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JP2003105301A - 接着剤組成物 - Google Patents

接着剤組成物

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Publication number
JP2003105301A
JP2003105301A JP2001297449A JP2001297449A JP2003105301A JP 2003105301 A JP2003105301 A JP 2003105301A JP 2001297449 A JP2001297449 A JP 2001297449A JP 2001297449 A JP2001297449 A JP 2001297449A JP 2003105301 A JP2003105301 A JP 2003105301A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
parts
adhesive composition
weight
water
unsaturated monomer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001297449A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Takimoto
進一 瀧本
Tsuyoshi Mise
剛志 三瀬
Haruki Nishiike
春樹 西池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Highpolymer Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Highpolymer Co Ltd filed Critical Showa Highpolymer Co Ltd
Priority to JP2001297449A priority Critical patent/JP2003105301A/ja
Publication of JP2003105301A publication Critical patent/JP2003105301A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高接着強度、優れた耐久性、耐水性および耐
熱水接着性等を有し、可使時間が長く作業性が改善さ
れ、且つ低ホルムアルデヒド放散型である接着剤組成物
を提供すること。 【解決手段】 (A)多糖類を保護コロイドとして用
い、少なくとも1種の1級水酸基含有エチレン性不飽和
単量体を必須成分として含むラジカル重合性不飽和単量
体を乳化重合してなる合成樹脂エマルジョン、および
(B)水溶性レゾール型フェノール樹脂を含有し、前記
(B)成分の固形分が、前記(A)成分の固形分100
重量部に対して5〜120重量部の範囲で含まれる接着
剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は接着剤組成物に関す
るものであり、詳しくは高強度作業性に優れ、かつ低ホ
ルムアルデヒド化された接着剤組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の合板の市場では、合板は広葉樹を
主とする単板を積層接着して作られており、接着剤とし
てはメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムア
ルデヒド樹脂などのアミノ樹脂系接着剤が主として用い
られている。また、一部に低ホルムアルデヒド化または
ノンホルムアルデヒド化を目的として、酢酸ビニル樹脂
系や酢酸ビニル樹脂を変性した樹脂組成物なども接着剤
として用いられている。しかしながら、近年広葉樹資源
が不足し入手難になっており、針葉樹を素材とした合板
の比率が年々増加している。針葉樹は特にヤニ成分が多
いため、これらの接着剤では耐水性、耐熱水接着性、耐
久性、安定性等の点が極めて不十分なものであり、合板
に対し厳しい耐煮沸水性が要求されるJAS特類規格に
は到底合格しないものであった。またJAS特類規格向
けには、従来から一般にフェノール樹脂系接着剤が用い
られているが、フェノール樹脂系接着剤はアミノ樹脂系
接着剤と比較して硬化性が劣り、合板の製造時における
熱プレスの際、高温、長時間を必要とし、これが為に作
業性と生産性の著しい低下を招き、またプレス後の製品
の厚みが減少し、表面劣化の原因となり、商品価値の低
下をもたらしている。
【0003】また、ホルムアルデヒドの室内汚染による
健康障害、すなわちシックハウス症候群の問題がクロー
