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JP2003201568A - プラズマ放電処理装置及びプラズマ放電処理方法 - Google Patents

プラズマ放電処理装置及びプラズマ放電処理方法

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JP2003201568A
JP2003201568A JP2002002272A JP2002002272A JP2003201568A JP 2003201568 A JP2003201568 A JP 2003201568A JP 2002002272 A JP2002002272 A JP 2002002272A JP 2002002272 A JP2002002272 A JP 2002002272A JP 2003201568 A JP2003201568 A JP 2003201568A
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JP
Japan
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electrode
base material
plasma discharge
discharge treatment
titanium
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JP2002002272A
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Yoshikazu Kondo
慶和 近藤
Kazuhiro Fukuda
和浩 福田
Yoshiro Toda
義朗 戸田
Kiyoshi Oishi
清 大石
Akira Nishiwaki
彰 西脇
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大気圧プラズマ放電処理を、処理温度が30
0℃の高温でも、また放電の高出力の状態でも、長期連
続運転にも耐えることが出来る新規な電極を有する装置
を提供し、基材への薄膜の形成が高速度、高性能で行う
ことが出来る大気圧プラズマ放電処理装置及び方法を提
供する。 【解決手段】 大気圧もしくはその近傍の圧力下、対向
電極間で高周波電圧を印加して放電させることにより、
電極間の反応性ガス及び希ガスを含有する反応ガスをプ
ラズマ状態とし、基材を該プラズマ状態の反応ガスにさ
らして、該基材に薄膜を形成するプラズマ放電処理装置
の電極の金属母材を70質量%以上のチタンを含有する
チタン合金またはチタン金属とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気圧もしくはそ
の近傍の圧力下プラズマ放電処理により、基材に薄膜を
形成するためのプラズマ放電処理装置、及びこの装置を
用いて薄膜を形成するプラズマ放電処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】大気圧もしくはその近傍の圧力下、印加
電極とアース電極とで対向電極が形成されている電極間
で高周波電圧を印加して放電させることにより、該対向
電極間にある反応性ガス及び希ガスを含有する反応ガス
をプラズマ状態とし、基材を該プラズマ状態の反応ガス
にさらすことによって、該基材に薄膜を形成するプラズ
マ放電処理(以降、大気圧プラズマ放電処理とすること
がある)が多く提案されている。
【0003】大気圧プラズマ放電処理装置に使用されて
いる電極の多くは、金属母材とその上に被覆されている
誘電体から構成されている。電極の金属母材としては、
ステンレススティールが多く使用されており、その上に
被覆されている誘電体としてゴム、セラミックス、ガラ
ス、グラスライニングしたもの、またセラミックス溶射
したものが用いられていた。ゴムは安価で弾力性があり
金属母材との密着性がよく、よく使用されているが、1
00℃という温度を超えるとゴムが軟化し、処理が出来
なくなり、老化し直ぐに交換しなければなくなる。ま
た、材質がセラミックスやガラス等の誘電体は曲面を有
する金属母材に対しては密着しにくく、回転する電極を
有する装置には不向きであった。セラミックス溶射法や
グラスライニング法により金属母材の上に被覆された誘
電体は、電極が曲面を有するものでも強固な密着性を持
たせることが出来るが、処理中高温になると金属母材と
の誘電体が熱歪みの差が原因と思われるクラックが発生
し、特に金属母材がステンレススティールの上にセラミ
ックス溶射法による誘電体を被覆したものは、60℃程
度で表面にクラックが入り、使用中頻繁に電極の交換を
行わなければならなかった。また、このような電極の性
質から処理条件の限界があり、あまり効率よくプラズマ
放電処理が出来なかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、大気圧
プラズマ放電処理を、更に高効率で行うことの出来る装
置、特に電極と誘電体について鋭意検討を行った。本発
明の目的は、大気圧もしくはその近傍の圧力下、印加電
極とアース電極とで対向電極が形成されている電極間で
高周波電圧を印加して放電させることにより、該対向電
極間にある反応性ガス及び希ガスを含有する反応ガスを
プラズマ状態とし、基材を該プラズマ状態の反応ガスに
さらすことによって、該基材に薄膜を形成する際、処理
温度が300℃という高温でも、また放電の高出力の状
態でも、長期連続運転にも耐えることが出来る新規な電
極を有するプラズマ放電処理装置を提供することにあ
る。本発明の第2の目的は、基材への薄膜の形成が高速
度、高性能で行うことが出来る大気圧プラズマ放電処理
方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成より
なる。
【0006】(1) 大気圧もしくはその近傍の圧力
下、印加電極とアース電極とで対向電極が形成されてい
る電極間で高周波電圧を印加して放電させることによ
り、該対向電極間にある反応性ガス及び希ガスを含有す
る反応ガスをプラズマ状態とし、基材を該プラズマ状態
の反応ガスにさらすことによって、該基材に薄膜を形成
するプラズマ放電処理装置であって、該対向する電極の
金属母材が70質量%以上のチタンを含有するチタン合
金またはチタン金属であることを特徴とするプラズマ放
電処理装置。
【0007】(2) 大気圧もしくはその近傍の圧力
下、印加電極とアース電極とで対向電極が形成されてい
る電極間で高周波電圧を印加して放電させることによ
り、該対向電極間にある反応性ガス及び希ガスを含有す
る反応ガスをプラズマ状態とし、基材を該プラズマ状態
の反応ガスにさらすことによって、該基材に薄膜を形成
するプラズマ放電処理装置であって、該対向する電極の
金属母材が70質量%以上のチタンを含有するチタン合
金またはチタン金属であり、且つ該金属母材がセラミッ
クス溶射した誘電体により被覆されていることを特徴と
するプラズマ放電処理装置。
【0008】(3) 大気圧もしくはその近傍の圧力
下、印加電極とアース電極とで対向電極が形成されてい
る電極間で高周波電圧を印加して放電させることによ
り、該対向電極間にある反応性ガス及び希ガスを含有す
る反応ガスをプラズマ状態とし、基材を該プラズマ状態
の反応ガスにさらすことによって、該基材に薄膜を形成
するプラズマ放電処理装置であって、該対向する電極が
70質量%以上のチタンを含有するチタン合金またはチ
タン金属の金属母材と、該金属母材の上にセラミックス
溶射した誘電体により被覆されており、且つ該金属母材
とその上の該誘電体の間の該金属母材表面に厚さ1〜
1,000μmの該金属母材より電気抵抗の小さい金属
