JP2003022526A - 磁気記録媒体の磁化パターン形成方法及び製造方法、磁気記録媒体、磁気記録装置 - Google Patents
磁気記録媒体の磁化パターン形成方法及び製造方法、磁気記録媒体、磁気記録装置Info
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- JP2003022526A JP2003022526A JP2001211019A JP2001211019A JP2003022526A JP 2003022526 A JP2003022526 A JP 2003022526A JP 2001211019 A JP2001211019 A JP 2001211019A JP 2001211019 A JP2001211019 A JP 2001211019A JP 2003022526 A JP2003022526 A JP 2003022526A
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Abstract
かも耐衝撃性及び耐久性の高い磁気記録媒体と、その製
造方法と、この磁気記録媒体を備えた磁気記録装置を提
供する。 【解決手段】基板1a上に磁性層1bを有してなり、該
磁性層1bが面内の所定方向にほぼ一様に磁化されてな
る面内磁気記録媒体1に対し、エネルギー線5を照射し
て磁性層1bを局所的に加熱すると同時に磁性層1bに
マグネット2により外部磁界を印加し、加熱部を該所定
方向とは逆向きに磁化することにより磁化パターンを形
成する。エネルギー線照射領域での面内方向の磁界強度
を基準として、エネルギー線照射領域での垂直方向の磁
界強度が50%以下であり、エネルギー線照射領域以外
での面内方向の磁界強度が110%以下であり、かつ、
エネルギー線照射領域以外での垂直方向の磁界強度が1
00%以下である。
Description
いられる磁気ディスクなどの磁気記録媒体の面内方向の
磁化パターン形成方法及び装置に関する。また、本発明
は、この方法により磁化パターンを形成した磁気記録媒
体及びその製造方法と、この磁気記録媒体を備えた磁気
記録装置に関する。
イブ)に代表される磁気記録装置はコンピュータなどの
情報処理装置の外部記憶装置として広く用いられ、近年
は動画像の録画装置やセットトップボックスのための記
録装置としても使用されつつある。
を1枚或いは複数枚を串刺し状に固定するシャフトと、
該シャフトにベアリングを介して接合された磁気ディス
クを回転させるモータと、記録及び/又は再生に用いる
磁気ヘッドと、該ヘッドが取り付けられたアームと、ヘ
ッドアームを介してヘッドを磁気記録媒体上の任意の位
置に移動させることのできるアクチュエータとからな
る。記録再生用ヘッドは通常浮上型ヘッドで、磁気記録
媒体上を一定の浮上量で移動している。
より縮めるために、コンタクトヘッド(接触型ヘッド)
の使用も提案されている。
体は、一般にアルミニウム合金などからなる基板の表面
にNiP層を形成し、所要の平滑化処理、テキスチャリ
ング処理などを施した後、その上に、金属下地層、磁性
層(情報記録層)、保護層、潤滑層などを順次形成して
作製されている。あるいは、ガラスなどからなる基板の
表面に金属下地層、磁性層(情報記録層)、保護層、潤
滑層などを順次形成して作製されている。磁気記録媒体
には面内磁気記録媒体と垂直磁気記録媒体とがある。面
内磁気記録媒体は、通常、長手記録が行われる。
増しており、これを実現する技術には様々なものがあ
る。例えば磁気ヘッドの浮上量をより小さくしたり磁気
ヘッドとしてGMRヘッドを採用したり、また磁気ディ
スクの記録層に用いる磁性材料を保磁力の高いものにす
るなどの改良や、磁気ディスクの情報記録トラックの間
隔を狭くするなどが試みられている。例えば100Gb
it/inch2を実現するには、トラック密度は10
0ktpi以上が必要とされる。
めの制御用磁化パターンが形成されている。例えば磁気
ヘッドの位置制御に用いる信号や同期制御に用いる信号
である。情報記録トラックの間隔を狭めてトラック数を
増加させると、データ記録/再生用ヘッドの位置制御に
用いる信号(以下、「サーボ信号」と言うことがあ
る。)もそれに合わせてディスクの半径方向に対して密
に、すなわちより多く設けて精密な制御を行えるように
しなければならない。
ちサーボ信号に用いる領域や該サーボ領域とデータ記録
領域の間のギャップ部を小さくしてデータ記録領域を広
くし、データ記録容量を上げたいとの要請も大きい。こ
のためにはサーボ信号の出力を上げたり同期信号の精度
を上げる必要がある。
ライブ(磁気記録装置)のヘッドアクチュエータ近傍に
穴を開け、その部分にエンコーダ付きのピンを挿入し、
該ピンでアクチュエータを係合し、ヘッドを正確な位置
に駆動してサーボ信号を記録するものである。しかしな
がら、位置決め機構とアクチュエータの重心が異なる位
置にあるため、高精度のトラック位置制御ができず、サ
ーボ信号を正確に記録するのが困難であった。
してディスク表面を局所的に変形させ物理的な凹凸を形
成することで、凹凸サーボ信号を形成する技術も提案さ
れている。しかし、凹凸により浮上ヘッドが不安定とな
り記録再生に悪影響を及ぼす、凹凸を形成するために大
きなパワーをもつレーザビームを用いる必要がありコス
トがかかる、凹凸を1ずつ形成するために時間がかか
る、といった問題があった。
れている。
ディスクにサーボパターンを形成し、マスターディスク
を磁気記録媒体に密着させるとともに、外部から補助磁
界をかけて磁化パターンを転写する方法である(USP
5,991,104号)。
き、マスターディスクに高透磁率で低保磁力の軟磁性層
などをパターニングし、マスターディスクを媒体に密着
させるとともに外部磁界をかける方法である。軟磁性層
がシールドとして働き、シールドされていない領域に磁
化パターンが転写される(特開昭50−60212号公
報(USP3、869、711号)、特開平10−40
544号公報(EP915456号)、Digest of Inte
rMag 2000、GP-06、参照)。
スクを用い、強力な磁界によって磁化パターンを媒体に
形成している。