ズアップされ、JAS規格におけるホルムアルデヒド放
散量の規格で、FC0(ホルムアルデヒド放散量=0.5
mg/l以下)が要求されている。しかしながら、従来
のアミノ樹脂系接着剤やフェノール樹脂系接着剤では、
低ホルムアルデヒド放散型にするためホルムアルデヒド
の使用モル比を少なくして製造することが一般的に行わ
れているが、この場合は接着剤の安定性が著しく低下す
ると共に、接着性、特に耐水性、耐熱水接着性が極めて
劣る結果となるという問題があった。
【0004】一方、ホルムアルデヒドを含有しない耐水
性接着剤として、水性エマルジョン、水性高分子、およ
びイソシアネート系化合物を配合してなる接着剤が広く
用いられているが、硬化剤配合後の糊液の発泡や経時増
粘といった点で作業性に問題があり、どれも可使時間が
短く、特に夏場での作業性に問題がある。その為、高度
な接着性が要求される構造用接着剤としては、レゾルシ
ノール樹脂、レゾルシノール−フェノール共重合樹脂、
水性高分子−イソシアネート系接着剤が使用されている
ものの、接着強度および作業性を十分に満足できるもの
は未だ開発されていないのが現状である。しかもこうい
った問題点は、単に合板や木材用の接着剤に止まらず、
化粧合板、繊維ボードその他種々の接着剤においても指
摘されており、早急な解決が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、高接着強度、優れた耐久性、耐水性および耐熱水接
着性等を有し、可使時間が長く作業性が改善され、且つ
低ホルムアルデヒド放散型である接着剤組成物を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、上記目的を達成することができた。すな
わち本発明は、(A)多糖類を保護コロイドとして用
い、少なくとも1種の1級水酸基含有エチレン性不飽和
単量体を必須成分として含むラジカル重合性不飽和単量
体を乳化重合してなる合成樹脂エマルジョン、および
(B)水溶性レゾール型フェノール樹脂を含有し、前記
(B)成分の固形分が、前記(A)成分の固形分100
重量部に対して5〜120重量部の範囲で含まれること
を特徴とする接着剤組成物を提供するものである。
【0007】また本発明は、更に(C)酸性硬化剤(固
形分)を、接着剤組成物100重量部に対し0.25〜
10重量部の範囲で含有してなる前記の接着剤組成物を
提供するものである。
【0008】また本発明は、1級水酸基含有エチレン性
不飽和単量体が、全ラジカル重合性不飽和単量体に対し
0.5〜20重量%の範囲で含まれる前記の接着剤組成
物を提供するものである。
【0009】また本発明は、多糖類が、全ラジカル重合
性不飽和単量体100重量部に対して0.1〜20重量
部の範囲で含まれる前記の接着剤組成物を提供するもの
である。
【0010】また本発明は、多糖類を保護コロイドとし
て用い、少なくとも1種の1級水酸基含有エチレン性不
飽和単量体を必須成分として含むラジカル重合性不飽和
単量体を乳化重合し、(A)合成樹脂エマルジョンを調
製し、前記(A)合成樹脂エマルジョンの固形分100
重量部に対して(B)水溶性レゾール型フェノール樹脂
を固形分として5〜120重量部配合することを特徴と
する接着剤組成物の製造方法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の接着剤組成物を以下に説
明する。(A)合成樹脂エマルジョン 本発明の接着剤組成物に使用する(A)合成樹脂エマル
ジョンは、多糖類を保護コロイドとして用い、少なくと
も1種の1級水酸基含有エチレン性不飽和単量体を必須
成分として含むラジカル重合性不飽和単量体を乳化重合
することにより得ることができる。(A)成分を調製す
るにあたって使用される前記多糖類としては、アラビア
ゴム、ガッティゴム、トラガカントガムなどが挙げられ
る。これらの多糖類は、保護コロイドとしての役割を果
たすことができる。多糖類を保護コロイドとして用いる
と、通常の乳化重合で使用されるアニオン性、カチオン
性、両性、および非イオン性界面活性剤や、各種ポリビ
ニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロースなどの多
糖類以外の水溶性高分子に比べて、以下に説明する
(B)水溶性レゾール型フェノール樹脂との混和安定性
が格段に優れた(A)合成樹脂エマルジョンを得ること
ができる。(A)成分を調製するために乳化重合する際
に、保護コロイドとして用いる多糖類の配合量は、全ラ
ジカル重合性不飽和単量体100重量部に対して0.1
〜20重量部、好ましくは0.5〜15重量部であるこ
とができる。多糖類の配合量が、0.1重量部未満であ
