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JP2003065024A - エンジンの動弁機構潤滑装置 - Google Patents

エンジンの動弁機構潤滑装置

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Publication number
JP2003065024A
JP2003065024A JP2001256116A JP2001256116A JP2003065024A JP 2003065024 A JP2003065024 A JP 2003065024A JP 2001256116 A JP2001256116 A JP 2001256116A JP 2001256116 A JP2001256116 A JP 2001256116A JP 2003065024 A JP2003065024 A JP 2003065024A
Authority
JP
Japan
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oil
chamber
valve operating
engine
valve mechanism
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
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Application number
JP2001256116A
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English (en)
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JP4015389B2 (ja
Inventor
Keita Ito
慶太 伊藤
Takeshi Tanaka
豪 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=19083975&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2003065024(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2001256116A priority Critical patent/JP4015389B2/ja
Priority to US10/216,655 priority patent/US6715461B2/en
Priority to DE60218251T priority patent/DE60218251T2/de
Priority to EP02018071A priority patent/EP1288454B1/en
Priority to AU2002300540A priority patent/AU2002300540B2/en
Priority to BRPI0203486-7A priority patent/BR0203486B1/pt
Priority to CA002399764A priority patent/CA2399764C/en
Priority to MXPA02008300A priority patent/MXPA02008300A/es
Priority to CN02247748U priority patent/CN2565992Y/zh
Priority to CNB02141890XA priority patent/CN1201069C/zh
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Publication of JP4015389B2 publication Critical patent/JP4015389B2/ja
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  • Lubrication Details And Ventilation Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 動弁室には,油滴を含まないオイルミストを
供給して,動弁機構を抵抗なく潤滑し得るようにする。 【解決手段】 シリンダヘッド8の上端にヘッドカバー
36を結合して,これらシリンダヘッド8及びヘッドカ
バー36間に動弁室21bを画成すると共に,この動弁
室21bに,オイルタンク40内のオイルミストを移送
する移送手段61と,動弁室21bに溜まったオイルを
吸引して回収するオイル回収室74と,動弁室21bか
らブローバイガスを取り出すブリーザ室69とを接続し
たものにおいて,移送手段61及び動弁室21b間に,
移送手段61により送られたオイルミストから油滴を分
離して,油滴を含まないオイルミストを動弁室21bに
誘導する油滴分離室73を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,主としてトリマそ
の他の携帯型作業機の動力源として使用されるハンドヘ
ルド型四サイクルエンジンに関し,特に,シリンダヘッ
ドの上端にヘッドカバーを結合して,これらシリンダヘ
ッド及びヘッドカバー間に動弁機構を収容する動弁室を
画成すると共に,この動弁室に,オイルタンクで生成さ
れたオイルミストを移送するオイルミスト移送手段と,
動弁室に溜まったオイルを吸引して回収するオイル回収
