JP2003227687A - 金属の溶解装置 - Google Patents
金属の溶解装置Info
- Publication number
- JP2003227687A JP2003227687A JP2002027535A JP2002027535A JP2003227687A JP 2003227687 A JP2003227687 A JP 2003227687A JP 2002027535 A JP2002027535 A JP 2002027535A JP 2002027535 A JP2002027535 A JP 2002027535A JP 2003227687 A JP2003227687 A JP 2003227687A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- crucible
- furnace wall
- metal
- furnace
- melting apparatus
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- General Induction Heating (AREA)
- Crucibles And Fluidized-Bed Furnaces (AREA)
- Furnace Housings, Linings, Walls, And Ceilings (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】各種の鋼種または非鉄金属を非汚染で且つ優れ
た電力効率によりセミレビテーション溶解するための金
属の溶解装置を提供する。 【解決手段】耐火物からなり且つほぼ円筒形を呈するル
ツボ2の炉壁4と、かかる炉壁4中をほぼ垂直方向に沿
って貫通し且つ当該炉壁4の円周方向に沿って間隔を置
いて配置される複数のシール冷却用パイプ6と、上記ル
ツボ2の炉壁4の外周面を覆う非導電性で且つ気密性の
シール筒8と、かかるシール筒8の外側に沿って螺旋状
に巻き付けた誘導コイル18と、を含む、金属の溶解装
置1。
た電力効率によりセミレビテーション溶解するための金
属の溶解装置を提供する。 【解決手段】耐火物からなり且つほぼ円筒形を呈するル
ツボ2の炉壁4と、かかる炉壁4中をほぼ垂直方向に沿
って貫通し且つ当該炉壁4の円周方向に沿って間隔を置
いて配置される複数のシール冷却用パイプ6と、上記ル
ツボ2の炉壁4の外周面を覆う非導電性で且つ気密性の
シール筒8と、かかるシール筒8の外側に沿って螺旋状
に巻き付けた誘導コイル18と、を含む、金属の溶解装
置1。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種の鋼種または
非鉄金属あるいはこれらの合金を非汚染でセミレビテー
ション(半磁気浮揚)溶解するための金属の溶解装置に関
する。
非鉄金属あるいはこれらの合金を非汚染でセミレビテー
ション(半磁気浮揚)溶解するための金属の溶解装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】各種の鋼種を非汚染で溶解するため、外
側に誘導コイルを巻き付けた耐火物からなるルツボを、
真空容器に内蔵した真空誘導溶解炉が広く用いられてい
る。しかし、かかる真空誘導溶解炉では、被溶製材の非
汚染溶解が不十分で且つルツボにおける耐火物のメンテ
ナンスが繁茂に必要となると共に、かかるルツボおよび
誘導コイル全体を内蔵するための真空容器などの設備が
大がかりで且つコスト高になる、という問題があった。
側に誘導コイルを巻き付けた耐火物からなるルツボを、
真空容器に内蔵した真空誘導溶解炉が広く用いられてい
る。しかし、かかる真空誘導溶解炉では、被溶製材の非
汚染溶解が不十分で且つルツボにおける耐火物のメンテ
ナンスが繁茂に必要となると共に、かかるルツボおよび
誘導コイル全体を内蔵するための真空容器などの設備が
大がかりで且つコスト高になる、という問題があった。
【0003】上記真空誘導溶解炉の問題点を解決するた
め、発明者は、図5(A)〜(C)に示すように、銅などの
良電導性の金属からなる水冷金属ルツボ32と、かかる
ルツボ32の外側に螺旋状に巻き付けた誘導コイル39
と、を含むセミレビテーション(半磁気浮揚)用の溶解装
置30を提案した(特開平9−14852号公報他)。上
記溶解装置30の水冷金属ルツボ32は、図5(A),
(B)に示すように、銅からなり円柱形の装入部33を内
設する円筒形の炉壁34と、かかる炉壁34内の円周方
向に沿って垂直且つ等間隔に配置した複数の絶縁スリッ
ト36と、隣接するスリット36間に位置する炉壁セグ
メント34aにおいてこれを垂直に貫通する冷却水の流
路35と、上記炉壁34に連続する炉底38と、を備え
ている。
め、発明者は、図5(A)〜(C)に示すように、銅などの
良電導性の金属からなる水冷金属ルツボ32と、かかる
ルツボ32の外側に螺旋状に巻き付けた誘導コイル39
と、を含むセミレビテーション(半磁気浮揚)用の溶解装
置30を提案した(特開平9−14852号公報他)。上
記溶解装置30の水冷金属ルツボ32は、図5(A),
(B)に示すように、銅からなり円柱形の装入部33を内
設する円筒形の炉壁34と、かかる炉壁34内の円周方
向に沿って垂直且つ等間隔に配置した複数の絶縁スリッ
ト36と、隣接するスリット36間に位置する炉壁セグ
メント34aにおいてこれを垂直に貫通する冷却水の流
路35と、上記炉壁34に連続する炉底38と、を備え
ている。
【0004】図5(C)に示すように、炉壁34内の流路
35は、その上下端で平面視がリング形を呈するヘッダ
36,37と連通している。また、水冷金属ルツボ32
の炉壁34の外周面には、所定の間隔を置いて誘導コイ
ル39が巻き付けられる。しかしながら、以上のような
溶解装置30を用いてセミレビテーション溶解を行った
場合、誘導コイル39の周囲に形成される磁界は、大半
が銅製の炉壁34に遮られ、僅かしか装入部33内に収
容された被溶製材に浸透しないため、電力効率が低くな
る。しかも、図5(C)に示すように、装入部33内でロ
ーレンツ斥力(電磁気圧)により、立ち上がった溶湯Mの
底部には、炉底38と接触して凝固した断面がほぼ凹面
鏡形の凝固シェルSが形成される。このシェルSを介し
て、溶湯Mの熱が放熱されることも、溶解装置30の電
力効率を低下させる一因となっていた。かかる電力効率
を補うには、大容量の電源設備が必要となるが、原料コ
ストの低い鋼種を溶解する場合にはコスト高になる、と
いう問題があった。
35は、その上下端で平面視がリング形を呈するヘッダ
36,37と連通している。また、水冷金属ルツボ32
の炉壁34の外周面には、所定の間隔を置いて誘導コイ
ル39が巻き付けられる。しかしながら、以上のような
溶解装置30を用いてセミレビテーション溶解を行った
場合、誘導コイル39の周囲に形成される磁界は、大半
が銅製の炉壁34に遮られ、僅かしか装入部33内に収
容された被溶製材に浸透しないため、電力効率が低くな
る。しかも、図5(C)に示すように、装入部33内でロ
ーレンツ斥力(電磁気圧)により、立ち上がった溶湯Mの
底部には、炉底38と接触して凝固した断面がほぼ凹面
鏡形の凝固シェルSが形成される。このシェルSを介し
て、溶湯Mの熱が放熱されることも、溶解装置30の電
力効率を低下させる一因となっていた。かかる電力効率
