JP2003021609A - 平行磁場型ラザフォード後方散乱分析装置,それを用いた散乱イオンのエネルギースペクトル測定方法,それを用いた試料の結晶軸検出方法 - Google Patents
平行磁場型ラザフォード後方散乱分析装置,それを用いた散乱イオンのエネルギースペクトル測定方法,それを用いた試料の結晶軸検出方法Info
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Abstract
れた散乱イオンを,イオンビームと平行な磁場でビーム
軸に収束させる平行磁場型ラザフォード後方散乱分析装
置において,収束回数の異なる散乱イオンを弁別し,高
分解能でのエネルギースペクトル測定を容易に行い,さ
らに試料に汚染を生じさせずかつ手間なく試料の結晶軸
を検出して結晶軸とイオンビームとの軸合わせを行うこ
と。 【解決手段】 イオンビームのビーム軸に沿って所定の
間隙を設けて配置された対の円筒状部材を用いて,入射
角が小さな散乱イオンの通過率を向上させるよう散乱イ
オンを弁別する。また,2次元の散乱イオン検出器8を
用いて,散乱イオンの検出位置に基づくエネルギースペ
クトル測定や,散乱イオンの検出量分布に基づく試料の
結晶軸検出及び該結晶軸とイオンビームのビーム軸との
軸合わせを行う。
Description
イオンビームが入射した試料にて後方散乱された散乱イ
オンを,前記イオンビームと平行な磁場を用いてビーム
軸に収束させる平行磁場型ラザフォード後方散乱分析装
置に関するものである。
(公報1)には,高中エネルギーのイオンビームが入射
した試料にて後方散乱された散乱イオンを,前記イオン
ビームと平行な磁場を用いてビーム軸に収束させる平行
磁場型ラザフォード後方散乱分析装置が記載されてい
る。前記公報に記載されたラザフォード後方散乱分析装
置の概略構成を図3に示す。図3に示す如く,400k
V程度の高電圧が給電されたイオン源1から発せられた
ヘリウムイオンビーム2は,加速管3を通過中に該加速
管3に印加された電圧によって加速され,試料4に向か
う。試料4表面において,弾性散乱された散乱イオン5
は,ソレノイドコイル61及びマグネットヨーク62か
らなる電磁石6によって発生されたイオンビーム2のビ
ーム軸に平行な磁場によって,軌道が曲げられ,螺旋運
動を行いながら繰り返しビーム軸に接する(収束する)
軌道を描く。特定のエネルギーと散乱角とをもった散乱
イオン5がビーム軸に収束する位置にイオンビーム2を
中心に通すように,アイリス型のスリット7(アパーチ
ャ)が配置されており,そのスリット7により特定のエ
ネルギーを有する散乱イオン5のみを弁別し,再度発散
していく散乱イオン5を2次元の散乱イオン検出器8に
より検出しエネルギースペクトルを得ていた。このよう
にして得られたエネルギースペクトルに基づいて試料4
の成分元素の同定や深さ方向の組成分析(イオンチャネ
リング分析)を行うことができる。前記散乱イオン検出
器8には,例えば2次元状に微細検出管が多数配列され
たマイクロチャンネルプレートを用いることができる。
前記散乱イオン検出器8の簡略的な外観を図4に示す。
図4に示す如く,前記散乱イオン検出器8は,その中心
に,イオンビーム2を通過させるための小さな開口81
を備えたドーナツ型の形状を有する。前記散乱イオン検
出器8の表面に2次元状に多数配列された微細検出管に
よって,前記スリット7を通過してきた散乱イオン5の
位置を測定することが可能である。試料4表面から散乱
された同じ散乱角,同じエネルギーの散乱イオン5は,
一旦スリット7の位置で収束した後,再度発散して,検
出器中心から距離Rの位置に入射する。エネルギーの異
なる散乱イオン5が,スリット7の位置で収束するため
には,散乱角度が異なることになるため,前記距離Rに
よりエネルギーを決定することができる。このとき,測
定したい散乱イオン5のエネルギーごとに磁場強度を変
化させる,又は磁場強度を一定として,試料4と前記散
乱イオン検出器8や前記スリット7との距離を変化させ
ることにより,前記散乱イオン検出器8で検出される散
乱イオン5,即ち,前記スリット7を通過する散乱イオ
ン5をそのエネルギーごとに選別し,散乱イオン5のエ
ネルギースペクトルを測定していた。
る散乱イオン5のチャネリング測定では,測定前に試料
4の結晶軸を検出し,該結晶軸とイオンビーム2のビー
ム軸とが一致するよう軸合わせを行う必要がある。従
来,試料4の結晶軸を検出する方法としては,特開平5
−346412号公報(公報2)に示されるように,X
線反射を利用して試料4の結晶軸を検出する方法や,前
記公報2の段落0006〜0007に従来技術として示
されるように,試料4を回転させながら各回転位置ごと
に散乱イオン5を検出し,検出された散乱イオン5の検
出量に基づいて試料4の結晶軸を検出する方法等があ
る。
示すような構成では,図5に示す通り,収束回数が異な
る散乱イオン51,52,53,54,…は前記スリッ
ト7を通過してしまう。なお,符号51は収束回数が1
回の散乱イオンの軌道を,符号52は収束回数が2回の
散乱イオンの軌道を,符号53は収束回数が3回の散乱
イオンの軌道を,符号54は収束回数が4回の散乱イオ
ンの軌道をそれぞれ表す。もちろん,収束回数が5回以
上の散乱イオンも存在するが,図5には表していない。
また,矢印Bは磁場の向きである。収束回数が異なる散
乱イオンが前記スリット7を通過すると,結局エネルギ
ーの異なる散乱イオンが前記散乱イオン検出器8に入射
