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JP2003210460A - ずり弾性率計測装置および治療装置 - Google Patents

ずり弾性率計測装置および治療装置

Info

Publication number
JP2003210460A
JP2003210460A JP2002010368A JP2002010368A JP2003210460A JP 2003210460 A JP2003210460 A JP 2003210460A JP 2002010368 A JP2002010368 A JP 2002010368A JP 2002010368 A JP2002010368 A JP 2002010368A JP 2003210460 A JP2003210460 A JP 2003210460A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
elastic modulus
region
interest
shear
shear elastic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002010368A
Other languages
English (en)
Inventor
Chikayoshi Sumi
親良 炭
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
Original Assignee
Hitachi Medical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Medical Corp filed Critical Hitachi Medical Corp
Priority to JP2002010368A priority Critical patent/JP2003210460A/ja
Priority to US10/326,526 priority patent/US20040034304A1/en
Publication of JP2003210460A publication Critical patent/JP2003210460A/ja
Priority to US11/312,591 priority patent/US7775980B2/en
Priority to US11/312,609 priority patent/US7946180B2/en
Priority to US13/099,250 priority patent/US8429982B2/en
Withdrawn legal-status Critical Current

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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/01Measuring temperature of body parts ; Diagnostic temperature sensing, e.g. for malignant or inflamed tissue
    • A61B5/015By temperature mapping of body part
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/02Indexing codes associated with the analysed material
    • G01N2291/028Material parameters
    • G01N2291/02827Elastic parameters, strength or force
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/02Indexing codes associated with the analysed material
    • G01N2291/028Material parameters
    • G01N2291/0289Internal structure, e.g. defects, grain size, texture

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  • Surgical Instruments (AREA)
  • Ultra Sonic Daignosis Equipment (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
  • Measuring And Recording Apparatus For Diagnosis (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 計測対象物内に他の力源や制御することがで
きない力源が存在しても、生体の関心部位のずり弾性率
を計測可能にする。 【解決手段】 測定対象物に設定された関心領域7につ
いて計測された歪テンソル場データが格納された記憶手
段2と、歪テンソル場データに基づいて関心領域内の任
意の点のずり弾性率を演算するずり弾性率演算手段1と
を備え、ずり弾性率演算手段は、歪テンソル場とずり弾
性率との関係を表す一階偏微分方程式に基づいてずり弾
性率を数値解析により求めること、つまり、関心領域に
ついてのみを対象としてずり弾性率を計測することによ
り、全ての力源が関心領域の外部に位置するとみなして
関心領域のずり弾性率を演算し、演算に必要なポアソン
比は予め計測等により設定された値を用い、偏微分方程
式を解く際の初期条件として参照ずり弾性率を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物体、物質、材
料、生体などの計測対象物の内部の力学的な特性を非破
壊で定量的に計測する技術に係り、例えば加圧源または
加振源などの力源により対象物に力を作用させ、これに
より対象物内部に生ずる変位分布ないし歪テンソル場を
計測し、その歪テンソル場に基づいてずり弾性率を求め
る技術に関する。
【0002】典型的な応用分野としては、生体内部を観
察する超音波診断装置、磁気共鳴撮像装置、放射線治療
等の医療分野において、生体の関心部位の治療効果であ
る組織の変性をモニタリングする手段に適用される。但
し、本発明はこれに限られるものではなく、非破壊で対
象物のずり弾性率を計測して、その評価、検査、診断等
に適用することができる。
【0003】
【従来の技術】例えば、医療分野においては、放射線治
療、強力超音波照射、レーザ照射、電磁RF波照射、電磁
マイクロ波照射等により、病変部の治療を施すことが提
案されている。この場合、その治療効果を非侵襲によっ
てモニタすることが提案されている。また、抗癌剤等の
薬剤投与の効果などを非侵襲で観察することが提案され
ている。例えば、放射線治療などを施すと、病変部の温
度が変化することから、その温度変化(変性)を非侵襲
により計測できれば、治療効果をモニタリングできる。
【0004】ところで、対象物の関心部位の温度は、そ
の部位のずり弾性率に相関することが知られている。し
たがって、対象物内部のずり弾性率を非破壊で計測する
ことができれば、関心部位の温度または温度分布を計測
することができる。ここで、ずり弾性率とは、せん断弾
性率とも称される物理量であり、ずり弾性率=ずり応力
/ずり=せん断応力/せん断歪により表されることが知
られている。
【0005】従来、ずり弾性率を計測する方法として、
例えば、計測対象物に力を作用させる力源の位置を変え
ながら計測対象物を積極的に変形させ、その都度、対象
