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JP2003170506A - 管状体およびその製造方法 - Google Patents

管状体およびその製造方法

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Publication number
JP2003170506A
JP2003170506A JP2002223873A JP2002223873A JP2003170506A JP 2003170506 A JP2003170506 A JP 2003170506A JP 2002223873 A JP2002223873 A JP 2002223873A JP 2002223873 A JP2002223873 A JP 2002223873A JP 2003170506 A JP2003170506 A JP 2003170506A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
tubular body
resin
pattern
main body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002223873A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyasu Suzue
浩康 鈴江
Takenori Otsu
武則 大津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Globeride Inc
Original Assignee
Daiwa Seiko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daiwa Seiko Co Ltd filed Critical Daiwa Seiko Co Ltd
Priority to JP2002223873A priority Critical patent/JP2003170506A/ja
Publication of JP2003170506A publication Critical patent/JP2003170506A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Moulding By Coating Moulds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】より目立った所要形状の模様を形成して外観を
向上させることのできる管状体を提供すること 【解決手段】強化繊維に合成樹脂を含浸したプリプレグ
を巻回して形成した本体層12と、この本体層の外側に
形成した彩色層14と、この彩色層の外側に配置され、
複数の突条部18とこれらの突条部間に区画される凹部
20とを有する模様形成層16とを備え、この模様形成
層の凹部20を通して、彩色層14を外側から視認可能
とした管状体10。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば釣竿、ゴル
フクラブのシャフト等に用いる管状体、および、このよ
うな管状体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】釣竿の竿管等を形成する管状体は、高強
度繊維に合成樹脂を含浸した繊維強化プリプレグシート
を巻回して形成するのが一般的である。このような管状
体の外面に模様層を形成する技術として、特開昭63−
212540号公報には、管素体を形成するプリプレグ
が硬化する前に、カーボン繊維等を織成することなく重
ね合わせ、縫成あるいは編んでダイヤモンド模様等の模
様層を形成する技術が記載されている。この技術では、
模様層の上側あるいは下側に熱硬化性合成樹脂シートの
充填材を配置することにより、プリプレグシートの焼成
時に、溶融された充填材の合成樹脂が繊維間の模様空間
を充填し、管素体に繊維が食い込むのを防止する。この
従来技術によれば、模様空間を形成するカーボン繊維等
が模様を形成すると共にこの管状体の強度を増大する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の管状体では、隣接する繊維間の模様空間に充填材の
合成樹脂が充填されるため、外面が滑らかな円筒状面に
形成され、模様層が目立たない。したがって、模様層と
しては、更に目立った外観を形成する管状体が望まれて
いる。
【0004】また、従来技術による管状体では、焼成時
に、管素体を形成するプリプレグの合成樹脂が溶融する