磁界によって磁化パターンを記録する際には、漏れ磁界
によってパターン境界が不明瞭になりやすい。そこで、
漏れ磁界を最小にするためにマスターディスクと媒体を
密着させることが不可欠である。そしてパターンが微細
になるほど、隙間なく完全に密着させる必要があり、通
常、両者は真空吸着などにより圧着される。
用いる磁界も大きくなり、漏れ磁界も大きくなるため、
更に完全に密着させる必要がある。
スクや、マスターディスクに密着させ易い可撓性のフロ
ッピー(登録商標)ディスクには適用しやすいが、硬質
基板を用いた、高密度記録用の保磁力が3000Oe以
上もあるような磁気ディスクへの適用が非常に難しい。
ーディスクへの密着の際に微小なゴミ等を挟み込み媒体
に欠陥が生じたり、或いは高価なマスターディスクを痛
めてしまう恐れがあった。特にガラス基板の場合、ゴミ
の挟み込みで密着が不十分になり磁気転写できなかった
り、磁気記録媒体にクラックが発生したりするという問
題があった。
3、869、711号)に記載されたような技術では、
ディスクのトラック方向に対して斜めの角度を有したパ
ターンは、記録は可能であるが信号強度の弱いパターン
しか作れないという問題があった。保磁力が2000〜
2500Oe以上の高保磁力の磁気記録媒体に対して
は、転写の磁界強度を確保するために、マスターディス
クのパターン用強磁性体(シールド材)は、パーマロイ
あるいはセンダスト等の飽和磁束密度の大きい軟磁性体
を使わざるを得ない。
磁界はマスターディスクの強磁性層が作るギャップに垂
直方向となってしまい所望の方向に磁化を傾けることが
できない。その結果、磁界の一部が強磁性層に逃げてし
まい磁気転写の際に所望の部位に十分な磁界がかかりに
くく、十分な磁化反転パターンを形成できず高い信号強
度が得にくくなってしまう。こうした斜めの磁化パター
ンは、再生出力が、トラックに垂直のパターンに対して
アジマスロス以上に大きく減ってしまう。
願人は、特願2000−134608号及び特願200
0−134611号において、局所加熱と外部磁界印加
を組み合わせて磁気記録媒体に磁化パターンを形成する
方法を提案している。例えば、媒体を予め一方向に磁化
しておき、パターニングされたマスクを介してエネルギ
ー線等を照射し局所的に加熱し、該加熱領域の保磁力を
下げつつ外部磁界を印加し、この加熱領域に外部磁界に
よる磁化を施して、磁化パターンを形成する。
て外部磁界を印加するので、外部磁界が媒体の保磁力よ
り高い必要はなく、弱い磁界で記録できる。そして、記
録される領域が加熱領域に限定され、加熱領域以外には
磁界が印加されても記録されないので、媒体にマスク等
を密着させなくても明瞭な磁化パターンが記録できる。
このため圧着によって媒体やマスクを傷つけることな
く、媒体の欠陥を増加させることもない。
て外部磁界をシールドする必要がないため、斜めの磁化
パターンも良好に形成できる。
00−134608号及び特願2000−134611
号の磁化パターン形成方法では、この外部磁界印加の際
に、例えば、媒体の片面に一対の磁石(NとS)を置
き、媒体の片面側からのみ磁界を印加している。しか
し、全面で再生信号品質が優れ、かつ信号の均一性が高
い磁化パターンを形成するために、より優れた外部磁界
印加方法が求められていた。
磁化パターン形成方法は、基板上に磁性層を有してな
り、該磁性層が面内の所定方向にほぼ一様に磁化されて
なる面内磁気記録媒体に対し、エネルギー線を照射して
磁性層を局所的に加熱すると同時に磁性層に外部磁界を
印加し加熱部を該所定方向とは逆向きに磁化することに
より磁化パターンを形成する方法であって、エネルギー
線照射領域での面内方向の磁界強度を基準として、エネ
ルギー線照射領域での該磁気記録媒体面と垂直な垂直方
向の磁界強度が50%以下であり、エネルギー線照射領
域以外での面内方向の磁界強度が110%以下であり、
かつ、エネルギー線照射領域以外での垂直方向の磁界強
度が100%以下であることを特徴とするものである。
度と面内方向の磁界強度の比較はいずれも最大値同士の
比較で行う。
ネルギー線照射領域での面内の磁界強度を基準として、
エネルギー線照射領域での該磁気記録媒体面と垂直な垂
直方向の磁界強度が50%以下であるため、上記の所定
方向とは逆向きの磁化パターンを面内方向への配向度を
高くして形成することができる。
(即ち、エネルギー線照射領域以外の領域)での水平方
向の磁界強度が110%以下であり、かつ、エネルギー
線非照射領域での垂直方向の磁界強度が100%以下好
ましくは50%以下とすることより、エネルギー線照射
領域において面内方向の磁化を良好に行うことができ
る。
平方向の磁界強度の最大値を該面内磁気記録媒体の室温
での保磁力より小さくすることが好ましい。これによ
り、エネルギー線照射領域に隣接する非照射領域(即
ち、非加熱領域)の磁区がエネルギー線照射領域への印
加磁界から影響を受けることが抑制される。
磁界を印加する場合、互いに逆向きの磁極からなる磁石
対を、磁気記録媒体の両面に配置することにより外部磁
界の印加を行うことが好ましい。
磁化パターン形成方法により磁化パターンが形成された
ものである。
体と、磁気記録媒体を記録方向に駆動する駆動部と、記
録部と再生部からなる磁気ヘッドと、磁気ヘッドを磁気
記録媒体に対して相対移動させる手段と、磁気ヘッドへ
の記録信号入力と磁気ヘッドからの再生信号出力を行う
ための記録再生信号処理手段を有するものである。
上に磁性層を有してなり、基板上に磁性層が設けられて
なり、媒体の記録及び/又は再生に用いる磁気ヘッドの
制御用磁化パターンを有する面内磁気記録媒体を製造す
る方法であって、該制御用磁化パターンを上記本発明の
磁化パターン形成方法によって形成するものである。
に磁性層を有してなり、該磁性層が面内の所定方向にほ
ぼ一様に磁化されてなる面内磁気記録媒体に対し、エネ
ルギー線を照射して磁性層を局所的に加熱すると同時に
磁性層に外部磁界を印加し加熱部を該所定方向とは逆向
きに磁化することにより磁化パターンを形成する装置で
あって、互いに逆向きの磁極からなる磁石対からなる外
部磁界印加手段を2以上有してなり、かつ該2以上の外
部磁界印加手段が、該磁気記録媒体の両面から同時に磁
界を印加可能に配置されてなることを特徴とするもので
