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JP2003213577A - 電気植毛繊維材および電気植毛製品 - Google Patents

電気植毛繊維材および電気植毛製品

Info

Publication number
JP2003213577A
JP2003213577A JP2002003455A JP2002003455A JP2003213577A JP 2003213577 A JP2003213577 A JP 2003213577A JP 2002003455 A JP2002003455 A JP 2002003455A JP 2002003455 A JP2002003455 A JP 2002003455A JP 2003213577 A JP2003213577 A JP 2003213577A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electric
flocked
fiber material
fiber
flocking
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002003455A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeki Morimoto
茂樹 森本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2002003455A priority Critical patent/JP2003213577A/ja
Publication of JP2003213577A publication Critical patent/JP2003213577A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Synthetic Leather, Interior Materials Or Flexible Sheet Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な表面質感や表面特性を有する電気植毛
製品を提供する。特に、表面の防滑性に優れたものであ
る。このような電気植毛製品が得られ、電気植毛に適し
た電気植毛繊維材を提供する。 【解決手段】 電気植毛によって基材10の表面に植毛
される電気植毛繊維材30であって、ゴム状弾性を有す
る弾性繊維からなり、電気漏洩抵抗値が1×107〜7
×1010Ωであることで、電気植毛が良好に行なえ、得
られた電気植毛製品の表面摩擦抵抗が大きくなり、防滑
性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気植毛繊維材お
よび電気植毛製品に関し、詳しくは、布などの基材の表
面に、電気植毛によって植毛される繊維材と、このよう
な電気植毛繊維材を用いて製造される電機植毛製品とを
対象にしている。
【0002】
【従来の技術】電気植毛とは、通常、接着剤が塗布され
た布などの基材に電圧を印加することで静電吸引力を発
生させ、予め短くカットされた繊維材料(パイルまたは
フロックとも呼ばれる)を、基材の表面の接着剤層に植
え付けて固定する。繊維材料の材質や形状、構造によっ
て、基材の表面に形成される植毛層の外観や表面質感な
どに、通常の編織技術やコーティング技術では得られ難
い特有の機能や効果を発揮させることができる。電気植
毛技術の利用分野としては、各種の衣料品のほか、カー
ペットや人工芝、その他の建築用あるいは自動車用の内
装材などが知られている。
【0003】電気植毛に使用される繊維材料として、従
来、一般的に使用されているものに、ナイロンやレーヨ
ン等の合成繊維や化学繊維、羊毛や絹等の天然繊維があ
る。特に、自動車用の内装材など、耐久性を要求される
用途では、ナイロンが良く使用されている。ナイロンは
ソフトな表面質感を与える点でも優れている。要求され
る性能や用途によって、ポリエステルやポリトリメチレ
ンテレフタレート、芳香族ポリアミドなども利用されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記した各種合成繊維
からなる電気植毛繊維材を使用した電気植毛製品は何れ
も、比較的に滑らかな表面質感を呈するものとなる。し
たがって、表面の滑り易さを求められる用途には好まし
いが、表面の滑りを嫌う用途には使用し難い。特に、電
気植毛製品の表面が水で濡れた状態になると、表面が非
常に滑り易くなるという問題がある。また、従来の電気
植毛繊維材は、基材に植毛したときに、基材の表面に正
確に直立した状態で植毛され難く、個々の繊維材の方向
や姿勢にバラツキが多い。そのために、電気植毛繊維材
の表面質感や表面特性が損なわれることがある。表面に
負荷がかかったときに、植毛された繊維材が倒れたり曲
がったりし、負荷が除去されても繊維材が倒れたり曲が
ったりしたままになることがある。
【0005】電気植毛するときに、電気植毛繊維材がカ
ールしていたり捻れていたりすると、静電吸引力で基材
表面まで飛翔させたときに、飛翔経路や方向にばらつき
が生じて、植毛が良好に行ない難くなったり、植毛され
た状態でも方向や姿勢にばらつきが生じたりし易くな
る。本発明の課題は、前記した電気植毛製品として、従
来にない新規な表面質感や表面特性を有するものを得る
ことである。特に、表面の防滑性に優れたものを得るこ
とである。このような電気植毛製品が得られ、電気植毛
に適した電気植毛繊維材を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる電気植毛
繊維材は、電気植毛によって基材の表面に植毛される繊
維材であって、ゴム状弾性を有する弾性繊維からなり、
電気漏洩抵抗値が1×107〜7×1010Ωである。 〔弾性繊維〕ゴム状弾性を有する繊維材料からなる。電
気植毛に適用できる弾性繊維であれば、通常の編織布な
どに利用されているのと同様の材料あるいは製造方法で
得られたものが使用できる。
【0007】<弾性繊維の材料>弾性繊維の材料は、ゴ
ム状弾性を発現できる合成および天然の樹脂材料やゴム
材料が使用される。具体的には、ポリウレタン弾性繊
維、ポリエーテル・エステル弾性繊維、ポリアミド弾性
繊維が使用できる。天然ゴム、合成ゴム、半合成ゴムか
らなる繊維または糸状の材料いわゆるゴム糸も使用でき
る。ゴム材料を主体として、他の有機合成樹脂と複合化
させた材料も使用できる。例えば、アクリロニトリル・
ブタジエン系共重合体、スチレン・ブタジエン系共重合
体などが使用できる。ゴムや重合体を複数種類混合した
材料も使用できる。
【0008】特に、本発明の目的に適した材料として、
ポリウレタン弾性繊維が挙げられる。ポリウレタン弾性
繊維は、表面の摩擦係数が高く、防滑性を向上できる。
表面質感も良好である。モノフィラメントや合着マルチ
フィラメントの直線性も良好である。 <ポリウレタン弾性繊維>ポリウレタン弾性繊維は、ポ
リウレタン重合体を溶媒に溶解させてポリウレタン溶液
