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JP2003161605A - 膜厚測定装置、膜厚測定方法 - Google Patents

膜厚測定装置、膜厚測定方法

Info

Publication number
JP2003161605A
JP2003161605A JP2001363374A JP2001363374A JP2003161605A JP 2003161605 A JP2003161605 A JP 2003161605A JP 2001363374 A JP2001363374 A JP 2001363374A JP 2001363374 A JP2001363374 A JP 2001363374A JP 2003161605 A JP2003161605 A JP 2003161605A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
light
film thickness
thickness
optical fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001363374A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuo Nomura
一雄 野村
Kazuhisa Miyashita
和久 宮下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2001363374A priority Critical patent/JP2003161605A/ja
Publication of JP2003161605A publication Critical patent/JP2003161605A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 移動している多層膜フィルムにおける中間層
の膜厚を精度良く測定する。 【解決手段】 近赤外領域からなるストロボ光を発光す
るストロボ光源11と、このストロボ光源11からの光
を搬送して、工場のラインを移動中の多層膜フィルムに
対して照射するとともに、この多層膜からの反射光を搬
送するバンドル型2分岐光ファイバ13と、このバンド
ル型2分岐光ファイバ13から得られた反射光をスペク
トルに分解する分光器16と、この分光器16によりス
ペクトルに分解された反射光を電気信号に変換するマル
チチャネルディテクタ17と、このマルチチャネルディ
テクタ17により得られた電気信号を処理して膜厚プロ
ファイルとして表示する信号処理部20とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルムの膜厚測
定装置等に係り、より詳しくは、移動しているフィルム
における膜厚を精度良く測定する膜厚測定装置等に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、多様化されたフィルムの要求仕様
に合わせて、異なった性質を備えた膜を重ねて多層とす
る多層膜フィルムが広く用いられている。食品の包装に
採用されているフィルムを例に挙げれば、例えば3層の
膜からなる構造を備え、水蒸気と酸素とを通さないガス
バリア性が要求される中間層と、強度を持たせる外層と
で多層膜フィルムを構成している。この中間層では、こ
のガスバリア性を保証する必要性から、ある一定以上の
厚さを確保する必要がある。その一方で、この中間層の
厚さを厚くし過ぎると、材料の使用量が多くなりコスト
が上がってしまう。そのために、例えば中間層に対して
精度良く膜厚を測定することが要求される。また、工場
のライン上でフィルムが移動している所謂インラインの
状態でこの厚み測定を行うことができれば、フィルム生
産に際して歩留向上、品質向上に即座に結びつけること
が可能となる。
【0003】これらの膜厚を測定するものとして、従
来、幾つかの方法が採用されている。例えば赤外線式多
層厚み計、β線厚み計、接触式厚み計などがある。この
赤外線式多層厚み計では、赤外線の吸収を見て特徴ある
波形から厚さを計測するもので、移動中のフィルムに対
しても測定可能である。また、β線厚み計は、高い透過
力によりフィルム全体の坪量を測定し、全層厚みを測定
するのに適している。また、接触式厚み計では、同様に
全層厚みを測定することが可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この赤
外線式多層厚み計では、A層/B層/C層等の全ての層が
異なっている場合だけしか計測することができず、A層
/B層/A層の型からなる多層厚みの場合には、両外層の