ある。
について説明する。図1(a)は実施の形態に係る磁化
パターンの形成方法を示す平面図、図1(b)は図1
(a)のB−B線に沿う断面図、図2は磁束を示す模式
的な断面図、図3は図2の要部拡大図である。
上に磁性層1bを有してなり、該磁性層1bが面内の所
定方向にほぼ一様に磁化されてなる面内磁気記録媒体1
に対し、エネルギー線5を照射して磁性層1bを局所的
に加熱すると同時に磁性層1bにマグネット2を用いて
外部磁界を印加し、加熱部を該所定方向とは逆向きに磁
化することにより磁化パターンを形成する。磁気記録媒
体1はターンテーブル(図示略)上に載置され、留め付
けられる。
に、遮光板3が用いられている。エネルギー線5は、こ
の遮光板3の扇形の窓孔3aを通り、さらにマスク4を
透過して磁気記録媒体1に照射される。
S極(図中の符号S)とからなる。このマグネット2が
円盤状の磁気記録媒体1の両面側(図1(b)の上下両
側)に配置されている。この実施の形態では、上下両側
のマグネット2の磁界強度は同一であり、マグネット
2,2から磁性層1bまでの距離t1,t2は等しい。
このため、図2の通り、上側のマグネット2のN極から
S極に向かう磁束と下側のマグネット2のN極からS極
に向かう磁束とが磁性層1b内において垂直成分同士を
打ち消し合い、面内成分のみが磁性層1bに印加され
る。この結果、磁性層1bは面内方向に配向した磁化を
受けるようになる。なお、各マグネット2の磁気記録媒
体1の中心近傍側の端部にはトップヨーク6が配置され
ている。これは、該端部近傍で磁界が弱まるのを補うた
めのものである。
きパターンに合致した微小な凹凸が形成されている。マ
スク4と磁気記録媒体1との間にはスペーサ7が介在さ
れている。これらのマスク4及びスペーサ7について
は、磁気記録媒体1の詳細な構成と共に後述する。
が同一であるため、上記の距離t1,t2は等しいもの
となっているが、一方のマグネットを他方のマグネット
よりも磁界強さの大きいものとした場合には、当該一方
のマグネットを他方よりも磁性層から離隔させる。図4
はその一例を示すものであり、上側の強いマグネット2
と磁性層1bとの距離t1が下側の弱いマグネット2と
磁性層1bとの距離t 2よりも大きなものとなってい
る。
1を回転させながらエネルギー線5を照射して磁気記録
媒体1を局所的に加熱し、マグネット2からの磁束によ
って磁気記録媒体1を面内方向にパターンに従って前記
所定方向と逆方向に磁化し、磁化パターンを形成する。
の面内方向の磁界強度を基準として、エネルギー線照射
領域での磁気記録媒体面と垂直な垂直方向の磁界強度が
50%以下であり、エネルギー線照射領域以外での面内
方向の磁界強度が110%以下であり、かつ、エネルギ
ー線照射領域以外での垂直方向の磁界強度が100%以
下、好ましくは50%以下である。なお、この「磁界強
度」とは、前記の通り、当該領域での最大の磁界強度を
いう。
の面内方向の磁界強度(該領域内での磁界強度の最大
値)を該面内磁気記録媒体の室温での保磁力より小さく
する。
る。
所定方向(例えば周方向)に一様に磁化されている磁気
記録媒体にパターン形成処理を施す。磁気記録媒体をあ
らかじめ所定方向に一様に磁化する方法は任意である。
通常、製造直後の磁気記録媒体はランダム磁化になって
いるので、他の外部磁界で一様磁化するのが好ましい。
気ヘッドを用いてもよいし、電磁石または、永久磁石を
所望の磁化方向に磁界が生じるよう配置して用いてもよ
い。複数個用いても良い。更にそれらの異なる手段を組
み合わせて使用してもよい。
生ヘッドの走行方向(媒体とヘッドの相対移動方向)と
同一又は逆方向である。ディスク形状の磁気記録媒体に
おいては通常、媒体の周方向である。従ってそのように
磁化されるように、外部磁界を印加する。
化するとは、磁性層の全部をほぼ同一方向に磁化するこ
とを言うが、厳密に全部ではなく、少なくとも媒体の磁
化パターンを形成すべき領域が同一方向に磁化されてい
ればよい。
の特性によって異なるが、磁性層の室温での保磁力の2
倍以上の磁界によって磁化することが好ましい。これよ
り弱いと磁化が不十分となる可能性がある。この磁界の
上限は、磁性層の室温での保磁力の5倍以下程度で十分
である。
は、このように磁性層を予め所定の方向に均一に磁化し
た後、磁性層を局所的に加熱すると同時に外部磁界を印
加し加熱部を該所定の方向とは逆方向に磁化して磁化パ
ターンを形成する。これによれば、互いに逆向きの磁区
が明瞭に形成されるので、信号強度が強くC/N及びS
/Nが良好な磁化パターンが得られる。
の通り、エネルギー線を照射して加熱する加熱領域での
垂直方向の磁界強度を面内方向の磁界強度の50%以
下、好ましくは30%以下とする。この理由は次の通り
である。
やすいが、実際は、面内磁気記録媒体においては、磁化
に寄与するのは面内方向の磁界強度であって、これを大
きくする必要がある。一方、加熱領域では、垂直方向の
磁界強度が強いと、面内磁気記録媒体は磁化が弱くなっ
たり、極端な場合は消磁されてしまうため、できるだけ
弱くする必要がある。従って、加熱領域の垂直方向の磁
界強度を面内方向の50%以下、特に30%以下とす
る。
は、エネルギー線を照射していない非加熱領域での面内
方向及び垂直方向の磁界強度を小さくすることも重要で
ある。
っても磁化パターンの形成には影響が少ないように推察
されたが、種々の実験の結果、非加熱領域での磁界が大
きくても問題となる可能性があることが認められた。
域にエネルギー線照射していくと、照射領域に来る前の
隣接領域で磁界が印加されると、一様磁化が弱まってし
まい、再生信号振幅が小さくなってしまうことが見出さ
れた。従って、エネルギー線照射領域での面内方向の磁
界強度を基準として、エネルギー線照射領域以外での垂
直方向の磁界強度を100%以下、好ましくは50%以
下とする。
域以外)での面内方向の磁界強度が過大であると、上記
の場合と同じく、一様磁化が弱まってしまい、再生信号
振幅が小さくなってしまう。このため、非加熱領域での
面内方向の磁界強度は、加熱領域での面内方向の磁界強
度の110%以下、好ましくは100%以下、特に75
%以下とするのが好ましい。
熱する場合、加熱温度は、磁性層の保磁力の低下が見ら
