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JP2003129363A - 伸縮性極細繊維不織布 - Google Patents

伸縮性極細繊維不織布

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Publication number
JP2003129363A
JP2003129363A JP2001328619A JP2001328619A JP2003129363A JP 2003129363 A JP2003129363 A JP 2003129363A JP 2001328619 A JP2001328619 A JP 2001328619A JP 2001328619 A JP2001328619 A JP 2001328619A JP 2003129363 A JP2003129363 A JP 2003129363A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nonwoven fabric
fibrous nonwoven
resin
fibers
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001328619A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoaki Kimura
友昭 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP2001328619A priority Critical patent/JP2003129363A/ja
Publication of JP2003129363A publication Critical patent/JP2003129363A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な伸縮性、柔軟性を有し、かつ伸長時の
埃バリア性に優れ、さらには平滑な表面を有する繊維不
織布を提供すること。 【解決手段】 熱可塑性エラストマー樹脂を主成分とす
る繊維不織布であって、該繊維不織布を構成する繊維の
平均繊維径が10μm以下であり、繊維本数の15〜8
0%が2本以上の束状に融着した繊維からなることを特
徴とする繊維不織布。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維不織布に関す
るものであり、より詳細には、柔軟で良好な肌触りを有
し、伸縮性に優れ、そしてウェブ伸長による埃バリア性
低下が少なく、さらには平滑な表面形状を有する繊維不
織布に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から各種の熱可塑性エラストマー繊
維からなる不織布についての提案は種々なされている。
このうち、特にポリウレタン長繊維不織布は、その優れ
た伸縮性、柔軟性などにより、衛材、産業資材、医療用
資材などの様々な分野において広く利用されている。例
えば、特開昭59−223347号公報では熱可塑性ポ
リウレタンを溶融紡糸後、高温気体流を噴射し、細化し
て得られたフィラメントを実質的に集束させないでシー
ト状に積層し、積層されたフィラメントの接触点を該フ
ィラメント自体により接合させたポリウレタン弾性繊維
不織布が提案されている。また、熱可塑性ポリウレタン
をメルトブロー紡糸法で紡糸してポリウレタン弾性繊維
不織布を得ることも特開昭61−22855号公報、特
開昭61−55248号公報、特公平1−30945号
公報等に提案されている。さらに、特公平7−8123
0号公報において、熱可塑性スチレン系およびオレフィ
ン系エラストマーからなる極細繊維不織布が開示されて
おり、特開平2−14059号公報において熱可塑性エ
ステル系エラストマーおよびポリアミド系エラストマ−
からなる極細繊維不織布がそれぞれ開示されている。
【0003】ところで近年、情報技術(IT)産業の躍
進に伴い、クリーンルームを使用する産業が増加してお
り、その製造加工技術の微細化、高密度化の進行は著し
い。そのため、クリーンルーム内の製造環境も一層条件
が厳しくなり、温度、湿度はむろんのこと、作業環境に
残有する塵の問題に対しても、要求が厳しくなってきて
いる。作業空間そのものについては適切なフィルターを
用いて空気の循環を配慮することによりその目的をほぼ
達成できているが、中で作業する人から発生する塵が問
題視されている。
【0004】このような問題に対し、特開昭61−26
6653号公報において、ポリウレタン不織布を使用し
た無塵衣が開示されている。しかしながら、この無塵衣
を構成する不織布はフィラメント状の融着していない繊
維の集合体からなっているため、応力により変形した場
合に繊維が動きやすく、繊維間の空隙が容易に広がって
しまい埃バリア性が一気に低下してしまうという問題点
があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の問題
を解決するものであり、良好な伸縮性、柔軟性を有し、
かつ伸長時の埃バリア性に優れ、さらには平滑な表面を
