JP2003034738A - 水素添加ゴム状重合体組成物 - Google Patents
水素添加ゴム状重合体組成物Info
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Abstract
光安定性及び機械的強度に優れた水素添加ゴム状重合体
組成物の提供。 【構成】 (A)水素添加ゴム状重合体と(B)熱可塑
性樹脂とからなる水素添加ゴム状重合体組成物であっ
て、(A)水素添加ゴム状重合体が少なくとも一種の共
役ジエン系単量体の単独重合体ゴム、または共役ジエン
系単量体と芳香族ビニル単量体とからなる共重合体ゴム
の全二重結合の水素添加率が50%以上である水素添加
ゴム状重合体であり、且つ示差走査熱量測定法(DSC
法)での結晶化ピークを1個以上有し、各結晶化ピーク
温度が、−50〜100℃の範囲にあり、加えて各結晶
化ピークの半値幅温度の合計が5〜100℃であること
を特徴とする水素添加ゴム状重合体組成物。
Description
合体組成物に関するものである。更に詳しくは、柔軟性
があり感触に優れ、かつ耐傷つき性、光安定性及び機械
的強度に優れた水素添加ゴム状重合体組成物に関するも
のである。
れ自体で構造体として有用であるが、それを樹脂に添加
することにより、樹脂に衝撃強度を付与することが可能
であり、自動車、電気関係の部品等の用途に多く使用さ
れている。ゴム状重合体は柔軟性があり、低硬度である
反面、ベタツキによる感触の悪さ、機械的強度不足、不
飽和ゴムの場合の光・熱安定性不良等の課題があり、低
硬度で柔軟性という特長を維持しつつ、上記問題点のな
いゴム状重合体組成物が市場で求められている。
のラジカル架橋性のない樹脂とをラジカル開始剤の存在
下、押出機中で溶融混練させながら架橋する、いわゆる
動的架橋による熱可塑性エラストマー組成物は、既に公
知の技術であり、自動車部品等の用途に広く使用されて
いる。このようなゴム系組成物として、エチレン−プロ
ピレン−ジエンゴム(EPDM)により製造されたオレ
フィン系エラストマー(特開平8−120127号公
報、特開平9−137001号公報)を用いる動的架橋
技術が知られているが、光安定性、耐傷つき性に劣り、
必ずしも市場では満足されていない。
て例えば、オレフィン系共重合ゴムを主体に、水添ジエ
ン系ゴムを補助的に使用し、更に結晶性αーオレフィン
系重合体、エチレン系重合体、軟化剤を配合した動的架
橋エラストマー組成物(特開平9ー302156号公
報)、ポリオレフィン系樹脂、共役ジエンー芳香族ビニ
ル単量体のランダム共重合体またはブロック共重合体を
架橋剤の存在下に溶融混合して得られた熱可塑性エラス
トマー組成物(特開平3ー2240号公報)が知られて
いる。 上記組成物は柔軟性、機械的強度、耐傷つき
性、及び光安定性が必ずしも充分でないために、実用的
使用に耐えるゴム状重合体組成物が求められている。
現状に鑑み、上記のような問題点のない、即ち柔軟性が
あり感触に優れ、かつ耐傷つき性、光安定性及び機械的
強度に優れた水素添加ゴム状重合体組成物を提供するこ
とを目的とするものである。
体組成物の改良を鋭意検討した結果、特定の結晶性を有
する水素添加ゴム状重合体を用いることにより、驚くべ
きことに柔軟性、感触、光安定性、耐傷つき性及び機械
的強度が飛躍的に向上する事を見出した。即ち、本発明
は、(A)水素添加ゴム状重合体と(B)熱可塑性樹脂
とからなる水素添加ゴム状重合体組成物であって、
(A)水素添加ゴム状重合体が少なくとも一種の共役ジ
エン系単量体の単独重合体ゴム、または共役ジエン系単
量体と芳香族ビニル単量体とからなる共重合体ゴムの全
二重結合の水素添加率が50%以上である水素添加ゴム
状重合体であり、且つ示差走査熱量測定法(DSC法)
での結晶化ピークを1個以上有し、各結晶化ピーク温度
が、−50〜100℃の範囲にあり、更に各結晶化ピー
クの半値幅温度の合計が5〜100℃であることを特徴
とする水素添加ゴム状重合体組成物、好ましくはこれに
加えて(A)水素添加ゴム状重合体の結晶化ピーク熱量
が3〜100J/gの範囲にあることを特徴とする水素
添加ゴム状重合体組成物を提供するものである。
(℃)、結晶化ピークの半値幅温度(℃)、結晶化ピー
ク熱量(J/g)について説明する。図1は、(A)水
素添加ゴム状重合体の代表的な示差走査熱量測定法(D
SC法)で測定した結晶化ピークを1個有する場合の熱
量変化を示す曲線(縦軸単位:熱量(J)、横軸単位:
温度(℃))である。そこで、図1を用いて解説する
と、上記結晶化ピーク温度T0 (℃)とは、示差走査熱
量測定法(DSC法)で測定した熱量変化を示す曲線に
おいて、ベースラインl0 に対して直線l1 を平行移動
させた場合に該曲線と1点で接する点A(結晶化ピー
ク)の温度をいう。また、上記結晶化ピークの半値幅温
度(℃)とは、上記結晶化ピークAからのベースライン
への垂線h0 の中点cを通るベースラインl0 と平行な
直線l2 と上記曲線との交点a、bの温度Ta 、Tb と
の差、即ち(Tb −Ta )をいう。(A)水素添加ゴム
状重合体が上記結晶化ピークを2個以上有する場合も、
上記した方法と同様にして夫々の結晶化ピーク温度
(℃)、結晶化ピークの半値幅温度(℃)が求められ
る。
(℃)については、上記曲線において、結晶化ピークが
2個以上あり、且つ互いに重なり合っている場合は、次
の手法により決定される。図2(結晶化ピークが2個)
の場合を例にとり説明すると、結晶化ピークの半値幅温
度(℃)は、次の手順〜により得られる温度をい
う。 図1で述べた手法により求められた各結晶化ピーク
A、Bからベースラインl0 へ垂線h0 、h1 をおろし
各々の交点x0 、x1 を求め、(x0 −x1 )の中点x
2 から垂線を立ち上げて上記曲線と点eで交差せしめ、
上記曲線を2分割する。 次いで、上記垂線h0 、h1 の中点c、fを通るベー
スラインl0 と平行な直線l3 、l4 と上記曲線との交
点a、b、dを確定する。 続いて、上記交点a、b、d及び交点eの温度Ta 、
Tb 、Td 及びTe から、(Tb −Ta )℃、(Te −
