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JP2003073456A - エポキシ樹脂組成物及び該エポキシ樹脂組成物を使用したプリプレグ - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及び該エポキシ樹脂組成物を使用したプリプレグ

Info

Publication number
JP2003073456A
JP2003073456A JP2001266029A JP2001266029A JP2003073456A JP 2003073456 A JP2003073456 A JP 2003073456A JP 2001266029 A JP2001266029 A JP 2001266029A JP 2001266029 A JP2001266029 A JP 2001266029A JP 2003073456 A JP2003073456 A JP 2003073456A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
resin composition
component
cured product
curing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001266029A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Suzumura
靖 鈴村
Kazuya Goto
和也 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Co Ltd
Priority to JP2001266029A priority Critical patent/JP2003073456A/ja
Publication of JP2003073456A publication Critical patent/JP2003073456A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Epoxy Resins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 室温での安定性が良好であり、低温での一次
硬化によって脱型可能な硬化物になり、二次硬化によっ
て高耐熱性の硬化物になるエポキシ樹脂組成物、及び該
エポキシ樹脂組成物を強化用繊維材料に含浸させたプリ
プリグを提供すること。 【解決手段】成分(a):3官能以上のエポキシ樹脂を
含有するエポキシ樹脂、成分(b):100℃以下で活
性化する加熱硬化型の潜在性硬化剤、成分(c):芳香
族アミン系硬化剤、成分(d):芳香族系ウレア化合
物、を含有するエポキシ樹脂組成物、及び該エポキシ樹
脂組成物を強化用繊維材料に含浸させたプリプリグ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に繊維強化複合
材料のマトリックス樹脂として好適なエポキシ樹脂組成
物、及び該エポキシ樹脂組成物を使用したプリプレグに
関する。
【0002】
【従来の技術】繊維強化複合材料は、スポーツレジャー
関係の用途から航空機等の輸送用途や産業用途に至るま
で、広範囲に亙って利用されている。この繊維強化複合
材料の一般的な成形法として成形型を使用する方法があ
る。
【0003】例えば、クロス等の強化用繊維材料に樹脂
を含浸しながら成形型に添って貼り付けるか、或いは強
化用繊維材料に予め樹脂を含浸させた所謂プリプレグを
成形型に添って貼り付けるかする操作を、繰り返して行
なった後に硬化させ、次いで成形型から脱型して成形物
を得る所謂ハンドレイアップ法、成形型にクロス等の強
化用繊維材料をセットした後、これに樹脂を注入して硬
化させ、次いで脱型して成形物を得るレジントランスフ
ァーモールディング法、短繊維にカットした強化用繊維
材料を樹脂と混ぜ合わせた成形原料を成形型に注入した
後に、これを硬化させ、次いで脱型して成形物を得るモ
ールディングコンパウンド法等がある。
【0004】このような成形方法に使用される成形型に
は、例えば金属製、樹脂製或いは木製等のさまざまな材
質のものがあり、金属製の成形型は耐熱性及び耐久性に
優れるものの、該成形型の作製に手間と労力を要するた
めに高価になり、又樹脂製の成形型や木製の成形型は、
耐熱性及び耐久性に劣るものの、安価に入手できるメリ
ットがある。
【0005】近年の多様なニーズに対応するために、少
量多品種の成形物の製造が増えてきており、安価に入手
できる樹脂製の成形型を使用するケースが多くなってき
ており、又、船舶のような大型の成形物の成形には、木
製の成形型が用いられることもある。
【0006】これらの樹脂製の成形型や木製の成形型を
使用する成形方法では、前記の通り樹脂製や木製の成形
型自体の耐熱性が十分でないために、高温での成形が出
来なく、耐熱性の高い成形物の成形を行なうことができ
ないという問題がある。
【0007】そこで、樹脂製や木製等の耐熱性の低い成
形型を使用して耐熱性の高い繊維強化複合材料からなる
成形物を得る方法として、耐熱性の低い成形型を使用し
て、80℃以下の比較的低温での一次硬化を行なうこと
により、脱型可能な一次硬化物にした後、この耐熱性の
低い成形型から一次硬化物を脱型し、続いて高温雰囲気
中にこの一次硬化物を放置して二次硬化させることによ
り、耐熱性の高い成形物を得る方法が提案されており、
例えば航空宇宙用途等の高耐熱性が要求される大型の成
形物の成形に試みられている。
【0008】ところで、前記一次硬化と二次硬化とから
なる硬化手段を適用する成形方法を、プリプレグを使用
する成形手段に適用する場合には、該プリプレグが80
℃以下の比較的低温での短時間の硬化によって脱型可能
に硬化し得ること、その後の高温での二次硬化によって
高耐熱性の硬化物になること、プリプレグ自体の室温で
の安定性が優れておりかつ取り扱い性が良好であること
等が必要である。
【0009】かかる実情の下に、室温で比較的安定であ
って、かつ70〜100℃の比較的低温で硬化する樹脂
組成物が、例えば特開平11−302412号公報等を
はじめ多くの技術文献に開示されている。
【0010】しかるに、ここに開示されている樹脂組成
物はいずれも低温で硬化し、かつ優れた機械物性を有す
る一次硬化物になるものの、その後の高温での二次硬化
を行なっても、十分な耐熱性を備えた硬化物にはならな
い。
【0011】一方、耐熱性が良好な硬化物になる従来の
樹脂組成物は、80℃以下の比較的低温での一次硬化に
よって脱型可能に硬化させるのに長時間を要するという
問題がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明が解決し
ようとする課題は、室温での安定性が良好で、80℃以
下の比較的低温での一次硬化によって脱型可能な硬化物
にするのに長時間を要することがなく、しかも二次硬化
によって高耐熱性を備えた硬化物になるエポキシ樹脂組
成物であって、かつこれを強化用繊維材料に含浸させた
プリプレグの取扱い性が良好である等の特性を具備する
エポキシ樹脂組成物、及び該エポキシ樹脂組成物を強化
用繊維材料に含浸させたプリプリグを提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記課題は、以下に記載
する構成による本発明のエポキシ樹脂組成物及び該エポ