有する繊維不織布を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、熱可
塑性エラストマー樹脂を主成分とする繊維不織布であっ
て、該繊維不織布を構成する繊維の平均繊維径が10μ
m以下であり、繊維本数の15〜80%が2本以上の束
状に融着した繊維からなることを特徴とする繊維不織布
である。
【0007】
【発明の実施の形態】まず、本発明の繊維不織布を構成
する樹脂について説明する。本発明の繊維不織布に用い
る熱可塑性エラストマー樹脂は、本発明の目的を達成し
うる限りいかなるものでもよく、ポリウレタン、ポリエ
ステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポ
リスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラスト
マー等が挙げられるが、ポリウレタンを用いることが好
ましい。
【0008】このうち本発明に好適に用いられるポリウ
レタン樹脂としては、ポリエステル系、ポリエーテル
系、ポリカーボネート系のものが好ましい。
【0009】本発明の繊維不織布にポリウレタンを用い
る場合、該ポリウレタンを構成するポリオール成分は、
ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポ
リカーボネートポリオール、またはこれらの共縮合物等
特に限定されないが、その汎用性、コスト、性能の観点
から、ポリエステルポリオールまたはポリエーテルポリ
オールを用いることが好ましい。上記ポリエステルポリ
オールとしてはエチレングルコール、プロピレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオ
ール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メ
チルプロパンジオールなどの炭素数2〜10のアルカン
のポリオールまたはこれらの混合物とグルタル酸、アジ
ピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフ
タル酸、イソフタル酸等の炭素数4〜12の脂肪族もし
くは芳香族ジカルボン酸またはこれらの混合物とから得
られる飽和ポリエステルポリオール、あるいはポリカプ
ロラクトングリコール、ポリバレロラクトングリコール
等のポリラクトンジオールが好ましく使用される。これ
らは、単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用し
てもよい。
【0010】一方、ポリエーテルポリオールとしては、
環状エーテルのプロピレンオキシドやテトラヒドロフラ
ンを開環重合して得られる、ポリプロピレンポリオール
(PPG)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール
(PTMG)等を好ましく用いることができる。
【0011】また、本発明においては所望により適当な
鎖伸長剤を使用してもよく、該鎖伸長剤としては、ポリ
ウレタンにおける常用の連鎖成長剤、すなわち、イソシ
アネートと反応しうる水素原子を少なくとも2個有する
分子量400以下の低分子化合物、例えばエチレングリ
コール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−
ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロ
ヘキサンジオール、キシリレングリコール、1,4−ビ
ス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ネオペンチル
グリコール、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ
ジフェニルメタン、イソホロンジアミン、4,4’−ジ
アミノジフェニルメタン、ヒドラジン、ジヒドラジドト
リメチロールプロパン、グリセリン、2−メチルプロパ
ンジオール等が挙げられる。これらの中でも1,4−ブ
タンジオール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキ
シ)ベンゼン、3−メチル−1,5−ペンタンジオール
あるいはこれらの混合物が最も有効に使用できる。また
場合によっては、ポリエチレングリコール、ポリテトラ
メチレンジオール、ポリカプロラクトンジオール等のポ
リマージオールを成形性をそこなわない範囲で使用でき
る。
【0012】また、熱可塑性ポリウレタン樹脂を製造す
るために使用される適当な有機ジイソシアネートとして
はイソシアネート基を分子中に2個以上含有する公知の
脂肪族、脂環族、芳香族有機ジイソシアネート、特に、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレ
ンジイソシアネート、2,2’−ジメチル−4,4’−
ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジ
イソシアネート、トルイレンジイソシアネート、1,5
−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート、1,3−または1,4−ビス(イソ
