JP2003047412A - 紙缶への流動性食品の充填方法 - Google Patents
紙缶への流動性食品の充填方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 比較的流動性が小さい流動性食品を紙缶に高
速充填するときに、上蓋の飲み口から充填物がはみ出し
たり飛び出したりすることがなく、円滑にかつ高品質に
充填することができる紙缶への流動性食品の充填方法を
提供すること。 【解決手段】 上蓋に飲み口を有する紙缶に比較的流動
性が小さい流動性食品を充填するに際し、滅菌処理され
た缶内を還元性雰囲気とし、缶内のヘッドスペース高さ
を13mm以上残すように前記飲み口より二回ないし数
回に分けて流動性食品を充填し、前記ヘッドスペース内
を還元性ガスに置換して前記飲み口を封じることを特徴
としている。
速充填するときに、上蓋の飲み口から充填物がはみ出し
たり飛び出したりすることがなく、円滑にかつ高品質に
充填することができる紙缶への流動性食品の充填方法を
提供すること。 【解決手段】 上蓋に飲み口を有する紙缶に比較的流動
性が小さい流動性食品を充填するに際し、滅菌処理され
た缶内を還元性雰囲気とし、缶内のヘッドスペース高さ
を13mm以上残すように前記飲み口より二回ないし数
回に分けて流動性食品を充填し、前記ヘッドスペース内
を還元性ガスに置換して前記飲み口を封じることを特徴
としている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、比較的流動性が小
さい流動食品を紙缶に充填する紙缶への流動性食品の充
填方法に関するものである。
さい流動食品を紙缶に充填する紙缶への流動性食品の充
填方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】紙缶は、板紙の一面に、セラミックをポ
リエチレンフィルム等の間にサンドイッチ状に蒸着した
薄いバリア層を形成した材料が使用され、円筒胴部の底
部を底蓋で塞ぐとともに、上部を飲み口を有する上蓋で
塞いでいる。茶,コーヒー飲料,清涼飲料,果実飲料等
の比較的流動性が大きい飲料を充填する際は、滅菌処理
された缶に滅菌処理された飲料を還元性雰囲気下で充填
し、上蓋に形成されている飲み口から充填した後、飲み
口をタブシート(シール材)で封じる。金属缶へ飲料を
充填する場合は、上部が開いた缶を洗浄した後に飲料を
充填し、充填後上部を上蓋により封じ、その後充填済の
缶ごとを洗浄し加熱滅菌するのであるが、紙缶の場合に
は缶ごと洗浄したり加熱滅菌することができないので、
缶と充填される飲料は事前に別々に滅菌処理され、その
後無菌環境下で充填が行われる。
リエチレンフィルム等の間にサンドイッチ状に蒸着した
薄いバリア層を形成した材料が使用され、円筒胴部の底
部を底蓋で塞ぐとともに、上部を飲み口を有する上蓋で
塞いでいる。茶,コーヒー飲料,清涼飲料,果実飲料等
の比較的流動性が大きい飲料を充填する際は、滅菌処理
された缶に滅菌処理された飲料を還元性雰囲気下で充填
し、上蓋に形成されている飲み口から充填した後、飲み
口をタブシート(シール材)で封じる。金属缶へ飲料を
充填する場合は、上部が開いた缶を洗浄した後に飲料を
充填し、充填後上部を上蓋により封じ、その後充填済の
缶ごとを洗浄し加熱滅菌するのであるが、紙缶の場合に
は缶ごと洗浄したり加熱滅菌することができないので、
缶と充填される飲料は事前に別々に滅菌処理され、その
後無菌環境下で充填が行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述のように比較的流
動性が大きい飲料を紙缶に充填する場合は、比較的円滑
に充填することができるし、その後の取り扱いにもほと
んど支障がない。しかし、例えば院内食に用いられる高
栄養流動食のように、カゼイン等のタンパク質を多く含
む比較的流動性が小さい流動性食品を対象とし、飲用者
が健康な人でない場合には、充填および充填後の取り扱
いに種々の問題が生じる。第1に、カゼイン等のタンパ
ク質を多く含む低流動性の食品は、高速充填時に泡立ち
が発生するほか、比較的比重が大きく飛び散ることがあ
