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JP2003211686A - 液体貯蔵容器及びこれを用いたヘッドカートリッジ - Google Patents

液体貯蔵容器及びこれを用いたヘッドカートリッジ

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Publication number
JP2003211686A
JP2003211686A JP2002008066A JP2002008066A JP2003211686A JP 2003211686 A JP2003211686 A JP 2003211686A JP 2002008066 A JP2002008066 A JP 2002008066A JP 2002008066 A JP2002008066 A JP 2002008066A JP 2003211686 A JP2003211686 A JP 2003211686A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
atmosphere communication
storage container
atmosphere
ink
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002008066A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Tsujimoto
明 辻本
Kiyomitsu Kudo
清光 工藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2002008066A priority Critical patent/JP2003211686A/ja
Publication of JP2003211686A publication Critical patent/JP2003211686A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期の使用にあっても貯蔵部から外部へと液
体が漏出するのを確実に防止し得る信頼性に優れた安価
かつ小型な液体貯蔵容器の提供を目的とする。 【解決手段】 液体を貯蔵する貯蔵部2の内部と外部の
間の空気の流通を可能とする大気連通口2cと、大気連
通口2cから所定の大気吸引口8aへと大気を導く大気
連通路と、貯蔵部2内の液体が大気連通口2cから大気
連通路へと流通するのを遮断しかつ大気連通口2cにお
ける空気の流通を可能とする気液分離部材9と、気液分
離部材9から大気吸引口8aに至る空間7内に液体の流
通を阻止しかつ空気の流通を可能とする液体障害壁1
0,12を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種記録分野に利
用される液体(インク)を液体吐出手段に供給するため
のタンクとして利用可能な液体貯蔵容器、及びこれを用
いたヘッドカートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置は、トナーを記
録剤とするレーザービームプリンタなどに比べ、小型軽
量化が容易であり安価に構成し得るという優位性を備え
るため、小型な装置の出力装置としては最適なものとな
っている。特に近年のデジタルカメラでは、撮影した映
像をその場で記録し得るようにするため、カメラ本体に
搭載したり、携帯を可能としたりするような超小型イン
クジェット記録装置が提案、実施されている。
【0003】こうした超小型インクジェット記録装置で
は、インクを吐出する液体吐出手段と、この液体吐出手
段に対して液体を供給する液体貯蔵容器とを一体的に接
続してなるヘッドカートリッジを、キャリッジに対して
着脱可能に搭載したものが知られている。この液体貯蔵
容器は、少量のインクしか貯留し得ないため、こうした
超小型インクジェット記録装置では、記録装置本体に設
けられた液体供給源としてのメインタンクから頻繁に液
体を補給するようにした所謂ピットイン方式を採るもの
も提案されている。
【0004】このピットイン方式によって液体貯蔵容器
に液体を補給する場合には、まず、キャリッジを移動経
路の端部などに設定された所定の補給位置へと移動さ
せ、その位置にて液体貯蔵容器とメインタンクとを接続