それぞれの厚みを測定することが困難である。また、こ
の赤外線式多層厚み計を用いた装置では、各組成成分に
特有な波長に合った光学フィルタを組み込む形式が多い
が、これでは成分の異なる多層フィルムを生産する毎に
別の光学フィルタを用意する必要性が生じてしまう。ま
た、これらを改良して全波長領域をごく短時間に測定す
る方法もあるが、装置の価格が非常に高いものとなって
しまう。
【0005】更に、β線厚み計や接触式厚み計では、全
層のトータル厚みについては測定が可能であるものの、
各層の厚みについては測定することができない。例えば
β線厚み計では、重金属を含む層など特殊なもの以外は
各層の厚み測定計として使用することができなかった。
また、β線厚み計は放射線を扱うことから、装置の管理
運営にかかる手間が膨大となる問題も生じていた。
【0006】また更に、反射干渉型の多層厚み計が用い
られる場合がある。しかしながら、従来の反射干渉型の
多層厚み計では、フィルムの揺れがそのままノイズとし
て出力されてしまい、センサからフィルムまでの距離を
常に一定にする必要がある。そのために、センサからフ
ィルムまでの距離が一定化しないインラインでの膜厚測
定には採用することができなかった。
【0007】本発明は、以上のような技術的課題を解決
するためになされたものであって、その目的とするとこ
ろは、移動しているフィルムにおける膜厚を精度良く測
定することにある。また他の目的は、特に測定の難しい
中間層の膜厚について、簡易に精度良く測定することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的のもと、本発
明は、工場のライン上で動いているフィルムに対し、近
赤外領域の波長を確保するストロボ光源を照射して干渉
波形を得ることで、一般に測定の難しい中間層の膜厚を
も測定可能とするものである。即ち、本発明が適用され
る膜厚測定装置は、近赤外領域からなるストロボ光を発
光する発光手段と、製造ラインを移動しているフィルム
に対してこの発光手段からのストロボ光を投光する投光
手段と、この投光手段により投光されたストロボ光によ
りフィルムの各層からの反射光を受光する受光手段と、
この受光手段により受光された反射光に基づいてフィル
ムを構成する膜の厚さを測定する測定手段とを備えるこ
とを特徴としている。
【0009】ここで、これらの各手段により構成される
膜厚測定装置は、ダイナミックレンジが5000以上の
光量を確保可能であることを特徴とすれば、膜表面と比
べて反射率の小さい中間層であっても干渉波形を観測す
ることができる点で好ましい。また、本発明における被
測定物であるフィルムとしては、一般に膜厚測定の難し
い複数の層が積層される多層膜フィルムを被測定物とし
た場合に効果が大きいが、例えば単層からなるフィルム
の測定に本発明を用いた場合でも大きな効果が得られ
る。
【0010】更に、本発明が適用される膜厚測定装置
は、近赤外領域からなるストロボ光を発光するストロボ
光源と、このストロボ光源からの光を搬送して被測定物
に対して照射するとともに、この被測定物からの反射光
を搬送する光ファイバと、この光ファイバから得られた
反射光をスペクトルに分解する分光器と、この分光器に
よりスペクトルに分解された反射光を電気信号に変換す
るマルチチャネルディテクタと、このマルチチャネルデ
ィテクタにより得られた電気信号を処理する信号処理部
とを備えたことを特徴としている。
【0011】ここで、この光ファイバは、投光側および
受光側の複数のファイバがバンドルされた一端にこの被
測定物に近接されるセンサ部を備えたことを特徴として
いる。
【0012】一方、本発明が適用される膜厚測定方法
は、一定方向に移動しているウェブ状のフィルムに対し
て近赤外領域からなるストロボ光を照射し、フィルムか
ら反射される光の干渉波形からパワースペクトルの分析
を行い、このパワースペクトルからフィルムを構成する
層の膜厚を測定することを特徴としている。
【0013】ここで、この近赤外領域からなるストロボ
光の照射は、フィルムの移動速度に応じて、1回の照射
時間が10〜50μs(μ秒)のストロボ照射を行うこと
を特徴とすれば、移動していて、更に屈折率差の少ない
フィルムに対して、その各層の厚さを適切に測定するこ
とが可能となる点で優れている。また、このパワースペ
クトルの分析は、ダイナミックレンジ5000以上の計
測器を介して分析されることを特徴とすることができ
る。
【0014】更に他の観点から捉えると、本発明は、多
層膜フィルムの中間層の膜厚を測定する膜厚測定方法で
あって、多層膜フィルムが製造ライン上で動いている間
に光ファイバを用いて近赤外領域の光をこの多層膜フィ