り、一旦缶内に注入された飲物が上蓋の飲み口(充填時
は充填口になる)から上蓋の上面にはみ出し、あるいは
飛び出して当該上面に付着することが少なくない。紙缶
は、金属缶のように充填後の洗浄に適さないので、この
ような場合は包装不良として廃棄処分される。第2に、
この種の低流動性の食品は、缶に充填した後に高比重部
分と低比重部分とに分離することが多く、飲用時には缶
を十分に振って内容物をよく攪拌してから飲用する必要
があるが、特に体の自由度が十分でない患者等が使用す
る場合には、十分に内容物を攪拌することができないこ
とが少なくない。第3に、飲用に当たってタブ材を剥が
して飲み口を開けた際、缶が上下方向に動くと内容物の
雫が飲み口から飛び出すこともある。
動性が大きい飲料を紙缶に充填する場合は、比較的円滑
に充填することができるし、その後の取り扱いにもほと
んど支障がない。しかし、例えば院内食に用いられる高
栄養流動食のように、カゼイン等のタンパク質を多く含
む比較的流動性が小さい流動性食品を対象とし、飲用者
が健康な人でない場合には、充填および充填後の取り扱
いに種々の問題が生じる。第1に、カゼイン等のタンパ
ク質を多く含む低流動性の食品は、高速充填時に泡立ち
が発生するほか、比較的比重が大きく飛び散ることがあ
り、一旦缶内に注入された飲物が上蓋の飲み口(充填時
は充填口になる)から上蓋の上面にはみ出し、あるいは
飛び出して当該上面に付着することが少なくない。紙缶
は、金属缶のように充填後の洗浄に適さないので、この
ような場合は包装不良として廃棄処分される。第2に、
この種の低流動性の食品は、缶に充填した後に高比重部
分と低比重部分とに分離することが多く、飲用時には缶
を十分に振って内容物をよく攪拌してから飲用する必要
があるが、特に体の自由度が十分でない患者等が使用す
る場合には、十分に内容物を攪拌することができないこ
とが少なくない。第3に、飲用に当たってタブ材を剥が
して飲み口を開けた際、缶が上下方向に動くと内容物の
雫が飲み口から飛び出すこともある。
【0004】本発明の目的は、比較的流動性が小さい流
動性食品を紙缶に高速で充填するときに、上蓋の飲み口
から充填物がはみ出したり飛び出したりすることがな
く、円滑にかつ高品質に充填することができる紙缶への
流動性食品の充填方法を提供することにある。本発明の
他の目的は、飲用時に缶を振って内容物を攪拌する際、
より能率よく攪拌することができる紙缶への流動性食品
の充填方法を提供することにある。本発明のさらに他の
目的は、飲用時に上蓋の飲み口を封じているタブシート
を剥がしたとき、缶が上下方向に動いても内容物が容易
に飛び散らない紙缶への流動性食品の充填方法を提供す
ることにある。
動性食品を紙缶に高速で充填するときに、上蓋の飲み口
から充填物がはみ出したり飛び出したりすることがな
く、円滑にかつ高品質に充填することができる紙缶への
流動性食品の充填方法を提供することにある。本発明の
他の目的は、飲用時に缶を振って内容物を攪拌する際、
より能率よく攪拌することができる紙缶への流動性食品
の充填方法を提供することにある。本発明のさらに他の
目的は、飲用時に上蓋の飲み口を封じているタブシート
を剥がしたとき、缶が上下方向に動いても内容物が容易
に飛び散らない紙缶への流動性食品の充填方法を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る紙缶への流
動性食品の充填方法によれば、前述の課題を達成するた
め、上蓋に飲み口を有する紙缶に比較的流動性が小さい
流動性食品を充填するに際し、滅菌処理された缶内を還
元性雰囲気とし、缶内のヘッドスペース高さを13mm
以上残すように前記飲み口より二回ないし数回に分けて
流動性食品を充填し、前記ヘッドスペース内を還元性ガ
スに置換して前記飲み口を封じることを特徴としてい
る。
動性食品の充填方法によれば、前述の課題を達成するた
め、上蓋に飲み口を有する紙缶に比較的流動性が小さい
流動性食品を充填するに際し、滅菌処理された缶内を還
元性雰囲気とし、缶内のヘッドスペース高さを13mm
以上残すように前記飲み口より二回ないし数回に分けて
流動性食品を充填し、前記ヘッドスペース内を還元性ガ
スに置換して前記飲み口を封じることを特徴としてい
