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JP2003061681A - 耐熱性リシン脱水素酵素、その遺伝子、それを含有する組換えベクター及びそれを含有する形質転換体並びにそれを用いた耐熱性リシン脱水素酵素の製造方法 - Google Patents

耐熱性リシン脱水素酵素、その遺伝子、それを含有する組換えベクター及びそれを含有する形質転換体並びにそれを用いた耐熱性リシン脱水素酵素の製造方法

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Publication number
JP2003061681A
JP2003061681A JP2001261402A JP2001261402A JP2003061681A JP 2003061681 A JP2003061681 A JP 2003061681A JP 2001261402 A JP2001261402 A JP 2001261402A JP 2001261402 A JP2001261402 A JP 2001261402A JP 2003061681 A JP2003061681 A JP 2003061681A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lysine
dehydrogenase
thermostable
val
leu
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001261402A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoki Nunoura
直樹 布浦
Hiromi Ishikawa
宏実 石川
Haruhiko Sakuraba
春彦 櫻庭
Toshihisa Oshima
敏久 大島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Unitika Ltd filed Critical Unitika Ltd
Priority to JP2001261402A priority Critical patent/JP2003061681A/ja
Publication of JP2003061681A publication Critical patent/JP2003061681A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 リシン測定に用いられるリシン脱水素酵素は
不安定な酵素しか知られておらず、産業利用上からより
安定性な酵素が望まれていた。 【解決手段】 温泉土壌から単離したステアロアサーモ
フィルス(Bacillus stearothermophilus)UTB1103(FE
RM P-18428)が産生する耐熱性リシン脱水素酵素。特定
なアミノ酸配列又は特定なアミノ酸配列において1もし
くは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたア
ミノ酸配列からなる耐熱性リシン脱水素酵素をコードす
る遺伝子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリシンの定量等に用
いられる耐熱性リシン脱水素酵素、その製造方法、該酵
素をコードする遺伝子と、該遺伝子を含有する組換えベ
クター、組換えベクターによる形質転換体、並びにこの
形質転換体による耐熱性リシン脱水素酵素の製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】リシン脱水素酵素は、リシンの定量に利
用される酵素であるり、産業上の利用における観点から
より安定な酵素が望まれている。リシン脱水素酵素とし
ては、L−リシンのα位アミノ基の脱アミノ反応を触媒
するL−リシンα-脱水素酵素[EC1.4.1.1
5]とL−リシンのε位アミノ基の脱アミノ反応を触媒
するL−リシンε-脱水素酵素[EC1.4.1.1
8]が知られている。前者としては、人肝臓由来の酵素
Nature, 211, 854, 1966)のみが知られており、後者
の酵素としては、アグロバクテリウム ツメファシエン
ス(Agrobacterium tumefaciens)由来の酵素(J. Bioc
hem., 105, 1002, 1989)とカンジダ アルビカンス(C
andida albicans)由来の酵素(J. Gen. Microbiol., 1
37, 711, 1991)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これら現在までに知ら
れているリシン脱水素酵素の給源は、動物及び常温性微
生物由来でありその安定性は産業利用上、未だ満足の行
くものではなかった。
【0004】本発明は、安定性のより良いリシン脱水素
酵素及び該酵素の製造法並びに該酵素を遺伝子工学的に
大量製造するための遺伝子操作材料と、この材料を用い
たリシン脱水素酵素の製造方法を提供することを目的と
している。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な課題を解決するために鋭意研究を行った結果、温泉土
