカードゲーム用のテーブルに置かれ、トランプが伏せ
た状態のままで配布されることが要求される。従って、
繰り出されるトランプが配布途中に裏返る、又は参加客
にトランプの表示情報が見えてしまう、といった状況を
防ぐ必要がある。具体的な様式としては、スライドステ
ージ先端部に向けて傾斜面を設けることによって段差を
無くし、テーブルへと繰り出されるトランプは常にスラ
イドステージ、或いはテーブル面に接するようにでき、
裏返り等を防ぐことができればどのような様式でも良
い。例えば、スライドステージの先端部のみに傾斜を持
たせるような構成にしても良いし、スライドステージ全
体に傾斜を持たせるような構成にしても良い。

【００１９】好ましい実施の形態においては、前記スラ
イドステージには、その上に載せてスライドさせるトラ
ンプの向きを規制するためのガイド部材が設けられてい
る。

【００２０】スライドステージにガイド部材を設置する
ことによって、繰り出されるトランプの向きをスライド
ステージに対して一定の向きに保ちつつ光学読取器へと
導くことができる。これによって、トランプは常に一定
の向き、及び位置にて光学読取器を通過するため、安定
した読み取りを行うことができる。ここで言う『ガイド
部材』とは、繰り出されるトランプの向きを一定に保ち
ながらスライドステージを通過できればどのような様式
であっても良い。

【００２１】好ましい実施の形態においては、前記スラ
イドステージに埋め込まれる前記光学読取器は、前記箱
体の繰り出し口からその全体が完全に出現したトランプ
のみを読み取るように位置決めされている。

【００２２】繰り出し口より繰り出されるトランプを１
枚ずつ確実に読み取るために、繰り出されたトランプが
繰り出し口より物理的に遊離した状態で読み取りを行え
るように設置位置を決定する。このように光学読取器の
取り付け位置を決定することによって、次のトランプが
読み取りに関与することなくトランプ１枚のみを確実に
読み取ることができ、更に、参加客から見ても明らかに
繰り出されたトランプのみが読み取られるため、配布前
のトランプ情報を読み取っているのではないかという疑
惑が生じてしまうことも防げる。

【００２３】好ましい実施の形態においては、前記光学
読取器からの電気信号に基づいてトランプの内容を判別
する判別手段を有する。

【００２４】ここで言う『トランプの内容』とは、トラ
ンプの表（数字及び絵柄を表示する面）に示される情報
のことである。例えば、トランプの表に表示される数
字、及び種類（ハート、ダイヤ、スペード、クラブ）や
エース（Ａ）、ジャック（Ｊ）、クィーン（Ｑ）、キン
グ（Ｋ）等のカードの表に表示される絵柄などが含まれ
る。

【００２５】好ましい実施の形態においては、前記判別
手段により判別されたトランプの内容を時系列的に記憶
する記憶手段をさらに有する。

【００２６】ここで言う『時系列的に記憶する』とは、
繰り出されて読み取られたトランプのデータを繰り出さ
れた順番が分かるように記憶すると言うことである。例
えば、繰り出されたトランプのデータに１，２，３，・
・・、等、連続番号を付けて記憶するようにしても良い
し、繰り出されて読み取られたときの日時と共にトラン
プデータを記憶するようにしても良い。

【００２７】好ましい実施の形態においては、配布用ト
ランプ収容箱は無線送受信手段を有する。ここで言う
『無線送受信手段』とは、カジノにては、送受信用など
の配線はあまり好まれないため、データの送受信を有線
ではなく無線送受信によって行うということである。

【００２８】好ましい実施の形態においては、前記配布
用トランプ収容箱をテーブルにロック可能とする電磁錠
を有する。

【００２９】配布用トランプ収容箱に電磁錠を設けるこ
とによって、ゲームテーブルにロック可能となり、よっ
て配布用トランプ収容箱を所定の位置に固定することが
できる。更に、配布用トランプ収容箱ごと細工を施した
ものとすり替える等のいかさま行為も未然に防ぐことが
できる。

【００３０】好ましい実施の形態においては、配布用ト
ランプ収容箱は電源用バッテリを有する。

【００３１】先に述べたように、カジノにて、電気配線
などはあまり好まれないため、電源としては、配布用ト
ランプ収容箱に内蔵できるバッテリを使用することが好
ましい。

【００３２】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な一実施形
態を添付図面に従って詳細に説明する。先に説明したよ
うに、本発明の配布用トランプ収容箱は、複数枚の配布
用トランプが積層状態で収容される箱体と、前記箱体内
のトランプをその表面が伏せられた状態のままで１枚ず
つ箱体外へと繰り出すための繰り出し口とを有し、且つ
１枚のトランプが繰り出されるごとに、そのトランプの
表面図柄の少なくとも一部をトランプ表面が伏せられた
状態のままで光学的に読み取って対応する電気信号に変
換する光学読取器が組み込まれていることを特徴とす
る。

