[go: up one dir, main page]

JP2003057829A - パターン形成方法、それを用いた回路基板及びセラミック多層基板の製造方法 - Google Patents

パターン形成方法、それを用いた回路基板及びセラミック多層基板の製造方法

Info

Publication number
JP2003057829A
JP2003057829A JP2001242086A JP2001242086A JP2003057829A JP 2003057829 A JP2003057829 A JP 2003057829A JP 2001242086 A JP2001242086 A JP 2001242086A JP 2001242086 A JP2001242086 A JP 2001242086A JP 2003057829 A JP2003057829 A JP 2003057829A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pattern
photosensitive
photosensitive paste
layer
forming method
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001242086A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Kubota
正博 久保田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2001242086A priority Critical patent/JP2003057829A/ja
Publication of JP2003057829A publication Critical patent/JP2003057829A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フォトリソグラフィー法によりパターニング
を行う場合に、現像して除去すべき領域の感光性ペース
トを確実に除去して、所望のパターニングを確実に行う
ことが可能なパターン形成方法、及びそれを用いた回路
基板及びセラミック多層基板の製造方法などを提供す
る。 【解決手段】 感光性ペースト層3の現像液により現像
可能な下地層用組成物Aを支持基体(アルミナ絶縁性基
板)1上に塗布することにより下地層2を形成した後、
下地層2の上に、無機粉末と感光性有機成分を含有する
感光性ペーストBを塗布することにより感光性ペースト
層3を形成し、少なくとも感光性ペースト層3への露光
を行った後、感光性ペースト層3及び下地層2を現像し
て、パターン(未焼成のパターン)6を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、感光性導電ペー
ストや感光性絶縁ペーストなどを用いたパターン形成方
法、それを用いた回路基板及びセラミック多層基板の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、移動体通信機器、衛星放送受信機
器、コンピュータなどの小型化に伴い、それらに用いら
れる高周波電子部品についても、小型化、高性能化が進
められており、高周波電子部品の配線パターンについて
も、高密度化及び信号伝送の高速化への対応が強く求め
られるに至っている。そして、高周波電子部品の配線パ
ターンの高密度化や信号伝送の高速化を達成するために
は、配線パターンを微細化し、膜厚を大きく(厚膜化)
することが必要になる。
【0003】従来より、高周波電子部品の配線パターン
の形成には、銅などの多価金属からなる導電性金属粉末
と有機バインダや有機溶媒からなる有機ビヒクルとを混
合した導電ペーストを用いて絶縁性基板上にパターンを
形成し、次いで、これを乾燥した後、焼成することによ
り所定の配線パターンを形成する方法が一般的に用いら
れている。
【0004】ところで、配線パターンを形成するにあた
っては、スクリーン印刷法が一般的に用いられるが、こ
の方法で配線パターンを微細化しようとした場合、配線
パターンの配線幅や、配線と配線の間隔(配線間ピッ
チ)を50μm以下にすることは困難であり、一般的に
は、50μmの配線幅及び配線間ピッチがスクリーン印
刷法による微細化の限界であると認識されている。
【0005】これに対して、特開平5−287221号
公報、特開平8−227153号公報などには、感光性
導電ペーストを用いたフォトリソグラフィ法による微細
で、膜厚の大きい配線を形成する方法が提案されてい
る。これらの方法は、導電性金属粉末、側鎖にカルボキ
シル基及びエチレン性不飽和基を有するアクリル系共重
合体、光反応性化合物、光重合開始剤などからなる感光
性導電ペーストを、絶縁性基板上に塗布して乾燥した
後、フォトリソグラフィ法によりパターニングを行う方
法である。
【0006】また、積層電子部品には、その層間を電気
的に接続するためのバイアホールを備えた構造のものが
あり、このバイアホールは、いわゆる厚膜印刷法による
積層電子部品では、(1)有機ビヒクル中にガラス粉末を
混合し、絶縁ペーストを調製する工程、(2)前記絶縁ペ
ーストを基体上に印刷し、バイアホール用孔を有した塗
膜を形成する工程、(3)前記バイアホール用孔に導電ペ
ーストを充填する工程、(4)前記塗膜及び導電ペースト
を焼成する工程などの諸工程を経て形成されている。
【0007】ところで、このような積層電子部品におい
て、バイアホール用孔のパターニングは、通常、絶縁ペ
ーストのスクリーン印刷によって行われている。そのた
め、スクリーン印刷後の塗膜には、ペーストの粘度やス
クリーンメッシュの粗さなどに起因するにじみやかすれ
などが生じやすく、直径が100μm程度のバイアホー
ル用孔を形成するのが限界であった。
【0008】これに対して、例えば特開平6−2838
46号公報には、ガラスを主成分とした絶縁ペースト
に、光重合性モノマーや光重合性開始剤などの感光性有
機成分を添加・混合して感光性絶縁ペーストを作製し、
これを基体上に塗布した後、露光処理及び現像処理によ
って所望のバイアホール用孔を形成する方法が開示され
ている。このような、露光処理及び現像処理を利用し
た、いわゆるフォトリソグラフィー法によるパターニン
グ方法は、微細なバイアホールを高精度に形成すること
ができるという特徴を有している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、露光した部
分が現像液に溶解せず、露光していない部分が現像液に
溶解して除去される、いわゆるネガ型の感光性導電ペー
ストや感光性絶縁ペースト(以下、場合によっては「感
光性ペースト」と総称する)を用いたフォトリソグラフ
ィ法によって、微細な配線やバイアホール用孔を形成す
る場合、微細で高精度のパターニングを行うためには、
露光処理の工程でフォトマスクによりマスクされて露光
されなかった部分(未露光部)を現像処理の工程で完全
に除去することが必要である。
【0010】図6は、従来のフォトリソグラフィー法に
よるパターン形成方法の一例を示すものであり、この例
においては、以下に説明するような手順でパターンの形
成が行われる。
【0011】(1)まず、図6(a)に示すように、支持基
体51上に、感光性ペースト(感光性導電ペースト)を
塗布、乾燥することにより、感光性ペースト層52を形
成する。 (2)それから、図6(b)に示すように、所定のパターン
を有するフォトマスク53を介して、UV光を照射して
感光性ペースト層52の露光を行う。 (3)露光後に、現像を行い、感光性ペースト層52の不
要部分を除去する(図6(c))。 (4)その後、焼成することにより、支持基体51上に、
配線などの所定のパターン(導体パターン)54が形成
される(図6(d))。
【0012】しかし、図6に示すような方法で、感光性
ペースト(感光性導電ペースト)を用いて配線間ピッチ
の小さい緻密な配線パターンを形成するような場合、現
像液を未露光部全体に行き渡らせることは困難で、図6
(c)に示すように、若干の現像残渣52aが感光性ペー
スト52からなるパターン間に残る場合があり、焼成後
(図6(d))においては、配線などのパターン54間に
導体(感光性ペースト層52の現像残渣52aの焼成
体)52bが残る場合がある。そして、この配線などの
パターン54間に残った導体(現像残渣52aの焼成
体)52bが、パターン54間のショートを引き起こす
原因になるという問題点がある。
【0013】このような事情は、感光性絶縁ペーストを
用いて、微細なバイアホール用孔を形成する場合も同様
であり、感光性絶縁ペーストが現像残渣として残った場
合、現像残渣が残った部分に導電ペーストが充填され
ず、現像残渣が層間の導通不良の原因になるという問題
点がある。
【0014】また、露光していない部分が現像液に溶解
せず、露光した部分が現像液に溶解して除去される、い
わゆるポジ型の感光性導電ペーストや感光性絶縁ペース
トを用いて、フォトリソグラフィー法によりパターニン
グを行う場合にも、現像処理の工程で露光部を除去する
際に、上記ネガ型の場合と同様に、除去すべき部分にポ
ジ型の感光性ペーストが現像残渣として残るという問題
点がある。
【0015】本願発明は、上記課題を解決するものであ
り、フォトリソグラフィー法によりパターニングを行う
場合に、現像して除去すべき領域の感光性ペーストを確
実に除去して、所望のパターニングを確実に行うことが
可能なパターン形成方法、該方法を用いた回路基板及び
セラミック多層基板の製造方法などを提供することを目