室と,動弁室からブローバイガスを取り出して外部に導
出するブリーザ室とを接続し,オイル回収室には,該室
で回収したオイルをオイルタンクに還流させるオイル戻
し通路を接続した,エンジンの動弁機構潤滑装置の改良
に関する。
【0002】
【従来の技術】かゝるエンジンの動弁機構潤滑装置は,
例えば特開平11−125107号公報に開示されるよ
うに,既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のかゝるエンジン
の動弁機構潤滑装置では,オイルミスト移送手段を動弁
室に直接接続していたため,動弁室には,オイルミスト
の移送中に発生した油滴も供給されることになり,この
油滴は動弁機構の作動抵抗となり,動力損失の一因とな
る。
【0004】本発明は,かゝる点に鑑みてなされたもの
で,動弁室には,油滴を含まないオイルミストを供給し
て,動弁機構を抵抗なく潤滑し得るようにしたエンジン
の動弁機構潤滑装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,本発明は,シリンダヘッドの上端にヘッドカバーを
結合して,これらシリンダヘッド及びヘッドカバー間に
動弁機構を収容する動弁室を画成すると共に,この動弁
室に,オイルタンクで生成されたオイルミストを移送す
るオイルミスト移送手段と,動弁室に溜まったオイルを
吸引して回収するオイル回収室と,動弁室からブローバ
イガスを取り出して外部に導出するブリーザ室とを接続
し,オイル回収室には,該室で回収したオイルをオイル
タンクに還流させるオイル戻し通路を接続した,エンジ
ンの動弁機構潤滑装置において,オイルミスト移送手段
及び動弁室間に,オイルミスト移送手段から送られたオ
イルミストから油滴を分離して,油滴を含まないオイル
ミストを動弁室に誘導する油滴分離室を設けたことを第
1の特徴とする。
【0006】尚,前記動弁室及び前記オイルミスト移送
手段は,後述する本発明の実施例中の第2動弁室21b
及び一方向弁61にそれぞれ対応する。
【0007】この第1の特徴によれば,オイルミスト移
送手段及び動弁室間に油滴分離室が設けられるので,オ
イルミストの移送中に発生した油滴は油滴分離室で分離
され,動弁室には油滴を含まないオイルミストが動弁室
に供給されることになり,動弁機構を抵抗なく潤滑する
ことができ,動力損失の減少に寄与し得る。
【0008】また本発明は,第1の特徴に加えて,ヘッ
ドカバーの内壁に,該ヘッドカバーの天井面との間にブ
リーザ室を画成する仕切り体を取り付け,この仕切り体
にオイル回収室を一体的に形成すると共に,仕切り体及
びシリンダヘッド間に油滴分離室を画成したことを第2
の特徴とする。
【0009】この第2の特徴によれば,ヘッドカバーの
天井壁を分割することなく,ヘッドカバーにオイル回収
室及びブリーザ室を設けることができ,しかもブリーザ
室及びオイル回収室は共にヘッドカバー内に存在するこ
とから,両室から多少のオイル漏れがあったとしても,
そのオイルは動弁室に戻るだけで何等の支障も生ぜず,
両室周りの油密検査は不要となり,製作コストの低減を
図ることができる。しかも仕切り体は油滴分離室の形成
にも利用されるので,構造の簡素化をも図ることができ
る。
【0010】さらに本発明は,第2の特徴によれば,油
滴分離室を,動弁機構の互いに平行に配列される一対の
吸気及び排気ロッカ軸間に配置したことを第3の特徴と
する。
【0011】この第3の特徴によれば,ヘッドカバーの
比較的狭い空間を油滴分離室の形成にも効率良く利用で
き,ヘッドカバーの肥大化を回避することができる。
【0012】さらにまた本発明は,第1〜第3の特徴の
何れかに加えて,油滴分離室をオイル戻し通路に連通し
て,油滴分離室で分離された油滴をオイルタンクに還流
させるようにしたことを第4の特徴とする。
【0013】この第4の特徴によれば,油滴分離室で分
離された油滴をオイルタンクに速やかに還流させて,油
滴の動弁室への浸入を抑えることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を,添付図面
に示す本発明の実施例に基づいて説明する。
【0015】図1は本発明のハンドヘルド型四サイクル
エンジンの一使用例を示す斜視図,図2は上記四サイク
ルエンジンの縦断側面図,図3は図2の3−3線断面
図,図4は図2の4−4線断面図,図5は図2の要部拡
大断面図,図6は図5の要部分解図,図7は図4の7−
7線断面図,図8は図4の8−8線断面図,図9は図8
の9−9線断面図,図10は図5の10−10線断面
図,図11は図5の11−11線断面図,図12は図5
の12−12線断面図,図13 は上記エンジンの潤滑経
路図,図14は上記エンジンの倒立状態を示す,図4と
の対応図,図15は同エンジンの横倒し状態を示す,図
4との対応図である。
【0016】図1に示すように,ハンドヘルド型四サイ
クルエンジンEは,例えば動力トリマTの動力源とし
て,その駆動部に取付けられる。動力トリマTは,その
作業状態によりカッタCを色々の方向に向けて使用され
るので,その都度エンジンEも大きく傾けられ,あるい
は逆さにされ,その運転姿勢は一定しない。
【0017】先ず,このハンドヘルド型四サイクルエン
ジンEの外周りの構造について図2及び図3により説明
する。
【0018】ハンドヘルド型四サイクルエンジンEのエ
ンジン本体1には,その前後に気化器2及び排気マフラ
3がそれぞれ取付けられ,気化器2の吸気道入口にはエ
アクリーナ4が装着される。またエンジン本体1の下面
には合成樹脂製の燃料タンク5が取付けられる。クラン