【００３３】このような配布用トランプ収容箱の一実施
形態（以下、第１実施形態という）の構造が図１〜図５
に示されている。

【００３４】図１に示されるように、配布用トランプ収
容箱（以下、単に収容箱という）１は、基台２と、基台
２の上に載置固定された箱体部１ａとを有する。基台２
は細長い長方形状を有し、その全長は箱体１ａの全長よ
りもやや長めとされている。また、箱体部１ａは、基台
２の後部に取り付けられている。そのため、箱体部１ａ
の前方には、基台２の前部が露出し、この部分が後に詳
述するスライドステージ１１となる。

【００３５】箱体部１ａは、前下がりに傾斜した内底板
７と、右側面板３と、左側面板４と、前面板５と、背面
板６とで囲まれたトランプ収容部を有する。このトラン
プ収容部の上部開口には、蓋板８が取り付けられる。蓋
板８は、トランプ収容部の上部開口に着脱自在に取り付
けられる。図２に示されるように、トランプ収容部内に
は、加圧板１６を一体に有する加圧用錘体１６ａが前後
方向へ移動自在に配置されている。加圧板１６の前面
は、箱体部１ａを構成する前面板５の傾斜角度に合わせ
て前下がりの傾斜面とされている。そのため、加圧板１
６と前面板５との間には、適当にシャッフルされた多数
のトランプ１８が積層状態で且つやや斜めに起立した状
態で収容される。なお、トランプ収容部１ｂの最後部に
は回路装置１５が内蔵される。この回路装置１５は、後
述するマイクロコンピュータ等を搭載した基板、電源用
バッテリ、その他無線送受信器等を含んでいる。また、
後述する電磁錠の駆動用電源も、この回路装置１５内の
バッテリから供給することができる。

【００３６】箱体部１ａを構成する内底板７、右側面板
３、左側面板４、前面板５、背面板６は、いずれも透明
なアクリル板などで構成され、収容されたトランプはそ
れらの板を透けて外部から視認可能となされている。な
お言うまでもないが、積層状態で収容されるトランプ１
８は、その裏面が箱体部１ａの前方へ向けられており、
積層状態においてトランプ表面の図柄等が判別される虞
れはない。

【００３７】箱体部１ａを構成する前面板５には、図１
及び図３に示されるように、指挿入用開口１０及びトラ
ンプ繰り出し用の繰り出し口９が形成されている。指挿
入用開口１０は逆Ｕ字状の開口形状を有し、トランプ繰
り出し口９は、この指挿入用開口１０に連続してその最
下端部にスリット状に開口形成されている。トランプ繰
り出し口９の幅は、例えばゲームに使用されるトランプ
の厚みの約１．５倍程度となされており、そのため、収
容部１ｂ内に多数のトランプを積層収容した状態におい
て、指挿入用開口１０にゲームのディーラーなどが指を
押し当てて下方へずらすと、最前部に位置するトランプ
１枚だけが繰り出し口９のスリットを通過して、その前
方へ位置するスライドステージ１１上へ繰り出される。
スライドステージ１１は、トランプ繰り出し口９に連続
する水平部と、その先端に位置する傾斜部とを有する。
傾斜部の傾斜面１４は、なだらかな傾斜角度に設定さ
れ、そのため、例えば本発明収容箱１をバカラテーブル
上などに設置した場合、トランプ繰り出し口９からバカ
ラテーブルの上面へと、スムーズにトランプを送り出す
ことができる。つまり、もし仮に、スライドステージ１
１の先端部とバカラテーブル上面との間に段差が存在す
れば、繰り出されたトランプはそれに引っ掛かってめく
れたり、裏返しになる虞れがあるが、この傾斜面１４の
存在により、そのような虞れが未然に防止される。スラ
イドステージ１１上には、トランプ繰り出し口９の左右
端縁に連続する２本のスライドガイド１３が設けられて
いる。これらのスライドガイド１３は、図５に示される
ように、逆Ｌ字状の断面形状を有し、それら対向する一
対のガイド間には、１枚のトランプがスムーズに規制さ
れるガイド溝が形成される。そのため、繰り出し口９か
ら繰り出されたトランプは、左右のガイドレール間に規
制されて、常にスライドステージ上の一定位置を一定の
姿勢で通過するようになされている。