の下地を有することを特徴とするプラズマ放電処理装
置。
【0009】(4) 前記下地の金属が、Cu、Au、
Ag、Pt、Cr、Ni及びZnから選ばれる少なくと
も一つであるか、これらから選ばれる元素を含む合金で
あることを特徴とする(3)に記載のプラズマ放電処理
装置。
【0010】(5) 前記下地が金属溶射法、またはメ
ッキ法により付与したものであることを特徴とする請求
項3または4に記載のプラズマ放電処理装置。
【0011】(6) 前記誘電体が0.1〜3mmの厚
さを有することを特徴とする(2)乃至(5)の何れか
1項に記載のプラズマ放電処理装置。
【0012】(7) 前記誘電体が0.01〜6体積%
の空隙率を有することを特徴とする(2)乃至(6)の
何れか1項に記載のプラズマ放電処理装置。
【0013】(8) 大気圧もしくはその近傍の圧力
下、印加電極とアース電極とで対向電極が形成されてい
る電極間で高周波電圧を印加して放電させることによ
り、該対向電極間にある反応性ガス及び希ガスを含有す
る反応ガスをプラズマ状態とし、基材を該プラズマ状態
の反応ガスにさらすことによって、該基材に薄膜を形成
するプラズマ放電処理装置であって、該対向する電極の
金属母材が70質量%以上のチタンを含有するチタン合
金またはチタン金属であり、該金属母材の上にセラミッ
クス溶射した誘電体により被覆されており、且つ該金属
母材が熱媒体により温度調節出来るように中空になって
おり、該金属母材と誘電体の肉厚の合計が2〜30mm
であることを特徴とするプラズマ放電処理装置。
【0014】(9) 前記アース電極が回転電極であ
り、前記印加電極が該回転電極に沿って配置されている
筒型固定電極群であることを特徴とする(1)乃至
(8)の何れか1項に記載のプラズマ放電処理装置。
【0015】(10) 前記アース電極が回転電極であ
り、前記印加電極が該回転電極の円とそれより大きい同
心円の円弧の凹面を有する凹型固定電極であることを特
徴とする(1)乃至(8)の何れか1項に記載のプラズ
マ放電処理装置。
【0016】(11) (1)乃至(10)の何れか1
項に記載のプラズマ放電処理装置を用いて、電極の温度
を100〜300℃に保持しながら薄膜を形成すること
を特徴とするプラズマ放電処理方法。
【0017】(12) 電極の温度を120〜250℃
に保持しながら薄膜を形成することを特徴とする(1
1)に記載のプラズマ放電処理方法。
【0018】本発明を詳述する。本発明の大気圧プラズ
マ放電処理装置及び方法について、図をもって説明す
る。
【0019】本発明において、大気圧もしくはその近傍
の圧力とは、20〜110kPaの範囲であり、好まし
くは93〜104kPaの範囲である。
【0020】図1は、本発明の大気圧プラズマ放電処理
装置の一例を示す図である。図1は大気圧プラズマ放電
処理装置全体をしめしており、それはプラズマ放電処理
装置30、電圧印加手段40、ガス充填手段50、及び
電極温度調節手段60から構成されている。図1のプラ
ズマ放電処理装置30の電極は、印加電極とアース電極
とで対向電極を形成し、該対向電極がアース電極として
のロール状の回転電極25と印加電極の筒型固定電極群
36とから形成されている。基材フィルムFは図示され
ていない元巻きから巻きほぐされて搬送して来るか、ま
たは前工程から搬送されて来て(本発明においては、移
送する基材を処理するため、基材フィルムFはアース電
極の回転電極によりその回転と同期した速度で搬送され
て来て)、ガイドロール64を経てニップロール65で
基材フィルムFに同伴して来る空気等をカットし、回転
電極25に接触したまま巻き回されながら筒型固定電極
群36との間の放電処理部32に移送され、ニップロー
ル66、ガイドロール67を経て、図示してない巻き取
り機で巻き取られるか、次工程に移送する。ガス充填手
段50のガス発生装置51で発生させた反応ガスGを、
流量制御して給気口52より放電処理部32があるプラ
ズマ放電処理容器31内に入れ、該プラズマ放電処理容
器31内を反応ガスGで充填し処理排ガスG′として排
気口53より排出するようにする。次に電圧印加手段4
0で、高周波電源41により印加電極である筒型固定電
極群36に電圧を印加し、アース電極である回転電極2
5にアースを接地し、放電プラズマを発生させる。電極
温度調節手段60を用いて加熱または冷却する温度調節
した媒体を、該電極温度調節手段60から送液ポンプP
で配管61を通して回転電極25及び筒型固定電極群3
6に送液し、該回転電極25及び該筒型固定電極群36
の内側から温度を調節する。プラズマ放電処理の際、基
材フィルムF及び電極の温度によって、得られる薄膜の
物性や組成が変化することがあり、これに対して適宜制
御することが好ましい。媒体としては、シリコンオイル
のような油類の絶縁性材料が好ましく用いられる。プラ
ズマ放電処理の際、幅手方向あるいは長手方向での基材
フィルムの温度ムラが出来るだけ生じないように回転電
極及び固定電極の内部温度を制御することが行われる。
なお、68及び69はプラズマ放電処理容器31と外界
を仕切る仕切板である。
【0021】放電処理部32は対向電極間の間隙であ
り、この電極間の間隔(間隙の距離)は0.1〜30m
mが好ましい。なお、プラズマ放電処理容器31はパイ
レックス(R)ガラスやプラスティックで絶縁された金
属製容器であってもよい。例えば、アルミまたは、ステ
ンレススティールのフレームの内面にポリイミド樹脂等
を張り付けても良く、該金属フレームにセラミックス溶
射を行い絶縁性としても良い。
【0022】図2は、本発明における回転電極の一例を
示す斜視図で、図2において、回転電極25aは、導電
性を有する金属母材25Aに誘電体25Bが被覆されて
いる。
【0023】図2の筒型固定電極の形状にはおおまかに
言って角筒型や円筒型がある。ここで、角筒型のものを
角筒型固定電極、また円筒型のものを円筒型固定電極と
名付ける。角筒型固定電極群は円筒型固定電極群に比べ
放電範囲を広げる効果があり、プラズマ放電が効率的に
行われるため好ましい。角筒型固定電極の断面形状は四
角形でも、五角形でも制限ないが、角筒型固定電極の回
転電極に相対する面が、角筒型回転電極の中心と回転電
極の中心を結ぶ線に対して直角になるように設置するの
が好ましい。回転電極に対する一面が、回転電極の断面
の円と同心円の円弧を有しているものがより好ましい。
円筒型固定電極群の場合、円筒固定電極がその場で自己
回転するものであってもよく、電極の汚れが少なく利点
がある。
【0024】図3は角筒型固定電極群の角筒固定電極の
一例を示す斜視図である。図3において、角筒型固定電
極群36のそれぞれの角筒型固定電極36aは上記回転
電極と同様に、導電性を有する金属母材36Aと、その
上に誘電体36Bが被覆されている構造となっている。
【0025】図4は、印加電極に凹型固定電極を有し、
アース電極に回転電極を有する大気圧プラズマ放電処理
装置の一例を示す概略図である。基材フィルムFが接し
て回転するアース電極のロール状の回転電極101と対
向する印加電極の凹型の固定電極102は、該回転電極
101の断面の円よりも少し大きい同心円の円弧の曲面
を有しており、本発明においてはこの種の対向電極も好
ましく用いられる。該凹型の固定電極102の凹面の円
弧の長さは、回転電極101の断面の円周以下であれ
ば、特に制限ないが、該凹型の固定電極102の円弧の
長さは回転電極の円周の10〜50%程度が好ましい。
回転電極101と凹型の固定電極102の間の放電処理
部103をプラズマ状態の反応ガスGの雰囲気とし、図
示してないが元巻きから繰り出されて来る基材フィルム
F、または前工程から搬送されて来る基材フィルムF
が、ガイドロール104に導かれ、回転電極101に巻
き回されながら放電処理部103を通過する際に、該基