ルムに間欠的に照射し、多層膜フィルムからの反射光を
光ファイバを介して取り出し、取り出された反射光の干
渉波形から多層膜フィルムを構成する中間層の膜厚を測
定することを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に示す実施の形態
に基づいて本発明を詳細に説明する。図1は、本実施の
形態が適用される膜厚測定装置の全体構成を示した図で
ある。図1に示す膜厚測定装置は、大きく、計測部10
と信号処理部20とで構成される。この計測部10は、
近赤外領域の波長を確保するストロボにより発光して間
欠的な光を提供するストロボ光源11、このストロボ光
源11から発光された光を非球面レンズにより集光する
集光光学系12、集光光学系12により集光された光を
被測定物である多層膜フィルムに照射するために搬送
し、また、この多層膜フィルムからの反射光を搬送する
バンドル型2分岐光ファイバ13、このバンドル型2分
岐光ファイバ13の分岐部分に設けられ投光端子と受光
端子を備えるセンサ部14、例えば560nm以下であ
るストロボの輝線スペクトルを減光する干渉フィルタで
あるフィルタ15、フィルタ15を介して得られた反射
光をスペクトルに分解する分光器16、分光器16によ
りスペクトルに分解された反射光を電気信号に変換する
マルチチャネルディテクタ17を備えている。尚、集光
光学系12のように、ストロボ光源11とバンドル型2
分岐光ファイバ13との間にレンズを入れて光源からの
広がる光を平行光にすると、光源と光ファイバとの距離
を広げることが可能である。
【0016】このセンサ部14は、端面処理が十分に行
われており、多層膜フィルムとの距離が最適位置(例え
ば5mm)となるように設定されている。また、分光器
16は、高効率のグレーティング(回折格子)を用いてお
り、F2以上の明るいものを採用している。本実施の形
態では、分解能が200〜400本/mm、波長範囲が
300〜1000nmのものを採用している。更に、マ
ルチチャネルディテクタ17は、分光した光の分光波長
領域全域を光電変換するPD(Photo Detector:光検出
器)1024チャネル、1チャネルあたり0.5〜3.5
nmの分解能を有している。マルチチャネルディテクタ
17からのアナログ信号は、A/D変換してデジタル信
号となり、信号処理部20で処理される。尚、このマル
チチャネルディテクタ17からのアナログ信号をA/D
変換したデータは、5000以上のダイナミックレンジ
を必要としている(後述)。
【0017】また、得られた電気信号を処理する信号処
理部20は、波長から波数の単位に変換するカイザイー
変換機構21、得られた波数データから高速フーリエ変
換処理(FFT(Fast Fourier Transform)処理)を行って
連続スペクトルであるパワースペクトルを出力するフー
リエ変換機構22、パワースペクトルからノイズを除去
し、例えば3ヶ所のピーク位置をモルホロジー処理によ
り検出するパワースペクトル解析機構23を備えてい
る。信号処理部20のパワースペクトル解析機構23か
らの出力は、パーソナルコンピュータ(PC)で整理さ
れ、膜厚の情報である膜厚プロファイルとしてディスプ
レイに表示される。尚、フーリエ変換機構22では、高
速でないフーリエ変換でも問題はない。
【0018】本実施の形態における測定対象である多層
膜フィルムは、15〜25μmの3層構造からなってお
り、本実施の形態にて採用した装置を用いた場合には、
通常は50μm程度まで、理論上は100μm程度まで
の厚さの膜を測定対象とすることができる。3層構造の
場合に、水蒸気と酸素と通さないガスバリア性が要求さ
れる中間層と、強度を持たせる2つの外層とで構成され
ている。この中間層では、ガスバリア性を保証する必要
性から、ある一定以上の厚さを確保する必要があり、ま
た、コストを抑制するために、必要以上の厚さは避ける
ことが必要である。また、この厚み測定は、工場のライ
ン上でウェブ状の多層膜フィルムが一定方向に移動して
いる所謂インラインの状態で行うことが要求されてい
る。製造後に測定して不具合が発見されたとしてもその
不具合に対する回復は困難であるが、インラインの状態
で測定を行うことによって、不具合に対する迅速な対処
が可能となるためである。
【0019】この多層膜フィルムは、ガスバリア性と強
度のバランスを考慮して、各層の膜厚が設定されてい
る。一般的な包装用フィルムでは、例えば、全体厚10
〜50μm、中間層1〜40μmである。また、この多
層膜フィルムは透明体であるが、反射光を得ることがで
きる程度に透明であれば良く、白濁等の濁りがあっても
構わない。更に、特異な波長の吸収が無ければ、例えば
黒いフィルム等の色が含有されていても測定対象となり
