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JP2003217375A - 電気接点およびそれを用いたブレーカー - Google Patents

電気接点およびそれを用いたブレーカー

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JP2003217375A
JP2003217375A JP2002011121A JP2002011121A JP2003217375A JP 2003217375 A JP2003217375 A JP 2003217375A JP 2002011121 A JP2002011121 A JP 2002011121A JP 2002011121 A JP2002011121 A JP 2002011121A JP 2003217375 A JP2003217375 A JP 2003217375A
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JP
Japan
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hardness
same
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contact
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002011121A
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English (en)
Inventor
Noboru Uenishi
昇 上西
Norito Koma
紀人 胡間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
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Priority to PCT/JP2003/000294 priority patent/WO2003063191A1/ja
Priority to EP03700586A priority patent/EP1475814A4/en
Priority to CNA038025310A priority patent/CN1620706A/zh
Priority to US10/501,960 priority patent/US6974923B2/en
Priority to KR10-2004-7011209A priority patent/KR20040071327A/ko
Publication of JP2003217375A publication Critical patent/JP2003217375A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CdフリーのAg合金にてブレーカーに
適用できる優れた電気接点を提供する。 【解決手段】 SnおよびInをともに1〜9質量%含
む化学組成のAg合金からなり、表面部の第一層と内部
の第二層とを有し、第一層および第二層の硬度が、JI
Sに規定されるマイクロビッカース基準で、それぞれ1
90以上、130以下であり、第一層の厚みが、10〜
360μmの範囲内にあり、特に耐溶着特性に加え、温
度特性にも優れた電気接点。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として配線遮断
器、ノーヒューズブレーカー、漏電遮断器、サーキット
ブレーカー、安全ブレーカーなど、分電盤に用いられる
ブレーカー(以下本発明では、これらをまとめて単にブ
レーカーと言う。)に有用な電気接点およびそれを用い
たブレーカーに関する。
【0002】
【従来の技術】ブレーカー用の電気接点の材料には、従
来からCd、Sn、Inなどの酸化物が分散されたAg
合金が広く使われてきた。特にCd酸化物が分散された
ものは、この種の電気接点に好適であり、ブレーカーに
広く使われてきた。しかしながらCd化合物には毒性の
問題がある。このためこれに代わる電気接点の材料とし
てSn、Inなどの酸化物が分散された、いわゆるCd
フリーのAg合金の開発が、近年になって強く望まれる
ようになり、数多くの材料が開発され、数多くの電気機
器に使われるようになっている。
【0003】CdフリーのAg合金からなる電気接点
は、温度特性が重視される比較的低負荷の電気機器や接
触抵抗を問題とするコンタクターのような軽負荷の機器
には適している。しかしながら定格電流が10A以上を
要求されるブレーカー用の電気接点として用いる場合に
は、Cd入りのものに比べその性能が劣っているのが現
状である。例えば本発明の主たる対象である定格電流が
10A以上、遮断電流1.5KA以上のブレーカーの多
くが現在でもCdを10質量%以上含有した電気接点を
使っており、他方CdフリーのAg合金からなる電気接
