JP2003066920A - 表示装置およびその駆動方法 - Google Patents
表示装置およびその駆動方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 表示装置において、コスト削減とフリッカ低
減を両立させる。 【解決手段】 共通電極電位が2つの電位レベルをとる
ことによって容量結合駆動されるアクティブマトリクス
型の液晶表示装置において、画素電極に映像信号が書き
込まれる前に表示をリセットするための電圧を書き込
む。こうすると、映像信号書き込み時の液晶容量を表示
階調によらず一定の状態にすることができ、液晶の誘電
率異方性に起因するフリッカを削減することができる。
減を両立させる。 【解決手段】 共通電極電位が2つの電位レベルをとる
ことによって容量結合駆動されるアクティブマトリクス
型の液晶表示装置において、画素電極に映像信号が書き
込まれる前に表示をリセットするための電圧を書き込
む。こうすると、映像信号書き込み時の液晶容量を表示
階調によらず一定の状態にすることができ、液晶の誘電
率異方性に起因するフリッカを削減することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パーソナルコンピ
ュータ用のモニターディスプレイ、携帯端末等の表示画
面として用いられる表示素子、液晶テレビ、液晶プロジ
ェクタ等の表示装置とその駆動方法に関するものであ
る。
ュータ用のモニターディスプレイ、携帯端末等の表示画
面として用いられる表示素子、液晶テレビ、液晶プロジ
ェクタ等の表示装置とその駆動方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】表示媒質として液晶を用いた表示装置
は、薄型軽量のフラットディスプレイとして、各種電子
機器の表示装置に広く用いられている。なかでも、薄膜
トランジスタなどのスイッチング素子を用いたアクティ
ブマトリクス型の液晶表示装置はその優れた画像特性に
より、パーソナルコンピュータ用のモニターディスプレ
イや、液晶テレビなどへの応用が盛んである。
は、薄型軽量のフラットディスプレイとして、各種電子
機器の表示装置に広く用いられている。なかでも、薄膜
トランジスタなどのスイッチング素子を用いたアクティ
ブマトリクス型の液晶表示装置はその優れた画像特性に
より、パーソナルコンピュータ用のモニターディスプレ
イや、液晶テレビなどへの応用が盛んである。
【0003】アクティブマトリクス型の表示装置として
は種々の構成があるが、そのうちの一例を図16に示
す。この表示装置101は大きく分けて走査信号駆動回
路102、映像信号駆動回路103、共通電極電位制御
回路109、および表示素子106から構成されてい
る。
は種々の構成があるが、そのうちの一例を図16に示
す。この表示装置101は大きく分けて走査信号駆動回
路102、映像信号駆動回路103、共通電極電位制御
回路109、および表示素子106から構成されてい
る。
【0004】表示素子106は、マトリクス状に配置さ
れた複数の画素電極108と、これらに対応して配列さ
れた複数のスイッチング素子107と、画素電極のマト
リクス状配列に対応して行方向(水平方向)に配置され
た複数の走査電極104および共通電極110と、列方
向(垂直方向)に配置された複数の映像信号電極105
を主な構成要素としている。映像信号電極105は、ス
イッチング素子107を介して画素電極108に電気的
に接続されている。また、画素電極108に対向して対
向電極(図示せず)が備え付けられていて、画素電極と
対向電極の間に表示媒質(液晶)が挿入されている。ス
イッチング素子107としては、主に薄膜トランジスタ
(Thin Film Transistor;TF
T)が用いられる。
れた複数の画素電極108と、これらに対応して配列さ
れた複数のスイッチング素子107と、画素電極のマト
リクス状配列に対応して行方向(水平方向)に配置され
た複数の走査電極104および共通電極110と、列方
向(垂直方向)に配置された複数の映像信号電極105
を主な構成要素としている。映像信号電極105は、ス
イッチング素子107を介して画素電極108に電気的
に接続されている。また、画素電極108に対向して対
向電極(図示せず)が備え付けられていて、画素電極と
対向電極の間に表示媒質(液晶)が挿入されている。ス
イッチング素子107としては、主に薄膜トランジスタ
(Thin Film Transistor;TF
T)が用いられる。
【0005】映像信号駆動回路103は、表示素子10
6の複数の映像信号電極105に映像信号電圧を印加す
る駆動回路である。また、走査信号駆動回路102は、
表示素子106の複数の走査電極104にスイッチング
素子107の導通を制御する走査信号電圧を印加する駆
動回路である。共通電極電位制御回路109は、共通電
極110の電位を制御する回路である。
6の複数の映像信号電極105に映像信号電圧を印加す
る駆動回路である。また、走査信号駆動回路102は、
表示素子106の複数の走査電極104にスイッチング
素子107の導通を制御する走査信号電圧を印加する駆
動回路である。共通電極電位制御回路109は、共通電
極110の電位を制御する回路である。
【0006】このようなアクティブマトリクス型表示装
置の1つの駆動方法として、特開平5−143021号
公報に開示された駆動方法がある。これは、共通電極と
画素電極の間に蓄積容量を形成し、共通電極の電位を走
査電極の電位に同期させて変動させ、蓄積容量を介して
画素電極電位に容量結合電圧を重畳するものである。こ
の電圧重畳の効果により、映像信号電圧(ソース電圧)
の低電圧化、駆動電力の低減、応答速度の向上、駆動信
頼性の向上などの効果を得ている。
置の1つの駆動方法として、特開平5−143021号
公報に開示された駆動方法がある。これは、共通電極と
画素電極の間に蓄積容量を形成し、共通電極の電位を走
査電極の電位に同期させて変動させ、蓄積容量を介して
画素電極電位に容量結合電圧を重畳するものである。こ
の電圧重畳の効果により、映像信号電圧(ソース電圧)
の低電圧化、駆動電力の低減、応答速度の向上、駆動信
頼性の向上などの効果を得ている。
【0007】以下、この駆動方法について詳細説明す
る。
る。
【0008】図17は共通電極110と画素電極108
の間に蓄積容量111(Cstで表す)を形成した表示
装置の1画素の等価回路を示すものである。これは、図
16の破線で囲んだ部分に対応する。この図17におい
て、Cgdはゲート・ドレイン間容量(走査電極−画素
電極間容量ともいう。Cgdは必ずしも意図的に付加し
なくてもよいが、そのような場合であっても浮遊容量と
して存在する)、Clcは画素電極と表示媒質を挟んで
対向する対向電極との間に形成される画素電極−対向電
極間容量(主に液晶によって形成される容量であるが、
それ以外の媒質が電気的に直列あるいは並列に付加され
ることにより生じる容量成分もある。あるいは意図的に
このような容量を付加することもある)であり、Vg
(n)は走査電極の電位、Vsは映像信号電位、Vdは
画素電極の電位、Vfは対向電極の電位、Vc(n)は
共通電極の電位を示している。なお、画素配列はマトリ
クス状に配列されていて、そのうちのn番目の行に注目
しているという意味でVgとVcには特に添字nを付記
している。
の間に蓄積容量111(Cstで表す)を形成した表示
装置の1画素の等価回路を示すものである。これは、図
16の破線で囲んだ部分に対応する。この図17におい
て、Cgdはゲート・ドレイン間容量(走査電極−画素
電極間容量ともいう。Cgdは必ずしも意図的に付加し
なくてもよいが、そのような場合であっても浮遊容量と
して存在する)、Clcは画素電極と表示媒質を挟んで
対向する対向電極との間に形成される画素電極−対向電
極間容量(主に液晶によって形成される容量であるが、
それ以外の媒質が電気的に直列あるいは並列に付加され
ることにより生じる容量成分もある。あるいは意図的に
このような容量を付加することもある)であり、Vg
(n)は走査電極の電位、Vsは映像信号電位、Vdは
画素電極の電位、Vfは対向電極の電位、Vc(n)は
共通電極の電位を示している。なお、画素配列はマトリ
クス状に配列されていて、そのうちのn番目の行に注目
しているという意味でVgとVcには特に添字nを付記
している。
【0009】図18は図16および図17で表される表
示装置を駆動した場合の各部の電位を説明するためのも
のである。奇数フレームにおいて、映像信号電圧はVs
ig(−)という値をとるとする。走査電極電位Vg
(n)がオンレベルVgonになると、TFTが導通状
態(ON状態)となり、画素電極電位VdがVsig
(−)に充電される。このとき、共通電極の電位はVc
(+)という値である。次いで、走査電極電位Vg
(n)をオフレベルVgoffとしてTFTを非導通状
態(OFF状態)にする。この後、共通電極の電位をV
c(+)からVcoffへと下向きに変化させると、画
素電極電位Vdには、この電圧差に比例した結合電圧が
下向きに重畳される(図中の矢印)。
示装置を駆動した場合の各部の電位を説明するためのも
のである。奇数フレームにおいて、映像信号電圧はVs
ig(−)という値をとるとする。走査電極電位Vg
(n)がオンレベルVgonになると、TFTが導通状
態(ON状態)となり、画素電極電位VdがVsig
(−)に充電される。このとき、共通電極の電位はVc
(+)という値である。次いで、走査電極電位Vg
(n)をオフレベルVgoffとしてTFTを非導通状
態(OFF状態)にする。この後、共通電極の電位をV
c(+)からVcoffへと下向きに変化させると、画
素電極電位Vdには、この電圧差に比例した結合電圧が
下向きに重畳される(図中の矢印)。
【0010】偶数フレームにおいて、映像信号電圧はV
sig(+)という値をとるとする。画素電極電位Vd
をVsig(+)に充電するときには、今度は共通電極
の電位をVc(−)としておく。充電が終わって走査電
極電位が立ち下がった後に、共通電極の電位をVc
(−)からVcoffへと上向きに変化させる。画素電
極電位Vdには、この電圧差に比例した結合電圧が上向
きに重畳される。
sig(+)という値をとるとする。画素電極電位Vd
をVsig(+)に充電するときには、今度は共通電極
の電位をVc(−)としておく。充電が終わって走査電
極電位が立ち下がった後に、共通電極の電位をVc
(−)からVcoffへと上向きに変化させる。画素電
極電位Vdには、この電圧差に比例した結合電圧が上向
きに重畳される。
【0011】なお、いずれの場合も、走査電極電位が変
化するときにもゲート・ドレイン間容量Cgdを介した
結合電圧により若干、画素電極電位Vdが変化する(こ
れは一般に突き抜け、あるいはフィードスルーと呼ばれ
る)。
化するときにもゲート・ドレイン間容量Cgdを介した
結合電圧により若干、画素電極電位Vdが変化する(こ
れは一般に突き抜け、あるいはフィードスルーと呼ばれ
る)。
【0012】以上の結果、映像信号電極には小さな振幅
(Vsig(+)とVsig(−))の電圧を与えなが
ら、画素電極にはこれより大きな振幅(Vdo(+)と
Vdo(−))の電圧を印加することができる(映像信
号振幅増大効果)。例えば、出力電圧幅5ボルトの映像
信号用ICを用いて、液晶に印加する電圧幅を10ボル
トや15ボルトに拡大でき、低耐圧ICを用いながら、
その耐圧以上の電圧で液晶を駆動することが可能にな
る。
(Vsig(+)とVsig(−))の電圧を与えなが
ら、画素電極にはこれより大きな振幅(Vdo(+)と
Vdo(−))の電圧を印加することができる(映像信
号振幅増大効果)。例えば、出力電圧幅5ボルトの映像
信号用ICを用いて、液晶に印加する電圧幅を10ボル
トや15ボルトに拡大でき、低耐圧ICを用いながら、
その耐圧以上の電圧で液晶を駆動することが可能にな
る。
【0013】本駆動方法において、共通電極電位制御回
路109は共通電極110に対して3種類の異なる値
(Vc(+)、Vc(−)、およびVcoff)を出力
している。このうち、Vc(+)およびVc(−)を共
通電極補償電圧(補償電位)と呼ぶことにする。
路109は共通電極110に対して3種類の異なる値
(Vc(+)、Vc(−)、およびVcoff)を出力
している。このうち、Vc(+)およびVc(−)を共
通電極補償電圧(補償電位)と呼ぶことにする。
【0014】さて、共通電極電位制御回路が3種の電圧
値を出力するためにはこれらの電圧値に対応した3種類
の電源(電源回路)が必要であり、ややコストが高くな
るという問題があった。そこで、電源が2種類だけで済
み(従ってコストが低下し)、しかも上述の映像信号振
幅増大効果が得られる駆動方法も考案された。これを図
19に示す。図19からわかるように、共通電極電位制
御回路は共通電極に対してVc1およびVc2(Vc1
<Vc2)という2種類のみの電圧値を出力している。
そして、奇数フレームにおいては共通電極電位をVc2
→Vc1に変化させるときに、偶数フレームにおいては
Vc1→Vc2に変化させるときに、蓄積容量を介した
結合電圧が画素電極電位Vdに重畳されている。すなわ
ち、図18の場合と同様に映像信号振幅増大効果が得ら
れている。
値を出力するためにはこれらの電圧値に対応した3種類
の電源(電源回路)が必要であり、ややコストが高くな
るという問題があった。そこで、電源が2種類だけで済
み(従ってコストが低下し)、しかも上述の映像信号振
幅増大効果が得られる駆動方法も考案された。これを図
19に示す。図19からわかるように、共通電極電位制
御回路は共通電極に対してVc1およびVc2(Vc1
<Vc2)という2種類のみの電圧値を出力している。
そして、奇数フレームにおいては共通電極電位をVc2
→Vc1に変化させるときに、偶数フレームにおいては
Vc1→Vc2に変化させるときに、蓄積容量を介した
結合電圧が画素電極電位Vdに重畳されている。すなわ
ち、図18の場合と同様に映像信号振幅増大効果が得ら
れている。
【0015】次に、アクティブマトリクス型の表示装置
の別の構成例を図20に示す。この表示装置101は大
きく分けて走査信号駆動回路102、映像信号駆動回路
103、および表示素子106から構成されている。共
通電極電位制御回路および共通電極が無いことを除け
ば、図16と同じ基本構成である。
の別の構成例を図20に示す。この表示装置101は大
きく分けて走査信号駆動回路102、映像信号駆動回路
103、および表示素子106から構成されている。共
通電極電位制御回路および共通電極が無いことを除け
ば、図16と同じ基本構成である。
【0016】このアクティブマトリクス型表示装置の1
つの駆動方法として、特開平2−913号公報やエーエ
ム・エルシーディー95(AM−LCD95)の59〜
62ページに開示された容量結合駆動法がある。これ
は、前段あるいは後段の走査電極と画素電極の間に蓄積
容量を形成し、走査電極の電位をステップ状に変動さ
せ、蓄積容量を介して画素電極電位に容量結合電圧を重
畳するものである。この電圧重畳の効果により、やはり
映像信号電圧(ソース電圧)の低電圧化、駆動電力の低
減、応答速度の向上、駆動信頼性の向上などの効果を得
ている。
つの駆動方法として、特開平2−913号公報やエーエ
ム・エルシーディー95(AM−LCD95)の59〜
62ページに開示された容量結合駆動法がある。これ
は、前段あるいは後段の走査電極と画素電極の間に蓄積
容量を形成し、走査電極の電位をステップ状に変動さ
せ、蓄積容量を介して画素電極電位に容量結合電圧を重
畳するものである。この電圧重畳の効果により、やはり
映像信号電圧(ソース電圧)の低電圧化、駆動電力の低
減、応答速度の向上、駆動信頼性の向上などの効果を得
ている。
【0017】以下、この駆動方法について詳細説明す
る。
る。
【0018】図21は前段の走査電極112と画素電極
108の間に蓄積容量111(Cstで表す)を形成し
た表示装置の1画素の等価回路を示すものである(以
降、このように注目している画素電極に対して蓄積容量
を介して接続される前段の走査電極112を補償走査電
極と呼ぶ)。これは、図20の破線で囲んだ部分に対応
する。この図21は、蓄積容量の接続先が補償走査電極
112であることを除けば、図17とほぼ同じである。
なお、Vg(n−1)は補償走査電極の電位を示してい
る。
108の間に蓄積容量111(Cstで表す)を形成し
た表示装置の1画素の等価回路を示すものである(以
降、このように注目している画素電極に対して蓄積容量
を介して接続される前段の走査電極112を補償走査電
極と呼ぶ)。これは、図20の破線で囲んだ部分に対応
する。この図21は、蓄積容量の接続先が補償走査電極
112であることを除けば、図17とほぼ同じである。
なお、Vg(n−1)は補償走査電極の電位を示してい
る。
【0019】図22は図20および図21で表される表
示装置を駆動した場合の各部の電位を説明するためのも
のである。奇数フレームにおいて、映像信号電圧はVs
ig(−)という値をとるとする。当段の走査電極電位
Vg(n)がオンレベルVgonになると、TFTが導
通状態(ON状態)となり、画素電極電位VdがVsi
g(−)に充電される。このとき、補償走査電極の電位
はVge(+)という値である。次いで、当段の走査電
極電位Vg(n)をオフレベルとしてTFTを非導通状
態(OFF状態)にする。この後、補償走査電極の電位
をVge(+)からVgoffへと下向きに変化させる
と、画素電極電位Vdには、この電圧差に比例した結合
電圧が下向きに重畳される(図中の矢印)。
示装置を駆動した場合の各部の電位を説明するためのも
のである。奇数フレームにおいて、映像信号電圧はVs
ig(−)という値をとるとする。当段の走査電極電位
Vg(n)がオンレベルVgonになると、TFTが導
通状態(ON状態)となり、画素電極電位VdがVsi
g(−)に充電される。このとき、補償走査電極の電位
はVge(+)という値である。次いで、当段の走査電
極電位Vg(n)をオフレベルとしてTFTを非導通状
態(OFF状態)にする。この後、補償走査電極の電位
をVge(+)からVgoffへと下向きに変化させる
と、画素電極電位Vdには、この電圧差に比例した結合
電圧が下向きに重畳される(図中の矢印)。
【0020】偶数フレームにおいて、映像信号電圧はV
sig(+)という値をとるとする。画素電極電位Vd
をVsig(+)に充電するときには、今度は補償走査
電極の電位をVge(−)としておく。充電が終わって
当段の走査電極電位が立ち下がった後に、補償走査電極
の電位をVge(−)からVgoffへと上向きに変化
させる。画素電極電位Vdには、この電圧差に比例した
結合電圧が上向きに重畳される。
sig(+)という値をとるとする。画素電極電位Vd
をVsig(+)に充電するときには、今度は補償走査
電極の電位をVge(−)としておく。充電が終わって
当段の走査電極電位が立ち下がった後に、補償走査電極
の電位をVge(−)からVgoffへと上向きに変化
させる。画素電極電位Vdには、この電圧差に比例した
結合電圧が上向きに重畳される。
【0021】なお、いずれの場合も、当段の走査電極電
位が変化するときにもゲート・ドレイン間容量Cgdを
介した結合電圧により若干、画素電極電位Vdが変化し
ている(これは一般に突き抜け、あるいはフィードスル
ーと呼ばれる)。
位が変化するときにもゲート・ドレイン間容量Cgdを
介した結合電圧により若干、画素電極電位Vdが変化し
ている(これは一般に突き抜け、あるいはフィードスル
ーと呼ばれる)。
【0022】以上の結果、映像信号電極には小さな振幅
(Vsig(+)とVsig(−))の電圧を与えなが
ら、画素電極にはこれより大きな振幅(Vdo(+)と
Vdo(−))の電圧を印加することができる(映像信
号振幅増大効果)。例えば、出力電圧幅5ボルトの映像
信号用ICを用いて、液晶に印加する電圧幅を10ボル
トや15ボルトに拡大でき、低耐圧ICを用いながら、
その耐圧以上の電圧で液晶を駆動することが可能にな
る。
(Vsig(+)とVsig(−))の電圧を与えなが
ら、画素電極にはこれより大きな振幅(Vdo(+)と
Vdo(−))の電圧を印加することができる(映像信
号振幅増大効果)。例えば、出力電圧幅5ボルトの映像
信号用ICを用いて、液晶に印加する電圧幅を10ボル
トや15ボルトに拡大でき、低耐圧ICを用いながら、
その耐圧以上の電圧で液晶を駆動することが可能にな
る。
【0023】本駆動方法において、走査信号駆動回路1
02は走査電極104に対して、TFTをON状態にす
る電圧Vgon以外に3種類の異なる値(Vge
(+)、Vge(−)、およびVgoff)を出力して
いる。このうち、Vge(+)およびVge(−)を走
査電極補償電圧(補償電位)と呼ぶことにする。
02は走査電極104に対して、TFTをON状態にす
る電圧Vgon以外に3種類の異なる値(Vge
(+)、Vge(−)、およびVgoff)を出力して
いる。このうち、Vge(+)およびVge(−)を走
査電極補償電圧(補償電位)と呼ぶことにする。
【0024】さて、走査信号駆動回路がVgonを含め
て4種の電圧値を出力するためにはこれらの電圧値に対
応した4種類の電源(電源回路)が必要であり、ややコ
ストが高くなるという問題があった。そこで、電源が3
種類(Vgonを除いて2種類)だけで済み(従ってコ
ストが低下し)、しかも上述の映像信号振幅増大効果が
得られる駆動方法も考案された。これを図23に示す。
図23からわかるように、走査信号駆動回路は走査電極
に対してVgon、Vgoff1およびVgoff2
(Vgoff1<Vgoff2)という3種類のみの電
圧値を出力している。そして、偶数フレームにおいては
補償走査電極電位は変化せず電圧の重畳は起こらない
が、奇数フレームにおいては補償走査電極電位をVgo
ff2→Vgoff1に変化させるときに蓄積容量を介
した結合電圧が画素電極電位Vdに重畳されている。す
なわち、奇数フレームでの結合電圧だけで映像信号振幅
増大効果を得ている。
て4種の電圧値を出力するためにはこれらの電圧値に対
応した4種類の電源(電源回路)が必要であり、ややコ
ストが高くなるという問題があった。そこで、電源が3
種類(Vgonを除いて2種類)だけで済み(従ってコ
ストが低下し)、しかも上述の映像信号振幅増大効果が
得られる駆動方法も考案された。これを図23に示す。
図23からわかるように、走査信号駆動回路は走査電極
に対してVgon、Vgoff1およびVgoff2
(Vgoff1<Vgoff2)という3種類のみの電
圧値を出力している。そして、偶数フレームにおいては
補償走査電極電位は変化せず電圧の重畳は起こらない
が、奇数フレームにおいては補償走査電極電位をVgo
ff2→Vgoff1に変化させるときに蓄積容量を介
した結合電圧が画素電極電位Vdに重畳されている。す
なわち、奇数フレームでの結合電圧だけで映像信号振幅
増大効果を得ている。
【0025】次に、表示装置でカラー表示を行うことに
ついて述べる。
ついて述べる。
【0026】表示装置においてカラー映像表示を行うた
めの方式としては種々のものがあるが、現在の直視型液
晶ディスプレイパネルの主流は、画素毎に赤、緑、青の
カラーフィルタを備え付けることによりカラー表示を行
う方式(カラーフィルタ方式)である。これに対して次
世代ディスプレイのカラー表示方式として注目されてい
るのが、異なった分光スペクトルを有する複数の光源を
時分割的に点灯させることによりカラー表示を行う方式
(フィールドシーケンシャル方式)である。
めの方式としては種々のものがあるが、現在の直視型液
晶ディスプレイパネルの主流は、画素毎に赤、緑、青の
カラーフィルタを備え付けることによりカラー表示を行
う方式(カラーフィルタ方式)である。これに対して次
世代ディスプレイのカラー表示方式として注目されてい
るのが、異なった分光スペクトルを有する複数の光源を
時分割的に点灯させることによりカラー表示を行う方式
(フィールドシーケンシャル方式)である。
【0027】図24(a)にフィールドシーケンシャル
方式を用いた表示装置の具体的な構成の一例を、図24
(b)にこのときの光源の点灯プロファイルを示す。図
24(b)のように映像の1表示周期(1フレーム)
を、例えば3つのサブフレーム(フィールド、単位区間
などとも呼ぶ)に分割し、それぞれのサブフレームで
赤、緑、および青の光源201r、201g、201b
を点灯させる。そして、これに同期させて所望の映像の
各色成分を表示媒質(液晶)を用いた表示部202に提
示する。ここで、表示の制御はアクティブマトリクスア
レイなどからなる表示制御部205によって行う。観測
者204は、このときに表示部202を透過して出力さ
れる出力光203を観測する。各色光源の切り替えが十
分速ければ、視覚の積分効果によって、観測者204の
目には提示画像がカラー画像として認識される。
方式を用いた表示装置の具体的な構成の一例を、図24
(b)にこのときの光源の点灯プロファイルを示す。図
24(b)のように映像の1表示周期(1フレーム)
を、例えば3つのサブフレーム(フィールド、単位区間
などとも呼ぶ)に分割し、それぞれのサブフレームで
赤、緑、および青の光源201r、201g、201b
を点灯させる。そして、これに同期させて所望の映像の
各色成分を表示媒質(液晶)を用いた表示部202に提
示する。ここで、表示の制御はアクティブマトリクスア
レイなどからなる表示制御部205によって行う。観測
者204は、このときに表示部202を透過して出力さ
れる出力光203を観測する。各色光源の切り替えが十
分速ければ、視覚の積分効果によって、観測者204の
目には提示画像がカラー画像として認識される。
【0028】カラーフィルタ方式においては、光源から
の光がカラーフィルタを通過するときに特定の波長スペ
クトル成分だけが選択透過されて他の波長スペクトル成
分は吸収されてしまうので、光利用効率が低いという課
題があった。これに対してフィールドシーケンシャル方
式においては、各色光源からの光を特にカラーフィルタ
を通過させることなしにそのまま用いることができるの
で、高い光利用効率が得られ、従って低消費電力化が可
能であるという利点がある。さらには光源として発光ス
ペクトルの急峻な(すなわち色純度の高い)赤、緑、あ
るいは青色の発光ダイオード(LED)などを用いるこ
とができるので、色再現性の高い映像が得られるという
利点もある。また、カラーフィルタ方式においてはそれ
ぞれ赤、緑、青フィルタを備えた3つの画素が1つの表
示単位となっていたが、フィールドシーケンシャル方式
では1画素が1つの表示単位となるので高精細化が可能
であるという利点もある。さらには、カラーフィルタを
用いない分だけコストを削減できるという利点もある。
の光がカラーフィルタを通過するときに特定の波長スペ
クトル成分だけが選択透過されて他の波長スペクトル成
分は吸収されてしまうので、光利用効率が低いという課
題があった。これに対してフィールドシーケンシャル方
式においては、各色光源からの光を特にカラーフィルタ
を通過させることなしにそのまま用いることができるの
で、高い光利用効率が得られ、従って低消費電力化が可
能であるという利点がある。さらには光源として発光ス
ペクトルの急峻な(すなわち色純度の高い)赤、緑、あ
るいは青色の発光ダイオード(LED)などを用いるこ
とができるので、色再現性の高い映像が得られるという
利点もある。また、カラーフィルタ方式においてはそれ
ぞれ赤、緑、青フィルタを備えた3つの画素が1つの表
示単位となっていたが、フィールドシーケンシャル方式
では1画素が1つの表示単位となるので高精細化が可能
であるという利点もある。さらには、カラーフィルタを
用いない分だけコストを削減できるという利点もある。
【0029】表示制御部205は一般にアクティブマト
リクスアレイによって構成されることが多いが、このア
クティブマトリクスアレイの駆動は先の図18、図1
9、あるいは図22、図23で述べたような方法であっ
てもよいが、他の電極から結合電圧を与えない最も一般
的な駆動方法であってもよい。例えば、図17にある1
画素の等価回路が与えられ、図25に示すような駆動を
行う場合(その場合、図16で示した共通電極電位制御
回路は必ずしも必要ではない)、あるいは図21にある
1画素の等価回路が与えられ、図26に示すような駆動
を行う場合などである。以下、そのような場合について
考える。
リクスアレイによって構成されることが多いが、このア
クティブマトリクスアレイの駆動は先の図18、図1
9、あるいは図22、図23で述べたような方法であっ
てもよいが、他の電極から結合電圧を与えない最も一般
的な駆動方法であってもよい。例えば、図17にある1
画素の等価回路が与えられ、図25に示すような駆動を
行う場合(その場合、図16で示した共通電極電位制御
回路は必ずしも必要ではない)、あるいは図21にある
1画素の等価回路が与えられ、図26に示すような駆動
を行う場合などである。以下、そのような場合について
考える。
【0030】表示装置において、フィールドシーケンシ
ャル方式で走査を行う場合(一般的な例。例えば、小林
駿介 責任編集 シリーズ 先端ディスプレイ技術3
「次世代液晶ディスプレイ」(共立出版株式会社)の第
8章に記述されている)の詳細を、図27を用いて説明
する。図27には、表示領域の上部、中央、および下部
における走査電極電位の変化とそのときの各部における
液晶の透過率応答、および各光源の点灯輝度のタイミン
グを示している。先にも述べたように、1フレームは各
色に対応する3つのサブフレームに分割される。ここで
は、それぞれ赤サブフレーム、緑サブフレーム、および