することになる。例えば図6に示すように,前記散乱イ
オン検出器8の中心から75mmの同心円上には,散乱
イオン51,52,53,54において,散乱エネルギ
ー400,100,50,30keVのイオンが入射す
ることになり,エネルギー分析が困難になっていた。
ン検出器8と前記スリット7との位置関係を変化させる
ことにより,散乱イオン5のエネルギースペクトルを測
定する方法では,磁場強度変更後の安定化や試料4等の
位置決めに手間と時間を要するという問題点があった。
さらに,磁場強度の変更精度や試料4等の位置決め精度
の制約により,散乱イオン5のエネルギースペクトルを
高分解能で測定することが困難であるという問題点もあ
った。例えば,散乱イオン5がHe+イオンである場
合,試料4表面からHe+イオンがビーム軸(z軸)に
接する位置までの距離L(即ち,試料4〜前記スリット
7間の距離)は,次の(a1)式で表される。
荷,ωcはサイクロトロン周波数,vはイオン速度,θ
は散乱イオン5の散乱角度,Eは散乱イオン5のエネル
ギー,Bは磁場強度を表す(以下同様)。ここで,同じ
散乱角度のHe+イオンについて,300keVのイオ
ンと299keVのイオンとを選別(エネルギー分解能
ΔE/E=0.3%)するためには,例えば,2テスラ
前後の磁場強度Bでエネルギースペクトルを検出する場
合,必要な磁場強度Bの変化量はわずか33.4gau
ss(=2−2×√(299/300)[テスラ])と
小さく,このような磁場強度Bの微小な変化を安定的に
制御することは困難である。また,試料4〜前記スリッ
ト7〜前記散乱イオン検出器8間の距離を変化させる場
合,次の(a2)式を用いて考える。
記散乱イオン検出器8に到達するまでの経過時間,x,
y,zは散乱イオン5が前記散乱イオン検出器8上に到
達した位置をビーム軸をz軸として表した座標(即ち,
z=L),rは散乱イオン5が前記散乱イオン検出器8
上に到達した位置のz軸(ビーム軸)からの距離を表す
(以下同様)。ここで,前記散乱イオン検出器8が前記
公報1に示されるように円環状であり,rが一定である
とすれば,時間tは次の(a3)式で表される。
と,次の(a4)式が導かれる。
(ビーム軸O)に接するので,前記散乱イオンが前記ス
リット7を通過後に前記散乱イオン検出器8に到達する
までの時間をt1とすれば,l=vcosθ・t1と表
されるので,これを(a2)式におけるrの式に代入す
ると,次の(a5)式が導かれる。
Lで収束する散乱イオンのvも異なるので,前記スリッ
ト7〜前記散乱イオン検出器8間の距離lも変化させな
ければならないことがわかる。例えば,同じ散乱角度4
5°のHe+イオンについて,300keVのイオンと
299keVのイオンとを選別するためには,Lを0.
584mm変化させる必要があるが,そのときのlの変
化量はわずか0.145mmと小さい。さらに距離L,
lの変化量は,散乱イオン5の速度vによって異なり
(299keVと298keVとを選別するためのL,
lの変化量は,それぞれ0.594mm,0.173m
m),この微小な距離を安定的に制御することは困難で
ある。
検出方法では,X線源及びX線検出器が必要となる上,
そのX線源及びX線検出器の設置位置を結晶方位により
変更可能な構成とする必要があり,装置が大型化及び高
コスト化するという問題点があった。さらに,結晶軸の
測定を行う際には,X線をモニターしながら軸調整を行
う必要があり,この軸合わせに手間がかかるという問題
点もあった。また,前記公報2に従来技術として示され
る前記方法においても,前記公報2に示されるように,
試料を360°回転させながら散乱イオンを検出する手
間が多大である上,軸合わせのための散乱イオン検出作
業中,常にイオンビームを照射し続けることにより試料
表面に汚染が生じるという問題点があった。
おける課題を解決するために,平行磁場型ラザフォード
後方散乱分析装置を改良し,試料とエネルギー弁別用の
スリットとの間にイオンビームと平行に移動し得るよう
に配置され,散乱イオン検出器側から前記試料に入射す
るイオンビームを通過させる開口を備えた板状の可動板
状スリットと,前記試料と前記可動板状スリットとの間
に前記イオンビームと平行に移動し得るように配置さ
れ,前記散乱イオン検出器側から前記試料に入射するイ
オンビームを通過させる開口を備えた筒状の可動筒状ス
リットとを具備することにより,収束回数の異なる散乱
イオンを弁別し,好適にエネルギー分析を行うこと,さ
らに,高分解能でのエネルギースペクトル測定を容易に
行うこと,並びに,試料に汚染を生じさせずかつ手間な
く試料の結晶軸を検出して結晶軸とイオンビームとの軸
合わせを行うこと,が可能な平行磁場型ラザフォード後
方散乱分析装置及び該装置における試料の結晶軸検出方
法を提供することを目的とするものである。
めに,本発明は,イオンビームが入射した試料にて後方
散乱された散乱イオンを検出するための散乱イオン検出
器と,前記イオンビームと平行な磁場を少なくとも前記
試料から前記散乱イオン検出器にかけて発生させる磁場
発生手段と,前記試料と前記散乱イオン検出器との間の
前記散乱イオン検出器に対して予め定められた位置に配
置され,前記散乱イオン検出器側から前記試料に入射す
る前記イオンビームを通過させると共に,前記磁場発生
手段の磁場により前記イオンビームのビーム軸に収束し
た特定のエネルギーと散乱角を有する前記散乱イオンを
前記散乱イオン検出器側に通過させるための開口を備え
た板状の弁別用スリットと,を具備してなる平行磁場型