を補うには、大容量の電源設備が必要となるが、原料コ
ストの低い鋼種を溶解する場合にはコスト高になる、と
いう問題があった。
【0005】
【発明が解決すべき課題】本発明は、以上に説明した従
来の技術における問題点を解決し、各種の鋼種または非
鉄金属などを非汚染で且つ優れた電力効率によりセミレ
ビテーション溶解するための金属の溶解装置を提供す
る、ことを課題とする。
来の技術における問題点を解決し、各種の鋼種または非
鉄金属などを非汚染で且つ優れた電力効率によりセミレ
ビテーション溶解するための金属の溶解装置を提供す
る、ことを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、被溶製材を収容し且つ誘導コイルが巻き付
けられるルツボの炉壁を耐火物により形成し且つその外
周面を非導電性の気密シールにより被覆する、ことに着
想して成されたものである。即ち、本発明の金属の溶解
装置(請求項1)は、耐火物からなりほぼ円筒形を呈する
ルツボの炉壁と、この炉壁中をほぼ垂直方向に沿って貫
通し且つ当該炉壁の円周方向に沿って間隔を置いて配置
される複数のシール冷却用パイプと、上記ルツボの炉壁
の外周面を覆う非導電性で且つ気密性のシール筒と、こ
のシール筒の外側に沿って螺旋状に巻き付けた誘導コイ
ルと、を含む、ことを特徴とする。
決するため、被溶製材を収容し且つ誘導コイルが巻き付
けられるルツボの炉壁を耐火物により形成し且つその外
周面を非導電性の気密シールにより被覆する、ことに着
想して成されたものである。即ち、本発明の金属の溶解
装置(請求項1)は、耐火物からなりほぼ円筒形を呈する
ルツボの炉壁と、この炉壁中をほぼ垂直方向に沿って貫
通し且つ当該炉壁の円周方向に沿って間隔を置いて配置
される複数のシール冷却用パイプと、上記ルツボの炉壁
の外周面を覆う非導電性で且つ気密性のシール筒と、こ
のシール筒の外側に沿って螺旋状に巻き付けた誘導コイ
ルと、を含む、ことを特徴とする。
【0007】これによれば、誘導コイルの周囲に形成さ
れる磁界は、上記シール筒および複数のシール冷却用パ
イプの間を通じて、ルツボ内に収容された被溶製材の原
料または溶融金属に十分浸透し、これを誘導加熱する。
同時に、溶融金属は、上記磁界により生じるローレンツ
斥力(電磁気圧)にてルツボ内で立ち上がり、炉壁の耐火
物に接触しにくくなる。従って、少ない電力により非汚
染で確実にセミレビテーション溶解が可能となるため、
電力効率が向上すると共に、鋼材などの原料単価の低い
被溶製材でも、非汚染で且つ低コストにより溶解するこ
とができる。尚、上記ルツボにおける被溶製材が装入さ
れる内側の空間は、減圧または加圧された不活性ガスの
雰囲気、あるいは真空またはこれに準じた雰囲気に保持
された状態で、セミレビテーション溶解が行われる。ま
た、ルツボの炉壁を形成する耐火物には、アルミナ(A
l2O3)やマグネシア(MgO)などが含まれる。
れる磁界は、上記シール筒および複数のシール冷却用パ
イプの間を通じて、ルツボ内に収容された被溶製材の原
料または溶融金属に十分浸透し、これを誘導加熱する。
同時に、溶融金属は、上記磁界により生じるローレンツ
斥力(電磁気圧)にてルツボ内で立ち上がり、炉壁の耐火
物に接触しにくくなる。従って、少ない電力により非汚
染で確実にセミレビテーション溶解が可能となるため、
電力効率が向上すると共に、鋼材などの原料単価の低い
被溶製材でも、非汚染で且つ低コストにより溶解するこ
とができる。尚、上記ルツボにおける被溶製材が装入さ
れる内側の空間は、減圧または加圧された不活性ガスの
雰囲気、あるいは真空またはこれに準じた雰囲気に保持
された状態で、セミレビテーション溶解が行われる。ま
た、ルツボの炉壁を形成する耐火物には、アルミナ(A
l2O3)やマグネシア(MgO)などが含まれる。
【0008】また、本発明には、前記シール冷却用パイ
プは、良導電性で且つ冷却水などを流通させる金属パイ
プからなると共に、前記誘導コイルの巻き付け方向とほ
ぼ直交して前記ルツボの炉壁中に埋設されている、金属
の溶解装置(請求項2)も含まれる。これによれば、誘導
コイルの周囲に形成される個々の磁界は、前記シール筒
を貫通し且つ複数のシール冷却用パイプ間を容易に通過
し、且つかかる磁界により生じる電磁気圧も、前記ルツ
ボ内に装入された被溶製材の原料や溶融金属に容易且つ
十分に浸透または作用する。従って、高い電力効率によ
るセミレビテーション溶解を確実に行うことができる。
尚、上記金属パイプには、銅またはアルミニウムあるい
はこれらの何れかをベースとする合金からなるパイプが
用いられ、その断面も円形の他、楕円形、長円形、また
はほぼ角形の形態などが含まれる。また、かかる冷却用
パイプには、冷却水の他、有機分などを含む水溶液や流
動性の高い油などの冷却媒体も流れる。
プは、良導電性で且つ冷却水などを流通させる金属パイ
プからなると共に、前記誘導コイルの巻き付け方向とほ
ぼ直交して前記ルツボの炉壁中に埋設されている、金属
の溶解装置(請求項2)も含まれる。これによれば、誘導
コイルの周囲に形成される個々の磁界は、前記シール筒
を貫通し且つ複数のシール冷却用パイプ間を容易に通過
し、且つかかる磁界により生じる電磁気圧も、前記ルツ
ボ内に装入された被溶製材の原料や溶融金属に容易且つ
十分に浸透または作用する。従って、高い電力効率によ
るセミレビテーション溶解を確実に行うことができる。
尚、上記金属パイプには、銅またはアルミニウムあるい
はこれらの何れかをベースとする合金からなるパイプが
用いられ、その断面も円形の他、楕円形、長円形、また
はほぼ角形の形態などが含まれる。また、かかる冷却用
パイプには、冷却水の他、有機分などを含む水溶液や流
動性の高い油などの冷却媒体も流れる。
【0009】更に、本発明には、前記隣接する複数のシ
ール冷却用パイプの中心間距離は、各冷却用パイプの外
径の4倍以下である、金属の溶解装置(請求項3)も含ま
れる。これによれば、ルツボの炉壁を形成する耐火物を
確実に冷却しつつ、誘導コイルからの磁界やこれによる
電磁気圧を隣接するシール冷却用パイプ間からルツボの
内側に容易に浸透させることが可能となる。上記中心間
距離がシール冷却用パイプの外径の4倍を越えると、炉
壁の耐火物に対する冷却効果が低減し且つその損傷を招
き易くなるため、かかる範囲を除外した。尚、かかる中
心間距離の下限は、電力ロスを低減する観点から、シー
ル冷却用パイプの外径の約2倍である。
ール冷却用パイプの中心間距離は、各冷却用パイプの外
径の4倍以下である、金属の溶解装置(請求項3)も含ま
れる。これによれば、ルツボの炉壁を形成する耐火物を
確実に冷却しつつ、誘導コイルからの磁界やこれによる
電磁気圧を隣接するシール冷却用パイプ間からルツボの
内側に容易に浸透させることが可能となる。上記中心間
距離がシール冷却用パイプの外径の4倍を越えると、炉
壁の耐火物に対する冷却効果が低減し且つその損傷を招
き易くなるため、かかる範囲を除外した。尚、かかる中
心間距離の下限は、電力ロスを低減する観点から、シー
ル冷却用パイプの外径の約2倍である。
【0010】また、本発明には、前記ルツボの底面を形
成する炉底は、良導電性の金属からなると共に、当該炉
底表面の中心部付近には耐火物からなる耐火部が配置さ
れている、金属の溶解装置(請求項4)も含まれる。これ
によれば、誘導加熱され且つ溶解された溶融金属は、そ
の底部の周辺部分が前記ルツボの金属からなる炉底と接