ことにより、模様空間を形成する繊維が位置ずれを生じ
易い。繊維が位置ずれを生じると、模様空間の形状が変
形し、これにより、意図する形状の模様を形成できない
ことに加え、模様層の繊維による管状体の補強効果も低
下する。
【0005】本発明は、上述のような事情に基づいてな
されたもので、より目立った所要形状の模様を形成して
外観を向上させることのできる管状体およびその製造方
法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の管状体は、強化繊維に合成樹脂を含浸した繊維強化
プリプレグを巻回して形成した本体層と、この本体層の
外側に形成した彩色層と、この彩色層の外側に配置さ
れ、複数の突条部とこれらの突条部間に区画される凹部
とを有する模様形成層とを備え、この模様形成層の凹部
を通して、彩色層を外側から視認可能としたことを特徴
とする。
【0007】また、本発明の管状体の製造方法は、強化
繊維に合成樹脂を含浸した繊維強化プリプレグを巻回し
て形成した本体層上に、この本体層の合成樹脂が流動す
るのを防止する樹脂流動防止層と、複数の突条部とこれ
らの突条部間に区画される隙間部とを有する模様形成シ
ートとを順に巻回し、この後、焼成硬化することによ
り、表面に凹凸模様を形成することを特徴とする。
【0008】更に、本発明は、強化繊維に合成樹脂を含
浸したプリプレグを巻回して形成した本体層を焼成硬化
し、この焼成硬化した本体層に着色材料を塗布して彩色
層を形成し、透明状の樹脂を含浸させた繊維束をこの彩
色層上に巻回し、この後、繊維束を焼成硬化することに
より、表面に凹凸模様を形成する管状体の製造方法を提
供する。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の好ましい実施形
態による管状体10の一部の断面を示す。本実施形態の
管状体10は、本体層12の上側に彩色層14を配置
し、更にこの彩色層の上側に模様形成層16を形成した
中空薄肉構造を有する。
【0010】本体層12は、カーボン繊維あるいはガラ
ス繊維等の強化繊維に合成樹脂を含浸したプリプレグを
巻回して形成してあり、このような強化繊維が周方向に
引き揃えられた周方向繊維層と軸長方向に引き揃えられ
た軸長方向繊維層と傾斜方向に引き揃えられた傾斜方向
繊維層とが組合わされた積層構造を有する。これらの繊
維層は管状体10の用途に応じて適宜に組合せることが
できる。
【0011】彩色層14は、後述するように管状体10
を焼成する際に本体層12の合成樹脂が外方に流動する
のを防止する樹脂流動防止シートとして作用するもの
で、チタン箔、ステンレス箔等の金属、あるいは、ポリ
アミド、ポリイミド、ポリエチレン テレフタレートフ
ィルム系の合成樹脂で形成される。この彩色層14を合
成樹脂で形成する場合には、外側すなわち模様形成層1
6側は、例えばクロム、ニッケル等を物理蒸着すること
により、本体層12と異なる色に着色するのが好まし
い。このような着色は、彩色層14を金属あるいは合成
樹脂のいずれで形成する場合であっても、適宜の一色あ
るいは複数色を組合せることが可能である。
【0012】この彩色層14の上に配置される模様形成
層16は、隣接する突条部18の間に凹部20を配置し
た凹凸模様を形成する。この凹部20を形成する薄い合
成樹脂層を通して、彩色層14の外面を外側から視認す
ることができ、したがって、模様形成層16は、突条部
18と凹部20とによる立体的な凹凸模様に加え、凹部
20およびこれらの凹部を通して視認される彩色層14
の色彩が形成する平面的な模様とを形成する。
【0013】本実施形態の模様形成層16は、図2に示
す三軸織物からなる模様形成シート22で形成される。
この三軸織物は、図1に示すように、複数の繊維24を
長手方向に引き揃え、これに透明あるいは半透明樹脂2
6を含浸して形成したテープ状の扁平繊維束28を互い
に交差する3つの方向に織って形成してある。又、複数
の繊維を撚った繊維束でも良い。これらの繊維束28間
には隙間部が30が形成される。そして、このような模
様形成シート22を本体層12および彩色層14と共に
焼成することにより、図1に示すように、繊維束28の
樹脂が溶融して彩色層14上に強固に固着される。この
際、複数の繊維束28が重なった部分ではこれらの繊維
束28が一体化されて高く突出し、隙間部30には繊維
束24の合成樹脂が流れ込み、彩色層14を覆う。
【0014】このように形成される模様形成層16は、
隙間部30に流れ込む樹脂は僅かであるため、繊維束2
8が形成する突条部18と、隙間部30すなわち凹部2
0とが形成する凹凸模様の高低差が大きく、際立った模
