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JP2003245625A - 重金属類含有灰の処理方法 - Google Patents

重金属類含有灰の処理方法

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JP2003245625A
JP2003245625A JP2002046214A JP2002046214A JP2003245625A JP 2003245625 A JP2003245625 A JP 2003245625A JP 2002046214 A JP2002046214 A JP 2002046214A JP 2002046214 A JP2002046214 A JP 2002046214A JP 2003245625 A JP2003245625 A JP 2003245625A
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ash
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heavy metal
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Atsushi Yano
淳 矢野
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Hitachi Zosen Corp
Hitachi Shipbuilding and Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 都市ごみや産業廃棄物などの固形廃棄物の焼
却あるいは溶融処理によって排出される焼却灰や、排ガ
ス集塵灰等の重金属類を含有する灰の処理方法に関し、
簡易な工程で、重金属類の回収を確実に行なうことがで
き、しかも処理コストが安くつくうえに、回収物の再利
用化が可能である処理方法を提供する。 【解決手段】 重金属類含有灰の処理方法は、焼却灰等
の重金属類を含有する灰に、水および塩酸または硝酸を
加え、これらの混合物をボールミル等粉砕機により機械
的にかつ粒度1μm以下の粉末が50%以上となるよう
に粉砕を行ないながら、重金属類の抽出を行なう。さら
に、この重金属類含有抽出液を濾過した後、濾液をイオ
ン交換樹脂またはキレート樹脂に接触させることによ
り、重金属類を回収するか、または重金属類が鉛である
場合に、上記の重金属類(鉛)含有抽出液を濾過した
後、濾液に硫酸を滴下し、生じた鉛含有固形物を回収す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、都市ごみや産業廃
棄物などの固形廃棄物の焼却あるいは溶融処理によって
排出される焼却灰や、排ガス集塵灰等の重金属類を含有
する灰の処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、都市ごみの焼却処理設備の焼却
炉から発生する灰、とくに飛灰は、鉛等の人体に有害な
重金属類を含むため、そのまゝでは廃棄することができ
ず、その処理方法の開発が急務となっている。そのため
にこれまでに種々の方法が検討されてきた。
【0003】従来、例えば特開平7−138630号公
報に開示されている金属類含有灰の処理技術は、焼却炉
からの灰を、一連の湿式処理により、金属種ごとに濃縮
し、それぞれ非鉄精練用原料として使用できる程度の濃
縮体として回収し、例えば山元の鉱山会社で金属として
精練する方法であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来法によれば、処理工程が複雑であるだけでな
く、抽出作業のために高価な薬品を多量に使用するた
め、処理コストが非常に高くつくという問題があった。
しかも従来のように、焼却炉飛灰から薬品により化学的
に重金属の回収を行なう場合、通常は、重金属だけでな
く、Al、Ca等が相当量混在するために、純度が著し
く低下し、回収物の再利用化を阻害する一因となってい
るという問題があった。
【0005】本発明の目的は、上記の従来技術の問題を
解決し、簡易な工程で、重金属類の回収を確実に行なう
ことができ、しかも処理コストが安くつくうえに、回収
物の再利用化が可能である、重金属類含有灰の処理方法
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の請求項1記載による重金属類含有灰の処
理方法は、焼却灰等の重金属類を含有する灰に、水およ
び塩酸または硝酸を加え、これらの混合物をボールミル
等粉砕機により機械的にかつ粒度1μm以下の粉末が5