Td )℃を夫々れ求め、それらを合算してこの場合の
(A)水素添加ゴム状重合体の結晶化ピークの半値幅温
度(℃)とする。 結晶化ピークが3個以上あり、且つ互いに重なり合って
いる場合も、上記〜と同様の手順で結晶化ピークの
半値幅温度(℃)が求められる。
は、ベースラインl0 とこれに対して変化した熱量変化
を示す曲線で囲まれたピーク面積から算出した熱量
(J)の単位質量g当たりの値(J/g)をいう。具体
的には、図1〜2の場合には、ベースラインl0 と各熱
量変化を示す曲線とで囲まれたピーク面積に相当する熱
量(J)を、試料(A)水素添加ゴム状重合体の質量g
で割った値(J/g)である。
お、以下において、上記(A)水素添加ゴム状重合体、
(B)熱可塑性樹脂、(C)架橋剤、(D)軟化剤を、
単に(A)、(B)、(C)、(D)ということがあ
る。) 本発明の組成物は、(A)特定の結晶性を有する水素添
加ゴム状重合体と(B)熱可塑性樹脂とからなる水素添
加ゴム状重合体組成物であり、架橋されていることが好
ましい。部分的または完全に架橋することにより、耐熱
性と耐久性が飛躍的に向上する。ここで、(A)は全二
重結合の50%以上が水素添加されていることが重要で
ある。水素添加率が50%未満では熱安定性、光安定性
が低下する。また、水素添加後のエチレン、芳香族ビニ
ル単量体またはその他の構成単位の連鎖構造はランダム
であることが好ましく、例えば芳香族ビニルブロック単
位と水素添加された共役ジエンブロック単位からなる場
合は、芳香族ビニルブロック単位のために架橋反応が抑
制され、得られたエラストマー組成物の機械的強度が劣
る。また水素添加された共役ジエンの中で、連続したエ
チレン連鎖が多量に存在する場合には、架橋反応が急激
に進行し、架橋ゴムの凝集が発生するために得られた熱
可塑性架橋ゴムの外観及び機械的強度が低下する。
SC法)での結晶化ピークを1個以上有し、各結晶化温
度がー50〜100℃の範囲にあり、好ましくはー50
〜70℃の範囲にあり、更に好ましくはー30〜50℃
の範囲にある。そして、(A)の各結晶化ピークの半値
幅の合計が5〜100℃であり、好ましくは10〜70
℃にあり、更に好ましくは20〜70℃の範囲にある場
合は、柔軟性があり感触に優れ、かつ耐傷つき性、光安
定性及び機械的強度が向上する事を見出した。又その
上、(A)の結晶化ピーク熱量が3〜100J/gの範
囲にあることが好ましく、更に好ましくは10〜50J
/gの範囲にある場合には、特に耐傷つき性と機械的強
度が極めて向上することを見出し、本発明を完成した。
する。本発明において、(A)は、少なくとも一種の共
役ジエン単独重合体、または共役ジエン系単量体と芳香
族ビニル単量体とからなるランダム共重合体ゴムの水素
添加ゴムであり、必要に応じて、例えば、オレフィン
系、メタクリル酸エステル系、アクリル酸エステル系、
不飽和ニトリル系、塩化ビニル系単量体等の共役ジエン
と共重合可能な単量体を添加することができる。上記共
役ジエン系単量体としては、1,3ーブタジエン、イソ
プレン、2,3ージメチルー1,3ーブタジエン、1,
3ーペンタジエン、2ーメチルー1、3ーペンタジエ
ン、1,3ーヘキサジエン、4,5ージエチルー1、3
ーオクタジエン、3ーブチルー1,3ーオクタジエン、
クロロプレン等を挙げることができ、1,3ーブタジエ
ン、イソプレン、1,3ーペンタジエンが好ましく、
1,3ーブタジエン、イソプレンが最も好ましい。
チレン、αーメチルスチレン、pーメチルスチレン、t
ーブチルスチレン、ジビニルベンゼン、N,Nージメチ
ルーpーアミノエチルスチレン、ビニルピリジン等を挙
げることができ、スチレン、αーメチルスチレンが好ま
しい。上記芳香族単量体は一種または二種以上併用する
ことができる。(A)中の芳香族ビニル単量体は、0〜
80重量%が好ましく、更に好ましくは0〜50重量
%、最も好ましくは0〜30重量%である。本発明にお
いて、水素添加前の(A)の共役ジエン単量体部分のビ
ニル結合は、分子内に均一に存在していても、分子鎖に
沿って増減あるいは減少してもよいし、またはビニル結
合含有量の異なった、複数個のブロックを含んでいても
よい。そして、芳香族ビニル単量体または前記共役ジエ
ン単量体と共重合可能な単量体を含む場合は、上記共役
ジエン単量体部分の中でランダムに結合するが、本発明
の示差走査熱量測定法(DSC法)による結晶性に関す
る要件を満足する範囲内で、ブロック状の芳香族ビニル
単量体またはその他の単量体を含んでもよい。
は、全芳香族ビニル単量体中の20重量%以下が好まし
く、更に好ましくは10重量%以下である。前記(A)
水素添加ゴム中の全二重結合は、50%以上、好ましく
は90%以上、更に好ましくは95%以上が水素添加さ
れ、そして主鎖の残存二重結合が5%以下、側鎖の残存
二重結合が5%以下であることが好ましい。このような
ゴムの具体例としては、ポリブタジエン、ポリイソプレ
ン、ポリクロロプレン等のジエン系ゴム、またはポリ
(スチレン−ブタジエン)等の共重合ジエン系ゴムを部
分的または完全に水素添加したゴム状重合体を挙げるこ
とができ、特に水素添加ブタジエン系、水素添加ポリ
(スチレン−ブタジエン)系、または水素添加イソプレ
ン系ゴムが好ましい。本発明における二重結合の水素添
加は、共役ジエン系単量体についてであり、芳香族ビニ
ル単量体については適用されない。
ゴムを公知の水素添加方法で部分水素添加することによ
り得られる。例えば、F.L.Ramp,etal,J.Amer.Chem.So
c.,83,4672(1961)記載のトリイソブチルボラン触媒を用
いて水素添加する方法、Hung Yu Chen,J.Polym.Sci.Pol
ym.Letter Ed.,15,271(1977)記載のトルエンスルフォニ
ルヒドラジドを用いて水素添加する方法、あるいは特公
昭42ー8704号公報に記載の有機コバルトー有機ア
ルミニュウム系触媒あるいは有機ニッケルー有機アルミ
ニュウム系触媒を用いて水素添加する方法等を挙げるこ
とができる。ここで、特に好ましい水素添加の方法は、