得る。即ち、完全透明フィルムでなくても、光吸収の影
響が大きくなければ、着色フィルムでも測定することが
可能である。
【0020】尚、本実施の形態が適用される被測定物で
ある多層膜フィルムは、データの複雑化と解析の困難さ
を回避する理由から、膜厚2〜3層が好ましい。例えば
2層としては、フィルムの上にコーティングされるコー
ティング膜の膜厚を測定する場合等が挙げられる。3層
のフィルム測定としては、A/B/Aタイプの3層構造
で、中間層(B層)を挟む両側の外層(A層)の膜厚が同じ
ものの測定に特に適している。また、被測定物として
は、多層膜フィルムの代わりに単層フィルムとすること
が可能である。単層フィルムに対して本実施の形態の測
定方法を適用した場合には、従来に比べて精度の高い測
定結果を得ることができると共に、装置が単純で安価に
なることや、フィルムの種類によらずに測定でき、ま
た、放射線を使用しない点でも優れている。
【0021】ここで、本実施の形態における膜厚測定装
置で用いられるストロボ光源11としては、波長が短く
可視光に近い領域の赤外線である近赤外領域をカバーす
るストロボが用いられており、1秒間に1フラッシュ、
1フラッシュのストロボ発光時間が10〜50μs(μ
秒)程度である。例えばライン速度が10m/分で被測定
物であるフィルム(多層膜フィルム)が移動している状態
であれば、ストロボ発光時間が50μsでフィルムの移
動距離が8.3μm、ストロボ発光時間が20μsでフ
ィルムの移動距離が3.3μmとなる。ライン速度がa
倍の速さになれば、各ストロボ発光時間におけるフィル
ムの移動距離もa倍となる。測定に際してデータとして
取得したいと欲する精度に応じ、フィルムの移動速度、
光量等を勘案して最適なストロボ発光時間を選択するこ
とが可能である。
【0022】また、ストロボ光源11に用いられる近赤
外領域としては、波長500〜1000nm程度、好ま
しくは600〜1000nmを選択している。更に、照
射光量として、計測部10のダイナミックレンジが50
00以上、好ましくは10000以上を確保できる程度
の強い照射光量が必要である。他光源を採用した場合、
例えば、強力なハロゲン光源は、光ファイバ(バンドル
型2分岐光ファイバ13)に光を入力する際に入射口が
熱で溶解する問題がある。同様にハロゲンやキセノンの
連続光からなる光源では、一般的にこの熱の問題があ
り、装置化が困難である。また、ハロゲン光源を使用し
て長時間露光して膜厚測定を行うと、熱の影響により、
フィルムに微小な膜厚変化が生じてしまう。例えば、中
間層の界面屈折率差は0.01程度と非常に小さい場合
が多く、膜厚の微小な変化がノイズとなり、中間層の干
渉信号を検出することが困難となる。そこで、本実施の
形態では、計測部10として、大出力型であっても熱の
影響が少ない、間欠的な照射であるストロボ光源11を
採用している。
【0023】また、ストロボ光源11を用いることで、
強い照射光量を出すことが可能となる。例えば、移動し
ているフィルムの膜厚を測定する場合に、測定時間(デ
ータ取り込み時間)を長くすると、フィルム特定箇所の
膜厚を精度良く測定することができない。これは、デー
タ取り込み時間が長くなると、その取り込み時間にかか
るフィルムの長さが長くなり、測定されるフィルムの膜
厚測定データが重なりあってしまうためである。即ち、
取り込み時間が長くなると、特定箇所の膜厚データでは
なく、長いフィルム長の中で膜厚の異なるデータが重畳
され、精度の低い値しか得ることができなくなるか、ま
たは中間層の膜厚が全く計測できなくなる。その一方
で、データ取り込み時間を短くして測定するためには、
強い光を照射する必要があるが、この強い光は、従来の
ハロゲンランプ等で出すことは困難である。本実施の形
態では、ストロボ光源11を用いることで、強い光を瞬
時に出すことが可能となり、短時間測定で必要とされる
光量を満足させることができると共に、光源と光ファイ
バ間の熱問題を回避することが可能となる。尚、データ
取得としては、短い方が好ましく、通常、ストロボ光源
11が光っている時間だけで良いが、ストロボ発光時間
とデータ取得時間との同期を図ることが困難な場合に
は、ストロボ光源が光っている時間だけではなく、その
前後の一定時間を含めても良い。
【0024】図2(a)〜(c)は、バンドル型2分岐光フ
ァイバ13の構成を示した図である。本実施の形態が適
用されるバンドル型2分岐光ファイバ13は、光ファイ
バの材質として石英ガラスを用い、長さ約3m、投光側
10本、受光側10本の20本の光ファイバ(φ70μ
m/本)によって、φ0.5mmのバンドル構造を構成し
ている。バンドル構造としては、例えば投光側を15
本、受光側を15本の30本からなる光ファイバを用い
