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JP2003040684A - 溶銑用不定形耐火物 - Google Patents

溶銑用不定形耐火物

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Publication number
JP2003040684A
JP2003040684A JP2001230440A JP2001230440A JP2003040684A JP 2003040684 A JP2003040684 A JP 2003040684A JP 2001230440 A JP2001230440 A JP 2001230440A JP 2001230440 A JP2001230440 A JP 2001230440A JP 2003040684 A JP2003040684 A JP 2003040684A
Authority
JP
Japan
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raw material
sic
hot metal
refractory
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001230440A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasukuni Tanaka
泰邦 田中
Shinji Tanaka
辰児 田中
Yoshinobu Saikai
嘉宣 西海
Hiroyoshi Tomono
弘義 友納
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Krosaki Harima Corp
Original Assignee
Krosaki Harima Corp
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Publication date
Application filed by Krosaki Harima Corp filed Critical Krosaki Harima Corp
Priority to JP2001230440A priority Critical patent/JP2003040684A/ja
Publication of JP2003040684A publication Critical patent/JP2003040684A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐溶銑性および耐スラグ性共に優れること
で、耐用性を向上させることができる溶銑用不定形耐火
物の提供。 【解決手段】 アルミナ原料と炭化珪素原料との混合物
を電融して得られ、且つSiC:1〜30質量%、残部A
23主体の化学成分を有する電融Al23−SiC質
原料を耐火骨材として配合してなる溶銑用不定形耐火
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐食性および耐酸
化性に優れた溶銑用不定形耐火物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば高炉出銑樋の内張り材に代表され
る溶銑用不定形耐火物として、従来からアルミナ−炭化
珪素質、アルミナ−炭化珪素−炭素質あるいはアルミナ
−スピネル−炭化珪素質等の不定形耐火物が提案されて
いる。例えば特許第2556416号公報、特開平9-157043号
公報等のとおりである。
【0003】これらの不定形耐火物材質は、アルミナが
もつ耐溶銑性および容積安定性と、炭化珪素の耐スラグ
性との効果が相まって優れた耐用性を発揮する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、溶銑用
不定形耐火物は更なる耐火物原単位の低減、製鉄設備の
稼働率向上のために、さらなる性能向上が要求されてい