物表面の複数の点において応力及び歪を計測し、この計
測結果に基づいて関心部位である病変部のずり弾性率を
推定することが提案されている。つまり、応力計や変位
計を用いて対象物表面の複数の点の応力及び歪を計測
し、有限差分法や有限要素法などの数値解析手法を用
い、感度理論に基づいてずり弾性率分布を推定する。
【0006】なお、ずり弾性率の計測は、治療の効果を
モニタするでけでなく、肝臓ガンなどのような病変組織
と正常な生体組織の違いを外部から非侵襲で観察するこ
となどにも適用できる。
【0007】また、その他のモニタリング技法として
は、関心部位の核磁気共鳴周波数、電気インピーダン
ス、超音波伝播速度等の物性値を測定し、これに基づい
て関心部位の温度または温度分布を計測する方法があ
る。しかし、これらの技法によれば、温度計測の際に、
関心部位についての他の関連物性値が必要となる。特
に、関心部位の変性が共なうと、関連物性値が大きく変
化する場合があるため、非可逆的な変化を共なう部位の
温度計測には限界がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術によりずり
弾性率を計測する場合、対象物の外部表面に力源を設け
て積極的に複数の変形場を生じさせる必要が有る。しか
し、対象物内に他の力源が存在したり、制御することが
できない力源が存在すると、ずり弾性率を求めることは
困難である。つまり、従来の技術によると、全べての力
源について位置、力の働く方向および力の大きさなどの
パラメータが必要であり、また対象物表面の応力および
歪データが必要となるが、それらのパラメータおよびデ
ータを得ることは困難である。その結果、従来の技術に
よれば、対象物の全体を有限差分法や有限要素法等でモ
デル化する必要が有った。 また、強力超音波照射、レ
ーザ照射、電磁RF波照射、電磁マイクロ波照射等により
病変部の治療を施すと、病変部組織の構造変化を伴う組
織変性や組織成分重量分率の変化が起こる場合がある。
しかし、従来の技術では、組織変性や組織成分重量分率
の変化を計測することについては殆ど考慮されていな
い。
【0009】本発明の課題は、計測対象物内に他の力源
が存在したり、制御することができない力源が存在する
場合であっても、例えば、生体の関心部位の診断や治療
効果などのモニタリングに適用可能な、ずり弾性率の計
測技術を提供することにある。
【0010】また、本発明の他の課題は、ずり弾性率計
測手段を備えた低侵襲性の治療技術を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、次に述べる技
術により、上記課題を解決するものである。
【0012】本発明は、計測対象物に設定する関心領域
についてのみを対象として、ずり弾性率を計測すること
を前提とする。これにより、全ての力源が関心領域の外
部に位置するとみなせるので、計測用の力源の他に、他
の力源や、制御できない力源が存在しても、関心領域の
ずり弾性率を計測することができる。その結果、全べて
の力源について位置、力の働く方向および力の大きさな
どのパラメータ、あるいは対象物表面の応力および歪デ
ータが不要であり、また有限差分法や有限要素法等でモ
デル化するのも関心領域のみでよい。なお、関心領域を
変形させる力源が関心領域の近傍に存在する場合は、変
形を起こさせる格別な力源を用意する必要はない。この
ような力源としては、生体観察の場合、例えば、心拍、
呼吸、血管、体動などの制御不可能な力源が含まれる。
この場合は、その揚を乱すことなく、ずり弾性率を求め
ることができる。特に、測定精度に勝るだけの大きな変
形を生じさせることが困難であると考えられる対象物の
深部に関心領域を設定する場合に有用である。
【0013】また、ずり弾性率は、計測された関心領域
の歪テンソルに基づいて計算により求める。歪テンソル
の計測は、測定対象物を加圧源または加振源である力源
により積極的に変形させ、または自然な力源による変形
を利用して、その変形を変位または歪センサにより計測
する。この変位または歪センサとしては、超音波振動子
または磁場検出素子を用いることができる。超音波振動
子は、超音波診断装置で周知の素子であり、対象物の外
表面に接触または非接触により超音波探触子を配置し、
その超音波探触子から対象物内に超音波を照射し、関心
領域から反射等により探触子に戻ってくるエコーを受信
し、そのエコー信号に基づいて関心領域内の変位等の状
態変化を検出するものである。特に、変位ベクトルを計
測する場合は、時間間隔をおいて対象物内に超音波を複
数回照射し、2時相で取得されたエコー信号のクロスス
ペクトラムの位相の勾配に基づいて、関心領域内の任意
の点の変位ベクトルを演算により求める。歪テンソル場
は、求められた変位ベクトルを微分処理して求める。ま
た、超音波探触子を変位または歪センサとして用い、照
射する超音波によって関心領域が変形する場合は、関心
部位を変形させる格別な力源を設ける必要はない。
【0014】本発明のずり弾性率計測装置は、上述のよ
うにして求められた歪テンソル場データに基づいて、ず
り弾性率ないしずり弾性率分布を演算により求めるもの
である。具体的には、測定対象物に設定された関心領域
について計測された歪テンソル場データが格納された記
憶手段と、前記歪テンソル場データに基づいて前記関心
領域内の任意の点のずり弾性率を演算するずり弾性率演
算手段とを備え、該ずり弾性率演算手段は、前記歪テン
ソル場と前記ずり弾性率との関係を表す一階偏微分方程
式に基づいて前記ずり弾性率を数値解析により求めるこ
とを特徴とする。
【0015】生体の病変部を非侵襲で治療する場合のモ
ニタとして適用する場合は、生体の病変部を含む部位に
関心領域を設定し、この関心領域について計測された歪
テンソルデータに基づいて任意の点のずり弾性率を演算
し、演算されたずり弾性率に基づいて病変部を含む部位
の変性情報を出力する出力手段を設ける。
【0016】上述の場合において、前記関心領域におけ
る対象物のポアソン比が前記一階偏微分方程式に関係す
る場合は、予め計測された値または予め設定された値の
ポアソン比を用いる。
【0017】また、一階偏微分方程式を解く際の初期条
件として、参照ずり弾性率を用いることができる。この
場合、予め弾性率が判っている参照物または参照領域を
本来の関心領域内またはその近傍に設置または設定し、
これを含む連続した領域を解析対象の関心領域とする。
このように設定された関心領域の歪テンソル場を計測に
より求める際に参照物または参照領域の変位ベクトルを
同一時に計測することとし、これに基づいて参照ずり弾
性率を設定する。参照物または参照領域は、力源により
生ずる変形方向と広く交わる大きさまたは位置に設定す
ることが好ましい。例えば、大きな接触面積を有する力
源の場合は、その面積にに対応する大きさの参照領域を
設定することが好ましい。また、小さな接触面積の力源
の場合であっても、その力源に近い表面近傍に参照領域
を配置すれば、比較的小さな参照領域でも問題はない。
但し、本発明は、これに限られるものではなく、正常な
場合の関心領域のずり弾性率が推定できる場合は、その
推定値を参照ずり弾性率として設定するようにしても良
い。いずれの場合も、本発明によれば、参照ずり弾性率
に対する相対的なずり弾性率を求めることができる。
【0018】また、一階偏微分方程式を解く数値解析法
として、有限差分法または有限要素法を用いることがで
きる。この場合、正則化された代数方程式を用いること
によって、歪テンソル場データにエラー(ノイズ)が含
まれていても、参照物または参照領域が小さい場合、ま
たは位置が悪い場合においても、ずり弾性率分布の推定
ができる。
【0019】本発明のずり弾性率計測は、1次元、2次
元、3次元領域のずり弾性率またはずり弾性率分布を計