とし、このポリウレタン溶液を、乾式紡糸法、溶融紡糸
法、湿式紡糸法等により紡出し、巻き取り機で巻き取る
ことによって得られる。
【0009】紡糸工程で、口金から同時に紡出した複数
本のフィラメントを直ちに融着一体化させることで合着
マルチフィラメントが得られる。複数本のフィラメント
を別々に固化させたあとで、撚り合わせたりすれば、通
常のマルチフィラメントになる。単独のフィラメントを
得れば、モノフィラメントになる。後加工で利用し易く
するために、巻き取る前に、粘着防止剤や平滑性促進剤
などの添加物を含む鉱物系またはシリコーン系、さらに
は、これらの混合物の油剤を、糸条の表面に付着させて
おくこともできる。溶媒に溶解されるポリウレタン重合
体は、2種類の型のセグメントで構成される。すなわ
ち、(a)長鎖のポリエーテル、ポリエステルセグメン
トであるソフトセグメントと、(b)イソシアネ−トと
ジアミンまたはジオール鎖伸長剤との反応により誘導さ
れた比較的短鎖のセグメントであるハードセグメントと
である。
【0010】ソフトセグメントとしては、テトラメチレ
ングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ル、テトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラ
ン等から誘導されたもの、およびこれらの共重合体が好
ましい。その中でもテトラメチレングリコールから誘導
されたポリエーテルが特に好ましい。その他のソフトセ
グメントには、(a)エチレングリコール、テトラメチ
レングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパン
ジオール等と(b)アジピン酸、コハク酸等の二塩基酸
との反応性物が好ましい。ポリエーテルとポリエステル
とから、またはポリ−(ペンタン−1,5−カーボネー
ト)ジオールおよびポリ−(ヘキサン−1,6−カーボ
ネート)ジオール等のポリカーボネートジオールから形
成されたポリエーテルエステルのような共重合体も好ま
しい。
【0011】ハードセグメントとしては、ビス−(p−
イソシアナートフェニル)−メタン(以下、MDIと略
記する)、トリレンジイソシアネート(以下、TDIと
略記する)、ビス−(4−イソシアナートシクロヘキシ
ル)−メタン(以下、PICMと略記する)、へキサメ
チレンジイソシアネート、3,3,5−トリメチル−5
−メチレンシクロヘキシルジイソシアネート等の有機ジ
イソシアネートが好ましい。その中で特にMDIが好ま
しい。鎖伸長剤としては、エチレンジアミン、1,3−
シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジア
ミン等のジアミンがポリウレタンウレアを形成させるた
めに好適である。
【0012】ポリウレタンウレアの最終的な分子量を調
節するために反応混合物に鎖停止剤を含有させることも
好ましい。かかる鎖停止剤として、ジエチルアミン等の
活性水素を有する一官能性化合物が好ましい。鎖伸長剤
として、エチレングリコール、1,3−プロパンジオー
ル、4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、
1,2−プロピレングリコール、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオール、
1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ビ
ス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレートおよびパラ
キシリレンジオール等のジオールが、ポリウレタンを形
成させるために好ましい。ジオールは、1種のみのジオ
ールに限定されるわけでなく、複数種のジオールからな
るものであってもよい。
【0013】イソシアネート基と反応する1個の水酸基
を含む化合物を併用することができる。ポリウレタン重
合体を得る方法については、溶融重合法、溶液重合法な
ど各種方法が採用できるが、限定されるものでない。重
合の処方についても、特に限定されず、例えば、ポリオ
ールとジイソシアネー卜と、ジオールからなる鎖伸長剤
とを同時に反応させることにより、ポリウレタン重合体
を合成する方法等が好ましく、いずれの方法によるもの
でもよい。本発明で使用され得るポリウレタン重合体に
は、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、ヒンダー
ドアミン系等の耐候剤、ヒンダードフェノール系等の酸
化防止剤、酸化チタン、酸化鉄等の各種顔料、硫酸バリ
ウム、酸化亜鉛、酸化セシウム、銀イオン等を含有する
機能性添加剤等を含有させることも好ましい。酸化チタ
ン、酸化鉄等を含有させることで、表面摩擦係数が高い
弾性繊維が得られる。着色顔料等で原着染めを行なって
おいたり、特殊機能を付与した蛍光顔料、温感顔料及び
炭化ジルコニューム等を配合したりしておくと、それぞ
れの添加材が意図する機能や効果が発揮できると同時
に、篩分けや取り扱い等で原糸乱れがなくて好ましい。
【0014】ポリウレタン重合体を溶媒により溶解させ
てポリウレタン溶液とするのが好ましい。ポリウレタン
溶液を調製するための溶媒として、N,N−ジメチルア
セトアミド(以下、DMACと略す)、ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシド等を使用することが好ま
しい。特に、DMACが好ましく用いられる。ポリウレ
タン溶液の濃度は、紡糸性等の観点から、溶液の全重量
を基準として、30〜40重量%の範囲が好ましく、よ
り好ましくは35〜38重量%の範囲である。
【0015】ポリウレタン弾性繊維は、切断時に、融着
の発生が少なく、切断面がシャープになる。その結果、
植毛時に、接着剤層への投錨性および直立性が良好にな
る。ポリウレタン弾性繊維のモノフィラメントおよび合
着マルチフィラメントは何れも、原料繊維の緊張度合い
やフィラメントの「カラミ」、「ねじれ」等によって発
生する「乱れパイル」が生じ難く、ほぼ直線状を呈す
る。規定の切断長さよりも長い繊維材が混入して、植毛
時に植毛斑点(クレーター・エフェクト)が発生する問
題も生じ難い。合着マルチフィラメントでない通常のマ
ルチフィラメントの場合には、フィラメント同士の絡み
や捻れが生じるので、上記利点が十分に発揮し難い。但
し、用途や要求性能によっては、通常のマルチフィラメ
ントが使用できる場合もある。 <弾性繊維の性状>弾性繊維としては、ゴム状弾性を評
価する特性として、伸び率350〜850%を有するも
のが使用できる。好ましくは、伸び率400〜650%
である。引張弾性率を示すモジュラス200〜350c
N/km(100%伸長率における加重)を有するもの
が使用でき、好ましくはモジュラス210〜260cN
/kmである。
【0016】電気漏洩抵抗値が、1×107〜7×10
10Ω、好ましくは2×107〜5×108Ωの弾性繊維を
使用する。電気漏洩抵抗値が小さいほど、電気植毛工程