ラザフォード後方散乱分析装置において,前記試料と前
記弁別用スリットとの間に前記イオンビームと平行に移
動し得るように配置され,前記散乱イオン検出器側から
前記試料に入射するイオンビームを通過させる開口を備
えた板状の可動板状スリットと,前記試料と前記可動板
状スリットとの間に前記イオンビームと平行に移動し得
るように配置され,前記散乱イオン検出器側から前記試
料に入射するイオンビームを通過させる開口を備えた筒
状の可動筒状スリットと,を具備してなることを特徴と
する平行磁場型ラザフォード後方散乱分析装置として構
成されている。この発明では,散乱イオン検出器側から
試料に入射するイオンビームを通過させる開口を備えた
板状の可動板状スリットが,前記試料と弁別用スリット
との間に前記イオンビームと平行に移動し得るように配
置され,前記散乱イオン検出器側から試料に入射するイ
オンビームを通過させる開口を備えた筒状の可動筒状ス
リットが,前記試料と前記可動板状スリットとの間に前
記イオンビームと平行に移動し得るように配置される。
前記可動板状スリットと前記可動筒状スリットとの位置
関係を適当に設定すれば,前記弁別用スリットを通過さ
せる特定の収束回数の散乱イオンを除いた他の収束回数
の散乱イオンを,前記可動板状スリットか前記可動筒状
スリットにあてて,前記可動板状スリットより前記散乱
イオン検出器側に到達するのを防止することができる。
このため,好適にエネルギー分析を行うことが可能にな
る。前記平行磁場型ラザフォード後方散乱分析装置にお
いて,前記可動筒状スリットの軸方向の長さLsは,例
えば前記弁別用スリットと前記試料との間の距離Lに対
し1/6L<Ls<1/3Lの関係を満たすように定め
られる。さらに,前記散乱イオン検出器が,2次元のイ
オン検出器,即ち,前記散乱イオン検出器の検出面上で
の前記散乱イオンの検出位置を検知可能なものであれ
ば,前記散乱イオン検出器により検出された前記散乱イ
オンの検出位置に基づいて,前記散乱イオンのエネルギ
ースペクトルを測定するエネルギースペクトル測定手段
を具備するものも考えられる。これにより,保有エネル
ギーごとにその検出位置(具体的には,イオンビームの
ビーム軸からの距離)が異なる前記散乱イオンを同時に
検出できるので,測定対象とする前記散乱イオンのエネ
ルギーごとに磁場発生手段による磁場強度や前記試料,
前記弁別用スリット,及び前記散乱イオン検出器の相互
間の距離を変更する必要がなく,1度の測定で前記散乱
イオンのエネルギースペクトルを測定することが可能と
なる。2次元のイオン検出器としては,例えば2次元状
に微細検出管が多数配列されたマイクロチャンネルプレ
ートや,1次元(線状)のイオン検出器を複数配列した
もの等が考えられる。
方散乱された散乱イオンを検出するための散乱イオン検
出器と,前記イオンビームと平行な磁場を少なくとも前
記試料から前記散乱イオン検出器にかけて発生させる磁
場発生手段と,前記試料と前記散乱イオン検出器との間
の前記散乱イオン検出器に対して予め定められた位置に
配置され,前記散乱イオン検出器側から前記試料に入射
する前記イオンビームを通過させると共に,前記磁場発
生手段の磁場により前記イオンビームのビーム軸に収束
した特定のエネルギーと散乱角を有する前記散乱イオン
を前記散乱イオン検出器側に通過させるための開口を備
えた板状の弁別用スリットと,を具備してなる平行磁場
型ラザフォード後方散乱分析装置において,前記散乱イ
オン検出器が,2次元のイオン検出器であることを特徴
とする平行磁場型ラザフォード後方散乱分析装置として
構成されたものも考えられる。これにより,前述したよ
うに,保有エネルギーごとにその検出位置が異なる前記
散乱イオンを同時に検出できるので,前記散乱イオン検
出器により検出された前記散乱イオンの検出位置に基づ
いて,前記散乱イオンのエネルギースペクトルを測定す
るエネルギースペクトル測定手段を具備すれば,1度の
測定で前記散乱イオンのエネルギースペクトルを測定す
ることが可能となる。
れる散乱イオンの検出量分布に基づいて前記試料の結晶
軸を検出する結晶軸検出手段を具備するものも考えられ
る。この場合,前記結晶軸検出手段が,前記散乱イオン
の検出量が相対的に低い部分で形成される複数の帯状の
低検出量領域を検出し,該低検出量領域に基づいて前記
試料の結晶軸を検出するものが考えられ,さらに,前記
結晶軸検出手段が,複数の前記低検出量領域が互いに交
差する部分の中心位置と前記散乱イオン検出器を通過す
る前記イオンビームのビーム軸とのずれに基づいて前記
試料の結晶軸を検出するものが考えられる。これは,イ
オンの散乱が前記試料の成分原子によって阻まれるいわ
ゆるブロッキング現象により,前記試料の結晶面に沿っ
た方向に散乱される前記散乱イオンの検出量は相対的に
低くなるので,前記散乱イオンの検出量分布から,複数
の前記結晶面の方向,及びそれら結晶面が交差する軸で
ある結晶軸を検出(特定)するものである。これによ
り,X線源等を要せず,1回の前記散乱イオンの検出で
前記試料の結晶軸を検出することができる。さらに,前
記結晶軸検出手段の検出結果に基づいて,前記イオンビ
ームのビーム軸が前記試料に入射する角度を調節する入
射角調節手段を具備すれば,ビーム軸と前記試料の結晶
軸とを一致させることが可能となる。また,本発明は,
2次元のイオン検出器である前記散乱イオン検出器を有
する前記平行磁場型ラザフォード後方散乱分析装置を用
いた散乱イオンのエネルギースペクトル測定方法,或い