青サブフレームと呼ぶことにする。そして、各サブフレ
ームはさらに書き込み期間、および読み出し期間に分割
される。
ャル方式で走査を行う場合(一般的な例。例えば、小林
駿介 責任編集 シリーズ 先端ディスプレイ技術3
「次世代液晶ディスプレイ」(共立出版株式会社)の第
8章に記述されている)の詳細を、図27を用いて説明
する。図27には、表示領域の上部、中央、および下部
における走査電極電位の変化とそのときの各部における
液晶の透過率応答、および各光源の点灯輝度のタイミン
グを示している。先にも述べたように、1フレームは各
色に対応する3つのサブフレームに分割される。ここで
は、それぞれ赤サブフレーム、緑サブフレーム、および
青サブフレームと呼ぶことにする。そして、各サブフレ
ームはさらに書き込み期間、および読み出し期間に分割
される。
【0031】まず、書き込み期間においては表示領域が
上部から下部に向かって走査され、走査電極電位が順次
選択状態になる。そして、これに対応して各行の画素ス
イッチング素子が導通状態になり、映像信号駆動回路か
ら映像信号電極を介して各行の画素電極に順次映像信号
電圧が印加され、かつ保持されていく。このときに、液
晶の透過率はその映像信号電圧に応じた値を示すのであ
るが、液晶のもつ粘性のため目標とする透過率に到達す
るには若干の時間がかかり、図27のようになだらかに
変化する波形となる。次の読み出し期間においては特に
走査は行われず、各画素電極には映像信号電圧が保持さ
れるが、この期間に各光源が点灯する。これにより、液
晶に書き込まれた2次元的な画像情報(この場合、透過
率の2次元的な分布)が読み出される。これを赤、緑、
および青の各サブフレームについて繰り返し、さらにこ
れをフレーム毎に繰り返せばカラー画像を動画として得
ることができる。
上部から下部に向かって走査され、走査電極電位が順次
選択状態になる。そして、これに対応して各行の画素ス
イッチング素子が導通状態になり、映像信号駆動回路か
ら映像信号電極を介して各行の画素電極に順次映像信号
電圧が印加され、かつ保持されていく。このときに、液
晶の透過率はその映像信号電圧に応じた値を示すのであ
るが、液晶のもつ粘性のため目標とする透過率に到達す
るには若干の時間がかかり、図27のようになだらかに
変化する波形となる。次の読み出し期間においては特に
走査は行われず、各画素電極には映像信号電圧が保持さ
れるが、この期間に各光源が点灯する。これにより、液
晶に書き込まれた2次元的な画像情報(この場合、透過
率の2次元的な分布)が読み出される。これを赤、緑、
および青の各サブフレームについて繰り返し、さらにこ
れをフレーム毎に繰り返せばカラー画像を動画として得
ることができる。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】第一に、図16の構成
で共通電極電位制御回路を用いて映像信号振幅増大効果
を得る方式について説明し、特に図19のような駆動方
式を用いれば共通電極電位制御回路の出力電位レベルを
2つにまで減らすことができ、コスト削減が可能である
ことを示した。しかし、実際の表示装置においてこの駆
動を適用してみると、フリッカ(ちらつき)が顕著に表
れた。
で共通電極電位制御回路を用いて映像信号振幅増大効果
を得る方式について説明し、特に図19のような駆動方
式を用いれば共通電極電位制御回路の出力電位レベルを
2つにまで減らすことができ、コスト削減が可能である
ことを示した。しかし、実際の表示装置においてこの駆
動を適用してみると、フリッカ(ちらつき)が顕著に表
れた。
【0033】一般的に、フリッカは偶数フレームと奇数
フレームで明るさが異なることにより発生する(例え
ば、表示装置をフレーム周波数60Hzで駆動する場
合、このちらつきの周波数は30Hzとなり、人間の目
に認識されるようになる)。そこで対向電極の電位Vf
を調整することにより、偶奇フレーム間(すなわち正負
極性間)での液晶への印加電圧のバランスをとり、フリ
ッカを抑えることは可能である。
フレームで明るさが異なることにより発生する(例え
ば、表示装置をフレーム周波数60Hzで駆動する場
合、このちらつきの周波数は30Hzとなり、人間の目
に認識されるようになる)。そこで対向電極の電位Vf
を調整することにより、偶奇フレーム間(すなわち正負
極性間)での液晶への印加電圧のバランスをとり、フリ
ッカを抑えることは可能である。
【0034】しかし本構成の場合、ある映像信号レベル
に対してフリッカが極小になるように対向電極の電位を
調整しても、別の映像信号レベルにするとフリッカが現
れてしまったり、黒レベルが浮いてコントラストが出な
かったりするという現象が現れた。
に対してフリッカが極小になるように対向電極の電位を
調整しても、別の映像信号レベルにするとフリッカが現
れてしまったり、黒レベルが浮いてコントラストが出な
かったりするという現象が現れた。
【0035】第二に、図20の構成で映像信号振幅増大
効果を得る方式について説明し、特に図23のような駆
動方式を用いれば、走査信号駆動回路の出力電位レベル
を3つにまで減らすことができ、コスト削減が可能であ
ることを示した。しかし、実際の表示装置においてこの
駆動を適用してみると、やはりフリッカ(ちらつき)が
顕著に表れた。
効果を得る方式について説明し、特に図23のような駆
動方式を用いれば、走査信号駆動回路の出力電位レベル
を3つにまで減らすことができ、コスト削減が可能であ
ることを示した。しかし、実際の表示装置においてこの
駆動を適用してみると、やはりフリッカ(ちらつき)が
顕著に表れた。
【0036】この場合も第一の場合と同様に、ある映像
信号レベルに対してフリッカが極小になるように対向電
極の電位を調整しても、別の映像信号レベルにするとフ
リッカが現れてしまったり、黒レベルが浮いてコントラ
ストが出なかったりした。
信号レベルに対してフリッカが極小になるように対向電
極の電位を調整しても、別の映像信号レベルにするとフ
リッカが現れてしまったり、黒レベルが浮いてコントラ
ストが出なかったりした。
【0037】第三に、図24の構成でフィールドシーケ
ンシャル方式について説明し、図27の駆動によりカラ
ー表示が得られることを示した。しかし、実際の表示装
置においてこの駆動を適用してみると、出力画像の色再
現性がそれほど高くなかった。また、出力画像が所望通
りの色にならず、色ずれが起こるという現象も観測され
た。
ンシャル方式について説明し、図27の駆動によりカラ
ー表示が得られることを示した。しかし、実際の表示装
置においてこの駆動を適用してみると、出力画像の色再
現性がそれほど高くなかった。また、出力画像が所望通
りの色にならず、色ずれが起こるという現象も観測され
た。
【0038】本発明では、
(1)第一および第二の構成におけるフリッカを改善す
る (2)第三の構成における色再現性を向上させ色ずれを
抑制するという上記に述べたような2点に関して解決策
を与えるものである。
る (2)第三の構成における色再現性を向上させ色ずれを
抑制するという上記に述べたような2点に関して解決策
を与えるものである。
【0039】
【課題を解決するための手段】以上の(1)の課題を解
決するための本発明の第1の表示装置は、表示素子と、
映像信号駆動回路と、走査信号駆動回路と、共通電極電
位制御回路を備えた表示装置であって、前記表示素子
は、表示媒質と、マトリクス状に配置された複数の画素
電極と、これに接続されたスイッチング素子と、走査電
極と、映像信号電極と、共通電極を有していて、前記画
素電極と前記共通電極との間に蓄積容量を有し、前記共
通電極電位制御回路は、前記共通電極に対して2種類の
異なる電圧値を出力するものであって、かつ、前記画素
電極の電位に前記蓄積容量を介した結合電圧を重畳する
ものであり、前記映像信号駆動回路は、前記映像信号電
極に対して、映像信号電圧の他に、表示をリセットする
ための電圧も出力することを特徴とする表示装置であ
る。
決するための本発明の第1の表示装置は、表示素子と、
映像信号駆動回路と、走査信号駆動回路と、共通電極電
位制御回路を備えた表示装置であって、前記表示素子
は、表示媒質と、マトリクス状に配置された複数の画素
電極と、これに接続されたスイッチング素子と、走査電
極と、映像信号電極と、共通電極を有していて、前記画
素電極と前記共通電極との間に蓄積容量を有し、前記共
通電極電位制御回路は、前記共通電極に対して2種類の
異なる電圧値を出力するものであって、かつ、前記画素
電極の電位に前記蓄積容量を介した結合電圧を重畳する
ものであり、前記映像信号駆動回路は、前記映像信号電
極に対して、映像信号電圧の他に、表示をリセットする
ための電圧も出力することを特徴とする表示装置であ
る。
【0040】ここで、画素電極に映像信号電圧が書き込
まれる直前は、表示をリセットするための電圧が書き込
まれた状態であることが望ましい。
まれる直前は、表示をリセットするための電圧が書き込
まれた状態であることが望ましい。
【0041】また、表示媒質には正負両極性の電圧が印
加され、共通電極電位制御回路が共通電極に対して出力
する2種類の電圧をそれぞれVc1、Vc2(Vc1<
Vc2)とするとき、前記共通電極電位制御回路は、前
記表示媒質に正極性の電圧を印加するための映像信号電
圧を画素電極に書き込んだ後に前記共通電極の電位をV
c1からVc2に変化させ、かつ、前記表示媒質に負極
性の電圧を印加するための映像信号電圧を前記画素電極
に書き込んだ後に前記共通電極の電位をVc2からVc
1に変化させるものであることが望ましい。
加され、共通電極電位制御回路が共通電極に対して出力
する2種類の電圧をそれぞれVc1、Vc2(Vc1<
Vc2)とするとき、前記共通電極電位制御回路は、前
記表示媒質に正極性の電圧を印加するための映像信号電
圧を画素電極に書き込んだ後に前記共通電極の電位をV
c1からVc2に変化させ、かつ、前記表示媒質に負極
性の電圧を印加するための映像信号電圧を前記画素電極
に書き込んだ後に前記共通電極の電位をVc2からVc
1に変化させるものであることが望ましい。
【0042】あるいは、前記共通電極電位制御回路は、
前記表示媒質に正極性の電圧を印加するための映像信号
電圧を画素電極に書き込んだ後に前記共通電極の電位を
Vc1からVc2に変化させ、かつ、前記表示媒質に負
極性の電圧を印加するための映像信号電圧を前記画素電
極に書き込んだ直後には前記共通電極の電位を変化させ
ないものであってもよい。
前記表示媒質に正極性の電圧を印加するための映像信号
電圧を画素電極に書き込んだ後に前記共通電極の電位を
Vc1からVc2に変化させ、かつ、前記表示媒質に負
極性の電圧を印加するための映像信号電圧を前記画素電
極に書き込んだ直後には前記共通電極の電位を変化させ
ないものであってもよい。
【0043】又あるいは、前記共通電極電位制御回路
は、前記表示媒質に正極性の電圧を印加するための映像
信号電圧を画素電極に書き込んだ直後には前記共通電極
の電位を変化させず、かつ、前記表示媒質に負極性の電
圧を印加するための映像信号電圧を前記画素電極に書き
込んだ後に前記共通電極の電位をVc2からVc1に変
化させるものであってもよい。
は、前記表示媒質に正極性の電圧を印加するための映像
信号電圧を画素電極に書き込んだ直後には前記共通電極
の電位を変化させず、かつ、前記表示媒質に負極性の電
圧を印加するための映像信号電圧を前記画素電極に書き
込んだ後に前記共通電極の電位をVc2からVc1に変
化させるものであってもよい。
【0044】また、表示媒質の分子長軸方向に印加され
る電界に対して感受する誘電率をε//、それに垂直な
方向の電界に対して感受する誘電率をε⊥とし、Δε=
ε//−ε⊥とおくとき、|Δε|/ε⊥の値は1.1
5以上であることが望ましい。
る電界に対して感受する誘電率をε//、それに垂直な
方向の電界に対して感受する誘電率をε⊥とし、Δε=
ε//−ε⊥とおくとき、|Δε|/ε⊥の値は1.1
5以上であることが望ましい。
【0045】また、(1)の課題を解決するための本発
明の第2の表示装置は、表示素子と、映像信号駆動回路
と、走査信号駆動回路を備えた表示装置であって、前記
表示素子は、表示媒質と、マトリクス状に配置された複
数の画素電極と、これに接続されたスイッチング素子
と、走査電極と、映像信号電極を有していて、前記画素
電極と、前記走査電極のうち当段の走査電極を除くもの
との間に蓄積容量を有し、前記走査信号駆動回路は、前
記走査電極に対して、前記スイッチング素子を導通状態
にする電圧値以外に2種類の異なる電圧値を出力するも
のであって、かつ、前記画素電極の電位に前記蓄積容量
を介した結合電圧を重畳するものであり、前記映像信号
駆動回路は、前記映像信号電極に対して、映像信号電圧
の他に、表示をリセットするための電圧も出力すること
を特徴とする表示装置である。
明の第2の表示装置は、表示素子と、映像信号駆動回路
と、走査信号駆動回路を備えた表示装置であって、前記
表示素子は、表示媒質と、マトリクス状に配置された複
数の画素電極と、これに接続されたスイッチング素子
と、走査電極と、映像信号電極を有していて、前記画素
電極と、前記走査電極のうち当段の走査電極を除くもの
との間に蓄積容量を有し、前記走査信号駆動回路は、前
記走査電極に対して、前記スイッチング素子を導通状態
にする電圧値以外に2種類の異なる電圧値を出力するも
のであって、かつ、前記画素電極の電位に前記蓄積容量
を介した結合電圧を重畳するものであり、前記映像信号
駆動回路は、前記映像信号電極に対して、映像信号電圧
の他に、表示をリセットするための電圧も出力すること
を特徴とする表示装置である。
【0046】ここで、画素電極に映像信号電圧が書き込
まれる直前は、表示をリセットするための電圧が書き込
まれた状態であることが望ましい。
まれる直前は、表示をリセットするための電圧が書き込
まれた状態であることが望ましい。
【0047】また、表示媒質には正負両極性の電圧が印
加され、走査信号駆動回路が走査電極に対して、前記ス
イッチング素子を導通状態にする電圧値以外に出力する
2種類の電圧をそれぞれVgoff1、Vgoff2
(Vgoff1<Vgoff2)とし、ある画素電極に
対して蓄積容量を介して接続される当段以外の走査電極
を補償走査電極と呼ぶとき、前記走査信号駆動回路は、
前記表示媒質に正極性の電圧を印加するための映像信号
電圧を画素電極に書き込んだ後に前記補償走査電極の電
位をVgoff1からVgoff2に変化させ、かつ、
前記表示媒質に負極性の電圧を印加するための映像信号
電圧を前記画素電極に書き込んだ直後には前記補償走査
電極の電位を変化させないものであることが望ましい。
加され、走査信号駆動回路が走査電極に対して、前記ス
イッチング素子を導通状態にする電圧値以外に出力する
2種類の電圧をそれぞれVgoff1、Vgoff2
(Vgoff1<Vgoff2)とし、ある画素電極に
対して蓄積容量を介して接続される当段以外の走査電極
を補償走査電極と呼ぶとき、前記走査信号駆動回路は、
前記表示媒質に正極性の電圧を印加するための映像信号
電圧を画素電極に書き込んだ後に前記補償走査電極の電
位をVgoff1からVgoff2に変化させ、かつ、
前記表示媒質に負極性の電圧を印加するための映像信号
電圧を前記画素電極に書き込んだ直後には前記補償走査
電極の電位を変化させないものであることが望ましい。
【0048】あるいは、前記走査信号駆動回路は、前記
表示媒質に正極性の電圧を印加するための映像信号電圧
を画素電極に書き込んだ直後には前記補償走査電極の電
位を変化させず、かつ、前記表示媒質に負極性の電圧を
印加するための映像信号電圧を前記画素電極に書き込ん
だ後に前記補償走査電極の電位をVgoff2からVg
off1に変化させるものであってもよい。
表示媒質に正極性の電圧を印加するための映像信号電圧
を画素電極に書き込んだ直後には前記補償走査電極の電
位を変化させず、かつ、前記表示媒質に負極性の電圧を
印加するための映像信号電圧を前記画素電極に書き込ん
だ後に前記補償走査電極の電位をVgoff2からVg
off1に変化させるものであってもよい。
【0049】また、表示媒質はノーマリホワイト型であ
り、表示をリセットするための信号の電圧振幅は、表示
のための映像信号電圧の最大振幅以上であることが望ま
しい。
り、表示をリセットするための信号の電圧振幅は、表示
のための映像信号電圧の最大振幅以上であることが望ま
しい。
【0050】あるいは、表示媒質はノーマリブラック型
であり、表示をリセットするための信号の電圧振幅は、
表示のための映像信号電圧の最小振幅以下であってもよ
い。
であり、表示をリセットするための信号の電圧振幅は、
表示のための映像信号電圧の最小振幅以下であってもよ
い。
【0051】なお、表示媒質は液晶であることが望まし
く、特にOCBモードの液晶であればさらに望ましい。
く、特にOCBモードの液晶であればさらに望ましい。
【0052】また、(2)の課題を解決するための本発
明の第3の表示装置は、表示素子と、映像信号駆動回路
と、走査信号駆動回路と、共通電極電位制御回路を備え
た表示装置であって、異なった分光スペクトルを有する
複数の光源を時分割的に点灯させることによりカラー表
示を行う前記表示装置であって、前記表示素子は、表示
媒質と、マトリクス状に配置された複数の画素電極と、
これに接続されたスイッチング素子と、走査電極と、映
像信号電極と、共通電極を有していて、前記画素電極と
前記共通電極との間に蓄積容量を有し、前記共通電極電
位制御回路は、前記画素電極の電位に前記蓄積容量を介
した結合電圧を重畳するものであり、あるサブフレーム
で前記映像信号駆動回路から前記映像信号電極に印加さ
れる映像信号電圧は、その前のサブフレームでの前記表
示媒質の容量に応じて補正されたものであることを特徴
とする表示装置である。
明の第3の表示装置は、表示素子と、映像信号駆動回路
と、走査信号駆動回路と、共通電極電位制御回路を備え
た表示装置であって、異なった分光スペクトルを有する
複数の光源を時分割的に点灯させることによりカラー表
示を行う前記表示装置であって、前記表示素子は、表示
媒質と、マトリクス状に配置された複数の画素電極と、
これに接続されたスイッチング素子と、走査電極と、映
像信号電極と、共通電極を有していて、前記画素電極と
前記共通電極との間に蓄積容量を有し、前記共通電極電
位制御回路は、前記画素電極の電位に前記蓄積容量を介
した結合電圧を重畳するものであり、あるサブフレーム
で前記映像信号駆動回路から前記映像信号電極に印加さ
れる映像信号電圧は、その前のサブフレームでの前記表
示媒質の容量に応じて補正されたものであることを特徴
とする表示装置である。
【0053】ここで、あるサブフレームで映像信号駆動
回路から映像信号電極に印加される映像信号電圧の絶対
値は、前サブフレームでの表示媒質への印加電圧絶対値
が最小の場合に比べて、前サブフレームでの前記表示媒
質への印加電圧絶対値が最大の場合の方が小さい値にな
るように、補正されていることが望ましい。
回路から映像信号電極に印加される映像信号電圧の絶対
値は、前サブフレームでの表示媒質への印加電圧絶対値
が最小の場合に比べて、前サブフレームでの前記表示媒
質への印加電圧絶対値が最大の場合の方が小さい値にな
るように、補正されていることが望ましい。
【0054】そして、映像信号電圧を書き込んだ後の当
段の走査電極の電位変化をΔVg、共通電極の電位変化
をΔVc、蓄積容量をCst、走査電極−画素電極間容
量をCgdとしてΔQcc=CgdΔVg+CstΔV
cとおき、あるサブフレームである階調を表示しようと
するとき、その階調にするための表示媒質への印加電圧
をVlc、画素電極に電気的に接続される容量の総和
の、表示媒質への印加電圧がVlcの場合の値をCto
tとし、画素電極に電気的に接続される容量の総和の、
前サブフレームにおける値をCtot’とするとき、映
像信号駆動回路が映像信号に対して与える映像信号電圧
は、表示媒質の対向側の電位を基準として、概略[Ct
otVlc−ΔQcc]/Ctot’で与えられること
が望ましい。
段の走査電極の電位変化をΔVg、共通電極の電位変化
をΔVc、蓄積容量をCst、走査電極−画素電極間容
量をCgdとしてΔQcc=CgdΔVg+CstΔV
cとおき、あるサブフレームである階調を表示しようと
するとき、その階調にするための表示媒質への印加電圧
をVlc、画素電極に電気的に接続される容量の総和
の、表示媒質への印加電圧がVlcの場合の値をCto
tとし、画素電極に電気的に接続される容量の総和の、
前サブフレームにおける値をCtot’とするとき、映
像信号駆動回路が映像信号に対して与える映像信号電圧
は、表示媒質の対向側の電位を基準として、概略[Ct
otVlc−ΔQcc]/Ctot’で与えられること
が望ましい。
【0055】また、(2)の課題を解決するための本発
明の第4の表示装置は、表示素子と、映像信号駆動回路
と、走査信号駆動回路とを備えた表示装置であって、異
なった分光スペクトルを有する複数の光源を時分割的に
点灯させることによりカラー表示を行う前記表示装置で
あって、前記表示素子は、表示媒質と、マトリクス状に
配置された複数の画素電極と、これに接続されたスイッ
チング素子と、走査電極と、映像信号電極を有してい
て、前記画素電極と、前記走査電極のうち当段の走査電
極を除くものとの間に蓄積容量を有し、前記走査信号駆
動回路は、前記画素電極の電位に前記蓄積容量を介した
結合電圧を重畳するものであり、あるサブフレームで前
記映像信号駆動回路から前記映像信号電極に印加される
映像信号電圧は、その前のサブフレームでの前記表示媒
質の容量に応じて補正されたものであることを特徴とす
る表示装置である。
明の第4の表示装置は、表示素子と、映像信号駆動回路
と、走査信号駆動回路とを備えた表示装置であって、異
なった分光スペクトルを有する複数の光源を時分割的に
点灯させることによりカラー表示を行う前記表示装置で
あって、前記表示素子は、表示媒質と、マトリクス状に
配置された複数の画素電極と、これに接続されたスイッ
チング素子と、走査電極と、映像信号電極を有してい
て、前記画素電極と、前記走査電極のうち当段の走査電
極を除くものとの間に蓄積容量を有し、前記走査信号駆
動回路は、前記画素電極の電位に前記蓄積容量を介した
結合電圧を重畳するものであり、あるサブフレームで前
記映像信号駆動回路から前記映像信号電極に印加される
映像信号電圧は、その前のサブフレームでの前記表示媒
質の容量に応じて補正されたものであることを特徴とす
る表示装置である。
【0056】ここで、あるサブフレームで映像信号駆動
回路から映像信号電極に印加される映像信号電圧の絶対
値は、前サブフレームでの表示媒質への印加電圧絶対値
が最小の場合に比べて、前サブフレームでの前記表示媒
質への印加電圧絶対値が最大の場合の方が小さい値にな
るように、補正されていることが望ましい。
回路から映像信号電極に印加される映像信号電圧の絶対
値は、前サブフレームでの表示媒質への印加電圧絶対値
が最小の場合に比べて、前サブフレームでの前記表示媒
質への印加電圧絶対値が最大の場合の方が小さい値にな
るように、補正されていることが望ましい。
【0057】また、映像信号電圧を書き込んだ後の当段
の走査電極の電位変化をΔVg、蓄積容量を介して接続
される当段以外の走査電極の電位変化をΔVgp、蓄積
容量をCst、当段の走査電極−画素電極間容量をCg
dとしてΔQcc=CgdΔVg+CstΔVgpとお
き、あるサブフレームである階調を表示しようとすると
き、その階調にするための表示媒質への印加電圧をVl
c、画素電極に電気的に接続される容量の総和の、表示
媒質への印加電圧がVlcの場合の値をCtotとし、
画素電極に電気的に接続される容量の総和の、前サブフ
レームにおける値をCtot’とするとき、映像信号駆
動回路が映像信号に対して与える映像信号電圧は、表示
媒質の対向側の電位を基準として、概略[CtotVl
c−ΔQcc]/Ctot’で与えられることが望まし
い。
の走査電極の電位変化をΔVg、蓄積容量を介して接続
される当段以外の走査電極の電位変化をΔVgp、蓄積
容量をCst、当段の走査電極−画素電極間容量をCg
dとしてΔQcc=CgdΔVg+CstΔVgpとお
き、あるサブフレームである階調を表示しようとすると
き、その階調にするための表示媒質への印加電圧をVl
c、画素電極に電気的に接続される容量の総和の、表示
媒質への印加電圧がVlcの場合の値をCtotとし、
画素電極に電気的に接続される容量の総和の、前サブフ
レームにおける値をCtot’とするとき、映像信号駆
動回路が映像信号に対して与える映像信号電圧は、表示
媒質の対向側の電位を基準として、概略[CtotVl
c−ΔQcc]/Ctot’で与えられることが望まし
い。
【0058】なお、第3および第4の表示装置におい
て、表示媒質は液晶であることが望ましく、さらにOC
Bモードの液晶であればより好ましい。
て、表示媒質は液晶であることが望ましく、さらにOC
Bモードの液晶であればより好ましい。
【0059】また、(2)の課題を解決するための本発
明の第5の表示装置は、表示素子と、映像信号駆動回路
と、走査信号駆動回路とを備えた表示装置であって、異
なった分光スペクトルを有する複数の光源を時分割的に
点灯させることによりカラー表示を行う前記表示装置で
あって、前記表示素子は、表示媒質と、マトリクス状に
配置された複数の画素電極と、これに接続されたスイッ
チング素子と、走査電極と、映像信号電極を有してい
て、前記表示媒質の分子長軸方向に印加される電界に対
して感受する誘電率をε//、それに垂直な方向の電界
に対して感受する誘電率をε⊥とし、Δε=ε//−ε
⊥とおくとき、|Δε|/ε⊥の値は1.2以上であ
り、前記映像信号駆動回路は、前記映像信号電極に対し
て、映像信号電圧書き込みの前に表示をリセットするた
めの電圧を出力することを特徴とする表示装置である。
明の第5の表示装置は、表示素子と、映像信号駆動回路
と、走査信号駆動回路とを備えた表示装置であって、異
なった分光スペクトルを有する複数の光源を時分割的に
点灯させることによりカラー表示を行う前記表示装置で
あって、前記表示素子は、表示媒質と、マトリクス状に
配置された複数の画素電極と、これに接続されたスイッ
チング素子と、走査電極と、映像信号電極を有してい
て、前記表示媒質の分子長軸方向に印加される電界に対
して感受する誘電率をε//、それに垂直な方向の電界
に対して感受する誘電率をε⊥とし、Δε=ε//−ε
⊥とおくとき、|Δε|/ε⊥の値は1.2以上であ
り、前記映像信号駆動回路は、前記映像信号電極に対し
て、映像信号電圧書き込みの前に表示をリセットするた
めの電圧を出力することを特徴とする表示装置である。
【0060】その他、以上に述べてきた各表示装置に対
応した駆動方法も(1)あるいは(2)を解決するため
の手段としてあげることができる。
応した駆動方法も(1)あるいは(2)を解決するため
の手段としてあげることができる。
【0061】
【発明の実施の形態】(第一の構成におけるフリッカ発
生現象の分析)まず、第一の構成で発生したフリッカの
発生原因の分析を行った。その結果、フリッカの発生は
表示媒質、すなわち液晶が持っている誘電率異方性に起
因していることが明らかになった。これを以下に説明す
る。
生現象の分析)まず、第一の構成で発生したフリッカの
発生原因の分析を行った。その結果、フリッカの発生は
表示媒質、すなわち液晶が持っている誘電率異方性に起
因していることが明らかになった。これを以下に説明す
る。
【0062】液晶分子は図28(a)に示すように細長
い棒状のモデルで表現されるが、一般に、分子長軸方向
に印加される電界に対して感受する誘電率ε//とそれ
に垂直な方向に印加される電界に対して感受される誘電
率ε⊥が異なっている。このような性質は誘電率異方性
と呼ばれる。Δε=ε//−ε⊥とおいたときにΔεが
正の場合と負の場合があり得るが、それぞれ正の誘電率
異方性、および負の誘電率異方性と呼ばれる。
い棒状のモデルで表現されるが、一般に、分子長軸方向
に印加される電界に対して感受する誘電率ε//とそれ
に垂直な方向に印加される電界に対して感受される誘電
率ε⊥が異なっている。このような性質は誘電率異方性
と呼ばれる。Δε=ε//−ε⊥とおいたときにΔεが
正の場合と負の場合があり得るが、それぞれ正の誘電率
異方性、および負の誘電率異方性と呼ばれる。
【0063】Δεが正の場合の例として、ツイステッド
ネマティック(Twisted Nematic;T
N)液晶がある。TN液晶は一般に、両基板の電極間に
電界を印加しない状態では図28(b)のようにねじれ
た状態で配列している(上側の界面では紙面内で横方向
に、下側の界面では紙面に垂直な方向に配列してい
る)。この場合、上下基板間のどの位置においても液晶
分子は基板面に平行な方向を向いているので、両基板間
に電圧を印加した場合には誘電率ε⊥が感受され、両基
板間の液晶容量はClc⊥=ε⊥×(液晶層の面積)/
(液晶層の厚さ)となる。次に、電極間の印加電圧を大
きくしていくと、液晶は図28(c)に示すように、次
第に基板面に垂直な方向を向いていく。そうすると両基
板間で誘電率ε//を感受する部分が次第に増えてい
き、究極的には液晶容量はClc//=ε//×(液晶
層の面積)/(液晶層の厚さ)に近づいていく。従っ
て、液晶容量は図29に示すように、印加電圧に応じて
変化することになる。今はε//>ε⊥の場合を考えて
いるので、印加電圧とともに容量は大きくなっていく。
実際は印加電圧が0であっても一部の液晶分子が基板面
に垂直な面内から若干ずれた方向を向いていたり、ある
いは大きな電圧をかけても界面付近の液晶の配向が固定
されたままであったりすることもあるので、容量値は必