材フィルムFは大気圧プラズマ放電処理される。
【0026】本発明において、放電処理部103を通過
する基材フィルムFの厚さは1〜200μm程度のもの
が適切で、放電処理部103の間隙は、回転電極101
表面から凹型の固定電極面102ではなく、厚さを持っ
た基材フィルムFの表面から凹型の固定電極102の表
面までをいうこととし、その間隙は5mm以下、好まし
くは3mm以下、より好ましくは0.5〜2mmであ
る。
【0027】放電プラズマは高周波電源105より凹型
の固定電極102に印加されることによって発生する。
本発明において、プラズマ放電処理を、外界と遮断しな
くとも行うことが出来るが、好ましくは外界の空気を遮
断することが好ましい。処理系が外界と遮断するには、
容器を設けて遮断したり、ニップロールのような基材に
同伴して来る空気を遮断する等の手段で行うことが出来
る。基材フィルムFに同伴してくる空気を遮断する手段
としては、ニップロールが有効であり、図4において、
ガイドロール104に導かれた基材フィルムFをニップ
ロール106で圧力を掛けながら回転電極101に押し
つけ、同伴する空気を遮断することが出来る。基材フィ
ルムFに同伴して来る空気を遮断する手段として、上記
ニップロール106だけでも充分であるが、更に同伴空
気を遮断する手段として、図4に図示してないが、プラ
ズマ放電処理容器110内に基材が導入される前に、予
備室を設けてもよい。予備室は特開2000−0729
03公報に記載されている手段と同様なものを設置すれ
ばよい。放電処理部103内の内圧が、該放電処理部1
03と隣接する予備室の内圧より高いことが必要であ
り、好ましくは0.3Pa以上高いことである。このよ
うに放電処理部と予備室の間でも圧力差を設けることに
より、外部空気の混入を防止し、反応ガスの有効使用が
可能となり、処理効果も更に向上する。放電処理部に隣
接して入口側に二つ以上、出口側に二つ以上予備室を設
けた場合、その予備室と隣り合う予備室の間の差圧は、
放電処理部に近い側の予備室の内圧が高く設定されるこ
とが好ましく、0.3Pa以上高く設定されることが好
ましい。このように複数の予備室同士の間でも圧力差を
設けることによって、外部空気の混入をより効率的に防
止し、反応ガスの有効使用が可能となり、処理効果も更
に向上する。
【0028】図4において、プラズマ放電処理容器11
0内には容器ガス導入口107から導入された反応ガス
Gで満たすようになっている。プラズマ放電処理容器1
10の内部に更にプラズマ放電処理する処理部容器11
1があり、回転電極101と凹型の固定電極102の間
隙に処理部ガス導入口108から反応ガスが導入され
る。処理後のガスG′は処理部排気口116から排出さ
れる。プラズマ放電処理容器110はニップロール10
6と112、及び仕切板109と115で外界と遮断さ
れている。容器ガス導入口107からプラズマ放電処理
容器110内に満たされるガスは放電処理部103に導
入される反応ガスと同成分のものが好ましい。処理部容
器111内の放電処理部103を更に対向電極の側面
部、基材搬送部等の側面を囲むことによって安定した処
理を行うことが出来好ましい。更に、導入される反応ガ
スは特願2001−286720に記載したように、層
状に分割して放電処理部103に導入してもよい。特に
回転電極101と同期して移送する基材フィルムF側に
は反応性ガスの濃度を、また固定電極102側に希ガス
の濃度を高めるのも好ましい。処理後のガスG′は容器
排気口114から排出される。処理された基材フィルム
F′はニップロール112を経てプラズマ放電処理容器
110を出て、ガイドロール113を経て、図示されて
いない巻き取り機に巻き取られるか、または次工程に搬
送される。
【0029】図4中101Aと102Aは電極の金属母
材であり、また101Bと102Bは誘電体である。
【0030】基材の形はフィルム状ばかりでなく、様々
な曲面を有する基材にも適応出来るような形状も用いら
れる。後述の図6に示したような対向電極間に反応ガス
を上から導入して高周波電圧を印加すると下方にプラズ
マ状態の反応ガスがジェット状に吹きだし、その下に置
いてある曲面を有する基材にも薄膜を形成することが出
来る。また、曲面を有する基材でなく、フィルム状の基
材を対向電極の下に移送させることによって基材フィル
ムの上に薄膜を形成することが出来る。
【0031】本発明における全ての電極(印加電極もア
ース電極も)の金属母材は、チタンを70質量%以上含
有するチタン合金またはチタン金属である。本発明にお
いて、チタン合金またはチタン金属中のチタンの含有量
は、70質量%以上であれば、問題なく使用出来るが、
好ましくは80質量%以上のチタンを含有しているもの
が好ましい。本発明に有用なチタン合金またはチタン金
属は、工業用純チタン、耐食性チタン、高力チタン等と
して一般に使用されているものを用いることが出来る。
工業用純チタンとしては、TIA、TIB、TIC、T
ID等を挙げることが出来、何れも鉄原子、炭素原子、
窒素原子、酸素原子、水素原子等を極僅か含有している
もので、チタンの含有量としては、99質量%以上を有
している。耐食性チタン合金としては、T15PBを好
ましく用いることが出来、上記含有原子の他に鉛を含有
しており、チタン含有量としては、98質量%以上であ
る。また、チタン合金としては、鉛を除く上記の原子の
他に、アルミニウムを含有し、その他バナジウムや錫を
含有しているT64、T325、T525、TA3等を
好ましく用いることが出来、これらのチタン含有量とし
ては、85質量%以上を含有しているものである。これ
らのチタン合金またはチタン金属はステンレススティー
ル、例えばAISI316に比べて、熱膨張係数が1/
2程度小さく、金属母材としてチタン合金またはチタン
金属の上に施された後述の誘電体との組み合わせがよ
く、高温、長時間での使用に耐えることが出来る。
【0032】本発明の効果を更に高めるために、本発明
に係るチタン合金またはチタン金属の金属母材の上に導
電性に優れたCu、Au、Ag、Pt、Cr、Niまた
はZnから選ばれる金属、またはこれらから選ばれる合
金を金属溶射法またはメッキ法により下地を付与するこ
とにより、高周波電源からの給電点を直接金属の下地に
結合することが出来、その結果、該金属母材の導電性を
増加させ高周波電源からの電流を更に通し易くすること
が出来、プラズマ処理を効率よく行うことが出来る。金
属の下地は1〜1000μmの厚さに付けることが好ま
しく、このような金属母材に上記金属の下地を付けるこ
とにより、電気伝導度を10μΩcm以下とすることが
出来、電極の金属母材の導電性を著しく向上することが
出来る。その結果、電極の自己発熱量が抑制され高出力
の使用に耐える電極とすることが出来る。付与される金
属下地厚みは使用する周波数により異なり、100kH
z未満では100μm以上、100kHz以上では50
μm以上、1MH以上では10μm以上、10MHz以
上では1μm以上とすることが好ましい。
【0033】本発明に係るチタンを70質量%以上含有
するチタン合金またはチタン金属を金属母材に使用する
ことによって、その上に被覆する誘電体が限定されない
ようになった。特にセラミックス溶射誘電体については
良好な放電が可能となる。これに対して、ステンレスス
ティールを金属母材とし、セラミックス溶射誘電体の組
み合わせの電極を用いた場合、熱膨張係数が大きく、耐
久性、加工性という点で不適合で、殊に60℃位で既に
誘電体にクラックが入り、更にハイパワーの印加電圧、
高温、且つ長時間の大気圧プラズマ放電処理に耐える電
極ではなかった。本発明において、70質量%以上チタ
ンを含有するチタン合金またはチタン金属を金属母材と
して用いることを見い出したことによって、該金属母材