における飛翔性が良くなる。通常の弾性繊維材料は、電
気漏洩抵抗値の大きなものが多いので、電気植毛工程の
前に、電気漏洩抵抗値を低下させる前処理を施して、前
記数値範囲に入るようにすることが好ましい。弾性繊維
は、モノフィラメントまたは合着マルチフィラメントの
形態で使用することで、直線性に優れたものになり、電
気植毛工程における飛翔性や接着剤層への投錨性、植毛
後の直立性などが向上する。
【0017】弾性繊維は、植毛製品の用途や要求性能に
合わせて、長さや太さを設定することができる。通常、
長さ0.1〜20mm、太さ6〜2,500dtex、
アスペクト比0.4〜50の範囲に設定できる。ここ
で、長さは、無負荷状態の差し渡し長さの最大値で表さ
れ、太さは、差し渡し径の最大値で表され、アスペクト
比は、長さ/太さで表される。弾性繊維は、モノフィラ
メントや合着マルチフィラメントを所定の長さ毎に切断
したカット繊維あるいは糸の形態で使用できる。弾性繊
維からなる糸は、湾曲していたり捻れていたりする曲線
状の糸も使用できるが、直線性に優れた直線糸が好まし
い。
【0018】<直線糸>直線糸となる弾性繊維の寸法と
しては、長さ0.5〜20mm、太さ44〜2,500
dtex、アスペクト比1〜175の範囲に設定でき
る。好ましくは、長さ0.3〜15mm、太さ78〜
1,000dtex、アスペクト比8〜50である。さ
らに、直線性の点から、長さ10mm以下が好ましく、
さらには長さ1〜7mmが好ましい。長すぎるもの、あ
るいは、太すぎるものは、耐毛倒れ性や分散性等が悪化
して表面品位が不良となる。長さ、太さ、および、アス
ペクト比を適切な範囲に設定することで、防滑性やクッ
ション性を良好にできる。
【0019】直線糸となる弾性繊維は、曲げ弾性率20
〜500N/mm2の範囲のものが直線性に優れてい
る。好ましくは、曲げ弾性率30〜200N/mm2
ある。曲げ弾性率が小さ過ぎると、毛倒れ性を有し、傾
斜した電気植毛製品になる。曲げ弾性率が大き過ぎて
も、一部の繊維が直立せずに倒れたままで植毛された
り、電気植毛製品の植毛面が剛直なものになったりす
る。 <弾性繊維粉>弾性繊維は、フィラメントを細かく切断
したり粉砕したりして粉体の形態にして使用することも
できる。粉体状の電気植毛繊維材を使用することで、薄
く、高密度の植毛が得られ、防滑効果も良好になる。
【0020】弾性繊維粉の形状は、フィラメントと同じ
断面形状で全長が短いだけの柱状のものであってもよい
し、柱状物の両端面で角が削られたものや、球体あるい
はそれに類似した曲面形のものであってもよい。弾性繊
維粉の寸法として、長さ0.1〜1mm、太さ6〜22
dtex、アスペクト比0.4〜50の範囲に設定でき
る。好ましくは、長さ0.1〜0.5mm、太さ6〜1
1dtex、アスペクト比4〜35の範囲である。弾性
繊維粉の形状が球形などの場合は、最大径方向を長さ、
それと直交する方向を太さで評価する。
【0021】弾性繊維粉の製造原料として、合着マルチ
フィラメントを使用することができる。合着マルチフィ
ラメントから得られた弾性繊維粉は、各単糸フィラメン
トに割繊された状態での最小太さが、紡糸直後のフィラ
メント径に相当する細繊度であり、粉砕工程で個々のフ
ィラメントに分割されることで、容易に微粉砕化され
る。同じ径のモノフィラメントと合着フィラメントとで
は、合着フィラメントのほうが、弾性繊維粉への粉砕効
率が数倍以上も良くなる可能性がある。 <合着フィラメント>合着マルチフィラメントは、通常
のマルチフィラメントと同様に、複数のフィラメントが
束になっているが、紡糸されたフィラメント同士が、撚
りや捩れを伴なうことなく、直線状態のままで並列して
融着一体化されたものである。通常のマルチフィラメン
トは、個々のフィラメントが分離しており、融着一体化
はされていない。
【0022】合着マルチフィラメントのフィラメント数
は、2本以上の任意の本数が採用できるが、通常は、2
〜216本の範囲を採用する。好ましくは3〜110本
である。合着の形態は、1列あるいは複数列で平行に並
んでいてもよいし、中心から放射方向に複層に重なって
いてもよい。各フィラメントが、最密充填状態で一体化
されているのが好ましいが、フィラメント同士の間で一
部に隙間があいていても構わない。合着マルチフィラメ
ントの全体の断面形状は、円形や楕円形のほか、三角形
や矩形などの多角形、L字形などの図形状をなすものの
ほか、不定形のものもある。
【0023】合着マルチフィラメントは、全長にわたっ
て全てのフィラメントが確実に合着されていて、単糸割
れや非合着部分がないものが好ましいが、部分的には、
単糸割れや非合着部分があっても構わない。先割れ・割
繊処理を行うときは、比較的に合着が弱いほうが、処理
が行ない易くなる場合がある。合着マルチフィラメント
は、紡糸筒内で給油ローラの直前において、同時に紡糸
された複数本のフィラメント(すなわちマルチフィラメ
ント)を集束させ、個々のフィラメントを融着一体化さ
せることによって得られる。紡糸温度や紡糸速度などの
製造条件によって、得られる合着フィラメントの特性が
調整できる。エア交絡ノズルによる撚り掛けで、最密充
填状態にしたり、部分的に融着させたり、自由に制御す
ることができる。
【0024】エア交絡ノズルのエア圧力を1.5kg/
cm2(ゲージ圧)以上に設定することが好ましい。完
全融着一体化には3.0〜4.0kg/cm2の範囲が
好ましく、部分融着すなわち単糸割れを作ったり、断面
L字型やI字形などの扁平糸を作ったりするには1.6
〜2.9kg/cm2の範囲が好ましい。このような合
着マルチフィラメントを、通常のマルチフィラメントと
対比すると、合着マルチフィラメントは、電気植毛工程
において飛翔性が優れており、植毛時の直立性も優れて
いる。これは、通常のマルチフィラメントの場合、個々
にバラバラのフィラメント同士を一体化させるために十
分な撚りを掛けたりする必要があり、その結果として直
線性が損なわれやすく、静電力による飛翔性も悪くなり
やすい。合着マルチフィラメントはフィラメント同士が
融着一体化しているので、通常のマルチフィラメントの
ような撚りは必要とせず、直線性や飛翔性を良好にでき
る。
【0025】〔電気植毛繊維材の製造〕弾性繊維を材料
にして、電気植毛繊維材を製造するには、基本的には、
通常の電気植毛繊維材の製造技術が適用される。 <ストランド収束工程>紡糸された弾性繊維は、トウ
(tow)に束ねて取り扱うことができる。トウは、フィ
ラメント繊維を撚りをかけずにそのまま集束したもので
ある。通常の繊維糸に対するトウ作製装置および方法に
よって、弾性繊維を、数10万〜数100万dtexか
らなるトウに集束させることができる。より具体的に
は、弾性繊維用の積極送り出し装置ローラ付き整経機に
て、数100本のクリールに弾性繊維ケークを仕掛け、
綛枠巻き上げすることで、トウが得られる。コードヤー
ンの製網機に類似した弾性繊維積巻ストランド装置等を
利用して数本の弾性繊維束を作製し、これを繰り返して
数束の収納ケンスに収納することもできる。
【0026】<カット工程>弾性繊維は、電気植毛繊維