ずしも電圧0でClc⊥、十分大きい電圧でClc//
となるわけではないが、少なくとも印加電圧とともに容
量は増加していく。
ネマティック(Twisted Nematic;T
N)液晶がある。TN液晶は一般に、両基板の電極間に
電界を印加しない状態では図28(b)のようにねじれ
た状態で配列している(上側の界面では紙面内で横方向
に、下側の界面では紙面に垂直な方向に配列してい
る)。この場合、上下基板間のどの位置においても液晶
分子は基板面に平行な方向を向いているので、両基板間
に電圧を印加した場合には誘電率ε⊥が感受され、両基
板間の液晶容量はClc⊥=ε⊥×(液晶層の面積)/
(液晶層の厚さ)となる。次に、電極間の印加電圧を大
きくしていくと、液晶は図28(c)に示すように、次
第に基板面に垂直な方向を向いていく。そうすると両基
板間で誘電率ε//を感受する部分が次第に増えてい
き、究極的には液晶容量はClc//=ε//×(液晶
層の面積)/(液晶層の厚さ)に近づいていく。従っ
て、液晶容量は図29に示すように、印加電圧に応じて
変化することになる。今はε//>ε⊥の場合を考えて
いるので、印加電圧とともに容量は大きくなっていく。
実際は印加電圧が0であっても一部の液晶分子が基板面
に垂直な面内から若干ずれた方向を向いていたり、ある
いは大きな電圧をかけても界面付近の液晶の配向が固定
されたままであったりすることもあるので、容量値は必
ずしも電圧0でClc⊥、十分大きい電圧でClc//
となるわけではないが、少なくとも印加電圧とともに容
量は増加していく。
【0064】なお、液晶に印加する電圧が正負いずれの
極性であっても、その絶対値が等しければ配向状態はほ
ぼ同じである(厳密に言えば、両界面の電極材料の違い
や残留イオンの影響、あるいはフレクソエレクトリック
効果などによって正負非対称になることもあり得るが、
以降ではこれらについては無視し、正負対称であるもの
とみなす)。よって、図29において横軸は液晶印加電
圧の絶対値であると考えればよい。
極性であっても、その絶対値が等しければ配向状態はほ
ぼ同じである(厳密に言えば、両界面の電極材料の違い
や残留イオンの影響、あるいはフレクソエレクトリック
効果などによって正負非対称になることもあり得るが、
以降ではこれらについては無視し、正負対称であるもの
とみなす)。よって、図29において横軸は液晶印加電
圧の絶対値であると考えればよい。
【0065】Δεが負になるような液晶の典型例は、垂
直配向(Vertical Alignment;V
A)液晶である。この場合は電圧を印加しない状態で液
晶分子が基板面にほぼ垂直になるように配向されていて
(図28(d))、液晶容量が極小となる。電圧を印加
していくと液晶分子が次第に基板面に垂直な方向を向く
ようになり(図28(e))、液晶容量は次第に大きく
なっていく。
直配向(Vertical Alignment;V
A)液晶である。この場合は電圧を印加しない状態で液
晶分子が基板面にほぼ垂直になるように配向されていて
(図28(d))、液晶容量が極小となる。電圧を印加
していくと液晶分子が次第に基板面に垂直な方向を向く
ようになり(図28(e))、液晶容量は次第に大きく
なっていく。
【0066】したがって、Δεの正負にかかわらず印加
電圧とともに容量は増加していくことになり、液晶容量
の印加電圧(絶対値)に対する依存性は図29のように
表すことができる。
電圧とともに容量は増加していくことになり、液晶容量
の印加電圧(絶対値)に対する依存性は図29のように
表すことができる。
【0067】以上、TN液晶とVA液晶について述べた
が、これら以外でも、面内スイッチング(In Pla
ne Switching;IPS)液晶やMVA(マ
ルチドメインVA)液晶やPVA(Patterned
VA)液晶やOCB(Optically Comp
ensated Bend;光学補償ベンド)液晶やS
TN(Super Twisted Nematic)
液晶やASV液晶やホモジニアス配向液晶等を含むEC
B(電界制御複屈折)型液晶やGH(ゲスト・ホスト)
液晶や高分子分散型液晶やディスコテック液晶などにお
いて、印加電圧とともに容量は増加していくといえる。
が、これら以外でも、面内スイッチング(In Pla
ne Switching;IPS)液晶やMVA(マ
ルチドメインVA)液晶やPVA(Patterned
VA)液晶やOCB(Optically Comp
ensated Bend;光学補償ベンド)液晶やS
TN(Super Twisted Nematic)
液晶やASV液晶やホモジニアス配向液晶等を含むEC
B(電界制御複屈折)型液晶やGH(ゲスト・ホスト)
液晶や高分子分散型液晶やディスコテック液晶などにお
いて、印加電圧とともに容量は増加していくといえる。
【0068】次に、図17の画素構造で図18の駆動を
行って均一な静止画を表示する場合に、フリッカが極小
になる条件について考えてみる(図19の駆動について
は後に説明する)。フリッカが極小になるのは、偶奇フ
レームにわたって液晶の配向状態が同じ場合、すなわち
液晶への印加電圧絶対値が等しい場合である。その場
合、液晶の容量も偶奇フレームにわたって一定値となる
ので、この条件下にある限り液晶容量は一定値として扱
うことができる。
行って均一な静止画を表示する場合に、フリッカが極小
になる条件について考えてみる(図19の駆動について
は後に説明する)。フリッカが極小になるのは、偶奇フ
レームにわたって液晶の配向状態が同じ場合、すなわち
液晶への印加電圧絶対値が等しい場合である。その場
合、液晶の容量も偶奇フレームにわたって一定値となる
ので、この条件下にある限り液晶容量は一定値として扱
うことができる。
【0069】ここで、映像信号電圧として中心値Vs
c、振幅Vspの信号を与える場合、奇数フレームと偶
数フレームにおける映像信号電圧Vsig(−)および
Vsig(+)は、(数1)のように書ける。
c、振幅Vspの信号を与える場合、奇数フレームと偶
数フレームにおける映像信号電圧Vsig(−)および
Vsig(+)は、(数1)のように書ける。
【0070】
【数1】
【0071】そしてこの映像信号電圧のもとで、対向電
極電位をVfとしたときにフリッカ極小の条件が実現で
きたとする。すると、画素電極保持電位Vdo(−)お
よびVdo(+)は(数2)のように書ける。
極電位をVfとしたときにフリッカ極小の条件が実現で
きたとする。すると、画素電極保持電位Vdo(−)お
よびVdo(+)は(数2)のように書ける。
【0072】
【数2】
【0073】このVdpは液晶印加電圧絶対値であり、
現時点では未知の値である。
現時点では未知の値である。
【0074】また、図18での画素電極の充電完了時と
その後の保持時において、画素電極に蓄積されている電
荷量は同じでなければならない(電荷保存則)。よっ
て、(数3)の関係式が得られる。
その後の保持時において、画素電極に蓄積されている電
荷量は同じでなければならない(電荷保存則)。よっ
て、(数3)の関係式が得られる。
【0075】
【数3】
【0076】これを整理すると、(数4)のようにな
る。
る。
【0077】
【数4】
【0078】但し、表示媒質への印加電圧がVlcの場
合の値Ctotは(数5)で与えられる。
合の値Ctotは(数5)で与えられる。
【0079】
【数5】
【0080】さて、(数4)の2式を辺々足し合わせて
2で割って(数1)および(数2)を考慮すると、(数
6)が得られる。
2で割って(数1)および(数2)を考慮すると、(数
6)が得られる。
【0081】
【数6】
【0082】また、(数4)の2式の差をとって2で割
って(数1)および(数2)を考慮すると、(数7)が
得られる。
って(数1)および(数2)を考慮すると、(数7)が
得られる。
【0083】
【数7】
【0084】すなわち、(数6)と(数7)によりフリ
ッカ極小対向電極電位Vf値とそのときの液晶印加電圧
絶対値が導出された。
ッカ極小対向電極電位Vf値とそのときの液晶印加電圧
絶対値が導出された。
【0085】次に、図19の駆動の場合について同様の
ことを考える。この場合、上の(数3)に相当する電荷
保存の式は(数8)で与えられる。
ことを考える。この場合、上の(数3)に相当する電荷
保存の式は(数8)で与えられる。
【0086】
【数8】
【0087】これを整理すると(数9)のようになる。
【0088】
【数9】
【0089】よって、(数1)および(数2)と合わす
ことにより、(数10)および(数11)を得る。
ことにより、(数10)および(数11)を得る。
【0090】
【数10】
【0091】
【数11】
【0092】さて、図18におけるフリッカ極小対向電
極電位Vfの値の式(数6)と図19におけるその式
(数10)を比較してみる。まず、図19の場合の式
(数10)に注目した場合、液晶容量ClcはCtot
の中に含まれている。ゲート・ドレイン間容量Cgdお
よび(Vgon−Vgoff)は0ではないので、フリ
ッカ極小対向電極電位Vfは液晶容量Clcに依存して
変化することになる。液晶容量Clcは図29のように
液晶印加電圧Vdpに依存するが、そのVdpは(数1
1)からもわかるように映像信号振幅Vspに依存して
いるので、結局フリッカ極小対向電極電位Vfは入力す
る映像信号の振幅Vspに依存して変化することにな
る。よって、ある映像信号レベルに対してフリッカが極
小になるように対向電極電位を合わせこんでも、他の映
像信号レベルにするとフリッカが現れるという現象が発
生することが理解できる。また、黒レベルが浮いてコン
トラストが出ないという問題も本質的には同じことであ
り、ある階調レベルにおけるフリッカ極小対向電極電位
Vfと最も黒レベルが沈むような対向電極電位(すなわ
ち、黒表示で液晶印加電圧が正負対称になるような対向
電極電位)とが一致しないからに他ならない。
極電位Vfの値の式(数6)と図19におけるその式
(数10)を比較してみる。まず、図19の場合の式
(数10)に注目した場合、液晶容量ClcはCtot
の中に含まれている。ゲート・ドレイン間容量Cgdお
よび(Vgon−Vgoff)は0ではないので、フリ
ッカ極小対向電極電位Vfは液晶容量Clcに依存して
変化することになる。液晶容量Clcは図29のように
液晶印加電圧Vdpに依存するが、そのVdpは(数1
1)からもわかるように映像信号振幅Vspに依存して
いるので、結局フリッカ極小対向電極電位Vfは入力す
る映像信号の振幅Vspに依存して変化することにな
る。よって、ある映像信号レベルに対してフリッカが極
小になるように対向電極電位を合わせこんでも、他の映
像信号レベルにするとフリッカが現れるという現象が発
生することが理解できる。また、黒レベルが浮いてコン
トラストが出ないという問題も本質的には同じことであ
り、ある階調レベルにおけるフリッカ極小対向電極電位
Vfと最も黒レベルが沈むような対向電極電位(すなわ
ち、黒表示で液晶印加電圧が正負対称になるような対向
電極電位)とが一致しないからに他ならない。
【0093】次に、図18の駆動に対応する(数6)の
場合であるが、この場合もやはりフリッカ極小対向電極
電位VfはCtotに依存しているので、一見同様な問
題が発生するかのように思われる。しかし、この式にお
いて仮に(数12)のような条件が成立したとする。
場合であるが、この場合もやはりフリッカ極小対向電極
電位VfはCtotに依存しているので、一見同様な問
題が発生するかのように思われる。しかし、この式にお
いて仮に(数12)のような条件が成立したとする。
【0094】
【数12】
【0095】そうすると、(数6)の第2項と第3項は
互いに相殺しあって結局、Vf=Vscとなり、フリッ
カ極小対向電極電位Vf値は液晶容量Clcに依存しな
くなる。また、厳密に(数12)の条件にならなくて
も、少なくとも[(Vc(+)+Vc(−))/2−V
coff]が負値であれば、(数6)右辺の第2項と第
3項は逆符号になるので、図19の駆動よりはフリッカ
極小対向電極電位Vfのずれ方は小さくなる。実際、図
18においても[(Vc(+)+Vc(−))/2−V
coff]が負になっている。
互いに相殺しあって結局、Vf=Vscとなり、フリッ
カ極小対向電極電位Vf値は液晶容量Clcに依存しな
くなる。また、厳密に(数12)の条件にならなくて
も、少なくとも[(Vc(+)+Vc(−))/2−V
coff]が負値であれば、(数6)右辺の第2項と第
3項は逆符号になるので、図19の駆動よりはフリッカ
極小対向電極電位Vfのずれ方は小さくなる。実際、図
18においても[(Vc(+)+Vc(−))/2−V
coff]が負になっている。
【0096】以上により、図18の駆動ではフリッカが
目立たなかったが、図19の駆動にすることによりフリ
ッカが増大することが理解できる。
目立たなかったが、図19の駆動にすることによりフリ
ッカが増大することが理解できる。
【0097】なお、図18および図19の駆動に対応す
る画素電極保持電位の式(数4)および(数9)におい
て、右辺第3項が偶奇各フレームで共通電極から与えら
れる結合電圧に相当している。図18の駆動の場合は3
種類の電位Vc(+)、Vc(−)、およびVcoff
を適当に変えることにより正負それぞれの結合電圧を独
立して変化させることができ、映像信号電圧の中心と画
素電極保持電位の中心とが等しくなるように調整するこ
とができる。しかし、図19の駆動の場合は2種類の電
位Vc1とVc2しかなく、これらの値をどのように変
化させても正負の結合電圧は必ず絶対値が等しくなって
しまい、映像信号電圧の中心と画素電極保持電位の中心
とを等しくすることができない。すなわち、フリッカは
共通電極の電位レベルを1つ減らしたことによる副作用
として現れたものであると考えられる。
る画素電極保持電位の式(数4)および(数9)におい
て、右辺第3項が偶奇各フレームで共通電極から与えら
れる結合電圧に相当している。図18の駆動の場合は3
種類の電位Vc(+)、Vc(−)、およびVcoff
を適当に変えることにより正負それぞれの結合電圧を独
立して変化させることができ、映像信号電圧の中心と画
素電極保持電位の中心とが等しくなるように調整するこ
とができる。しかし、図19の駆動の場合は2種類の電
位Vc1とVc2しかなく、これらの値をどのように変
化させても正負の結合電圧は必ず絶対値が等しくなって
しまい、映像信号電圧の中心と画素電極保持電位の中心
とを等しくすることができない。すなわち、フリッカは
共通電極の電位レベルを1つ減らしたことによる副作用
として現れたものであると考えられる。
【0098】(本発明の原理1)以上の分析を行った上
で、図17の画素構造を有する図16の表示装置におい
て、共通電極電位レベルとして2つの値だけを用いて、
しかも映像信号電圧振幅に依存して発生するフリッカを
なくすための手段を見出した。それが本発明の内容であ
り、映像信号電圧の充電の前にリセット電圧を書き込む
というものである。以下、その原理について説明する。
で、図17の画素構造を有する図16の表示装置におい
て、共通電極電位レベルとして2つの値だけを用いて、
しかも映像信号電圧振幅に依存して発生するフリッカを
なくすための手段を見出した。それが本発明の内容であ
り、映像信号電圧の充電の前にリセット電圧を書き込む
というものである。以下、その原理について説明する。
【0099】図1に本発明の駆動電圧波形の一例を示
す。図中[b]および[d]で示した走査信号パルス
は、映像信号駆動回路から映像信号電極を経て画素電極
に映像信号が書き込まれるタイミングに相当し、[a]
および[c]で示した走査信号パルスは同じく映像信号
駆動回路から映像信号電極を経て画素電極にリセット信
号が書き込まれるタイミングに相当する。[b]におい
ては負極性の映像信号電圧Vsig(−)が、[d]に
おいては正極性の映像信号電圧Vsig(+)が書き込
まれるものとする。また、[a]においては正極性のリ
セット電圧Vres(+)が、[c]においては負極性
のリセット電圧Vres(−)が書き込まれるものとす
る。これらのリセット電圧は[b]や[d]で書き込ま
れた表示をリセットするためのものであり、映像信号電
圧とは関係なく常に一定のレベルであるとする。
す。図中[b]および[d]で示した走査信号パルス
は、映像信号駆動回路から映像信号電極を経て画素電極
に映像信号が書き込まれるタイミングに相当し、[a]
および[c]で示した走査信号パルスは同じく映像信号
駆動回路から映像信号電極を経て画素電極にリセット信
号が書き込まれるタイミングに相当する。[b]におい
ては負極性の映像信号電圧Vsig(−)が、[d]に
おいては正極性の映像信号電圧Vsig(+)が書き込
まれるものとする。また、[a]においては正極性のリ
セット電圧Vres(+)が、[c]においては負極性
のリセット電圧Vres(−)が書き込まれるものとす
る。これらのリセット電圧は[b]や[d]で書き込ま
れた表示をリセットするためのものであり、映像信号電
圧とは関係なく常に一定のレベルであるとする。
【0100】なお、[a]から[b]までの期間、ある
いは[c]から[d]までの期間をリセット期間、
[b]から[c]までの期間、あるいは[d]から
[a]までの期間を映像信号書き込み期間と呼ぶことに
する。
いは[c]から[d]までの期間をリセット期間、
[b]から[c]までの期間、あるいは[d]から
[a]までの期間を映像信号書き込み期間と呼ぶことに
する。
【0101】共通電極電位波形はVc1およびVc2
(Vc1<Vc2)という2つのレベルのみからなるも
のとする(すなわち、共通電極電位制御回路は2種類の
異なる電圧値Vc1およびVc2を出力している)。そ
して、正極性の映像信号電圧あるいはリセット電圧を画
素電極に書き込んだ後には共通電極電位はVc1からV
c2に変化し、負極性の映像信号電圧あるいはリセット
電圧を画素電極に書き込んだ後には共通電極電位はVc
2からVc1に変化するような波形になっている。そう
すると、共通電極電位が変化する時点において、蓄積容
量Cstを介した結合電圧による画素電極電位Vdの変
化は図1のようになり、映像信号電圧およびリセット電
圧の両方に対して、画素電極保持電位の振幅増大効果が
得られる。
(Vc1<Vc2)という2つのレベルのみからなるも
のとする(すなわち、共通電極電位制御回路は2種類の
異なる電圧値Vc1およびVc2を出力している)。そ
して、正極性の映像信号電圧あるいはリセット電圧を画
素電極に書き込んだ後には共通電極電位はVc1からV
c2に変化し、負極性の映像信号電圧あるいはリセット
電圧を画素電極に書き込んだ後には共通電極電位はVc
2からVc1に変化するような波形になっている。そう
すると、共通電極電位が変化する時点において、蓄積容
量Cstを介した結合電圧による画素電極電位Vdの変
化は図1のようになり、映像信号電圧およびリセット電
圧の両方に対して、画素電極保持電位の振幅増大効果が
得られる。
【0102】さて、本駆動方法の場合、液晶の配向状態
は時間とともに変化し、液晶容量も変化する。いま、正
負各極性に対する各映像信号書き込み期間、およびリセ
ット期間の最後においては液晶の応答が十分安定し、そ
れぞれ図1にも示したようにClc(sig,+)、C
lc(sig,−)、およびClc(res,+)、C
lc(res,−)という容量値になるとする。また、
そのときの画素電極電位がそれぞれVdo(sig,
+)、Vdo(sig,−)、およびVdo(res,
+)、Vdo(res,−)であるとする。また、対向
電極電位はVfとする。すると、映像信号書き込み期間
における電荷保存の式は(数13)のようになる。
は時間とともに変化し、液晶容量も変化する。いま、正
負各極性に対する各映像信号書き込み期間、およびリセ
ット期間の最後においては液晶の応答が十分安定し、そ
れぞれ図1にも示したようにClc(sig,+)、C
lc(sig,−)、およびClc(res,+)、C
lc(res,−)という容量値になるとする。また、
そのときの画素電極電位がそれぞれVdo(sig,
+)、Vdo(sig,−)、およびVdo(res,
+)、Vdo(res,−)であるとする。また、対向
電極電位はVfとする。すると、映像信号書き込み期間
における電荷保存の式は(数13)のようになる。
【0103】
【数13】
【0104】但し、走査電極の充電パルス幅は液晶の応
答時間に比べて十分短いと仮定し、充電期間中は液晶の
配向状態は変化せず、前の期間(リセット期間)の最後
における容量に対して充電が行われるものとした。(数
13)を整理すると、(数14)を得る。
答時間に比べて十分短いと仮定し、充電期間中は液晶の
配向状態は変化せず、前の期間(リセット期間)の最後
における容量に対して充電が行われるものとした。(数
13)を整理すると、(数14)を得る。
【0105】
【数14】
【0106】但し、この式は映像信号電圧として中心値
Vsc、振幅Vspの信号を与えるものとして、(数
1)を代入して書き直してある。
Vsc、振幅Vspの信号を与えるものとして、(数
1)を代入して書き直してある。
【0107】さて、(数14)の両式において右辺にC
lc(res,+)およびClc(res,−)という
容量が現れるが、リセット期間において(数13)と同
様の電荷保存則を考えれば、さらにその前の期間、すな
わち映像信号書き込み期間の最後における液晶容量に依
存したものになるはずである。しかし、図1でのリセッ
ト期間においては液晶に十分大きな電圧が印加されるも
のとし、そのときの印加電圧の絶対値|Vdo(re
s,+)−Vf|および|Vdo(res,−)−Vf
|に対する液晶容量は図29のグラフにおいて十分飽和
した領域にあると仮定すると、仮にリセット期間におけ
る画素電極電位Vdo(res,+)およびVdo(r
es,−)がその前の映像信号書き込み期間における液
晶容量に依存して若干変化したとしても、Clc(re
s,+)およびClc(res,−)はほとんど変化せ
ず一定であるとみなして差し支えない(これはまさし
く、表示がリセットされるということを意味してい
る)。この一定容量値を図29に従ってClc(H)と
表す。すると、(数14)は(数15)のように書き直
せる。
lc(res,+)およびClc(res,−)という
容量が現れるが、リセット期間において(数13)と同
様の電荷保存則を考えれば、さらにその前の期間、すな
わち映像信号書き込み期間の最後における液晶容量に依
存したものになるはずである。しかし、図1でのリセッ
ト期間においては液晶に十分大きな電圧が印加されるも
のとし、そのときの印加電圧の絶対値|Vdo(re
s,+)−Vf|および|Vdo(res,−)−Vf
|に対する液晶容量は図29のグラフにおいて十分飽和
した領域にあると仮定すると、仮にリセット期間におけ
る画素電極電位Vdo(res,+)およびVdo(r
es,−)がその前の映像信号書き込み期間における液
晶容量に依存して若干変化したとしても、Clc(re
s,+)およびClc(res,−)はほとんど変化せ
ず一定であるとみなして差し支えない(これはまさし
く、表示がリセットされるということを意味してい
る)。この一定容量値を図29に従ってClc(H)と
表す。すると、(数14)は(数15)のように書き直
せる。
【0108】
【数15】
【0109】ここで、フリッカが極小になる条件を考え
てみる。それは、(第一の構成におけるフリッカ発生現
象の分析)のところで図18や図19の駆動に関して述
べたのと同様、偶奇フレームにおいて(すなわち、正負
極性の映像信号書き込み期間において)液晶の配向状態
が同じ場合、すなわち液晶への印加電圧絶対値が等しい
場合、液晶の容量も偶奇フレームにわたって同じ値とな
る。
てみる。それは、(第一の構成におけるフリッカ発生現
象の分析)のところで図18や図19の駆動に関して述
べたのと同様、偶奇フレームにおいて(すなわち、正負
極性の映像信号書き込み期間において)液晶の配向状態
が同じ場合、すなわち液晶への印加電圧絶対値が等しい
場合、液晶の容量も偶奇フレームにわたって同じ値とな
る。
【0110】いま、対向電極電位Vfでフリッカが極小
になったとすると、液晶印加電圧絶対値をVdpとして
(数2)の場合と同様の式(数16)が成り立つ。
になったとすると、液晶印加電圧絶対値をVdpとして
(数2)の場合と同様の式(数16)が成り立つ。
【0111】
【数16】
【0112】そして、液晶の容量も偶奇フレームにわた
って等しくなり、Clc(sig,+)=Clc(si
g,−)[=Clc(sig)とおく]になったとする
と、(数15)と(数16)により(数17)が導かれ
る。
って等しくなり、Clc(sig,+)=Clc(si
g,−)[=Clc(sig)とおく]になったとする
と、(数15)と(数16)により(数17)が導かれ
る。
【0113】
【数17】
【0114】(数17)の2式を辺々足し算して若干変
形することにより(数18)が、引き算することにより
(数19)が得られる。
形することにより(数18)が、引き算することにより
(数19)が得られる。
【0115】
【数18】
【0116】
【数19】
【0117】(数18)および(数19)は、図18の
駆動の場合の式(数6)および(数7)、あるいは図1
9の駆動の場合の式(数10)および(数11)に対応
するものである。
駆動の場合の式(数6)および(数7)、あるいは図1
9の駆動の場合の式(数10)および(数11)に対応
するものである。
【0118】さて、(数18)において液晶の容量とし
てClc(H)が入っているが、これは映像信号振幅V
spとは無関係の一定容量値である。従って、フリッカ
極小対向電極電位Vfは映像信号振幅によらず一定値と
なる。言い換えれば、対向電極電位を(数18)で与え
られる電圧値にしておけば、どの階調レベルに対しても
フリッカが発生しないということを示している。
てClc(H)が入っているが、これは映像信号振幅V
spとは無関係の一定容量値である。従って、フリッカ
極小対向電極電位Vfは映像信号振幅によらず一定値と
なる。言い換えれば、対向電極電位を(数18)で与え
られる電圧値にしておけば、どの階調レベルに対しても
フリッカが発生しないということを示している。
【0119】なお、本発明におけるフリッカ極小対向電
極電位Vfの式(数18)と図19の駆動の場合の式
(数10)を比較した場合、式の上ではよく似た形をし
ているが、(数10)では(数5)を介して現れるCl
cがそのときの表示階調レベルにおける液晶容量であっ
たが、(数18)のClc(H)はリセット期間におい
てリセットがかかった後の液晶容量であるという点で大
きく異なっている。映像信号書き込み期間の直前にリセ
ット期間を設けたことにより、はじめてフリッカをなく
せたことになる。
極電位Vfの式(数18)と図19の駆動の場合の式
(数10)を比較した場合、式の上ではよく似た形をし
ているが、(数10)では(数5)を介して現れるCl
cがそのときの表示階調レベルにおける液晶容量であっ
たが、(数18)のClc(H)はリセット期間におい
てリセットがかかった後の液晶容量であるという点で大
きく異なっている。映像信号書き込み期間の直前にリセ
ット期間を設けたことにより、はじめてフリッカをなく
せたことになる。
【0120】なお、本発明の方法の場合、最も黒レベル
が沈むような対向電極電位(すなわち、黒表示で液晶印
加電圧が正負対称になるような対向電極電位)も(数1
8)で与えられるので、黒レベルの浮きによるコントラ
スト低下も改善される。
が沈むような対向電極電位(すなわち、黒表示で液晶印
加電圧が正負対称になるような対向電極電位)も(数1
8)で与えられるので、黒レベルの浮きによるコントラ
スト低下も改善される。
【0121】(本発明の原理2)図17の画素構造を有
する図16の表示装置に関する、第2の駆動波形を図2
に示す。これは(本発明の原理1)で述べた図1の駆動
波形とほとんど同じであるが、映像信号書き込み期間の
前のリセット期間の極性が図1の場合とは逆になってい
る。すなわち、図1においては負極性の映像信号書き込
み期間の前は正極性のリセット期間、正極性の映像信号
書き込み期間の前は負極性のリセット期間であったが、
図2においてはその逆であり、負極性の映像信号書き込
み期間の前は負極性のリセット期間、正極性の映像信号
書き込み期間の前は正極性のリセット期間となってい
る。
する図16の表示装置に関する、第2の駆動波形を図2
に示す。これは(本発明の原理1)で述べた図1の駆動
波形とほとんど同じであるが、映像信号書き込み期間の
前のリセット期間の極性が図1の場合とは逆になってい
る。すなわち、図1においては負極性の映像信号書き込
み期間の前は正極性のリセット期間、正極性の映像信号
書き込み期間の前は負極性のリセット期間であったが、
図2においてはその逆であり、負極性の映像信号書き込
み期間の前は負極性のリセット期間、正極性の映像信号
書き込み期間の前は正極性のリセット期間となってい
る。
【0122】共通電極電位波形は図1の場合と同様、V
c1およびVc2(Vc1<Vc2)という2つのレベ
ルのみからなっている(すなわち、共通電極電位制御回
路は2種類の異なる電圧値Vc1およびVc2を出力し
ている)。波形の形状そのものは図1とは異なっている
が、正極性の映像信号電圧あるいはリセット電圧を画素
電極に書き込んだ後には共通電極電位はVc1からVc
2に変化し、負極性の映像信号電圧あるいはリセット電
圧を画素電極に書き込んだ後には共通電極電位はVc2
からVc1に変化するような波形になっていることは図
1の場合と同じである。従って、図1の場合と同様に、
映像信号電圧およびリセット電圧の両方に対して、画素
電極保持電位の振幅増大効果が得られる。