させると共に、吐出ユニットに配置されている記録素子
のインク吐出口にポンプに連結されているキャップを密
着させる。この後、ポンプによって発生させた負圧をキ
ャップ内に与え、その負圧によってインク吐出口からイ
ンクを吸引し、その吸引動作によって、メインタンクか
ら液体貯蔵容器内へとインクを吸引することにより補充
する。
【0005】こうした所謂ピットイン方式によってイン
クを補充する場合には、所定量のインクを過不足なく液
体貯蔵容器に補充することが必要である。特に、液体貯
蔵容器に対し液体が過剰に補充されて大気連通口から溢
れ出した(オーバーフローした)場合には、記録装置内
部や記録媒体が汚損されるという重大な問題が発生す
る。
【0006】そこで従来では、過剰なインク供給を防止
するため、次のような手段を講じていた。a)インク補
充の際、液体貯蔵容器部の中の大気開放する部分(大気
連通口)に逆止弁を設け、気体を大気に開放しつつ液体
を充填させ、液体貯蔵容器部が満杯状態を越えた場合に
インク溢れを防ぐように逆止弁の開閉制御を行ってイン
クを充填する。b)気体は通過させるがインクなどの液
体は通過させない多孔質体からなる撥水性の繊維膜を大
気連通口に貼着し、液体貯蔵容器へのインク補充の際に
この膜の撥水性と通気性とによって内部の空気を排除し
つつインクを充填させ、膜のメニスカス保持力によって
補充を行う、という構成が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
装置にあっては、大気連通口に対し、多孔質からなる撥
水性の繊維膜を貼着する構造となっていたため、低コス
ト化及び小型化などの面において優れているが、長期に
亘って多孔質の膜部にインクが付着しているとインクの
濡れ性の影響で、膜がインクに対してメニスカスを保持
する性能が劣化し、インクが大気連通孔から溢れ出す場
合があった。また、多孔質膜の貼着部分の欠損や貼着し
ていた接着剤の劣化等により、多孔質膜と貯蔵部との間
の液密性が低下し、インクが大気連通孔から溢れしまう
場合もあった。
【0008】そして、上記のように多孔質膜による液体
(インク)と気体とを分離するための逆止弁としての機
能、すなわち気液分離部材としての機能が十分に果たせ
ない状態に陥ると、インクが大気連通口を通過し、上記
ヘッドカートリッジ外部へと漏出して装置内を汚損する
ことがあり、また、場合によってはインク供給を行うシ
ステム全体にインクが漏洩し電気系統がショートするな
どの致命的な動作不良を発生させる可能性もあった。
【0009】本発明では上記従来技術の課題に着目して
なされたもので、液体吐出手段に対して液体を供給する
液体貯蔵容器において、長期の使用にあっても、貯蔵部
から外部へと液体が漏出するのを確実に防止し得る信頼
性に優れた安価かつ小型な液体貯蔵容器の提供を目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、液体吐出ヘッドへ液体を供給する液体貯
蔵容器であって、前記液体を貯蔵する貯蔵部と、前記貯
蔵部に形成され、所定の液体供給源に接続される液体供
給口と、前記貯蔵部の内部と外部の間の空気の流通を可
能とする大気連通口と、前記大気連通口から所定の大気
吸引口へと大気を導く大気連通路と、前記貯蔵部内の液
体が前記大気連通口から前記大気連通路へと流通するの
を遮断し、かつ前記大気連通口における空気の流通を可
能とする気液分離部材と、前記大気連通路内において前
記気液分離部材から大気吸引口に至る空間内に液体の流
通を阻止しかつ空気の流通を可能とする液体障害壁とを
備え、前記大気連通路内に溢れた液体が前記大気吸引口
に達するのを前記液体障害壁によって阻止するようにし
たことを特徴とするものである。
【0011】また、上記発明において、前記気液分離部
材は、多孔質部材によって構成することが望ましく、さ
らには、撥水性処理がなされていることが望ましい。ま
た、前記液体障害壁は、前記大気連通路における上下左
右の内面の中の少なくとも一つの面に突出形成すること
が考えられる。例えば、前記大気連通路内の下面に、気
流の流動方向と交差する方向に沿って一個または複数の
液体障害壁を形成することが考えられ、液体障害壁を複
数形成する場合には、隣接する液体障害壁に対し左右異
なる位置に気体を通過させる間隙を形成することが望ま
しい。
【0012】また、前記大気連通路内の上面に上側液体