点は、主にマグネットスイッチやリレーなどに通常使わ
れている。
【0004】ブレーカー用電気接点に要求される特性に
は、(1)耐溶着特性、(2)初期段階での温度特性、
(3)過負荷試験後の温度特性、(4)耐久試験後の温
度特性、(5)遮断試験後の絶縁特性、(6)耐消耗特
性などが挙げられる。これらの特性を同じ化学組成・微
細組織の単一材料で確認すると、例えば(1)と(2)
のようにトレードオフの関係にある特性がある。したが
って一つの材料からなる電気接点を用いる場合には、ト
レードオフの関係にある一方の要求特性を犠牲にする必
要がある。CdフリーのAg合金からなる電気接点が、
ブレーカー向けのCd入り電気接点にとって変わるため
にレベルアップしなければならない特性の第一は、耐溶
着特性であり、第二は、同じ材料ではこれとトレードオ
フの関係にある温度特性である。またブレーカーは、比
較的高い定格電流・遮断容量の領域で安定して使えるこ
とが重要であり、耐消耗特性や遮断特性についてもある
程度のレベルまで上げる必要がある。そこでトレードオ
フの関係にある一方の特性に秀でた別の材料と組み合わ
せてこれと複合化し、複合接点とする試みがなされてき
た。その中から本発明に比較的近い従来技術について以
下に述べる。
【0005】例えば特開昭58−189913号および
特開昭62−97213号の両公報には、複合化の例が
載っている。これらに記載された電気接点は、表面層に
耐消耗特性と耐溶着特性に優れた材料が、内層に遮断特
性に優れた材料が、それぞれ配置されたものであり、い
ずれの発明の電気接点も表面層にAg−Sn−In系合
金を、また実質的には内層に純AgやAg含有量の多い
高電導性の材料をそれぞれ配置し、アーク切れを良くす
るように工夫したものである。
【0006】前者は、短絡時のアーク遮断に備え内層に
比べ表面層をかなり厚目(内層が300ないし1200
μm程度であるのに対し、表面層が100〜300μm
程度)にするとともに、表面層が消耗した場合を考えて
内層との境界に凹凸状の継ぎ目を作り、アークによって
継ぎ目より上の表面層が消損した後にも表面層の一部が
残り、継続して使えるように工夫したものである。一方
後者は、表面層が前者に比べ少し薄目(10〜200μ
m)であるが、短絡時のアーク遮断に備え表面層に分散
される酸化物の量を多くして(例えば表面層がSnとI
nの酸化物が分散されたAg合金の場合、酸化物の総量
は10質量%以上)、その硬度を高めている。これらの
電気接点は、内層にAgやAg量の多い合金を使ってい
るので、確かに遮断時のアーク切れ時間は短いと思われ
るが、6KA以上の大電流を遮断するブレーカー用の接
点に使う場合、大きなアークが発生し表面層が消損した
直後に溶着事故の発生が懸念される。また上下のAg合
金素材の合わせ面に凹凸を入れ、嵌め合わせる作業は生
産性が悪く経済的ではない。
【0007】また特開昭61−114417号公報に
は、SnおよびInを含むAg合金からなり、表面層の
SnやInの酸化物、特にSnの酸化物の量が、内層の
それよりも少ない複合電気接点が開示されている。した
がってこの接点は、内層よりも低硬度の表面層からなる
ため、ブレーカー用の接点として用いた場合、表面層の
耐消耗特性が低くなり溶着事故が発生し易くなる。 さ
らに特開平10−188710号公報には、別の二層構
造の複合電気接点が紹介されている。この発明の電気接
点は、定格電流が100A以下のブレーカーを対象とし
たものである。二つの層は、主に耐溶着特性に優れた外
周層と、主に温度特性に優れた中央層とで構成される
が、両層とも主としてCd、SnおよびNiの酸化物が
分散されたAg合金からなる。この接点では両層の硬度
と接点表面部での両層の面積比率とを制御することによ
って、主に耐溶着特性と温度特性とが適正レベルに調整
される。なおこの電気接点の外周層の硬度はマイクロビ
ッカース基準で135以上、内層のそれは135未満で
ある。この発明によって、定格電流100A以下のブレ
ーカーに適した電気接点が提供される。しかしこの接点
は、多量のCdを含むため毒性の問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、毒性
に問題の無いCdフリーのAg合金からなり、トレード
オフの関係にある耐溶着特性と温度特性とが適正に制御
された電気接点、特に定格電流10A以上、遮断電流
1.5KA以上のブレーカーに有用な電気接点および同
接点を用いたブレーカーを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、SnおよびI
nをともに1〜9質量%含む化学組成のAg合金からな
り、表面部の第一層と内部の第二層とを有し、第一層お
よび第二層の硬度が、JISに規定されるマイクロビッ
カース基準で、それぞれ190以上、130以下であ
り、第一層の厚みが、10〜360μmの範囲内にある
電気接点である。さらに本発明は、この電気接点を用い
たブレーカーである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の電気接点は、Snおよび