る。
【0006】
【発明の実施の形態】図面を参照しながら、本発明に係
る紙缶への流動性食品の充填方法の好ましい実施形態を
説明する。図1は本発明に係る一実施形態の流動性食品
の充填方法を説明するための断面図、図2は紙缶の円筒
胴部のエッジ接合部を拡大して示した部分拡大平断面
図、図3は紙缶の主要材料の部分拡大断面図、図4は紙
缶のタブシートの部分拡大断面図、図5は円筒胴部のエ
ッジ接合を行うプロテクトテープの部分拡大断面図であ
る。
る紙缶への流動性食品の充填方法の好ましい実施形態を
説明する。図1は本発明に係る一実施形態の流動性食品
の充填方法を説明するための断面図、図2は紙缶の円筒
胴部のエッジ接合部を拡大して示した部分拡大平断面
図、図3は紙缶の主要材料の部分拡大断面図、図4は紙
缶のタブシートの部分拡大断面図、図5は円筒胴部のエ
ッジ接合を行うプロテクトテープの部分拡大断面図であ
る。
【0007】紙缶1は、円筒胴部10とその上下の部分
を塞ぐ上蓋11と底蓋12とから構成され、上蓋11に
は中央部よりも周方向へ偏った位置に飲み口11aが形
成されている。この飲み口11aは、缶1内に流動性食
品2を充填した後タブシート(シール材)13により封
止される。円筒胴部10のサイドエッジは、図2のよう
にガスバリヤ性のあるプロテクトテープ10aを介して
ヒートシールされている。
を塞ぐ上蓋11と底蓋12とから構成され、上蓋11に
は中央部よりも周方向へ偏った位置に飲み口11aが形
成されている。この飲み口11aは、缶1内に流動性食
品2を充填した後タブシート(シール材)13により封
止される。円筒胴部10のサイドエッジは、図2のよう
にガスバリヤ性のあるプロテクトテープ10aを介して
ヒートシールされている。
【0008】紙缶1の円筒胴部10,上蓋11及び底蓋
12の材質は、図3で拡大して示すような積層シートで
ある。aは板紙であり、この板紙aの一面(缶の面側)
には、セラミック蒸着フィルムからなるバリヤ層b1を
PEフィルムb2,b2でサンドイッチ状に挟んだ状態
の多層フィルムbを積層し、板紙aの他の面に定着され
た印刷層cの上にPEフィルム等からなる被覆層dを積
層している。例えば、円筒胴部10の厚みは0.5m
m、上蓋11の厚みは0.6mm、底蓋12の厚みは
0.4mmである。
12の材質は、図3で拡大して示すような積層シートで
ある。aは板紙であり、この板紙aの一面(缶の面側)
には、セラミック蒸着フィルムからなるバリヤ層b1を
PEフィルムb2,b2でサンドイッチ状に挟んだ状態
の多層フィルムbを積層し、板紙aの他の面に定着され
た印刷層cの上にPEフィルム等からなる被覆層dを積
層している。例えば、円筒胴部10の厚みは0.5m
m、上蓋11の厚みは0.6mm、底蓋12の厚みは
0.4mmである。
【0009】タブシート13の材質は図4で拡大して示
すような積層シートであり、この積層シートは、薄い板
紙aの一面に図3と同様な構成の多層フィルムbを積層
し、板紙aの他の面に定着された印刷層cの上にPET
フィルム等からなる被覆層d’を積層したものである。
プロテクトテープ10aの材質は図5で拡大して示すよ
うな積層シートであり、この積層シートは、PET等の
基材フィルムb3にセラミックからなるバリヤ層b1を
蒸着した多層フィルムb’の両面に、PEフィルム等の
被覆層dを積層したものである。
すような積層シートであり、この積層シートは、薄い板
紙aの一面に図3と同様な構成の多層フィルムbを積層
し、板紙aの他の面に定着された印刷層cの上にPET
フィルム等からなる被覆層d’を積層したものである。
プロテクトテープ10aの材質は図5で拡大して示すよ
うな積層シートであり、この積層シートは、PET等の
基材フィルムb3にセラミックからなるバリヤ層b1を
蒸着した多層フィルムb’の両面に、PEフィルム等の
被覆層dを積層したものである。
【0010】包装ラインにおいては、コイル状に巻かれ
た積層シートが繰り出されて順に必要形状にカットさ
れ、その片側のサイドエッジに図2のようにプロテクト
テープ10aが被せられ、プロテクトテープ10aが被
せられた側のサイドエッジが内側になるように筒状に丸
められ、両サイドエッジを重ねてヒートシールすること