様を形成する。特に、三軸織物を用いることにより、3
つの繊維束28が重なる部分は、際立った突起を形成
し、滑り止めとして作用させることができる。なお、図
1には、繊維束28の重なり状態を明瞭にするために、
各繊維束28の繊維24に含浸された樹脂26を、凹部
20を形成する樹脂あるいは繊維束28を覆う樹脂とを
区別した状態で示してある。
【0015】このような模様形成層16は、上述のよう
な三軸織物だけではなく、図3に示すように縦方向と横
方向とのそれぞれの繊維束28を織り込んだ織物からな
る模様形成シート22aで形成することもできる。この
場合にも、隣接する繊維束28間に間隙部30が形成さ
れ、2つの繊維束28が重なる部分が彩色層14から大
きく突出する。どのような織物で形成される場合であっ
ても、彩色層14上に重ねる繊維束28の方向は、管状
体10の用途に応じて適宜に選定できる。
【0016】更に、このような織物からなる模様形成シ
ート22,22aに代え、テープ状の繊維束28を所定
ピッチで螺旋状に彩色層14の上に巻き上げて模様形成
層16を形成してもよい。この場合には、複数のテープ
状繊維束28の巻き上げ方向およびピッチを変えること
により、繊維束28間の隙間部の形状および大きさを変
更し、更に、繊維束28の重なる位置および数を自由に
設定することが可能である。例えば、2本の繊維束28
を用いて管状体10の軸線に対して対称に所定ピッチで
隙間部を形成しつつ螺旋状に巻き上げることにより、繊
維束28が斜めに交差する綾織模様を形成することもで
きる。
【0017】また、繊維束28を形成する繊維24は、
適宜の色に着色してあってもよく、例えばカーボン繊維
を用いることにより黒色に着色し、アラミド繊維を用い
ることにより黄色に着色することができる。また、この
ような繊維24に含浸する樹脂26は、無色あるいは有
色の透明あるいは半透明に形成することが好ましい。半
透明樹脂を含浸する場合には、少なくとも隙間部に流れ
込んで上述の凹部20を形成したときに、彩色層14の
外面を外側から視認することができる程度の透明度を有
することが好ましい。
【0018】図4は、このような管状体10で形成した
釣竿の元部を示し、模様形成層16は尻栓8に近接する
部分と、これから竿先方向に離隔した所要部位とに形成
してある。尻栓8に近接する部分の模様形成層16は、
上述のように高低差の大きな滑り止めとして作用する。
なお、模様形成層16間の部分では本体層12が直接露
出した状態で示してあるが、彩色層14が露出してもよ
く、これらの部分を図示しない保護層で覆っておくこと
が好ましい。もちろん、全体に模様形成層16を形成し
てもよく、更に、所要長さ毎に模様層16が形成する模
様の形状を変えることもできる。
【0019】図5は、管状体10で形成した中間竿管を
示し、この場合の模様層16は隣接する釣糸案内部6の
間に形成してある。この場合には、上述のような立体的
な凹凸模様により、釣糸が竿管の表面に付着するのを防
止することができる。このような釣糸のべた付きを防止
するためには、隣接する釣糸案内部6の間だけでなく、
リールとこのリールに隣接する釣糸案内部との間にも形
成するのが好ましい。また、中通し釣竿における釣糸の
べた付きを防止するためには、リールと、釣糸を竿管内
に導く釣糸導入部との間の部分にも形成することが好ま
しい。
【0020】図6は、このような管状体10の製造方法
を示す。図示の実施形態では、テーパ状の芯金Mに本体
シート32を巻回し、この本体シート上に順に樹脂流動
防止シート34と模様形成シート22とを順に巻回す
る。これらのシートは、芯金Mのテーパ状形状に対応さ
せて台形状に形成してある。本実施形態の本体シート3
2は、軸長方向に強化繊維を引き揃えたプリプレグ32
aに、周方向に強化繊維を引き揃えたプリプレグ32b
を裏打ちして形成してあるが、このような本体シート3
2を複数枚用いる場合には、それぞれ強化繊維の指向方
向を変えたシートを組合せることにより、周方向繊維層
と軸長方向繊維層と傾斜方向繊維層とが組合わされた所
要の厚さの積層構造に形成することができる。
【0021】このような本体シート32で形成した本体
層12上の所要部位に巻回する樹脂流動防止シート34
は、上述の彩色層14を形成するものであり、例えば蒸
着等で彩色した場合には、この彩色面を外側に配置す
る。そして、この樹脂流動防止シート34上に模様形成
シート22を巻回した後、加熱してこれらのシートを焼
成する。
【0022】これらのシートを焼成する際、複数枚の本
体シート32が一体化され、樹脂流動防止シート34を
強固に一体化する。また、最も外側の模様形成シート2
2も、樹脂26が溶融して互いに重なる繊維束28を一