障害壁を突設すると共に、前記大気連通路内の下面に下
側液体障害壁をに突設し、前記上側液体障害壁と下側液
体障害壁とを交互に配設する一方、前記上側液体障害壁
と前記下面との間及び下側液体障害壁と前記上面との間
にそれぞれ空気を通過させる間隙を形成するようにして
も良い。さらに、前記大気連通路内における大気連通路
内に液体検出センサを設けることも可能である。
【0013】また、前記大気連通路を、前記大気連通口
を覆うよう容器本体に取り付けられた蓋部によって形成
し、前記蓋部には大気を導入させる大気吸引口を形成す
ると共に、この大気吸引口と前記大気連通口とを連通さ
せる大気連通空間を形成することが考えられる。
【0014】また、上記の液体貯蔵容器と、この液体貯
蔵容器に連結され前記液体貯蔵容器から供給される液体
を吐出する液体吐出手段とによりヘッドカートリッジを
構成することも可能である。
【0015】さらにまた、前記液体吐出手段において、
液体を吐出するためのエネルギーを発生する素子として
は、前記液体に膜沸騰を生じさせるための熱エネルギー
を発生させる電気熱変換体を用いることが装置の小型化
を実現する上で望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0017】(第1の実施形態)図1は本発明に係る液
体貯蔵容器の第1の実施形態における構成を示す一部切
欠斜視図である。図1において、1は液体を吐出するた
めの吐出ユニット(液体吐出手段)であり、液体を吐出
する周知の記録素子が複数配列されている。この第1の
実施形態においては、吐出ユニット1内に形成された共
通液路から各記録素子に供給された液体を、各記録素子
内に配設された電気熱変換素子を駆動することによって
吐出させるものとなっている。すなわち、各記録素子
は、通電によって電気熱変換素子にジュール熱を生さ
せ、そのジュール熱によってインクに膜沸騰を発生させ
て液路内に気泡を発生させ、その気泡の発生エネルギー
によってインクを電気熱変換素子から吐出させる所謂バ
ブルジェット(登録商標)吐出方式を採るものとなって
いる。なお、前記吐出ユニット1から吐出する液体とし
ては、記録媒体上で視認させることを目的として吐出さ
れる液体(色材)と、この色材の浸透状態などを調整す
る目的で吐出される液体(記録性向上液)とがあるが、
以下の説明ではこれら液体を総称してインクとも呼ぶ。
【0018】T1は吐出ユニット1の各記録素子に連通
する共通液室へとインクを供給する液体貯蔵容器であ
り、次のように構成されている。すなわち、この液体貯
蔵容器T1において、2は中空箱状(中空直方体形状)
をなす貯蔵部2である。この貯蔵部2の底部には、所定
のインク供給源に対して接続、離脱可能であって接続時
にはインク供給源から貯蔵部2内へとインクを供給する
インク供給口(液体供給口)2aと、前記吐出ユニット
1の上面に突設された円筒状の接続部1aが嵌挿される
接続孔2bとが形成される一方、貯蔵部2の上面部には
大気連通口2cが形成されている。なお、吐出ニユット
部1の接続部1aは共通液室に連通しており、前記接続
部1aが吐出ユニット1の接続孔2bに嵌挿されること
により、貯蔵部2内のインク貯蔵空間と吐出ユニット1
の共通液室とが連通する。
【0019】一方、6は前記液体貯蔵容器T1の上面に
固定された蓋部である。この蓋部6は、大気連通空間7
が形成された中空形状をなしている。また、蓋部6の底
部には、前記大気連通空間7に連通する開口部7aが形
成されると共に、側部には前記大気連通空間7に連通す
る大気連通管8が挿入固定されており、この大気連通管
8の一端部は大気に開放された大気吸引口8aとなって
いる。また、蓋部6の開口部7aには、多孔質部材9が
固定されており、蓋部6が貯蔵部2に固定された時、前
記多孔質部材9が前記大気連通口2cを液密に覆うよう
になっている。この多孔質部材9の大気連通空間7側に
は撥水剤(不図示)が塗布されており、気体は透過可能
であるが、液体(インク)は透過させない気液分離弁と
しての構造を有している。
【0020】また、前記大気連通空間7の下面には、略
三角柱状をなす仕切り壁状の液体の液体障害壁10,1
2が一定の間隔を介して複数個(ここでは5個)配設さ
れている。このうち、一方の液体障害壁10は、大気連
通管8の延出方向と略直交する方向に沿って延出するよ
う構成され、蓋部6の一方の内側面との間に微小間隙1