は試料の結晶軸検出方法として捉えたものであってもよ
い。
明の実施の形態につき説明し,本発明の理解に供する。
尚,以下の実施の形態は,本発明の具体的な例であっ
て,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではな
い。ここに,図1は本発明の実施の形態に係る平行磁場
型ラザフォード後方散乱分析装置の要部を説明するため
の図である。本発明の実施の形態に係る平行磁場型ラザ
フォード後方散乱分析装置の基本的な構成は,従来の平
行磁場型ラザフォード後方散乱分析装置と同様である。
図1に示しているのは,イオンビーム2,試料4と,従
来の平行磁場型ラザフォード後方散乱分析装置と同様
の,電磁石(磁場発生手段の具体例)6,アイリス型ス
リット(弁別用スリットの具体例)7,及び散乱イオン
検出器8と,本発明の実施の形態に係る平行磁場型ラザ
フォード後方散乱分析装置の特徴的な構成である。前記
散乱イオン検出器8は,前記イオンビーム2が入射した
試料4にて後方散乱された散乱イオンを検出するための
ものであり,前記電磁石7は,前記イオンビーム2と平
行な矢印B方向に向く磁場を少なくとも前記試料4から
前記散乱イオン検出器8にかけて発生させる。また,前
記アイリス型スリット7は,前記試料4と前記散乱イオ
ン検出器8との間の前記散乱イオン検出器8に対して予
め定められた位置に配置され,前記散乱イオン検出器8
側から前記試料4に入射する前記イオンビーム2を通過
させると共に,前記電磁石6の磁場により前記イオンビ
ーム2のビーム軸に収束した特定のエネルギーと散乱角
を有する前記散乱イオンを前記散乱イオン検出器8側に
通過させるための開口71を備えた円盤状のものであ
る。 (収束回数の異なる散乱イオンの弁別)そして,本発明
の実施の形態に係る平行磁場型ラザフォード後方散乱分
析装置が,特徴とするところは,前記試料4と前記アイ
リス型スリット7との間に前記イオンビーム2と平行に
移動し得るように配置され,前記散乱イオン検出器8側
から前記試料4に入射するイオンビーム2を通過させる
開口91を備えた円盤状の円盤型スリット(可動板状ス
リットの具体例)9と,前記試料4と前記円盤型スリッ
ト9との間に前記イオンビーム2と平行に移動し得るよ
うに配置され,前記散乱イオン検出器8側から前記試料
4に入射するイオンビーム2を通過させる開口101を
備えた筒状の円筒型スリット(可動筒状スリットの具体
例)10とを具備する点である。
型ラザフォード公報散乱分析装置の詳細について説明す
る。一般に,一様な平行磁場中においては,微小点から
生成された荷電粒子は必ず磁場と平行な軸に収束する。
前記平行磁場型ラザフォード後方散乱分析装置について
言い換えれば,前記電磁石6によって発生する一様で平
行な矢印B方向に向く磁場中においては,前記磁場と平
行な前記イオンビーム2が入射した前記試料4にて散乱
された散乱イオンは,必ず前記イオンビーム2のビーム
軸上に収束する。さらに,前記試料4と前記アイリス型
スリット7との距離をLで表すとき,前記アイリス型ス
リット7の開口71を通過する散乱イオンは,前記距離
Lの整数分の1の間隔(L/N,ただしNは整数であ
る)で,前記ビーム軸に対して収束する。前記整数Nが
収束回数となる。このような収束回数Nが異なる多数の
散乱イオンのうちの一部は,前記円筒型スリット10に
衝突する。前記円筒型スリット10の軸方向の長さをL
sで表すとき,次式(1)を満たすN回以上の収束周期
の散乱イオンは,収束周期が短いために必ず前記円筒型
スリット10に衝突し,前記アイリス型スリット7には
到達しない。 Ls>L/N (1) 例えば前記円筒型スリット10の軸方向の長さLsを次
式(2)を満たすように定めると,6回以上収束する全
ての散乱イオンを排除することができる。 L/6<Ls<L/3 (2) また,収束回数が偶数のとき,散乱イオンは,必ず前記
試料4と前記アイリス型スリット7との間の中央にあた
る位置で収束することになる。このため,前記試料4と
前記アイリス型スリット7との間の中央にあたる位置に
前記円筒型スリット10を配置すれば,前記円筒型スリ
ット10に収束回数が偶数回数の散乱イオンを衝突させ
て,前記アイリス型スリット7に到達するのを阻止する
ことができる。さらに,前記円盤型スリット9を,前記
アイリス型スリット7の直近から収束回数が1回のイオ
ンが開口91を通過しない所まで,前記試料4側に配置
すれば,収束回数が1回の散乱イオンを前記円盤型スリ
ット9に衝突させ,前記アイリス型スリット7に到達す
るのを阻止することができる。結局のところ,上式
(2)を満たすような前記円筒型スリット10を用いる
と,前記円筒型スリット10と前記アイリス型スリット
7との位置関係を適当に定めることにより,収束回数が
1,2,3,5の散乱イオンを弁別することが可能にな
る。
うために,図2に前記円筒型スリットと前記円盤型スリ
ットとの位置関係を3例示す。なお,図5と同様,図2
における符号51は収束回数が1回の散乱イオンの軌道
を,符号52は収束回数が2回の散乱イオンの軌道を,
符号53は収束回数が3回の散乱イオンの軌道を,符号
54は収束回数が4回の散乱イオンの軌道をそれぞれ表
す。前記円筒型スリット10が上式(2)を満たすよう
なものであれば,収束回数が6回以上の散乱イオンは前
記円筒型スリット10に衝突し,前記アイリス型スリッ
ト7には到達しないので,以降では収束回数が5回以下
の散乱イオンのみを考慮する。例えば図2(a)の例で