ク軸13は,エンジン本体1と,このエンジン本体1の
一側に隣接したオイルタンク40との両外側方に両端部
を突出させており,その一端部に固着した被動部材84
に伝動,連結可能なリコイル式スタータ42がオイルタ
ンク40の外側面に取付けられる。
【0019】クランク軸13の他端部にはフライホイー
ルを兼ねる冷却ファン43が固着される。この冷却ファ
ン43の外側面には,複数の取付けボス46(図2に
は,そのうちの1個を示す)が形成されており,この各
取付けボス46に遠心シュー47が揺動自在に軸支され
る。この遠心シュー47は,後述する駆動軸50に固着
されるクラッチドラム48と共に遠心クラッチ48を構
成するもので,クランク軸13の回転数が所定値を超え
ると,遠心シュー47が,それ自体の遠心力によりクラ
ッチドラム48の内周壁に圧接して,クランク軸13の
出力トルクを駆動軸50に伝達するようになる。この遠
心クラッチ48よりも,冷却ファン43は大径になって
いる。
【0020】エンジン本体1及び,燃料タンク40を除
く付属機器を覆うエンジンカバー51は,エンジン本体
1の適所に固着され,このエンジンカバー51と燃料タ
ンク5との間に冷却風取り入れ口19が設けられる。し
たがって,冷却ファン43の回転により,この冷却風取
り入れ口19から外気が取り入れられ,エンジンE各部
の冷却に供される。
【0021】エンジンカバー51には,クランク軸6と
同軸に並ぶ円錐台状の軸受ホルダ58が固着され,この
軸受ホルダ58は,前記カッタCを回転駆動する駆動軸
50をベアリング59を介して支持する。
【0022】而して,エンジン本体1を間に置いて,一
側にオイルタンク40及びスタータ42,他側に冷却フ
ァン43及び遠心クラッチ49がそれぞれ配置されるの
で,エンジンEの左右の重量バランスが良好で,エンジ
ンEの重心をエンジン本体1の中心部に近づけることが
でき,エンジンEの取り回し性が良好となる。
【0023】またエンジン本体1と遠心シュー47との
間において,遠心シュー47より大径の冷却ファン43
がクランク軸13に固着されるので,冷却ファン43に
よるエンジンEの大型化を極力回避することができる。
【0024】次に,エンジン本体1及びオイルタンク4
0の構造について説明する。
【0025】図2〜図5において,エンジン本体1は,
クランク室6aを有するクランクケース6,一つのシリ
ンダボア7aを有するシリンダブロック7,並びに燃焼
室8a及び該室8に開口する吸,排気ポート9,10を
有するシリンダヘッド8からなっており,シリンダブロ
ック7及びシリンダヘッド8の外周には多数の冷却フィ
ン38が形成される。
【0026】クランク室6aに収容されるクランク軸1
3は,クランクケース6の左右両側壁にボールベアリン
グ14,14′を介して回転自在に支承される。その
際,左側のボールベアリング14はシール付きとされ,
右側のボールベアリング14′の外側にはオイルシール
17が隣接して配設される。クランク軸13には,従来
普通のように,シリンダボア7aに嵌装されたピストン
15がコンロッド16を介して連接される。
【0027】クランクケース6の左側壁には,その外側
に隣接するオイルタンク40が一体に連設され,このオ
イルタンク40をクランク軸13のシール付きボールベ
アリング14側の端部が貫通するように配置される。そ
して,クランク軸13に貫通される,オイルタンク40
の外側壁にはオイルシール39が装着される。
【0028】オイルタンク40の天井壁には,それを貫
通するように上下に延びると共に上下両端を開放した偏
平断面のベルト案内筒86が一体に連設される。このベ
ルト案内筒86の下端は,オイルタンク40内のクラン
ク軸13近傍まで延びており,またその上端部は,シリ
ンダヘッド8と隔壁85を共有するように,シリンダヘ
ッド8に一体に連設される。シリンダヘッド8及びベル
ト案内筒86の上端周縁には,一連の環状シールビード
87が形成され,隔壁85は,このシールビード87よ
り上方に突出している。
【0029】一方,図6,図10〜図12に示すよう
に,ヘッドカバー36の下端面には,上記シールビード
87に対応する環状シール溝88aが,また該カバー3
6の内面には,環状シール溝88aの両側部間を連通す
る線状シール溝88bがそれぞれ形成され,環状シール
溝88aには環状パッキン89aが装着され,線状シー
ル溝88bには,環状パッキン89aと一体成形された
線状パッキン89bが装着される。そして,環状パッキ
ン89aにはシールビード87が,線状パッキン89b
には隔壁85がそれぞれ圧接するように,ヘッドカバー
36はシリンダヘッド8にボルト37により結合され
る。
【0030】而して,ベルト案内筒86とヘッドカバー
36の一半部とで第1動弁室21aが,またシリンダヘ
ッド8とヘッドカバー36の他半部とで第2動弁室21
bがそれぞれ画成され,両動弁室21a,21bは前記
隔壁85によって仕切られる。
【0031】再び図2〜図5において,エンジン本体1
及びオイルタンク40は,クランク軸13の軸線を通り
且つシリンダボア7aの軸線と直交する平面で,上部ブ
ロックBaと下部ブロックBbとに2分割される。即
ち,上部ブロックBaは,クランクケース6の上半部,
シリンダブロック7,シリンダヘッド8,オイルタンク
40の上半部及びベルト案内筒86を一体に連ねて構成
され,下部ブロックBbは,クランクケース6の下半部
と,オイルタンク40の下半部とを一体に連ねて構成さ
れるもので,これら上部及び下部ブロックBa,Bbは
個別に鋳造され,各部を加工された後,複数のボルト1
