JP2003060317A - 半導体レーザモジュールと、光帰還機能を有する半導体レーザ素子 - Google Patents
半導体レーザモジュールと、光帰還機能を有する半導体レーザ素子Info
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Abstract
る半導体レーザモジュールを提供する。 【解決手段】 GaとAsを含む半導体材料から成る井
戸層とそれを囲む障壁層を形成した活性層を有する層構
造AがGaAs基板の上に形成されている半導体レーザ
素子B1と、光帰還機能を有する要素5aとを光結合し
た半導体レーザモジュールAにおいて、その半導体レー
ザモジュールは、縦モードがマルチモードで発振し、か
つ、活性層における井戸層の厚みが10nm以上になって
いる。
Description
ールと、光帰還機能を有する半導体レーザ素子に関し、
更に詳しくは、出力するレーザ光が940〜990nmの
波長域にあり、かつそのレーザ光の光出力が時間的に安
定している半導体レーザモジュールと光帰還機能を有す
る半導体レーザ素子に関する。
ltiplexing:WDM)通信方式が複数の信号光を伝送す
る光通信システムとして発展している。このシステムで
は、光線路の所定箇所に例えばErドープ光ファイバ増
幅器(EDFA)を配置し、ここに半導体レーザ素子を
励起用光源とするポンピングレーザモジュールを接続
し、このレーザモジュールから励起用レーザ光を前記E
DFAに入射して、信号光源から伝送されてきた信号光
を光増幅することにより、光増幅した信号光が再び下流
側へ伝送される。
ている半導体レーザ素子に対しては、信号光源の光出力
の変動に追随して注入電流値を変化させることにより、
励起用レーザ光の光出力を制御するような処置が採られ
ている。発振波長が1480nm波長域にある半導体レー
ザ素子の場合はEDFAにおける利得帯域が広いので上
記したような処置は有効である。しかしながら、発振波
長が980nm波長域にある半導体レーザ素子の場合に
は、EDFAにおける利得帯域が狭いので、上記したよ
うな処置を採用することはできない。
波長域にある半導体レーザ素子を用いてレーザモジュー
ルを構成する場合には、そこからの励起用レーザ光の波
長を、狭い利得帯域に対応する波長に特定することが必
要になる。そのために、光源である半導体レーザ素子の
出射端面(前端面)に、所定の反射帯域幅を有する例え
ばファイバブラッググレーティングのような、波長選択
機能を備え、同時に光帰還機能を有する要素を光結合し
て光帰還構造を形成することにより、レーザモジュール
から出射する励起用レーザ光の波長を例えばファイバブ
ラッググレーティングの反射帯域幅内で特定し、かつ安
定化させることが検討されている。
にある代表的な半導体レーザ素子であるGaAs系レー
ザ素子の場合、ファイバブラッググレーティングと光結
合させてレーザモジュールを組み立てると、得られる励
起用レーザ光の波長はファイバブラッググレーティング
の反射帯域幅内にあるとはいえ、例えばレーザ素子への
注入電流の変動や、レーザモジュールに加えられるわず
かな機械的な振動や、またはレーザモジュールに対する
光ファイバの配置が変化すると、そのレーザモジュール
から得られる励起用レーザ光にはノイズが含まれてくる
という問題がある。
振縦モードがシングルモードになりやすく、その光出力
は数%のオーダで変動しやすいからであると考えられ
る。レーザモジュールから出射する励起用レーザ光にお
ける光出力の変動は、通常、0.5%以下におさめるこ
とが規格化されていることを考えると、上記した問題は
不都合である。
おいて、ファイバブラッググレーティングの反射帯域幅
内で安定した励起用レーザ光を得ようとする場合には、
光源であるGaAs系レーザ素子の発振レーザ光は、マ
ルチモード化していることが必要であると考えられる。
980nm波長域にあるGaAs系レーザ素子とファイバ
ブラッググレーティングを光結合してレーザモジュール
を組み立てたときにおける上記した問題を解決し、励起
用レーザ光の波長はファイバブラッググレーティングの
反射帯域幅内に存在すると同時に時間的に安定してい
て、ノイズの発生が抑制されている半導体レーザモジュ
ールの提供を目的とする。具体的には、ファイバブラッ
ググレーティングのような光帰還機能を有する要素の反
射帯域幅内でマルチモード化した励起用レーザ光を発振
し、励起用レーザ光の光出力が特定波長で時間的に安定
しているレーザモジュールが提供される。また、それ自
体で光帰還機能を有しているので励起用光源として使用
可能な半導体レーザ素子が提供される。
ために、本発明においては、少なくともGaとAsを含
む半導体材料から成る井戸層とそれを囲む障壁層を形成
した活性層を有する層構造がGaAs基板の上に形成さ
れ、前記基板に平行に光が共振する半導体レーザ素子
と、光帰還機能を有する要素とを光結合した励起用光源
に用いられる半導体レーザモジュールにおいて、前記半
導体レーザモジュールは、縦モードがマルチモードで発
振し、かつ、前記活性層における井戸層の厚みが10nm