とセラミックスを溶射した誘電体被覆との組み合わせに
より、耐久性、加工性、ハイパワーの高周波電源の使
用、高温での処理、且つ長時間プラズマ放電処理性に優
れた電極を得ることが出来た。またガラスライニングに
よる誘電体の被覆でもかなり満足する性能を得ることが
出来ることもわかった。
【0034】ここで、誘電体について述べる。本発明に
係る電極は、図2及び3に示したように金属母材と誘電
体とを有し、誘電体は該金属母材を無機質なもので被覆
したものである。本発明に使用し得る誘電体としては、
ライニングにより無機質的性質の誘電体を被覆する組み
合わせにより、また、金属母材に対しセラミックス溶射
した後、無機質的性質の物質により封孔処理した誘電体
を被覆する組み合わせにより構成されていてもよい。誘
電体のライニング材としては、ケイ酸塩系ガラス、ホウ
酸塩系ガラス、リン酸塩系ガラス、ゲルマン酸塩系ガラ
ス、亜テルル酸塩ガラス、アルミン酸塩ガラス、バナジ
ン酸塩ガラス等を用いることが出来、この中でもホウ酸
塩系ガラスが加工し易く好ましい。また、誘電体の溶射
に用いるセラミックスとしては、アルミナが良く、酸化
珪素等封孔材が好ましい。またアルコキシラン系封孔材
をゾルゲル反応させて無機化させるものが好ましく用い
られる(特願2000−377044)。特に本発明に
おいて適している誘電体のセラミックス溶射の素材とし
ては、酸化アルミニウム、ホワイトアルミナを好ましく
用いることが出来る。また、酸化アルミニウムの他に酸
化チタンや酸化ケイ素、酸化ジルコニウムを主成分とす
るものがあるが、酸化アルミニウムが好ましい。該素材
の粒子は細かい方がよく、緻密な溶射膜が出来、好まし
い。溶射されたセラミックス誘電体の厚さは0.1〜3
mmが好ましいが、0.5〜2mmがより好ましい。セ
ラミックスの厚さが0.1mm以下では充分な絶縁性が
得られない場合があるだけでなく放電の均一性も低下す
る傾向がある。逆にセラミックスの厚さが3mm以上に
なると放電の効率が低下する。セラミックス溶射方法
は、アーク放電で約10,000℃に加熱された希ガス
中にセラミックスの粉末材料を入れて瞬時に溶解させて
金属母材に噴射し被膜を形成させる手法である。この手
法を用いることによりセラミックスの均一な薄膜で被覆
された電極を得ることが出来る。また溶射した被膜を研
磨してさらに均一な被膜にすることも出来る。溶射の他
の方法として、封孔による方法も好ましい方法である。
例えば、アルミナ、窒化珪素化合物、アルコキシシラン
系やアルコキシアルミニウム系封孔材を有機溶媒溶液と
して吹き付け、ゾルゲル反応し硬化させて無機化、また
は紫外線を照射してゾルゲル反応し硬化を促進して無機
化させるが好ましく用いられる(特願2000−377
044)。本発明において、誘電体の誘電率は4〜5
0、更に10〜20が好ましい。
【0035】また、基材フィルムを電極間に載置あるい
は電極間を搬送してプラズマにさらす場合には、印加電
極の誘電体表面ばかりでなく、基材フィルムをアース電
極に接して搬送出来るロール電極の誘電体表面をも研磨
仕上げし、電極の表面粗さRmax(JIS B 06
01)を10μm以下にすることで、誘電体の厚み及び
電極間のギャップを一定に保つことが出来、放電状態を
安定化出来ること、更に熱収縮差や残留応力による歪や
ひび割れを無くし、かつポーラスで無い高精度の無機誘
電体を被覆することで大きく耐久性を向上させることが
出来る。表面粗さは、更に好ましくは、表面粗さの最大
値が8μm以下であり、特に好ましくは、7μm以下に
調整することである。また、JIS B 0601で規
定される中心線平均粗さ(Ra)は0.5μm以下が好
ましく、更に好ましくは0.1μm以下である。更に、
電極の金属母材に誘電体を被覆する方法として、セラミ
ックスの溶射を空隙率10体積%以下まで緻密に行い、
更にゾルゲル反応により硬化する無機質の材料にて封孔
処理を行うことであり、ここでゾルゲル反応の促進に
は、熱硬化や紫外線硬化が良く、更に封孔液を希釈し、
コーティングと硬化を逐次で数回繰り返すと、よりいっ
そう無機質化が向上し、劣化の無い緻密な電極が出来
る。
【0036】図2及び3において、導電性の金属母材2
5A及び36Aに対しセラミックスを溶射後、無機材料
を用いて封孔処理したセラミックス被覆処理誘電体25
B及び36Bをそれぞれに被覆した組み合わせで構成さ
れているものである。セラミックス被覆処理誘電体を片
肉で1mm被覆し、ロール径を被覆後均一になるように
製作する。
【0037】本発明において、対向電極間には、10k
Hzから150MHzの範囲に周波数を有する高周波電
界を印加するのが好ましい。特に周波数が高い程、薄膜
形成速度を上げることが出来、100kHzを越えた高
周波電界を印加することが好ましい。更に対向する電極
間に、100kHzを越えた高周波電界で、1W/cm
2以上の電力を供給するのが好ましい。このようなハイ
パワーの高周波電界を印加することによって、緻密で、
膜厚均一性の高い高機能性の薄膜を、高い生産効率で得
ることが出来る。本発明において、対向する電極間に印
加する高周波電圧の周波数は、好ましくは150MHz
以下である。また、高周波電圧の周波数としては、好ま
しくは200kHz以上、さらに好ましくは800kH
z以上である。また、対向する電極間に供給する電力
は、好ましくは1.2W/cm2以上であり、好ましく
は50W/cm2以下、さらに好ましくは20W/cm2
以下である。尚、対向する電極における電圧の印加面積
は、放電が起こる範囲の面積のことを指す。対向する電
極間に印加する高周波電圧は、断続的なパルス波であっ
ても、連続したサイン波であっても構わないが、本発明
の効果を高く得るためには、連続したサイン波であるこ
とが好ましい。高周波電界はサイン波形を有すが、パル
ス化された電界を印加することも可能である。このパル
ス化の意味は、ON/OFFのデューティ比を変化させ
ることでプラズマガス温度の変化が可能になる。
【0038】本発明において有用な対向する電極に電圧
を印加する高周波電源としては、特に限定はないが、神
鋼電機製高周波電源(50kHz)、ハイデン研究所イ
ンパルス高周波電源(連続モードで100kHz)、パ
ール工業製高周波電源(200kHz)、パール工業製
高周波電源(800kHz)、パール工業製高周波電源
(2MHz)、日本電子製高周波電源(13.56MH
z)、パール工業製高周波電源(27MHz)、パール
工業製高周波電源(150MHz)等が好ましく使用出
来る。
【0039】本発明において、電極の金属母材と誘電体
との線熱膨張係数の差を8×10-6/℃以下とすること
により、好ましくは4×10-6/℃以下とすることによ
り、金属母材と誘電体の密着性を向上出来、誘電体と金
属母材とのずれをなくすことが出来る。例えば100〜
300℃という温度でも誘電体にクラックが入ることも
なく、高温長時間の処理に耐える耐熱耐久性電極とする
ことが出来る。本発明において、金属母材を70質量%
以上のチタンを含有するチタン合金またはチタン金属と
し、その上に被覆する誘電体を溶射セラミックスとする
ことで、熱膨張係数の差を上記のようにすることが出来
る。
【0040】本発明において、このようなハイパワーの
電圧を印加して、均一なグロー放電状態を保つことが出
来る上記の電極をプラズマ放電処理装置に採用する必要
がある。ハイパワーの印加電圧でプラズマ放電処理する
ことにより、均一な薄膜形成が出来、且つ緻密な薄膜形
成が出来る。これに対してローパワーの電圧を印加し
て、比較的低温でプラズマ放電処理すると、電極が反応
ガスあるいは処理後の反応ガス等のコンデンスがし易
く、プラズマの発生がムラになったり、また弱くなる傾
向があり、薄膜の形成が不均一、且つ緻密でなくなるこ
とが起こり易い。このような不具合に対しては、電極の