ると得られた(A)合成樹脂エマルジョンの安定性が悪
く、凝集、ゲル化、沈降してしまい、20重量部を超え
ると最終的に得られる接着剤組成物の耐水性が著しく低
下するために好ましくない。また、保護コロイドとし
て、各種ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセル
ロースなどを多糖類と併用して用いることも可能である
が、その場合の配合量としては下記(B)水溶性レゾー
ル型フェノール樹脂との混和安定性の面から、多糖類1
00重量部に対して100重量部以下にすることが望ま
しい。
【0012】一方、(A)成分を調製するにあたって使
用される少なくとも1種の1級水酸基含有エチレン性不
飽和単量体としては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエ
チル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸
グリセロール、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシ−
3−フェノキシプロピル、N−メチロールアクリルアミ
ド、N−エタノールアクリルアミド、N−プロパノール
アクリルアミド、N−メチロールメタアクリルアミド、
ビニルフェノール等が挙げられ、これらを単独或いは2
種類以上を組み合わせて用いることができる。(A)成
分中の1級水酸基含有エチレン性不飽和単量体の含有量
は、全ラジカル重合性不飽和単量体に対し0.5〜20
重量%であることができる。1級水酸基含有エチレン性
不飽和単量体の含有量が、0.5重量%未満の場合は接
着強度が不十分となり、20重量%を超える場合は接着
剤組成物の粘度が高くなり、取り扱い作業性を著しく阻
害するため好ましくない。
【0013】また、その他のラジカル重合性不飽和単量
体としては、特に限定されるものではないが、(メタ)
アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メ
タ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソ
プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)ア
クリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチ
ル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル
酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリ
ル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メ
タ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2
−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエ
チル、(メタ)アクリル酸2−メトキシプロピル、(メ
タ)アクリル酸3−メトキシプロピル、(メタ)アクリ
ル酸2−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸3−メト
キシブチル、(メタ)アクリル酸4−メトキシブチルな
どの(メタ)アクリル酸エステル類、およびこれと共重
合可能な単量体、たとえばアクリル酸、メタクリル酸、
クロトン酸、イタコン酸などのα、β−エチレン性不飽
和カルボン酸類、スチレン、ビニルスチレンなどの芳香
族ビニル化合物、などが挙げられる。
【0014】本発明の接着剤組成物に於いて、(A)合
成樹脂エマルジョンは通常の乳化重合法に従って製造す
ることができる。乳化重合に際しては、通常一般に用い
られている重合開始剤が使用することができる。具体例
としては、過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモ
ニウム等の水溶性無機過酸化物または過硫酸塩、クメン
ハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドな
どの有機過酸化物、アゾビスイソブチルニトリルなどの
アゾ化合物が挙げられる。重合開始剤の使用量は、全ラ
ジカル重合性不飽和単量体100重量部に対して0.1
〜2.0重量部が好ましい。また、上記重合開始剤は、
酒石酸、蟻酸、シュウ酸、酸性亜硫酸ソーダ、ロンガリ
ットなどの還元剤と併用することも通常行われる。ま
た、ラジカル重合性不飽和単量体は、これを一括もしく
は分割して、あるいは連続的に滴下して乳化重合反応に
供することができる。乳化重合の温度は、通常60〜9
