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JP2003238137A - 太陽電池用多結晶シリコンの製造方法 - Google Patents

太陽電池用多結晶シリコンの製造方法

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Publication number
JP2003238137A
JP2003238137A JP2002044561A JP2002044561A JP2003238137A JP 2003238137 A JP2003238137 A JP 2003238137A JP 2002044561 A JP2002044561 A JP 2002044561A JP 2002044561 A JP2002044561 A JP 2002044561A JP 2003238137 A JP2003238137 A JP 2003238137A
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JP
Japan
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silicon
sludge
solar cell
filter
molten
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP2002044561A
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English (en)
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Kozo Yumitate
浩三 弓立
San Nakato
參 中戸
Minoru Nitta
稔 新田
Ryoji Uchimura
良治 内村
Hiroyuki Uesugi
浩之 上杉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Techno Research Corp
Original Assignee
Kawatetsu Techno Research Corp
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Publication date
Application filed by Kawatetsu Techno Research Corp filed Critical Kawatetsu Techno Research Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/546Polycrystalline silicon PV cells

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  • Silicon Compounds (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、従来、埋め立て処理されていたシ
リコンの廃スラッジを主原料にして、安価な太陽電池の
素材を製造することの可能な太陽電池用多結晶シリコン
の製造方法を提供することを目的としている。 【解決手段】溶融状態にあるシリコンを一方向凝固で精
製して、太陽電池仕様を満たすシリコンインゴットにす
るに際し、前記溶融状態にあるシリコンを、シリコンウ
エハ及び半導体の製造においてシリコンインゴットある
いはシリコンウエハを研削、研磨する工程の排水より濾
過分離して得たシリコンスラッジだけで形成する。この
場合、前記排水よりの濾過分離を、該排水に含まれる前
記シリコンスラッジを第1のフィルタに通過させて該第
1のフィルタ表面に該シリコンスラッジからなる第2の
フィルタを形成させて行うのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽電池用多結晶
シリコンの製造方法に係わり、特に、シリコンウエハや
半導体の製造工程において、シリコンウエハを研削・研
磨する際に生じるシリコンスラッジを有効に再使用し、
安価に太陽電池用多結晶シリコンを製造する技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】シリコンウエハや半導体を製造するに
は、素材であるシリコンインゴットあるいはシリコンウ
エハを所定のサイズに研削したり、研磨する必要があ