0%以上となるように粉砕を行ないながら、重金属類の
抽出を行なうことを特徴としている。
【0007】また、本発明の請求項2記載による重金属
類含有灰の処理方法は、同様に、上記請求項1の処理方
法による重金属類含有抽出液を濾過した後、濾液をイオ
ン交換樹脂またはキレート樹脂に接触させることによ
り、重金属類を回収することを特徴としている。
【0008】上記請求項1または2記載の重金属類含有
灰の処理方法では、重金属類が、鉛(Pb)、亜鉛(Z
n)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、およびカド
ミウム(Cd)よりなる群の中から選ばれた少なくとも
1つの金属である。
【0009】さらに、本発明の請求項4記載による重金
属類含有灰の処理方法は、上記請求項1の処理方法によ
る重金属類含有抽出液を濾過した後、濾液に硫酸を滴下
し、生じた重金属類含有固形物を回収することを特徴と
している。
【0010】この請求項4記載の重金属類含有灰の処理
方法では、重金属類が鉛(Pb)である。
【0011】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を、
図面を参照して説明する。
【0012】図1のフローシートは、本発明の請求項1
記載による重金属類含有灰の処理方法を示すもので、同
図を参照すると、本発明の重金属類含有灰の処理方法
は、焼却灰等の重金属類を含有する灰に、水および塩酸
または硝酸を加え、これらの混合物をボールミル等粉砕
機により機械的にかつ粒度1μm以下の粉末が50%以
上となるように粉砕を行ないながら、重金属類の抽出を
行なうものである。
【0013】ここで、焼却灰に含まれる抽出すべき重金
属類は、鉛(Pb)、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)、
マンガン(Mn)、カドミウム(Cd)等である。
【0014】上記本発明の方法において、水の使用量
は、例えば重金属類含有灰100重量部に対して300
〜700重量部、好ましくは400〜600重量部であ
る。
【0015】また、本発明の方法において使用する塩酸
または硝酸は、1〜6N、好ましくは3〜6Nの濃度を
有するものである。塩酸または硝酸の使用量は、使用す
る塩酸または硝酸が例えば5Nの濃度を有するものであ
る場合には、重金属類含有灰100重量部に対して10
0〜300重量部、好ましくは150〜250重量部で
あり、重金属類含有灰に対する塩酸または硝酸の滴下
は、例えば重金属類含有灰、水および塩酸または硝酸の
混合物のpHが1以下になるまで、滴下を行なうように
するのが、好ましい。
【0016】そして、上記のように、重金属類含有灰、
水、および塩酸または硝酸の混合物を、ボールミル等粉
砕機により機械的に粉砕を行なうが、この時、焼却灰混
合物の粉砕は、粒度1μm以下の粉末が50%以上とな
るまで行なうものである。
【0017】ここで、焼却灰混合物の粉砕が、粒度1μ
m以下の粉末が50%未満の状態では、重金属類の抽出
を充分に行なうことができない。また、粉砕時の温度
は、室温程度で充分であるが、場合によって、粉砕・抽
出時の温度が低すぎると、重金属類の抽出が少なく、逆
に高過ぎると、水分の蒸発が激しくなり、作業性が悪い
うえに、エネルギーコストが高くつくので、好ましくな
い。
【0018】得られた抽出液は、つぎに濾過を行ない、
重金属類含有抽出液と、残渣とに分離する。これによ
り、焼却灰等の重金属類含有灰中の90%以上の重金属
類を抽出除去することができ、除去された抽出液中の重
金属類は、回収して再利用化することができるととも
に、残渣は有害物質である重金属類を含まないために、
そのまま廃棄可能である。
【0019】つぎに、図2のフローシートは、本発明の
請求項2および請求項4記載による重金属類含有灰の処
理方法を示すもので、同図のフローシートの回収方法−
1を参照すると、本発明の請求項4記載による重金属類
含有灰の処理方法は、上記図1のフローシートの請求項
1記載による重金属類含有灰の処理方法によって生じた
重金属類含有抽出液を濾過した後、濾液に硫酸を滴下
し、生じた重金属類含有固形物を回収するものである。
たゞし、この場合の焼却灰等に含まれる重金属類は、鉛
(Pb)および第1クロム:Cr(II)等である。
【0020】焼却灰等に含まれる鉛(Pb)、亜鉛(Z
n)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、カドミウム
(Cd)等の重金属類のうち、鉛(Pb)は、上記のよ
うに、硫酸鉛(PbSO)の白色固形物として沈殿す
る。また第1クロム:Cr(II)も、硫酸第1クロム:
CrSOの白色固形物として沈殿するが、第2クロ
ム:Cr(III)の硫酸塩、並びにその他亜鉛(Z
n)、マンガン(Mn)、およびカドミウム(Cd)の
硫酸塩は、水に可溶であるため、沈殿しない。
【0021】そこで、図2のフローシートの回収方法−
2では、本発明の請求項2記載による重金属類含有灰の
処理方法を示すもので、上記図1のフローシートの請求
項1記載による重金属類含有灰の処理方法によって生じ
た重金属類含有抽出液を濾過した後、濾液をイオン交換
樹脂またはキレート樹脂に接触させることにより、重金
属類を回収するものである。この請求項2記載による重
金属類含有灰の処理方法によれば、鉛(Pb)、亜鉛
(Zn)、マンガン(Mn)、カドミウム(Cd)、ク
ロム(Cr)等のすべての重金属類を回収することがで
きる。
【0022】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を説明するが、本発
明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0023】実施例1 本発明の第1実施例を、図1に示すフローシートを参照
して行なった。
【0024】まず、重金属として鉛(Pb)を灰1kg
あたり10g含む焼却飛灰を用いた。そして、直径10
mmのアルミナボールを収めたポリ瓶に、上記鉛含有灰
30g、水100cc、および5Nの塩酸60ccを入
れ、室温で4時間、ボールミルにより機械的にかつ粒度
1μm以下の粉末が50%となるように粉砕を行ないな
がら、抽出を行なった。ついで、抽出液を濾過し、得ら
れた濾液の鉛(Pb)濃度を原子吸光分析法によりJI
S K 0121に準拠して測定した。鉛(Pb)の抽
出率は、99%であった。得られた結果を表1に示し
た。
【0025】実施例2 本発明の上記第1実施例の場合と、同様に実施するが、
粉砕性能の優れたアトライタ型ボールミル(三井三池化
工株式会社製)を用いて、室温で2時間、機械的にかつ
粒度1μm以下の粉末が60%となるように粉砕を行な
いながら、抽出を行なった。ついで、抽出液を濾過し、
得られた濾液の鉛(Pb)濃度を、原子吸光分析法によ
り同様に測定した。鉛(Pb)の抽出率は、99%であ
った。得られた結果を表1にあわせて示した。
【0026】実施例3 本発明の上記第1実施例の場合と同様に実施するが、鉛
含有灰30g、および水100cc、並びに塩酸に代え
て、5Nの硝酸60ccをポリ瓶に入れ、室温で4時
間、ボールミルにより機械的にかつ粒度1μm以下の粉
末が50%となるように粉砕を行ないながら、抽出を行
なった。ついで、抽出液を濾過し、得られた濾液の鉛
(Pb)濃度を、原子吸光分析法により同様に測定し
た。鉛(Pb)の抽出率は、99%であった。得られた
結果を表1にあわせて示した。
【0027】比較例1 比較として、上記実施例1の場合と同様に、重金属とし
て鉛(Pb)を灰1kgあたり10g含む焼却飛灰を用
いた。そして、容器に、鉛含有灰30g、水100c
c、および5Nの塩酸60ccを入れ、全く粉砕を行な
わずに、室温で4時間抽出を行なった。抽出処理後、焼
却飛灰中の粒度1μm以下の粉末は20%であった。つ
いで、抽出液を濾過し、得られた濾液の鉛(Pb)濃度
を、原子吸光分析法により同様に測定した。鉛(Pb)
の抽出率は、5%であった。
【0028】比較例2 比較として、上記実施例1の場合と同様に実施するが、
ボールミルによる機械的粉砕、および抽出を室温で1時
間だけ行なったところ、粒度1μm以下の粉末は35%
であった。ついで、抽出液を濾過し、得られた濾液の鉛
(Pb)濃度を原子吸光分析法により同様に測定した。
鉛(Pb)の抽出率は、20%であった。
【0029】比較例3 比較として、上記実施例1の場合と同様に実施するが、
ボールミルによる粉砕の代わりに、従来技術であるマグ
ネティックスターラーを用いた攪拌による粉砕・抽出
を、室温で5時間行なったところ、粒度1μm以下の粉
末は30%であった。ついで、抽出液を濾過し、得られ
た濾液の鉛(Pb)濃度を原子吸光分析法により同様に
測定した。鉛(Pb)の抽出率は、18%であった。
【0030】
【表1】
【0031】表1の結果から明らかなように、重金属類
含有焼却灰の機械的な粉砕と重金属類の抽出とが同時に
起こるプロセスを用いた本発明の実施例1〜3の重金属
類含有灰の処理方法によれば、鉛(Pb)の抽出率が非
常に大きくなることが分かった。またこの場合、1μm
以下の粒度が50%以上であれば、抽出率が大きくなる
ことも分かった。
【0032】なお、上記鉛含有焼却飛灰を、予め粉砕す
ることにより作製した試料粉末を用いて、従来法により
鉛(Pb)を抽出する作業を行なっても、鉛(Pb)の
高い抽出率を得ることができなかった。従って、本発明