シアネートメチル)シクロヘキサン、4,4’−ジシク
ロヘキシルメタンジイソシアネートなどの芳香族、脂肪
族または脂環族ジイソシアネートが挙げられる。これら
の有機ジイソシアネートは単独で用いてもよいし、2種
以上を混合して用いてもよい。これら有機ジイソシアネ
ートの中で最も好ましいのは4,4’−ジフェニルメタ
ンジイソシアネートである。
【0013】特に本発明においてポリウレタン樹脂を用
いる場合は、その固有粘度は0.40dl/g以上が好
ましく、より好ましくは、0.50〜1.50dl/g
である。固有粘度が0.40未満の場合は、樹脂の分子
量が低すぎて、繊維状になりにくく安定に繊維化するこ
とが困難であるばかりか、仮に繊維状になったとしても
強度が低く、簡単に破断してしまう場合がある。一方、
固有粘度が1.50を超える場合は樹脂の溶融粘度が高
いため、10μm以下の繊維径を有する繊維不織布を製
造することが難しくなる場合がある。
【0014】また、本発明の繊維不織布に用いることの
できるポリスチレン系エラストマー樹脂は、スチレンを
他のコモノマーと共重合したエラストマーを広く包含す
る。コモノマーとしては、ブタジエン、イソプレン、ク
ロロプレン等のジエン化合物、エチレン、プロピレン、
ブテン、ヘキセン等のオレフィン、(メタ)アクリル酸
または(メタ)アクリル酸エステルなどのスチレンと共
重合しうるモノマーを用いることができる。これらの中
ではハードセグメントとソフトセグメントのブロックか
ら構成されるブロック共重合体型のものが好ましい。特
に、スチレン−オレフィンブロック共重合体が、本発明
の目的とする束状繊維の形成をコントロールしやすいた
め好ましい。スチレン−オレフィンブロック共重合体と
は、1分子の両末端にポリスチレンブロック相をもち、
中間相にオレフィン系エラストマー相を導入したもので
ある。すなわち、中間相がポリブタジエン系であるスチ
レン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、中間
相がポリイソプレン系であるスチレン−イソプレン−ス
チレン共重合体(SIS)、中間相が水素添加型のポリ
オレフィンであるスチレン−エチレン・ブチレン−スチ
レン共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン・プロ
ピレン−スチレン共重合体(SEPS)等が挙げられ
る。また、上記の如きスチレン−ポリオレフィン−スチ
レンのトリブロック構造の共重合体の他に、スチレン−
エチレン・プロピレンのジブロック構造の共重合体(S
EP)や水添ブタジエンラバー(HSBR)なども本発
明の範囲に含まれる。
【0015】次に、ポリエステル系エラストマーとして
は、ハードセグメントにポリエチレンテレフタレート、
ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタ
レート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリシク
ロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−
2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリテトラメ
チレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリ
ヘキサメチレン2,6−ナフタレンジカルボキシレート
等を用い、そしてソフトセグメントとして、炭素/酸素
の比率が1.8/1〜4.5/1の脂肪族ポリエーテル
類(例えばポリエチレングリコール、ポリテトラメチレ
ングリコール)、あるいは、例えばアジピン酸、セバチ
ン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸の如き炭素数
4〜12の脂肪族ジカルボン酸と例えばエチレングリコ
ール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリ
コール、オクタメチレングリコール、デカメチレングリ
コールの如き炭素数2〜12の脂肪族グリコールとのポ
リエステル類(例えばε−オキシカプロン酸の如き炭素
数4〜12の脂肪族オキシカプロン酸の自己縮合したポ
リエステル類)などを挙げることができる。
【0016】また、ポリオレフィン系エラストマーとし
ては、ポリプロピレンにエチレン系エラストマー(EP
DMまたはEPM)をブレンドしたものや、そのゴム弾
性を向上させるために部分架橋を行ったもの、そしてエ
チレン−α−オレフィン共重合体などがある。中でも本
発明においては、エチレン−α−オレフィン共重合体の
タイプが好ましく用いられる。このうちエチレンと共重
合されるα−オレフィンとしては、一般に炭素数3〜1
0のα−オレフィン、具体的には、プロピレン、1−ブ
テン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−
ペンテン、1−オクテン、1−デセンあるいはこれらの
混合物が好ましく用いられる。このうち最も好ましいの
は1−ブテンである。
【0017】また、ポリアミド系エラストマーについて
も、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン612、ナイ
