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JP2003137191A - ヘリコプタのリードラグダンピング装置およびヘリコプタのリードラグダンピング方法 - Google Patents

ヘリコプタのリードラグダンピング装置およびヘリコプタのリードラグダンピング方法

Info

Publication number
JP2003137191A
JP2003137191A JP2001342536A JP2001342536A JP2003137191A JP 2003137191 A JP2003137191 A JP 2003137191A JP 2001342536 A JP2001342536 A JP 2001342536A JP 2001342536 A JP2001342536 A JP 2001342536A JP 2003137191 A JP2003137191 A JP 2003137191A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibration component
main rotor
phase
lead
helicopter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001342536A
Other languages
English (en)
Inventor
Yujiro Shirai
雄二郎 白井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2001342536A priority Critical patent/JP2003137191A/ja
Publication of JP2003137191A publication Critical patent/JP2003137191A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置の軽量化、小型化および低価格化を図
り、主回転翼ハブや関節機構を設計する際に寸法や形状
の制約となる虞れをなくし、ヘリコプタの燃費の悪化を
回避し、さらにダンピング特性の調整を容易とするこ
と。 【解決手段】 メインロータ7のリードラグ運動に伴う
振動成分を検出する振動成分検出部1と、振動成分検出
部1の出力からノイズを除去するリードラグフィルタ部
2と、リードラグフィルタ部2の出力から該振動成分の
逆位相となる振動成分を生成するLLS3と、FADE
C4のトルク制御信号に該逆位相の振動成分を加算して
エンジン5に出力する加算部9と、を備えたものであ
り、加算部9の出力によってエンジン5のトルク制御を
行うように構成してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主回転翼のリード
ラグ運動に伴う振動を低減するヘリコプタのリードラグ
ダンピング装置およびヘリコプタのリードラグダンピン
グ方法に関し、より詳細には、既存のトルク制御のライ
ンに主回転翼のリードラグ運動に対応させた逆位相の振
動成分を重ね合わせることにより、リードラグ運動に伴
う振動を低減するヘリコプタのリードラグダンピング装
置およびヘリコプタのリードラグダンピング方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のヘリコプタでは、主回転翼のリー
ドラグ運動に伴う振動を低減するために、例えば、図1
0(a)、(b)に示すように、メインロータ(主回転
翼)7に複数の振動低減装置12を設けたものがある。
ここで、メインロータ7は、複数の羽根13を有してお
り、各羽根13は関節機構11によって回転翼面内およ
び回転翼面と垂直に可動可能にメインロータハブ10に
係止されている。また、振動低減装置12は、各羽根1
3の根元とメインロータハブ10との間に配置され、各
羽根13の回転翼面内の可動に対してダンピングを与え
るように配設されている。
【0003】ところで、ヘリコプタのメインロータ7
(主回転翼)の羽根13に作用する揚力は、メインロー
タ7の回転に伴う流速とヘリコプタの進行に伴う流速に
依存する。従って、ヘリコプタが前進飛行する場合、羽
根13が尾部から前進方向へ回る時には羽根に作用する
揚力が増大し、羽根13が前進方向から尾部へ回る時に
は羽根に作用する揚力が減少する。このため、羽根13
が回転翼面に対して周期的に上下に変位するフラッピン
グ運動を生じる。そして、このフラッピング運動に伴
い、コリオリ力によって羽根13が回転面内で前後に変
位するリードラグ運動を生じる。この際、フラッピング
運動とリードラグ運動とによる変位を関節機構11によ
って許容することにより、羽根13の根元には無理な応
力が掛からないようにしている。
【0004】通常、羽根13のフラッピング運動は、羽
根13の翼面にほぼ直角な運動なので、空気力が羽根1
3に十分なダンピングを与える。ところが、羽根13の
リードラグ運動は、羽根13の翼面にほぼ水平な運動な
ので、空気力によって羽根13に十分な減衰力を得るこ
とができず、激しい振動をもたらす虞れが有る。このた
め、従来のヘリコプタでは振動低減装置12を取り付け
ることによって、羽根13のリードラグ運動による振動
を低減している。なお、この種の振動低減装置12は、
受動式のものが一般的でありその減衰特性は予め適宜設
定する必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の振動低減装置では、十分な制振効果を得るために、
羽根に対して一定以上の大きさが必要であるため、装置
が大型化して重量の増加を招来するという問題点があっ
た。
【0006】また、上記従来の振動低減装置は、緩衝材