Inをともに1〜9質量%含む化学組成を有し、残部は
Agおよび不可避的不純物からなる。なお通常これらの
成分は、Agマトリックス中に化合物、特に酸化物の形
態で分散される。Snの含有量を1〜9質量%とするの
は、1質量%未満では接点の耐溶着特性が劣化し、9質
量%を超えると接点の温度特性が低下するからである。
好ましくは2〜7質量%である。またInの含有量を
1〜9質量%とするのは、この範囲外の含有量の場合に
は接点の温度特性が低下するからであり、さらに9質量
%を超えると、Snの含有量にもよるが、耐溶着特性が
劣化するからである。 好ましくは3〜7質量%であ
る。
【0011】第一層の硬度(通常5g荷重負荷)をマイ
クロビッカース基準で190以上にするのは、このレベ
ル未満になると、耐溶着特性や温度特性が低下するから
であり、第二層の硬度をマイクロビッカース基準で13
0以下にするのは、このレベルを超えると、接点が脆弱
化して耐消耗特性が低下するからである。第一層の硬度
は240以上、 第二層のそれは120以下であるのが
望ましい。なお本発明での硬度は、接点の表面に垂直な
断面上の第一層および第二層それぞれの域内の任意の地
点でJISに規定されたマイクロビッカース基準にて確
認したものである。本発明の電気接点では第一層、第二
層それぞれの層内に硬度分布があっても構わず、上記基
準で確認される各層内の任意の地点で上記臨界値をクリ
ヤしておればよい。
【0012】本発明の電気接点には、通常第一層から第
二層にかけての境目に硬度落差(マイクロビッカース基
準で60以上)があり、この境目には両層の中間の硬度
を有する(すなわちその硬度が、第一層の下限硬度未満
かつ第二層の上限硬度を超える範囲内にある)領域(以
下中間部とも言う。)がある。この領域の厚みは、主に
製造時のAg合金段階で合金成分の層間熱拡散の進展や
加工歪みの入り具合がどの程度であるかによって変わ
る。さらに本発明の電気接点では、請求項1の構成の範
囲内であれば、両層の境目においても上記のような大き
な硬度落差が無く、表面から厚み方向に順次連続的また
は段階的に低下するものであってもよい。このような傾
斜機能的な組織は、例えば化学組成の異なるAg合金素
材を三層以上積層圧着したり、Ag合金段階での熱処理
条件を制御したりすることによって得ることができる。
【0013】第一層の厚みは、10〜360μmとす
る。下限未満では耐溶着特性や温度特性が低下し、上限
を超えると接点が脆弱化して耐消耗特性と温度特性が低
下するからである。 好ましくは30〜120μmであ
る。また上記のように本発明の電気接点には中間部のあ
るものも含まれるが、その場合の同部の厚みは200μ
m以下であるのが望ましい。200μmを超えると接点
の耐消耗特性ならびに温度特性が低下し易くなる。 好
ましくは100μm以下である。
【0014】第一層の厚みと中間部の厚みは、接点の中
心を通り表面に垂直な断面試片を使い以下のようにして
確認する。まず表面付近で試片面上で表面に水平な方向
に等間隔に5個所の起点を設定する。次いでこれら各々
の起点から表面に垂直な(厚み)方向に表面から順次ほ
ぼ等間隔に硬度を確認し、5本の硬度曲線(実際は折れ
線グラフ)を描く。図2は本発明の第一層・中間部の厚
みと第一層・第二層の硬度の定義とその求め方を説明す
るための模式図である。なお説明を簡明にするため図に
は5本の内の1本のみを描いている。図において縦軸は
JISのビッカース基準で表される硬度を、横軸は表面
からの距離をそれぞれ表している。黒丸の点は実測デー
タであり、実線で結ばれている。破線で表された水平線
の内31と32は、それぞれ第一層、第二層の硬度実測
データの算術平均値レベルを示す線である。33と34
は、それぞれ硬度レベル190、130を示す水平線で
あり、41と42は、硬度曲線とこれら水平線との交点
である。本発明の接点の実測硬度は、第一層内は全て1
90以上であり、第二層内では全て130以下である。
第一層が薄いため硬度実測地点が1点だけの場合は、そ
の硬度を便宜上第一層の硬度とする。なお第二層の平均
硬度を算出する際に使う硬度データは、同層内の希薄層
(光学顕微鏡で観察される接点中央部付近の酸化物粒子
の少ない部分)を除いた部分のものを使う。本発明の第
一層の厚みとは、表面から交点41までの水平距離、中
間部の厚みは、交点41と42の間の水平距離とする。
なお中間部の厚みが極めて薄く地点データが一つのみの
場合もあるが、その場合には便宜的に中間層は、無いも
のとみなす。接点試片の第一層・中間部の厚みは、5本
の硬度曲線から、以上の手順でそれぞれの第一層と中間
部の厚みデータを採り、得られた5個のデータを算術平
均して求める。後述の実施例の厚みデータは、この算術
平均値である。接点試片の第一層・第二層の硬度は、5
本の硬度曲線から、以上の手順でそれぞれの第一層の最
小実測値と第二層の最大実測値を採り、得られた5個の
データを算術平均して求める。実施例の表の平均硬度
は、この算術平均値である。
【0015】なお前述のように厚み方向に傾斜機能的に