c1およびVc2(Vc1<Vc2)という2つのレベ
ルのみからなっている(すなわち、共通電極電位制御回
路は2種類の異なる電圧値Vc1およびVc2を出力し
ている)。波形の形状そのものは図1とは異なっている
が、正極性の映像信号電圧あるいはリセット電圧を画素
電極に書き込んだ後には共通電極電位はVc1からVc
2に変化し、負極性の映像信号電圧あるいはリセット電
圧を画素電極に書き込んだ後には共通電極電位はVc2
からVc1に変化するような波形になっていることは図
1の場合と同じである。従って、図1の場合と同様に、
映像信号電圧およびリセット電圧の両方に対して、画素
電極保持電位の振幅増大効果が得られる。
【0123】この場合、映像書き込み期間における電荷
保存の式は(数13)においてClc(res,+)と
Clc(res,−)が入れ替わったものになるが、
(本発明の原理1)で述べたように、リセット期間にお
いて液晶に十分大きな電圧が印加されるとすれば、Cl
c(res,+)=Clc(res,−)=Clc
(H)と置くことができるので、結局(数15)と全く
同じ式が得られ、フリッカ極小対向電極電位Vfは(数
18)と同じ式で表されることになる。よって、フリッ
カ極小対向電極電位Vfは映像信号振幅によらず一定値
となり、対向電極電位を(数18)で与えられる電圧値
にしておけば、どの階調レベルに対してもフリッカが発
生しないことがわかる。
保存の式は(数13)においてClc(res,+)と
Clc(res,−)が入れ替わったものになるが、
(本発明の原理1)で述べたように、リセット期間にお
いて液晶に十分大きな電圧が印加されるとすれば、Cl
c(res,+)=Clc(res,−)=Clc
(H)と置くことができるので、結局(数15)と全く
同じ式が得られ、フリッカ極小対向電極電位Vfは(数
18)と同じ式で表されることになる。よって、フリッ
カ極小対向電極電位Vfは映像信号振幅によらず一定値
となり、対向電極電位を(数18)で与えられる電圧値
にしておけば、どの階調レベルに対してもフリッカが発
生しないことがわかる。
【0124】(本発明の原理3)図17の画素構造を有
する図16の表示装置に関する、第3の駆動波形を図3
に示す。これは図1と同様、映像信号電圧の充電の前に
リセット電圧を書き込むというものであるが、共通電極
電位波形が図1とは若干異なっている。すなわち、Vc
1およびVc2(Vc1<Vc2)という2つのレベル
のみからなっていることに変わりないが、正極性の映像
信号電圧あるいはリセット電圧を画素電極に書き込んだ
後には共通電極電位はVc1からVc2に変化し、負極
性の映像信号電圧あるいはリセット電圧を画素電極に書
き込んだ後には共通電極電位は変化しないような波形に
なっている。この場合、正極性の映像信号電圧あるいは
リセット電圧書き込み後には蓄積容量Cstを介した結
合電圧が重畳されるが、負極性の映像信号電圧あるいは
リセット電圧を書き込んだ後はそのような結合電圧が重
畳されない。しかし、たとえ片側だけの結合電圧重畳で
あっても、全く結合電圧を与えない場合に比べれば、少
なくとも画素電極保持電位の振幅増大効果は得られる。
する図16の表示装置に関する、第3の駆動波形を図3
に示す。これは図1と同様、映像信号電圧の充電の前に
リセット電圧を書き込むというものであるが、共通電極
電位波形が図1とは若干異なっている。すなわち、Vc
1およびVc2(Vc1<Vc2)という2つのレベル
のみからなっていることに変わりないが、正極性の映像
信号電圧あるいはリセット電圧を画素電極に書き込んだ
後には共通電極電位はVc1からVc2に変化し、負極
性の映像信号電圧あるいはリセット電圧を画素電極に書
き込んだ後には共通電極電位は変化しないような波形に
なっている。この場合、正極性の映像信号電圧あるいは
リセット電圧書き込み後には蓄積容量Cstを介した結
合電圧が重畳されるが、負極性の映像信号電圧あるいは
リセット電圧を書き込んだ後はそのような結合電圧が重
畳されない。しかし、たとえ片側だけの結合電圧重畳で
あっても、全く結合電圧を与えない場合に比べれば、少
なくとも画素電極保持電位の振幅増大効果は得られる。
【0125】さて、本駆動波形の場合、(数13)に相
当する電荷保存の式は(数20)で与えられる。
当する電荷保存の式は(数20)で与えられる。
【0126】
【数20】
【0127】これは、(数13)と比較すると第1式右
辺の第1項(Cstに関する項)においてVc1がVc
2になっている点が違うだけである。(数20)を整理
すると、(数21)を得る。
辺の第1項(Cstに関する項)においてVc1がVc
2になっている点が違うだけである。(数20)を整理
すると、(数21)を得る。
【0128】
【数21】
【0129】但し、この式は(数14)の場合と同様に
映像信号電圧として中心値Vsc、振幅Vspの信号を
与えるものとして、(数1)を代入して書き直してあ
る。
映像信号電圧として中心値Vsc、振幅Vspの信号を
与えるものとして、(数1)を代入して書き直してあ
る。
【0130】ここで、リセット期間においては液晶に十
分大きな電圧が印加されるものとすれば、(本発明の原
理1)の場合と同様に、Clc(res,+)=Clc
(res,−)=Clc(H)とおくことができる。そ
して、対向電極電位Vfでフリッカが極小になったとす
ると、(数16)を用いてさらにClc(sig,+)
=Clc(sig,−)=Clc(sig)とおくこと
により、(数22)が得られる。
分大きな電圧が印加されるものとすれば、(本発明の原
理1)の場合と同様に、Clc(res,+)=Clc
(res,−)=Clc(H)とおくことができる。そ
して、対向電極電位Vfでフリッカが極小になったとす
ると、(数16)を用いてさらにClc(sig,+)
=Clc(sig,−)=Clc(sig)とおくこと
により、(数22)が得られる。
【0131】
【数22】
【0132】よって、(数22)の2式を辺々足し算し
て若干変形することにより(数23)が、引き算するこ
とにより(数24)が得られる。
て若干変形することにより(数23)が、引き算するこ
とにより(数24)が得られる。
【0133】
【数23】
【0134】
【数24】
【0135】(数23)および(数24)は、図1の駆
動の場合の式(数18)および(数19)に対応するも
のである。(数23)は(数18)と若干式の形が異な
るが、右辺が映像信号振幅Vspとは無関係の一定容量
値であることは(数18)の場合と同じである。従っ
て、フリッカ極小対向電極電位Vfは映像信号振幅によ
らず一定値となり、対向電極電位を(数23)で与えら
れる電圧値にしておけば、どの階調レベルに対してもフ
リッカが発生しない。
動の場合の式(数18)および(数19)に対応するも
のである。(数23)は(数18)と若干式の形が異な
るが、右辺が映像信号振幅Vspとは無関係の一定容量
値であることは(数18)の場合と同じである。従っ
て、フリッカ極小対向電極電位Vfは映像信号振幅によ
らず一定値となり、対向電極電位を(数23)で与えら
れる電圧値にしておけば、どの階調レベルに対してもフ
リッカが発生しない。
【0136】なお、(数24)は(数19)と異なり右
辺のCstに関する項の前に1/2という係数がつく
が、これは本駆動においては図1の駆動の場合に比べて
半分程度の映像振幅増大効果が得られることを示してい
る。
辺のCstに関する項の前に1/2という係数がつく
が、これは本駆動においては図1の駆動の場合に比べて
半分程度の映像振幅増大効果が得られることを示してい
る。
【0137】参考までに、本駆動波形においてリセット
期間を設けなければどうなるかについて考える。この場
合、(第一の構成におけるフリッカ発生現象の分析)で
図19の駆動について行った説明と同様の流れで説明す
ることができる。但し、(数8)の電荷保存の式におい
て、第1式右辺の第1項(Cstに関する項)はVc1
ではなくVc2となる。そして、(数10)に対応する
フリッカ極小対向電極電位Vfの式を求めると(数2
5)になる。
期間を設けなければどうなるかについて考える。この場
合、(第一の構成におけるフリッカ発生現象の分析)で
図19の駆動について行った説明と同様の流れで説明す
ることができる。但し、(数8)の電荷保存の式におい
て、第1式右辺の第1項(Cstに関する項)はVc1
ではなくVc2となる。そして、(数10)に対応する
フリッカ極小対向電極電位Vfの式を求めると(数2
5)になる。
【0138】
【数25】
【0139】ここで、(数25)最右辺の[ ]の部分
に注目する。一般に液晶表示装置において、Cgd(ゲ
ート・ドレイン間容量)は蓄積容量Cstに比べて十分
小さいことが多い。実際、Cgdは特に意図的に形成す
ることはまれであり、寄生容量としてやむを得ず生じて
しまうケースがほとんどである。一般に、Cgd/Cs
tの値は0.1程度であり、大きい場合でも高々0.4
程度である。仮にCgdはCstより一桁程度小さいと
し、(Vgon−Vgoff)と(Vc2−Vc1)が
同程度の値であるとすれば、|Cgd(Vgon−Vg
off)|の値は|(1/2)Cst(Vc2−Vc
1)|よりも小さいことになる。すると、(数25)最
右辺の[ ]が0になることはまずない。従って、(数
25)のフリッカ極小対向電極電位Vfはその表示階調
レベルにおける液晶容量Clcに依存する。よって、フ
リッカ極小対向電極電位Vfは映像信号振幅Vspに依
存して変化し、図19の駆動の場合と同様に階調依存フ
リッカや黒レベル浮きが発生する。しかも上述のごと
く、|(1/2)Cst(Vc2−Vc1)|は|Cg
d(Vgon−Vgoff)|よりも大きいので、この
ような階調依存フリッカや黒レベル浮きの程度は図19
の場合よりもむしろ顕著になると考えられる。
に注目する。一般に液晶表示装置において、Cgd(ゲ
ート・ドレイン間容量)は蓄積容量Cstに比べて十分
小さいことが多い。実際、Cgdは特に意図的に形成す
ることはまれであり、寄生容量としてやむを得ず生じて
しまうケースがほとんどである。一般に、Cgd/Cs
tの値は0.1程度であり、大きい場合でも高々0.4
程度である。仮にCgdはCstより一桁程度小さいと
し、(Vgon−Vgoff)と(Vc2−Vc1)が
同程度の値であるとすれば、|Cgd(Vgon−Vg
off)|の値は|(1/2)Cst(Vc2−Vc
1)|よりも小さいことになる。すると、(数25)最
右辺の[ ]が0になることはまずない。従って、(数
25)のフリッカ極小対向電極電位Vfはその表示階調
レベルにおける液晶容量Clcに依存する。よって、フ
リッカ極小対向電極電位Vfは映像信号振幅Vspに依
存して変化し、図19の駆動の場合と同様に階調依存フ
リッカや黒レベル浮きが発生する。しかも上述のごと
く、|(1/2)Cst(Vc2−Vc1)|は|Cg
d(Vgon−Vgoff)|よりも大きいので、この
ような階調依存フリッカや黒レベル浮きの程度は図19
の場合よりもむしろ顕著になると考えられる。
【0140】逆の言い方をすれば、リセット期間を設け
ない従来の構成では顕著に現れていた階調依存フリッカ
および黒レベル浮きも、本発明のようにリセット期間を
設けることにより完全に除去できるということであり、
本発明の効果は非常に大きいものであるといえる。
ない従来の構成では顕著に現れていた階調依存フリッカ
および黒レベル浮きも、本発明のようにリセット期間を
設けることにより完全に除去できるということであり、
本発明の効果は非常に大きいものであるといえる。
【0141】なお、図3において負極性の映像信号電圧
あるいはリセット電圧を画素電極に書き込んだ後には共
通電極電位はVc2のまま不変となるような波形になっ
ているが、別にVc1のまま不変であってもかまわない
(電荷保存の式を立てて整理すると結局、(数21)と
同じになる)。
あるいはリセット電圧を画素電極に書き込んだ後には共
通電極電位はVc2のまま不変となるような波形になっ
ているが、別にVc1のまま不変であってもかまわない
(電荷保存の式を立てて整理すると結局、(数21)と
同じになる)。
【0142】(本発明の原理4)図17の画素構造を有
する図16の表示装置に関する、第4の駆動波形を図4
に示す。これも映像信号電圧の充電の前にリセット電圧
を書き込むというものであるが、共通電極からの結合電
圧の与え方が図3とは逆になっている。すなわち、Vc
1およびVc2(Vc1<Vc2)という2つのレベル
のみからなっていることに変わりないが、正極性の映像
信号電圧あるいはリセット電圧を画素電極に書き込んだ
後には共通電極電位は変化せず、負極性の映像信号電圧
あるいはリセット電圧を画素電極に書き込んだ後には共
通電極電位がVc2からVc1に変化するような波形に
なっている。この場合、負極性の映像信号電圧あるいは
リセット電圧書き込み後には蓄積容量Cstを介した結
合電圧が重畳されるが、正極性の映像信号電圧あるいは
リセット電圧を書き込んだ後はそのような結合電圧が重
畳されない。しかし、少なくとも画素電極保持電位の振
幅増大効果が得られるのは図3の場合と同様である。
する図16の表示装置に関する、第4の駆動波形を図4
に示す。これも映像信号電圧の充電の前にリセット電圧
を書き込むというものであるが、共通電極からの結合電
圧の与え方が図3とは逆になっている。すなわち、Vc
1およびVc2(Vc1<Vc2)という2つのレベル
のみからなっていることに変わりないが、正極性の映像
信号電圧あるいはリセット電圧を画素電極に書き込んだ
後には共通電極電位は変化せず、負極性の映像信号電圧
あるいはリセット電圧を画素電極に書き込んだ後には共
通電極電位がVc2からVc1に変化するような波形に
なっている。この場合、負極性の映像信号電圧あるいは
リセット電圧書き込み後には蓄積容量Cstを介した結
合電圧が重畳されるが、正極性の映像信号電圧あるいは
リセット電圧を書き込んだ後はそのような結合電圧が重
畳されない。しかし、少なくとも画素電極保持電位の振
幅増大効果が得られるのは図3の場合と同様である。
【0143】本駆動波形の場合も図3と全く同様に考え
ることができ、やはりフリッカ極小対向電極電位Vfは
映像信号振幅によらず一定値となり、対向電極電位を
(数26)で与えられる電圧値にしておけば、どの階調
レベルに対してもフリッカが発生しないことが示され
る。
ることができ、やはりフリッカ極小対向電極電位Vfは
映像信号振幅によらず一定値となり、対向電極電位を
(数26)で与えられる電圧値にしておけば、どの階調
レベルに対してもフリッカが発生しないことが示され
る。
【0144】
【数26】
【0145】なお、参考までに述べておくと、図4にお
ける電荷保存の式は(数13)において、第2式右辺の
第1項(Cstに関する項)に現れるVc2をVc1に
置き換えたものである。(数26)はこの電荷保存則の
式から導かれるものである。(数26)を図3の場合の
式(数23)と比べると、右辺第3項(Cstに関する
項)の符号が逆になっていることがわかる。これは、容
量結合電圧の与え方が図3の場合とは逆であることによ
る当然の帰結である。
ける電荷保存の式は(数13)において、第2式右辺の
第1項(Cstに関する項)に現れるVc2をVc1に
置き換えたものである。(数26)はこの電荷保存則の
式から導かれるものである。(数26)を図3の場合の
式(数23)と比べると、右辺第3項(Cstに関する
項)の符号が逆になっていることがわかる。これは、容
量結合電圧の与え方が図3の場合とは逆であることによ
る当然の帰結である。
【0146】(具体的な実施の形態1)実際に図17の
画素構造を有する図16の構造の表示装置において、本
発明を適用する例について示す。図17の画素構造にお
いて、Cst=0.70pF、Cgd=0.12pFで
あるとする。そして、図29に示した液晶の容量Clc
(L)およびClc(H)がそれぞれClc(L)=
0.60pF、Clc(H)=0.90pFとする(こ
れらの容量は実測によって求めてもよいし、シミュレー
ションなどによって求めてもよい)。
画素構造を有する図16の構造の表示装置において、本
発明を適用する例について示す。図17の画素構造にお
いて、Cst=0.70pF、Cgd=0.12pFで
あるとする。そして、図29に示した液晶の容量Clc
(L)およびClc(H)がそれぞれClc(L)=
0.60pF、Clc(H)=0.90pFとする(こ
れらの容量は実測によって求めてもよいし、シミュレー
ションなどによって求めてもよい)。
【0147】例えば、(本発明の原理1)の図1の駆動
を行う場合を考える。ここで、駆動条件がVgon=1
2V、Vgoff=−8V、Vsc=3V、Vc1=0
V、Vc2=12Vであるとする(Vscは映像信号電
圧振幅)。そして、1フレーム期間を16.67mse
c(フレーム周波数60Hzに相当)とし、リセット期
間の幅をその1/10(すなわち1.667msec)
と設定する。
を行う場合を考える。ここで、駆動条件がVgon=1
2V、Vgoff=−8V、Vsc=3V、Vc1=0
V、Vc2=12Vであるとする(Vscは映像信号電
圧振幅)。そして、1フレーム期間を16.67mse
c(フレーム周波数60Hzに相当)とし、リセット期
間の幅をその1/10(すなわち1.667msec)
と設定する。
【0148】まず、リセット期間を設けない従来の駆動
(図19の駆動)を行った場合について(数10)によ
りVfを計算すると、ClcがClc(L)に等しい場
合(液晶への印加電圧絶対値が小さい階調レベルの場
合)はVf=1.310V、ClcがClc(H)に等
しい場合(液晶への印加電圧絶対値が十分大きい階調レ
ベルの場合)はVf=1.605Vとなる。すなわち、
フリッカ極小対向電極電位Vf値には0.295Vの差
が生じる。
(図19の駆動)を行った場合について(数10)によ
りVfを計算すると、ClcがClc(L)に等しい場
合(液晶への印加電圧絶対値が小さい階調レベルの場
合)はVf=1.310V、ClcがClc(H)に等
しい場合(液晶への印加電圧絶対値が十分大きい階調レ
ベルの場合)はVf=1.605Vとなる。すなわち、
フリッカ極小対向電極電位Vf値には0.295Vの差
が生じる。
【0149】また、フリッカ極小対向電極電位Vf以外
の駆動条件を一定として(映像信号電圧中心値Vscお
よび振幅Vspもある値に固定して)Vfのみを変化さ
せたときのフリッカレベルを測定した結果、図5のよう
なグラフが得られている。ここで、縦軸のフリッカレベ
ルとは、出力光輝度の2フレーム周期成分(30Hz成
分)の、直流成分に対する比をとってdB表示したもの
である。フリッカレベルの許容限界を−35dBとすれ
ば、フリッカレベルがその許容限界以下になるようなV
fの変化許容範囲は0.15Vとなった。
の駆動条件を一定として(映像信号電圧中心値Vscお
よび振幅Vspもある値に固定して)Vfのみを変化さ
せたときのフリッカレベルを測定した結果、図5のよう
なグラフが得られている。ここで、縦軸のフリッカレベ
ルとは、出力光輝度の2フレーム周期成分(30Hz成
分)の、直流成分に対する比をとってdB表示したもの
である。フリッカレベルの許容限界を−35dBとすれ
ば、フリッカレベルがその許容限界以下になるようなV
fの変化許容範囲は0.15Vとなった。
【0150】これによれば、上述のフリッカ極小対向電
極電位Vf値の幅0.295Vは許容範囲0.15Vを
越えることになり、すべての階調においてフリッカを許
容限界以下にすることができない。
極電位Vf値の幅0.295Vは許容範囲0.15Vを
越えることになり、すべての階調においてフリッカを許
容限界以下にすることができない。
【0151】それに対して、本発明のようにリセット期
間を設ける場合はフリッカ極小対向電極電位Vf値が階
調レベルに関わらず(数18)により計算され、一定値
Vf=1.605Vとなる。これは、フリッカ極小対向
電極電位Vf値の幅が実質上0Vということであり、例
えば、映像信号電圧中心値Vscを適当に調整してVf
が図5のフリッカ極小状態(Vfm)に一致するように
すれば、任意の階調レベルに対して十分フリッカを小さ
くすることが可能となる。
間を設ける場合はフリッカ極小対向電極電位Vf値が階
調レベルに関わらず(数18)により計算され、一定値
Vf=1.605Vとなる。これは、フリッカ極小対向
電極電位Vf値の幅が実質上0Vということであり、例
えば、映像信号電圧中心値Vscを適当に調整してVf
が図5のフリッカ極小状態(Vfm)に一致するように
すれば、任意の階調レベルに対して十分フリッカを小さ
くすることが可能となる。
【0152】なお、以上の効果を得るためにはリセット
期間において液晶に十分な振幅の電圧が印加されるよう
にすることが望ましいが、実際Vres(+)=6V、
Vres(−)=0V(リセット電圧に関する映像信号
電圧振幅=3V)とすればその条件は十分に達成されて
いた。ちなみに、便宜的に(数7)を用いてリセット電
圧に関する液晶印加電圧絶対値を求めれば、少なく見積
もっても7.8V程度であり、確かに液晶には十分な電
圧が印加されているといえる。
期間において液晶に十分な振幅の電圧が印加されるよう
にすることが望ましいが、実際Vres(+)=6V、
Vres(−)=0V(リセット電圧に関する映像信号
電圧振幅=3V)とすればその条件は十分に達成されて
いた。ちなみに、便宜的に(数7)を用いてリセット電
圧に関する液晶印加電圧絶対値を求めれば、少なく見積
もっても7.8V程度であり、確かに液晶には十分な電
圧が印加されているといえる。
【0153】なお、以上の実施の形態で用いた各パラメ
ータはあくまでも代表例としての数値であり、決して本
発明が上記のパラメータの場合のみに限定されるもので
はない。
ータはあくまでも代表例としての数値であり、決して本
発明が上記のパラメータの場合のみに限定されるもので
はない。
【0154】なお、(本発明の原理2)で示した駆動、
すなわち図2の駆動に関しても全く同じように考えるこ
とができる。
すなわち図2の駆動に関しても全く同じように考えるこ
とができる。
【0155】(誘電率異方性とフリッカの関係)さて、
従来の技術の図19の駆動で現れる階調依存フリッカ
は、表示媒質の誘電率異方性の絶対値|Δε|が大きい
ほど顕著になることが推測される。実際、|Δε|が大
きいと図29のClc(H)とClc(L)の間の開き
が大きくなり、(数10)のフリッカ極小対向電極電位
Vfの値の変化幅が大きくなるものと考えられる。
従来の技術の図19の駆動で現れる階調依存フリッカ
は、表示媒質の誘電率異方性の絶対値|Δε|が大きい
ほど顕著になることが推測される。実際、|Δε|が大
きいと図29のClc(H)とClc(L)の間の開き
が大きくなり、(数10)のフリッカ極小対向電極電位
Vfの値の変化幅が大きくなるものと考えられる。
【0156】いま、(Clc(H)−Clc(L))/
Clc(L)という量に注目する。簡単にするためΔε
>0の場合を考えるものとし、仮に液晶への印加電圧が
0のときに液晶分子が全て基板面に平行な方向を向いて
いて、かつ液晶への印加電圧が十分大きくなったときに
液晶分子が全て基板面に垂直になるものとすれば、先の
(第一の構成におけるフリッカ発生現象の分析)のとこ
ろで述べたように、Clc(L)=Clc⊥=ε⊥×
(液晶層の面積)/(液晶層の厚さ)、Clc(H)=
Clc//=ε//×(液晶層の面積)/(液晶層の厚
さ)となり、(Clc(H)−Clc(L))/Clc
(L)=(ε//−ε⊥)/ε⊥=Δε/ε⊥となる。
しかし、実際は印加電圧が0であっても一部の液晶分子
が基板面に垂直な面内から若干ずれた方向を向いていた
り、あるいは大きな電圧をかけても界面付近の液晶の配
向が固定されたままであったりするので、(Clc
(H)−Clc(L))/Clc(L)はΔε/ε⊥よ
りは小さい値になる。実際、いろいろなΔεの値を有す
る液晶材料(TNモード、OCBモード、VAモードな
ど様々なモードを含む)について容量値Clc(H)お
よびClc(L)を測定し、そのときの(Clc(H)
−Clc(L))/Clc(L)の値と|Δε|/ε⊥
の値の関係を描いたものを図6に示す。これによると、
(Clc(H)−Clc(L))/Clc(L)の値は
|Δε|/ε⊥よりも小さくなるが、|Δε|/ε⊥と
はほぼ比例関係にあり、比例定数は0.20程度である
(例えば、ε⊥=3.8、ε//=11.5、すなわち
|Δε|/ε⊥=2.03であるようなOCB液晶材料
における実測のClc(H)とClc(L)の比は1
0:7程度であり、[(Clc(H)−Clc(L))
/Clc(L)]/[|Δε|/ε⊥]≒[(10−
7)/7]/2.03=0.21となった)。
Clc(L)という量に注目する。簡単にするためΔε
>0の場合を考えるものとし、仮に液晶への印加電圧が
0のときに液晶分子が全て基板面に平行な方向を向いて
いて、かつ液晶への印加電圧が十分大きくなったときに
液晶分子が全て基板面に垂直になるものとすれば、先の
(第一の構成におけるフリッカ発生現象の分析)のとこ
ろで述べたように、Clc(L)=Clc⊥=ε⊥×
(液晶層の面積)/(液晶層の厚さ)、Clc(H)=
Clc//=ε//×(液晶層の面積)/(液晶層の厚
さ)となり、(Clc(H)−Clc(L))/Clc
(L)=(ε//−ε⊥)/ε⊥=Δε/ε⊥となる。
しかし、実際は印加電圧が0であっても一部の液晶分子
が基板面に垂直な面内から若干ずれた方向を向いていた
り、あるいは大きな電圧をかけても界面付近の液晶の配
向が固定されたままであったりするので、(Clc
(H)−Clc(L))/Clc(L)はΔε/ε⊥よ
りは小さい値になる。実際、いろいろなΔεの値を有す
る液晶材料(TNモード、OCBモード、VAモードな
ど様々なモードを含む)について容量値Clc(H)お
よびClc(L)を測定し、そのときの(Clc(H)
−Clc(L))/Clc(L)の値と|Δε|/ε⊥
の値の関係を描いたものを図6に示す。これによると、
(Clc(H)−Clc(L))/Clc(L)の値は
|Δε|/ε⊥よりも小さくなるが、|Δε|/ε⊥と
はほぼ比例関係にあり、比例定数は0.20程度である
(例えば、ε⊥=3.8、ε//=11.5、すなわち
|Δε|/ε⊥=2.03であるようなOCB液晶材料
における実測のClc(H)とClc(L)の比は1
0:7程度であり、[(Clc(H)−Clc(L))
/Clc(L)]/[|Δε|/ε⊥]≒[(10−
7)/7]/2.03=0.21となった)。
【0157】さて、上述の(具体的な実施の形態1)で
述べたように、代表値としてCst=0.70pF、C
gd=0.12pF、Vgon=12V、Vgoff=
−8Vとおく。そして、フリッカ極小対向電極電位Vf
値の変化幅が図5の0.15Vを越えるような条件を求
める。いま、簡単にするためClc(L)=0.60p
Fに固定するものとすると、その条件は(数10)を基
にして(数27)で表される。
述べたように、代表値としてCst=0.70pF、C
gd=0.12pF、Vgon=12V、Vgoff=
−8Vとおく。そして、フリッカ極小対向電極電位Vf
値の変化幅が図5の0.15Vを越えるような条件を求
める。いま、簡単にするためClc(L)=0.60p
Fに固定するものとすると、その条件は(数10)を基
にして(数27)で表される。
【0158】
【数27】
【0159】ただし、Clc(H)の単位はpFで表す
ものとする。これを解くと、Clc(H)≧0.738
pFという条件を得る。すなわち、(Clc(H)−C
lc(L))/Clc(L)で表せば、(Clc(H)
−Clc(L))/Clc(L)≧(0.738−0.
60)/0.60=0.23である。図6にあるような
(Clc(H)−Clc(L))/Clc(L)と|Δ
ε|/ε⊥の比例関係を用いて|Δε|/ε⊥に関する
条件に書き直せば、|Δε|/ε⊥≧0.23/0.2
0=1.15となる。
ものとする。これを解くと、Clc(H)≧0.738
pFという条件を得る。すなわち、(Clc(H)−C
lc(L))/Clc(L)で表せば、(Clc(H)
−Clc(L))/Clc(L)≧(0.738−0.
60)/0.60=0.23である。図6にあるような
(Clc(H)−Clc(L))/Clc(L)と|Δ
ε|/ε⊥の比例関係を用いて|Δε|/ε⊥に関する
条件に書き直せば、|Δε|/ε⊥≧0.23/0.2
0=1.15となる。
【0160】ところで、(本発明の原理1)で述べたよ
うな駆動によるフリッカ削減効果は|Δε|/ε⊥の値
の如何によらず得られるものである。しかし、特に|Δ
ε|/ε⊥が1.15より大きい液晶の場合には、図1
9のような従来の駆動方法ではフリッカが許容限度を超
えて発生するが、(本発明の原理1)の駆動を採用する
ことによりフリッカをなくすことができるという意味
で、本発明の効果が特に有効であるといえる(|Δε|
が大きい場合、液晶の応答速度が速くなるなどの副次的
な効果もある)。
うな駆動によるフリッカ削減効果は|Δε|/ε⊥の値
の如何によらず得られるものである。しかし、特に|Δ
ε|/ε⊥が1.15より大きい液晶の場合には、図1
9のような従来の駆動方法ではフリッカが許容限度を超
えて発生するが、(本発明の原理1)の駆動を採用する
ことによりフリッカをなくすことができるという意味
で、本発明の効果が特に有効であるといえる(|Δε|
が大きい場合、液晶の応答速度が速くなるなどの副次的
な効果もある)。
【0161】なお、図5において、フリッカ極小対向電
極電位Vfの許容変化幅を0.15Vとしたが、これを
若干緩めて0.20Vとすれば、フリッカが発生する条
件は(Clc(H)−Clc(L))/Clc(L)≧
0.318となり、|Δε|/ε⊥≧0.318/0.
