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JP2003156614A - パタン形成方法、光学部品、及び、光学部品の製作方法 - Google Patents

パタン形成方法、光学部品、及び、光学部品の製作方法

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Publication number
JP2003156614A
JP2003156614A JP2001356260A JP2001356260A JP2003156614A JP 2003156614 A JP2003156614 A JP 2003156614A JP 2001356260 A JP2001356260 A JP 2001356260A JP 2001356260 A JP2001356260 A JP 2001356260A JP 2003156614 A JP2003156614 A JP 2003156614A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pattern
curable resin
photosensitive resin
ultraviolet
resin layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001356260A
Other languages
English (en)
Inventor
Masatoshi Oda
政利 小田
Yasunao Saito
保直 齋藤
Susumu Takahashi
進 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTT Advanced Technology Corp
Original Assignee
NTT Advanced Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTT Advanced Technology Corp filed Critical NTT Advanced Technology Corp
Priority to JP2001356260A priority Critical patent/JP2003156614A/ja
Publication of JP2003156614A publication Critical patent/JP2003156614A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外線硬化樹脂のプラスチック材に微細で高
アスペクトの微細なパタンを形成する方法、及びそのよ
うなパタンを備える光学部品、並びに、その製造方法を
提供すること。 【解決手段】 パタン形成方法を、基板上に感光性樹脂
のパタンを形成し、感光性樹脂のパタン上に紫外線硬化
樹脂層を密着させて形成して紫外線硬化樹脂層に感光性
樹脂のパタンを転写させ、その紫外線硬化樹脂層に紫外
線を照射して硬化させた後に紫外線硬化樹脂層を基板か
ら剥離する構成とした。また、このパタン形成方法でパ
タン形成された紫外線硬化樹脂層を光学構造材に備えて
光学部品を構成することとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パタン形成方法、
光学部品、及び、光学部品の製造方法に関し、より詳細
には、回折格子やフレネルゾーンプレートに代表される
回折光学素子のような微細パタンの形成方法、及び微細
パタンを備える光学部品、並びに、光学部品の製作方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】回折格子やフレネルゾーンプレートに代
表される光学部品は、特定の屈折率の光学膜表面上に規
則的な微細パタンを形成したものであり、どのようなパ
タンを作製するかによって、レンズ、分合波、波長フィ
ルタ等の機能をもたせることが可能である。例えば、回
折格子は一定幅の直線ラインパタンの集合であり、フレ
ネルゾーンプレートは半径が大きくなるに従ってライン
幅が次第に狭くなる同心円パタンの集合である。
【0003】このような回折光学素子を作製するために
は2つの方法が知られており、その1つは、ルーリング
エンジンと呼ばれる工作機械を用いる方法である。ルー
リングエンジンは、精密ステージに工具を取り付けて往
復運動をさせ、ステージ上に載置した基板を所定の間隔
で送りながら溝を刻む刻線機である。ルーリングエンジ
ンの開発当初は、基板送りが送りねじの精度に依存して
いたために微細加工が困難であったが、最近では、ステ