以上であることを特徴とする半導体レーザモジュールが
提供される。
ザ素子の少なくとも前記活性層には、不純物、とりわけ
Siを好適とするn型不純物がドーピングされている
か、または/および、前記層構造のn型クラッド層には
Siを好適とするn型不純物がドーピングされており、
更には、前記量子井戸構造において、井戸層の厚みの方
が障壁層の厚みよりも厚いことを好適とする半導体レー
ザモジュールが提供される。
Asを含む半導体材料から成る量子井戸構造の活性層を
有する層構造がGaAs基板の上に形成されていて、前
記半導体レーザ素子の前記活性層における井戸層の厚み
が厚く、かつ、前記活性層近傍にグレーティングを形成
することにより光帰還機能を有する要素を形成した半導
体レーザモジュールが提供される。
基板に平行に光が共振する共振器の長さをL(μm)と
したとき、前記半導体レーザモジュールの光出力は、L
×0.1mW/μm以上となる半導体レーザモジュールが
提供される。
は、後述する半導体レーザ素子と光帰還機能を有する要
素とを光結合して構成されるが、そのときに用いる要素
は、波長選択機能を有し、かつ特定波長に対して特定の
反射率を示すものであれば何であってもよく、例えば、
ファイバブラッググレーティング(FBG)、誘電体多
層膜フィルタ、分布ブラック反射鏡(DBR)などをあ
げることができる。
に示す。このレーザモジュールAでは、パッケージ1の
底板1aの上に後述するレーザ素子B1を冷却するため
のペルチェモジュール2が配置され、更にペルチェモジ
ュール2の上には例えばコバールから成るベース材3が
配置されている。ベース材3の上には、チップキャリア
4を介してレーザ素子B1が配置され、このレーザ素子
B1と光軸を一致させた状態で、ファイバブラッググレ
ーティング5aを有する光ファイバ5が光結合されてい
る。
ス材3の上に固定され、また、その出射端側はパッケー
ジ1の筒状孔部1b内に気密に取り付けられたスリーブ
7を介してパッケージ1から引き出されている。また、
レーザ素子B1の背面側にはフォトダイオード8が配置
され、レーザモジュールの光出力の大小をモニタできる
ようになっている。
効率を高めるためには、光ファイバとしてその先端がレ
ンズ形状になっているものを用いることが好ましいが、
先端がレンズ形状でなくても、途中にレンズを介在させ
ることにより両者間の光結合効率を高めることができ
る。また、光ファイバとして楔形光ファイバを用いる
と、組み立てたレーザモジュールは、光結合効率が高
く、また組み立てに要する部品点数も低減し、総合的な
製造コストが低減する。
発明のレーザ素子の1例B1を図2に示す。このレーザ
素子B1は上部がリッジ導波路形状になっていて、全体
は所定の共振器長(L)を有している。そして、n−G
aAsから成る基板10の上に、後述する層構造Cが形
成され、基板10の裏面には例えばAuGeNi/Au
から成る下部電極12が形成され、前記層構造Cの上面
には例えば窒化ケイ素(SiNx)から成る保護膜13
を介して例えばTi/Pt/Auから成る上部電極14
が形成されている。
半導体材料のエピタキシャル結晶成長層で構成されてい
て、共振器内における導波方向はn−GaAs基板10
の表面と平行している。この層構造Cは、具体的には、
例えばn−AlGaAsから成る下部クラッド層15、
例えばi−AlGaAsから成る下部GRIN−SCH
層16a、後述する活性層17、例えばi−AlGaA
sから成る上部GRIN−SCH層16b、例えばp−
AlGaAsから成る上部クラッド層18、および例え
ばp−GaAsから成るキャップ層19がこの順序で積
層された構造になっている。
される保護膜13は、リッジ導波路の上面の一部を被覆
していない。そして保護膜13の非被覆箇所から表出す
るキャップ層19には、直接上部電極14が接触してい
て、ここから層構造Cの活性層17に注入電流が供給で
きるようになっている。そして、出射端面(前端面)は
例えば反射率が5%である誘電体膜(図示しない)で被
覆され、他の端面(後端面)は例えば反射率が92%の
誘電体膜(図示しない)で被覆されていて、共振器で発
振したレーザ光の光出力を効率よく取り出せるようにな
っている。
井戸層とそれを囲む障壁層で形成されている。とくに、
レーザモジュールAからの励起用レーザ光の時間的安定
性の点からすると、1個の井戸層とその両側にそれぞれ
障壁層を有している量子井戸構造が好適である。井戸層
は通常例えば、発振波長が980nm波長域の場合はIn
GaAs,GaAsSb,InGaAsSb,InGa
AsP,InGaAsSbP,GaAsSbPなどで形
成されるが、発振波長が870nm波長域の場合はi−G
aAsで形成されていてもよい。また、障壁層は発振波
長が980nm波長域の場合は通常i−InGaAsで形
成されるが、発振波長の関係で上記した他の半導体材料
で形成されていてもよい。
Cにおいて、下記の条件を満たしていることを特徴とす
る。 (1)第1の条件:まず、井戸層が従来に比べて厚くな
っていることである。具体的には、10nm以上になって