壌から分離したバチルス ステアロアサーモフィルス
Bacillus stearothermophilus)UTB1103(FERM P-184
28)が従来の酵素より安定な耐熱性リシン脱水素酵素を
産生することを見い出し、産業利用上から望まれている
耐熱性リシン脱水粗酵素を入手することができた。さら
に、その遺伝子をクローニングし、遺伝子組換えによる
耐熱性リシン脱水素酵素の大量生産技術の確立に成功し
た。
【0006】すなわち、本発明の第一は、以下の理化学
的性質を有する耐熱性リシン脱水素酵素を要旨とするも
のである。 (a)作用;L−リシン、NADと水からNADHを生
成する反応、並びに逆反応を触媒する。 (b)基質特異性;L−リシン、S−(β−アミノエチ
ル)L−システインに反応し、その他19種のL−アミ
ノ酸、D−リシン、L−オルニチンには反応しない。補
酵素に対してはNADを用いた場合を100とするとN
ADPを用いた場合は約45の反応性を示す。 (c)至適pH;酸化的脱アミノ反応ではpH10.1
付近が至適である。 (d)至適温度;酸化的脱アミノ反応では70℃付近が
至適である。 (e)温度安定性;60℃、10分間処理しても活性の
低下認められない。また、5mM L−リシンが存在す
ると65℃、10分間処理しても活性低下は認められな
い。 (f)分子量;ポリアクリルアミド電気泳動から求めた
分子量は250,000〜260,000であり、SDSポリアクリル
アミド電気泳動から求めたサブユニットの分子量は約4
3,000である。
【0007】本発明の第二は、バチルス属に属し、上記
の耐熱性リシン脱水素酵素の産生能を有する微生物を培
地中に培養し、培養物中に耐熱性リシン脱水素酵素を蓄
積せしめ、これを採取することを特徴とする上記の耐熱
性リシン脱水素酵素の製造方法を要旨とするものであ
る。
【0008】本発明の第三は、配列番号1で示されるア
ミノ酸配列又は該アミノ酸配列の1もしくは数個のアミ
ノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列から
なるリシン脱水素酵素をコードする遺伝子を要旨とする
ものである。
【0009】本発明の第四は、配列番号2で示される塩
基配列又は配列番号2で示される塩基配列において1も
しくは数個の塩基が欠失、置換もしくは付加された塩基
配列からなるDNAを有し、かつ耐熱性リシン脱水素酵
素をコードする遺伝子を要旨とするものである。
【0010】本発明の第五は、本発明の第三または第四
の発明の遺伝子を含有する組換えベクターを要旨とする
ものである。本発明の第六は、第五の発明の組換えベク
ターを含む形質転換体を要旨とするものである。本発明
の第七は、第六の発明の形質転換体を培地中で培養し、
培養物から耐熱性リシン脱水素酵素を採取することを特
徴とする耐熱性リシン脱水素酵素の製造方法を要旨とす
るものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の第一のリシン脱水素酵素は、以下の理化学的性
質を有するものである。(a)作用 L−リシン、NADと水からNADHを生成する反応、
並びに逆反応を触媒する。
【0012】(b)基質特異性 活性測定の際に基質であるL−リシンの代わりに他の1
9種のアミノ酸、D−リシン、L−オルニチン、S−
(β−アミノメチル)−L−システインを用いて活性を
測定した。その結果、S−(β−アミノメチル)−L−
システインに対してL−リシンに対して10.9%の活
性を示したが他の基質では全く活性を示さなかった。ま
た、補酵素であるNADの代わりにNADPを用いて活
性を測定した結果、NADに対して45%の活性を示し
た。
【0013】活性測定時のL−リシンあるいはNAD濃
度を種々変えて活性を測定し、二重逆数プロットからL-
リシンあるいはNADに対する見かけのKmを求めた。
L−リシンに対するKmは0.73mM、NADに対す
るKmは0.088mMと求まった。
【0014】(c)至適pH 活性測定時の緩衝液にリン酸カリウム(pH7.0、
7.5)、Tris−HCl(pH7.5〜8.5)、
グリシン−KOH(pH8.5〜11.0)を用いて、
活性を測定した結果、至適pHは10.1であった。結
果を図1に示す。
【0015】(d)至適温度 活性測定時の温度を種々変えて3分間反応を行い、活性
を測定した結果、本酵素の至適温度は70℃であった。
結果を図2に示す。
【0016】(e)温度安定性 本酵素(標準緩衝液)を各温度で10分間処理後の残存
活性を測定した結果、60℃まで活性の低下が認められ
なかった。また、処理時に5mMリシンを添加すると6
5℃まで活性の低下が認められなかった。結果を図3に
示す。
【0017】(f)分子量 本酵素の分子量は、2−15%濃度勾配ゲルを用いたポ
リアクリルアミド電気泳動で、サイクログロブリン、フ
ェリチン、乳酸脱水素酵素、牛血清アルブミン、トリプ
シンインヒビターを分子量マーカーとして測定した結
果、250,000〜260,000であった。本酵素
のサブユニット分子量は、SDS−PAGEで、MBP-β
-ガラクトシダーゼ、MBP-パラミオシン、グルタミン酸
脱水素酵素、アルドラーゼ、トリオースリン酸イソメラ
ーゼ、β-ラクトグロブリンA、リゾチームおよびアプ
ロチニンを分子量マーカーとして測定した結果、43,