や弾性体等の多くの部品から構成されていると共に、構
造が複雑で部品点数が多いため、小型化・低価格化が困
難であるという問題点もあった。
【0007】また、従来の振動低減装置は、各羽根の根
元とメインロータハブとの間に配置されるため、メイン
ロータハブや関節機構を設計する際に寸法や形状の制約
となるという問題点や、メインロータと共に高速回転す
るため、その重量とイナーシャがメインロータを回転さ
せるのに必要な駆動力を増やし、ヘリコプタの燃費を悪
化させるという問題点があった。
【0008】さらに、従来の振動低減装置では、十分な
制振効果を得るために振動低減装置の減衰特性の調整を
行う必要があるが、人手によって、装置に内蔵された緩
衝材や弾性体の量や形状を変更することで調整を行って
いるため、調整が煩雑で面倒であるという問題点があっ
た。
【0009】本発明は上記に鑑みてなされたものであっ
て、装置の軽量化、小型化および低価格化を図ることが
でき、しかもメインロータハブや関節機構を設計する際
に寸法や形状の制約する虞れがないとともに、ヘリコプ
タの燃費を悪化させる虞れもなく、さらに減衰特性の調
整が容易なヘリコプタのリードラグダンピング装置およ
びリードラグダンピング方法を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るヘリコプタのリードラグダンピング装
置は、複数の羽根を有する主回転翼と、前記主回転翼を
駆動するためのエンジンと、前記エンジンの駆動力を前
記主回転翼に伝達する伝達手段と、トルク制御信号を出
力して前記エンジンのトルク制御を行う制御手段と、を
有するヘリコプタのリードラグ運動に伴うヘリコプタの
振動を低減するリードラグダンピング装置において、前
記主回転翼のリードラグ運動に伴う振動成分を検出する
振動成分検出手段と、前記振動成分検出手段で検出した
振動成分からノイズを除去して前記主回転翼の振動成分
を抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出した振動成
分を入力し、該振動成分の逆位相の振動成分を生成する
逆位相生成手段と、前記制御手段から出力されたトルク
制御信号に前記逆位相生成手段で生成した前記逆位相の
振動成分を加算した新たなトルク制御信号を前記エンジ
ンに出力する振動成分加算手段と、を備えたことを特徴
とする。
【0011】この発明によれば、主回転翼のリードラグ
運動に伴う振動成分を振動成分検出手段によって検出し
た後に、抽出手段によってノイズを除去しつつ、逆位相
生成手段によって該振動成分の逆位相の振動成分を生成
するとともに、該逆位相の振動成分と既存の制御手段か
ら出力されたトルク制御信号とを加算器によって加算
し、該加算器の出力によってエンジンのトルク制御を行
うことにより、従来のトルク制御信号によるエンジンの
トルク制御に加えて、リードラグ運動に伴う振動成分に
対して逆位相の振動成分によるエンジンのトルク制御を
行うことができる。
【0012】つぎの発明に掛るヘリコプタのリードラグ
ダンピング装置は、上記の発明において、前記逆位相生
成手段は、出力の位相を反転する位相反転部と、出力の
位相を調整する位相調整部と、出力のゲインを調整する
ゲイン調整部と、を備えたことを特徴とする。
【0013】この発明によれば、主回転翼のリードラグ
運動に伴う振動成分に対して、位相反転部によって前記
振動成分の逆位相の振動成分を得ることができるととも
に、位相調整部およびゲイン調整部によって前記逆位相
の振動成分の位相調整およびゲイン調整を行うことがで
きる。
【0014】つぎの発明に掛るヘリコプタのリードラグ
ダンピング装置は、上記の発明において、前記振動成分
検出手段は、前記主回転翼の角速度を検出する角速度検
出部と、前記角速度検出部の出力を微分して角加速度を
導出する角加速度推定部と、を備えたことを特徴とす
る。
【0015】この発明によれば、主回転翼の角速度を角
速度検出部によって検出した後に、角加速度推定部によ
って微分することによって、主回転翼の角加速度を得る
ことができるので、主回転翼に作用するトルクを推定可
能である。
【0016】つぎの発明に掛るヘリコプタのリードラグ
ダンピング装置は、上記の発明において、さらに前記主
回転翼の回転数が変更可能であり、前記抽出手段および
前記逆位相生成手段は、予め前記主回転翼の回転数に対
応させて設定したパラメータを有しており、前記主回転
翼の回転数が変更されると、変更された主回転翼の回転
数に対応するパラメータを用いて前記主回転翼の振動成
分の抽出または前記逆位相の振動成分の生成を行うこと
を特徴とする。
【0017】この発明によれば、主回転翼の回転数が変
更される場合であっても、変更された主回転翼の回転数
に対応するパラメータを用いて前記主回転翼の振動成分
の抽出または前記逆位相の振動成分の生成を行うことが
できる。
【0018】つぎの発明に掛るヘリコプタのリードラグ
ダンピング方法は、前記主回転翼のリードラグ運動に伴
う振動成分を検出して、検出した振動成分の逆位相の振
動成分を、前記主回転翼を駆動するエンジンのトルク制
御信号に加算して前記エンジンのトルク制御を行うこと
を特徴とする。
【0019】この発明によれば、主回転翼のリードラグ
運動に伴う振動成分を検出して、検出した振動成分の逆
位相の振動成分を、前記主回転翼を駆動するエンジンの
トルク制御信号に加算して前記エンジンのトルク制御を
行うことによって、従来のトルク制御信号によるエンジ
ンのトルク制御に加えて、リードラグ運動に伴う逆位相
振動成分によるエンジンのトルク制御を行うことができ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照して、本発
明に係るヘリコプタのリードラグダンピング装置および
ヘリコプタのリードラグダンピング方法の好適な実施の