【００３８】スライドステージ１１上において、１枚の
トランプが必ず通過する一定幅の領域には、図１並びに
図４に示されるように、細長い長方形状を有する透明窓
１２が設けられている。この透明窓１２の下には、図４
に示されるように、光学読取器１７が埋め込まれてい
る。この例では、図４に示されるように、光学読取器１
７は、ＬＥＤなどの発光素子アレイ（以下、ＬＥＤアレ
イという）１７ａとＰＤ（フォトダイオード）などの受
光素子アレイ（以下、ＰＤアレイという）１７ｂとで構
成されている。よく知られているように、ＬＥＤアレイ
１７ａは図４において紙面と垂直な方向に多数のＬＥＤ
を一列に並べたものであり、同様にＰＤアレイ１７ｂは
紙面と垂直な方向へと多数のＰＤを配列したものであ
る。そして、ＬＥＤアレイ１７ａを構成する各ＬＥＤか
ら発せられた光は、透明窓１２上を通過するトランプに
て反射された後、ＰＤアレイ１７ｂを構成するＰＤのそ
れぞれによって受光される。

【００３９】なお、図示していないが、図４に示される
ＬＥＤアレイ１７ａ並びにＰＤアレイ１７ｂは、単に明
暗情報のみならず、色彩情報も識別可能な構成とされて
いる。色彩識別のための構成としては、よく知られてい
るように、ＲＧＢそれぞれのフィルタを適当に介在させ
ることで実現できる。

【００４０】図４（ａ）と図４（ｂ）とを比較して明ら
かなように、スライドステージ１１上において透明窓１
２の位置は、左右のスライドガイド１３，１３の間にほ
ぼ納まるように位置決めされており、そのため通過する
トランプ１８はその幅方向全長において、光学読取器１
７の視野に納まるように工夫されている。更に、スライ
ドステージ１１上にて、透明窓１２やその下部に位置す
る光学読取器１７は、繰り出し口９からその全体が完全
に出現したトランプのみを読み取るように位置決めされ
ている。このように繰り出されたトランプが、繰り出し
口９より物理的に遊離した状態で読み取りを行うことに
よって、次のトランプが読み取りに関与することなく１
枚のみを確実に読み取ることができる。また、参加客か
ら見ても、完全に収容箱から繰り出されたトランプのみ
が読み取られているのが明確に視認できるので、配布前
にトランプの内容を読み取るなどのいかさま行為を行っ
ているという疑惑が生じてしまうことを防げる。

【００４１】なお、ＬＥＤアレイ１７ａ並びにＰＤアレ
イ１７ｂの配列ピッチは、目的とする読取分解能によっ
て決定される。一般の画像読取の場合とは異なり、ここ
で読取対象となるトランプは予めメーカの決められた一
定の図柄であり、しかもトランプの種別は４種類で通常
色彩は赤と黒の２種類であるから、さほど厳密な分解能
を設定せずとも、読み取られた画像データに基づき、ト
ランプの種別を容易に識別することができるはずであ
る。

【００４２】なお、先に説明したように、上記実施形態
においては、光学読取器が通過するトランプのほぼ長辺
全幅を読み取るようにされているが、必ずしもそのよう
な構成でなくても良い。通常、トランプにはそのトラン
プの表示情報がトランプ中央に大きく表示されると共
に、トランプの２つの角にもそのトランプの数値や種類
が表示されている。従って、その２カ所に表示される情
報を読み取れるような構成であれば、トランプ全面を読
み取らなくてもトランプの識別を行うための必要情報を
電子情報化することができる。すなわち、光学読取器と
しては、ＬＥＤなどの発光素子アレイとＰＤ（フォトダ
イオード）などの受光素子アレイとの組み合わせに限ら
ず、ＣＣＤラインセンサやＣＣＤイメージセンサ、更に
は、局部的な光学センサなどを採用することができるこ
とは言うまでもない。

【００４３】このように、この実施形態にあっては、箱
体部１ａに収容されたトランプは、繰り出し口９から繰
り出されて例えばバカラテーブルの表面へと放出される
途中で、スライドステージ１１に埋め込まれた光学読取
器１７によって、その表面を下に向けた状態、すなわち
トランプ表面が伏せられた状態のままで、その表示情報
が読み取られる。ここで言う表示情報とは、トランプの
図柄、数字、記号などを含むものである。

【００４４】なお、図１〜図５の例では、積層状態にあ
るトランプ１８を前方へ押圧するための加圧部材として
加圧用錘体１６ａを使用したが、これは圧縮や引っ張り
スプリングに替えることもできる。

