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JP2003026723A - 重合体の製造方法 - Google Patents

重合体の製造方法

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JP2003026723A
JP2003026723A JP2001215683A JP2001215683A JP2003026723A JP 2003026723 A JP2003026723 A JP 2003026723A JP 2001215683 A JP2001215683 A JP 2001215683A JP 2001215683 A JP2001215683 A JP 2001215683A JP 2003026723 A JP2003026723 A JP 2003026723A
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JP
Japan
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polymer
polymerization
containing compound
lithium
polymer solution
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Pending
Application number
JP2001215683A
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English (en)
Inventor
Kazuya Ono
一也 小野
Mizuho Maeda
瑞穂 前田
Hideo Takamatsu
秀雄 高松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オレフィン性二重結合含有化合物を重合開始
剤としてアルキルリチウムを用いて重合して得られる重
合体であって、アルキルリチウムに由来するリチウム含
有化合物がほとんど残存せず、かつ透明性の良好な重合
体を製造する方法を提供する。 【解決手段】 オレフィン性二重結合含有化合物を炭化
水素溶媒中で重合開始剤としてアルキルリチウムを用い
て重合した後に、活性水素含有化合物を添加して重合を
停止し、リチウムを含有する化合物を除去して重合体を
得る方法において、重合停止後の重合体溶液を炭酸ガス
で処理しついで重合体溶液を濾過するか、又は重合停止
後の重合体溶液を炭酸ガスで処理すると同時にもしくは
炭酸ガスで処理した後で水洗し、ついで重合体溶液を濾
過することを特徴とする重合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオレフィン性二重結
合含有化合物からの重合体の製造方法に関する。さらに
詳しくはオレフィン性二重結合含有化合物を重合開始剤
(以下、単に開始剤という)としてアルキルリチウムを
用いて重合させて得られる重合体溶液から開始剤に由来
するリチウムを除去する方法に特徴を有する重合体の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルキルリチウムを開始剤としたアニオ
ンリビング重合は、分子量制御が容易であり、分子量分
布を狭くすることができ、さらにモノマーの逐次添加に
より容易にブロック共重合体を得ることができる点で工
業上有用である。アニオンリビング重合によって得られ
る重合体としては、ポリイソプレン、ポリブタジエン、
スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−ブ
タジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンラン
ダム共重合体、スチレン−ブタジエンランダム共重合体
等が挙げられる。これらの重合体の用途としては、タイ
ヤ、ゴム製品、粘着剤、コンパウンド、プラスチック改
質剤等が挙げられる。
【0003】一般に、オレフィン性二重結合含有化合物
を溶媒中で開始剤としてアルキルリチウムを用いて重合
した重合体溶液は、ついでメタノール、エタノール等の
アルコールのような活性水素含有化合物を添加して重合
を停止した後、開始剤に由来するリチウムを含有する化
合物(例えば活性水素含有化合物としてメタノールを用
いた場合リチウムメトキシド等)を水洗して除去し、溶
媒を除去し、乾燥することにより最終製品としての重合
体とする。しかしながら、重合体の種類(例えばスチレ
ン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレ
ンブロック共重合体、末端に水酸基等の官能基を有する
重合体など)、又は重合時に使用する炭化水素溶媒の種
類によっては、水洗によるリチウムを含有する化合物の
除去が必ずしも十分にできない場合がある。その場合に
は、重合体中にリチウムを含有する化合物が残存し、そ
れによって重合体の色相が悪くなったり、重合体の熱安
定性等の諸物性が損なわれる恐れがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかして、本発明の目
的は、オレフィン性二重結合含有化合物を炭化水素溶媒
中で開始剤としてアルキルリチウムを用いて重合した後
に、活性水素含有化合物を添加して重合を停止し、開始