いる。これが基本的で必須な条件である。その場合、井
戸層の厚みの上限は、当該井戸層の形成に用いる半導体
材料の臨界膜厚で制限されることはいうまでもないが、
その上限値は概ね20nm程度である。
ザ素子は、上部電極14からの注入電流がしきい値電流
(Ith)以上である場合には940〜980nmの波長域
のレーザ光を前端面から発振する。そして、このレーザ
素子が組み込まれているレーザモジュールからの励起用
レーザ光は、後述する光帰還機能との相互作用により、
所定のファブリ・ペロー間隔を置く複数本の縦モードで
構成されるマルチモードになり、その時間的な変動は抑
制されてそのスペクトルは時間的に安定化する。
からの研究動向は、レーザ素子における利得スペクトル
を制御するために、井戸層の厚みを実質的に10nmより
薄くすることが追求されていた。しかしながら、そのよ
うなレーザ素子に例えばファイバブラッググレーティン
グ(FBG)を光結合してレーザモジュールを組み立て
ても、ファイバブラッググレーティングからの帰還光は
シングルモード化して、そのレーザモジュールから出力
する励起用レーザ光のスペクトルは時間的に変動して不
安定化する傾向を示していた。
鋭意研究を重ねたところ、従来とは全く逆に、レーザ素
子における井戸層の厚みを10nm以上に厚くすると、そ
れが組み込まれているFBG付きレーザモジュールから
の励起用レーザ光は、マルチモード化し、その時間的安
定性は向上するとの知見を得るに至り、更に研究を重ね
た結果、層構造Cにおける上記した第1の条件を確定し
たのである。
充足を前提としたうえで、量子井戸構造の少なくとも1
層には、不純物がドーピングされていることである。そ
の場合、不純物は井戸層または障壁層のいずれかにドー
ピングされていてもよく、また井戸層と障壁層の両方に
ドーピングされていてもよい。更には、複数の井戸層ま
たは複数の障壁層にドーピングされていてもよい。ドー
ピングは、均質に行われていてもよく、変化させて行わ
れてもよい(例えば、傾斜ドーピング、またはあるドー
プ層とアンドープ層の組み合わせ)。いずれの場合であ
っても、井戸層にはキャリアが貯め込まれたことにな
る。
物がドーピングされていると、そのレーザ素子が組み込
まれているレーザモジュールからの励起用レーザ光は時
間的な変動が少なくその安定化が更に向上する。その場
合の不純物としては、n型不純物、p型不純物のいずれ
をも用いることができる。n型不純物としては、例え
ば、Si,S,Seの1種または2種以上を用いること
ができ、またp型不純物としては、例えば、Be,M
g,Znの1種または2種以上を用いることができる。
でもとりわけSiを少なくとも1層にドーピングする
と、そのレーザ素子からの発振レーザ光は確実にマルチ
モード化して、そのレーザ素子が組み込まれているレー
ザモジュールからの励起用レーザ光の時間的な変動は確
実に抑制されて安定化するので好適である。その場合、
Siの井戸層へのドーピング濃度を1×1016/cm3〜
5×1016/cm3に設定すると、上記した効果が顕著に
発現して有効である。Siのドーピング濃度が1×10
16/cm3より低い場合は、上記した効果の発現が不充分
であり、逆にドーピング濃度が5×1016/cm3より高
濃度になると、井戸層や障壁層の純度低下をきたし、量
子井戸層としての機能を喪失するようになる。
充足を前提とした上で、活性層の上または下に位置して
いて、活性層で生成したレーザ光を閉じ込める1層以上
の層のいずれかに不純物がドーピングされていることで
ある。これらの層は、光閉じ込め層(例えば、GRIN
−SCH層)および/またはクラッド層であってもよ
い。
的には、n−AlGaAsから成る下部クラッド層1
5、i−AlGaAsから成る下部GRIN−SCH層
16a、i−AlGaAsから成る上部GRIN−SC
H層16b、p−AlGaAsから成る上部クラッド層
18のいずれかまたは全部に不純物がドーピングされて
いる。
ラッド層に、n型不純物であるSiがドーピングされて
いると、発振レーザ光のマルチモード化を確実に実現す
ることができて好適である。その場合、Siのドーピン
グ濃度は1×1017/cm3〜4×1017/cm3程度である
ことが好ましい。より好ましくは2×1017/cm3〜4
×1017/cm3である。
の条件のうち、第1の条件は必須条件として充足してい
なければならない。組み立てたレーザモジュールからの
励起用レーザ光の時間的安定性を実現することができな
くなるからである。その上で、第2の条件、第3の条件
のいずれか、または両方が充足していると、第1の条件
のみの場合よりも励起用レーザ光の時間的安定性が向上
するので好適である。とくに、両方の条件を充足してい
る場合、すなわち、第1〜第3の条件を全て充足してい
る場合は、励起用レーザ光の時間的安定性が顕著に向上
するので更に好適である。
性を備えている。それを以下に説明する。その説明に先
立ち、レーザ素子のしきい値電流(Ith)、自然放出(A
mplifiedSpantaneous Emission :ASE)スペクト
ル、およびASEスペクトルのスペクトル幅(Δλ)に