【００４５】次に、配布用トランプ収容箱の他の実施形
態（以下、第２実施形態という）を、図６を参照して説
明する。同図に示されるように、この配布用トランプ収
容箱は、モータで駆動される繰り出しローラ２０を有す
る。この繰り出しローラ２０は、図３に示される第１実
施形態の指挿入用開口１０の位置に配置され、図示しな
いモータによって時計方向へと回転する。なお、図６で
は図示されていないが、収容箱の適所にはモメンタリタ
イプの押しボタンスイッチが設けられ、この押しボタン
スイッチが押されるたびに、繰り出しローラ２０は一定
角度回転し、これにより積層されたトランプのうちの最
前部に位置する１枚だけが、スライドステージ上へと繰
り出し口９を通って送り出される。その後の搬送につい
ては、ディーラーなどにより人手で行われる。つまり、
この例にあっては、ディーラーは押しボタンスイッチを
押すことによって、繰り出し口９から１枚のトランプを
自動的に繰り出させ、しかる後これをスライドステージ
上に案内しつつ、例えばバカラテーブル上へと送り出す
のである。

【００４６】この例にあっては、箱体部１ａよりトラン
プを繰り出す操作を自動繰り出し機構を介して行うた
め、ゲームの参加者にとっては、いかさまの虞れがない
ことを確認することができ、ゲームの信頼性が向上す
る。

【００４７】なお、図６に示される第２実施形態にあっ
ては、積層されたトランプを後ろから押圧する加圧板２
１に圧力を付与する手段として加圧用スプリング２１ａ
が用いられている。これにより、押圧力が一定化され、
繰り出しローラ２０の表面摩擦力の設計が容易となる利
点がある。

【００４８】次に、配布用トランプ収容箱のさらに他の
実施形態（以下、第３実施形態という）を図７を参照し
て説明する。

【００４９】この第３実施形態の特徴は、箱体部を構成
する内底板７の下部に電磁錠２２を組み込む一方、例え
ばバカラテーブルなどのゲームテーブル側に磁性板（例
えば鉄板など）２３を埋設することによって、電磁錠２
２への通電に伴い、強力な吸引力によって収容箱１がゲ
ームテーブル上にロックされるようにしたことにある。
なお、電磁錠２２への通電をオンオフするためのスイッ
チ機構などについては種々の文献により公知であるから
説明は省略する。尤も、収納箱１ごとトランプを取り替
えてしまうといったいかさまを防止する観点からすれ
ば、電磁錠２２への通電解除のためには、ディーラー固
有のＩＤの照合などが必要であろう。そのためには、カ
ードキーあるいは各種の機械式キーによって、ロック状
態の解除が必要となるであろう。

【００５０】このような構成によれば、本発明収容箱１
をゲームテーブル上に載置し、しかる後電磁錠２２へ通
電して、収容箱１をゲームテーブル上にロックしてしま
えば、収容箱１ごと一連のトランプを別のものと取り替
えてしまうといったいかさまを未然に防止することがで
きる。

【００５１】なお、図７に示される第３実施形態の構成
は、先に説明した第１実施形態並びに第２実施形態の収
容箱１と組み合わせることができることは勿論である。

【００５２】次に、本発明収容箱の電気的な構成につい
て説明する。先に説明したように、各実施形態における
収容箱１にあっては、１枚のトランプが繰り出されるご
とに、そのトランプの表面図柄の少なくとも一部をトラ
ンプ表面が伏せられた状態のままで光学的に読み取って
対応する電気信号に変換する光学読取器１７が組み込ま
れている。

【００５３】この光学読取器１７からは、各トランプの
表面図柄に対応する波形を有する映像信号が得られる。
こうして得られる映像信号は、公知の手法によりデジタ
ル化され、しかる後予め各種別のトランプに対応して用
意された基準波形パターンと照合される。先に述べたよ
うに、トランプの図柄はかなり定型的なものであり、し
かも色彩についても赤黒２種類の基準色にておおよその
種別が識別できるため、さほど複雑なパターン認識処理
などを経由せずとも、比較的簡単な光学読取器からの読
取信号によって、十分にトランプの種別と数値を識別す
ることができる。ここで、トランプの種別は、ハート、
ダイヤ、スペード、クラブなどのことであり、数値には
２〜１０の他、Ａ，Ｊ，Ｑ，Ｋが含まれる。これらの種
別並びに数値に対応する基準波形パターンが予めマイク
ロコンピュータのメモリには記憶されている。

【００５４】次に、収容箱に組み込まれたマイクロコン
ピュータのソフトウェアの構成を示すフローチャートが
図８に示されている。以下に、このフローチャートを参
照しながら、光学読取器１７からの信号に基づき、トラ
ンプの種別並びに数値を識別し、これを適宜メモリ内に
時系列的に記憶する処理、さらに読み取りの都度あるい
は一連の読取データを一括して外部へと無線送信する処
理について説明する。