触するため、非汚染の状態を保て、当該炉底の表面の中
心部付近は、耐火部が位置するため、過度の放熱を阻止
して、電力効率の向上の妨げとはならなくなる。しか
も、炉底の耐火部は、損傷しても取り替えが容易である
ため、メンテナンスも容易に行える。尚、上記炉底も、
銅またはアルミニウムあるいはこれらの何れかをベース
とする合金から形成される。また、耐火部は、炉底の表
面において、面積比で約25〜50%を占めている。
成する炉底は、良導電性の金属からなると共に、当該炉
底表面の中心部付近には耐火物からなる耐火部が配置さ
れている、金属の溶解装置(請求項4)も含まれる。これ
によれば、誘導加熱され且つ溶解された溶融金属は、そ
の底部の周辺部分が前記ルツボの金属からなる炉底と接
触するため、非汚染の状態を保て、当該炉底の表面の中
心部付近は、耐火部が位置するため、過度の放熱を阻止
して、電力効率の向上の妨げとはならなくなる。しか
も、炉底の耐火部は、損傷しても取り替えが容易である
ため、メンテナンスも容易に行える。尚、上記炉底も、
銅またはアルミニウムあるいはこれらの何れかをベース
とする合金から形成される。また、耐火部は、炉底の表
面において、面積比で約25〜50%を占めている。
【0011】更に、本発明には、前記ルツボの炉底の表
面は、前記誘導コイルによりルツボ内の溶融金属に対し
て働くローレンツ斥力が、かかるローレンツ斥力により
立ち上がる溶融金属の静水圧と等しいか、これよりも大
きくなるレベル(高さ)に設定されている、金属の溶解装
置(請求項5)も含まれる。これによれば、ルツボの炉底
の表面は、常にルツボ内の溶融金属に対して働くローレ
ンツ斥力(電磁気圧)が当該溶融金属の静水圧と同じかそ
れ以上となるため、この溶融金属がルツボの炉壁に接触
する事態を防止できる。従って、非汚染で高い電力効率
による完全なセミレビテーション溶解を確実に行うこと
ができる。尚、上記炉底のレベル出しを容易にするた
め、かかる炉底は、ルツボの炉壁の内側における底部に
挿入可能な形態とすることが望ましい。
面は、前記誘導コイルによりルツボ内の溶融金属に対し
て働くローレンツ斥力が、かかるローレンツ斥力により
立ち上がる溶融金属の静水圧と等しいか、これよりも大
きくなるレベル(高さ)に設定されている、金属の溶解装
置(請求項5)も含まれる。これによれば、ルツボの炉底
の表面は、常にルツボ内の溶融金属に対して働くローレ
ンツ斥力(電磁気圧)が当該溶融金属の静水圧と同じかそ
れ以上となるため、この溶融金属がルツボの炉壁に接触
する事態を防止できる。従って、非汚染で高い電力効率
による完全なセミレビテーション溶解を確実に行うこと
ができる。尚、上記炉底のレベル出しを容易にするた
め、かかる炉底は、ルツボの炉壁の内側における底部に
挿入可能な形態とすることが望ましい。
【0012】加えて、本発明には、前記シール筒は、フ
ェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ガラス繊
維強化フェノール樹脂、ガラス繊維強化ポリイミド樹
脂、ガラス繊維強化エポキシ樹脂、またはガラス繊維強
化無機バインダの何れかからなる、金属の溶解装置(請
求項6)も含まれる。これによれば、前記誘導コイルに
より形成される磁界を容易に貫通させると共に、ルツボ
内を外気などから遮蔽できるため、非汚染で高い電力効
率によるセミレビテーション溶解を確実に実行すること
ができる。尚、上記フェノール樹脂には、商品名:ベー
クライトが含まれ、上記フッ素樹脂には、テフロン(登
録商標)が含まれる。また、上記の各樹脂やバインダを
内外に2層以上積層した複合構造のシール筒としたり、
炉壁の上部寄りと下部寄りとで異なる種類の樹脂などか
ら形成したシール筒を用いることも可能である。
ェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ガラス繊
維強化フェノール樹脂、ガラス繊維強化ポリイミド樹
脂、ガラス繊維強化エポキシ樹脂、またはガラス繊維強
化無機バインダの何れかからなる、金属の溶解装置(請
求項6)も含まれる。これによれば、前記誘導コイルに
より形成される磁界を容易に貫通させると共に、ルツボ
内を外気などから遮蔽できるため、非汚染で高い電力効
率によるセミレビテーション溶解を確実に実行すること
ができる。尚、上記フェノール樹脂には、商品名:ベー
クライトが含まれ、上記フッ素樹脂には、テフロン(登
録商標)が含まれる。また、上記の各樹脂やバインダを
内外に2層以上積層した複合構造のシール筒としたり、
炉壁の上部寄りと下部寄りとで異なる種類の樹脂などか
ら形成したシール筒を用いることも可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下において、本発明の実施に好
適な形態を図面と共に説明する。図1は、本発明におけ
る金属の溶解装置1の使用状態を示す垂直断面図、図2
は、かかる溶解装置1の垂直断面を含む斜視図である。
金属の溶解装置1は、図1,図2に示すように、全体が
ほぼ円筒形のルツボ2と、その外側に所要の間隔をおい
て螺旋状に巻き付けた誘導コイル18と、を備える。上
記ルツボ2は、主にアルミナまたはマグネシアなどの耐
火物からなり且つほぼ円筒形を呈する炉壁4と、この炉
壁4の内側(装入部)3の底面を閉塞する炉底14と、か
らなる。尚、ルツボ2の内側3に面する炉壁4の内周面
5は、垂直に限らず、上向きまたは下向きに僅かにテー
パを付された形態としても良い。
適な形態を図面と共に説明する。図1は、本発明におけ
る金属の溶解装置1の使用状態を示す垂直断面図、図2
は、かかる溶解装置1の垂直断面を含む斜視図である。
金属の溶解装置1は、図1,図2に示すように、全体が
ほぼ円筒形のルツボ2と、その外側に所要の間隔をおい
て螺旋状に巻き付けた誘導コイル18と、を備える。上
記ルツボ2は、主にアルミナまたはマグネシアなどの耐
火物からなり且つほぼ円筒形を呈する炉壁4と、この炉
壁4の内側(装入部)3の底面を閉塞する炉底14と、か
らなる。尚、ルツボ2の内側3に面する炉壁4の内周面
5は、垂直に限らず、上向きまたは下向きに僅かにテー
パを付された形態としても良い。
【0014】ルツボ2の炉壁4は、図1、図2、および
図3(A)に示すように、その内部を銅製で複数のシール
冷却用パイプ6が垂直方向に沿って貫通すると共に、当
該炉壁4の円周方向に沿って間隔を置き且つ等間隔にて
配置されている。また、炉壁4の外周面には、非導電性
で且つ気密性を有するフェノール樹脂などからなるシー
ル筒8が被覆されている。尚、図3(A)に示すように、
隣接するシール冷却用パイプ6,6の中心間距離Lは、
各パイプ6の外径Dの約2倍以上で且つ4倍以下に設定
される。因みに、内側3で溶製する鋼材が約50kg程
度である場合、ルツボ2は、外径:約270mm×内径:
約200mm×高さ:約380mm、炉壁4の耐火物部
分は、厚み:約30mm×高さ:約250mm、シール筒
8の厚みは、約10mmである。また、冷却用パイプ6
は、外径:約10mm×内径:約8mmである。
図3(A)に示すように、その内部を銅製で複数のシール
冷却用パイプ6が垂直方向に沿って貫通すると共に、当
該炉壁4の円周方向に沿って間隔を置き且つ等間隔にて
配置されている。また、炉壁4の外周面には、非導電性
で且つ気密性を有するフェノール樹脂などからなるシー
ル筒8が被覆されている。尚、図3(A)に示すように、