る。
【0005】従来のアルミナ−炭化珪素−炭素系不定形
耐火物は、耐溶銑性に優れている反面、耐スラグ性に劣
る傾向にある。炭化珪素の割合を多くすれば耐スラグ性
は向上するが、その分、アルミナの割合が少なくなって
耐溶銑性が損なわれる。
【0006】一方、スピネル−アルミナ−炭化珪素−炭
素系不定形耐火物は、スピネルの配合によって前記材質
に比べると耐溶銑性に優れている。しかし、スピネルが
占める分、炭化珪素の配合量が少なくなり、耐スラグ性
に劣る。また、高温下で炭化珪素の酸化(SiC+O2
→SiO2+C)で生成するSiO2がスピネル原料と反
応し、Al23−MgO−SiO2系低融物の生成によ
って耐火物組織強度の劣化を招き、結局は耐溶銑性にお
いても決して十分なものではない。
【0007】以上の問題点を解決するために、それに使
用する耐火骨材の材質の面からの検討がなされている。
例えば特開平10-245261号公報および特開平11-322451号
公報には、アルミナ−シリカ質原料に炭素原料を加えて
加熱処理(焼成)して得た焼結Al23−SiC質原料
を不定形耐火物の耐火骨材に使用することの提案がなさ
れている。
【0008】この焼結Al23−SiC質原料は、その
製造における焼成工程時にアルミナ−シリカ質原料中の
アルミナ成分が炭素原料の存在によって炭化し、炭化ア
ルミニウムを生成する。炭化アルミニウムは水分と反応
し易い。不定形耐火物の施工は多量の施工水分を添加す
るため、この焼結Al23−SiC質原料を使用した不
定形耐火物は、養生時あるいは乾燥時に前記炭化アルミ
ニウムの水和反応で消化し、組織強度のぜい弱化によっ
て耐溶銑性、耐スラグ性共に不十分である。
【0009】また、前記炭化アルミニウムの生成を抑制
するために焼成時間を短縮した場合、相当量の未反応の
SiO成分が残り、このことも耐溶銑性低下および耐
スラグ性低下の原因となる。
【0010】アルミナ−シリカ質原料に替えてアルミナ
原料を使用し、アルミナ原料と炭化珪素原料とを組み合
わせた焼結Al23−SiC質原料では緻密性に劣る。
そこでマグネシア、シリカ等の焼結助剤の添加が必要と
なるが、焼結助剤は耐食性低下の原因となる。
【0011】特開昭62−212258号公報は不定形耐火物と
しての耐火骨材ではないが、電融ZrO2−Al23
SiO−SiC質原料が示されている。この電融原料
は、同号公報の発明が対象とする鋳造ノズルにおいて特
に必要な特性となる耐スポーリング性に有効である。
【0012】また、この電融原料はZrO2を30〜60質
量%含むことで、ジルコニア・ムライトをベースにSi
Cが付随した組織となっている。しかし、ジルコニア・
ムライトはジルコニアとムライトとに分解し易く、溶銑
用不定形耐火物の骨材として使用した場合、前記ジルコ
ニア・ムライトの分解が原因して耐食性に劣る。
【0013】そこで本発明は、耐溶銑性および耐スラグ
性共に優れることで、耐用性を向上させることができる
溶銑用不定形耐火物を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルミナ原料
と炭化珪素原料との混合物を電融して得られ、且つSi
C:1〜30質量%、残部Al23主体の化学成分を有す
る電融Al23−SiC質原料を耐火骨材として配合し
てなる溶銑用不定形耐火物である。
【0015】本発明で使用するAl23−SiC質原料
は電融品であることで焼結品に比べて組織が緻密であ
り、加えて耐溶銑性と耐スラグ性とを兼備えることで、
溶銑用不定形耐火物の耐用性を格段に向上させることが
できる。
【0016】この電融Al23−SiC質原料はその電
融工程において、炭化珪素原料のSiC成分は電極付近
の超高温下でSiとCに分解し、C成分は大気中の酸素
と速やかに反応してCOあるいはCO2となって逸散す
る。一方、Si成分は原料中に分散する。その結果、原
料組成中には焼結品で見られるSiOの生成は殆どな
い。
【0017】また、電極付近以外の部分は溶融物が速や
かに冷却・凝固し、この凝固相が大気を遮断することで