測する場合に適用され、計測すべき歪テンソルの次元
は、領域の次元数以下のものとなる。
【0020】本発明の超音波治療装置は、複数の振動子
が配列されてなる治療用振動子と、該治療用振動子の各
振動子に超音波の駆動信号を出力する治療送波回路と、
複数の振動子が配列されてなる超音波探触子と、該超音
波探触子に超音波の駆動信号を出力する送波回路と、前
記超音波探触子から出力されるエコー信号を取り込んで
整相処理する受波回路と、該受波回路で整相されたエコ
ー信号に基づいてずり弾性率を演算するずり弾性率演算
手段と、該演算されたずり弾性率に基づいて前記病変部
を含む部位の変性情報を出力する出力手段と、前記治療
送波回路と前記送波回路と前記受波回路とずり弾性率演
算手段とを制御する制御部と、該制御部に操作指令を入
力する操作部とを備え、前記制御部は、前記操作部から
入力される操作指令に基づいて、前記送波回路と前記受
波回路とを制御して被検体の生体に設定された関心領域
を変形させる機能と、前記治療送波回路を制御して前記
治療用振動子から射出される超音波ビームを制御する機
能とを備えてなり、前記ずり弾性率演算手段は、前記制
御部から与えられる指令に基づいて前記関心領域の変形
に係るエコー信号を取り込んで、前記関心領域の歪テン
ソルデータを演算し、該歪テンソルデータに基づいて前
記関心領域のずり弾性率を演算することを特徴とする。
なお、治療用の超音波ビームの制御は、ビーム焦点位置
(照射位置)、治療実施間隔、超音波ビームパワー、照
射時間、ビーム形状(アポタイゼーション)などの制御
が適宜適用される。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を
用いて説明する。 (第1実施形態)図1に、本発明の一実施形態のずり弾性
率測定を適用したずり弾性率測定装置の全体ブロック構
成図を示す。本装置は、計測対象物6の3次元(2次元
または1次元)の関心領域7内のずり弾性率分布を計測
するものである。計測対象物6の表面に接して、または
適当な媒質を介して変位・歪検出センサー5が設けられ
る。本実施形態では、変位・歪検出センサー5として複
数の超音波振動子からなる1次元または2次元アレイ型
の超音波探触子を用いている。
【0022】変位・歪検出センサー5は、位置調整手段
4によって測定対象物6との距離を機械的に調整可能に
なっている。また、変位・歪検出センサー5と測定対象
物6との相対距離を機械的に調整する位置調整手段4'
が設けられている。変位・歪検出センサー5を駆動する
超音波送信器及び超音波パルサー、および変位・歪検出
センサー5から出力されるエコー信号を受信する受信器
および増幅器を備えた駆動・出力調整手段5'が備えら
れている。また、対象物6を積極的に変形させる場合に
使用する加圧・加振器などの力源8、およびその位置を
機械的に決める位置調整手段4"が備えられている。デ
ータ記録手段2に記録されたエコー信号は、データ処理
手段1により読み出され、任意の時刻における関心領域
7内の歪テンソル場が演算により直接的に求められる。
なお、関心領域7内の変位ベクトル場が演算により求め
られる場合は、3次元、2次元、または1次元微分フィ
ルタ処理によって歪テンソル成分分布を求める。このよ
うにして計測された歪テンソル成分からずり弾性率分布
を演算により求めるようになっている。これらの演算結
果はデータ記録手段2に記録される。
【0023】計測制御手段3は、データ処理手段1、位
置調整手段4、位置調整手段4"および駆動・出力調整
手段5'をコントロールするようになっている。なお、
測定対象物6が固定されている場合は、位置制御手段
4'は不要である。変位・歪検出センサー5が電子走査
型の場合は、位置調整手段4は必ずしも必要ない。つま
り、関心領域7の大きさによっては、機械走査を行うこ
となく測定できる場合がある。また、変位・歪検出セン
サー5は、対象物6に直接接触させて計測する他、強力
超音波(HIFU)治療を行う際に治療効果のモニタリング
を行う場合は、対象物6を液体槽9中に浸漬し、変位・
歪検出センサー5を液体槽9に浸して非接触的に計測を
行うこともできる。
【0024】位置調整手段4は、例えば図3に示すよう
に、変位・歪検出センサー5と対象物6の相対的な位置
決めを機械的に行うもので、上下左右並進、回転、扇状
の回転を機械的に行う機械走査機構を使用する。また、
駆動・出力調整手段5'の出力は、時間的に連続的に、
あるいは所定の間隔をおいてデータ記録手段2に記録さ
れる。データ処理手段1は、駆動・出力調整手段5'を
制御して、3次元の関心領域7(または、2次元関心領
域あるいは1次元関心領域)内のエコー信号の基本波
(n =1)、第n次高調波(n=2〜N)、または全成分
を取得して、後述するデータ処理を施して所望の変位・
歪データを求め、データ記録手段2に格納する。
【0025】駆動・出力調整手段5'は、データ処理手
段1の指令に従って、変位・歪検出センサ5との間で送
受する超音波信号について、送信固定フォーカシング処
理またはマルチ送信固定フォーカシング処理および受信
ダイナミックフォーカシング処理のフォーカシング処理
を行なう開口合成処理を行なう。また、超音波信号につ
いて、アポダイゼーションを行なって、例えば超音波ビ
ームのビーム形状をシャープにするべく各素子から放射
される超音波信号に重み付けを行う処理を行いながら、
ビームステアリング処理を行ない、3次元(または2次
元あるいは1次元)関心領域7内のエコー信号を取得す
る。
【0026】ここで、データ処理手段1におけるずり弾
性率の演算内容について説明する。3次元歪テンソルの
計測データが得られている場合は、3次元(デカルト座
標系(x,y,z))の関心領域内のずり弾性率をμ、歪テ
ンソル場をεとし、次式(1)の連立一階偏微分方程式が
成り立つ。
【0027】
【数1】 式(1)におけるνは、ポアソン比である。ポアソン比ν
は、実測値または対象物の典型的な値を設定値として用
いることができる。
【0028】また、2次元歪テンソルの計測データが得
られている場合は、次式(2)または(2’)の連立一階偏
微分方程式が成り立つ。式(2)は平面歪に近い状態で
あり、式(2’)は平面応力に近い状態である。
【0029】いま、対象物が非圧縮性であると仮定し
て、ポアソン比ν=1/2とすると、式(2”)の連立一
階偏微分方程式が成り立つ。
【0030】
【数2】 また、1次元歪テンソルの計測データが得られている場
合は、次式(3)の一階偏微分方程式が成り立つ。
【0031】
【数3】 計測された歪テンソルに応じて、式(1)〜式(3)のい
ずれかの方程式、もしくは複数の方程式が、1次元〜3
次元の関心領域7の各関心点において成立する。また、
複数の独立した歪テンソル場の計測データが得られる場
合は、それぞれ上記の方程式を連立した方程式が成立す
る。但し、その際に使用される各歪(テンソル)分布デ
ータは、各歪(テンソル)分布のパワーの平方根で正規
化されたものである。ここで、複数の独立した歪テンソ
ル場とは、力源や参照領域の位置が異なる状態にて生じ
る変形場を意味する。例えば、力源の状態が時間的に変
化する制御不可能な場合、あるいは力源の状態を積極的
に変化させる場合、力の働く方向や力の大きさが変わる
ので、それぞれ独立の歪テンソル場になる。したがっ
て、参照領域は、各歪テンソル場に対して前述した基準
に従って適切に設定されるべきである。
【0032】ポアソン比νの分布は、例えば、各位置に
おいて計測された歪テンソルの主値の比(例えば、3次
元計測の場合は、2つ求められた主値のいずれか一方、
もしくは平均値)から近似的に評価することができる。
特に、複数の歪テンソル場が計測された場合には、各歪
テンソルから評価されたポアソン比の平均値をもって近