000であった。以上の結果を表1に示す。あわせて、
従来から知られているアグロバクテリウム ツメファシ
エンス由来のリシン脱水素酵素(J. Biochem., 105, 10
02, 1989)とカンジダ アルビカンス由来のリシン脱水
素酵素の性質を示す。
【0018】
【表1】
【0019】阻害剤の影響を調べるために、種々の化合
物を終濃度1mMとなるように添加して活性測定を行っ
た。結果を表2に示した。本酵素は塩化水銀によって強
く活性が阻害された。
【0020】
【表2】
【0021】なお、リシン脱水素酵素の活性は、10m
MのL−リシン、1.25mMのNADを含む100m
Mグリシン−KOH緩衝液(pH10.0)を予め所定
の温度に加温しておき、これに酵素溶液を加え、混和し
た後、分光光度計で340nmにおける吸光度変化を測
定するこにより行った。測定は50℃で行った。1分間
に1マイクロモルのNADHを生成する酵素量を1単位
(U)とした。
【0022】次に、本発明の第二の製造方法について説
明する。本発明において使用する微生物は、バチルス属
に属し、かつリシン脱水素酵素の産生能を有する微生物
である。そのような微生物の中で好適なものとして、バ
チルス ステアロアサーモフィルス(Bacillus stearot
hermophilus)UTB1103(FERM P-18428)が挙げられる。
本菌株は、本発明者らが土壌から分離、採取したもので
あり、表3に示したこの菌株の菌学的性質からバージィ
のマニュアル・オブ・システマティック・バクテリオロ
ジー(Bargy's manual of Systematic Bacteriology)
に基づきバチルス ステアロアサーモフィルス(Bacill
us stearothermophilus)UTB1103(FERM P-18428)と命
名し、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託セ
ンターに寄託した。
【0023】
【表3】
【0024】本発明の製造方法は、上記の微生物を培地
にて培養し、培養終了後、遠心分離やろ過などの操作で
培養液から菌体を回収する。その後、菌体から粗酵素液
を抽出し、精製すればよい。これらは定法によって行な
うことができる。
【0025】本発明の第三の耐熱性リシン脱水素酵素を
コードする遺伝子は、配列番号1で示したアミノ酸配
列、又は該アミノ酸配列の1もしくは数個のアミノ酸が
欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を有する。
耐熱性リシン脱水素酵素を失わない限り、該アミノ酸配
列中のアミノ酸の欠失置換又は付加(以下、変異という
ことがある)は特に限定されない。
【0026】本発明の第四の耐熱性リシン脱水素酵素を
コードする遺伝子は、上記アミノ酸配列をコードする遺
伝子であって、具体的には、配列番号2の塩基配列から
なるDNAに代表される遺伝子である。
【0027】本発明の遺伝子によりコードされる耐熱性
リシン脱水素酵素遺伝子(配列番号1)と従来公知のA.
tumefaciens由来リシン脱水素酵素との相同性は29.
6%であった。また、その他の蛋白質との相同性はPyro
coccus horikoshiiの仮説蛋白質PH1688と32.4%、T
hremoplasma acidophilumの保存されている仮説蛋白質
と30.4%であった。したがって、33%以上の相同
性を示す、耐熱性リジン脱水素酵素は本発明に含まれ
る。
【0028】本発明の耐熱性リシン脱水素酵素遺伝子は
次のようにして調製することができる。該微生物菌体か
らの耐熱性リシン脱水素酵素遺伝子を含んだ染色体DN
Aの調製は、例えば、マーマーの方法(Marmur, J. Mo
l. Biol. 3, 208, 1961)や斉藤と三浦の方法(Saito &
Miura. Biochim. Biophys. Acta, 72, 619, 1963)等
で行うことができる。また、耐熱性リシン脱水素酵素遺
伝子を含む染色体DNA断片の調製は、ショットガンク
ローニング法、ハイブリダイゼーション法やPCR法を
用いて行うことができる。
【0029】一方、ベクターとしては、宿主菌内で複製
維持可能であり、耐熱性リシン脱水素酵素遺伝子を発現
させることができ、組み込まれた該遺伝子を安定に保持
できれば如何なるものも使用可能である。例えば、大腸
菌を宿主とする場合、例えばpET-3b(ノバジェン社
製)、pKK223-3(ファルマシア社製)、pUC18(宝酒造
社製)、pBluescriptKS(+)(ストラタジーン社製)、pB
R322(東洋紡社製)等のプラスミドDNAがあげられ
る。
【0030】かくしてクローニングされた染色体DNA
断片と制限酵素で切断したベクターとの組換えが、DN
Aリガーゼを用いて行われる。このようなリシン脱水素
酵素遺伝子を発現させることのできるプラスミドの一例
としてpNN53(FERM P-18423)があげられる。
【0031】得られた組換え体DNAによる宿主菌の形
質転換は、コンピテント・セル法、プロトプラスト法及
びエレクトロポレーション等により行うことができる。
宿主菌としては、特に制限されないが、バチルス属(枯
草菌)、ストレプトミセス属等のグラム陽性菌、イー.