Siの酸化が防止され、この部分で溶融された原料にお
いてもSiOの生成は殆ど見られない。
【0018】本発明に使用する電融Al23−SiC質
原料は、耐溶銑性のAl23と耐スラグ性のSiCの両
成分を含み、しかもSiOの生成、ジルコニアムライ
トの分解等の問題もないことで、溶銑用不定耐火物に求
められる耐溶銑性および耐スラグ性において優れた効果
を発揮する。
【0019】この電融Al23−SiC質原料は、その
製造における出発原料に、アルミナ原料および炭化珪素
原料を使用するが、その組合わせ比率、電融条件等の調
整で、原料組織中に特定量のAlおよびSiを含有させ
ることができる。例えば電極電圧を高くした場合は酸化
操業となり、Al,Siの生成量が少なくなる。また電
極電圧を低くした場合は還元操業となり、Al,Siの
生成量が多くなる。さらに原料投入速度を早くすると、
Al,Siの生成量が多くなる。
【0020】この電融Al23−SiC質原料がAlお
よびSiを合量で0.05〜5質量%含有する場合、不定形
耐火物の耐溶銑性および耐スラグ性がさらに向上する。
これは、耐火物使用中の高温下でAlがAl23、Si
がβ−SiCへとそれぞれ変化し、これが耐火骨材組織
の緻密化とボンドとして作用し、熱間強度を向上させる
ためである。
【0021】AlおよびSiは金属であり、フリーの状
態では不定形耐火物の施工において添加される施工水と
接触するとH2ガスを発生し、耐火物組織を多孔質化す
る問題がある。しかし、電融Al23−SiC質原料中
のAlおよびSiは原料組織中に封じ込められているこ
とで、Hガス発生原因となる施工水と反応することも
ない。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明において使用する電融Al
23−SiC質原料は、アルミナ原料と炭化珪素原料と
を出発原料とし、その混合物を電融法にて製造する。
【0023】アルミナ原料としては、焼結アルミナ、電
融アルミナ、仮焼アルミナ、ボ−キサイト、バン土頁岩
等の合成品あるいは天然品を使用する。原料中に含まれ
るFe23、SiO等の不純物は低融点化の原因とな
るため、Al23純度の高いものが好ましい。中でも高
純度でかつ微粉として入手しやすい仮焼アルミナが好ま
しい。
【0024】炭化珪素原料は、例えばSiC純度85質量
%以上のものを使用する。さらに好ましくはSiC純度
90質量%以上のものとする。純度が低いと不純物とし
て含まれるC成分が電融の際に大気との反応でCOガス
を発生し、電融Al23−SiC質原料の気孔率が高く
なり、しかも耐スラグ性に必要となるSiCの残存率も
低下する。
【0025】炭化珪素原料の粒径は、例えば0.3mm以
下の微粉として使用する。好ましくは0.075mm以下を3
0〜100質量%含み、平均粒径10〜70μmとする。粒径が
過度に小さいと電融工程でSiCの酸化が進み、電融A
23−SiC質原料中のSiC量のコントロールが困
難になる。粒径が大きいと電融Al23−SiC質原料
中への分散が悪くなり、特に耐スラグ性において本発明
の効果が十分でない。
【0026】アルミナ原料と炭化珪素の混合比は、質量
比で例えば95:5〜50:50とし、この範囲で各原料の純
度等に合わせて任意に決定する。
【0027】電融には、アルミナ質原料微粉と炭化珪素
微粉との混合粉末を、バッチ式あるいは傾注式のアーク
電融炉中に、アーク電流を流した状態で徐々に投入し、
十分に溶解させる。溶解後はこれを冷却し、外縁部の不
完全溶融部分を除去し、次いで粉砕工程にて任意粒度に
整粒する。
【0028】電融Al23−SiC質原料の化学成分に
おいて、SiCの割合が1質量%未満では耐スラグ性に
劣り、30質量%を超えるとAl23成分の割合が少なく
なって耐溶銑性に劣る。さらに好ましくは3〜20質量%
である。
【0029】電融Al23−SiC質原料のAl23
分の割合は、SiC割合の残部の主体であり、例えば70
〜99質量%が好ましく、さらに好ましくは、80〜97質量
%である。少な過ぎると耐溶銑性に劣り、多過ぎると耐
スラグ性が不十分となる。