似することができる。主値そのものは、例えば、平均値
を特異値分析することにより得られる。
【0033】初期条件となる参照ずり弾性率は、関心領
域内の1点において与えられればよいが、2次元以上の
領域の場合は、計測精度を向上させるために極力広い領
域において与えられることが望ましい。3次元計測の場
合、2次元計測の場合および1次源計測の場合は、それ
ぞれ次式(4)、(5)および(6)のように参照領域ω
(l=1〜N)において与えられる。
【0034】
【数4】 次に、ずり弾性率を計算するために、正則化された代数
方程式を導出する。まず、一階空間偏微分方程式および
その初期条件に関して離散デカルト座標系(x,y,z)〜
(IΔx,JΔy,KΔz)を使い、未知ずり弾性率分
布、または歪(変位)分布に対して有限差分近似、また
はガラ‐キン法や変分原理に基づく有限要素近似を適用
して正則化された代数方程式を導出する。例えば、有限
差分近似を施した場合には、次式(7)の連立方程式を得
る。
【0035】 E G s=e (7) 但し、sは未知ずり弾性率の空間分布を表すベクトル、
Gは一階偏微分の有限差分近似定数からなる行列、Eお
よびeは各々歪テンソル分布デークおよびその空間微分
値から定まる行列およびベクトルである。
【0036】(7)式を最小二乗法を用いて解く。この場
合、計測された歪テンソルデータのノイズを低減するべ
く、E、eは歪分布およびその空間微分値に低域通過型
フィルタをかけたもので決まる。これにより、E、Gの
逆作用素はeに含まれる高周波数帯のノイズを増幅させ
てしまう。つまり、sは不安定な結果となってしまう。
そこで、いわゆる正則化法を応用して再構成の安定化を
図る。具体的には、正則化パラメータα1およびα2
(正値)を用いて、次式(8)の汎関数をsに関して最小
化する。ここで、上付き添え字のTは、転置行列を意味
する。
【0037】 error(s)=|e−E G s|+α1|G s|+α2|GT G s| (8) 但し、G sおよびGT G sは、各々未知ずり弾性率の空間
分布の勾配およびラプラシアンである。 G sおよびGT G
sは正定値であるため、error(s)は必ず一つの最小値
を持つことになる。 error(s)の最小化により、次式
(9)に示す正則化された正規方程式が得られる。
【0038】 GT(ET E+α1I+α2G GT)G s=GT ET e (9) したがって、解は次式(10)になる。ここで、Iは、単位
行列である。
【0039】 s=(GT(ET E+α1I+α2G GT)G)−1 GT ET e (10) なお、ガラ‐キン法や変分原理に基づく有限要素近似を
適用した場合においても、同様に、導出される連立方程
式に関して最小二乗法を適用する際に正則化を施す。但
し、この場合は、式(8)において、正則化パラメータα0
(正値)を用いて、α0Iを加えた上で、正則化することが
できる。
【0040】正則化パラメータα0、α1、α2は、歪の
計測精度、変形の状態、力源および参照空間・領域の相
対的な位置の如何によって、次のように設定することが
できる。正則化された正規方程式(9)式においては、
ずり弾性率分布を表すベクトルsにかかる行列が、数値
解析的に充分に正定値となるように使用される歪テンソ
ル分布データのパワーにより、つまり関心領域内の各歪
テンソルの行列式(第3不変量)の和により大きい値に
調節することができる。または、使用される歪テンソル
分布データの精度(SN比)により調節することができる。
例えば、SN比が高い場合に小さく、SN比が低い場合に大
きくする。これに準じて、例えば、そのSNパワー比に反
比例させることができる。
【0041】これらの歪テンソル分布のパワーに依存す
る正則化パラメータα0、α1、α2は、複数の歪テンソ
ル分布データが使用される場合には、歪テンソル分布デ
ータから評価される正則化パラメータ値の和に比例する
値となる。これに準じて、例えば、歪テンソル分布デー
タのSNパワー比に反比例した値の和となることがある。
【0042】また、正則化パラメータα1、α2を勾配作
用素およびラプラシアン作用素内にて現れる偏微分の方
向ごとに異なるもの(方向に依存するもの)として実現
することがある。ずり弾性率の分布を表すベクトルsに
かかる行列が数値解析的に充分に正定値となるように、
使用される歪テンソル分布の主値分布データのパワーに
より調節するべく、各関心点の歪テンソルに関して各主
軸方向の偏微分作用素の近似に正則化パラメータ(主値
が大きい主軸方向を小さく、主値が小さい主軸方向を大
きく、これに準じて、例えば、主値の二乗に反比例する
様に設定されることがある。)をかけた上で各方向の偏
微分作用素の近似を得て各々を関心領域内において平均
したものを使用する、または、使用される歪テンソル分
布の主値分布データの精度(SN比)により調節するべく、
各関心点の歪テンソルに関して各主軸方向の偏微分作用
素を近似して正則化パラメータ(主値のSN比が高い主軸
方向を小さく、主値のSN比が低い主軸方向を大きく、こ
れに準じて、例えば、主値データのSNパワー比に反比例
させることがある。)をかけた上で各方向の偏微分作用
素の近似を得て各々を関心領域内において平均したもの
を使用することができる。なお、関心領域の次元に比べ
て計測された主値の数が小さい場合、つまり数値解析的
に主値が零とみなされる場合、その主値が零とみなされ
る方向の正則化パラメータは他の求まる主値の方向の正
則化パラメータに比して大きい値に設定されることがで
きる。これらの方向に依存する正則化パラメータα1、
α2を複数の歪テンソル分布データが使用された際に実
現する場合は、正則化パラメータと各方向の偏微分作用
素の近似との積を評価するものとし、使用される各歪テ
ンソル分布データのパワーや精度から評価される正則化
パラメータ値と、使用される各歪テンソル分布データか
ら評価される各方向の偏微分作用素の近似とを重要度の
重み付けを行った上で算出される積の和に比例する値と
することができる。
【0043】また、正則化パラメータα0、α1、α2
は、空間的に変化するものとして実現することがあり、
結果的に、各関心点のずり弾性率にかかる局所行列が数
値解析的に充分に正定値となるように、各関心点にて使
用される歪テンソルデータのパワーにより、つまり各歪
テンソルの行列式(第3不変量)により大きい値に調節
できる。または、各関心点にて使用される歪テンソルデ
ータの精度(SN比)により調節する(SN比が高い場合に小
さく、SN比が低い場合に大きく)ことができる。これに
準じて、例えば、そのSNパワー比に反比例させることが
ある。
【0044】これらの関心点の位置に依存する正則化パ
ラメータα0、α1、α2は、同一の関心点において複数
の歪テンソルデータが使用される場合には、各関心点に
て使用される歪テンソルデータから評価される正則化パ
ラメータ値の和に比例する値となる。これに準じて、例
えば、各関心点の歪テンソルデータのSNパワー比に反比
例する値の和となる。また、各関心点にて使用する歪テ
ンソルデータの数が異なる場合は、このデータ数が考慮
されることがあり(数の多い関心点では大きく、数の少
ない関心点では小さく)、これに準じて、例えば、使用
する歪テンソルデータの数に比例させることがある。ま
た、これに準じて、各関心点にて使用される歪テンソル
データのパワーや精度(SN比)から評価される正則化パラ
メータ値と各関心点にて使用される歪テンソルデータの
数から評価される正則化パラメータ値とを重要度の重み
付けを行った上で算出される積の和に比例する値とする
ことができる。
【0045】また、正則化パラメータα1、α2に関して
は、上記の如く空間的に変化するものとして、且つ、勾
配作用素およびラプラシアン作用素内にて現れる偏微分
の方向ごとに異なるもの(方向に依存するもの)として