により円筒胴部10が成形される。次いで、必要形状に
カットされた上蓋11を円筒胴部10の片端部に挿入し
つつこれをトレイ状に成形するとともに、ヒートシール
し、上蓋11の直立する側壁を包むように、円筒胴部1
0の袖端を内側にカール成形しつつヒートシールするこ
とにより、円筒同部10の片端に上蓋11を取り付け
る。さらに、底蓋12が同様な要領で円筒胴部10の他
の端部に取り付けられる。紙缶1の内部高さDは、後に
流動性食品2を例えば200ml充填したとき、ヘッド
スペースHSが高さd=13mm以上、好ましくは14
mm以上余るように設計されている。
た積層シートが繰り出されて順に必要形状にカットさ
れ、その片側のサイドエッジに図2のようにプロテクト
テープ10aが被せられ、プロテクトテープ10aが被
せられた側のサイドエッジが内側になるように筒状に丸
められ、両サイドエッジを重ねてヒートシールすること
により円筒胴部10が成形される。次いで、必要形状に
カットされた上蓋11を円筒胴部10の片端部に挿入し
つつこれをトレイ状に成形するとともに、ヒートシール
し、上蓋11の直立する側壁を包むように、円筒胴部1
0の袖端を内側にカール成形しつつヒートシールするこ
とにより、円筒同部10の片端に上蓋11を取り付け
る。さらに、底蓋12が同様な要領で円筒胴部10の他
の端部に取り付けられる。紙缶1の内部高さDは、後に
流動性食品2を例えば200ml充填したとき、ヘッド
スペースHSが高さd=13mm以上、好ましくは14
mm以上余るように設計されている。
【0011】以上のように形成された紙缶1は、ライン
上を搬送されながら飲み口11aが一定方向に位置する
ように起立した一定姿勢に保たれ、図示しない無菌チャ
ンバー内に送られ、複数の列(三列)状に整列された状
態でさらに当該チャンバー内を間欠的に搬送され、この
搬送過程で各列毎に順次以下のように処理される。先
ず、飲み口11aから紙缶1内へ噴霧ノズルを臨ませ、
過酸化水素ガスを噴霧して滅菌処理した後、数次にわた
り紙缶1内を熱風乾燥させる。
上を搬送されながら飲み口11aが一定方向に位置する
ように起立した一定姿勢に保たれ、図示しない無菌チャ
ンバー内に送られ、複数の列(三列)状に整列された状
態でさらに当該チャンバー内を間欠的に搬送され、この
搬送過程で各列毎に順次以下のように処理される。先
ず、飲み口11aから紙缶1内へ噴霧ノズルを臨ませ、
過酸化水素ガスを噴霧して滅菌処理した後、数次にわた
り紙缶1内を熱風乾燥させる。
【0012】熱風乾燥された紙缶1には、内部に窒素ガ
スを供給して還元性雰囲気とした後、短時間で加熱(1
40℃)滅菌処理された流動性食品2が充填される。流
動性食品は図示しないタンク内に蓄えられており、無菌
チャンバー内において二箇所で前記タンクと連通する充
填ノズル3を通じて充填される。充填は紙缶1を搬送し
ながら、二箇所においてそれぞれ100mlずつ充填さ
れる。充填した状態では紙缶1の内側上端部へ13mm
以上のヘッドスペースHSが空いているので、このヘッ
ドスペースHS内を窒素ガスと置換して還元性雰囲気と
した後、タブテープ13により上蓋11の飲み口11a
を封じ、紙缶1を順次無菌チャンバーから搬出する。
スを供給して還元性雰囲気とした後、短時間で加熱(1
40℃)滅菌処理された流動性食品2が充填される。流
動性食品は図示しないタンク内に蓄えられており、無菌
チャンバー内において二箇所で前記タンクと連通する充
填ノズル3を通じて充填される。充填は紙缶1を搬送し
ながら、二箇所においてそれぞれ100mlずつ充填さ
れる。充填した状態では紙缶1の内側上端部へ13mm
以上のヘッドスペースHSが空いているので、このヘッ
ドスペースHS内を窒素ガスと置換して還元性雰囲気と
した後、タブテープ13により上蓋11の飲み口11a
を封じ、紙缶1を順次無菌チャンバーから搬出する。
【0013】この実施形態で紙缶1へ充填される流動性
食品2は、院内又は院外において医師又は栄養士の指導
に基いて飲用される高栄養流動食であり、デキストリ
ン、植物油、乳清たんぱく消化物、大豆たんぱく、難消
化性デキストリン、グラニュー糖、カゼイン、pH調整