ついて定義する。
出力(LOPT)をプロットしてLOPT−Iのグラフを描く
と、ある電流値(IA)より上では、光出力は電流値
(I)とともに線形に増大していく。このグラフを図3
に示す。直線は、上記した線形特性のセグメントに適合
している。そして、I軸(LOP T=0のとき)がこの直
線を遮断している電流値をしきい値電流(Ith)と定義
する。
th)より小さい値(I)の電流を注入するとレーザ素子
は自然放出光を出射する。自然放出光としてASE(Am
plified Spontaneous Emmision:ASE)に基づく出射
端面(前端面)からの自然放出光を選択し、縦軸に光出
力、横軸に波長をとり、各モードの光出力の包絡線から
上記した自然放出光のスペクトル曲線を描く。得られた
スペクトル曲線は、通常、図4で示したように、光出力
の最大出力(PO)を有する非対称曲線になり、そして
この曲線の中には複数本のファブリ・ペロー型の縦モー
ドが包含されている。
出力(PO)よりも3dB低い光出力(P1)を示すスペク
トル曲線上の点(S1,S2)をそれぞれ把握し、つい
で、各点S1,S2に相当する自然放出光の波長(λ1,
λ2,単位はnm)をそれぞれ把握する。点S1から点S2
までの自然放出光のスペクトル幅をここではΔλと定義
する。そして、それは、スペクトル曲線の最大出力(P
O)とそれよりも3dB低い両脇の出力(P1,P2)の範
囲を含んでいる。図から明らかなように、Δλは(λ2
−λ1)と等価である。
し、また、注入電流(I)が0.2≦I/Ith≦0.8の
関係を満足する場合には、レーザ素子B1には、そのI
値の全てにおいて、上記したΔλ値が15nm以上となる
ような自然放出光を出射するという特性を備えている。
ここで、上記Δλ値が15nmより小さい場合には、その
レーザ素子をIth値以上の注入電流で駆動してレーザ光
を発振させると、そのΔλ値内に包含されている縦モー
ド(F−Pモード)の本数は少なくなる。そして、その
レーザ素子に例えばファイバブラッググレーティングを
光結合してレーザモジュールを組み立ててそれを駆動す
ると、そこからの励起用レーザ光はシングルモードまた
はシングルモードとマルチモードが時間的に交替する状
態となり、その光出力は不安定化してノイズが発生す
る。
場合には、レーザ素子B1から発振するレーザ光のスペ
クトル曲線において、Δλ値内に包含されている縦モー
ドの本数が多く、発振レーザ光は常にマルチモード化し
ている。そのため、上記したレーザモジュールから得ら
れる励起用レーザ光は、モジュール運転時に例えば光フ
ァイバを動かしたり、またはモジュールの機械的な振動
などの多少の外乱を受けても、ファイバブラッググレー
ティングの反射帯域幅内で安定な状態を保持する。すな
わち、励起用レーザ光の不安定化は大幅に抑制される。
上記した特性を示す理由は、基本的には、井戸層の厚み
が10nm以上(第1の条件)に設定されているからであ
る。すなわち、井戸層の厚みは、前記したΔλ値の大小
に影響を与え、またそれを律速する因子と規定すること
ができると考えてよい。この厚みを10nmより薄くする
と、ASE時におけるΔλ値は15nmより小さくなって
発振レーザ光のマルチモード化は実現されにくくなり、
その結果、レーザモジュールからの励起用レーザ光は変
動してその時間的安定性が低下する。
おける自然放出光のスペクトル曲線の形状は、前記した
第1の条件〜第3の条件の関係で様々に変化するが、そ
の変化する形状は便宜的に次のように区別立てすること
ができる。それを以下に説明する。 まず、第1の条件〜第3の条件のいずれをも充足しな
い従来のレーザ素子の場合、ASE時における自然放出
光のスペクトル曲線は、傾向的に、図5で示したような
形状になりやすい。すなわち、光出力の最大強度付近に
おけるスペクトル曲線の形状が、図中の⇔印で示したよ
うに若干凹形状になりやすい。このような傾向を示すス
ペクトル曲線のタイプを、以後、タイプ1という。
3の条件のみを充足しているレーザ素子の場合のASE
時における自然放出光のスペクトル曲線は、傾向的に、
図6で示したような形状になりやすい。すなわち、光出
力の最大強度付近におけるスペクトル曲線の形状が、図
中の丸印で示したように若干の凸形状になりやすい。こ
のような傾向を示すスペクトル曲線のタイプを、以後、
タイプ2という。
条件と第3の条件のいずれか一方のみを充足している
か、または第2の条件と第3の条件のいずれをも充足し
ていないレーザ素子B1の場合、そのASE時における
自然放出光のスペクトル曲線は、傾向的に、図7で示し
たような形状になりやすい。すなわち、光出力の最大強
度付近におけるスペクトル曲線の形状は、図の⇔印で示
したように、最大強度の箇所を跨いで全体が丸みを帯び
た凸形状になりやすい。このような傾向を示すスペクト
ル曲線のタイプを、以後、タイプ3という。
ているレーザ素子B1の場合、そのASE時における自
然放出光のスペクトル曲線は、傾向的に図8で示したよ
うな形状になりやすい。すなわち、タイプ2とタイプ3
を合成したような形状になっていて、最大強度の箇所を