ージ位置をその場で正確に測定可能とする光波干渉計と
サーボ技術の進展によってサブミクロンレベルでの格子
溝配列加工が可能となっている。
【0004】回折光学素子のもう一つの作製方法は、近
年の半導体集積回路製造で目覚しい進展を遂げてきたリ
ソグラフィ技術とドライエッチング技術とを用いる方法
である。リソグラフィー技術としては、レーザの2光束
干渉を利用する「ホログラフィック露光法」や、微小径
に収束させた電子ビームを用いる「電子ビーム描画法」
が採用され、これらの方法で基板上に感光樹脂パタンを
形成し、この感光樹脂パタンをマスクにして基板をドラ
イエッチングして格子溝を形成する。
【0005】このようなルーリングエンジンやリソグラ
フィを用いるいずれかの方法によって、光学ガラスを直
接加工して回折光学素子を得ることも可能であるが、最
近では、これらの方法を用いて金型を作製し、プラスチ
ックを射出成形して回折光学素子を量産する方法が用い
られている。ここで金型とは、回折光学素子のパタンと
はその凹凸が反転した原版のことで、射出成型時の高温
に耐え得る硬い金属、例えばNiやステンレス鋼等で作
製される。
【0006】図5は、射出成形の原理を説明するための
図で、先ず図5(a)に示した金型51を用意し、図5
(b)に示したように金型51に高温で溶解したプラス
チック材52を注入部材53を介して流し込み、最後に
図5(c)に示したように冷却されてある程度固まった
プラスチック材を金型51から離型して所望の形状のプ
ラスチック54を得る方法で、ルーリングエンジンやリ
ソグラフィ技術の進展によって高精度な金型が作製でき
るようになったことと、射出成形技術の進展によって精
度の良い複製品が安価に作製できるようになったことか
ら利用範囲が急激に拡大し、バーコードリーダの読み取
り機構部品やコンパクトディスク用のピックアップ機構
部品等に多用されている方法である。また、最近では光
学特性が安定したプラスチック材が開発されてその用途
が益々広がりつつある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】近年では、微細パタン
を備える光学部品の適用領域が拡大するにつれて、この
微細パタンに高度な光学機能を持たせるようになってき
た。このため、パタン形状や品質に対する要求が厳しく
なってきており、例えば、ライン幅が200nm以下の
格子パタンや、深さ数μmの溝パタンの精度を10nm
以下に押さえることが要求されたり、アスペクト比(高
さと幅の比)が10以上の溝パタン加工が要求されたり
している。
【0008】しかしながら、ルーリングエンジンのよう
な機械加工でこのようなアスペクト比の大きな微細パタ
ンが施された金型を作製するのは非常に難しく、また、
高精度の微細パタンを得るためには、基板や環境の温度
を高精度で制御する技術が要求されるという問題もあ
る。
【0009】一方、リソグラフィ技術とドライエッチン
グ技術を用いる方法によれば、100nm以下幅でアス
ペクト比が10の微細パタン形成が可能であり、高精度
の金型の作製可能性があるものの、例えアスペクト比の
大きな微細パタンを施した金型が得られたとしても、射
出成型のプロセスで溶融したプラスチック材を金型の微
細パタンに確実に埋め込ませるのが難しく、更に、アス
ペクト比が大きい場合には離型時にプラスチック材が破
壊されるため、射出成形によって精度の高いプラスチッ
ク部品を作製することは容易ではない。射出成形は、通
常、離型し易い材料を金型表面に形成する技術が多用さ
れているが、上述したような微細パタンをもつ金型では
その材料の厚さだけ寸法や深さが変化するので、表面に
皮膜を形成することはできず、射出成形で安定して形成
できるのは、一般には、幅が200nm以上でアスペク
ト比が1/2程度のパタンまでとされている。
【0010】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、金型を一切用いず
にリソグラフィ技術と紫外線硬化樹脂を用いてプラスチ
ック材に微細で高アスペクトの微細なパタンを形成する
方法、及びそのようなパタンを備える高性能の光学部
品、並びに、その製造方法を提供するところにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、請求項1に記載の発明は、紫外線
硬化樹脂層のパタン形成方法であって、基板上に感光性
樹脂のパタンを形成する第1の工程と、該感光性樹脂の
パタン上に紫外線硬化樹脂層を密着させて形成し該紫外
線硬化樹脂層に前記感光性樹脂のパタンを転写させる第
2の工程と、該パタン転写された紫外線硬化樹脂層に紫