剤、セルロース、炭酸マグネシウム、乳化剤、香料等を
主な原料とし、比較的流動性が小さい。この種の流動性
が小さい流動食を、通常の流動性の高い流動性食品と同
様に、ヘッドスペースが高さ6mm程度残るようにして
高速(一列、1時間当たり1800本以上)で紙缶1へ
無菌充填を行うと、充填により泡立った流動性食品2が
飲み口11aからはみ出し、あるいは飛び出して上蓋1
1の表面に付着する。
食品2は、院内又は院外において医師又は栄養士の指導
に基いて飲用される高栄養流動食であり、デキストリ
ン、植物油、乳清たんぱく消化物、大豆たんぱく、難消
化性デキストリン、グラニュー糖、カゼイン、pH調整
剤、セルロース、炭酸マグネシウム、乳化剤、香料等を
主な原料とし、比較的流動性が小さい。この種の流動性
が小さい流動食を、通常の流動性の高い流動性食品と同
様に、ヘッドスペースが高さ6mm程度残るようにして
高速(一列、1時間当たり1800本以上)で紙缶1へ
無菌充填を行うと、充填により泡立った流動性食品2が
飲み口11aからはみ出し、あるいは飛び出して上蓋1
1の表面に付着する。
【0014】しかし、前記実施形態の充填方法では、内
径を変化させないで容積が所定量大きい紙缶1を製造
し、この紙缶1へ二回に分けて流動性食品2を充填する
ことにより、高速で充填した場合でも当該流動性食品2
の泡立ちや飛び散りが抑制される。したがって、流動性
食品2の流動性が小さくても、当該流動性食品が飲み口
11aからはみ出したり、あるいは飛び出したりするの
を防止することができ、流動性食品の円滑かつ高品質の
紙缶充填が通常の速度で実現される。また、内部のヘッ
ドスペースHS高さが13mm以上になるように充填す
るので、飲用に当たって紙缶1を振って内部を攪拌する
際、より効率良く短時間で均質化することができるとと
もに、タブシート13をはぎ取ったときに紙缶1が上下
方向に振れた場合でも、内部の流動性食品2が飲み口1
1aから飛び出すのを防止することができる。
径を変化させないで容積が所定量大きい紙缶1を製造
し、この紙缶1へ二回に分けて流動性食品2を充填する
ことにより、高速で充填した場合でも当該流動性食品2
の泡立ちや飛び散りが抑制される。したがって、流動性
食品2の流動性が小さくても、当該流動性食品が飲み口
11aからはみ出したり、あるいは飛び出したりするの
を防止することができ、流動性食品の円滑かつ高品質の
紙缶充填が通常の速度で実現される。また、内部のヘッ
ドスペースHS高さが13mm以上になるように充填す
るので、飲用に当たって紙缶1を振って内部を攪拌する
際、より効率良く短時間で均質化することができるとと
もに、タブシート13をはぎ取ったときに紙缶1が上下
方向に振れた場合でも、内部の流動性食品2が飲み口1
1aから飛び出すのを防止することができる。
【0015】発明者の実験によれば、前述のように比較
的流動性が小さい高栄養流動食を充填の対象とし、紙缶
内径53mm、二回充填、充填物温度20℃、無菌チャ
ンバー内搬送紙缶列数を三列とする場合、充填後のヘッ
ドスペース高さd=13mmでは、1時間当たり540
0缶の割合で品質のよい充填(流動性食品が飲み口から
はみ出したり、飛び出したりしない円滑な充填)ができ
たが、充填後のヘッドスペース高さ=12mmでは、品
質のよい充填のためには1時間当たり2700缶であ
り、効率的な充填は困難であった。また、充填後のヘッ
ドスペース高さd≧14mmでは、一時間当たり720
0缶の割合で品質のよい充填ができた。したがって本発
明方法においては、充填後に紙缶1内のヘッドスペース
HSが高さ13mm以上残るようにする必要があり、1
4mm以上であるのがより好ましい。ヘッドスペースH
Sの高さは、流動性食品2の充填量が200mlのとき
でも、180mlのときでも、あるいは250mlとの
ときでも、14mm以上であれば円滑な高速充填が可能
である。
的流動性が小さい高栄養流動食を充填の対象とし、紙缶
内径53mm、二回充填、充填物温度20℃、無菌チャ
ンバー内搬送紙缶列数を三列とする場合、充填後のヘッ
ドスペース高さd=13mmでは、1時間当たり540
0缶の割合で品質のよい充填(流動性食品が飲み口から
はみ出したり、飛び出したりしない円滑な充填)ができ