低温、低圧の温和な条件下で水素添加が可能な触媒を用
いる特開昭59ー133203号、特開昭60ー220
147号公報あるいは不活性有機溶媒中にて、ビス(シ
クロペンタジエニル)チタニウム化合物と、ナトリウム
原子、カリウム原子、ルビジウム原子またはセシウム原
子を有する炭化水素化合物とからなる触媒の存在下に水
素と接触させる特開昭62ー207303号公報に示さ
れる方法である。
ピーク温度または結晶化ピーク熱量の制御は、テトラヒ
ドロフラン等の極性化合物の添加または重合温度の制御
により行う。結晶化ピーク温度または結晶化ピーク熱量
の低下は、極性化合物を増量するか、または重合温度を
低下させて、1, 2ービニル結合を増大させることによ
り達成される。そして、水素添加ゴム(A)の100℃
で測定したムーニー粘度(ML)は20〜150、25
℃における5重量%スチレン溶液粘度(5%SV)は、
20〜300センチポイズ(cps)の範囲にあること
が好ましい。特に好ましい範囲は25〜150cpsで
ある。
は、例えば、水素添加前の(A)の共役ジエン単量体部
分のビニル結合の分布により制御でき、具体的にはビニ
ル結合を分子鎖に沿って増加あるいは減少させることに
より、あるいはビニル結合含有量の異なった複数個のブ
ロックの分布、量を変化させることによる。また異なっ
た結晶化ピークの半値幅の水素添加ゴム状重合体を複数
個組み合わせて本願の結晶化ピークの半値幅を達成して
も良い。本発明において、(A)の結晶化ピーク温度、
結晶化ピークの半値幅温度についての本発明の要件に加
えて、結晶化ピーク熱量が3〜100J/gの範囲にあ
ることが好ましく、特に(A)の各結晶化ピーク温度
が、ー50〜30℃の範囲にあり、かつ各結晶化ピーク
の半値幅温度の合計が10〜50℃であり、そして結晶
化ピーク熱量が10〜50J/gの範囲にある場合には
極めて優れた柔軟性、感触、耐傷つき性、光安定性及び
機械的特性が発現する。
いることが好ましい。特に芳香族ビニル単量体が5重量
%以下である水素添加ゴム(Aー1)と芳香族ビニル単
量体が5重量%以上、90重量%以下である水素添加ゴ
ム(A−2)とからなり、(Aー1)(A−2)中の芳
香族ビニル単量体の両者の差が5重量%以上である場合
には、外観、熱・光安定性、耐傷つき性、耐油性及び機
械的強度の向上効果が高くなる。(Aー1)と(A−
2)からなる水素添加ゴム中の(A−2)は、1〜99
重量%が好ましく、更に好ましくは10〜99重量%、
最も好ましくは20〜80重量%である。本発明におい
て(B)熱可塑性樹脂は、(A)と均一分散し得るもの
であればとくに制限はない。たとえば、ポリスチレン
系、ポリフェニレンエーテル系、ポリオレフィン系、ポ
リ塩化ビニル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリ
フェニレンスルフィド系、ポリカーボネート系、ポリメ
タクリレート系等の単独もしくは二種以上を混合したも
のを使用することができる。特に熱可塑性樹脂としてプ
ロピレン系樹脂等のオレフィン系樹脂及び/またはスチ
レン系樹脂が好ましい。
系樹脂を具体的に示すと、ホモのアイソタクチックポリ
プロピレン、プロピレンとエチレン、ブテン−1、ペン
テン−1、ヘキセン−1等の他のα−オレフィンとのア
イソタクチック共重合樹脂(ブロック、ランダムを含
む)等が挙げられる。本発明において、(B)の中で
も、(Bー1)エチレンとプロピレンとのランダム共重
合樹脂等のプロピレン系ランダム共重合樹脂単独また
は、(Bー1)と(Bー2)プロピレン系ブロック共重
合樹脂またはホモポリプロピレン系樹脂との組み合わせ
が好ましい。このような(Bー1)架橋型オレフィン系
樹脂と(Bー2)分解型オレフィン系樹脂の二種のオレ
フィン系樹脂を組み合わせることにより、外観と機械的
強度が更に向上する。
ピレンのランダム共重合樹脂を挙げることができ、エチ
レン成分がポリマー主鎖中に存在する場合は、それが架
橋反応の架橋点となり、架橋型オレフィン系樹脂の特性
を示す。(Bー2)はαーオレフィンが主成分であり、
ポリマー主鎖中にエチレン単位を含まないことが好まし
い。但し、プロピレン系ブロック共重合樹脂のようにエ
チレンーαオレフィン共重合体が分散相として存在する
場合は、分解型オレフィン系樹脂の特性を示す。(B)
は複数個の(Bー1)、(Bー2)成分の組み合わせで
も良い。(Bー1)の中で最も好ましいプロピレンを主
体としたαーオレフィンとのランダム共重合樹脂は、高
圧法、スラリー法、気相法、塊状法、溶液法等で製造す
ることができ、重合触媒としてZiegler-Natta 触媒、シ
ングルサイト、メタロセン触媒が好ましい。特に狭い組
成分布、分子量分布が要求される場合には、メタロセン
触媒を用いたランダム共重合法が好ましい。
州特許0969043A1 または米国特許5198401 に開示されて
おり、液状プロピレンを攪拌機付き反応器に導入した後
に、触媒をノズルから気相または液相に添加する。次い
で、エチレンガスまたはαーオレフィンを反応器の気相
または液相に導入し、反応温度、反応圧力をプロピレン
が還流する条件に制御する。重合速度は触媒濃度、反応
温度で制御し、共重合組成はエチレンまたはαーオレフ
ィンの添加量により制御する。また、本発明にて好適に
用いられるオレフィン系樹脂のメルトインデックスは、
0.1〜100g/10分(230℃、2.16kg荷
重)の範囲のものが好ましく用いられる。100g/1
0分を越えると、熱可塑性エラストマー組成物の耐熱
性、機械的強度が不十分であり、また0.1g/10分
より小さいと流動性が悪く、成形加工性が低下して望ま
しくない。
100重量部の中で、(B)は、1〜99重量部であ
り、好ましくは10〜90重量部、更に好ましくは20
〜80重量部であり、最も好ましくは30〜70重量部
である。1重量部未満では組成物の流動性、加工性が低
下傾向にあり、一方、99重量部を越えると組成物の柔
軟性が低下傾向にある。本発明において、(B)の中で
好ましい熱可塑性樹脂の一つのスチレン系樹脂は、ゴム
非変性スチレン系樹脂及び/またはゴム変性スチレン系