体化すると共に、樹脂流動防止シート34に強固に固着
し、その一部は繊維束28間の隙間部30に流れ込んで
この樹脂流動防止シート34を薄く覆い、凹部20を形
成する。
【0023】これらの本体シート32と模様形成シート
22との間に配置された樹脂流動防止シート34は、本
体シート32の樹脂が外方に流れるのを防止し、これに
より、模様形成シート22の隙間部26への本体シート
32の流れ込みを防止する。繊維束28あるいはこの繊
維束中の繊維24が本体シート32内に食い込んだ状態
となることはない。
【0024】したがって、繊維束28あるいは繊維24
の位置ずれが防止されることにより、繊維束28は元の
形状を維持し、繊維束28が形成する突条部18とこれ
らの突条部間の凹部20との高低差の大きい凹凸模様を
形成する。特に、3つの繊維束28が重なった部分は凹
部20との間に極めて高低差の大きな突起を形成する。
また、凹部20には繊維24が配置されることなく、繊
維束28の透明あるいは半透明の樹脂26で覆われる。
このため、この凹部20は、樹脂流動防止シート34で
形成される彩色層14で彩色された状態となる。
【0025】なお、模様形成シート22に代え、図3に
示す織物で形成した模様形成シート22aを巻回した場
合、および、テープ状の繊維束28を巻き上げた場合も
同様である。そして、これらのシートを焼成硬化した
後、芯金Mを抜取り、通常の工程を経て管状体10とし
て完成させる。
【0026】このように形成される管状体10は、樹脂
流動防止シート34および模様形成シート22で形成さ
れる彩色層14および模様形成層16が、その高低差の
大きな凹凸模様と、突条部18と彩色された状態の凹部
20とによる平面的な模様とで優れた外観を形成する。
更に、突条部18、特に複数の繊維束28が重なった部
分の突起の突出高さが大きいことにより、手の滑りを防
止し、あるいは、釣糸のベタ付きを防止する。
【0027】図7は、他の実施形態による管状体10A
を示す。この管状体10Aも基本的には上述の管状体1
0と同様であるため、同様な部位には同様な符号を付
し、その詳細な説明を省略する。
【0028】この実施形態による管状体10Aは、彩色
層14を樹脂流動防止シート34で形成することに代
え、本体層12の外周面に顔料を塗布することにより、
例えば0.1〜30μmの厚さに形成してある。そし
て、突条部18と凹部20とを形成する上述と同様な模
様形成層16の外側に、透明あるいは半透明樹脂からな
る透光性の保護層17を形成し、凹部20を通して彩色
層14を外側から視認可能とすると共に、模様形成層1
6の突条部18と凹部20とで形成される凹凸感あるい
は立体感を強調させたものである。この保護層17を、
着色する場合は、彩色層14と同系色としても良い。
【0029】この管状体10Aを形成する場合は次のよ
うに行う。先ず、上述の実施形態の本体シート32と同
様に強化繊維を軸長方向に引き揃えたプリプレグ32a
および周方向に強化繊維を引き揃えたプリプレグ32b
を芯金Mに巻回して本体層12を形成する。そして、こ
の本体層12を、外周部に巻回した図示しない緊締用テ
ープで加圧しつつ加熱成形する。なお、これらのプリプ
レグ32a,32bも、管状体10Aの用途に応じて、
周方向繊維層と軸長方向繊維層と傾斜方向繊維層とが組
合わされた所要の厚さの積層構造に形成することができ
る。
【0030】次に、焼成硬化した本体層12から緊締用
テープを除去した後、この本体層12を表面研磨し、油
脂成分等の異物を本体層12の表面から除去する。清浄
な状態となった本体層12の表面に、着色材料を塗布
し、図7に示す彩色層14を形成する。このような着色
材料の塗布は、例えばガン吹きにより、所要の顔料を塗
布することで行っても良い。顔料を塗布する場合は、少
量の樹脂を含ませることにより、顔料を本体層12の表
面に保持させやすい。また、少量の溶剤(揮発性)を含
ませることにより、均一に塗布することができる。な
お、樹脂等を含まない顔料のみを用いることも可能であ
り、この場合には、彩色層14を薄くすることができ
る。更に、顔料の他にも、好適な染料を着色材料として
用いることができる。
【0031】このような彩色層14を形成する着色材料
として用いる顔料は、1〜50μmの片状粒子の形態で
あるのが好ましく、形成する彩色層14の必要に応じて
例えば1μm以下の微細な粒径を持つものでもよく、微
細な粒径の顔料で本体層12の表面に均等な厚さの彩色
層14を形成することができる。また、例えば干渉色を
発生させる板状構造の粒子の場合のように、50μm以
上の粒径あるいは寸法を持つ顔料を使用することも可能
である。粒子サイズの大きな顔料を用いる場合には、顔