実現することもある。結果的に、各関心点のずり弾性率
にかかる局所行列が数値解析的に充分に正定値となるよ
うに、各関心点にて使用される歪テンソルの主値データ
のパワーにより調節するべく、各関心点にて使用する各
歪テンソルに関して各主軸方向の偏微分作用素の近似に
正則化パラメータ(主値が大きい主軸方向を小さく、主
値が小さい主軸方向を大きく、これに準じて、例えば、
主値の二乗に反比例する様に設定されることがある。)
をかけた上で得られる各方向の偏微分作用素の近似を使
用する。または、各関心点にて使用される各歪テンソル
データの精度(SN比)により調節するべく、各関心点にて
使用する各歪テンソルに関して各主軸方向の偏微分作用
素を近似して正則化パラメータ(主値のSN比が高い主軸
方向を小さく、主値のSN比が低い主軸方向を大きく、こ
れに準じて、例えば、主値データのSNパワー比に反比例
させることができる。)をかけた上で得られる各方向の
偏微分作用素の近似を使用することができる。なお、関
心領域の次元に比べて計測された主値の数が小さい場
合、つまり数値解析的に主値が零とみなされる場合、そ
の方向の正則化パラメータは他の求まる主値の方向の正
則化パラメータに比して大きい値に設定されることがで
きる。
【0046】これらの関心点の位置に依存して且つ方向
に依存する正則化パラメータα1、α2を各関心点にて計
測された複数の歪テンソルデータが使用された際に実現
する場合は、正則化パラメータと各方向の偏微分作用素
の近似との積を評価するものとし、各関心点にて使用さ
れる各歪テンソルデータのパワーや精度から評価される
正則化パラメータ値と、各関心点にて使用される各歪テ
ンソルデータから評価される各方向の偏微分作用素の近
似とを重要度の重み付けを行った上で算出される積の和
に比例する値とすることができる。また、各関心点にお
いて使用する歪テンソルデータの数が異なる場合は、こ
のデータ数が考慮されることがあり(数の多い関心点で
は大きく、数の少ない関心点では小さく)、これに準じ
て、例えば、使用する歪テンソルデータの数に比例させ
ることがある。これに準じて、各関心点にて使用される
歪テンソルデータのパワーや精度(SN比)から評価される
正則化パラメータ値と、各関心点にて使用される各歪テ
ンソルデータから評価される各方向の偏微分作用素の近
似と、各関心点にて使用される歪テンソルデータの数か
ら評価される正則化パラメータ値とを重要度の重み付け
を行った上で算出される積の和に比例する値とすること
がある。
【0047】また、正則化パラメータα0、α1、α2
は、参照領域から支配的に変形している方向に遠ざかる
に連れて大きい値に設定されることができる。
【0048】特に、1次元計測の場合においては、偏微
分方程式を解析的に解くことにより、参照点x=Aのず
り弾性値に対するx=Xにおける相対的なずり弾性率値
μ(X)/μ(A)は、その2点の歪の比ε(A)/ε(X)を
評価することが確認できる(特開平7−55775号公
報)。但し、歪値が数値解析的にゼロ、または符号が反
転した点あるいは領域においては、前もって歪の比から
評価されたその領域の周囲の相対値を参照値として上述
の正則化を施すことにより安定的に評価することもでき
る。
【0049】また、1次元または2次元計測の場合は、
関心点の位置が力源から離れるに従い、その位置のずり
弾性率が小さく評価される傾向がある。この場合、計測
対象と形状が等しくずり弾性率は均質であるモデルおよ
び使用される力源をモデル化し、このモデルにおいて解
析的にまたは数値解析的に評価される歪データを用いて
ずり弾性率分布の計測に用いる歪計測データを補正す
る。または、このモデルにおいて解析的にまたは数値解
析的に評価される応カデータを用いて計測されたずり弾
性率分布を校正する。あるいは、このモデルにおいて解
析的にまたは数値解析的に評価された歪データを用いて
ずり弾性率分布を評価してこれを用いて計測されたずり
弾性率分布を校正することができる。但し、関心領域が
力源から離れるに従い計測対象および力源を厳密にモデ
ル化する必要はない。ずり弾性率分布の経時的絶対変化
(差分値)は、基準の時刻および異なる時刻において評価
された絶対的な値μ(x,y,z)、μ(x,y)、 μ(x)の差分を
評価することにより得られる。また、ずり弾性率分布の
経時的相対変化(比の値)を評価する場合は、基準の時刻
および異なる時刻において評価されたlnμ(x,y,z)、ln
μ(x,y)、lnμ(x)の差分を評価する。または、絶対的な
値または相対的な値μ(x,y,z)、μ(x,y)、 μ(x)を評価
した上で、比の値を評価する。このように、ずり弾性率
推定結果に関しての信号処理は、自然対数の取られてい
る状態、および、外した状態にて施すことが可能であ
る。また、この際の、(8)式〜(10)式によるずり
弾性率分布lnμ(x,y,z)、lnμ(x,y)、lnμ(x)の計算に
おいては、共役勾配法などの反復的解法が採用されるこ
とがあるが、その際の推定値の初期値としては、一つ前
の時刻において評価された推定値を用いることにより、
計算量を低減できる。
【0050】次に、図2のフローチャートに沿って、ず
り弾性率分布の計測手順について詳細に説明する。ま
ず、ずり弾性率の参照領域を適切に設定する(S11)。
ずり弾性率の参照領域として、関心領域7内に少なくと
も1つの参照点を設定する。ここで、参照点はずり弾性
率が既知である点、または単位大きさの値を持つと想定
した点である。ずり弾性率の計測精度を向上させるため
には、変形方向と広く交わるように参照領域を関心領域
内に設定することが望ましい。参照領域とは、ずり弾性
率が既知である領域または先見的にずり弾性率がある分
布をもつと想定できる領域である。絶対的なずり弾性率
の分布を計測するためには、参照値として真値が与えら
れる必要がある。関心領域内にずり弾性率の値が既知で
ある参照点または参照領域が存在しない場合は、参照物
を関心領域に直接的に当てることが可能であれば、これ
を当てた上で一部を関心領域に含めて歪テンソル場の計
測を行う(S12)。この場合、参照物のずり弾性率値は
計測対象のそれよりも大きい値であり、この参照物を力
源8と関心領域の間に挟むことが望ましい。対象物は、
厳密には3次元空間において変形するため、3次元再構
成を行うことが望ましい。しかし、対象物の浅部におけ
るずり弾性率を評価する場合は、高精度に計測できる深
部方向の歪データを積極的に用いる1次元再構成法(式
3)は有用である。これに対し、対象物の深部における
ずり弾性率を評価する場合には、やはり、多次元再構成
(式1、2、2’)が有用であり、力源および参照領域の
設定に関して自由度を高くすることができる。特に、2
次元再構成に関しては関心領域の面に対してz方向に両
側よりかかる力によりz方向の歪がゼロに近い場合は式
2を、関心領域の面に対してz方向にかかる力がゼロに
近い場合は式2’を用いる。独立した歪テンソル場を計
測する場合は、力源8のみの位置を変えて行う。これ
は、歪の計測精度がその大きさにより決まるため、関心
領域全体にわたって一様なずり弾性率の計測精度を実現
するためには、様々な位置に力源8を設定して計測する
必要がある。当然のことながら、計測時間およびコスト
がかかるため、計測回数は計測精度とトレード・オフの
関係にある。逆に、対象物が力源8’や8”により自然
に変形する場合には、力源8は必要なく、自然に生じる
歪テンソル場のみを計測すればよいことは既に述べた。
【0051】ずり弾性率の計測は、計測制御手段3によ
って、計測対象6および検出センサー5の位置を調整
し、位置情報と検出信号をデータ記録手段2に入力す
る。データ処理手段1において、歪計測データに対して
ノイズ除去のためのフィルタリングを行い(S13)、空