【0030】Al23およびSiCの割合は、電融工程
において、出発原料としてのアルミナ原料と炭化珪素原
料の混合比から調整することができる。
【0031】AlおよびSi含有の電融Al23−Si
C質原料を使用する場合、そのAlおよびSiの含有量
は合量で0.05質量%未満では熱間強度向上の効果に乏し
い。5質量%を超えるとAlがAl23、Siがβ−S
iCへの変化の際の応力が原料組織に歪を生じさせるた
めか、この場合も熱間強度の向上が見られない。
【0032】本発明ではAlおよびSiの量を化学分析
値で規定したが、これらの金属成分は原料中に合金の状
態でも存在する。
【0033】電融Al23−SiC質原料は、前記成分
以外に、アルミナ原料と炭化珪素原料に由来する不可避
的成分が含まれている場合がある。例えばTiO2、F
2 3、CaO、Na23、K2O、MgO,ZrO2
である。耐食性の面から、これらは合量で3質量%以下
が好ましい。さらに好ましくは1質量%以下である。
【0034】電融Al23−SiC質原料の耐火骨材中
に占める割合は、5〜80質量%が好ましい。5質量%未満
の場合、耐溶銑性および、耐スラグ性の向上効果が不十
分である。80質量%を超えると、不定形耐火物施工時の
流動性付与のための耐火性超微粉原料の割合が少なくな
り、施工性に劣る。
【0035】電融Al23−SiC質原料以外の耐火骨
材は、例えばアルミナ、スピネル、マグネシア、炭化珪
素、炭素等である。中でもアルミナ原料および/または
スピネル原料と、炭化珪素および炭素を主材料として使
用することが好ましい。
【0036】アルミナ原料の具体例は、電融アルミナ、
焼結アルミナ、ボーキサイト、ばん土けつ岩等である。
ムライト、ろう石等も使用できるが、Al23純度が低
いために、これらは少量に留めることが好ましい。
【0037】スピネル原料はMgO・Al23系スピネ
ルであって、耐溶銑性の効果をもつ。その化学組成は、
MgO・Al23比がスピネル理論組成値の約28:72に
近いコモンスピネルが好ましいが、これに限らずMgO
が例えば5〜25質量%のアルミナリッチスピネルでもよ
い。焼結品、電融品を問わない。
【0038】また、スピネル原料の一種として、テルミ
ット法によって鉄−バナジウム合金の製造過程により副
生するバナジウム滓を使用してもよい。このバナジウム
滓には通常、MgO・Al23系スピネルが5〜25質量
%含有されている。
【0039】アルミナ原料および/またはスピネル原料
の耐火骨材中に占める割合は、90質量%以下が好まし
く、さらに好ましくは10〜80質量%である。
【0040】炭素原料は耐スラグ性の効果をもつ。具体
例は土状黒鉛、鱗状黒鉛、人造黒鉛や石油または石炭か
ら精製されるコークス、ピッチ類、カーボンブラック、
無煙炭等である。その添加量は固定炭素換算で0.5〜5質
量%が好ましい。0.5質量%未満では、炭素原料の特徴
であるスラグとの濡れ難いことによる耐スラグ性の効果
を発揮できない。5質量%を超えると不定形耐火物施工
時の流動性が低下し、施工水分の増量を強いられるので
施工体の気孔率が高くなって耐スラグ性の効果が不十分
となる。
【0041】炭化珪素は耐火骨材中に占める割合で5〜7
0重量%が好ましい。5重量%未満では耐食性の低下傾向
が見られ、70重量%を超えると耐スポーリング性に劣
る。
【0042】耐火骨材として、他にもジルコン、ジルコ
ニア、クロム鉱、揮発シリカ等を組合わせてもよい。な
かでも超微粉である揮発シリカは不定形耐火物の施工時
の流動性付与に有効である。
【0043】本発明の不定形耐火物において、結合剤お
よび分散剤の配合は従来材質と特に変わりない。必要に
より、酸化防止剤、爆裂防止剤、金属ファイバー、増粘
剤、硬化促進剤、硬化遅延剤あるいは耐火粗大粒子等を
併用してもよい。
【0044】結合剤はアルミナセメント、マグネシアセ
メント、燐酸塩、珪酸塩等である。その添加割合は、耐
火骨材100質量%に対する外掛けで1〜15質量%が好まし
い。また、揮発シリカ、仮焼アルミナ等の超微粉あるい
は乳酸アルルミニウム等の添加で十分な凝集効果が得ら