ロン11、ナイロン12等のポリアミドからなるハード
セグメントを有し、ポリエステル系エラストマーの場合
と同様に、脂肪族ポリエーテル類やポリエステル類から
なるソフトセグメントを有するものが好ましく用いられ
る。
【0018】次に本発明の繊維不織布について説明す
る。本発明の繊維不織布は、良好な埃バリア性を確保す
るためにその構成繊維は平均繊維径10μm以下である
ことが肝要である。平均繊維径が10μmを超えると風
合いが硬くなったり、地合が粗くなり、本発明の目的と
する埃バリア性を確保できないケースが生ずるばかり
か、不織布の伸縮追従性および機械的強度が確保できな
くなる。一方、平均繊維径が1μm未満の場合は、不織
布の強度が確保できなくなり、このような不織布は形態
安定性が悪くなったり、シートの取扱が難しく操業性が
低下するという問題が発生する場合もある。これらのこ
とから、平均繊維径は1〜10μmが好ましい。
【0019】また本発明の繊維不織布は、不織布強度と
伸長時の埃バリア性確保を両立させるために、構成する
繊維本数の15〜80%が束状に融着している点に特徴
を有する。すなわち、構成繊維本数の15〜80%が2
本以上の束状繊維を形成し、不織布内で補強材として働
くことにより不織布の強度を維持するのである。かかる
束状繊維の存在により、地合、風合を維持した上で、さ
らに不織布強度を付与するのである。さらに、例えば防
塵衣として使用した場合、この束状繊維が極細繊維の空
隙を部分的に広げて一部の空隙が集中的に広がることの
ないように作用し、ウェブが伸長した状態でも埃バリア
性が保持されるのである。束状繊維の割合が15%未満
の場合には、不織布強度が確保できず非常に加工しにく
く、耐久性のない不織布になる。一方、束状繊維の割合
が80%を超えると、強度は確保できるものの、太い繊
維からなる不織布と同様に風合いが硬くなったり、地合
が粗くなるため、良好な埃バリア性や、機械的強度が確
保できなくなるという問題が発生する。より良好な埃バ
リア性、不織布強度を確保するためには、束状繊維の割
合は、20〜60%が好ましい。このような束状繊維の
存在により、本発明の繊維不織布は、優れた機械的特性
および伸縮性と同時に伸長時の埃バリア性を同時に達成
することが可能になるのである。
【0020】本発明の繊維不織布は、熱可塑性エラスト
マー樹脂を主成分とするものであるが、該繊維不織布を
構成する樹脂の80%以上が熱可塑性エラストマーであ
ることが好ましく、より好ましくは90%以上である。
エラストマー樹脂の含有率が80%未満であると束状繊
維の割合を高く保つことが容易になるものの、一方で伸
縮性が低下してしまい、伸張回復率の低下および伸長時
におけるピンホール発生の原因となってしまう場合があ
る。
【0021】特に本発明において、より容易に本発明の
束状繊維を確保するためには、原料となる熱可塑性エラ
ストマー樹脂に重量平均分子量5,000以下のポリエ
チレン樹脂とポリオレフィン樹脂をブレンドすることで
目的とする繊維不織布をより容易に製造できる。より良
好な埃バリア性および平滑性を発現させるには、熱可塑
性エラストマー樹脂を80〜99%、重量平均分子量が
5,000以下のポリエチレン樹脂を1〜0.001%
およびポリオレフィン樹脂を20%未満の比率でブレン
ドした樹脂を用いることが好ましく、より好ましくは、
熱可塑性エラストマー樹脂を85〜95%、重量平均分
子量が5,000以下のポリエチレン樹脂を1〜0.0
01%およびポリオレフィン樹脂を15%未満の比率で
ブレンドした樹脂を用いることが好ましい。なお本発明
に適用されるポリオレフィン樹脂としては、特に限定は
なく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、
ポリペンテン等およびこれらの改質ポリマーあるいは混
合物であってもよいが、中でもポリプロピレンを用いる
ことが好ましい。
【0022】これらの樹脂のブレンドは、二軸押出機等
で押出しながら、各成分を添加してもよいし、また、マ
スターバッチを用いてチップブレンドの後、押し出して
もよい。これらをブレンドする際、例えば、ポリオレフ
ィンとしてポリプロピレンを添加する場合等は、ポリプ
ロピレン樹脂に分子量5,000以下のポリエチレン樹
脂を練り込んだマスターバッチを原料とするエラストマ
ー樹脂に0.1〜20%ブレンドすることで、より容易
に本発明の繊維不織布を得ることができる。なお、本発
明の繊維不織布の良好な肌触り、柔軟性、伸縮性等に影
響を与えない程度に光安定剤、顔料、その他の添加物を
添加することは可能である。
【0023】さらに、熱可塑性エラストマー樹脂として
スチレン系エラストマーを用いる場合は、ポリオレフィ
ンを添加することにより束状繊維の割合のコントロール
が容易になるとともに不織布の膠着性も改善することが
できる。
【0024】本発明の繊維不織布を製造する方法は、ス
パンボンド法やメルトブロー法、フラッシュ紡糸法など
の直接法や短繊維からカードウェブを得、これを水流絡
合、エンボスあるいはニードルパンチなどの繊維固定方
法により複合する方法があり、これら不織布化の方法に
ついては特に限定されないが、中でも特にメルトブロー
法が好ましく、この方法は、樹脂のもつ曳糸性をあまり
