JP2003063931A

JP2003063931A - 粉体含有化粧料

Info

Publication number: JP2003063931A
Application number: JP2001251074A
Authority: JP
Inventors: Sanae Miyano; 早苗宮埜
Original assignee: Noevir Co Ltd
Current assignee: Noevir Co Ltd
Priority date: 2001-08-22
Filing date: 2001-08-22
Publication date: 2003-03-05

Abstract

(57)【要約】【課題】炭化水素系油分に分散させた粉体
の分散性が良好で、ファンデーションなどのメークアッ
プ化粧料に好適な粉体を含有する化粧料を提供する。【解決手段】粉体と、炭化水素系油分を含有す
る化粧料に、ジポリヒドロキシ脂肪酸ポリアルキレンオ
キサイドを粉体の分散剤として配合する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、炭化水素系油分
に分散させた粉体の分散性が良好で、ファンデーション
などのメークアップ化粧料に好適な、粉体を含有する粉
体含有化粧料に関する。

【０００２】

【従来の技術】メークアップ化粧料は、粉体を含有する
ことにより、肌の色彩やシミ、ソバカス等を隠蔽した
り、紫外線から肌を保護する等の機能を有している。こ
れらの粉体は通常、油相若しくは水相中に界面活性剤な
どと共に分散させて用いられる。しかしながら、化粧料
に配合する粉体、特に酸化チタンは、比重が大きく、ま
たその表面が等電点を有しており、化粧料中に、一様に
かつ安定に分散させることは非常に困難な技術となって
いる。特に、低極性の炭化水素を主体とする油相に粉
体、特に酸化チタンを分散させると、顔料縞等の現象が
現れることが多かった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明においては、上
記のような問題点を解決し、炭化水素系油分を含有する
油相に、粉体，特に酸化チタンが均一に分散した粉体含
有化粧料を提供することを目的とした。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するに
あたり、種々検討を行ったところ、粉体含有化粧料にお
いて、粉体分散剤としてジポリヒドロキシ脂肪酸ポリア
ルキレンオキサイドを用い、油相中に粉体を分散さるこ
とにより、上記課題が解決できることを見いだし、本発
明を完成するに至った。

【０００５】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を説明する。

【０００６】本発明において粉体の分散剤として使用す
るジポリヒドロキシ脂肪酸ポリアルキレンオキサイド
は、通常下記式によって示される構造を有している。Ｈ
-（-Ｏ-Ｒ¹-ＣＯ-）_a-Ｏ［（ＣＨ₂）_b-Ｏ-］_c-（ＣＯ-
Ｒ²-Ｏ-）_d-Ｈここで、Ｒ¹及びＲ²は、同一若しくは異
なってもよい、炭素数８〜２２の分子鎖状若しくは直鎖
状で飽和若しくは不飽和の炭化水素基を、ａは３〜１０
の整数を、ｂは２若しくは３の整数を、ｃは１０〜５０
の整数を、ｄは３〜１０の整数を示す。かかるジポリヒ
ドロキシ脂肪酸ポリアルキレンオキサイドは、油中水型
乳化組成物及び油中水中油型乳化組成物の乳化剤として
知られている（特開平１１−１２１２５）。しかしなが
ら、粉体の分散剤、特に炭化水素系油分を含有する油相
への分散剤としての使用は、これまで開示されていな
い。

【０００７】かかるジポリヒドロキシ脂肪酸ポリアルキ
レンオキサイドとしては、ジポリヒドロキシステアリン
酸ポリエチレンオキサイド（ＩＣＩ社製，商品名アラセ
ルＰ−１３５）を用いることが好ましい。

【０００８】本発明の化粧料におけるポリヒドロキシ脂
肪酸ポリアルキレンオキサイドの好ましい配合量は、
０．０５〜１０重量％であり、より好ましくは０．１〜
５重量％である。