形態を詳細に説明する。
【0021】実施の形態1.図1は、実施の形態1のヘ
リコプタのリードラグダンピング装置の構成を示すブロ
ック線図である。ここで例示するヘリコプタは、複数の
羽根13を有するメインロータ(主回転翼)7と、メイ
ンロータ7を駆動するためのエンジン5と、エンジン5
の駆動力をメインロータ7に伝達する伝達手段であるM
GB(Main Gear Box)6と、トルク制御信号を出力し
てエンジン5のトルク制御を行う制御手段であるFAD
EC(Full Authority Digital Engine Control)4
と、を備えている。
【0022】本実施の形態1のヘリコプタのリードラグ
ダンピング装置は、メインロータ7のリードラグ運動に
伴う振動成分を検出する振動成分検出手段である振動成
分検出部1と、振動成分検出部1で検出した振動成分か
らノイズを除去してメインロータ7の振動成分を抽出す
る抽出手段であるリードラグフィルタ部2と、リードラ
グフィルタ部2で抽出した振動成分を入力し、該振動成
分の逆位相の振動成分を生成する逆位相生成手段である
LLS(Lead Lag Suppressor)3と、上述したFAD
EC4のトルク制御信号にLLS3の該逆位相の振動成
分を加算して新たなトルク制御信号としてエンジン5に
出力する加算部(振動成分加算手段)9と、を備えたも
のであり、加算部9の出力によってエンジン5のトルク
制御を行うように構成してある。
【0023】FADEC4は、図示しない回転数セン
サ、トルクセンサ、および圧力センサ等からのエンジン
5の情報を随時取得し、予め設定された指令値に追従す
るようにエンジン5の回転運動を制御している。さら
に、これらの基本的なエンジン制御に加え、FADEC
4はヘリコプタの機体8の動きに関する多変数、例えば
ヘリコプタの前進速度およびピッチ角等の姿勢情報を所
定のセンサから取り込み、図示しない尾翼を用いて機体
8の姿勢制御をも行うものである。なお、FADEC4
は、多変数制御を実現するために、CPU(中央演算装
置)によるデジタル制御を行っている。
【0024】振動成分検出部1は、リードラグ運動に伴
うメインロータ7に作用する振動を検出するものであ
る。リードラグ運動は、羽根13が回転翼面内で前後に
変位する運動なので、該振動はメインロータ7のトルク
の変動を伴う。従って、メインロータ7のトルクの変動
を計測することによって、リードラグ運動に伴うメイン
ロータ7に作用する振動を推定可能である。この振動成
分検出部1は、図示しないトルク計を用いて構成するこ
とができる。この種のトルク計は、例えば、メインロー
タ7に直結されたMGB6に使用される減速歯車(図示
せず)のひずみ量を計測し、該ひずみ量との相関関係か
らメインロータ7のトルクを計測することによって具現
化することができる。あるいは、メインロータ7の図示
しない主軸のねじれ角を計測し、該ねじれ角との相関関
係からメインロータ7のトルクを計測することも可能で
あり、メインロータ7のトルクが計測可能であれば、そ
の計測方法は限定されない。
【0025】リードラグフィルタ部2は、図示しないバ
ンドパスフィルタを備えており、振動成分検出部1の後
段に直結され、振動成分検出部1の出力が入力されるよ
うに構成してある。ここで、上述した羽根13のリード
ラグ運動は、メインロータ7が1回転する間に、各羽根
13が回転翼面内で1揺動するものである。つまり、該
リードラグ運動に伴う振動とメインロータ7の回転数は
同期することになる。従って、前記バンドパスフィルタ
の通過周波数帯をメインロータ7の回転周波数に設定す
れば、振動成分検出部1の出力から不要なノイズを確実
に除去して、リードラグ運動に伴ってメインロータ7に
作用する振動成分を抽出することができる。
【0026】図2は、リードラグフィルタ部2によるリ
ードラグ運動に伴う振動成分を抽出する態様を示してお
り、(a)は抽出前の時間応答図、(b)は抽出後の時
間応答図である。図2(a)では、定常トルクT0や高
周波ノイズが含まれているのに対し、図2(b)では、
それらが除去され、リードラグ運動に伴う振動成分のみ
が抽出されていることがわかる。なお、図中における波
形の周期TTは、メインロータ7の回転周期と合致する
ものである。
【0027】LLS3は、図3に示すように、位相反転
部3aと位相調整部3bとゲイン調整部3cとを備えて
おり、それらを一連に接続した態様で構成してある。ま
た、このLLS3は、リードラグフィルタ部2の後段に
直結され、リードラグフィルタ部2の出力が入力される
ように配設してある。
【0028】位相反転部3aは、リードラグ運動に伴う
振動成分の逆位相の振動成分(以下、単に逆位相振動成
分と言う)を生成するためのものであり、図示しない反
転器によって構成されている。この反転器は、例えば信
号線の端子を逆接続することで容易に構成される。な
お、信号が反転される機能を有するものであれば、反転
器の形態および反転方法が限定されないのは言うまでも
ない。
【0029】位相調整部3bは、上述した位相反転部3
aによって得られた逆位相振動成分に対して位相調整を
行うものである。例えば、上述したトルク計などに位相
遅れが生じた場合には、位相反転部3aの出力にも位相
遅れが生じてしまう。また、リードラグ運動に伴う振動
に対して、より効果的なダンピング特性を得るために
は、逆位相振動成分の位相を適切に進めることが好まし
い。このため、位相調整部3bは、図4に例示する周波
数特性図において位相進み特性を有するように構成して
ある。図中、メインロータ7の回転周波数f0における
位相が位相α(以下、位相進み量αと言う)だけ進むよ
うに、位相調整部3bの位相進み特性を調整してある。
従って、位相反転部3aから出力された逆位相振動成分
は、位相進み量αだけ進められることになる。