的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願発明(請求項1)のパターン形成方法は、支持
基体上に下地層用組成物を塗布することにより、支持基
体の表面に下地層を形成する下地層形成工程と、前記下
地層上に、無機粉末と感光性有機成分を含有する感光性
ペーストを塗布することにより、前記下地層上に感光性
ペースト層を形成する感光性ペースト層形成工程と、少
なくとも前記感光性ペースト層への露光を行った後、前
記感光性ペースト層及び下地層を現像する露光・現像工
程とを備えたパターン形成方法であって、前記下地層用
組成物として、前記感光性ペースト層を現像するための
現像液により現像することが可能なものを用いることを
特徴としている。
【0017】本願発明(請求項1)のパターン形成方法
は、感光性ペースト層の現像液により現像可能な下地層
用組成物を支持基体上に塗布し、その上に、無機粉末と
感光性有機成分を含有する感光性ペーストを塗布した
後、少なくとも感光性ペースト層への露光を行った後、
感光性ペースト層及び下地層の全体を現像するようにし
ているので、現像工程の途中の段階で、上層である感光
性ペースト層の一部が現像残渣として残ることがあった
としても、下地層が現像除去される際に、現像残渣とし
て残る感光性ペースト層が下地層とともに除去されるこ
とになる。したがって、上層である感光性ペースト層の
不要部分を確実に除去して、高精度のパターニングを行
うことが可能になり、微細な配線やバイアホール用孔を
確実に形成することが可能になる。
【0018】すなわち、本願発明(請求項1)のパター
ン形成方法は、支持基体上に、直接感光性ペーストを塗
布するのではなく、感光性ペースト(層)の現像液によ
り現像、除去することが可能な下地層を支持基体上に形
成した後、下地層上に感光性ペーストを塗布するように
しているので、現像の際に、未露光部に感光性ペースト
が残ったとしても、残った感光性ペーストは、下地層が
現像される際に下地層とともに除去されることになる。
そして、その後の現像工程においても除去されない現像
残渣が残るような場合にも、現像残渣は実質的に下地層
の現像残渣のみとなるため、上層である感光性ペースト
が焼成されることにより形成されるパターンに、現像残
渣が影響を与えることを回避することが可能になる。
【0019】なお、本願発明において、下地層用組成物
とは、有機化合物からなるもの、有機化合物に絶縁性粉
末や導電性粉末などを配合したものなどを含む広い概念
であり、その具体的な組成に特別の制約はない。
【0020】また、本願発明の感光性ペーストにおいて
用いられている感光性有機成分とは、従来から公知の光
重合性、もしくは光変性化合物のことであって、例え
ば、(1)不飽和基などの反応性官能基を有するモノマ
ーやオリゴマーと、芳香族カルボニル化合物などの光ラ
ジカル発生剤の混合物、(2)芳香族ビスアジドとホル
ムアルデヒドの縮合体などのいわゆるジアゾ樹脂、
(3)エポキシ化合物などの付加重合性化合物とジアリ
ルヨウドニウム塩などの光酸発生剤の混合物、(4)ナ
フトキノンジアジド系化合物などが例示される。これら
の感光性有機成分のうち、特に好ましいのは、不飽和基
などの反応性官能基を有するモノマーやオリゴマーと、
芳香族カルボニル化合物などの光ラジカル発生剤との混
合物である。
【0021】上記の光ラジカル発生剤としては、ベンジ
ル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチル
エーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフ
ェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチ
ル、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファ
イド、ベンジルジメチルケタール、2−n−ブトキシ−
4−ジメチルアミノベンゾエート、2−クロロチオキサ
ントン、2、4−ジエチルチオキサントン、2、4−ジ
イソプロピルチオキサントン、イソプロピルチオキサン
トン、2−ジメチルアミノエチルベンゾエート、p−ジ
メチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息
香酸イソアミル、3、3'−ジメチル−4−メトキシベ
ンゾフェノン、2、4−ジメチルチオキサントン、1−
(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチ
ルプロパン−1−オン、2、2−ジメトキシ−1、2−
ジフェニルエタン−1−オン、ヒドロキシシクロヘキシ
ルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−
フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロ
キシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メ
チル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4
−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパ
ン−1−オン、メチルベンゾイルフォルメート、1−フ
ェニル−1、2−プロパンジオン−2−(o−エトキシ
カルボニル)オキシム、2−ベンジル−2−ジメチルア
ミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノ
ン、ビス(2、6−ジメトキシベンゾイル)−2、4、
4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、ビス
(2、4、6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォス
フィンオキサイドなどが挙げられる。
【0022】また、上記の反応性官能基含有モノマー及
びオリゴマーとしては、ヘキサンジオールトリアクリレ
ート、トリプロピレングリコールトリアクリレート、ト
リメチロールプロパントリアクリレート、ステアリルア
クリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ラ
ウリルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレー
ト、イソデシルアクリレート、イソオクチルアクリレー
ト、トリデシルアクリレート、カプロラクトンアクリレ
ート、エトキシ化ノニルフェノールアクリレート、1、
3−ブタンジオールジアクリレート、1、4−ブタンジ
オールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリ
レート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ト
リエチレングリコールジアクリレート、エトキシ化ビス
フェノールAジアクリレート、プロポキシ化ネオペンチ
ルグリコールジアクリレート、トリス(2−ヒドロキシ
エチル)イソシアヌレートトリアクリレート、エトキシ
化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエ
リスリトールトリアクリレート、プロポキシ化トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化グリセ
リルトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラア
クリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレ
ート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリ
レート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリ
レート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、シク
ロヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレー
ト、ラウリルメタクリレート、トリエチレングリコール
ジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレー
ト、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1、
4−ブタンジオールジメタクリレート、ジエチレングリ
コールジメタクリレート、1、6−ヘキサンジオールジ
メタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレ
ート、1、3−ブチレングリコールジメタクリレート、
エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、トリメ
チロールプロパントリメタクリレートなどが例示され
る。
【0023】また、請求項2のパターン形成方法は、現
像後の感光性ペースト層及び下地層からなるパターンを
焼成して、支持基体上に所定のパターンを形成する工程
をさらに備えているとともに、露光・現像工程を経た後
に残る下地層が焼成工程で焼失して、感光性ペースト層
が焼成されることにより形成されるパターンに実質的に
影響を与えないか、もしくは、焼成工程を経た後に下地
層の焼成残存物が生じる場合にも、該焼成残存物が、感
光性ペースト層が焼成されることにより形成されるパタ
ーンに実質的に影響を与えないように構成されているこ