樹脂である。上記ゴム非変性スチレン系樹脂は、(A)
の中で記載した芳香族ビニル単量体の単独重合体または
二種以上の共重合体であり、更に必要に応じて、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル単
量体、炭素数が1〜8のアルキル基からなるアクリル酸
エステルまたはメタクリル酸エステル、あるいはアクリ
ル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、N−置換マレイ
ミド等の単量体の共重合体である。
変性スチレン系樹脂よりなるマトリックス中にゴム状重
合体が粒子状に分散してなる樹脂をいい、ゴム状重合体
の存在下に芳香族ビニル単量体及び必要に応じ、これと
共重合可能なビニル単量体を加えて単量体混合物を公知
の塊状重合、乳化重合、懸濁重合等の重合方法により得
られる。このようなゴム変性スチレン系樹脂の例として
は、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ABS樹脂
(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合
体)、AAS樹脂(アクリロニトリル−アクリルゴム−
スチレン共重合体)、AES樹脂(アクリロニトリル−
エチレンプロピレンゴム−スチレン共重合体)等が挙げ
られる。
て、ポリエチレン単独、ポリプロピレン単独、ポリスチ
レン単独、ポリプロピレンとポリエチレンとの併用、ポ
リプロピレンとポリスチレンとの併用、ポリプロピレン
とポリスチレンとのブレンド体を主体に相容化剤として
水素添加スチレンー共役ジエン単量体ブロック共重合体
をブレンドした熱可塑性樹脂が挙げられる。本発明の水
素添加ゴム組成物は、(C)架橋剤で架橋されることが
好まい。(C)は、(Cー1)架橋開始剤を必須成分と
し、必要に応じて(Cー2)多官能単量体、(Cー3)
単官能単量体を含有する。上記(C)は、(A)と
(B)の合計量100重量部に対し0.01〜10重量
部、好ましくは0.05〜3重量部の量で用いられる。
0.01重量部未満では架橋が不十分であり、10重量
部を越えると組成物の外観、機械的強度が低下する傾向
にある。
酸化物、有機アゾ化合物等のラジカル開始剤等が挙げら
れ、の具体的な例として、1,1−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5
−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキ
シルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−
ブチルパーオキシ)シクロドデカン、1,1−ビス(t
−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス
(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,
4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル
−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート等
のパーオキシケタール類;ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオ
キサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m
−イソプロピル)ベンゼン、α,α’−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメ
チル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン
および2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド
類;アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサ
イド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオ
キサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−ト
リメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパー
オキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイ
ドおよびm−トリオイルパーオキサイド等のジアシルパ
ーオキサイド類;t−ブチルパーオキシアセテート、t
−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオ
キシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキ
シラウリレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、
ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサ
ン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパー
オキシイソプロピルカーボネート、およびクミルパーオ
キシオクテート等のパーオキシエステル類;ならびに、
t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパ
ーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオ
キサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイ
ドロパーオキサイドおよび1,1,3,3−テトラメチ
ルブチルパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類