材に必要な長さに切断して使用する。切断に使用するカ
ット装置や処理条件は、通常の電気植毛繊維材と同様の
技術が適用できる。切断された電気植毛繊維材の切断端
面が、できるだけシャープになることが望ましい。切断
時に融着が生じて丸くなったり、曲がったり、捻れたり
したりしないことが好ましい。切断端面がシャープな電
気植毛繊維材は、電気植毛の際に、接着剤層に突き刺さ
り易いこと、接着剤層に深く刺さること、接着剤層への
接着固定が強力になること、直立状態で植毛され易いこ
となどの利点を有する。
【0027】電気植毛に使用する繊維材は、通常、でき
るだけ長さの揃ったものが、均等に植毛され、直立状態
も良好になる。長すぎる繊維材が混ざっていると、植毛
斑点(クレータ・エフェクト)などの問題が発生し易
い。トウに束ねられた弾性繊維を、フロックカッター装
置を用いて、所定の長さにカットすることができる。ト
ウに集束された弾性繊維をトウのままでカットすること
で、直線状態のままで、長さが揃い、切断端面の良好な
電気植毛繊維材が容易に得られる。カット工程のあと
で、精錬工程、染色工程、電植工程、低温乾燥工程、篩
分け工程などを行うことができる。
【0028】<染色工程>必要に応じて、弾性繊維を染
色しておくことができる。染色工程は、通常の電気植毛
繊維材と同様の技術が適用できる。先染め方法および後
染め方法の何れも適用できる。後染め方法が好適であ
る。 <電植処理>弾性繊維の導電性を改善して、電気植毛工
程における飛翔性を良好にすることができる。具体的に
は、弾性繊維を、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム等のケ
イ素化合物や、さらには儀酸カリウム、酢酸カリウム等
の水溶性カリウム化合物の処理液に接触させる。
【0029】処理液には、界面活性剤(アニオン系、ま
たは非イオン系の帯電防止剤)・珪酸ソーダ・コロイダ
ルシリカ等を配合することができる。処理液のpHを、
pH10〜12のアルカリ側で使用するのが好ましい。
pHを低く設定することで、処理後の弾性繊維の電気漏
洩抵抗値が小さくなる。このような電植処理を終えた弾
性繊維の電気漏洩抵抗値が、前記した数値範囲に収まる
ようにしておく。電植処理を終えた弾性繊維は、低温乾
燥してから、篩分けを行うことができる。
【0030】<選別篩分工程>篩分けは、固まった弾性
繊維や長い繊維、乱れ繊維などを取り除く工程である。
植毛を均一化でき、電気植毛製品の外観品位を向上でき
る。基本的には、通常の電気植毛繊維材の製造技術が適
用できる。例えば、8角形の回転篩が常用される。弾性
繊維の長さによって篩のメッシュを切り換える。通常、
繊維長5mm以上では10メッシュ以下、1mmを超え
3mmまでは15〜25メッシュ、1mm未満は30メ
ッシュが使用できる。回転篩の回転数は5〜10回/分
が標準的である。回転数が速くなるにつれ、弾性繊維と
ホッパー間の遠心力が作用し、弾性繊維の落下が低下す
る。通常6回/分程度が望ましい。
【0031】WETカッテイング法を適用し、パイルカ
ッティングマシンを用いて、一定長に切断したあと、数
回の篩き分けを行って製品化するのが好ましい。 <粉砕工程>粉体状の電気植毛繊維材を得るには、紡糸
された弾性繊維、あるいは、精錬工程、電植工程、染色
工程などを経て得られた弾性繊維を粉砕処理すればよ
い。具体的には、通常の繊維材料に対する粉砕技術が適
用できる。弾性繊維の場合、ボールミルなどの粉砕装置
よりも、刃先を有さず表面にローレット目等、ヤスリの
効果を持つ凹凸加工を施した粗面で圧塊する円盤または
回転式の石臼方式で少量供給・低回転で粉砕するほうが
好ましい。さらに好ましくは、−200〜−20℃程度
を維持した冷凍室内で冷凍粉砕する。
【0032】〔電気植毛工程〕基本的には、通常の電気
植毛技術が適用される。本発明の電気植毛繊維材を、接
着剤層を介して基材の表面に電気植毛する。基本的な電
気植毛加工は、相対する電極間に高電圧の静電界を発生
させ、一方の電極側に接着剤を塗布した基材を配置さ
せ、電気植毛繊維材に電荷を与えて反対側の電極から基
材に向かって飛ばして植毛する。 <基材>基材としては、通常の電気植毛に利用できる基
材と同様の材料が使用できる。
【0033】具体的には、各種の合成繊維および天然繊
維からなる編織布あるいは不織布が使用できる。柔軟な
合成樹脂シートやフィルム、紙、天然および合成・人工
皮革も使用できる。合成樹脂、金属、木質材、陶器、セ
ラミックス、無機質材料などの成形品も使用できる。編
物として、丸編地、トリコット編地が挙げられる。短繊
維紡績糸使いのスフ、綿ジャージィ、フィラメント糸使
いのトリコットや天竺、フライス編地及びダブルジャー
ジィであって、裏毛パイルやベロア調の立毛ニットや起
毛加工したものも好ましい。織物としても、各種の織物
組織を有するものが使用でき、紡績糸、フィラメント糸
または仮より加工糸等、さらには同種の糸または異種類
の糸の交織織物が挙げられる。
【0034】不織布として、通常の不織布技術を利用し
たものが使用できる。乾式のケミカルボンド、サーマル
ボンド、ニードルパンチ、スパンボンド・メルトブロー
及びスパンレースや、乾式のいずれもが使用できる。素
材は、綿、レーヨン、ナイロン、ポリエステル、パイレ
ン等が適用でき、目付・厚さも用途に応じて適宜使用す
ることができる。基材としては、実質的に伸縮しない材
料、若干の伸縮性を有する材料、伸縮性に優れた材料が
ある。このうち、実質的に伸縮しない材料、例えば、
木、紙、金属等に比べて、若干の伸縮性(例えば、伸長
率15%以下程度)を有する編織布や不織布などは、電
気植毛製品のソフト感や柔軟性を向上できる。広い面積
のシート材や曲面を有する製品でもシワが発生し難くな
る。弾性繊維からなる植毛繊維材の毛倒れからの復元が
速くなる。変形時に弾力的に復元する反発力が生じ、防
滑性の向上にも寄与する。弾性繊維粉を用いた電気植毛
製品の場合、高密度で薄くて、基材と弾性繊維粉の伸縮
が同調して、接着剥離が起り難く、柔軟性や防滑性が良
好になる。
【0035】<伸縮性基材>基材として、伸縮性に優れ
た伸縮性編織物を使用すると、本発明の電気植毛繊維材
が有する特性が良好に発揮できる。具体的には、経緯少
なくとも1方向の伸び率が20〜40%のものが好まし
い。各種編織物を構成する径緯糸の一部または全体に、
ポリウレタン弾性糸使いからなるトリコットまたは被覆
弾性糸を用いることで、伸縮性編織物を得ることができ
る。伸縮性編織物は、経緯何れかの方向あるいは両方向
に伸ばすと、編織物が伸びる。外力が加わっていない状
態では編織物に収縮力は実質的に存在せず、外力が加わ
ったときには適切な収縮力あるいは伸長回復力が発生す
る。
【0036】伸縮性編織物が、伸縮性繊維を他の繊維と
交編したり、交織したりした編織物の場合、編織組織の
構造によって、経方向または緯方向の1ウエイストレッ
チ性を有するものが得られる。伸縮性編織物は、前記し
た伸縮性を有することの利点が、より有効に発揮でき、
特に弾性繊維が有する機能を損なうことなく相乗的に発