は,前記円筒型スリット10の先端102が,前記試料
4と前記アイリス型スリット7との間の中央にあたる位
置から,やや前記試料4側に配置されている。また,前
記円盤型スリット9は,前記アイリス型スリット7の直
近まで退避している。この配置では,前記円筒型スリッ
ト10が前記試料4と前記アイリス型スリット7との間
の中央にあたる位置を遮るので,収束回数が偶数である
散乱イオン52,54は前記円筒型スリット10に衝突
する。また,散乱イオン5の収束回数が3の場合,前記
試料4と前記アイリス型スリット7との間の中央にあた
る位置からL/6の位置で収束する。前記円筒型スリッ
ト10の軸方向長さLsはL/6より大きいので,図2
(a)の円筒型スリット10の配置では,収束回数3の
散乱イオン53も前記円筒型スリット10に衝突する。
散乱イオン5の収束回数が5の場合の軌道は,図2に示
していないが,収束回数が5の散乱イオンが収束する位
置と,前記試料4と前記アイリス型スリット7との間の
中央にあたる位置との距離は,収束回数が3の散乱イオ
ン53の場合よりも小さくなるため,収束回数が5の散
乱イオンも前記円筒型スリット10に衝突する。図2
(a)の例についてまとめると,前記円筒型スリット1
0によって収束回数が2回以上の散乱イオンは全て阻止
される。このとき,前記円盤型スリット9を前記アイリ
ス型スリット7の直近に退避させれば,前記円盤型スリ
ット9の開口91を収束回数が1回の散乱イオン51が
通過して,前記散乱イオン51のみが前記アイリス型ス
リット7に到達する。すなわち,図2(a)の例では,
収束回数が1回の散乱イオン51のみが弁別される。ま
た,図2(b)の例では,前記円筒型スリット10の後
端103が,前記試料4と前記アイリス型スリット7と
の間の中央にあたる位置を遮らない程度に,前記試料4
側に配置されている。また,前記円盤型スリット9は,
前記試料4と前記アイリス型スリット7との間の中央に
あたる位置に配置されている。この配置では,収束回数
が1回の散乱イオン51は,前記円盤型スリット9に衝
突し,前記アイリス型スリット7に到達しない。また,
収束回数が3回,4回,5回の散乱イオンは,前記円筒
型スリット10に衝突し,前記アイリス型スリット7に
到達しない。図2(b)の例では,前記円盤型スリット
9によって収束回数1回の散乱イオンが阻止され,ま
た,前記円筒型スリット10によって収束回数が3,
4,5回の散乱イオンは阻止される。このとき,収束回
数が2回の散乱イオン52のみが,前記円筒型スリット
10に衝突せず,前記円盤型スリット9の開口91を通
過する。すなわち,図2(a)の例では,収束回数が2
回の散乱イオン52のみが弁別される。また,図2
(c)の例では,前記円筒型スリット10の中央位置
が,前記試料4と前記アイリス型スリット7との間の中
央にあたる位置に配置されている。また,前記円盤型ス
リット9は前記アイリス型スリット7の直近から離れた
前記試料4側の位置に配置されている。この配置では,
収束回数が1回の散乱イオン51は,前記円盤型スリッ
ト9に衝突し,前記アイリス型スリット7に到達しな
い。また,前記円筒型スリット10が前記試料4と前記
アイリス型スリット7との間の中央にあたる位置を遮る
ので,収束回数が偶数である散乱イオン52,54は前
記円筒型スリット10に衝突する。また,収束回数が3
の散乱イオン53は,前記円筒型スリット10の軸方向
長さLsがL/3より小さいので,前記円筒型スリット
10に衝突しない。さらに,収束回数が5の散乱イオン
は,収束する位置が前記散乱イオン53より前記試料4
と前記アイリス型スリット7との間の中央にあたる位置
に近く,前記円筒型スリット10の軸方向長さLsによ
っては衝突してしまう場合がある。前記円筒型スリット
10の軸方向長さLsがL/5より小さければ,収束回
数が5の散乱イオンも衝突しない。このとき,収束回数
が3の散乱イオン53,又は収束回数が5の散乱イオン
のいずれかが前記開口91を通過するように前記円盤型
スリット9を配置すれば,他方は前記円盤型スリット9
に衝突するから,収束回数が3又は5の散乱イオンを弁
別することができる。このように,本発明の実施の形態
に係る平行磁場型ラザフォード後方散乱分析装置では,
散乱イオン検出器側から試料に入射するイオンビームを
通過させる開口を備えた円盤型スリットが,前記試料と
アイリス型スリットとの間に前記イオンビームと平行に
移動し得るように配置され,前記散乱イオン検出器側か
ら試料に入射するイオンビームを通過させる開口を備え
た円筒型スリットが,前記試料と前記円筒型スリットと
の間に前記イオンビームと平行に移動し得るように配置
され,さらに前記円筒型スリットの軸方向の長さLs
が,前記散乱イオン検出器と前記試料との間の距離Lに
対し,1/6L<Ls<1/3Lの関係を満たすように
定められるため,収束回数が1,2,3,5の散乱イオ
ンを弁別することができる。その結果,好適にエネルギ
ー分析を行うことが可能となる。なお,前記実施の形態
は好ましい例であり,本発明における可動板状スリッ
ト,及び可動筒状スリットは,それぞれ前記円盤型スリ
ット,及び前記円筒型スリットの構成に限られるもので
はない。
定)次に,前記散乱イオン検出器8として,その中央部
に前記イオンビーム2を通過させる開口を有する2次元
のイオン検出器を用いた場合の前記散乱イオンの選別
(分別)方法について説明する。前記散乱イオン検出器
8として2次元のイオン検出器を用いた場合には,前記
電磁石6による磁場強度や,前記試料4〜前記スリット