料粒子が密な間隔で並ぶ状態に塗布し、極めて薄い彩色
層14を形成することができる。なお、この彩色層14
は、顔料が疎らな状態すなわち本体層12の表面を完全
に覆うことなく、本体層12の表面の一部が外部から視
認できる状態であってもよい。
【0032】次に、上述のような模様形成シート22,
22aあるいは繊維束28を直接巻回する。この繊維束
28は、樹脂含浸量が25〜50重量%の範囲で、40
重量%程度であることが好ましい。樹脂が多すぎる場合
には、後の焼成工程のために巻回する緊締用テープで樹
脂流動が生じ、顔料が流れ易い。一方、樹脂が少なすぎ
ると、繊維束28間に形成される隙間部30に流れ込む
樹脂が不足する。
【0033】このような模様形成シート22,22aあ
るいは繊維束28を巻回した後、図示しない緊締用テー
プを巻回して加圧しつつ加熱成形する。本体層12が先
の工程で焼成硬化されているため、本体層12の樹脂が
繊維束28間の隙間部30内に流れ出ることがなく、外
形形状は変化しない。これにより、繊維束28が形成す
る突条部18とこれらの突条部間の凹部20との高低差
の大きい凹凸模様を形成する。一方、繊維束28に含浸
された透明あるいは半透明の樹脂26は、繊維束28間
に形成される隙間部30に流れ込んで彩色層14を薄く
覆う。一方、彩色層14は、本体層12の表面に塗布さ
れた状態のままの顔料が樹脂26で硬化形成され、彩色
層14の厚さが薄い場合であっても、色むら等を生じさ
せることなく、塗布した状態の彩色層14を形成するこ
とができる。
【0034】最後に、例えばエポキシ樹脂、ウレタン樹
脂等の透明あるいは半透明樹脂からなる透光性の保護層
17を、模様形成層16の外側に形成することにより、
管状体10Aを完成する。この保護層17は、模様形成
層16の凹部20を充填して全体に円筒状の外面形状に
形成してもよく、あるいは、ほぼ均一な厚さに形成し
て、模様形成層16の凹凸を保持させておいてもよい。
いずれの場合も模様形成層16による立体感を、保護層
17を介して視認することができる。
【0035】したがって、このような管状体の製造方法
によると、突条部18と凹部20との大きな高低差によ
る際立った凹凸模様と、凹部20を介する彩色層14の
模様との組合せにより、軽量で外観の向上した管状体1
0Aが形成される。しかも、彩色層14は、顔料を塗布
することで形成されるため、軽量化しつつ極めて変化に
富む外観を形成することができる。
【0036】なお、保護層17は、省略してもよく、こ
の場合には、軽量化を図ることができる。また、彩色層
14を形成する顔料が少量の樹脂を含む場合には、模様
形成シート22,22aあるいは繊維束28を巻回する
前に、この彩色層14を加熱硬化させてもよく、この場
合には、本体層12と彩色層14と模様形成層16とが
各層毎に個別に加熱硬化され、1つの層の樹脂が他の層
に流れることが確実に防止される。
【0037】図8は、更に他の実施形態による管状体1
0Bを示す。この管状体10Bは、管状体10Aとほぼ
同様な構造であるが、彩色層14の外側に透明層15が
配置されている。
【0038】この実施形態の管状体10Bでは、透明層
15がガラス繊維プリプレグあるいは透明樹脂フィルム
で形成され、彩色層14がこのガラス繊維プリプレグあ
るいは透明樹脂フィルムの表面に塗布した顔料で形成さ
れている。
【0039】この管状体10Bを形成する場合は、例え
ば厚さ0.01〜0.5mm程度のガラス繊維プリプレ
グあるいは透明樹脂フィルムの少なくとも一方の面に、
適宜の顔料を塗布しておく。そして、焼成硬化前の本体
層12の上に、顔料を塗布した側を内側すなわち本体層
12側に配置して、このガラス繊維プリプレグあるいは
透明樹脂フィルムを巻回する。この上に、上述の実施形
態と同様に、模様形成シート22,22aあるいは繊維
束28を巻回して模様形成層16を形成した後、緊締用
テープを巻回して加圧焼成する。最後に、緊締用テープ
を除去して、管状体10Bが完成する。必要に応じて保
護層17を形成してもよい。
【0040】この管状体10Bは、彩色層14が透明層
15すなわちガラス繊維プリプレグあるいは透明樹脂フ
ィルムで覆われているため、焼成の際に、本体層12側
に押圧されている。したがって、模様形成層16が繊維
束28間に隙間部30を形成したものであっても、ガラ
ス繊維プリプレグあるいは透明樹脂フィルムが樹脂流動
防止シートとして作用し、本体層12の樹脂がこの隙間
部30内に流れ込むことを軽減できる。これにより、彩
色層14が薄く形成された場合であっても、管状体10
Aと同様に、色むらを生じさせることなく、高低差の大
きな立体模様および彩色層14との組合せによる平面模