とを特徴としている。
【0024】現像後の感光性ペースト層及び下地層から
なるパターンが焼成されることにより、支持基体上に所
定のパターン(焼成パターン)が形成されるとともに、
露光・現像工程を経た後に残る下地層は、焼成工程で焼
失して、感光性ペースト層が焼成されることにより形成
されるパターンに実質的に影響を与えることがなく、あ
るいは、焼成工程を経た後に下地層の焼成残存物が生じ
る場合にも、該焼成残存物が、感光性ペースト層が焼成
されることにより形成されるパターンに実質的に影響を
与えることがないので、効率よく、微細で高精度のパタ
ーニングを行うことが可能になる。
【0025】また、請求項3のパターン形成方法は、前
記下地層用組成物が、有機化合物のみから構成されたも
のであることを特徴としている。
【0026】下地層用組成物が有機化合物のみから構成
されたものである場合、下地層の現像残渣が残ったとし
ても、後の焼成工程で、下地層が燃焼、除去されるた
め、最終的に形成されるパターンへの影響をなくするこ
とが可能になる。
【0027】また、請求項4のパターン形成方法は、前
記感光性ペースト中の無機粉末が、導電性金属粉末を含
有するものであることを特徴としている。
【0028】本願発明は、感光性ペースト中の無機粉末
が、導電性金属粉末を含有するものである場合、すなわ
ち、感光性ペーストが感光性導電ペーストである場合に
好適に適用することが可能である。なお、感光性ペース
トに用いられる導電性金属粉末としては、金、銀、銅、
白金、アルミニウム、パラジウム、ニッケル、モリブデ
ン、タングステンなどの単体金属粉末、上記金属の合金
粉末、銅などの卑金属粉末表面に銀などの貴金属を被覆
したものなどが例示される。
【0029】また、請求項5のパターン形成方法は、前
記感光性ペースト中の無機粉末が、ガラス粉末及び/又
はセラミック粉末を含有するものであることを特徴とし
ている。
【0030】本願発明は、感光性ペースト中の無機粉末
が、ガラス粉末及び/又はセラミック粉末を含有するも
のである場合、すなわち、感光性ペーストが感光性ガラ
スペーストや感光性セラミックペーストのような感光性
絶縁ペーストであるような場合にも好適に適用すること
が可能である。
【0031】なお、無機粉末として用いることが可能な
セラミック粉末としては、Al などの絶縁性セラ
ミック粉末、BaTiOなどの誘電体セラミック粉
末、ニッケル亜鉛フェライト、ニッケル亜鉛銅フェライ
トなどのフェライト系粉末、RuO、PbRu
、Mn・Co・Niの複合酸化物などの高抵抗セラミ
ック粉末、PZTなどの圧電体セラミック粉末などが挙
げられる。
【0032】また、無機粉末として用いることが可能な
ガラス粉末としては、SiO−PbO系、SiO
ZnO系、SiO−B系、SiO−K
系、SiO−NaO系、SiO−PbO−B
系、SiO−ZnO−B系、SiO−Bi
−B系、SiO−KO−B系、
SiO−NaO−B系などの種々のガラス粉
末が挙げられる。
【0033】また、請求項6のパターン形成方法は、
(a)前記感光性ペースト中の無機粉末が、導電性金属粉
末を含有するものであり、かつ、(b)前記下地層用組成
物が、ガラス粉末及び/又はセラミック粉末を含有する
ものであることを特徴としている。
【0034】感光性ペースト中の無機粉末として、導電
性金属粉末を含有するものを用い、かつ、下地層用組成
物として、ガラス粉末及び/又はセラミック粉末を含有
するものを用いた場合、現像後の感光性ペースト層及び
下地層からなるパターンが焼成されることにより、支持
基体上に所定の導体パターンが形成されるとともに、焼
成工程を経た後に残る下地層の焼成残存物が、絶縁物た
るガラス及び/又はセラミックよりなるものであるた
め、微細かつ高精度で、しかもパターン間にショートの
発生していない導体パターンを効率よく形成することが
可能になる。
【0035】また、請求項7のパターン形成方法は、前
記下地層用組成物が、アルカリ可溶なポリマーを含有す
るものであることを特徴としている。
【0036】下地層用組成物が、アルカリ可溶なポリマ
ーを含有するものである場合、アルカリ水溶液による現
像が可能になり、上層となる感光性ペースト層として、
アルカリ水溶液で現像することが可能なものを選択して
用いることにより、感光性ペーストと下地層用組成物を
同じアルカリ水溶液により現像することが可能になり、
効率よく、微細で高精度のパターニングを行うことが可
能になるとともに、有機溶剤系の現像液を用いることを
不要にして、環境への負担を軽減することが可能にな
る。
【0037】また、請求項8のパターン形成方法は、前
記下地層用組成物が、側鎖にカルボキシル基を有するア
クリル系共重合体を含有するものであることを特徴とし
ている。
【0038】下地層用組成物として、側鎖にカルボキシ
ル基を有するアクリル系共重合体を含有するものを用い
ることにより、アルカリ水溶液などの水系現像液によっ
て現像することが可能な下地層用組成物を得ることが可
能になり、本願発明をさらに実効あらしめることができ
る。
【0039】また、請求項9のパターン形成方法は、前
記下地層用組成物が、感光性有機成分を含有して感光性
を有するものであることを特徴としている。
【0040】下地層用組成物として、感光性有機成分を
含有して感光性を有するものを用いることにより、いわ
ゆるフォトリソグラフィー法により、感光性ペーストと
ともに露光、現像を行い、効率よく高精度のパターニン
グを行って、微細な配線やバイアホール用孔を確実に形
成することが可能になる。なお、下地層用組成物を構成
する感光性有機成分としては、前記の感光性ペーストに
おいて用いられている感光性有機成分と同様のものを用
いることができる。
【0041】また、請求項10のパターン形成方法は、
前記下地層用組成物が、ポリマー、モノマーもしくはオ
リゴマー、及び光重合開始剤からなる感光性有機成分を
含有するものであることを特徴としている。
【0042】下地層用組成物として、ポリマー、モノマ
ーもしくはオリゴマー、及び光重合開始剤からなる感光
性有機成分を含有するものを用いることにより、いわゆ
るフォトリソグラフィー法により、感光性ペーストとと
もに露光、現像を行い、効率よく微細で高精度のパター
ニングを行うことが可能になる。
【0043】また、請求項11のパターン形成方法は、
前記下地層用組成物が、感光性有機成分を含有して感光
性を有するものであり、かつ、前記感光性ペースト塗布
工程において、未露光の下地層上に感光性ペーストを塗
布することを特徴としている。
【0044】下地層用組成物として、感光性有機成分を
含有して感光性を有するものを用い、かつ、感光性ペー
スト塗布工程において、未露光の下地層上に感光性ペー
ストを塗布するようにした場合、その後に、下地層と感
光性ペースト層を一括して露光、現像することが可能に
なり、効率よく微細で高精度のパターニングを行うこと
が可能になる。
【0045】また、請求項12のパターン形成方法は、
前記感光性ペーストが、ポリマー、モノマーもしくはオ
リゴマー、及び光重合開始剤からなる感光性有機成分を
含有するものであることを特徴としている。
【0046】感光性ペーストとして、ポリマー、モノマ
ーもしくはオリゴマー、及び光重合開始剤からなる感光
性有機成分を含有するものを用いることにより、いわゆ
るフォトリソグラフィー法により、感光性ペーストとと
もに露光、現像を行い、効率よく微細で高精度のパター
ニングを行うことが可能になり、微細な配線やバイアホ
ール用孔を確実に形成することが可能になる。
【0047】また、請求項13のパターン形成方法は、
前記感光性ペーストが、アルカリ可溶なポリマーを含有
するものであることを特徴としている。
【0048】感光性ペーストが、アルカリ可溶なポリマ
ーを含有するものである場合、アルカリ水溶液による現
像が可能になり、有機溶剤系の現像液を用いることが不
要になるとともに、下地層用組成物として、アルカリ性
の現像液で現像することが可能なものを選択して用いる
ことにより、感光性ペーストと下地層用組成物を同じア
ルカリ性の現像液により現像して、効率よく、微細で高
精度のパターニングを行うことが可能になる。
【0049】また、請求項14のパターン形成方法は、
前記感光性ペーストが、側鎖にカルボキシル基を有する
アクリル系共重合体を含有するものであることを特徴と
している。
【0050】側鎖にカルボキシル基を有するアクリル系
共重合体を含有する感光性ペーストを用いることによ
り、アルカリ水溶液などの水系現像液によって現像する
ことが可能な感光性ペーストを得ることが可能になり、
本願発明をさらに実効あらしめることができる。
【0051】また、請求項15のパターン形成方法は、
前記感光性ペーストの現像液が、アルカリ水溶液である
ことを特徴としている。
【0052】感光性ペーストの現像液として、アルカリ
水溶液を用いるようにした場合、有機溶剤系の現像液を
用いる場合に比べて、環境への負荷を低減することが可
能になる。
【0053】また、請求項16のパターン形成方法は、
前記支持基体が、絶縁性基板であることを特徴としてい
る。
【0054】本願発明のパターン形成方法によれば、支
持基体が、絶縁性基板である場合に効率よく支持基体上
にパターンを形成することが可能である。
【0055】また、請求項17のパターン形成方法は、
前記支持基体が、有機バインダと、セラミック粉末及び
/又はガラス粉末を含有するセラミックグリーンシート
であることを特徴としている。
【0056】本願発明のパターン形成方法によれば、支
持基体が、有機バインダと、セラミック粉末及び/又は
ガラス粉末を含有するセラミックグリーンシートである
場合にも効率よく支持基体上にパターンを形成すること