を挙げることができる。
(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミ
ルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンおよび2,5−ジメ
チル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン
−3が好ましい。上記(Cー1)は、(C)成分中で好
ましくは1〜80重量%、更に好ましくは10〜50重
量%の量が用いられる。1重量%未満では架橋が不十分
であり、80重量%を越えると機械的強度が低下する。
(Cー2)多官能単量体は、官能基としてラジカル重合
性の官能基が好ましく、とりわけビニル基がこのまし
い。官能基の数は2以上であるが、(Cー3)との組み
合わせで特に3個以上の官能基を有する場合には有効で
ある。具体例としては、ジビニルベンゼン、トリアリル
イソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ダイアセ
トンジアクリルアミド、ポリエチレングリコールジアク
リレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、
トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、エチレングリコール
ジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリ
レート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジイ
ソプロペニルベンゼン、P−キノンジオキシム、P,
P’−ジベンゾイルキノンジオキシム、フェニルマレイ
ミド、アリルメタクリレート、N,N’−m−フェニレ
ンビスマレイミド、ジアリルフタレート、テトラアリル
オキシエタン、1,2−ポリブタジエン等が好ましく用
いられる。特にトリアリルイソシアヌレートが好まし
い。これらの多官能単量体は複数のものを併用して用い
てもよい。上記(Cー2)は、(C)成分中で好ましく
は1〜80重量%、更に好ましくは10〜50重量%の
量が用いられる。1重量%未満では架橋が不十分であ
り、80重量%を越えると機械的強度が低下する。
は、架橋反応速度を制御するために加えるビニル系単量
体であり、ラジカル重合性のビニル系単量体が好まし
く、芳香族ビニル単量体、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル等の不飽和ニトリル単量体、アクリル酸エス
テル単量体、メタクリル酸エステル単量体、アクリル酸
単量体、メタクリル酸単量体、無水マレイン酸単量体、
N−置換マレイミド単量体等を挙げることができる。上
記(Cー3)は、(C)成分中で好ましくは1〜80重
量%、更に好ましくは10〜50重量%の量が用いられ
る。1重量%未満では架橋が不十分であり、80重量%
を越えると機械的強度が低下する。上記(D)は、パラ
フィン系、ナフテン系などのプロセスオイルが好まし
い。これらは組成物の硬度、柔軟性の調整用に、(A)
と(B)の合計量100重量部に対して、5〜500重
量部、好ましくは10〜150重量部用いる。5重量部
未満では柔軟性、加工性が不足し、500重量部を越え
るとオイルのブリードが顕著となり望ましくない。
じて(A)以外のゴム状重合体を配合することができ、
その配合量は、(A)と(B)との合計100重量部に
対して、1〜100重量部であることが好ましく、更に
好ましくは1〜50重量部、最も好ましくは5〜50重
量部である。上記ゴム状重合体の配合方法として、
(A)(B)と同時に混合し、架橋する方法、または
(A)(B)との架橋反応の後に、(A)以外のゴム状
重合体を配合する方法等がある。このようなゴム状重合
体は、例えば、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフ
ィンを含有するエチレンとαーオレフィンの共重合体で
あり、炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、例え
ば、プロピレン、ブテンー1、ペンテンー1、オクテン
ー1等が挙げられる。このようなエチレン・αーオレフ
ィン共重合体は、公知のメタロセン系触媒を用いて製造
することが好ましい。
(A)以外のゴム状重合体として、ポリスチレン系熱可
塑性エラストマ−が好ましく、芳香族ビニル単位と共役
ジエン単位からなるブロック共重合体、または上記共役
ジエン単位部分が部分的に水素添加またはエポキシ変性
されたブロック共重合体等が挙げられる。上記ブロック
共重合体を構成する芳香族ビニル単量体は、例えば、ス
チレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、p
−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、2,4,5−
トリブロモスチレン等であり、スチレンが最も好ましい
が、スチレンを主体に上記他の芳香族ビニル単量体を共
重合してもよい。また、上記ブロック共重合体を構成す
る共役ジエン単量体は、1,3−ブタジエン、イソプレ
ン等を挙げることができる。
は、芳香族ビニル単位からなる重合体ブロックをSで表
示し、共役ジエン及び/またはその部分的に水素添加さ
れた単位からなる重合体ブロックをBで表示する場合、
SB、S(BS)n、(但し、nは1〜3の整数)、S
(BSB)n、(但し、nは1〜2の整数)のリニア−
ブロック共重合体や、(SB)nX(但し、nは3〜6
の整数。Xは四塩化ケイ素、四塩化スズ、ポリエポキシ
化合物等のカップリング剤残基。)で示され、B部分を
結合中心とする星状(スタ−)ブロック共重合体である
ことが好ましい。なかでもSBの2型、SBSの3型、
SBSBの4型のリニア−ブロック共重合体が好まし
い。
合は、必要に応じて、JIS−K2410規定の25℃