【０００９】本発明に用いる粉体としては、通常の化粧
料に配合し得る粉体であれば特にその種類は問わない。
かかる粉体としては、マイカ，タルク，カオリン，炭酸
カルシウム，炭酸マグネシウム，無水ケイ酸，酸化アル
ミニウム，硫酸バリウム，窒化硼素，合成フッ素金雲
母，鉄含有合成フッ素金雲母等の無機体質顔料、ベンガ
ラ，黄酸化鉄，黒酸化鉄，酸化クロム，水酸化クロム，
群青，紺青，カーボンブラック等の無機着色顔料、酸化
チタン，酸化亜鉛等の白色顔料、雲母チタン，魚鱗箔，
オキシ塩化ビスマス等の真珠光沢顔料、ポリエチレン
末，ポリメタクリル酸メチル，ナイロンパウダー等の有
機高分子粉体、化粧品用タール色素顔料、及びこれらの
表面処理物等が例示される。表面処理としては、アルミ
ナ処理，キトサン処理，ポリアクリル酸処理，シリコー
ン処理，フッ化炭化水素処理，金属石けん処理，アシル
アミノ酸処理等があげられる。これらの処理の中でも、
粉体の分散性の点から、特にアルミナ処理，キトサン処
理，ポリアクリル酸処理から選択される１種又は２種以
上の処理方法を組み合わせて処理した粉体、若しくは未
処理の粉体を用いることが好ましい。また本発明におい
ては、特に酸化チタンの分散性改良に有効である。かか
る酸化チタンとしては、粒径及び粒子形状を問わず有効
である。なお、本発明の化粧料における粉体の好ましい
配合量は、１〜９０重量％である。

【００１０】本発明の化粧料においては、粉体を炭化水
素を含有する油分に分散させて用いる。かかる油分とし
ては、炭化水素の他、エステル油，高級アルコール，シ
リコーン油等化粧料に配合し得る油分であれば特に限定
されないが、特に炭化水素系油分を多く含有する化粧料
において、高い粉体の分散効果を得ることができる。か
かる炭化水素系油分としては、スクワラン，スクワレ
ン，流動パラフィン，固形パラフィン，軽質流動パラフ
ィン，流動イソパラフィン，軽質流動イソパラフィン，
重質流動イソパラフィン，オレフィン，水素添加オレフ
ィン，ポリエチレンワックス，合成炭化水素ワックス，
ワセリン，セレシンワックス，マイクロクリスタリンワ
ックス，オゾケライト，プリスタン等が例示される。

【００１１】本発明における油分の好ましい配合量は、
１０〜９０重量％である。

【００１２】本発明の粉体含有化粧料は、粉体を油分に
分散させて含有するものであり、油性化粧料，油中水型
乳化化粧料に応用することができる。本発明の粉体含有
化粧料においては、本発明の効果を損なわない範囲で、
さらに化粧品等に一般に用いられる各種成分を配合する
ことができる。かかる成分としては、例えば油分，ビタ
ミン類，保湿剤，アニオン性界面活性剤，カチオン性界
面活性剤，両性界面活性剤，防腐剤，抗炎症剤，美白
剤，植物抽出物，細胞賦活剤，血行促進剤，抗酸化剤，
抗脂漏剤，増粘剤，金属イオン封鎖剤，アルコール，紫
外線吸収剤等が例示される。

【００１３】

【実施例】本発明の詳細について、実施例を用いて説明
する。

【００１４】［実施例１，比較例１〜９］シミ隠し用ファンデーション (１)ポリエチレンワックス９．００(重量％) (２)ワセリン２．００ (３)重質流動イソパラフィン１６．００ (４)流動パラフィン１９．７６ (５)表１に示した分散剤１．００ (６)酸化チタン４０．００ (７)ベンガラ０．９４ (８)黄酸化鉄５．６５ (９)黒酸化鉄０．６５ (10)ナイロン末５．００製法：(１)〜(５)の成分を９０℃にて加熱溶解し、(６)
〜(10)の成分を添加して、ローラーにて均一に分散させ
る。８５℃に加熱溶解して脱泡し、容器に充填して冷却
固化する。