0℃で行うことができる。また、一般に乳化重合に際し
て用いられることのある分子量調整剤を併用することも
当然可能であり、あるいは合成樹脂エマルジョンの場合
多用される造膜助剤の添加も必要に応じて行うことがで
きる。
【0015】(B)水溶性レゾール型フェノール樹脂 本発明の接着剤組成物に使用する(B)水溶性レゾール
型フェノール樹脂は、フェノール類1モルに対してホル
ムアルデヒドを1.0〜3.0モルの割合で反応させて
得ることができる。前記フェノール類としては、フェノ
ール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール等が
挙げられるが、中でもフェノール、レゾルシノールが好
ましい。またこれらの2種類以上を組み合わせて用いて
もよい。該反応時には触媒として水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム等
のアルカリ(土類)金属の水酸化物、アンモニア水、ヘ
キサメチレンテトラミン、ジメチルエタノールアミン等
のアミン類を、フェノール類1モルに対して0.05〜
0.5モルの割合で使用することができる。反応は通常
50〜100℃の温度で行われ、(B)水溶性レゾール
型フェノール樹脂の水溶性が50%未満にならないよう
反応させる。(B)成分の水溶性が50%未満では、
(A)合成樹脂エマルジョンとの混和安定性が不十分と
なり好ましくない。また、その他の形態のフェノール樹
脂、たとえば粉末、エマルジョン型、溶剤希釈型など
は、本発明に適さない。本発明の接着剤組成物は、
(B)水溶性レゾール型フェノール樹脂が接着剤組成物
中の連続相に存在することにより優れた接着性、耐水性
を付与するものと考えられ、その為には(B)水溶性レ
ゾール型フェノール樹脂の水溶性が50%以上であるこ
とが好ましい。また、(B)水溶性レゾール型フェノー
ル樹脂が連続相に存在することで、針葉樹などの難接着
材料に対する接着性も飛躍的に向上するものと推察され
る。
【0016】接着剤組成物 本発明の接着剤組成物の調製において、(A)合成樹脂
エマルジョンと(B)水溶性レゾール型フェノール樹脂
は、前記(A)成分の固形分100重量部に対して、前
記(B)成分の固形分が5〜120重量部、より好まし
くは10〜100重量部の範囲となるように配合するの
がよい。(B)水溶性レゾール型フェノール樹脂が5重
量部未満では接着剤組成物の混合皮膜の耐水性が不足し
て針葉樹に対して十分な耐熱水接着力を付与できない。
また、(B)水溶性レゾール型フェノール樹脂が120
重量部を超えると接着剤組成物の粘性が(B)水溶性レ
ゾール型フェノール樹脂そのものの粘性に近づくため十
分な初期接着力が得られなくなる。
【0017】(C)酸性硬化剤 また、本発明の接着剤組成物は、組成物の常温硬化が可
能となる(C)酸性硬化剤を併用することができる。そ
の際使用される(C)酸性硬化剤は、酸性触媒であり、
特に限定されるものではないが、塩酸、硫酸、硝酸、リ
ン酸等の強酸性無機酸またはベンゼンスルホン酸、パラ
トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸、シュウ酸、蟻酸、酢酸、乳酸等の有
機酸、マレイン酸無水物、フタル酸無水物などの酸無水
物、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモ
ニウム、酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウムなどの
アンモニウム塩等を、単独あるいは2種類以上組み合わ
せて用いることができる。(C)酸性硬化剤の配合量
は、(A)合成樹脂エマルジョンと(B)水溶性レゾー
ル型フェノール樹脂とを含有した接着剤組成物固形分1
00重量部に対し、固形分で0.25〜10重量部が好
ましい。
【0018】さらに、本発明の接着剤組成物には、必要
に応じて炭酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、
木粉などの充填剤、小麦粉などの増量剤、酸化チタン等
の顔料あるいはその他、防腐剤、防錆剤などの各種添加
剤を適宜添加することができる。
【0019】また、本発明の接着剤組成物を使用する場
合の塗布方法あるいは接着方法などについては、特に制
約はなく、従来行われてきたようなものであれば、いか
なる方法によっても行うことができる。例えば、木材な
どの接着面に接着剤組成物を刷毛塗り等で塗布し、接着
面を張り合わせて圧力を加えて固定する圧締法等に使用
することができる。また、本発明の接着剤組成物の乾燥
方法は、加熱圧締法が用いられるが、上記(C)酸性硬
化剤を併用する場合には常温圧締により十分な接着強度