20=1.59となる。あるいはさらに緩めてフリッカ
極小対向電極電位Vfの許容変化幅を0.25Vとすれ
ば、(Clc(H)−Clc(L))/Clc(L)≧
0.411となり、|Δε|/ε⊥≧0.411/0.
20=2.05となる。すなわち、|Δε|/ε⊥≧
1.15の場合に本発明の効果が顕著に得られ、特に|
Δε|/ε⊥≧1.59であれば本発明の効果がさらに
顕著に得られ、さらに|Δε|/ε⊥≧2.05であれ
ばもっと顕著に本発明の効果が得られることになる。
極電位Vfの許容変化幅を0.15Vとしたが、これを
若干緩めて0.20Vとすれば、フリッカが発生する条
件は(Clc(H)−Clc(L))/Clc(L)≧
0.318となり、|Δε|/ε⊥≧0.318/0.
20=1.59となる。あるいはさらに緩めてフリッカ
極小対向電極電位Vfの許容変化幅を0.25Vとすれ
ば、(Clc(H)−Clc(L))/Clc(L)≧
0.411となり、|Δε|/ε⊥≧0.411/0.
20=2.05となる。すなわち、|Δε|/ε⊥≧
1.15の場合に本発明の効果が顕著に得られ、特に|
Δε|/ε⊥≧1.59であれば本発明の効果がさらに
顕著に得られ、さらに|Δε|/ε⊥≧2.05であれ
ばもっと顕著に本発明の効果が得られることになる。
【0162】(具体的な実施の形態2)次に、(本発明
の原理3)で示した駆動、すなわち図3の駆動について
考える。パラメータとしては、(具体的な実施の形態
1)で示した値を用いるものとする。
の原理3)で示した駆動、すなわち図3の駆動について
考える。パラメータとしては、(具体的な実施の形態
1)で示した値を用いるものとする。
【0163】まず、リセット期間を設けない従来の駆動
の場合にフリッカ極小対向電極電位Vfを計算すると、
(数25)により、ClcがClc(L)に等しい場合
(液晶への印加電圧絶対値が小さい階調レベルの場合)
はVf=4.268V、ClcがClc(H)に等しい
場合(液晶への印加電圧絶対値が十分大きい階調レベル
の場合)はVf=4.047Vとなる。すなわち、フリ
ッカ極小対向電極電位Vf値には0.221Vの差が生
じる。従って、Vf変化許容範囲0.15Vに収まら
ず、すべての階調に対してフリッカをなくすことはでき
ない。これに対して、本発明のようにリセット期間を設
ける場合、フリッカ極小対向電極電位Vfは(数23)
によりすべての階調に対してVf=4.047Vと計算
される。従って、この値が図5のフリッカ極小状態Vf
mと一致するように調整を行えば、フリッカをなくすこ
とができる。
の場合にフリッカ極小対向電極電位Vfを計算すると、
(数25)により、ClcがClc(L)に等しい場合
(液晶への印加電圧絶対値が小さい階調レベルの場合)
はVf=4.268V、ClcがClc(H)に等しい
場合(液晶への印加電圧絶対値が十分大きい階調レベル
の場合)はVf=4.047Vとなる。すなわち、フリ
ッカ極小対向電極電位Vf値には0.221Vの差が生
じる。従って、Vf変化許容範囲0.15Vに収まら
ず、すべての階調に対してフリッカをなくすことはでき
ない。これに対して、本発明のようにリセット期間を設
ける場合、フリッカ極小対向電極電位Vfは(数23)
によりすべての階調に対してVf=4.047Vと計算
される。従って、この値が図5のフリッカ極小状態Vf
mと一致するように調整を行えば、フリッカをなくすこ
とができる。
【0164】なお、本構成の場合、容量結合電圧は正極
性の場合のみしか与えられないので映像信号振幅増大効
果は(具体的な実施の形態1)の半分程度である。しか
し、リセット電圧に関する映像信号電圧振幅を(具体的
な実施の形態1)よりも若干大きめにしておけば、リセ
ット期間において液晶に十分な振幅の電圧を印加するこ
とが可能である。
性の場合のみしか与えられないので映像信号振幅増大効
果は(具体的な実施の形態1)の半分程度である。しか
し、リセット電圧に関する映像信号電圧振幅を(具体的
な実施の形態1)よりも若干大きめにしておけば、リセ
ット期間において液晶に十分な振幅の電圧を印加するこ
とが可能である。
【0165】なお、図4の駆動に関しても、全く同様に
考えることができる。
考えることができる。
【0166】(第二の構成におけるフリッカ発生現象の
分析)次に、図21の画素構造を有する図20の構成で
発生したフリッカについて原因の分析を行った。基本的
には第一の構成の場合と同じことであり、やはり誘電率
異方性に起因している。以下、(第一の構成におけるフ
リッカ発生現象の分析)の場合をベースにして説明す
る。
分析)次に、図21の画素構造を有する図20の構成で
発生したフリッカについて原因の分析を行った。基本的
には第一の構成の場合と同じことであり、やはり誘電率
異方性に起因している。以下、(第一の構成におけるフ
リッカ発生現象の分析)の場合をベースにして説明す
る。
【0167】まず、図21の画素構造で図22の駆動を
行って均一な静止画を表示する場合に、フリッカが極小
になる条件について考える。考え方は(第一の構成にお
けるフリッカ発生現象の分析)のところで図17の画素
構造で図18の駆動を行う場合について述べたのと全く
同じであり、電荷保存則をもとにすればよい。
行って均一な静止画を表示する場合に、フリッカが極小
になる条件について考える。考え方は(第一の構成にお
けるフリッカ発生現象の分析)のところで図17の画素
構造で図18の駆動を行う場合について述べたのと全く
同じであり、電荷保存則をもとにすればよい。
【0168】図21の画素構造で図22の駆動を行う場
合、電荷保存の式は、(数28)で与えられる。
合、電荷保存の式は、(数28)で与えられる。
【0169】
【数28】
【0170】これは、図17の画素構造で図18の駆動
を行う場合の電荷保存の式(数3)において、Vc
(+)→Vge(+)、Vc(−)→Vge(−)、V
coff→Vgoffと置き換えたものに他ならない。
よって、フリッカ極小対向電極電位Vf値は(数6)に
おいて同様の置き換えを行ったものになり、(数29)
で与えられる。
を行う場合の電荷保存の式(数3)において、Vc
(+)→Vge(+)、Vc(−)→Vge(−)、V
coff→Vgoffと置き換えたものに他ならない。
よって、フリッカ極小対向電極電位Vf値は(数6)に
おいて同様の置き換えを行ったものになり、(数29)
で与えられる。
【0171】
【数29】
【0172】次に、図23の駆動の場合について同様に
電荷保存の式を書き下すと、(数30)のようになる。
電荷保存の式を書き下すと、(数30)のようになる。
【0173】
【数30】
【0174】これを整理すると(数31)のようにな
る。
る。
【0175】
【数31】
【0176】よって、(数1)および(数2)と合わす
ことにより、フリッカ極小対向電極電位Vfの電圧値と
して(数32)を得る。
ことにより、フリッカ極小対向電極電位Vfの電圧値と
して(数32)を得る。
【0177】
【数32】
【0178】ここで、(本発明の原理3)で(数25)
について述べたのと同様の理由で、(数32)最右辺の
[ ]の部分の値が0になることはまずない。従って、
フリッカ極小対向電極電位Vfは(数5)の液晶容量C
lcを介して映像信号振幅Vspに依存することにな
り、(発明が解決しようとする課題)のところで述べた
ような問題、すなわちある表示階調レベルで対向電極電
位を最適調整しても、別の表示階調レベルにすればフリ
ッカが現れるという問題が発生することを理解できる。
また、黒レベルが浮いてコントラストが出ないという問
題についても同様である。
について述べたのと同様の理由で、(数32)最右辺の
[ ]の部分の値が0になることはまずない。従って、
フリッカ極小対向電極電位Vfは(数5)の液晶容量C
lcを介して映像信号振幅Vspに依存することにな
り、(発明が解決しようとする課題)のところで述べた
ような問題、すなわちある表示階調レベルで対向電極電
位を最適調整しても、別の表示階調レベルにすればフリ
ッカが現れるという問題が発生することを理解できる。
また、黒レベルが浮いてコントラストが出ないという問
題についても同様である。
【0179】これに対して図22の駆動の場合の式(数
29)においては、(数33)の関係(図18の駆動に
おける(数12)に相当)を満たせばVf=Vscとな
り、フリッカ極小対向電極電位Vfの電圧値は液晶容量
Clcに依存しなくなる。
29)においては、(数33)の関係(図18の駆動に
おける(数12)に相当)を満たせばVf=Vscとな
り、フリッカ極小対向電極電位Vfの電圧値は液晶容量
Clcに依存しなくなる。
【0180】
【数33】
【0181】厳密に(数33)の条件にならなくても、
少なくとも[(Vge(+)+Vge(−))/2−V
goff]が負値であれば、(数29)右辺の第2項と
第3項は逆符号になるので、図23の駆動よりはフリッ
カ極小対向電極電位Vfのずれ方は小さくなる。実際、
図22においても[(Vge(+)+Vge(−))/
2−Vgoff]が負になっている。
少なくとも[(Vge(+)+Vge(−))/2−V
goff]が負値であれば、(数29)右辺の第2項と
第3項は逆符号になるので、図23の駆動よりはフリッ
カ極小対向電極電位Vfのずれ方は小さくなる。実際、
図22においても[(Vge(+)+Vge(−))/
2−Vgoff]が負になっている。
【0182】したがって、図22の駆動ではフリッカが
目立たなかったが、図23の駆動にすることによりフリ
ッカが増大することが理解できる。
目立たなかったが、図23の駆動にすることによりフリ
ッカが増大することが理解できる。
【0183】以上のことは、(第一の構成におけるフリ
ッカ発生現象の分析)の最後のところで述べたように、
走査電極電位のレベルを1つ減らしたことによる副作用
と考えられる。
ッカ発生現象の分析)の最後のところで述べたように、
走査電極電位のレベルを1つ減らしたことによる副作用
と考えられる。
【0184】(本発明の原理5)以上の分析を行った上
で、図21の画素構造を有する図20の表示装置におい
て、走査電極電位レベルとしてTFTを導通状態にする
電位Vgon以外に2つの値だけを用いて、しかも映像
信号電圧振幅に依存して発生するフリッカをなくすため
の手段を見出した。それが本発明の内容であり、映像信
号電圧の充電の前にリセット電圧を書き込むというもの
である。以下、(本発明の原理1)での説明と若干重複
するが、その原理について詳細に説明する。
で、図21の画素構造を有する図20の表示装置におい
て、走査電極電位レベルとしてTFTを導通状態にする
電位Vgon以外に2つの値だけを用いて、しかも映像
信号電圧振幅に依存して発生するフリッカをなくすため
の手段を見出した。それが本発明の内容であり、映像信
号電圧の充電の前にリセット電圧を書き込むというもの
である。以下、(本発明の原理1)での説明と若干重複
するが、その原理について詳細に説明する。
【0185】図7に本発明の第5の駆動電圧波形の一例
を示す。図中[b]および[d]で示した走査信号パル
スは映像信号駆動回路から映像信号電極を経て画素電極
に映像信号が書き込まれるタイミングに相当し、[a]
および[c]で示した走査信号パルスは同じく映像信号
駆動回路から映像信号電極を経て画素電極にリセット信
号が書き込まれるタイミングに相当する。[b]におい
ては負極性の映像信号電圧Vsig(−)が、[d]に
おいては正極性の映像信号電圧Vsig(+)が書き込
まれるものとする。また、[a]においては正極性のリ
セット電圧Vres(+)が、[c]においては負極性
のリセット電圧Vres(−)が書き込まれるものとす
る。これらのリセット電圧は[b]や[d]で書き込ま
れた表示をリセットするためのものであり、映像信号電
圧とは関係なく常に一定のレベルであるとする。なお、
[a]から[b]までの期間、あるいは[c]から
[d]までの期間をリセット期間、[b]から[c]ま
での期間、あるいは[d]から[a]までの期間を映像
信号書き込み期間と呼ぶことにする。
を示す。図中[b]および[d]で示した走査信号パル
スは映像信号駆動回路から映像信号電極を経て画素電極
に映像信号が書き込まれるタイミングに相当し、[a]
および[c]で示した走査信号パルスは同じく映像信号
駆動回路から映像信号電極を経て画素電極にリセット信
号が書き込まれるタイミングに相当する。[b]におい
ては負極性の映像信号電圧Vsig(−)が、[d]に
おいては正極性の映像信号電圧Vsig(+)が書き込
まれるものとする。また、[a]においては正極性のリ
セット電圧Vres(+)が、[c]においては負極性
のリセット電圧Vres(−)が書き込まれるものとす
る。これらのリセット電圧は[b]や[d]で書き込ま
れた表示をリセットするためのものであり、映像信号電
圧とは関係なく常に一定のレベルであるとする。なお、
[a]から[b]までの期間、あるいは[c]から
[d]までの期間をリセット期間、[b]から[c]ま
での期間、あるいは[d]から[a]までの期間を映像
信号書き込み期間と呼ぶことにする。
【0186】走査信号駆動波形はVgonを除いて、V
goff1およびVgoff2(Vgoff1<Vgo
ff2)という2つのレベルのみからなるものとする
(すなわち、走査信号駆動回路はTFTを導通状態にす
る電圧以外に2種類の異なる電圧値Vgoff1および
Vgoff2を出力している)。そして、正極性の映像
信号電圧あるいはリセット電圧を画素電極に書き込んだ
後には前段の走査電極電位Vg(n−1)はVgoff
1のままであり、負極性の映像信号電圧あるいはリセッ
ト電圧を画素電極に書き込んだ後にはVg(n−1)は
Vgoff2からVgoff1に変化するような波形に
なっている。そうすると、走査電極電位が変化する時点
において、蓄積容量Cstを介した結合電圧による画素
電極電位Vdの変化は図7のようになり、映像信号電圧
およびリセット電圧の両方に対して、画素電極保持電位
の振幅増大効果が得られる。
goff1およびVgoff2(Vgoff1<Vgo
ff2)という2つのレベルのみからなるものとする
(すなわち、走査信号駆動回路はTFTを導通状態にす
る電圧以外に2種類の異なる電圧値Vgoff1および
Vgoff2を出力している)。そして、正極性の映像
信号電圧あるいはリセット電圧を画素電極に書き込んだ
後には前段の走査電極電位Vg(n−1)はVgoff
1のままであり、負極性の映像信号電圧あるいはリセッ
ト電圧を画素電極に書き込んだ後にはVg(n−1)は
Vgoff2からVgoff1に変化するような波形に
なっている。そうすると、走査電極電位が変化する時点
において、蓄積容量Cstを介した結合電圧による画素
電極電位Vdの変化は図7のようになり、映像信号電圧
およびリセット電圧の両方に対して、画素電極保持電位
の振幅増大効果が得られる。
【0187】なお、図7において当段の走査電極電位波
形Vg(n)にもVgon以外にVgoff1とVgo
ff2というレベルがあるが、これは注目している画素
の次に走査される画素に対して同様に画素電極保持電位
の振幅増大効果を与えるためのものである。図7では次
の画素の極性が注目画素に対して逆である場合(ライン
反転駆動、あるいはドット反転駆動など)について描い
てあるが、同じ極性である場合(フレーム反転駆動やカ
ラム反転駆動)は若干異なった波形になる。しかし、そ
の場合も注目画素電極の電位の推移は本質的に何ら変わ
ることはない(図7において、当段の走査電極電位がV
goff2→Vgoff1に変化するときの注目画素に
対する容量結合電圧は小さいとして省略してある)。
形Vg(n)にもVgon以外にVgoff1とVgo
ff2というレベルがあるが、これは注目している画素
の次に走査される画素に対して同様に画素電極保持電位
の振幅増大効果を与えるためのものである。図7では次
の画素の極性が注目画素に対して逆である場合(ライン
反転駆動、あるいはドット反転駆動など)について描い
てあるが、同じ極性である場合(フレーム反転駆動やカ
ラム反転駆動)は若干異なった波形になる。しかし、そ
の場合も注目画素電極の電位の推移は本質的に何ら変わ
ることはない(図7において、当段の走査電極電位がV
goff2→Vgoff1に変化するときの注目画素に
対する容量結合電圧は小さいとして省略してある)。
【0188】さて、本駆動方法の場合、液晶の配向状態
は時間とともに変化し、液晶容量も変化する。いま、正
負各極性に対する各映像信号書き込み期間、およびリセ
ット期間の最後においては液晶の応答が十分安定し、そ
れぞれ図7にも示したようにClc(sig,+)、C
lc(sig,−)、およびClc(res,+)、C
lc(res,−)という容量値になるとする。また、
そのときの画素電極電位がそれぞれVdo(sig,
+)、Vdo(sig,−)、およびVdo(res,
+)、Vdo(res,−)であるとする。また、対向
電極電位はVfとする。すると、映像信号書き込み期間
における電荷保存の式は(数34)のようになる。
は時間とともに変化し、液晶容量も変化する。いま、正
負各極性に対する各映像信号書き込み期間、およびリセ
ット期間の最後においては液晶の応答が十分安定し、そ
れぞれ図7にも示したようにClc(sig,+)、C
lc(sig,−)、およびClc(res,+)、C
lc(res,−)という容量値になるとする。また、
そのときの画素電極電位がそれぞれVdo(sig,
+)、Vdo(sig,−)、およびVdo(res,
+)、Vdo(res,−)であるとする。また、対向
電極電位はVfとする。すると、映像信号書き込み期間
における電荷保存の式は(数34)のようになる。
【0189】
【数34】
【0190】但し、この式は走査電極の充電パルス幅は
液晶の応答時間に比べて十分短いと仮定し、充電期間中
は液晶の配向状態は変化せず、前の期間(リセット期
間)の最後における容量に対して充電が行われるものと
した。(数34)を整理すると、(数35)を得る。
液晶の応答時間に比べて十分短いと仮定し、充電期間中
は液晶の配向状態は変化せず、前の期間(リセット期
間)の最後における容量に対して充電が行われるものと
した。(数34)を整理すると、(数35)を得る。
【0191】
【数35】
【0192】但し、この式は映像信号電圧として中心値
Vsc、振幅Vspの信号を与えるものとして、(数
1)を代入して書き直してある。
Vsc、振幅Vspの信号を与えるものとして、(数
1)を代入して書き直してある。
【0193】ここで、(数35)の両式において右辺に
Clc(res,+)およびClc(res,−)とい
う容量が現れるが、リセット期間においては液晶に十分
大きな電圧が印加されるものとすれば、(本発明の原理
1)において述べた理由により一定値とみなすことがで
きる。これを図29に従ってClc(H)と表す。する
と、(数35)は(数36)のように書き直せる。
Clc(res,+)およびClc(res,−)とい
う容量が現れるが、リセット期間においては液晶に十分
大きな電圧が印加されるものとすれば、(本発明の原理
1)において述べた理由により一定値とみなすことがで
きる。これを図29に従ってClc(H)と表す。する
と、(数35)は(数36)のように書き直せる。
【0194】
【数36】
【0195】ここで、フリッカが極小になる条件を考え
てみる。それは、(第一の構成におけるフリッカ発生現
象の分析)のところで図18や図19の駆動に関して述
べたのと同様、偶奇フレームにおいて(すなわち、正負
極性の映像信号書き込み期間において)液晶の配向状態
が同じ場合、すなわち液晶への印加電圧絶対値が等しい
場合、液晶の容量も偶奇フレームにわたって同じ値とな
る。
てみる。それは、(第一の構成におけるフリッカ発生現
象の分析)のところで図18や図19の駆動に関して述
べたのと同様、偶奇フレームにおいて(すなわち、正負
極性の映像信号書き込み期間において)液晶の配向状態
が同じ場合、すなわち液晶への印加電圧絶対値が等しい
場合、液晶の容量も偶奇フレームにわたって同じ値とな
る。
【0196】いま、対向電極電位Vfでフリッカが極小
になったとすると、液晶印加電圧絶対値をVdpとして
(数2)の場合と同様の式(数16)が成り立つ。そし
て、液晶の容量も偶奇フレームにわたって等しくなり、
Clc(sig,+)=Clc(sig,−)[=Cl
c(sig)とおく]になったとすると、(数36)と
(数16)により(数37)が導かれる。
になったとすると、液晶印加電圧絶対値をVdpとして
(数2)の場合と同様の式(数16)が成り立つ。そし
て、液晶の容量も偶奇フレームにわたって等しくなり、
Clc(sig,+)=Clc(sig,−)[=Cl
c(sig)とおく]になったとすると、(数36)と
(数16)により(数37)が導かれる。
【0197】
【数37】
【0198】(数37)の2式を辺々足し算して若干変
形することにより(数38)が、引き算することにより
(数39)が得られる。
形することにより(数38)が、引き算することにより
(数39)が得られる。
【0199】
【数38】
【0200】
【数39】
【0201】さて、(数38)において液晶の容量とし
てClc(H)が入っているが、これは映像信号振幅V
spとは無関係の一定容量値である。従って、フリッカ
極小対向電極電位Vfは映像信号振幅によらず一定値と
なる。言い換えれば、対向電極電位を(数38)で与え
られる電圧値にしておけば、どの階調レベルに対しても
フリッカが発生しないということを示している。
てClc(H)が入っているが、これは映像信号振幅V
spとは無関係の一定容量値である。従って、フリッカ
極小対向電極電位Vfは映像信号振幅によらず一定値と
なる。言い換えれば、対向電極電位を(数38)で与え
られる電圧値にしておけば、どの階調レベルに対しても
フリッカが発生しないということを示している。
【0202】なお、本発明におけるフリッカ極小対向電
極電位Vfの式(数38)と図23の駆動の場合の式
(数32)を比較した場合、式の上ではよく似た形をし
ているが、(数32)では(数5)を介して現れるCl
cがそのときの表示階調レベルにおける液晶容量であっ
たが、(数38)のClc(H)はリセット期間におい
てリセットがかかった後の液晶容量であるという点で大
きく異なっている。映像信号書き込み期間の直前にリセ
ット期間を設けたことにより、はじめてフリッカをなく
せたことになる。
極電位Vfの式(数38)と図23の駆動の場合の式
(数32)を比較した場合、式の上ではよく似た形をし
ているが、(数32)では(数5)を介して現れるCl
cがそのときの表示階調レベルにおける液晶容量であっ
たが、(数38)のClc(H)はリセット期間におい
てリセットがかかった後の液晶容量であるという点で大
きく異なっている。映像信号書き込み期間の直前にリセ
ット期間を設けたことにより、はじめてフリッカをなく
せたことになる。
【0203】なお、本発明の方法の場合、最も黒レベル
が沈むような対向電極電位(すなわち、黒表示で液晶印
加電圧が正負対称になるような対向電極電位)も(数3
8)で与えられるので、黒レベルの浮きによるコントラ
スト低下も改善される。
が沈むような対向電極電位(すなわち、黒表示で液晶印
加電圧が正負対称になるような対向電極電位)も(数3
8)で与えられるので、黒レベルの浮きによるコントラ
スト低下も改善される。
【0204】なお、図7において、正極性の映像信号電
圧あるいはリセット電圧を画素電極に書き込んだ後には
前段の走査電極電位Vg(n−1)はVgoff1のま
ま不変となっているが、別にVgoff2のまま不変で
あってもかまわない(電荷保存の式を立てて整理すると
結局、(数35)と同じになる)。
圧あるいはリセット電圧を画素電極に書き込んだ後には
前段の走査電極電位Vg(n−1)はVgoff1のま
ま不変となっているが、別にVgoff2のまま不変で
あってもかまわない(電荷保存の式を立てて整理すると
結局、(数35)と同じになる)。
【0205】(本発明の原理6)図21の画素構造を有
する図20の表示装置に関する、第6の駆動波形を図8
に示す。これは(本発明の原理5)で述べた図7の駆動
波形とほとんど同じであるが、映像信号書き込み期間の
前のリセット期間の極性が図7の場合とは逆になってい
る。すなわち、図7においては負極性の映像信号書き込
み期間の前は正極性のリセット期間、正極性の映像信号
書き込み期間の前は負極性のリセット期間であったが、
図8においてはその逆であり、負極性の映像信号書き込
み期間の前は負極性のリセット期間、正極性の映像信号
書き込み期間の前は正極性のリセット期間となってい
る。
する図20の表示装置に関する、第6の駆動波形を図8
に示す。これは(本発明の原理5)で述べた図7の駆動
波形とほとんど同じであるが、映像信号書き込み期間の
前のリセット期間の極性が図7の場合とは逆になってい
る。すなわち、図7においては負極性の映像信号書き込
み期間の前は正極性のリセット期間、正極性の映像信号
書き込み期間の前は負極性のリセット期間であったが、
図8においてはその逆であり、負極性の映像信号書き込
み期間の前は負極性のリセット期間、正極性の映像信号
書き込み期間の前は正極性のリセット期間となってい
る。
【0206】走査電極電位波形は図7の場合と同様、V
gonを除いて、Vgoff1およびVgoff2(V
goff1<Vgoff2)という2つのレベルのみか
らなっている(すなわち、走査信号駆動回路はTFTを
導通状態にする電圧以外に2種類の異なる電圧値Vgo
ff1およびVgoff2を出力している)。波形の形
状そのものは図7とは異なっているが、正極性の映像信
号電圧あるいはリセット電圧を画素電極に書き込んだ後
にはVg(n−1)はVgoff1のままであり、負極
性の映像信号電圧あるいはリセット電圧を画素電極に書
き込んだ後にはVg(n−1)はVgoff2からVg
off1に変化するような波形になっていることは図7
の場合と同じである。従って、図7の場合と同様に、映
像信号電圧およびリセット電圧の両方に対して、画素電
極保持電位の振幅増大効果が得られる。
gonを除いて、Vgoff1およびVgoff2(V
goff1<Vgoff2)という2つのレベルのみか
らなっている(すなわち、走査信号駆動回路はTFTを
導通状態にする電圧以外に2種類の異なる電圧値Vgo
ff1およびVgoff2を出力している)。波形の形
状そのものは図7とは異なっているが、正極性の映像信
号電圧あるいはリセット電圧を画素電極に書き込んだ後
にはVg(n−1)はVgoff1のままであり、負極
性の映像信号電圧あるいはリセット電圧を画素電極に書
き込んだ後にはVg(n−1)はVgoff2からVg
off1に変化するような波形になっていることは図7
の場合と同じである。従って、図7の場合と同様に、映
像信号電圧およびリセット電圧の両方に対して、画素電
極保持電位の振幅増大効果が得られる。
【0207】この場合、映像書き込み期間における電荷
保存の式は(数34)においてClc(res,+)と
Clc(res,−)が入れ替わったものになるが、
(本発明の原理1)で述べたように、リセット期間にお
いて液晶に十分大きな電圧が印加されるとすれば、Cl
c(res,+)=Clc(res,−)=Clc
(H)と置くことができるので、結局(数36)と全く
同じ式が得られ、フリッカ極小対向電極電位Vfは(数
38)と同じ式で表されることになる。よって、フリッ
カ極小対向電極電位Vfは映像信号振幅によらず一定値
となり、対向電極電位を(数38)で与えられる電圧値
にしておけば、どの階調レベルに対してもフリッカが発
生しないことがわかる。
保存の式は(数34)においてClc(res,+)と
Clc(res,−)が入れ替わったものになるが、
(本発明の原理1)で述べたように、リセット期間にお
いて液晶に十分大きな電圧が印加されるとすれば、Cl
c(res,+)=Clc(res,−)=Clc
(H)と置くことができるので、結局(数36)と全く
同じ式が得られ、フリッカ極小対向電極電位Vfは(数
38)と同じ式で表されることになる。よって、フリッ
カ極小対向電極電位Vfは映像信号振幅によらず一定値
となり、対向電極電位を(数38)で与えられる電圧値
にしておけば、どの階調レベルに対してもフリッカが発
生しないことがわかる。
【0208】(本発明の原理7)図21の画素構造を有
する図20の表示装置に関する、第7の駆動波形を図9
に示す。これも映像信号電圧の充電の前にリセット電圧
を書き込むというものであるが、前段の走査電極からの
結合電圧の与え方が図7とは逆になっている。すなわ
ち、Vgoff1およびVgoff2(Vgoff1<
Vgoff2)という2つのレベルのみからなっている
ことに変わりないが、正極性の映像信号電圧あるいはリ
セット電圧を画素電極に書き込んだ後には共通電極電位
がVgoff1からVgoff2に変化し、負極性の映
像信号電圧あるいはリセット電圧を画素電極に書き込ん
だ後には共通電極電位は変化しないような波形になって
いる。この場合、正極性の映像信号電圧あるいはリセッ
ト電圧書き込み後には蓄積容量Cstを介した結合電圧
が重畳されるが、負極性の映像信号電圧あるいはリセッ
ト電圧を書き込んだ後はそのような結合電圧が重畳され
ない。しかし、少なくとも画素電極保持電位の振幅増大
効果が得られるのは図7の場合と同様である。
する図20の表示装置に関する、第7の駆動波形を図9
に示す。これも映像信号電圧の充電の前にリセット電圧
を書き込むというものであるが、前段の走査電極からの
結合電圧の与え方が図7とは逆になっている。すなわ
ち、Vgoff1およびVgoff2(Vgoff1<
Vgoff2)という2つのレベルのみからなっている