キシ樹脂組成物を使用したプリプレグによって解決する
ことができる。すなわち本発明のエポキシ樹脂組成物
は、下記成分(a)〜成分(d)を含有するエポキシ樹
脂組成物からなる。 成分(a)・・・・3官能以上のエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂 成分(b)・・・・100℃以下で活性化する加熱硬化型の潜在性硬化剤 成分(c)・・・・芳香族アミン系硬化剤 成分(d)・・・・芳香族系ウレア化合物
【0014】前記構成による本発明のエポキシ樹脂組成
物は、成分(a)が、3官能以上のエポキシ樹脂を40
質量%以上含有するエポキシ樹脂であることが好まし
い。
【0015】又、前記構成による本発明のエポキシ樹脂
組成物は、成分(a)が、分子中に窒素原子を有するエ
ポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂であることが好まし
く、分子中に窒素原子を有するエポキシ樹脂としては、
テトラグリシジルジアミノフェニルメタンを含有するエ
ポキシ樹脂や、トリグリシジルアミノフェノールを含有
するエポキシ樹脂が好ましい。
【0016】更に、前記構成による本発明のエポキシ樹
脂組成物は、成分(a)が、ノボラック型エポキシ樹脂
を含有するエポキシ樹脂であることが好ましく、ノボラ
ック型エポキシ樹脂としては、クレゾールノボラック型
エポキシ樹脂、下記の[化3]で示されるノボラック型
エポキシ樹脂、及び下記の[化4]で示されるノボラッ
ク型エポキシ樹脂が好ましい。
【0017】
【化3】 [式中、n は0以上の数を表わす]
【0018】
【化4】 [式中、n は0以上の数を表わす]
【0019】又、前記構成による本発明のエポキシ樹脂
組成物は、成分(b)が、イミダゾール系触媒を含有す
る潜在性硬化剤であることが好ましく、このイミダゾー
ル系触媒を含有する潜在性硬化剤は、マイクロカプセル
型の潜在性硬化剤であることが好ましい。
【0020】更に、前記構成による本発明のエポキシ樹
脂組成物は、成分(a)と成分(b)との配合割合が、
成分(a)を100質量部としたときに、成分(b)が
3〜40質量部であることが好ましい。
【0021】又、前記構成による本発明のエポキシ樹脂
組成物は、成分(a)のエポキシ樹脂のエポキシ基のモ
ル数と成分(c)の芳香族アミン系硬化剤の活性水素の
モル数との比が1/0.1〜1/0.7であることが好
ましい。
【0022】又、前記構成による本発明のエポキシ樹脂
組成物は、成分(a)と成分(d)との配合割合が、成
分(a)を100質量部としたときに、成分(d)が2
〜10質量部であることが好ましい。
【0023】更に、前記構成による本発明のエポキシ樹
脂組成物は、60℃での粘度が10〜700Pa・ se
cであることが好ましい。
【0024】又、前記構成による本発明のエポキシ樹脂
組成物は、下記の(1)〜(3)を満足するものである
ことが好ましい。 (1)調製した後に25℃で3週間放置したときの粘度
上昇率(倍)が、調製直後の粘度の2倍以下である。 (2)80℃以下の温度での10時間以内の一次硬化に
よって得られる硬化物の硬化度が70%以上である。 (3)一次硬化に続く130℃以上での二次硬化によっ
て得られる硬化物のガラス転移温度が150℃以上であ
る。
【0025】本発明のプリプレグは、前記構成による本
各発明のエポキシ樹脂組成物を強化用繊維材料に含浸し
てなるものである。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明のエポキシ樹脂組成物にお
ける成分(a)をなす3官能以上のエポキシ樹脂を含む
エポキシ樹脂は、3官能以上のエポキシ樹脂を含んでい
ればよく、それ以外には特に限定されるものではない。
3官能以上のエポキシ樹脂としては、例えばフェノール
ノボラック型やクレゾールノボラック型などのノボラッ
ク型エポキシ樹脂、及びアミノグリシジル型エポキシ樹
脂等が挙げられる。
【0027】成分(b)をなす100℃以下で活性化す
る加熱硬化型の潜在性硬化剤は、100℃以下の温度で
の硬化能を有すると共に、加熱潜在反応性、すなわち潜
在能をも具備するものである。この成分(b)をなす硬
化剤が100℃以下で活性化することにより、低温で且
つ比較的短時間での一次硬化によって、脱型可能な硬化
物になる。又、この成分(b)をなす硬化剤が潜在反応
性を有していることにより、エポキシ樹脂組成物の室温
での安定性が優れたものになる。
【0028】硬化剤が100℃以下での硬化能を有して
いるか否かは、下記の通りにして判断する。すなわち、
エポキシ当量184〜194の液状ビスフェノールA型
エポキシ樹脂(例えばジャパンエポキシレジン社製エピ
コート828等)100質量部と硬化剤20質量部とを
均一に混合したエポキシ樹脂組成物を、DSCで10℃
/分の昇温速度条件によって硬化させるときの発熱を測
定し、DSCチャート上でベースラインから離れ、硬化
発熱が始まる温度が100℃以下であるときに、この硬
化剤は100℃以下での硬化能を有するものとして判断
する。
【0029】又この硬化剤が潜在反応性、つまり潜在性
であるということは、室温付近ではほとんど反応しない
ということであり、室温付近ではほとんど反応しないと
いう硬化剤の潜在性の確認は、下記の通りにして行な
う。すなわち、エポキシ当量184〜194の液状ビス
フェノールA型エポキシ樹脂(例えばジャパンエポキシ
レジン社製エピコート828等)100質量部と硬化剤
20質量部とを均一に混合したエポキシ樹脂組成物を、
30℃にて3週間放置したときの粘度が、放置前の粘度
に比較して2倍以下であるときに、該硬化剤は潜在性で
あるということができる。前記エポキシ樹脂組成物を3
0℃にて3週間放置したときの粘度が放置前の粘度の
1.5倍以下であるような硬化剤は、潜在反応性におい
て優れた性質を具備するものであって、成分(b)をな
す潜在性硬化剤として、より好ましい。
【0030】成分(c)をなす硬化剤は、二次硬化によ
って得られる硬化物の耐熱性を向上させるものであり、
芳香族アミン系硬化剤であれば特に限定されるものでは
ないが、分子中に硫黄原子を含む芳香族アミン系硬化剤
が特に好ましい。これは、成分(c)をなす芳香族アミ
ン系硬化剤が分子内に硫黄原子を有することにより、こ
れを含有するエポキシ樹脂組成物は、低温で且つ比較的
短時間での一次硬化で硬化させることができ、且つ二次
硬化によって耐熱性のより高い硬化物になるためであ
る。なお、分子内に硫黄原子を有する芳香族アミン系硬
化剤としては、ジアミノジフェニルスルホンやメチルチ
オトルエンジアミン等が挙げられる。
【0031】成分(d)をなす芳香族系ウレア化合物
は、本発明のエポキシ樹脂組成物の室温での安定性を損
なうことなく、しかも比較的低温での一次硬化による硬
化性を良好なものにする機能を有する。成分(d)をな
す芳香族系ウレア化合物としては、下記の[化5]で表
されるものが特に好適であり、例えばフェニルジメチル
ウレアやジクロロフェニルジメチルウレア等が利用され
る。
【0032】
【化5】 [式中、X1 、X2 は、水素又は塩素を表わし、X1
2 は同一であっても異なっていてもよい]
【0033】更に、前記成分(a)をなすエポキシ樹脂
は、3官能以上のエポキシ樹脂40質量%以上を含有し
ていることが好ましい。すなわち、成分(a)をなすエ
ポキシ樹脂の全量の40質量%以上が3官能以上のエポ
キシ樹脂であるときに、二次硬化によって得られる硬化
物の耐熱性がより優れたものになり、成分(a)をなす