【００１５】

【表１】

【００１６】実施例１及び比較例１〜比較例９にかかる
シミ隠し用ファンデーションを調製し、容器に充填した
際の顔料の分散縞を観察した。結果は、「○：分散縞が
全く認められない」、「△：酸化チタンの分散縞が僅か
に認められる」、「×：酸化チタンの分散縞が明らかに
認められる」、として評価を行い、表１に示した。

【００１７】表１に示したとおり、通常顔料分散剤とし
て汎用されている分散剤を配合した比較例１〜比較例９
においては、全て酸化チタンの分散縞が認められた。こ
れに対し、本発明の実施例１にかかるシミ隠し用ファン
デーションでは分散縞が全く認められなかった。

【００１８】さらに、本発明にかかる他の実施例を示
す。

【００１９】［実施例２］コンパクトタイプ油性ファンデーション (１)タルク１６．９(重量％) (２)カオリン１５．０ (３)酸化チタン１５．０ (４)ベンガラ１．０ (５)黄酸化鉄３．０ (６)黒酸化鉄０．２ (７)固形パラフィン３．０ (８)マイクロクリスタリンワックス６．０ (９)ミツロウ２．０ (10)ワセリン１３．０ (11)スクワラン２４．０ (12)ｄ−δ−トコフェロール０．１ (13)ジポリヒドロキシステアリン酸ポリエチレンオキサイド０．８製法：(７)〜(13)の成分を８５℃にて加熱溶解し、(１)
〜(６)の成分を添加して、ディスパーにて均一に分散さ
せ、容器に充填し、冷却固化する。

【００２０】［実施例３］スティックタイプファンデーション (１)タルク２．１(重量％) (２)カオリン２０．０ (３)マイカ３．０ (４)酸化チタン２０．０ (５)ベンガラ１．０ (６)黄酸化鉄３．０ (７)黒酸化鉄０．２ (８)固形パラフィン３．０ (９)セレシンワックス７．０ (10)ワセリン１５．０ (11)流動パラフィン１７．０ (12)パルミチン酸イソプロピル８．０ (13)ｄ−δ−トコフェロール０．１ (14)ジポリヒドロキシステアリン酸ポリエチレンオキサイド０．５ (15)香料０．１製法：(８)〜(15)の成分を９０℃にて加熱溶解し、(１)
〜(７)の成分を添加して、ローラーにて均一に分散させ
る。８５℃に加熱溶解して脱泡し、容器に充填して冷却
固化する。

【００２１】［実施例４］油中水乳化型ファンデーション（クリームタイプ） (１)セリサイト５．３６(重量％) (２)カオリン４．００ (３)酸化チタン９．３２ (４)ベンガラ０．３６ (５)黄酸化鉄０．８０ (６)黒酸化鉄０．１６ (７)流動パラフィン３０．００ (８)軽質流動イソパラフィン１２．００ (９)ジポリヒドロキシステアリン酸ポリエチレンオキサイド４．００ (10)精製水２６．８０ (11)1,3-ブチレングリコール５．００ (12)パラオキシ安息香酸メチル０．２０ (13)塩化ナトリウム２．００製法：(１)〜(６)の粉体を、(７)〜(９)の油相成分に添
加して、ディスパーにて均一に分散させる。均一に溶解
した(10)〜(13)の水相成分を添加して、ディスパーにて
乳化後、脱気し容器に充填する。