温度を上昇させて、所定の温度に保持することが好まし
い。
【0041】本発明の大気圧プラズマ放電処理装置は、
電極温度調節手段を有していて、該電極温度調節手段か
らの媒体が中側が中空となっている電極に導入され、該
電極の金属母材と誘電体との肉厚の合計を2〜30mm
とすることにより熱交換効率をよくすることが出来る。
それにより電極表面を所定の温度に維持することが出
来、高温度で且つ高出力でのプラズマ処理を可能とする
ことが出来る。その肉厚の合計が30mmを超えると高
温における熱伝達がうまくいかず、処理ムラが出来た
り、温度不足を生じたりすることがある。筒型固定電極
のようなパイプ状の電極については、金属母材自体の肉
厚が薄く少なくとも2mmは必要であり、2mm未満で
は構造上強度が保てない。
【0042】次に、本発明の大気圧プラズマ放電処理装
置で使用する反応ガスについて述べる。
【0043】本発明に使用する反応ガスは希ガスと反応
性ガスの混合ガスで構成されている。
【0044】本発明に有用な希ガスとしては、例えばH
e、Ar、Xe、Ne、Kr、Rn等の希ガスを挙げる
ことが出来るが、HeまたはArが好ましく、特にAr
が好ましい。反応ガスの混合比については、用途、選択
するガス、または反応性ガスによって変わるが、希ガス
が90〜99.5体積%が好ましい。
【0045】本発明において、大気圧プラズマ放電処理
により基材上に薄膜形成するということは、一般的には
反射防止膜のような薄膜を形成することであるが、フィ
ルムを表面改質すること(厳密に言えば薄膜が形成され
ている)や形成された薄膜をエッチングする作用も含包
含される。
【0046】本発明の大気圧プラズマ放電処理装置を用
いて表面処理されたフィルムとしては、例えば、コンベ
ンショナルのハロゲン化銀写真感光材料(表面を親水性
化)や銀塩光熱写真ドライイメージング材料(表面を疎
水性化または親水性化)の表面処理した支持体として有
用であるが、これらの用途に限定されない。
【0047】基材フィルムの表面改質に適する本発明に
有用な反応性ガスとしては、例えば、改質が親水性化す
るものとしては、酸素、水蒸気、水素、メタノール、エ
タノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコ
ール、アセトン、メチルエチルケトン、ホルムアルデヒ
ド、アセトアルデヒド、二酸化炭素、一酸化炭素、窒
素、一酸化窒素、二酸化窒素等、また改質が疎水性化す
るものとしては、例えば、メタン、エタン、プロパン、
ブタン、ヘキサン、トルエン、キシレン、ベンゼン等の
芳香族炭化水素、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサ
ン等の脂肪族炭化水素、エチレン、ブテン、ペンテン、
アセチレン、ブタジエン、スチレン等の不飽和脂肪族炭
化水素、また有機フッ素化合物として、ヘキサフルオロ
エタン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロ
ピレン、オクタフルオロシクロブタン、ジフルオロメタ
ン、テトラフルオロエタン、テトラフルオロプロピレ
ン、トリフルオロプロピレン、クロロトリフルオロメタ
ン、クロロジフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロ
シクロブタン、テトラフルオロメタン、テトラフルオロ
エチレン、ヘキサフルオロプロピレン、オクタフルオロ
シクロブタン、ジフルオロメタン、テトラフルオロエタ
ン、テトラフルオロプロピレン、トリフルオロプロピレ
ン、ヘキサフルオロアセトン、アクリル酸、メタクリル
酸、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、2−ヒド
ロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレ
ート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレー
ト、パーフルオロエチルアクリレート、パーフルオロエ
チルメタクリレート等を挙げることが出来る。また、上
記の物質を2種またはそれ以上混合することにより、親
水性化あるいは疎水性化以外の特殊な性質を発現するこ
とが出来る。
【0048】本発明において、基材表面に薄膜を形成さ
せて作製するものとして、例えば、電極膜、誘電体保護
膜、透明導電膜、エレクトロクロミック膜、蛍光膜、磁
気記録膜、反射膜、選択性吸収膜、選択性透過膜、反射
防止膜、シャドーマスク、耐摩耗性膜、耐食性膜、耐熱
膜、潤滑膜、装飾膜等の機能性膜を形成することが出来
る。そしてこれらの機能性膜を基材フィルムの上に形成
させたものを機能性フィルムという。
【0049】これらのうち、一例として基材フィルム上
に反射防止膜を有する反射防止フィルムについて説明す
る。
【0050】反射防止フィルムは、例えば、高屈折率
層、中屈折率層及び低屈折率層を積層することによって
形成させることが出来る。
【0051】反射防止層の形成に使用される反応性ガス
としては、例えば、高屈折率層用として、有機チタン化
合物、チタン水素化合物、ハロゲン化チタン等があり、
有機チタン化合物としては、例えば、トリエチルチタ
ン、トリメチルチタン、トリイソプロピルチタン、トリ
ブチルチタン、テトラエチルチタン、テトライソプロピ
ルチタン、テトラブチルチタン、トリエトキシチタン、
トリメトキシチタン、トリイソプロポキシチタン、トリ
ブトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトライソプ
ロポキシチタン、メチルジメトキシチタン、エチルトリ
エトキシチタン、メチルトリイソプロポキシチタン、テ
トラジメチルアミノチタン、ジメチルチタンジアセトア
セトナート、エチルチタントリアセトアセトナート、テ
トラジメチルアミノチタン等、チタン水素化合物として
はモノチタン水素化合物、ジチタン水素化合物等、ハロ
ゲン化チタンとしては、トリクロロチタン、テトラクロ
ロチタン等を挙げることが出来る。
【0052】低屈折率層に使用する珪素化合物として
は、有機珪素化合物、珪素水素化合物、ハロゲン化珪素
化合物等を挙げることが出来、有機珪素化合物として
は、例えば、テトラエチルシラン、テトラメチルシラ
ン、テトライソプロピルシラン、テトラブチルシラン、
テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、
テトラブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジ
エチルジエトキシシラン、ジエチルシランジアセトアセ
トナート、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエト
キシシラン、エチルトリエトキシシラン等、珪素水素化
合物としては、テトラ水素化シラン、ヘキサ水素化ジシ
ラン等を挙げることが出来る。また、上記のようなフッ
素化合物も好ましく用いることが出来る。
【0053】中屈折率層として、錫化合物、またはフッ
化化合物と珪素化合物の混合物があり、錫化合物として
は、有機錫化合物、錫水素化合物、ハロゲン化錫等であ
り、有機錫化合物としては、例えば、テトラエチル錫、
テトラメチル錫、二酢酸ジ−n−ブチル錫、テトラブチ
ル錫、テトラオクチル錫、テトラエトキシ錫、メチルト
リエトキシ錫、ジエチルジエトキシ錫、トリイソプロピ
ルエトキシ錫、ジエチル錫、ジメチル錫、ジイソプロピ
ル錫、ジブチル錫、ジエトキシ錫、ジメトキシ錫、ジイ
ソプロポキシ錫、ジブトキシ錫、錫ジブチラート、錫ジ
アセトアセトナート、エチル錫アセトアセトナート、エ
トキシ錫アセトアセトナート、ジメチル錫ジアセトアセ
トナート等、錫水素化合物としては水素化錫等等、ハロ