【００５５】図８において処理が開始されると、公知の
初期化処理が実行される（ステップ８０１）。この初期
化処理においては、各種のレジスタ類やカウンタなどの
初期設定を行う他、特に本発明にあっては、後に図９を
参照して説明する番数ポインタＮの初期化が行われる。
番数ポインタは、送信用ファイル内のデータ格納位置を
指定するものである。

【００５６】その後、コンピュータにおいては、センサ
チェック（光学読取器１７のチェック）を実行しつつ、
センサから読取データが到来するのを待機する（ステッ
プ８０２，８０３ＮＯ）。この処理は、例えば光学読取
器１７に組み込まれた特定ビットのＰＤ出力を監視する
ことによって、繰り出されたトランプの先端部が光学読
取器１７の真上に到来したことを判定する等で実現でき
る。

【００５７】この状態において、センサからデータあり
との判定が行われると（ステップ８０３ＹＥＳ）、続い
て光学読取器１７から到来するデータの読み込みを行い
（ステップ８０４）、しかる後、先に説明した基準パタ
ーンデータとの照合を行うことによって、到来したトラ
ンプの種別並びに数値が判定される。すなわち、光学読
取器１７から到来した画像信号と、予め保存された各ト
ランプに対応した基準パターンデータとを次々と照合す
ることによって、光学読取器１７の上を通過したトラン
プが何であるかを識別する（ステップ８０５）。

【００５８】こうして識別されたトランプデータは、図
９に示される送信ファイル内のポインタＮにて指定され
るテーブル内の領域に登録される（ステップ８０６）。
すなわち、図９に示されるように、図示しないマイクロ
コンピュータのメモリ内には、装置番号データ、時間デ
ータ、各番目の一連のトランプデータを格納するための
メモリエリアが設けられている。ポインタＮとは、この
メモリ内にテーブル状に設けられたメモリエリアに対応
するように設定されている。同図にて示されるように、
ポインタＮはテーブルの行方向に、何枚目に繰り出され
たトランプであるかということを表す番数である。この
メモリエリアを構成する各番目の個別エリアは、先に説
明したポインタＮにて指定される。また、各個別エリア
内には、第１，第２，第３からなる３種類の情報が一組
となって格納される。第１の情報はトランプの種別であ
る。この例では、『１』はハート、『２』はダイヤ、
『３』はスペード、『４』はクラブと決められている。
第２の情報は数値である。この例では『２』〜『１
０』，『Ａ』，『Ｊ』，『Ｑ』，『Ｋ』の１３通りの値
をとることができる。第３の情報はゲーム点数換算情報
である。この例では、『Ａ』は１点、『Ｊ』，『Ｑ』，
『Ｋ』は０点、『２』〜『９』は２〜９点と決められて
いる。例えば、個別エリアに（『１』−『２』−
『２』）とある場合、これはハート、数値２、ゲーム換
算点数２点を意味する。また、（『３』−『Ｋ』−
『０』）とあれば、スペード、キング、０点を意味して
いる。

【００５９】以上説明した３種類の情報の生成並びに登
録は、図８におけるステップ８０６及び８０７の処理に
より実現される。すなわち、ステップ８０６において
は、ポインタＮにて指定されるテーブル内の領域に第１
及び第２の情報が登録される。続くステップ８０７で
は、登録された第２の情報に基づき点数換算データが求
められる。これにより送信ファイル内のポインタＮにて
指定される個別領域には、３種類のデータが一組として
格納される。

【００６０】こうして送信ファイル内に１枚のトランプ
に関するデータの登録並びに点数換算が完了すると、続
くステップ８０８の実行によって、いま格納されたばか
りの１枚のトランプデータは、図示しないアンテナを介
してカジノのフロアに設置されたパソコンなどのコンピ
ュータへと送信される（ステップ８０８）。つまり、こ
の配布用トランプ収容箱にあっては、ゲーム愛好家が伝
統的な様式にこだわることを考慮して、一切の配線など
が露出しないように配慮しており、そのため先に説明し
たように電源はバッテリを使用し、しかも他の装置への
データ転送は全て無線により行うこととしている。

【００６１】このようにして１枚のトランプに関するデ
ータの登録、換算並びにデータの送信が完了すると、続
いてポインタＮの値を＋１インクリメントさせた後（ス
テップ８０９）、ゲーム終了信号の到来を確認する（ス
テップ８１０）。ここでゲーム終了信号がなければ（ス
テップ８１０ＮＯ）、センサから新たなデータが到来す
るたびに、以上の処理ステップ８０４〜８０９が繰り返
し実行される。