【0030】ここで、位相進み量αは、周波数f0にお
けるゲイン特性の傾きを変更することで調整可能であ
る。また、ゲイン特性の傾きを変更する代わりに、周波
数軸方向にシフトさせて位相進み量αを調整することも
できる。
【0031】ゲイン調整部3cは、上述した位相調整部
3bの出力に対してゲイン調整を行うものである。この
ゲイン調整部3cは、例えば図示しない信号増幅器によ
って構成することができる。この場合、信号増幅器の増
幅率を変更することによって、出力信号のゲインを容易
に調整できる。
【0032】図5は、上述したLLS3における信号
が、入力されてから出力されるまでの間に、位相反転部
3a、位相調整部3bおよびゲイン調整部3cによって
変化する態様を例示した時間応答図である。まず、図5
(a)は、リードラグフィルタ部2からLLS3に入力
されるリードラグ運動に伴う振動成分の時間応答図であ
る。つぎに、図5(b)は、位相反転部3aの出力の時
間応答図であり、図5(a)の波形と比較して、波形が
反転していることがわかる。最後に、図5(c)は、回
転周波数f0での位相調整部3bの特性を位相進み量
α,ゲインP1(P1>1)とし、さらにゲイン調整部
3cの特性をゲインP2(P2>1)とした場合におけ
るLLS3の出力の時間応答図である。図中、時間Δ
は、メインロータ7の回転周期を周期Tとすると、下式
(A)で表される。 時間Δ(秒)=位相進み量α(度)/360×周期T(秒)…(A)
【0033】以上、回転周波数f0における位相調整部
3bの位相進み量α,ゲインP1およびゲイン調整部3
cにおけるゲインP2をそれぞれ適宜調整することによ
って、LLS3はリードラグ運動に伴う逆位相振動成分
の位相およびゲインを任意に調整することができる。
【0034】加算部9は、前述のFADEC4からのト
ルク制御信号とLLS3の出力とを加算した新たなトル
ク制御信号をエンジン5に出力するものである。従っ
て、従来のトルク制御信号によるエンジン5のトルク制
御に加えて、LLS3の出力であるリードラグ運動に伴
う逆位相振動成分によるエンジン5のトルク制御も行わ
れることになる。また、加算部9は状況に応じてLLS
3の出力のみを、図示しない切替器によって、遮断する
ように構成しても良い。例えば、メインロータ7の回転
数が、リードラグフィルタ部2と位相調整部3bにおい
て設定した設定回転数f0から著しく外れている場合に
は、LLS3の出力が正常に機能しない。このような場
合に、この切替器によって、確実にLLS3の出力を遮
断することができる。
【0035】なお、上述したヘリコプタのリードラグダ
ンピング装置における、リードラグフィルタ部2、LL
S3および加算部9は、CPU(中央演算装置)を用い
て容易に構成可能であり、しかも上述したFADEC4
にて使用するCPU(中央演算装置)を兼用することも
可能である。
【0036】ここで、上記のように構成したヘリコプタ
のリードラグダンピング装置によれば、メインロータ7
のリードラグ運動に伴う振動成分を検出する振動成分検
出手段である振動成分検出部1と、振動成分検出部1で
検出した振動成分からノイズを除去してメインロータ7
の振動成分を抽出する抽出手段であるリードラグフィル
タ部2と、リードラグフィルタ部2で抽出した振動成分
を入力し、該振動成分の逆位相の振動成分を生成する逆
位相生成手段であるLLS3と、上述したFADEC4
のトルク制御信号にLLS3の該逆位相の振動成分を加
算して新たなトルク制御信号としてエンジン5に出力す
る加算部9と、を備えたものであり、加算部9の出力に
よってエンジン5のトルク制御を行うように構成してい
るので、従来のトルク制御信号によるエンジンのトルク
制御に加えて、リードラグ運動に伴う逆位相振動成分に
よるエンジンのトルク制御を行うことができる。
【0037】また、上記ヘリコプタのリードラグダンピ
ング装置におけるLLS3は、位相反転部3aと位相調
整部3bとゲイン調整部3cとを備えており、それらを
一連に接続した態様で構成してあるので、位相調整部3
bの位相進み量およびゲイン、ならびにゲイン調整部3
cにおけるゲインをそれぞれ適宜調整することによっ
て、LLS3はリードラグ運動に伴う逆位相振動成分の
位相およびゲインを任意に調整することができる。
【0038】以上、本実施の形態1におけるヘリコプタ
のリードラグダンピング装置によれば、従来のトルク制
御信号によるエンジンのトルク制御に加えて、リードラ
グ運動に伴う逆位相振動成分によるエンジンのトルク制
御を行うことができるので、リードラグ運動に伴う振動
成分を相殺するトルクをメインロータ7に作用させて、
該振動を低減することが可能になる。このため、既存の
エンジンのトルク制御装置を兼用しながら、リードラグ
運動に伴う振動を低減できるので、従来のような機械的
な振動低減装置を設ける必要がない。
【0039】従って、上記ヘリコプタのリードラグダン
ピング装置によれば、機械的な構造体を設ける必要がな
いので、装置を著しく小型化・軽量化することが可能に
なる。さらに、メインロータハブ10や関節機構11を
設計する際に寸法や形状の制約となる事態をも確実に防
止できる。さらにまた、ヘリコプタの重量増加およびイ
ナーシャの増加によって、ヘリコプタの燃費を悪化させ
る事態をも確実に防止できる。
【0040】また、上記ヘリコプタのリードラグダンピ
ング装置によれば、アナログ回路あるいはデジタル回路
によって容易に構成可能なため、小型化・低価格化を図
ることができる。しかも、機械的なダンパーが不要であ
り、ダンピング特性の経時変化や老朽化の恐れがなく、
耐久性・信頼性をも向上させたリードラグダンピング装
置の具現化が可能になる。
【0041】さらに、LLS3はリードラグ運動に伴う
逆位相振動成分の位相およびゲインを任意に調整するこ