が可能である。
【0057】また、請求項18のパターン形成方法は、
前記支持基体が、柔軟性を有する材料からなる支持体で
あることを特徴としている。
【0058】支持基体として、柔軟性を有する材料から
なる支持体を用い、その上にパターンを形成することに
より、該支持体上からパターンを所定の対象(例えばセ
ラミックグリーンシートなど)に転写して、所定の対象
に効率よくパターンを形成することが可能になる。
【0059】また、本願発明(請求項19)の回路基板
の製造方法は、請求項1〜18のいずれかに記載のパタ
ーン形成方法によりパターンを形成する工程を含むこと
を特徴としている。
【0060】請求項1〜18のいずれかに記載のパター
ン形成方法によりパターンを形成することにより、効率
よく回路基板を製造することが可能になる。
【0061】また、本願発明(請求項20)のセラミッ
ク多層基板の製造方法は、請求項1〜18のいずれかに
記載のパターン形成方法によりパターンを形成する工程
を含むことを特徴としている。
【0062】請求項1〜18のいずれかに記載のパター
ン形成方法によりパターンを形成することにより、セラ
ミック多層基板を効率よく製造することが可能になる。
【0063】また、本願発明(請求項21)のセラミッ
ク多層基板の製造方法は、有機バインダと、セラミック
粉末及び/又はガラス粉末を含有するセラミックグリー
ンシートを支持基体とし、該セラミックグリーンシート
上に請求項17に記載のパターン形成方法により、パタ
ーンを形成する工程と、前記セラミックグリーンシート
を積層して積層体を形成する工程と、前記積層体を焼成
する工程とを具備することを特徴としている。
【0064】請求項17に記載のパターン形成方法によ
りパターンが形成されたセラミックグリーンシートを積
層して積層体を形成した後、この積層体を焼成すること
により、セラミック多層基板を効率よく製造することが
可能になる。
【0065】また、本願発明(請求項22)のセラミッ
ク多層基板の製造方法は、請求項18に記載のパターン
形成方法により、前記柔軟性を有する材料からなる支持
体上にパターンを形成する工程と、前記柔軟性を有する
材料からなる支持体上に形成された前記パターンを、セ
ラミックグリーンシート上に転写する工程と、前記パタ
ーンが転写されたセラミックグリーンシートを積層して
積層体を形成する工程と、前記積層体を焼成する工程と
を具備することを特徴としている。
【0066】請求項18に記載のパターン形成方法によ
り、柔軟性を有する材料からなる支持体上にパターンを
形成した後、支持体上からセラミックグリーンシート上
にパターンを転写し、パターンが転写されたセラミック
グリーンシートを積層して積層体を形成した後、この積
層体を焼成することにより、セラミック多層基板を効率
よく製造することが可能になる。
【0067】また、本願発明(請求項23)の回路基板
は、請求項19記載の回路基板の製造方法により製造さ
れたものであることを特徴としている。
【0068】請求項19記載の方法により製造された回
路基板は、形状精度及び寸法精度の高いパターンを備え
ているので、高性能で信頼性の高い回路基板を提供する
ことが可能になる。
【0069】また、本願発明(請求項24)のセラミッ
ク多層基板は、請求項20〜22のいずれかに記載のセ
ラミック多層基板の製造方法により製造されたものであ
ることを特徴としている。
【0070】請求項20〜22記載の方法により製造さ
れたセラミック多層基板は、形状精度及び寸法精度の高
いパターンを備えているので、高性能で信頼性の高いセ
ラミック多層基板を提供することが可能になる。
【0071】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態を示
して、その特徴とするところをさらに詳しく説明する。
【0072】[実施形態1] (1)下地層用組成物(感光性ワニス)の作製 以下のポリマー、モノマー、光重合開始剤、及び添加物
を下記の割合で秤取し、混合した後、3本ロールミルに
よる混練を行い、下地層用組成物(ネガ型の感光性ワニ
ス)Aを作製した。
【0073】<ポリマー> メタクリル酸/メタクリル酸メチルの共重合割合が重量
基準で25/75の共重合させた後、メタクリル酸に対
して0.2倍モル量のエポキシシクロヘキシルメチルメ
タクリレートを付加反応させたアクリル系共重合体(重
量平均分子量=20,000):2.0g <モノマー> トリメチロールプロパントリアクリレート:0.4g <光重合開始剤> 2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2
−モノフォリノプロパン−1−オン:0.4g 2,4−ジエチルチオキサントン:0.1g <添加物> ペンタメチレングリコール:5.0g
【0074】(2)感光性ペーストの作製 以下の感光性ワニス、モノマー、無機粉末、及び各種添
加物を下記の割合で秤取し、混合した後、3本ロールミ
ルによる混練を行い、ネガ型の感光性ペースト(感光性
銅ペースト)Bを作製した。 <感光性ワニス> 上記(1)で作製したネガ型の感光性ワニスA:7.9g <モノマー> トリメチロールプロパントリアクリレート:0.6g <無機粉末> 銅粉末:15.0g <添加物> アゾ系赤色顔料:0.1g グルシトール:0.1g ハイドロキシアパタイト:0.1g
【0075】(3)パターンの形成 次いで、上述のようにして作製した下地層用組成物(感
光性ワニス)Aと、感光性ペースト(感光性銅ペース
ト)Bを用いて、以下の手順で、基板(アルミナ絶縁性
基板)上にパターン(導体パターン)を形成した。
【0076】(イ)まず、図1(a)に示すように、アルミ
ナ絶縁性基板1上に、下地層用組成物(感光性ワニス)
Aをスピンコーターによって塗布し、これを100℃に
て1時間乾燥して、5μm厚の下地層2を形成した。 (ロ)それから、図1(a)に示すように、下地層2上に、
感光性ペーストBをスピンコーターによって塗布し、2
5μm厚の感光性ペースト層3を形成した。 (ハ)次いで、図1(b)に示すように、フォトマスク5を
介して、感光性ペースト層3上からUV光を照射するこ
とにより露光処理を行った。なお、このとき、フォトマ
スク5として、ライン/スペース(L/S)=50/2
0(μm)のパターンが描画されたフォトマスク5を用
い、高圧水銀灯の光線(UV光)を250mJ/cm2の露光
量で照射した。 (ニ)その後、炭酸ナトリウム水溶液による現像処理を行
い、感光性ペースト層3の不要部分及びその下側領域の
下地層2を現像、除去した(図1(c))。そして、得ら
れたアルミナ絶縁性基板1上のパターン(未焼成のパタ
ーン)6を光学顕微鏡により観察した。このとき、未露
光部たるスペース部7には、下地層(感光性ワニスA)
2の現像残渣2aがいくらか残存していたが、上層であ
る感光性銅ペースト層3の残渣及びそれに由来する銅粉
末は全く認められず、感光性ペースト層3のパターン6
としては、L/S=50/20(μm)のパターンが得
られていることが確認された。 (ホ)次に、脱脂処理を施した後、900℃、N2雰囲気
中で焼成することにより、L/S=45/25(μm)
のパターン(銅パターン)8が形成されたアルミナ絶縁
性基板1(図1(d))を得た。
【0077】このアルミナ絶縁性基板1上の銅パターン
8を光学顕微鏡により観察したところ、スペース部7に
銅は全く認められなかった。また、隣接する銅配線間の
導通を調べたところ、全くショートを起こしていないこ
とが確認された。
【0078】[実施形態2] (1)感光性ペーストの作製 上記実施形態1で作製した下地層用組成物(ネガ型の感
光性ワニス)A、モノマー、無機粉末、及び各種添加物
を下記の割合で秤取し、混合した後、3本ロールミルに
よる混練を行い、ネガ型の感光性ペースト(感光性ガラ
スペースト)Cを作製した。
【0079】<感光性ワニス> 上記実施形態1と同じ組成のネガ型の感光性ワニスA:
7.9g <モノマー> トリメチロールプロパントリアクリレート:0.6g <無機粉末> SiO2−PbO−B23系ガラス粉末:8.0g <添加物> アゾ系赤色顔料:0.1g グルシトール:0.1g ハイドロキシアパタイト:0.1g
【0080】(2)バイアホールを備えた基板の形成 次いで、下地層用組成物(感光性ワニス)Aと、感光性
ペースト(感光性ガラスペースト)Cを用いて、以下の
手順で、バイアホールを備えた基板(アルミナ絶縁性基
板)を形成した。
【0081】(イ)まず、図2(a)に示すように、表面に
銅パターン10が形成されたアルミナ絶縁性基板11上
に、実施形態1と同様の方法で下地層用組成物(感光性
ワニス)Aを塗布、乾燥することにより、5μm厚の下
地層12を形成した。 (ロ)それから、図2(a)に示すように、下地層12上
に、感光性ガラスペーストCをスピンコーターによって
塗布し、25μm厚の感光性ガラスペースト層13を形
成した。 (ハ)次いで、図2(b)に示すように、フォトマスク15
を介して、感光性ガラスペースト層13上からUV光を
照射することにより露光処理を行った。なお、このと
き、フォトマスク15として、20μmφのバイアホー
ルパターンが描画されたフォトマスクを用い、高圧水銀
灯の光線を250mJ/cm2の露光量で照射した。また、露
光を行うにあたっては、バイアホールパターンがアルミ
ナ絶縁性基板11上に配設された銅パターン10と重な
るように位置合わせをして露光した。 (ニ)それから、炭酸ナトリウム水溶液による現像処理を
行い、感光性ガラスペースト層13の不要部分及びその
下側領域の下地層12を現像、除去した(図2(c))。
そして、得られたアルミナ絶縁性基板11上のパターン
(未焼成のパターン)16を光学顕微鏡により観察し