強く要求しないで、極めて細い繊維径を有する繊維不織
布が容易に製造可能である。
【0025】これらメルトブロー法で得られる極細繊維
からなる不織布は、フィルター用途をはじめ多くの用途
が開発されてきており、メルトブロー法による重合体の
紡糸方法については、インダストリアル・アンド・エン
ジニアリング・ケミストリー(Industrial and Enginee
ring Chemistry)48巻、第8号(p1342〜1346)、1
956年に基本的な装置および方法が開示されている。
本発明においても、基本的に同様の手法で不織布製造が
可能である。
【0026】とりわけ、本発明の繊維不織布をメルトブ
ロー法にて製造する場合、良好なシート形態を保ちかつ
良好な触感と柔軟性、通気性および伸縮性を有するよう
にするために必要な2本以上の束状繊維を繊維本数の1
5〜80%確保するためには、いくつかのブローン条件
をバランスさせることが肝要である。すなわち、熱可塑
性エラストマー樹脂を220℃以上の温度で溶融押出
し、樹脂溶融温度+0℃〜20℃かつ、圧力1〜30k
Paの噴射気流で加速することで細化紡糸し、次いでこ
れをシート状に捕集する際、ノズル近傍温度を5℃〜4
0℃の範囲でコントロールし、溶融温度、熱風温度、圧
力とのバランス点を見いだすことで、束状繊維の割合を
調整するのである。この場合の各温度や圧力は紡糸条件
や樹脂の特性に依存するため、それぞれ個別に設定する
必要がある。ここで、ノズル近傍温度とは、ダイ幅方向
中央において、ノズル先端吐出部から垂直方向に5cm
下、かつMD方向下流側へ水平に10cm離れたところ
の温度をいう。ノズル近傍温度をコントロールすること
で、束状繊維の割合をコントロール可能になるのであ
る。ノズル部近傍の温度を低く保ち、ノズルからの樹脂
や熱風の温度や吐出量を低く抑えることで、繊維同士の
融着は抑えられ、束状繊維の少ない不織布が得られ、逆
にこれらを高くすることで繊維同士の融着が多くなる。
そして、これらの温度バランスを調整することで、不織
布内の束状繊維の比率を任意に調整するのである。な
お、このノズル近傍温度の調節は、好ましくはノズル周
辺の部屋の温度を調節することで行うが、この場合、比
較的大がかりな温調設備が必要となる。しかしながら、
この温調設備およびその運転コストを抑える場合には、
ノズル直下に温調空気を吹き込む方法を採ることも可能
であり、必要に応じて選択できるが、この場合吹き込む
空気の量、速度は、ブローン繊維の乱れを生じないよう
できるだけ少量、低速であることが肝要である。
【0027】そして、ウェブの均一性を確保するため
に、紡糸ノズルとコンベアネット間の距離を10〜50
cmに設定するのがよい。そして、紡糸ノズルとコンベ
アネット間の距離は、これが50cm以上大きく離れる
とシート形態を保つことが困難となる場合がある。ま
た、10cmより小さくなると、繊維同士の膠着が激し
く、不織布の良好な触感がそこなわれる場合がある。
【0028】さらに、この時に使用するノズルについ
て、極細繊維を形成するためには、0.1〜0.5mm
φの孔径であることが好ましく、また本発明の束状繊維
を発生させやすくするために孔ピッチを0.5mm〜
1.5mmに設定することが好ましい。孔径が0.1m
mφ未満では、樹脂圧が高くなりすぎて運転性に支障を
きたすことになり、また、0.5mmφを超えると細い
繊維が確保できない場合がある。また、孔ピッチについ
ては、これが0.5mm未満では束状繊維が発生しすぎ
て不織布の地合が低下してしまうため、捕集効率が確保
できない場合がある。また、1.5mmを超えると、束
状繊維の割合が減ってしまい、ウェブ内でのテンション
メンバーとしての働きが期待できなくなってしまう。
【0029】特に、本発明の繊維不織布を製造するに当
たって繊維同士の膠着が激しくなるような場合には、ブ
ロッキング防止剤を使用することで繊維の膠着を防ぎ、
良好な肌触り、十分な柔軟性や伸縮性を確保することが
できる。かかるブロッキング防止剤としては、有機物、
無機物あるいはその混合物等、ブロッキング防止効果を
発揮する物で有れば特に限定は無い。しかしながら、ポ
リウレタン樹脂に練込んで使用する場合には、熱可塑性
であることが好ましく、高級脂肪酸ビスアミドやモンタ
ン酸エステル、あるいはモンタン酸エステルとモンタン
酸金属塩との混合物が好適である。このブロッキング防
止剤は、用いる熱可塑性エラストマー樹脂に対して0.
1〜5.0%使用することで、所望の効果を得ることが
できる。
【0030】本発明の繊維不織布は、通気度1〜200
cc/cm/秒という良好な通気性を有し、平均ポア
サイズが1〜100μmであるような密な構造を有する
不織布とすることがより好ましい。すなわち、通気度が
200cc/cm/秒を超える場合、または平均ポア
サイズが100μmを超えるような不織布は地合が粗く
なるため、品質の安定性、形態安定性に欠けるという問
題点が発生する場合がある。逆に、通気度が1cc/c
/秒未満の場合、または平均ポアサイズが1μm未
満の場合においては、不織布としては均一なものであり
外観上は好ましいものの、十分な繊維強度を確保できな
くなる場合がある。また、不織布の目付としては10〜
100g/m程度がコスト的にも好ましい範囲であ
る。