揮することができる。 <接着剤>基本的には、通常の電気植毛製品の製造に使
用されている接着剤の中から、基材および繊維材の組み
合わせや要求性能に合わせて選択される。
【0037】例えば、酢酸ビニル樹脂、反応型・自己架
橋型アクリル酸エステル樹脂、アクリル系あるいはウレ
タン系のもの、またはこれらの混合物等の接着剤が使用
できる。これらの接着剤は、基材として、トリコット、
丸編み等の編物、織物や不織布のように、組織、繊維が
変化しても大きく変化しないものに適用できる。エポキ
シ樹脂、ウレタン樹脂、ネオプレン、NBR、SBR、
酢酸ビニル等のソルベントタイプ、アクリル酸エステル
(反応型、自己架橋型)、NBR、SBR、アクリル酸
エステルとの他樹脂共重合物等のエマルジョンタイプも
使用される。これらの接着剤は、ポリウレタン弾性糸混
等のストレッチ布帛等を基材として使用する場合に適し
ている。
【0038】接着剤は、下引き塗布装置等によって、基
材に塗工される。高粘度の接着剤をできるだけ少なく塗
布するのが好ましい。ドクターナイフで塗工する場合、
少なくとも厚さ5〜10mmのドクターナイフが好まし
く、鋭角の刃先よりも、若干丸み(5〜10R)を帯び
たものがよい。接着剤を塗工する基材が、透水性を有す
るものの場合、裏面に軽撥水加工をしておけば、接着剤
が裏面に抜け出し難い。接着剤塗工後の乾燥として、8
0〜100℃程度での予備乾燥、表面温度100〜13
0℃での仕上げ乾燥が採用できる。
【0039】<植毛処理>基本的には、通常の電気植毛
装置および処理条件が適用できる。電圧極は、低周波型
高圧発信機が一般的である。通常、出力電流3〜5mA
の範囲である。電気植毛繊維材の飛翔力は、印加電圧と
出力電流を掛けたものの積に比例する。高電圧発生機1
台当たり高圧極限界は、通常、3.5m2程度である。
電極間距離は、装置構造や処理条件によって異なるが、
例えば、約10cmに設定される。高電圧として、例え
ば、30〜100kVを印加する。加工面積を調節する
ことで、繊維材の飛翔特性を調整することができる。
【0040】<先割れ・割繊工程>電気植毛された繊維
材の先端を、複数本に枝分かれさせる加工である。通常
の電気植毛製品における繊維材の先割れ・割繊工程が適
用できる。モノフィラメントの先端を枝分かれさせるこ
とも可能であるが、合着マルチフィラメントのほうが、
枝分かれが容易にできる。合着マルチフィラメントは、
合着されて融着一体化している単繊維(フィラメント)
を、個々に分離させることで先割れ・割繊が可能であ
る。先割れ・割繊する装置は、電気植毛製品がシート、
フイルム状であれば、複数の針布ロールからなる起毛
機、ブラッシング及び粗面からなる研磨機またはバッフ
ィング機等の適用が好ましい。
【0041】先割れ・割繊加工によって、電気植毛製品
の表面特性を変化させることができる。一般的には、表
面の感触がソフトになる。防滑性も向上する。外観意匠
的にも滑らかになる。 〔電気植毛製品〕電気植毛による表面の外観性状や特性
を利用できる製品であれば、各種の製品に適用できる。
衣料品や日用品に利用される布帛やシート材料に適用で
きる。住宅用品や建築材料に適用できる。自動車や航空
機などの乗り物の内装材に利用できる。
【0042】より具体的には、基材の違いによって分類
し以下に列挙する各種用途および製品が挙げられる。 A)編織物、不織布材: 自動車用途(カーシート、ピラー、ダッシュボード) 敷物類(カーペット、玄関マット、台所マット、バスマ
ット、トイレマット、 階段縁取りテープ等の下地材) 雑貨類(座布団地、帯・ベルト、テーブルクロス、ドア
のノブ用カバー、面ファスナー) 履物類(靴の中敷きインソール、足袋裏、靴底) 手袋類(ゴルフ、野球等のスポーツ用、農業、漁業及び
工業用作業手袋) 建築用途(屋根下地材、搬送ベルト) B)プラスチック材: 屋外用途(ボート発着桟橋、非常階段 C)金属、陶器材: 置物(置き時計、花瓶、ペン立て、各種装飾物等の下地
材) D)木、紙製品材 家具類(ソファ、椅子の足袋) <面ファスナー>本発明の電気植毛繊維材を使用した電
気植毛製品は、表面同士が着脱自在に接合される面ファ
スナーに利用できる。面ファスナーは、表面同士を圧着
することで一時的に接合固定したり引き剥がしたりする
ことが繰り返し可能な製品である。
【0043】基材の表面に植毛された電気植毛繊維材
は、表面の摩擦係数が高く、変形させられたときに弾力
的な反発力を発揮する。そのため、電気植毛製品の表面
同士を圧着して、互いの電気植毛繊維材同士が接触し噛
み合わせられた状態にすると、電気植毛製品を引き剥が
そうとしたときに、電気植毛繊維材の表面に大きな摩擦
抵抗が生じ、容易には引き剥がせない。電気植毛製品の
表面同士を圧着させたときに、電気植毛繊維材が弾力的
に変形させられた状態になっていたり、電気植毛繊維材
同士を引き剥がすための力で変形させられたりすると、
それに対する弾力的な反発力で、電気植毛繊維材同士が
押し付けられ、前記した摩擦抵抗はより大きくなる。
【0044】その結果、圧着された電気植毛製品同士
は、互いに接合固定された状態になる。勿論、電気植毛
繊維材の摩擦抵抗を上回る引き剥がし力を加えれば、電
気植毛製品は分離でき、固定と分離を繰り返すことがで
きる。面ファスナーとしての機能が発揮される。面ファ
スナーとなる電気植毛製品に使用される電気植毛繊維材
は、長さ1.5〜10mm、太さ420〜2,500d
tex、アスペクト比1.5〜8.5の直線糸が、面フ
ァスナーとしての機能を良好に発揮できるので好まし
い。基材としては、可撓性を有するシート材が使用され
る。前記した編織布や不織布、合成樹脂シートなどが挙
げられる。
【0045】面ファスナーの形態や使用方法は、通常の
面ファスナーと同様の技術が適用できる。具体的な用途
として、衣料品のほか、各種物品の運搬や移動作業用、
固定用などに適用できる。面ファスナーの形態として、
テープ状のものや,比較的に広い面積のシート状のもの
などがある。一枚の面ファスナーを、植毛面を内側にし
て折り重ねて閉じ合わせるような使い方ができる。衣料
品のボタンやジッパーの代わりの閉じ具として利用でき
る。2枚の面ファスナーを組み合わせて着脱使用するこ
ともできる。この場合、電気植毛繊維材の種類や構造が
異なる電気植毛製品を組み合わせて使用することもでき
る。電気植毛繊維材の組み合わせによって、接合力や着
脱作業性などを調整することができる。
【0046】
【発明の実施の形態】〔電気植毛繊維材〕図1(a)に
示す電気植毛繊維材30は、ポリウレタン弾性繊維のモ
ノフィラメントからなる直線糸である。図では、断面が
真円形に表されているが、実際には完全な真円形である
必要はない。紡糸方法によっては、楕円形や凹凸のある
繊維もある。繊維材30の端面は、軸方向と直交し、周
縁が直角でシャープな切断面になっている。但し、実際
には、端面が軸方向に対して傾いていたり、角部がわず
かに丸みを持っていたりしても構わない。
【0047】図1(b)に示す電気植毛繊維材30は、
ポリウレタン弾性繊維の合着マルチフィラメントからな
る直線糸である。繊維材30は、複数本の直線状をなす