0aが形成されている。また、他方の液体障害壁12
は、前記液体障害壁10の間にそれらと略平行して配設
されており、一方の内側面との間に微小間隙12aが形
成されている。これにより、前記大気連通空間7内に
は、大気連通管8の開口部8bから大気連通口2cに亘
って複数回屈曲する通路R1が形成される。なお、前記
大気連通空間7と前記大気連通管8とによって大気吸引
口8aから大気連通口2cに至る大気連通路が形成され
ている。
【0021】ところで、前記多孔質部材9は、種々の構
造を適用可能であるが、例えば、繊維状の樹脂や金属を
積層させ焼結させた多繊維体で構成することが考えら
れ、その場合には、気体を透過する相当量を理論上の穴
径に換算し、その理論上の穴径が得られるように、繊維
径や焼結後の密度を決定して作成する。
【0022】また、この蓋部6と貯蔵部2とにより液体
貯蔵容器T1が構成され、この液体貯蔵容器Tと吐出ユ
ニット1とによってヘッドカートリッジHCが構成され
ており、このヘッドカートリッジHCがインクジェット
記録装置のキャリッジに対して着脱可能に搭載されるよ
うになっている。
【0023】図2(a)は、液体貯蔵容器T1にインク
Inを補充しつつある状態を示した縦断側面図となって
いる。図2はインク供給口2aからインクInが補充さ
れている状態を示し、図中、Bは所定量の連続記録を行
う上で必要とされるインク液量に対応する液面レベル
(補充位置)を示している。インクInの補充はインク
供給口2aからなされ、補充する吸引力は大気連通管8
に接続されるポンプなどの吸引負圧によって行われる。
【0024】そして、インクInの補充が進み、所定量
の連続記録を行う上で必要とされるインク液量に対応す
る液面レベルBを越えて、インクInの液面が貯蔵部2
の上面、すなわち蓋部6に貼り付けられている多孔質部
材9の下面に達すると(満杯状態となると)、多孔質部
材9に塗布されている撥水の作用と多孔質部材の孔9a
におけるメニスカス力によって、ポンプによるインク吸
引動作が停止するようにポンプの吸引圧が調整されてい
る。
【0025】その後、吐出ユニット1から記録のための
インク吐出が行われると、徐々に貯蔵部2内のインクI
nは消費され、インクInの液面レベルは徐々に低下す
る。この後、適当なタイミングによってポンプを作動さ
せ、大気吸引口8aから空気を吸引することにより、イ
ンク供給口2aから再びインクを充填することができ
る。
【0026】ところが、完全に補充された状態が継続す
るなど、長期にわたり多孔質部材9にインクInが付着
していると、インクInの濡れ性の影響によって、多孔
質部材9におけるインクメニスカスを保持する性能が劣
化したり、多孔質部材9の貼着部分の欠損や貼着するた
めの接着剤の劣化等が発生したりすることがある。その
結果、多孔質部材9が気体と液体を分離する逆止弁とし
ての機能を十分に果たせず、インクInが大気連通路の
一部を構成する大気連通空間7内に溢れ出してしまう虞
がある。
【0027】ここで、この大気連通空間7内へのインク
Inの溢れ出しが生じた状態を図3に示す。図3(a)
は、大気連通空間7内に漏出したインクInが多孔質部
材9の付近にのみ存在している状態を示しており、この
状態は長期の保存などによってインクが多孔質部材9か
ら漏出した状態であると考えられる。また、図3(b)
は、同図(a)に示す状態において、液体貯蔵容器T1
へのインク充填を行うべく、大気連通管8が吸気源に接
続され、空気の吸引が開始された状態を示している。
【0028】図示のように、空気の吸引が開始される
と、大気連通空間7へと漏出したインクInは、図3
(b)に示すように、徐々に大気連通管8の他端部に形
成された開口部8bへと導かれて行くが、前述のよう
に、大気連通空間7内には、複数の液体障害壁10,1
2によって複数回屈曲した通路R1が形成されているた
め、液体障害10,12にその移動を阻まれながら極め
てゆっくりと移動する。従って、インクInが直接的に
大気連通管8の開口部8bへと導かれるのは阻止され、
インクInが多孔質部材9の周囲を覆った状態となる。
このため、空気吸引動作が開始されても、ポンプによる
空気吸引力は遮断され、貯蔵部2内に殆どインクが貯留
されない状態でインクの補給動作は停止する。従って、
このインク貯留状態では大気連通空間7内にインクIn
が流入することはなく、また既に大気連通空間内に漏出