2(図4参照)により相互に結合される。
【0032】シリンダヘッド8には,吸気ポート9及び
排気ポート10をそれぞれ開閉する吸気弁18i及び排
気弁18eがシリンダボア7aの軸線と平行に設けら
れ,また点火栓20が,その電極を燃焼室8aの中心部
に近接させて螺着される。
【0033】次に,上記吸気弁18i及び排気弁18e
を開閉駆動する動弁機構22について,図3〜図7によ
り説明する。
【0034】動弁機構22は,オイルタンク40内から
前記第1動弁室21aにわたり配設される調時伝動装置
22aと,前記第1動弁室21aから第2動弁室21b
にわたり配設されるカム装置22bとで構成される。
【0035】調時伝動装置22aは,オイルタンク40
内のクランク軸13に固設した駆動プーリ23と,ベル
ト案内筒86の上部に回転自在に軸支される被動プーリ
24と,これら駆動及び被動プーリ23,24間に巻き
掛けたタイミングベルト25とからなっており,被動プ
ーリ24の,隔壁85側の端面には,カム装置22bの
一部をなすカム26が一体に結合されている。駆動及び
被動プーリ23,24は歯付きであり,駆動プーリ23
はベルト25を介して被動プーリ24を2分の1の減速
比をもって駆動するようになっている。
【0036】ベルト案内筒86の外側壁には,環状のシ
ールビード87の内側で起立してヘッドカバー36の内
面に当接もしくは近接する支持壁27が一体に形成され
ており,この支持壁27に設けた貫通孔28aと,隔壁
85に設けた底付き孔28bにより支軸29の両端部が
回転自在に支持され,この支軸29の中間部で前記被動
プーリ24及びカム26が回転自在に支承される。支軸
29は,ヘッドカバー36の取り付け前に,貫通孔28
aから,被動プーリ24及びカム26の軸孔35,底付
き孔28bへと挿入されるもので,その挿入後,ヘッド
カバー36をシリンダヘッド8及びベルト案内筒86に
接合すると,ヘッドカバー36の内面が支軸29の外端
に対向して,その抜け止めを果たすようになっている。
【0037】隔壁85には,シリンダヘッド8から第2
動弁室21b側に起立して支軸29と平行に延びる一対
の軸受ボス30i,30eの各一端が一体に結合されて
おり,これら軸受ボス30i,30eによってカム装置
22bの吸気ロッカ軸31i及び排気ロッカ軸31eが
それぞれ回転自在に支承される。即ち,カム装置22b
は,前記カム26と,上記吸気ロッカ軸31i及び排気
ロッカ軸31eと,第1動弁室21aでこれらロッカ軸
31i,31eの一端にそれぞれ固着されてカム26の
下面に先端を摺接させる吸気カムフォロワ22i及び排
気カムフォロワ22eと,第2動弁室21bで吸気及び
排気ロッカ軸31i,31eの他端にそれぞれ固着され
て先端部を吸気弁18i及び排気弁18eの上端に当接
させる吸気ロッカアーム33i及び排気ロッカアーム3
3eと,吸気弁18i及び排気弁18eにそれぞれ装着
されて,それらを閉弁方向に付勢する吸気ばね34i及
び排気ばね34eとから構成される。
【0038】而して,クランク軸13の回転時,それと
共に回転する駆動プーリ23がベルト25を介して被動
プーリ24及びカム26を回転すると,そのカム26が
吸気及び排気カムフォロワ32i,32eを適時揺動さ
せ,それらの揺動は,各対応するロッカ軸31i,31
eを介して吸気及び排気ロッカアーム33i,33eに
伝達して,それらを揺動させるので,吸気及び排気ばね
34i,34eとの協働により,吸気及び排気弁18
i,18eを適時開閉することができる。
【0039】調時伝動装置22aにおいて,被動プーリ
24及びカム26は支軸29に回転自在に支承され,ま
たその支軸29も第1動弁室21aの両側壁に回転自在
に支承されるので,被動プーリ24及びカム26の回転
中は,摩擦により引きずられて支軸29も回転すること
なり,被動プーリ24及びカム26と支軸29との回転
速度差が減少し,回転摺動部の摩耗の低減を図ることが
でき,耐久性の向上に寄与し得る。
【0040】次に,図4〜図14によりエンジンEの潤
滑系について説明する。
【0041】図4及び図5において,オイルタンク40
には,給油口40aから注入された規定量の潤滑用オイ
ルOが貯留される。このオイルタンク40内において,
クランク軸13には,前記駆動プーリ23を挟んで軸方
向に並ぶ一対のオイルスリンガ56a,56bが圧入等
により固着される。これらオイルスリンガ56a,56
bは,互いに正反対の半径方向を向くと共に,互いに先
端を軸方向に離反させるように屈曲しており,クランク
軸13により回転駆動されると,エンジンEの如何なる
運転姿勢でも,両オイルスリンガ56a,56bの少な
くとも一方がオイルタンク40内に貯留オイルOを攪
拌,飛散させ,オイルミストを生成するようになってい
る。このとき,発生したオイル飛沫は,第1動弁室21
aからオイルタンク40内に露出した調時伝動装置22
aの一部に振り掛かったり,第1動弁室21aに進入し
たりして,調時伝動装置22aを直接潤滑するようにな
っており,これが一つの潤滑系統である。
【0042】もう一つの潤滑系統は,図3〜図5及び図
13に示すように,オイルタンク40の内部とクランク
室6aとの間を連通すべくクランク軸13に設けられた
通孔55と,クランク室6aの下部に接続されるオイル
送り導管60と,このオイル送り導管60により送られ
るオイルミストから油滴を分離して油滴を含まないオイ
ルミストを第2動弁室21bに誘導する油滴分離室73
と,第2動弁室21bに溜まった油滴を吸い上げるべく