7〜前記散乱イオン検出器8間の距離を変化させる必要
がない。以下,これについて説明する。前記散乱イオン
が前記散乱イオン検出器8に到達した位置の前記イオン
ビーム2のビーム軸からの距離rは,前述した(a5)
式で表される。ここでrは,2次元のイオン検出器であ
る前記散乱イオン検出器8により検出したイオンの位置
(x,y)(z軸=ビーム軸とする)から,r=√(x
2+y2)により求まるので,rが求まれば,(a5)式
により,その位置(ビーム軸からの距離がrの位置)に
到達した前記散乱イオンのエネルギーが求まる。そし
て,例えば,同じ散乱角度のHe+イオンについて,2
テスラ前後の磁場強度下で300keVのイオンと29
9keVのイオンとを選別(エネルギー分解能ΔE/E
=0.3%)するためには,前記散乱イオン検出器8の
位置検出分解能(例えば,前記マイクロチャンネルプレ
ートにおける前記微細検出管の間隔)が0.33mm程
度であれば足り,この程度の位置検出分解能を有する2
次元のイオン検出器を構成することは容易である。仮
に,前記試料4〜前記スリット7間の距離Lを350m
m,前記スリット7〜前記散乱イオン検出器8間の距離
lを120mm,前記磁場強度Bを2テスラ,前記散乱
イオン検出器8の検出範囲の半径を100mm,その位
置検出分解能を0.33mmとすれば,1keV以下の
前記エネルギー分解能ΔE/Eで,150keV〜30
0keVの範囲の散乱He +イオンを1度に測定するこ
とが可能となり,従来,150回の測定を要して得られ
たデータを1回の測定で得られることになる。これによ
り,磁場強度や,前記試料4等の位置関係を変化させる
手間が省けるとともに,試料へのイオン照射時間が短縮
され,試料表面の汚染を最小限に抑えることができる。
さらに,前記マイクロチャンネルプレート等である2次
元の前記散乱イオン検出器8の位置検出分解能を0.3
3mmより小さくすることも可能であり,従来の方法で
は困難であった1keV以下のエネルギー分解能を得る
ことも可能となる。上述した前記散乱イオンの検出位置
に基づくエネルギーの計算(即ち,エネルギースペクト
ルの測定)は,例えば,前記散乱イオン検出器8による
検出量データを取り込むインターフェースを備えた計算
機等(前記エネルギースペクトル測定手段の一例)によ
り実行すればよい。
記散乱イオン検出器8として,その中央部に前記イオン
ビーム2を通過させる開口を有する2次のイオン検出器
を用いた場合の前記試料4の結晶軸検出及び該結晶軸と
前記イオンビーム2のビーム軸との軸合わせについて説
明する。図7は,前記散乱イオン検出器8に2次元のイ
オン検出器を用いた平行磁場型ラザフォード後方散乱分
析装置の概略構成及び前記散乱イオン検出器8上におけ
るイオン検出量の分布を表す図である。前記イオンビー
ム2のビーム軸が前記試料4の結晶軸と一致していない
(ずれている)場合,イオンの散乱が前記試料4の成分
原子によって阻まれるいわゆるブロッキング現象によ
り,前記試料4の結晶面に沿った方向に散乱される前記
散乱イオンの検出量は低くなる。このため,例えば,前
記イオンビーム2のビーム軸が,前記試料4の<111
>軸から少しずれている場合,前記散乱イオン検出器8
により検出される前記散乱イオンの検出量の分布を濃度
分布(白抜きの部分が前記散乱イオンの検出量が低い部
分)として示すと,図7(の8a)に示すように,前記
散乱イオンの検出量が相対的に低い部分(検出量=0を
含む)で形成される帯状の低検出量領域(以下,低検出
量ラインLlowという)が複数形成される。該低検出量
ラインLlowの特定方法としては,例えば,全体の平均
イオン検出量に対して所定比率以下の部分を前記低検出
量ラインLlowとする等の方法が考えられる。前記低検
出量ラインLlowそれぞれは,前記試料4の結晶面それ
ぞれに対応するため,前記イオンビーム2のビーム軸O
と前記低検出量ラインLlowが互いに交差する部分の中
心位置O1(交点)とのずれが,前記ビーム軸Oと前記
試料4の結晶軸(<111>軸)とのずれを表すことに
なる。従って,前記試料4の測定前に,一度だけ前記散
乱イオンの分布を検出することにより,前記ビーム軸O
と前記低検出量ラインLlowの交点O1とのずれ(相対
位置関係)がわかれば,そのずれ分だけ前記イオンビー
ム2が前記試料4に入射する角度を調節することによっ
て前記ビーム軸Oと前記試料4の結晶軸とを一致させる
(軸合わせする)ことができる。
ンLlowの交点O1とのずれに基づく軸合わせの方法に
ついて説明する。まず,前記散乱イオン検出器8上にお
いて,前記散乱イオンが検出される位置(x,y)(前
記ビーム軸Oをz軸とする)と前記ビーム軸Oとの距離
rは,前述した(a4)式で表される。また,前記散乱
イオン検出器8の検出面(x−y平面)方向の角度(即
ち,図9に示すように前記ビーム軸O方向から見たとき
の角度)をψとし(図8参照),前記検出位置(x,
y)のψ=ψb’とすると,前記散乱イオンの散乱角度
θの前記散乱イオン検出器8の検出面に平行な方向の角
度成分ψbは,以下のようにして求められる。前述した
(a5)式を導出したのと同様に,前記散乱イオンが前
記スリット7を通過後に前記散乱イオン検出器8に到達
するまでの時間をt1とすれば,l=vcosθ・t1
と表されるので,これを(a2)式におけるx,yの式
に代入すれば,ψbとψb’の差Δψb(図9参照)に関
する次の(a6)式が導かれる。
ることができる。