エポキシ樹脂中の60質量%以上が3官能以上のエポキ
シ樹脂であるようにすることにより、二次硬化によって
得られる硬化物の耐熱性が更に優れたものになる。
【0034】又、前記成分(a)なすエポキシ樹脂は、
分子中に窒素原子を有するエポキシ樹脂を含有するもの
であることが好ましい。すなわち、成分(a)なすエポ
キシ樹脂として、分子中に窒素原子を有するエポキシ樹
脂を含有するエポキシ樹脂を使用することにより、低
温、且つ短時間での一次硬化によって、より確実に脱型
可能な硬化物になるためであり、成分(a)なすエポキ
シ樹脂中の20質量%以上が分子中に窒素原子を有する
エポキシ樹脂であることが、より好ましい。なお、分子
中に窒素原子を有するエポキシ樹脂としは、テトラグリ
シジルジアミノフェニルメタン、アミノフェノール型エ
ポキシ樹脂、アミノクレゾール型エポキシ樹脂等が挙げ
られる。
【0035】更に、前記成分(a)なすエポキシ樹脂
は、ノボラック型エポキシ樹脂を少なくとも1種類含有
することが好ましい。すなわち、ノボラック型エポキシ
樹脂を含有するエポキシ樹脂を、成分(a)なすエポキ
シ樹脂として使用することにより、より優れた耐熱性を
具備する二次硬化物がが得られるようになる。なお、ノ
ボラック型エポキシ樹脂として、クレゾールノボラック
型エポキシ樹脂、下記の[化6]で示されるノボラック
型エポキシ樹脂、及び下記の[化7]で示されるノボラ
ック型エポキシ樹脂のうち少なくとも1種類を使用する
ことにより、更に高度の耐熱性を具備する二次硬化物が
得られるようになる。
【0036】
【化6】
【0037】
【化7】
【0038】成分(b)をなす100℃以下で活性化す
る加熱硬化型の潜在性硬化剤として、イミダゾール系触
媒を含有する潜在性硬化剤を使用すると、低温、且つ短
時間での一次硬化によって、より確実に脱型可能な硬化
物になり、又、二次硬化によってより優れた耐熱性を具
備する硬化物が得られる。イミダゾール系触媒を含有す
る潜在性硬化剤が、マイクロカプセル型の潜在性硬化剤
であるときには、室温での安定性において、より優れた
エポキシ樹脂組成物になる。イミダゾール系触媒を含有
する潜在性硬化剤としては、例えば四国化成工業(株)
社製のキュアダクトP−0505、キュアゾール2E4
MZ−CNS,C11Z−CNS,C11Z−A等が挙
げられる。又イミダゾール系触媒を含有するマイクロカ
プセル型の潜在性硬化剤としては、例えば旭チバ(株)
社製のノバキュアHX3721,HX3722等が挙げ
られる。
【0039】続いて、本発明のエポキシ樹脂組成物にお
いて、成分(a)をなすエポキシ樹脂を100質量部と
したときに、成分(b)をなす100℃以下で活性化す
る加熱硬化型の潜在性硬化剤が3質量部よりも少ない
と、80℃以下の低温での一次硬化が不十分になること
があり、又40質量部を超えると、二次硬化物のガラス
転移温度及高温での剛性が低くなり、又エポキシ樹脂組
成物の室温での安定性が低下することもある。このため
に、成分(a)をなすエポキシ樹脂を100質量部とし
たときに、成分(b)をなす100℃以下で活性化する
加熱硬化型の潜在性硬化剤は、3〜40質量部であるこ
とが好ましく、3〜20質量部であることがより好まし
い。なお、加熱硬化型の潜在性硬化剤として、潜在性硬
化剤を低粘度エポキシ樹脂等と予め混合してあるペース
ト状のものを用いる場合には、有効成分のみの硬化剤の
質量であることは勿論である。
【0040】又、本発明のエポキシ樹脂組成物におい
て、成分(a)のエポキシ樹脂のエポキシ基のモル数と
成分(c)の芳香族アミン系硬化剤の活性水素のモル数
との比が、エポキシ樹脂のエポキシ基のモル数1に対し
て芳香族アミン系硬化剤の活性水素のモル数が0.1未
満になると、二次硬化によって得られる硬化物のガラス
転移温度及び/又は高温での剛性が低くなり易くなり、
又0.7を超えると、二次硬化によって得られる硬化物
中の未反応のアミン残基が多くなって、ガラス転移温度
や高温での剛性が低く、吸湿性が増大したり、或いは脆
い硬化物になったりする。このために、成分(a)のエ
ポキシ樹脂のエポキシ基のモル数と成分(c)の芳香族
アミン系硬化剤の活性水素のモル数との比は、1/0.
1〜1/0.7の範囲内にすることが好ましく、1/
0.2〜1/0.6の範囲内にすることがより好まし
い。
【0041】更に、本発明のエポキシ樹脂組成物におい
て、成分(a)をなすエポキシ樹脂を100質量部とし
たときに、成分(d)をなす芳香族系ウレア化合物が2
質量部よりも少なくなると、エポキシ樹脂組成物の低温
での硬化性が低下するので好ましくなく、又10質量部
を超えると、二次硬化物のガラス転移温度及び/又は高
温での剛性が低くなり、又室温でのエポキシ樹脂組成物
の安定性が低下することがあるので好ましくない。この
ために、成分(a)をなすエポキシ樹脂を100質量部
としたときに、成分(d)をなす芳香族系ウレア化合物
は、2〜10質量部であることが好ましく、4〜7質量
部であることがより好ましい。
【0042】本発明のエポキシ樹脂組成物は、60℃で
の粘度が10Pa・secよりも低いと、これを使用し
たプリプレグのタックやべたつきが強くなりすぎるし、
又700Pa・secを超えると、プリプレグのドレー
プ性が乏しくなって、硬くなり過ぎる。このために、6
0℃での粘度が10〜700Pa・ secであることが
好ましく、30〜500Pa・ secであることがより
好ましい。なお、エポキシ樹脂組成物の60℃での粘度
は、調製直後のエポキシ樹脂組成物の60℃での粘度η
iを、レオメトリック社製DSR−200又は同等の性
能を有する装置により、周波数10ラジアン/秒、パラ
レルプレートにて測定した値である。
【0043】更に、本発明のエポキシ樹脂組成物は、該
樹脂組成物を調製した後に25℃で3週間放置したとき
の粘度上昇率(倍)が、調製直後の粘度の2倍以下であ
ることが好ましく、粘度上昇率(倍)が2倍以下である
ときに、該エポキシ樹脂組成物は、室温での安定性に優
れた樹脂組成物となる。なお、25℃で3週間放置した
ときの粘度上昇率(倍)が1.5倍以下であるときに
は、該エポキシ樹脂組成物は、室温での安定性がより優
れた樹脂組成物であって、ワーキングライフの更に長い
ものになり、より好ましい。
【0044】なお、エポキシ樹脂組成物の粘度上昇率
(倍)は、以下の方法に基づいて測定する。すなわち、
調製直後のエポキシ樹脂組成物の40℃での粘度η0
を、レオメトリック社製DSR−200又は同等の性能
を有する装置を用いて、周波数10ラジアン/秒、パラ
レルプレートで測定すると共に、25℃の恒温器中に3
週間放置した後のエポキシ樹脂組成物の40℃での粘度
η1 を、前記と同様にして測定し、η0 /η1 によって
粘度上昇率(倍)を求める。
【0045】本発明のエポキシ樹脂組成物は、調製直後
の樹脂組成物の硬化発熱量(E0 )、及び該樹脂組成物
を一次硬化させた硬化物の残留硬化発熱量(E1 )をそ
れぞれ示差走査熱量計(DSC)で測定し、硬化度
(%)={(E0 −E1 )×100/E0 }によって算
出した硬化度が70%以上であることが、一次硬化によ
って脱型可能に硬化した硬化物が得られるようになる点
で好ましい。
【0046】更に本発明のエポキシ樹脂組成物は、二次
硬化によって高度の耐熱性を備えた硬化物になることが
好ましく、つまり一次硬化に続く130℃以上での二次
硬化によって得られる硬化物のガラス転移温度が150
℃以上であることが好ましく、特に150℃以上(例え