れる温度以上、例えば磁性層の磁化消失温度、キュリー
温度近傍である。本発明では、この温度が100℃以上
である磁気記録媒体を用いるのが好ましい。この温度が
100℃未満の磁気記録媒体は、室温での磁区の安定性
が低い傾向がある。また、加熱温度は700℃以下が好
ましい。あまり加熱温度が高いと、磁気記録媒体が変形
してしまう可能性がある。
の均一磁化の方向と逆方向である。また、磁界の強さ
は、強いほど磁化パターンが形成しやすい。好ましくは
面内方向の磁界強度が磁性層の室温での保磁力の1/8
以上の磁界とする。これより弱いと、加熱部が冷却され
る時に周囲の磁区からの磁界の影響をうけて再び周囲と
同じ方向に磁化されてしまう可能性がある。
と、加熱部の周囲の磁区も影響を受けてしまう可能性が
ある。従って、加熱領域に加える磁界強度は、面内方向
の磁界強度が磁性層の室温での保磁力より小さくするの
が好ましく、特に磁性層の室温での保磁力の2/3以
下、とりわけ1/2以下とするのが好ましい。
り、互いに逆向きの磁極からなるマグネット2(磁石
対)を、磁気記録媒体1の両面に配置することにより外
部磁界の印加を行うのが好適である。この方法による
と、図2の通り、磁気記録媒体1の面内方向に印加され
る磁界強度は1個の磁石対から印加される磁界の面内方
向成分の2倍となり、垂直成分は打ち消し合う。これに
より、垂直成分を小さくし、面内方向成分だけを大きく
することができる。
ことにより、垂直成分を著しく小さくできる。
ネルギー線照射機構について説明する。
の熱拡散防止やパワーコントロールが容易であり、加熱
する部位の大きさが制御しやすいレーザを利用するのが
好ましい。
のが好ましい。レーザをマスクを介して照射することで
複数の磁化パターンを一度に形成することができるた
め、磁化パターン形成工程が短時間となりかつ簡便であ
る。
して加熱部位の制御や加熱温度の制御を行うのが好まし
い。従って、レーザ照射源としてはパルスレーザ光源の
使用が好適である。パルスレーザ光源はレーザをパルス
状に断続的に発振するものであり、連続レーザを音響光
学素子(AO)や電気光学素子(EO)などの光学部品
で断続させパルス化するのに比して、パワー尖頭値の高
いレーザをごく短時間に照射することができ、熱の蓄積
が起こりにくく非常に好ましい。
場合、パルス内ではそのパルス幅に亘ってほぼ同じパワ
ーを持つ。一方パルスレーザ光源は、例えば光源内で共
振によりエネルギーをためて、パルスとしてレーザを一
度に放出するため、パルス内では尖頭のパワーが非常に
大きく、その後小さくなっていく。パルスレーザ光源を
使用すると、ごく短時間に急激に加熱しその後急冷させ
ることができる。これにより、コントラストが高く精度
の高い磁化パターンを形成することができる。
ス状レーザの照射時と非照射時で温度差が大きい方が、
パターンのコントラストを上げ、或いは記録密度を上げ
るために好ましい。従ってパルス状レーザの非照射時に
は室温以下程度になっているのが好ましい。室温とは2
5℃程度である。
部磁界は連続的に印加してもパルス状に印加しても良
い。
ことが好ましい。1100nmよりも波長が短いと回折
作用が小さく分解能が上がるため、微細な磁化パターン
を形成しやすい。600nm以下の波長のレーザ光は、
高分解能であるだけでなく、回折が小さいため間隙によ
るマスクと磁気記録媒体のスペーシングも広くとれハン
ドリングがしやすく、磁化パターン形成装置が構成しや
すくなるという利点が生まれる。また、なお、レーザ光
の波長は150nm以上であるのが好ましい。150n
m未満では、マスクに用いる合成石英の吸収が大きくな
り、加熱が不十分となりやすい。波長を350nm以上
とすれば、光学ガラスをマスクとして使用することもで
きる。
レーザ(157,193,248,308,351n
m)、YAGのQスイッチレーザ(1064nm)の2
倍波(532nm)、3倍波(355nm)、或いは4
倍波(266nm)、Arレーザ(488nm、514
nm)、ルビーレーザ(694nm)などが好適であ
る。
ルギー)は、外部磁界の大きさによって最適な値を選べ
ばよいが、パルス状レーザの1パルス当たりのパワーは
1000mJ/cm2以下とすることが好ましい。これ
より大きなパワーをかけると、パルス状レーザによって
該磁気記録媒体表面が損傷を受け変形を起こす可能性が
ある。変形により粗度Raが3nm以上やうねりWaが
5nm以上に大きくなると、浮上型/接触型ヘッドの走
行に支障を来すおそれがある。
mJ/cm2以下であり、更に好ましくは200mJ/
cm2以下である。この領域であると比較的熱拡散の大
きな基板を用いた場合でも分解能の高い磁化パターンが
形成しやすい。また、パワーは10mJ/cm2以上と
するのが好ましい。これより小さいと、磁性層の温度が
上がりにくく磁気転写が起こりにくい。なお、パターン
幅が狭いほど必要なパワーは増加する傾向にある。ま
た、レーザの波長が短いほど、印加可能なパワーの上限
値は低下する傾向にある。
金である場合は、熱伝導率が大きいことから、局所に与
えた熱が所望の部位以外にも広がってしまい磁化パター
ンを歪ませることが無いよう、また、過剰なエネルギー
によって基板に物理的な損傷が起きないよう、該パワー
は30〜120mJ/cm2の範囲であることが好まし
い。
はAl等に比して熱伝導が少なく、パルス状レーザ照射
部位での熱の蓄積が多いことから、該パワーは10〜1
00mJ/cm2の範囲であることが好ましい。
合は、パルス状レーザ照射部位での熱の蓄積が多くガラ
ス等に比して融点が低いことから、該パワーは10〜8
0mJ/cm2の範囲であることが好ましい。
層の損傷が心配される場合は、パルス状レーザのパワー
を小さくし、印加磁界強度を上げることもできる。例え
ば、面内記録媒体の場合は、常温での保磁力の25〜7
5%のできるだけ大きな磁界をかけ、照射レーザのパワ
ーを下げる。
ーザを照射するにあたり、潤滑剤の受けるダメージ(分
解、重合)等も考慮し、照射後に再塗布するなどの必要
がある場合がある。
以下であることが望ましい。これよりパルス幅が広いと
該磁気記録媒体にパルス状レーザにて与えたエネルギー
による発熱が分散して、分解能が低下しやすい。1パル