シリンダヘッド8に設けられるオイル回収室74と,こ
のオイル回収室74を第1動弁室21aを介してオイル
タンク40に連通すべくシリンダヘッド8及びオイルタ
ンク40間に形成されるオイル戻し通路78と,クラン
ク室6aの下部に設置されてクランク室6aからオイル
送り導管60への一方向のみオイルミストの流れを許容
する一方向弁61とを備える。
【0043】前記通孔55のオイルタンク40内への開
口端55aは,をエンジンEの如何なる姿勢でも,常
に,オイルタンク40内のオイルOの液面上に露出して
いるように,該タンク40内の中心部もしくはその近傍
に配置される。クランク軸13の固着される駆動プーリ
23と一方のオイルスリンガ56aは,上記開口端55
aを塞がないように,開口端55aを間に置いて配置さ
れる。
【0044】前記一方向弁61(図3参照)は,図示例
ではリード弁から構成され,ピストン15の往復運動に
伴いクランク室6aが負圧になったとき閉弁し,正圧に
なったとき開弁するようになっている。
【0045】オイル送り導管60の下端部は,クランク
ケース6の外側面に突設された下部接続管62a(図3
参照)に,またその上端部は,シリンダヘッド8の外側
面に突設された上部接続管62b(図4及び図8参照)
にそれぞれ嵌め込まれて接続される。上部接続管62b
の内部は,シリンダヘッド8の連通路63(図8及び図
9参照)を介して油滴分離室73に連通する。
【0046】油滴分離室73は,前記軸受ボス30i,
30eと,前記隔壁85と対向しながら両軸受ボス30
i,30e間を連結するようシリンダヘッド8に一体に
形成された小隔壁92とで画成され,この油滴分離室7
3の一隅に上記連通孔63は開口し,小隔壁92には油
滴分離室73を第2動弁室21bに連通する切欠き状の
出口92aが設けられる。
【0047】図5,図10〜図12に示すように,ヘッ
ドカバー36に仕切り体65が配設される。この仕切り
体65は,ヘッドカバー36の天井面との間にブリーザ
室69を画成する合成樹脂製の上部仕切り板65aと,
この上部仕切り板65aの下面に溶着又は接着により接
合されて,それとの間に偏平なオイル回収室74を画成
する合成樹脂製の下部仕切り板65bとで構成される。
この仕切り体65のヘッドカバー36への取り付けに当
たっては,上部仕切り板65aの周縁部をヘッドカバー
36内周面の段部に当接させると共に,上部仕切り板6
5aを貫通する,ヘッドカバー36の突起66にクリッ
プ67を係止して,上部仕切り板65aを押さえる。
【0048】下部仕切り板65bは,前記油滴分離室7
3の開放上面を閉じるためにも利用されるもので,その
下面には,油滴分離室73の隔壁85側内側面に適合す
るコ字状位置決め壁93と,油滴分離室73の小隔壁9
2側内側面に適合する直線状位置決め壁94と,この直
線状位置決め壁94と共に小隔壁92を挟んで前記出口
92aの有効開口面積,即ち油滴分離室73及び第2動
弁室21b間の開度を規定する小片95と,油滴分離室
73内に突入して油滴分離を促進するための迷路壁96
とが突設される。
【0049】前記ブリーザ室69は,一方で上部仕切り
板65aに設けられた連通孔68を介して第2動弁室2
1bと連通され,他方でブリーザパイプ70を介して前
記エアクリーナ4内に連通される。このブリーザ室69
は,混合状態のオイル及びブローバイガスの気液分離を
行うところであり,その気液分離を促進するための迷路
壁72がヘッドカバー36の天井壁内面に突設される。
また上部仕切り板65aには,連通孔68の上方を覆っ
て第2動弁室21bからブリーザ室69への油滴の進入
を極力抑える庇68aが形成される。
【0050】下部仕切り板65bには,互いに離れた箇
所で前記オイル回収室74に連通する複数本(図示例で
は2本)の吸い上げ管75が一体に突設される。これら
吸い上げ管75は,各先端を第2動弁室21bの底面近
傍まで延ばしており,それらの各先端開口部がオリフィ
ス75aとなっている。
【0051】また上部仕切り板65bにも,互いに離れ
た箇所でオイル回収室74に連通する複数本(図示例で
は3本)の吸い上げ管76が一体に突設される。これら
吸い上げ管76は,各先端をブリーザ室69の天井面近
傍まで延ばしており,それらの先端開口部がオリフィス
76aとなっている。
【0052】さらに下部仕切り板65b及び上部仕切り
板65aには,第2動弁室21b及びブリーザ室69を
それぞれオイル回収室74に連通させる複数のオリフィ
ス80,83がそれぞれ穿設される。また両仕切り板6
5a,65bの接合面間にも第2動弁室21bをオイル
回収室74に連通させる複数の切欠き状オリフィス97
(図11)が設けられる。
【0053】下部仕切り65bには,オイル回収室74
に開口する1本の戻し管81が一体に突設される。この
戻し管81の先端部は油滴分離室73を貫通して,シリ
ンダヘッド8に設けられた前記オイル戻し通路78の入
口78aにグロメット82を介して嵌合され,オイル回
収室74に回収されたオイルをオイル戻し通路78へ誘
導するようになっている。
【0054】下部仕切り65bには,さらに,油滴分離
室73及びオイル回収室74間を連通するオリフィス9
1が穿設される。
【0055】また上記戻し管81には,油滴分離室73
の下部に連通するオリフィス状の戻し孔90が穿設さ
れ,油滴分離室73に溜まったオイルもオイル戻し通路
78へ流出するようになっている。
【0056】さて,上記潤滑系の作用について説明する ブリーザ室69は,ブリーザパイプ70を介してエアク
リーナ4内に連通しているので,エンジンEの運転中で