コリ等のグラム陰性菌、サッカロミセス属、アスペルギ
ルス属等の真菌類が挙げられる。
【0032】このような遺伝子の単離及びこの遺伝子を
含有する組換えベクターの作成、組換えベクターによる
形質転換体の作成、並びに形質転換体の培養等は公知の
方法、例えばモレキュラー・クローニング(コールドス
プリングハーバー出版社、1989年)、カレント・プ
ロトコールス・イン・モレキュラー・バイオロジー(ウ
ィリー・インターサイエンス出版社、1989年)等に
記載されている方法を組み合わせて行なうことができ
る。
【0033】本発明の第七の耐熱性リシン脱水素酵素の
製造方法は、このようにして製造した形質転換体を、リ
シン脱水素酵素の生産に適し、かつそれぞれの宿主微生
物の生育に適した適当な炭素源、窒素源やミネラル等を
含んだ培地で、培養、集菌させる。形質転換体の培養温
度は20〜45℃が好ましく、更に好ましくは30〜4
2℃である。次に、得られた形質転換体の菌体を超音波
等で破砕或いはリゾチーム等で溶菌し、遠心分離するこ
とによって耐熱性リシン脱水素酵素を製造することがで
きる。さらに、遠心上清から市販のイオン交換樹脂、疎
水クロマト樹脂、アフィニティー樹脂等を用いて耐熱性
リシン脱水素酵素を精製することができる。また、目的
酵素が非常に熱に対して安定であることから、破砕又は
溶菌液、遠心上清等を50〜65℃、5〜60分程度加
温することにより、宿主微生物の熱に不安定な蛋白質を
変性・不溶化させて容易に分離することもできる。
【0034】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例によって具
体的に説明する。 実施例1〔バチルス ステアロアサーモフィルスUTB
1103株からのリシン脱水素酵素の調製〕 ポリペプトン1.0%(質量%を表す。以下同様)、酵
母エキス0.5%、リン酸水素二カリウム1.0%、リ
ン酸二水素カリウム0.5%、硫酸マグネシウム0.0
2%、pH7.0よりなる培地15リットルを30リッ
トル容ジャーファーメンターに仕込み、121℃で15
分間滅菌した後、バチルス ステアロアサーモフィルス
UTB1103株を接種した。60℃で10時間、好気
的条件下で培養し、遠心分離により約25gの湿菌体を
得た。得られた菌体は凍結で保存した。
【0035】次ぎに凍結菌体を約10倍量の10%グリ
セロール、1mM EDTA、0.1mM DTTを含む
10mMリン酸カリウム緩衝液 pH7.0(標準緩衝
液)に懸濁した。この懸濁液を氷冷しつつ、超音波処理
(30秒×10回)によって破砕し、遠心分離により未
破壊細胞と細胞残渣を沈殿として除去して粗酵素液を得
た。
【0036】次ぎに予め標準緩衝液で平衡化したイオン
交換用樹脂Super Q-TOYOPEARL 650M(東ソー)に通じ、
0〜0.6MのNaClグラジエントにより溶出させ
た。NaCl濃度0.15M付近で溶出したリシン脱水
素酵素活性画分を回収した。
【0037】次ぎに、得られた活性画分は標準緩衝液に
透析し、予め標準緩衝液で平衡化したアフィニティクロ
マト用樹脂Red sepharose CL-4B(アマシャムファルマ
シアバイオテク)に通じ、0〜1.5MのNaClグラ
ジエントにより溶出を試みた。NaCl濃度0.5M付
近で溶出したリシン脱水素酵素活性画分を回収した。
【0038】次ぎに、得られた活性画分は標準緩衝液に
透析し、予め標準緩衝液で平衡化したヒドロキシアパタ
イト樹脂Gigapite(チッソ)に通じた。リシン脱水素酵
素はGigapiteには吸着せず、非吸着画分を回収した。回
収したリシン脱水素酵素画分は濃縮後、0.1M Na
Clを含む標準緩衝液に透析した。
【0039】この透析酵素は、予め0.1M NaCl
を含んだ標準緩衝液で平衡化したゲル濾過用樹脂セルロ
ファイン GC-700-m(チッソ)に通じ、同じバッファー
で溶出し、活性画分を回収した。以上の精製の概略を表
4示した。
【0040】
【表4】
【0041】実施例2〔リシン脱水素酵素遺伝子のクロ
ーニング〕 実施例1で得られた耐熱性リシン脱水素酵素をSDS−
PAGEに供した後、エレクトロブロッティングにより
PVDF膜に転写した。転写した膜をクマシーブルーで
染色し耐熱性リシン脱水素酵素のバンドを切り出した。
これをPROTEIN SEQUENCER PPSQ
−10(島津製作所)により分析した。その結果、N末
端アミノ酸配列は配列番号3の通り決定した。このアミ
ノ酸配列を基に配列番号4に記載したミックスプライマ
ーを作成した。このプローブはMEGALABEL(宝酒造)を
用いて32Pで標識し、ProbeQuant G-50 Micro Columns
(アマシャムファルマシアバイオテク)を用いて精製し
た。
【0042】一方、実施例1と同様に培養したバチルス
ステアロアサーモフィルスUTB1103の凍結菌体
約2gを3mLの溶菌緩衝液(50 mM Tris-HCl (pH 8.