外線を照射して硬化させる第3の工程と、該硬化した紫
外線硬化樹脂層を前記基板から剥離する第4の工程とを
少なくとも備えることを特徴とする。
【0012】また、請求項2に記載の発明は、光学構造
体上に、パタン形成された紫外線硬化樹脂層を備える光
学部品であって、該紫外線硬化樹脂層は、請求項1に記
載のパタン形成方法によりパタン形成されたものである
ことを特徴とする。
【0013】更に、請求項3に記載の発明は、光学構造
体上に、パタン形成された紫外線硬化樹脂層を備える光
学部品の作製方法であって、紫外線に透明又は不透明な
基板上に感光性樹脂のパタンを形成する第1の工程と、
該感光性樹脂のパタン上に、接着機能を有する紫外線硬
化樹脂層を密着させて形成し該紫外線硬化樹脂層に前記
感光性樹脂のパタンを転写させる第2の工程と、紫外線
に透明又は不透明な光学構造体を前記紫外線硬化樹脂層
上に接着する第3の工程と、前記紫外線硬化樹脂層に紫
外線を照射して硬化させる第4の工程と、該硬化した紫
外線硬化樹脂層を前記基板から剥離する第5の工程とを
少なくとも備え、前記基板及び前記光学構造体の少なく
とも一方は紫外線に透明であって、前記第4の工程の紫
外線照射を、該紫外線に透明な基板又は光学構造体のい
ずれか一方又は双方側から行なうことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。
【0015】図1は、本発明のパタン形成方法の構成例
を説明するための図で、先ず、図1(a)に示すよう
に、Siウエハ基板11上にリソグラフィ技術を用いて
感光樹脂12のパタンを形成する。なお、基板はSiウ
エハに限定されるものではなく、表面が平滑な基板であ
ればよい。
【0016】次に、図1(b)に示すように、感光樹脂
12のパタン上に紫外線硬化樹脂13を所望の厚みで塗
布し、更に、図1(c)に示すように、紫外線硬化樹脂
13に紫外線を照射して硬化させた後、図1(d)に示
すように、紫外線硬化樹脂13の膜をSiウエハ基板1
1から剥離する。そして最後にアセトンなどの溶剤で紫
外線硬化樹脂13の膜に付着している感光樹脂12bを
除去すれば、図1(e)に示すような感光樹脂12のパ
タンとは凹凸が逆になったパタンをもつ紫外線硬化樹脂
13の膜が形成できる。
【0017】ここで用いられる紫外線硬化樹脂13は、
光通信用の光ファイバの接着剤として多用されている材
料で光学部品用の材料として充分使用可能なものであ
り、この樹脂の屈折率制御技術も既に開発されているも
のであるため、図1に示した方法で形成したパタン付き
紫外線硬化樹脂膜を光学部品としてそのまま使用できる
というメリットがある。
【0018】図2は、本発明のパタン形成方法の他の構
成例を説明するための図で、図1に示した方法が紫外線
硬化樹脂を単独で用いて光学部品を作製する方法である
のに対して、この方法はガラスのような光学構造体を予
め準備してその光学構造体表面に紫外線硬化樹脂パタン
を形成する方法である。
【0019】先ず、図2(a)に示すように、Siウエ
ハ基板21上にリソグラフィ技術を用いて感光樹脂22
のパタンを形成した後、図2(b)に示すように、感光
樹脂22のパタン上に紫外線硬化樹脂23を滴下してそ
の上からガラス板24を接着する。更に、図2(c)に
示すように、紫外線硬化樹脂23に紫外線を照射して硬
化させた後、図2(d)に示すように、紫外線硬化樹脂
23の膜をSiウエハ基板21から剥離する。紫外線硬
化樹脂23は接着剤としての機能を持っているので、ガ
ラス板24に強固に接着している。最後にアセトンなど
の溶剤で紫外線硬化樹脂23の膜に付着している感光樹
脂22bを除去すれば、図2(e)に示すように、ガラ
ス板24の表面に紫外線硬化樹脂23のパタンが容易に
形成できる。なお、図2に示した方法において、ガラス
板24の代わりにレンズを用いることとすれば、同様の
手法に従って、回折光学素子と屈折レンズとを組み合わ
せた複合レンズが形成可能である。
【0020】上述したように、本発明のパタン形成方法
は、従来の射出成形で用いていたような繰返し使用が可
能な金型は使用せず、感光性樹脂パタンに金型の役割を
担わせて1つのプラスチックパタンを形成させた後に除
去する。このため本発明のパタン形成方法では、射出成
形における離型時の問題は生じ得ない。
【0021】また、本発明のパタン形成方法に用いられ
る紫外線硬化樹脂には、感光性樹脂の溶剤によっては損
傷されないことという制約があるものの、一般に、感光
性樹脂はアセトンによって容易に溶解されるものが多い
一方、紫外線硬化樹脂はアセトンによっては溶解され難
いものが多いため、溶剤としてアセトンを用いることと
すれば、紫外線硬化樹脂を損傷することなく感光性樹脂