た。未露光部たるバイアホール部17には、下地層(感
光性ワニスA)12の現像残渣がいくらか残存していた
(図示せず)が、上層である感光性ガラスペースト層1
3の現像残渣及びそれに由来するガラス粉末は全く認め
られず、直径20μmのバイアホールパターン(未焼成
のパターン)が得られていることが確認された。 (ホ)次に、脱脂処理を施した後、900℃、N2雰囲気
中で焼成することにより、図2(d)に示すように、直径
30μmのバイアホールパターン(焼成後のバイアホー
ル部)17aを有するガラス層18が形成されたアルミ
ナ絶縁性基板11を得た。このアルミナ絶縁性基板11
のバイアホールパターンを光学顕微鏡により観察したと
ころ、バイアホール部17aにガラスは全く認められな
かった。 (へ)次いで、バイアホール部17aに導電ペーストを充
填した後、実施形態1の場合と同様の方法で、アルミナ
絶縁性基板11上にL/S=45/25(μm)の銅パ
ターン19を形成した。なお、銅パターン19を形成す
るにあたっては、銅パターン19とバイアホール部17
aの位置が重なり合うように位置合わせを行ってから露
光処理を施し、さらに現像、焼成の工程を経て、ガラス
層18上に銅パターン19を形成した(図2(e))。
【0082】形成された銅パターン19と、アルミナ絶
縁性基板11上の銅パターン10の導通状態を調べたと
ころ、上下層の銅パターン19,10は、バイアホール
部17a内の導体17bにより確実に導通していること
が確認された。
【0083】[実施形態3]この実施形態3では、セラ
ミック多層基板の一例として、多層アルミナ基板を製造
する場合を例にとって説明する。
【0084】(イ)まず、ホウ珪酸系ガラス粉末37.3
g、アルミナ粉末24.9g、メタクリル酸/メタクリ
ル酸メチルの共重合割合が重量基準で25/75の共重
合体(重量平均分子量=50,000)6.2g、エタ
ノ−ル3.1g、及び、ジプロピレングリコールモノメ
チルエーテル0.5gを混合することによりスラリーを
作製した。 (ロ)そして、このスラリーを、ドクターブレード法によ
ってシート状に成形し、100℃で、1時間乾燥させる
ことにより、シート厚み30μmのセラミックグリーン
シートを得た。 (ハ)また、上記の実施形態1で作製した下地層用組成物
(感光性ワニス)A及び感光性銅ペーストBを用い、実
施形態1の場合と同様の方法により、L/S=50/2
0(μm)のパターンを、柔軟性を有するポリエチレン
テレフタレート(PET)フィルム上に形成した。この
PETフィルム上のパターンを光学顕微鏡により観察し
たところ、未露光部であるスペース部には、下地層(感
光性ワニスA)の現像残渣がいくらか残存していたが、
上層である感光性銅ペースト層の残渣及びそれに由来す
る銅粉末は全く認められなかった。 (ニ)次いで、このPETフィルムをセラミックグリーン
シートと重ね合わせ、10MPa、60℃の条件下で1
分間熱プレスを行った後、PETフィルムを剥離するこ
とによって、パターンをセラミックグリーンシート上に
熱転写した。同様にして、パターンが形成されたセラミ
ックグリーンシートを合計5枚作製した。 (ホ)次いで、これらのセラミックグリーンシートを重ね
合わせ、200MPa、60℃の条件下で1分間熱プレ
スを行い、積層体を形成した。 (ヘ)それから、脱脂処理を施した後、900℃、N2
囲気中で焼成することにより積層体を焼成して、多層ア
ルミナ基板を得た。
【0085】この多層アルミナ基板を研磨し、内部の銅
パターンを光学顕微鏡によって観察したところ、スペー
ス部には銅は全く認められず、L/S=45/20(μ
m)の形状精度及び寸法精度の高い銅パターンが形成さ
れていることが確認された。また、隣接する銅配線の導
通を調べたところ、ショートの発生は全く認められなか
った。
【0086】[実施形態4]アルミナ絶縁性基板上にガ
ラス層を介して導体層が配設された構造を有する回路基
板の製造方法について説明する。
【0087】(イ)上記実施形態1で作製した感光性ワニ
スAに ガラス粉末として、SiO 2−PbO−B23
系ガラス粉末などを配合してなる下地層用組成物(すな
わち、上記実施形態2の感光性ガラスペーストCと同じ
組成のガラスペースト)Cを、アルミナ絶縁性基板上に
スピンコーターによって塗布し、これを100℃にて1
時間乾燥することにより、15μm厚の下地層を形成し
た。 (ロ)それから、この下地層上に、上記実施形態1で作製
した感光性ペースト(感光性銅ペースト)Bを、スピン
コーターによって塗布し、30μm厚の感光性ペースト
層を形成した。 (ハ)次いで、感光性ペースト層及び下地層に露光処理を
行った。ここでは、ライン/スペース(L/S)=50
/20(μm)のパターンが描画されたマスクを通し
て、高圧水銀灯の光線(UV光)を250mJ/cm2の露光
量で照射した。 (ニ)その後、炭酸ナトリウム水溶液による現像処理を行
った。得られたアルミナ絶縁性基板上のパターンを光学
顕微鏡により観察したところ、未露光部たるスペース部
には、下地層(感光性ガラスペーストC)の現像残渣が
いくらか残存していたが、上層である感光性ペースト層
(感光性銅ペースト)の現像残渣及びそれに由来する銅
粉末は全く認められず、L/S=50/20(μm)の
パターンが得られていることが確認された。 (ホ)そして、脱脂処理を施した後、900℃、N雰囲
気中で焼成して、L/S=45/25(μm)の銅パタ
ーンをアルミナ絶縁性基板上に形成した。
【0088】このアルミナ絶縁性基板(すなわち、アル
ミナ絶縁性基板上にガラス層を介して銅パターンが配設
された構造を有する回路基板)の銅パターンを光学顕微
鏡により観察したところ、スペース部にガラスは認めら
れたが、銅は全く認められなかった。また、隣接する銅
配線の導通を調べたところ、ショートの発生は全く認め
られなかった。
【0089】[比較例1]上記実施形態1で作製した感
光性銅ペーストBをアルミナ絶縁性基板上にスピンコー
ターによって塗布し、これを100℃にて1時間乾燥し
て、20μm厚の感光性ペースト層(塗膜)を形成し
た。次いで、上記実施形態1と同様の方法で、感光性ペ
ースト層に露光・現像処理を行った。
【0090】得られたアルミナ絶縁性基板上のパターン
を光学顕微鏡により観察したところ、L/S=50/2
0(μm)のパターンが得られていたが、未露光部であ
るスペース部には、感光性ペースト層を構成する感光性
銅ペーストBの現像残渣による銅粉末が若干認められ
た。
【0091】それから、上記実施形態1の場合と同様の
方法で焼成して、L/S=45/25(μm)の銅パタ
ーンをアルミナ絶縁性基板上に形成した。
【0092】しかし、得られた銅パターンを光学顕微鏡
により観察したところ、スペース部に若干の銅が認めら
れた。また、隣接する銅配線間の導通を調べたところ、
ショートが発生していることが確認された。
【0093】[比較例2]上記実施形態2で作製した感
光性ガラスペーストCをアルミナ絶縁性基板上にスピン
コーターによって塗布し、20μm厚の感光性ガラスペ
ースト層を形成した。次いで、実施形態2と同様の方法
で、露光・現像処理を行った。
【0094】得られたアルミナ絶縁性基板のバイアホー
ル部を光学顕微鏡により観察したところ、直径20μm
のバイアホールパターンが得られていたが、未露光部で
あるバイアホール部には、感光性ガラスペーストCの現
像残渣によるガラス粉末が認められた。それから、実施
形態2の場合と同様の方法で焼成して、直径30μmの
バイアホールパターンが形成されたアルミナ絶縁性基板
を得た。しかし、このアルミナ絶縁性基板のバイアホー
ルパターンを光学顕微鏡により観察したところ、バイア
ホール部に若干のガラスが認められた。
【0095】次いで、バイアホール部に導電ペーストを
充填後、実施形態2の場合と同様の方法で、アルミナ絶
縁性基板上に銅パターンを形成し、上下層の銅パターン
の導通を調べたところ、上下の銅パターンの導通不良が
発生していることが認められた。
【0096】[比較例3]実施形態1で作製した感光性
銅ペーストBを用い、比較例1と同様の方法で、L/S
=50/20(μm)のパターンを、ポリエチレンテレフ
タレート(PET)フィルム上に形成した。得られたPE
Tフィルム上のパターンを光学顕微鏡により観察したと
ころ、L/S=50/20(μm)のパターンが得られて
いたが、未露光部であるスペース部には、感光性銅ペー
ストBの現像残渣による銅粉末が若干認められた。
【0097】次いで、パターン付きPETフィルムを用
いて、実施形態3と同様の方法で銅パターンが内蔵され
た多層アルミナ基板を作製した。
【0098】得られた多層アルミナ基板を研磨し、内部
の銅パターンを光学顕微鏡によって観察したところ、L
/S=45/20(μm)の銅パターンが形成されていた
が、スペース部には若干の銅が認められた。また、隣接
する銅配線間の導通を調べたところ、ショートが発生し
ていることが確認された。
【0099】[回路基板(チップコイル)]次に、本願
発明のパターン形成方法によりパターンを形成する工程
を経て製造される回路基板の一例を示す。なお、ここで
は、回路基板としてチップコイルを例にとって、図3及
び図4を参照しつつ説明する。
【0100】このチップコイル21(図3)は、図4に
示すように、内部電極24a、24b、24c及び24
dがそれぞれ形成されたアルミナなどからなる絶縁体層
22a,22b、22c、22d及び22eが順次積層
された積層体(積層基板)22(図3)の側面に、外部
電極23a、23b(図3)が配設された構造を有して
いる。
【0101】すなわち、積層基板22の内部には、コイ
ルパターンを形成する内部電極24a、24b、24c