跨いで全体が丸みを帯びた凸形状になっていると同時
に、最大強度付近におけるスペクトル曲線の形状は凸形
状になりやすい。このような傾向を示すスペクトル曲線
のタイプを、以後、タイプ4という。
おける自然放出光のスペクトル曲線を描くと、そのスペ
クトル曲線はタイプ3またはタイプ4のいずれかの形状
を示すという特性を備えているのである。観点を変えれ
ば、ASE時における自然放出光のスペクトル曲線を描
き、それがタイプ3またはタイプ4の形状を示すレーザ
素子は、少なくとも前記した第1の条件を充足したレー
ザ素子B1になっている。したがって、それを用いて組
み立てたレーザモジュールからの励起用レーザ光は時間
的安定性が良好であることになる。すなわち、ASE時
における自然放出光のスペクトル曲線から、そのレーザ
素子が励起用レーザ光の時間的安定性にとって有効か否
かを判定することができる。
備えていることが好ましい。それを図9に則して説明す
る。まず、レーザ素子B1からレーザ光を発振させる。
ここで、レーザ素子B1の長手方向(レーザ光の出射方
向)をx軸方向、厚み方向、すなわち層構造Cにおける
積層方向をz軸方向、幅方向をy軸方向とする3次元座
標軸を仮定して、出射光のz軸方向成分に着目して説明
する。
との直交面に遠視野像(Far-Feild Pattern:FFP)
が生ずる。この遠視野像(FFP)のz軸成分は、最大
出力P 0を有する光出力分布曲線となっている。このと
き、半分の出力水準(1/2P0)のところに遠視野像
FFPの垂直(z軸)方向に沿って2個の点が認めら
れ、また、レーザ素子の前端面から出射した光の上記2
個の点のそれぞれに対する広がり角度θが認められる。
maximum angle)としても知られている。なぜならば、
この角度は、前端面と、半分の出力水準である垂直軸上
の2点間の全体の幅との間に形成されているからであ
る。レーザ素子B1は、上記した広がり角度θが25°
以下であることが好ましい。この広がり角度θが25°
以下になっていることにより、レーザ素子B1は光ファ
イバとの結合効率が充分に高くなり、ファイバ端光出力
を高めることができるだけではなく、活性層への光閉じ
込め係数が充分に小さくなっているため高効率になって
いる。
素子の場合で行ったが、レーザ素子B1はそのような構
造に限定されるものではなく、前記した第1の条件を満
足する層構造を有するものであれば、自己整合型(SA
S型)の構造のものであってもよい。上記したように、
レーザ素子B1は、当該素子B1が形成されている半導体
チップにとっては外在物である光帰還機能を有する要素
5aとともに、パッケージの中に組み込まれる。しかし
ながら、本発明は、光帰還機能を有する要素がレーザ共
振器としての半導体チップ上に集積されている場合のレ
ーザ素子に対しても等しく適用される。
る要素を備えた本発明のレーザ素子について説明する。
このレーザ素子の1例B2を部分切欠斜視図として図1
0に示す。このレーザ素子B2は、図2で示したレーザ
素子B1の層構造Cにおいて、上部GRIN−SCH層
16bと上部クラッド層18の間にスペーサ層20を介
装し、このスペーサ層20の中に所定周期のグレーティ
ング21を配置し、あわせて活性層17の両側にp型層
22aとn型層22bを積層して成る電流ブロッキング
層22を形成したものである。
に、光帰還機能と波長選択特性を有する要素としてのグ
レーティング21が配置されているので、それ自体とし
て光帰還機能を備えており、グレーティング21の反射
帯域幅で規定される特定波長のレーザ光を出力する。そ
の場合、活性層17は少なくとも前記した第1の条件を
充足しており、また、第2の条件、第3の条件も充足さ
せることにより、レーザ素子B2からのレーザ光は、図
1で示した本発明のレーザモジュールの場合と同様に、
マルチモード化していて、その光出力が時間的変動の少
ない状態になる。
体で図1で示したレーザモジュールAと同等の機能を発
揮することができる。もち論、このレーザ素子B2を光
源にして図1で示したレーザモジュールを組み立てるこ
ともできる。なお、本発明における半導体レーザモジュ
ールの最大光出力はL×0.1mW/μm以上であり、よ
り好ましくはL×0.25mW/μm以上である。ここ
で、Lは本発明において使用される半導体レーザ素子の
共振器の長さ(単位:μm)である。以上の関係によ
り、本発明における半導体レーザモジュールの最大光出
力は、共振器長が800μmのときは80mW、より好ま
しくは200mWとなる。また、共振器長が1200μm
のときの最大光出力は120mW、より好ましくは300
mWとなり、共振器長(L)が1800μmのときの最大
光出力は180mW、より好ましくは450mWとなる。
各層を成膜して図2の層構造Cを形成した。形成された
層構造の上面に、フォトリソグラフィー技術とエッチン
グ技術を適用して幅4μm、高さ1.2μmのリッジ導
波路を形成したのち、その上にSiNから成る保護膜1
3を形成した。
AuGeNi/Auから成る下部電極12を形成し、ま
たキャップ層19の上面の保護膜の一部を除去したのち