の請求項1記載による重金属類含有灰の処理方法によれ
ば、単一の工程で、鉛等重金属類含有焼却飛灰の粉砕と
重金属類の抽出とを行なうことができるため、重金属類
含有灰の処理工程を単純化することができる。
【0033】実施例4 つぎに、本発明の第4実施例を、図2に示すフローシー
トを参照して行なった。上記第1実施例において、直径
10mmのアルミナボールを収めたポリ瓶に、上記鉛含
有灰30g、水100cc、および5Nの塩酸60cc
を入れ、室温で4時間、ボールミルにより機械的にかつ
粒度1μm以下の粉末が50%となるように粉砕を行な
いながら抽出を行ない、ついで、抽出液を濾過して得ら
れた濾液に、5Nの硫酸を滴下したところ、白色の固形
物が沈殿した(回収法−1)。白色固形物を粉末X線回
析により分析したところ、白色固形物は硫酸鉛(PbS
)であることが確認できた。一方、固形物の分離後
の液中には、分析の結果、鉛(Pb)は存在していなか
った。
【0034】実施例5 本発明の上記第3実施例の場合と同様に実施し、鉛含有
灰30g、および水100cc、並びに5Nの硝酸60
ccをポリ瓶に入れ、室温で4時間、ボールミルにより
機械的にかつ粒度1μm以下の粉末が50%となるよう
に粉砕を行ないながら、抽出を行なった。ついで、抽出
液を濾過し、得られた濾液に、5Nの硫酸を滴下したと
ころ、白色の固形物が沈殿した(回収法−1)。白色固
形物を粉末X線回析により分析したところ、白色固形物
は硫酸鉛(PbSO)であることが確認できた。一
方、固形物の分離後の液中には、分析の結果、鉛(P
b)は存在していなかった。
【0035】実施例6 つぎに、本発明の第6実施例を、図2に示すフローシー
トを参照して行なった。上記第1実施例において、直径
10mmのアルミナボールを収めたポリ瓶に、重金属類
を含有する都市ごみの焼却飛灰30g、水100cc、
および5Nの塩酸60ccを入れ、室温で4時間、ボー
ルミルにより機械的にかつ粒度1μm以下の粉末が50
%となるように粉砕を行ないながら抽出を行ない、つい
で、抽出液を濾過して得られた濾液を、イオン交換樹脂
(三菱化学社製)の充填塔を通過させて、イオン交換に
より重金属類を樹脂に吸着させた(回収法−2)。イオ
ン交換樹脂の充填塔を通過後の液体中には、重金属類は
含まれていなかった。
【0036】ついで、樹脂を洗浄して、洗浄液を分析し
たところ、アルミニウム(Al)やカルシウム(Ca)
等は検出されず、鉛(Pb)、亜鉛(Zn)およびクロ
ム(Cr)等の重金属類のみが検出された。これらの重
金属類の回収率は99%であった。
【0037】実施例7 つぎに、本発明の第7実施例を、図2に示すフローシー
トを参照して、上記第6実施例の場合と同様に行なっ
た。そして、直径10mmのアルミナボールを収めたポ
リ瓶に、上記重金属類を含有する都市ごみの焼却飛灰3
0g、および水100cc、並びに塩酸に代えて、5N
の硝酸60ccを入れ、室温で4時間、ボールミルによ
り機械的にかつ粒度1μm以下の粉末が50%となるよ
うに粉砕を行ないながら抽出を行ない、ついで、抽出液
を濾過して得られた濾液を、イオン交換樹脂(三菱化学
社製)の充填塔を通過させて、イオン交換により重金属
類を樹脂に吸着させた(回収法−2)。イオン交換樹脂
の充填塔を通過後の液体中には、重金属類は含まれてい
なかった。
【0038】ついで、樹脂を洗浄して、洗浄液を分析し
たところ、アルミニウム(Al)やカルシウム(Ca)
等は検出されず、鉛(Pb)、亜鉛(Zn)およびクロ
ム(Cr)等の重金属類のみが検出された。これらの重
金属類の回収率は99%であった。
【0039】実施例8 つぎに、本発明の第8実施例を、図2に示すフローシー
トを参照して行なった。上記第1実施例において、直径
10mmのアルミナボールを収めたポリ瓶に、重金属類
を含有する都市ごみの焼却飛灰30g、水100cc、
および5Nの塩酸60ccを入れ、室温で4時間、ボー
ルミルにより機械的にかつ粒度1μm以下の粉末が50
%となるように粉砕を行ないながら抽出を行ない、つい
で、抽出液を濾過して得られた濾液を、キレート樹脂
(ユニチカ社製)の充填塔を通過させて、キレート樹脂
に含まれる金属イオンとのイオン交換により重金属類を
樹脂に吸着させた(回収法−2)。キレート樹脂の充填
塔を通過後の液体中には、重金属類は含まれていなかっ
た。
【0040】ついで、樹脂を洗浄して、洗浄液を分析し
たところ、アルミニウム(Al)やカルシウム(Ca)
等は検出されず、鉛(Pb)、亜鉛(Zn)およびクロ
ム(Cr)等の重金属類のみが検出された。これらの重
金属類の回収率は99%であった。
【0041】上記実施例4〜8の結果から明らかなよう
に、本発明の請求項2および請求項4記載による重金属