フィラメント32が平行に揃った状態で互いに接合一体
化されている。図では、7本のフィラメント32を全体
が丸くなるように均等に合着した状態を模式的に示して
いるが、合着フィラメントとしては、全体が楕円形や長
円形その他の形状をなすものや、フィラメント32が同
じ面上に平行に1列あるいは複数列で並んでいるものも
ある。図1(c)に示す合着フィラメントからなる電気
植毛繊維材30は、多数のフィラメント32が不定形状
で合着されており、フィラメント32同士の間に隙間が
空いている部分も存在している。
【0048】〔電気植毛製品〕図2に示す電気植毛製品
は、基材10に、接着剤層20を介して、電気植毛繊維
材30が電気植毛されている。基材10は、編織布から
なる。接着剤層20は、例えば、エポキシ樹脂とウレタ
ン樹脂とを20:80〜80:20の範囲で混合したも
のが使用できる。酢酸ビニルエマルジョンを主体(10
0部)にして、PVAや高縮合尿素樹脂を10〜15部
あるいは30〜50部の割合で加えたものも使用でき
る。電気植毛繊維材30は、ポリウレタン弾性繊維のモ
ノフィラメントからなる直線糸である。繊維材30は、
接着剤層20に投錨された状態で、基材10の表面に対
して直立状態で植毛されており、互いに平行に並んでい
る。繊維材30は接着剤層20の底部分まで突き刺さっ
ており、繊維材30と接着剤層20との接着面積が大き
く、強固に接合されている。繊維材30の直立性も高
い。図では、繊維材30同士の間隔が均一に表されてい
るが、実際には、ある程度の範囲で間隔のバラツキがあ
っても構わない。
【0049】〔先割れ植毛製品〕図3に示す電気植毛製
品は、基本的には、前記実施形態の植毛製品と同様の構
造を有しているが、電気植毛繊維材30が異なる。繊維
材30として、図1(b)(c)に示されたような合着
フィラメントが使用されている。また、電気植毛工程の
後で、先割り加工を行なっており、繊維材30の先端
で、合着された個々のフィラメント32がバラバラに分
離している。その結果、電気植毛製品の表面は、微細な
フィラメント32が密接して配置された状態になり、表
面の質感が、柔らかい印象を与える。実際に当接したと
きの感触も極めてソフトである。先割れした繊維材30
は、表面の摩擦係数が大きくなるので、防滑性が高ま
る。特に、濡れた状態でも高い防滑機能が発揮できる。
【0050】繊維材30の先端だけが先割れしているの
で、繊維材30の根元部分は必要な剛性を維持してお
り、全体の直立性は損なわれず、荷重が加わったときの
弾力的な反発力や徐荷後の復元性も良好である。 〔インソール〕図4に示す靴の中敷き材であるインソー
ル40は、本発明の電気植毛製品を利用している。図4
(a)に示すように、インソール10は、足裏に接触す
る表面側に、全面に亘って電気植毛繊維材30が密生し
た状態で配置され、繊維材30は接着剤層(図示を省
略)を介して基材10で支持されている。
【0051】電気植毛繊維材30として、長さ7mm以
下、太さ420〜2,500dtexのポリウレタン弾
性繊維モノフィラメントまたは合着マルチフィラメント
が使用されている。基材10として、編織物あるいは不
織布が使用されている。編物の場合、丸編地のダンボー
ルニット、ダブルラッセルの立体構造物が採用できる。
2重織物も使用できる。不織布と織物の間に透湿フィル
ムを介してボンディング加工したものも使用できる。使
用時に靴内の衛生環境改善のために、抗菌・防臭加工を
行なっていたり、備長炭、竹炭等を塗工したりしたもの
も使用できる。
【0052】図4(b)に示すように、インソール40
の裏面には、基材10が足裏の凹凸に沿う形で凹凸形状
42を有している。このような凹凸形状は、基材10に
予め形付け加工を行なったあとで、繊維材30の植毛を
行なってもよいし、平坦に作製された電気植毛シートに
プレス加工などで凹凸形状を付けてもよい。凹凸形状の
ない平坦なインソール40を製造しておき、使用してい
るうちに、足の形に沿って変形するようにしておくこと
もできる。上記実施形態のインソール40は、靴に装着
して使用したときに、靴の中で足が滑って移動したり偏
ったりすることを良好に防止できる。特に、雨が靴に侵
入したり汗をかいたりしたときでも、水分で滑り易くな
ってしまうことがない。歩行時に足の圧力が加わって繊
維材30が変形しても、歩行後には、繊維材30が速や
かに元の状態に弾力的に復元し、一様な表面平滑性を維
持することができる。体重の懸かり具合の違いで、繊維
材30に偏った永久変形が生じ、部分的な凹みや毛倒れ
が生じて、足に対する当接感やクッション性が損なわれ
る問題が解消できる。繊維材30の先端の微細な凹凸
が、足裏ツボを刺激することにより、健康を促進する効
果も期待できる。
【0053】〔ゴルフ用手袋〕図5に示すゴルフ用手袋
50は、本発明の電気植毛製品を利用している。ゴルフ
用手袋20は、手の平片52に、電気植毛製品を用いて
いる。手の平片52の素材となる電気植毛布は、基材1
0として、伸縮性基布が使用できる。伸縮性基布とし
て、ポリウレタン弾性繊維糸使いのインターロック、ベ
ア天竺丸編地、2ウェイトリコット、被覆弾性糸交偏ヨ
コ糸挿入トリコットなどが使用できる。電気植毛繊維材
30として、長さ3mm以下、太さ22〜940dte
xのポリウレタン弾性繊維モノフィラメントまたは合着
マルチフィラメントを使用している。合着マルチフィラ
メントの場合、先割、割繊処理を行っておく。
【0054】手の甲片5は、手の平片4と同じ素材であ
ってもよいし、通常のゴルフ用手袋と同様の人工皮革等
が使用されている。上記実施形態では、滑り止め機能に
優れたゴルフ用手袋50が得られる。従来、一般的に使
用されている皮革製の手袋に比べて、降雨時などにおけ
る防滑性が格段に向上する。従来、滑り防止のためにゴ
ム引き加工された手袋も知られているが、着用時に蒸れ
易いなどの欠点があるのに比べ、前記ゴルフ用手袋50
では、通気性が良好になり、着用感も良好になる。上記
実施形態において、繊維材30としては、前記実施形態
の直線糸の代わりに、太さ22dtex以下程度の微粉
末を使用することもできる。
【0055】ゴルフ用手袋50としては、例えば、撥水
加工、起毛加工あるいは通気性を付与したパンチング加
工、伸縮性編物とのボンデイング加工等を行なっておく
こともできる。 〔面ファスナー〕図6に示す面ファスナー60は、電気
植毛製品で作製されている。面ファスナー60は、編織
布からなるテープ状の基材10に接着剤20を介して、
ポリウレタン弾性繊維モノフィラメントまたは合着マル
チフィラメントの直線糸からなる電気植毛繊維材30が
電気植毛されている。ここで使用されている繊維材30
は、比較的に繊維長が長く、剛直性のあるものである。
【0056】テープ状の面ファスナー60の表面同士を
対面させて圧着すると、互いの表面に突出する電気植毛
繊維材30が、相手側の電気植毛繊維材30の隙間に入
り込むようにして、噛み合わせられる。電気植毛繊維材
30の側面同士が接触する。電気植毛繊維材30が弾力
的に変形させられることで、電気植毛繊維材30の接触
面に摩擦抵抗力が発生する。図6に示すように、接合状