ス当たりのパワーが同じである場合、パルス幅を短くし
一度に強いレーザを照射した方が、熱拡散が小さく磁化
パターンの分解能が高くなる傾向にある。より好ましく
は100nsec以下である。この領域であるとAlな
ど金属の比較的熱拡散の大きな基板を用いた場合でも分
解能の高い磁化パターンが形成しやすい。最小幅が2μ
m以下のパターンを形成する際には、パルス幅を25n
sec以下とするのがよい。即ち、分解能を重視すれ
ば、パルス幅は短いほど良い。また、パルス幅は1ns
ec以上であるのが好ましい。磁性層の磁化反転が完了
するまでの時間、加熱を保持しておくのが好ましいから
である。なお、本願においてパターンの最小幅とは、パ
ターン中の最も狭い長さを言う。四角形のパターンであ
れば短辺、円形ならば直径、楕円形ならば短径である。
クレーザのようにピコ秒、フェムト秒レベルの超短パル
スを高周波で発生できるレーザがある。超短パルスを高
周波で照射している期間においては、各々の超短パルス
間のごく短い時間はレーザが照射されないが非常に短い
時間であるため加熱部はほとんど冷却されない。すなわ
ち、一旦キュリー温度以上に昇温された領域はキュリー
温度以上に保たれる。
短パルス間のレーザが照射されない時間も含めた連続照
射期間)を1パルスとする。また連続照射期間の照射エ
ネルギー量の積分値を1パルス当たりのパワー(mJ/
cm2)とする。
るエネルギー線の強度分布を15%以内とする。照射し
た領域の加熱状態の分布を小さく抑えることができ、磁
化パターンの磁気的強さの分布を小さく抑えることがで
きる。従って、磁気ヘッドを使用して信号強度を読み取
る際に、信号強度の均一性の高い磁化パターンを形成す
ることができる。
ギー線照射領域におけるエネルギー線の最大値及び最小
値が、平均値(加重平均)の±7.5%以内に収まって
いることを言う。
ムスポット内で強度分布(エネルギー密度分布)を有し
ており、エネルギー線を照射して局部加熱した場合もエ
ネルギー密度による温度上昇の違いが生じる。このため
加熱ムラにより局部的に転写の強度の違いが起こる。通
常、エキシマレーザやYAG−Qスイッチレーザなどの
パルスレーザを用いると、ビームスポット内の強度分布
は30%程度ある。
ー線源を使用したり、エネルギー線の強度分布の小さい
部分だけを遮光板等で透過したのち必要に応じて拡大し
たり、ホモジナイザーやコンデンサレンズ等を用いるな
どして、エネルギー線のビームスポット内での強度分布
を15%以内に抑えるようにする。
分布の均一化処理をなす。照射した領域の加熱状態の分
布を小さく抑えることができ、磁化パターンの磁気的強
さの分布を小さく抑えることができる。従って、磁気ヘ
ッドを使用して信号強度を読み取る際に、信号強度の均
一性の高い磁化パターンを形成することができる。
下のような処理が挙げられる。ホモジナイザやコンデン
サレンズを用いて均一化したり、遮光板やスリットなど
でエネルギー線の強度分布の小さい部分だけを透過し必
要に応じて拡大する、などである。
割したのち重ね合わせることによって均一化処理する
と、エネルギー線を無駄なく使用でき使用効率が良い。
本発明においては、磁性層の加熱には、高強度のエネル
ギー線を短時間に照射するのがよく、このためにはエネ
ルギーを無駄なく使用するのが好ましい。
線が、短軸方向分布及び長軸方向分布を持つ場合、プリ
ズムアレイ(多シリンドリカルレンズ)等でビームの短
軸方向の長さを例えば3分割したのち重ね合わせること
で、強度の違いを分散でき、短軸方向の強度分布をある
程度均一化できる。また、同じくプリズムアレイ(多シ
リンドリカルレンズ)等でビームの長軸方向の長さを例
えば7分割したのち重ね合わせることで、長軸方向の強
度分布をある程度均一化できる。両方を併せて行えば、
全体として均一性の増した、強度分布の小さいビームが
得られる。ただし必要に応じて1軸方向だけ行っても良
い。強度分布が大きいときは、分割数が多くすることに
より均一性を増すことができる。
すと、分割数を増したのと同じ効果を得ることができ
る。あるいは、2軸方向にレンズが多数形成されたフラ
イアイレンズなどを用いて2軸方向を一度に分割しても
良い。
ルレンズなどの非球面レンズを通すことでも、簡易に強
度分布が均一化できる。特に、エネルギー線が小径のビ
ームの場合には、本手法でも十分に均一化できることが
多く、光学系を簡素化でき好ましい。尚、小径とは直径
0.05〜1mm程度を言う。
は、遮光板を併用することにより、ビームの周辺部分を
カットしたり絞り込むことによって更なる均一化を図っ
ても良い。
ー線を照射し、局所加熱することにより、複雑なパター
ンや従来法では作りにくかった特殊なパターンも容易に
形成できる。
は、内周から外周に、半径及びトラックに対して斜めに
直線的に延びる磁化パターンが用いられる。このよう
な、半径方向に連続したパターンや半径に斜めのパター
ンは、ディスクを回転させながら1トラックずつサーボ
信号を記録する従来のサーボパターン形成方法では作り
にくかった。本発明によれば、複雑な計算や複雑な装置
構成を必要とせず、このような磁化パターンを一度の照
射で簡便かつ短時間に形成できる。
くても、磁化パターンの繰り返し単位を含む大きさでよ
く、それを移動させて使用することができるため、マス
クも簡便かつ安価に作成できる。
すべき磁化パターンに対応して変化させ、磁気ディスク
面上にエネルギー線の濃淡(強度分布)を形成するもの
であればよい。例えば、パターンに応じてエネルギー線
を透過する透過部を有するフォトマスクや、特定のパタ
ーンを媒体上に結像するホログラムが記録されたホログ
ラムマスクである。これにより、複数又は広い面積の磁
化パターンを一度に形成することができるため、磁化パ
ターン形成工程が短時間かつ簡便なものとなる。ホログ
ラムマスクによればマスクと媒体の距離を十分離しても
シャープで明瞭なパターンが形成しやすく好ましいが、
フォトマスクは簡単かつ安価に作成できる点で好まし
い。
当する透過部と非透過部を備えているマスクであればよ
いが、石英ガラス、ソーダライムガラス等の透明原盤上
にCr等の金属をスパッタリング形成し、その上にフォ
トレジストを塗布し、エッチング等によって、所望の透