ゲン化錫としては、二塩化錫、四塩化錫等を挙げること
が出来、何れも本発明において、好ましく用いることが
出来る。なお、このようにして、形成された酸化錫層は
表面比抵抗値を1012Ω/cm2以下に下げることが出
来るため、帯電防止層としても有用である。
【0054】上記の有機錫化合物、有機チタン化合物ま
たは有機珪素化合物は、取り扱い上の観点から金属水素
化合物、金属アルコキシドが好ましく、腐食性、有害ガ
スの発生がなく、工程上の汚れなども少ないことから、
金属アルコキシドが好ましく用いられる。また、上記の
有機錫化合物、有機チタン化合物または有機珪素化合物
を放電空間である電極間に導入するには、両者は常温常
圧で、気体、液体、固体何れの状態であっても構わな
い。気体の場合は、そのまま放電空間に導入出来るが、
液体、固体の場合は、加熱、減圧、超音波照射等の手段
により気化させて使用される。有機錫化合物、有機チタ
ン化合物または有機珪素化合物を加熱により気化して用
いる場合、金属テトラエトキシド、金属テトライソプロ
ポキシドなどの常温で液体で、沸点が200℃以下であ
る金属アルコキシドが反射防止膜の形成に好適に用いら
れる。上記金属アルコキシドは、溶媒によって希釈して
使用されても良く、この場合、希ガスでバブリングして
反応ガスに使用すればよい。溶媒としては、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、n−
ヘキサンなどの有機溶媒及びこれらの混合溶媒が使用出
来る。反応ガス蒸気の気化は、例えば、リンテック
(株)製の気化器を使用して気化することが出来る。気
化後、希ガス中に混合してもよい。
【0055】反応性ガスについて、放電プラズマ処理に
より基材上に均一な薄膜を形成するのには反応ガス中の
含有率を、0.1〜10体積%とすることが好ましい
が、更に好ましくは、0.1〜5体積%である。また、
これらの反応性ガスをそれぞれの目的とする範囲内で2
種以上同時に混合して使用してもよい。
【0056】更に、薄膜形成の際に、反応性ガスとして
酸素、オゾン、過酸化水素、二酸化炭素、一酸化炭素、
水素、窒素から選択される成分を0.01〜5体積%含
有させてもよく、それにより反応促進され、且つ、緻密
で良質な薄膜を形成することが出来る。
【0057】更に、反応性ガスに、下記のような有機金
属化合物を添加することにより、様々な現在から近未来
への先端技術的な下記のごとき用途の機能性薄膜を形成
することが出来る。有機金属化合物の金属としては、例
えば、Li、Be、B、Na、Mg、Al、Si、K、
Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、N
i、Cu、Zn、Ga、Ge、Rb、Sr、Y、Zr、
Nb、Mo、Cd、In、Ir、Sn、Sb、Cs、B
a、La、Hf、Ta、W、Tl、Pb、Bi、Ce、
Pr、Nd、Pm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、E
r、Tm、Yb、Lu等を挙げることが出来、より好ま
しくは、これらの有機金属化合物が金属アルコキシド、
アルキル化金属、金属錯体から選ばれるものが好まし
い。
【0058】これらで形成された機能性薄膜の例を下記
に示すが、本発明はこれに限られるものではない。
【0059】電極膜:Au、Al、Ag、Ti、Ti、
Pt、Mo、Mo−Si 誘電体保護膜:SiO2、SiO、Si34、Al
23、Al23、Y23 透明導電膜:In23、SnO2 エレクトロクロミック膜:WO3、IrO2、MoO3
25 蛍光膜:ZnS、ZnS+ZnSe、ZnS+CdS 磁気記録膜:Fe−Ni、Fe−Si−Al、γ−Fe
23、Co、Fe34、Cr、SiO2、AlO3 超導電膜:Nb、Nb−Ge、NbN 太陽電池膜:a−Si、Si 反射膜:Ag、Al、Au、Cu 選択性吸収膜:ZrC−Zr 選択性透過膜:In23、SnO2 反射防止膜:SiO2、TiO2、SnO2 シャドーマスク:Cr 耐摩耗性膜:Cr、Ta、Pt、TiC、TiN 耐食性膜:Al、Zn、Cd、Ta、Ti、Cr 耐熱膜:W、Ta、Ti 潤滑膜:MoS2 装飾膜:Cr、Al、Ag、Au、TiC、Cu。
【0060】基材として、プラスティックフィルム、プ
ラスティック成型物、ガラス成型物、ガラス板等を挙げ
ることが出来る。
【0061】連続的に効率よくプラズマ放電処理するに
は、基材として、基材フィルム、つまりプラスティック
フィルムが好ましい。
【0062】本発明に使用されるプラスティックフィル
ムとしては、特に限定されないが、例えば、セルロース
トリアセテートフィルム、セルロースアセテートプロピ
オネート、セルロースアセテートブチレートフィルム等
のセルロースエステルフィルム、ポリエステルフィル
ム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレ
ンナフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポ
リカーボネートフィルム、ポリエーテルスルフォンフィ
ルム、ノルボルネン樹脂フィルム等を挙げることが出来
る。
【0063】上記プラスティックフィルムのうち、透明
度、光学的等方性、強度、しなやかさ、製造のし易さ等
を兼ね備えたものとして、セルロースエステルフィルム
が本発明において好ましく用いられる。
【0064】
【実施例】実施例1 電極の耐熱耐久試験のための、図5及び図6のような簡
単な電極を作製した。図5は対向する耐熱耐久試験用電
極の断面図である。図6は図5の対向電極を容器に納
め、耐熱耐久試験に必要な器具を接続した様子を示した
図である。図5において、底に二つの穴Hの空いた一辺
の長さが80mmの正方形、高さ30mm、肉厚5mm
の空洞の升状ステンレススティール製容器203の開口
している側に、一辺の長さが80mm、厚さ5〜40m
mの下記材質の金属母材201A及び202Aの正方形
盤を蓋としてそれぞれを耐熱性着剤で貼り付け、その金
属母材201A及び202Aの正方形盤表面に厚さ1m
mの誘電体201B及び202Bをそれぞれ被覆させ、
その上にテトラメトキシシランを酢酸エチルで希釈した
溶液を塗布乾燥後、紫外線照射により硬化させて封孔処
理を行いRmaxが1μmの溶射アルミナホワイト誘電
体を有する2基の電極201と202を作製した。この
2基の電極201と202を誘電体201B面及び20
2B面が1mm間隔となるよう向かい合わせ一対の対向
電極200とした。図6において、ステンレススティー
ル製容器203の底面の二つの穴Hは熱交換媒体流路の
入出口のもので、その穴を通して空洞内に一定温度のシ
リコンオイルが容器207外の熱交換機210及びポン
プを介して、配管211及び212で常時一定量循環出
来るようになっている。循環量12L/分とした。この
対向電極を外界と遮断した容器207にガス導入口20
8を通して入れ、空気を反応ガスで置換し、反応ガスを
ゆっくり流し排気口209から排出した。対向電極の間
隙の放電処理部204にはガス導入口205から反応ガ
スを電極の幅全体にいきわたるように直接導入し、排気
口206から処理後のガスを排出した。高周波電源及び
アースをそれぞれの金属母材または下地の金属に接続し
た。熱交換機210からシリコンオイルを、測定に使用
する各温度に設定してステンレススティール升の中に満
たし循環した。電極温度を日本アビオニクス社製サーマ
ルビデオシステムTVS3300、赤外線カメラより測
定した。高周波電源としては、50℃及び60℃に対し
ては神鋼電機社製の高周波電源(50kHz)、100
℃に対しては、ハイデン研究所製高周波電源(連続モー
ド使用、100kHz)、150℃に対してはパール工