間的に平滑化し、係数E、eを求める(S14)。次いで、
式(10)の行列およびベクトルを求め、関心領域のず
り弾性率分布sを求める(S15)。なお、計測結果の歪
テンソル成分分布、歪テンソル成分勾配分布、ずり弾性
率分布、ずり弾性率勾配分布を記録すべく、データ処理
手段1の計測結果がデータ記録手段2に入力される。ま
た、これらの計測結果をCRT(カラー・グレイ)などの
表示装置にリアルタイム表示すべく、データ処理手段1
の出力は表示装置に入力することができる。
【0052】また、超音波診断装置と併用して、体積弾
性率および密度の空間的変化の計測および画像化も同時
に行うことができる。これにより、関心領域に関する組
織について総合的な評価がなされる。この場合は、図1
のデータ処理手段1、データ記録手段2、計測制御手段
3、変位または歪検出センサー5、駆動・出力調整手段
5’などを併用することになる。また、磁気共鳴イメー
ジング装置と併用して、原子密度分布の計測及び画像化
が同時に行なわれることがある。
【0053】計測結果としては、各時刻の歪テンソル成
分分布、歪テンソル成分勾配分布、ずり弾性率分布、ず
り弾性率勾配分布の他に、ずり弾性率分布の基準時刻に
対する経時的相対変化(比の値)、あるいは絶対変化(差
分)をデータ処理手段1にて評価する。そして、それら
の評価結果をデータ記録手段2に記録すると共に、表示
装置に出力表示することができる。
【0054】また、これら計測結果について、空間的に
絶対的なずり弾性率分布または空間的に相対的なずり弾
性率分布に関して空間フィルタ処理を施した後、データ
記録手段2に記録すると共に、表示装置に出力表示する
ことができる。また、ずり弾性率分布の経時的変化(差
分値)そのもの、およびその相対変化(比の値)に関し
て時間フィルタ処理または時空間フィルタ処理を施した
後、データ記録手段2に記録すると共に、表示装置に出
力表示することができる。空間フィルタ処理、時間フィ
ルタ処理、または時空間フィルタ処理は、周波数を指標
にして表示または定量化する際の成分を選択又は強調す
るためであり、高域強調型、中域強調型、低域強調型、
高域通過型、中域通過型、低域通過型などを、適宜採用
することができる。このフィルタ処理はデータ処理手段
1にて行われる。
【0055】上述したように、図1の実施形態によれ
ば、変位または歪検出センサー5を用い、遠隔的に関心
領域内の歪テンソル場を計測し、その計測値によって記
述される一階の空間偏微分方程式を有限差分法または有
限要素法を用いて解くことによって、関心領域内におい
て与えられた参照ずり弾性率に対する相対的なずり弾性
率分布を演算により推定することできる。
【0056】また、ずり弾性率の演算にあたって、正則
化された代数方程式を用いることにより、歪計測データ
に含まれるエラー(ノイズ)データや参照領域が狭くて
位置が悪い場合においても関心領域内の歪計測データの
みからずり弾性率分布の推定が可能となる。
【0057】また、上述の実施形態によれば、各力源
8、8'、8"が関心領域の外部に存在するという条件の
下ではあるが、変位・歪検出センサー5を用いて取得さ
れる関心領域内の超音波散乱信号を信号処理して得られ
る歪テンソル場計測データのみから、その関心領域のず
り弾性率を推定することが可能である。すなわち、未知
対象物の関心領域のずり弾性率を関心領域内にて計測さ
れた歪テンソル場データから求めることができる。特
に、対象物が自然に変形する場合にはその場を乱すこと
なく容易に関心空間・領域のずり弾性率分布を推定する
ことが可能となる。また、測定精度に勝るだけの大きな
変形を生じさせることが困難であると考えられる対象物
の深部に関心領域が存在する場合に有用である。
【0058】特に、本実施形態に係るずり弾性率計測装
置は、放射線照射による物質の変性および温度変化がず
り弾性率の変化をともなうため、放射線照射等の治療効
果をモニタリングするものとして極めて有用である。
【0059】なお、図1の実施形態においては、超音波
探触子を用いた変位・歪検出センサー5により関心領域
内の歪テンソルを計測する例を説明したが、本発明はこ
れに限らず、核磁気共鳴信号の信号処理により評価され
る関心領域7内の歪テンソル場のみから、その関心領域
のずり弾性率を演算により求めることができる。
【0060】(第2実施形態)本発明のずり弾性率計測技
術を、超音波治療に適用した実施形態の全体構成ブロッ
ク図を図3に示す。医療分野においては、強力超音波照
射、レーザ照射、電磁RF波照射や電磁マイクロ波照射の
照射により、病変部を治療することが行なわれている。
これらの非侵襲治療の場合、治療により病変部の物質変
性や組成成分重量分率の変化、温度変化が生ずる。例え
ば、生体を対象とした場合、組織蛋白質の変性により組
織凝固を生じる。これらの物質変性や温度変化は、ずり
弾性率の変化をともなう。そこで、病変部位のずり弾性
率を計測し、その変化を観察することにより、非侵襲に
よる治療効果を非侵襲でモニタリングすることができ
る。そして、モニタリング結果に基づいて、治療実施間
隔、照射パワー強度、照射時間、照射間隔、照射位置
(焦点)、照射形状(アポダイゼ−ション)をダイナミッ
クにディジタル電子制御や機械制御するための指標とし
て利用することができる。
【0061】図3に示す治療装置は、強力な超音波を病
変部に照射して治療する治療装置であり、超音波診断装
置とずり弾性率計測装置を備えて構成されている。図3
に示すように、治療プローブ11は、超音波探触子12
と、治療用振動子13と、プローブ支持部14とを有し
て形成されている。超音波探触子12は、周知の超音波
診断装置に用いられるものと同様、例えばコンベックス
型のように、複数の振動子を一列に配列して形成され、
プローブ支持部14に取り付けられている。治療用振動
子13は、複数の振動子を超音波探触子12の両側に分
けて対称的に配列して、プローブ支持部14に取り付け
られている。図中には、治療用振動子13の複数の振動
子の超音波射出面が、凹状の曲面を形成するように配列
されているものを示す。プローブ支持部14は手で把持
したり、図1の位置調整手段4に把持されるようになっ
ている。これにより、治療プローブ11の位置を調整で
きるようになっている。
【0062】治療プローブ11の治療用振動子13に
は、治療パルス発生回路21で発生された超音波パルス
が、治療波遅延回路22と増幅器23を介して供給され
るようになっている。つまり、治療波遅延回路22にお
いて各振動子用に遅延制御され、増幅器23によって高
エネルギの駆動パルスに変換されて各振動子に供給さ
れ、 これによって、治療用振動子13の複数の振動子
から射出される超音波のビームの焦点位置を治療部位に
制御可能に形成されている。
【0063】一方、超音波探触子12には、超音波パル
ス発生回路31から発生された超音波パルスが送波遅延
回路32においてフォーカス処理され、増幅器33にお
いて増幅された後、送受分離器34を介して超音波探触
子12を構成する振動子に供給されるようになってい
る。超音波探触子12により生体内から受信された超音
波のエコー信号は、送受分離器34を介して増幅器35
に道びかれて増幅された後、受波整相回路36において
エコー信号の位相が整相されるようになっている。受波
整相回路36から出力されるエコー信号に基づいて、信
号処理部37において画像再構成が行なわれ、DSC
(ディジタルスキャンコンバータ)38にて診断像に変
換されてモニタ39に表示される。これらの診断装置に
係る部分は、周知の超音波診断装置を適用できる。
【0064】本実施形態の特徴に係るずり弾性率計測部
40は、受波整相回路36から出力されるエコー信号に
基づいて、前述の手順により、ずり弾性率を演算により
求めるようになっている。なお、計測データおよび演算