剤に由来するリチウムを含有する化合物を除去して重合
体を得る方法において、該リチウム含有化合物がほとん
ど残存せず、かつ透明性の良好な重合体を得る方法を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、(1)オレフィン性二重結合含有化合物を炭化
水素溶媒中で重合開始剤としてアルキルリチウムを用い
て重合した後に、活性水素含有化合物を添加して重合を
停止し、リチウムを含有する化合物を除去して重合体を
得る方法において、重合停止後の重合体溶液に炭酸ガス
を添加しついで重合体溶液を濾過することを特徴とする
重合体の製造方法;及び(2)オレフィン性二重結合含
有化合物を炭化水素溶媒中で重合開始剤としてアルキル
リチウムを用いて重合した後に、活性水素含有化合物を
添加して重合を停止し、リチウムを含有する化合物を除
去して重合体を得る方法において、重合停止後の重合体
溶液を炭酸ガスで処理すると同時に又は炭酸ガスで処理
した後で水洗し、ついで重合体溶液を濾過することを特
徴とする重合体の製造方法、を提供することにより達成
される。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳しく説明
する。本発明の重合体の製造方法において原料として用
いるオレフィン性二重結合含有化合物としては、例えば
1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエ
ン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−メチ
ル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、
4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル
−1,3−オクタジエンなどの共役ジエン化合物;スチ
レン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−
ブチルスチレン、1−ビニルナフタレン、3−メチルス
チレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルス
チレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベン
ジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレンなどの
ビニル芳香族化合物;エチルアクリレート、メチルアク
リレート、メチルメタクリレート、t−ブチルメタクリ
レート、ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリル
酸、メタクリル酸などの(メタ)アクリル酸又はそのエ
ステル;アクリロニトリル、ビニリデンシアニド、ニト
ロエチレン、メチレンマロン酸エチル等が挙げられる。
【0007】これらは各単独で又は2種以上組み合わせ
て用いることができるが、共役ジエン化合物を各単独で
又は2種以上組み合わせて用いるか、共役ジエン化合物
とビニル芳香族化合物とを組み合わせて用いるのが好ま
しい。共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物とを組み
合わせる場合としては、1,3−ブタジエン又はイソプ
レンとスチレンとの組み合わせが好ましい。
【0008】開始剤としてのアルキルリチウムとしては
炭素数1〜10のアルキルリチウムを用いることがで
き、例えばメチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチ
ルリチウム、s−ブチルリチウム、t−ブチルリチウ
ム、ペンチルリチウム等が挙げられるが、n−ブチルリ
チウムが特に好ましい。開始剤の使用量に厳密な意味で
の制限はないが、通常、重合に用いるオレフィン性二重
結合含有化合物100質量部に対して、リチウム質量と
して0.001〜1.0質量部の範囲であり、好ましく
は0.01〜0.5質量部の範囲である。
【0009】炭化水素溶媒としては炭素数5〜12の脂
肪族、脂環式又は芳香族炭化水素を用いることができ、
例えばn−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シ
クロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げ
られる。これらの中でn−ヘキサン、シクロヘキサンが
好ましく用いられる。炭化水素溶媒の使用量には特に制
限はないが、通常、重合時のオレフィン性二重結合含有
化合物の濃度が5〜80質量%の範囲、好ましくは10
〜70質量%の範囲内となるような量を用いるのが好ま
しい。
【0010】本発明の製造方法における重合は、従来既
知のアニオン重合法であり、例えば、ビニル芳香族化合
物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体を製造する
場合は、炭化水素溶媒中に所定量のアルキルリチウムを
添加し、ついでビニル芳香族化合物、共役ジエン化合物
を逐次重合させることで重合反応を行うことができる。
かかる重合反応において、反応温度及び反応圧力に厳密
な意味での制限はないが、反応温度は通常30〜100
℃の範囲、好ましくは40〜80℃の範囲であり、反応
圧力は通常0.1〜10MPaの範囲、好ましくは0.