れれば、結合剤は必ずしも必要としない。
【0045】分散剤は耐火物の施工時の流動性を付与す
る。具体例としては何ら限定されるものではなく、トリ
ポリリン酸ソーダ、ヘキサメタリン酸ソーダ、ウルトラ
ポリリン酸ソーダ、酸性ヘキサメタリン酸ソーダ、ホウ
酸ソーダ、炭酸ソーダ、ポリメタリン酸塩などの無機
塩、クエン酸ソーダ、酒石酸ソーダ、ポリアクリル酸ソ
ーダ、スルホン酸ソーダ、ポリカルボン酸塩、β−ナフ
タレンスルホン酸塩類、ナフタリンスルフォン酸、リグ
ニンスルホン酸塩等である。耐火骨材100質量%に対
し、外掛け0.01〜1質量%程度添加される。
【0046】酸化防止剤は、シリコン、フェロシリコ
ン、炭化ホウ素(B4C等)、窒化珪素、窒化硼素、ホ
ウ化マグネシウム、ホウ化ジルコニウム、ホウ化カルシ
ウム等のである。添加量は耐火骨材100質量%に対し外
掛け0.1〜3質量%が好ましい。
【0047】爆裂防止剤としては、有機質ファイバー、
有機発泡剤、塩基性乳酸アルミニウム、金属アルミニウ
ム等である。有機質ファイバーの具体例は、ビニロン、
PVA、レーヨン、ポリエステル、ナイロン、ポリプロ
ピレン、ポリエチレンなどの高分子有機質ファイバーで
あり、その好ましい添加量は耐火骨材100質量%対し0.0
5〜2質量%である。
【0048】増粘剤は、粘土、ベントナイト、CMC等
であり、その好ましい添加量は耐火骨材100質量%対し2
質量%以下である。
【0049】耐火粗大粒子は耐火物組織に発生した亀裂
の進展を防止する役割をもつ。耐火骨材の粒径は、例え
ば最大5〜8mmであるが、耐火粗大粒子はこの耐火骨材
よりさらに粒径が大きい。粒径の大きさでは耐火物組織
内で突出しており、耐火骨材とは明確に区別される。
【0050】耐火粗大粒子の粒径は耐火骨材の粒径との
兼ね合いもあるが、10〜50mmが好ましい。具体的材質
は、アルミナ原料、スピネル原料、炭化珪素原料あるい
はこれらを主材とした耐火物廃材を使用することができ
る。割合は耐火骨材100質量%に対し30質量%以下が好
ましい。
【0051】本発明の不定形耐火物は新規な施工だけで
なく、補修用としても使用できる。また、その施工方法
は流し込みあるいは吹付けであり、従来方法と特に変わ
りない。例えば流し込み施工では、施工水を外掛け3〜1
0質量%程度添加して混合し、型枠を用いて流し込み施
工される。施工時には、充填性を高めるためにバイブレ
ータによって加振する。施工後は養生、乾燥する。
【0052】
【実施例】表1は各例で使用した電融または焼結のAl2
3−SiC質原料および電融ZrO2−Al23−Si
−SiC質原料である。
【0053】
【表1】 電融品は、表1に示す出発原料をバッチ式アーク電気炉
で溶融して製造した。焼結品は、表1に示す出発原料を
混合し、圧縮成形後、1450℃にて焼成して製造した。
【0054】本発明において電融Al23−SiC質原
料の粒度は、粗粒、中粒、微粒を問わず使用できるが、
ここでは粗粒および中粒として使用し、8〜0.1mmに統一
した。また、これに合わせて、焼結Al23−SiC質
原料、電融ZrO2−Al2 3−SiO−SiC質原
料も同様に8〜0.1mmとして使用した。
【0055】表2は各例の不定形耐火物の配合組成と、
流し込み材として使用した場合の試験結果を示す。試験
方法は以下のとおりである。
【0056】
【表2】 耐溶銑性、耐スラグ性および熱間強度の測定には、各例
の配合組成を混練後、養生、110℃×24時間乾燥して得
た試験片を使用した。
【0057】耐溶銑性:試験片を高周波試験炉内にセッ
トし、銑鉄と高炉スラグを重量比で40:1とした侵食剤
を使用し、1550℃×10時間の侵食試験をした。実機での
溶銑損耗作用は、スラグ/溶銑界面で進行するため、こ
れを想定し、浸食剤にスラグおよび銑鉄を使用した。比
較例1の溶損寸法を100と指数で示した。指数の小さいも
のほど溶損寸法が少なく、耐溶銑性が良好である。
【0058】耐スラグ性:横型回転試験炉を用いた。浸
食剤として高炉スラグを用い、1550℃×10時間にて試験