0), 50 mM EDTA, 10 mg/mL lysozyme, 5 mg/mL pronas
e, 160 mg/mL ribonucrease A)に懸濁し、37℃で4
時間穏やかに振盪した。次ぎに2mLのSTEP溶液(50mM
Tris-HCl (pH 8.0), 400 mM EDTA, 0.5 % SDS, 6 mg/mL
protease K)を加えて50℃で1時間穏やかに振盪し
た。この溶液からフェノールクロロホルム抽出を数回行
い、イソプロピルアルコール沈殿により2.9mgのゲ
ノムDNAを得た。
【0043】このゲノムDNAを制限酵素Sph Iで
切断し、Sph Iで切断したpUC18にライゲーシ
ョンし、大腸菌JM109コンピテントセル(宝酒造)
に導入し形質転換した。LBプレート(アンピシリン含
有)に播種した形質転換体のコロニーをナイロンメンブ
ランにレプリカした。このナイロンメンブランを3×S
SPE・0.1%SDSで65℃で1時間処理した。次
ぎに膜を6×SSPE,5×Denhardt's solution,
0.5%SDS,0.05%ピロリン酸ナトリウム,1
00mg/mL鮭精子DNAの溶液に移し65℃で24
時間のプレハイブリダイゼーションを行った。次ぎに膜
を6×SSPE,5×Denhardt's solution,0.5%
SDS,0.05%ピロリン酸ナトリウム,500,000 CP
M/mLのプローブの溶液に移し65℃で48時間ハイブリ
ダイゼーションを行った。次ぎに洗浄バッファーを用い
た65℃15分の洗浄を数回行い、最後に洗浄バッファ
ー中で室温30分放置した。BAS−1500 sys
tem(富士フィルム)を用いて陽性株を検出した。検
出された陽性株はサザンハイブリダイゼーションにより
確認した。この結果、プラスミドpNN51が得られ
た。
【0044】プラスミドpNN51中にクローニングさ
れたゲノムDNAは、DNAシーケンサー377A(アプラ
イドバイオシステム)を用いて配列を決定した。その結
果、耐熱性リシン脱水素酵素の構造遺伝子は配列番号2
で示した配列であることが判明した。
【0045】実施例3〔発現用ベクターの調製〕 発現用ベクタープラスミドの調製概略は図4に示した。
pNN51を制限酵素Pst IとNot Iで処理し、
得られた小断片をアガロース電気泳動で除去した。得ら
れた断片をライゲーションし、大腸菌JM109を形質
転換した。得られた形質転換体を制限酵素ClaIで切
断されないプラスミドを選択しpNN53(FERM P−18
423)と命名した。
【0046】実施例4〔組換え体による耐熱性リシン脱
水素酵素の生産〕 pNN53で形質転換された大腸菌JM109(pNN53/
E. coli JM109)をアンピシリン50μg/mLを含む
LB培地3mLに接種し、37℃1夜振盪培養した。こ
の培養液をアンピシリン50μg/mLを含むLB培地
100mLに接種し、37℃で振盪培養した。培養液の
660nmの吸光度が0.8となった時にIPTGを
0.2mMとなるように添加し更に4時間培養を継続し
た後に集菌した。
【0047】得られた菌体全てを標準緩衝液に懸濁し、
超音波により破砕した。破砕液は、遠心分離により菌体
残渣を除き粗酵素液を得た。粗酵素液のリシン脱水素酵
素活性と蛋白質濃度を測定した。耐熱性リシン脱水素酵
素の比活性は2.28unit/mgであった。表4に
示した実施例1における粗酵素液の比活性は0.002
05unit/mgであることから、リシン脱水素酵素
の生産性は1112倍となっていることが判った。
【0048】比較例1〔pNN53で形質転換されてい
ない大腸菌〕 pNN53で形質転換されていない大腸菌JM109を
LB培地3mLに接種し、37℃1夜振盪培養した。こ
の培養液をLB培地100mLに接種し、実施例4と同
じ時間培養し、集菌した。得られた菌体全てを標準緩衝
液に懸濁し、超音波により破砕した。破砕液は、遠心分
離により菌体残渣を除き粗酵素液を得た。粗酵素液のリ
シン脱水素酵素活性と蛋白質濃度を測定した結果、リシ
ン脱水素酵素は全く検出できなかった。
【0049】実施例5〔組換え体からの耐熱性リシン脱
水素酵素の精製〕 pNN53で形質転換された大腸菌JM109(pNN53/
E. coli JM109)をアンピシリン50μg/mLを含む
LB培地10mL×3本に接種し、37℃1夜振盪培養
した。この培養液をアンピシリン50μg/mLを含む
LB培地1Lに接種し、37℃で12時間振盪培養した
後に、100mg/mLのIPTGを1mL添加し、更
に6時間培養して集菌した。
【0050】得られた湿菌体3.2gを標準緩衝液13
mLに懸濁し、氷冷下で1時間長音波処理することで細
胞を破砕した。破砕液は遠心分離により残渣を除去し、
上清を粗酵素液として回収した。
【0051】予め標準緩衝液で平衡化したRed-sepharos
e(アマシャムファルマシアバイオテク)に粗酵素液を
通じ、同緩衝液で洗浄後、0〜1.5MのNaClグラ
ジエントによって溶出した。リシン脱水素酵素活性画分
を回収し、標準緩衝液で透析した。この透析酵素溶液
は、予め5mMリシンを含む標準緩衝液で平衡化したRe
d-sepharose(アマシャムファルマシアバイオテク)に
通じ、同緩衝液で洗浄後、0〜1mMのNADのグラジ
エントにより溶出した。活性画分を回収後、標準緩衝液
で透析した。
【0052】精製工程を表5に示した。耐熱性リシン脱
水素酵素は収率52.9%で197unit得られた。
この得られた酵素は、実施例1で示した酵素と、同じ分
子量、熱安定性、リシンに対するKmを示した。
【0053】
【表5】
【0054】
【発明の効果】本発明によりリジン測定等に使用可能な
耐熱性リジン脱水素酵素を得ることができた。また、本
発明のリジン脱水素酵素遺伝子により耐熱性リジン脱水
