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JP2003021111A - 油圧シリンダ - Google Patents

油圧シリンダ

Info

Publication number
JP2003021111A
JP2003021111A JP2001205695A JP2001205695A JP2003021111A JP 2003021111 A JP2003021111 A JP 2003021111A JP 2001205695 A JP2001205695 A JP 2001205695A JP 2001205695 A JP2001205695 A JP 2001205695A JP 2003021111 A JP2003021111 A JP 2003021111A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rod
hydraulic cylinder
rod guide
blade
annular
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001205695A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuhiro Yoshimoto
光宏 吉本
Tomohiko Yasuoka
友彦 安岡
Akinori Ro
明徳 盧
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Construction Machinery Co Ltd filed Critical Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Priority to JP2001205695A priority Critical patent/JP2003021111A/ja
Publication of JP2003021111A publication Critical patent/JP2003021111A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油圧シリンダの作動時において、ロッドが導
出されている状態で、その表面に岩石等の物体が衝突し
て、傷が付いたとしても、ロッドが縮小する際に、この
傷により生じる尖った部分を鈍化させることによって、
オイルシールやダストシール等からなる弾性シール部材
が損傷したり、摩耗したりするのを確実に防止でき、こ
れら弾性シール部材を長寿命化する。 【解決手段】 シリンダチューブ1内に設けたピストン
2に連結したロッド3を外部に導出させるロッドガイド
20には4つの円環状の凹溝21〜24が形成されてお
り、最内端側の凹溝21には、第1のオイルシール13
が、2番目の凹溝22には第2のオイルシール14が、
第3番目の凹溝23にはダストシール15が装着され、
第4番目の凹溝24が最外端部の位置に形成されてい
る。この凹溝24には、尖端鈍化手段として、円環状の
刃物25が装着され、この刃物25は、円環状板体25
aの内周部に円環状の刃先25bを連設される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建設機械の油圧ア
クチュエータ等として用いられる油圧シリンダに関する
ものであり、特に岩石等がロッドに衝突して、このロッ
ドが損傷した時にも、シール部材を保護できるようにし
た油圧シリンダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】建設機械として、例えば油圧ショベルに
は、フロント作業機を駆動するために、油圧シリンダが
用いられる。油圧シリンダは、一般に、図8に示したよ
うに構成される。図中において、1は一端側が開口し、
他端側が閉塞したシリンダチューブ、2はこのシリンダ
チューブ1の内面に沿って摺動変位するピストン、3は
ピストン2に連結したロッド、4はシリンダチューブ1
の開口側端に連結され、ロッド3を外部に導出するよう
にガイドするロッドガイドである。シリンダチューブ1
の内部には、ピストン2によってボトム室5aとロッド
室5bとに区画形成されており、シリンダチューブ1の
閉塞側端部にはボトム室5aに通じる流路6が、ロッド
ガイド4にはロッド室5bに通じる流路7が設けられて
いる。
【0003】シリンダチューブ1の閉塞側端部には、第