及び24dが、絶縁体層22a−絶縁体層22b間、絶
縁体層22b−絶縁体層22c間、絶縁体層22c−絶
縁体層22d間、絶縁体層22d−絶縁体層22e間に
それぞれ設けられており、絶縁体層22a−絶縁体層2
2b間に設けられる内部電極24aは外部電極23a
(図3)に、絶縁体層22d−絶縁体層22e間に設け
られる内部電極24dは外部電極23b(図3)にそれ
ぞれ接続されている。
【0102】さらに、絶縁体層22a−絶縁体層22b
間に設けられる内部電極24aは、絶縁体層22bに形
成されたビアホール(図示せず)を介して、絶縁体層2
2b−絶縁体層22c間に設けられた内部電極24bと
電気的に接続されており、同様に、内部電極24bと内
部電極24c、及び内部電極24cと内部電極24dと
が、それぞれ絶縁体層22c、22dに形成されたビア
ホール(図示せず)を介して電気的に接続されている。
【0103】図3に示すような構造を有する回路基板
(チップコイル)は、上述の本願発明のパターン形成方
法により、効率よく製造することができる。なお、本願
発明のパターン形成方法によれば、均一で高精度のパタ
ーン(導体パターンや絶縁パターンなど)を効率よく形
成することができることから、所望の特性を備えた回路
基板を効率よく製造することができる。
【0104】なお、本願発明のパターン形成方法は チ
ップコイルに限らず、チップコンデンサ、チップLCフ
ィルタなどの高周波回路用電子部品、あるいは、高周波
モジュール(例えば、VCO(Voltage Controlled Osc
illator)やPLL(Phase Locked Loop)など)のよう
な高周波回路基板などにも適用することが可能である。
【0105】[セラミック多層基板]次に、本願発明の
パターン形成方法を用いて形成されるセラミック多層基
板について図5を参照しつつ説明する。
【0106】図5に示すセラミック多層基板31は、絶
縁体層32a、32b、32c、32d、及び32e
と、誘電体層33a及び33bを積層してなる多層回路
基板である。また、セラミック多層基板31の内部に
は、内層導体パターン34a,34b,34cやビアホ
ール35によって、コンデンサパターン、コイルパター
ン、ストリップラインなどが形成されている。さらに、
セラミック多層基板31の一方主面上には、半導体IC
37、チップコンデンサなどのチップ部品38、厚膜抵
抗体39などが設けられており、表層導体パターン36
や内層導体パターン34a,34b,34cなどにそれ
ぞれ接続されている。
【0107】次に、このセラミック多層基板31の製造
方法について説明する。まず、本願発明のパターン形成
方法を実施して、所望のパターンが形成された絶縁体セ
ラミックグリーンシート及び誘電体セラミックグリーン
シートを作製する。
【0108】次いで、導体パターンやビアホールが形成
されたセラミックグリーンシートを積み重ね、圧着した
後、所定温度にて焼成する。さらに、同様に、感光性ペ
ースト法により本願発明のパターン形成方法を実施し
て、表層導体パターン36を形成した後、チップ部品3
8、半導体IC37を搭載し、厚膜抵抗体39を印刷す
る。これにより、図5に示すような構造を有するセラミ
ック多層基板31を効率よく製造することができる。
【0109】上述のように、内層導体パターン34a,
34b,34cや表層導体パターン36を本願発明のパ
ターン形成方法を用いて形成することにより、均一かつ
微細なパターンを備えた信頼性の高いセラミック多層基
板を効率よく製造することができる。
【0110】なお、セラミック多層基板は、チップコン
デンサ、チップLCフィルタなどの高周波回路用電子部
品に限らず、高周波モジュール(例えば、VCO(Volt
ageControlled Oscillator)やPLL(Phase Locked L
oop)など)のような高周波回路基板にも適用すること
が可能である。
【0111】
【発明の効果】上述のように、本願発明(請求項1)の
パターン形成方法は、感光性ペースト層の現像液により
現像可能な下地層用組成物を支持基体上に塗布し、その
上に、無機粉末と感光性有機成分を含有する感光性ペー
ストを塗布した後、少なくとも感光性ペースト層への露
光を行った後、感光性ペースト層及び下地層の全体を現
像するようにしているので、現像工程の途中の段階で、
上層である感光性ペースト層の一部が現像残渣として残
ることがあったとしても、下地層が現像除去される際
に、現像残渣として残る感光性ペースト層が下地層とと
もに除去されることになる。したがって、上層である感
光性ペースト層の不要部分を確実に除去して、高精度の
パターニングを行うことが可能になり、微細な配線やバ
イアホール用孔を確実に形成することが可能になる。
【0112】また、請求項2のパターン形成方法におい
ては、現像後の感光性ペースト層及び下地層からなるパ
ターンが焼成されることにより、支持基体上に所定のパ
ターン(焼成パターン)が形成されるとともに、露光・
現像工程を経た後に残る下地層は、焼成工程で焼失し
て、感光性ペースト層が焼成されることにより形成され
るパターンに実質的に影響を与えることがなく、あるい
は、焼成工程を経た後に下地層の焼成残存物が生じる場
合にも、該焼成残存物が、感光性ペースト層が焼成され
ることにより形成されるパターンに実質的に影響を与え
ることがないので、効率よく、微細で高精度のパターニ
ングを行うことが可能で、本願発明をより実効あらしめ
ることができる。
【0113】また、本願発明は、請求項3のように、下
地層用組成物として、有機化合物のみから構成されたも
のを用いるようにした場合、下地層の現像残渣が残った
としても、後の焼成工程で、下地層が燃焼、除去される
ため、最終的に形成されるパターンへの影響をなくする
ことが可能になる。
【0114】また、本願発明のパターン形成方法は、請
求項4のように、感光性ペースト中の無機粉末が、導電
性金属粉末を含有するものである場合、すなわち、感光
性ペーストが感光性導電ペーストである場合に、好適に
適用することが可能である。
【0115】本願発明のパターン形成方法は、請求項5
のように、感光性ペースト中の無機粉末が、ガラス粉末
及び/又はセラミック粉末を含有するものである場合、
すなわち、感光性ペーストが感光性ガラスペーストや感
光性セラミックペーストのような感光性絶縁ペーストで
あるような場合にも好適に適用することが可能である。
【0116】また、請求項6のパターン形成方法のよう
に、感光性ペースト中の無機粉末として、導電性金属粉
末を含有するものを用い、かつ、下地層用組成物とし
て、ガラス粉末及び/又はセラミック粉末を含有するも
のを用いた場合、現像後の感光性ペースト層及び下地層
からなるパターンが焼成されることにより、支持基体上
に所定の導体パターンが形成されるとともに、焼成工程
を経た後に残る下地層の焼成残存物が、絶縁物たるガラ
ス及び/又はセラミックよりなるものであるため、微細
かつ高精度で、しかもパターン間にショートの発生して
いない導体パターンを効率よく形成することが可能にな
る。
【0117】また、請求項7のパターン形成方法のよう
に、下地層用組成物が、アルカリ可溶なポリマーを含有
するものである場合、アルカリ水溶液による現像が可能
になり、上層となる感光性ペースト層として、アルカリ
水溶液で現像することが可能なものを選択して用いるこ
とにより、感光性ペーストと下地層用組成物を同じアル
カリ水溶液により現像することが可能になり、効率よ
く、微細で高精度のパターニングを行うことが可能にな
るとともに、有機溶剤系の現像液を用いることを不要に
して、環境への負担を軽減することが可能になる。
【0118】また、請求項8のパターン形成方法のよう
に、下地層用組成物として、側鎖にカルボキシル基を有
するアクリル系共重合体を含有するものを用いるように
した場合、アルカリ水溶液などの水系現像液によって現
像することが可能な下地層用組成物を得ることが可能に
なり、本願発明をさらに実効あらしめることができる。
【0119】また、請求項9のパターン形成方法のよう
に、下地層用組成物として、感光性有機成分を含有して
感光性を有するものを用いるようにした場合、いわゆる
フォトリソグラフィー法により、感光性ペーストととも
に露光、現像を行い、効率よく高精度のパターニングを
行って、微細な配線やバイアホール用孔を確実に形成す
ることが可能になる。
【0120】また、請求項10のパターン形成方法のよ
うに、下地層用組成物として、ポリマー、モノマーもし
くはオリゴマー、及び光重合開始剤からなる感光性有機
成分を含有するものを用いるようにした場合、いわゆる
フォトリソグラフィー法により、感光性ペーストととも
に露光、現像を行い、効率よく微細で高精度のパターニ
ングを行うことが可能になる。
【0121】また、請求項11のパターン形成方法のよ
うに、下地層用組成物として、感光性有機成分を含有し
て感光性を有するものを用い、かつ、感光性ペースト塗
布工程において、未露光の下地層上に感光性ペーストを
塗布するようにした場合、その後に、下地層と感光性ペ
ースト層を一括して露光、現像することが可能になり、
効率よく微細で高精度のパターニングを行うことが可能
になる。
【0122】また、請求項12のパターン形成方法のよ
うに、感光性ペーストとして、ポリマー、モノマーもし
くはオリゴマー、及び光重合開始剤からなる感光性有機
成分を含有するものを用いるようにした場合、いわゆる
フォトリソグラフィー法により、感光性ペーストととも
に露光、現像を行い、効率よく微細で高精度のパターニ
ングを行うことが可能になり、微細な配線やバイアホー
ル用孔を確実に形成することができるようになる。
【0123】また、請求項13のパターン形成方法のよ