における動粘度が5000センチストークス以上である
ポリオルガノシロキサンを添加することができる。上記
ポリオルガノシロキサンは、粘調な水飴状からガム状の
様態であり、アルキル、ビニル及び/またはアリール基
置換シロキサン単位を含むポリマーであれば特に制約さ
れない。その中でもポリジメチルシロキサンが最も好ま
しい。本発明に用いられるポリオルガノシロキサンの動
粘度(25℃)は、5000CS以上であり、更に好ま
しくは、1万CS以上10万未満、最も好ましくは5万
CS以上10万未満である。本発明において、ポリオル
ガノシロキサンの添加量は、(A)と(B)との合計1
00重量部に対して、0.01〜20重量部であること
が好ましく、更に好ましくは0.1〜10重量部、最も
好ましくは0.5〜5重量部である。
ねない程度に無機フィラーおよび可塑剤を含有すること
が可能である。ここで用いる無機フィラーとしては、例
えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、カ
ーボンブラック、ガラス繊維、酸化チタン、クレー、マ
イカ、タルク、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウ
ム等が挙げられる。また、可塑剤としては、例えば、ポ
リエチレングリコール、ジオクチルフタレート(DO
P)等のフタル酸エステル等が挙げられる。また、その
他の添加剤、例えば、有機・無機顔料、熱安定剤、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、シリコンオ
イル、アンチブロッキング剤、発泡剤、帯電防止剤、抗
菌剤等も好適に使用される。
成物、エラストマー組成物の製造に用いられるバンバリ
ーミキサー、ニーダー、単軸押出機、2軸押出機、等の
一般的な方法を採用することが可能である。とりわけ効
率的に動的架橋を達成するためには2軸押出機が好まし
く用いられる。2軸押出機は、(A)と(B)とを均一
かつ微細に分散させ、さらに他の成分を添加させて、架
橋反応を生じせしめ、本発明の組成物を連続的に製造す
るのに、より適している。本発明の組成物は、好適な具
体例として、次のような加工工程を経由して製造するこ
とができる。すなわち、(A)と(B)とをよく混合
し、押出機のホッパーに投入する。(C)架橋剤を、
(A)と(B)とともに当初から添加してもよいし、押
出機の途中から添加してもよい。また(D)を押出機の
途中から添加してもよいし、当初と途中とに分けて添加
してもよい。(A)と(C)の一部を押出機の途中から
添加してもよい。押出機内で加熱溶融し混練される際
に、前記(A)と(C)架橋剤とが架橋反応し、さらに
(D)等を添加して溶融混練することにより架橋反応と
混練分散とを充分させたのち押出機から取り出すことに
より、本発明の組成物のペレットを得ることができる。
料添加部を基点としてダイ方向に長さLを有し、かつL
/Dが5から100(但しDはバレル直径)である二軸
押出機を用いる場合である。二軸押出機は、その先端部
からの距離を異にするメインフィ−ド部とサイドフィ−
ド部の複数箇所の供給用部を有し、複数の上記供給用部
の間及び上記先端部と上記先端部から近い距離の供給用
部との間にニ−ディング部分を有し、上記ニ−ディング
部分の長さが、それぞれ3D〜10Dであることが好ま
しい。また本発明において用いられる製造装置の一つの
二軸押出機は、二軸同方向回転押出機でも、二軸異方向
回転押出機でもよい。また、スクリュ−の噛み合わせに
ついては、非噛み合わせ型、部分噛み合わせ型、完全噛
み合わせ型があり、いづれの型でもよい。低いせん断力
をかけて低温で均一な樹脂を得る場合には、異方向回転
・部分噛み合わせ型スクリュ−が好ましい。やや大きい
混練を要する場合には、同方向回転・完全噛み合わせ型
スクリュ−が好ましい。さらに大きい混練を要する場合
には、同方向回転・完全噛み合わせ型スクリュ−が好ま
しい。
ためには、以下の関係式の溶融温度を満足することが好
ましい。即ち、溶融温度T2 (℃)で、まず溶融混練
し、次いで溶融温度T3 (℃)で溶融混練し、とりわけ
原料添加口を基点としてダイ方向に長さLを有する溶融
押出機において、原料添加口から0. 1L〜0. 5Lの
長さの押出機ゾーンを溶融温度T2 (℃)で、まず溶融
混練し、次いでその後の押出機ゾーンを溶融温度T
3 (℃)で溶融混練する。ここで、特にT1 が150〜
250℃であることが好ましく、溶融押出機の各ゾーン
のT1 またはT2 は均一温度であっても良いし、または
温度勾配を有していても良い。 T1 :(Cー1)の1分間半減期温度(℃) T1 ー100<T2 <T1 +40 T2 +1<T3 <T2 +200 こうして得られたゴム組成物は任意の成形方法で各種成
型品の製造が可能である。射出成形、押出成形、圧縮成
形、ブロー成形、カレンダー成形、発泡成形等が好まし
く用いられる。
細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。なお、これら実施例および比較例において、各種
物性の評価に用いた試験法は以下の通りである。 1. 共役ジエン系ゴムの分析 1)水素添加率(%) NMRで以下の手順で測定した。まず、水素添加前のポ
リブタジエンゴムを重クロロホルムに溶解し、FTーN
MR(270メガ、日本電子製)にて化学シフト4. 7
〜5.2ppm(シグナルC0とする)の1,2ービニ
ルによるプロトン(=CHー)と、化学シフト5. 2〜
5.8ppm(シグナルD0とする)のビニルプロトン
(=CH−)の積分強度より、次式で計算した。 (V)=〔0. 5C0/{0. 5C0+0. 5(D0ー
0. 5C0)}〕×100
ムを重クロロホルムに溶解し、同様にFT−NMRに
て、化学シフト0. 6〜1.0ppm(シグナルA1と
する)の水素添加された1, 2結合によるメチル基プロ
トン(ーCH3 )、化学シフト4. 7〜5. 2ppm
(シグナルC1とする)の水素添加されていない1,2
ービニルによるプロトン(=CHー)、化学シフト5.