1の取付部1aが設けられ、またロッド3の先端には第
2の取付部3aが連結されている。従って、例えば油圧
ショベルのブームシリンダとして用いる場合には、第1
の取付部1aが上部旋回体に連結され、第2の取付部3
aがブームに連結される。また、流路6,7には方向切
換弁からの配管がそれぞれ接続されており、方向切換弁
を操作すると、流路6,7のうちの一方が油圧ポンプと
接続されて、ボトム室5aまたはロッド室5bに高圧油
が流入し、他方が作動油タンクと接続されて、ロッド室
5bまたはボトム室5a内の圧力が低下して、ロッド3
が伸長したり、縮小したりするように作動することにな
る。
【0004】以上のように構成される油圧シリンダにお
いては、ロッド3がロッドガイド4から外部に導出され
ることから、ロッドガイド4にはロッド貫通孔4aが形
成されている。従って、ロッド3とロッド貫通孔4aと
の間から作動油が流出したり、外部から異物が侵入した
りするのを防止しなければならない。このために、図9
に示したように、ロッドガイド4の内周面には、3箇所
にわたって円環状の凹溝10,11,12が形成されて
おり、これら各凹溝10〜12には、それぞれ弾性シー
ル部材が設けられている。ロッドガイド4のうち、シリ
ンダチューブ1への連結側を内端部とし、それとは反対
側を外端部とした時に、最も内端部側の凹溝10には、
第1のオイルシール13が設けられており、また内端側
から2番目に位置する凹溝11には第2のオイルシール
14が設けられている。従って、これら第1,第2のオ
イルシール13,14は、ロッド室5b内に向けて開口
するリップシールからなり、シリンダチューブ1内のロ
ッド室5b内が高圧になっても、外部に作動油が漏れ出
さないように、2重のシール機構を構成している。さら
に、最外端部に位置する凹溝12内には、ダストシール
15が装着されており、このダストシール15によっ
て、ロッド3の表面に付着した塵埃やその他の異物等が
ロッド室5b内に侵入するのを防止している。さらに、
ロッドガイド4において、凹溝10を形成した部位より
さらに内端部側にはブッシュ8が設けられており、ロッ
ド3はこのブッシュ8と摺動することになる。
【0005】ここで、第1,第2のオイルシール13,
14及びダストシール15(以下において、これらを総
称する場合には、弾性シール部材という)は、前述した
シール機能を十分発揮させるようにするために、少なく
ともそれらのロッド3外周面への当接部はゴム等の弾性
部材で構成され、これらの弾性部材は予圧を与えた状態
にして、つまりロッド3の外周面に対して圧接状態にし
て組み込まれている。従って、ロッド3が伸縮する際に
は、このロッド3はこれらの弾性シール部材に対して摺
動することになる。この摺動を円滑に行わせ、弾性シー
ル部材を摩耗乃至損傷させないようにするために、ロッ
ド3の外周面には、高周波焼き入れ等により硬質化させ
た上で、外周面を研磨し、さらにメッキ処理を施すよう
に仕上げ加工がなされる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述したよ
うに、油圧ショベルのフロント作業機の駆動手段等とし
て油圧シリンダを用いる場合、その作動中に岩石等が衝
突する可能性がある。油圧シリンダが伸長すると、ロッ
ドがシリンダチューブから導出されて、その一部分が外
部に露出する。この時に、岩石等がロッドに衝突する
と、このロッドを損傷させることになる。ロッドはその
表面硬度は極めて高くなるように仕上げられているもの
の、衝突状態等によっては、表面に傷を生じさせる可能
性がある。そして、ロッドの外面を損傷させると、この
ロッドの外周面と摺接している弾性シール部材に傷が生
じることになる。その結果、ダストシールが損傷する
と、外部からの異物侵入機能が損なわれ、またオイルシ
ールが損傷すると、作動油の外部漏れを生じることにな
る等といった不都合を生じる。
【0007】また、油圧ショベル等の建設機械は野外に
配置される関係から、シリンダチューブからロッドを突
出させた状態で長い時間休止させると、粘土質の土やセ
メントがロッドの表面に付着してこびりつくおそれがあ
り、また合成樹脂シート,テープ,紙等が付着する可能
性もある。そして、ロッドへの付着物を除去しないまま
で機械を再起動し、ロッドをシリンダチューブ内に引き
込むと、ダストシールやオイルシールを損傷させる可能
性もある。
【0008】本発明は以上の点に鑑みてなされたもので
あって、その目的とするところは、ロッドに岩石等の衝