ば200℃)での二次硬化によって得られる硬化物のガ
ラス転移温度が180℃以上になるようなエポキシ樹脂
組成物であるときには、なお一層の高耐熱性を備えた硬
化物になる。なお、二次硬化のための硬化時間は、10
時間以内であることが好ましく、5時間以内であること
がより好ましい。
【0047】又、硬化物のガラス転移温度は、以下の方
法で測定する。すなわち、レオメトリック社製RDA−
700又は同等の性能を有する粘弾性測定装置を用い
て、測定用の硬化物の温度を段階的にステップ状で上げ
ていったときの貯蔵弾性率(G' )を各温度において測
定する。なお、昇温は、5℃/ステップで行い、各ステ
ップでは温度安定後1分間その温度で保持してから、周
波数10ラジアン/秒で測定する。[図1]に示すよう
に、温度に対しての貯蔵弾性率(G' )の対数値をプロ
ットし、得られたG' 曲線のガラス弾性領域と転移領域
の各接線の交点での温度をガラス転移温度とする。
【0048】以上に説明した本発明のエポキシ樹脂組成
物には、本発明の目的を逸脱することのない範囲内で添
加剤を添加することができる。例えば熱可塑性樹脂を溶
解して添加することにより、樹脂組成物のべたつきを抑
えてプリプレグのタックを適正レベルに調整したり、或
いはタックの経時変化を抑制したりすることができる。
このような熱可塑性樹脂としては、例えばフェノキシ樹
脂、ポリビニルフォルマール、ポリエーテルスルホン等
が挙げられる。
【0049】又、得られる硬化物の靱性を向上させる目
的で、微粒子状や短繊維状の熱可塑性樹脂やゴム成分を
添加してもよく、例えばポリアミド、ポリイミド、ポリ
ウレタン、ポリエーテルスルホン等の熱可塑性樹脂や、
アクリルゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム等のゴム成
分、その分子末端変性物等が挙げられる。更に、得られ
る硬化物の剛性を向上させることを目的として、タルク
やシリカ、スチール等の金属等の無機成分の微粒子を添
加することもできる。
【0050】本発明のエポキシ樹脂組成物の用途は特に
制限されるものではなく、例えば繊維強化複合材料用の
マトリックス樹脂や、構造材料用の接着剤等として適用
することができ、特に繊維強化複合材料用のマトリック
ス樹脂として好適である。
【0051】繊維強化複合材料を成形するときの強化用
繊維材料は特に制限されるものではなく、例えば炭素繊
維、ガラス繊維、高強度有機繊維、金属繊維、無機繊維
等の一般の繊維強化複合材料の強化用繊維材料として用
いられるものの全てが使用可能である。又、強化用繊維
材料の形態としても特に制限はなく、例えば一方向材、
クロス、マット、或いは数千本以上のフィラメントより
なるトウ等を使用し得る。
【0052】又本発明のエポキシ樹脂組成物は、これを
フィルム状にして樹脂フローを抑えたり、或いはガラス
クロス等に含浸させる等により、シート状の接着剤とし
て使用することも可能である。
【0053】更に本発明のエポキシ樹脂組成物は、これ
に添加剤としてマイクロバルーンや発泡剤を配合するこ
とにより、軽量化副資材として使用することもできる。
【0054】更に又、本発明エポキシ樹脂組成物を含浸
させたプリプレグは80℃以下の低温で硬化させること
ができるので、該プリプレグの表面付近に、選択的に熱
可塑性樹脂やゴム成分等の高靱性材料を配置することに
よって、得られる積層硬化物の層間の靱性を高めるよう
な場合には、特に低融点の熱可塑性樹脂を配置しても、
その形態を保持した状態で成形するできる。このため
に、モルフォロジー制御が容易であり、層間に設計通り
の量の熱可塑性樹脂やゴム成分等の高靱性材料を配置す
ることができ、設計通りの層間靱性が得られる。なお、
このときの層間に配置させる熱可塑性樹脂やゴム成分等
の高靱性材料の形態は、特に制限されるものではない
が、粒子状、長繊維や単繊維の繊維状をなすものが、層
間に選択的に高靱性材料を配置させることが可能になる
ことから、特に好ましい。
【0055】本発明のエポキシ樹脂組成物の調製方法に
は、特に制限はないが、固形状のエポキシ樹脂や熱可塑
性樹脂等を溶解して配合するときには、まずこれらの固
形成分を溶解可能なエポキシ樹脂に均一に溶解して用い
ることが好ましい。
【0056】又成分(b)をなす100℃以下で活性化
する加熱硬化型の潜在性硬化剤の添加は、成分(b)が
粉末状の場合には、成分(a)をなすエポキシ樹脂成分
中の比較的低粘度のエポキシ樹脂等を使用してペースト
状にしてから添加するようにすれば、粉末状をなす成分
(b)の二次凝集を防ぐことができ、均一に分散させる
ことができる。又、成分(b)が固形状の場合には、こ
れを粉砕をして粉末状にした上で、低粘度のエポキシ樹
脂等によってペースト状にして添加することが好まし
い。なお、成分(b)がマイクロカプセル型の潜在性硬
化剤の場合には、強いシェアで攪拌すると該カプセルに
悪影響が及び、室温での安定性が損なわれる。従って、
マイクロカプセル型の潜在性硬化剤は、予め低粘度のエ
ポキシ樹脂と均一に混合してあるマスターバッチ型のも
のを使用するのが好ましい。
【0057】成分(c)をなす芳香族アミン系硬化剤
は、一次硬化によって成分(c)が溶解しない場合、つ
まり成分(c)の融点が一次硬化温度より高いか、或い
は成分(c)のエポキシ樹脂への溶解温度が一次硬化温
度より高いときには、成分(a)のエポキシ樹脂に予め
溶解して添加するのが好ましい。又、一次硬化で成分
(c)が溶解するような粉末状の場合には、成分(a)
中の比較的低粘度のエポキシ樹脂等によってペースト状
にしてから添加することにより、粉末状をなす成分
(c)の二次凝集を防ぐことができ、均一に分散させる
ことができる。
【0058】更に、成分(c)が一次硬化で溶解する固
形状の場合には、これを粉砕をして粉末状にした上で、
低粘度のエポキシ樹脂等によってペースト状にして添加
することが好ましい。成分(c)が液状の場合には、い
つの段階で添加しても均一に混合する。
【0059】成分(d)をなす芳香族系ウレア化合物
は、成分(a)中の比較的低粘度のエポキシ樹脂等によ
ってペースト状にしてから添加することにより、粉末状
をなす成分(d)の二次凝集を防ぐことができ、均一に
分散させることができる。
【0060】本発明のエポキシ樹脂組成物は低温で反応
を開始する特性を有しているので、成分(b)をなす潜
在性硬化剤の添加後は、エポキシ樹脂組成物の安定のた
めに、60℃以下で調製することが好ましい。なお55
℃以下で調製するようにすれば、エポキシ樹脂組成物の
安定性は更に向上する。
【0061】又、本発明のエポキシ樹脂組成物を使用し
たプリプレグを調製する方法としては、ホットメルト方
式が好ましい。ホットメルト方式によるプリプレグの調
製に使用するフィルム化エポキシ樹脂組成物を得るとき
の剥離工程紙にエポキシ樹脂組成物を塗工する際には、
調製するプリプレグのライフを安定させるために60℃
以下で塗工することが好ましく、55℃以下で塗工する
ことがより一層好ましい。
【0062】[参考例] 参考例1〜参考例4 [表1]に示す各硬化剤が、100℃以下で活性化する
か否かを確認する為に、エポキシ当量189の液状ビス
フェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン
社製:エピコート828)100質量部と各硬化剤20
質量部とを均一に混合したエポキシ樹脂組成物を、DS
Cで10℃/分の昇温速度条件によって硬化させるとき