【００２２】［実施例５］油中水乳化型ファンデーション（２層分散タイプ） (１)タルク７．０(重量％) (２)酸化チタン１２．０ (３)無水ケイ酸２．０ (４)ナイロンパウダー４．０ (５)ベンガラ０．５ (６)黄酸化鉄１．４ (７)黒酸化鉄０．１ (８)軽質流動イソパラフィン２０．０ (９)ジペンタエリトリット脂肪酸エステル１．５ (10)ジイソオクタン酸ネオペンチルグリコール５．０ (11)スクワラン２．５ (12)トリイソオクタン酸グリセリン２．０ (13)ジポリヒドロキシステアリン酸ポリエチレンオキサイド１．５ (14)精製水２９．５ (15)1,3-ブチレングリコール４．０ (16)エタノール７．０製法：(１)〜(７)の粉体を、(８)〜(13)の油相成分に添
加して、ホモミキサーにて均一に分散させる。均一に溶
解した(14)〜(16)の水相成分を添加して、ホモミキサー
にて乳化後、脱気し容器に充填する。

【００２３】［実施例６］スティックタイプ口紅 (１)酸化チタン５．０(重量％) (２)赤色２０１号０．６ (３)赤色２０２号１．０ (４)赤色２２３号０．２ (５)マイクロクリスタリンワックス９．０ (６)固形パラフィン８．０ (７)ミツロウ５．０ (８)カルナウバワックス５．０ (９)ワセリン１１．０ (10)流動パラフィン２５．０ (11)2-エチルヘキサン酸セチル２０．０ (12)イソプロピルミリスチン酸エステル１０．０ (13)ジポリヒドロキシステアリン酸ポリエチレンオキサイド０．１ (14)ｄ−δ−トコフェロール０．１製法：(５)〜(14)の成分を９０℃にて加熱溶解し、(１)
〜(４)の成分を添加して、ローラーにて均一に分散させ
る。８５℃に加熱溶解して脱泡し、金型に充填して冷却
固化した後、容器に装填する。

【００２４】［実施例７］油性練紅 (１)カオリン２０．０(重量％) (２)酸化チタン５．０ (３)ベンガラ０．３ (４)赤色２０２号０．５ (５)セレシンワックス１５．０ (６)ワセリン２０．０ (７)流動パラフィン２５．０ (８)イソプロピルミリスチン酸エステル１３．８ (９)ジポリヒドロキシステアリン酸ポリエチレンオキサイド０．３ (10)ｄ−δ−トコフェロール０．１製法：全成分を８５℃に加熱し、ニーダーで均一に分散
させた後脱気し、容器に充填する。

【００２５】［実施例８］油中水乳化型日焼け止めクリーム (１)微粒子酸化チタン７．０(重量％) (２)パラメトキシ桂皮酸オクチル５．０ (３)オキシベンゾン３．０ (４)スクワラン４０．０ (５)ジイソステアリン酸グリセリン３．０ (６)ジポリヒドロキシステアリン酸ポリエチレンオキサイド２．０ (７)精製水３４．８ (８)グリセリン５．０ (９)パラオキシ安息香酸メチル０．２製法：(１)の粉体を、(２)〜(６)の油相成分に添加し
て、ホモミキサーにて均一に分散させる。均一に溶解し
た(７)〜(９)の水相成分を添加して、ホモミキサーにて
乳化後、脱気し容器に充填する。

【００２６】実施例２〜実施例８についても、実施例１
と同様に顔料の分散縞を観察した。その結果、全ての実
施例において、酸化チタン及びその他の顔料の分散縞は
認められなかった。

【００２７】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明により、炭
化水素系油分に分散させた粉体の分散性が良好で、ファ
ンデーションなどのメークアップ化粧料に好適な粉体を
含有する化粧料を提供することができた。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続きＦターム(参考） 4C083 AA082 AA122 AB232 AB241 AB242 AB432 AB442 AC011 AC022 AC102 AC122 AC301 AC302 AC342 AC352 AC422 AC472 AC482 AC792 AC842 AD022 AD072 AD662 BB11 BB21 CC12 CC13 CC19 DD11 DD32

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ジポリヒドロキシ脂肪酸ポリアルキレン
オキサイドと、粉体と、炭化水素系油分を含有する粉体
含有化粧料。
【請求項２】粉体が酸化チタンを含有することを特徴
とする、請求項１に記載の粉体含有化粧料。