突による損傷等があっても、弾性シール部材がそれに起
因して損傷するのを極力抑制できるようにすることにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明は、ピストンを摺動可能に設けたシリン
ダチューブの一端側にロッドガイドを連結して設け、前
記ピストンに連結したロッドをこのロッドガイドを介し
て外部に導出させ、ロッドガイドの内周面には、前記シ
リンダチューブへの連結側である内端部側から順に、シ
リンダチューブの内部から作動油が漏れ出すのを防止す
るためのオイルシールと、外部からの異物が侵入するの
を防止するためのダストシールとを装着した油圧シリン
ダであって、前記ロッドガイドには、さらに前記ダスト
シールの装着部より外端側の位置に、前記ロッドの表面
に生じた突起を滑らかにするための尖端鈍化手段を設け
る構成としたことをその特徴とするものである。
【0010】ロッドがシリンダチューブの外部に導出さ
れている状態で、岩石やその他の物体が衝突すると、ロ
ッドが損傷したり、変形したりする可能性がある。ロッ
ドは高周波焼き入れ等により硬質化されているので、岩
石等の衝突により直ちに使用不能となる程度の損傷や変
形が生じるのは稀であるが、微小な傷が生じる可能性が
ある。たとえ、極めて微小な傷であっても、鋭利な尖端
となった突起がロッドの表面に生じたとしても、オイル
シールやダストシールからなる弾性シール部材にスクラ
ッチ傷を生じさせたり、摩耗を促進させたりすることに
なる。ただし、ロッドに多少の凹凸が生じたとしても、
表面に尖端部が形成されない限りは、つまり尖った突起
ではなく、丸みを帯びた突起である限りは、弾性シール
部材の撓みにより吸収されて、この弾性シール部材を格
別損傷させたり摩耗を生じたりするのを防止できる。
【0011】本発明では、従ってロッドの衝突物により
凹凸が生じるのをやむを得ないものとして、たとえ突起
等が生じても、弾性シール部材に対する損傷や摩耗を生
じさせないように無害化するようにしている。このため
に、ロッドガイドに装着されているダストシールより外
端側の位置に衝突物等によりロッド表面に生じた突起を
滑らかにする尖端鈍化手段を設けるように構成した。
【0012】突起そのものをなくすのではなく、微小で
鋭利な尖端を鈍化させるのであるから、この尖端を削り
取るか、または塑性変形させることによって、弾性シー
ル部材に傷や摩耗が生じない程度に丸みを持たせる。こ
の尖端鈍化手段は、具体的には、ロッドの外周面を囲繞
するように装着され、このロッド表面とは非接触状態で
対面する円環状の刃物、砥石、塑性変形部材の少なくと
もいずれか1つ乃至複数の組み合わせとして用いる。ロ
ッドの表面に尖端部が生じていないのに、尖端鈍化手段
がロッド表面に摺接させると、このロッド表面にかえっ
て傷が付くことになる。これを防止するには、ロッドガ
イドに円環状凹部を形成して、この円環状凹部に尖端鈍
化手段を装着するが、この尖端鈍化手段は、ロッドガイ
ドに対して前記ロッドの軸線と直交する方向に所定量移
動可能であり、かつこのロッドに作用する作用部の内径
は、ロッドの外径より僅かに大きいものとする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態について説明する。油圧シリンダの全体構成に
ついては、図8に示したものと格別の差異はないので、
それと同一または均等な部材については、同一の符号を
付して、その説明を省略する。まず、図1乃至図4に本
発明の第1の実施の形態を示す。まず、図1において、
20はロッドガイドを示し、このロッドガイド20はシ
リンダチューブ1内に設けたピストン2に連結したロッ
ド3を外部に導出させるためのものである。従って、ロ
ッドガイド20には、ロッド貫通孔20aが形成されて
いる。ロッド貫通孔20aの内面には、ブッシュ8の装
着部に近い内端側から順に4つの円環状の凹溝21〜2
4が形成されている。最内端側の凹溝21には、第1の
オイルシール13が、また内端から2番目の凹溝22に
は第2のオイルシール14が装着されており、さらに第
3番目の凹溝23にはダストシール15が装着されてい
る。
【0014】ロッドガイド20には、さらに第4番目の
凹溝24が最外端部の位置に形成されている。この凹溝
24には、尖端鈍化手段として、円環状の刃物25が装
着されている。この刃物25は、円環状板体25aの内
周部に円環状の刃先25bを連設したものであり、刃先
25bは円環状板体25aの外端側の面に形成されてお