Llowの交点O1の位置情報から,前記散乱イオンのエ
ネルギー,前記散乱イオンの散乱角度θの試料表面に垂
直な方向の角度成分θb,同試料表面に平行な方向の角
度成分ψbを求めることができる。従って,前記ビーム
軸に対する前記試料の角度(即ち,前記ビーム軸が前記
試料に入射する角度)を調節する所定の入射角調節手段
(不図示)により,前記試料をψb方向の軸と前記ビー
ム軸とを含む面に沿った調節角度φ=θbだけ傾斜させ
る(調節する)ことにより,前記ビーム軸と前記試料の
結晶軸とを一致させることができる。このように,前記
ビーム軸Oと前記低検出量ラインLlowの交点O1との
ずれ(即ち,座標(x,y))に基づいて軸合わせを行
うことができる。上述した前記散乱イオンの検出量分布
に基づく前記試料の結晶軸の検出,及び前記入射角調節
手段による調節角度の計算は,例えば,前記散乱イオン
検出器8による検出量データを取り込むインターフェー
スを備えた計算機等(前記結晶軸検出手段の一例)によ
り実行すればよい。図10は,上述した方法で前記試料
の結晶軸と前記ビーム軸Oとを一致させたときの前記散
乱イオン検出器8上におけるイオン検出量の分布を濃度
分布(白抜きの部分が前記散乱イオンの検出量が低い部
分)として表したものである。図10に示すように前記
低検出量ラインLlowの交点O1と前記ビーム軸Oとが
一致することがわかる。
オン検出器側から試料に入射するイオンビームを通過さ
せる開口を備えた板状の可動板状スリットが,前記試料
と弁別用スリットとの間に前記イオンビームと平行に移
動し得るように配置され,前記散乱イオン検出器側から
試料に入射するイオンビームを通過させる開口を備えた
筒状の可動筒状スリットが,前記試料と前記可動板状ス
リットとの間に前記イオンビームと平行に移動し得るよ
うに配置されるため,前記可動板状スリットと前記可動
筒状スリットとの位置関係を適当に設定すれば,前記弁
別用スリットを通過させる特定の収束回数の散乱イオン
を除いた他の収束回数の散乱イオンを,前記可動板状ス
リットか前記可動筒状スリットにあてて,前記可動板状
スリットより前記散乱イオン検出器側に到達するのを防
止することができる。このため,好適にエネルギー分析
を行うことが可能になる。さらに,前記平行磁場型ラザ
フォード後方散乱分析装置において,前記可動筒状スリ
ットの軸方向の長さLsを,例えば前記散乱イオン検出
器と前記試料との間の距離Lに対し,1/6L<Ls<
1/3Lの関係を満たすように定めれば,収束回数が
1,2,3,5の散乱イオンを弁別することが可能とな
る。
に入射するイオンビームを通過させる開口を備えた2次
元のイオン検出器を用いれば,1回の測定で広範囲のエ
ネルギースペクトルを測定できるので,測定工数を大幅
に縮減できるとともに,試料へのイオンビーム照射時間
を短縮できるので,試料表面の汚染も最小限に抑えるこ
とができる。さらに,前記散乱イオン検出器の位置検出
分解能を上げる(例えば,0.33mm以下)ことによ
り,従来困難であった1keV以下の高分解能でエネル
ギーエネルギースペクトルを測定することが可能とな
る。また,前記2次元のイオン検出器を用いることによ
り,X線源及びX線検出装置を設けたり,試料を回転さ
せながら散乱イオン検出を長時間行う必要がなく,シン
プルな構成で間便かつ短時間で,しかも試料表面の汚染
を最小限に抑えながら試料の結晶軸を検出して該結晶軸
とイオンビームとの軸合わせを行うことができる。
ォード後方散乱分析装置の要部を説明するための図。
に説明するための図。
装置の概略構成例を示す図。
す図。
す図。
の中心からの距離との関係を収束回数の異なる散乱イオ
ン毎に示す図。
用いた平行磁場型ラザフォード後方散乱分析装置の概略
構成及び散乱イオン検出器上におけるイオン検出量の分
布を表す図。
面からの散乱イオンの散乱角度を表す図。
オンの散乱角度と散乱イオンが検出器に到達した位置の
角度との差を表した図。
を一致させたときの散乱イオン検出器上におけるイオン
検出量の分布を表す図。
(濃度分布)
Claims (13)
- 【請求項1】 イオンビームが入射した試料にて後方散
乱された散乱イオンを検出するための散乱イオン検出器
と,前記イオンビームと平行な磁場を少なくとも前記試
料から前記散乱イオン検出器にかけて発生させる磁場発
生手段と,前記試料と前記散乱イオン検出器との間の前
記散乱イオン検出器に対して予め定められた位置に配置
され,前記散乱イオン検出器側から前記試料に入射する
前記イオンビームを通過させると共に,前記磁場発生手
段の磁場により前記イオンビームのビーム軸に収束した
特定のエネルギーと散乱角を有する前記散乱イオンを前
記散乱イオン検出器側に通過させるための開口を備えた
板状の弁別用スリットと,を具備してなる平行磁場型ラ
ザフォード後方散乱分析装置において,前記試料と前記
弁別用スリットとの間に前記イオンビームと平行に移動
し得るように配置され,前記散乱イオン検出器側から前
記試料に入射するイオンビームを通過させる開口を備え
た筒状の可動筒状スリットと,前記試料と前記可動板状
スリットとの間に前記イオンビームと平行に移動し得る
ように配置され,前記散乱イオン検出器側から前記試料
に入射するイオンビームを通過させる開口を備えた筒状
の可動筒状スリットと,を具備してなることを特徴とす
る平行磁場型ラザフォード後方散乱分析装置。 - 【請求項2】 前記可動筒状スリットの軸方向の長さL
sが,前記弁別用スリットと前記試料との間の距離Lに
対し,1/6L<Ls<1/3Lの関係を満たすように