2〜5.8ppm(シグナルD1とする)の水素添加さ
れていないビニルプロトン(=CHー)の積分強度から
次式により計算した。 まず、p=0. 5C0/(0.5C1+A1/3) A11=pA1, C11=pC1, D11=pD1と
し、1,2ービニル結合部分の水素添加率(B) (B)=〔(A11/3)/{A11/3+C11/
2}〕×100 1, 4ー二重結合部分の水素添加率(C) (C)=[{0. 5(D0ー0. 5C0)ー0. 5(D
11ー0. 5C11)}/0. 5(D0ー0. 5C
0)]×100 ブタジエン部全体の水素添加率(A) (A)=(V)×(B)/100+〔100ー(V)〕
×(C)×100
00 (%) 水素添加前の1, 4結合={100ー(V)}×(C)
/100 (%) 水素添加後の1,2ービニル結合=(V)×{100ー
(B)}/100(%) 水素添加後の1, 4ー結合={100ー(V)}×{1
00ー(B)}/100(%)
晶化ピーク熱量(J/g)及び結晶化ピークの半値幅温
度(℃) 示差走査熱量測定法(DSC法)により測定した。具体
的には、日本国(株)マックサイエンス(MAK SC
IENCE)製、熱分析装置システムWS002を用い
て、(A)の試料10mgを窒素気流下、室温から10
℃/分で昇温し、100℃に到達した後に、直ちに10
℃/分でー100℃まで降温し、ベースラインに対して
変化した熱量変化を示す曲線を求めた。この曲線から既
に
り結晶化ピーク温度(℃)と結晶化ピーク熱量(J/
g)及び結晶化ピークの半値幅温度(℃)を求めた。
製 ATLAS CI35W Weatherometerを用い、JIS K71
02に基づいた方法で行なった。照射条件としては、試
験機内部温度、55℃、湿度55%、雨無し、キセノン
光(波長340nm エネルギー0.30W/m2 )3
00時間照射とした。スガ試験機(株)製 SMカラー
コンピューター型式SM−3を用い、L.a.b.法に
より試験前後での成形体の色差ΔEをもとめて、色調変
化を評価した。色調変化が小さいほど、光安定性(耐光
性)が高い。 4. 引張破断強度[MPa] JIS K6251に準じ、23℃にて評価した。 5. 耐傷つき性 先端が長さ10mm、幅1mm の長方形で、重さが300gの
くさびを高さ5cmからシートに落下させてできた、シ
ートの傷をレーザー光で走査して傷深さ(μm)を測定
した。
(べたつきの無いこと)と指紋跡が成形品表面に残るか
否かを評価した。 ◎:極めて手触り感が良好かつさらっとしており、指紋
跡も残らなく、極めて柔軟性に優れている。 ○:成形品表面に、べたつきは感じられない。また柔軟
性も良好。 △:成形品表面に指紋の跡が残るが、べたつきは感じら
れない。また柔軟性がある。 ×:指紋跡が残り、べたつき感や、ぬめり感がある。柔
軟性がない。
のを用いた。 (イ)実施例1の水素添加共役ジエン系ゴムの製造・・
・(A) 内容積10リッターの攪拌機付、ジャケット付きオート
クレーブを反応器として用いて、ブタジエン/n−ヘキ
サン溶液(ブタジエン濃度20重量%)を20リッター
/hrの速度で、n−ブチルリチウム/n−ヘキサン溶
液(濃度5重量%)を70ミリッター/hrで導入し、
重合温度110℃でブタジエンの連続重合を実施した。
得られた活性重合体をメタノールで失活させ、別の内容
積10リッターの攪拌機付、ジャッケット付きの反応器
に重合体溶液8リッターを移し、温度60℃にて水素添
加触媒としてジーpートリルビス(1ーシクロペンタジ
エニル)チタニウム/シクロヘキサン溶液(濃度1ミリ
リッター/リッター)250ミリリッターと、n−ブチ
ルリチウム溶液(濃度5ミリリッター/リッター)50
ミリリッターとを、0℃、2kg/cm2 の水素圧下で
混合したものを添加し、水素分圧3kg/cm2 にて3
0分間反応させた。得られた水素添加重合体溶液は、酸
化防止剤として2, 6ージターシャルブチルヒドロキシ
トルエンを重合体当たり、0. 5部添加して、溶剤を除
去した。
(A)水素添加共役ジエン系ゴムの製造・・・(A) 実施例1(A)水素添加共役ジエン系ゴムの製造方法に
おいて、下記表1〜4の実施例2〜27、比較例1〜3
に示される ブタジエン部の水添率(%)、残存主鎖二重結合量
(%)、残存側鎖二重結合量(%)、 ブタジエン(B)/スチレン(S)比、単量体連鎖構
造、 結晶化ピーク温度(℃)、結晶化ピーク熱量(J/
g)、 結晶化ピークの半値幅温度の合計(℃)となるよう
に、具体的には、 ブタジエン部の水添率(%)、残存主鎖二重結合量
(%)、残存側鎖二重結合量(%)については、ブタジ
エン重合体の水素添加反応条件(水素添加圧力、水素添
加温度、時間及び触媒量)を制御し、 ブタジエン(B)/スチレン(S)比については、ス
チレンを更に添加し同様に重合を行うことにより、 結晶化ピーク温度(℃)、結晶化ピーク熱量(J/
g)については、極性化合物テトラヒドロフラン(TH
F)の添加または重合温度の制御により行う(結晶化ピ
ーク温度、結晶化ピーク熱量の低下は、極性化合物を増
量するか、または重合温度を低下させて、1, 2ービニ
ル結合を増大させる)ことにより、 結晶化ピークの半値幅温度の合計(℃)については、
水素添加前の(A)の共役ジエン単量体部分のビニル結
合の分布により制御でき、具体的にはビニル結合を分子
鎖に沿って増加あるいは減少させることにより、あるい
はビニル結合含有量の異なった複数個のブロックの分
布、量を変化させることにより、更には異なった結晶化
ピークの半値幅の水素添加ゴム状重合体を複数個組み合
わせることにより、実施例2〜27、比較例1〜5の
(A)水素添加共役ジエン系ゴムを製造した。
(B) (1)スチレンーエチレンーブチレンースチレン共重合
体(SEBS) 旭化成(株)製〔商品名 タフテック(SEBSと称す
る)〕 (ハ)熱可塑性樹脂・・・(B) (1)ホモポリプロピレン 日本ポリオレフィン(株)製、アイソタクチックホモポ
リプロピレン(PPー1と称する) (2)ブロックポリプロピレン 日本ポリオレフィン(株)製、(PPー2と称する) (3)低密度ポリエチレン 旭化成(株)製、サンテックLD(LDPEと称する) (4)ゴム非変性ポリスチレン 旭化成(株)製、スタイロン(PSと称する) (ニ)パラフィン系オイル・・・(D) 出光興産(株)製、ダイアナプロセスオイル PW−3
80(MOと称する)
ブチルパーオキシ)ヘキサン(商品名パーヘキサ25
B)(POXー1と称する) 2)架橋開始剤(Cー1) 日本油脂社製、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−