した。比較例1の溶損寸法を100とした場合の指数で示し
た。指数の小さいものほど耐食性が良好である。
【0059】熱間強度:窒素雰囲気中で1450℃×1時間
保持した熱間において、曲げ強さを測定した。40mm×
40mm×160mmの試験片をスパン100mmによる三点曲
げ法とした。
【0060】実機試験:各例のうち一部を高炉出銑樋の
内張りとして流し込み施工し、使用した。35,000t通銑
後、溶損速度(mm/1,000t)を求めた。
【0061】試験結果が示す通り、本発明の実施例は耐
溶損性、耐スラグ性のいずれにも優れた効果を発揮す
る。また、AlおよびSiを本発明で規定した範囲内で
含む電融Al23−SiC質原料を使用した実施例3〜
10は熱間強度が一段と優れ、耐溶銑性および耐スラグ
性がさらに向上している。
【0062】比較例1および2は電融Al23−SiC
質原料を使用していない従来の一般的な溶銑用不定形耐
火物であり、耐溶銑性および耐スラグ性に劣る。実施例
3は本発明の範囲外の組成の電融Al23−SiC質原
料を用いた場合であり、気孔率が大きいことから、耐溶
銑性および耐スラグ性に劣る。焼結Al23−SiC質
原料あるいは電融ZrO2−Al23−SiO−Si
C質原料を使用した比較例4,5は耐溶銑性、耐スラグ
性および熱間強度共に劣る。
【0063】また、実施例1,2,5,6,7,9,比
較例1については、実機試験を行った。その結果からも
本発明の顕著な効果が確認できる。
【0064】以上の実機試験は高炉樋材としての使用例
であるが、これに限らず、例えば混銑車、混銑炉、溶銑
鍋、高炉出銑孔羽口ブロック、溶銑予備処理用のランス
あるいはインペラ−等の溶鉄用不定形耐火物として使用
できる。
【0065】
【発明の効果】本発明の溶銑用不定形耐火物は以上の実
施例の結果が示すとお、耐溶銑性および耐スラグ性共に
優れることで従来材質にくらべて耐用性が格段に向上す
る。
【0066】例えば従来、高炉出銑樋の内張りにおいて
は、耐溶銑性に優れた溶銑用材料と、耐スラグ性に優れ
たスラグ用材料を、上下に打ち分けるゾ−ンライニング
が行われている。本発明の不定形耐火物は耐溶銑性およ
び耐スラグ性共に優れることから、必ずしもこのゾ−ン
ライニングを必要とせず、一体施工が可能となり、樋の
内張り施工の省力化にも有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西海 嘉宣 兵庫県高砂市荒井町新浜1丁目3番1号 黒崎播磨株式会社第二製造事業部高砂不定 形工場内 (72)発明者 友納 弘義 北九州市八幡西区東浜町1番1号 黒崎播 磨株式会社第二製造事業部八幡不定形工場 内 Fターム(参考) 4G033 AA02 AA07 AA09 AA14 AA17 AB02 AB10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミナ原料と炭化珪素原料との混合物
    を電融して得られ、且つSiC:1〜30質量%、残部A
    23主体の化学成分を有する電融Al23−SiC質
    原料を耐火骨材として配合してなる溶銑用不定形耐火
    物。
  2. 【請求項2】 アルミナ原料と炭化珪素原料との混合物
    を電融して得られ、且つSiC:1〜30質量%、Alお
    よびSiが合量で0.05〜5質量%、残部Al23主体の
    化学成分を有する電融Al23−SiC質原料を耐火骨
    材として配合してなる溶銑用不定形耐火物。
  3. 【請求項3】 耐火骨材に占める電融Al23−SiC
    質原料の割合が5〜80質量%である請求項1または2記載
    の溶銑用不定形耐火物。
  4. 【請求項4】 電融Al23−SiC質原料以外の耐火
    骨材が、アルミナ原料および/またはMgO−Al23
    系スピネル原料と、炭化珪素原料および炭素原料を主材
    料とする請求項1、2または3記載の溶銑用不定形耐火
    物。
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