素酵素を大量に生産することが初めて可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における耐熱性リシン脱水素酵素の反応
最適pHを示す。
【図2】本発明における耐熱性リシン脱水素酵素の反応
最適温度を示す。
【図3】本発明における耐熱性リシン脱水素酵素の熱安
定性を示す。
【図4】本発明における耐熱性リシン脱水素酵素発現プ
ラスミドpNN53の作成方法を示す。
【配列表】 <110> UNITIKA LTD. <120> THERMOSTABLE LYSINE DEHYDROGENASE,GENE,VECTOR AND TRANSFORMANT THE REOF,AND METHOD FOR PRODUSING THERMOSTABLE LYSINE DEHYDROGENASE THEREWIT H <130> 01P00238 <160> 4 <210> 1 <211> 385 <212> PRT <213> Bacillus stearothermophilus UTB1103 <400>1 Met Lys Val Leu Val Leu Gly Ala Gly Leu Met Gly Lys Glu Ala Ala 1 5 10 15 Arg Asp Leu Val Gln Ser Gln Asp Val Glu Ala Val Thr Leu Ala Asp 20 25 30 Val Asp Leu Ala Lys Ala Glu Gln Thr Val Arg Gln Leu His Ser Lys 35 40 45 Lys Leu Ala Ala Val Arg Val Asp Ala Gly Asp Pro Gln Gln Leu Ala 50 55 60 Ala Ala Met Lys Gly His Asp Val Val Val Asn Ala Leu Phe Tyr Gln 65 70 75 80 Phe Asn Glu Thr Val Ala Lys Thr Ala Ile Glu Thr Gly Val His Ser 85 90 95 Val Asp Leu Gly Gly His Ile Gly His Ile Thr Asp Arg Val Leu Glu 100 105 110 Leu His Glu Arg Ala Gln Ala Ala Gly Val Thr Ile Ile Pro Asp Leu 115 120 125 Gly Val Ala Pro Gly Met Ile Asn Ile Leu Ser Gly Tyr Gly Ala Ser 130 135 140 Gln Leu Asp Glu Val Glu Ser Ile Leu Leu Tyr Val Gly Gly Ile Pro 145 150 155 160 Val Arg Pro Glu Pro Pro Leu Glu Tyr Asn His Val Phe Ser Leu Glu 165 170 175 Gly Leu Leu Asp His Tyr Thr Asp Pro Ala Leu Ile Ile Arg Asn Gly 180 185 190 Gln Lys Gln Glu Val Pro Ser Leu Ser Glu Val Glu Pro Ile Tyr Phe 195 200 205 Asp Arg Phe Gly Pro Leu Glu Ala Phe His Thr Ser Gly Gly Thr Ser 210 215 220 Thr Leu Ser Arg Ser Phe Pro Asn Leu Lys Arg Leu Glu Tyr Lys Thr 225 230 235 240 Ile Arg Tyr Arg Gly His Ala Glu Lys Cys Lys Leu Leu Val Asp Leu 245 250 255 Thr Leu Thr Arg His Asp Val Glu Val Glu Ile Asn Gly Cys Arg Val 260 265 270 Lys Pro Arg Asp Val Leu Leu Ser Val Leu Lys Pro Leu Leu Asp Leu 275 280 285 Lys Gly Lys Asp Asp Val Val Leu Leu Arg Val Ile Val Gly Gly Arg 290 295 300 Lys Asp Gly Lys Glu Thr Val Leu Glu Tyr Glu Thr Val Thr Phe Asn 305 310 315 320 Asp Arg Glu Asn Lys Val Thr Ala Met Ala Arg Thr Thr Ala Tyr Thr 325 330 335 Ile Ser Ala Val Ala Gln Leu Ile Gly Arg Gly Val Ile Thr Lys Arg 340 345 350 Gly Val Tyr Pro Pro Glu Gln Ile Val Pro Gly Asp Val Tyr Met Asp 355 360 365 Glu Met Lys Lys Arg Gly Val Leu Ile Ser Glu Lys Arg Thr Val His 370 375 380 Ser 385 <210> 2 <211> 1158 <212> DNA <213> Bacillus stearothermophilus UTB1103 <400>2 atg aaa gtg ctc gtg ctt gga gcg ggg ctg atg ggc aaa gaa gca gca 48 Met Lys Val Leu Val Leu Gly Ala Gly Leu Met Gly Lys Glu Ala Ala 1 5 10 15 cgc gat tta gtg caa