定められた請求項1記載の平行磁場型ラザフォード後方
散乱分析装置。 - 【請求項3】 前記散乱イオン検出器が,2次元のイオ
ン検出器である請求項1又は2のいずれかに記載の平行
磁場型ラザフォード後方散乱分析装置。 - 【請求項4】 前記散乱イオン検出器により検出された
前記散乱イオンの検出位置に基づいて,前記散乱イオン
のエネルギースペクトルを測定するエネルギースペクト
ル測定手段を具備してなる請求項1〜3のいずれかに記
載の平行磁場型ラザフォード後方散乱分析装置。 - 【請求項5】 イオンビームが入射した試料にて後方散
乱された散乱イオンを検出するための散乱イオン検出器
と,前記イオンビームと平行な磁場を少なくとも前記試
料から前記散乱イオン検出器にかけて発生させる磁場発
生手段と,前記試料と前記散乱イオン検出器との間の前
記散乱イオン検出器に対して予め定められた位置に配置
され,前記散乱イオン検出器側から前記試料に入射する
前記イオンビームを通過させると共に,前記磁場発生手
段の磁場により前記イオンビームのビーム軸に収束した
特定のエネルギーと散乱角を有する前記散乱イオンを前
記散乱イオン検出器側に通過させるための開口を備えた
板状の弁別用スリットと,を具備してなる平行磁場型ラ
ザフォード後方散乱分析装置において,前記散乱イオン
検出器が,2次元のイオン検出器であることを特徴とす
る平行磁場型ラザフォード後方散乱分析装置。 - 【請求項6】 前記散乱イオン検出器により検出された
前記散乱イオンの検出位置に基づいて,前記散乱イオン
のエネルギースペクトルを測定するエネルギースペクト
ル測定手段を具備してなる請求項5に記載の平行磁場型
ラザフォード後方散乱分析装置。 - 【請求項7】 前記散乱イオン検出器により検出される
散乱イオンの検出量分布に基づいて前記試料の結晶軸を
検出する結晶軸検出手段を具備してなる請求項5又は6
のいずれかに記載の平行磁場型ラザフォード後方散乱分
析装置。 - 【請求項8】 前記結晶軸検出手段が,前記散乱イオン
の検出量が相対的に低い部分で形成される複数の帯状の
低検出量領域を検出し,該低検出量領域に基づいて前記
試料の結晶軸を検出するものである請求項7に記載の平
行磁場型ラザフォード後方散乱分析装置。 - 【請求項9】 前記結晶軸検出手段が,複数の前記低検
出量領域が互いに交差する部分の中心位置と前記散乱イ
オン検出器を通過する前記イオンビームのビーム軸との
ずれに基づいて前記試料の結晶軸を検出するものである
請求項8に記載の平行磁場型ラザフォード後方散乱分析
装置。 - 【請求項10】 前記結晶軸検出手段の検出結果に基づ
いて,前記イオンビームのビーム軸が前記試料に入射す
る角度を調節する入射角調節手段を具備してなる請求項
7〜9のいずれかに記載の平行磁場型ラザフォード後方
散乱分析装置。 - 【請求項11】 イオンビームが入射した試料にて後方
散乱された散乱イオンを検出するための散乱イオン検出
器と,前記イオンビームと平行な磁場を少なくとも前記
試料から前記散乱イオン検出器にかけて発生させる磁場
発生手段と,前記試料と前記散乱イオン検出器との間の
前記散乱イオン検出器に対して予め定められた位置に配
置され,前記散乱イオン検出器側から前記試料に入射す
る前記イオンビームを通過させると共に,前記磁場発生
手段の磁場により前記イオンビームのビーム軸に収束し
た特定のエネルギーと散乱角を有する前記散乱イオンを
前記散乱イオン検出器側に通過させるための開口を備え
た板状の弁別用スリットと,を具備してなる平行磁場型
ラザフォード後方散乱分析装置を用いた散乱イオンのエ
ネルギースペクトル測定方法であって,2次元のイオン
検出器である前記散乱イオン検出器により検出される散
乱イオンの検出位置に基づいて,前記散乱イオンのエネ
ルギースペクトルを測定してなることを特徴とする平行
磁場型ラザフォード後方散乱分析装置を用いた散乱イオ
ンのエネルギースペクトル測定方法。 - 【請求項12】 イオンビームが入射した試料にて後方
散乱された散乱イオンを検出するための散乱イオン検出
器と,前記イオンビームと平行な磁場を少なくとも前記
試料から前記散乱イオン検出器にかけて発生させる磁場
発生手段と,前記試料と前記散乱イオン検出器との間の
前記散乱イオン検出器に対して予め定められた位置に配
置され,前記散乱イオン検出器側から前記試料に入射す
る前記イオンビームを通過させると共に,前記磁場発生
手段の磁場により前記イオンビームのビーム軸に収束し
た特定のエネルギーと散乱角を有する前記散乱イオンを
前記散乱イオン検出器側に通過させるための開口を備え
た板状の弁別用スリットと,を具備してなる平行磁場型
ラザフォード後方散乱分析装置を用いた試料の結晶軸検
出方法であって,2次のイオン検出器である前記散乱イ
オン検出器により検出される散乱イオンの検出量分布に
基づいて,前記試料の結晶軸を検出してなることを特徴
とする平行磁場型ラザフォード後方散乱分析装置を用い
た試料の結晶軸検出方法。 - 【請求項13】 前記散乱イオン検出器による前記散乱
イオンの検出量が相対的に低い部分で形成される複数の
帯状の低検出量領域が互いに交差する部分の中心位置
と,前記散乱イオン検出器を通過する前記イオンビーム
のビーム軸と,のずれに基づいて前記試料の結晶軸を検
出してなる請求項12に記載の平行磁場型ラザフォード
後方散乱分析装置を用いた試料の結晶軸検出方法。
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