の発熱を測定し、DSCチャート上でベースラインから
離れて硬化発熱が開始する温度でもって、活性化する温
度を確認した。
【0063】又、前記の各エポキシ樹脂組成物を30℃
にて3週間放置したときの粘度を測定して、放置前の粘
度に対しての粘度上昇率(倍)が2倍以下であるか否か
により、前記硬化剤が潜在性であるか否かを確認した。
【0064】それぞれの結果を[表1]に示す。なお、
エポキシ樹脂及び硬化剤は、下記の略字によって表示し
た。 Ep828:ジャパンエポキシレジン社製、液状をなす
ビスフェノールA型エポキシ樹脂「エピコート82
8」、エポキシ当量:189 HX3722:旭チバ社製、「ノバキュア HX372
2」 P0505:四国化成工業社製、「キュアダクトP−0
505」 FXE1000:FXE1000:富士化成社製、「フ
ジキュアー FXE−1000」 PN23:味の素社製、「アミキュア PN−23」
【0065】
【表1】
【0066】参考例5〜参考例7 [表2]に示す各硬化剤が活性化する温度と、該硬化剤
の潜在性とを、前記参考例1と同様にして確認した。そ
れぞれの結果を[表2]に示す。なお硬化剤は、下記の
略字によって表示した。 2MZ:四国化成社製、2−メチルイミダゾール「2M
Z」 BF3MEA:三フッ化ホウ素モノメチルアミン錯体
「BF3MEA」 Dicy:ジャパンエポキシレジン社製、ジシアンジア
ミド「Dicy7」
【0067】
【表2】
【0068】
【実施例】以下、本発明のエポキシ樹脂組成物、及び該
エポキシ樹脂組成物を使用したプリプレグの具体的な構
成を実施例に基づいて、比較例と比較しながら説明す
る。なお、実施例及び比較例のエポキシ樹脂組成物に使
用した各成分は、下記の略字で示す通りである。
【0069】(1)3官能以上のエポキシ樹脂 Ep604:ジャパンエポキシレジン社製、テトラグリ
シジルジアミノジフェニルメタン「エピコート60
4」,エポキシ当量:120 ELM434:住友化学社製、テトラグリシジルジアミ
ノジフェニルメタン「ELM434」,エポキシ当量:
120 Ep1032:ジャパンエポキシレジン社製、[化3]
においてn>0に該当する特殊ノボラック型エポキシ樹
脂「エピコート1032S50」,エポキシ当量:16
9 Ep157:EP157S65:ジャパンエポキシレジ
ン社製、[化4]においてn>0に該当する特殊ノボラ
ック型エポキシ樹脂「エピコート157S65」エポキ
シ当量:210 ELM100:住友化学社製、アミノフェノール型エポ
キシ樹脂「スミ−エポキシELM−100」エポキシ当
量:107 N740:大日本インキ化学社製、フェノールノボラッ
ク型エポキシ樹脂「エピクロンN−740」エポキシ当
量:180 N673:大日本インキ化学社製、クレゾールノボラッ
ク型エポキシ樹脂「エピクロンN−673」エポキシ当
量:212
【0070】(2)3官能以上のエポキシ樹脂以外のエ
ポキシ樹脂 Ep828:ジャパンエポキシレジン社製、液状をなす
ビスフェノールA型エポキシ樹脂「エピコート828」
エポキシ当量:189 YD128:東都化成社製、液状をなすビスフェノール
A型エポキシ樹脂「YD−128」エポキシ当量:18
9 Ep1001:ジャパンエポキシレジン社製、半固形状
をなすビスフェノールA型エポキシ樹脂「エピコート1
001」エポキシ当量:475
【0071】(3)100℃以下で活性化する加熱硬化
型の潜在性硬化剤 HX3722:旭チバ社製、「ノバキュア HX372
2」 P0505:四国化成工業社製、「キュアダクトP−0
505」 FXE1000:富士化成社製、「フジキュアー FX
E−1000」 PN23:味の素社製、「アミキュア PN−23」
【0072】(4)分子内に硫黄原子を有する芳香族ア
ミン系硬化剤 DDS:和歌山精化社製、ジアミノジフェニルスルホン
「セイカキュアS」アミン当量:62
【0073】(5)芳香族系ウレア化合物 PDMU:ビー・ティー・アールジャパン社製、フェニ
ルジメチルウレア「オミキュア94」 DCMU:保土ヶ谷化学社製、ジクロロフェニルジメチ
ルウレア「DCMU99」
【0074】(6)その他の成分 PES:住友化学社製、ポリエーテルスルホン「スミカ
エクセルPES 3600P」 アエロジル300:日本アエロジル社製、「アエロジル
300」 2MZ:四国化成社製、2−メチルイミダゾール「2M
Z」 BF3MEA:三フッ化ホウ素モノメチルアミン錯体
「BF3MEA」 Dicy:ジャパンエポキシレジン社製、ジシアンジア
ミド「Dicy7」 ジエチレントリアミン:和光純薬製、脂肪族アミン「ジ
エチレントリアミン」 アミン当量:20.6
【0075】実施例1〜実施例23 下記の[表3]、[表4]、[表5]及び[表6]のそ
れぞれの所定欄に記載した組成成分によるエポキシ樹脂
組成物を得た。なお表中の数字は、配合した成分の質量
部である。又、表中の「(a)エポキシ基/(c)活性
水素(モル比)」の欄は、各エポキシ樹脂組成物におけ
る成分(a)をなすエポキシ樹脂のエポキシ基のモル数
と、成分(c)をなす芳香族アミン系硬化剤の活性水素
のモル数との比である。
【0076】各成分の配合手順は以下の通りである。先
ず成分(a)をなすエポキシ樹脂を150℃に加熱して
均一に混合した。なお、配合成分中に熱可塑性樹脂や無
機物等のその他の成分があるときには、この成分(a)
の加熱混合時にその他の成分を添加して、溶解或いは分
散させた。続いて、前記の成分(a)或いは成分(a)
とその他の成分との混合物を50〜60℃までに冷却
し、これに成分(b)、成分(c)、成分(d)を添加
し、均一に混合することにより各エポキシ樹脂組成物を
調製した。
【0077】得られた各エポキシ樹脂組成物の60℃で
の粘度を測定した。又、各エポキシ樹脂組成物の安定性
を、25℃、3週間放置したときの増粘の割合(粘度上
昇率倍率)によって評価した。結果を、[表3]、[表
4]、[表5]及び[表6]に併記する。
【0078】前記各エポキシ樹脂組成物を60℃に加熱
して脱泡した後、離型処理を施してあるガラス板で挟
み、室温から1時間かけて80℃に昇温し、80℃、5
時間、又は80℃、7時間の一次硬化に付し、2mm厚
の成形板からなる一次硬化物を得た。
【0079】この一次硬化物の残存発熱量(E1)と樹
脂調製直後の樹脂の硬化発熱量(E0)をそれぞれ示差
操作熱量計(DSC)で測定し、一次硬化による硬化度
(%)を、{(E0)−(E1)}×100/E0の計
算式に従って求めた。結果を[表3]、[表4]、[表
5]及び[表6]に併記する。
【0080】又、この一次硬化物を脱型したときの脱型
性について、全く問題なく脱型できた・・・・◎、脱型可能
であった・・・・○、曲がり或いは割れを生じてうまく脱型
できなかった・・・・×により、[表3]、[表4]、[表
5]及び[表6]に示す。
【0081】続いて、前記脱型した80℃、5時間の一
次硬化による一次硬化物を、熱風炉中にフリースタンド
状態にして静置し、150分かけて200℃に昇温した
後、200℃、4時間の二次硬化に付した。なお、実施
例10によるものについては、80℃、7時間の一次硬
化による一次硬化物を、同様の条件による二次硬化に付
した。
【0082】各二次硬化物のガラス転移温度(℃)を、
150℃でのG' の値と共に、[表3]、[表4]、
[表5]及び[表6]に併記する。なお、150℃での
G' の値は、このエポキシ樹脂組成物を利用した複合材
料の高温での物性の目安になるものである。
【0083】
【表3】
【0084】
【表4】