隣接するシール冷却用パイプ6,6の中心間距離Lは、
各パイプ6の外径Dの約2倍以上で且つ4倍以下に設定
される。因みに、内側3で溶製する鋼材が約50kg程
度である場合、ルツボ2は、外径:約270mm×内径:
約200mm×高さ:約380mm、炉壁4の耐火物部
分は、厚み:約30mm×高さ:約250mm、シール筒
8の厚みは、約10mmである。また、冷却用パイプ6
は、外径:約10mm×内径:約8mmである。
【0015】図1、図2に示すように、炉壁4の下端に
は、銅からなる円形のリング10が固定され、このリン
グ10内を貫通する円環形で中空のヘッダ部11は、上
記複数のシール冷却用パイプ6の各中空部7と連通して
いる。上記ヘッダ部11には、冷却水Wを受け入れる単
数または複数の給水口11aが連通している。一方、図
1、図2に示すように、炉壁4の上端には、銅からなる
円盤状のフランジ12が固定され、その内部には、上記
複数のシール冷却用パイプ6の中空部7と個別に連通す
る断面L字形状の排水路13が放射状に形成される。即
ち、冷却水Wは、図1,図2中の矢印で示すように、給
水口11aからヘッダ部11に給水され、各冷却用パイ
プ6の中空部7を分流しつつ炉壁4全体を冷却した後、
フランジ12の各排水路13から個別に排水される。
は、銅からなる円形のリング10が固定され、このリン
グ10内を貫通する円環形で中空のヘッダ部11は、上
記複数のシール冷却用パイプ6の各中空部7と連通して
いる。上記ヘッダ部11には、冷却水Wを受け入れる単
数または複数の給水口11aが連通している。一方、図
1、図2に示すように、炉壁4の上端には、銅からなる
円盤状のフランジ12が固定され、その内部には、上記
複数のシール冷却用パイプ6の中空部7と個別に連通す
る断面L字形状の排水路13が放射状に形成される。即
ち、冷却水Wは、図1,図2中の矢印で示すように、給
水口11aからヘッダ部11に給水され、各冷却用パイ
プ6の中空部7を分流しつつ炉壁4全体を冷却した後、
フランジ12の各排水路13から個別に排水される。
【0016】また、ルツボ2の炉底14は、図1,図2
に示すように、銅からなり且つ厚肉の円盤形を呈する底
本体15と、その表面(上面)の中心部付近に配置したア
ルミナなどの耐火物からなる薄肉で円形の耐火部16
と、からなる。底本体15の外周面には、段部15aが
位置し、炉壁4の下部とリング10とに包囲されてい
る。尚、耐火部16は、底本体15の表面において約3
0%の面積を占める。更に、シール筒8の外側に所要の
間隔をおいて螺旋状に巻き付けられた誘導コイル18
は、断面ほぼ角形で且つその内部を冷却水流路19が貫
通している。尚、以上のようなルツボ2の内側3には、
図1に示すように、鋳造装置20の昇降可能なチャンバ
22から垂下する耐熱性のノズル24が進入し、このチ
ャンバ22によりルツボ2の内側3の開口部が閉塞され
る。上記チャンバ22内には、図示しない通気性鋳型が
配置され、その鋳型の鋳込み用キャビティ内に上端が連
通する上記ノズル24が、チャンバ22底部の通し孔2
3を貫通している。
に示すように、銅からなり且つ厚肉の円盤形を呈する底
本体15と、その表面(上面)の中心部付近に配置したア
ルミナなどの耐火物からなる薄肉で円形の耐火部16
と、からなる。底本体15の外周面には、段部15aが
位置し、炉壁4の下部とリング10とに包囲されてい
る。尚、耐火部16は、底本体15の表面において約3
0%の面積を占める。更に、シール筒8の外側に所要の
間隔をおいて螺旋状に巻き付けられた誘導コイル18
は、断面ほぼ角形で且つその内部を冷却水流路19が貫
通している。尚、以上のようなルツボ2の内側3には、
図1に示すように、鋳造装置20の昇降可能なチャンバ
22から垂下する耐熱性のノズル24が進入し、このチ
ャンバ22によりルツボ2の内側3の開口部が閉塞され
る。上記チャンバ22内には、図示しない通気性鋳型が
配置され、その鋳型の鋳込み用キャビティ内に上端が連
通する上記ノズル24が、チャンバ22底部の通し孔2
3を貫通している。
【0017】図3(B)は、前記溶解装置1において、ル
ツボ2の内側3に装入した溶製材をセミレビテーション
溶解して、ほぼ半球形状に立ち上がった溶融金属Mを得
た状態を示す。この際、図3(B)中にて複数の矢印で示
すように、誘導コイル18からの磁界により生じたロー
レンツ斥力(電磁気圧)Pmが、求心状にルツボ2の内側
3に対して作用する。同時に、誘導コイル18に周囲に
形成された磁界がシール筒8および冷却用パイプ6,6
間の炉壁4を貫通し、上記原料を誘導加熱し且つこれを
溶融して溶融金属Mとする。かかる溶融金属Mは、図3
(B)に示すように、上記ローレンツ斥力Pmのピンチ効
果により、ルツボ2の中心部寄りに圧縮され且つ立ち上
がるため、炉底14の表面にのみ接触し、炉壁4の内周
面5には接触しにくくなる。
ツボ2の内側3に装入した溶製材をセミレビテーション
溶解して、ほぼ半球形状に立ち上がった溶融金属Mを得
た状態を示す。この際、図3(B)中にて複数の矢印で示
すように、誘導コイル18からの磁界により生じたロー
レンツ斥力(電磁気圧)Pmが、求心状にルツボ2の内側
3に対して作用する。同時に、誘導コイル18に周囲に
形成された磁界がシール筒8および冷却用パイプ6,6
間の炉壁4を貫通し、上記原料を誘導加熱し且つこれを
溶融して溶融金属Mとする。かかる溶融金属Mは、図3
(B)に示すように、上記ローレンツ斥力Pmのピンチ効
果により、ルツボ2の中心部寄りに圧縮され且つ立ち上
がるため、炉底14の表面にのみ接触し、炉壁4の内周
面5には接触しにくくなる。
【0018】溶融金属Mと炉壁4との接触を完全に断つ
には、図3(C)に示すように、ローレンツ斥力Pmが溶
融金属Mの静水圧ρghと等しい位置に炉底14の表面
のレベル(高さ)を設定する。あるいは、ローレンツ斥力
Pmが溶融金属Mの静水圧ρghよりも大きくなるよう
に、炉底14の表面のレベルを更に高く設定する。尚、
図3(C)に示すように、ローレンツ斥力Pmは、誘導コ
イル18における中間高さ付近が最大となるほぼガウス
曲線の分布となる。また、溶融金属Mの静水圧ρgh
は、図3(B)中で溶融金属Mの最大高さhとなる中心部
が最大となり、炉底14の表面に接するその底部の周辺
が最小となる。この結果、溶融金属Mが炉壁4を形成す
る耐火物に接触しなくなるため、非汚染の状態で且つ高
い電力効率により、完全なセミレビテーション(半磁気
浮揚)溶解を行うことができる。
には、図3(C)に示すように、ローレンツ斥力Pmが溶
融金属Mの静水圧ρghと等しい位置に炉底14の表面
のレベル(高さ)を設定する。あるいは、ローレンツ斥力
Pmが溶融金属Mの静水圧ρghよりも大きくなるよう
に、炉底14の表面のレベルを更に高く設定する。尚、
図3(C)に示すように、ローレンツ斥力Pmは、誘導コ
イル18における中間高さ付近が最大となるほぼガウス
曲線の分布となる。また、溶融金属Mの静水圧ρgh
は、図3(B)中で溶融金属Mの最大高さhとなる中心部
が最大となり、炉底14の表面に接するその底部の周辺
が最小となる。この結果、溶融金属Mが炉壁4を形成す
る耐火物に接触しなくなるため、非汚染の状態で且つ高
い電力効率により、完全なセミレビテーション(半磁気
浮揚)溶解を行うことができる。
【0019】ここで、以上のような溶解装置1を用いた
溶解方法を図4により説明する。図4(A)に示すよう