5〜5MPaの範囲である。
【0011】本発明の方法で製造される重合体は、前述
したオレフィン性二重結合含有化合物を各単独で又は2
種以上組み合わせて、好ましくは共役ジエン化合物を各
単独で又は2種以上組み合わせてもしくは共役ジエン化
合物とビニル芳香族化合物とを組み合わせて重合させて
得られる重合体である。重合体が共重合体である場合、
その繰り返し単位の配列に関しての形態については、ブ
ロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合
体、交互共重合体のいずれであってもよい。本発明の方
法で製造される重合体の好ましい例としては、ポリイソ
プレン、ポリブタジエン、スチレン−共役ジエンブロッ
ク共重合体(スチレン−イソプレンブロック共重合体、
スチレン−ブタジエンブロック共重合体等)、スチレン
−共役ジエン−スチレンブロック共重合体(スチレン−
イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブ
タジエン−スチレンブロック共重合体等)、スチレン−
共役ジエンランダム共重合体(スチレン−イソプレンラ
ンダム共重合体、スチレン−ブタジエンランダム共重合
体等)等が挙げられる。
【0012】本発明の方法で製造される重合体の分子量
については特に制限はないが、ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー(GPC)によって測定したポリスチ
レン換算の数平均分子量として500〜500,000
の範囲であることが好ましく、1,000〜100,0
00の範囲であることがより好ましい。
【0013】上記重合後、反応液に活性水素含有化合物
を添加して重合を停止する。活性水素含有化合物として
は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−
プロパノール等の炭素数1〜8の1級もしくは2級のア
ルコールを好ましく用いることができる。活性水素含有
化合物の添加量は重合を停止することができる量である
限り、特に制限はないが、通常、開始剤として用いたア
ルキルリチウムに対して1〜5モル倍、好ましくは1〜
3モル倍、より好ましくは1〜1.5モル倍の範囲で添
加する。
【0014】本発明の方法においては、重合停止後、重
合体溶液を炭酸ガスで処理しついで濾過するか、又は重
合停止後の重合体溶液を炭酸ガスで処理し、水洗しつい
で濾過するかもしくは炭酸ガスで処理すると同時に水洗
しついで濾過することが特徴である。上記いずれの操作
によっても、開始剤としてのアルキルリチウムに由来す
るリチウムを含有する化合物がほとんど残存せず、かつ
透明性の良好な重合体を得ることができる。特に中間工
程として水洗工程を設ける場合には、濾過速度を大幅に
向上させることができる。なお本明細書においては、リ
チウムを含有する化合物とは開始剤として使用したアル
キルリチウム中のリチウムが活性水素含有化合物等と反
応して生じたリチウム含有化合物を意味するが、使用ア
ルキルリチウムがそのまま残存している場合にはそれを
も含む。
【0015】炭酸ガスによる重合体溶液の処理は、重合
体溶液を炭酸ガスと接触させ、攪拌することによって行
う。炭酸ガスを重合体溶液に接触させる方法については
特に制限はないが、反応系内のガス雰囲気を炭酸ガス雰
囲気にすることによって行うのが好ましい。炭酸ガスの
使用量については特に制限はないが、通常、反応系内の
炭酸ガスの分圧として0.01〜10MPaの範囲であ
るのが好ましく、0.1〜5MPaの範囲であるのがよ
り好ましい。炭酸ガスによる処理時の重合体溶液の温度
及び処理時間については、本発明の前記目的が達成され
る限り特に制限はないが、温度については通常30〜9
0℃の範囲が好ましく、時間については1分〜3時間の
範囲が好ましい。
【0016】本発明の方法において必要に応じて行う水
洗処理は、炭酸ガスで処理した後で重合体溶液を濾過す
る前に行うか、又は重合体溶液を炭酸ガスで処理すると
同時に行う。添加する水の量に厳密な意味での制限はな
いが、重合体溶液の量に対して通常0.05〜10容量
倍の範囲であるのが好ましく、0.1〜5容量倍の範囲
であるのがより好ましい。水洗時の温度は通常10〜9
0℃、好ましくは20〜80℃の範囲である。水洗処理
の時間には特に制限はないが、通常、1分〜1時間の範
囲であるのが操作性や生産性の観点からは好ましい。な
お、水洗は複数回行ってもよい。水洗処理を行った場
合、かかる処理後の混合物はそのまま次の濾過工程に付
し、濾過後に、水層と、重合体を含む有機層とを分離し
てもよいが、操作の簡便性などの観点からは、水洗処理
後の混合物を静置して、水層と、重合体を含む有機層と
を分離させ、重合体を含む有機層のみを回収して次の濾