硬度が連続変化する場合には、以下のような基準で便宜
的に決める。第一層の厚みは、表面からマイクロビッカ
ース基準の硬度が190となる地点までの距離、中間部
の厚みは、この地点から硬度が130となる地点までの
距離とする。
【0016】本発明の電気接点には、上記の基本成分に
加え、さらにSb、Ca、Bi、Ni、Co、Znまた
はPbの群から選ばれた少なくとも1種の元素が、従成
分として含まれていてもよい。通常これらの成分の大部
分は、Agマトリックス中に化合物、特に酸化物の形態
で分散される。ただし個々の成分によって望ましい分散
量範囲が異なる。例えばいずれも元素換算された質量%
単位で0.05〜2(Sb)、0.03〜0.3(C
a)、0.01〜1(Bi)、0.02〜1.5(N
i)、0.02〜0.5(Co)、0.02〜8.5
(Zn)、0.05〜5(Pb)である。なお括弧内は
対象元素である。以上の各成分種において、その量が上
記の範囲外になると、ブレーカーの種類によっては温度
特性が低下することがあり、特に上限を超えるとブレー
カーの種類によっては同時に耐溶着特性も低下すること
がある。
【0017】通常は以上の従成分が接点の性能に若干影
響を及ぼすが、これ以外の成分としては、例えば以下の
ものが挙げられる。これらはいずれも本発明の目的の範
囲内で微量含まれても構わない。なお成分によって望ま
しい含有量が異なるが、括弧内数値の内元素記号で表示
されたものは、元素換算された質量%単位で、分子式で
表示のものは、同分子換算された質量%単位で表したそ
の許容上限値である。Ce、Li、Cr、Li、Sr、
Ti、Te、Mn、AlF、CrFおよびCaF
(5)、GeおよびGa(3)、Si(0.5)、Fe
およびMg(0.1)。
【0018】本発明者らは、電気接点に必要な前記した
いくつかの要求特性を満たす材料を探索してきた結果、
以上のような基本構成によれば、Cdフリーの材料で従
来実現し得なかった優れた耐溶着特性と温度特性とを兼
ね備えた電気接点材料が提供可能であることを見出し
た。
【0019】本発明には上記の基本構成の範囲内にあ
り、第一層と第二層とが同じ化学組成であるものも含ま
れる。両層が同じ化学組成で硬度レベルが異なるのは、
後述の手段によってそれぞれの微細組織が制御されてい
るからである。
【0020】また本発明には上記の基本構成の範囲内に
あり、しかも第一層中のSnの含有量が第二層のそれと
同じか、またはそれより多いものも含まれる。これによ
って第二層の硬度よりも第一層のそれの方が、ほぼ確実
に高くなる。したがって本発明の前記目的により適した
ものが得られる。
【0021】なお本発明の電気接点は、ブレーカーに組
み込むため台金などの他の部材と接続する必要がある。
したがって第二層の第一層とは反対側の面に他の部材と
の接続を容易にするため、純Ag、ロウ材などの金属か
らなる薄い接続層を設けてもよい。なおこの層は、通常
この種の目的で配設される金属層と同じような形態であ
ればよい。
【0022】次に本発明の電気接点の製造方法について
説明する。本発明の複合接点は、従来から行われてきた
この種のAg合金と基本的にはほぼ同じ手順で作られ
る。例えば溶解・鋳造法では以下の手順がある。まず第
一層および第二層それぞれの化学組成となるように溶解
・鋳造されたインゴットを作り、これらを粗く圧延した
後、二種の圧延材を熱間圧着する。その際またはその後
必要により上記した純Agなどの薄い接続層を圧着す
る。これをさらに圧延して所定の厚みのフープ状にした
後、同フープを打ち抜き、またはさらに成形し、最終形
状に近いサイズのAg合金素材とし、さらにこの素材を
内部酸化してSn、Inなどの金属成分を酸化物に転換
する。なお溶解・鋳造に先立ち成分元素の酸化物以外の
化合物を含ませることもできる。また必要に応じて、圧
延以降に適宜熱処理や形状を調整する工程などを入れ
る。この場合、熱処理条件の工夫によって各層の微細組
織を意識的に制御して材料特性やそのレベルなどを変え
ることもできる。
【0023】粉末冶金法で作ることもできる。例えば予
めSnやInなどの微細な酸化物他の化合物、または加
熱によって酸化物他の新たな化合物になるこれらの元素
の化合物とAgの粉末とを二種の所定組成にて配合・混
合した後、必要によりこれを熱処理する。得られた二種
の粉末を型内に積層・充填して圧縮成形しプリフォーム
とする。このプリフォームには熱間押し出し、熱間・冷
間ロール圧延、熱間鍛造など各種の塑性加工が適用でき
る。さらに上記した鋳造法同様、必要に応じて圧延以降
に熱処理や形状を調整する工程などを入れる。熱処理条
件の工夫によって各層の所望の特性制御が可能になる。
【0024】また第二層の素材を上記に準じた手順で作
成した後、第一層は、溶射、CVDなどによる厚膜形
成、スクリーン印刷などによる厚膜印刷、塗布後焼き付
など、様々な冶金的手段によって形成してもよい。さら
に二つの合金板の接合には、例えば熱間静水圧成形法に
よる拡散接合、熱間押し出しなど種々の手段が適用でき
る。また熱処理を施すことによって各層の微細組織を意