もブリーザ室69の圧力は,略大気圧に保たれ,このブ
リーザ室69に流路抵抗の少ない連通孔68を介して連
通する第2動弁室21bはブリーザ室69と略同圧であ
り,また流路抵抗の少ない出口92aを介して第2動弁
室21bに連通する油滴分離室73は第2動弁室21b
と略同圧である。
【0057】クランク室6aは,エンジンEの運転中,
ピストン15の昇降により生ずる圧力脈動の正圧成分の
みを一方向弁61からオイル送り導管60に吐出するこ
とから,クランク室6aは平均的に負圧状態となり,上
記正圧を第2動弁室21bが受ける。クランク室6aの
負圧は,クランク軸13の通孔55を経てオイルタンク
40に伝達し,更にオイル戻し通路78を介してオイル
回収室74に伝達するので,オイル回収室74は,第2
動弁室21bや油滴分離室73,ブリーザ室69よりも
低圧,オイルタンク40及び第1動弁室21aはオイル
回収室74よりも低圧となる。
【0058】したがって,図13に示すように,クラン
ク室6aの圧力をPc,オイルタンク40の圧力をP
o,第1動弁室21aの圧力をPva,第2動弁室21
bの圧力をPvb,油滴分離室73の圧力をPy,オイ
ル回収室74の圧力をPs,ブリーザ室69の圧力をP
bとすると,その大小関係は次式で表すことができる。
【0059】 Pb=Pvb=Py>Ps>Pva=Po>Pc その結果,ブリーザ室69及び第2動弁室21bの圧力
は吸い上げ管75,76やオリフィス80,83を通し
てオイル回収室74へ,また油滴分離室73の圧力は戻
し孔90及びオリフィス91を通して戻し管81及びオ
イル回収室74へと移り,そしてそれら圧力はオイル戻
し通路78を通してオイルタンク40,クランク室6a
へと移る。
【0060】エンジンEの運転中,オイルタンク40内
において,クランク軸13に回転されるオイルスリンガ
56a,56bが潤滑油Oを攪拌,飛散させることによ
りオイルミストが生成される。そのとき発生したオイル
の飛沫は,ベルト案内筒86からオイルタンク40内に
露出した調時伝動装置22aの一部,即ち駆動プーリ2
3及びタイミングベルト25の一部に振り掛かり,ある
いは第1動弁室21aに進入して,調時伝動装置22a
を直接潤滑することは既に述べた通りである。
【0061】オイルタンク40で生成されたオイルミス
トは,前述の圧力の流れに従って,クランク軸13の通
孔55を通してクランク室6aに吸入され,クランク軸
13ピストン15周りを潤滑する。次いでピストン15
の下降によりクランク室6aが正圧になると,一方向弁
61の開弁により上記オイルミストはオイル送り導管6
0及び連通路63を昇って油滴分離室73に供給され
る。その際,オイルミストの膨張作用及び迷路壁96と
の衝突作用によりオイルミストの中の油滴が分離され
る。そして油滴を含まないオイルミストは,出口92a
により流量を適当に調整されながら第2動弁室21bに
供給され,該室21b内のカム装置22bの各部,即ち
吸気及び排気ロッカアーム33i,33e等を効果的に
潤滑することができる。かくして油滴によるカム装置2
2bの作動抵抗を回避し,動力損失の低減を図ることが
できる。
【0062】油滴分離室73で分離され,該室73の底
部に溜まった油滴は戻し孔90を通して戻し管81に吸
い出され,オイル戻し通路78を経てオイルタンク40
に還流する。
【0063】第2動弁室21b内のオイルミスト及びそ
れに含まれるブローバイガスは,連通孔68を通ってブ
リーザ室69に移ると,その際の膨張作用及び迷路壁7
2との衝突作用により気液分離され,ブローバイガス
は,エンジンEの吸気行程時,ブリーザパイプ70及び
エアクリーナ4を順次経由してエンジンEに吸入され
る。
【0064】ブリーザ室69で液化して溜まった油滴
は,エンジンEの正立状態では,上部仕切り板65aの
上面に溜まるか,連通孔68を流下して第2動弁室21
bの底面に溜まるので,それらの場所に待機するオリフ
ィス80や吸い上げ管75によってオイル回収室74へ
と吸い上げられる。またエンジンEの倒立状態では,上
記油滴はヘッドカバー36の天井面や下部仕切り65b
の下面に溜まることになるので,その場所に待機する吸
い上げ管76やオリフィス83,97によってオイル回
収室74へと吸い上げられる。一方,油滴分離室73で
は,オイルミストから分離された油滴は,該室73の天
井面に溜まることになるが,その天井面に開口するオリ
フィス91によってその油滴はオイル回収室74に吸い
上げられる。
【0065】こうしてオイル回収室74に吸い上げられ
たオイルは,戻し管81からオイル戻し通路78を通っ
てオイルタンク40に還流する。この場合,図示例のよ
うに,オイル戻し通路78を第2動弁室21bを介して
オイルタンク40に連通させると,オイル戻し通路78
を出たオイルが調時伝動装置22aに振り掛かり,その
潤滑にも寄与することになり,好都合である。
【0066】ところで,前記ブリーザ室69は,ヘッド
カバー36の天井面と,ヘッドカバー36の内壁に取り
付ける上部仕切り板65aとの間に画成され,また前記
オイル回収室74は,上部仕切り板65aと,それに接
合される下部仕切り板65bとの間に画成されるので,
ヘッドカバー36の天井壁を分割することなく,ヘッド
カバー36にオイル回収室74及びブリーザ室69を設
けることができる。しかも,これらブリーザ室69及び
オイル回収室74は,共にヘッドカバー36内に存在す
ることから,両室69,74から多少のオイル漏れがあ
ったとしても,そのオイルは第2動弁室21bに戻るだ
けで何等の支障も生ぜず,両室69,74周りの油密検