過部と非透過部を作成することができる。この場合は原
盤上にCr層を有する部分がエネルギー線非透過部、原
盤のみの部分が透過部となる。
しており、凸部がエネルギー線に対して非透過で、凸部
を媒体に近接させ、或いは略接触させる。或いはまた、
このようなマスクを形成した後に凹部にエネルギー線に
透明である材料を埋め込み、媒体との略接触面を平坦に
して使用することもできる。
界分布が乱されるため好ましくない。強磁性の性質上、
磁気ディスクの半径方向或いは、半径方向に延びた円弧
状のパターンから斜傾したパターン形状の場合は、磁化
遷移部分で磁区が互いに十分対抗しないので良質の信号
が得にくい。
気記録媒体)の間に配置する。磁化パターンの精度を重
視するならば、マスクの全部又は一部を媒体に接触させ
るのが好ましい。レーザ光の回折の影響を極力少なくで
き、高い分解能を持った磁化パターンを形成できる。
少なくとも媒体の磁化パターンを形成する領域では、マ
スクと媒体とのあいだに間隙を設けるのが好ましい。ゴ
ミ等の挟み込みによる媒体やマスクの傷つき、欠陥発生
を抑えることができる。
られている場合は、特に、マスクに潤滑剤が付着するの
を最小限にするため、マスクと媒体とのあいだに間隙を
設けるのが好ましい。
スクの間隙を保つ方法としては、両者を一定距離に保て
る方法であればよい。例えばマスクと媒体とを特定の装
置により保持して一定距離を保っても良い。また、両者
のあいだの、磁化パターン形成領域以外の場所にスペー
サを挿入してもよい。マスク自体に、スペーサを一体形
成しても良い。
の磁化パターン形成領域の外周部又は/及び内周部にス
ペーサを設けると磁気記録媒体表面のうねりを矯正する
効果が生まれ、磁化パターン形成の精度が上がる。
た、パターン形成に外部磁界を用いるので磁化されない
ものが良い。好ましくは、ステンレス、銅などの金属
や、ポリイミドなどの樹脂である。高さは任意だが、通
常、数μm〜数百μmである。
μm以上あることが好ましく、これにより、ゴミ等の挟
み込みによる磁気記録媒体やマスクの損傷、欠陥発生を
抑えることができる。即ち、間隔を0.1μm以上とす
ることで媒体表面のうねりにより磁化パターン形成部分
がマスクと予期せぬ接触を起こすのを防ぐ。また、接触
部分で媒体の熱伝導度が変わるため、そこだけ磁化され
やすさが特異的に変化し、所望のパターン通りに磁化パ
ターンが形成されないといった問題がない。より好まし
くは0.2μm以上とする。ただし、間隔は1mm以下
とするのが好ましい。これにより、エネルギー線の回折
を小さく、磁化パターンがぼやけるといった問題がな
い。
用い、フォトマスクに形成された2×2μmのパターン
(2μmの透過部と2μmの非透過部を交互に持つパタ
ーン)を媒体に転写する場合、マスクと媒体のあいだの
距離は25〜45μm程度以下に保つ必要がある。これ
以上距離が大きいと、回折現象によってレーザ光の明暗
のパターンが鮮明でなくなる。1×1μmのパターン
(1μmの透過部と1μmの非透過部を交互に持つパタ
ーン)の場合、距離は10〜15μm程度以下とする。
範囲内で、媒体との距離をできるだけ短くするのが好ま
しい。距離が長いほど照射するエネルギー線の回り込み
により磁化パターンがぼやけやすくなるためである。こ
れを改善し、より明瞭なパターンを得るために、マスク
の透過部の外側に、回折格子の働きをする細い透過部を
形成したり、半波長板の働きをする手段を設けたりする
ことで回り込み光を干渉により打ち消すこともできる。
ホログラフに応じたパターンの結像面までの距離は予め
決まるため、その距離になるよう媒体との間隔を調節す
る。なお、プリズムを使用することで、マスクと媒体と
を近接させることができるようになる。
が形成されている場合があるが、その場合、本発明の磁
化パターン形成は片面ずつ、逐次に行ってもよいし、マ
スク、エネルギー照射系および外部磁界を印加する手段
を磁気ディスクの両面に設置して、両面同時に磁化パタ
ーン形成を行うこともできる。
り、それぞれに異なるパターンを形成したい場合は、照
射するエネルギー線の焦点を各層に合わせることによ
り、各層を個別に加熱し、個別のパターンを形成でき
る。
は、エネルギー線の光源とマスクとの間、又はマスクと
該媒体との間の照射をしたくない領域に、エネルギー線
を遮光可能な遮光板を設けることにより、エネルギー線
の再照射を防ぐことができる。
波長を透過しないものであればよく、エネルギー線を反
射又は吸収すればよい。ただし、エネルギー線を吸収す
ると加熱し磁化パターンに影響を与えやすいため、熱伝
導率がよく反射率の高いものが好ましい。例えば、C
r、Al、Feなどの金属板である。
いる。形成すべき磁化パターンに応じた強度分布を有す
るパターン化エネルギー線を縮小して媒体表面に結像さ
せる。これによれば、エネルギー線を対物レンズで絞っ
た後マスクを介する場合、すなわち近接露光の場合に比
較して、マスクのパターニング精度やアライメント精度
により磁化パターンの精度が制限されることがなく、よ
り微細な磁化パターンを精度良く形成することができ
る。また、マスクと媒体が離間しているため、媒体上の
ゴミの影響も受けにくい。
を介して強度分布を変化させ、結像レンズなどの結像手
段を通して媒体表面に縮小結像させる。なお、結像レン
ズを投影レンズと称し、縮小結像を縮小投影と称するこ
ともある。
て媒体上にエネルギー線の強弱(濃淡)を形成するもの
であればよい。例えば、パターンに応じてエネルギー線
透過部と非透過部を作成したフォトマスクや、特定のパ
ターンを媒体上に結像するようにホログラムが記録され
たホログラムマスクなどである。
体の間に結像手段を配置する。従来、フォトマスクと媒
体を密着させてエネルギー線を照射すると、材質によっ
てはマスクがエネルギー線を吸収して加熱され、密着し
た媒体表面の温度も上昇し、磁化パターンが明瞭に書け
なくなることがあるが、本発明によればこの問題点も解
決される。
は、パルス状エネルギー線の照射時と非照射時で温度差
が大きい方が、パターンのコントラストを上げ、或いは
記録密度を上げるために好ましい。従ってパルス状エネ
ルギー線の非照射時には媒体面は室温以下程度が好まし
い。室温とは25℃程度である。