過工程に付すことが好ましい。
【0017】本発明の方法において炭酸ガス処理後又は
水洗処理後に行う濾過工程に使用する濾材としては、特
に制限はないが、例えば砂、ケイソウ土等の粒状濾材、
多孔性金属板、磁器等の固体成型濾材、綿、羊毛、合成
繊維、ガラス繊維等の織布、金属製金網、濾紙、フェル
ト等の不織布、アスベスト、セルロースパルプ、濾過
板、濾過綿、フィルターカートリッジなどが挙げられ
る。かかる濾材は1〜12のpHに耐えられるものであ
ることが好ましい。本発明において使用する濾材の保留
粒子径は3μm以下であることが好ましく、0.3〜1
μmであることがより好ましい。濾材の保留粒子径が3
μmを超える場合には、重合体溶液中に含まれるリチウ
ムを含有する化合物の除去が不十分となる傾向となり、
得られる重合体が着色する場合がある。
【0018】本発明の方法で行う濾過に際しては、濾過
抵抗を減じ、濾材の目詰まりを防止し、及び/又は清澄
な濾液を得るため、さらに濾過助剤を使用してもよい。
濾過助剤としては、ケイソウ土、パーライト、紙パル
プ、炭末、酸性白土、アスベスト、鋸屑、ソルカフロッ
ク、セライト、ラジオライト、セルロースパウダー等が
挙げられる。濾過助剤の使用方法としてはボディフィー
ド(重合体溶液に予め添加後濾過)及びプレコート(濾
材面上に予め濾過助剤層を形成後濾過)のいずれでもよ
い。
【0019】なお、本発明の方法で行う濾過に際し、濾
材の濾過能力を好適な範囲に保ち、濾過操作を効率良く
行う観点から、重合体溶液中の重合体の濃度は、5〜8
0質量%の範囲に設定することが好ましく、10〜70
質量%の範囲に設定することがより好ましい。この設定
は濾過工程に付す前の任意の工程で行うことができ、例
えば重合停止後、炭化水素溶媒を留去するか添加して行
うことができる。また、濾過を行う際の重合体溶液の温
度は10〜80℃の範囲であることが好ましく、20〜
70℃の範囲であることがより好ましい。10℃未満で
ある場合、重合体溶液の粘度が高すぎる値となる傾向に
なって濾過の効率が低下し、一方80℃を超えると粘度
は低下するものの、加温に必要な熱量の浪費となる。濾
過時の圧力については特に制限はなく、常圧下でも、ま
た減圧下でも加圧下でも濾過操作を行うことができる。
【0020】上記濾過によって、重合体溶液からリチウ
ムを含有する化合物を除去することができる。上記濾過
で得られる重合体溶液から溶媒を除去することにより重
合体を得ることができる。かかる方法としては、例えば
重合体溶液を加熱して溶媒を蒸発させる方法、減圧下に
溶媒を留去させる方法、スチームストリッピングなどの
通常の方法を採用することができる。
【0021】本発明によって得られる重合体の用途とし
ては、タイヤ、ゴム製品、粘・接着剤、アスファルト改
質剤、コーティング材、シーリング材、SMC(シート
・モールディング・コンパウンド)低収縮剤、潤滑油添
加剤、プラスチック改質剤、コンパウンド、ゴム改質
剤、刷版材、各種充填剤の分散剤、可塑剤等が挙げられ
るが、リチウムを含有する化合物をほとんど含有しない
こと及び透明性に優れることから、本発明によって得ら
れる重合体は医療用の粘・接着剤、食品包装用の粘・接
着剤として特に好適に使用し得る。
【0022】
【実施例】以下実施例によって本発明を具体的に説明す
るが、本発明はかかる実施例によって何等限定されるも
のではない。 実施例1 窒素置換を行った容量5リットルのオートクレーブ中
に、脱気、脱水処理したシクロヘキサン2,000g及
びn−ブチルリチウム(1.6mol/Lヘキサン溶
液、20.8mL)を仕込んだ後、50℃まで昇温し、
イソプレン850gを添加して3時間重合を行った後、
この反応液にスチレン150gを加えて50℃で1.5
時間重合を行い、スチレン含有量15質量%のスチレン
−イソプレンブロック共重合体を製造した。反応液にメ
タノール1.3g(使用したn−ブチルリチウムに対し
て1.2モル倍に相当)を添加し重合停止反応を行った
後に、反応液の一部をサンプリングし、GPC分析を行
ったところ、ポリスチレン換算の数平均分子量は30,
000であった。
【0023】引き続き、オートクレーブ内部を炭酸ガス
で0.5MPaになるまで加圧し、70℃で30分攪拌
した。次に、反応液に対して0.3容量倍に相当する量
の蒸留水をオートクレーブ内に添加して70℃で5分間
激しく攪拌し、混合物を静置して有機層と水層とを分離
させた後、有機層を回収した。回収した有機層にシクロ
ヘキサンを添加して有機層中の重合体濃度を30質量%
に調整した後、ガラス繊維濾紙(ADVANTEC G
C−90(東洋濾紙株式会社製);保留粒子径0.5μ
m)を用いて、アスピレーターで減圧した条件で吸引濾
過した。なお、このときの有機層の濾過速度を測定した