うに、感光性ペーストが、アルカリ可溶なポリマーを含
有するものである場合、アルカリ水溶液による現像が可
能になり、有機溶剤系の現像液を用いることが不要にな
るとともに、下地層用組成物として、アルカリ性の現像
液で現像することが可能なものを選択して用いることに
より、感光性ペーストと下地層用組成物を同じアルカリ
性の現像液により現像して、効率よく、微細で高精度の
パターニングを行うことが可能になる。
【0124】また、請求項14のパターン形成方法のよ
うに、側鎖にカルボキシル基を有するアクリル系共重合
体を含有する感光性ペーストを用いた場合、アルカリ水
溶液などの水系現像液によって現像することが可能な感
光性ペーストを得ることが可能になり、本願発明をさら
に実効あらしめることができる。
【0125】また、請求項15のパターン形成方法のよ
うに、感光性ペーストの現像液として、アルカリ水溶液
を用いるようにした場合、有機溶剤系の現像液を用いる
場合に比べて、環境への負荷を低減することが可能にな
る。
【0126】また、本願発明のパターン形成方法によれ
ば、請求項16のように、支持基体が、絶縁性基板であ
る場合に、効率よく支持基体上にパターンを形成するこ
とが可能である。
【0127】本願発明のパターン形成方法によれば、請
求項17のように、支持基体が、有機バインダと、セラ
ミック粉末及び/又はガラス粉末を含有するセラミック
グリーンシートである場合にも効率よく支持基体上にパ
ターンを形成することができる。
【0128】また、請求項18のパターン形成方法のよ
うに、支持基体として、柔軟性を有する材料からなる支
持体を用い、その上にパターンを形成することにより、
該支持体上からパターンを所定の対象(例えばセラミッ
クグリーンシートなど)に転写して、所定の対象に効率
よくパターンを形成することが可能になる。
【0129】また、本願発明(請求項19)の回路基板
の製造方法は、請求項1〜18のいずれかに記載のパタ
ーン形成方法によりパターンを形成するようにしている
ので、効率よく回路基板を製造することが可能になる。
【0130】また、本願発明(請求項20)のセラミッ
ク多層基板の製造方法は、請求項1〜18のいずれかに
記載のパターン形成方法によりパターンを形成するよう
にしているので、セラミック多層基板を効率よく製造す
ることが可能になる。
【0131】また、本願発明(請求項21)のセラミッ
ク多層基板の製造方法は、請求項17に記載のパターン
形成方法によりパターンが形成されたセラミックグリー
ンシートを積層して積層体を形成した後、この積層体を
焼成するようにしているので、セラミック多層基板を効
率よく製造することが可能になる。
【0132】また、本願発明(請求項22)のセラミッ
ク多層基板の製造方法は、請求項18に記載のパターン
形成方法により、柔軟性を有する材料からなる支持体上
にパターンを形成した後、支持体上からセラミックグリ
ーンシート上にパターンを転写し、パターンが転写され
たセラミックグリーンシートを積層して積層体を形成し
た後、この積層体を焼成するようにしているので、セラ
ミック多層基板を効率よく製造することが可能になる。
【0133】また、本願発明(請求項23)の回路基板
は、請求項19記載の方法により製造されているので、
形状精度及び寸法精度の高いパターンを備えており、高
性能の回路基板を提供することが可能になる。
【0134】また、本願発明(請求項24)のセラミッ
ク多層基板は、請求項20〜22記載の方法により製造
されているので、形状精度及び寸法精度の高いパターン
を備えており、高性能のセラミック多層基板を提供する
ことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は、本願発明の一実施形態(実施形
態1)にかかるパターン形成方法を示す図である。
【図2】(a)〜(e)は、本願発明の他の実施形態(実施
形態2)にかかるパターン形成方法を示す図である。
【図3】本願発明の一実施形態にかかる回路基板(チッ
プコイル)を示す概略図である。
【図4】本願発明の一実施形態にかかる回路基板(チッ
プコイル)の構成を示す分解斜視図である。
【図5】本願発明の一実施形態にかかるセラミック多層
基板を示す概略断面図である。
【図6】従来のフォトリソグラフィー法によるパターン
形成方法の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 アルミナ絶縁性基板 2 下地層 2a 下地層の現像残渣 3 感光性ペースト層 5 フォトマスク 6 パターン(未焼成のパターン) 7 スペース部 8 銅パターン 10 銅パターン 11 アルミナ絶縁性基板 12 下地層 13 感光性ガラスペースト層 15 フォトマスク 16 パターン(未焼成のパターン) 17 バイアホール部(未露光部) 17a バイアホールパターン(焼成後のバイア
ホール部) 17b 導体 18 ガラス層 19 銅パターン 21 チップコイル 22 積層体(積層基板) 22a,22b、22c、22d,22e 絶縁体層 23a、23b 外部電極 24a、24b、24c,24d 内部電極 31 セラミック多層基板 32a、32b、32c、32d、32e 絶縁体層 33a,33b 誘電体層 34a,34b,34c 内層導体パターン 35 ビアホール 36 表層導体パターン 37 半導体IC 38 チップ部品 39 厚膜抵抗体

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持基体上に下地層用組成物を塗布するこ
    とにより、支持基体の表面に下地層を形成する下地層形
    成工程と、 前記下地層上に、無機粉末と感光性有機成分を含有する
    感光性ペーストを塗布することにより、前記下地層上に
    感光性ペースト層を形成する感光性ペースト層形成工程
    と、 少なくとも前記感光性ペースト層への露光を行った後、
    前記感光性ペースト層及び下地層を現像する露光・現像
    工程とを備えたパターン形成方法であって、 前記下地層用組成物として、前記感光性ペースト層を現
    像するための現像液により現像することが可能なものを
    用いることを特徴とするパターン形成方法。
  2. 【請求項2】現像後の感光性ペースト層及び下地層から
    なるパターンを焼成して、支持基体上に所定のパターン
    を形成する工程をさらに備えているとともに、 露光・現像工程を経た後に残る下地層が焼成工程で焼失
    して、感光性ペースト層が焼成されることにより形成さ
    れるパターンに実質的に影響を与えないか、もしくは、
    焼成工程を経た後に下地層の焼成残存物が生じる場合に
    も、該焼成残存物が、感光性ペースト層が焼成されるこ
    とにより形成されるパターンに実質的に影響を与えない
    ように構成されていることを特徴とする請求項1記載の
    パターン形成方法。
  3. 【請求項3】前記下地層用組成物が、有機化合物のみか
    ら構成されたものであることを特徴とする請求項1又は
    2記載のパターン形成方法。
  4. 【請求項4】前記感光性ペースト中の無機粉末が、導電
    性金属粉末を含有するものであることを特徴とする請求
    項1〜3のいずれかに記載のパターン形成方法。
  5. 【請求項5】前記感光性ペースト中の無機粉末が、ガラ
    ス粉末及び/又はセラミック粉末を含有するものである
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のパタ
    ーン形成方法。
  6. 【請求項6】(a)前記感光性ペースト中の無機粉末が、
    導電性金属粉末を含有するものであり、かつ、 (b)前記下地層用組成物が、ガラス粉末及び/又はセラ
    ミック粉末を含有するものであることを特徴とする請求
    項1〜5のいずれかに記載のパターン形成方法。
  7. 【請求項7】前記下地層用組成物が、アルカリ可溶なポ
    リマーを含有するものであることを特徴とする請求項1
    〜6のいずれかに記載のパターン形成方法。
  8. 【請求項8】前記下地層用組成物が、側鎖にカルボキシ
    ル基を有するアクリル系共重合体を含有するものである
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のパタ
    ーン形成方法。
  9. 【請求項9】前記下地層用組成物が、感光性有機成分を
    含有して感光性を有するものであることを特徴とする請
    求項1〜8のいずれかに記載のパターン形成方法。
  10. 【請求項10】前記下地層用組成物が、ポリマー、モノ
    マーもしくはオリゴマー、及び光重合開始剤からなる感
    光性有機成分を含有するものであることを特徴とする請
    求項1〜9のいずれかに記載のパターン形成方法。
  11. 【請求項11】前記下地層用組成物が、感光性有機成分
    を含有して感光性を有するものであり、かつ、前記感光
    性ペースト塗布工程において、未露光の下地層上に感光
    性ペーストを塗布することを特徴とする請求項1〜10
    のいずれかに記載のパターン形成方法。
  12. 【請求項12】前記感光性ペーストが、ポリマー、モノ
    マーもしくはオリゴマー、及び光重合開始剤からなる感
    光性有機成分を含有するものであることを特徴とする請
    求項1〜11のいずれかに記載のパターン形成方法。
  13. 【請求項13】前記感光性ペーストが、アルカリ可溶な
    ポリマーを含有するものであることを特徴とする請求項
    1〜12のいずれかに記載のパターン形成方法。