とができるので、機械的な調整を一切行うことなく、容
易にダンピング特性を調整、適正化することができる。
特に、CPU(中央演算装置)を用いてソフトウエア的
に処理すれば、調整がさらに容易となり、メンテナンス
性を著しく向上させることができる。
【0042】実施の形態2.つぎに、この発明の実施の
形態2について説明する。上述した実施の形態1では、
振動成分検出部1がメインロータ7のトルクを計測する
トルク計から構成されるのに対し、本実施の形態2で
は、メインロータ7の角速度を計測する角速度検出部1
aと角加速度推定部1bとから構成されている。
【0043】図6は、本実施の形態2における振動成分
検出部1のブロック線図である。本実施の形態2におけ
る振動成分検出部1は、メインロータ7の角速度を計測
する角速度検出部1aとその後段に直結された角加速度
推定部1bとから構成されている。メインロータ7の角
加速度は、メインロータ7のトルクと略比例関係にある
ので、メインロータ7の角加速度を推定することによっ
て、該トルクを得ることができる。
【0044】角速度検出部1aは、例えば図示しないダ
イナモメータやロータリーエンコーダを用いることがで
きる。ダイナモメータによれば、容易に連続的な角速度
を得ることが可能であり、またロータリーエンコーダに
よれば、単位時間当たりのパルス信号から角速度を得る
ことができる。
【0045】角加速度推定部1bは、角速度検出部1a
の出力を微分して角加速度を得るためのものである。こ
の、角加速度推定部1bは、例えば図4に示す位相調整
部3bのように、メインロータ7の定格回転数f0付近
で微分特性を示すものであれば良い。ただし、位相進み
量は、略90度であることが好ましい。
【0046】図7(a),(b)は、それぞれ角速度検
出部1aの出力および角加速度推定部1bの時間応答図
である。図中、時刻t1において、(a)は信号の傾き
が極大であり、(b)は信号のピークが最大になってい
ることから、(a)の信号が正しく微分されていること
がわかる。図7(b)の信号に現れている高周波ノイズ
は、角速度検出部1aの出力を微分する過程で発生した
ものであり、上述したリードラグフィルタ部2、LLS
3および加算部9を経る過程により除去することができ
る。また、角加速度推定部1bは、リードラグフィルタ
部2、LLS3および加算部9と同様にCPU(中央演
算装置)によって容易に実現可能である。しかも、上述
したFADEC4にて使用するCPU(中央演算装置)
を兼用することも可能である。
【0047】本実施の形態2における振動成分検出部1
以外の構成は、上述した実施の形態1と同様である。す
なわち、本実施の形態2のヘリコプタのリードラグダン
ピング装置は、メインロータ7のリードラグ運動に伴う
振動成分を検出する振動成分検出手段である振動成分検
出部1と、振動成分検出部1で検出した振動成分からノ
イズを除去してメインロータ7の振動成分を抽出する抽
出手段であるリードラグフィルタ部2と、リードラグフ
ィルタ部2で抽出した振動成分を入力し、該振動成分の
逆位相の振動成分を生成する逆位相生成手段であるLL
S3と、上述したFADEC4のトルク制御信号にLL
S3の該逆位相の振動成分を加算して新たなトルク制御
信号としてエンジン5に出力する加算部9と、を備えた
ものであり、加算部9の出力によってエンジン5のトル
ク制御を行うように構成してある。
【0048】ここで、上記のように構成したヘリコプタ
のリードラグダンピング装置においても、メインロータ
7のリードラグ運動に伴う振動成分を検出する振動成分
検出手段である振動成分検出部1と、振動成分検出部1
で検出した振動成分からノイズを除去してメインロータ
7の振動成分を抽出する抽出手段であるリードラグフィ
ルタ部2と、リードラグフィルタ部2で抽出した振動成
分を入力し、該振動成分の逆位相の振動成分を生成する
逆位相生成手段であるLLS3と、上述したFADEC
4のトルク制御信号にLLS3の該逆位相の振動成分を
加算して新たなトルク制御信号としてエンジン5に出力
する加算部9と、を備えたものであり、加算部9の出力
によってエンジン5のトルク制御を行うように構成して
いるので、従来のトルク制御信号によるエンジンのトル
ク制御に加えて、リードラグ運動に伴う逆位相振動成分
によるエンジンのトルク制御を行うことができる。
【0049】以上、本実施の形態2におけるヘリコプタ
のリードラグダンピング装置によれば、従来のトルク制
御信号によるエンジンのトルク制御に加えて、リードラ
グ運動に伴う逆位相振動成分によるエンジンのトルク制
御を行うことができるので、リードラグ運動に伴う振動
成分を相殺するトルクをメインロータ7に作用させて、
該振動を低減することが可能になる。このため、既存の
エンジンのトルク制御装置を兼用しながら、リードラグ
運動に伴う振動を低減できるので、従来のような機械的
な振動低減装置を設ける必要がない。
【0050】従って、上記ヘリコプタのリードラグダン
ピング装置によれば、機械的な構造体を設ける必要がな
いので、装置を著しく小型化・軽量化することが可能に
なる。さらに、メインロータハブ10や関節機構11を
設計する際に寸法や形状の制約となる事態をも確実に防
止できる。さらにまた、ヘリコプタの重量増加およびイ
ナーシャの増加によって、ヘリコプタの燃費を悪化させ
る事態をも確実に防止できる。
【0051】また、上記ヘリコプタのリードラグダンピ
ング装置によれば、アナログ回路あるいはデジタル回路
によって容易に構成可能なため、小型化・低価格化を図
ることができる。しかも、機械的なダンパーが不要であ
り、ダンピング特性の経時変化や老朽化の恐れがなく、
耐久性・信頼性をも向上させたリードラグダンピング装
置の具現化が可能になる。
【0052】さらに、LLS3はリードラグ運動に伴う
逆位相振動成分の位相およびゲインを任意に調整するこ