すと、エネルギー線の強度分布を均一にでき、かつエネ
ルギー線を効率よく結像レンズに集めることができ、好
ましい。
と外部磁界強度が許す限り、どのような大きさ或いは形
状の磁化パターンにも適用できるが、磁化パターンが微
細なほど効果が高い。磁化パターンの最小幅が2μm以
下になると、媒体とマスクのアライメントが特に難しく
なるので、本技術の適用効果が高い。より好ましくは1
μm以下である。形成可能なパターンの下限はなく、理
論的にエネルギー線の波長限界程度までの微細なパター
ンが形成できる。例えばエキシマレーザ等で100nm
程度である。
その要旨の範囲を越えない限り本発明は実施例に限定さ
れるものでは無い。
キ付きアルミニウム合金基板を洗浄、乾燥し、その上に
到達真空度:1×10-7Torr、基板温度:350
℃、バイアス電圧:−200V、スパッタリングガス:
Ar、ガス圧:3×10-3Torrの条件下で、NiA
lを60nm、CrMoを18nm、記録層としてCo
CrPtBを16nm、保護層としてカーボン(ダイヤ
モンドライクカーボン)を6.5nm成膜した。
1.5nmの厚さに塗布し、100℃で40分焼成し、
室温での保磁力3050Oeの面内記録用磁気ディスク
を得た。
スクの回転方向と同じとなるように構成して、約10k
Oe(約10kガウス)の強度で印加して、ディスク面
を一様に(均一に)磁化した。
正方形、2.3mm厚の石英ガラスを基材とし、ディス
クに対する面側に、クロムを75nm、酸化クロムを2
5nmの膜厚で順次に成膜し、エッチング領域(パター
ン領域)を最小幅2μm(2×2μmのライン及びスペ
ース)のパターンにエッチングし、非透過部を形成し
た。パターン領域は半径18〜45mmに形成されてい
る。なお、エッチング領域(パターン領域)以外の領域
は全てクロム層と酸化クロム層が形成された非透過部で
ある。
ク)を一体として、3.2秒間で1回転の速度で回転さ
せた。ここに波長248nmのエキシマパルスレーザを
パルス幅:25nsec、パワー(エネルギー密度):
100mJ/cm2、ビーム形状:10mm×30mm
(ピークエネルギーの1/e2となる径)に制御しレー
ザ照射口にビーム形状を角度12°の扇形に整形する遮
光板を設置して、繰り返し周波数10Hzで32パルス
照射した。
2)を用い、磁気記録媒体の円周方向で一様磁化とは逆
の方向に磁界を印加し、磁化パターンを形成した。この
ときの永久磁石の配置を図5(a)に示す。このとき、
14mm×14mm×15mmの同じ永久磁石を5個つ
ないで磁石列としたものを磁気ディスク1の上面に2
列、下面に2列、対向させて配置した。磁気ディスク1
の半径の中周域に磁石列の中心位置が合致するように配
してある。磁石列同士の距離は水平で25mm、上下で
25mmである。磁気ディスク1の下面の磁性層に磁界
を印加するため、上下の磁石列の中心位置に下面の磁性
層がくるように配置した。
(a)に示す。磁界分布の測定は、磁気ディスク1の下
面の磁性層に相当する位置であって、磁石列の中心位置
(磁気ディスク1の半径の中周域)に当たる位置で行っ
た。なお、ギャップ中心とは磁石列同士の水平方向の中
心位置である。また、このときのエネルギー線照射領
域、非照射領域それぞれにおける面内方向、垂直方向の
磁界強度を表−1に示す。表−1中の磁界強度はいずれ
も絶対値であり、その領域における最大値である。
レーザ照射のための光学系の構成は以下のとおりであ
る。エキシマパルスレーザ光源から発振したパルスレー
ザはプログラマブルシャッターを通過する。プログラマ
ブルシャッターは光源から所望のパルスのみ取り出す役
目をする。
ーザは、所望のパワーに出力調整されたのち、ビームエ
キスパンダに至る。次いで、レーザは短軸方向を3分割
するためのプリズムアレイと、長軸方向を7分割するた
めのプリズムアレイを通過し、投影レンズに至る。プリ
ズムアレイは、レーザを分割し重ね合わせ、エネルギー
強度分布を均一にする機能を有する。これらをホモジナ
イザと称することもある。さらに、レーザは必要に応じ
て遮光板を通して所望のビーム形状とし、フォトマスク
により強度分布を磁化パターンに応じて変化させたの
ち、ディスクに投影される。
磁化パターンをGMRヘッドで再生し出力を測定した
(出力イ)。また、同GMRヘッドで磁化パターンを記
録し再生して出力を測定した(出力ロ)。このGMRヘ
ッドは記録素子幅0.75μm、再生素子幅0.46μ
mである。
磁気ヘッドで記録した磁化パターンとほぼ同等の高い出
力が得られたことが分かる。
としたこと以外は実施例1と同様にして磁化パターンを
形成した。各磁石列の上下距離が13mmである点が実
施例1と異なる。このときの磁界分布の測定結果を図6
(b)に示す。また、このときの磁界強度を表−1に示
す。
を評価した。結果を表−1に示す。磁気ヘッドで記録し
た磁化パターンに比べてかなり低い出力しか得られなか
った。
としてCoCrPtTaを19nm、保護層としてカー
ボン(ダイヤモンドライクカーボン)を12.5nm成
膜したこと以外は実施例1と同様にディスクを作製し
た。室温での保磁力2600Oeの面内記録用磁気ディ
スクを得た。
外は実施例1と同様にして磁化パターンを形成した。1
4mm×14mm×15mmの同じ永久磁石を3個つな
いで磁石列としたものを磁気ディスク1の下面のみに2
列配置した。磁石列の中心位置と磁気ディスク1の半径
の中周域が合致するようにしてある。各磁石列の距離は
水平で12mmであり、磁気ディスク1の下面の磁性層
と磁石列との距離は6mmである。このときの磁界分布
の測定結果を図6(c)に示す。また、このときの磁界
強度を表−1に示す。
を評価した。但し評価には記録素子幅1.7μm、再生
素子幅1.2μmのMRヘッドを用いた。結果を表−1
に示す。磁気ヘッドで記録した磁化パターンに比べてか
なり低い出力しか得られなかった。
としたこと以外は比較例2と同様にして磁化パターンを
形成した。磁気ディスク1の下面の磁性層と磁石列との
距離は3mmである点が比較例2と異なる。このときの
磁界分布の測定結果を図6(d)に示す。このときの磁
界強度を表−1に示す。
を評価した。結果を表−1に示す。磁気ヘッドで記録し
た磁化パターンに比べてかなり低い出力しか得られなか