識的に制御して、所望の特性を得ることもできる。
【0025】硬度の制御手段には以下に例示される種々
の方法があるが、これらは、特に第一層、第二層とも同
じ化学組成のものに適用すると有効である。例えば前文
節までに述べた方法によって得られた複合接点の第一層
だけを急熱・急冷し、第一層の残留応力を第二層のそれ
より大きくする方法、表面の第一層だけにショットブラ
スト加工を施して加工硬化する方法がある。また例えば
以上述べた方法において、Ag合金板に熱間圧延や冷間
圧延に加え熱処理を施す、いわゆるサーモメカニカルプ
ロセッシング(熱加工処理)を行った後、内部酸化を行
なって、第一層に第二層より微細な針状の酸化物粒子を
析出させ、表面の硬度を高める方法がある。また例えば
上述した圧延加工や熱間圧着の際に第一層と第二層の鍛
練加工比を変えて行う方法がある。
【0026】(実施例1)表1の「化学組成」欄に示す
第一層と第二層の二種の化学組成のAg合金を溶解・鋳
造してインゴットを作製した。これらをそれぞれ粗加工
した後、第一層と第二層のインゴットを重ね合わせ、ア
ルゴン雰囲気中850℃で熱間ロールによって熱間圧着
し、二層のAg合金からなる複合素材を作製した。得ら
れた複合素材を熱間圧着と同じ条件下で予備加熱した
後、最終的に全体の厚みの1/10の厚みとなるように
薄い純Ag板を第一層とは反対側の第二層の面に熱間圧
着した。その後さらに冷間圧延してフープ状素材とし、
これを打ち抜いて、幅6mm、長さ8mm、厚み2.5
mmの形状1と幅と長さが6mm、厚み2mmの形状2
の二つの形状の複合接点チップを作製した。得られたチ
ップを4気圧の酸素雰囲気中750℃で170時間保持
して複合接点試片とした。得られた試片の第一層の厚み
は表1の通りであり、Ag層の厚みは、各チップ厚みの
ほぼ1/10であった。
【0027】
【表1】
【0028】なお表1で試料1ないし10は、Snおよ
びInの量を変化させ各層の硬度を制御した試料群、試
料11ないし18は、SnおよびInの量を変えるとと
もに、これら以外のその他成分をさらに添加した試料
群、試料19ないし27は、第一層の厚みを変化させた
試料群である。また試料28ないし34は、第一・第二
両層が同じ化学組成のものである。これらのものでは以
下のようにして第一層の硬度を制御した。まず試料28
ないし33は、第一層の圧延加工断面積比を第二層の5
0%増しとするとともに、第一層素材の圧延加工途中に
おいて同素材を真空中、450℃で30分間焼鈍を行
い、さらに内部酸化後に#120のアルミナビーズによ
って第一層表面に投射圧3kgf/cmで3分間ショ
ットブラスト加工を加えた。
【0029】試料34は、圧延加工途中の焼鈍温度と時
間をそれぞれ750℃、5時間とした以外は以上の試料
と同じ条件で作製したものである。なお表1には記載し
ないが、試料33と34ではそれぞれ厚みが190μ
m、230μmの中間部が形成されていた。 なお試料
35は、開昭61−114417号公報、試料36は、
特開昭58−189913号公報のそれぞれに記載され
た方法に準じて作製した試料である。すなわち試料35
は、表1に記載の化学組成の第一層と第二層のAg合金
を溶解鋳造後、熱間圧着・圧延した後、これを上記と同
じ条件にて内部酸化したものである。また試料36は、
表1に記載の化学組成の第一層と第二層のAg合金を溶
解鋳造後、互いの二層の合わせ面上に水平な一方向に1
mmピッチで幅1mm、深さ0.5mmの凹凸を形成し
て、その部分で凹部と凸部とを互いに噛み合わせた状態
で熱間圧着し、その後圧延し、さらにこれを上記と同じ
条件にて内部酸化したものである。以上の方法で作製し
た各試料の硬度と第一層の厚みは、前述の手順にて確認
した。以上の結果を表1に示した。なお表には記載され
ていないが、試料33、34以外の試料の中間部の厚み
は、いずれも100μm未満であった。
【0030】次いで図1のような形状の固定側および可
動側の電気銅製台金を準備し、形状1の電気接点を固定
側台金に、形状2の電気接点を可動側台金にそれぞれ銀
ロウ付けした。なお図において1は電気接点、2は台金
であり、aが固定側、bが可動側のそれぞれのアッセン
ブリーを示す。その後定格AC30Aフレームおよび5
0Aフレームの二種のブレーカーに固定した。このよう
なブレーカーアッセンブリーを各試料番号の複合接点チ
ップ対毎に各5台用意した。まず各試料の全てのアッセ
ンブリーを使って、定格電流を100分間通電し初期の
温度特性を確認した。次に220V負荷状態で、30A
フレームの場合は1.5KAの遮断電流で、50Aフレ
ームの場合は5KAの遮断電流で、各々1台ずつのアッ
センブリーを使って遮断試験を行い、耐溶着性を確認し
た。遮断試験後の温度特性は、その後引き続いて定格電
流を100分間通電して遮断試験後の温度特性を確認し
た。過負荷試験は、初期温度特性を確認したアッセンブ
リーを使い、30Aフレーム、50Aフレームとも同定
格電流の5倍の電流を流した状態で5秒間隔で開閉を5
0回繰り返し、その後上記初期確認時と同じ条件で過負
荷試験後の温度特性を確認した。耐久試験は、初期温度