ことに変わりないが、正極性の映像信号電圧あるいはリ
セット電圧を画素電極に書き込んだ後には共通電極電位
がVgoff1からVgoff2に変化し、負極性の映
像信号電圧あるいはリセット電圧を画素電極に書き込ん
だ後には共通電極電位は変化しないような波形になって
いる。この場合、正極性の映像信号電圧あるいはリセッ
ト電圧書き込み後には蓄積容量Cstを介した結合電圧
が重畳されるが、負極性の映像信号電圧あるいはリセッ
ト電圧を書き込んだ後はそのような結合電圧が重畳され
ない。しかし、少なくとも画素電極保持電位の振幅増大
効果が得られるのは図7の場合と同様である。
【0209】本駆動波形の場合も図7と全く同様に考え
ることができ、やはりフリッカ極小対向電極電位Vfは
映像信号振幅によらず一定値となり、対向電極電位を
(数40)で与えられる電圧値にしておけば、どの階調
レベルに対してもフリッカが発生しないことが示され
る。
ることができ、やはりフリッカ極小対向電極電位Vfは
映像信号振幅によらず一定値となり、対向電極電位を
(数40)で与えられる電圧値にしておけば、どの階調
レベルに対してもフリッカが発生しないことが示され
る。
【0210】
【数40】
【0211】(数40)を図7の場合の式(数38)と
比べると、右辺第3項(Cstに関する項)の符号が逆
になっていることがわかる。これは、容量結合電圧の与
え方が図7の場合とは逆であることによる当然の帰結で
ある。また、(数40)で第2項(Cgdに関する項)
の中に(Vgoff1+Vgoff2)/2という因子
が入っているが、これは当段の走査電極の電位の映像信
号読み出し期間における最終値が正負極性で異なってい
るためである(正極性の場合Vgoff1、負極性の場
合Vgoff2であるので、(数40)にはこれらの相
加平均(Vgoff1+Vgoff2)/2が入ること
になる)。
比べると、右辺第3項(Cstに関する項)の符号が逆
になっていることがわかる。これは、容量結合電圧の与
え方が図7の場合とは逆であることによる当然の帰結で
ある。また、(数40)で第2項(Cgdに関する項)
の中に(Vgoff1+Vgoff2)/2という因子
が入っているが、これは当段の走査電極の電位の映像信
号読み出し期間における最終値が正負極性で異なってい
るためである(正極性の場合Vgoff1、負極性の場
合Vgoff2であるので、(数40)にはこれらの相
加平均(Vgoff1+Vgoff2)/2が入ること
になる)。
【0212】(具体的な実施の形態3)実際に、図21
の画素構造を有する図20の構造の表示装置において、
本発明を適用する例について示す。図21の画素構造に
おいて、Cst=0.70pF、Cgd=0.12pF
であるとする。そして、図29に示した液晶の容量Cl
c(L)およびClc(H)がそれぞれClc(L)=
0.60pF、Clc(H)=0.90pFとする(こ
れらの容量は実測によって求めてもよいし、シミュレー
ションなどによって求めてもよい)。
の画素構造を有する図20の構造の表示装置において、
本発明を適用する例について示す。図21の画素構造に
おいて、Cst=0.70pF、Cgd=0.12pF
であるとする。そして、図29に示した液晶の容量Cl
c(L)およびClc(H)がそれぞれClc(L)=
0.60pF、Clc(H)=0.90pFとする(こ
れらの容量は実測によって求めてもよいし、シミュレー
ションなどによって求めてもよい)。
【0213】例えば、(本発明の原理5)の図7の駆動
を行う場合を考える。ここで、駆動条件がVgon=1
2V、Vgoff1=−14V、Vgoff2=−4
V、Vsc=3Vであるとする(Vscは映像信号電圧
振幅)。そして、1フレーム期間を16.67msec
(フレーム周波数60Hzに相当)とし、リセット期間
の幅をその1/10(すなわち1.667msec)と
設定する。
を行う場合を考える。ここで、駆動条件がVgon=1
2V、Vgoff1=−14V、Vgoff2=−4
V、Vsc=3Vであるとする(Vscは映像信号電圧
振幅)。そして、1フレーム期間を16.67msec
(フレーム周波数60Hzに相当)とし、リセット期間
の幅をその1/10(すなわち1.667msec)と
設定する。
【0214】まず、リセット期間を設けない従来の駆動
(図23の駆動)を行った場合について(数32)によ
りフリッカ極小対向電極電位Vfを計算すると、液晶容
量ClcがClc(L)に等しい場合(液晶への印加電
圧絶対値が小さい階調レベルの場合)はVf=−1.6
62V、ClcがClc(H)に等しい場合(液晶への
印加電圧絶対値が十分大きい階調レベルの場合)はVf
=−0.849Vとなる。すなわち、フリッカ極小対向
電極電位Vf値には0.813Vの差が生じる。
(図23の駆動)を行った場合について(数32)によ
りフリッカ極小対向電極電位Vfを計算すると、液晶容
量ClcがClc(L)に等しい場合(液晶への印加電
圧絶対値が小さい階調レベルの場合)はVf=−1.6
62V、ClcがClc(H)に等しい場合(液晶への
印加電圧絶対値が十分大きい階調レベルの場合)はVf
=−0.849Vとなる。すなわち、フリッカ極小対向
電極電位Vf値には0.813Vの差が生じる。
【0215】これは、図5から得られる許容範囲0.1
5Vを越えることになり、すべての階調においてフリッ
カを許容限界以下にすることができない。
5Vを越えることになり、すべての階調においてフリッ
カを許容限界以下にすることができない。
【0216】それに対して、本発明のようにリセット期
間を設ける場合はフリッカ極小対向電極電位Vf値が階
調レベルに関わらず(数38)により計算され、一定値
Vf=−0.849Vとなる。これは、フリッカ極小対
向電極電位Vf値の幅が実質上0Vということであり、
例えば、映像信号電圧中心値Vscを適当に調整してV
fが図5のフリッカ極小状態(Vfm)に一致するよう
にすれば、任意の階調レベルに対して十分フリッカを小
さくすることが可能となる。
間を設ける場合はフリッカ極小対向電極電位Vf値が階
調レベルに関わらず(数38)により計算され、一定値
Vf=−0.849Vとなる。これは、フリッカ極小対
向電極電位Vf値の幅が実質上0Vということであり、
例えば、映像信号電圧中心値Vscを適当に調整してV
fが図5のフリッカ極小状態(Vfm)に一致するよう
にすれば、任意の階調レベルに対して十分フリッカを小
さくすることが可能となる。
【0217】なお、以上の効果を得るためにはリセット
期間において液晶に十分な振幅の電圧が印加されるよう
にすることが望ましいが、実際Vres(+)=6V、
Vres(−)=0V(リセット電圧に関する映像信号
電圧振幅=3V)とすればその条件は十分に達成されて
いた。
期間において液晶に十分な振幅の電圧が印加されるよう
にすることが望ましいが、実際Vres(+)=6V、
Vres(−)=0V(リセット電圧に関する映像信号
電圧振幅=3V)とすればその条件は十分に達成されて
いた。
【0218】なお、以上の実施の形態で用いた各パラメ
ータはあくまでも代表例としての数値であり、決して本
発明が上記のパラメータの場合のみに限定されるもので
はない。
ータはあくまでも代表例としての数値であり、決して本
発明が上記のパラメータの場合のみに限定されるもので
はない。
【0219】なお、(本発明の原理6)や(本発明の原
理7)で示した駆動、すなわち図8や図9の駆動に関し
ても全く同じように考えることができる。
理7)で示した駆動、すなわち図8や図9の駆動に関し
ても全く同じように考えることができる。
【0220】(補足事項)なお、図1の駆動に対してリ
セット期間の極性を入れ替えたものが図2であったが、
図3や図4に対しても同様にリセット期間の極性を入れ
替えることはもちろん可能である。そのようにしても、
図3あるいは図4には同等の効果が得られる。また、図
7の駆動に対してリセット期間の極性を入れ替えたもの
が図8であったが、図9の駆動に対しても同様にリセッ
ト期間の極性を入れ替えることはもちろん可能である。
そのようにしても、図9には同等の効果が得られる。
セット期間の極性を入れ替えたものが図2であったが、
図3や図4に対しても同様にリセット期間の極性を入れ
替えることはもちろん可能である。そのようにしても、
図3あるいは図4には同等の効果が得られる。また、図
7の駆動に対してリセット期間の極性を入れ替えたもの
が図8であったが、図9の駆動に対しても同様にリセッ
ト期間の極性を入れ替えることはもちろん可能である。
そのようにしても、図9には同等の効果が得られる。
【0221】なお、図16の表示装置において、すべて
の画素について蓄積容量が当段の共通電極Vc(n)に
接続されていてもよいが、必ずしもそうである必要はな
い。例えば、特願平12−181101の図5や図13
のように、1列おきに異なる共通電極に接続されていて
もよい。そのようにすると、フレーム反転やライン反転
だけでなく、カラム反転やドット反転駆動に対しても本
発明が適用できることになる。また、図20の表示装置
についても同様で、すべての画素について蓄積容量が前
段の走査電極Vg(n−1)に接続されていてもよい
が、必ずしもそうである必要はない。例えば、特願平1
2−122688の図5や図17のように、1列おきに
異なる走査電極に接続されていてもよい。そのようにす
ると、やはりフレーム反転やライン反転だけでなく、カ
ラム反転やドット反転駆動に対しても本発明が適用でき
ることになる。
の画素について蓄積容量が当段の共通電極Vc(n)に
接続されていてもよいが、必ずしもそうである必要はな
い。例えば、特願平12−181101の図5や図13
のように、1列おきに異なる共通電極に接続されていて
もよい。そのようにすると、フレーム反転やライン反転
だけでなく、カラム反転やドット反転駆動に対しても本
発明が適用できることになる。また、図20の表示装置
についても同様で、すべての画素について蓄積容量が前
段の走査電極Vg(n−1)に接続されていてもよい
が、必ずしもそうである必要はない。例えば、特願平1
2−122688の図5や図17のように、1列おきに
異なる走査電極に接続されていてもよい。そのようにす
ると、やはりフレーム反転やライン反転だけでなく、カ
ラム反転やドット反転駆動に対しても本発明が適用でき
ることになる。
【0222】また、図20の表示装置において、蓄積容
量がすべての画素について後段の走査電極に接続されて
いてももちろん構わない。
量がすべての画素について後段の走査電極に接続されて
いてももちろん構わない。
【0223】なお、これまでの例ではすべてnチャネル
型TFT(正のゲート電圧でON状態になり、負のゲー
ト電圧でOFF状態になる)を想定していたが、もちろ
んpチャネル型TFT(負のゲート電圧でON状態にな
り、正のゲート電圧でOFF状態になる)の場合であっ
ても適用できることは言うまでもない。
型TFT(正のゲート電圧でON状態になり、負のゲー
ト電圧でOFF状態になる)を想定していたが、もちろ
んpチャネル型TFT(負のゲート電圧でON状態にな
り、正のゲート電圧でOFF状態になる)の場合であっ
ても適用できることは言うまでもない。
【0224】また、TFTはアモルファスSiであって
も多結晶Siであってもよいし、さらには結晶Siを用
いたMOSFET(金属−酸化膜−半導体型電解効果ト
ランジスタ)であってももちろんかまわない。あるいは
SOI(シリコン・オン・インシュレータ)型の半導体
を用いたMOSFETであってもよいし、Siに限らず
Geや有機材料などによって作製したTFTであっても
もちろんかまわない。
も多結晶Siであってもよいし、さらには結晶Siを用
いたMOSFET(金属−酸化膜−半導体型電解効果ト
ランジスタ)であってももちろんかまわない。あるいは
SOI(シリコン・オン・インシュレータ)型の半導体
を用いたMOSFETであってもよいし、Siに限らず
Geや有機材料などによって作製したTFTであっても
もちろんかまわない。
【0225】なお、液晶はノーマリホワイト型(印加電
圧の絶対値が大きくなると共に出力光輝度が小さくなる
もの)、およびノーマリブラック型(印加電圧の絶対値
が大きくなると共に出力光輝度が大きくなるもの)のい
ずれであってもよい。ちなみに、TN液晶やOCB液晶
などは前者に、IPS液晶などは後者に属する。
圧の絶対値が大きくなると共に出力光輝度が小さくなる
もの)、およびノーマリブラック型(印加電圧の絶対値
が大きくなると共に出力光輝度が大きくなるもの)のい
ずれであってもよい。ちなみに、TN液晶やOCB液晶
などは前者に、IPS液晶などは後者に属する。
【0226】なお、これまでの例ではリセット期間にお
いて液晶に印加される電圧の絶対値は図29で液晶容量
が十分飽和状態に達する領域としてきた。しかし、印加
電圧0近傍の急峻に立ち上がる前の領域(液晶容量がほ
ぼClc(L)である領域)も液晶印加電圧絶対値の変
化に対する容量値の変化が小さく、この領域を用いて表
示をリセットすることも可能である。
いて液晶に印加される電圧の絶対値は図29で液晶容量
が十分飽和状態に達する領域としてきた。しかし、印加
電圧0近傍の急峻に立ち上がる前の領域(液晶容量がほ
ぼClc(L)である領域)も液晶印加電圧絶対値の変
化に対する容量値の変化が小さく、この領域を用いて表
示をリセットすることも可能である。
【0227】ただ、ノーマリホワイト型の液晶の場合
は、リセット時にClc(L)の領域を使うとそこで白
表示をすることになり、コントラストを低下させること
になる。従って、液晶容量がClc(H)となる領域を
用いる方が望ましい。そのためには、表示をリセットす
るための信号の電圧振幅を表示のための映像信号振幅の
最大値以上にするのが望ましい。一方、ノーマリブラッ
ク型の場合は同様の理由でClc(L)の領域を用いる
方が望ましい。そのためには、表示をリセットするため
の信号の電圧振幅を表示のための映像信号振幅の最小値
以上にするのが望ましい(もちろん、例えばストロボ発
光型バックライト等を用いてリセット期間においては光
源が発光しないようにすれば、コントラストの低下はな
く、上述の制限はない)。
は、リセット時にClc(L)の領域を使うとそこで白
表示をすることになり、コントラストを低下させること
になる。従って、液晶容量がClc(H)となる領域を
用いる方が望ましい。そのためには、表示をリセットす
るための信号の電圧振幅を表示のための映像信号振幅の
最大値以上にするのが望ましい。一方、ノーマリブラッ
ク型の場合は同様の理由でClc(L)の領域を用いる
方が望ましい。そのためには、表示をリセットするため
の信号の電圧振幅を表示のための映像信号振幅の最小値
以上にするのが望ましい(もちろん、例えばストロボ発
光型バックライト等を用いてリセット期間においては光
源が発光しないようにすれば、コントラストの低下はな
く、上述の制限はない)。
【0228】なお、表示媒質としてはいろいろなものが
考え得るが、液晶が最も安価であり、これを用いるのが
望ましい。中でも、ネマティック相の液晶は図29のよ
うな印加電圧−容量特性を持つものが多く、本発明に特
に適している(例えば、強誘電性液晶や反強誘電性液晶
のようにネマティック相でないものは必ずしも図29の
ような特性にならない)。その中でも、(第一の構成に
おけるフリッカ発生現象の分析)で述べたような各種の
液晶(モード)を用いるのが望ましい。
考え得るが、液晶が最も安価であり、これを用いるのが
望ましい。中でも、ネマティック相の液晶は図29のよ
うな印加電圧−容量特性を持つものが多く、本発明に特
に適している(例えば、強誘電性液晶や反強誘電性液晶
のようにネマティック相でないものは必ずしも図29の
ような特性にならない)。その中でも、(第一の構成に
おけるフリッカ発生現象の分析)で述べたような各種の
液晶(モード)を用いるのが望ましい。
【0229】なお、その中でも特にOCB液晶は応答速
度が比較的速く、リセット期間が短くても十分に応答す
るという理由で、本発明の構成において用いるのに相応
しい(リセットの効果を出すためには液晶の応答はリセ
ット期間内で十分に完了することが望ましい)。さら
に、OCB液晶は一般に十分に大きな電圧を印加してス
プレイ配向状態からベンド配向状態に転移させた状態で
用いるので、ベンド状態からスプレイ配向状態に逆転移
するのを防ぐため間欠的に黒表示のための電圧を印加す
ることがあるが、本発明におけるリセット期間はこのよ
うな逆転移防止をも兼ねることもでき、非常に望まし
い。
度が比較的速く、リセット期間が短くても十分に応答す
るという理由で、本発明の構成において用いるのに相応
しい(リセットの効果を出すためには液晶の応答はリセ
ット期間内で十分に完了することが望ましい)。さら
に、OCB液晶は一般に十分に大きな電圧を印加してス
プレイ配向状態からベンド配向状態に転移させた状態で
用いるので、ベンド状態からスプレイ配向状態に逆転移
するのを防ぐため間欠的に黒表示のための電圧を印加す
ることがあるが、本発明におけるリセット期間はこのよ
うな逆転移防止をも兼ねることもでき、非常に望まし
い。
【0230】もちろん、表示媒質は必ずしも液晶である
必要はない。例えば、BSO(ビスマスシリコンオキサ
イド)等の電気光学結晶であってもよい。さらには、エ
レクトロクロミック材料や、自発光型のダイオード、レ
ーザー、エレクトロルミネッセンス材料などであっても
よい。あるいは、DMD(Deformable Mi
rror Device)などでもよい。これらにおい
て、程度はともかくとして図29のように印加電圧によ
って容量が変化し得る場合には、本発明を適用すること
ができる。
必要はない。例えば、BSO(ビスマスシリコンオキサ
イド)等の電気光学結晶であってもよい。さらには、エ
レクトロクロミック材料や、自発光型のダイオード、レ
ーザー、エレクトロルミネッセンス材料などであっても
よい。あるいは、DMD(Deformable Mi
rror Device)などでもよい。これらにおい
て、程度はともかくとして図29のように印加電圧によ
って容量が変化し得る場合には、本発明を適用すること
ができる。
【0231】なお、本発明のようにリセット期間を設け
ると、動画に対するぼけを少なくすることができるとい
うような副次的な効果も得られる。
ると、動画に対するぼけを少なくすることができるとい
うような副次的な効果も得られる。
【0232】なお、これまで述べてきたような、リセッ
ト期間を設けることにより階調に依存したフリッカがな
くせるという効果は、(映像信号振幅増大効果を得なが
ら、しかもコストをさらに削減するために)図16の構
成で共通電極の電位レベルを2種類にする方式や、図2
0の構成で走査電極の電位レベルをTFTをON状態に
する電圧を除いて2種類にしたりする方式に対して適用
してはじめて得られるものであることを強調しておく。
言い換えれば、本発明の構成にすることによりはじめて
映像信号振幅増大効果(この効果により映像信号駆動回
路を低電圧化することができ、映像信号駆動回路のコス
トを削減できる)と電位レベル数削減(すなわち更なる
コスト削減)とフリッカ低減をすべて同時に実現できる
ということである。
ト期間を設けることにより階調に依存したフリッカがな
くせるという効果は、(映像信号振幅増大効果を得なが
ら、しかもコストをさらに削減するために)図16の構
成で共通電極の電位レベルを2種類にする方式や、図2
0の構成で走査電極の電位レベルをTFTをON状態に
する電圧を除いて2種類にしたりする方式に対して適用
してはじめて得られるものであることを強調しておく。
言い換えれば、本発明の構成にすることによりはじめて
映像信号振幅増大効果(この効果により映像信号駆動回
路を低電圧化することができ、映像信号駆動回路のコス
トを削減できる)と電位レベル数削減(すなわち更なる
コスト削減)とフリッカ低減をすべて同時に実現できる
ということである。
【0233】(第三の構成における色再現性低下、色ず
れの解析)次に、第三の構成で発生した色再現性低下や
色ずれ発生の原因の分析を行った。その結果、これらも
やはり表示媒質、すなわち液晶が持っている誘電率異方
性に起因していることが明らかになった。以下、これを
説明する。
れの解析)次に、第三の構成で発生した色再現性低下や
色ずれ発生の原因の分析を行った。その結果、これらも
やはり表示媒質、すなわち液晶が持っている誘電率異方
性に起因していることが明らかになった。以下、これを
説明する。
【0234】図30に液晶の容量および透過率と印加電
圧絶対値の関係を示す。また、図31に第三の構成、す
なわちフィールドシーケンシャル型の駆動における各サ
ブフレームでの画素電極電位の変化、および液晶の容量
と透過率の応答を示す。なお、図30において透過率は
印加電圧とともに小さくなる場合、すなわちノーマリホ
ワイト型の場合について示している。
圧絶対値の関係を示す。また、図31に第三の構成、す
なわちフィールドシーケンシャル型の駆動における各サ
ブフレームでの画素電極電位の変化、および液晶の容量
と透過率の応答を示す。なお、図30において透過率は
印加電圧とともに小さくなる場合、すなわちノーマリホ
ワイト型の場合について示している。
【0235】いま、図31にあるように赤、緑、青、の
順にサブフレームがある場合を考え、赤サブフレームで
明状態(白)、緑サブフレームで暗状態(黒)を表示す
るものとし、緑サブフレーム充電時(図中[A]で示し
た走査電極電位パルスの部分)前後での挙動を考える。
まず、赤サブフレーム保持期間では明るい状態であるの
で図30によれば液晶への印加電圧の絶対値は小さい値
で、そのときの液晶容量はほぼClc(L)である。次
に、緑サブフレームの充電時において、充電パルス幅が
液晶の応答時間に比べて十分短いものとすると、液晶の
容量はClc(L)であるとして充電が行われる。そし
て、充電後の緑サブフレーム期間中において液晶は暗状
態に向かって応答するが、そのときに液晶の容量はCl
c(H)に向かって変化していく。このときに画素電極
に蓄積される電荷量が保存されるので、容量の増加に反
比例して液晶への印加電圧は若干低下する。従って、図
30により暗状態が若干浮くことになり、緑サブフレー
ムの光出力がわずかに生じることになる。よって、本来
赤サブフレームにおける赤色の光出力だけがほしいのに
も関わらず、緑色の光出力が混じることになる。以上
が、色純度が低下し、色再現性が悪くなる理由である。
順にサブフレームがある場合を考え、赤サブフレームで
明状態(白)、緑サブフレームで暗状態(黒)を表示す
るものとし、緑サブフレーム充電時(図中[A]で示し
た走査電極電位パルスの部分)前後での挙動を考える。
まず、赤サブフレーム保持期間では明るい状態であるの
で図30によれば液晶への印加電圧の絶対値は小さい値
で、そのときの液晶容量はほぼClc(L)である。次
に、緑サブフレームの充電時において、充電パルス幅が
液晶の応答時間に比べて十分短いものとすると、液晶の
容量はClc(L)であるとして充電が行われる。そし
て、充電後の緑サブフレーム期間中において液晶は暗状
態に向かって応答するが、そのときに液晶の容量はCl
c(H)に向かって変化していく。このときに画素電極
に蓄積される電荷量が保存されるので、容量の増加に反
比例して液晶への印加電圧は若干低下する。従って、図
30により暗状態が若干浮くことになり、緑サブフレー
ムの光出力がわずかに生じることになる。よって、本来
赤サブフレームにおける赤色の光出力だけがほしいのに
も関わらず、緑色の光出力が混じることになる。以上
が、色純度が低下し、色再現性が悪くなる理由である。
【0236】また、色ずれの原因についても同様に説明
できる。いま、図32に(a)赤サブフレームで暗状
態、緑サブフレームで中間の状態を表示する場合と、
(b)赤サブフレームで明状態、緑サブフレームで中間
の状態を表示する場合について、画素電極電位変化と液
晶容量および透過率の推移を示してある。この図32に
おいて、[A]で示した充電時に注目する。(a)の場
合は液晶容量はClc(H)として充電され、一方の
(b)の場合はClc(L)として充電されるので、両
者で同じ映像信号電圧を充電する場合であっても、画素
電極に蓄積される電荷量が異なる。そして、緑サブフレ
ームの保持期間においては(a)の場合は液晶の応答に
伴って容量はClc(H)から中間の値に向かって、一
方の(b)の場合はClc(L)から中間の値に向かっ
て変化するので、前者では画素電極電位が増加し、後者
では減少する。従って、画素電極電位がその前のサブフ
レームに応じて異なったものになり、液晶の透過率も図
30に従って異なったものになる。これは色ずれが発生
することを示している。
できる。いま、図32に(a)赤サブフレームで暗状
態、緑サブフレームで中間の状態を表示する場合と、
(b)赤サブフレームで明状態、緑サブフレームで中間
の状態を表示する場合について、画素電極電位変化と液
晶容量および透過率の推移を示してある。この図32に
おいて、[A]で示した充電時に注目する。(a)の場
合は液晶容量はClc(H)として充電され、一方の
(b)の場合はClc(L)として充電されるので、両
者で同じ映像信号電圧を充電する場合であっても、画素
電極に蓄積される電荷量が異なる。そして、緑サブフレ
ームの保持期間においては(a)の場合は液晶の応答に
伴って容量はClc(H)から中間の値に向かって、一
方の(b)の場合はClc(L)から中間の値に向かっ
て変化するので、前者では画素電極電位が増加し、後者
では減少する。従って、画素電極電位がその前のサブフ
レームに応じて異なったものになり、液晶の透過率も図
30に従って異なったものになる。これは色ずれが発生
することを示している。
【0237】(本発明の原理8)以上の分析を行った上
で、図17の画素構造を有する図16の表示装置におい
て、色純度の低下や色ずれをなくす手段を見出した。そ
れが本発明の内容であり、あるサブフレームで映像信号
駆動回路から映像信号電極に対して出力される映像信号
電圧を、その前のサブフレームでの液晶の容量に応じて
補正するというものである。以下、その原理について説
明する。
で、図17の画素構造を有する図16の表示装置におい
て、色純度の低下や色ずれをなくす手段を見出した。そ
れが本発明の内容であり、あるサブフレームで映像信号
駆動回路から映像信号電極に対して出力される映像信号
電圧を、その前のサブフレームでの液晶の容量に応じて
補正するというものである。以下、その原理について説
明する。
【0238】いま、図16の表示装置で共通電極から蓄
積容量を介した結合電圧を重畳する場合の各部の電位波
形を図10に示す。ここでは各サブフレームがいずれも
正極性であり、画素電極の充電を行った後に共通電極の
電位をVcaからVcbに変化させて画素電極に正の結
合電圧を与える場合を示している(Vca<Vcb)。
なお、TFTを導通状態にするときの走査電極電位をV
gon、非導通状態にするときの走査電極電位をVgo
ffとしてある。また、対向電極電位はVfとする。
積容量を介した結合電圧を重畳する場合の各部の電位波
形を図10に示す。ここでは各サブフレームがいずれも
正極性であり、画素電極の充電を行った後に共通電極の
電位をVcaからVcbに変化させて画素電極に正の結
合電圧を与える場合を示している(Vca<Vcb)。
なお、TFTを導通状態にするときの走査電極電位をV
gon、非導通状態にするときの走査電極電位をVgo
ffとしてある。また、対向電極電位はVfとする。
【0239】さて、[A]の充電の前(赤サブフレーム
の最後)の液晶の容量はClc’であり、[A]の充電
において映像信号電極からVsigという電位が充電さ
れるものとする。そして、緑のサブフレームにおける画
素電極保持電位がVdo=Vf+Vlc(Vlcは液晶
への印加電圧)になり、そのときの液晶の容量はClc
になったとする。このとき、次の電荷保存の式が成り立
つ。
の最後)の液晶の容量はClc’であり、[A]の充電
において映像信号電極からVsigという電位が充電さ
れるものとする。そして、緑のサブフレームにおける画
素電極保持電位がVdo=Vf+Vlc(Vlcは液晶
への印加電圧)になり、そのときの液晶の容量はClc
になったとする。このとき、次の電荷保存の式が成り立
つ。
【0240】
【数41】
【0241】これを整理すると、(数42)になる。
【0242】
【数42】
【0243】ただし、ΔQccは(数43)で、Cto
tおよびCtot’は(数44)で与えられる。
tおよびCtot’は(数44)で与えられる。
【0244】
【数43】
【0245】
【数44】
【0246】なお、これらの式において、Ctotは画
素電極に電気的に接続される容量の総和の、注目サブフ
レーム保持時における値であり、液晶印加電圧絶対値す
なわち|Vlc|によって決まる値である。また、Ct
ot’はその前サブフレームにおける値である。また、
ΔVgおよびΔVcはそれぞれ映像信号電圧を書き込ん
だ後の当段の走査電極および共通電極の電位変化に相当
する。
素電極に電気的に接続される容量の総和の、注目サブフ
レーム保持時における値であり、液晶印加電圧絶対値す
なわち|Vlc|によって決まる値である。また、Ct
ot’はその前サブフレームにおける値である。また、
ΔVgおよびΔVcはそれぞれ映像信号電圧を書き込ん
だ後の当段の走査電極および共通電極の電位変化に相当
する。
【0247】さて、ある階調を表示したいときに、映像
信号電極にどのような映像信号電圧を与えればよいかに
ついて考える。いま、所望の階調を得るのに必要な液晶
印加電圧がVlc、そしてそのときの液晶容量をClc
とする。|Vlc|は図30の下のグラフにおいて所望