のみを除去することができる。このような特性の感光性
樹脂としては、例えば、紫外線用感光性樹脂としてOF
PR−800(東京応化製、商品名)、電子線およびX
線用感光性樹脂としてUVII(シップレイ製、商品名)
等がある。
【0022】更に、紫外線硬化樹脂は感光樹脂パタンの
隙間にスムーズに侵入して感光樹脂パタン通りの形状を
転写することが可能である上に、硬化時に外部からの熱
を必要としないため、温度による変形や硬化時の収縮率
も小さいため、感光樹脂パタンを忠実に反映したパタン
を形成できるというメリットがある。
【0023】本発明のパタン形成方法では、紫外線硬化
樹脂に形成されるパタンは感光樹脂のパタンを忠実に反
映するから、その精度は、感光樹脂のパタン精度に依存
する。一方、感光樹脂パタンの精度は、パタン形成のた
めのリソグラフィ方法には依存せず、要求されるパタン
精度を得るのに最適なリソグラフィ方法を選択すること
ができる。例えば、幅0.2μm以上のパタンであれば
紫外線リソグラフィを用いることができるし、幅0.2
μm以下の微細パタンなら電子線リソグラフィを用いる
ことができる。また、微細でアスペクト比の大きいパタ
ンを得るにはX線リソグラフィが適しており、0.1μ
m幅のパタンやアスペクト比10以上のパタンも容易に
形成できる。これらのいずれのリソグラフィ方法によっ
ても5%よりすぐれた精度のパタンが形成可能なことは
半導体集積回路の製造で実証されている。
【0024】また、感光樹脂の膜厚も10nmの精度で
制御可能な技術が既に確立されているから、感光樹脂パ
タン形成後にその膜厚が厚すぎる場合には、酸素プラズ
マ等を用いて薄くすることも可能である。更に、最近で
は紫外線リソグラフィ用のマスクの遮光率を変化させる
技術が開発され、この技術を用いると鋸歯状や階段状の
感光樹脂パタンも形成できる。
【0025】このように、近年の高度なリソグラフィ技
術を用いると、光学部品に要求される形状を充分に満足
する精度の微細な感光樹脂パタンが形成できる。また、
このような感光樹脂パタンは8インチウエハ全面に1時
間当り20〜30枚の速度で形成できるため、光学部品
の大きさが高々10mmであることを考慮すると、コス
ト的な制約もない。
【0026】なお、図2に示したパタン形成方法では、
ガラスのように紫外線に透明な光学構造体を用いたため
に、その上から紫外線照射を行って紫外線硬化樹脂を硬
化させることができるが、光学構造体が紫外線に透明で
ない場合や非常に大きい場合には上部から紫外線を照射
して樹脂を硬化させることができない。この場合には、
Siウエハの替わりにガラス板のような紫外線に透明な
基板上に感光樹脂パタンを形成し、紫外線硬化樹脂を塗
布後、基板の裏面から紫外線を照射することで樹脂を硬
化させることが可能である。
【0027】以下に、上述した本発明のパタン形成方法
を用いて光学部品を作製した実施例について説明する。
【0028】(実施例1)直径8インチのSiウエハ上
にポジ型の感光性樹脂であるOFPR−800を、2.
0μm厚に塗布し、80℃で30分ベークした後、紫外
線リソグラフィを用いて幅0.8μmのラインパタンを
0.8μm間隔で複数本形成した。この場合の感光性樹
脂はポジ型であるため、ウエハ表面の大部分は感光性樹
脂で覆われている。なお、ポストベークは100℃、2
0分間行った。このようにして形成した感光性樹脂のパ
タンを走査型電子顕微鏡を使って測定したところ、パタ
ン幅は0.814μmで、ほぼ矩形の断面をしていた。
また、触針式の段差計を用いて膜厚を測定したところ
1.92μmであった。
【0029】次に、この感光性樹脂のパタン上に屈折率
が1.512の紫外線硬化樹脂をスポイトで2滴滴下し
たところ、直径8mmの領域に広がり、中心部分の厚さ
が約1mmとなった。この状態で上部より30秒間紫外
線を照射し、紫外線硬化樹脂を硬化させた。その後、こ
のウエハをアセトンに浸漬したところ、約20秒で感光
性樹脂層がアセトンに溶解し、紫外線硬化樹脂を剥離さ
せることが可能であった。このようにして剥離させた紫
外線硬化樹脂は透明なプラスチックで、感光性樹脂の残
渣は認められず、屈折率は原材料と同じ1.512であ
り、表面に形成されたパタンを走査型電子顕微鏡で観察
した結果、ほぼ矩形断面を有し、パタン幅は0.810
μm、パタン深さは1.95μmであった。
【0030】このように、本発明のパタン形成方法を用
いることにより、感光性樹脂パタンに極めて忠実なパタ
ンをプラスチック表面に形成することができる。なお、
このパタンを備える基板は、光学部品としてそのまま利
用可能である。
【0031】本実施例では紫外線硬化樹脂をSiウエハ
から剥離する工程と剥離後の紫外線硬化樹脂に付着した