った。
パターンが形成でき、しかも耐衝撃性及び耐久性の高い
磁気記録媒体の製造方法が提供できる。また、本発明に
よれば、高密度記録が可能で耐久性の高い磁気記録媒体
及び磁気記録装置を提供することができる。本発明によ
ると、全面で再生信号品質が優れ、かつ信号の均一性が
高い磁化パターンを形成できる。
平面図と断面図である。
図である。
を示すグラフである。
Claims (8)
- 【請求項1】 基板上に磁性層を有してなり、該磁性層
が面内の所定方向にほぼ一様に磁化されてなる面内磁気
記録媒体に対し、 エネルギー線を照射して磁性層を局所的に加熱すると同
時に磁性層に外部磁界を印加し加熱部を該所定方向とは
逆向きに磁化することにより磁化パターンを形成する方
法であって、 エネルギー線照射領域での面内方向の磁界強度を基準と
して、エネルギー線照射領域での該磁気記録媒体面と垂
直な垂直方向の磁界強度が50%以下であり、エネルギ
ー線照射領域以外での面内方向の磁界強度が110%以
下であり、かつ、エネルギー線照射領域以外での垂直方
向の磁界強度が100%以下であることを特徴とする磁
化パターン形成方法。 - 【請求項2】 エネルギー線照射領域での面内方向の磁
界強度を基準として、エネルギー線照射領域以外での垂
直方向の磁界強度が50%以下である請求項1に記載の
磁化パターン形成方法。 - 【請求項3】 エネルギー線照射領域での面内方向の磁
界強度の最大値が、該面内磁気記録媒体の室温での保磁
力より小さい、請求項1又は2に記載の磁化パターン形
成方法。 - 【請求項4】 互いに逆向きの磁極からなる磁石対を、
磁気記録媒体の両面に配置することにより外部磁界の印
加が行われる、請求項1ないし3のいずれかに記載の磁
化パターン形成方法。 - 【請求項5】 請求項1ないし5のいずれかに記載の磁
化パターン形成方法により磁化パターンが形成されてな
ることを特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項6】 磁気記録媒体と、磁気記録媒体を記録方
向に駆動する駆動部と、記録部と再生部からなる磁気ヘ
ッドと、磁気ヘッドを磁気記録媒体に対して相対移動さ
せる手段と、磁気ヘッドへの記録信号入力と磁気ヘッド
からの再生信号出力を行うための記録再生信号処理手段
を有する磁気記録装置であって、磁気記録媒体が請求項
1ないし4のいずれかに記載の方法により磁化パターン
が形成されてなる磁気記録媒体であることを特徴とする
磁気記録装置。 - 【請求項7】 基板上に磁性層を有してなり、基板上に
磁性層が設けられてなり、媒体の記録及び/又は再生に
用いる磁気ヘッドの制御用磁化パターンを有する面内磁
気記録媒体を製造する方法であって、 該制御用磁化パターンを請求項1ないし4のいずれか1
項に記載の磁化パターン形成方法によって形成すること
を特徴とする磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項8】 基板上に磁性層を有してなり、該磁性層
が面内の所定方向にほぼ一様に磁化されてなる面内磁気
記録媒体に対し、エネルギー線を照射して磁性層を局所
的に加熱すると同時に磁性層に外部磁界を印加し加熱部
を該所定方向とは逆向きに磁化することにより磁化パタ
ーンを形成する装置であって、 互いに逆向きの磁極からなる磁石対からなる外部磁界印
加手段を2以上有してなり、かつ該2以上の外部磁界印
加手段が、該磁気記録媒体の両面から同時に磁界を印加
可能に配置されてなることを特徴とする磁化パターン形
成装置。
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JP2001211019A JP2003022526A (ja) | 2001-07-11 | 2001-07-11 | 磁気記録媒体の磁化パターン形成方法及び製造方法、磁気記録媒体、磁気記録装置 |
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JP (1) | JP2003022526A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU2016339551B2 (en) * | 2015-10-13 | 2020-10-22 | ReActive Robotics GmbH | Rehabilitation mechanism for patients confined to bed |
RU2752087C2 (ru) * | 2016-08-31 | 2021-07-22 | Виави Солюшнз Инк. | Ориентирование магнитно-ориентируемых чешуек |
US11186110B2 (en) | 2016-08-31 | 2021-11-30 | Viavi Solutions Inc. | Article with angled reflective segments |
RU2780024C1 (ru) * | 2016-08-31 | 2022-09-19 | Виави Солюшнз Инк. | Ориентирование магнитно-ориентируемых чешуек |
-
2001
- 2001-07-11 JP JP2001211019A patent/JP2003022526A/ja active Pending
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US11193002B2 (en) | 2016-08-31 | 2021-12-07 | Viavi Solutions Inc. | Orienting magnetically-orientable flakes |
RU2780024C1 (ru) * | 2016-08-31 | 2022-09-19 | Виави Солюшнз Инк. | Ориентирование магнитно-ориентируемых чешуек |
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