たが、充填後のヘッドスペース高さ=12mmでは、品
質のよい充填のためには1時間当たり2700缶であ
り、効率的な充填は困難であった。また、充填後のヘッ
ドスペース高さd≧14mmでは、一時間当たり720
0缶の割合で品質のよい充填ができた。したがって本発
明方法においては、充填後に紙缶1内のヘッドスペース
HSが高さ13mm以上残るようにする必要があり、1
4mm以上であるのがより好ましい。ヘッドスペースH
Sの高さは、流動性食品2の充填量が200mlのとき
でも、180mlのときでも、あるいは250mlとの
ときでも、14mm以上であれば円滑な高速充填が可能
である。
【0016】本発明に係る充填方法において、充填後の
ヘッドスペース高さが13mm以上であればよく、上限
は設定されていない。しかしながら、ヘッドスペース高
さが不必要に大きくなれば紙缶の材料コストが大きくな
るほか、所定の大きさ以上のヘッドスペースは無駄であ
るので、紙缶の内径や流動性食品の流動性の大小等によ
り、17mmを超えない範囲で適宜設定すればよい。何
回に分けて充填するかは、流動性食品の流動性の大小や
紙缶の内径等によるが、充填回数を多くすると容量の大
きい無菌チャンバーを必要とするので、実用的には2〜
3回に分けて充填するのが好ましい。
ヘッドスペース高さが13mm以上であればよく、上限
は設定されていない。しかしながら、ヘッドスペース高
さが不必要に大きくなれば紙缶の材料コストが大きくな
るほか、所定の大きさ以上のヘッドスペースは無駄であ
るので、紙缶の内径や流動性食品の流動性の大小等によ
り、17mmを超えない範囲で適宜設定すればよい。何
回に分けて充填するかは、流動性食品の流動性の大小や
紙缶の内径等によるが、充填回数を多くすると容量の大
きい無菌チャンバーを必要とするので、実用的には2〜
3回に分けて充填するのが好ましい。
【発明の効果】本発明に係る紙缶への流動性食品の充填
方法によれば、缶内のヘッドスペース高さを13mm以
上残すように飲み口より二回ないし数回に分けて流動性
食品を充填し、前記ヘッドスペース内を還元性ガスに置
換して前記飲み口を封じるので、比較的流動性が小さい
流動食を高速充填しても、流動性食品の泡立ちや飛び散
りが抑制される。したがって、当該流動性食品が飲み口
からはみ出したり、あるいは飛び出したりするのを防止
することができ、流動性食品の円滑かつ高品質の紙缶充
填が通常の速度で実現される。また、内部のヘッドスペ
ース高さが13mm以上になるように充填するので、飲
用に当たって紙缶を振って内部を攪拌する際、より効率
良く短時間で均質化することができるとともに、タブシ
ートをはぎ取ったときに紙缶が上下方向に振れた場合で
も、内部の流動性食品2が飲み口から飛び出すのを防止
することができる。
方法によれば、缶内のヘッドスペース高さを13mm以
上残すように飲み口より二回ないし数回に分けて流動性
食品を充填し、前記ヘッドスペース内を還元性ガスに置
換して前記飲み口を封じるので、比較的流動性が小さい
流動食を高速充填しても、流動性食品の泡立ちや飛び散
りが抑制される。したがって、当該流動性食品が飲み口
からはみ出したり、あるいは飛び出したりするのを防止
することができ、流動性食品の円滑かつ高品質の紙缶充
填が通常の速度で実現される。また、内部のヘッドスペ
ース高さが13mm以上になるように充填するので、飲
用に当たって紙缶を振って内部を攪拌する際、より効率
良く短時間で均質化することができるとともに、タブシ
ートをはぎ取ったときに紙缶が上下方向に振れた場合で
も、内部の流動性食品2が飲み口から飛び出すのを防止
することができる。
【図1】本発明に係る一実施形態の流動性食品の充填方
法を説明するための断面図である。
法を説明するための断面図である。
【図2】紙缶の円筒部のエッジ接合部を拡大して示した
部分拡大平断面図である。
部分拡大平断面図である。
【図3】紙缶の主要材料の部分拡大断面図である。
【図4】紙缶のタブシートの部分拡大断面図である。
【図5】円筒胴部のエッジ接合を行うプロテクトテープ
の部分拡大断面図である。
の部分拡大断面図である。
1 紙缶
10 円筒胴部
10a プロテクトテープ
11 上蓋
11a 飲み口