【００６２】尚、先に説明したように、通常は、トラン
プが１枚繰り出される都度、上記処理が行われ、トラン
プデータが外部に送信される。しかし、対応するゲーム
の表示方法等の読み取られたトランプデータの利用方法
によっては、ある程度のデータを一括して送信される方
が好ましい場合がある。このような場合には、外部コン
トローラなどから配布一括送信指令が送信される。配布
用トランプ収容箱にて上記一括送信指令を受信すると、
割込処理が実行されてそれまでにメモリに蓄積されたト
ランプデータの一括送信を行う（ステップ８１１）。

【００６３】この結果、図９に示されるように、送信フ
ァイル内には、収容箱１からトランプが繰り出されるた
びに、その繰り出されたトランプに関する識別データ
が、時系列的に格納されていく。この時系列データに
は、図９に示されるように、何番目のデータであるかを
示す番数データも付設されている。そのため、無線送信
されたデータを受信すれば、その番数データに基づき、
収容箱１から繰り出されたトランプの何番目のデータで
あるかを容易に確認することができる。

【００６４】このように受信されたデータは、何番目の
繰り出しデータであるかを示す識別情報が付されている
ため、これを受信された側においては、過去の出目デー
タの傾向を知るために利用したり、あるいはゲームの勝
敗を自動決定することなどに利用することができる。つ
まり、この配布用トランプ収容箱から無線送信されたデ
ータを受信することによって、過去の一連の出目に相当
するトランプの種別並びに数値を知ることができるの
で、その情報に基づき、例えば表示画面に該当するトラ
ンプの図柄を映し出したり、あるいは出目のパターンを
図表化して表示するなどといった様々な応用が可能とな
るのである。

【００６５】次に、本発明収容箱が適用されたバカラゲ
ームシステムの全体構成図が図１０に示されている。同
図に示されるように、このバカラゲームシステムは、本
発明に係る収容箱１と、パソコン２５と、大型ディスプ
レイ２６とを含んでいる。収容箱１はバカラテーブル２
４の上に載置され、先に説明した電磁錠２２の作動によ
り所定位置にロックされる。収容箱１とパソコン２５と
大型ディスプレイ２６とのそれぞれの間は、無線通信に
よって結ばれており、また収容箱１の電源は内蔵バッテ
リから供給される。そのため、バカラゲームの参加者に
とっては、従前のシュータとほぼ同様な外観であり、違
和感を覚えることはないであろう。そして、収容箱１は
ディーラーによって操作されて、繰り出し口９からは次
々と１枚のトランプが繰り出され、伏せられた状態のま
まで、その内容が読み取られて、パソコン２５へと送ら
れる。パソコン２５では、公知の表示データ変換処理を
実行することによって、該当する表示データを大型ディ
スプレイ２６へと無線送信する。パソコン２５と大型デ
ィスプレイ２６との間も電線コード等は一切存在しな
い。そのため、ゲーム参加者に違和感を与えることもな
い。パソコン２５内においては、収容箱１から無線送信
されてくるデータに基づき該当するトランプの図柄を再
現する処理、並びに、送られてきたトランプデータに基
づきゲームの勝敗を決定し、その結果（バカラゲームで
あれば、バンカ勝ち『Ｂ』、プレイヤ勝ち『Ｐ』、両者
引き分け『Ｔ』）といった出目を生成して、これを一定
の連続性に基づき、図表化する処理を実行する。

【００６６】こうして大型ディスプレイ２６上に得られ
た表示例が図１１に示されている。同図において、ＴＢ
Ｌは出目表、Ａ１は時刻表示部、Ａ２はメッセージ表示
部、Ａ３は列番号表示部、Ａ４は出目表示位置、Ａ５は
最下行の出目表示位置、ＳＷは電源スイッチ、Ａ６は調
整操作部、Ｘは行方向、Ｙは列方向である。

【００６７】同図から明らかなように、大型ディスプレ
イの表示画面上には、縦横に出目表示位置が設けられ、
各表示位置Ａ４には出目に相当するシンボル『Ｐ』，
『Ｂ』，『Ｔ』が配列される。この配列は、過去の出目
の連続性と深い関係がある。すなわち、一定の出目が連
続する場合、それら連続する出目は列方向へと配列され
る。これに対して、出目が変更された場合、表示位置は
上方向へ１つ進ませられ、次の列の最も上に位置する出
目表示位置から再びシンボル表示が開始される。これに
より、ゲーム参加者のみならずそれを取り巻く観客もま
た、そのバカラテーブルに関する過去の出目傾向を知る
ことができ、それに基づきその後の出目を各自各様に予
測することができる。これらシンボルＢ，Ｐ，Ｔは、バ
カラルールに従い、収容箱１から送られてくるトランプ
データを用いて自動計算されたものである。