  14. 【請求項14】前記感光性ペーストが、側鎖にカルボキ
    シル基を有するアクリル系共重合体を含有するものであ
    ることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の
    パターン形成方法。
  15. 【請求項15】前記感光性ペーストの現像液が、アルカ
    リ水溶液であることを特徴とする請求項1〜14のいず
    れかに記載のパターン形成方法。
  16. 【請求項16】前記支持基体が、絶縁性基板であること
    を特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載のパター
    ン形成方法。
  17. 【請求項17】前記支持基体が、有機バインダと、セラ
    ミック粉末及び/又はガラス粉末を含有するセラミック
    グリーンシートであることを特徴とする請求項1〜15
    に記載のパターン形成方法。
  18. 【請求項18】前記支持基体が、柔軟性を有する材料か
    らなる支持体であることを特徴とする請求項1〜15の
    いずれかに記載のパターン形成方法。
  19. 【請求項19】請求項1〜18のいずれかに記載のパタ
    ーン形成方法によりパターンを形成する工程を含むこと
    を特徴とする回路基板の製造方法。
  20. 【請求項20】請求項1〜18のいずれかに記載のパタ
    ーン形成方法によりパターンを形成する工程を含むこと
    を特徴とするセラミック多層基板の製造方法。
  21. 【請求項21】有機バインダと、セラミック粉末及び/
    又はガラス粉末を含有するセラミックグリーンシートを
    支持基体とし、該セラミックグリーンシート上に請求項
    17に記載のパターン形成方法により、パターンを形成
    する工程と、 前記セラミックグリーンシートを積層して積層体を形成
    する工程と、 前記積層体を焼成する工程とを具備することを特徴とす
    るセラミック多層基板の製造方法。
  22. 【請求項22】請求項18に記載のパターン形成方法に
    より、前記柔軟性を有する材料からなる支持体上にパタ
    ーンを形成する工程と、 前記柔軟性を有する材料からなる支持体上に形成された
    前記パターンを、セラミックグリーンシート上に転写す
    る工程と、 前記パターンが転写されたセラミックグリーンシートを
    積層して積層体を形成する工程と、 前記積層体を焼成する工程とを具備することを特徴とす
    るセラミック多層基板の製造方法。
  23. 【請求項23】請求項19記載の回路基板の製造方法に
    より製造されたものであることを特徴とする回路基板。
  24. 【請求項24】請求項20〜22のいずれかに記載のセ
    ラミック多層基板の製造方法により製造されたものであ
    ることを特徴とするセラミック多層基板。
JP2001242086A 2001-08-09 2001-08-09 パターン形成方法、それを用いた回路基板及びセラミック多層基板の製造方法 Withdrawn JP2003057829A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001242086A JP2003057829A (ja) 2001-08-09 2001-08-09 パターン形成方法、それを用いた回路基板及びセラミック多層基板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001242086A JP2003057829A (ja) 2001-08-09 2001-08-09 パターン形成方法、それを用いた回路基板及びセラミック多層基板の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003057829A true JP2003057829A (ja) 2003-02-28

Family

ID=19072423

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001242086A Withdrawn JP2003057829A (ja) 2001-08-09 2001-08-09 パターン形成方法、それを用いた回路基板及びセラミック多層基板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003057829A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006009051A1 (ja) * 2004-07-22 2006-01-26 Toray Industries, Inc. 感光性ペーストおよびディスプレイパネル用部材の製造方法
CN100431397C (zh) * 2004-03-03 2008-11-05 Tdk株式会社 陶瓷生片的制造方法和多层陶瓷电子部件制造方法
JP2009076233A (ja) * 2007-09-19 2009-04-09 Toray Ind Inc パターン形成方法およびそれを用いた回路材料の製造方法
WO2018173446A1 (ja) * 2017-03-22 2018-09-27 Jsr株式会社 パターン形成方法
WO2018179704A1 (ja) * 2017-03-27 2018-10-04 Jsr株式会社 パターン形成方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100431397C (zh) * 2004-03-03 2008-11-05 Tdk株式会社 陶瓷生片的制造方法和多层陶瓷电子部件制造方法
WO2006009051A1 (ja) * 2004-07-22 2006-01-26 Toray Industries, Inc. 感光性ペーストおよびディスプレイパネル用部材の製造方法
US7776507B2 (en) 2004-07-22 2010-08-17 Toray Industries, Inc. Photosensitive paste and manufacturing method of member for display panel
JP4760709B2 (ja) * 2004-07-22 2011-08-31 東レ株式会社 感光性ペーストおよびディスプレイパネル用部材の製造方法
JP2009076233A (ja) * 2007-09-19 2009-04-09 Toray Ind Inc パターン形成方法およびそれを用いた回路材料の製造方法
WO2018173446A1 (ja) * 2017-03-22 2018-09-27 Jsr株式会社 パターン形成方法
WO2018179704A1 (ja) * 2017-03-27 2018-10-04 Jsr株式会社 パターン形成方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3614152B2 (ja) 感光性導電ペースト、それを用いた回路基板及びセラミック多層基板の製造方法
JP3674501B2 (ja) 感光性銅ペースト、銅パターンの形成方法、及びセラミック多層基板の製造方法
KR100527805B1 (ko) 후막 회로 패턴화 방법
JP3726627B2 (ja) 感光性導体ペーストならびに電子部品、電子装置
JP2003335808A (ja) 光反応性樹脂組成物、それを用いた回路基板およびセラミック多層基板の製造方法
JP2000284472A (ja) 感光性絶縁体ペースト及び厚膜多層回路基板
JP2003057829A (ja) パターン形成方法、それを用いた回路基板及びセラミック多層基板の製造方法
JP2000243137A (ja) 感光性絶縁体ペースト及び厚膜多層回路基板
JP7113779B2 (ja) 感光性組成物とその利用
JP4701520B2 (ja) 電子回路部品製造用水現像性感光性ペースト、ならびにそれを用いた電子回路部品における機能材料膜の形成方法、および多層セラミック基板の製造方法
JP2001092118A (ja) 感光性ペーストおよび電子部品
KR100607568B1 (ko) 이종 유전체를 이용한 다층기판 제조방법
JP4211782B2 (ja) 厚膜パターンの形成方法、電子部品の製造方法
JP4360608B2 (ja) 複合シートの製造方法、並びに積層部品の製造方法
JP4072046B2 (ja) 複合シートの製造方法および積層部品の製造方法
JP2004245950A (ja) 光反応性樹脂組成物、回路基板の製造方法、およびセラミック多層基板の製造方法
JP4639411B2 (ja) ペースト組成物、電子部品およびセラミックグリーンシート、ならびに多層セラミック基板の製造方法
JP3726626B2 (ja) 感光性厚膜組成物ならびに電子部品、電子装置
JP2004296543A (ja) 複合シートの製造方法、並びに積層部品の製造方法
JP4538946B2 (ja) 感光性セラミックス組成物
WO2022191054A1 (ja) 感光性組成物とその利用
JP4138740B2 (ja) セラミックグリーンシートの製造方法及びセラミック電子部品の製造方法
JP4293549B2 (ja) セラミックグリーンシートの製造方法及びセラミック電子部品の製造方法
JP2002287375A (ja) 厚膜パターンの形成方法及びそれに用いられる感光性ペースト
JP2000101236A (ja) セラミック多層基板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20081104