【0085】
【表5】
【0086】
【表6】
【0087】比較例1 下記の[表7]の所定欄に記載した組成成分によるエポ
キシ樹脂組成物を、150℃のELM434にPESを
溶解した後すぐに70℃に冷却し、これにYD128と
DicyとPN23とを3本ロールで均一に混合した混
合物を添加して、均一に混合することによって調製し
た。
【0088】得られたエポキシ樹脂組成物の安定性を、
25℃、3週間放置したときの増粘の割合(粘度上昇率
倍率)によって評価した。結果を[表7]に併記する。
【0089】前記エポキシ樹脂組成物を60℃に加熱し
て脱泡した後、離型処理を施してあるガラス板で挟み、
室温から1時間かけて80℃に昇温し、80℃、5時
間、又は80℃、7時間の一次硬化に付し、2mm厚の
成形板からなる一次硬化物を得た。
【0090】この一次硬化物の残存発熱量(E1)と樹
脂調製直後の樹脂の硬化発熱量(E0)をそれぞれ示差
操作熱量計(DSC)で測定し、一次硬化による硬化度
(%)を、{(E0)−(E1)}×100/E0の計
算式に従って求めた。結果を[表7]に併記する。
【0091】又、この一次硬化物を脱型したときの脱型
性について、全く問題なく脱型できた・・・・◎、脱型可能
であった・・・・○、曲がり或いは割れを生じてうまく脱型
できなかった・・・・×によって、[表7]に示す。
【0092】続いて、前記脱型した80℃、5時間の一
次硬化による一次硬化物を、熱風炉中にフリースタンド
状態にして静置し、150分かけて200℃に昇温した
後、200℃、4時間の二次硬化に付した。この二次硬
化物のガラス転移温度(℃)を、150℃でのG' の値
と共に[表7]に示す。なお、このエポキシ樹脂組成物
による二次硬化物には、十分な耐熱性が得られなかっ
た。
【0093】比較例2 下記の[表7]の所定欄に記載した組成成分によるエポ
キシ樹脂組成物を、Ep604、Ep828及びN67
3を120℃で均一に混合した後、70℃に冷却し、P
DMU、DDS及びDicyを添加し、分散させて混合
することによって調製した。
【0094】得られたエポキシ樹脂組成物について、前
記比較例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物の安定
性、80℃での一次硬化による硬化物の硬化度及び脱型
性を評価した。結果を[表7]に併記する。なお、この
エポキシ樹脂組成物は、80℃、7時間の一次硬化によ
っても、硬化が不十分であり、脱型可能な硬化物になら
なかった。
【0095】比較例3 下記の[表7]の所定欄に記載した組成成分によるエポ
キシ樹脂組成物を、Ep604、Ep828及びN67
3を120℃で均一に混合した後、70℃に冷却し、P
DMU、DDS及びBF3MEAを添加し、分散させて
混合することによって調製した。
【0096】得られたエポキシ樹脂組成物について、前
記比較例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物の安定
性、80℃での一次硬化による硬化物の硬化度及び脱型
性を評価した。結果を[表7]に併記する。なお、この
エポキシ樹脂組成物は、80℃、7時間の一次硬化によ
っても、硬化が不十分であり、脱型可能な硬化物になら
なかった。
【0097】比較例4 下記の[表7]の所定欄に記載した組成成分によるエポ
キシ樹脂組成物を、Ep604、Ep828及びN67
3を120℃で均一に混合した後、70℃に冷却し、2
MZ、DDS及びPDMUを添加し、分散させて混合す
ることによって調製した。
【0098】得られたエポキシ樹脂組成物についての評
価を、前記比較例1と同様にして行なった。結果を[表
7]に併記する。なお、このエポキシ樹脂組成物は、2
5℃で3週間放置したときには既にゲル化しており、室
温での安定性が悪かった。
【0099】
【表7】
【0100】比較例5 下記の[表8]の所定欄に記載した組成成分によるエポ
キシ樹脂組成物を、Ep604、Ep828及びN67
3を120℃で均一に混合した後、70℃に冷却し、H
X3722、ジエチレントリアミン及びPDMUを添加
し、分散させて混合することによって調製した。
【0101】得られたエポキシ樹脂組成物についての評
価を、前記比較例1と同様にして行なった。結果を[表
8]に併記する。なお、このエポキシ樹脂組成物は、2
5℃で3週間放置したときには既にゲル化しており、室
温での安定性が悪かった。又、二次硬化物には、十分な
耐熱性が得られなかった。
【0102】比較例6 下記の[表8]の所定欄に記載した組成成分によるエポ
キシ樹脂組成物を、Ep604、Ep828及びN67
3を120℃で均一に混合した後、70℃に冷却し、H
X3722及びDDSを添加し、分散させて混合するこ
とによって調製した。
【0103】得られたエポキシ樹脂組成物について、前
記比較例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物の安定
性、80℃での一次硬化による硬化物の硬化度及び脱型
性を評価した。結果を[表8]に併記する。なお、この
エポキシ樹脂組成物は、80℃、7時間の一次硬化によ
っても、硬化が不十分であり、脱型可能な硬化物になら
なかった。
【0104】比較例7 下記の[表8]の所定欄に記載した組成成分によるエポ
キシ樹脂組成物を、Ep828とEp1001とを12
0℃で均一に混合した後、60℃に冷却し、HX372
2、DDS及びPDMUを添加、混合することによって
調製した。
【0105】得られたエポキシ樹脂組成物についての評
価を、比較例1と同様にして行なった。結果を[表8]
に併記する。なお、このエポキシ樹脂組成物による二次
硬化物には、十分な耐熱性が得られなかった。
【0106】
【表8】
【0107】実施例24 実施例1に説明したエポキシ樹脂組成物を60℃加熱
し、離型工程紙上に均一に塗工して、目付80g/m2
の樹脂フィルムを作製した。
【0108】次いで、前記樹脂フィルム上に、三菱レイ
ヨン株式会社製炭素繊維「TR50S−12L」を、炭
素繊維目付が150g/m2 になるように一方向に引き
揃えて並べた後、加熱、圧力することにより、エポキシ
樹脂組成物を炭素繊維に含浸させてなる一方向プリプレ
グを得た。このプリプレグは良好なタックとドレープ性
を有していた。
【0109】更に前記プリプレグを25℃で3週間放置
したときのプリプレグのタック、及びドレープ性の経時
変化を触感で評価したところ、3週間の放置後であって
もタック及びドレープ性の変化が少なく、良好なライフ
を有していた。
【0110】続いて、前記プリプレグを一方向に揃えて
14プライ積層し、真空バッグ成形法にて一次硬化させ
た。このときの一次硬化は、室温から80℃まで1時間
かけて昇温した後、80℃、5時間の硬化条件で行なっ
た。一次硬化によって得られた硬化物は、脱型が十分に
可能であって、且つ脱型後の一次硬化物をダイヤモンド
湿式カッターで切断しても、割れは生じなかった。又、
この一次硬化による硬化物のG' を測定することによっ
てガラス転移温度(℃)を求めたところ、94℃であっ
た。
【0111】更に前記脱型した一次硬化による硬化物
を、熱風炉中にフリースタンド状態にして静置し、3時
間かけて200℃に昇温した後、200℃、4時間の加
熱、及びそれに続いて室温まで3時間かけて冷却し、二
次硬化物を成形した。
【0112】得られた約2mm厚の成形板からなる二次
硬化物について、超音波探傷を実施したところ、ボイド
の発生がほとんどないことが分かった。更にこの硬化物