り、好ましくは円環状板体25aの表面から外端側に多
少張り出した位置に形成されている。
【0015】ここで、油圧シリンダの作動中において、
ロッド3が伸長した状態で、このロッド3に岩石等が衝
突すると、その表面に図2(a)に示したような傷が付
くことがあある。この傷はロッド3の表面からの突起P
を含んでおり、この突起Pの先端が尖っているものもあ
る。この尖った突起Pが生じると、ロッド3が縮小し
て、この突起Pがシリンダチューブ1のロッド室5b内
に入り込む際に、第1,第2のオイルシール13,14
及びダストシール15を構成する弾性シール部材と摺接
して、スクラッチ状の傷を付けたり、摩耗を促進させた
りする。
【0016】そこで、ロッド3が縮小して、その表面に
生じた突起Pがこれら弾性シール部材を通過する前の段
階で、この突起Pを弾性シール部材に対して無害なもの
とするために、ダストシール15の配設位置より外端側
の位置に刃物25を設けている。従って、突起Pが弾性
シール部材と接触する前の段階で、刃物25の刃先25
bと接触する。その結果、図2(b)において、仮想線
で示したように、刃先25bにより突起Pの尖端部が削
り取られ、突起Pの尖端が鈍化されて、丸みを帯びた状
態になる。即ち、円環状に形成した刃先25bはロッド
3の表面に作用する作用部となる。このように、ロッド
3の表面に多少の突起Pが生じていても、尖端を削り取
って実質的に丸みを帯びたものとすることによって、こ
の突起Pが弾性シール部材の位置を通過する際に、これ
ら弾性シール部材が弾性変形することにより吸収され
て、弾性シール部材側に損傷乃至摩耗を生じさせること
がなくなる。
【0017】ここで、刃物25の刃先25bは、ロッド
3に突起Pが形成されない限り、ロッド3の表面とは実
質的に非接触状態に保持するのが望ましい。一方、刃先
25bがロッド3の表面から離れ過ぎていると、小さな
突起Pは刃先25bをかいくぐってしまう。従って、図
3に示したように、刃物25の刃先25bの直径とロッ
ド3の外径との径差である刃先25bとロッド3の外周
面との間の隙間Cは最小限のものとする。尖端鈍化によ
る弾性シール部材の損傷防止という観点からは、0<C
≦0.030mmとするのが最も望ましい。つまり、ロ
ッド3の外径より刃先25bの内径の方が大きいが、こ
の径差の下限値は実質的に0である。ロッド3には荷重
が作用することから、曲げ方向の力が作用する。ロッド
3の外径と刃先25bの内径とを全く同じ寸法とする
と、ロッド3に曲げ力が作用した時に、刃先25bが部
分的にロッド3の表面に押し付けられて、突起が生じて
いないにも拘らず、ロッド3の表面が削られることにな
る。径差の最大値を0.030mmとしたのは、ロッド
3に生じた突起Pがこれ以下の寸法であれば、たとえ尖
っていたとしても、弾性シール部材の寿命に影響を与え
る、つまりシール機能を喪失してしまう程度の傷なり摩
耗なりが生じない。
【0018】前述したように、ロッド3には曲げ力や捩
り力等が作用することから、刃物25をロッドガイド2
0に固定的に保持させていたのでは、ロッド3の外径と
ほぼ同じか、または僅かに大きい寸法とした刃先25b
がこのロッド3の表面と接触することになる。ただし、
刃先25bはロッド3に当接する場合には、点乃至線接
触状態となる。従って、ロッド3が曲がった時には、こ
れに追従して刃物25が軸線と直交する方向には実質的
に変位可能となし、軸線方向には実質的に変位不能とす
る。つまり、刃物25の傾きを規制する。
【0019】そこで、図1から明らかなように、刃物2
5における円環状板体25aの厚み寸法は、凹溝24の
溝幅より僅かに小さくする。この寸法差は、刃物25
が、凹溝24内でロッド3の軸線と直交する方向に変位
できるが、ロッド3の軸線に対する傾きが実質的に阻止
できる程度のものとする。一方、図3から明らかなよう
に、刃物25の外周面と凹溝24の溝底部との間に隙間
Dを設ける。この隙間Dの大きさは、刃物25を装着し
た位置でのロッド3の曲がりに依存する。ロッド3が荷
重により曲がるのは、ロッドガイド20から外側の部位
であり、曲げの始点位置は、ロッドガイド20に設けた
ブッシュ8の端部位置である。そして、ロッド3のブッ
シュ8への嵌合部には、最大0.25mm程度のクリア
ランスがある。しかも、曲げの始点位置から刃物25の
装着部までの間隔は極僅かなものである。従って、刃物
25と凹溝24の溝底部との間の隙間Dはロッド3とブ
ッシュ8との嵌合部のクリアランスと同程度か、または