結果は、ずり弾性率計測部40に備えられているデータ
記録手段に格納されるようになっている。
【0065】また、上述の治療パルス発生回路21、治
療波遅延回路22、超音波パルス発生回路31、送波遅
延回路32、受波整相回路36、信号処理部37、DS
C38、およびずり弾性率計測手段40は、制御部41
の指令によって制御されるようになっている。また、操
作者は、操作部42から制御部41に指令を入力するに
よって、各種の操作条件や治療条件を設定できるように
なっている。なお、信号処理部37、ずり弾性率計測手
段40、操作部42および制御部41は、コンピュータ
により構成されている。
【0066】このように構成される超音波治療装置を用
いて、超音波治療を行なう場合の動作の概要を説明す
る。まず、治療プローブ11を生体の体表面に接触させ
て所望の治療部位を含む生体内の関心領域に向けて支持
する。まず、治療に先立って治療部位を撮像するため、
操作部42から撮像開始の指令を入力すると、これに応
答して制御部41は超音波パルス発生回路31と送波遅
延回路32に指令を出力する。これにより、超音波探触
子12から計測対象の生体内に超音波ビームが照射され
る。この超音波ビームは、超音波探触子12の振動子の
配列方向に沿って走査され、生体の扇形の断層面に沿っ
た領域に超音波ビームが照射される。超音波が照射され
た領域から反射される超音波エコーは、超音波探触子1
2の振動子により受信され、そのエコー信号は、受波整
相回路36において超音波ビームごとに整相処理され、
信号処理部37及びDSC38からなる画像処理部によ
り断層面の2次元画像が生成され、モニタ39に表示さ
れる。このようにして断層像を観察しながら生体内を診
断すると共に、断層像を観察しながら断層像上に治療部
位が現れた場合は治療を実行する。
【0067】すなわち、治療部位が断像上に現れたら、
治療プローブ11の位置を現在位置に保持する。そし
て、制御部41は、DSC38に記憶されている断層像
に基づいて、治療用振動子13の各振動子に供給する駆
動パルスの遅延時間を求めて治療波遅延回路22に出力
し、これにより、治療用振動子から射出される超音波の
ビーム焦点位置が治療部位に調整される。また、超音波
ビームの照射強度が調整されることがある。これによ
り、治療部位が加熱、焼灼されて病変部位が変性され
る。この治療操作は、必要に応じて間隔をおいて繰返し
行なわれる。また、3次元超音波画像を観察しながら治
療を行なうことがある。なお、治療用の超音波ビームの
制御は、ビーム焦点位置(照射位置)の制御に限らず,
治療実施間隔、超音波ビームパワー、照射時間、ビーム
形状(アポタイゼーション)などの制御を適宜組合わせ
て行なわれる。
【0068】次に、治療の効果をモニタリングするため
のずり弾性率計測と治療操作の手順を図4のフローチャ
ートを参照しながら説明する。まず、治療開始前の関心
領域内のずり弾性率分布μ(x,y,z)を計測する(S2
1)。この計測は、操作部42から制御部41に指令を
送り、超音波探触子12を力源として超音波を生体内の
関心領域に照射し、これによって関心領域内の生体を変
形させる。次いで、制御部41は、ずり弾性率計測部4
0に指令を送って、超音波探触子12から受信されるエ
コー信号を受波整相回路36から取り込ませ、前述した
手順で歪テンソル場を計測する。この計測された歪テン
ソル場に基づいて、ずり弾性率分布μ(x,y,z)を演算
する。
【0069】次に、関心領域内の治療部位を確認し、照
射回数カウンタIを初期化(I=0)する(S22)。
そして、治療開始位置および治療用超音波の初期強度を
設定して(S23)、治療を開始する(S24)。その
治療の都度、関心領域内の絶対的ずり弾性率分布μ(x,
y,z)を計測する(S25)。このとき、計測する弾性
率は絶対的なもののほか、空間的、時間的に相対的なも
のでよい。そして、予め設定された治療効果確認のため
のずり弾性率μの判定値TH1(軟化する場合)または
TH2(硬化する場合)と比較して所望の治療効果が得
られているか否かを確認する(S26)。TH1およびTH
2は、照射回数Iおよび位置(x,y,z)の関数である閾値で
あり、絶対的または相対的なずり弾性率値の単位を持っ
ている。所望の効果が得られていない場合は、超音波強
度を高く調整して(S27)、再度治療を実行させる
(S24)。所望の治療効果が得られた場合は、所定の
治療部位に設定した全ての点についての治療が終了した
か否か判断する(S28)。全ての治療点についての治
療が終了していなければ、治療位置を変更して(S2
9)、再度治療を実行させる(S24)。
【0070】全ての治療点についての治療が終了してい
れば、治療部位を冷却する(S30)。この冷却は、自
然冷却でも、強制的な冷却でもよい。その後、つまり治
療後の関心領域内のずり弾性率分布μ(x,y,z)を計測
する(S31)。そして、所定の治療部位に設定した全
ての点について、所望の治療効果が得られたか否かを判
断する(S32)。治療効果が得られていない場合は、
治療効果が得られるまで、さらに冷却を行なってずり弾
性率分布μ(x,y,z)を計測する(S30〜S32)。
所定の治療部位に設定した全ての点について所望の治療
効果が得られた場合は、治療を終了するか否か判断する
(S33)。治療を終了しない場合は、照射回数カウン
タIをインクリメントして、所定の照射回数が治療が終
了するまで、S23〜S33を繰返し、全ての病変部の
治療が終了した場合は、処理を終了する。なお、基本的
に照射位置は、関心領域内の深部から順に設定せず、照
射位値の治療効果を確認した上で、治療の照射位置を変
えていくこともある。
【0071】上述したように、図3の実施の形態の治療
装置によれば、超音波による治療を施しながら、その治
療効果をリアルタイムで観察することができ、的確な治
療を行なうことができる。また、治療効果を確認しなが
ら、超音波強度およびその照射回数等を調整することが
できる。
【0072】なお、図3の治療装置は、超音波照射によ
る治療を例に説明したが、本発明はこれに限られるもの
ではなく、レーザ照射、電磁RF波照射、電磁マイクロ波
の照射による治療にも適用できる。この場合は、治療用
振動子11、治療パルス発生回路21、治療波遅延回路
22および増幅器23に代えて、レーザ照射手段等の非
侵襲治療手段を設ければ良い。また、超音波探触子12
としては、例えば、2次元アレイ型開口、1次元アレイ
型開口、または凹面開口アプリケータを使用することが
できる。そして、例えば、生物又は採取組織を対象とす
る場合は経皮、経口、経膣、経肛門、開体などの経物体
表面に、強力超音波照射、レーザ照射、電磁RF波照射、
電磁マイクロ波を照射した際の物質変性、組成成分重量
分率の変化、及び温度変化をモニタリングできる。その
際に、計測されたずり弾性率値を、その治療実施間隔、
照射パワー強度、照射時間、照射間隔、照射位置(焦
点)、照射形状(アポダイゼ−ション)をダイナミック制
御するための指標として用いることができる。特に、ア
プリケータがアレイ型開口を有する場合はこれらはディ
ジタル電子制御され、アプリケータが凹面開口を有する
場合は、照射形状は固定とすることが多い。その場合、
照射位置は機械制御されることになる。高い照射空間分
解能が必要であることは述べるまでもなく、その際の制
御プログラムは、例えば図3に示したフローチャートを
適用できる。つまり、照射前、照射間、照射後に計測さ
れた絶対的なずり弾性率分布や相対的なずり弾性率分布
そのもの、又はその経時的変化を、その照射パワー強
度、照射間隔、照射(焦点)位置をダイナミックに制御す
るための指標として使用できる。
【0073】また、穿刺針やカテーテルなどの侵襲デバ
イスを使用して、強力超音波照射、レーザ照射、電磁RF
波照射、電磁マイクロ波照射をする治療の場合にも適用