【0031】本発明の繊維不織布は、伸縮性を求めるよ
うな用途において特に有用であり、かかる用途に用いる
場合は、50%伸長回復率が60%以上であることが好
ましく、より好ましくは75%以上であり、さらに好ま
しくは85%以上である。
【0032】本発明の繊維不織布は優れた埃バリア性を
有することから、例えば防塵衣の裾や袖等の開口部、あ
るいは肘や膝の様な屈曲部に使用することができる。こ
の場合、無塵衣を着用した場合の蒸れやすい部分、例え
ば、頭部耳部、口の周り、腋の下、胸部、脇腹部、背中
部に使用することが好適である。
【0033】本発明の繊維不織布を防塵衣に用いる場
合、たとえ未伸長時の埃バリア性が良好であっても、伸
長時に埃バリア性を発揮できなければ何の役にも立たな
い。袖や裾は、その開口部から塵の類が外へ漏れ出さぬ
よう軽い伸長状態で手首や足首をしめつけていることが
必要であるし、肘や膝の屈曲部が曲がったときに、外部
の伸縮性不織布は引き伸ばされてしまう。その様な部位
に使用する場合は、少なくとも1方向に50%伸長した
時の通気度が未伸長時の通気度の2倍以下であることが
好ましい。
【0034】さらに、防塵衣のような用途は、不織布が
直接人の肌に触れるケースが多いため、1つには肌触り
が良好であることが必要である。本発明の繊維不織布
は、良好な平滑性を示す点にも特徴を有するものであ
り、非常に凹凸の少ない表面を有しているため、肌に触
れてもザラツキ等を感じることなく、非常に心地よく着
用できるのである。
【0035】本発明における平滑性は、表面粗さを示す
値として、「中心線平均粗さ(Ra)」という値を用い
て表現できる。本発明の繊維不織布は、この数値が15
μm以下であることが好ましく、より好ましくは10μ
m以下であり、さらに好ましくは4.5〜10μmであ
る。中心線平均粗さ(Ra)が15μmを超えると、繊
維不織布に平滑性が無いため、肌に触れたときのザラツ
キ感が著しく、着用者に不快感をもたらすことになる。
さらには不織布表面の凹凸が大きいことにより、ウェブ
と人体の接触部空隙から塵が放出される原因にもなりか
ねない。なお、本発明に規定する中心線平均粗さ(R
a)は後述する方法により求めることができる。
【0036】熱可塑性エラストマーからなる繊維不織布
全般にいえることであるが、不織布の摩擦係数が高く肌
とのスベリが悪いと着脱時に違和感を感じるケースが多
い。この点、本発明の繊維不織布は、既に述べた束状繊
維の存在により防塵衣としての強度とウェブ表面平滑性
のバランスを高次元で両立できるため、必要以上にスベ
リ抵抗を大きくしないで済むという点が最大のメリット
として挙げられる。
【0037】本発明の繊維不織布は、その均一な地合、
埃バリア性、平滑性から、衣料用、各種アパレル製品、
インテリア製品、マスク、フィルター、メディカルガウ
ンの伸縮部材等の用途にも用いることができる。なお、
本発明の繊維不織布は、単独で用いてもよいし、公知の
積層技術を用いて他の素材と貼り合わせるなど、複合し
て用いることも可能である。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定される
ものではない。本実施例における各物性値は、以下の方
法により測定した。
【0039】1.熱可塑性ポリウレタン固有粘度 樹脂をN,N’−メチルホルムアミドに溶解し、毛細管
粘度計を用いて温度30℃で測定し、固有粘度[η]を式
1により求めた。
【数1】
【0040】2.平均繊維径 走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、不織布の表面を
1000倍に拡大した写真を撮影し、この写真に2本の
対角線を引き、この対角線と交わった繊維の太さを倍率
換算した値を用いた。そしてそれらの繊維の100本の
平均値を平均繊維径として用いた。ただし、2本以上が
束状に融着している繊維、あるいは、異常な形態の繊維
については、その1本1本の太さを測定できないため、
測定対象から除外した。
【0041】3.目付・厚さ JIS L1906 「一般長繊維不織布試験方法」に
準拠して測定した。
【0042】4.強度・伸度 JIS L1906 「一般長繊維不織布試験方法」に
準拠して測定した。
【0043】5.通気度 JIS L1906 「一般長繊維不織布試験方法」の
フラジール形法に準拠して測定した。
【0044】6.50%伸長時通気度 サンプルを1方向に50%伸長した状態で測定器に取付
け、JIS L1906 「一般長繊維不織布試験方
法」のフラジール形法に準拠して測定した。
【0045】7.平均ポアサイズ Porous Materials,Inc社製Automated Perm Poromete
rを用いてバブルポイント法により測定した。
【0046】8.伸張回復率 JIS L1096 「一般織物試験方法」に準拠して
測定した。ただし、本発明における評価は、一律、伸度
50%での回復率とし、また、50%伸長後、クロスヘ
ッドを伸長時と同じ速さで元の位置に戻し、待ち時間無
しに再度伸長した。
【0047】9.束状繊維の割合 走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、不織布の表面を
1000倍に拡大した写真を撮影し、この写真に2本の