に、ルツボ2の内側3に所望の金属からなる原料Gまた
は所定の合金成分に調整された原料Gを装入する。この
際、原料Gは、通常、炉壁4の内周面5と点接触により
接触する。また、ルツボ2の内側3内は、予め不活性ガ
スまたは真空を含む減圧雰囲気下になるように、前記鋳
造装置20がルツボ2の上方に降下して載置されてい
る。かかる状態で、誘導コイル18に所定の高周波電流
を通電する。すると、図4(B)中の矢印で示すように、
誘導コイル18からの磁界によるローレンツ斥力Pmが
ルツボ2の内側3に対して求心状に作用する。同時に、
誘導コイル18に周囲に形成された磁界がシール筒8お
よび冷却用パイプ6,6間の炉壁4を貫通し、上記原料
Gを誘導加熱し溶融する。従って、原料Gは、その表面
から徐々に溶融し始めると共に、上記ローレンツ斥力
(電磁気圧)Pmにより立ち上がる。
溶解方法を図4により説明する。図4(A)に示すよう
に、ルツボ2の内側3に所望の金属からなる原料Gまた
は所定の合金成分に調整された原料Gを装入する。この
際、原料Gは、通常、炉壁4の内周面5と点接触により
接触する。また、ルツボ2の内側3内は、予め不活性ガ
スまたは真空を含む減圧雰囲気下になるように、前記鋳
造装置20がルツボ2の上方に降下して載置されてい
る。かかる状態で、誘導コイル18に所定の高周波電流
を通電する。すると、図4(B)中の矢印で示すように、
誘導コイル18からの磁界によるローレンツ斥力Pmが
ルツボ2の内側3に対して求心状に作用する。同時に、
誘導コイル18に周囲に形成された磁界がシール筒8お
よび冷却用パイプ6,6間の炉壁4を貫通し、上記原料
Gを誘導加熱し溶融する。従って、原料Gは、その表面
から徐々に溶融し始めると共に、上記ローレンツ斥力
(電磁気圧)Pmにより立ち上がる。
【0020】引き続いて、誘導コイル18に所定の高周
波電流を通電すると、図4(C)に示すように、上記原料
Gは、全て溶解して溶融金属Mになり、この溶融金属M
は、上記ローレンツ斥力Pmによる求心状のピンチ効果
により、ほぼ半球形状に立ち上がった姿勢の半浮揚溶
解、即ち完全なセミレビテーション溶解の状態となる。
この際、溶融金属Mは、炉壁4の内周面5には全く接触
しないため、当該炉壁4の耐火物による汚染を受けな
い。また、溶融金属M中を浮遊する非金属介在物は、上
記ローレンツ斥力Pmにより、当該溶融金属Mの表面に
はじき出される。更に、図1に示したように、溶融金属
Mは、炉底14の底本体15における表面に接触して冷
却されるため、薄いリング形の凝固部Sを形成するが、
該炉底14の中心部には、耐火部16が位置するため、
溶融金属Mからの過度の放熱を防止する。従って、高い
電力効率にてセミレビテーション溶解を行うことができ
る。
波電流を通電すると、図4(C)に示すように、上記原料
Gは、全て溶解して溶融金属Mになり、この溶融金属M
は、上記ローレンツ斥力Pmによる求心状のピンチ効果
により、ほぼ半球形状に立ち上がった姿勢の半浮揚溶
解、即ち完全なセミレビテーション溶解の状態となる。
この際、溶融金属Mは、炉壁4の内周面5には全く接触
しないため、当該炉壁4の耐火物による汚染を受けな
い。また、溶融金属M中を浮遊する非金属介在物は、上
記ローレンツ斥力Pmにより、当該溶融金属Mの表面に
はじき出される。更に、図1に示したように、溶融金属
Mは、炉底14の底本体15における表面に接触して冷
却されるため、薄いリング形の凝固部Sを形成するが、
該炉底14の中心部には、耐火部16が位置するため、
溶融金属Mからの過度の放熱を防止する。従って、高い
電力効率にてセミレビテーション溶解を行うことができ
る。
【0021】前記図1に示したように、ルツボ2内で溶
解されほぼ半球形状に立ち上がった溶融金属Mの頂部付
近に、予め降下させた鋳造装置20のチャンバ22から
垂下するノズル24が進入し、例えば減圧吸引鋳造また
は加圧押上鋳造が行われる。この際、上記チャンバ22
の底部により密閉されたルツボ2の内側3内は、予め、
アルゴンなどの不活性ガスによる減圧雰囲気または大気
圧雰囲気とされていると共に、チャンバ22からノズル
24を介して減圧されるか、内側3内に不活性ガスが更
に供給され、加圧された不活性ガスの雰囲気とされる。
この結果、図1において、溶融金属Mは、ノズル24を
介してチャンバ22内の図示しない通気性鋳型における
キャビティ内に鋳込まれ、形状および寸法精度に優れた
鋳造製品を成形する精密鋳造を行うことができる。以上
のように、溶解装置1によれば、各種の金属または合金
を高い電力効率により且つ非汚染でセミレビテーション
溶解を確実且つ容易に行うことができる。また、ルツボ
2の炉壁4には、溶融金属Mが付着しないため、次に溶
解する異なる種類の金属または合金に対する不純金属も
生じず、健全な溶解が可能となる。
解されほぼ半球形状に立ち上がった溶融金属Mの頂部付
近に、予め降下させた鋳造装置20のチャンバ22から
垂下するノズル24が進入し、例えば減圧吸引鋳造また
は加圧押上鋳造が行われる。この際、上記チャンバ22
の底部により密閉されたルツボ2の内側3内は、予め、
アルゴンなどの不活性ガスによる減圧雰囲気または大気
圧雰囲気とされていると共に、チャンバ22からノズル
24を介して減圧されるか、内側3内に不活性ガスが更
に供給され、加圧された不活性ガスの雰囲気とされる。
この結果、図1において、溶融金属Mは、ノズル24を
介してチャンバ22内の図示しない通気性鋳型における
キャビティ内に鋳込まれ、形状および寸法精度に優れた
鋳造製品を成形する精密鋳造を行うことができる。以上
のように、溶解装置1によれば、各種の金属または合金
を高い電力効率により且つ非汚染でセミレビテーション
溶解を確実且つ容易に行うことができる。また、ルツボ
2の炉壁4には、溶融金属Mが付着しないため、次に溶
解する異なる種類の金属または合金に対する不純金属も
生じず、健全な溶解が可能となる。
【0022】
【実施例】以下において、本発明による実施例の溶解装
置1を用いた具体的な溶解方法を、比較例1,2の溶解
装置を用いた溶解方法と併せて説明する。前述したサイ
ズのルツボ2および誘導コイル18を備える実施例の溶
解装置1を用意した。一方、実施例と同様のサイズで且
つ前記図5(A),(B)に示した複数の絶縁スリット36
を有する銅製の水冷金属ルツボ32および誘導コイル3
9を備える比較例1の溶解装置30と、上記と同様なサ
イズで耐火物(アルミナ)からなるルツボの外周に誘導コ
イルを巻き付け且つこれらを真空容器に内蔵した比較例
2の溶解装置(真空誘導溶解炉)と、をそれぞれ用意し
た。各例のルツボ2,32内にNi合金(Ni−13wt
%Cr−6wt%Al−4wt%Mo−2wt%(Ta+Nb)
−1wt%Ti、商品名:インコネル713C相当)の原
料Gをそれぞれ50kgずつ個別に装入し、それぞれの
誘導コイル18,39に所定の高周波電流を通電した。
置1を用いた具体的な溶解方法を、比較例1,2の溶解
装置を用いた溶解方法と併せて説明する。前述したサイ
ズのルツボ2および誘導コイル18を備える実施例の溶
解装置1を用意した。一方、実施例と同様のサイズで且
つ前記図5(A),(B)に示した複数の絶縁スリット36
を有する銅製の水冷金属ルツボ32および誘導コイル3
9を備える比較例1の溶解装置30と、上記と同様なサ
イズで耐火物(アルミナ)からなるルツボの外周に誘導コ
イルを巻き付け且つこれらを真空容器に内蔵した比較例