感光性樹脂を除去する工程とを同時に行っているが、一
旦紫外線硬化樹脂をSiウエハから他の方法で剥離し、
その後感光性樹脂を除去しても同様の結果が得られる。
【0032】(実施例2)直径8インチ、厚さ0.75
mmのSiウエハ上に、ポジ型のX線感光性樹脂である
UVIIを0.35μm厚に塗布し、120℃で120分
間ベークした後、X線リソグラフィを用いて幅0.1μ
m、0.2μm、0.3μm、0.5μmのラインパタ
ンをライン幅と同間隔でそれぞれ20本ずつ形成した。
X線露光後、150℃で90分間ベークを行い、現像し
た後に100℃、60分間のベークを行った。樹脂に対
する透過率が大きなX線で露光したため、形成されたパ
タン断面はほぼ完全な矩形になっており、その厚さは
0.33μmであった。また、感光性樹脂のパタン幅を
走査型電子顕微鏡により測定した。
【0033】次に、このパタン上に屈折率が1.512
の紫外線硬化樹脂をスポイトで1滴滴下したのち、厚さ
1mm、100mm角の屈折率1.512のガラス板を
載せ、紫外線硬化樹脂が均一な膜厚になるように保持し
た。この状態で上部より30秒間紫外線を照射し、紫外
線硬化樹脂を硬化させた後、このウエハをアセトンに浸
漬したところ、約20秒でX線感光性樹脂がアセトンに
溶解し、ガラス板にプラスチックの紫外線硬化樹脂が付
着した状態でウエハから剥離した。
【0034】紫外線硬化樹脂にはX線感光性樹脂の残渣
は全く観察されず、表面に形成されたパタンを走査型電
子顕微鏡で観察した結果、ほぼ矩形断面でパタン深さは
0.33μmであった。なお、得られたパタン幅はそれ
ぞれ表1に示したとおりで、感光性樹脂に形成したパタ
ンにほぼ一致するパタンが得られた。
【0035】
【表1】(単位:μm)
【0036】この実験結果により、本発明のパタン形成
方法を用いると、0.1μm幅でアスペクト比が3.3
のプラスチックパタンを形成可能なことが明らかになっ
た。また、感光性樹脂の厚さを2.0μmとした別の実
験においては、0.2μm幅でアスペクト比10.0の
パタンも形成可能なことが確認された。
【0037】このようにして得られた紫外線硬化樹脂の
付着したガラス板の光学的透過率を測定した結果、紫外
線硬化樹脂とガラス板との屈折率が整合していたために
境界での反射はなく、透過率は99%以上あった。
【0038】(実施例3)直径8インチ、厚さ0.75
mm厚のガラス板上に感光性樹脂OFPR−800を
2.0μm厚に塗布し、80℃で30分ベークした後、
紫外線リソグラフィを用いてパタン形成した。
【0039】図3は、このときに使用した遮光率変化型
ホトマスクの構成と感光性樹脂パタンを説明するための
図で、遮光率変化型ホトマスクは図3(a)に示すよう
に、ガラス板31上の直径100μmの同心円状領域に
遮光率が段階的に変化する遮光膜を形成させたものを用
い、得られた感光性樹脂パタンは図3(b)に示すよう
に、基板33上に形成された同心円の階段状の感光性樹
脂パタン34であって、同心円の階段状のパタンを有す
る回折レンズを形成することができた。なお、ポストベ
ークは100℃、20分間行った。
【0040】図4は、このようにして形成した感光性樹
脂パタンを用いて、光ファイバ先端部に紫外線硬化樹脂
パタンを形成する様子を説明するための図で、先ず、図
3で説明したように形成した、ガラス板41上に形成さ
れた感光性樹脂パタン42の上に、屈折率1.5の紫外
線硬化樹脂43をスポイトで1滴滴下し、その上から、
感光性樹脂パタン42の同心円の中心に合わせて直径1
00μmの石英製光ファイバ44の先端を固定する。こ
の状態でガラス板41の裏面より30秒間紫外線を照射
し、紫外線硬化樹脂43を硬化させた。その後、ガラス
板41ごとアセトンに浸漬したところ、約20秒間で感
光性樹脂42がアセトンに溶解し、紫外線硬化樹脂43
が光ファイバ44の先端部に接着した状態でガラス板4
1を剥離し、光ファイバ44周囲に広がった紫外線硬化
樹脂43を除去した。光ファイバ44先端部に形成され
たパタンを顕微鏡観察した結果、ほぼ設計どおりのパタ
ンが得られた。
【0041】なお、本実施例では光学構造体が光ファイ
バの場合であり、光ファイバの上部から紫外線を照射し
て紫外線硬化樹脂を硬化させることが困難であったの
で、感光樹脂パタンを紫外線に透明なガラス板上に形成
し、ガラス板の裏面から紫外線を照射して樹脂を硬化さ
せている。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のパタン形
成方法は、リソグラフィ法で形成した感光性樹脂パタン
を原版にした紫外線硬化樹脂のパタン形成方法であり、