ることも可能である。また、光ファイバの材質として、
多成分ガラスを用い、ファイバ径としてφ3mm、出射
光側(センサ部14側)としてφ250μmの光ファイバ
を80本程度、受光側のフィルタ15側としてφ250
μmの光ファイバを20本程度、用いたバンドル構造を
用いても好ましい結果を得ることが可能である。
【0025】このバンドル構造は、図2(a)に示すよう
なプロテクションチューブによって保護されている。図
2(a)に示すように、集光光学系12側からの投光側光
ファイバとフィルタ15側の受光側光ファイバとが結合
されてセンサ部14側のプロテクションチューブとなっ
ている。即ち、センサ部14側から伸びるプロテクショ
ンチューブは、フィルタ15側および集光光学系12側
に2分岐される。
【0026】センサ部14側の端面は、図2(b)に示す
矢視A−Aのように、φ0.5mmのバンドル構造の中
に、φ70μmの受光側光ファイバとφ70μmの投光
側光ファイバとがランダムに配置されている。これらの
光ファイバは、光の広がりを示すNA値が0.2程度で
あり、投光範囲および受光範囲の広がりを約11°程度
に抑えている。フィルタ15側の端面は、図2(c)に示
す矢視B−Bのように、φ70μmの受光側光ファイバ
が一列配置され、反射光がフィルタ15および分光器1
6を介してマルチチャネルディテクタ17に入力され
る。
【0027】次に、多層膜フィルムの膜厚算出方法につ
いて説明する。図3(a),(b)は、本実施の形態におい
て採用した多層膜フィルムの膜厚算出方法を説明するた
めの図であり、光干渉方式の膜厚測定を実施している。
今、図3(a)に示すように、屈折率n1で膜厚d1の膜
1、屈折率n2で膜厚d2の膜2、屈折率d3で膜厚d
3の膜3、の3つの膜からなる多層膜フィルムの膜厚を
測定しようとする。図3(a)に示すように、ストロボ光
源11から光ファイバ(バンドル型2分岐光ファイバ1
3)を経由して照射される入射光は、3層からなる多層
膜フィルムのそれぞれの界面にて反射して、光ファイバ
(バンドル型2分岐光ファイバ13)を経由し、マルチチ
ャネルディテクタ17にて電気信号に変換される。
【0028】即ち、入射される光は、膜1の膜表面(空
気と膜1の界面)、膜1と膜2の間の界面、膜2と膜3
の間の界面、膜3と空気との界面で反射して反射光とし
て捉えられる。光は波動であることから、これらの反射
成分はお互いに干渉し合うこととなる。入射光がセンサ
部14により多層膜フィルムに垂直に入射することを考
えると、この干渉は、屈折率nと膜厚dとを掛け合わせ
た光学膜厚ndと波長λに依存して弱め合い、または強
め合う。
【0029】ここで、干渉光の極大値と極小値とは交互
に発生することから、極大値の波長をλ2m、極小値の波
長をλ2m+1とすると、 2m = 4・n・d / λ2m 2m+1 = 4・n・d / λ2m+1 と表現される。これらから、次数mを消去すると、 nd = λ2m・λ2m+1 / 4(λ2m−λ2m+1) となり、光学膜厚ndは、干渉の極大、極小より導かれ
ることが理解できる。ここで、屈折率nが判明している
場合には、膜厚dを求めることが可能となる。
【0030】図3(b)は、信号処理後のパワースペクト
ルを示しており、横軸は周波数、縦軸はパワースペクト
ルを示している。P1は膜厚d1によるパワースペクト
ル、P2は膜厚d1+d2によるパワースペクトル、P
3は膜厚d1+d2+d3によるパワースペクトルであ
り、このP1,P2,P3は、それぞれ、 周波数 × 分解能(nm) で表される。この分解能は、測定波長領域により決まる
ものである。
【0031】ここで、既知である膜厚の測定値より得ら
れる補正係数をk1,k2,k3とすると、各膜厚は、以
下のようにして得られる。 d1 = P1 × k1 d2 = (P2−P1) × k2 d3 = (P3−P2) × k3 このようにして、例えば、中間層の幅(膜厚)d2を算出
することができ、例えばPCのディスプレイ上に膜厚プ
ロファイルとして表示することが可能となる。
【0032】以上のように本実施の形態では、光干渉方
式の膜厚測定を採用していることから、測定結果が安定
しており、被測定物の振動にも強く、工場のライン上を
一方向に移動中であるウェブ状の多層膜フィルムについ
てもその膜厚を適切に測定することができる。また、多
層膜フィルムと非接触で計測でき、センサ部14の位置
設定が容易となる。更に、屈折率差が例えば0.01程
度以下と小さい中間層では、膜厚の微妙な変化がノイズ
となり、一般的には干渉信号の検出は難しいのに対し
て、本実施の形態では、近赤外領域のストロボ光源11
を用い、短時間に強い光を照射することで、微小な屈折