層構造の上面全体にTi/Pt/Auから成る上部電極
14を形成した。そして、基板を劈開して共振器長
(L)が800μmであるバーにしたのち、一方の端面
にSiNから成る反射率0.8%の低反射膜を成膜して
前端面を形成し、他方の端面にSiO2/Siから成る
反射率92%の高反射膜を成膜して後端面を形成した。
そして最後に、このバーを加工してチップとし、図2で
示したレーザ素子B1を製造した。
を図11に、またレーザ素子4の伝導帯バンド模式図を
図12にそれぞれ示す。図中の数字はいずれも図2で示
した各層を示している。
(ANDO社製のOptical Spectrum Analyzer)を用い
てASE自然放出光を出射させ、それぞれのスペクトル
曲線を求め、その形状を観察した。その結果を表3に示
した。また、各レーザ素子をレーザ発振させ、その発振
レーザ光の遠視野像を、フォトダイオードを用いて測定
し、スペクトル曲線の半値幅に対応する垂直方向の広が
り角度θを求めた。その結果も表3に示した。
ザ素子4については、注入電流(I)を変化させて自然
放出光を出射させてそれぞれのスペクトル曲線を描き、
その最大出力(P0)よりも3dB低い出力の場合の2個
の波長間で示されるスペクトル幅(Δλ値)を求めた。
そして、I/Ith値とスペクトル幅(Δλ値)をプロッ
トした。結果を図13に示した。
1,3,4は、いずれも、I/Ith値が1以上、すなわ
ち、注入電流がしきい値電流以上になればレーザ発振す
る。しかしながら、自然放出光が出射するI値の注入電
流の領域において、レーザ素子1の場合は、I値がIth
値に向かって増加するにつれて実質的に線形をなして減
少している自然放出光におけるスペクトル幅(Δλ値)
を有している。
(Δλ値)は、0.2と0.6の間のI/Ith値では概ね
実質的に同じ値のままであり、そして、I/Ith値が
0.6から約1.0に増加していくと、大きな傾きでゼロ
に向かって減少していく。レーザ素子3の場合も、レー
ザ素子4の場合と略同じ挙動を示しているが、スペクト
ル幅(Δλ値)は減少する2つの顕著なステージを有
し、そのステージ間には平坦領域がある。第1の減少ス
テージは比較的小さく、I/Ith値が0.2から約0.4
までに増加する間で起こっている。第2の減少ステージ
は大きく、そしてI/Ith値が0.8から約1.05に増
加する間で起こっている。平坦領域はI/Ith値が約
0.4と約0.8の間で起こっており、その場合のスペク
トル幅Δλは実質的に一定である。
ーザ素子4の場合、I/Ith値の広い範囲(0.4と0.
8の間)において、Δλ値は安定した値を示している。
このことは、この範囲内でI値が変動しても、自然放出
光のスペクトル曲線の形状はわずかに変化するのみであ
り、安定しているということを意味している。これは、
しきい値よりも大きい注入電流(I)で駆動させたとき
の発振レーザ光の安定性を予告する指標であると考えら
れる。
λ値を対比すると、I/Ith値が0.2と0.9の間(す
なわち平坦領域)に対してはレーザ素子4の場合の方が
大きい値を示しているが、このことは、レーザ素子4の
方が駆動安定性に優れていることを示唆しているものと
考えられる。
照すると、井戸層の厚みが7nmで2層構造の量子井戸構
造になっているレーザ素子1の場合、その自然放出光に
おけるスペクトル曲線の形状はタイプ1であり、そのΔ
λ値は図13で示したように変化しているが、井戸層の
厚みを12nmと厚くして第1の条件を充足させ、また量
子井戸構造を単層構造にしたレーザ素子3では、スペク
トル曲線の形状はタイプ3に変化し、またΔλ値も安定
している。
2の条件と第3の条件のいずれをも満たしているレーザ
素子4の場合は、スペクトル曲線の形状はタイプ4とな
り、かつΔλ値も高位水準で安定化している。
と、自然放出光のスペクトル曲線の形状はタイプ3に変
化し、同時にΔλ値はI/Ith値の広い範囲で安定化す
る。そして、上記した第1の条件の充足を前提として、
更に井戸層にSiドーピングを行い(第2の条件の充
足)、またn型クラッド層に3×1017/cm3の高濃度
でSiドーピングを行う(第3の条件の充足)と、自然
放出光のスペクトル曲線の形状は、タイプ2とタイプ3
を合体した形状、すなわちタイプ4へと変化し、同時
に、Δλ値はI/Ith値の広い範囲において高位水準で
安定化するということが明らかとなった。
0.8%であるレーザ素子の場合についてであるが、こ
の前端面の反射率を0.5〜15%の範囲内で変化させ
た場合でも、それぞれのレーザ素子はいずれも上記した
と同様の特性を示すことが確認された。また、実施例で
は基板としてn型のものを用いたが、p型であっても同
様の特性が得られる。ただし、その場合、層構造Cにお
ける各層の導電型は実施例と逆にする。
子1とレーザ素子4を選択し、それぞれを、ファイバブ
ラッググレーティングが形成されている光ファイバとレ
ンズを介して光結合し、図1で示したレーザモジュール
Aを組み立てた。
置A1(従来装置)、レーザ素子4が組み込まれている
装置を装置A2(実施例装置)とする。なお、レーザ素
子1に光結合されたファイバブラッググレーティング