様を形成する。しかも、彩色層15が透明層15で覆わ
れているため、管状体10Bの立体感が更に向上する。
【0041】なお、彩色層14および透明層15を形成
するガラス繊維プリプレグあるいは透明樹脂フィルム
は、焼成硬化前の本体層12に巻回することに代え、焼
成硬化した後の本体層12に巻回することも可能であ
る。
【0042】上述の実施形態では、釣竿の元竿管あるい
は中竿管の一部に模様層16を形成してあるが、その全
体にわたって形成してもよく、また、釣竿以外のゴルフ
シャフト等も同様に形成することができる。
【0043】
【発明の効果】以上のように、本発明の管状体およびそ
の製造方法によれば、より目立った所要形状の模様を正
確な形状に形成して外観を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施形態による管状体の断面
図。
【図2】図1の管状体に模様形成層を形成するための模
様形成シートの説明図。
【図3】他の模様形成シートの説明図。
【図4】図1の管状体を用いた釣竿の元竿管の一部を示
す説明図。
【図5】図1の管状体を用いた釣竿の中竿管を示す説明
図。
【図6】図1の管状体を形成する芯金と種々のシートと
を示す説明図。
【図7】他の実施形態による管状体の拡大断面図。
【図8】更に他の実施形態による管状体の拡大断面図。
【符号の説明】
10…管状体、12…本体層、14…彩色層、16…模
様形成層、18…突条部、20…凹部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F205 AF01 AG05 AG08 HA02 HA45 HA46 HB01 HC02 HK05 HL02 HT02 HT13 HT14 HT22

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強化繊維に合成樹脂を含浸したプリプレ
    グを巻回して形成した本体層と、この本体層の外側に形
    成した彩色層と、この彩色層の外側に配置され、複数の
    突条部とこれらの突条部間に区画される凹部とを有する
    模様形成層とを備え、この模様形成層の凹部を通して、
    彩色層を外側から視認可能としたことを特徴とする管状
    体。
  2. 【請求項2】 前記突条部は、複数の繊維を引き揃えか
    つ透明状の樹脂を含浸された繊維束で形成されることを
    特徴とする請求項1に記載の管状体。
  3. 【請求項3】 強化繊維に合成樹脂を含浸したプリプレ
    グを巻回して形成した本体層上に、この本体層の合成樹
    脂が流動するのを防止する樹脂流動防止層と、複数の突
    条部とこれらの突条部間に区画される隙間部とを有する
    模様形成シートとを順に巻回し、この後、焼成硬化する
    ことにより、表面に凹凸模様を形成することを特徴とす
    る管状体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記複数の突条部とこれらの突条部間に
    区画される隙間部とを有する模様形成シートを樹脂流動
    防止層の上に巻回することに代え、複数の繊維を引き揃
    えかつ透明状の樹脂を含浸された繊維束を樹脂流動防止
    層の上に巻回することを特徴とする請求項3に記載の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 前記樹脂流動防止層は、本体層上に巻回
    する前に着色されている請求項3に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 強化繊維に合成樹脂を含浸したプリプレ
    グを巻回して形成した本体層を焼成硬化し、この焼成硬
    化した本体層に着色材料を塗布して彩色層を形成し、透
    明状の樹脂を含浸させた繊維束をこの彩色層上に巻回
    し、この後、繊維束を焼成硬化することにより、表面に
    凹凸模様を形成することを特徴とする管状体の製造方
    法。
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KR101938899B1 (ko) * 2012-12-27 2019-01-15 글로브라이드 가부시키가이샤 장식층을 구비하는 관 형상체 및 관 형상체에 장식층을 형성하는 방법
JP2021133598A (ja) * 2020-02-27 2021-09-13 グローブライド株式会社 管状体

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