率差にも対処することができる。また更に、干渉波形は
反射率の大きさにより検出の容易性が決まり、中間層の
反射は膜表面と比べて1/500程度と低く、一般的に
は干渉波形の検出には困難性が伴う。しかしながら、本
実施の形態では、計測部10のダイナミックレンジを5
000以上、好ましくは10000程度とすることで、
これらの問題を解決することが可能である。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
移動しているフィルムにおける膜の厚さを精度良く測定
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態が適用される膜厚測定装置の全
体構成を示した図である。
【図2】 (a)〜(c)は、バンドル型2分岐光ファイバ
13の構成を示した図である。
【図3】 (a),(b)は、本実施の形態において採用し
た多層膜フィルムの膜厚算出方法を説明するための図で
ある。
【符号の説明】
10…計測部、11…ストロボ光源、12…集光光学
系、13…バンドル型2分岐光ファイバ、14…センサ
部、15…フィルタ、16…分光器、17…マルチチャ
ネルディテクタ、20…信号処理部、21…カイザイー
変換機構、22…フーリエ変換機構、23…パワースペ
クトル解析機構
フロントページの続き Fターム(参考) 2F065 AA30 BB13 BB15 BB17 BB22 CC02 CC31 DD06 DD11 FF41 FF51 FF56 GG08 LL02 LL03 LL04 LL22 LL42 LL67 QQ16 QQ25 QQ28 QQ29

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 近赤外領域からなるストロボ光を発光す
    る発光手段と、 製造ラインを移動しているフィルムに対して前記発光手
    段からの前記ストロボ光を投光する投光手段と、 前記投光手段により投光された前記ストロボ光により前
    記フィルムの各層からの反射光を受光する受光手段と、 前記受光手段により受光された前記反射光に基づいて前
    記フィルムを構成する膜の厚さを測定する測定手段とを
    備えることを特徴とする膜厚測定装置。
  2. 【請求項2】 前記膜厚測定装置は、ダイナミックレン
    ジが5000以上の光量を確保可能であることを特徴と
    する請求項1記載の膜厚測定装置。
  3. 【請求項3】 近赤外領域からなるストロボ光を発光す
    るストロボ光源と、 前記ストロボ光源からの光を搬送して被測定物に対して
    照射するとともに、当該被測定物からの反射光を搬送す
    る光ファイバと、 前記光ファイバから得られた前記反射光をスペクトルに
    分解する分光器と、 前記分光器によりスペクトルに分解された反射光を電気
    信号に変換するマルチチャネルディテクタと、 前記マルチチャネルディテクタにより得られた電気信号
    を処理する信号処理部とを備えたことを特徴とする膜厚
    測定装置。
  4. 【請求項4】 前記光ファイバは、投光側および受光側
    の複数のファイバがバンドルされた一端に前記被測定物
    に近接されるセンサ部を備えたことを特徴とする請求項
    3記載の膜厚測定装置。
  5. 【請求項5】 一定方向に移動しているウェブ状のフィ
    ルムに対して近赤外領域からなるストロボ光を照射し、 前記フィルムから反射される光の干渉波形からパワース
    ペクトルの分析を行い、 前記パワースペクトルから前記フィルムを構成する層の
    膜厚を測定することを特徴とする膜厚測定方法。
  6. 【請求項6】 前記近赤外領域からなるストロボ光の照
    射は、前記フィルムの移動速度に応じて、1回の照射時
    間が10〜50μsのストロボ照射を行うことを特徴と
    する請求項5記載の膜厚測定方法。
  7. 【請求項7】 前記パワースペクトルの分析は、ダイナ
    ミックレンジ5000以上の計測器を介して分析される
    ことを特徴とする請求項5記載の膜厚測定方法。
  8. 【請求項8】 多層膜フィルムの中間層の膜厚を測定す
    る膜厚測定方法であって、 前記多層膜フィルムが製造ライン上で動いている間に光
    ファイバを用いて近赤外領域の光を当該多層膜フィルム
    に間欠的に照射し、 前記多層膜フィルムからの反射光を光ファイバを介して
    取り出し、 取り出された前記反射光の干渉波形から前記多層膜フィ
    ルムを構成する前記中間層の膜厚を測定することを特徴
    とする膜厚測定方法。
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