は、反射率7%、反射帯域幅1.5nm、中心波長979n
mの波長選択特性を有するように設計されており、ま
た、レーザ素子4に光結合されたファイバブラッググレ
ーティングは、反射率7%、反射帯域幅1.5nm、中心
波長976nmの波長選択特性を有するように設計されて
いる。
レーザ光を出射させた。そして、そのレーザ光の光出力
(Pf)を、Lightwave multimeter 8153A(アジレンド
社製), Power Sensor Module 81533B(アジレンド社
製), およびOptical Head 81525Aから成るシステムで
測定し、またモニタ光強度(Im)を、ADVANTEST Digi
tal Electrometer R8240(アドバンテスト社製)とIL
X Lightwave Laser Diode Controller LDC-3744B(I
LX ライトウェーブ社製)から成るシステムで測定し
た。ついで、約1分間の時間間隔を超えて、PfとIm
の測定値の変化率(%)を0.4秒間隔で算出した。
の場合の結果を図15にそれぞれ示す。図14と図15
を対比して明らかなように、装置A2は装置A1に比べて
発振レーザ光の時間的安定性が著しく優れている。
安定性 装置A1と装置A2への駆動電流をしきい値Ithから5mA
間隔で増加させていき、その都度、(1)で用いた測定
システムにより、励起用レーザ光の光出力(Pf)とモ
ニタ光強度(Im)の変化率(%)を算出した。装置A
1の場合の結果を図16に、装置A2の場合の結果を図1
7に示した。図16と図17を対比して明らかなよう
に、装置A1の場合は駆動電流が変化するとPf,Im
はいずれも大きく変動しているが、装置A2の場合は全
く変動しておらず、この装置は駆動電流が変化したとし
ても極めて安定な励起用レーザ光を発振している。図1
6と図17から、許容できる最大変化率は0.5%であ
ることがわかる。
安定性 装置A1と装置A2に250mAの駆動電流を注入して励起
用レーザ光を出射させた。そして、駆動開始時点と、そ
れから10秒後、20秒後、30秒後、40秒後におけ
るスペクトルを観察した。その結果を、装置A1の場合
は図18〜図22に、装置A2の場合は図23〜図27
に示した。
ザ光のスペクトル図(図18と図23)を対比すると、
装置A1の場合は、その中心波長がファイバブラッググ
レーティングの中心波長(979nm)付近でシングル縦
モードで発振している。これに反し、装置A2の場合
は、ファイバブラッググレーティングの中心波長(97
6nm)付近でマルチ縦モードが発振している。
間が経過するにつれて、その発振スペクトルが変動して
いる。しかしながら、装置A2の場合は、駆動時間が経
過しても、その発振スペクトルは駆動開始時点(図1
8)の場合と実質的に同じである。 すなわち、装置A2は、時間安定性に優れた励起用レ
ーザ光を出射している。
ーンした状態にしてレーザ発振させた。そのときの発振
スペクトルを図28に示す。ついで、光ファイバを前記
した巻回状態から直径約100mmで3ターンの巻回状態
に巻き直し、同じ条件でレーザ発振させた。そのときの
発振スペクトルを図29に示す。
ァイバの巻回状態が変化しても、装置A2からの励起用
レーザ光の発振スペクトルの変動は起こっていない。一
方、装置A1において、光ファイバを直径100mmで5
ターンした状態にしてレーザ発振させた。そのときの発
振スペクトルは図30で示すようにマルチモードの発振
になっていた。
ら直径100mmで4ターンの巻回状態に巻き直し、同じ
条件でレーザ発振させた。そのときの発振スペクトルを
図31に示した。図30と図31を対比して明らかなよ
うに、装置A1の場合、光ファイバの巻回状態が変化す
ると、励起用レーザ光の発振スペクトルが変化してしま
う。
回状態、より一般化していえば、光ファイバがどのよう
な状態になっていても、出射するその励起用レーザ光は
安定していることが判明した。
レーザモジュールは、井戸層の厚みを10nm以上と従来
に比べて厚くし、更には井戸層に不純物をドーピングし
ており、またクラッド層にn型不純物をドーピングして
いることにより、発振レーザ光はマルチモード化するレ
ーザ素子とファイバブラッググレーティングを光結合し
て組み立てられているので、まず、出射する励起用レー
ザ光の時間安定性に優れている。また、レーザ素子の駆
動電流が変動しても出射する励起用レーザ光は安定して
いる。更には、光ファイバの例えば巻回状態を変えても
出射する励起用レーザ光は安定していて実用的な信頼性
が高い。
す断面図である。
ある。
ラフである。
る。
ペクトル曲線図である。
ペクトル曲線図である。
ペクトル曲線図である。
ペクトル曲線図である。
図である。
部分切欠斜視図である。
る。
幅(Δλ)との関係を示すグラフである。
フである。
フである。
を示すグラフである。
を示すグラフである。
のスペクトル図である。
起用レーザ光のスペクトル図である。
起用レーザ光のスペクトル図である。
起用レーザ光のスペクトル図である。
起用レーザ光のスペクトル図である。
のスペクトル図である。