対角線を引き、この対角線と交わった繊維について、繊
維束状態の繊維と単繊維状態の繊維とに分けて数え、単
繊維数100本以上になる枚数の写真を撮影し、そこに
写っている繊維全数について数えて、次式により算出し
た。なお束状繊維は、2本以上の繊維が100μm以上
の長さにわたって2本以上の繊維が融着した形態になっ
ているものとした。1つの束を1本とカウントした。 束状繊維の割合=繊維束状態の繊維本数/(繊維束状態
の繊維本数+単繊維状態の繊維本数)×100(%)
【0048】10.表面粗さ JIS B0601「表面粗さの定義と表示」に準拠
し、(株)ミツトヨ社製「サーフテスト501」にて測
定した。本発明における表面粗さは、不織布の長さ方向
(RaMD)と幅方向の中心線平均粗さの値(R
CD)の平均値とした。 表面粗さ(Ra)=(RaMD+RaCD)/2 この時、カットオフ値=0.8mm、測定長さ=2.4
mmで測定した。なお、本測定は、不織布の両面につい
て測定を行い、繊維不織布製造時の捕集成形面と接する
側を捕集面、ブローノズル側をブローン面とした。
【0049】実施例1 3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸と
からなる平均分子量1500のポリエステルジオールと
分子量500未満の1、4−ブタンジオールおよび4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネートからなる、ポ
リマー中の窒素含有量が3.8%のポリウレタン樹脂を
得た。得られたポリウレタン樹脂の固有粘度は0.70
dl/gであった。このポリウレタン樹脂を260℃に
て溶融混練しながら押出し、該溶融ポリマー流をダイヘ
ッドに導き、ギヤポンプで計量し、直径0.3mmφの
孔を1.0mmピッチで一列に並べたメルトブローンノ
ズルから吐出させ、同時にこの樹脂に260℃の熱風を
噴射して吐出した繊維を成形コンベア上に捕集し、目付
25.9g/mのメルトブローン不織布を得た。この
時の樹脂のノズル1cm当たりの吐出量は6.5g/分
・cmであり、熱風圧力は16kPa、ノズルと捕集コ
ンベア間の距離は15cmであった。結果を表1に示
す。
【0050】実施例2 熱風温度を280℃としたこと以外は、実施例1と同様
にして不織布を得た。(表1)
【0051】実施例3 不織布の目付が約45g/mになるように成形コンベ
アの速度を調節したこと以外は、実施例2と同様にして
不織布を得た。(表1)
【0052】実施例4、5 ノズル近傍温度を5℃、35℃としたこと以外は、実施
例1と同様にしてそれぞれ不織布を得た。ただし、35
℃の場合には、ブローン繊維がちぎれて周囲に飛び散
る、いわゆるフライが発生したため、熱風圧力を14k
Paとした。この温度差により、主に束状繊維の割合に
おいて差が認められた。(表1)
【0053】実施例6、7 ノズルピッチを0.6mm、1.2mmとしたこと以外
は、実施例1と同様にしてそれぞれ不織布を得た。両者
において、主に束状繊維の割合において差が認められ
た。(表1)
【0054】実施例8 MFR100(JIS K 6758に準拠;230
℃、2.16kg荷重)のポリプロピレン樹脂と重量平
均分子量1700のポリエチレンを二軸押出機にて溶融
混練した後、ダイスより押出し、ポリエチレンが10%
混練されたポリプロピレンマスターバッチを得た。実施
例1で用いたポリウレタン樹脂に、得られたマスターバ
ッチを5%ブレンドし、実施例1と同様の方法で不織布
を得た。ポリオレフィンを添加することにより、実施例
1の不織布に比べ、束状繊維の割合が向上した。(表
1)
【0055】実施例9 攪拌機付き耐圧容器中にシクロヘキサン3000質量
部、充分に脱水したスチレン55質量部およびn−ブチ
ルリチウム0.7質量部を加え、60℃で60分間重合
し、次いでイソプレン300質量部を加えて60分間、
次いでスチレン55質量部を加えて60分間重合し、ス
チレン−イソプレン−スチレン型ブロック共重合体を合
成した。得られたポリマーのスチレン含有量は27質量
%であった。このポリマー溶液のポリマー濃度を10%
とするようにシクロヘキサンを加え、減圧脱気後水素置
換し、さらに0.5%/ポリマーのパラジウム触媒を加
え10kg/cmの水素雰囲気下で水添反応を行い、
水素添加率98%の水添ブロック共重合体(SEPS)
を得た。次に、上記SEPSのペレットとMFR200
のポリプロピレン樹脂(JISK 6758に準拠;2
30℃、2.16kg荷重)を20%混合し、混合ペレ
ットとした。このペレットを用いてダイ温度を300
℃、熱風温度を310℃とし、目付を60.0g/m
としたこと以外は、実施例1と同様の方法で不織布を得
た。この不織布は、比較的束状繊維の割合が高いもので
あった。(表1)
【0056】実施例10 硬度38D(ASTM D2240)、結晶融点172
℃、MFR10(190℃ ASTM D1238)の
ポリエステル系エラストマー樹脂(ペルプレンP40H
東洋紡績社製)を用いて、実施例9と同様の方法で不
織布を得た。得られた不織布は、比較的繊維径が太く、
高い通気度を示す不織布となった。(表1)
【0057】実施例11 硬度35D(ASTM D2240)、結晶融点152
℃、MFR7(ASTM D1238準拠;235℃、