とができるので、機械的な調整を一切行うことなく、容
易にダンピング特性を調整、適正化することができる。
特に、CPU(中央演算装置)を用いてソフトウエア的
に処理すれば、調整がさらに容易となり、メンテナンス
性を著しく向上させることができる。
【0053】また、本実施の形態2におけるヘリコプタ
のリードラグダンピング装置によれば、振動成分検出部
1は、メインロータ7の角速度を計測する角速度検出部
1aと、その出力を微分してメインロータ7の角加速度
を導出する角加速度推定部1bと、から構成してある。
従って、メインロータ7のトルクを計測するトルク計が
不要となり、微小な変位や荷重を扱うトルク計よりも、
比較的安価で取り扱い易い加速度計を使用できる。しか
も、角加速度推定部1bは、CPU(中央演算装置)を
用いて容易に実現できる。以上によって、本実施の形態
2におけるヘリコプタのリードラグダンピング装置は、
さらなる低価格化を図ることができる。
【0054】実施の形態3.つぎに、この発明の実施の
形態2について説明する。上述した実施の形態1では、
リードラグフィルタ部2およびLLS3の特性は、予め
唯1つに固定されていたが、本実施の形態3では、該特
性を可変としている。
【0055】図8は、本実施の形態3に係るヘリコプタ
のリードラグダンピング装置のブロック線図である。上
述した実施の形態1を例示した図1に対して、設定回転
数変更手段14が追加されており、しかもその出力がリ
ードラグフィルタ部2およびLLS3に入力される構成
になっている。
【0056】設定回転数変更手段14は、メインロータ
7の設定回転数が変更される場合に、リードラグフィル
タ部2およびLLS3の特性を変更する指令信号を送る
ものである。例えば、図示するように、FADEC4か
らメインロータ7の設定回転数を設定回転数変更手段1
4に入力されるように構成することができる。
【0057】図9は、本実施の形態3におけるリードラ
グフィルタ部2、LLS3および設定回転数変更手段1
4のブロック線図である。リードラグフィルタ部2の内
部には、さらに複数(図中、3つの場合を例示)のリー
ドラグフィルタ器2a1,2a2,2a3が設けてあ
り、各リードラグフィルタ器は、それぞれ回転周波数f
1,f2,f3で適切となる特性を有している。すなわ
ち、リードラグフィルタ器2a1,2a2,2a3にお
けるバンドバスフィルタの中心周波数が、それぞれ回転
周波数f1,f2,f3に合致するように特性(パラメ
ータ)が決定してある。また、リードラグフィルタ部2
には、リードラグフィルタ器2a1,2a2,2a3か
ら1つを選択する切替器2aが設けてある。
【0058】同様に、LLS3の位相調整部3bの内部
にも、さらに複数(図中、3つの場合を例示)の位相調
整器3b1,3b2,3b3が設けてあり、各位相調整
器は、それぞれ回転周波数f1,f2,f3で適切とな
る特性を有している。すなわち、位相調整器3b1,3
b2,3b3における微分特性が最大、つまり位相進み
量が最大になる周波数を、それぞれ回転周波数f1,f
2,f3に合致するように特性(パラメータ)が決定し
てある。また、LLS3の位相調整部3bには、位相調
整器3b1,3b2,3b3から1つを選択する切替器
3baが設けてある。
【0059】以上のように構成したヘリコプタのリード
ラグダンピング装置によれば、リードラグフィルタ部2
およびLLS3は、予めメインロータ7の回転数に対応
させて設定したパラメータを有しており、メインロータ
7の回転数が変更されると、変更されたメインロータ7
の回転数に対応するパラメータを用いて前記主回転翼の
振動成分の抽出または前記逆位相の振動成分の生成を行
うことができる。
【0060】なお、本実施の形態3では、回転数周波数
を3つに分ける例を示したが、これに限定されるもので
はない。例えば、設定回転数をより細かく分ければ、メ
インロータ7の回転数が連続的に変化する場合に有効で
ある。さらに、切替器2aおよび3baはスイッチのよ
うな切替器を例示したが、これに限定されないのは言う
までもない。
【0061】また、本実施の形態3におけるリードラグ
フィルタ部2、LLS3および設定回転数変更手段14
の構成は、上述したリードラグフィルタ部2、LLS3
および加算部9と同様にCPU(中央演算装置)によっ
て容易に実現可能である。しかも、上述したFADEC
4にて使用するCPU(中央演算装置)を兼用すること
も可能である。
【0062】本実施の形態3における他の構成について
は、上述した実施の形態1と同様である。すなわち、本
実施の形態2のヘリコプタのリードラグダンピング装置
は、メインロータ7のリードラグ運動に伴う振動成分を
検出する振動成分検出手段である振動成分検出部1と、
振動成分検出部1で検出した振動成分からノイズを除去
してメインロータ7の振動成分を抽出する抽出手段であ
るリードラグフィルタ部2と、リードラグフィルタ部2
で抽出した振動成分を入力し、該振動成分の逆位相の振
動成分を生成する逆位相生成手段であるLLS3と、上
述したFADEC4のトルク制御信号にLLS3の該逆
位相の振動成分を加算して新たなトルク制御信号として
エンジン5に出力する加算部9と、を備えたものであ
り、加算部9の出力によってエンジン5のトルク制御を
行うように構成してある。
【0063】ここで、上記のように構成したヘリコプタ
のリードラグダンピング装置においても、メインロータ
7のリードラグ運動に伴う振動成分を検出する振動成分
検出手段である振動成分検出部1と、振動成分検出部1
で検出した振動成分からノイズを除去してメインロータ
7の振動成分を抽出する抽出手段であるリードラグフィ
ルタ部2と、リードラグフィルタ部2で抽出した振動成
分を入力し、該振動成分の逆位相の振動成分を生成する