る。その研削及び研磨作業を行うと、当然のことながら
多量のシリコン屑が発生する。
【0003】このシリコン屑は、粒度が0.1〜10μ
mと非常に細かく、且つシリコンウエハを研削した場合
には、シリコン以外にも、イオン注入法によってウエハ
表面に不純物として打ち込まれたボロン、リン、タング
ステン、クロム、チタン、砒素、ガリウム、鉄が含有さ
れている。また、研削、研磨には装置の温度上昇を防い
だり、潤滑性を向上させるために、水が利用されるが、
この水の中に油等を添加するので、油等の不純物が多く
含まれている。さらに、水中のシリコン屑を凝集沈殿さ
せる際に添加される凝集剤としてのポリ塩化アルミニウ
ムや硫酸バンドも含有されている。
【0004】このように、シリコンインゴットあるいは
シリコンウエハを研削、研磨する際に生じるシリコン屑
には、シリコン以外に、多くの金属元素や有機・無機物
が含まれているため、これまで適当な再利用方法がな
く、所謂「廃スラッジ」として埋め立て処理が行われて
いた。つまり、シリコン屑から水を分離・除去し、埋め
たてて廃棄していたのである。
【0005】ところが、分離した排水中に含まれるシリ
コンインゴットあるいはシリコンウエハのシリコン屑
は、粒度が0.1〜10μmと非常に細かいばかりでな
く、その含有量が50〜300ng/リットルと非常に
少ないので、この屑を分離・除去するのに多大の費用と
時間がかかっていた。また、大量に生成した廃スラッジ
は、前記したように、再利用の途はなく、埋め立て処理
する以外に途は無いが、埋め立て処理するにも、埋め立
て処分場の規制があり、無害化処理をしてから行わねば
ならない。さらに、近年、埋め立て処分場の枯渇という
問題も生じていた。
【0006】そこで、本出願人は、このシリコンスラッ
ジの再利用方法が開発できれば、社会へ貢献すること大
と考え、該シリコンスラッジを太陽電池用シリコンの原
料にすることを着想した。すでに、特開平9−1652
12号公報には、シリコンスラッジの再利用に関する技
術が開示されている。それは、『シリコンインゴットを
スライスしてシリコンウエハに加工する際に発生するシ
リコンを主成分とするシリコンスラッジを素材として、
該素材から固形分を分離したのち、該固形分を酸溶液に
浸漬して不純物を除去する酸浸漬工程と、さらに洗浄及
び乾燥工程とを経ることを特徴とする太陽電池用シリコ
ン原料の製造方法』及び『該太陽電池用シリコン原料の
粉末で得たペレットを、溶融した高純度シリコン浴に投
入し溶解する溶解工程と溶融シリコンを一方向凝固によ
り凝固させる凝固工程によりインゴットとすることを特
徴とする太陽電池用シリコンインゴットの製造方法』を
主体としたものである。この技術によれば、従来は廃棄
していたシリコンスラッジを太陽電池用シリコンとして
有効に利用できるようになる。
【0007】しかしながら、この特開平9−16521
2号公報に開示されたシリコンスラッジを太陽電池用シ
リコンの製造原料にする技術は、酸溶液、あるいは超電
導マグネットを使用するので、いずれも高価な設備を設
ける必要があり、経済的な見地により、まだ実用化され
ていない。また、その原料で成形したペレットを利用し
ての太陽電池用シリコンインゴットの製造方法は、該シ
リコン原料を溶融状態にある、高純度で、且つ高価な半
導体製造用シリコンへ投入するものである。そのため、
素材の主体はあくまでも高純度の半導体製造用シリコン
であり、スラッジから得たシリコン粉は、補助原料的に
利用されるに過ぎない。従って、上記特開平9−165
212号公報記載の技術では、入手し得るシリコンスラ
ッジの全量を処理できるものではなかった。また、たと
え実用化されたとしても、製造される太陽電池用シリコ
ンは高価なものになると予想される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
に鑑み、従来、埋め立て処理されていたシリコンの廃ス
ラッジを主原料にして、安価な太陽電池の素材を製造す
ることの可能な太陽電池用多結晶シリコンの製造方法を
提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記目的を達
成するため鋭意研究を行い、その成果を本発明に具現化
した。
【0010】すなわち、本発明は、溶融状態にあるシリ
コンを一方向凝固で精製して、太陽電池仕様を満たすシ
リコンインゴットとするに際し、前記溶融シリコンを、
シリコンウエハ及び半導体の製造においてシリコンイン
ゴットあるいはシリコンウエハを研削、研磨する工程の