【００６８】また、大型ディスプレイの左下には、トラ
ンプの図柄を表示するエリアが設けられ、このエリアに
は先に収容箱１で読み取られたトランプデータに対応す
る図柄２８が表示される。これにより、ゲームの参加者
並びに観客は、ゲームの勝敗を決定したトランプの種別
並びに内容を一目瞭然に確認することができる。

【００６９】同時に、この大型ディスプレイの表示と同
じ表示は、各種の通信系を介して、遠隔設置された表示
器へも同時に表示できるため、例えばカジノを有するホ
テルなどにおいて、客室の表示器にこれらと同様な表示
を行うことで、ホテルの顧客の全員を賭博場へ誘い出す
という効果も得られる。

【００７０】本発明が適用されたハイテクカジノシステ
ムの全体構成図が図１２に示されている。このハイテク
カジノシステムは、先に説明した遠隔設置されたディス
プレイなどにゲームの状況を容易に知らせることができ
る。すなわち、図に示されるように、例えばホテル内に
張り巡らされたＬＡＮには、全体コントローラ２７ａ、
制御部２７ｂ、配布用トランプ収容箱２７ｃ（１）、デ
ータ入力器２７ｄ、データ表示システムディスプレイ２
７ｅ、その他のディスプレイ２７ｆ、ルータ２７ｇなど
が接続されており、これによりこれらシステムはルータ
２７ｇを介してインターネット２７ｈへと接続が可能と
なされている。

【００７１】そのため、配布用トランプ収容箱２７ｃに
よって得られたデータをシステム内の各構成機器で様々
に利用することができる他、遠隔設置された各種のデー
タ処理装置において、ゲームの勝敗を自動判別したり、
あるいは各種のデータ処理を経て様々な予測や過去の出
目傾向の表示などを行うことにより、カジノのおもしろ
さを広く一般の顧客へも伝えることができる。

【００７２】尚、以上の第１〜第３のいずれの実施形態
においても、スライドステージ１１は、収容箱の箱体部
１ａより着脱可能となるような構成にしても良い。この
ような構成にすることで、機能面では箱体部１ａと一体
化しているものと変わらないが、光学読取器のメンテナ
ンスや交換などを行うときにスライドステージと収容箱
本体とを切り離し、スライドステージのみを対象に行う
ことができる。更に、収容箱より突出しているスライド
ステージを収容箱本体より着脱可能にすることによっ
て、梱包などの際にコンパクト化することができる。

【００７３】尚、先に説明した、第１〜第３のいずれの
実施形態においても、光学読取器は繰り出し口９の前部
に設けられるスライドステージ１１に埋め込まれている
ような構成になっているが、必ずしもそのような構成に
限定するものではない。収容箱からトランプが伏せられ
た状態のまま繰り出し口を介して収容箱外へと繰り出さ
れ、１枚のトランプが繰り出される毎に光学読取器にて
読み取れるような構成であればよい。すなわち、トラン
プが収容箱より繰り出されて、対象プレーヤやディーラ
自身に配られるまでに通過する経路上に光学読取器を設
ければよいのである。例えば、スライドステージを設け
ずに、ゲームテーブルそのものに光学読取器を埋め込む
ような構成でも良い。このような構成にし、配布箱をテ
ーブル所定の位置に固定することにより、同様の結果が
得られる。更に、収容箱内に収容部と隣接する１室を設
け、そこに光学読取器を備えるようにしても良い。この
ような構成を持たせることにより、自動繰り出し装置な
どで収容部から設けられた光学読取室へとトランプを繰
り出し、読み取りを行ってから収容箱外へと繰り出すよ
うにしても良い。もちろん、いかさまなどの疑惑が生じ
ないように、収容箱を透明なアクリル板などの部材を用
いて構成することにより、繰り出されるトランプが１枚
ずつ読み取られていることが参加客達から視認できるよ
うにする。

【００７４】

【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
配布用トランプ収容箱は、複数枚の配布用トランプが積
層状態で収容される箱体と、前記箱体内のトランプをそ
の表面が伏せられた状態のままで１枚ずつ箱体外へと繰
り出すための繰り出し口を有し、且つ１枚のトランプが
繰り出されるごとに、そのトランプの表面図柄の少なく
とも一部をトランプ表面が伏せられた状態のままで光学
的に読み取って対応する電気信号に変換する光学読取器
が組み込まれているものであるから、トランプの繰り出
しの都度、そのトランプの表示情報を直ちに電子情報化
することができ、これを利用すればトランプゲームの自
動勝敗決定並びに過去の出目傾向の分析並びに表示とい
った様々な用途が期待される。