しているインクInは、大気連通空間7の内部に留ま
り、外部への流出は阻止される。
【0029】そして、空気の吸引動作が停止すると記録
動作が再開されることとなるが、実際には貯蔵部2内の
インク充填量は、所定量の連続記録を行う上で必要とさ
れるインク量に対応する液面レベルB(図2参照)より
も少ない状態(図での液面レベルC)となっているた
め、所定量の記録が完了する前にインク不足が発生して
記録動作は途中で停止する。この記録動作の中断によっ
て、ユーザは液体貯蔵容器T1内にインク漏出などの問
題が生じていることをユーザに認識することができる。
【0030】しかも、この場合のインクの漏出は、液体
貯蔵容器T1から外部へのインクの漏出ではなく、貯蔵
部2から大気連通路内へのインクInの漏出に留めるこ
とができるため、インクによって記録装置内が汚損され
たり、電気系統がインクによってショートしたりすると
いう問題が発生することはなくなる。
【0031】このように、この第1の実施形態によれ
ば、大気連通空間7内に液体障害壁10,12を設ける
という極めて安価かつ小型な構成により、インク漏れの
ない信頼性に優れた液体貯蔵容器T1を提供することが
できる。
【0032】(第2の実施形態)次に本発明の第2の実
施形態を図4に基づき説明する。なお、上記第1の実施
形態と同一もしくは相当部分には同一符号を付す。この
第2の実施形態は、貯蔵部2と蓋部6とによって液体貯
蔵容器T2を構成し、この液体貯蔵容器T2と吐出ユニ
ット(液体吐出手段)1とによってヘッドカートリッジ
HCを構成するものとなっており、貯蔵部2の構成は第
1の実施形態に示したものと同一である。但し、この第
2の実施形態は、蓋部6の大気連通空間7内に設けられ
た液体障害壁の形状が異なる。すなわち、蓋部6の上面
部6aには略三角柱状の複数の上側液体障害壁20が下
方へ向けて突設されると共に、蓋部6の下面部6bには
三角柱状の下側液体障害壁22が上方へ向けて複数突設
されている。
【0033】そして、上側液体障害壁20の下端部と下
面部との間には、微小間隙23が形成され、下側液体障
害壁22の上端部と上面部との間には、微小間隙24が
形成されている。これにより、大気連通空間7内には、
上下の微小間隙23,24において上下に屈曲する通路
R2が形成される。なお、前記大気連通空間7及び大気
連通管8によって大気連通口2cから大気吸引口8aに
至る大気連通路が形成されている。
【0034】上記のように構成されたこの第2の実施形
態において、インクと多孔質部材とが長期間接触するな
どの理由により、多孔質部材9の貼着力またはインクメ
ニスカス力が低下した場合には、大気連通空間7内にイ
ンクInが漏出する可能性がある。そして、大気連通空
間7内にインクInが漏出すると、そのインクInは、
空気の流動に伴なって下流側、すなわち大気連通管8側
に流動して行き、通路R2に達する。
【0035】上述のように、この通路R2は、上下方向
から突出する液体障害壁20,22によって微小間隙2
3,24が形成されているため、空気の流通は可能であ
るが、液体の流通はこの微小間隙23,24によって遮
断され、大気連通管8に達することは阻止される。
【0036】但し、大気連通空間7に最初に到達したイ
ンクInが図示のように下側に位置する微小間隙23の
間に達し、ここを浸透して通路R2内に滲み出す可能性
はあるが、そのインクInは、さらに下流側に形成され
ている液体障害壁22に堰きとめられ、しかも空気の流
通する微小間隙24は上方に形成されているため、イン
クInがここを通過し得る可能性は極めて低い。しか
も、その後段には、さらに液体障害壁20,22及び微
小間隙23,24が存在するため、インクInの大気連
通管8への漏出は確実に阻止される。従って、インクI
nの漏出により記録装置内が汚損されたり電気系統がシ
ョートするといった不都合が発生することはなくなり、
信頼性の高い液体貯蔵容器T2を提供することができ
る。
【0037】(第3の実施形態)次に本発明の第3の実
施形態を図5に基づき説明する。なお、上記第1の実施
形態と同一もしくは相当部分には同一符号を付す。この
第3の実施形態は、貯蔵部2と蓋部6とによって液体貯
蔵容器T3を構成し、この液体貯蔵容器T3と吐出ユニ
ット1とによってヘッドカートリッジHCを構成するも
のとなっており、貯蔵部2の構成は上記第1の実施形態
に示したものと同一である。但し、この第3の実施形態