それより僅かに大きくする。これによって、図4に示し
たように、ロッド3に最大に曲がった状態でも、刃物2
5はこれに追従してロッド3の軸線と直交する方向に変
位することになるので、刃先25bがロッド3の表面に
押し付けられるおそれはない。
【0020】さらに、ロッド3の表面に粘度質の土やセ
メント等がこびりついた状態でシリンダチューブ1内に
引き込まれると、オイルシール13,14やダストシー
ル15を損傷させたり、反転させたりするおそれがあ
る。しかしながら、ロッド3には刃物25の刃先25b
がロッド3の表面に対して極僅かな隙間を介して対面し
ているから、シリンダチューブ1の内に引き込まれる前
に、ロッド3の表面におけるこれらの付着物が掻き落と
すことができる。従って、刃物25はロッド3の表面の
クリーニング機能も発揮することになり、この点でも油
圧シリンダの作動の円滑性を確保でき、オイルシール1
3,14及びダストシール15の高い保護機能を発揮す
ることになる。
【0021】尖端鈍化手段の構成としては、ロッド3の
表面に生じた突起の尖った部分を削り取る刃物25を用
いたが、これ以外にも、例えば図5に示したように構成
することもできる。同図においては、刃物25に代え
て、円環状の砥石30をロッドガイド20の凹溝24に
装着するように構成している。この砥石30は、ロッド
3の表面に生じた突起Pの尖った先端部分を研磨するこ
とによって、尖端を鈍化させるものである。このよう
に、突起Pを研磨するには、砥石30の突起Pに対する
作用部を構成する内周面における軸線方向にできるだけ
広い幅を持たせる必要がある。このためには、凹溝24
の幅寸法をできるだけ広くするようになし、この凹溝2
4内に装着される砥石30の幅寸法を大きくする。
【0022】このように、砥石30を用いることによっ
て、ロッド3に衝突物に起因して突起Pが生じた時に、
その尖端部を研磨により鈍化させて、弾性シール部材に
とって無害なものとすることができる。なお、砥石30
の内径とロッド3の外径との寸法差及び砥石30の外径
と凹溝24の溝底部との間の隙間は、前述した第1の実
施の形態と実質的に同じ程度とする。また、砥石30の
傾きを規制する必要もある。
【0023】さらに、尖端鈍化手段の他の構成例として
は、図6に示した押圧用リング40がある。この押圧用
リング40は、ロッドガイド20の凹溝24内に装着さ
れて、その内周面がロッド3に生じた突起Pに対して作
用する作用部であり、この作用部は、突起Pを押し潰す
ように塑性変形させることによって、尖端部を鈍化させ
るものである。このために、押圧用リング40の内周面
は、ロッドガイド20の外端側から内端側に向けて連続
的に縮径したテーパ面40aとする。そして、最も縮径
された部位の内径は、実質的にロッド3の外径と同じ、
即ちロッド3の外周部との間に隙間が生じないようにす
る。ここで、押圧用リング40は、ロッド3の外周面と
摺接するようになっていても、このロッド3の外径寸法
が均一な状態となっている限り、格別の影響を与えるこ
とはない。ただし、ロッド3が荷重等の作用で曲がった
時には、押圧用リング40がこれに追従してロッド3の
軸線と直交する方向に変位する必要があるので、押圧用
リング40の外周面と凹溝24の溝底部との間には、第
1の実施の形態で説明したと同様の隙間を形成する必要
はある。
【0024】以上のように、ロッド3に岩石等の物体が
衝突して生じる突起の尖端部を鈍化させるために、第1
の実施の形態では刃物25を、第2の実施の形態では砥
石30を、さらに第3の実施の形態では押圧用リング4
0を用いたが、例えば図7に示したように、これらのう
ちの2種類のものを用いることもできる。即ち、図7に
おいては、ロッドガイド50には、第1,第2のオイル
シール13,14と、ダストシール15とを装着するた
めに、軸線方向に位置を違えて3箇所設けた円環状の凹
溝51,52,53に加えて、さらに2箇所の円環状凹
溝54,55を形成する。そして、ダストシール15を
装着した凹溝53に隣接する位置に設けた円環状凹溝5
4には押圧用リング40を装着し、また最外端側の凹溝
55には刃物25を装着する。
【0025】このように構成すれば、ロッドガイド50
から導出したロッド3の表面に岩石等の衝突により生
じ、尖端部を有する突起Pは、ロッド3が縮小する間
に、まず刃物25で尖った部分が削り取られ、次いで押
圧用リング40の作用で削り取った後のロッド3の表面
を滑らかにすることができる。その結果、突起Pの鈍化
をさらに促進させると共に、刃物25が突起Pの位置を