特性を確認したアッセンブリーを使い、30Aフレー
ム、50Aフレームとも同定格電流を流した状態で、5
秒間隔で開閉を6000回繰り返し、その後上記初期確
認時と同じ条件で耐久試験後の温度特性を確認した。
【0031】なおこれらの一連の試験での評価は、30
A・50A両フレームの機種別の結果を総合して5段階
評価し、表1の試料番号に対応させて1〜5の段階番号
にて表2に示した。段階番号の1と2はブレーカーとし
て使用不可レベル、3以上は同使用可レベル、5は特に
優れた性能レベルに当たる。以下の実施例の場合も同様
である。
【0032】
【表2】
【0033】以上の結果から以下のことが分かる。
(1)第一層、第二層ともSnおよびInの量を1〜9
質量%の範囲内に制御し、JIS規定のマイクロビッカ
ース基準の硬度を第一層で190以上、第二層で130
以下とし、さらに第一層の厚みを10〜360μmの範
囲内に制御した本発明の接点を用いたブレーカーは、上
記総合評価において充分実用可能な範囲内にある。一方
本発明範囲外の接点を用いたブレーカーは、総合評価に
おいて実用レベルに達していない。(2)SnおよびI
nに加えSbやNiなどの成分を少量含んだ場合でも同
様のことが言える。(3)特開昭61−114417号
公報および特開昭58−189913号公報のそれぞれ
に記載された製法で作製した接点チップは、硬度レベル
が本発明の範囲外となり、これらを組み込んだブレーカ
ーアッセンブリーは、ともに一部の特性を除き総合的に
実用レベルの性能が得られなかった。
【0034】(実施例2)表1の試料3、8および9と
第一層・第二層の化学組成が同じ複合接点を作製した。
第二層は実施例1同じ方法で作製し、その上に第一層を
減圧プラズマ溶射法にて形成した。まず第二層と同じ化
学組成のAg合金からなり、一方の面に薄い純Ag層を
熱間圧着した実施例1と同じ二形状の素材を、実施例1
と同様にして作製した。その後それぞれの素材を真空チ
ャンバー内に純Ag層を裏面にして置き、表側の面上に
以下のようにして第一層を形成した。まず表1の試料
3、8および9の第一層と同じ化学組成であり、サブミ
クロンから2μmまでの粒度分布を有するAg合金プレ
アロイ粉末を原料として準備した。その後フィード用の
キャリアガスとしてアルゴンガスを使い、用意したプレ
アロイ粉末を減圧プラズマ溶射法によって上記第二層の
素材面に吹き付けて固着させ、第一層を形成した。なお
溶射中には溶射ガンの先端を自動的に揺動させ、溶射さ
れる第一層が均質になるようにした。また第一・第二両
層間の密着度を上げるため、溶射前に第一層の表面を予
めプラズマ炎に曝した。得られた複合化素材を実施例1
と同じ条件で内部酸化した。いずれのチップも最終的な
第一層の厚みは、50μmであり、純Ag層の厚みは、
チップ総厚みの約1/10であった。
【0035】得られた接点チップの第一・第二両層の硬
度ならびに第一層の厚みを実施例1と同様に確認した。
その結果を表3に示す。なお表には記載されていない
が、いずれの試料もその中間部の厚みは、100μm未
満であった。実施例1と同様にしてこれらの接点チップ
を同型のブレーカーに組み付け、実施例1と同様の手順
で電気試験を行った。その結果も合わせて表3に示す。
【0036】この結果から第一層を溶射法で形成する方
法によっても、鋳造法と第一・第二層の化学組成が同じ
であり、硬度が本発明範囲内の複合電気接点の製造が可
能であること、さらにこの接点を使うことにより実用上
優れたブレーカーの提供も可能であることが分かる。
【0037】
【表3】
【0038】(実施例3)表1の試料1、2、4、5お
よび6と両層の化学組成が同じ複合電気接点を作製し
た。第二層は実施例1同じ方法で形成し、その上に第一
層を蒸着法にて形成した。まず第二層と同じ化学組成の
Ag合金からなり、一方の面に薄い純Ag層を熱間圧着
した実施例1と同じ二形状の素材を、実施例1と同様に
して作製した。その後それぞれの素材を真空チャンバー
内に純Ag層を裏面にして置き、次いで表側の面上に以
下のようにして第一層を形成した。まず表1の試料1、
2、4、5および6の第一層と同じ化学組成のターゲッ
トを用意した。真空チャンバー内の温度は、Snの再蒸
発を防ぐため180℃に保ち、同圧力は、数Torr〜
数十Torrのアルゴンガス分圧に保持しつつ、上記タ
ーゲットを使ってマグネトロンスパッタ法でこれを蒸着
し、第二層の素材面に同ターゲットと同じ組成の第一層
を形成した。なお第一・第二両層間の密着度を上げるた
め、蒸着前に第一層の表面を予め高周波によって発生さ
せたイオンによりクリーニングした。得られた複合化素
材を実施例1と同じ条件で酸化し、接点チップとした。
いずれのチップも最終的な第一層の厚みは、50μmで
あり、純Ag層の厚みは、チップ総厚みの約1/10で
あった。
【0039】得られた接点チップの第一・第二両層の硬
度ならびに第一層の厚みを実施例1と同様に確認した。
その結果を表4に示す。なお表には記載されていない
が、いずれの試料もその中間部の厚みは、100μm未