agc caa gat gtt gag gcg gtg acg ttg gcg gat 96 Arg Asp Leu Val Gln Ser Gln Asp Val Glu Ala Val Thr Leu Ala Asp 20 25 30 gtc gat ttg gcc aag gcg gag cag acg gtg cgg cag ctt cat tcc aaa 144 Val Asp Leu Ala Lys Ala Glu Gln Thr Val Arg Gln Leu His Ser Lys 35 40 45 aag ctt gcc gct gtg cgg gtg gat gct ggc gac ccg caa caa ctg gcg 192 Lys Leu Ala Ala Val Arg Val Asp Ala Gly Asp Pro Gln Gln Leu Ala 50 55 60 gcg gcc atg aaa ggg cat gat gtc gtc gtc aat gcc ttg ttt tac caa 240 Ala Ala Met Lys Gly His Asp Val Val Val Asn Ala Leu Phe Tyr Gln 65 70 75 80 ttt aat gaa aca gtg gca aaa aca gcg atc gaa aca ggc gtc cat tcg 288 Phe Asn Glu Thr Val Ala Lys Thr Ala Ile Glu Thr Gly Val His Ser 85 90 95 gtc gat tta ggc ggc cat atc ggc cat atc acc gac cgg gtg ctt gag 336 Val Asp Leu Gly Gly His Ile Gly His Ile Thr Asp Arg Val Leu Glu 100 105 110 ctg cat gaa cga gcc caa gcc gct ggg gtg acc atc atc ccc gac ctt 384 Leu His Glu Arg Ala Gln Ala Ala Gly Val Thr Ile Ile Pro Asp Leu 115 120 125 ggc gtc gca ccc gga atg atc aac att tta tcc ggc tat ggg gcg agt 432 Gly Val Ala Pro Gly Met Ile Asn Ile Leu Ser Gly Tyr Gly Ala Ser 130 135 140 caa ctc gat gag gtg gaa tcc atc ttg ctg tat gtc ggc ggc att cct 480 Gln Leu Asp Glu Val Glu Ser Ile Leu Leu Tyr Val Gly Gly Ile Pro 145 150 155 160 gtc cgc ccc gaa ccg ccg ctg gag tac aac cat gtg ttt tcg ctc gag 528 Val Arg Pro Glu Pro Pro Leu Glu Tyr Asn His Val Phe Ser Leu Glu 165 170 175 ggg ctg ctt gac cat tac acc gat ccg gcc ttg atc atc cgc aac ggc 576 Gly Leu Leu Asp His Tyr Thr Asp Pro Ala Leu Ile Ile Arg Asn Gly 180 185 190 caa aag cag gaa gtg ccg tcc ctt tcg gaa gtc gag ccg att tat ttc 624 Gln Lys Gln Glu Val Pro Ser Leu Ser Glu Val Glu Pro Ile Tyr Phe 195 200 205 gac cgg ttc ggg ccg ctt gaa gcg ttt cac acc tca ggc ggg acg tcg 672 Asp Arg Phe Gly Pro Leu Glu Ala Phe His Thr Ser Gly Gly Thr Ser 210 215 220 acg ctc tcg cgc tcg ttt ccg aac ttg aag cgg ctc gag tac aaa acg 720 Thr Leu Ser Arg Ser Phe Pro Asn Leu Lys Arg Leu Glu Tyr Lys Thr 225 230 235 240 atc cgc tac cgc ggc cat gcg gaa aaa tgc aag ctg ctt gtc gat ttg 768 Ile Arg Tyr Arg Gly His Ala Glu Lys Cys Lys Leu Leu Val Asp Leu 245 250 255 act ttg acg cgc cac gat gtg gaa gtg gag atc aat gga tgc aga gtc 816 Thr Leu Thr Arg His Asp Val Glu Val Glu Ile Asn Gly Cys Arg Val 260 265 270 aag ccg cgc gat gtg ctg ctt tcc gtc ctg aag ccg ctg ctt gat ttg 864 Lys Pro Arg Asp Val Leu Leu Ser Val Leu Lys Pro Leu Leu Asp Leu 275 280 285 aaa gga aaa gat gat gtg gtg ttg ctt cgg gtc atc gtc ggc ggt cgg 912 Lys Gly Lys Asp Asp Val Val Leu Leu Arg Val Ile Val Gly Gly Arg 290 