起用レーザ光のスペクトル図である。
起用レーザ光のスペクトル図である。
起用レーザ光のスペクトル図である。
起用レーザ光のスペクトル図である。
状態にしたときにおける装置Aの励起用レーザ光のスペ
クトル図である。
状態に変えたときにおける装置Aの励起用レーザ光のス
ペクトル図である。
状態にしたときにおける装置Bの励起用レーザ光のスペ
クトル図である。
ターンの巻回状態に変えたときにおける装置Bの励起用
レーザ光のスペクトル図である。
Claims (17)
- 【請求項1】 少なくともGaとAsを含む半導体材料
から成る井戸層とそれを囲む障壁層を形成した活性層を
有する層構造がGaAs基板の上に形成され、前記基板
に平行に光が共振する半導体レーザ素子と、光帰還機能
を有する要素とを光結合した励起用光源に用いられる半
導体レーザモジュールにおいて、前記半導体レーザモジ
ュールは、縦モードがマルチモードで発振し、かつ、前
記活性層における井戸層の厚みが10nm以上であること
を特徴とする半導体レーザモジュール。 - 【請求項2】 少なくとも前記活性層には、不純物がド
ーピングされている請求項1の半導体レーザモジュー
ル。 - 【請求項3】 前記不純物がn型不純物である請求項2
の半導体レーザモジュール。 - 【請求項4】 前記n型不純物がSiである請求項3の
半導体レーザモジュール。 - 【請求項5】 前記Siのドーピング濃度が1×1016
/cm3〜5×1018/cm3である請求項4の半導体レーザ
モジュール。 - 【請求項6】 前記層構造のn型クラッド層には、少な
くともSiがドーピングされている請求項1〜5のいず
れかの半導体レーザモジュール。 - 【請求項7】 前記活性層における井戸層の数が1つで
ある請求項1〜6のいずれかの半導体レーザモジュー
ル。 - 【請求項8】 前記井戸層の厚みは、前記障壁層の厚み
よりも厚くなっている請求項1〜7のいずれかの半導体
レーザモジュール。 - 【請求項9】 前記活性層を構成する半導体材料が、G
aAs,InGaAs,GaAsSb、またはInGa
AsSbである請求項1〜8のいずれかの半導体レーザ
モジュール。 - 【請求項10】 前記半導体レーザ素子の発振レーザ光
の発振波長が940〜990nmである請求項1〜9のい
ずれかの半導体レーザモジュール。 - 【請求項11】 前記半導体レーザ素子が、リッジ導波
路型、または自己整合型のいずれかである請求項1〜1
0のいずれかの半導体レーザモジュール。 - 【請求項12】 前記半導体レーザ素子の発振レーザ光
の光出力分布曲線の半値幅における垂直方向の広がり角
度が25°以下である請求項1〜11のいずれかの半導
体レーザモジュール。 - 【請求項13】 前記半導体レーザ素子が、次式:0.
2≦I/Ith≦0.8(式中、Iは注入電流、Ithはレ
ーザ発振を開始するときの注入電流を表す)の関係を満
たす電流を注入したときに出射する自然放出光のスペク
トル曲線において、その最大強度から3dB低い強度を示
す箇所のスペクトル幅が15nm以上になる請求項1〜1
2のいずれかの半導体レーザモジュール。 - 【請求項14】 前記光帰還機能を有する要素が、ファ
イバブラッググレーティング、誘電体多層膜フィルタ、
または分布ブラッグ反射鏡のいずれかである請求項1〜
13のいずれかの半導体レーザモジュール。 - 【請求項15】 前記光帰還機能を有する要素が、楔形
光ファイバに形成されたファイバブラッググレーティン
グである請求項1〜14の半導体レーザモジュール。 - 【請求項16】 前記半導体レーザ素子における前記活
性層近傍にグレーティングを形成することにより前記光
帰還機能を有する要素を形成した請求項1〜13のいず
れかの半導体レーザモジュール。 - 【請求項17】 前記半導体レーザ素子における前記基
板に平行に光が共振する共振器の長さをL(μm)とし
たとき、前記半導体レーザモジュールの光出力は、L×
0.1mW/μm以上となる請求項1〜16のいずれかの
半導体レーザモジュール。
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Cited By (4)
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JP2008247038A (ja) * | 2008-05-24 | 2008-10-16 | Lemi Ltd | 脆性材料のフルカット割断方法 |
US7649921B2 (en) | 2002-05-08 | 2010-01-19 | The Furukawa Electric Co., Ltd. | Laser module |
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-
2002
- 2002-02-05 JP JP2002028398A patent/JP4329978B2/ja not_active Expired - Lifetime
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