では、前記の貯蔵部2の大気連通路内に漏出したインク
を検出する液体検出センサ13を設けたものとなってお
り、この点が上記第1の実施形態と異なる。
【0038】そして、この第3の実施形態においても、
大気連通口2cから大気連通路内にインクの漏出が生じ
た場合には、上記第1の実施形態と同様に、液体障害壁
10,12によって漏出したインクを大気連通空間7内
に留めることができると共に、この大気連空間7内に漏
出したインクを液体検出センサ13が感知し、端子1
8,19からトラブル発生信号が出力される。このトラ
ブル発生信号は、記録装置に入力され、その信号を受け
た記録装置では、直ちに記録動作を停止させると共に、
液体貯蔵容器T3にインクタンクにトラブルが発生した
こと知らせるべく、表示器あるいはブザーなどを駆動す
る。
【0039】このように、この第3の実施形態では、液
体貯蔵容器T3外へのインクの漏出を防止することがで
きるため、上記第1の実施形態と同様に高い信頼性を得
ることができる。しかも、液体貯蔵容器T3の大気連通
路内にインクが漏出した場合には、それを直ちにユーザ
に知らせ、不十分なインク貯留状態で記録動作が開始さ
れる前に、事前に交換を促すことが可能となり、無駄な
記録動作の実行を回避することができる。
【0040】なお、上記各実施形態では、液体障害壁1
0,12,20,22が略三角柱状をなすものとした
が、液体障害壁の形状はその他の形状を採ることも可能
であり、本発明は、特に上記実施形態に限定されるもの
ではない。
【0041】また、上記液体障害壁は、種々の部材によ
って形成することができ、上記各実施形態においては、
樹脂等によって蓋部6及び貯蔵部2と一体成形した場合
を示した。しかしながら、蓋部6及び貯蔵部2と液体障
害とを別体に形成しておき、インクの流動性などに応じ
て必要とする数の液体障害壁を接着するようにしても良
い。また、液体障害壁を、繊維状の樹脂や金属を積層さ
せ焼結させた多繊維体で構成することも可能であり、こ
の場合には、液体障害壁自体がインクを保持する作用を
有するため、インクが大気連通管側へと導かれるのを、
より確実に阻止することができる。
【0042】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明に係る液体貯
蔵容器及びヘッドカートリッジは、貯蔵部内の液体が、
貯蔵部に設けられた大気連通口から大気連通路へと流通
するのを遮断しかつ前記大気連通口における空気の流通
を可能とする気液分離部材と、前記大気連通路内におい
て前記気液分離部材から大気吸引口に至る空間内に液体
の流通を阻止しかつ空気の流通を可能とする液体障害壁
とを備えたことにより、前記液体障害壁によって大気吸
引口から外部への液体の流出を確実に阻止することが可
能となり、安価かつ小型な構成によって高信頼性を得る
ことができる。このため、本発明の液体貯蔵容器及びヘ
ッドカートリッジを記録装置に適用すれば、インク漏れ
による装置内の汚損及び電気系への悪影響などを排除で
き、記録装置の故障の発生を軽減することができると共
に、寿命向上などを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液体貯蔵容器の第1の実施形態を
示す一部切欠斜視図である。
【図2】(a)は図1の示した液体貯蔵容器にインクを
補充しつつある状態を示す縦断側面図、(b)は図1に
示したものの一部横断平面図である。
【図3】図1に示した液体貯蔵容器において貯蔵部内の
インクが大気連通路内に漏出した状態を示す縦断側面図
であり、(a)は大気連通路内にインクが漏出した初期
の段階を示し、(b)は大気体連通口から液体貯蔵容器
へのインク充填のため吸気源に接続されて空気の吸引が
開始された状態をそれぞれ示している。
【図4】本発明に係る液体貯蔵容器の第2の実施形態を
示す縦断側面図である。
【図5】本発明に係る液体貯蔵容器の第3の実施形態を
示す縦断側面図である。
【符号の説明】
HC ヘッドカートリッジ T1,T2,T3 液体貯蔵容器 R1,R2 通路 1 吐出ユニット 2 貯蔵部 2a 液体供給口 2b 接続口 2c 大気連通口 6 蓋部 7 大気連通空間 8 大気連通管 8a 大気吸引口 8b 開口部 10,12 液体障害壁 20 上側液体障害壁 22 下側液体障害壁 13 液体検出センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA16 EA21 EA24 EA26 EB21 EB29 EC26 EC67 FA03 FA10 KB37 KB40 KC16 KC17 KC30