ブチルパーオキシ)ヘキシンー3(商品名パーヘキシン
25B)(POXー2と称する) 3)多官能単量体(Cー2) 和光純薬(株)製、ジビニルベンゼン(DVBと称す
る) 4)多官能単量体(Cー2) 日本化成(株)製、トリアリルイソシアヌレート(TA
ICと称する) 5)多官能単量体(Cー2) 大内新興化学(株)製、N,N'-mフェニレンビスマレイミ
ド(PMIと称する) 6)単官能単量体(Cー3) 旭化成(株)製、メタクリル酸メチル(MMAと称す
る)
IC/MO(=50/50/80/0. 3/0. 6/3
0 重量部)からなる組成物を、バレル中央部に注入口
を有した2軸押出機(40mmφ、L/D=47)を用
いて以下の条件で製造した。スクリューとしては注入口
の前後に混練部を有した2条スクリューを用いた。この
ようにして得られた組成物からTダイ押出機を用いて、
200℃で2mm厚のシートを作製し、各種評価を行っ
た。その結果を表1〜4に示した。
定性が飛躍的に向上し、かつ本発明の要件の結晶性に関
する特性を満足することにより、柔軟性があり感触に優
れ、かつ光安定性、耐傷つき性、及び機械的強度が向上
することが分かる。 (実施例26〜27)実施例25において、POX−1
とTAICを用いないで、表4記載の(B)を用いるこ
と以外、同様の実験を繰り返した。その結果を表4に示
した。
POX−1,TAICを表5の(Cー1)〜(Cー3)
に変更し、更に以下の定義に従って、溶融温度T
2 (℃)で、まず溶融混練し、次いで溶融温度T
3 (℃)で溶融混練すること以外、同様の実験を繰り返
した。その結果を表5に示した。尚、(Cー2)、(C
ー3)を併用する場合は、両者を等量使用した。表5に
よると、以下の溶融条件で製造することにより、引張破
断強度、外観及び耐傷つき性の優れた水素添加ゴム状重
合体組成物が得られることが分かる。 T1 :(Cー1)の1分間半減期温度(℃) T1 ー100<T2 <T1 +40 T2 +1<T3 <T2 +200
PPー1の代わりに表6の(B)に変更すること以外、
同様の実験を繰り返した。その結果を表6に示した。
は、柔軟性があり感触に優れ、かつ耐傷つき性、光安定
性及び機械的強度に優れている。本発明のゴム状重合体
組成物は、自動車用部品、自動車用内装材、エアバッグ
カバー、機械部品、電気部品、ケーブル、ホース、ベル
ト、玩具、雑貨、日用品、建材、シート、フィルム等を
始めとする用途に幅広く使用可能であり、産業界に果た
す役割は大きい。
査熱量測定法(DSC法)で測定した結晶化ピークを1
個有する場合の熱量変化を示す曲線(縦軸単位:熱量
(J)、横軸単位:温度(℃))である。
2個有し、且つ互いに重なり合っている場合のDSC法
ての測定した熱量変化を示す曲線である。
Claims (6)
- 【請求項1】 (A)水素添加ゴム状重合体と(B)熱
可塑性樹脂とからなる水素添加ゴム状重合体組成物であ
って、(A)水素添加ゴム状重合体が少なくとも一種の
共役ジエン系単量体の単独重合体ゴム、または共役ジエ
ン系単量体と芳香族ビニル単量体とからなる共重合体ゴ
ムの全二重結合の水素添加率が50%以上である水素添
加ゴム状重合体であり、且つ示差走査熱量測定法(DS
C法)での結晶化ピークを1個以上有し、各結晶化ピー
ク温度が、−50〜100℃の範囲にあり、更に各結晶
化ピークの半値幅温度の合計が5〜100℃であること
を特徴とする水素添加ゴム状重合体組成物。 - 【請求項2】 (A)水素添加ゴム状重合体の結晶化ピ
ーク熱量が3〜100J/gの範囲にあることを特徴と
する請求項1に記載の水素添加ゴム状重合体組成物。 - 【請求項3】 (A)水素添加ゴム状重合体の各結晶化
ピーク温度が、ー50〜30℃の範囲にあり、かつ各結
晶化ピークの半値幅温度の合計が10〜50℃であり、
そして結晶化ピーク熱量が10〜50J/gの範囲にあ
ることを特徴とする請求項1または2に記載の水素添加
ゴム状重合体組成物。 - 【請求項4】 水素添加ゴム状重合体組成物が部分的ま
たは完全に架橋されていることを特徴とする請求項1〜
3のいずれかに記載の水素添加ゴム状重合体組成物。 - 【請求項5】 (B)熱可塑性樹脂がオレフィン系樹脂
及び/またはスチレン系樹脂である請求項1〜4のいず
れかに記載の水素添加ゴム状重合体組成物。 - 【請求項6】 水素添加ゴム状重合体組成物は(C)架
橋剤で架橋され、且つ(D)軟化剤が添加されることを
特徴とする請求項4または5に記載の水素添加ゴム状重
合体組成物。
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US7863378B2 (en) | 2006-08-31 | 2011-01-04 | Asahi Kasei Chemicals Corporation | Thermoplastic elastomer composition and modifier composition using the same |
WO2012111644A1 (ja) * | 2011-02-14 | 2012-08-23 | 株式会社クラレ | 水添ブロック共重合体およびそれを含む組成物 |
-
2001
- 2001-07-25 JP JP2001223994A patent/JP2003034738A/ja active Pending
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US9321874B2 (en) | 2011-02-14 | 2016-04-26 | Kuraray Co., Ltd. | Hydrogenated block copolymer and composition comprising same |
US9718953B2 (en) | 2011-02-14 | 2017-08-01 | Kuraray Co., Ltd. | Hydrogenated block copolymer and composition comprising same |
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JP2017190459A (ja) * | 2011-02-14 | 2017-10-19 | 株式会社クラレ | 熱可塑性エラストマー組成物 |
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