の階調に相当する透過率から液晶印加電圧絶対値を逆算
したものであり、Clcはその上のグラフで|Vlc|
に対応する容量であると考えればよい。そのときに与え
るべき映像信号電圧は(数42)を満たすようなVsi
g、すなわち(数42)をVsigについて解いたもの
に他ならない。すなわち、(数45)で与えられる。
信号電極にどのような映像信号電圧を与えればよいかに
ついて考える。いま、所望の階調を得るのに必要な液晶
印加電圧がVlc、そしてそのときの液晶容量をClc
とする。|Vlc|は図30の下のグラフにおいて所望
の階調に相当する透過率から液晶印加電圧絶対値を逆算
したものであり、Clcはその上のグラフで|Vlc|
に対応する容量であると考えればよい。そのときに与え
るべき映像信号電圧は(数42)を満たすようなVsi
g、すなわち(数42)をVsigについて解いたもの
に他ならない。すなわち、(数45)で与えられる。
【0248】
【数45】
【0249】この式中の各記号はもろちん(数43)、
および(数44)で与えられる。この式では確かに液晶
容量Clc’が含まれているので、前フレームでの液晶
容量に応じて補正されていることになる。
および(数44)で与えられる。この式では確かに液晶
容量Clc’が含まれているので、前フレームでの液晶
容量に応じて補正されていることになる。
【0250】なお、以上では正極性の場合を考えたが、
負極性であっても全く同様に考えることができる。図1
1に負極性の場合の各部の電位変化の図を示す。ここで
は各サブフレームがいずれも負極性であり、画素電極の
充電を行った後に共通電極の電位をVccからVcdに
変化させて画素電極に負の結合電圧を与える場合を示し
ている(Vcc>Vcd)。この場合も正極性の場合と
同じように電荷保存の式を考えれば与えるべき映像信号
電圧は(数46)で与えられる。
負極性であっても全く同様に考えることができる。図1
1に負極性の場合の各部の電位変化の図を示す。ここで
は各サブフレームがいずれも負極性であり、画素電極の
充電を行った後に共通電極の電位をVccからVcdに
変化させて画素電極に負の結合電圧を与える場合を示し
ている(Vcc>Vcd)。この場合も正極性の場合と
同じように電荷保存の式を考えれば与えるべき映像信号
電圧は(数46)で与えられる。
【0251】
【数46】
【0252】但し、ΔQcc、CtotおよびCto
t’は(数47)および(数48)で与えられる。
t’は(数47)および(数48)で与えられる。
【0253】
【数47】
【0254】
【数48】
【0255】これらの式を正極性の場合と比較すると、
ΔVcの表現が違うのを除けば正極性の場合と全く同じ
である。また、ΔVcも表現こそ違うが、映像信号電圧
を書き込んだ後の共通電極の電位変化であることに変わ
りはない。
ΔVcの表現が違うのを除けば正極性の場合と全く同じ
である。また、ΔVcも表現こそ違うが、映像信号電圧
を書き込んだ後の共通電極の電位変化であることに変わ
りはない。
【0256】以上により、色ずれを防ぎ、かつ色純度を
高くするためには、正負いずれの極性であっても、対向
電極の電位を基準として[CtotVlc−ΔQcc]
/Ctot’という値を映像電極に与えればよいことが
示された(但し、一般にΔQccの値は正負極性で異な
る)。
高くするためには、正負いずれの極性であっても、対向
電極の電位を基準として[CtotVlc−ΔQcc]
/Ctot’という値を映像電極に与えればよいことが
示された(但し、一般にΔQccの値は正負極性で異な
る)。
【0257】さて、(数45)や(数46)のVsig
という値であるが、これを(数49)のように書き直
す。
という値であるが、これを(数49)のように書き直
す。
【0258】
【数49】
【0259】この式において、前サブフレームでの液晶
容量Clc’は分母にかかってきていて、かつ|Cto
tVlc−ΔQcc|は正であるので、注目サブフレー
ムで一定の階調を得るためには、Clc’が大きい場合
ほど|Vsig−Vf|の値は小さくなるようにすれば
よい。ところで、先の(第一の構成におけるフリッカ発
生現象の分析)のところで述べたように、液晶印加電圧
絶対値が大きくなるほど液晶の容量は大きくなる。従っ
て、液晶印加電圧絶対値が大きくなるほど、|Vsig
−Vf|が小さくなるような補正をすればよいことにな
る。
容量Clc’は分母にかかってきていて、かつ|Cto
tVlc−ΔQcc|は正であるので、注目サブフレー
ムで一定の階調を得るためには、Clc’が大きい場合
ほど|Vsig−Vf|の値は小さくなるようにすれば
よい。ところで、先の(第一の構成におけるフリッカ発
生現象の分析)のところで述べたように、液晶印加電圧
絶対値が大きくなるほど液晶の容量は大きくなる。従っ
て、液晶印加電圧絶対値が大きくなるほど、|Vsig
−Vf|が小さくなるような補正をすればよいことにな
る。
【0260】なお、前サブフレームでの液晶容量がどの
ような値であっても(数46)、あるいは(数45)に
従って補正をかけるのが最も望ましい。しかし、必ずし
もそうでなくても、例えば、代表点として前サブフレー
ムでの液晶印加電圧の絶対値が最大の場合と最小の場合
を考え、前者の方が後者に比べて|Vsig−Vf|が
小さくなるような補正になっていれば、少なくともある
程度の色ずれ削減および色純度改善効果が得られる。
ような値であっても(数46)、あるいは(数45)に
従って補正をかけるのが最も望ましい。しかし、必ずし
もそうでなくても、例えば、代表点として前サブフレー
ムでの液晶印加電圧の絶対値が最大の場合と最小の場合
を考え、前者の方が後者に比べて|Vsig−Vf|が
小さくなるような補正になっていれば、少なくともある
程度の色ずれ削減および色純度改善効果が得られる。
【0261】さて、共通電極電位からの結合電圧の与え
方であるが、例えば、従来の技術における図18のよう
な駆動であれば、Vca=Vc(−)、Vcb=Vco
ff、Vcc=Vc(+)、Vcd=Vcoffと考え
ればよい。また、同じく従来の技術における図19のよ
うな駆動であれば、Vca=Vc1、Vcb=Vc2、
Vcc=Vc2、Vcd=Vc1と考えればよい。その
他、例えば、図3や図4の場合のように正負極性のいず
れかのみで容量結合電圧を重畳するような駆動であって
も全く同じように考えることができる。いずれの場合も
ΔVcが映像信号電圧を書き込んだ後の共通電極の電位
変化であることに変わりはない。
方であるが、例えば、従来の技術における図18のよう
な駆動であれば、Vca=Vc(−)、Vcb=Vco
ff、Vcc=Vc(+)、Vcd=Vcoffと考え
ればよい。また、同じく従来の技術における図19のよ
うな駆動であれば、Vca=Vc1、Vcb=Vc2、
Vcc=Vc2、Vcd=Vc1と考えればよい。その
他、例えば、図3や図4の場合のように正負極性のいず
れかのみで容量結合電圧を重畳するような駆動であって
も全く同じように考えることができる。いずれの場合も
ΔVcが映像信号電圧を書き込んだ後の共通電極の電位
変化であることに変わりはない。
【0262】ところで、図25のように共通電極電位を
常に一定とし、共通電極から全く容量結合電圧を与えな
い場合について考えてみる。この場合、Vca=Vcb
=Vcc=Vcd、すなわち正負極性いずれにおいても
ΔVc=0であると考えれば、形式的には(数45)お
よび(数46)を適用して映像信号電圧に補正をかけて
色ずれ、あるいは色純度低下を防ぐことは可能である。
しかし、本発明のように共通電極から容量結合電圧を与
える駆動において(数45)および(数46)により補
正をかける場合には、それ以上の効果が得られる。これ
を以下に説明する。
常に一定とし、共通電極から全く容量結合電圧を与えな
い場合について考えてみる。この場合、Vca=Vcb
=Vcc=Vcd、すなわち正負極性いずれにおいても
ΔVc=0であると考えれば、形式的には(数45)お
よび(数46)を適用して映像信号電圧に補正をかけて
色ずれ、あるいは色純度低下を防ぐことは可能である。
しかし、本発明のように共通電極から容量結合電圧を与
える駆動において(数45)および(数46)により補
正をかける場合には、それ以上の効果が得られる。これ
を以下に説明する。
【0263】いま、(数45)あるいは(数46)にお
いて補正の幅はどの程度であるか、すなわち、ある特定
の階調レベル(液晶印加電圧をVlc、そのときの容量
をClcとする)を表示しようとするときに、前のサブ
フレームで最も液晶の容量が小さいとき(Clc
(L))と大きいとき(Clc(H))とでVsigの
値はどれだけ違うかを計算してみる。この差の絶対値を
ΔVsigとすると、ΔVsigは(数50)で与えら
れる。
いて補正の幅はどの程度であるか、すなわち、ある特定
の階調レベル(液晶印加電圧をVlc、そのときの容量
をClcとする)を表示しようとするときに、前のサブ
フレームで最も液晶の容量が小さいとき(Clc
(L))と大きいとき(Clc(H))とでVsigの
値はどれだけ違うかを計算してみる。この差の絶対値を
ΔVsigとすると、ΔVsigは(数50)で与えら
れる。
【0264】
【数50】
【0265】ただし、Ctot(L)およびCtot
(H)は(数51)で与えられる。
(H)は(数51)で与えられる。
【0266】
【数51】
【0267】よって、液晶容量の最大値と最小値が同じ
であれば、ΔVsigは|CtotVlc−ΔQcc|
に比例することになる。
であれば、ΔVsigは|CtotVlc−ΔQcc|
に比例することになる。
【0268】さて、先にも述べた通り、ゲート・ドレイ
ン間容量Cgdは蓄積容量Cstに比べて十分小さいの
で、(数43)あるいは(数47)のΔQccの式にお
いて、Cgdの項を無視して近似的にΔQcc=Cst
ΔVcと考えて良い。そうすると容量結合を与えない駆
動の場合、ΔQccはほぼ0となり、(数50)右辺の
絶対値記号の部分は|CtotVlc|とみなすことが
できる。これに対して本発明のように容量結合をあたえ
る駆動の場合、一般に、Vlcが正の場合(正極性時)
にはΔQccは正、Vlcが負の場合(負極性時)には
ΔQccは負となる。よって、(数50)右辺の絶対値
記号の部分ではCtotVlcとΔQccが互いにうち
消し合って、容量結合電圧を与えない場合に比べて小さ
い値になる。すなわち、本発明のように容量結合を与え
る場合、容量結合を与えない場合に比べてΔVsigを
小さくすることができ、従って映像信号を補正するため
の回路をより簡単な構成にすることができ、コストを下
げることができる。例えば、映像信号の補正処理をデジ
タル信号処理によって行う場合、|CtotVlc−Δ
Qcc|の値を|CtotVlc|の半分にまで下げる
ことができれば、補正のレンジを半分にすることがで
き、信号処理のビット数を1つ少なくすることができ、
処理も高速に行え、かつ回路規模も小さくて済む。
ン間容量Cgdは蓄積容量Cstに比べて十分小さいの
で、(数43)あるいは(数47)のΔQccの式にお
いて、Cgdの項を無視して近似的にΔQcc=Cst
ΔVcと考えて良い。そうすると容量結合を与えない駆
動の場合、ΔQccはほぼ0となり、(数50)右辺の
絶対値記号の部分は|CtotVlc|とみなすことが
できる。これに対して本発明のように容量結合をあたえ
る駆動の場合、一般に、Vlcが正の場合(正極性時)
にはΔQccは正、Vlcが負の場合(負極性時)には
ΔQccは負となる。よって、(数50)右辺の絶対値
記号の部分ではCtotVlcとΔQccが互いにうち
消し合って、容量結合電圧を与えない場合に比べて小さ
い値になる。すなわち、本発明のように容量結合を与え
る場合、容量結合を与えない場合に比べてΔVsigを
小さくすることができ、従って映像信号を補正するため
の回路をより簡単な構成にすることができ、コストを下
げることができる。例えば、映像信号の補正処理をデジ
タル信号処理によって行う場合、|CtotVlc−Δ
Qcc|の値を|CtotVlc|の半分にまで下げる
ことができれば、補正のレンジを半分にすることがで
き、信号処理のビット数を1つ少なくすることができ、
処理も高速に行え、かつ回路規模も小さくて済む。
【0269】(本発明の原理9)上記の(本発明の原理
8)においては図17の画素構造を有する図16の表示
装置についてのものであったが、同様の考え(あるサブ
フレームで映像信号駆動回路から映像信号電極に対して
出力される映像信号電圧を、その前のサブフレームでの
液晶の容量に応じて補正すること)を、図21の画素構
造を有する図20の表示装置に対しても適用することが
できる。
8)においては図17の画素構造を有する図16の表示
装置についてのものであったが、同様の考え(あるサブ
フレームで映像信号駆動回路から映像信号電極に対して
出力される映像信号電圧を、その前のサブフレームでの
液晶の容量に応じて補正すること)を、図21の画素構
造を有する図20の表示装置に対しても適用することが
できる。
【0270】図12に、図20の表示装置で前段の走査
電極から蓄積容量を介した結合電圧を重畳する場合の各
部の電位波形を示す。ここでは各サブフレームはいずれ
も正極性としているが、画素電極電位の充電を行った後
に前段走査電極の電位をVgoffaからVgoffb
に変化させることにより画素電極に正の結合電圧を与え
ている(Vgoffa<Vgoffb)。この場合、前
段の走査電極を(本発明の原理9)における共通電極と
同様に考えれば、与えるべき信号電圧Vsigは(数4
5)と全く同じ式において、Vca→Vgoffa、V
cb→Vgoffbと置き換えたものに他ならない。す
なわち、(数52)で与えられる。
電極から蓄積容量を介した結合電圧を重畳する場合の各
部の電位波形を示す。ここでは各サブフレームはいずれ
も正極性としているが、画素電極電位の充電を行った後
に前段走査電極の電位をVgoffaからVgoffb
に変化させることにより画素電極に正の結合電圧を与え
ている(Vgoffa<Vgoffb)。この場合、前
段の走査電極を(本発明の原理9)における共通電極と
同様に考えれば、与えるべき信号電圧Vsigは(数4
5)と全く同じ式において、Vca→Vgoffa、V
cb→Vgoffbと置き換えたものに他ならない。す
なわち、(数52)で与えられる。
【0271】
【数52】
【0272】また、負極性の場合、例えば画素電極の充
電を行った後に前段走査電極の電位がVgoffcから
Vgoffdに変化する場合(図13、Vgoffc>
Vgoffd)も同様であり、画素電極に与えるべき信
号Vsigは(数53)で与えられる。
電を行った後に前段走査電極の電位がVgoffcから
Vgoffdに変化する場合(図13、Vgoffc>
Vgoffd)も同様であり、画素電極に与えるべき信
号Vsigは(数53)で与えられる。
【0273】
【数53】
【0274】(数52)および(数53)において、Δ
Vgpは蓄積容量を介して接続される当段以外の走査電
極の電位変化であるということができる。
Vgpは蓄積容量を介して接続される当段以外の走査電
極の電位変化であるということができる。
【0275】以上により、(本発明の原理8)と同様
に、正負いずれの極性であっても対向電極の電位を基準
として[CtotVlc−ΔQcc]/Ctot’とい
う値(但し、一般にΔQccの値は正負極性で異なる)
を映像電極に与えれば、色ずれを防ぎ、かつ色純度を高
くできることが示された。
に、正負いずれの極性であっても対向電極の電位を基準
として[CtotVlc−ΔQcc]/Ctot’とい
う値(但し、一般にΔQccの値は正負極性で異なる)
を映像電極に与えれば、色ずれを防ぎ、かつ色純度を高
くできることが示された。
【0276】なお、液晶印加電圧絶対値が大きくなるほ
ど、|Vsig−Vf|が小さくなるような補正をすれ
ばよいことも(本発明の原理8)と全く同様である。
ど、|Vsig−Vf|が小さくなるような補正をすれ
ばよいことも(本発明の原理8)と全く同様である。
【0277】また、代表点として前サブフレームでの液
晶印加電圧の絶対値が最大の場合と最小の場合を考え、
前者の方が後者に比べて|Vsig−Vf|が小さくな
るような補正になっていれば、少なくともある程度の色
ずれ削減および色純度改善効果が得られることも(本発
明の原理8)と全く同様である。
晶印加電圧の絶対値が最大の場合と最小の場合を考え、
前者の方が後者に比べて|Vsig−Vf|が小さくな
るような補正になっていれば、少なくともある程度の色
ずれ削減および色純度改善効果が得られることも(本発
明の原理8)と全く同様である。
【0278】なお、(数52)および(数53)におい
てΔVgの式でVgoffという値が現れるが、これは
当段の走査電極の電位の保持時における値である(従っ
て、ΔVgは映像信号電圧を書き込んだ後の当段の走査
電極の電位変化ということになる)。Vgoffa、V
goffb、あるいはVgoffc、Vgoffdは注
目画素の前段の走査電極に関する値であるのに対し、V
goffは当段の走査電極に関する値である。
てΔVgの式でVgoffという値が現れるが、これは
当段の走査電極の電位の保持時における値である(従っ
て、ΔVgは映像信号電圧を書き込んだ後の当段の走査
電極の電位変化ということになる)。Vgoffa、V
goffb、あるいはVgoffc、Vgoffdは注
目画素の前段の走査電極に関する値であるのに対し、V
goffは当段の走査電極に関する値である。
【0279】例えば、従来の技術の図22の駆動の場
合、Vgoffa=Vge(−)、Vgoffb=Vg
off、Vgoffc=Vge(+)、Vgoffd=
Vgoffであり、上記のVgoffはやはり図22に
おいてもVgoffである。また、例えば、従来の技術
の図23の駆動や本発明の図7や図8のような駆動であ
れば、Vgoffa=Vgoff1、Vgoffb=V
goff1、Vgoffc=Vgoff2、Vgoff
d=Vgoff1であり、Vgoff=Vgoff1で
ある。また、本発明の図9のような駆動であっても同様
に考えることができる。
合、Vgoffa=Vge(−)、Vgoffb=Vg
off、Vgoffc=Vge(+)、Vgoffd=
Vgoffであり、上記のVgoffはやはり図22に
おいてもVgoffである。また、例えば、従来の技術
の図23の駆動や本発明の図7や図8のような駆動であ
れば、Vgoffa=Vgoff1、Vgoffb=V
goff1、Vgoffc=Vgoff2、Vgoff
d=Vgoff1であり、Vgoff=Vgoff1で
ある。また、本発明の図9のような駆動であっても同様
に考えることができる。
【0280】ところで、図26のように、他段の走査電
極から結合電圧を与えないような駆動の場合であって
も、形式的にVgoffa=Vgoffb=Vgoff
c=Vgoffd=Vgoffであると考えれば、本発
明の原理を適用することは可能である。しかし、本発明
で述べているような容量結合型の駆動の場合には(本発
明の原理8)で述べたのと全く同じ理由で映像信号を補
正するための回路をより簡単な構成にすることができ、
コストを下げることができるという効果が得られる。
極から結合電圧を与えないような駆動の場合であって
も、形式的にVgoffa=Vgoffb=Vgoff
c=Vgoffd=Vgoffであると考えれば、本発
明の原理を適用することは可能である。しかし、本発明
で述べているような容量結合型の駆動の場合には(本発
明の原理8)で述べたのと全く同じ理由で映像信号を補
正するための回路をより簡単な構成にすることができ、
コストを下げることができるという効果が得られる。
【0281】(本発明の原理10)先に(本発明の原理
1)、(本発明の原理2)、(本発明の原理3)、(本
発明の原理4)、(本発明の原理5)、(本発明の原理
6)、あるいは(本発明の原理7)などで述べてきたの
と同じ原理で、各サブフレームで画素電極に映像信号電
圧を書き込む前に表示をリセットするための電圧を書き
込むことによっても色ずれを補正したり色純度低下を抑
制したりすることが可能である。そのような駆動方法の
一例を図14に示す。映像信号を書き込むための走査信
号パルス[A]の前にリセット信号を書き込むための走
査信号パルス[B]を設けてある。こうすると電荷保存
の式は(数41)においてClc’の代わりにClc
(H)とおいたものになり、Vsigとしては次の(数
54)のように与えればよく、確かに前のサブフレーム
での信号に応じた補正は不要となる。
1)、(本発明の原理2)、(本発明の原理3)、(本
発明の原理4)、(本発明の原理5)、(本発明の原理
6)、あるいは(本発明の原理7)などで述べてきたの
と同じ原理で、各サブフレームで画素電極に映像信号電
圧を書き込む前に表示をリセットするための電圧を書き
込むことによっても色ずれを補正したり色純度低下を抑
制したりすることが可能である。そのような駆動方法の
一例を図14に示す。映像信号を書き込むための走査信
号パルス[A]の前にリセット信号を書き込むための走
査信号パルス[B]を設けてある。こうすると電荷保存
の式は(数41)においてClc’の代わりにClc
(H)とおいたものになり、Vsigとしては次の(数
54)のように与えればよく、確かに前のサブフレーム
での信号に応じた補正は不要となる。
【0282】
【数54】
【0283】よって、余分な補正回路を設ける必要なし
に色ずれや色純度低下を防ぐことが可能となる。
に色ずれや色純度低下を防ぐことが可能となる。
【0284】なお、このような(余分な補正回路を設け
る必要なしに色ずれや色純度低下を防げるという)効果
は、共通電極や他段の走査電極から結合電圧を与えない
ような駆動に対しても得られるものである。
る必要なしに色ずれや色純度低下を防げるという)効果
は、共通電極や他段の走査電極から結合電圧を与えない
ような駆動に対しても得られるものである。
【0285】ところで、図31や図32のような従来の
技術の駆動における色ずれや色純度低下は、表示媒質
(液晶)の誘電率異方性が大きい場合に特に顕著になる
と考えられる。
技術の駆動における色ずれや色純度低下は、表示媒質
(液晶)の誘電率異方性が大きい場合に特に顕著になる
と考えられる。
【0286】いま、実際にいろいろな誘電率異方性Δε
を有する液晶材料を用いて表示装置を作製し、従来の技
術における駆動方式(図32)により駆動し、動画像を
表示した。そして、多数の観察者に画像を観察してもら
い、そのときに観察者が画像の色ずれを感じるかどうか
についての主観評価を行った。なお、用いた表示装置は
図17の画素構造を有するものとし、Cst=0.70
pF、Cgd=0.12pFとした。また、駆動条件と
しては、Vgon=12V、Vgoff=−8Vとし
た。このときの、液晶材料の|Δε|/ε⊥の値と、多
数の観察者のうち色ずれを感じた人数の割合の関係の実
験結果を図15に示す。これによると、|Δε|/ε⊥
の値が1.2を越えると半数以上の人が色ずれを感じ、
1.8を越えると4人中3人以上が色ずれを感じること
がわかる。なお、あるパラメータ(今の場合、|Δε|
/ε⊥)を変化させていったときに観測者のうち半数が
色ずれを感じるような限界条件を検知限と呼ぶが、この
場合、色ずれの検知限は|Δε|/ε⊥=1.2という
ことになる。
を有する液晶材料を用いて表示装置を作製し、従来の技
術における駆動方式(図32)により駆動し、動画像を
表示した。そして、多数の観察者に画像を観察してもら
い、そのときに観察者が画像の色ずれを感じるかどうか
についての主観評価を行った。なお、用いた表示装置は
図17の画素構造を有するものとし、Cst=0.70
pF、Cgd=0.12pFとした。また、駆動条件と
しては、Vgon=12V、Vgoff=−8Vとし
た。このときの、液晶材料の|Δε|/ε⊥の値と、多
数の観察者のうち色ずれを感じた人数の割合の関係の実
験結果を図15に示す。これによると、|Δε|/ε⊥
の値が1.2を越えると半数以上の人が色ずれを感じ、
1.8を越えると4人中3人以上が色ずれを感じること
がわかる。なお、あるパラメータ(今の場合、|Δε|
/ε⊥)を変化させていったときに観測者のうち半数が
色ずれを感じるような限界条件を検知限と呼ぶが、この
場合、色ずれの検知限は|Δε|/ε⊥=1.2という
ことになる。
【0287】なお、参考までに本発明のように各サブフ
レームで画素電極に映像信号電圧を書き込む前に表示を
リセットする信号を書き込む駆動の場合についての同様
な評価結果も併せて図15に示す。この場合、色ずれを
感じる人はほぼ皆無であった。
レームで画素電極に映像信号電圧を書き込む前に表示を
リセットする信号を書き込む駆動の場合についての同様
な評価結果も併せて図15に示す。この場合、色ずれを
感じる人はほぼ皆無であった。
【0288】本発明の駆動方法を採用することによる色
ずれ改善効果は|Δε|/ε⊥の値の如何によらず得ら
れるものである。しかし、特に|Δε|/ε⊥が1.2
より大きい液晶の場合には、従来の駆動方法では色ずれ
が半数以上の人によって認識されるが、本発明の駆動方
法を採用することにより色ずれをなくす人の割合を皆無
にすることができるという意味で、本発明の効果をより
有効に実現することができる(|Δε|が大きい場合、
液晶の応答速度が速くなるなどの副次的な効果もあ
る)。また、特に|Δε|/ε⊥が1.8よりも大きけ
れば、色ずれを感じる人の割合を75%からほぼ0%に
まで減らせるという意味で本発明の効果はさらに有効に
実現される。
ずれ改善効果は|Δε|/ε⊥の値の如何によらず得ら
れるものである。しかし、特に|Δε|/ε⊥が1.2
より大きい液晶の場合には、従来の駆動方法では色ずれ
が半数以上の人によって認識されるが、本発明の駆動方
法を採用することにより色ずれをなくす人の割合を皆無
にすることができるという意味で、本発明の効果をより
有効に実現することができる(|Δε|が大きい場合、
液晶の応答速度が速くなるなどの副次的な効果もあ
る)。また、特に|Δε|/ε⊥が1.8よりも大きけ
れば、色ずれを感じる人の割合を75%からほぼ0%に
まで減らせるという意味で本発明の効果はさらに有効に
実現される。
【0289】(補足事項)図10、図11、図12、図
13などにおいては1フレーム中の各サブフレームの極
性は同じであるとしていたが、別に同じである必要はな
い。例えば、赤、緑、青の各サブフレームがある場合に
赤と青が同じ極性で、緑だけが逆の極性となるような駆
動であってもかまわない。
13などにおいては1フレーム中の各サブフレームの極
性は同じであるとしていたが、別に同じである必要はな
い。例えば、赤、緑、青の各サブフレームがある場合に
赤と青が同じ極性で、緑だけが逆の極性となるような駆
動であってもかまわない。
【0290】また、光源は赤緑青の3色にするのが望ま
しいが、必ずしもこの3色である必要はない。例えば、
イエロー、マゼンタ、シアンの3色であってもよい。し
かし、自然なカラー表示を行うためには通常、赤緑青の
3色が使用される。また、必ずしも3色である必要はな
く、2色(例えば、赤と緑)や4色以上(例えば、赤、
緑、青、および白)の場合についても本発明の構成は全
く同じように適用される。いずれにせよ、異なった分光
スペクトルを有する複数の光源であれば何でもよい。
しいが、必ずしもこの3色である必要はない。例えば、
イエロー、マゼンタ、シアンの3色であってもよい。し
かし、自然なカラー表示を行うためには通常、赤緑青の
3色が使用される。また、必ずしも3色である必要はな
く、2色(例えば、赤と緑)や4色以上(例えば、赤、
緑、青、および白)の場合についても本発明の構成は全
く同じように適用される。いずれにせよ、異なった分光
スペクトルを有する複数の光源であれば何でもよい。
【0291】もちろん、複数の光源のうち、いくつかが
同じ分光スペクトルを持っていてもよいことは言うまで
もない。例えば、赤の光源を2つ、緑の光源を2つ、青
の光源を2つ、合計6つの光源があっても本発明の効果
が得られることに変わりはない。
同じ分光スペクトルを持っていてもよいことは言うまで
もない。例えば、赤の光源を2つ、緑の光源を2つ、青
の光源を2つ、合計6つの光源があっても本発明の効果
が得られることに変わりはない。
【0292】また、各色はレーザ光のように単一波長に
近いものであっても良いし、白色光源にカラーフィルタ
を挿入したような広い波長域をもつものであってもよ
い。なお、光源としては高速でオン/オフの切り替えが
できるものが望ましく、そういう意味では発光ダイオー
ドまたはエレクトロルミネセンス(EL)光源が適して
いる。エレクトロルミネセンス光源には、無機EL光源
や有機EL光源が含まれる。もちろん、レーザ光でもよ
い。
近いものであっても良いし、白色光源にカラーフィルタ
を挿入したような広い波長域をもつものであってもよ
い。なお、光源としては高速でオン/オフの切り替えが
できるものが望ましく、そういう意味では発光ダイオー
ドまたはエレクトロルミネセンス(EL)光源が適して
いる。エレクトロルミネセンス光源には、無機EL光源
や有機EL光源が含まれる。もちろん、レーザ光でもよ
い。
【0293】また、光源としては上述の各光源のように
それ自体が発光/非発光の切り替え動作を行うものであ
ってもよいし、例えば、常時点灯している光源に光シャ
ッタや回転カラーフィルタ(円形のフィルタを3つの扇
型部に分けてそれぞれに赤青緑のフィルタを備えつけて
フレームに同期させて回転させて使用する。特開平3−
163985号公報に回転フィルタを用いた投写型表示
装置の例がある。)などを挿入して擬似的に光源のオン
/オフを制御してももちろんかまわない。この場合、光