ところ、3.0L/hrであった。この操作で得られた
濾液を、減圧下に濃縮して溶媒を留去することにより、
スチレン−イソプレンブロック共重合体980gを得
た。得られたスチレン−イソプレンブロック共重合体の
透明性は良好であり、また残存するリチウムの量を原子
吸光法により測定したところ、1ppm未満であった。
【0024】実施例2 実施例1において、濾材としてガラス繊維濾紙(ADV
ANTEC GC−100(東洋濾紙株式会社製);保
留粒子径1μm)を用いた以外は実施例1と同様にして
重合、炭酸ガス処理、水洗処理、濾過処理を行った。こ
のときの有機層の濾過速度を測定したところ、4.0L
/hrであった。得られたスチレン−イソプレンブロッ
ク共重合体の透明性は良好であり、また残存するリチウ
ムの量を原子吸光法により測定したところ、1ppm未
満であった。
【0025】実施例3 実施例1において、蒸留水を加えて攪拌するという操作
を行わなかった以外は実施例1と同様にして重合、炭酸
ガス処理及び濾過処理を行った。このときの有機層の濾
過速度を測定したところ、1.0L/hrであった。得
られたスチレン−イソプレンブロック共重合体の透明性
は良好であり、また残存するリチウムの量を原子吸光法
により測定したところ、1ppm未満であった。
【0026】比較例1 窒素置換を行った容量5リットルのオートクレーブ中
に、脱気、脱水処理したシクロヘキサン2,000g及
びn−ブチルリチウム(1.6mol/Lヘキサン溶
液、20.8mL)を仕込んだ後、50℃まで昇温し、
イソプレン850gを添加して3時間重合を行った後、
この反応液にスチレン150gを加えて50℃で1.5
時間重合を行い、スチレン含有量15質量%のスチレン
−イソプレンブロック共重合体を製造した。反応液にメ
タノール1.3g(使用したn−ブチルリチウムに対し
て1.2モル倍に相当)を添加し重合停止反応を行った
後に、反応液の一部をサンプリングし、GPC分析を行
ったところ、ポリスチレン換算の数平均分子量は30,
000であった。
【0027】この反応液に、反応液にに対して1容量倍
に相当する量の蒸留水をオートクレーブ内に添加して室
温で30分間激しく攪拌した後、混合物を静置して有機
層と水層とを分離させ、水層を除去する操作(水洗)
を、6回繰り返した。得られた有機層を減圧下に濃縮し
て溶媒を留去することにより、スチレン−イソプレンブ
ロック共重合体980gを得た。得られたスチレン−イ
ソプレンブロック共重合体は白濁しており、また残存す
るリチウムの量を原子吸光法により測定したところ、9
0ppmであった。
【0028】
【発明の効果】本発明の方法によれば、オレフィン性二
重結合含有化合物を、開始剤としてアルキルリチウムを
用いて重合して得られる重合体であって、アルキルリチ
ウムに由来するリチウム含有化合物がほとんど残存せ
ず、かつ透明性の良好な重合体を製造することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高松 秀雄 茨城県鹿島郡神栖町東和田36番地 株式会 社クラレ内 Fターム(参考) 4J100 AB00P AB02P AB03P AB04P AB07P AJ02P AL03P AL09P AM02P AM08P AN01P AS01P AS02P AS03P AS04P BC04P CA01 EA01 FA03 FA19 GA02 GA22 GD02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレフィン性二重結合含有化合物を炭化
    水素溶媒中で重合開始剤としてアルキルリチウムを用い
    て重合した後に、活性水素含有化合物を添加して重合を
    停止し、リチウムを含有する化合物を除去して重合体を
    得る方法において、重合停止後の重合体溶液を炭酸ガス
    で処理しついで重合体溶液を濾過することを特徴とする
    重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 オレフィン性二重結合含有化合物を炭化
    水素溶媒中で重合開始剤としてアルキルリチウムを用い
    て重合した後に、活性水素含有化合物を添加して重合を
    停止し、リチウムを含有する化合物を除去して重合体を
    得る方法において、重合停止後の重合体溶液を炭酸ガス
    で処理すると同時に又は炭酸ガスで処理した後で水洗
    し、ついで重合体溶液を濾過することを特徴とする重合
    体の製造方法。
  3. 【請求項3】 濾過を保留粒子径が3μm以下の濾材を
    用いて行う請求項1又は2記載の製造方法。
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