2の溶解装置(真空誘導溶解炉)と、をそれぞれ用意し
た。各例のルツボ2,32内にNi合金(Ni−13wt
%Cr−6wt%Al−4wt%Mo−2wt%(Ta+Nb)
−1wt%Ti、商品名:インコネル713C相当)の原
料Gをそれぞれ50kgずつ個別に装入し、それぞれの
誘導コイル18,39に所定の高周波電流を通電した。
【0023】尚、実施例および比較例1,2のルツボ
2,32の内側3などは、図示しない鋳型を含む前記チ
ャンバ22で密閉し且つ実施例と比較例1はアルゴン1
00%の雰囲気とし、比較例2の真空容器内もアルゴン
100%の雰囲気とした。各例において、前記原料Gか
ら溶解された溶湯(溶融金属)Mの品質や汚染性を、加圧
鋳造により得られた各例の鋳造製品およびルツボ2,3
2から個別に判定し、その結果を表1に示した。尚、表
1中において、○は、非金属介在物または不純金属(残
留付着金属)がないか極く微量に留まったことを、△
は、非金属介在物が少量認められたことを、×は、不純
金属が顕著に認められたことを示す。また、各例の溶解
装置1,32における溶解設備、溶融金属の生産性、お
よび稼働コストについても、それぞれの具体的に項目に
ついて、表1に示した。
2,32の内側3などは、図示しない鋳型を含む前記チ
ャンバ22で密閉し且つ実施例と比較例1はアルゴン1
00%の雰囲気とし、比較例2の真空容器内もアルゴン
100%の雰囲気とした。各例において、前記原料Gか
ら溶解された溶湯(溶融金属)Mの品質や汚染性を、加圧
鋳造により得られた各例の鋳造製品およびルツボ2,3
2から個別に判定し、その結果を表1に示した。尚、表
1中において、○は、非金属介在物または不純金属(残
留付着金属)がないか極く微量に留まったことを、△
は、非金属介在物が少量認められたことを、×は、不純
金属が顕著に認められたことを示す。また、各例の溶解
装置1,32における溶解設備、溶融金属の生産性、お
よび稼働コストについても、それぞれの具体的に項目に
ついて、表1に示した。
【0024】
【表1】
【0025】表1によれば、実施例および比較例1で
は、溶湯Mに非金属介在物がなく、且つ次に溶解する異
種金属に対する不純金属が残留しなかった。一方、比較
例2では、溶湯Mにアルミナ(非金属介在物)が少量含ま
れ、且つ次に溶解する異種金属に対する不純金属が残留
していた。この結果から、実施例および比較例1の溶解
装置1,30によるセミレビテーション溶解の非汚染の
効果が認められた。また、表1によれば、溶解設備の電
源出力において、実施例と比較例2とは、同じ250k
Wの低いのに対し、比較例2は600kWと高くなり、
且つ設備コストでは実施例が最も低くなった。これは、
実施例の溶解装置1が耐火物の炉壁4を含むルツボ2を
用い且つ真空容器を用いないことに起因した結果であ
る。
は、溶湯Mに非金属介在物がなく、且つ次に溶解する異
種金属に対する不純金属が残留しなかった。一方、比較
例2では、溶湯Mにアルミナ(非金属介在物)が少量含ま
れ、且つ次に溶解する異種金属に対する不純金属が残留
していた。この結果から、実施例および比較例1の溶解
装置1,30によるセミレビテーション溶解の非汚染の
効果が認められた。また、表1によれば、溶解設備の電
源出力において、実施例と比較例2とは、同じ250k
Wの低いのに対し、比較例2は600kWと高くなり、
且つ設備コストでは実施例が最も低くなった。これは、
実施例の溶解装置1が耐火物の炉壁4を含むルツボ2を
用い且つ真空容器を用いないことに起因した結果であ
る。
【0026】更に、表1によれば、生産性の電力効率に
おいて、実施例と比較例2とが50%と高いのに対し、
比較例2は銅製のルツボ32を用いたことにより、30
%と低くなった。また、稼働率では、セミレビテーショ
ン溶解を行う実施例と比較例1とが同じく80%と高い
のに対し、比較例2では40%と低くなった。尚、溶解
能率では、比較例1が最も高く、以下、実施例、比較例
2の順となった。加えて、表1によれば、稼働コストの
電力において、実施例および比較例2が1.6kWh/
装入kgと低いのに対し、比較例1は約2倍の3.0k
Wh/装入kgと高くなり、ルツボ費では、耐火物の使
用量およびそのメンテナンス量に比例して、比較例1、
実施例、比較例2の順となった。以上の結果によれば、
実施例の溶解装置1を用いた溶解方法によれば、前記原
料Gを非汚染で溶解でき、設備も小さく低コストととな
り、電力効率を含む生産性も比較例1,2に比べて高く
なると共に、電力を含む稼働コストも最も低くなった。
かかる実施例の結果により、本発明の溶解装置1の作用
が裏付けられ、且つその効果が確認された。
おいて、実施例と比較例2とが50%と高いのに対し、
比較例2は銅製のルツボ32を用いたことにより、30
%と低くなった。また、稼働率では、セミレビテーショ
ン溶解を行う実施例と比較例1とが同じく80%と高い
のに対し、比較例2では40%と低くなった。尚、溶解
能率では、比較例1が最も高く、以下、実施例、比較例
2の順となった。加えて、表1によれば、稼働コストの
電力において、実施例および比較例2が1.6kWh/
装入kgと低いのに対し、比較例1は約2倍の3.0k
Wh/装入kgと高くなり、ルツボ費では、耐火物の使
用量およびそのメンテナンス量に比例して、比較例1、
実施例、比較例2の順となった。以上の結果によれば、
実施例の溶解装置1を用いた溶解方法によれば、前記原
料Gを非汚染で溶解でき、設備も小さく低コストととな
り、電力効率を含む生産性も比較例1,2に比べて高く
なると共に、電力を含む稼働コストも最も低くなった。
かかる実施例の結果により、本発明の溶解装置1の作用
が裏付けられ、且つその効果が確認された。
【0027】本発明は、以上に説明した実施の形態や実
施例に限定されるものではない。例えば、前記ルツボ2
の炉壁4を貫通するシール冷却用パイプ6は、該炉壁4
を僅かに傾斜しつつ貫通しても良く、且つその断面も炉
壁4の内外方向に沿って偏平な長方形、長円形、または
楕円形断面のパイプを用いることも可能である。また、
前記ルツボ2の炉底14は、銅やその合金製で且つ円盤
状の底本体15のみからなる形態としても良い。且つ、
かかる本体15や前記耐火部16を有する底本体15の
内部にも、冷却水などの冷却媒体用の流路を形成しても
良い。更に、前記ルツボ2の内側3の開口部には、かか
る内側3を外部から密閉する炉蓋を載置して、その内側
3を減圧または加圧下の不活性ガス雰囲気または真空状
態としても良い。尚、本発明は、その趣旨を逸脱しない
範囲で適宜変更することも可能である。
施例に限定されるものではない。例えば、前記ルツボ2
の炉壁4を貫通するシール冷却用パイプ6は、該炉壁4
を僅かに傾斜しつつ貫通しても良く、且つその断面も炉
壁4の内外方向に沿って偏平な長方形、長円形、または
楕円形断面のパイプを用いることも可能である。また、
前記ルツボ2の炉底14は、銅やその合金製で且つ円盤
状の底本体15のみからなる形態としても良い。且つ、
かかる本体15や前記耐火部16を有する底本体15の
内部にも、冷却水などの冷却媒体用の流路を形成しても
良い。更に、前記ルツボ2の内側3の開口部には、かか
る内側3を外部から密閉する炉蓋を載置して、その内側
3を減圧または加圧下の不活性ガス雰囲気または真空状
態としても良い。尚、本発明は、その趣旨を逸脱しない
範囲で適宜変更することも可能である。
【0028】