満であった。実施例1と同様にしてこれらの接点チップ
を同型のブレーカーに組み付け、実施例1と同様の手順
で電気試験を行った。その結果も合わせて表4に示す。
【0040】
【表4】
【0041】この結果から第一層を蒸着法で形成する方
法によっても、鋳造法と第一・第二層の化学組成が同じ
であり、硬度が本発明範囲内の複合電気接点の製造が可
能であること、さらにこの接点を使うことにより実用上
優れたブレーカーの提供も可能であることが分かる。
【0042】(実施例4)表1の試料2、3、7、1
9、20、22、24、26、27、30、31および
32と第一・第二両層の化学組成が同じ複合電気接点の
素材を実施例3と同じ手順で作製した。さらにこれら素
材の第一層側の表面を上にしてショットブラストチャン
バー内に配置した後、同表面のみを#120のアルミナ
ビーズによって選択的にショットブラスト加工を施し
た。その際の条件は、通常のショットブラスト仕上げ加
工時より投射圧を高くし、6kgf/cmとし3分間
投射した。 その後実施例1と同じ条件にて内部酸化を
行い、接点チップ試料とした。最終的なチップの組み合
わせサイズは実施例1と同じであり、第一層の厚みはい
ずれも50μmであり、純Ag層の厚みは、チップ総厚
みの約1/10であった。
【0043】得られた接点チップの第一・第二両層の硬
度ならびに第一層の厚みを実施例1と同様に確認した。
その結果を表5に示す。実施例1と同様にしてこれらの
接点チップを同型のブレーカーに組み付け、実施例1と
同様の手順で電気試験を行った。その結果も合わせて表
5に示す。
【0044】この結果から第一層を蒸着法で形成し、さ
らにその第一層の表面を加工硬化する方法によっても、
鋳造法と第一・第二層の化学組成が同じであり、硬度が
本発明範囲内の複合電気接点の製造が可能であること、
さらにこの接点を使うことによって実用上優れたブレー
カーの提供も可能であることも分かる。
【0045】
【表5】
【0046】(実施例5)表1の試料7、16、21、
23および28と両層の化学組成が同じ複合電気接点を
作製した。実施例1同様第一層と第二層の組成にて溶解
鋳造し、これらインゴットの圧延材を熱熱間圧着した
後、第二層側に薄い純Ag層を熱間圧着し、さらにこれ
を圧延加工しフープ素材とした。さらにこれらの素材を
10−5 Torr以下の真空中、300℃で2時間焼
鈍した後、実施例1と同じ二形状に打ち抜いて複合化素
材を得た。その後これら素材を実施例1と同じ要領にて
内部酸化し、接点チップ試料とした。最終的なチップの
組み合わせサイズは実施例1と同じであり、第一層の厚
みはいずれも50μmであり、純Ag層の厚みは、いず
れもチップ総厚みの約1/10であった。
【0047】得られた接点チップの第一・第二両層の硬
度ならびに第一層の厚みを実施例1と同様に確認した。
その結果を表6に示す。なお表には記載されていない
が、いずれの試料もその中間部の厚みは、100μm未
満であった。実施例1と同様にしてこれらの接点チップ
を同型のブレーカーに組み付け、実施例1と同様の手順
で電気試験を行った。その結果も合わせて表6に示す。
【0048】この結果から鋳造法で作られ複合化された
Ag合金素材を酸化処理前に比較的低い温度にて焼鈍す
ることによって、鋳造法と第一・第二両層の化学組成が
同じであり、硬度が本発明範囲内の複合電気接点の製造
が可能であること、およびこの接点を使うことによって
実用上優れたブレーカーの提供が可能であることが分か
る。
【0049】
【表6】
【0050】(実施例6)表1の試料6と8と両層の化
学組成が同じ複合電気接点を作製した。実施例1同様、
第一層と第二層の組成にて溶解鋳造し、板状に圧延し
た。次いでこれら板材間の機密性を保持するため、予め
張り合わせ部分をミクロ溶接した後、800℃、大気中
で加熱し、押し出し断面積比80にて熱間押し出し成形
した。押し出しされた素材の第二層側に薄い純Ag層を
実施例1と同じ条件で熱間圧着した。得られた素材をさ
らに圧延した後、実施例1と同じ二形状に打ち抜いて、
複合化素材を得た。得られた素材を実施例1と同じ手順
で内部酸化し、接点チップ試料とした。最終的な同チッ
プの組み合わせサイズは実施例1と同じであり、第一層
の厚みは、いずれも50μm、純Ag層の厚みは、いず
れもチップ総厚みの約1/10であった。
【0051】得られた接点チップの第一・第二両層の硬
度ならびに第一層の厚みを実施例1と同様に確認した。
その結果を表7に示す。なお表には記載されていない
が、いずれの試料もその中間部の厚みは、100μm未
満であった。実施例1と同様にしてこれらの接点チップ
を同型のブレーカーに組み付け、実施例1と同様に電気
試験を行った。その結果も合わせて表7に示す。
【0052】この結果から鋳造法で作製された複合化さ
れたAg合金板材を二層張り合わせた後、熱間押し出し
・圧延することによって、鋳造法と第一・第二層の化学
組成が同じであり、硬度が本発明範囲内の複合電気接点
の製造が可能であること、さらにこの接点を使うことに
よって実用上優れたブレーカーの提供も可能であること
が分かる。
【0053】