12 底蓋
13 タブシート
2 流動性食品
3 充填ノズル
HS ヘッドスペース
D 紙缶内部高さ
d ヘッドスペース高さ
フロントページの続き
(72)発明者 末永 明
東京都目黒区目黒4丁目4番22号 株式会
社クリニコ内
(72)発明者 武田 安弘
神奈川県座間市東原5丁目1番83号 森永
乳業株式会社栄養科学研究所内
(72)発明者 島村 悦夫
東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印
刷株式会社内
Fターム(参考) 3E118 AA02 AB15 BB02 BB08 CA07
CA12 DA02 DA06 FA04
4B018 LE06 ME14 MF09
4B021 LA02 LA14 LA26 LA32 MQ05
4B035 LC06 LE03 LE11 LP46 LT16
Claims (2)
- 【請求項1】 上蓋に飲み口を有する紙缶に比較的流動
性が小さい流動性食品を充填するに際し、滅菌処理され
た缶内を還元性雰囲気とし、缶内のヘッドスペース高さ
を13mm以上残すように前記飲み口より缶内へ二回な
いし数回に分けて流動性食品を充填し、前記ヘッドスペ
ース内を還元性ガスに置換して前記飲み口を封じること
を特徴とする、紙缶への流動性食品の充填方法。 - 【請求項2】 前記流動性食品が高栄養流動食である、
請求項1に記載の紙缶への流動性食品の充填方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001233703A JP2003047412A (ja) | 2001-08-01 | 2001-08-01 | 紙缶への流動性食品の充填方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001233703A JP2003047412A (ja) | 2001-08-01 | 2001-08-01 | 紙缶への流動性食品の充填方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003047412A true JP2003047412A (ja) | 2003-02-18 |
Family
ID=19065447
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001233703A Pending JP2003047412A (ja) | 2001-08-01 | 2001-08-01 | 紙缶への流動性食品の充填方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003047412A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013252059A (ja) * | 2012-06-05 | 2013-12-19 | Sapporo Breweries Ltd | 容器入り発泡性飲料 |
-
2001
- 2001-08-01 JP JP2001233703A patent/JP2003047412A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013252059A (ja) * | 2012-06-05 | 2013-12-19 | Sapporo Breweries Ltd | 容器入り発泡性飲料 |
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Legal Events
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080220 |
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A977 | Report on retrieval |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080701 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20081028 |