を得ることができる。
【0020】本発明の接着剤組成物は、優れた耐久性、
耐水性および耐熱水接着性等を提供することができ、硬
化剤を添加した後の粘度の上昇が少なく、また水性高分
子−イソシアネート系接着剤等で問題となっている発泡
もなく、且つ可使時間を長くして作業性を改善したもの
である。すなわち、本発明の接着剤組成物は、針葉樹単
板を用いた合板でもJAS特類規格に合格する構造用合
板を製造するのに使用することができ、また集成材でも
高度な耐久性を必要とする構造用集成材を製造するのに
使用することができる。また、本発明の接着剤組成物
は、ホルムアルデヒド発生量も少なく、JASのFC0
格に合格することができる。
【0021】本発明の接着剤組成物は、既に記述したよ
うにきわめて大きな利点と特長を有しているので、広範
な用途が期待できる。特に加熱硬化にとどまらず常温硬
化も可能なこと、優れた強度や作業性、低ホルムアルデ
ヒド放散型であることなどから、木材、合板、化粧合
板、繊維ボード、繊維製品、紙製品などの接着剤として
有用である。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例により更
に具体的に説明するが、本発明は決してこれら例示例に
のみ限定されるものではない。なお、実施例および比較
例中、「部」および「%」は特に断りのない限り、重量
基準を示すものとする。
【0023】[実施例1] (A)合成樹脂エマルジョンの合成 攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下ロートを備えた1リ
ットルセパラブルフラスコに、アラビアゴムの20%水
溶液250部とイオン交換水200部とを仕込み、窒素
ガスを送入しつつ、反応容器内を80℃に昇温した。そ
の後、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル25部と、メ
タクリル酸メチル255部と、アクリル酸ブチル170
部との単量体混合液を4時間で滴下した。また、過硫酸
アンモニウム2部にイオン交換水を加え、全量を50g
とした水溶液を、上記単量体混合液と同時に滴下し、乳
化重合を行った。なお、このときフラスコの内温が80
〜85℃になるよう外温をコントロールした。滴下終了
後、80〜85℃で1時間保持した後、30℃以下に冷
却し、合成樹脂エマルジョンを得た。得られた合成樹脂
エマルジョンの固形分濃度(105℃−1時間乾燥)は
49.5%、粘度(BH型粘度計、10rpm、23
℃)は15,000mPa・sであった。
【0024】(B)水溶性レゾール型フェノール樹脂の
合成 攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下ロートを備えた1リ
ットルセパラブルフラスコに、フェノール300gと3
7%ホルマリン392gとを仕込み、次に10%水酸化
ナトリウム水溶液113gを添加して、反応容器内を8
0℃に保ち、水溶性が250%になるまで反応させ、3
0℃以下に冷却し、水溶性レゾール型フェノール樹脂を
得た。得られた水溶性レゾール型フェノール樹脂の固形
分濃度(135℃−1時間乾燥)は50.2%、粘度
(B型粘度計、25℃)は150mPa・sであった。
【0025】上記で得られた合成樹脂エマルジョンの固
形分100部に対し水溶性レゾール型フェノール樹脂の
固形分が25部となるように両者を混合して接着剤組成
物を得て、この接着剤組成物100部に小麦粉10部を
加えて混合し、実施例1の接着剤組成物として性能評価
を行った。
【0026】[実施例2] (A)合成樹脂エマルジョンの合成 攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下ロートを備えた1リ
ットルセパラブルフラスコに、アラビアゴムの20%水
溶液250部とイオン交換水200部とを仕込み、窒素
ガスを送入しつつ、反応容器内を80℃に昇温した。そ
の後、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル25部と、メ
タクリル酸メチル255部と、アクリル酸ブチル170
部との単量体混合液を4時間で滴下した。また、過硫酸
アンモニウム2部にイオン交換水を加え、全量を50g
とした水溶液を、上記単量体混合液と同時に滴下し、乳
化重合を行った。なお、このときフラスコの内温が80
〜85℃になるよう外温をコントロールした。滴下終了
後、80〜85℃で1時間保持した後、30℃以下に冷
却し、合成樹脂エマルジョンを得た。得られた合成樹脂
エマルジョンの固形分濃度(105℃−1時間乾燥)は
49.5%、粘度(BH型粘度計、10rpm、23
℃)は15,000mPa・sであった。