排水より濾過分離して得たシリコンスラッジだけで形成
することを特徴とする太陽電池用多結晶シリコンの製造
方法である。この場合、前記排水よりの濾過分離を、該
排水に含まれる前記シリコンスラッジを第1のフィルタ
に通過させて該第1のフィルタ表面に該シリコンスラッ
ジからなる第2のフィルタを形成させて行うのが好まし
い。また、前記溶融状態にあるシリコンに、珪石を電気
炉内で炭素系還元剤により還元して得られた金属シリコ
ンを添加しても良く、その際、前記金属シリコンの添加
量が、溶融状態にあるシリコンに対して0.1〜20質
量%であることが好ましい。さらに、前記溶融状態にあ
るシリコンが、前記シリコンスラッジを乾燥し、不活性
雰囲気又は真空中で溶解したものであるのが好ましい。
【0011】本発明によれば、従来は埋め立て処理され
ていたシリコンの廃スラッジを主原料にして、安価な太
陽電池の素材を製造することが可能になる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、発明をなすに至った経緯を
まじえ、本発明の実施の形態を説明する。まず、発明者
は、シリコンスラッジについて詳細な調査を行い、下記
の結果を得た。
【0013】シリコンインゴットからシリコンウエハを
製造するに際しては、現在、シリコンインゴットの両端
切断工程、インゴット粗研磨工程、スライス工程、面取
り工程においてシリコンの研削・研磨屑が多量に排出さ
れている。そのため、シリコンインゴットからシリコン
ウエハになる収率は、現在40%程度であり、残りの6
0%がシリコンの研削・研磨屑となって、前記したよう
に、埋め立てにより廃棄している。このシリコンインゴ
ットのシリコン純度は、99.9999質量%以上と非
常に純度の高いので、このシリコンインゴットから生じ
る研削・研磨屑のシリコン純度も非常に高く、ほとんど
不純物の無いシリコンスラッジが得られる。
【0014】また、半導体製造におけるICの製造工程
は、使用する技術や装置設備、製造環境によりウエハ製
造工程、組み立て(アセンブリ)工程、検査(テスト)
工程の3つに大きく分けられる。そのウエハ製造工程で
は、単結晶シリコンインゴットから切り出され、表面研
磨された5〜8インチ径のシリコンウエハ(シリコン基
盤)上に、不純物注入、薄膜形成、フォトエッチングを
繰り返すことでトランジスタや配線等を形成し、チップ
を完成させている。そして、ウエハ製造工程を完了した
シリコンウエハ(ICチップ群)は、組み立て工程で個
々のICチップ単位に切断、分離される。従って、半導
体の製造においてシリコンウエハを研削・研磨する際に
排出されるシリコンスラッジとは、かかるウエハ製造工
程及び組み立て工程で排出されるシリコンスラッジのこ
とである。また、上記シリコン基盤は、最初、数百ミク
ロンの厚みを有しているが、これは強度を確保するため
の厚みであり、実際に使用されるシリコンウエハは、組
み立て工程で使用される際に有利なように、その半分の
厚みにまで研磨により薄くされので、この研磨だけでも
約半分のシリコンが研磨屑として廃棄されている。ま
た、ICチップ単位に切断、分離する際にもシリコン研
削、研磨屑が発生している。
【0015】以上述べたように、現在入手可能なシリコ
ンスラッジは、シリコンウエハ製造で得られるものと、
半導体製造で得られるものの2種類あるが、シリコンウ
エハ製造で得られるシリコンスラッジは、シリコン純度
が高く、不純物をほとんど含まないのに対し、半導体製
造で得られるシリコンスラッジは、シリコン以外にボロ
ン、リン、タングステン、クロム、チタン、砒素、ガリ
ウム、鉄の不純物元素や、凝集剤、油等の無機、有機物
が多く含まれている。
【0016】しかしながら、このようなシリコンスラッ
ジの発生量は、我が国だけでも年間3000トンはあ
り、太陽電池用シリコンの全生産量に十分見合ってい
る。そこで、発明者は、前記上記特開平9−16521
2号公報記載の技術よりも安価に太陽電池用シリコンを
製造することに着眼し、シリコンスラッジからボロン、
リン、タングステン、クロム、チタン、砒素、ガリウ
ム、鉄の不純物元素や凝集剤、油等の無機、有機物をで
きるだけ簡便な方法で除くことを検討した。
【0017】そして、前記2種類のシリコンスラジのい
ずれも、不純物元素については、従来より行われている
一方向凝固だけによる精製で十分に太陽電池用シリコン
の仕様(ボロン含有量:0.1ppm以下,リン含有
量:0.1ppm以下)を満足できることがわかった。
また、この仕様を満たす太陽電池用シリコンを製造する