源と光シャッタあるいは回転カラーフィルタをあわせた
ものを点滅する光源であるとみなせばよい。なお、光利
用効率(あるいは消費電力)の観点からは前者の方が望
ましい。
それ自体が発光/非発光の切り替え動作を行うものであ
ってもよいし、例えば、常時点灯している光源に光シャ
ッタや回転カラーフィルタ(円形のフィルタを3つの扇
型部に分けてそれぞれに赤青緑のフィルタを備えつけて
フレームに同期させて回転させて使用する。特開平3−
163985号公報に回転フィルタを用いた投写型表示
装置の例がある。)などを挿入して擬似的に光源のオン
/オフを制御してももちろんかまわない。この場合、光
源と光シャッタあるいは回転カラーフィルタをあわせた
ものを点滅する光源であるとみなせばよい。なお、光利
用効率(あるいは消費電力)の観点からは前者の方が望
ましい。
【0294】なお、赤緑青の3色で動作をさせる場合、
必ずしも赤緑青の順にサブフレームを構成する必要はな
い。例えば、赤青緑、緑青赤など、どのような順番でも
良い。あるいは、赤緑青緑というように一つの色に対し
て複数のサブフレームを設けてももちろん構わない。
必ずしも赤緑青の順にサブフレームを構成する必要はな
い。例えば、赤青緑、緑青赤など、どのような順番でも
良い。あるいは、赤緑青緑というように一つの色に対し
て複数のサブフレームを設けてももちろん構わない。
【0295】なお、これまでの例ではすべてnチャネル
型TFT(正のゲート電圧でON状態になり、負のゲー
ト電圧でOFF状態になる)を想定していたが、もちろ
んpチャネル型TFT(負のゲート電圧でON状態にな
り、正のゲート電圧でOFF状態になる)の場合であっ
ても適用できることは言うまでもない。
型TFT(正のゲート電圧でON状態になり、負のゲー
ト電圧でOFF状態になる)を想定していたが、もちろ
んpチャネル型TFT(負のゲート電圧でON状態にな
り、正のゲート電圧でOFF状態になる)の場合であっ
ても適用できることは言うまでもない。
【0296】また、TFTはアモルファスSiであって
も多結晶Siであってもよいし、さらには結晶Siを用
いたMOSFET(金属−酸化膜−半導体型電解効果ト
ランジスタ)であってももちろんかまわない。あるいは
SOI(シリコン・オン・インシュレータ)型の半導体
を用いたMOSFETであってもよいし、Siに限らず
Geや有機材料などによって作製したTFTであっても
もちろんかまわない。
も多結晶Siであってもよいし、さらには結晶Siを用
いたMOSFET(金属−酸化膜−半導体型電解効果ト
ランジスタ)であってももちろんかまわない。あるいは
SOI(シリコン・オン・インシュレータ)型の半導体
を用いたMOSFETであってもよいし、Siに限らず
Geや有機材料などによって作製したTFTであっても
もちろんかまわない。
【0297】なお、液晶はノーマリホワイト型(印加電
圧の絶対値が大きくなると共に出力光輝度が小さくなる
もの)、およびノーマリブラック型(印加電圧の絶対値
が大きくなると共に出力光輝度が大きくなるもの)のい
ずれであってもよい。ちなみに、TN液晶やOCB液晶
などは前者に、IPS液晶などは後者に属する。
圧の絶対値が大きくなると共に出力光輝度が小さくなる
もの)、およびノーマリブラック型(印加電圧の絶対値
が大きくなると共に出力光輝度が大きくなるもの)のい
ずれであってもよい。ちなみに、TN液晶やOCB液晶
などは前者に、IPS液晶などは後者に属する。
【0298】なお、表示媒質としてはいろいろなものが
考え得るが、液晶が最も安価であり、これを用いるのが
望ましい。中でも、ネマティック相の液晶は図29のよ
うな印加電圧−容量特性を持つものが多く、本発明に特
に適している(例えば、強誘電性液晶や反強誘電性液晶
のようにネマティック相でないものは必ずしも図29の
ような特性にならない)。その中でも、(第一の構成に
おけるフリッカ発生現象の分析)で述べたような各種の
液晶(モード)を用いるのが望ましい。
考え得るが、液晶が最も安価であり、これを用いるのが
望ましい。中でも、ネマティック相の液晶は図29のよ
うな印加電圧−容量特性を持つものが多く、本発明に特
に適している(例えば、強誘電性液晶や反強誘電性液晶
のようにネマティック相でないものは必ずしも図29の
ような特性にならない)。その中でも、(第一の構成に
おけるフリッカ発生現象の分析)で述べたような各種の
液晶(モード)を用いるのが望ましい。
【0299】なお、その中でも特にOCB液晶は応答速
度が比較的速いという理由で、本発明の構成において用
いるのにふさわしい(例えば、1フレームが3つのサブ
フレームからなるようなフィールドシーケンシャル方式
の駆動の場合、カラーフィルタ方式に比べて3倍の応答
速度を持っていることが望ましい)。
度が比較的速いという理由で、本発明の構成において用
いるのにふさわしい(例えば、1フレームが3つのサブ
フレームからなるようなフィールドシーケンシャル方式
の駆動の場合、カラーフィルタ方式に比べて3倍の応答
速度を持っていることが望ましい)。
【0300】また、OCB液晶は一般に十分に大きな電
圧を印加してスプレイ配向状態からベンド配向状態に転
移させた状態で用いるので、ベンド状態からスプレイ配
向状態に逆転移するのを防ぐため間欠的に黒表示のため
の電圧を印加することがあるが、特に(本発明の原理1
0)を採用する場合、リセット期間はこのような逆転移
防止をも兼ねることもでき、非常に望ましい。
圧を印加してスプレイ配向状態からベンド配向状態に転
移させた状態で用いるので、ベンド状態からスプレイ配
向状態に逆転移するのを防ぐため間欠的に黒表示のため
の電圧を印加することがあるが、特に(本発明の原理1
0)を採用する場合、リセット期間はこのような逆転移
防止をも兼ねることもでき、非常に望ましい。
【0301】もちろん、表示媒質は必ずしも液晶である
必要はない。例えば、BSO(ビスマスシリコンオキサ
イド)等の電気光学結晶であってもよい。さらには、エ
レクトロクロミック材料や、自発光型のダイオード、レ
ーザー、エレクトロルミネッセンス材料などであっても
よい。あるいは、DMD(Deformable Mi
rror Device)などでもよい。これらにおい
て、程度はともかくとして図29のように印加電圧によ
って容量が変化し得る場合には、本発明を適用すること
ができる。
必要はない。例えば、BSO(ビスマスシリコンオキサ
イド)等の電気光学結晶であってもよい。さらには、エ
レクトロクロミック材料や、自発光型のダイオード、レ
ーザー、エレクトロルミネッセンス材料などであっても
よい。あるいは、DMD(Deformable Mi
rror Device)などでもよい。これらにおい
て、程度はともかくとして図29のように印加電圧によ
って容量が変化し得る場合には、本発明を適用すること
ができる。
【0302】なお、本発明の表示装置あるいはその駆動
方法は、パソコン用モニタ、テレビジョン、携帯端末、
携帯電話の画面、マイクロディスプレイ、ヘッドマウン
トディスプレイ、プロジェクタ等さまざまなものに対し
て使用できる。
方法は、パソコン用モニタ、テレビジョン、携帯端末、
携帯電話の画面、マイクロディスプレイ、ヘッドマウン
トディスプレイ、プロジェクタ等さまざまなものに対し
て使用できる。
【0303】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の表示装置
とその駆動方法によれば、第一に、主として液晶を用い
た表示装置において、映像信号駆動回路を低電圧化して
かつ電圧レベルを減らすことによりコストを削減した上
で、しかもその副作用として発生するフリッカをなくす
ことができる。また第二に、液晶を用いたフィールドシ
ーケンシャル方式の表示装置において、色ずれや色純度
低下を改善することができる。
とその駆動方法によれば、第一に、主として液晶を用い
た表示装置において、映像信号駆動回路を低電圧化して
かつ電圧レベルを減らすことによりコストを削減した上
で、しかもその副作用として発生するフリッカをなくす
ことができる。また第二に、液晶を用いたフィールドシ
ーケンシャル方式の表示装置において、色ずれや色純度
低下を改善することができる。
【0304】また本発明によれば、映像信号駆動回路の
低電圧化により消費電力を削減することができるので、
地球環境、宇宙環境にも優しいこととなる。
低電圧化により消費電力を削減することができるので、
地球環境、宇宙環境にも優しいこととなる。
【0305】以上述べてきたように、本発明の産業上の
価値は極めて大である。
価値は極めて大である。
【図1】共通電極電位を有する本発明の表示装置の駆動
電圧波形図
電圧波形図
【図2】共通電極電位を有する本発明の表示装置の第2
の駆動電圧波形図
の駆動電圧波形図
【図3】共通電極電位を有する本発明の表示装置の第3
の駆動電圧波形図
の駆動電圧波形図
【図4】共通電極電位を有する本発明の表示装置の第4
の駆動電圧波形図
の駆動電圧波形図
【図5】対向電極電位とフリッカレベルの関係を示す図
【図6】液晶の容量と誘電率異方性の関係を示す図
【図7】蓄積容量が前段の走査電極に接続されるタイプ
の本発明の表示装置の第5の駆動電圧波形図
の本発明の表示装置の第5の駆動電圧波形図
【図8】蓄積容量が前段の走査電極に接続されるタイプ
の本発明の表示装置の第6の駆動電圧波形図
の本発明の表示装置の第6の駆動電圧波形図
【図9】蓄積容量が前段の走査電極に接続されるタイプ
の本発明の表示装置の第7の駆動電圧波形図
の本発明の表示装置の第7の駆動電圧波形図
【図10】本発明のフィールドシーケンシャル方式の表
示装置の第8の駆動方法を説明するための波形図
示装置の第8の駆動方法を説明するための波形図
【図11】本発明のフィールドシーケンシャル方式の表
示装置の第9の駆動方法を説明するための波形図
示装置の第9の駆動方法を説明するための波形図
【図12】本発明のフィールドシーケンシャル方式の表
示装置の第10の駆動方法を説明するための波形図
示装置の第10の駆動方法を説明するための波形図
【図13】本発明のフィールドシーケンシャル方式の表
示装置の第11の駆動方法を説明するための波形図
示装置の第11の駆動方法を説明するための波形図
【図14】本発明のフィールドシーケンシャル方式の表
示装置の第12の駆動方法を説明するための波形図
示装置の第12の駆動方法を説明するための波形図
【図15】液晶の誘電率異方性と色ずれの程度の関係を
評価した結果の図
評価した結果の図
【図16】共通電極電位を有する表示装置の構成図
【図17】図16の表示装置の1画素の等価回路図
【図18】図16の表示装置の従来の技術における駆動
波形図
波形図
【図19】図16の表示装置の従来の技術における別の
駆動波形図
駆動波形図
【図20】蓄積容量が前段の走査電極に接続されるタイ
プの表示装置の構成図
プの表示装置の構成図
【図21】図20の表示装置の1画素の等価回路図
【図22】図20の表示装置の従来の技術における駆動
波形図
波形図
【図23】図20の表示装置の従来の技術における別の
駆動波形図
駆動波形図
【図24】フィールドシーケンシャル方式の表示装置の
構成図および光源発光タイミング図
構成図および光源発光タイミング図
【図25】図24の表示装置の駆動波形図
【図26】図24の表示装置の別の駆動波形図
【図27】フィールドシーケンシャル方式の表示装置の
駆動電圧波形図
駆動電圧波形図
【図28】液晶分子の誘電率異方性を説明するための図
【図29】液晶への印加電圧絶対値と液晶容量の関係を
示す図
示す図
【図30】液晶容量および透過率と液晶印可電圧絶対値
の関係を示す図
の関係を示す図
【図31】フィールドシーケンシャル方式の表示装置に
おいて色再現性が低下することを説明するための波形図
おいて色再現性が低下することを説明するための波形図
【図32】フィールドシーケンシャル方式の表示装置に
おいて色ずれが発生することを説明するための波形図
おいて色ずれが発生することを説明するための波形図
101 表示装置
102 走査信号駆動回路
103 映像信号駆動回路
104 走査電極
105 映像信号電極
106 表示素子
107 スイッチング素子
108 画素電極
109 共通電極電位制御回路
110 共通電極
111 蓄積容量
112 前段の走査電極(補償走査電極)
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
G09G 3/20 641 G09G 3/20 641E
642 642L
(72)発明者 岡田 隆史
大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器
産業株式会社内
(72)発明者 熊川 克彦
大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器
産業株式会社内
Fターム(参考) 2H093 NA16 NA64 NC02 NC16 NC43
NC44 ND10 NH03 NH12 NH18
5C006 AA01 AA14 AA22 AC25 BB16
BC03 BC12 BC20 FA23 FA51
FA56
5C080 AA10 BB05 CC03 DD06 EE29
EE30 FF11 JJ02 JJ04 JJ05
Claims (28)
- 【請求項1】 表示素子と、映像信号駆動回路と、走査
信号駆動回路と、共通電極電位制御回路を備えた表示装
置であって、 前記表示素子は、表示媒質と、マトリクス状に配置され
た複数の画素電極と、これに接続されたスイッチング素
子と、走査電極と、映像信号電極と、共通電極を有して
いて、 前記画素電極と前記共通電極との間に蓄積容量を有し、
前記共通電極電位制御回路は、前記共通電極に対して2
種類の異なる電圧値を出力するものであって、かつ、前
記画素電極の電位に前記蓄積容量を介した結合電圧を重
畳するものであり、 前記映像信号駆動回路は、前記映像信号電極に対して、
映像信号電圧の他に、表示をリセットするための電圧も
出力することを特徴とする、表示装置。 - 【請求項2】 画素電極に映像信号電圧が書き込まれる
直前は、表示をリセットするための電圧が書き込まれた
状態であることを特徴とする、請求項1に記載の表示装
置。 - 【請求項3】 表示媒質には正負両極性の電圧が印加さ
れ、 共通電極電位制御回路が共通電極に対して出力する2種
類の電圧をそれぞれVc1、Vc2(Vc1<Vc2)
とするとき、 前記共通電極電位制御回路は、前記表示媒質に正極性の
電圧を印加するための映像信号電圧を画素電極に書き込
んだ後に前記共通電極の電位をVc1からVc2に変化
させ、かつ、前記表示媒質に負極性の電圧を印加するた
めの映像信号電圧を前記画素電極に書き込んだ後に前記
共通電極の電位をVc2からVc1に変化させるもので
あることを特徴とする、請求項2に記載の表示装置。 - 【請求項4】 表示媒質には正負両極性の電圧が印加さ
れ、 共通電極電位制御回路が共通電極に対して出力する2種
類の電圧をそれぞれVc1、Vc2(Vc1<Vc2)
とするとき、 前記共通電極電位制御回路は、前記表示媒質に正極性の
電圧を印加するための映像信号電圧を画素電極に書き込
んだ後に前記共通電極の電位をVc1からVc2に変化
させ、かつ、前記表示媒質に負極性の電圧を印加するた
めの映像信号電圧を前記画素電極に書き込んだ直後には
前記共通電極の電位を変化させないものであることを特
徴とする、請求項2に記載の表示装置。 - 【請求項5】 表示媒質には正負両極性の電圧が印加さ
れ、 共通電極電位制御回路が共通電極に対して出力する2種
類の電圧をそれぞれVc1、Vc2(Vc1<Vc2)
とするとき、 前記共通電極電位制御回路は、前記表示媒質に正極性の
電圧を印加するための映像信号電圧を画素電極に書き込
んだ直後には前記共通電極の電位を変化させず、かつ、
前記表示媒質に負極性の電圧を印加するための映像信号
電圧を前記画素電極に書き込んだ後に前記共通電極の電
位をVc2からVc1に変化させるものであることを特
徴とする、請求項2に記載の表示装置。 - 【請求項6】 表示媒質の分子長軸方向に印加される電
界に対して感受する誘電率をε//、それに垂直な方向
の電界に対して感受する誘電率をε⊥とし、Δε=ε/
/−ε⊥とおくとき、|Δε|/ε⊥の値は1.15以
上であることを特徴とする、請求項2に記載の表示装
置。 - 【請求項7】 表示素子と、映像信号駆動回路と、走査
信号駆動回路を備えた表示装置であって、 前記表示素子は、表示媒質と、マトリクス状に配置され
た複数の画素電極と、これに接続されたスイッチング素
子と、走査電極と、映像信号電極を有していて、 前記画素電極と、前記走査電極のうち当段の走査電極を
除くものとの間に蓄積容量を有し、 前記走査信号駆動回路は、前記走査電極に対して、前記
スイッチング素子を導通状態にする電圧値以外に2種類
の異なる電圧値を出力するものであって、かつ、前記画
素電極の電位に前記蓄積容量を介した結合電圧を重畳す
るものであり、前記映像信号駆動回路は、前記映像信号
電極に対して、映像信号電圧の他に、表示をリセットす
るための電圧も出力することを特徴とする、表示装置。 - 【請求項8】 画素電極に映像信号電圧が書き込まれる
直前は、表示をリセットするための電圧が書き込まれた
状態であることを特徴とする、請求項7に記載の表示装
置。 - 【請求項9】 表示媒質には正負両極性の電圧が印加さ
れ、 走査信号駆動回路が走査電極に対して、前記スイッチン
グ素子を導通状態にする電圧値以外に出力する2種類の
電圧をそれぞれVgoff1、Vgoff2(Vgof
f1<Vgoff2)とし、 ある画素電極に対して蓄積容量を介して接続される当段
以外の走査電極を補償走査電極と呼ぶとき、 前記走査信号駆動回路は、前記表示媒質に正極性の電圧
を印加するための映像信号電圧を画素電極に書き込んだ
後に前記補償走査電極の電位をVgoff1からVgo
ff2に変化させ、かつ、前記表示媒質に負極性の電圧
を印加するための映像信号電圧を前記画素電極に書き込
んだ直後には前記補償走査電極の電位を変化させないも
のであることを特徴とする、請求項8に記載の表示装
置。 - 【請求項10】 表示媒質には正負両極性の電圧が印加
され、 走査信号駆動回路が走査電極に対して、前記スイッチン
グ素子を導通状態にする電圧値以外に出力する2種類の
電圧をそれぞれVgoff1、Vgoff2(Vgof
f1<Vgoff2)とし、 ある画素電極に対して蓄積容量を介して接続される当段
以外の走査電極を補償走査電極と呼ぶとき、 前記走査信号駆動回路は、前記表示媒質に正極性の電圧
を印加するための映像信号電圧を画素電極に書き込んだ
直後には前記補償走査電極の電位を変化させず、かつ、
前記表示媒質に負極性の電圧を印加するための映像信号
電圧を前記画素電極に書き込んだ後に前記補償走査電極
の電位をVgoff2からVgoff1に変化させるも
のであることを特徴とする、請求項8に記載の表示装
置。 - 【請求項11】 表示媒質はノーマリホワイト型であ
り、表示をリセットするための信号の電圧振幅は、表示
のための映像信号電圧の最大振幅以上であることを特徴
とする、請求項2または8に記載の表示装置。 - 【請求項12】 表示媒質はノーマリブラック型であ
り、表示をリセットするための信号の電圧振幅は、表示
のための映像信号電圧の最小振幅以下であることを特徴
とする、請求項2または8に記載の表示装置。 - 【請求項13】 表示媒質は液晶であることを特徴とす
る、請求項2または8に記載の表示装置。 - 【請求項14】 液晶はOCBモードの液晶であること
を特徴とする、請求項13に記載の表示装置。 - 【請求項15】 表示素子と、映像信号駆動回路と、走
査信号駆動回路と、共通電極電位制御回路を備えた表示
装置であって、 異なった分光スペクトルを有する複数の光源を時分割的
に点灯させることによりカラー表示を行う前記表示装置
であって、 前記表示素子は、表示媒質と、マトリクス状に配置され
た複数の画素電極と、これに接続されたスイッチング素
子と、走査電極と、映像信号電極と、共通電極を有して
いて、 前記画素電極と前記共通電極との間に蓄積容量を有し、 前記共通電極電位制御回路は、前記画素電極の電位に前
記蓄積容量を介した結合電圧を重畳するものであり、 あるサブフレームで前記映像信号駆動回路から前記映像
信号電極に印加される映像信号電圧は、その前のサブフ
レームでの前記表示媒質の容量に応じて補正されたもの
であることを特徴とする、表示装置。 - 【請求項16】 あるサブフレームで映像信号駆動回路
から映像信号電極に印加される映像信号電圧の絶対値
は、前サブフレームでの表示媒質への印加電圧絶対値が
最小の場合に比べて、前サブフレームでの前記表示媒質
への印加電圧絶対値が最大の場合の方が小さい値になる
ように、補正されていることを特徴とする、請求項15
に記載の表示装置。 - 【請求項17】 映像信号電圧を書き込んだ後の当段の
走査電極の電位変化をΔVg、共通電極の電位変化をΔ
Vc、蓄積容量をCst、走査電極−画素電極間容量を
CgdとしてΔQcc=CgdΔVg+CstΔVcと
おき、 あるサブフレームである階調を表示しようとするとき、
その階調にするための表示媒質への印加電圧をVlc、
画素電極に電気的に接続される容量の総和の、表示媒質
への印加電圧がVlcの場合の値をCtotとし、画素
電極に電気的に接続される容量の総和の、前サブフレー
ムにおける値をCtot’とするとき、映像信号駆動回
路が映像信号に対して与える映像信号電圧は、表示媒質
の対向側の電位を基準として、概略[CtotVlc−
ΔQcc]/Ctot’で与えられることを特徴とす
る、請求項15に記載の表示装置。 - 【請求項18】 表示素子と、映像信号駆動回路と、走
査信号駆動回路とを備えた表示装置であって、 異なった分光スペクトルを有する複数の光源を時分割的
に点灯させることによりカラー表示を行う前記表示装置
であって、 前記表示素子は、表示媒質と、マトリクス状に配置され
た複数の画素電極と、これに接続されたスイッチング素
子と、走査電極と、映像信号電極を有していて、 前記画素電極と、前記走査電極のうち当段の走査電極を
除くものとの間に蓄積容量を有し、 前記走査信号駆動回路は、前記画素電極の電位に前記蓄
積容量を介した結合電圧を重畳するものであり、 あるサブフレームで前記映像信号駆動回路から前記映像
信号電極に印加される映像信号電圧は、その前のサブフ
レームでの前記表示媒質の容量に応じて補正されたもの
であることを特徴とする、表示装置。 - 【請求項19】 あるサブフレームで映像信号駆動回路
から映像信号電極に印加される映像信号電圧の絶対値
は、前サブフレームでの表示媒質への印加電圧絶対値が
最小の場合に比べて、前サブフレームでの前記表示媒質
への印加電圧絶対値が最大の場合の方が小さい値になる
ように、補正されていることを特徴とする、請求項18
に記載の表示装置。 - 【請求項20】 映像信号電圧を書き込んだ後の当段の
走査電極の電位変化をΔVg、蓄積容量を介して接続さ
れる当段以外の走査電極の電位変化をΔVgp、蓄積容
量をCst、当段の走査電極−画素電極間容量をCgd
としてΔQcc=CgdΔVg+CstΔVgpとお
き、 あるサブフレームである階調を表示しようとするとき、
その階調にするための表示媒質への印加電圧をVlc、
画素電極に電気的に接続される容量の総和の、表示媒質
への印加電圧がVlcの場合の値をCtotとし、画素
電極に電気的に接続される容量の総和の、前サブフレー
ムにおける値をCtot’とするとき、映像信号駆動回
路が映像信号に対して与える映像信号電圧は、表示媒質
の対向側の電位を基準として、概略[CtotVlc−
ΔQcc]/Ctot’で与えられることを特徴とす
る、請求項18に記載の表示装置。 - 【請求項21】 表示媒質は液晶であることを特徴とす
る、請求項15または18に記載の表示装置。 - 【請求項22】 液晶はOCBモードの液晶であること
を特徴とする、請求項21に記載の表示装置。 - 【請求項23】 表示素子と、映像信号駆動回路と、走
査信号駆動回路とを備えた表示装置であって、 異なった分光スペクトルを有する複数の光源を時分割的
に点灯させることによりカラー表示を行う前記表示装置
であって、 前記表示素子は、表示媒質と、マトリクス状に配置され
た複数の画素電極と、これに接続されたスイッチング素
子と、走査電極と、映像信号電極を有していて、 前記表示媒質の分子長軸方向に印加される電界に対して
感受する誘電率をε//、それに垂直な方向の電界に対
して感受する誘電率をε⊥とし、Δε=ε//−ε⊥と
おくとき、|Δε|/ε⊥の値は1.2以上であり、 前記映像信号駆動回路は、前記映像信号電極に対して、
映像信号電圧書き込みの前に表示をリセットするための
電圧を出力することを特徴とする、表示装置。 - 【請求項24】 表示素子と、映像信号駆動回路と、走
査信号駆動回路と、共通電極電位制御回路を備えた表示
装置の駆動方法であって、 前記表示素子は、表示媒質と、マトリクス状に配置され
た複数の画素電極と、これに接続されたスイッチング素
子と、走査電極と、映像信号電極と、共通電極を有して
いて、 前記画素電極と前記共通電極との間に蓄積容量を有し、 前記共通電極電位制御回路は、前記共通電極に対して2
種類の異なる電圧値を出力するものであって、かつ、前
記画素電極の電位に前記蓄積容量を介した結合電圧を重
畳するものであり、 前記映像信号駆動回路は、前記映像信号電極に対して、
映像信号電圧の他に、表示をリセットするための電圧も
出力することを特徴とする、表示装置の駆動方法。 - 【請求項25】 表示素子と、映像信号駆動回路と、走
査信号駆動回路とを備えた表示装置の駆動方法であっ
て、 前記表示素子は、表示媒質と、マトリクス状に配置され
た複数の画素電極と、これに接続されたスイッチング素
子と、走査電極と、映像信号電極を有していて、 前記画素電極と、前記走査電極のうち当段の走査電極を
除くものとの間に蓄積容量を有し、 前記走査信号駆動回路は、前記走査電極に対して、前記
スイッチング素子を導通状態にする電圧値以外に2種類
の異なる電圧値を出力するものであって、かつ、前記画
素電極の電位に前記蓄積容量を介した結合電圧を重畳す
るものであり、 前記映像信号駆動回路は、前記映像信号電極に対して、
映像信号電圧の他に、表示をリセットするための電圧も
出力することを特徴とする、表示装置の駆動方法。 - 【請求項26】 表示素子と、映像信号駆動回路と、走
査信号駆動回路と、共通電極電位制御回路を備えた表示
装置の駆動方法であって、 異なった分光スペクトルを有する複数の光源を時分割的
に点灯させることによりカラー表示を行う前記表示装置
の駆動方法であって、 前記表示素子は、表示媒質と、マトリクス状に配置され
た複数の画素電極と、これに接続されたスイッチング素
子と、走査電極と、映像信号電極と、共通電極を有して
いて、 前記画素電極と前記共通電極との間に蓄積容量を有し、 前記共通電極電位制御回路は、前記画素電極の電位に前
記蓄積容量を介した結合電圧を重畳するものであり、 あるサブフレームで前記映像信号駆動回路から前記映像
信号電極に印加される映像信号電圧は、その前のサブフ
レームでの前記表示媒質の容量に応じて補正されたもの
であることを特徴とする、表示装置の駆動方法。 - 【請求項27】 表示素子と、映像信号駆動回路と、走
査信号駆動回路とを備えた表示装置の駆動方法であっ
て、 異なった分光スペクトルを有する複数の光源を時分割的
に点灯させることによりカラー表示を行う前記表示装置
の駆動方法であって、 前記表示素子は、表示媒質と、マトリクス状に配置され
た複数の画素電極と、これに接続されたスイッチング素
子と、走査電極と、映像信号電極を有していて、 前記画素電極と、前記走査電極のうち当段の走査電極を
除くものとの間に蓄積容量を有し、 前記走査信号駆動回路は、前記画素電極の電位に前記蓄
積容量を介した結合電圧を重畳するものであり、 あるサブフレームで前記映像信号駆動回路から前記映像
信号電極に印加される映像信号電圧は、その前のサブフ
レームでの前記表示媒質の容量に応じて補正されたもの
であることを特徴とする、表示装置の駆動方法。 - 【請求項28】 表示素子と、映像信号駆動回路と、走
査信号駆動回路とを備えた表示装置の駆動方法であっ
て、 異なった分光スペクトルを有する複数の光源を時分割的
に点灯させることによりカラー表示を行う前記表示装置
の駆動方法であって、 前記表示素子は、表示媒質と、マトリクス状に配置され
た複数の画素電極と、これに接続されたスイッチング素
子と、走査電極と、映像信号電極を有していて、 前記表示媒質の分子長軸方向に印加される電界に対して
感受する誘電率をε//、それに垂直な方向の電界に対
して感受する誘電率をε⊥とし、Δε=ε//−ε⊥と
おくとき、|Δε|/ε⊥の値は1.2以上であり、 前記映像信号駆動回路は、前記映像信号電極に対して、
映像信号電圧書き込みの前に表示をリセットするための
電圧を出力することを特徴とする、表示装置の駆動方
法。
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JP2001257352A JP2003066920A (ja) | 2001-08-28 | 2001-08-28 | 表示装置およびその駆動方法 |
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- 2001-08-28 JP JP2001257352A patent/JP2003066920A/ja active Pending
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