態の面ファスナー60同士の引き剥がそうとすると、側
面で接触している電気植毛繊維材30の間に大きな摩擦
抵抗力が発生する。また、繊維材30が曲げられたり引
っ張られたりして弾力的に変形すると、その復元力によ
って繊維材30同士が余計に押し付けられて、引き剥が
しに対する抵抗力を発生する。
【0057】その結果、一旦接合された面ファスナー6
0同士は、自然に分離することはなく、少し引っ張られ
たぐらいでも、剥がれることはない。そして、面ファス
ナー60同士を、ある程度以上の力を加えて引き剥がし
た場合には、繊維材30が相手側の繊維材30同士の隙
間から抜き出され、面ファスナー60同士は分離され
る。このとき、直線糸からなる繊維材30同士を滑らせ
るようにするだけでよいので、従来の鉤フック式の面フ
ァスナーのように鉤フックが引っ掛かって引き剥がしが
困難になったり不快な引き剥がし音が発生したりするこ
とがない。また、耐久性がよい。
【0058】面ファスナー60の具体的用途として、幼
児から学童用のシューズ、介護用シューズなどに、靴紐
の代わりに使用されている折り返し式面ファスナーに利
用できる。比較的に力の弱い使用者でも、簡単に着脱が
できるようになる。面ファスナー60を、ゴルフ用パン
ツやカジュアルスラックスのウェスト内部に取り付ける
インサイドベルトに利用できる。この場合、1枚の面フ
ァスナー60の表面がシャツ類などに当接して、スリッ
プ防止を果たす。繊維材30が柔軟に変形するので、身
体への当接感が良い。面ファスナー60を環状にして、
レッグバンドやアームバンドなどとして利用できる。弾
力的に変形できる植毛繊維材30が、使用者の脚や腕の
動きに柔軟に対応して当接し、ずり落ち防止などの機能
を有効に果たす。同様にして、帽子のアジャストバンド
に使用すれば、着帽状態での脱帽防止が有効に図れる。
【0059】
〔性能評価試験〕
(1)分散性評価 測定装置(Erich Schenk社製、RPG15
0/100)を用い、0.6または0.8mmメッシュ
の篩いに、10gの繊維材(電植処理済み)を入れ、1
5回転(毎分50回転)させ、メッシュから落下した繊
維材の重量(W)を測定し、メッシュパス比率(%)を
次式より算出する。
【0060】 メッシュパス率(%)=W/10×100 (2)植毛製品の外観品位 植毛した植毛製品の立毛長さが均一であるか、植毛密度
に斑がないかを、目視判定により、次の5段階で判定し
た。 (3)植毛製品の耐毛倒れ性評価 植毛した植毛製品の表面に5cm×5cmのプラスチッ
ク下敷きを敷き、1kgの加重(重り)を乗せ、24時
間経過した後、除重し、さらに30分放置し、パイルの
倒れた陰影を目視により下記の3段階に判定した。
【0061】 下級:倒れたパイルが回復せず、跡型が目立つ 中級:倒れたパイルが回復せず、跡型が判断できる 上級:倒れたパイルが回復し、跡型が見えない (4)植毛製品の立毛風合・ソフト性評価 植毛製品の立毛面の風合いとして、面積4cm2の厚さ
測定子を有する圧縮弾性試験機(前田精機製)を用い、
4.9kPa(50gf/cm2)、10秒の一定圧力
のもとでの変位量の変化率(%)によって、次の3段階
に判定した。 大:変位量の変化率21%以上で、極めて感触ソフト 中:変位量の変化率6〜20%の範囲で、やや感触ソフ
ト 小:変位量の変化率5%以下で、感触硬い (5)植毛製品の防滑性評価 水平面に置いた鏡面仕上げの板ガラス上に20cm×2
0cmの植毛試料を置き、中央部に重さ100gの合成
樹脂板を載せる。さらに、この合成樹脂板上に500g
の重りを載せて加重する。植毛試料の端に紐を付ける。
その紐を、ハンドタイプのバネ秤で矢印の方向に約2.
0cm/分の速度で緩やかに引っ張り、試料が動き始め
たときの張力(N)を摩擦抵抗値として測定した。抵抗
値が大きいほど、高防滑性であると言える。
【0062】(6)表面摩擦特性 KES〔カトーテック(株)製〕で測定する。布の幅
0.5cm、長さ2cmの表面を走査して表面摩擦と表
面粗さとを測定する。接触子は0.5mm径のピアノ線
を10本並べて、P=0.49N(50gf)の力で試
料を圧して、移動速度0.1cm/sで測定する。特性
値は以下のとおりである。 MIU:平均摩擦係数(無次元)……この値が小さいほ
ど、すべりやすい。 (7)電気漏洩抵抗値 超絶縁計(スタテイスコープII型)で測定する。関係温
湿度25℃、65%RHでの電気抵抗値(Ω)で表示す
る。
【0063】〔実施例1〕ポリウレタン弾性糸940d
tex、タイプ127〔東レ・デユポン(株)製、LY
CRA(R)〕を用いた。弾性糸用積極送出装置付き整
経機(クリール600本建て)に仕掛けて部分ドラム巻
きを行い、これを繰返して600本の弾性糸束を得た。
ドラムから解舒したトウ状の束を収納ケースに蓄積し
た。その結果、ポリウレタン弾性糸を束ねた約500〜
600万dtexのトウが得られた。ポリウレタン弾性
糸のトウを、珪酸ソーダ1.5%、アルミナゾル0.5
%、尿素2.0%、PH4.2(酢酸調整)等の35℃
の処理槽に10分間浸漬し、脱水、乾燥し電植処理を施
した。
【0064】電植処理を施した束を、繊維ギロチン型自
動切断機(例えば、独BERGERS社製)に供給し
て、5mm長で連続的にカットした。得られた電気植毛
繊維材は、電気漏洩抵抗値1×10 8Ω(30%RH)
であり、メッシュパス率96%で分散性に優れたもので
あった。次いで、備長炭デニム織物(経緯共に、綿16
/1+備長炭含有量2.5%混練、太綾)の表面に、接着
剤として、酢酸ビニルエマルジョン100部、CMC
(5%sol)40部、尿素樹脂(メチロール尿素)1
5部、触媒2部、顔料少量、グリセリン2部を配合した
ものを、ドクターナイフコーテイング法で塗布量250
g/m2(0.25mm厚WET)で塗布して基材とな
る布を得た。
【0065】基材となる布に、極間100mm(DOW
NーMETHOD)、電圧35KV(DC)の条件で、
前記電気植毛繊維材を電気植毛加工した。その後、乾燥
熱処理として、PreDry80℃×10分、Curi
ng130℃×10分を行なった。得られた電気植毛布
は、外観品位:5級、耐毛倒れ性:上級であり、優れた
パイルの回復性、クッション性を示した。電気植毛布
を、図4に示す構造の「インソール」に成型した。スニ
ーカーの中敷きとして1ケ月間着用したところ、耐毛倒
れ性:上級を保持しており、ムレ感、悪臭もほとんどな
かった。
【0066】〔比較例1〕実施例1において、ポリウレ
タン弾性糸に代えて、122dt/48F−604タイ
プのナイロン糸〔東レ(株)製、トリコット用フルダ
ル〕を用いた以外は実施例1と同様にして、600万d
texのトウを作り、電植処理を施し、3mm長のカッ
ト繊維からなる電気植毛繊維材を作製した。この電気植
毛繊維材は、表1〜3に示すごとく、電気漏洩抵抗値6
×109Ω(30%RH)、メッシュパス率は62%で
あり、実施例1よりも劣ったものであった。
【0067】〔比較例2〕実施例1において、ポリウレ
タン弾性糸に代えて、PEL1900dtex/1F
(東レ・デュポン社製、「ハイトレル」グレード405