【0027】(B)水溶性レゾール型フェノール樹脂の
合成 攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下ロートを備えた1リ
ットルセパラブルフラスコに、フェノール300gと3
7%ホルマリン392gとを仕込み、次に10%水酸化
ナトリウム水溶液113gを添加して、反応容器内を8
0℃に保ち、水溶性が250%になるまで反応させ、3
0℃以下に冷却し、水溶性レゾール型フェノール樹脂を
得た。得られた水溶性レゾール型フェノール樹脂の固形
分濃度(135℃−1時間乾燥)は50.2%、粘度
(B型粘度計、25℃)は150mPa・sであった。
【0028】上記で得られた合成樹脂エマルジョンの固
形分100部に対し水溶性レゾール型フェノール樹脂の
固形分が25部となるように両者を混合して接着剤組成
物を得て、この接着剤組成物に下記配合処方をした。接
着剤組成物/小麦粉=100部/10部の割合で配合し
たものを主剤とし、主剤100部に対し酸性硬化剤とし
てパラトルエンスルホン酸50%水溶液を5部添加し、
十分混合して実施例2の接着剤組成物として性能評価を
行った。
【0029】[実施例3]上記実施例2の合成樹脂エマ
ルジョンの固形分100部と、上記実施例2の水溶性レ
ゾール型フェノール樹脂の固形分67部とを混合した以
外は、実施例2に準拠して実施し、実施例3の接着剤組
成物として性能評価を行った。
【0030】[実施例4]上記実施例2の合成樹脂エマ
ルジョンの合成において、アクリル酸−2−ヒドロキシ
エチルの代わりにN−メチロールアクリルアミドを用い
て合成した以外は、実施例2と全く同様に合成して合成
樹脂エマルジョンを得た。得られた合成樹脂エマルジョ
ンの固形分濃度(105℃−1時間乾燥)は48.9
%、粘度(BH型粘度計、10rpm、23℃)は1
2,000mPa・sであった。上記合成樹脂エマルジ
ョンを使用したこと以外はすべて実施例2に準拠して実
施し、実施例4の接着剤組成物として性能評価を行っ
た。
【0031】[比較例1]上記実施例1の合成樹脂エマ
ルジョンのみで、水溶性レゾール型フェノール樹脂を使
わない以外は、実施例1に準拠して実施し、比較例1の
接着剤組成物として性能評価を行った。
【0032】[比較例2]上記実施例2の合成樹脂エマ
ルジョンの固形分100部と、上記実施例1の水溶性レ
ゾール型フェノール樹脂の固形分400部とを混合した
以外は、実施例2に準拠して実施し、比較例2の接着剤
組成物として性能評価を行った。
【0033】[比較例3]上記実施例2の合成樹脂エマ
ルジョンの合成において、アクリル酸−2−ヒドロキシ
エチル25部と、メタクリル酸メチル255部と、アク
リル酸ブチル170部との単量体混合液代わりに、アク
リル酸−2−ヒドロキシエチル0部と、メタクリル酸メ
チル270部と、アクリル酸ブチル180部との単量体
混合液を用いて合成した以外は、実施例2と全く同様に
合成して合成樹脂エマルジョンを得た。得られた合成樹
脂エマルジョンの固形分濃度(105℃−1時間乾燥)
は49.5%、粘度(BH型粘度計、10rpm、23
℃)は10,000mPa・sであった。上記合成樹脂
エマルジョン以外はすべて実施例2に準拠して実施し、
比較例3の接着剤組成物として性能評価を行った。
【0034】[比較例4]上記実施例2の水溶性レゾー
ル型フェノール樹脂の代わりに水溶性フェノール樹脂で
はないフェノール樹脂エマルジョン(昭和高分子製、シ
ョウノールBRE−174)の固形分25部を、上記実
施例2の合成樹脂エマルジョンの固形分100部に対し
て混合した以外は、実施例2に準拠して実施し、比較例
4の接着剤組成物として性能評価を行った。
【0035】[比較例5]上記実施例1の合成樹脂エマ
ルジョンの合成において、アラビアゴムの20%水溶液
の代わりに、ポリビニルアルコールPVA M−205
(クラレ製、メルカプト基変性品)の20%水溶液を用
いて合成した以外は、実施例1と全く同様に合成して合
成樹脂エマルジョンを得た。得られた合成樹脂エマルジ
ョンの固形分濃度(105℃−1時間乾燥)は49.6
%、粘度(BH型粘度計、10rpm、23℃)は1
4,000mPa・sであった。上記合成樹脂エマルジ
ョンの固形分100部と、上記実施例1の水溶性レゾー
ル型フェノール樹脂の固形分20部とを混合したとこ
ろ、接着剤組成物が凝集してしまった。
【0036】<合板による引張り剪断接着試験>実施例
および比較例で得られた接着剤組成物を用いて、下記
(1)接着条件に従って針葉樹単板を接着し、得られた
合板の引張り剪断接着強度を測定した。(2)試験方法
および(3)測定方法を以下に記す。また、測定結果を
表1に示す。 (1)接着条件 ・基材:カラマツ単板(厚さ2/3/2/3/2mm