通過する動作時に、泥等の付着物や、その他シート,テ
ープ等の異物の排除も行える。
【0026】
【発明の効果】本発明は以上のように構成したので、油
圧シリンダの作動時において、ロッドが導出されている
状態で、その表面に岩石等の物体が衝突して、傷が付い
たとしても、ロッドが縮小する際に、この傷により生じ
る尖った部分を鈍化させることによって、オイルシール
やダストシール等からなる弾性シール部材が損傷した
り、摩耗したりするのを確実に防止でき、これら弾性シ
ール部材を長寿命化することができる等の効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す油圧シリンダ
の要部断面図である。
【図2】図1の作用説明図である。
【図3】図1のX−X断面図である。
【図4】ロッドが最大に曲がった状態を示す図3と同様
の断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態を示す油圧シリンダ
の要部断面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態を示す油圧シリンダ
の要部断面図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態を示す油圧シリンダ
の要部断面図である。
【図8】従来技術による油圧シリンダの断面図である。
【図9】図8のロッドガイドの部位の要部拡大断面図で
ある。
【符号の説明】
1 シリンダチューブ 2 ピストン 3 ロッド 20,50 ロッドガイド 21〜24,51〜55 凹溝 25 刃物 25a 刃先 30 砥石 40 押圧リング 40a テーパ面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 盧 明徳 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 Fターム(参考) 2D015 BA04 3H081 BB02 CC08 CC13 CC24 DD24 HH01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストンを摺動可能に設けたシリンダチ
    ューブの一端側にロッドガイドを連結して設け、前記ピ
    ストンに連結したロッドをこのロッドガイドを介して外
    部に導出させ、ロッドガイドの内周面には、前記シリン
    ダチューブへの連結側である内端部側から順に、シリン
    ダチューブの内部から作動油が漏れ出すのを防止するた
    めのオイルシールと、外部からの異物が侵入するのを防
    止するためのダストシールとを装着した油圧シリンダに
    おいて、 前記ロッドガイドには、さらに前記ダストシールの装着
    部より外端側の位置に、前記ロッドの表面に生じた突起
    を滑らかにするための尖端鈍化手段を設ける構成とした
    ことを特徴とする油圧シリンダ。
  2. 【請求項2】 前記尖端鈍化手段は、前記ロッドの外周
    面を囲繞するようにして設けた円環状の刃物、砥石、塑
    性変形部材の少なくともいずれか1つ構成したことを特
    徴とする請求項1記載の油圧シリンダ。
  3. 【請求項3】 前記ロッドガイドに円環状凹部を形成し
    て、この円環状凹部に前記尖端鈍化手段を装着し、この
    尖端鈍化手段は、前記ロッドガイドに対して前記ロッド
    の軸線と直交する方向に所定量移動可能であり、かつこ
    のロッドに作用する作用部の内径は、ロッドの外径より
    僅かに大きいものであることを特徴とする請求項1また
    は請求項2記載の油圧シリンダ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100621984B1 (ko) 2004-10-15 2006-09-19 볼보 컨스트럭션 이키프먼트 홀딩 스웨덴 에이비 유압실린더의 실링 구조
JP2012215299A (ja) * 2011-03-31 2012-11-08 Haldex Brake Corp スプリングブレーキアクチュエータのための滑らかなボア動的中央シール
KR101253142B1 (ko) 2011-01-11 2013-04-10 (주)영창로보테크 실링 구조를 적용한 산업용 그리퍼의 실린더

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