業製高周波電源(200kHz)、250℃に対しては
パール工業製高周波電源(800kHz)、300℃に
対してはパール工業社製のパルス高周波電源CF−50
00−13M(13.56MHz)を用い、誘電体にク
ラックが入るまでの時間を観察しながら試験1〜8を実
施した。供給した電力は0.5〜30W/cm2とし
た。なお、圧力は103kPaとした。
【0065】《金属母材と誘電体の組み合わせ》 1) 金属母材:チタン合金(T64)厚さ5mm 誘電体:ホワイトアルミナ溶射 2) 金属母材:工業用純チタン(TIB)厚さ5mm 誘電体:ホワイトアルミナ溶射 3) 金属母材:ステンレススティール(AISI31
6)厚さ5mm 誘電体:ホワイトアルミナ溶射 4) 金属母材:アルミニウム合金、厚さ5mm 誘電体:ホワイトアルミナ溶射 5) 金属母材:チタン合金(T64)厚さ30mm 誘電体:ガラスライニング 6) 金属母材:チタン合金(T64)厚さ40mm 誘電体:ホワイトアルミナ溶射 7) 金属母材:チタン合金(T64)厚さ40mm 下地:金メッキ(10μm) 誘電体:ホワイトアルミナ溶射 8) 金属母材:工業用純チタン(TIB)厚さ40m
m 下地:金メッキ(10μm) 誘電体:ホワイトアルミナ溶射。
【0066】《反応ガス》 希ガス:アルゴン(97体積%) 反応性ガス:窒素(3体積%) 上記の電極について、結果を表1に示した。
【0067】
【表1】
【0068】(結果)金属母材をチタン合金またはチタ
ン金属とし、誘電体を溶射ホワイトアルミナとした対向
電極は300℃という高温でも誘電体にクラックが入ら
ず長時間の大気圧プラズマ放電処理が可能であることが
わかった。また、誘電体をガラスライニングとしても、
溶射ホワイトアルミナよりは劣るもののかなりの高温ま
で使用可能であることもわかった。これに対して、ステ
ンレススティール及びアルミニウム合金を金属母材と
し、誘電体として溶射ホワイトアルミナを被覆した電極
は50℃程度しか使用出来ず、しかも短時間でクラック
が発生し、60℃以上ではすぐに破損してしまい、電極
の金属母材にチタン合金またはチタン金属を使用するこ
とによって、更にチタン金属母材の上に溶射セラミック
ス誘電体を被覆することによって、ハイパワーで長時間
使用出来る大気圧プラズマ放電処理装置を提供出来る。
【0069】実施例2 基材フィルム表面への薄膜形成用の基材には65μmの
コニカタックKC4UX(コニカ(株)製、セルロース
トリアセテートフィルム、略称TAC)を用いて、図1
に示したような装置で、アース電極の回転電極に上記基
材フィルムを巻き回しながら大気圧プラズマ放電処理を
行った。アース電極の回転電極及び印加電極の筒型固定
電極には、保温水による保温機能を有するジャケット付
きの下記の対向電極1〜5の金属母材を用いた。対向電
極1、2及び4には溶射アルミナセラミックス(溶射ア
ルミナホワイト)を1mm被覆し、その上にテトラメト
キシシランを酢酸エチルで希釈した溶液を塗布乾燥後、
紫外線照射により硬化させて封孔処理を行いRmaxが
1μmの溶射アルミナホワイト誘電体を有する回転電極
及び固定電極を作製した。対向電極3及び5について
は、誘電体としてホウ酸塩系ガラスをライニングした回
転電極及び固定電極を作製した。対向電極2について
は、金属母材の上に金メッキを行った。印加電極の筒型
固定電極には、角筒型固定電極群(固定電極1)及び図
4に示した凹型固定電極(固定電極2)を使用し、角筒
型の形状は回転電極に対向する一面が該回転電極の断面
円のやや大きめの同心円の円弧を形成しているものを使
用した。回転電極にアース(接地)し、角筒型固定電極
には下記各種高周波電源に、それぞれ接続した。処理部
の誘電体間(電極間隙)は1.0mmとし、処理部での
圧力は103kPaとした。表2に示したように、下記
高周波電源をそれぞれの条件で用い、目標とする膜厚を
得るのに基材フィルムの移送速度及びジャケット温度を
調節しながら所定の電極温度で、下記反応ガスを使用し
てプラズマ放電処理を行い、試験9〜22を実施した。
【0070】《対向電極(回転電極及び角筒型固定電極
群)の材質と厚さ》 対向電極1 金属母材:チタン合金(T64) 厚さ20mm 誘電体:溶射ホワイトアルミナ 厚さ1mm 対向電極2 金属母材:チタン合金(T64) 厚さ20mm 下 地:金メッキ 厚さ10μm 誘電体:溶射ホワイトアルミナ 厚さ1mm 対向電極3 金属母材:工業用純チタン(TIB) 厚さ25mm 誘電体:ガラスライニング 厚さ1mm 対向電極4 金属母材:ステンレススティール(AISI316)
厚さ20mm 誘電体:溶射ホワイトアルミナ 厚さ1mm 対向電極5 金属母材:ステンレススティール(AISI316)
厚さ20mm 誘電体:ガラスライニング 厚さ1mm 《高周波電源》 高周波電源1:神鋼電機社製の高周波電源(50kH
z) 高周波電源2:ハイデン研究所製高周波電源(連続モー
ド使用、100kHz) 高周波電源3:パール工業製高周波電源(200kH
z) 高周波電源4:パール工業製高周波電源(800kH
z) 高周波電源5:パール工業社製のパルス高周波電源CF
−5000−13M(13.56MHz) 《反応ガス(薄膜形成用)》 希ガス:アルゴン(99体積%) 反応性ガス:水素(0.7体積%) テトラエトキシシラン(0.3体積%) テトラエトキシシランは高純度原料をリンテック(株)
製の気化器にて定量的に気化したものを導入した。
【0071】〔測定及び評価〕 〈薄膜の膜厚ムラの測定〉TACを表2に示したような
条件や移送速度で大気圧プラズマ放電処理し、処理開始
から1時間経過後及び24時間経過後の部分からそれぞ
れ長さ30mにわたり処理試料を採取した。30mの処
理試料中から1mおきに全幅で30cmの長さの膜厚測
定用の試料をそれぞれ10個採取した。それぞれの膜厚
測定用の試料の薄膜形成面の反対面(裏面)を粗面化処
理した後、更にその面に黒色のスプレーを用いて光吸収
処理を行った。分光光度計1U−4000型(日立製作
所製)を用いて、全幅で30cmの幅方向に20点、合
計200点の薄膜形成面の5度正反射の条件での反射率
(400〜700nmの波長について)の測定を行い最
大膜厚ムラ±(nm)を求めた。なお、屈折率も同時に
測定し、それらから光学膜厚(光学膜厚=膜厚×屈折
率)を計算した。
【0072】〈鉛筆硬度試験〉JISK5400の鉛筆
硬度試験に準じ、5H〜3Bの鉛筆を用意して試料の薄
膜形成面に傷を付けるように描いて評価した。
【0073】上記の結果を下記表2に示した。
【0074】
【表2】
【0075】(結果)電極の金属母材をチタン合金また
はチタン金属とし、誘電体に溶射ホワイトアルミナを被
覆した電極では膜厚ムラもなく鉛筆硬度も高く、移送速
度を10m/分以上で放電処理することが出来、更に下
地に金をメッキした電極を使用したものはほぼ20m/
分の速度で放電処理出来ることがわかった。またガラス
ライニングしたものでも10m/分前後の速度で放電処
理することが出来、鉛筆硬度も3H〜4Hとかなりの硬
度を有していた。これに対して、金属母材をステンレス
スティールとし、誘電体を溶射ホワイトアルミナとした
被覆では50℃、またはガラスライニングとした被覆で
は25℃という低い温度では、速度を5m/分以下に落
としても硬度の高い薄膜は得られなかった。また電極温
度を60℃に上げると何れも誘導体の破損が発生し、試
験が出来なかった。このように高温においても高速度で
生産が出来、しかも品質の優れた薄膜を得る大気圧プラ
ズマ放電処理装置を及び方法を提供出来ることがわかっ
た。
【0076】
【発明の効果】電極にチタン合金またはチタン金属を用
いることにより、基材表面への高機能薄膜形成が、高温
で長時間安定にプラズマ放電処理出来、且つ高品質で生
産性に優れた大気圧プラズマ放電処理装置及び放電処理