査は不要となり,製作コストの低減を図ることができ
る。
【0067】しかもオイル回収室74は,上部仕切り板
65a及び下部仕切り板65bの接合と同時に形成され
るので,その形成を簡単に行うことができる。
【0068】さらにオイル吸い上げ管75,76は,下
部仕切り板65b及び上部仕切り板65aにそれぞれ一
体に成形されるので,オイル吸い上げ管75,76の形
成をも簡単に行うことができる。
【0069】また油滴分離室73は,一対の吸気及び排
気ロッカ軸31i,31eを支持する軸受ボス30i,
30e間に形成されるので,ヘッドカバー36の比較的
狭い空間を油滴分離室73の形成に効率良く利用でき,
ヘッドカバー36の肥大化を回避することができる。そ
の上,油滴分離室73の開放上面は,下部仕切り板65
bで閉鎖されるので,その閉鎖のための特別な部材は不
要であり,構造の簡素化を図ることができる。
【0070】一方,オイルタンク40では,エンジンE
が図14に示すように,倒立状態にされた場合,貯留オ
イルOが該タンク40の天井側,即ち第1動弁室21a
側に移動するが,第1動弁室21aのオイルタンク40
内への開口端は,ベルト案内筒86によって,貯留オイ
ルOの液面より高い位置を占めるように設定されてお
り,したがって,第2動弁室21bへの貯留オイルOの
流入を許さず,調時伝動装置22aの過剰給油を防ぐこ
とができると共に,オイルタンク40内に所定量のオイ
ル量を確保して,オイルスリンガ56a,56bによる
オイルミストの生成の継続が可能となる。
【0071】またエンジンEが図15に示すように,横
倒し状態にされた場合には,貯留オイルOは該タンク4
0の側面側に移動するが,第1動弁室21aのオイルタ
ンク40内への開口端は,ベルト案内筒86によって,
貯留オイルOの液面より高い位置を占めるように設定さ
れており,したがって,この場合も第2動弁室21bへ
の貯留オイルOの流入を許さず,調時伝動装置22aの
過剰給油を防ぐことができると共に,オイルタンク40
内に所定量のオイル量を確保して,オイルスリンガ56
a,56bによるオイルミストの生成の継続が可能とな
る。
【0072】かくして,動弁機構22の潤滑系統は,オ
イルタンク40内の飛散オイルでオイルタンク40及び
第1動弁室21a内の調時伝動装置22aとカム装置2
2bの一部を潤滑する系統と,第2動弁室21bに移送
されたオイルミストにより第2動弁室21b内のカム装
置22bの残りの部分を潤滑する系統との2系統に分け
られるので,各潤滑系統の負担が軽減することになっ
て,動弁機構22全体を万遍なく潤滑することができ
る。しかもオイルの飛沫やオイルミストの使用により,
エンジンの如何なる運転姿勢においても,エンジンの各
部を確実に潤滑することができる。
【0073】またオイルタンク40内でミスト化された
オイルを,クランク室6aの圧力脈動と,一方向弁61
の一方向移送機能を利用して循環させるようにしたの
で,オイルミストの循環のための専用のオイルポンプは
不要であり,構造の簡素化を図ることができる。
【0074】またオイルタンク40のみならず,クラン
ク室6a及び第2動弁室21b間を結ぶオイル送り導管
60は,エンジン本体1外側に配設されるので,エンジ
ン本体1の薄肉化及びコンパクト化を何ら妨げず,エン
ジンEの軽量化に大いに寄与することができる。特に,
外部配置のオイル送り導管60は,エンジン本体1から
熱影響を受け難く,しかも放熱し易いので,これを通る
オイルミストの冷却を促進することができる。
【0075】またオイルタンク40はエンジン本体1の
一外側に配設されるので,エンジンEの全高の大幅低下
をもたらすことができ,しかも調時伝動装置22aの一
部がオイルタンク40に収められるので,エンジンEの
横幅の増加を極力抑えることができて,コンパクト化を
図ることができる。
【0076】本発明は,上記実施例に限定されるもので
はなく,その要旨の範囲を逸脱することなく種々の設計
変更が可能である。例えば,オイル吸い上げ管75,7
6や吸い上げ用オリフィス80,83の個数及び設置場
所は自由に選定されるものである。また一方向弁61に
代えて,クランク軸13に連動して,オイル送り導管6
0をピストン15の下降時に導通し,その上昇時に遮断
するように作動するロータリバルブを設けることもでき
る。
【0077】
【発明の効果】以上のように本発明の第1の特徴によれ
ば,シリンダヘッドの上端にヘッドカバーを結合して,
これらシリンダヘッド及びヘッドカバー間に動弁機構を
収容する動弁室を画成すると共に,この動弁室に,オイ
ルタンクで生成されたオイルミストを移送するオイルミ
スト移送手段と,動弁室に溜まったオイルを吸引して回
収するオイル回収室と,動弁室からブローバイガスを取
り出して外部に導出するブリーザ室とを接続し,オイル
回収室には,該室で回収したオイルをオイルタンクに還
流させるオイル戻し通路を接続した,エンジンの動弁機
構潤滑装置において,オイルミスト移送手段及び動弁室
間に,オイルミスト移送手段から送られたオイルミスト
から油滴を分離して,油滴を含まないオイルミストを動
弁室に誘導する油滴分離室を設けたので,オイルミスト
の移送中に発生した油滴を油滴分離室で分離して,動弁
室には油滴を含まないオイルミストが動弁室に供給する
ことができ,したがって動弁機構を抵抗なく潤滑して,
動力損失の低減を図ることができる。
【0078】また本発明の第2の特徴によれば,第1の
特徴に加えて,ヘッドカバーの内壁に,該ヘッドカバー
の天井面との間にブリーザ室を画成する仕切り体を取り