から試験体を切り出し、G' を測定することによってガ
ラス転移温度(℃)を求めたところ、188℃であっ
た。
【0113】実施例25 実施例5に説明したエポキシ樹脂組成物によって、前記
実施例24と同様にして一方向プリプレグを得た。この
プリプレグは良好なタックとドレープ性を有しており、
25℃で3週間放置した後でも、タック及びドレープ性
の変化は少なく、良好なライフを有していた。
【0114】更に前記実施例24と同様にして、前記一
方向プリプレグによる一次硬化物からなる成形板を成形
したところ、脱型が十分に可能であり、且つ脱型後の一
次硬化物をダイヤモンド湿式カッターで切断しても、割
れは生じなかった。又、この一次硬化による硬化物の
G' を測定することによってガラス転移温度(℃)を求
めたところ、98℃であった。
【0115】続いて、前記一次硬化物を、前記実施例2
4と同様にして二次硬化に付して得られた約2mm厚の
成形板からなる二次硬化物の超音波探傷を実施したとこ
ろ、多少のボイドの発生があることが分かったが、問題
のないものであった。更にこの硬化物から試験体を切り
出し、G' を測定することによってガラス転移温度
(℃)を求めたところ、202℃であった。
【0116】実施例26〜実施例30 [表9]の所定欄に示す組成成分による各エポキシ樹脂
組成物を調製した。なお、配合手順は、成分(a)のE
p604とEp157を120℃で溶解し、50℃まで
冷却した後に、成分(a)のEp828と成分(d)の
PDMUを3本ロールで均一に混合させた混合物と成分
(b)のHX3722、及び成分(c)のDDSを配合
し、その他の成分を含むときにはその他の成分を同時に
加えて、均一に混合した。
【0117】得られた各エポキシ樹脂組成物の60℃で
の粘度と、25℃、3週間放置したときの増粘の割合を
測定した。測定結果を[表9]に併記する。
【0118】更に、三菱レイヨン社製パイロフィル炭素
繊維TR50S−12Lを一方向に引き揃えた強化用繊
維材料に、ホットメルト法によって前記各エポキシ樹脂
組成物を含浸させ、繊維目付125g/m2 、樹脂含有
率30重量%のプリプレグを得た。
【0119】このプリプレグのタックを触感により評価
したところ、適度なタックを有しており、良好であっ
た。また、このプリプレグを25℃で20日後放置した
後でも、適度なタックを有しており、このプリプレグの
ライフは20日以上であることが確認できた。
【0120】続いて前記プリプレグを用いた一方向2m
m厚の成形板を、80℃、5時間の一次硬化によって成
形したところ、一次硬化物の脱型性は良好であった。
【0121】又脱型した後の一次硬化物を更に200
℃、4時間での二次硬化に付して得られた二次硬化物と
してのCFRPパネルのTg、及び該CFRPパネルの
150℃の30℃に対する弾性率保持率(%)を評価し
た。なお、150℃の30℃に対する弾性率保持率
(%)は、30℃でのG' の値と150℃でのG' の値
を測定し、「(150℃でのG' )×100/(30℃
でのG' )」によって求めた。更に、前記CFRPパネ
ルの150℃でのILSSを、ASTMのD2344−
84に準拠して測定したところ、高温での機械物性に優
れていることが確認できた。結果を[表9]に併せて示
す。
【0122】
【表9】
【0123】比較例8 下記の[表10]の所定欄に記載した組成成分によるエ
ポキシ樹脂組成物を調製した後に、該エポキシ樹脂組成
物を使用して、実施例24と同様にして、プリプレグの
調製、及び該プリプレグの一次硬化と二次硬化とを行な
って、硬化物を得た。
【0124】この比較例8によるエポキシ樹脂組成物に
は、成分(c)が配合されていないために、二次硬化に
よる硬化物のTgが低く、又150℃の30℃に対する
弾性率保持率(%)も低く、二次硬化による硬化物であ
るCFRPパネルの150℃でのILSSも低く、高温
での機械物性が低い。
【0125】比較例9 下記の[表10]の所定欄に記載した組成成分によるエ
ポキシ樹脂組成物を調製した後に、該エポキシ樹脂組成
物を使用して、実施例24と同様にしてプリプレグを調
製し、更に実施例26と同様にして、該プリプレグによ
る一次硬化を行なって、一次硬化物を成形した。
【0126】この比較例9によるエポキシ樹脂組成物に
は、成分(b)が配合されてなく、100℃以下では活
性化しないジシアンジアミド(Dicy)からなる硬化
剤が配合されているために、一次硬化物が脱型できる程
には硬化しなかった。
【0127】比較例10 下記の[表10]の所定欄に記載した組成成分によるエ
ポキシ樹脂組成物を調製した後に、該エポキシ樹脂組成
物を使用して、実施例24と同様にしてプリプレグを調
製し、更に実施例26と同様にして、該プリプレグによ
る一次硬化を行なって、一次硬化物を成形した。
【0128】この比較例10によるエポキシ樹脂組成物
には、成分(b)が配合されてなく、100℃以下では
活性化しない三フッ化ホウ素モノメチルアミン錯体(B
F3MEA)からなる硬化剤が配合されているために、
一次硬化物が脱型できる程には硬化しなかった。
【0129】比較例11 下記の[表10]の所定欄に記載した組成成分によるエ
ポキシ樹脂組成物を調製した後に、該エポキシ樹脂組成
物を使用して、実施例24と同様にして、プリプレグの
調製、及び該プリプレグの一次硬化と二次硬化とを行な
って、硬化物を得た。
【0130】この比較例11によるエポキシ樹脂組成物
には、成分(b)が配合されてなく、100℃以下で活
性化するが室温での潜在性を有していない2−メチルイ
ミダゾール(2MZ)からなる硬化剤が配合されている
ために、エポキシ樹脂組成物の増粘が著しく、25℃、
3週間後にはゲル化してしまった。従って、プリプレグ
のライフが短く、3日後にはタックが完全になくなって
おり、ライフ切れの状態になった。
【0131】
【表10】
【0132】比較例12 下記の[表11]の所定欄に記載した組成成分によるエ
ポキシ樹脂組成物を調製した後に、該エポキシ樹脂組成
物を使用して、実施例24と同様にして、プリプレグの
調製、及び該プリプレグの一次硬化と二次硬化とを行な
って、硬化物を得た。
【0133】この比較例12によるエポキシ樹脂組成物
には、成分(c)が配合されてなく、ジエチレントリア
ミンが硬化剤として配合されているために、二次硬化に
よって得られた硬化物のTgが低く、又150℃の30
℃に対する弾性率保持率(%)も低い。更に、二次硬化
によって得られた硬化物からなるCFRPパネルの15
0℃でのILSSも低く、高温での機械物性が低い。
【0134】更に、エポキシ樹脂組成物自体の増粘が著
しく、25℃、3週間後にはゲル化してしまった。従っ
て、プリプレグのライフが短く、7日後にはタックが完
全になくなっており、ライフ切れの状態になった。
【0135】比較例13 [表11]の所定欄に記載した組成成分によるエポキシ
樹脂組成物を調製した後に、該エポキシ樹脂組成物を使
用して、実施例24と同様にしてプリプレグを調製し、
更に実施例26と同様にして、該プリプレグによる一次
硬化を行なって、一次硬化物を成形した。
【0136】この比較例13によるエポキシ樹脂組成物
には、成分(d)が配合されていないために、一次硬化
物が脱型できる程には硬化しなかった。
【0137】比較例14 [表11]の所定欄に記載した組成成分によるエポキシ
樹脂組成物を調製した後に、該エポキシ樹脂組成物を使
用して、実施例24と同様にして、プリプレグの調製、