クロス貼り5ply)、含水率8% ・塗布量:250g/m2(片面塗布) ・圧締:実施例1および比較例1は130℃に加熱し、
8kg/cm2−20分。それ以外は常温 8kg/c
2−20分。 (2)試験方法 JIS K−6851による引張り剪断試験 (3)測定方法 ・常態接着強度:20℃、65%RH下の標準状態で合
板の引張り剪断接着強度を測定 ・スチーミング繰り返し接着強度(JAS特類規格):
室温(約20℃)の水中で合板を2時間以上浸漬した
後、130℃で2時間スチーミングし、次に室温の流水
に1時間浸漬し、更に130℃で2時間スチーミングし
た後、合板を冷めるまで室温の水中に浸漬後、濡れたま
まの状態で引張り剪断接着強度を測定
【0037】<合板のホルムアルデヒド放散量> ・ホルムアルデヒド放散量:貼合1日後JAS普通合板
規格に基づき測定測定結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】<ブロック圧縮剪断接着試験>実施例およ
び比較例で得られた接着剤組成物を用いて、下記(1)
接着条件に従って試験片を作製し、圧縮剪断接着強度を
測定した。なお本試験は集成材に対応した試験であり、
常温での接着強度測定となるので実施例1についてはデ
ータを採取しなかった。(2)試験方法および(3)測
定方法を以下に記す。また、測定結果を表2に示す。 (1)接着条件 ・基材:カバ柾目板、含水率11% ・塗布量:250g/m2(両面塗布) ・圧締:常温 10kg/cm2−30分。 (2)試験方法 JIS K−6852による圧縮剪断試験 (3)測定方法 ・常態接着強度:20℃、65%RH下の標準状態で試
験片の圧縮剪断強度を測定 ・煮沸繰り返し接着強度:煮沸水中に試験片を4時間浸
漬した後、60℃で20時間乾燥し、さらに煮沸水中で
4時間浸漬した後、試験片を前記煮沸水の温度が室温に
冷めるまで浸漬をつづけ、その後圧縮剪断強度を測定 ・初期接着強度:上記試験片作製における(1)接着条
件で、圧締時間を10分としたときの圧縮剪断強度を測
【0040】
【表2】
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、高接着強度、優れた耐
久性、耐水性および耐熱水接着性等を有し、可使時間が
長く作業性が改善され、且つ低ホルムアルデヒド放散型
である接着剤組成物が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J040 BA142 DB061 DB071 DF011 DF041 DF051 DF061 EB021 EB052 GA05 HA086 HA216 HA226 HA256 HA286 HB23 HB26 HB47 HC01 HD13 JA03 KA14 KA16 LA06 LA07 LA08 QA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)多糖類を保護コロイドとして用
    い、少なくとも1種の1級水酸基含有エチレン性不飽和
    単量体を必須成分として含むラジカル重合性不飽和単量
    体を乳化重合してなる合成樹脂エマルジョン、および
    (B)水溶性レゾール型フェノール樹脂を含有し、前記
    (B)成分の固形分が、前記(A)成分の固形分100
    重量部に対して5〜120重量部の範囲で含まれること
    を特徴とする接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 更に(C)酸性硬化剤(固形分)を、接
    着剤組成物100重量部に対し0.25〜10重量部の
    範囲で含有してなる請求項1記載の接着剤組成物。
  3. 【請求項3】 1級水酸基含有エチレン性不飽和単量体
    が、全ラジカル重合性不飽和単量体に対し0.5〜20
    重量%の範囲で含まれる請求項1記載の接着剤組成物。
  4. 【請求項4】 多糖類が、全ラジカル重合性不飽和単量
    体100重量部に対して0.1〜20重量部の範囲で含
    まれる請求項1記載の接着剤組成物。
  5. 【請求項5】 多糖類を保護コロイドとして用い、少な
    くとも1種の1級水酸基含有エチレン性不飽和単量体を
    必須成分として含むラジカル重合性不飽和単量体を乳化
    重合し、(A)合成樹脂エマルジョンを調製し、前記
    (A)合成樹脂エマルジョンの固形分100重量部に対
    して(B)水溶性レゾール型フェノール樹脂を固形分と
    して5〜120重量部配合することを特徴とする接着剤
    組成物の製造方法。
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