【発明の効果】以上に説明した本発明の金属の溶解装置
(請求項1)によれば、誘導コイルの周囲に形成される磁
界は、ルツボ内に収容された被溶製材の原料または溶融
金属に十分浸透し、これを誘導加熱すると同時に、この
溶融金属は、ローレンツ斥力により、ルツボ内で立ち上
がり炉壁の耐火物に接触しにくくなる。従って、少ない
電力により非汚染でセミレビテーション溶解が可能とな
り、電力効率が向上すると共に、各種の金属や合金を非
汚染且つ低コストで溶解することができる。また、請求
項3の金属の溶解装置によれば、前記ルツボの炉壁を形
成する耐火物を確実に冷却しつつ、誘導コイルからの磁
界や電磁気圧を隣接する冷却用パイプ間からルツボ内の
溶製材や溶融金属に容易に浸透させることが可能とな
る。
(請求項1)によれば、誘導コイルの周囲に形成される磁
界は、ルツボ内に収容された被溶製材の原料または溶融
金属に十分浸透し、これを誘導加熱すると同時に、この
溶融金属は、ローレンツ斥力により、ルツボ内で立ち上
がり炉壁の耐火物に接触しにくくなる。従って、少ない
電力により非汚染でセミレビテーション溶解が可能とな
り、電力効率が向上すると共に、各種の金属や合金を非
汚染且つ低コストで溶解することができる。また、請求
項3の金属の溶解装置によれば、前記ルツボの炉壁を形
成する耐火物を確実に冷却しつつ、誘導コイルからの磁
界や電磁気圧を隣接する冷却用パイプ間からルツボ内の
溶製材や溶融金属に容易に浸透させることが可能とな
る。
【0029】更に、請求項4の金属の溶解装置によれ
ば、溶解された溶融金属は、その底部の周辺部分が前記
ルツボの金属からなる炉底と接触するため、非汚染の状
態を保てると共に、かかる炉底の中心部付近は、耐火部
が位置して、過度の放熱を阻止するため、電力効率の向
上に妨げない。しかも、炉底の耐火部は、損傷しても取
り替えが容易であるため、そのメンテナンスも容易とな
る。加えて、請求項5の金属の溶解装置によれば、ルツ
ボの炉底の表面は、ルツボ内の溶融金属に対して働くロ
ーレンツ斥力が当該溶融金属の静水圧と同じかそれ以上
の高さとなる。従って、溶融金属がルツボの炉壁に接触
する事態を防止でき、非汚染で高い電力効率による完全
なセミレビテーション溶解を確実に行える。
ば、溶解された溶融金属は、その底部の周辺部分が前記
ルツボの金属からなる炉底と接触するため、非汚染の状
態を保てると共に、かかる炉底の中心部付近は、耐火部
が位置して、過度の放熱を阻止するため、電力効率の向
上に妨げない。しかも、炉底の耐火部は、損傷しても取
り替えが容易であるため、そのメンテナンスも容易とな
る。加えて、請求項5の金属の溶解装置によれば、ルツ
ボの炉底の表面は、ルツボ内の溶融金属に対して働くロ
ーレンツ斥力が当該溶融金属の静水圧と同じかそれ以上
の高さとなる。従って、溶融金属がルツボの炉壁に接触
する事態を防止でき、非汚染で高い電力効率による完全
なセミレビテーション溶解を確実に行える。
【図1】本発明における金属の溶解装置1の使用状態を
示す垂直断面図。
示す垂直断面図。
【図2】図1の溶解装置の垂直断面を含む斜視図。
【図3】(A)は図1,2に示した溶解装置の水平断面
図、(B)は図1,2の溶解装置における作用を示す概略
図、(C)はローレンツ斥力と溶融金属の静水圧との関係
を示す概略図。
図、(B)は図1,2の溶解装置における作用を示す概略
図、(C)はローレンツ斥力と溶融金属の静水圧との関係
を示す概略図。
【図4】(A)〜(C)は図1,2に示した溶解装置の使用
状態を示す概略図。
状態を示す概略図。
【図5】(A)は従来の溶解装置のルツボを示す斜視図、
(B)は(A)中のB−B線に沿った矢視における断面図、
(C)はかかるルツボを用いる従来の溶解装置およびその
使用状態を示す垂直断面図。
(B)は(A)中のB−B線に沿った矢視における断面図、
(C)はかかるルツボを用いる従来の溶解装置およびその
使用状態を示す垂直断面図。
1………溶解装置
2………ルツボ
4………炉壁
6………シール冷却用パイプ
8………シール筒
14……炉底
16……耐火部
18……誘導コイル
L………中心間距離
D………冷却パイプの外径
M………溶融金属
Pm……ローレンツ斥力
ρgh…溶融金属の静水圧
Claims (6)
- 【請求項1】耐火物からなりほぼ円筒形を呈するルツボ
の炉壁と、 上記炉壁中をほぼ垂直方向に沿って貫通し且つ当該炉壁
の円周方向に沿って間隔を置いて配置される複数のシー
ル冷却用パイプと、 上記ルツボの炉壁の外周面を覆う非導電性で且つ気密性
のシール筒と、 上記シール筒の外側に沿って螺旋状に巻き付けた誘導コ
イルと、を含む、 ことを特徴とする金属の溶解装置。 - 【請求項2】前記シール冷却用パイプは、良導電性で且
つ冷却水などを流通させる金属パイプからなると共に、
前記誘導コイルの巻き付け方向とほぼ直交して前記ルツ
ボの炉壁中に埋設されている、 ことを特徴とする請求項1に記載の金属の溶解装置。 - 【請求項3】前記隣接する複数のシール冷却用パイプの
中心間距離は、各冷却用パイプの外径の4倍以下であ
る、 ことを特徴とする請求項1または2に記載の金属の溶解
装置。 - 【請求項4】前記ルツボの底面を形成する炉底は、良導
電性の金属からなると共に、当該炉底表面の中心部付近
には耐火物からなる耐火部が配置されている、ことを特
徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の金属の溶
解装置。 - 【請求項5】前記ルツボの炉底の表面は、前記誘導コイ
ルによりルツボ内の溶融金属に対して働くローレンツ斥
力が、かかるローレンツ斥力により立ち上がる溶融金属
の静水圧と等しいか、これよりも大きくなるレベルに設
定されている、ことを特徴とする請求項1乃至4の何れ
か一項に記載の金属の溶解装置。 - 【請求項6】前記シール筒は、フェノール樹脂、フッ素
樹脂、ポリイミド樹脂、ガラス繊維強化フェノール樹
脂、ガラス繊維強化ポリイミド樹脂、ガラス繊維強化エ
ポキシ樹脂、またはガラス繊維強化無機バインダの何れ
かからなる、 ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の
金属の溶解装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002027535A JP2003227687A (ja) | 2002-02-05 | 2002-02-05 | 金属の溶解装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002027535A JP2003227687A (ja) | 2002-02-05 | 2002-02-05 | 金属の溶解装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003227687A true JP2003227687A (ja) | 2003-08-15 |
Family
ID=27749009
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002027535A Withdrawn JP2003227687A (ja) | 2002-02-05 | 2002-02-05 | 金属の溶解装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003227687A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010056493A2 (en) * | 2008-11-12 | 2010-05-20 | Proveit Llc | Device for magnetic heat induction and exchange to mobile streams of matter |