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体吐出ヘッドへ液体を供給する液体貯
    蔵容器であって、 前記液体を貯蔵する貯蔵部と、 前記貯蔵部に形成され、所定の液体供給源に接続される
    液体供給口と、 前記貯蔵部の内部と外部の間の空気の流通を可能とする
    大気連通口と、 前記大気連通口から所定の大気吸引口へと大気を導く大
    気連通路と、 前記貯蔵部内の液体が前記大気連通口から前記大気連通
    路へと流通するのを遮断し、かつ前記大気連通口におけ
    る空気の流通を可能とする気液分離部材と、 前記大気連通路内において前記気液分離部材から大気吸
    引口に至る空間内に液体の流通を阻止しかつ空気の流通
    を可能とする液体障害壁とを備え、 前記大気連通路内に溢れた液体が前記大気吸引口に達す
    るのを前記液体障害壁によって阻止するようにしたこと
    を特徴とする液体貯蔵容器。
  2. 【請求項2】 前記気液分離部材は、多孔質部材によっ
    て構成されていることを特徴とする請求項1に記載の液
    体貯蔵容器。
  3. 【請求項3】 前記気液分離部材は、撥水性処理がなさ
    れていることを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載の液体貯蔵容器。
  4. 【請求項4】 前記液体障害壁は、前記大気連通路内に
    複数配設されることを特徴とする請求項1ないし3のい
    ずれかに記載の液体貯蔵容器。
  5. 【請求項5】 前記液体障害壁は、前記大気連通路にお
    ける上下左右の内面の中の少なくとも一つの面に突出形
    成されることを特徴とする請求項1記載の液体貯蔵容
    器。
  6. 【請求項6】 前記大気連通路内の下面に、気流の流動
    方向と交差する方向に沿って少なくとも一個の液体障害
    壁を形成したことを特徴とする請求項1ないし6記載の
    液体貯蔵容器。
  7. 【請求項7】 前記大気連通路内の下面に、順次複数本
    の液体障害壁を並設し、隣接する液体障害壁に対し左右
    異なる位置に気体を通過させる間隙を形成したことを特
    徴とする請求項6記載の液体貯蔵容器。
  8. 【請求項8】 前記大気連通路内の上面に上側液体障害
    壁を突設すると共に、前記大気連通路内の下面に下側液
    体障害壁を突設し、前記上側液体障害壁と下側液体障害
    壁とを交互に配設する一方、前記上側液体障害壁と前記
    下面との間及び下側液体障害壁と前記上面との間にそれ
    ぞれ空気を通過させる間隙を形成したことを特徴とする
    請求項1ないし6のいずれかに記載の液体貯蔵容器。
  9. 【請求項9】 前記大気連通路内における大気連通路内
    に液体検出センサを有することを特徴とする請求項1な
    いし8のいずれかに記載の液体貯蔵容器。
  10. 【請求項10】 前記大気連通路は、前記大気連通口を
    覆うよう容器本体に取り付けられた蓋部によって形成さ
    れ、 前記蓋部には大気を導入させる大気吸引口が設けられる
    と共に、この大気吸引口と前記大気連通口とを連通させ
    る大気連通空間が形成されることを特徴とする請求項1
    ないし9のいずれかに記載の液体貯蔵容器。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし9のいずれかに記載の
    液体貯蔵容器と、この液体貯蔵容器に連結され前記液体
    貯蔵容器から供給される液体を吐出する液体吐出手段と
    からなることを特徴とするヘッドカートリッジ。
  12. 【請求項12】 前記液体吐出手段は、液体を吐出する
    ためのエネルギーを発生する素子として、前記液体に膜
    沸騰を生じさせるための熱エネルギーを発生させる電気
    熱変換体を有することを特徴とする請求項11に記載の
    ヘッドカートリッジ。
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