できる。
【0074】また、力源が存在しない場合や積極的に力
源を使用せずとも、照射前、照射間、照射後に計測され
た歪(テンソル)分布およびずり弾性率分布より、物質
変性、組成成分重量分率の変化、及び温度変化のあった
位置を検出できる。また、歪テンソル成分分布を計測し
た時点において、この変化に伴う膨張、縮退などを直接
的に検出可能である。また、上述の治療を施す場合にお
いて、安全性を確保すべく、従来の温度モニタリング、
または計測精度を追求して熱電対などを用いて温度変化
分布を同時に計測するようにしてもよい。基本的には、
必要以上に温度が上昇しないように、温度に関する上限
値を設定し、照射パワー強度、照射時間、照射間隔、照
射位置、照射形状の制御を行うことが好ましい。その際
には、その温度の上限値をずり弾性率値μや歪値eに換
算した上で制御することも可能である。
【0075】また、本発明のずり弾性率計測装置は、薬
品の注入、塗布、投与による温度変化を伴うことがある
物質変性や組成成分重量分率の変化、生物又は採取組織
を対象とする場合は治療効果のモニタリングに使用する
ことができる。この場合、実施前、実施中、実施後に、
計測される絶対的なずり弾性率分布又は相対的なずり弾
性率分布、これらの経時的絶対変化又は経時的相対変化
を、その薬品の量、実施時間、実施間隔、実施位置を決
めるための指標として使用することができる。このよう
な薬品の例としては、抗癌剤がある。
【0076】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、計
測対象物内に他の力源が存在したり、制御することがで
きない力源が存在する場合であっても、例えば、生体の
関心部位の診断や治療効果などのモニタリングに適用可
能なずり弾性率計測装置を提供できる。
【0077】また、本発明によれば、ずり弾性率計測装
置を備えた非侵襲の治療装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のずり弾性率測定装置の全
体ブロック構成図を示す。
【図2】ずり弾性率計測手順の一実施形態のフローチャ
ートである。
【図3】本発明のずり弾性率測定装置を備えてなる超音
波治療装置の全体ブロック構成図を示す。
【図4】図4の超音波治療装置の制御手順を示すフロー
チャートである。
【符号の説明】
1 データ処理手段 2 データ記録手段 3 計測制御手段 4、4’、4” 位置調整手段 5 変位・歪検出センサー 5’、5” 駆動・出力調整手段 6 計測対象物 7 関心領域 8、8’、8” 力源 9 液体槽
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 29/00 A61B 17/36 330 Fターム(参考) 2G047 AA05 AC13 AD08 BA03 BC14 BC20 CA01 DB02 EA08 EA10 GA03 GB02 GB17 GE03 GF17 GG19 GG34 4C060 EE19 JJ25 JJ27 MM24 4C301 AA02 BB23 DD11 DD30 EE19 EE20 FF26 GA11 GB03 GB09 GC12 HH02 HH24 HH25 HH37 HH38 HH45 JB29 JB35 JB50 KK30 LL04 LL20 4C601 BB05 BB06 BB07 DD30 EE16 EE30 FF11 FF16 GA11 GB01 GB03 GB04 GB06 GC09 GC10 HH04 HH05 HH15 HH30 HH31 HH35 JB01 JB28 JB34 JB45 JB55 JB60 JC37 KK31 LL01 LL02 LL40

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象物に設定された関心領域につい
    て計測された歪テンソルデータが格納される記憶手段
    と、前記歪テンソルデータに基づいて前記関心領域内の
    任意の点のずり弾性率を演算するずり弾性率演算手段と
    を備え、該ずり弾性率演算手段は、前記歪テンソルと前
    記ずり弾性率との関係を表す一階偏微分方程式に基づい
    て前記ずり弾性率を数値解析により求めることを特徴と
    するずり弾性率計測装置。
  2. 【請求項2】 生体の病変部を含む部位に設定された関
    心領域について計測された歪テンソルデータが格納され
    る記憶手段と、前記歪テンソルデータに基づいて前記関
    心領域内の任意の点のずり弾性率を演算するずり弾性率
    演算手段と、該演算されたずり弾性率に基づいて前記病
    変部を含む部位の変性情報を出力する出力手段とを備
    え、前記ずり弾性率演算手段は、前記歪テンソルと前記
    ずり弾性率との関係を表す一階偏微分方程式に基づいて
    前記ずり弾性率を数値解析により求めることを特徴とす
    るずり弾性率計測装置。
  3. 【請求項3】 前記出力手段は、求められたずり弾性率
    と設定値とを比較し、該比較結果に対応した前記変性情
    報を出力することを特徴とする請求項2に記載のずり弾
    性率計測装置。
  4. 【請求項4】 前記ずり弾性率演算手段は、前記関心領
    域における対象物のポアソン比が前記一階偏微分方程式
    に関係する場合、予め計測された値または予め設定され
    た値のポアソン比を用いることを特徴とする請求項1乃
    至3のいずれかに記載のずり弾性率計測装置。
  5. 【請求項5】 前記ずり弾性率演算手段は、一階偏微分
    方程式を解く際の初期条件として、予め計測または設定
    された参照ずり弾性率を用いることを特徴とする請求項
    1乃至4のいずれかに記載のずり弾性率計測装置。
  6. 【請求項6】 前記ずり弾性率演算手段は、前記一階偏
    微分方程式を解く数値解析法として有限差分法または有
    限要素法を用いるとともに、正則化された代数方程式を
    用いることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記
    載のずり弾性率計測装置。
  7. 【請求項7】 複数の振動子が配列されてなる治療用振
    動子と、該治療用振動子の各振動子に超音波の駆動信号
    を出力する治療送波回路と、複数の振動子が配列されて
    なる超音波探触子と、該超音波探触子に超音波の駆動信
    号を出力する送波回路と、前記超音波探触子から出力さ
    れるエコー信号を取り込んで整相処理する受波回路と、
    該受波回路で整相されたエコー信号に基づいてずり弾性
    率を演算するずり弾性率演算手段と、該演算されたずり
    弾性率に基づいて前記病変部を含む部位の変性情報を出
    力する出力手段と、前記治療送波回路と前記送波回路と
    前記受波回路とずり弾性率演算手段とを制御する制御部
    と、該制御部に操作指令を入力する操作部とを備え、 前記制御部は、前記操作部から入力される操作指令に基
    づいて、前記送波回路と前記受波回路とを制御して被検
    体の生体に設定された関心領域を変形させる機能と、前
    記治療送波回路を制御して前記治療用振動子から射出さ
    れる超音波ビームを制御する機能とを備えてなり、 前記ずり弾性率演算手段は、前記制御部から与えられる
    指令に基づいて前記関心領域の変形に係るエコー信号を
    取り込んで、前記関心領域の歪テンソルデータを演算
    し、該歪テンソルデータに基づいて前記関心領域のずり
    弾性率を演算することを特徴とする治療装置。
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