逆位相生成手段であるLLS3と、上述したFADEC
4のトルク制御信号にLLS3の該逆位相の振動成分を
加算して新たなトルク制御信号としてエンジン5に出力
する加算部9と、を備えたものであり、加算部9の出力
によってエンジン5のトルク制御を行うように構成して
いるので、従来のトルク制御信号によるエンジンのトル
ク制御に加えて、リードラグ運動に伴う逆位相振動成分
によるエンジンのトルク制御を行うことができる。
【0064】以上、本実施の形態3におけるヘリコプタ
のリードラグダンピング装置によれば、従来のトルク制
御信号によるエンジンのトルク制御に加えて、リードラ
グ運動に伴う逆位相振動成分によるエンジンのトルク制
御を行うことができるので、リードラグ運動に伴う振動
成分を相殺するトルクをメインロータ7に作用させて、
該振動を低減することが可能になる。このため、既存の
エンジンのトルク制御装置を兼用しながら、リードラグ
運動に伴う振動を低減できるので、従来のような機械的
な振動低減装置を設ける必要がない。
【0065】従って、上記ヘリコプタのリードラグダン
ピング装置によれば、機械的な構造体を設ける必要がな
いので、装置を著しく小型化・軽量化することが可能に
なる。さらに、メインロータハブ10や関節機構11を
設計する際に寸法や形状の制約となる事態をも確実に防
止できる。さらにまた、ヘリコプタの重量増加およびイ
ナーシャの増加によって、ヘリコプタの燃費を悪化させ
る事態をも確実に防止できる。
【0066】また、上記ヘリコプタのリードラグダンピ
ング装置によれば、アナログ回路あるいはデジタル回路
によって容易に構成可能なため、小型化・低価格化を図
ることができる。しかも、機械的なダンパーが不要であ
り、ダンピング特性の経時変化や老朽化の恐れがなく、
耐久性・信頼性をも向上させたリードラグダンピング装
置の具現化が可能になる。
【0067】さらに、LLS3はリードラグ運動に伴う
逆位相振動成分の位相およびゲインを任意に調整するこ
とができるので、機械的な調整を一切行うことなく、容
易にダンピング特性を調整、適正化することができる。
特に、CPU(中央演算装置)を用いてソフトウエア的
に処理すれば、調整がさらに容易となり、メンテナンス
性を著しく向上させることができる。
【0068】また、本実施の形態3におけるヘリコプタ
のリードラグダンピング装置によれば、飛行条件などに
応じてメインロータ7の回転数を変更する場合であって
も、変更されたメインロータ7の回転数に対応するパラ
メータを用いて、メインロータ7のリードラグ運動に伴
う振動成分の抽出および前記振動成分の逆位相の振動成
分の生成を行うことができるので、該振動を確実に低減
可能である。
【0069】なお、図6の角速度検出部1aの特性を設
定回転数変更手段14の指令信号によって変更できるよ
うにしても良い。この場合には、上述した実施の形態2
の場合であっても、本実施の形態3の効果が得られるこ
とになる。
【0070】また、例示した図9では、設定回転数変更
手段14はリードラグフィルタ部2およびLLS3の位
相調整部3bの両方に入力されているが、リードラグフ
ィルタ部2の切り替え器2aにのみ入力するようにする
こともできる。この場合、LLS3の位相調整部3b
は、例えば予め設定回転数f1からf3に至る広範囲の
周波数において位相進み特性となるように設定すること
が好ましい。この場合、位相補償の効果が損なわれない
ので、上述したメインロータ7のリードラグ運動に伴う
振動の低減効果を維持することができる。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、既存のエンジンのトルク制御装置を兼用しながら、
リードラグ運動に伴う振動を低減できるので、従来のよ
うな機械的な振動低減装置を設ける必要がない。従っ
て、機械的な構造体を設ける必要がないので、装置の小
型化・軽量化が可能であり、振動低減装置との物理的な
干渉による設計の制約となる事態も防止でき、しかも重
量増加およびイナーシャの増加によって、ヘリコプタの
燃費を悪化させる事態をも確実に防止できる。さらに、
機械的なダンパーを用いないため、ダンピング特性の経
時変化や老朽化の恐れがない耐久性・信頼性に優れたリ
ードラグダンピング装置の具現化が可能になる。
【0072】つぎの発明によれば、主回転翼のリードラ
グ運動に伴う振動成分に対して、位相反転部によって前
記振動成分の逆位相の振動成分を得ることができるとと
もに、位相調整部およびゲイン調整部によって前記逆位
相の振動成分の位相調整およびゲイン調整を行うことが
できる。従って、機械的な調整を一切行うことなく、ダ
ンピング特性を調整、適正化できるのでメンテナンス性
を著しく向上させることができる。
【0073】つぎの発明によれば、主回転翼の角速度を
角速度検出部によって検出した後に、角加速度推定部に
よって微分することによって、主回転翼の角加速度を得
ることができるので、主回転翼に作用するトルクを推定
可能である。したがって、より安価で取り扱い易い加速
度計を使用できるので、さらなる低価格化を実現するこ
とができる。
【0074】この発明によれば、主回転翼の回転数が変
更される場合であっても、変更された主回転翼の回転数
に対応するパラメータを用いて前記主回転翼の振動成分
の抽出または前記逆位相の振動成分の生成を行うことが
できる。従って、メインロータ7の回転数を変更する場
合であっても、リードラグ運動に伴う振動成分の抽出お
よび前記振動成分の逆位相の振動成分を生成できるの
で、該振動を確実に低減可能である。
【0075】この発明によれば、主回転翼のリードラグ
運動に伴う振動成分を検出して、検出した振動成分の逆
位相の振動成分を、前記主回転翼を駆動するエンジンの
トルク制御信号に加算して前記エンジンのトルク制御を
行うことによって、従来のトルク制御信号によるエンジ