付け,この仕切り体にオイル回収室を一体的に形成する
と共に,仕切り体及びシリンダヘッド間に油滴分離室を
画成したので,ヘッドカバーの天井壁を分割することな
く,ヘッドカバーにオイル回収室及びブリーザ室を設け
ることができ,しかもブリーザ室及びオイル回収室は共
にヘッドカバー内に存在することから,両室から多少の
オイル漏れがあったとしても,そのオイルは動弁室に戻
るだけで何等の支障も生ぜず,両室周りの油密検査は不
要となり,製作コストの低減を図ることができる。しか
も仕切り体は油滴分離室の形成にも利用されるので,構
造の簡素化をも図ることができる。
【0079】さらに本発明の第3の特徴によれば,第2
の特徴によれば,油滴分離室を,動弁機構の互いに平行
に配列される一対の吸気及び排気ロッカ軸間に配置した
ので,ヘッドカバーの比較的狭い空間を油滴分離室の形
成にも効率良く利用でき,ヘッドカバーの肥大化を回避
することができる。
【0080】さらにまた本発明の第4の特徴によれば,
第1〜第3の特徴の何れかに加えて,油滴分離室をオイ
ル戻し通路に連通して,油滴分離室で分離された油滴を
オイルタンクに還流させるようにしたので,油滴分離室
で分離された油滴をオイルタンクに速やかに還流させ
て,油滴の動弁室への浸入を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の四サイクルエンジンの一使用例を示す
斜視図。
【図2】上記四サイクルエンジンの縦断側面図。
【図3】図2の3−3線断面図。
【図4】図2の4−4線断面図。
【図5】図2の要部拡大断面図
【図6】図5の要部分解図。
【図7】図4の7−7線断面図。
【図8】図4の8−8線断面図。
【図9】図8の9−9線断面図。
【図10】図5の10−10線断面図。
【図11】図5の11−11線断面図。
【図12】図5の12−12線断面図。
【図13】上記エンジンの潤滑経路図。
【図14】上記エンジンの倒立状態を示す,図4との対
応図。
【図15】同エンジンの横倒し状態を示す,図4との対
応図。
【符号の説明】
E・・・・・・四サイクルエンジン 8・・・・・・シリンダヘッド 21b・・・・動弁室(第2動弁室) 22・・・・・動弁機構 31i,31e・・・ロッカ軸 36・・・・・ヘッドカバー 61・・・・・オイルミスト移送手段(一方向弁) 65・・・・・仕切り体 69・・・・・ブリーザ室 73・・・・・油滴分離室 74・・・・・オイル回収室 78・・・・・オイル戻し通路
フロントページの続き Fターム(参考) 3G013 AA05 AB03 BA04 BB12 BC11 BD13 BD22 CA01 3G015 BD11 BD24 BE05 BE13 BE15 BF05 CA04 CA05 CA06 DA02 EA26

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダヘッド(8)の上端にヘッドカ
    バー(36)を結合して,これらシリンダヘッド(8)
    及びヘッドカバー(36)間に動弁機構(22)を収容
    する動弁室(21b)を画成すると共に,この動弁室
    (21b)に,オイルタンク(40)で生成されたオイ
    ルミストを移送するオイルミスト移送手段(61)と,
    動弁室(21b)に溜まったオイルを吸引して回収する
    オイル回収室(74)と,動弁室(21b)からブロー
    バイガスを取り出して外部に導出するブリーザ室(6
    9)とを接続し,オイル回収室(74)には,該室(7
    4)で回収したオイルをオイルタンク(40)に還流さ
    せるオイル戻し通路(78)を接続した,エンジンの動
    弁機構潤滑装置において,オイルミスト移送手段(6
    1)及び動弁室(21b)間に,オイルミスト移送手段
    (61)から送られたオイルミストから油滴を分離し
    て,油滴を含まないオイルミストを動弁室(21b)に
    誘導する油滴分離室(73)を設けたことを特徴とす
    る,エンジンの動弁機構潤滑装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のエンジンの動弁機構潤滑
    装置において,ヘッドカバー(36)の内壁に,該ヘッ
    ドカバー(36)の天井面との間にブリーザ室(69)
    を画成する仕切り体(65)を取り付け,この仕切り体
    (65)にオイル回収室(74)を一体的に形成すると
    共に,仕切り体(65)及びシリンダヘッド(8)間に
    油滴分離室(73)を画成したことを特徴とする,エン
    ジンの動弁機構潤滑装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のエンジンの動弁機構潤滑
    装置において,油滴分離室(73)を,動弁機構(2
    2)の互いに平行に配列される一対の吸気及び排気ロッ
    カ軸(31i,31e)間に配置したことを特徴とす
    る,エンジンの動弁機構潤滑装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかに記載のエンジン
    の動弁機構潤滑装置において,油滴分離室(73)をオ
    イル戻し通路(78)に連通して,油滴分離室(73)
    で分離された油滴をオイルタンク(40)に還流させる
    ようにしたことを特徴とする,エンジンの動弁機構潤滑
    装置。
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