ための出発原料としては、シリコン濃度が90%以上
(無水ベース)で、ボロン含有量が1ppm以下、リン
が30ppm以下であれば良いことも見出した。しかし
ながら、凝集剤、油等の無機、有機物の除去について
は、かなり努力が必要であると結論した。なお、この一
方向凝固で得られるシリコンインゴットは多結晶質であ
る。
【0018】そこで、発明者は、引き続き該シリコンス
ラッジに含まれている前記のポリ塩化アルミニウムや硫
酸バンドのような凝集剤や油分を除く方法の発見に鋭意
努力することにし、研究を重ねた。しかも、その方法と
しては、酸溶液を利用するのではなく、もっと簡便に除
くことが望ましいので、単純な水スラリーの濾過技術に
注目し、適切な濾過な方法を探した。その結果、特開2
001−38352号公報に、凝集剤や油分を全く使用
せずにシリコンスラッジと水とを分離する新規な濾過技
術が提案されていることを知り、その技術の利用可能性
を実験で確認した。ここで、特開2001−38352
号公報記載の濾過技術とは、図2に示すように、排水に
含まれる前記シリコンスラッジを第1のフィルタに通過
させて該第1のフィルタ表面に該シリコンスラッジから
なる第2のフィルタを形成させて行うものである。
【0019】そして、多くの実験を試み、この技術で凝
集剤や油分を全く使用しなくても、シリコンスラッジを
水から分離できることを確認した。なお、その場合、第
1のフィルタは、ポリオレフィン系高分子であることが
好ましく、また濾過に際しては第2のフィルタの表面に
外力を与えるのが良かった。
【0020】この濾過によって得られたシリコンスラッ
ジは、シリコン濃度90%以上(無水ベース)、かつ凝
集剤や油分を全く含まないものであり、且つシリコン濃
度が90%以上(無水ベース)で、シリコン以外に含ま
れる元素として、ボロン含有量が1ppm以下、リン含
有量が30ppm以下であったので、発明者は、太陽電
池用多結晶シリコンの出発原料として用いることができ
ると判断した。
【0021】従って、本発明に係る太陽電池用多結晶シ
リコンの製造方法としては、図1に示すように、出発原
料として前記濾過で得たシリコンスラッジだけを乾燥し
てさらに水分を除去した後、窒素、アルゴン等の不活性
雰囲気下、又は1.33kPa(10トール)以下の真
空下で、1500〜1800℃の温度で溶解し、シリコ
ン以外の不純物を除去するため一方向凝固による精製を
行えば良いことになる。そして、得られたシリコンイン
ゴットの下部を十分に太陽電池用多結晶シリコンとして
使用するのである。ちなみに、不純物が濃縮したインゴ
ット上部を切断除去した残りの平均組成を、表1に示
す。表1より、太陽電池用多結晶シリコンとして十分に
使用できることが明らかである。
【0022】
【表1】
【0023】次に、発明者は、表1のシリコンインゴッ
トの分析値から、太陽電池用シリコンの仕様としてはも
っと純度が低くても良いと考えた。つまり、シリコンス
ラッジは元々純度(特に、ボロン、リン)が良いので、
もっと低純度の原料を混合しても良いと考えた。そし
て、比較的安価で且つ入手し易い別のシリコン原料を検
討した。その結果、電気炉で2000℃の高温で珪石
(SiO2)を木炭、石炭、オイル、コークス等のカー
ボン源で還元して得られた金属シリコンが好適であるこ
とを見出し、この金属シリコンのシリコンスラッジへの
添加も本発明に加えることにした(図1参照)。この金
属シリコンは、シリコン純度が98%以上あり、シリコ
ン以外にアルミ、鉄、チタン、カルシウムが不純物とし
て含まれているが、それら不純物は一方向凝固だけで十
分に除去できるからである。ただし、太陽電池仕様のシ
リコンとしては、一方向凝固だけでは除去できないボロ
ン及びリンの量に制限があるので、それらの金属シリコ
ン中の含有量によって金属シリコンの混合量を決めるの
が良い。なお、本発明では、その添加量は、溶融シリコ
ンに対して0.1〜20質量%であること推奨する。
0.1質量%未満では、少な過ぎてまだ太陽電池仕様の
シリコン品質に余裕があるし、20質量%超えでは、ボ
ロンやリンの制限を超えるからである。
【0024】
【実施例】(実施例1)シリコンウエハの製造におい
て、シリコンインゴットを研削・研磨した際に排出され
たシリコン研削・研磨屑を含む排水を、本発明に係る前
記濾過手段を用いて、シリコンスラッジと水とに分離し
た。その際、排水中のシリコン研削・研磨屑の濃度は、
200ng/リットルで、レーザー法による粒度分布の
結果、0.1〜20μmまで分布し、平均粒子径は1.