ンのトルク制御に加えて、リードラグ運動に伴う逆位相
振動成分によるエンジンのトルク制御を行うことができ
る。従って、既存のエンジンのトルク制御装置を兼用し
ながら、リードラグ運動に伴う振動を低減できるので、
従来のような機械的な振動低減装置を設ける必要がな
い。従って、機械的な構造体を設ける必要がないので、
装置の小型化・軽量化が可能であり、振動低減装置との
物理的な干渉による設計の制約となる事態も防止でき、
しかも重量増加およびイナーシャの増加によって、ヘリ
コプタの燃費を悪化させる事態をも確実に防止できる。
さらに、機械的なダンパーを用いないため、ダンピング
特性の経時変化や老朽化の恐れがない耐久性・信頼性に
優れたリードラグダンピング装置の具現化が可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1のヘリコプタのリード
ラグダンピング装置の構成を示すブロック線図である。
【図2】図1のリードラグフィルタ部2によるリードラ
グ運動に伴う振動成分を抽出する態様を示すもので、
(a)は抽出前の時間応答図、(b)は抽出後の時間応
答図である。
【図3】図1のLLSのブロック線図である。
【図4】図1の位相調整部の周波数応答図である。
【図5】図1のLLSにおける信号の時間応答を示すも
のであり、(a)はLLSに入力されるリードラグ運動
に伴う振動成分の信号の時間応答図、(b)は位相反転
部の出力の時間応答図、(c)はLLSの出力の時間応
答図である。
【図6】この発明の実施の形態2における振動成分検出
部1のブロック線図である。
【図7】図6の角速度検出部および角加速度推定部の時
間応答を示すものであり、(a)は角速度検出部の出力
の時間応答図、(b)は角加速度推定部の時間応答図で
ある。
【図8】この発明の実施の形態3に係るヘリコプタのリ
ードラグダンピング装置のブロック線図である。
【図9】図8のリードラグフィルタ部とLLSと設定回
転数変更手段とのブロック線図である。
【図10】従来のヘリコプタの振動低減装置の構成を示
すものであり、(a)は側面図、(b)は(a)におけ
る拡大矢視A図である。
【符号の説明】
1 振動成分検出部 1a 角速度検出部 1b 角加速度推定部 2 リードラグフィルタ部 2a 切替器 2a1,2a2,2a3 リードラグフィルタ器 3 LLS、3a 位相反転部 3ba 切替器 3b 位相調整部 3b1,3b2,3b3 位相調整器 3c ゲイン調整部 4 FADEC 5 エンジン 6 MGB 7 メインロータ 8 機体 9 加算部 10 メインロータハブ 11 関節機構 12 振動低減装置 13 羽根 14 設定回転数変更手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の羽根を有する主回転翼と、前記主
    回転翼を駆動するためのエンジンと、前記エンジンの駆
    動力を前記主回転翼に伝達する伝達手段と、トルク制御
    信号を出力して前記エンジンのトルク制御を行う制御手
    段と、を有するヘリコプタにおけるリードラグ運動に伴
    うヘリコプタの振動を低減するリードラグダンピング装
    置において、 前記主回転翼のリードラグ運動に伴う振動成分を検出す
    る振動成分検出手段と、 前記振動成分検出手段で検出した振動成分からノイズを
    除去して前記主回転翼の振動成分を抽出する抽出手段
    と、 前記抽出手段で抽出した振動成分を入力し、該振動成分
    の逆位相の振動成分を生成する逆位相生成手段と、 前記制御手段から出力されたトルク制御信号に前記逆位
    相生成手段で生成した前記逆位相の振動成分を加算した
    新たなトルク制御信号を前記エンジンに出力する振動成
    分加算手段と、 を備えたことを特徴とするヘリコプタのリードラグダン
    ピング装置。
  2. 【請求項2】 前記逆位相生成手段は、出力の位相を反
    転する位相反転部と、出力の位相を調整する位相調整部
    と、出力のゲインを調整するゲイン調整部と、を備えた
    ことを特徴とする請求項1に記載のヘリコプタのリード
    ラグダンピング装置。
  3. 【請求項3】 前記振動成分検出手段は、前記主回転翼
    の角速度を検出する角速度検出部と、前記角速度検出部
    の出力を微分して角加速度を導出する角加速度推定部
    と、を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載
    のヘリコプタのリードラグダンピング装置。
  4. 【請求項4】 さらに、前記主回転翼の回転数が変更可
    能であり、 前記抽出手段および前記逆位相生成手段は、予め前記主
    回転翼の回転数に対応させて設定したパラメータを有し
    ており、前記主回転翼の回転数が変更されると、変更さ
    れた主回転翼の回転数に対応するパラメータを用いて前
    記主回転翼の振動成分の抽出または前記逆位相の振動成
    分の生成を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    か一つに記載のヘリコプタのリードラグダンピング装
    置。
  5. 【請求項5】 主回転翼のリードラグ運動に伴う振動を
    低減するヘリコプタのリードラグダンピング方法におい
    て、 前記主回転翼のリードラグ運動に伴う振動成分を検出し
    て、検出した振動成分の逆位相の振動成分を、前記主回
    転翼を駆動するエンジンのトルク制御信号に加算して前
    記エンジンのトルク制御を行うことを特徴とするヘリコ
    プタのリードラグダンピング方法。
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