【表7】
【0054】(実施例7)表1の試料8と15と第一・
第二両層の化学組成が同じ複合電気接点を、粉末冶金法
によって作製した。まずこれらに対応する化学組成のA
g合金粉末をそれぞれ用意し、ロータリーキルン内で実
施例1と同じ酸素雰囲気・温度条件で内部酸化した後、
第一層および第二層が試料8と15と同じ組成の組み合
わせとなるように、それぞれの粉末を型内に積層・充填
して圧縮成形し、直径80mm、総高さ200mmの円
柱状プリフォームを作製した。なおその際の第一層に相
当する部分は、全体の1/10となるようにした。 そ
の後このプリフォームを800℃、アルゴンガス中で加
熱し、直ちに熱間押し出し成形して板状にした。次いで
この押し出し体の第二層側の面に実施例1と同様にして
薄い純Ag層を熱間圧着した。この素材をさらに圧延し
てフープ状として、実施例1と同じ二形状に打ち抜い
て、電気接点チップ試料とした。最終的なチップの組み
合わせサイズは実施例1と同じであり、第一層の厚み
は、いずれも50μm、純Ag層の厚みは、いずれもチ
ップ総厚みの約1/10であった。
【0055】得られた接点チップの第一・第二両層の硬
度ならびに第一層の厚みを実施例1と同様に確認した。
その結果を表8に示す。なお表には記載されていない
が、いずれの試料もその中間部の厚みは、100μm未
満であった。実施例1と同様にしてこれらの接点チップ
を同型のブレーカーに組み付け、実施例1と同様に電気
試験を行った。その結果も合わせて表8に示す。
【0056】この結果から粉末冶金法で作製された複合
化接点でも、鋳造法と第一・第二層の化学組成が同じで
あり、硬度が本発明範囲内の複合電気接点の製造が可能
であること、さらにこの接点を使うことによって実用上
優れたブレーカーの提供も可能であることが分かる。
【0057】
【表8】
【0058】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の電気接点
は、SnとInとを含む二層構造のAg合金からなり、
表面に硬度の高い第一層、内部に同層より硬度の低い第
二層を配し、さらに第一層の厚みが10〜360μmの
範囲内に制御されているため、従来Cd入りのAg合金
でしか到達し得なかった優れた耐溶着特性と温度特性を
兼ね備えた接点電気特性を有する。したがってCdフリ
ー入りのAg合金からなる電気接点に代わって、ブレー
カー用の接点として利用できる。さらに本発明によれ
ば、以上の電気接点を用いたブレーカーを提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の電気試験に用いた接点アッセ
ンブリーを模式的に示す図である。
【図2】本発明の電気接点の硬度曲線から各層の厚みを
計量する方法を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1、電気接点 2、台金 31、第一層の平均硬度レベルを示す線 32、第二層の平均硬度レベルを示す線 33、硬度レベル190を示す水平線 34、硬度レベル130を示す水平線 41、ビッカース硬度が190の水平線と硬度曲線との
交点 42、ビッカース硬度が130の水平線と硬度曲腺との
交点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5G030 AA04 AA08 XX00 5G050 AA01 AA08 AA11 AA15 AA19 AA29 AA40 AA53 DA03 DA04 FA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】SnおよびInをともに1〜9質量%含む
    化学組成のAg合金からなり、表面部の第一層と内部の
    第二層とを有し、第一層および第二層の硬度が、JIS
    に規定されるマイクロビッカース基準で、それぞれ19
    0以上、130以下であり、第一層の厚みが、10〜3
    60μmの範囲内にある電気接点。
  2. 【請求項2】前記Ag合金が、Sn、Inに加え、さら
    にSb、Ca、Bi、Ni、Co 、ZnまたはPbの
    群から選ばれた少なくとも1種の元素を含む請求項1に
    記載の電気接点。
  3. 【請求項3】前記化学組成が、第一層と第二層で同一で
    ある請求項1または2に記載の電気接点。
  4. 【請求項4】前記第一層中のSnの含有量が、第二層の
    それと同じか、またはそれより多い請求項1ないし3の
    いずれかに記載の電気接点。
  5. 【請求項5】前記第一層の厚みが、30〜120μmの
    範囲内にある請求項1ないし4のいずれかに記載の電気
    接点。
  6. 【請求項6】前記第一層の硬度が、前記基準で240以
    上である請求項1ないし5のいずれかに記載の電気接
    点。
  7. 【請求項7】請求項1ないし6のいずれかに記載の電気
    接点を用いたブレーカー。
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