類含有灰の処理方法によれば、いずれの場合も、都市ご
みの焼却飛灰等の重金属類を含む粉末を原料とした抽出
液より、純度の高い重金属類を簡易な工程で、回収でき
ることが分かった。
【0042】
【発明の効果】本発明の請求項1記載による重金属類含
有灰の処理方法は、上述のように、焼却灰等の重金属類
を含有する灰に、水および塩酸または硝酸を加え、これ
らの混合物をボールミル等粉砕機により機械的にかつ粒
度1μm以下の粉末が50%以上となるように粉砕を行
ないながら、重金属類の抽出を行なうもので、本発明の
請求項1記載の方法によれば、単一の工程で、重金属類
含有焼却灰の粉砕と重金属類の抽出とを行なうことがで
きるため、都市ごみや産業廃棄物などの固形廃棄物の焼
却あるいは溶融処理によって排出される焼却灰や、排ガ
ス集塵灰等の重金属類を含有する灰の処理工程を、大幅
に単純化することができるという効果を奏する。
【0043】また、本発明の請求項2記載による重金属
類含有灰の処理方法は、上記請求項1の処理方法による
重金属類含有抽出液を濾過した後、濾液をイオン交換樹
脂またはキレート樹脂に接触させることにより、重金属
類を回収するもので、本発明の請求項3記載の方法によ
れば、焼却灰等に含まれる鉛(Pb)、亜鉛(Zn)、
クロム(Cr)、マンガン(Mn)、カドミウム(C
d)等の重金属類のいずれをも、簡易な工程で、しかも
高い回収率で回収できるとともに、残渣は有害物質であ
る重金属類を含まないために、そのまま廃棄可能である
という効果を奏する。
【0044】さらに、本発明の請求項4記載による重金
属類含有灰の処理方法は、上記請求項1の処理方法によ
る重金属類含有抽出液を濾過した後、濾液に硫酸を滴下
し、生じた重金属類含有固形物を回収するもので、本発
明の請求項4記載の方法によれば、特に、重金属が鉛
(Pb)である場合に有効で、焼却灰等の鉛を含む粉末
を原料とした抽出液より、純度の高い鉛を、簡易な工程
で回収できるとともに、残渣は有害物質である鉛を含ま
ないために、そのまま廃棄可能であるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すフローシートで
ある。
【図2】本発明の第2および第3の実施形態を示すフロ
ーシートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D004 AA36 AB03 CA04 CA34 CA41 CC12 DA10 DA20 4D056 AB01 AB03 AB08 AC22 BA20 CA05 CA14 CA17 CA31 CA39 DA10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼却灰等の重金属類を含有する灰に、水
    および塩酸または硝酸を加え、これらの混合物をボール
    ミル等粉砕機により機械的にかつ粒度1μm以下の粉末
    が50%以上となるように粉砕を行ないながら、重金属
    類の抽出を行なうことを特徴とする、重金属類含有灰の
    処理方法。
  2. 【請求項2】 焼却灰等の重金属類を含有する灰に、水
    および塩酸または硝酸を加え、これらの混合物をボール
    ミル等粉砕機により機械的にかつ粒度1μm以下の粉末
    が50%以上となるように粉砕を行ないながら、重金属
    類の抽出を行ない、ついで重金属類含有抽出液を濾過し
    た後、濾液をイオン交換樹脂またはキレート樹脂に接触
    させることにより、重金属類を回収することを特徴とす
    る、重金属類含有灰の処理方法。
  3. 【請求項3】 重金属類が、鉛(Pb)、亜鉛(Z
    n)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、およびカド
    ミウム(Cd)よりなる群の中から選ばれた少なくとも
    1つの金属である、請求項1または2記載の重金属類含
    有灰の処理方法。
  4. 【請求項4】 焼却灰等の重金属類を含有する灰に、水
    および塩酸または硝酸を加え、これらの混合物をボール
    ミル等粉砕機により機械的にかつ粒度1μm以下の粉末
    が50%以上となるように粉砕を行ないながら、重金属
    類の抽出を行ない、ついで重金属類含有抽出液を濾過し
    た後、濾液に硫酸を滴下して、生じた重金属類含有固形
    物を回収することを特徴とする、重金属類含有灰の処理
    方法。
  5. 【請求項5】 重金属類が鉛(Pb)である、請求項4
    記載の重金属類含有灰の処理方法。
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