8μmであった。濾過は、第1のフィルタにポリオレフ
ィン系の高分子膜を使用し、この高分子膜を介して排水
を吸引して第2のフィルタを形成させることで行った。
【0025】この濾過により得られたシリコンスラッジ
は、まだ含水率が80%であったので、このシリコンス
ラッジを窒素中で90℃で24時間乾燥し、水分を除去
した。乾燥後の分析結果は、シリコン=98.3%,鉄
=8ppm、酸素=1.5%で、ボロン、リン、タング
ステン、クロム、砒素、ガリウムは含まれていなかっ
た。
【0026】そして、該シリコンスラジだけをアルゴン
雰囲気下で1600℃で溶解した後に、所謂「一方向凝
固法」で凝固させシリコンインゴットを得た、そのイン
ゴットの上部にある不純物濃縮部を分離除去したとこ
ろ、得られたシリコンは、鉄0.1ppm以下、酸素
0.1ppm以下、ボロンが0.1ppm以下、リン
0.1ppm以下で太陽電池の仕様を満たしていたの
で、太陽電池セルを作成した。該太陽電池の太陽光から
の電気エネルギー変換率は15%となり、充分な特性を
有していた。 (実施例2)まず、実施例1と同様な濾過で得たシリコ
ンスラッジだけを0.67kPa(5トール)の真空下
で1600℃で溶解した。そして、その溶融シリコンに
電気炉で珪石を炭素還元してえた金属シリコンを、前記
溶融シリコンに10質量%だけ添加し、溶解させた。2
0分経過後に、所謂「一方向凝固法」で凝固させ、イン
ゴットとなし、その上部にある不純物濃縮部を分離除去
した。得られたシリコンは、鉄が0.1ppm以下、酸
素が0.1ppm以下、ボロンが0.1ppm以下、リ
ン0.1ppm以下で太陽電池の仕様を満たしていたの
で、太陽電池セルを作成した。その太陽電池の太陽光か
らの電気エネルギー変換率は15%であり、充分な特性
であった。
【0027】これらの実施結果は、シリコンスラッジの
後処理の問題が解決されるばかりでなく、従来、廃スラ
ッジとして廃棄していた廃棄物を、太陽電池用多結晶シ
リコンの出発原料として再使用できることを明らかにし
ている。
【0028】
【発明の効果】以上述べたように、本発明により、従来
廃棄されていたシリコンスラッジを太陽電池用多結晶シ
リコンに転換させることができ、循環型社会の構築に寄
与するところ大である。さらに、安価な太陽電池が製造
でき、社会に対する貢献が大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る太陽電池用多結晶シリコンの製造
方法の工程フロー図である。
【図2】シリコンスラッジを含む水スラリーの濾過手段
を説明する図である。
【符号の説明】
1 第1のフィルタ 2 第2のフィルタ 3 シリコンスラッジを含む水スラリー 4 シリコンの微粒子 5 シリコンの比較的大きい粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新田 稔 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川鉄テ クノリサーチ株式会社内 (72)発明者 内村 良治 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川鉄テ クノリサーチ株式会社内 (72)発明者 上杉 浩之 東京都千代田区内幸町2丁目2番3号 川 鉄テクノリサーチ株式会社内 Fターム(参考) 4G072 AA01 BB01 BB02 BB12 GG01 GG03 HH01 HH40 MM21 MM38 UU02 5F051 AA03 GA04 GA20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融状態にあるシリコンを一方向凝固で
    精製して、太陽電池仕様を満たすシリコンインゴットと
    するに際し、 前記溶融シリコンを、シリコンウエハ及び半導体の製造
    においてシリコンインゴットあるいはシリコンウエハを
    研削、研磨する工程の排水より濾過分離して得たシリコ
    ンスラッジだけで形成することを特徴とする太陽電池用
    多結晶シリコンの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記排水よりの濾過分離を、該排水に含
    まれる前記シリコンスラッジを第1のフィルタに通過さ
    せて該第1のフィルタ表面に該シリコンスラッジからな
    る第2のフィルタを形成させて行うことを特徴とする請
    求項1記載の太陽電池用多結晶シリコンの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記溶融状態にあるシリコンに、珪石を
    電気炉内で炭素系還元剤により還元して得られた金属シ
    リコンを添加することを特徴とする請求項1又は2記載
    の太陽電池用多結晶シリコンの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記金属シリコンの添加量が、溶融状態
    にあるシリコンに対して0.1〜20質量%であること
    を特徴とする請求項3記載の太陽電池用多結晶シリコン
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記溶融状態にあるシリコンが、前記シ
    リコンスラッジを乾燥し、不活性雰囲気又は真空中で溶
    解したものであることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れかに記載の太陽電池用多結晶シリコンの製造方法。
JP2002044561A 2002-02-21 2002-02-21 太陽電池用多結晶シリコンの製造方法 Withdrawn JP2003238137A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006231245A (ja) * 2005-02-25 2006-09-07 Uchida Kogyo Kk シリコンスラッジの処理方法
US7727502B2 (en) 2007-09-13 2010-06-01 Silicum Becancour Inc. Process for the production of medium and high purity silicon from metallurgical grade silicon
JP2011157226A (ja) * 2010-01-29 2011-08-18 Kyushu Institute Of Technology シリコン回収システムおよびシリコン回収方法

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