295 300 aaa gat gga aag gaa acg gtg ctt gaa tac gaa acc gtc acg ttc aat 960 Lys Asp Gly Lys Glu Thr Val Leu Glu Tyr Glu Thr Val Thr Phe Asn 305 310 315 320 gac cgc gaa aat aaa gtg acg gcg atg gcg cgt acg acg gcc tac acc 1008 Asp Arg Glu Asn Lys Val Thr Ala Met Ala Arg Thr Thr Ala Tyr Thr 325 330 335 att tcc gct gtc gct cag ctc atc ggc cgc ggg gtg atc aca aag cgc 1056 Ile Ser Ala Val Ala Gln Leu Ile Gly Arg Gly Val Ile Thr Lys Arg 340 345 350 ggc gtc tat ccg ccg gag caa atc gtt ccg ggg gat gta tat atg gac 1104 Gly Val Tyr Pro Pro Glu Gln Ile Val Pro Gly Asp Val Tyr Met Asp 355 360 365 gag atg aaa aaa cgc ggc gtt ctc atc agc gag aag cgg acg gtt cat 1152 Glu Met Lys Lys Arg Gly Val Leu Ile Ser Glu Lys Arg Thr Val His 370 375 380 agc tga 1158 Ser *** 385 <210> 3 <211> 25 <212> PRT <213> Bacillus stearothermophilus UTB1103 <400> 3 Met Lys Val Leu Val Leu Gly Ala Gly Leu Met Gly Lys Glu Ala Ala 5 10 15 Arg Asp Leu Val Gln Ser Gln Asp Val 20 25 <210> 4 <211> 44 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 4 atgaa rgtiy tigti ytigg igcig giyti atggg iaarg argc 44
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 9/04 C12N 15/00 ZNAA //(C12N 9/04 5/00 A C12R 1:07) Fターム(参考) 4B024 BA08 CA04 DA06 EA04 GA11 4B050 CC03 DD02 FF01 FF09 4B065 AA18Y AA26X AC14 BA02 CA28

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の理化学的性質を有する耐熱性リシ
    ン脱水素酵素。 (a)作用;L−リシン、NADと水からNADHを生
    成する反応を触媒する。 (b)基質特異性;L−リシン、S−(β−アミノエチ
    ル)L−システインに反応し、その他19種のL−アミ
    ノ酸、D−リシン、L−オルニチンには反応しない。補
    酵素に対してはNADを用いた場合を100とするとN
    ADPを用いた場合は約45の反応性を示す。 (c)至適pH;酸化的脱アミノ反応ではpH10.1
    付近が至適である。 (d)至適温度;酸化的脱アミノ反応では70℃付近が
    至適である。 (e)温度安定性;60℃、10分間処理しても活性の
    低下認められない。また、5mM L−リシンが存在す
    ると65℃、10分間処理しても活性低下は認められな
    い。 (f)分子量;ポリアクリルアミド電気泳動から求めた
    分子量は250,000〜260,000であり、SDSポリアクリル
    アミド電気泳動から求めたサブユニットの分子量は約4
    3,000である。
  2. 【請求項2】 バチルス属に属し、請求項1記載の耐熱
    性リシン脱水素酵素の産生能を有する微生物を培地中に
    培養し、培養物中に耐熱性リシン脱水素酵素を蓄積せし
    め、これを採取することを特徴とする請求項1記載の耐
    熱性リシン脱水素酵素の製造方法。
  3. 【請求項3】 配列番号1で示されるアミノ酸配列又は
    配列番号1で示されるアミノ酸配列において1もしくは
    数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ
    酸配列からなる耐熱性リシン脱水素酵素をコードする遺
    伝子。
  4. 【請求項4】 配列番号2で示される塩基配列又は配列
    番号2で示される塩基配列において1もしくは数個の塩
    基が欠失、置換もしくは付加された塩基配列からなるD
    NAを有し、かつ耐熱性リシン脱水素酵素をコードする
    遺伝子。
  5. 【請求項5】 請求項3または4の遺伝子を含有する組
    換えベクター。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の組換えベクターを含む形
    質転換体。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の形質転換体を培地中で培
    養し、培養物から耐熱性リシン脱水素酵素を採取するこ
    とを特徴とする耐熱性リシン脱水素酵素の製造方法。
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