7、ショア硬度40)を用いた以外は、実施例1と同様
にして、電気植毛繊維材および電気植毛布を作製した。
得られた電気植毛繊維材の電気抵抗値4×109Ω、メ
ッシュパス率46%であり、実施例1よりも分散性が劣
ったものであった。また、得られた電気植毛布は、外観
品位3級の粗野なものであり、耐毛倒れ性:下級であっ
て、実施例1よりも著しく劣ったものであった。
【0068】〔実施例2〜8〕表1〜3に示すように、
実施例1において、ポリウレタン弾性糸のポリマータイ
プ、太さおよび合着マルチフィラメントの製造条件など
を変えて、実施例1と同様のトウを作り、種々の電気植
毛繊維材を作製した。実施例2および8では、電植処理
槽内に氷柱及び氷塊を浮遊させ、処理温度0〜−3℃の
範囲の条件で電植処理を行った。実施例3〜5では、電
気植毛工程のあと、バッフィング工程を2回通して、先
割れ・割繊処理を行った。
【0069】得られた電気植毛品は何れも、防滑性を望
まれる用途、特にウエット状態で使用されるものに好適
で、適度なソフト感、重圧下での反撥性、クッション性
や耐毛倒れ性を有し、平面一様なシート状であって、ゴ
ム製品にない表面緻密な立毛性に富んだものであった。
なお、先割れ・割繊性を確認したところ、実施例3〜5
でフィブリル化が抜群であり、超ソフト風合を得た。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】〔実施例9〜12〕実施例2〜5の合着マ
ルチフィラメントを用い、実施例1と同様にトウを作製
した。表4に示すようなカット繊維を作製した。得られ
たカット繊維を、カッター周速800m/分、固定刃と
回転刃のクリアランス0.4mm、スクリーン目穴径
0.6mmφにセットしたロータリカッター方式の乾式
粉砕機〔(株)ホーライ社製、メッシュミルHA254
2〕で粉砕して、弾性繊維粉からなる電気植毛繊維材を
製造した。得られた電気植毛繊維材粉末は、表5に示す
平均繊維長、繊維長分布及びメッシュパス率を有する。
実施例9〜12のいずれも、22dtex相当の微粉末
が得られており、良好であった。
【0074】次いで、表6に示すように、実施例9〜1
2の微粉末を用い、伸縮性を有するナイロントリコット
小片サンプル(直径10cmφ)からなる基材の表面
に、実施例1と同一の条件で、接着剤を塗布し、電植処
理を施した微粉末5gを飛翔させて、電気植毛加工を行
った。得られた電気植毛品は、いずれも表面に微細な凹
凸効果を有し、薄くて、防滑性に優れたものであった。
【0075】
【表4】
【0076】
【表5】
【0077】
【表6】
【0078】〔実施例13〕実施例1において、ポリウ
レタン弾性糸を1560dtex、タイプ127Xに変
えた以外は実施例1と同様にして、電気植毛繊維材およ
び電気植毛布を得た。得られた電気植毛繊維材の電気漏
洩抵抗値2×1010Ω、メッシュパス率94%であり、
実施例1と同等であった。また、得られた電気植毛布
は、外観品位5級、耐毛倒れ性:上級であり、極めて優
れたパイル立ちで、風合いはやや硬目であった。
【0079】電気植毛布の表面同士を圧着して電気植毛
繊維材同士を噛み合わせるようにしたところ、十分強固
に接合させることができた。また、ある程度以上の力を
加えれば引き剥がすことも可能であった。引き剥がした
あとでも、電気植毛繊維材は損傷しておらず、再び圧着
して接合させることも可能であった。したがって、着脱
自在な面ファスナーとして、良好に使用できることが確
認できた。特に、着脱作業が比較的にスムーズで軽く行
なえ、従来の鉤状フックが植設された面ファスナーに比
べて取扱い易いものであった。
【0080】
【発明の効果】本発明にかかる電気植毛繊維材は、ゴム
状弾性を有する弾性繊維からなることで、電気植毛製品
に利用したときに、柔らかな表面質感を与えることがで
きるとともに、防滑性を格段に向上させることができ
る。特に、水に濡れた状態でも十分な防滑機能を発揮す
ることができる。弾力的な当接感があり、クッション性
にも優れたものになる。その結果、使用時に滑り防止が
要求される各種用途に好適に使用することができ、電気
植毛製品の新たな用途拡大および需要増大に貢献でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態を表す電気植毛繊維材の斜
視図(a)(b)および断面図(c)
【図2】 電気植毛製品の断面構造図
【図3】 別の実施形態を表す電気植毛製品の断面構造
【図4】 電気植毛製品の具体例であるインソールの斜
視図
【図5】 電気植毛製品の具体例であるゴルフ用手袋の
斜視図
【図6】 電気植毛製品の具体例である面ファスナーの
断面構造図
【符号の説明】
10 基材 20 接着剤層 30 電気植毛繊維材 40 インソール 50 ゴルフ用手袋 60 面ファスナー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F055 AA22 AA27 BA14 DA07 EA22 GA38 GA40 4F100 AK22G AK36G AK51 AT00A BA02 BA03 BA07 BA10A BA10B CB00C DG01B DG04B DG08B DG12 EH46 JA20B JG04B JK07B JK13A JK16 JK17A JL11C YY00B

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気植毛によって基材の表面に植毛される
    繊維材であって、 ゴム状弾性を有する弾性繊維からなり、 電気漏洩抵抗値が1×107〜7×1010Ωである電気
    植毛繊維材。
  2. 【請求項2】前記弾性繊維のモノフィラメントまたは合
    着マルチフィラメントからなり、長さ0.5〜20m
    m、太さ44〜2,500dtex、アスペクト比1〜
    175の直線糸である請求項1に記載の電気植毛繊維
    材。
  3. 【請求項3】前記弾性繊維の合着マルチフィラメントの
    粉砕物からなり、長さ0.1〜1mm、太さ6〜22d
    tex、アスペクト比0.4〜50の粉体である請求項
    1に記載の電気植毛繊維材。
  4. 【請求項4】前記請求項1〜3の何れかに記載の電気植
    毛繊維材が、接着剤層を介して基材の表面に電気植毛さ
    れてなる電気植毛製品。
  5. 【請求項5】前記電気植毛繊維材が、請求項2に記載の
    直線糸であり、 電気植毛された直線糸の先端が複数本に枝分かれしてい
    る請求項4に記載の電気植毛製品。
  6. 【請求項6】前記電気植毛繊維材が、請求項2に記載の
    直線糸であって、長さ1.5〜10mm、太さ420〜
    2,500dtex、アスペクト比1.5〜8.5の直
    線糸であり、 前記基材が、可撓性を有するシート材であり、 前記基材のうち前記電気植毛繊維材が植毛された表面同
    士が着脱自在に接合される面ファスナーである請求項4
    に記載の電気植毛製品。
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