1kg荷重)のポリアミド系エラストマー樹脂(ペバッ
クス3533SD01 東レ社製)を用いて、熱風圧力
を20kPaとしたこと以外は実施例9と同様にして不
織布を得た。得られた不織布は、実施例10と同様に比
較的繊維径が太く、高い通気度を示す不織布となった。
(表1)
【0058】上記実施例で得られた不織布は、いずれ
も、本発明の目的に合致するものであり、いずれの項目
においても良好な品質を示していた。
【0059】比較例1 ノズル孔径0.65mmφ、ピッチ2.5mmのノズル
を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により、不
織布を得た。得られた不織布は、束状繊維の割合が低
く、更に繊維径が太くなったため、50%伸長時の通気
度が未伸長時の値の2.0倍を超えてしまった。(表
1)
【0060】比較例2 実施例1で用いたポリウレタン樹脂を220℃にて溶融
混練し、200℃の熱風を噴射して吐出した繊維を成形
コンベア上に捕集したこと以外は、実施例1と同様の方
法で不織布を得た。この条件では、平均繊維径が10μ
mを超えてしまい、さらに50%伸長時の通気度が未伸
長時の値の2.0倍を超えてしまった。さらに、表面の
凹凸が著しく表面粗さRaが15μmを超えてしまっ
た。(表1)
【0061】比較例3 実施例1で用いたポリウレタン樹脂を、熱風温度を24
0℃としたこと以外は実施例1と同様の方法で不織布を
得た。得られた不織布は、繊維の融着が少なく束状繊維
の割合が低いため、50%伸長時の通気度が未伸長時の
値の2倍を超えてしまった。(表1)
【0062】比較例4 実施例1の樹脂を用いて、溶融温度280℃、熱風温度
を310℃としたところ、ブローン繊維がちぎれて周囲
に飛び散る、いわゆるフライが発生したため、熱風圧力
を11kPaに下げた。これ以外は実施例1と同様の方
法で不織布を得た。得られた不織布は、いわゆるショッ
トと呼ばれる粒状樹脂が多数混入したうえ、樹脂劣化が
著しく伸度が50%に満たなくなり、本発明の目的とす
る伸縮性が得られなくなってしまった。(表1)
【0063】比較例5 ノズル近傍温度を52℃としたところ、ここでもフライ
が発生したため、熱風圧力を14kPaに下げたこと以
外は実施例1と同様の方法で不織布を得た。得られた不
織布は、いわゆるショットと呼ばれる粒状樹脂が多数混
入しざらざらな不織布となった。また、50%伸長時の
通気度が未伸長時の値の2倍を超えてしまった。(表
1)
【0064】
【表1】
【0065】
【発明の効果】本発明により、良好な伸縮性、柔軟性を
有し、かつ伸長時の埃バリア性に優れ、さらには平滑な
表面を有する繊維不織布を得ることができる。本発明の
繊維不織布は、防塵衣等の用途に好適に用いることがで
きる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性エラストマー樹脂を主成分とす
    る繊維不織布であって、該繊維不織布を構成する繊維の
    平均繊維径が10μm以下であり、繊維本数の15〜8
    0%が2本以上の束状に融着した繊維からなることを特
    徴とする繊維不織布。
  2. 【請求項2】 熱可塑性エラストマー樹脂が、ポリウレ
    タン、ポリエステル系エラストマー、ポリスチレン系エ
    ラストマー、ポリオレフィン系エラストマーまたはポリ
    アミド系エラストマーから選ばれる少なくとも1種の熱
    可塑性エラストマー樹脂である請求項1に記載の繊維不
    織布。
  3. 【請求項3】 熱可塑性エラストマー樹脂がポリウレタ
    ン樹脂であって、該ポリウレタン樹脂の固有粘度が0.
    40dl/g以上である請求項2に記載の繊維不織布。
  4. 【請求項4】 繊維不織布の通気度が200cc/cm
    /秒以下であり、かつ少なくとも1方向に50%伸長
    した時の通気度が未伸長時の通気度の2倍以下である請
    求項1〜3のいずれか1項に記載の繊維不織布。
  5. 【請求項5】 繊維不織布の平均ポアサイズが100μ
    m以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の繊維
    不織布。
  6. 【請求項6】 繊維不織布の少なくとも一方の面におけ
    る長さ方向と幅方向の中心線平均粗さ(Ra)が15μ
    m以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の繊維
    不織布。
  7. 【請求項7】 50%伸長回復率が60%以上である請
    求項1〜6のいずれか1項に記載の繊維不織布。
  8. 【請求項8】 熱可塑性エラストマー樹脂を80〜99
    %、重量平均分子量が5,000以下のポリエチレン樹
    脂を1〜0.001%およびポリオレフィン樹脂を20
    %未満の比率でブレンドした樹脂からなる請求項1〜7
    のいずれか1項に記載の繊維不織布。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の繊
    維不織布を用いてなる防塵衣。
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