US7967057B2 (en) | 2005-11-30 | 2011-06-28 | Kobe Steel, Ltd. | Induction melting apparatus employing halide type crucible, process for producing the crucible, method of induction melting, and process for producing ingot of ultrahigh-purity Fe-, Ni-, or Co-based alloy material |
CN107560432A (zh) * | 2017-09-27 | 2018-01-09 | 徐州东南钢铁工业有限公司 | 一种中频感应冷却系统 |
CN108489265A (zh) * | 2018-03-09 | 2018-09-04 | 郁平 | 一种岩棉生产的全氧燃烧技术及全氧燃烧熔化炉 |
-
2002
- 2002-02-05 JP JP2002027535A patent/JP2003227687A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7967057B2 (en) | 2005-11-30 | 2011-06-28 | Kobe Steel, Ltd. | Induction melting apparatus employing halide type crucible, process for producing the crucible, method of induction melting, and process for producing ingot of ultrahigh-purity Fe-, Ni-, or Co-based alloy material |
WO2010056493A2 (en) * | 2008-11-12 | 2010-05-20 | Proveit Llc | Device for magnetic heat induction and exchange to mobile streams of matter |
WO2010056493A3 (en) * | 2008-11-12 | 2010-07-08 | Proveit Llc | Device for magnetic heat induction and exchange to mobile streams of matter |
US8766149B2 (en) | 2008-11-12 | 2014-07-01 | Prove It, Llc | Device for magnetic heat induction and exchange to mobile streams of matter |
CN107560432A (zh) * | 2017-09-27 | 2018-01-09 | 徐州东南钢铁工业有限公司 | 一种中频感应冷却系统 |
CN108489265A (zh) * | 2018-03-09 | 2018-09-04 | 郁平 | 一种岩棉生产的全氧燃烧技术及全氧燃烧熔化炉 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US2085450A (en) | Apparatus for producing metallic ingots | |
US3547622A (en) | D.c. powered plasma arc method and apparatus for refining molten metal | |
US4738713A (en) | Method for induction melting reactive metals and alloys | |
US10843259B2 (en) | Casting method | |
KR20090054921A (ko) | 고 반응성 티타늄 금속을 원심 주조하는 시스템 | |
KR20160105428A (ko) | 큰 단면을 갖는 긴 주괴의 생산을 위한 방법 및 플랜트 | |
JP3003914B2 (ja) | 活性金属を含有する銅合金の製造方法 | |
US5913353A (en) | Process for casting light metals | |
US20080298425A1 (en) | Method and apparatus for melting metals using both alternating current and direct current | |
US20140326427A1 (en) | Method and apparatus for reducing bubbles or gas pockets in a metal ingot using a continuous casting mold | |
JPH04504981A (ja) | 反応性合金の誘導スカル紡糸 | |
CN119317726A (zh) | 用于生产高纯度铜基合金的设备和方法 | |
JP2003227687A (ja) | 金属の溶解装置 | |
JP2008002762A (ja) | 浮揚溶解装置およびそれを用いた加熱調理器の製造方法 | |
US5193607A (en) | Method for precision casting of titanium or titanium alloy | |
US4132545A (en) | Method of electroslag remelting processes using a preheated electrode shield | |
US3729307A (en) | Method and apparatus for electroslag remelting of metals,particularly steel | |
JP5000149B2 (ja) | コールドクルーシブル誘導溶解装置 | |
JP4263366B2 (ja) | 希土類磁石スクラップの溶解方法及び溶解装置 | |
JP6961110B2 (ja) | 環状要素による浮揚熔解法 | |
US4192370A (en) | Device for effecting electroslag remelting processes | |
EP0457502A1 (en) | Method and apparatus for precision casting | |
US3788381A (en) | Metal refining process | |
CN114799096B (zh) | 一种水平连铸炉及快速启炉方法 | |
JP2008142717A (ja) | Ti、Ti合金、またはTiAlの造塊方法および造塊装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20050405 |