及び該プリプレグの一次硬化と二次硬化とを行なって、
硬化物を得た。
【0138】この比較例14によるエポキシ樹脂組成物
には、3官能以上のエポキシ樹脂が配合されていないた
めに、二次硬化によって得られた硬化物のTgが低く、
又150℃の30℃に対する弾性率保持率(%)も低
い。更に、二次硬化によって得られた硬化物からなるC
FRPパネルの150℃でのILSSも低く、高温での
機械物性が低い。
【0139】
【表11】
【0140】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明のエ
ポキシ樹脂組成物は、室温での安定性に優れており、し
かも低温での硬化性を有するものであるために比較的低
温での一次硬化によって脱型可能な硬化物にするのに長
時間を要することがなく、又、低温で一次硬化させた硬
化物を脱型後に高温で二次硬化させることによって優れ
た耐熱性を具備する硬化物になる。
【0141】又本発明のプリプレグは、前記諸特性を有
するエポキシ樹脂組成物を強化用繊維材料に含浸させた
ものであるので、長いワーキングライフと良好な取り扱
い性とを有しており、比較的低温での一次硬化によって
脱型可能な硬度に短時間で硬化し、かつその後の高温で
の二次硬化によって、優れた耐熱性を具備する硬化成形
物になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】硬化物のガラス状態でのグラフの接線と転移領
域での接線の交点から、該硬化物のTgを求めるときに
使用するグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F072 AA04 AA07 AB10 AB22 AD23 AD27 AD30 AE01 AE02 AF15 AF28 AF31 AG03 AG20 AG22 AH04 AH43 AK02 AK05 AK14 AL01 AL17 4J036 AF06 AH02 AH07 DC02 DC10 DC25 DC41 HA07 JA11

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記成分(a)〜成分(d)を含有する
    ことを特徴とするエポキシ樹脂組成物。 成分(a)・・・・3官能以上のエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂 成分(b)・・・・100℃以下で活性化する加熱硬化型の潜在性硬化剤 成分(c)・・・・芳香族アミン系硬化剤 成分(d)・・・・芳香族系ウレア化合物
  2. 【請求項2】 成分(a)が、3官能以上のエポキシ樹
    脂を40質量%以上含有するエポキシ樹脂であることを
    特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 成分(a)が、分子中に窒素原子を有す
    るエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂であることを特
    徴とする請求項1又は請求項2に記載のエポキシ樹脂組
    成物。
  4. 【請求項4】 分子中に窒素原子を有するエポキシ樹脂
    が、テトラグリシジルジアミノフェニルメタンを含有す
    るエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項3に記載
    のエポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 分子中に窒素原子を有するエポキシ樹脂
    が、トリグリシジルアミノフェノールを含有するエポキ
    シ樹脂であることを特徴とする請求項3に記載のエポキ
    シ樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 成分(a)が、ノボラック型エポキシ樹
    脂を含有するエポキシ樹脂であることを特徴とする請求
    項1〜請求項5のうちのいずれかの1項に記載のエポキ
    シ樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 ノボラック型エポキシ樹脂が、クレゾー
    ルノボラック型エポキシ樹脂、下記の[化1]で示され
    るノボラック型エポキシ樹脂、及び下記の[化2]で示
    されるノボラック型エポキシ樹脂のうちの少なくとも1
    種類であることを特徴とする請求項6に記載のエポキシ
    樹脂組成物。 【化1】 [式中、n は0以上の数を表わす] 【化2】 [式中、n は0以上の数を表わす]
  8. 【請求項8】 成分(b)が、イミダゾール系触媒を含
    有する潜在性硬化剤であることを特徴とする請求項1〜
    請求項7のうちのいずれかの1項に記載のエポキシ樹脂
    組成物。
  9. 【請求項9】 イミダゾール系触媒を含有する潜在性硬
    化剤が、マイクロカプセル型の潜在性硬化剤であること
    を特徴とする請求項8に記載のエポキシ樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 成分(a)と成分(b)との配合割合
    が、成分(a)を100質量部としたときに、成分
    (b)が3〜40質量部であることを特徴とする請求項
    1〜請求項9のうちのいずれかの1項に記載のエポキシ
    樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 成分(a)のエポキシ樹脂のエポキシ
    基のモル数と成分(c)の芳香族アミン系硬化剤の活性
    水素のモル数との比が1/0.1〜1/0.7であるこ
    とを特徴とする請求項1〜請求項10のうちのいずれか
    の1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 成分(a)と成分(d)との配合割合
    が、成分(a)を100質量部としたときに、成分
    (d)が2〜10質量部であることを特徴とする請求項
    1〜請求項11のうちのいずれかの1項に記載のエポキ
    シ樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 60℃での粘度が10〜700Pa・
    secであることを特徴とする請求項1〜請求項12の
    うちのいずれかの1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  14. 【請求項14】 下記の(1)〜(3)を満足すること
    を特徴とする請求項1〜請求項13のうちのいずれかの
    1項に記載のエポキシ樹脂組成物。 (1)調製した後に25℃で3週間放置したときの粘度
    上昇率(倍)が、調製直後の粘度の2倍以下である。 (2)80℃以下の温度での10時間以内の一次硬化に
    よって得られる硬化物の硬化度が70%以上である。 (3)一次硬化に続く130℃以上での二次硬化によっ
    て得られる硬化物のガラス転移温度が150℃以上であ
    る。
  15. 【請求項15】 請求項1〜請求項14のうちいずれか
    の1項に記載のエポキシ樹脂組成物を強化用繊維材料に
    含浸してなることを特徴とするエポキシ樹脂組成物を使
    用したプリプレグ。
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