【図面の簡単な説明】

【図１】配布用トランプ収容箱（第１実施形態）の外観
斜視図である。

【図２】配布用トランプ収容箱（第１実施形態）の側断
面図である。

【図３】配布用トランプ収容箱（第１実施形態）の正面
図である。

【図４】光学読取器とトランプとの関係を示す説明図で
ある。

【図５】ガイド部材を示す説明図である。

【図６】配布用トランプ収容箱（第２実施形態）の側断
面図である。

【図７】配布用トランプ収容箱（第３実施形態）の側断
面図である。

【図８】収容箱に組み込まれたソフトウェアの構成を示
すフローチャートである。

【図９】送信ファイルの内容を表にして示す図である。

【図１０】本発明収容箱が適用されたバカラゲームシス
テムの全体構成図である。

【図１１】大型ディスプレイの表示例を示す説明図であ
る。

【図１２】本発明が適用されたハイテクカジノシステム
の全体構成図である。

【符号の説明】

１配布用トランプ収容箱２基台３右側面板４左側面板５前面板６背面板７内底板８蓋板９繰り出し口１０指挿入用開口１１スライドステージ１２透明窓１３スライドガイド１４傾斜面１５回路装置１６加圧板１６ａ加圧用錘体１７光学読取器１８トランプ１９スライド方向２０繰り出しローラ２１加圧板２１ａ加圧用スプリング２２電磁錠２３磁性板２４バカラテーブル２５パソコン２６大型ディスプレイ２７ハイテクカジノシステム２７ａ全体コントローラ２７ｂ制御部２７ｃ（１）配布用トランプ収容箱２７ｄデータ入力器２７ｅデータ表示システムディスプレイ２７ｆその他のディスプレイ２７ｇルータ２７ｈインターネット２８図柄Ａ１時刻表示部Ａ２メッセージ表示部Ａ３列番号表示部Ａ４出目表示位置Ａ５最下行の出目表示位置Ａ６調整操作部ＳＷ電源スイッチＸ行方向Ｙ列方向

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】複数枚の配布用トランプが積層状態で収
容される箱体と、前記箱体内のトランプをその表面が伏
せられた状態のままで一枚ずつ箱体外へと繰り出すため
の繰り出し口とを有し、かつ１枚のトランプが繰り出さ
れる毎に、そのトランプの表面図柄の少なくとも一部を
トランプ表面が伏せられた状態のままで光学的に読み取
って対応する電気信号に変換する光学読取器が組み込ま
れている、ことを特徴とする配布用トランプ収容箱。
【請求項２】前記箱体内のトランプをその表面が伏せ
られた状態のままで一枚ずつ箱体外へと繰り出すための
自動繰り出し機構を有する、ことを特徴とする請求項１
に記載の配布用トランプ収容箱。
【請求項３】前記箱体の繰り出し口には、繰り出され
たトランプをその上に載せてスライドさせるためのスラ
イドステージが設けられ、前記光学読取器は前記スライ
ドステージに埋め込まれている、ことを特徴とする請求
項１又は２に記載の配布用トランプ収容箱。
【請求項４】前記スライドステージのスライド面は、
その先端へ行くにつれて低下する傾斜面を有する、請求
項３に記載の配布用トランプ収容箱。
【請求項５】前記スライドステージには、その上に載
せてスライドさせるトランプの向きを規制するためのガ
イド部材が設けられている、ことを特徴とする請求項３
又は４に記載の配布用トランプ収容箱。
【請求項６】前記スライドステージに埋め込まれる前
記光学読取器は、前記箱体の繰り出し口からその全体が
完全に出現したトランプのみを読み取るように位置決め
されている、ことを特徴とする請求項３〜５のいずれか
に記載の配布用トランプ収容箱。
【請求項７】前記光学読取器からの電気信号に基づい
てトランプの内容を判別する判別手段を有する、ことを
特徴とする請求項１〜６のいずれかに記載の配布用トラ
ンプ収容箱。
【請求項８】前記判別されたトランプの内容を時系列
的に記憶する記憶手段をさらに有する、ことを特徴とす
る請求項７に記載の配布用トランプ収容箱。
【請求項９】無線送受信手段を有する、ことを特徴と
する請求項１〜８のいずれかに記載の配布用トランプ収
容箱。
【請求項１０】前記配布用トランプ収容箱をテーブル
にロック可能とする電磁錠を有する、ことを特徴とする
請求項１〜９のいずれかに記載の配布用トランプ収容
箱。
【請求項１１】電源用バッテリを有する、ことを特徴
とする請求項１〜１０のいずれかに記載の配布用トラン
プ収容箱。