感光性樹脂パタンさえ形成できればそれを忠実に転写し
た紫外線硬化樹脂のパタンが形成できる。従って0.1
μm幅でアスペクト比3以上のパタン形成も可能であ
る。
【0043】また、感光性樹脂パタンは、パタン形成し
たい光学構造体とは全く別の、平坦で平滑な基板上に形
成可能なため、極めて理想的な感光性樹脂パタンを形成
できる。一方、紫外線硬化樹脂は接着剤としての機能が
あるので、ガラス、Siなどほとんどの材料で構成され
る光学構造体上にパタン形成できる。このため、光学構
造体としてはレンズやファイバだけでなく、他の種々の
構造の光学部品を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパタン形成方法の構成例を説明するた
めの図である。
【図2】本発明のパタン形成方法の他の構成例を説明す
るための図である。
【図3】本発明のパタン形成方法における遮光率変化型
ホトマスクと感光性樹脂パタンを説明するための図であ
る。
【図4】本発明のパタン形成方法を用いて光ファイバ先
端部にパタンを形成する方法を説明するための図であ
る。
【図5】射出成形の原理を説明するための図である。
【符号の説明】
11、21 Siウエハ 12、12a、12b、22、22a、22b 感光性
樹脂 24、31、41 ガラス板 32 遮光膜 33 基板 34、42 感光性樹脂パタン 13、23、43 紫外線硬化樹脂 44 光ファイバ 51 金型 52 プラスチック材 53 注入部材 54 所望の形状のプラスチック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 齋藤 保直 東京都新宿区西新宿二丁目1番1号 エ ヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株 式会社内 (72)発明者 高橋 進 東京都新宿区西新宿二丁目1番1号 エ ヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株 式会社内 Fターム(参考) 2H049 AA03 AA07 AA13 AA33 AA37 AA43 AA48 AA51 AA55 2H096 AA28 BA05 HA07 JA04 4F204 AA44 AD04 AG05 AH73 EA03 EA04 EB01 EB11 EK17 EK18

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に感光性樹脂のパタンを形成する
    第1の工程と、該感光性樹脂のパタン上に紫外線硬化樹
    脂層を密着させて形成し該紫外線硬化樹脂層に前記感光
    性樹脂のパタンを転写させる第2の工程と、該パタン転
    写された紫外線硬化樹脂層に紫外線を照射して硬化させ
    る第3の工程と、該硬化した紫外線硬化樹脂層を前記基
    板から剥離する第4の工程とを少なくとも備えることを
    特徴とする紫外線硬化樹脂層のパタン形成方法。
  2. 【請求項2】 光学構造体上に、パタン形成された紫外
    線硬化樹脂層を備える光学部品であって、該紫外線硬化
    樹脂層は、請求項1に記載のパタン形成方法によりパタ
    ン形成されたものであることを特徴とする光学部品。
  3. 【請求項3】 光学構造体上に、パタン形成された紫外
    線硬化樹脂層を備える光学部品の作製方法であって、 紫外線に透明又は不透明な基板上に感光性樹脂のパタン
    を形成する第1の工程と、該感光性樹脂のパタン上に、
    接着機能を有する紫外線硬化樹脂層を密着させて形成し
    該紫外線硬化樹脂層に前記感光性樹脂のパタンを転写さ
    せる第2の工程と、紫外線に透明又は不透明な光学構造
    体を前記紫外線硬化樹脂層上に接着する第3の工程と、
    前記紫外線硬化樹脂層に紫外線を照射して硬化させる第
    4の工程と、該硬化した紫外線硬化樹脂層を前記基板か
    ら剥離する第5の工程とを少なくとも備え、前記基板及
    び前記光学構造体の少なくとも一方は紫外線に透明であ
    って、前記第4の工程の紫外線照射を、該紫外線に透明
    な基板又は光学構造体のいずれか一方又は双方側から行
    なうことを特徴とする光学部品の作製方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109073979A (zh) * 2016-07-08 2018-12-21 吉佳蓝科技股份有限公司 纳米压印用复制模、其制造方法及纳米压印用复制模制造装置

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