方法を提供することが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の大気圧プラズマ放電処理装置の一例を
示す図である。
【図2】本発明における回転電極の一例を示す斜視図で
ある。
【図3】角筒型固定電極群の角筒固定電極の一例を示す
斜視図である。
【図4】印加電極に凹型固定電極を有し、アース電極に
回転電極を有する大気圧プラズマ放電処理装置の一例を
示す概略図である。
【図5】対向する耐熱耐久試験用電極の断面図である。
【図6】図5の対向電極を容器に納め、耐熱耐久試験に
必要な器具を接続した様子を示した図である。
【符号の説明】
25、25a、101 回転電極 25A、36A、101A、102A、201A、20
2A 金属母材 25B、36B、101B、102B、201B、20
2B 誘電体 30 プラズマ放電処理装置 31、110 プラズマ放電処理容器 32、103、204 放電処理部 36 筒型固定電極群 36a 角筒型固定電極 40 電圧印加手段 41、105、214 高周波電源 50 ガス充填手段 51 ガス発生装置 52 給気口 53、206、209 排気口 60 電極温度調節手段 61、211、212 配管 64、67、104、113 ガイドロール 65、66、106、112 ニップロール 68、69、109、115 仕切板 102 固定電極 107 容器ガス導入口 108 処理部ガス導入口 111 処理部容器 114 容器排気口 116 処理部排気口 200 対向電極 201、202 電極 203 ステンレススティール製容器 207 容器 205、208 ガス導入口 210 熱交換機 F 基材フィルム F′ 処理された基材フィルム G 反応ガス G′ 処理後のガス H 穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大石 清 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 (72)発明者 西脇 彰 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 Fターム(参考) 4G075 AA24 AA30 AA63 BC04 CA15 DA01 EB41 EC21 ED04 ED09 FB02 FB04 FC15 4K030 CA07 CA17 FA03 GA14 JA09 JA10 KA14 KA16 KA22 KA46 KA47

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大気圧もしくはその近傍の圧力下、印加
    電極とアース電極とで対向電極が形成されている電極間
    で高周波電圧を印加して放電させることにより、該対向
    電極間にある反応性ガス及び希ガスを含有する反応ガス
    をプラズマ状態とし、基材を該プラズマ状態の反応ガス
    にさらすことによって、該基材に薄膜を形成するプラズ
    マ放電処理装置であって、該対向する電極の金属母材が
    70質量%以上のチタンを含有するチタン合金またはチ
    タン金属であることを特徴とするプラズマ放電処理装
    置。
  2. 【請求項2】 大気圧もしくはその近傍の圧力下、印加
    電極とアース電極とで対向電極が形成されている電極間
    で高周波電圧を印加して放電させることにより、該対向
    電極間にある反応性ガス及び希ガスを含有する反応ガス
    をプラズマ状態とし、基材を該プラズマ状態の反応ガス
    にさらすことによって、該基材に薄膜を形成するプラズ
    マ放電処理装置であって、該対向する電極の金属母材が
    70質量%以上のチタンを含有するチタン合金またはチ
    タン金属であり、且つ該金属母材がセラミックス溶射し
    た誘電体により被覆されていることを特徴とするプラズ
    マ放電処理装置。
  3. 【請求項3】 大気圧もしくはその近傍の圧力下、印加
    電極とアース電極とで対向電極が形成されている電極間
    で高周波電圧を印加して放電させることにより、該対向
    電極間にある反応性ガス及び希ガスを含有する反応ガス
    をプラズマ状態とし、基材を該プラズマ状態の反応ガス
    にさらすことによって、該基材に薄膜を形成するプラズ
    マ放電処理装置であって、該対向する電極が70質量%
    以上のチタンを含有するチタン合金またはチタン金属の
    金属母材と、該金属母材の上にセラミックス溶射した誘
    電体により被覆されており、且つ該金属母材とその上の
    該誘電体の間の該金属母材表面に厚さ1〜1,000μ
    mの該金属母材より電気抵抗の小さい金属の下地を有す
    ることを特徴とするプラズマ放電処理装置。
  4. 【請求項4】 前記下地の金属が、Cu、Au、Ag、
    Pt、Cr、Ni及びZnから選ばれる少なくとも一つ
    であるか、これらから選ばれる元素を含む合金であるこ
    とを特徴とする請求項3に記載のプラズマ放電処理装
    置。
  5. 【請求項5】 前記下地が金属溶射法、またはメッキ法
    により付与したものであることを特徴とする請求項3ま
    たは4に記載のプラズマ放電処理装置。
  6. 【請求項6】 前記誘電体が0.1〜3mmの厚さを有
    することを特徴とする請求項2乃至5の何れか1項に記
    載のプラズマ放電処理装置。
  7. 【請求項7】 前記誘電体が0.01〜6体積%の空隙
    率を有することを特徴とする請求項2乃至6の何れか1
    項に記載のプラズマ放電処理装置。
  8. 【請求項8】 大気圧もしくはその近傍の圧力下、印加
    電極とアース電極とで対向電極が形成されている電極間
    で高周波電圧を印加して放電させることにより、該対向
    電極間にある反応性ガス及び希ガスを含有する反応ガス
    をプラズマ状態とし、基材を該プラズマ状態の反応ガス
    にさらすことによって、該基材に薄膜を形成するプラズ
    マ放電処理装置であって、該対向する電極の金属母材が
    70質量%以上のチタンを含有するチタン合金またはチ
    タン金属であり、該金属母材の上にセラミックス溶射し
    た誘電体により被覆されており、且つ該金属母材が熱媒
    体により温度調節出来るように中空になっており、該金
    属母材と誘電体の肉厚の合計が2〜30mmであること
    を特徴とするプラズマ放電処理装置。
  9. 【請求項9】 前記アース電極が回転電極であり、前記
    印加電極が該回転電極に沿って配置されている筒型固定
    電極群であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか
    1項に記載のプラズマ放電処理装置。
  10. 【請求項10】 前記アース電極が回転電極であり、前
    記印加電極が該回転電極の円とそれより大きい同心円の
    円弧の凹面を有する凹型固定電極であることを特徴とす
    る請求項1乃至8の何れか1項に記載のプラズマ放電処
    理装置。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10の何れか1項に記載
    のプラズマ放電処理装置を用いて、電極の温度を100
    〜300℃に保持しながら薄膜を形成することを特徴と
    するプラズマ放電処理方法。
  12. 【請求項12】 電極の温度を120〜250℃に保持
    しながら薄膜を形成することを特徴とする請求項11に
    記載のプラズマ放電処理方法。
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